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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】不動産サーバ及び不動産検索システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20240909BHJP
【FI】
G06Q50/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020046369
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2020155126
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】P 2019049938
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521119212
【氏名又は名称】FREEDOM X株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】衣笠 茂樹
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-008366(JP,A)
【文献】特開2017-215781(JP,A)
【文献】特開2016-091178(JP,A)
【文献】特開2001-188850(JP,A)
【文献】特開2003-050855(JP,A)
【文献】特開平06-019391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産の物件情報を収集する収集手段と、
前記収集手段によって収集された各物件情報が格納される格納媒体と、
前記格納媒体に格納されている各物件情報の重複を排除する削除手段と、
ユーザ装置から送信される検索条件に合致する不動産の物件情報を前記格納媒体から読み出して当該物件情報に含まれている住所情報に基づいて電子地図に重畳させる画像処理手段と、
前記画像処理手段によって物件情報が重畳された電子地図を前記ユーザ装置に返信する返信手段と、
第1及び第2のユーザにとって不動産の選定の際に重要視する複数項目を選択させる質問を行う第1質問手段と、
前記返信手段によって返信された物件情報に従って前記第1及び第2ユーザに対して前記複数項目の幾つかを提示して物件に対する評価を選択させる質問を行う第2質問手段と、
前記第1及び第2質問手段によって行われた質問に対する回答に基づいて前記第1及び第2のユーザの各々及び双方の前記物件に対する重要視する項目を調整した上で客観的な総合評価を回答する回答手段と、
ユーザの不動産物件の購入予算と当該ユーザが希望する間取りとに基づいて建物の施工床面積及び建物の価格を求める第1演算手段と、
前記第1演算手段によって求められた建物の施工床面積及び建物の価格と前記不動産物件の購入予算とに基づいて建築可能床面積と土地の購入金額とを求める第2演算手段と、を備える、不動産サーバ。
【請求項2】
前記電子地図に重畳される物件情報が土地情報である場合には当該土地情報の建ぺい率及び容積率に基づいて建築可能床面積を算出する算出手段を備える、請求項1記載の不動産サーバ。
【請求項3】
前記収集手段によって収集された物件情報のうち販売価格の値引がされたことを前記ユーザ装置に送信する値引情報送信手段を備える、請求項1記載の不動産サーバ。
【請求項4】
前記収集手段によって収集された新着の物件情報のうち、前記ユーザ装置による検索条件との間で所定の相関関係がある物件情報を当該ユーザ装置に送信する新着情報送信手段を備える、請求項1記載の不動産サーバ。
【請求項5】
前記電子地図に重畳される物件情報が土地情報である場合には当該土地情報の建ぺい率及び容積率に基づいて建築可能床面積を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された建築可能床面積を対応する前記物件情報と紐付けて前記格納媒体内の情報を更新する更新手段と、
を備える、請求項1記載の不動産サーバ。
【請求項6】
前記ユーザ装置のユーザと当該ユーザにサービスを提供する不動産業者の担当者の連絡先とが対応付けされて登録される登録媒体と、
前記ユーザ装置による不動産サーバ本体を通じた物件情報の検索頻度が所定の閾値以上である場合に当該ユーザ装置に対応する担当者の連絡先宛に連絡をする連絡手段と、
を備える、請求項1記載の不動産サーバ。
【請求項7】
ユーザの土地検索の希望条件を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた希望条件に合致する物件情報を前記格納媒体から特定する特定手段と、を備え、
前記画像処理手段は、前記特定手段によって特定された物件情報を前記電子地図に重畳させる、請求項1記載の不動産サーバ。
【請求項8】
請求項1記載の不動産サーバと、
前記ユーザ装置と、
不動産業者が操作する不動産業者装置と、
を含む、不動産検索システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産サーバ及び不動産検索システムに関し、特に、ハウスメーカが好適に利用可能な不動産サーバ及び不動産検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定の間取りの建物が建築可能な土地を提案する装置が開示されている。この装置は、利用者が利用する利用者端末とネットワークを介して通信可能に構成され、所定の土地上に建物を建築する際の土地に固有な条件に係る土地側条件と、当該土地の形状に係る土地形状と、当該土地の東西南北の方角に係る土地方角とを含む土地情報を記憶した土地情報記憶手段と、所定の間取りの建物を建築する際の間取りに固有な条件に係る間取り側条件と、当該間取りの形状に係る間取り形状と、当該間取りに設定されている東西南北の方角に係る間取り方角と、上記間取りに設定されている東西南北の向きについて許容可能な角度に係る情報とを含む間取り情報を記憶した間取り情報記憶手段と、上記利用者端末から、間取りの指定を受信する指定情報受信手段と、利用者による間取りの指定に基づき、上記間取り情報記憶手段を参照して、指定された間取りの間取り情報を抽出する抽出処理手段と、抽出した間取り情報に基づき、上記土地情報記憶手段を参照して、上記指定された間取りの建物が建築可能な土地を検索する検索処理手段と、上記利用者端末に対し、上記検索の結果に基づき、上記指定された間取りの建物が建築可能な土地の情報を送信する土地情報送信手段と、を有し、上記検索処理手段が、上記土地情報記憶手段に記憶されている土地について、上記指定された間取りの間取り側条件に合致する土地側条件を備えているか否かを判断する第一の機能部と、上記間取りに設定されている東西南北の向きについて許容可能な角度の範囲で、上記指定された間取りの間取り形状が収まる土地形状であるか否かを判断する第二の機能部と、によって構成されている。
【文献】特許第6083054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示されている装置は、先にユーザの希望する間取りが決定していて、後にその間取りの建物が建築可能な土地を選択するというアプローチで不動産の選定を行う、ユーザに対して土地の提案をするというものである。
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている装置は、先に土地が決定していて、後に間取りが選定しているという場合には用いることができず、ユーザにとっての利用度が限定的であったという点で問題がある。
【0005】
また、特許文献1に開示されている装置は、所定の間取りの建物が建築可能な土地を提案するとしても、多くの場合、自己資金及びローンの借り入れ可能金額を考慮せずに不動産物件の購入をすることは現実的でない。したがって、これらを考慮した上で、最終的に不動産の物件情報を提案することが必要である。
【0006】
そこで、本発明は、特許文献1に開示されているとは全く異なるアプローチによってユーザに不動産の物件情報を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の不動産サーバ(例えば図1に示す不動産サーバ100)は、
一般公開されている不動産の公開物件情報を収集する第1収集手段(例えば図2に示す収集手段105)と、
一般公開されていない不動産の未公開物件情報を収集する第2収集手段(例えば図2に示す収集手段105)と、
前記第1及び第2収集手段によって収集された各物件情報が格納される格納媒体(例えば図2に示す格納媒体110)と、
前記格納媒体に格納されている各物件情報の重複を排除する削除手段(例えば図2に示す削除手段115)と、
ユーザ装置から送信される検索条件に合致する不動産の物件情報を前記格納媒体から読み出して当該物件情報に含まれている住所情報に基づいて電子地図に重畳させる画像処理手段(例えば図2に示す画像処理手段120)と、
前記画像処理手段によって物件情報が重畳された電子地図を前記ユーザ装置に返信する返信手段(例えば図2に示す返信手段125)と、を備える。
【0008】
前記電子地図に重畳される物件情報が土地情報である場合には、当該土地情報の建ぺい率及び容積率に基づいて建築可能床面積を算出する算出手段(例えば図2に示す算出手段130)を備えることができる。また、この際、前記算出手段によって算出された建築可能床面積を対応する前記物件情報と紐付けて前記格納媒体内の情報を更新する更新手段(例えば図2に示す更新手段135)を備えることもできる。
【0009】
さらに、前記第1又は第2収集手段によって収集された物件情報のうち販売価格の値引がされたことを前記ユーザ装置に送信する値引情報送信手段(例えば図2に示す値引情報送信手段140)を備えたり、前記第1又は第2収集手段によって収集された新着の物件情報のうち、前記ユーザ装置による検索条件との間で所定の相関関係がある物件情報を当該ユーザ装置に送信する新着情報送信手段(例えば図2に示す新着情報送信手段145)を備えたりすることもできる。
【0010】
また、
前記ユーザ装置のユーザと当該ユーザにサービスを提供する不動産業者の担当者の連絡先とが対応付けされて登録される登録媒体(例えば図2に示す登録媒体150)と、
前記ユーザ装置による不動産サーバ本体を通じた物件情報の検索頻度が所定の閾値以上である場合に当該ユーザ装置に対応する担当者の連絡先宛に連絡をする連絡手段(例えば図2に示す連絡手段155)と、
を備えてもよい。
【0011】
さらにまた、
第1及び第2のユーザにとって不動産の選定の際に重要視する複数項目をそれぞれ順位付けして選択させる第1質問手段(例えば図2に示す質問手段160)と、
前記返信手段によって返信された物件情報に従って実際にその物件を閲覧した第1及び第2ユーザに対して前記複数項目の幾つかを提示して当該物件に対する評価を選択させる第2質問手段(例えば図2に示す質問手段160)と、
前記第1及び第2質問手段に対する回答に基づいて第1及び第2のユーザの各々及び双方の前記物件に対する評価を回答する回答手段(例えば図2に示す回答手段165)と、
を備えることも一法である。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の不動産サーバ(例えば図1に示す不動産サーバ100)は、
ユーザの不動産物件の購入予算と当該ユーザが希望する間取りとに基づいて建物の施工床面積及び建物の価格を求める第1演算手段(例えば図9に示す第1演算手段180)と、
前記第1演算手段によって求められた建物の施工床面積及び建物の価格と前記不動産物件の購入予算とに基づいて建築可能床面積と土地の購入金額とを求める第2演算手段(例えば図9に示す第2演算手段185)と、を備える。
【0013】
また、前記不動産物件の購入予算をユーザ装置(例えば図1に示すユーザ装置200)から送信される少なくともユーザの年収及び年齢に基づいて割り出す割出手段(例えば図9に示す割出手段175)を備えることもできる。
【0014】
さらに、ユーザの土地検索の希望条件を受け付ける受付手段(例えば、図12において選択された希望条件を受信する手段)と、
前記受付手段によって受け付けられた希望条件に合致する物件情報を前記格納媒体から特定する特定手段(例えば、実施形態3で説明したフィルタリング処理を行う手段)と、を備え、
前記画像処理手段は、前記特定手段によって特定された物件情報を前記電子地図に重畳させてもよい。
【0015】
また、本発明の不動産検索システムは、
上記の不動産サーバ(例えば図1に示す不動産サーバ100)と、
前記ユーザ装置(例えば図1に示すユーザ装置200)と、
不動産業者が操作する不動産業者装置(例えば図1に示す不動産業者装置300)と、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態1の不動産検索システムの模式的な構成図である。
図2図1に示す不動産サーバ100の模式的な構成図である。
図3図2に示す返信手段125によって返信されユーザ装置200が取得する物件情報が重畳された電子地図100Aの例を示す図である。
図4図3における「東京都港区白金1丁目」の丸印を指定した際に遷移する図である。
図5図4におけるダイジェスト100Dの一方を指定した際に遷移する図である。
図6図2に示す質問手段160によって第1及び第2のユーザになされる質問内容を示す図である。
図7図2に示す回答手段165によって第1及び第2のユーザになされる回答結果を示す図である。
図8図1に示す不動産検索システムの動作を示すタイミング図である。
図9】本発明の実施形態2の不動産検索システムにおける不動産サーバの模式的な構成図である。
図10図9に示す要求手段170によってユーザ装置200にダウンロードさせる不動産物件のローンシミュレーションに必要な情報の入力画面例を示す図である。
図11図9に示す割出手段175と第1演算手段180と第2演算手段185とによる割出結果等の表示画面例を示す図である。
図12】本発明の実施形態3の不動産検索システムに係るユーザ端末200に付帯するディスプレイの表示例を示す図である。
図13図12を通じて選択されたユーザの希望条件に合致する検索結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
100 不動産サーバ
105 収集手段
110 格納媒体
115 削除手段
120 画像処理手段
125 返信手段
130 算出手段
135 更新手段
140 値引情報送信手段
145 新着情報送信手段
150 登録媒体
155 連絡手段
160 質問手段
165 回答手段
170 要求手段
150 割出手段
180 第1演算手段
185 第2演算手段
200 ユーザ装置
300 不動産業者装置
400 不動産ポータルサイトデータベース(ポータルサイトDB)
500 不動産流通標準情報システムデータベース(Real Estate Information Network System(REINS-DB))
600 ネットワーク
【発明の実施の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施形態1においては、主として、不動産の物件情報として購入可能な土地情報とした場合を例に説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の不動産検索システムの模式的な構成図である。図1には、以下説明する、不動産サーバ100と、ユーザ装置200と、不動産業者装置300と、ポータルサイトデータベース(以下、「ポータルサイトDB」と称する。)400と、不動産流通標準情報システムデータベース(Real Estate Information Network System データベース:以下、「REINS-DB」と称する。)500と、ネットワーク600と、を示している。
【0020】
不動産サーバ100は、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500から、土地情報を含む不動産の物件情報を収集して、ユーザ装置200から送信される検索条件に合致する物件情報を提供するものである。不動産サーバ100の具体的構成については、図2を用いて後述する。
【0021】
ユーザ装置200は、本実施形態の不動産検索システムによるサービスの提供を受けるユーザによって操作されるものである。ユーザ装置200は、携帯電話機、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0022】
不動産業者装置300は、ハウスメーカなどの不動産業者の職員によって操作されるものである。不動産業者装置300は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0023】
ポータルサイトDB400は、不動産情報サイトのデータベースである。ポータルサイトDB400には、一般公開されている不動産の公開物件情報が蓄積されている。なお、図1には、一つのポータルサイトDB400のみ示しているが、本実施形態の不動産検索システムには、実際には複数のポータルサイトDB400が存在する。
【0024】
REINS-DB500は、不動産流通機構が運営している不動産情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・オンラインシステムに用いられているデータベースである。REINS-DB500には、一般公開されている不動産の公開物件情報のみならず、一般公開されていない不動産の未公開物件情報も蓄積されている。
【0025】
ネットワーク600は、不動産サーバ100とユーザ装置200と不動産業者装置300とポータルサイトDB400とREINS-DB500とを相互に接続するネットワークである。ネットワーク600は、インターネット回線、電話回線、携帯電話回線、LTE(Long Term Evolution)回線などの各種ネットワークの総称である。
【0026】
図2は、図1に示す不動産サーバの模式的な構成図である。図2には、以下説明する、収集手段105と、格納媒体110と、削除手段115と、画像処理手段120と、返信手段125と、算出手段130と、更新手段135と、値引情報送信手段140と、新着情報送信手段145と、登録媒体150と、連絡手段155と、質問手段160と、回答手段165と、を備える。
【0027】
収集手段105は、ネットワーク600を介して、ポータルサイトDB400に蓄積されている一般公開されている不動産の公開物件情報を収集する第1収集手段と、REINS-DB500に蓄積されている一般公開されていない不動産の未公開物件情報及び一般公開されている不動産の公開物件情報を収集する第2収集手段とを含む。
【0028】
格納媒体110は、収集手段105によって収集された土地情報を含む複数の物件情報が格納されるものである。格納媒体110には、算出手段130によって算出される各土地情報に対する各建築可能床面積も、当該各土地情報と一対で格納される。
【0029】
削除手段115は、格納媒体110に格納されている各物件情報の重複を排除するものである。すなわち、例えば、複数のポータルサイトDB400のそれぞれから物件情報が取得されると、相互に同じ物件についての物件情報である場合があるので、それらのいずれか一つのみを格納媒体110に残して、他の物件情報については削除するものである。
【0030】
なお、削除手段115による削除対象の物件情報を、複数の物件情報のいずれとするかの判断手法は不問であるが、例えば、最先に取得されたもの以外を削除することが考えられる。
【0031】
また、物件情報の重複の判断手法も不問であるが、本発明者の経験上、同丁目区域内に小数点以下第2位まで偶然一致しているが、実際には物件情報が異なっていたことは皆無であったので、簡易には所在地の丁目情報と小数点第2位までの敷地面積との組を相互に対比することで割り出せばよい。
【0032】
画像処理手段120は、ユーザ装置200から送信される検索条件に合致する不動産の物件情報を格納媒体110から読み出して、当該物件情報に含まれている住所情報に基づいて電子地図に重畳させて後述する図3に示す画像を作成したり、そのほかに図4図5に示す画像を作成したりするものである。
【0033】
なお、電子地図とは、ウェブページを通じて閲覧可能な地図をいい、例えば、ゼンリン社が提供するデジタル地図が該当する。電子地図は、ラスター形式で作成されたものであっても、ベクター形式で作成されたものであってもよい。
【0034】
返信手段125は、画像処理手段120によって物件情報が重畳された電子地図を、ユーザ装置200に返信するものである。これにより、ユーザ装置200は、検索条件に合致する不動産の物件情報を電子地図とともに取得することができる。
【0035】
算出手段130は、電子地図に重畳される物件情報が土地情報である場合には、当該土地情報の建ぺい率及び容積率に基づいて、建築可能床面積を算出するものである。算出された建築可能床面積は、後述するように図5に示す画像に表示される。
【0036】
更新手段135は、算出手段130によって算出された建築可能床面積を対応する物件情報と紐付けて格納媒体110内の情報を更新するものである。これにより、既述のように、格納媒体110には、特定の土地情報とこれに対応する建築可能床面積とが一対で蓄積されることになる。
【0037】
値引情報送信手段140は、収集手段105によって収集された物件情報のうち、販売価格の値引がされた物件情報がある場合に、そのことをユーザ装置200に送信するものである。
【0038】
新着情報送信手段145は、収集手段105によって収集された新着の物件情報のうち、ユーザ装置200による検索条件との間で所定の相関関係がある物件情報を、ユーザ装置に100送信するものである。
【0039】
登録媒体150は、ユーザ装置200のユーザと当該ユーザにサービスを提供する不動産業者の担当者の連絡先とが対応付けされて登録されるものである。この連絡先は、メールアドレス、電話番号、ファクシミリ番号などが好ましい。また、図7(b)を用いて後述する各評価内容も物件と紐づけられた状態で登録媒体150に登録される。
【0040】
連絡手段155は、ユーザ装置による不動産サーバ本体を通じた物件情報の検索頻度が所定の閾値以上である場合に当該ユーザ装置に対応する担当者の連絡先宛に連絡をするものである。検索頻度が高いユーザは不動産の購入意識が高く、不動産の売買契約が成立する可能性も高いと考えられるため、本実施形態では、このことを担当者に伝えられるようにしている。
【0041】
質問手段160は、例えば、世帯主(第1のユーザ)及びその配偶者(第2のユーザ)にとって不動産の選定の際に重要視する複数項目をそれぞれ順位付けして選択させる第1質問手段と、返信手段125によって返信された物件情報に従って実際にその物件を閲覧した世帯主及びその配偶者に対して前記複数項目の幾つかを提示して当該物件に対する評価を選択させる第2質問手段とを含む。
【0042】
具体的には、図6(a)及び図6(b)を用いて後述するように、第1質問手段は、例えば一般的に重視されている項目を9つ挙げて、それらのうち3つを選択させる画面のウェブページを送信し、第2質問手段は、当該9つの全て又は一部を示して良い・普通・悪いという3段階を選択させる画面のウェブページを送信することが考えられる。
【0043】
回答手段165は、質問手段160によって選択させた前記第1又は第2ユーザによる選択結果に基づいて物件の評価を回答を行うものである。本実施形態では、質問手段160によってなされる処理とともに、不動産購入の決定権が2人以上ある場合に、両者にとっての重要視する項目を調整するとともに、客観的な総合評価を示すことで、不動産購入をサポートするようにしている。
【0044】
図3は、図2に示す返信手段125によって返信されユーザ装置200が取得する物件情報が重畳された電子地図100Aの例を示す図である。図3に示す電子地図100Aは、東京都港区・渋谷区周辺の土地情報が重畳されたものである。
【0045】
図3の電子地図100Aにおいて、丸数字で示すものが土地情報である。なお、丸数字は丁目ごとの区域に付しているが、これに限定されるものではなく、これより広い区域ごとに付しても狭い区域ごとに付してもよい。
【0046】
また、丸数字自体の数字は、その丁目における土地情報数を示している。したがって、この例では、「東京都港区白金1丁目」には2つの土地情報があり、「東京都港区白金4丁目」にも2つの土地情報があることになる。
【0047】
図4は、図3における「東京都港区白金1丁目」の丸印を指定した際に遷移する図である。ここでは、指定した物件情報が「東京都港区白金1丁目」であることをユーザが視覚的に容易に把握できるように、電子地図100A自体の明度を低下させるとともに、「東京都港区白金1丁目」という住所表記領域100Bを表示する。
【0048】
さらに、図4では、電子地図100Aの例えば左側に、物件情報のダイジェスト表示領域100Cを表示する。ここでは、ダイジェスト表示領域100Cには2件の物件情報のダイジェスト100Dが表示される。ダイジェスト100Dは、これらに限定されるものではないが、例えば、「販売価格」「所在地」「敷地面積」としている。
【0049】
図5は、図4におけるダイジェスト100Dの一方を指定した際に遷移する図である。ここでは、ダイジェスト100Dに示した各情報に加えて、当該物件情報の「建ぺい率」「容積率」「建築可能床面積」の各情報も表示する建ぺい率等表示領域100Eを電子地図100Aに重畳させる。
【0050】
また、建ぺい率等表示領域100Eには、物件の視察希望の有無、建物のプラン・住宅ローンなどの資金計画のアドバイスの有無を選択させるチェックボックスとともに、要望等を記入して不動産サーバ100の管理者等に送信するためのメッセージ欄を含む。
【0051】
図6(a)及び図6(b)及び図7(a)及び図7(b)は、図2に示す質問手段160及び回答手段165によってユーザ装置200のディスプレイに表示される質問内容及び回答内容の画面例を示す図である。
【0052】
図6(a)には、第1のユーザ(ご主人様)に9つの選択候補を挙げて、それらのうち3つを選択させる例を示している。ここでは、例えば、「土地面積」「予算」「日当たり」などの項目を選択候補として挙げられるようにしている。
【0053】
本実施形態では、不動産サーバ100によって、図6(a)に示す画面が、ネットワーク600を通じてユーザ装置200に送信されるようにしている。このため、第1のユーザは、ユーザ装置200を操作することによって、自身が優先したい3つの項目を選択して、「次へ進む」ボタンをクリック等すればよい。これにより、第1のユーザによって選択された内容が、不動産サーバ100に送信されるとともに、図6(b)に示す画面に遷移する。
【0054】
図6(b)には、第2のユーザ(奥様)に9つの選択候補を挙げて、それらのうち3つを選択させる例を示している。ここでも、図6(a)に示した例と同じ項目を選択候補として挙げられるようにしているが、必ずしも同じである必要はない。
【0055】
このため、第2のユーザは、ユーザ装置200を操作することによって、自身が優先したい3つの項目を選択して、「次へ進む」ボタンをクリック等すればよい。これにより、第2のユーザによって選択された内容が、不動産サーバ100に送信される。
【0056】
なお、優先項目の選択手法については、例えば、3つの優先項目の選択に加えて、次点群となる3つの優先項目の選択をさせてもよいし、9つの項目の全て又は一部に順位付けさせてもよいし、9つの項目の全て又は一部に3段階評価させるなどをさせてもよい。
【0057】
図7(a)には、返信手段125によって返信された物件情報に従って実際にその物件を閲覧した世帯主及びその配偶者に対して9つの選択候補を挙げて、当該物件に対する評価を4段階で選択させる例を示している。
【0058】
図6(a)及び図6(b)に示した質問事項に対する選択がされた後、第1及び第2のユーザが返信手段125によって返信された物件情報に従って実際に幾つかの物件を閲覧したとする。
【0059】
そして、第1及び第2のユーザが、購入物件の選定のために、閲覧した物件相互を比較して自身らの嗜好に合った物件の選定をしたい場合に、返信手段125によって返信された各物件を指定すると、図7(a)に示す画面がネットワーク600を通じてユーザ装置200に送信されるようにしている。
【0060】
図7(a)には、図6(a)及び図6(b)に示した9つの選択候補と同じ項目を挙げて、当該物件に対する評価を4段階で選択させる例を示している。ここでは、「とても悪い」「悪い」「良い」「とても良い」という選択例を示しているが、「普通」を入れて5段階で選択させてもよいし、悪い・普通・良いの3段階で選択させてもよい。
【0061】
ここで、図6(a)及び図6(b)では、第1及び第2のユーザに対して、それぞれ重要項目の選択を促すが、図7(a)では、第1及び第2のユーザの総意としての評価の選択を促すようにしている。第1又は第2のユーザが、第1及び第2のユーザの総意としてユーザ装置200を操作することによって選択作業を行い、図示しない「次へ進む」ボタンをクリック等すればよい。これにより、第1及び第2のユーザの総意として選択された内容が、不動産サーバ100に送信される。
【0062】
図7(b)には、図6(a)、図6(b)及び図7(a)に示す画面を通じて選択した内容に基づく評価結果を物件ごとに表示している。例えば、「No1」~「No4」が付された各物件につき、「物件名」、「価格」に加えて、第1及び第2のユーザの「総合評価」、 第1のユーザとしての「ご主人の評価」と、 第2のユーザとしての「奥様の評価」が記載されている。各評価は、例えば5段階の星印で示している。
【0063】
図7(b)に示す各評価は、対応する物件とともに、登録媒体150に登録されるので、今後、ユーザが更に閲覧して評価をする物件数が増えていっても、適宜、閲覧することができる。
【0064】
本実施形態では、ユーザが選択的に評価を希望する物件を予め指定しておき、閲覧後に評価を行えば、その後に、ユーザが明示的にその物件の指定を解除するまでは、閲覧できるようにしてある。ただし、指定した物件が他人によって購入等され、そのことが不動産サーバ100に反映されると、閲覧不可に切り替えることもできる。
【0065】
図8は、図1に示す不動産検索システムの動作を示すタイミング図である。まず、ユーザ装置200は、不動産サーバ100との間で、本実施形態の不動産情報検索システムによるサービスの提供を受けるために、ログインID、ログインパスワードの発行、氏名・住所・電話番号・ファクシミリ番号・メールアドレスなどの初期設定を行う。
【0066】
つぎに、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500は、それぞれ、傘下の不動産業者から不動産情報を取得して、それらを不動産サーバ100がダウンロード可能なように蓄積しておく(ステップS1,S2)。
【0067】
なお、通常、物件情報は、傘下の不動産業者からポータルサイトDB400及びREINS-DB500に対してアップロードされる際にその日付が付されるので、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500では、物件情報とそれに対応する蓄積日とを紐付けた状態で蓄積する。
【0068】
つぎに、不動産サーバ100は、収集手段105によって、例えば1週間に1度のように定期的に又は不定期に不動産の物件情報の取得要求を行う。ポータルサイトDB400及びREINS-DB500は、この要求を受けて最新の物件情報を不動産サーバ100に送信する(ステップS3)。
【0069】
具体的にステップS3では、前回物件情報の取得要求を行った後に、傘下の不動産業者からポータルサイトDB400及びREINS-DB500にアップロードされた物件情報を蓄積日又は後述する更新日から割り出して、それらを最新の物件情報として不動産サーバ100に送信する(ステップS3)。
【0070】
不動産サーバ100は、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500から送信された最新の物件情報を受信すると、物件情報の加工処理を行う(ステップS4)。
【0071】
この加工処理では、収集手段105によって収集された各物件情報を格納媒体110に格納し(ステップS41)、格納媒体110に格納された各物件情報の重複を削除手段115によって排除し(ステップS42)、電子地図に重畳される物件情報が土地情報である場合には当該土地情報の建ぺい率及び容積率に基づいて算出手段130によって建築可能床面積を算出し(ステップS43)、算出手段130によって算出された建築可能床面積を対応する土地情報と紐付けて格納媒体110内の情報を更新手段135によって更新する(ステップS44)。
【0072】
この状態で、ユーザ装置200が、所望の検索条件を不動産サーバ100に送信すると、不動産サーバ100では、画像処理手段120が、この検索条件に合致する不動産の物件情報を格納媒体110から読み出して、当該物件情報に含まれている住所情報に基づいて電子地図に重畳させて、返信手段125が検索結果としてユーザ装置200に送信する(ステップS5A)。
【0073】
これにより、ユーザ装置200のディスプレイには、図3を用いて説明したような画面例のウェブページが表示されることになる。
【0074】
通常、ユーザ装置200のユーザは、ステップS5Aで送信した検索条件に近しい検索条件を短期間に何度か不動産サーバ100に送信し、これに応じて不動産サーバ100からユーザ装置200に対して、物件情報をそれに含まれている住所情報に基づいて重畳させた電子地図を、返信手段125が検索結果としてユーザ装置200に送信する(ステップS5B)。
【0075】
なお、ユーザ装置200の検索ログは、不動産サーバ100に格納される。この検索ログには、ユーザ装置200から送信される検索条件、検索日時を少なくとも含む。当該検索ログは、後述するステップS9における値引情報送信処理、ステップS12における連絡処理、ステップS15における新着情報送信処理の各々の実行の有無を決定する際に用いられる。
【0076】
その後、例えば、傘下の不動産業者から既に公開済みであって、何度かユーザ装置200で閲覧された特定の物件情報について、物件の販売価格の値引がなされたとする。この場合、これを受けて、ポータルサイトDB400の管理者等は、当該特定の物件情報につき値引後の情報で更新をする(ステップS6)。
【0077】
つぎに、不動産サーバ100は、前回のステップS3での物件情報の取得処理から例えば1週間経過すると、収集手段105によって、不動産の物件情報の取得要求を行う。ポータルサイトDB400及びREINS-DB500は、この要求を受けて最新の物件情報を不動産サーバ100に送信する(ステップS7)。
【0078】
これにより、不動産サーバ100では、ステップS4で説明した加工処理と同様の処理を行う(ステップS8)。
【0079】
ここで、ステップS8の加工処理を実行した結果、不動産サーバ100の格納媒体110には、ステップS6の更新処理により、特定の物件情報が値引後のものに更新された状態で格納されることになる。
【0080】
この場合には、不動産サーバ100では、検索ログを参照して更新対象である物件情報が閲覧されたか否かを特定する。ここでは、ユーザ装置200が当該特定の物件情報を閲覧しているので、値引情報送信手段140が、ユーザ装置200に対して値引情報送信処理を行う(ステップS9)。
【0081】
値引情報送信処理は、「閲覧したことのある物件が値下がりしました」ということを伝えるための処理であり、例えば、値引対象となった物件情報と、値引後の値段と、当該物件情報のページに割り当てられたURLとが記載されたメールを送信することが挙げられる。
【0082】
また、その後、ユーザ装置200が、所望の検索条件を不動産サーバ100に送信すると、不動産サーバ100では、画像処理手段120が、この検索条件に合致する不動産の最新の状態が反映された物件情報を格納媒体110から読み出して、当該物件情報に含まれている住所情報に基づいて電子地図に重畳させて、返信手段125が検索結果としてユーザ装置200に送信する(ステップS10A)。
【0083】
これにより、ユーザ装置200のディスプレイには、図3を用いて説明したような画面例のウェブページが表示されることになる。
【0084】
通常、ユーザ装置200のユーザは、ステップS10Aで送信した検索条件に近しい検索条件を短期間に何度か不動産サーバ100に送信し、これに応じて不動産サーバ100からユーザ装置200に対して、物件情報をそれに含まれている住所情報に基づいて重畳させた電子地図を、返信手段125が検索結果としてユーザ装置200に送信する(ステップS10B)。
【0085】
その後、例えば、傘下の不動産業者から未公開の新規物件情報がREINS-DB500に送信されたとする。これを受けて、REINS-DB500の管理者等は、既に蓄積している物件情報に新着物件の情報を追加するという更新処理を行う(ステップS11)。
【0086】
また、不動産サーバ100は、定期的に又は不定期に検索ログを参照して、物件情報の検索頻度が所定の閾値以上となるユーザの有無を判別する。仮に、ユーザ装置200のユーザによる検索頻度が所定の閾値以上であれば、連絡手段155は、登録媒体150に登録されている当該ユーザにサービスを提供する不動産業者の担当者の連絡先を読み出して、その連絡先宛に連絡をする(ステップS12)。
【0087】
その後、不動産サーバ100は、前回のステップS7での物件情報の取得処理から例えば1週間経過すると、収集手段105によって、不動産の物件情報の取得要求を行う。ポータルサイトDB400及びREINS-DB500は、この要求を受けて最新の物件情報を不動産サーバ100に送信する(ステップS13)。
【0088】
これにより、不動産サーバ100では、ステップS4で説明した加工処理と同様の処理を行う(ステップS14)。
【0089】
ここで、ステップS14の加工処理を実行した結果、不動産サーバ100の格納媒体110には、ステップS11の更新処理により、新着の物件情報を含む状態で格納されることになる。
【0090】
この場合には、不動産サーバ100では、検索ログを参照して新着物件と検索条件が同じ又は類似するなど相関関係がある情報(例えば、丁目違い、±10%程度の価格違い、最寄駅から+10%程度の距離の違いなど)のユーザの有無を判断する。仮に、新着物件がユーザ装置200のユーザの検索条件と同一又は類似である場合には、新着情報送信手段145が、ユーザ装置200に対して新着情報送信処理を行う(ステップS15)。
【0091】
以上説明したように、本実施形態の不動産検索システムによれば、電子地図をうまく活用して、ユーザに不動産の物件情報を提供することができる。加えて、ユーザによる物件情報の選定をサポートすることもできる。
【0092】
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2の不動産検索システムにおける不動産サーバの模式的な構成図である。図9には、本実施形態に固有のものとして、以下説明する、要求手段170と、割出手段175と、第1演算手段180と、第2演算手段185と、を示している。
【0093】
要求手段170は、不動産物件のローンシミュレーションに必要な情報の入力画面を、ネットワーク600を介してユーザ装置200にダウンロードさせて、ユーザ装置200を通じてユーザに当該情報の入力を要求するものである。当該情報としては、ユーザの準備可能な自己資金額、年齢、年収、ローン返済希望額などとすればよい。このうち、少なくともユーザの年収及び年齢は、割出手段175による割出処理の際には用いるとよい。
【0094】
割出手段175は、要求手段170からの要求に応じて、ユーザ端末200を操作することによってユーザから入力され、ネットワーク600を介して送信されてきた情報に従って、ローンの借入可能金額を含む適正な不動産物件の購入予算等を割り出すものである。ここでいう「適正」とは、統計上乃至は経験上、社会一般で無理なくローン返済が可能という意味であり、例えば、月収の20%~30%がローン返済額となるような条件という意味である。
【0095】
第1演算手段180は、割出手段175によって割り出された適正な不動産物件の購入予算と、ユーザが希望する間取りとに基づいて、適正な建物の施工床面積と建物の価格とを求めるものである。
【0096】
第2演算手段185は、割出手段175によって割り出された適正な不動産物件の購入予算と、第1演算手段180によって求められた適正な建物の施工床面積と建物の価格とに基づいて、必要な建築可能床面積と土地の購入金額とを求めるものである。
【0097】
建物の価格は、ユーザがハイグレードな設備を選択するなどすれば増加するものの、建物の施工床面積を求めれば、更に、坪単価及び延べ床面積、延べ床面積及び平均建物価格などを加味すると、基本的なものを求めることが可能である。
【0098】
図10(a)~図10(d)は、図9に示す要求手段170によってユーザ装置200にダウンロードさせる不動産物件のローンシミュレーションに必要な情報の入力画面例を示す図である。
【0099】
図10(a)に示す画面例は、第1ユーザの年収の入力欄及び年齢の選択欄を有している。第1又は第2ユーザは、ユーザ装置200を操作することによって、これらの各欄に対して必定な情報を入力又は選択して、「次へ進む →」という領域をマウスでクリック等すればよい。この結果、これらの情報は、ネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図10(b)に示す画面に遷移する。
【0100】
図10(b)に示す画面例は、第2ユーザの年収の選択欄を有している。第1又は第2ユーザは、ユーザ装置200を操作することによって、この欄に対して必定な情報を選択して、「次へ進む →」という領域をマウスでクリック等すればよい。この結果、この情報は、ネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図10(c)に示す画面に遷移する。
【0101】
図10(c)に示す画面例は、第1ユーザらの自己資金額の選択欄を有している。第1又は第2ユーザは、ユーザ装置200を操作することによって、この欄に対して必定な情報を選択して、「次へ進む →」という領域をマウスでクリック等すればよい。この結果、この情報は、ネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図10(d)に示す画面に遷移する。
【0102】
図10(d)に示す画面例は、第1ユーザらの親族などからの援助資金額の選択欄を有している。第1又は第2ユーザは、ユーザ装置200を操作することによって、この欄に対して必定な情報を選択して、「次へ進む →」という領域をマウスでクリック等すればよい。この結果、この情報は、ネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図11(a)に示す画面に遷移する。
【0103】
図11(a)~図11(d)は、図9に示す割出手段175と第1演算手段180と第2演算手段185とによる割出結果等の表示画面例を示す図である。
【0104】
図11(a)に示す画面例は、図10(a)~図10(d)に示す画面を通じて入力又は選択された情報に基づいて、割出手段175が、第1及び第2ユーザらに対して提示する、購入可能な最大予算額、ローン最長借入期間、最大融資予想金額、適正な不動産物件の予算金額、融資予想金額、購入後の残債予想推移を割り出し、これらの割出結果が示されているものである。
【0105】
なお、図11(a)に示す画面例には、毎月のローン返済額、賞与時のローン返済希望額、ローン返還期間、ローン金利タイプを選択可能としており、第1又は第2ユーザがユーザ装置200を操作することによって、毎月のローン返済額等を選択すると、残債予想推移等がそれに応じて変更されるようにしている。また、第1又は第2ユーザが、「次へ進む →」という領域をマウスでクリック等すると、この情報はネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図11(b)に示す画面に遷移する。
【0106】
図11(b)に示す画面例は、第1及び第2ユーザらに対して希望する部屋の間取りの選択ボタンを有している。第1又は第2ユーザは、ユーザ装置200を操作することによって間取りを選択して、「次へ進む →」という領域をマウスでクリック等すればよい。この結果、この情報はネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図11(c)に示す画面に遷移する。
【0107】
図11(c)に示す画面例は、第1及び第2ユーザらに対して希望する建て階数と部屋の大きさの種別を例えば3タイプの中から選択させるものである。図11(c)に示す画面例をユーザ装置200に送信するのに先立って、第1演算手段180は、適正な建物の施工床面積と建物の価格とを求め、これらを建て階数及び部屋の大きさの種別を示す各領域に付記するようにしている。
【0108】
第1又は第2ユーザは、図11(c)に示す画面例に従って、ユーザ装置200を操作することによって建て階数等を選択して、「次へ進む →」という領域をマウスでクリック等すればよい。この結果、この情報はネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図11(d)に示す画面に遷移する。
【0109】
図11(d)に示す画面例は、図11(c)に示す画面を通じて選択された情報に基づいて、第1演算手段180によって求めた適正な建物の価格、施工床面積とともに、これらの条件に合致する間取り例を、第1及び第2ユーザらに対して示すものである。
【0110】
第1及び第2ユーザが、他の建て階数及び部屋の大きさの種別の選択を希望する場合には「他のプランを見る」という領域をマウスでクリック等すればよい。この結果、この情報はネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図11(c)に示す画面に遷移する。
【0111】
一方、第1及び第2ユーザが、他の建て階数及び部屋の大きさの種別の選択を希望しない場合には「この広さで決定」という領域をマウスでクリック等すればよい。この結果、この情報はネットワーク600を介して、サーバ装置100に送信され、図11(e)に示す画面に遷移する。
【0112】
図11(e)に示す画面例は、図11(d)に示す画面を通じて決定された情報に基づいて、第2演算手段180によって求めた必要な建築可能床面積と土地の購入金額を、適正な建物の価格、施工床面積などとともに、第1及び第2ユーザらに対して示すものである。
【0113】
(実施形態3)
図9を用いて説明したように、既述の例は、ユーザの不動産物件の「購入予算」と当該ユーザが「希望する間取り」とに基づいて、最終的に、「建築可能床面積」と土地の「購入金額」とを求めてユーザに提示する、というものである。
【0114】
これに対して、本実施形態では、ユーザが希望する土地の少なくとも「都道府県名」と、例えば「販売価格」及び「建築可能床面積」の少なくとも一方とに基づいて、これらに合致するエリア情報を求めてユーザに提示するというものである。
【0115】
例えば、土地を購入し、その土地に自由な設計の元で建物を建築したいユーザのニーズとしては、
(1)100m程度の広さの建物が建築可能な広さの土地を東京都内で探したいとか、
(2)100m程度の広さの建物を建てられる東京都内の土地の販売価格の相場を知りたいとか、
(3)100m程度の広さの建物が建築可能な広さで、建物と土地との総額が7000万円台の価格を目安に東京都内で土地を探したいとか、
こういったものがある。
【0116】
一方で、例えば、容積率は、土地が道路に面しているか否かなどの条件によって同一市区町村においても幅があるから、市区町村よりも細分化された、例えば町・字レベルで検索可能とすることが、ユーザのニーズに応じるためには必要である。
【0117】
そこで、本実施形態の不動産検索システムは、ユーザのニーズに合致するエリア情報を検索可能とするものであり、とりわけ、その検索結果を電子地図に重畳させ、いわゆる見える化によって、ユーザ装置200のディスプレイに表示させるようにしている。
【0118】
加えて、本実施形態の不動産検索システムは、とりわけ、例えば「建築可能床面積」から算出した「適正な建物の価格」も上記電子地図に重畳させ、さらに、検索結果でヒットしたエリアの価格推移表も付記することも可能である。
【0119】
図12は、本発明の実施形態3の不動産検索システムに係るユーザ端末200に付帯するディスプレイの表示例を示す図である。
【0120】
図12には、ユーザの希望条件の選択画面例として、例えば「都道府県名」を含む所在地の選択欄200Aと、希望する土地の「販売価格」の目安の選択欄200Bと、建物の「建築可能床面積」の目安の選択欄200Cと、土地の「敷地面積」の選択欄200Dと、を表示している。
【0121】
ユーザのニーズが例えば上記(1)・上記(2)の場合には、当該ユーザは、選択欄Aで「東京都」を選択し、選択欄Bは未選択し、選択欄Cで「100m」を選択すればよい。
【0122】
ユーザのニーズが例えば上記(3)の場合には、当該ユーザは、選択欄Aで「東京都」を選択し、選択欄Bは建物価格予算が3000万で土地価格予算を含めた総額予算が例えば7000万円であれば差額の「4000万円」を選択し、選択欄Cで「100m」を選択すればよい。
【0123】
ユーザが例えば上記(3)の場合の条件例として、選択欄Aで「東京都」を選択し、選択欄Bで「4000万円」を選択し、選択欄Cで「100m」を選択し、「検索」ボタンをクリックしたとする。なお、この例では、市区町村及び敷地面積は選択していないものとする。
【0124】
この結果、ユーザ端末200は、選択欄A~選択欄Cを通じて選択されたユーザの希望条件を、ネットワーク600を介して不動産サーバ100へ送信する。不動産サーバ600は、ユーザ端末200から送信されたユーザの希望条件を受信すると、当該希望条件に基づいて格納媒体110を検索する。
【0125】
この際、順不同であるが以下の各処理を実行する。すなわち、不動産サーバ600は、例えば、まず選択欄Aで選択された「東京都」という都道府県名に基づいて、これに合致する土地情報を格納媒体110に格納されている各土地情報の中から第1フィルタリング処理を実行する。
【0126】
この例では、選択欄Aを通じた都道府県名の選択が必須とされているので、第1フィルタリング処理を実行することは必須である。もっとも、ユーザが関東一円で土地を探す場合もあると考えられるので、選択欄Aを通じた都道府県名の選択を必須としなければならないというわけではない点に留意されたい。
【0127】
つづいて、例えば、不動産サーバ600は、第1フィルタリング処理の結果として残った各土地情報の中から、選択欄Bで選択された「4000万円」という目安の販売価格に基づいて第2フィルタリング処理を実行する。一例としては「4000万円」が選択された場合には、3500万円~4500万円の範囲内のもの、4000万円台のもの、或いは、4000円以下のものを残すようにフィルタリングすることが考えられる。
【0128】
なお、図12に示す例では、選択欄Bを通じた「販売価格」の選択は必須とされていないので、第2フィルタリング処理を実行することは任意である。したがって、例えば、販売価格の選択がされている場合には、第2フィルタリング処理を実行するようにしてもよいし、その結果、検索結果のヒット数が一定の閾値以下であれば、第2フィルタリング処理を実行しないということも一法である。
【0129】
つづいて、例えば、不動産サーバ600は、選択欄Cで選択された建築可能床面積である「100m」という数値から「適正な建物の価格」を求めることができる。この例では、ユーザが建物価格予算を3000万と試算しているが、ユーザはあくまで不動産に関しては素人であり、プロフェッショナルではないため、この試算が妥当でない場合もあろう。
【0130】
したがって、例えば、図11(c)に示した「階数」×「大きさ」の例に従って、「100m」という数値に近いものから「適正な建物の価格」を割り出すこともできる。具体的には、例えば、「1階建てのプラン」の「ミディアム」は施工床面積が106mであり、「2階建てのプラン」の「コンパクト」は施工床面積が103.9mであるので、例えば、これらに対応する「建物の価格」である「2565万円」及び「2515万円」の平均値である「2540万円」を「適正な建物の価格」とすることができる。
【0131】
或いは、不動産サーバ600は、選択欄Bで選択された販売価格である「4000万円」という数値を、選択欄Cで選択された建築可能床面積である「100m」という数値で除すことによって、床面積が1mの建物を建築する場合の土地の「販売単価」を算出することもできる。
【0132】
もっとも、図11(c)に示したような「階数」×「大きさ」をユーザに選択させるようにして、ユーザが希望する建て階数と部屋の大きさの種別とに基づいて、より詳細な「適正な建物の価格」を求めるようにすることもできる。
【0133】
話を戻すと、選択欄Cで選択された建築可能床面積から「適正な建物の価格」を求め、その結果、例えば「2540万円」であるという結果となったとする。以上の各処理を実行した結果は、本実施形態では、以下のように電子地図を通じてユーザに提供する。
【0134】
図13は、図12を通じて選択されたユーザの希望条件に合致する検索結果の表示例を示す図である。図13に示す表示例も、画像処理手段120によって作成すればよく、返信手段125によってユーザ端末200に返信し、これに付帯するディスプレイに表示することができる。
【0135】
図13には、東京都中央区浜町というエリアが「約100mの家を建てられる土地価格4000万円台のエリア」であることと、当該エリアでの土地価格の平均が「4500万円」であることとが例示されている。
【0136】
この例は、既述の(2)・(3)のニーズに対応した表示例であるが、例えば、(1)のニーズの場合であっても同様の記載内容を含む表示としてもよいし、或いは、「約100mの家を建てられるエリア」という記載内容の表示としてもよい。
【0137】
なお、図13に示すように「相場変動グラフを見る」と表示されている箇所をクリックすると、例えば東京都中央区浜町における過去1年分の土地価格の推移グラフを参照できるようにしてもよい。こうすると、ユーザが相場の変動や、特定地域の土地のお買い得度などを判断できるようになる。
【0138】
推移グラフの表示を実現するためには、不動産サーバ600は、上記の床面積が1mの建物を建築する場合の土地の「販売単価」を定期的に又は不定期に算出し、その算出結果を東京都中央区浜町という所在地情報と一対で保存しておけばよい。
【0139】
そうすれば、ユーザが希望する「建築可能床面積」を当該算出結果に乗じることによって、上記の推移グラフを作成することができる。なお、推移グラフは、例えば3カ月程度の土地価格の平均をプロットして作成すればよい。
【0140】
本実施形態の不動産検索システムによれば、ユーザは、面積当たりの単価(例えば1平米〇〇万円)、或いは、路線価・公示地価・固定資産税評価額に基づいて土地を検索するのではなく、実勢価格に基づいて土地を検索することが可能となる。
【0141】
路線価等は、実勢価格とは乖離していることも少なくないし、1年に一度しか更新されないので、土地検索の指標として選択しにくい。また、仮にこれらの乖離が少ない状況であっても、建ぺい率が明らかでない場合には、実際にユーザが希望する規模の建物の建築の可否まで特定することは困難である。
【0142】
つまり、路線価等に基づいて土地を検索する場合には、その土地に一体どのくらいの規模の建物を建築することができるかを特定することは困難であるが、本実施形態の不動産検索システムによれば、このような困難性を回避して、ユーザが自己の希望条件に合致する土地を簡便に検索することができる。
【0143】
以上説明したように、本発明の実施形態1,2の不動産検索システムによれば、自己資金及びローンの借り入れ可能金額を考慮して、適正な不動産の物件情報を提案することができる。また、実施形態1の不動産検索システム固有の部分と、実施形態2の不動産検索システム固有の部分とを兼ね備えた不動産検索システムとすることできる。加えて、実施形態3の不動産検索システムによれば、ユーザが自己の希望条件に合致する土地を簡便に検索することができる。
図1
図2
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図4
図5
図6
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