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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】撮影装置用スタビライザー
(51)【国際特許分類】
   F16M 11/04 20060101AFI20240909BHJP
   F16M 11/12 20060101ALI20240909BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240909BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240909BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20240909BHJP
   H04N 23/661 20230101ALI20240909BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20240909BHJP
【FI】
F16M11/04 E
F16M11/12 H
G03B15/00 P
G03B15/00 Q
G03B17/56 A
H04N5/222 100
H04N23/661
H04N23/695
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023508078
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 CN2020138634
(87)【国際公開番号】W WO2022027906
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】202010776743.3
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519142206
【氏名又は名称】深▲せん▼市浩瀚卓越科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hohem Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 106, Building 2, Jiuxiangling Industrial Park, 4227 Xili Lake Road, Xili Street, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong, 518055 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 敏
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210469439(CN,U)
【文献】実開昭58-076268(JP,U)
【文献】特開平06-167332(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0108412(US,A1)
【文献】特開2016-048863(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110913137(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/00 - 13/08
G03B 15/00 - 17/58
H04N 5/222
H04N 23/60 - 23/698
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプ部材と、対象物追跡部材と、制御部材と、を備え、
前記対象物追跡部材は、前記クランプ部材によって撮影装置に固定的に接続され、前記対象物追跡部材と前記撮影装置のカメラとの間の距離は、所定の距離閾値以下であり、前記対象物追跡部材の向きは、前記カメラの向きに一致し、
前記制御部材と前記対象物追跡部材との間には、ネットワーク接続が確立されており、
前記対象物追跡部材は、向かっている方向の探知情報を取得し、前記探知情報に基づいて目標対象物の位置情報を取得すると、前記位置情報に基づいて前記ネットワーク接続を介して前記制御部材に追跡移動命令を送信するように構成され、
前記制御部材は、前記追跡移動命令を受信すると、前記撮影装置のカメラが前記目標対象物に向かうように、前記位置情報に基づいて位置調整制御を行うように構成され
前記クランプ部材は、前記制御部材に固定的に接続された第1のクランプ部を含み、前記第1のクランプ部は、前記撮影装置をクランプするために用いられ、
前記対象物追跡部材は、前記撮影装置に固定的に接続されるように、前記第1のクランプ部上に設けられる
ことを特徴とする撮影装置用スタビライザー。
【請求項2】
前記所定の距離閾値は、前記撮影装置の長さである
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項3】
記対象物追跡部材は、前記撮影装置に固定的に接続されるように、前記第1のクランプ部上に脱着不可に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項4】
記クランプ部材は、前記対象物追跡部材上に設けられた第2のクランプ部を更に含み、
前記対象物追跡部材は、前記撮影装置に固定的に接続されるように、前記第2のクランプ部によって前記第1のクランプ部上に脱着可能にクランプされ
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項5】
記対象物追跡部材は、前記第1のクランプ部の異なる位置に設けられた第1の対象物追跡ユニット及び第2の対象物追跡ユニットを含み
前記制御部材は、更に、
位置補正命令を受信すると、前記第1の対象物追跡ユニット及び前記第2の対象物追跡ユニットの探知情報を取得し、
前記第1の対象物追跡ユニット及び前記第2の対象物追跡ユニットの探知情報に基づいて、位置補正制御を行うように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項6】
前記制御部材は、接続軸を含み、前記接続軸は、2軸及び3軸を含むがこれらに限定されなく、前記接続軸の一端は、前記第1のクランプ部に固定的に接続される
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項7】
前記撮影装置用スタビライザーは、モータを更に含み、前記モータは、前記接続軸を介して前記第1のクランプ部に接続され、前記制御部材は、プロセッサを更に含み、
前記プロセッサは、有線ネットワーク又は無線ネットワークを介して前記対象物追跡部材が送信した追跡移動命令を受信すると、前記モータに回転命令を送信するように構成され、
前記モータは、前記回転命令に従って回転し、前記撮影装置のカメラの向きを調整するように、前記接続軸を介して前記第1のクランプ部を駆動して位置調整を行うように構成される
ことを特徴とする請求項に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項8】
前記クランプ部材は、第3のクランプ部が設けられたモータを更に含み、前記モータの一端は、前記第3のクランプ部によって前記撮影装置をクランプし、他端は、前記制御部材に固定的に接続され、
前記対象物追跡部材は、前記撮影装置に固定的に接続されるように、前記モータ上に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項9】
前記撮影装置用スタビライザーは、手持ち式スタビライザーである
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項10】
前記対象物追跡部材は、
前記探知情報に基づいて第1のポーズ特徴を取得すると、前記目標対象物の位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて前記ネットワーク接続を介して前記制御部材に前記追跡移動命令を送信するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置用スタビライザー。
【請求項11】
前記対象物追跡部材は、前記探知情報に基づいて第2のポーズ特徴を取得すると、向かっている方向の探知情報の取得を停止するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置用スタビライザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの技術分野に関し、特に撮影装置用スタビライザーに関する。
【0002】
本出願は、2020年08月05日に出願された、出願番号が202010776743.3であり、発明名称が「撮影装置用スタビライザー」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体を参照により本出願に組み込む。
【背景技術】
【0003】
ライフスタイルの多様化に伴い、人々は携帯電話等の撮影装置で写真や動画を自分で撮影することが多い。撮影効果を確保するために、三脚ヘッド、手持ち式スタビライザー等の撮影装置のスタビライザーがどんどん登場している。これらのスタビライザーは、撮影装置を安定する役割を果たすほか、APP(Application,アプリケーション)と合わせて目標追跡などの智的インタラクション機能を実現することもできる。
【0004】
現在市販されているスタビライザーは、目標追跡を実現するためにメーカーが提供する特定のAPPに頼らなければならないため、使用者は追跡撮影を行うために特定のAPPをインストールしなければならない。このようなスタビライザーは使用の複雑度がより高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、スタビライザーの使用の複雑度がより高い問題に対して、撮影装置用スタビライザーを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
撮影装置用スタビライザーであって、クランプ部材と、対象物追跡部材と、制御部材と、を備え、前記対象物追跡部材は、前記クランプ部材によって撮影装置に固定的に接続され、前記対象物追跡部材と前記撮影装置のカメラとの間の距離は、所定の距離閾値以下であり、前記対象物追跡部材の向きは、前記カメラの向きに一致し、前記制御部材と前記対象物追跡部材との間には、ネットワーク接続が確立されており、前記対象物追跡部材は、向かっている位置の探知情報を取得し、前記探知情報に基づいて目標対象物の位置情報を取得すると、前記位置情報に基づいて前記ネットワーク接続を介して前記制御部材に追跡移動命令を送信するように構成され、前記制御部材は、前記追跡移動命令を受信すると、前記撮影装置のカメラが前記目標対象物に向かうように、前記位置情報に基づいて位置調整制御を行うするように構成される。
【0007】
上記の技術的解決策において、対象物追跡部材とカメラとの間の距離が十分に小さく、両者の向きが一致しているため、対象物追跡部材は制御部材とのインタラクションによってカメラの向きを調整して、目標追跡を実現することができ、すなわち、特定のAPPとの協力が必要とせずに、撮影装置用スタビライザーのみで目標追跡を実現することができ、これにより、目標追跡の効率を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例における撮影装置用スタビライザーの構成模式図である。
図2】一実施例において対象物追跡部材と撮影装置の固定的な接続を示す模式図である。
図3】他の一実施例において対象物追跡部材と撮影装置の固定的な接続を示す模式図である。
図4】また他の一実施例において対象物追跡部材と撮影装置の固定的な接続を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0010】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子は特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0011】
なお、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0012】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、机械的接続であってもよいし、電気的に接続であってもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の互相作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本発明における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0013】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0014】
説明すべきものとして、一方の素子が他方の素子に「固定される」又は「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0015】
本発明の一実施例は、撮影装置用スタビライザーを提供する。当該撮影装置用スタビライザーは、クランプ部材と、対象物追跡部材と、制御部材と、を備え、前記対象物追跡部材は、前記クランプ部材によって撮影装置に固定的に接続され、前記対象物追跡部材と前記撮影装置のカメラとの間の距離は、所定の距離閾値以下であり、前記対象物追跡部材の向きは、前記カメラの向きに一致し、前記制御部材と前記対象物追跡部材との間には、ネットワーク接続が確立されており、前記対象物追跡部材は、向かっている位置の探知情報を取得し、前記探知情報に基づいて目標対象物の位置情報を取得すると、前記位置情報に基づいて前記ネットワーク接続を介して前記制御部材に追跡移動命令を送信するように構成され、前記制御部材は、前記追跡移動命令を受信すると、前記撮影装置のカメラが前記目標対象物に向かうように、前記位置情報に基づいて位置調整制御を行うように構成される。
【0016】
図1を参照すると、図1は本発明の一実施例における撮影装置用スタビライザーの構成模式図を示す。当該撮影装置用スタビライザーは、対象物追跡部材101と、クランプ部材102と、制御部材103と、を備える。対象物追跡部材101は、クランプ部材102を介して撮影装置に固定的に接続される(説明すべきものとして、図1では、対象物追跡部材101をクランプ部材102上に固定して撮影装置に固定的に接続することを矢印で示しているが、実際の適用環境では他の固定的な接続方式を採用してもよい)。
【0017】
対象物追跡部材101と制御部材103との間には、ネットワーク接続が確立されており、両者は当該ネットワーク接続を介して通信して、撮影装置のカメラが目標対象物に向かうように、位置調整を実現して、さらに目標追跡の目的を実現する。
【0018】
ここで、撮影装置は、カメラ、スマートフォン、タブレット等の、カメラが搭載されており、撮影機能を有する様々な電子デバイスであってもよい。スタビライザーは、例えば、手持ち式スタビライザー、三脚ヘッドスタビライザー等の、クランプしたデバイスに対して位置安定の機能を有する様々な部品であってもよい。
【0019】
対象物追跡部材とは、前方の対象物に対して追跡を行うことができる部材を指し、視覚探知技術、レーダー探知技術、赤外線探知技術等に基づいて対象物追跡を実現する部材であってもよい(視覚探知技術の例を取ると、この場合、対象物追跡部材は視覚追跡部材又は視覚追跡モジュールと呼ばれることができる)。更に、対象物追跡部材は、撮影装置、レーダー探知機、赤外線探知機等であってもよい。採用する技術に応じて、対象物追跡部材は、異なる対象物を的確に探知することができ、視覚追跡部材の例をとると、探知する対象物は、視覚探知技術によって探知できる、例えば人、建物、動物等の様々な対象物であってもよい。更に、対象物追跡部材は、撮影装置用スタビライザー上に固定的に配置された部品であってもよいし、撮影装置用スタビライザーから独立した他の部材の独立部材であってもよい。一実施例において、撮影装置用スタビライザーの携帯性を確保するために、対象物追跡部材は、小型カメラ、小型赤外線探知機等の小さなサイズの部品を採用して実現する。
【0020】
クランプ部材とは、クランプ機構によってある物体を他の物体上に固定できる部材を指す。クランプ部材によって撮影装置に固定的に接続される場合、対象物追跡部材、クランプ部材及び撮影装置は、相対的に静止している状態にある。ここで、固定的に接続されるとは、対象物追跡部材とクランプ部材と撮影装置とが一体的に接続されることを意味してもよいし、クランプ部材が対象物追跡部材又はクランプ部材にそれぞれ一体的に接続されることを意味してもよい。クランプ部材と対象物追跡部材とが一体的に接続されていると仮定すると(全体として対象物追跡部品とすると)、当該対象物追跡部品はクランプの方式によって撮影装置上に搭載されてもよい。また、クランプ部材と対象物追跡部材とクランプ部材とがいずれも可動的に接続される状態にあり、クランプ部材は特定の方式(例えば、ネジ接続、係合接続等)によってそれぞれ対象物追跡部材、撮影装置に協働して接続されてもよい。
【0021】
説明すべきものとして、クランプ部材は、撮影装置を固定できる。一方、対象物追跡部材は、撮影装置上の特定のAPPと通信しなくても、位置調整を実現することができる。したがって、いくつかの実施例において、撮影装置用スタビライザー上に撮影装置を装着せずに、目標対象物の位置追跡を実現することもできる。この場合、対象物追跡部材は、目標対象物の位置情報を取得し、制御部材は、対象物追跡部材が常に目標対象物に向かうように、当該位置情報に基づいて対象物追跡部材の位置を調整する。
【0022】
制御部材とは、論理制御機能と位置移動機能を有する部材を指す。更に、制御部材は、プロセッサと接続軸とを含んでもよく、当該プロセッサは、論理演算を実現して、論理演算結果に基づいて制御命令を出力することができ、当該接続軸は、プロセッサが出力した制御命令に応じて回転して、撮影装置、クランプ部材等を駆動して位置調整を行うことができる。いくつかの実施例において、制御部材と撮影装置との間は、ブルートゥース(登録商標)、有線通信等の方式によりネットワーク通信を行うことができる。
【0023】
対象物追跡部材と撮影装置のカメラとの間の距離は、所定の距離閾値以下である(すなわち、所定の距離閾値である)。この所定の距離閾値は、実際の状況に応じて調整することができ、撮影装置の長さ(クランプする撮影装置の長さであってもよいし、特定の種類の撮影装置(例えば、携帯電話、眼レフカメラ等)の平均的な長さであってもよい)等の特定の物体の長さであってもよいし、10cm、5cm、1cm等の特定の長さの値であってもよい。対象物追跡部材と撮影装置のカメラとの間の距離とは、対象物追跡部材の中心(又は縁部)とカメラレンズ(具体的にレンズであってもよい)の中心(又は縁部)との間の距離を指してもよい。更に、対象物追跡部材と撮影装置のカメラとの間の距離は、所定の距離閾値以下であるため、対象物追跡部材とカメラとの間の距離が十分に小さくなる。ここで、距離が十分に小さいとは、カメラの正常な撮影を妨げない限り、対象物追跡部材をできるだけカメラに近づけることを意味する。具体的に、対象物追跡部材と撮影装置のカメラとの間の距離とは、対象物追跡部材の縁部とカメラの縁部との間の距離を指し、所定の距離閾値は0である。すなわち、対象物追跡部材は、カメラの視野を遮らない程度にカメラの縁部に設けられるため、カメラの正常な撮影を確保できる。
【0024】
更に、撮影対象物と撮影装置との間の距離がより遠い場合、例えば、撮影対象物と撮影装置との間の距離が10mよりも大きい場合(説明すべきものとして、この距離は実際の状況に応じて調整できる)、対象物追跡部材とカメラとの間の距離は比較的大きい値、例えば10cmであってもよい。一方、撮影対象物と撮影装置との間の距離がより近い場合、例えばセルフタイマー状態において撮影対象物と撮影装置との間の距離が0.5米よりも小さい場合(説明すべきものとして、この距離は実際の状況に応じて調整できる)、対象物追跡部材とカメラとの間の距離は比較的小さい値、例えば1cmであってもよい。したがって、対象物追跡部材とカメラとの間の距離は、撮影装置と撮影対象物との間の距離に基づいて調整することができる。更に、所定の距離閾値は、撮影装置と撮影対象物との間の距離に設定係数(例えば0.1)を乗じて得る。
【0025】
対象物追跡部材とカメラとの向きが一致するとは、対象物追跡部材のプローブの向きとカメラの向きが一致することを指してもよい。更に、向きが一致するとは、対象物追跡部材のプローブの視野範囲とカメラの視野範囲との一致度が設定閾値(この閾値は、実際の状況に応じて決定することができ、例えば80%、90%等である)よりも高いことを指してもよい。
【0026】
一実施例において、対象物追跡部材とカメラとの向きが一致するとは、撮影装置が撮影状態にある時には、対象物追跡モジュールと撮影装置のカメラとの向きが一致する一方、非撮影状態にある時には、両者の向きが一致していないことを指してもよい。更に、撮影状態にある撮影装置のカメラと対象物追跡状態にある対象物追跡部材との向きが一致してもよい。ここで、対象物追跡状態にあるとは、対象物追跡部材が起動状態にあるか、又は、対象物追跡部材が前方の探知情報を取得する状態にあるか、又は、対象物追跡部材が目標対象物の位置情報を取得する状態にあることを指してもよい。
【0027】
撮影装置上には、少なくとも1つのカメラが設けられてもよく、これらのカメラの設置方向は、一致してもよいし、一致しなくてもよい。携帯電話の例をとると、カメラが2つ以上あれば、これらのカメラは、すべて背面カメラであってもよいし、すべて前面カメラであってもよいし、前面カメラもあるし、背面カメラもあってもよい。更に、いくつかの実施例において、対象物追跡部材は、撮影装置のカメラの設置方向に応じて設けられてもよい。例えば、前面カメラと背面カメラが設けられている携帯電話の場合、前面対象物追跡部材(プローブがスクリーンが位置する携帯電話の正面に向かっており、すなわち前面カメラの設置方向に一致する)及び背面対象物追跡部材(プローブが携帯電話の背面に向かっており、すなわち背面カメラの設置方向に一致する)がそれぞれ設けられてもよいし、背面対象物追跡部材(この場合には、対象物追跡部材は、携帯電話の背面カメラが撮影状態にある時に対象物追跡過程を起動する一方、前面カメラが撮影状態にある時には対象物追跡過程を起動しない)のみ又は前面対象物追跡部材のみが設けられてもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、対象物追跡モジュールには、方向調整機構が接続されてもよい。制御部材は、方向調整機構によって対象物追跡モジュールのプローブの向きを制御してもよい。更に、カメラの設置方向及び起動状態に基づいて対象物追跡部材に対して方向調整を行って、その向きがカメラの向きに一致するようにしてもよい。以下、例を挙げて、対象物追跡部材の方向調整を説明する。前面カメラ及び背面カメラが設けられている携帯電話の例をとると、前面対象物追跡部材及び背面対象物追跡部材が設けられていると仮定すると、初期状態で前面対象物追跡部材及び背面対象物追跡部材は両方もオフ状態にあり、制御部材は携帯電話から送信された背面カメラ起動情報を受信すると、背面対象物追跡部材に起動命令を送信し、この場合、背面対象物追跡部材が起動し、撮影状態にある背面カメラ及び対象物追跡状態にある背面対象物追跡部材は両方も携帯電話の背面に向かっており、両者の向きが一致している。前面カメラ及び背面カメラが設けられている携帯電話の例をとると、1つの対象物追跡部材のみを有し、当該対象物追跡部材の初期状態が携帯電話の正面に向かっていると仮定すると、制御部材は、携帯電話から送信された背面カメラ起動情報を受信すると、対象物追跡部材のプローブが携帯電話の背面に向かうように方向調整機構を制御する(例えば、対象物追跡部材のプローブが携帯電話の背面に向かうように方向を回転する)と同時に、対象物追跡部材を制御して起動し、この場合、撮影状態にある背面カメラ及び追跡状態にある対象物追跡部材は両方も携帯電話の背面に向かっており、両者の向きが一致している。
【0029】
対象物追跡部材のプローブとカメラとの距離及び向きの関係によって、両者の視野範囲が十分に接近する。この場合、カメラが撮影できる対象物は対象物追跡部材にも探知され得るとほぼ見なすことができる。したがって、撮影装置用スタビライザーは、撮影装置と通信できない場合(すなわち、スタビライザーと通信できる特定のAPPが撮影装置にインストールされていない場合)には、対象物追跡部材の探知情報に基づいて位置調整制御を行うことにより、撮影装置に対する位置調整の目的を達成することができる。
【0030】
更に、対象物追跡の過程において、対象物追跡部材は、向かっている位置の探知情報を取得する。ここで、向かっている位置の探知情報とは、対象物追跡部材のプローブが向かっている位置のすべての探知情報を指してもよい。更に、視覚追跡部材の例をとると、視覚追跡部材は、向かっている位置の写真又は動画を取得し、取得した写真又は動画を探知情報としてもよい。
【0031】
前記探知情報に基づいて目標対象物の特徴識別情報が存在すると決定されると、対象物追跡部材は、目標対象物の位置情報を取得する。ここで、目標対象物は、現在の追跡制御方法に対応する対象物である。更に、目標対象物は、例えば人、建物、動物等の特定の種類の対象物であってもよいし、例えば特定の人、特定の建物、特定の動物等の具体的な特定の対象物であってもよい。
【0032】
特徴識別情報は、目標対象物のある状態での特徴であってもよい。更に、目標対象物の特定のポーズ、特定の動作中の特徴であってもよい。ポーズは、姿勢(例えば、立位姿勢、しゃがみ姿勢、伏臥姿勢等)、ジェスチャー(例えば、「OK」ジェスチャー、「V」字ジェスチャー、「停止」ジェスチャー等)などであってもよく、動作とは、様々な種類の肢体の動作(例えば、うなずき、首振り、腰振り、特定のジェスチャーの振り等)、顔の動作(例えば、大笑い、まばたき等)などを指してもよい。いくつかの実施例において、特徴識別情報とは、声音識別情報(例えば、音色、音量、音声帯域等)を指してもよい。また、特徴とは、目標対象物が置かれた状態での状態特徴を指すことができ、ポーズの大きさ、動作の周波数などであってもよい。
【0033】
更に、対象物追跡部材は、探知情報を取得した後、探知情報に対して特徴分析を行って、探知特徴を得、当該探知特徴に基づいて目標対象物の特徴識別情報が存在するか否かを決定する。当該特徴識別情報が存在する場合、目標追跡トリガー情報を受信したと判定し、目標対象物の位置情報を取得する。
【0034】
また更に、対象物追跡部材は、前記位置情報に基づいて前記制御部材に追跡移動命令を送信し、前記撮影装置のカメラが前記目標対象物に向かうように、前記位置情報に基づいて位置調整制御を行うように前記制御部材をトリガーする。
【0035】
ここで、位置調整とは、位置移動、角度調整などを指すことができる。対象物追跡部材(撮影装置を含んでもよい)に対する位置調整であってもよい。
【0036】
更に、制御部材は、追跡移動命令を受信した後、追跡制御プログラムを起動する。具体的に、制御部材は、位置情報に基づいて目標対象物が対象物追跡部材の視野の中間位置に位置する時の対応する目標位置及び目標角度を決定し、対象物追跡部材及び撮影装置が目標対象物に向かうように、当該目標位置及び目標角度に基づいて対象物追跡部材及び撮影装置の位置及び/又は角度を調整する。また更に、クランプ部材と対象物追跡部材及び撮影装置とは位置が相対的に固定された状態にあるので、クランプ部材を調整することで対象物追跡部材及び撮影装置に対して位置調整を行ってもよい。
【0037】
いくつかの実施例において、探知情報に基づいて目標対象物が静止状態にあると決定される場合、その位置が変化していないことを示するため、制御部材に追跡移動命令を一時送信しなくてもよい。更に、探知情報に基づいて目標対象物の位置が変化したと決定される場合のみ、制御部材に追跡移動命令を送信する。このような処理方式により、目標対象物の追跡を実現しつつ、対象物追跡部材と制御部材との間のインタラクションの回数を減らし、それらの負荷を減らし、他の業務に多くの時間をかけて対応できることを確保する。
【0038】
上記の撮影装置用スタビライザーは、対象物追跡部材とカメラとの間の距離が十分に小さく、両者の向きが一致しており、それにより、対象物追跡部材は、制御部材とインタラクションしてカメラの向きを調整して、目標追跡を実現することができ、すなわち、特定のAPPとの協力を必要とせずに、撮影装置用スタビライザーのみで目標追跡を実現することができる。対象物追跡部材がクランプ部材上に直接固定される場合には、撮影装置も必要とせずに、撮影装置用スタビライザーのみで目標追跡を行う目的を実現することができ、このように、目標追跡の効率を効果的に向上させることができる。
【0039】
なお、撮影装置は、撮影装置用スタビライザーとは独立している。撮影装置は、任意の時点でも写真又は動画の撮影を開始することができる。
【0040】
一実施例において、前記クランプ部材は、前記制御部材に固定的に接続された第1のクランプ部を含み、前記第1のクランプ部は、前記撮影装置をクランプするために用いられ、前記対象物追跡部材は、前記撮影装置に固定的に接続されるように、前記第1のクランプ部上に設けられる。
【0041】
図2に示すように、撮影装置は、携帯電話であり、携帯電話スタビライザー201は第1のクランプ部202(図2では、2つの第1のクランプ部202を示し、この2つクランプ部は協力して携帯電話をクランプする。実際の適用場面では、第1のクランプ部の数はもっと多くても少なくてもよい。)によって携帯電話203をクランプし、この場合、対象物追跡部材204は第1のクランプ部202上に固定されて、対象物追跡部材と第1のクランプ部と携帯電話との間の固定的な接続を実現することができる。この場合、対象物追跡部材204の向きは、携帯電話カメラ205の向きに一致しており、両者の距離がより小さい。なお、対象物追跡部材は、第1のクランプ部の任意の位置に設けられてもよい。また、第1のクランプ部が2つ以上あれば、対象物追跡部材は、すべての第1のクランプ部上に設けられてもよいし、そのうちの一部の第1のクランプ部上に設けられてもよい。
【0042】
従来の撮影装置用スタビライザーにはすべて第1のクランプ部が設けられており、本実施例では対象物追跡部材を第1のクランプ部に直接設けることにより、本来のスタビライザーの構成を変更せずに目標対象物の追跡を容易に実現することができ、対象物追跡の実現のコストを効果的に削減することができる。
【0043】
一実施例において、前記クランプ部材は、前記対象物追跡部材上に設けられた第2のクランプ部を含み、前記対象物追跡部材は、前記撮影装置に固定的に接続されるように、前記第2のクランプ部によって前記撮影装置をクランプする。
【0044】
このようなクランプ方式では、対象物追跡部材は、撮影装置用スタビライザー上の任意に脱着可能な外付けアクセサリーであってもよいし、撮影装置又は撮影装置用スタビライザーの任意の位置にクランプされたものであってもよい。図3に示すように、撮影装置は携帯電話であり、携帯電話スタビライザー301は、クランプ部材302によって携帯電話303をクランプし、この場合、対象物追跡部材304は、第2のクランプ部(図3では示せず)によって携帯電話303のカメラ305に近い位置にクランプされて、対象物追跡部材と第2のクランプ部と携帯電話との間の固定的な接続を実現する。この場合、対象物追跡部材304の向きは、携帯電話カメラ305の向きに一致し、両者の距離は十分に小さい。
【0045】
本実施例において、対象物追跡部材上には第2のクランプ部が設けられることにより、対象物追跡部材は任意のクランプできる位置にクランプすることができるため、利便性が高い。また、このように、対象物追跡部材は撮影装置のカメラにできるだけ近い位置にクランプすることができるため、対象物追跡部材と撮影装置との視野範囲が十分に近くなり、位置調整後の撮影装置が目標対象物を正確に撮影することができ、対象物追跡の精度を確保することができる。
【0046】
一実施例において、制御部材は、位置補正命令によってトリガーされて位置補正を行うことができ、位置補正を完了した後、対象物追跡部材は探知情報の取得を開始して、対象物追跡を開始する。
【0047】
一実施例において、前記対象物追跡部材は、第1の対象物追跡ユニットと第2の対象物追跡ユニットとを含み、前記第1の対象物追跡ユニットは、前記第1のクランプ部上に設けられ、前記第2の対象物追跡ユニットは、前記第2のクランプ部によって前記撮影装置にクランプされ、前記制御部材は、更に、位置補正命令を受信すると、前記第1の対象物追跡ユニット及び前記第2の対象物追跡ユニットの探知情報を取得し、前記第1の対象物追跡ユニット及び前記第2の対象物追跡ユニットの探知情報に基づいて、位置補正制御を行うように構成される。
【0048】
更に、第1の対象物追跡ユニットの探知情報に基づいて視野内の特徴点の第1の位置を決定し、第2の対象物追跡ユニットの探知情報に基づいて当該特徴点の第2の位置を決定し、第1の位置と第2の位置とを組み合わせて特徴点の位置を決定し、更に撮影装置の向きが要件(例えば、向きの角度等)を満たすか否かを決定することができる。要件を満たしていない場合、制御部材は、第1の対象物追跡ユニット、第2の対象物追跡ユニット及び撮影装置の向きを調整するように位置補正制御を行う。また更に、対象物追跡ユニットが1つしかない場合にも、上記方式を採用して位置補正制御を行うことができる。
【0049】
具体的には、目標対象物の追跡セルフタイマー撮影中に小顔に見せる必要のある場合を例にとる。第1の対象物追跡ユニットの探知情報に基づいて視野内の鼻の第1の位置を決定し、第2の対象物追跡ユニットの探知情報に基づいて鼻の第2の位置を決定し、第1の位置と第2の位置とを組み合わせて鼻の位置を決定し、更に撮影装置の向きの角度が小顔に見せる要件を満たすか否かを決定することができる。要件を満たしていない場合、制御部材は、第1の対象物追跡ユニット、第2の対象物追跡ユニット及び撮影装置の向きを調整するように位置補正制御を行い、これにより、撮影装置によって撮影されるセルフタイマー写真がすべて小顔に見せる写真になる。
【0050】
上記実施例において、2つの対象物追跡ユニットが異なる位置にそれぞれ設けられ、位置補正命令が受信されると、この2つの対象物追跡ユニットの探知情報に基づいて位置補正制御を行うので、補正過程が簡単かつ確実になり、ユーザーのニーズに応じた的確な補正を行うことができ、ユーザーの多様な要件を満たすことができる。
【0051】
ここで、位置補正とは、制御部材の制御の下で、対象物追跡部材及び撮影装置が前方又は特定の位置に向かう(或は目標対象物に向かう)ように、対象物追跡部材及び撮影装置の位置調整を完了することを指してもよい。
【0052】
更に、対象物追跡部材は、向かっている位置の探知情報を取得して、探知情報を得るステップと、当該探知情報に基づいて前記撮影装置用スタビライザーの振れ周波数を決定するステップと、前記振れ周波数が所定の周波数閾値よりも大きい場合、前記制御部材が位置補正制御を行うように、前記制御部材に位置補正命令を送信するステップと、を更に実行してもよい。
【0053】
ここで、所定の周波数閾値は、実際の状況に応じて決定することができ、例えば20回/秒であってもよい。更に、振れ周波数が所定の周波数閾値よりも大きいと決定される場合、対象物追跡部材は、振れ周波数を取得し続け、設定期間範囲(例えば5秒)内の振れ周波数が常に所定の周波数閾値よりも大きい場合、対象物追跡部材は制御部材に位置補正命令を送信する。
【0054】
本実施例において、対象物追跡部材は、探知情報を取得し、探知情報からある特徴点を決定し、視野内の当該特徴点の位置変化情報に基づいて撮影装置用スタビライザーの振れ周波数を決定し、当該振れ周波数が大きすぎる場合、位置補正トリガー情報を受信したと判定し、この場合、対象物追跡部材は、制御部材が位置補正を行うように制御部材をトリガーする。ユーザーとのインタラクション情報に基づいて位置補正をトリガーすることができ、使用の利便性を確保しつつ、対象物追跡の精度を向上させることができる。
【0055】
一実施例において、対象物追跡部材は、向かっている位置の探知情報を取得して、探知情報を得るステップと、当該探知情報に基づいて前記撮影装置用スタビライザーの振れ角度を決定するステップと、前記振れ角度が所定の角度閾値よりも大きい場合、前記制御部材が位置補正制御を行うように、前記制御部材に位置補正命令を送信するステップと、を更に実行してもよい。
【0056】
ここで、所定の角度閾値は、実際の状況に応じて決定することができ、例えば20°であってもよい。更に、振れ角度が所定の角度閾値よりも大きいと決定される場合、対象物追跡部材は、振れ角度を取得し続け、設定期間範囲(例えば5秒)内の振れ角度が常に所定の角度閾値よりも大きい場合、対象物追跡部は材制御部材に位置補正命令を送信する。
【0057】
本実施例において、対象物追跡部材は、探知情報を取得し、当該探知情報からある特徴点を決定し、視野内の当該特徴点の位置変化情報に基づいて撮影装置用スタビライザーの振れ角度を決定し、当該振れ角度が大きすぎる場合、位置補正トリガー情報を受信したと判定し、この場合、対象物追跡部材は、制御部材が位置補正を行うように制御部材をトリガーする。ユーザーとのインタラクション情報に基づいて位置補正をトリガーすることができ、使用の利便性を確保しつつ、対象物追跡の精度を向上させることができる。
【0058】
一実施例において、前記制御部材は、接続軸を含み、前記接続軸は、2軸及び3軸を含むが、これらに限定されなく、前記接続軸の一端は、前記第1のクランプ部に固定的に接続される。
【0059】
接続軸の一端は、第1のクランプ部に固定的に接続され、他端は、モータに接続されてもよい。このように、モータが回転すると、接続軸を駆動して回転させ、更に第1のクランプ部を駆動して回転させ、撮影装置の位置調整を駆動する目的を達成する。
【0060】
更に、接続軸は、2軸及び3軸を含むが、これらに限定されなく、複数の自由度の回転を実現することができ、更に位置移動、角度調整などを行うように撮影装置を駆動して、より正確に目標対象物に向かうようになり、正確な追跡の目的を実現する。
【0061】
また更に、一実施例において、前記撮影装置用スタビライザーは、モータを更に含み、前記モータは、前記接続軸を介して前記第1のクランプ部に接続され、前記制御部材は、プロセッサを更に含み、前記プロセッサは、有線ネットワーク又は無線ネットワークを介して前記対象物追跡部材が送信した追跡移動命令を受信すると、前記モータに回転命令を送信するように構成され、前記モータは、前記回転命令に従って回転し、前記撮影装置のカメラの向きを調整するように、前記接続軸を介して前記第1のクランプ部を駆動して位置調整を行うように構成される。
【0062】
上記実施例では、対象物追跡部材、モータ、接続軸及び制御部材の協力により、第1のクランプ部に対する位置調整の目的を実現できるので、撮影装置の位置調整を正確かつ適時に行い、正確な追跡の目的を実現できる。
【0063】
一実施例において、前記クランプ部材は、第3のクランプ部が設けられたモータを更に含み、前記モータの一端は、前記第3のクランプ部によって前記撮影装置をクランプし、他端は、前記制御部材に固定的に接続され、前記対象物追跡部材は、前記撮影装置に固定的に接続されるように、前記モータ上に設けられる。
【0064】
図4に示すように、撮影装置は携帯電話であり、携帯電話スタビライザー401は、クランプ部材402によって携帯電話403をクランプし、携帯電話スタビライザー401には、モータ404が設けられ、モータ404の一端は、第3のクランプ部によって携帯電話をクランプし、他端は、携帯電話スタビライザー上の接続軸に接続され、対象物追跡部材405は、モータ404に固定されて、対象物追跡部材、第3のクランプ部、モータ及び携帯電話との間の固定的な接続を実現する。この場合、対象物追跡部材405の向きは、携帯電話カメラ406の向きに一致し、両者の距離がより小さい。
【0065】
従来の撮影装置用スタビライザーには、一般的にモータが設けられており、上記実施例では、モータに対象物追跡部材を設けることにより、本来のスタビライザーの構成を変更せずに目標対象物への追跡を容易に実現することができ、対象物への追跡の実現のコストを効果的に削減することができる。
【0066】
一実施例において、前記撮影装置用スタビライザーは、手持ち式スタビライザーである。当該撮影装置用スタビライザーは、手持ち部を含み、当該手持ち部は、それぞれ第1のクランプ部、モータなどに固定的に接続されてもよい。
【0067】
手持ち式スタビライザーは、一般的に体積が比較的に小さいため、本実施例では手持ち式スタビライザーに対してあまり多くの構造的改良を行う必要がなく、その上に対象物追跡部材を固定して配置することで、撮影装置に特定のAPPをインストールせずに目標対象物への追跡を実現することができ、得られた手持ち式スタビライザーの体積は依然として比較的に小さく、持ち運びが可能であり、非常に高い利便性を有する。
【0068】
一実施例において、前記対象物追跡部材は、前記探知情報に基づいて第1のポーズ特徴を取得すると、目標対象物の位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて前記ネットワーク接続を介して前記制御部材に前記追跡移動命令を送信するように構成される。
【0069】
第1のポーズ特徴は、特定の姿勢、ジェスチャーでの特徴であってもよい。ポーズは、立位姿勢、しゃがみ姿勢、伏臥姿勢等のポーズの大きさ、角度などの特徴であってもよい。ジェスチャーは、「OK」ジェスチャー、「V」字ジェスチャー、「停止」ジェスチャー等のジェスチャーの形態、指の角度の特徴であってもよい。
【0070】
探知情報に第1のポーズ特徴が存在する場合、目標対象物が要件に満たすポーズをとったと判定することができ、この場合、目標対象物の目標追跡トリガー情報を受信したと見なすので、目標対象物の位置情報を取得するプログラムをトリガーして実行する。
【0071】
上記実施例では、特定のポーズ特徴に基づいて対象物追跡過程を起動するため、起動されるとすぐに目標対象物の追跡を開始するのではなく、ユーザーとのインタラクションが可能となるため、対象物追跡過程でのユーザーのプライバシー保護を改善し、撮影装置用スタビライザーの電力を節約することもできる。
【0072】
更に、一実施例において、第1のポーズ特徴は、ジェスチャー特徴である。対象物追跡部材は、探知情報を取得すると、探知情報から手部が位置する位置を特定し、手部位置の探知情報に対してジェスチャー識別を行ってもよい。「OK」ジェスチャーが識別される場合、対象物追跡過程を起動してもよく、すなわち、目標対象物の位置情報の取得を開始し、当該位置情報に基づいて当該目標対象物を追跡してもよい。
【0073】
追跡過程を一定期間実行した後、目標対象物は追跡過程を終了したいと思う可能性があり、この場合には、特定のポーズによって追跡過程の終了をトリガーすることができる。一実施例において、前記対象物追跡部材は、前記探知情報に基づいて第2のポーズ特徴を取得すると、向かっている位置の探知情報の取得を停止するように構成される。
【0074】
ここで、第2のポーズ特徴の形態は、第1のポーズ特徴の形態と同一であり、いずれも特定の姿勢、ジェスチャーでの特徴であってもよい。更に、第1のポーズ特徴は、第2のポーズ特徴と同一であってもよいし、異なってもよい。例を挙げて説明すると、同一である場合には、第1のポーズ特徴と第2のポーズ特徴はいずれも「OK」ジェスチャーであってもよいし、異なる場合には、第1のポーズ特徴は「OK」ジェスチャーであり、第2のポーズ特徴が「停止」ジェスチャーであってもよい。
【0075】
探知情報の取得の停止は、対象物追跡過程の終了であると見なすことができる。この場合、制御部材は、新たな位置情報を取得していないため、位置調整制御を停止することができる。更に、探知情報の取得を停止した後、対象物追跡部材は、更に制御部材に位置調整停止命令を送信して、制御部材をトリガーして位置調整制御を停止する。
【0076】
上記実施例は、特定のポーズ特徴に基づいて対象物追跡過程を終了するので、ユーザーとのインタラクションが可能となり、対象物追跡過程でのユーザーのプライバシー保護を改善することができる。
【0077】
以上説明した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0078】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4