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特許7551110癌免疫療法のためのチェックポイント阻害剤の細胞集団を介した送達
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】癌免疫療法のためのチェックポイント阻害剤の細胞集団を介した送達
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/51 20170101AFI20240909BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240909BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240909BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 35/19 20150101ALI20240909BHJP
   A61K 35/15 20150101ALI20240909BHJP
【FI】
A61K47/51
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61P35/00
A61P35/02
A61K35/19
A61K35/15
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020554396
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019026258
(87)【国際公開番号】W WO2019195819
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】62/653,843
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517366013
【氏名又は名称】ノース カロライナ ステート ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】NORTH CAROLINA STATE UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135943
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 規樹
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】グ,チェン
(72)【発明者】
【氏名】フ,クァンイン
【審査官】金子 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-231575(JP,A)
【文献】特開平08-109142(JP,A)
【文献】特表2010-540535(JP,A)
【文献】国際公開第2016/205144(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/053010(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0008858(US,A1)
【文献】Molecular Pharmaceutics,2014年,11(11):3980-3987
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 47/00-47/69
A61K 39/00-39/44
A61K 45/00
A61K 35/00-35/768
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物担体と標的化部分とを含み、前記薬物担体が、PD-1抗体または抗PD-L1抗体と化学的な結合とを含む改変血小板を含み、前記標的化部分が、造血幹細胞(HSC)を含み、前記改変血小板が前記標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、組成物。
【請求項2】
前記薬物担体が、銅(I)触媒による[3+2]アジド-アルキン環化付加(CuAAC)、歪み促進アジド-アルキン環化付加(SPAAC)、または歪み促進アルキン-ニトロン環化付加(SPANC)を介して標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記薬物担体が、ジベンゾシクロオクチル(DBCO)銅フリーの環化付加を介して標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記血小板の化学的な結合がジベンゾシクロオクチル(DBCO)-ポリエチレングリコール(PEG)4-NHSエステルを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記標的化部分が活性化アジド分子で処理されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記活性化アジド分子がN-アジドアセチルガラクトサミン-テトラアシル化(Ac4GalNAz)を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記薬物担体が、抗体、小分子、ペプチド、ポリペプチド、ポリマー、ペプチド模倣物、核酸、または薬物の組み合わせをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記PD-1抗体または抗PD-L1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブまたはアベルマブを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記PD-1抗体または抗PD-L1抗体が、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)リンカーを介して前記改変血小板の表面に付着している、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
対象の白血病を治療するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48時間毎に1回、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日毎に1回、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12ヶ月毎に1回対象に投与される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも週に1、2、3、4、5、6、7回投与される、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
約10mg/kg~約100mg/kgの用量で投与される、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
前記治療が、化学療法薬を投与することをさらに含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
対象の白血病を治療するための医薬の製造における、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
前記組成物が、少なくとも12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48時間毎に1回、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日毎に1回、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12ヶ月毎に1回対象に投与される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記組成物が、少なくとも週に1、2、3、4、5、6、7回投与される、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
前記組成物が約10mg/kg~約100mg/kgの用量で投与される、請求項15に記載の使用。
【請求項19】
前記治療が、化学療法薬を投与することをさらに含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年4月6日に出願された米国仮出願第62/653,843号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
I. 背景
急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄中の骨髄芽球の増加を含むクローン性悪性腫瘍であり、その従来の治療法として、アントラサイクリン系およびシタラビン系の化学療法レジメンが挙げられる。しかしながら、AMLに対する従来の化学療法の有効性は、完全寛解を達成した患者の大部分が白血病細胞の不完全な除去のために最終的に再発することから、満足のいくものではない。再発性白血病の患者の予後は劣悪である。再発性白血病は造血幹細胞移植によって治癒される可能性があるが、そのような移植の費用は、感染症または移植片対宿主病によって誘発される高い死亡率と関連していることが多い。T細胞を操作する先端技術は、AMLの治療に新しいアプローチを提供する可能性を秘めている。患者自身からのT細胞を循環から取り出し、腫瘍関連抗原を特異的に認識するように設計された人工T細胞受容体(キメラ抗原受容体として命名)をin vitroで発現させるように遺伝子改変することができる。キメラ抗原受容体改変T細胞(CAR-T)は、T細胞特異性のリダイレクションを可能にし、臨床での血液癌に対する印象的な治療結果を達成する。しかしながら、T細胞の遺伝子操作は、複雑で高価なex vivo操作を伴うことが多いさらに、サイトカインストームおよびB細胞形成不全などの副作用の緩和は、依然として臨床的に困難である。したがって、白血病細胞を効果的に排除し、副作用を回避することができる新しい治療アプローチの開発が、AML患者の治療効果および予後を向上高めるために非常に望ましい。
【発明の概要】
【0003】
II. 概要
薬物または薬物担体(例えば、改変血小板など)と、抗体、小分子、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、ポリマー、核酸、または薬物の組み合わせなどの治療薬を標的部位に送達するために使用することができる標的化部分とを含む治療薬送達賦形剤に関連した方法および組成物が開示されている。
【0004】
したがって、一態様では、薬物または薬物担体(例えば、改変血小板など)と標的化部分とを含み、ここで、薬物または薬物担体(例えば、改変血小板など)は、治療薬カーゴと化学的な結合を含むように改変されており、ここで、血小板は、標的化部分に化学的にコンジュゲートされている治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。
【0005】
一態様では、薬物または薬物担体が標的化部分の表面または標的化部分の内部のいずれかにコンジュゲートされ得る、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。一態様では、薬物または薬物担体として、改変血小板、合成ナノ粒子、合成微粒子および細胞由来小胞が挙げられる。例えば、一態様では、血小板は、治療薬カーゴと化学的な結合を含むように改変されており、ここで、血小板は、標的化部分に化学的にコンジュゲートされている。
【0006】
標的化部分がペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、ポリマー、小分子、核酸、抗体、糖または細胞である、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤も本明細書に開示されている。標的化部分は、骨髄、肝臓、脾臓、膵臓、前立腺、膀胱、心臓、肺、脳、皮膚、腎臓、卵巣、精巣、リンパ節、小腸、大腸または胃を標的とするように設計または操作され得ることが理解され、本明細書において企図される。
【0007】
一態様では、標的化部分が骨髄を標的とし、その部分が造血幹細胞、AspもしくはGluの繰り返しを含むペプチド、または骨髄を標的とする製剤からなる群から選択される、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。
【0008】
また、血小板が銅(I)触媒による[3+2]アジド-アルキン環化付加反応(CuAAC)、歪み促進アジド-アルキン環化付加(SPAAC)、歪み促進アルキン-ニトロン環化付加(SPANC)、またはジベンゾシクロオクチル(DBCO)銅フリーの環化付加(例えば、ジベンゾシクロオクチル(DBCO)-ポリエチレングリコール(PEG)4-NHSエステル)を介して標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤も本明細書に開示されている。
【0009】
一態様では、標的化部分が活性化アジド分子(例えば、N-アジドアセチルガラクトサミン-テトラアシル化(Ac4GalNAz))で処理されている、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。
【0010】
また、治療薬カーゴが抗体、小分子、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、ポリマーまたは核酸(例えば、免疫チェックポイント阻害剤、例えばPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤もしくはCTLA-4阻害剤など、例えばニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブもしくはアベルマブなど)を含む、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤も本明細書に開示されている。
【0011】
一態様では、免疫チェックポイント阻害剤がスルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)リンカーを介して改変された血小板の表面に付着している、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。
【0012】
任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤を対象に投与することを含む、対象の癌を治療する方法も本明細書に開示されている。
【0013】
一態様では、改変血小板と標的化部分を含み、ここで、血小板は、治療薬カーゴと化学的な結合を含むように改変されており、ここで、化学的な結合は、ジベンゾシクロオクチル(DBCO)-ポリエチレングリコール(PEG)4-NHSエステルを含み、ここで、血小板は、標的化部分に化学的にコンジュゲートされている治療薬送達賦形剤を対象に投与することを含む、対象の癌を治療する方法が本明細書に開示されている。
【0014】
また、標的化部分がN-アジドアセチルガラクトサミン-テトラアシル化(Ac4GalNAz)で標識された造血幹細胞を含む、任意の先行する態様の癌を治療する方法も本明細書に開示されている。
【0015】
一態様では、治療薬カーゴが抗体、小分子、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、ポリマーまたは核酸(例えば、免疫チェックポイント阻害剤、例えばPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤もしくはCTLA-4阻害剤など、例えばニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブもしくはアベルマブなど)を含む、任意の先行する態様の癌を治療する方法が本明細書に開示されている。
【0016】
また、癌がリンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉症、ホジキン病、骨髄性白血病(急性骨髄性白血病を含む)、膀胱癌、脳腫瘍、神経系癌、頭頸部癌、頭頸部扁平上皮癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌、肝臓癌、黒色腫、口・喉・喉頭および肺の扁平上皮癌、子宮頸部癌(cervical cancer)、子宮頸癌(cervical carcinoma)、乳癌、上皮癌、腎癌、尿路性器癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌腫、大腸癌、造血器癌;精巣癌、結腸・直腸癌からなる群から選択される、任意の先行する態様の癌を治療する方法も本明細書に開示されている。
【0017】
また、例えば、小分子(1-メチル-トリプトファン(1-MT)、ノルハルマン、ロスマリン酸、エパカドスタット、ナボキシモド、ドキソルビシン、タモキシフェン、パクリタキセル、ビンブラスチン、シクロホスファミドおよび5-フルオロウラシルを含むがこれらに限定されない)、siRNA、ペプチド、ペプチド模倣物、ポリマーまたは抗体(例えば、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブを含むがこれらに限定されない抗PD-L1抗体など)などの化学療法薬を投与することを含む、任意の先行する態様の医薬組成物も本明細書に開示されている。
【0018】
一態様では、治療薬送達賦形剤または医薬組成物を少なくとも12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48時間毎に1回、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日毎に1回、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12か月毎に1回患者に投与する、任意の先行する態様の対象の癌を治療する方法が本明細書に開示されている。
【0019】
また、治療薬送達賦形剤または医薬組成物を少なくとも週に1、2、3、4、5、6、7回投与する、任意の先行する態様の対象の癌を治療する方法も本明細書に開示されている。
【0020】
一態様では、投与される治療薬送達賦形剤または医薬組成物の投与用量の用量が約10mg/kg~約100mg/kgである、任意の先行する態様の対象の癌を治療する方法が本明細書に開示されている。
【0021】
また、化学療法薬を投与することをさらに含む、任意の先行する態様の対象の癌を治療する方法も本明細書に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
III. 図面の簡単な説明
添付図面は、本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、いくつかの実施形態を図示し、明細書と共に、本開示の組成物および方法を説明する。
【0023】
図1図1A、1B、1C、1Dおよび1Eは、S-P-aPD1送達システムの特性を示す。図1Aは、HSC-血小板集団を利用した効果的なaPD1送達の概略図を示す。静脈内送達後、S-P-aPD1は骨髄にホーミングすることができ、血小板は局所的に活性化され、免疫応答増強のためにaPD1を放出してT細胞に結合することができる。PMP:血小板由来微粒子。図1Bは、S-P-aPD1コンジュゲートの共焦点(上側)とSEM特性(下側)を示す。血小板は、共焦点観察のためにローダミンで標識した。白い矢印は血小板の存在を示す。図1Cは、トロンビン0.5U/mLによる活性化後のS-P-aPD1からのPMPのTEM特性を示す。図1Dは、血小板とHSCとの比率を異にするS-P-aPD1の蛍光イメージングを示す。図1Eは、HSCにコンジュゲートされた血小板の定量分析を示す。定量化は、共焦点顕微鏡下でのS-P-aPD1の計数(数=200)に基づいていた。実験は3回繰り返した(n=3)。
【0024】
図2図2は、クリック反応によるHSCへの血小板のコンジュゲーションの概略図を示す。
【0025】
図3図3A、3Bおよび3Cは、血小板上のaPD1のコンジュゲーション量の定量化を示す図である。図3Aは、血小板の表面にコンジュゲートされたaPD1の定量化を示す。エラーバーは、標準偏差(n=3)を示す。0.2pgのaPD1/血小板を以下の研究で使用した。図3Bは、24時間のインキュベーション後の天然血小板とaPD1コンジュゲート血小板の完全性を示す。エラーバーは、標準偏差(n=3)を示す。図3Cは、天然血小板および活性化血小板からのin vitroでのaPD1累積放出率を示す。エラーバーは、標準偏差(n=3)を示す。
【0026】
図4図4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iおよび4Jは、S-P-aPD1のin vivo治療効果を示す。図4Aは、1mg/kgのaPD1用量での遊離aPD1とS-P-aPD1のin vivo薬物動態を示す(n=3)。図4Bは、Cy5.5で標識した遊離aPD1(1)、P-aPD1(2)、S-aPD1(3)、S+P-aPD1(4)およびS-P-aPD1(5)で治療したマウスの骨組織の蛍光画像を示す。図4Cは、骨組織からの蛍光強度の対象領域分析を示す。エラーバーは、標準偏差(n=3)を示す。***P<0.001(両側スチューデントのt検定)。図4Dは、C1498白血病モデルと治療計画の構築の概略図を示す。図4Eは、PBS、遊離aPD1、S-aPD1、P-aPD1、S+P-aPD1およびS-P-aPD1(HSC/血小板:PBS100μL中5×10個の細胞、aPD1:0.5mg/kg)で治療したマウスの生物発光画像を示す。図4Fは、マウスの全身からの生物発光強度の対象領域分析を示す。図4Gは、末梢血中のC1498細胞の量のフローサイトメトリー分析を示す。図4Hは、治療したマウスと対照マウスの生存曲線を示す(n=8)。統計的有意性は、ログランク検定により計算した(***P<0.001)。図4Iは、異なる治療(1:生理食塩水;2:遊離aPD1;3:S-aPD1;4:P-aPD1;5:S+P-aPD1;6:S-P-aPD1)を受けたマウスの脾臓の形態を示す。図4Jは、脾臓の重量を示す。エラーバーは、標準偏差(n=8)を示す。***P<0.001(両側スチューデントのt検定)。
【0027】
図5図5A、5B、5C、5Dおよび5Eは、サイトカインおよびケモカインおよびT細胞の分析を示す。図5Aは、末梢血中のCD3+T細胞のフローサイトメトリー分析を示す。図5Bは、末梢血中のCD8+T細胞(CD3+T細胞でゲート制御)のフローサイトメトリー分析を示す。図5Cは、CD3+T細胞の量の定量分析を示す。エラーバーは、標準偏差(n=8)を示す。***P<0.001(両側スチューデントのt検定)。図5Dは、CD8+T細胞の量の定量分析を示す。エラーバーは、標準偏差(n=8)を示す。***P<0.001(両側スチューデントのt検定)。図5Eは、サイトカインおよびケモカインのluminexベースの定量化を示す。
【0028】
図6図6Aおよび6Bは、グランザイムB+(GzmB+)T細胞の分析を示す。図6Aは、異なる治療群(n=5)の骨髄からのCD8+GzmB+T細胞のフローサイトメトリー分析を示す。図6Bは、骨髄中のCD8+GzmB+T細胞の定量分析を示す。エラーバーは、標準偏差(n=5)を示す。***P<0.001(一元配置分散分析、続いてテューキーのHSD事後検定)。
【0029】
図7図7A、7B、7C、7D、7Eおよび7Fは、S-P-aPD1が持続的な免疫応答を誘導したことを示す。図7Aは、CD44CD62LT細胞(CD8+T細胞でゲート制御)のフローサイトメトリー分析を示す。図7Bは、3週間で1×10個のC1498細胞で再チャレンジした未治療マウスと治療マウスの生物発光画像を示す。図7Cは、C1498細胞で再チャレンジした後の治療マウスとネイティブマウスの生存曲線(n=8)を示す。統計的有意性は、ログランク検定により計算した(***P<0.001)。図7Dは、0.5mg/kgのaPD1用量でPBS、遊離aPD1およびS-P-aPD1により治療されたrag-/-マウスの生存曲線(n=8)を示す。図7Eは、0.5mg/kgのaPD1用量でPBS、遊離aPD1およびS-P-aPD1により治療されたCD8+T細胞欠損マウスの生存曲線(n=8)を示す。図7Fは、0.5mg/kgのaPD1用量でPBS、遊離aPD1およびS-P-aPD1により治療されたPD-/-マウスの生存曲線(n=8)を示す。
【0030】
IV. 詳細な説明
本化合物、組成物、物品、機器および/または方法が開示および記載される前に、それらは、別段の明示がない限り、特定の合成法もしくは特定の組換えバイオテクノロジー法に限定されないか、または別段の明示がない限り、特定の試薬に限定されず、したがって、当然のことながら変化し得るものとして理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0031】
A.定義
明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「医薬担体」への言及は、2つ以上のそのような担体の混合物などを含む。
【0032】
本明細書では、範囲は、「約」を用いた一方の特定の値から、および/または「約」を用いた他方の特定の値までを表すことができる。そのような範囲が表される場合、別の実施形態は、一方の特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を使用することによって、値が近似値として表される場合、特定の値により別の実施形態が生じることが理解されるであろう。さらに、各範囲の端点は、他の端点と関連している場合も、他の端点とは独立している場合でも、有意であることが理解されるであろう。また、本明細書に開示される多くの値があり、各値はまた、その値自体に加えて、「約」を用いたその特定の値としても本明細書に開示されていることが理解される。例えば、「10」という値が開示されていれば、「約10」も開示されている。また、当業者によって適切に理解されるように、ある値が開示されている場合、その値「より少ないかまたは等しい(その値以下)」、その値「より多いかまたは等しい(その値以上)」および値間の可能な範囲も開示されていることが理解される。例えば、「10」という値が開示されている場合、「10より少ないかまたは等しい(10以下)」だけでなく「10より多いかまたは等しい(10以上)」も開示されている。本出願全体を通じて、データは多くの異なる形式で提供されており、このデータは終点および始点、ならびにデータ点の任意の組み合わせに対する範囲を表していることも理解される。例えば、特定のデータ点「10」と特定のデータ点15が開示されていれば、10と15より多い(超)、より多いかまたは等しい(以上)、より少ない(未満)、より少ないかまたは等しい(以下)、および10と15に等しいことのほかに、10と15の間も考慮されていることが理解される。また、2つの特定の単位間の各単位も開示されていることも理解される。例えば、「10および15」が開示されていれば、11、12、13および14も開示されている。
【0033】
対象への「投与」には、薬剤を対象に導入または送達する任意の経路が含まれる。投与は、経口、局所、静脈内、皮下、経皮的(transcutaneous)、経皮吸収(transdermal)、筋肉内、関節内、非経口、細動脈内、皮内、心室内、頭蓋内、腹腔内、病巣内、鼻腔内、直腸、膣、吸入による、移植されたリザーバー(implanted reservoir)を介して、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、腹腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注射または注射技法)などを含む、任意の適切な経路によって行うことができる。本明細書で使用される「併用投与」、「組み合わせでの投与」、「同時投与」または「同時に投与された」とは、同じ時点で、または本質的に互いに直後に化合物が投与されることを意味する。後者の場合、2つの化合物は、同じ時点で化合物を投与した場合に達成される結果と観察された結果が、区別がつかないほど十分に近い時点で投与される。「全身投与」とは、例えば、循環系またはリンパ系への入口を通じて、対象の身体の広範な領域(例えば、身体の50%超)に薬剤を導入または送達する経路を介して、薬剤を対象に導入または送達することを指す。これに対して、「局所投与」とは、投与点の領域または投与点に直接隣接した領域に薬剤を導入または送達し、治療的に有意な量で薬剤を全身的には導入しない経路を介して、薬剤を対象に導入または送達することを指す。例えば、局所的に投与された薬剤は、投与点の局所的近傍では容易に検出可能であるが、対象の身体の遠位部分では検出できないか、または無視できる量で検出可能である。投与には、自己投与と他者による投与が含まれる。
【0034】
「生体適合性」とは、一般的にレシピエントに対して無毒であり、かつ対象に重大な悪影響を引き起こさない材料およびその任意の代謝産物または分解産物を一般的に指す。
【0035】
「~を含む」とは、組成物、方法などが、列挙された要素を含むが、他の要素を排除するものではないことを意図している。組成物および方法を定義するために使用される場合の「~から本質的になる」とは、列挙された要素を含むが、その組み合わせにとって本質的に重要ないかなる要素も排除することを意味するものとする。したがって、本明細書で定義される要素から本質的になる組成物は、単離および精製方法からの微量の汚染物質ならびに薬学的に許容される担体、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、保存剤などを排除しない。「~からなる」とは、他の成分の微量を超える元素および本発明の組成物を投与するための実質的な方法ステップを排除することを意味するものとする。これらの各移行句によって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
【0036】
「対照」とは、比較目的で実験に使用される代替的な対象またはサンプルである。対照は、「陽性」または「陰性」であり得る。
【0037】
「制御放出」または「持続放出」とは、in vivoで所望の薬物動態プロファイルを達成するために、所定の剤形から制御された方法で薬剤を放出することを指す。「制御放出」薬剤送達の一態様は、薬剤放出の所望の動態を確立するために、製剤および/または剤形を操作する能力である。
【0038】
薬剤の「有効量」とは、所望の効果を提供するために十分な量の薬剤を指す。「有効」である薬剤の量は、対象の年齢および全身状態、特定の薬剤または複数種の薬剤などの多くの要因に応じて、対象毎に異なるであろう。したがって、定量化された「有効量」を特定することは必ずしも可能ではない。しかしながら、いかなる対象の場合であっても、適切な「有効量」は、日常的な実験を用いて、当業者によって決定されることができる。また、本明細書で使用されるように、そして特に別途明記されていない限り、薬剤の「有効量」は、治療有効量と予防有効量の両方をカバーする量を指すことができる。治療効果を達成するために必要な薬剤の「有効量」は、対象の年齢、性別および体重などの要因によって異なる場合がある。投与レジメンは、最適な治療反応を提供するように調整することができる。例えば、数回に分けた用量を毎日投与してもよいし、または治療状況の緊急性によって示されるように用量を比例的に減らしてもよい。
【0039】
「薬学的に許容される」成分とは、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない成分を指すことができ、すなわち、その成分は、重大な望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、またはそれが含まれる製剤の他のいずれの成分とも有害な形で相互作用することなく、本明細書に記載されているように、本発明の医薬製剤に組み込まれ、対象に投与され得る。ヒトへの投与に関連して使用される場合、この用語は、一般的に、成分が毒性試験および製造試験の要求される基準を満たしていること、または成分が米国食品医薬品局により作成された非活性成分ガイドに掲載されていることを含意する。
【0040】
「薬学的に許容される担体」(「担体」と呼ばれることもある)とは、一般的に安全かつ無毒である医薬組成物もしくは治療用組成物を調製するのに有用な担体または医薬品添加剤を意味し、獣医学的用途および/またはヒト医薬用途もしくは治療用途に許容される担体を含む。「担体」または「薬学的に許容される担体」という用語は、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルジョン(油/水エマルジョンもしくは水/油エマルジョンなど)および/または様々な種類の湿潤剤を含み得るが、これらに限定されない。本明細書で使用されるように、「担体」という用語は、任意の医薬品添加剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、脂質、または医薬製剤で使用するために当該技術分野で周知であり、本明細書でさらに説明されるような他の材料を包含するが、これらに限定されない。
【0041】
「薬理学的に活性な」誘導体または類似体のように、「薬理学的に活性な」(または単に「活性な」)とは、親化合物と同じ種類の薬理活性を有し、ほぼ同等の程度である誘導体または類似体(例えば、塩、エステル、アミド、コンジュゲート、代謝産物、異性体、断片など)を指すことができる。
【0042】
「ポリマー」とは、天然または合成の比較的高分子量の有機化合物を指し、その構造は繰り返しの小単位であるモノマーで表すことができる。ポリマーの非限定的な例として、ポリエチレン、ゴム、セルロースが挙げられる。合成ポリマーは、典型的には、モノマーの付加重合または縮合重合によって形成される。「コポリマー」という用語は、2種以上の異なる繰り返し単位(モノマー残基)から形成されたポリマーを指す。限定としてではなく例示的に、コポリマーは、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーであり得る。特定の態様ではまた、ブロックコポリマーの様々なブロックセグメントは、それ自体がコポリマーを含み得ることも企図される。「ポリマー」という用語は、天然ポリマー、合成ポリマー、ホモポリマー、ヘテロポリマーまたはコポリマー、付加ポリマーなどを含むがこれらに限定されないあらゆる形態のポリマーを包含する。
【0043】
「治療薬」とは、有益な生物学的効果を有する任意の組成物を指す。有益な生物学的効果には、治療効果、例えば、障害または他の望ましくない生理学的状態の治療と、予防効果、例えば、障害または他の望ましくない生理学的状態(例えば、非免疫原性癌)の予防の両方が含まれる。これらの用語はまた、塩、エステル、アミド、前駆薬剤(proagent)、活性代謝産物、異性体、断片、類似体などを含むがこれらに限定されない、本明細書に具体的に挙げられている有益な薬剤の薬学的に許容される、薬理学的に活性な誘導体も包含する。「治療薬」という用語が使用される場合、または特定の薬剤が具体的に特定されている場合、その用語は、その薬剤自体のほかに、薬学的に許容される、薬理学的に活性な塩、エステル、アミド、前駆薬剤、コンジュゲート、活性代謝産物、異性体、断片、類似体なども含むことを理解されたい。
【0044】
組成物(例えば、薬剤を含む組成物)の「治療有効量」または「治療有効用量」とは、所望の治療結果を達成するために有効である量を指す。いくつかの実施形態では、所望の治療結果は、I型糖尿病の抑制である。いくつかの実施形態では、所望の治療結果は、肥満の抑制である。所定の治療薬の治療有効量は、典型的には、治療下の障害または疾患の種類および重症度、ならびに対象の年齢、性別および体重などの要因に関連して異なるであろう。この用語はまた、疼痛緩和などの所望の治療効果を促進するために有効な治療薬の量または治療薬の送達速度(例えば、経時的な量)を指すこともできる。正確な所望の治療効果は、治療されるべき状態、対象の耐性、投与されるべき薬剤および/または薬剤製剤(例えば、治療薬の効力、製剤中の薬剤の濃度など)、ならびに当業者によって理解される様々な他の要因に応じて異なるであろう。いくつかの例では、所望の生物学的または医学的な反応は、数日、数週間または数年の期間にわたって組成物の複数の用量を対象に投与した後に達成される。
【0045】
本明細書および添付の特許請求の範囲では、以下の意味を有するように定義されるいくつかの用語に言及する。
【0046】
「場合に応じた」または「場合に応じて」とは、続けて記載されるイベントまたは状況が発生する場合と発生しない場合があり、この記載には、当該イベントまたは状況が発生する場合と発生しない場合が含まれることを意味する。
【0047】
本出願全体を通じて、様々な刊行物が参照されている。本出願が属する技術分野の水準をより完全に記述するために、これらの刊行物の開示内容の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。開示された参考文献はまた、その参考文献が依拠している文中で論じられている、その中に含まれる材料について、参照により個別かつ具体的に本明細書に組み込まれる。
【0048】
B.組成物
開示された組成物を調製するために使用される成分のほかに、本明細書に開示される方法の中で使用される組成物自体も開示されている。これらおよび他の材料は本明細書に開示されており、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示されている場合、これらの化合物の、各様々な個々かつ集合的な組み合わせおよび並べ替えへの具体的な言及は、明示的に開示されていないことがあるが、それぞれが本明細書で具体的に企図され、記載されていることが理解される。したがって、分子A、BおよびCのクラスのほかに、分子D、EおよびFのクラスも開示され、組み合わせ分子の例であるA-Dが開示されている場合、それぞれが個別に記載されていないときであっても、それぞれが個別かつ集合的に企図された意味の組み合わせA-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-EおよびC-Fが開示されているものとみなされる。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも開示されている。したがって、例えば、A-E、B-FおよびC-Eのサブグループは、開示されているものとみなされる。この考え方は、開示された組成物を作製および使用する方法におけるステップを含むがこれらに限定されない、本出願の全ての態様に適用される。したがって、実行可能な様々な追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップのそれぞれは、開示された方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせにより実行可能であることが理解される。
【0049】
チェックポイント阻害剤遮断などの免疫療法が、癌の治療または腫瘍の外科的切除後の再発に有効であり得ることが理解され、本明細書で企図されている。しかしながら、これらの遮断に使用される抗体は、多くの患者に制限をもたらし、より多くの患者には効果がない。プログラム死-1(PD-1)は、T細胞、B細胞およびナチュラルキラー細胞などの様々な免疫細胞に発現する免疫抑制補助受容体である。PD-1は、そのリガンドであるPD-L1/PD-L2に結合すると、活性化T細胞反応を阻害することで機能する。腫瘍細胞は、炎症に反応してPD-L1をアップレギュレートし、それによって抗腫瘍免疫応答を抑制する。PD-1のモノクローナル抗体遮断(aPD1)は、腫瘍が介在する免疫抑制を阻害し、様々な癌の転帰を改善することが実証されている。前臨床研究では、PD-1経路を遮断することで急性骨髄性白血病(AML)の転帰が改善する可能性が示唆されている。したがって、抗PD-1は、AMLの治療用装備における有望な戦略である。本明細書では、骨髄へのaPD1の輸送およびin situ血小板活性化によるaPD1のその後の放出を促進することができるHSC-血小板集団送達システムについて記載されている(図1A)。HSC-血小板集団の構築は、クリック反応によるHSC原形質膜への血小板のコンジュゲーションを介して行われる(図2)。免疫チェックポイント阻害剤aPD1は、血小板の表面に共有結合的に修飾されている。さらに、aPD1の放出は、血小板の活性化後の血小板由来微粒子(PMP)の生成を通じて促進されることができ、これによりT細胞へのaPD1の結合がさらに高められる。静脈内注射後、HSC-血小板-aPD1集団(S-P-aPD1と命名)が骨髄に効果的に蓄積し得、従来の治療後に残存白血病細胞が存在することが本明細書で実証された。AMLモデルとしてC1498白血病保有マウスを使用すると、S-P-aPD1は、T細胞の活性化と複数のサイトカインおよびケモカインの生成を通じて強力な免疫応答を誘導することにより、白血病細胞を完全に排除し得ることが明らかになった。さらに、そのような免疫応答は持続性があり、白血病細胞に再チャレンジする抵抗性を顕著に誘導することができる。したがって、一態様では、改変血小板と標的化部分を含み、ここで、血小板は治療薬カーゴと化学的な結合を含むように改変されており、ここで、血小板は標的化部分に化学的にコンジュゲートされている治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。
【0050】
治療薬送達賦形剤は、治療薬カーゴが特定の組織または器官部位を標的とするように設計されていることが理解され、本明細書で企図されている。例えば、標的化部分は、骨髄、肝臓、脾臓、膵臓、前立腺、膀胱、心臓、肺、脳、皮膚、腎臓、卵巣、精巣、リンパ節、小腸、大腸または胃を標的とするように設計または操作され得る。本明細書に開示される治療薬送達賦形剤が標的組織または器官を標的とし得るいくつかのアプローチがあることが理解され、本明細書で企図されている。したがって、本明細書で特に企図される治療薬送達賦形剤は、ペプチド、ポリペプチド、ポリマー、核酸、抗体、糖または細胞を含むがこれらに限定されない特定の組織または器官を標的とするために改変血小板に結合することができる任意の分子を含むことができる。一態様では、例えば、標的化部分は骨髄を標的とし、その部分は、造血幹細胞、AspもしくはGluの繰り返しを含むペプチド、または骨髄を標的とする製剤からなる群から選択される。
【0051】
開示された治療薬送達賦形剤の薬物または薬物担体(例えば、改変および/もしくは操作された血小板合成微粒子、合成ナノ粒子、ならびに/または細胞由来粒子)は、化学的な結合またはコンジュゲーションを介して標的化部分に結合され得ることが理解され、本明細書で企図されている。一態様では、血小板が銅(I)触媒による[3+2]アジド-アルキン環化付加反応(CuAAC)、歪み促進アジド-アルキン環化付加(SPAAC)、歪み促進アルキン-ニトロン環化付加(SPANC)、またはジベンゾシクロオクチル(DBCO)銅フリーの環化付加(例えば、ジベンゾシクロオクチル(DBCO)-ポリエチレングリコール(PEG)4-NHSエステル)を介して標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。コンジュゲーションを容易にするために、標的化部分を改変して血小板への結合を完了させることもできる。したがって、標的化部分が活性化アジド分子(例えば、N-アジドアセチルガラクトサミン-テトラアシル化(Ac4GalNAz))で処理されている、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。
【0052】
一態様では、本明細書に開示される治療薬送達賦形剤は、癌もしくは転移を治療、予防、阻害もしくは軽減するために、または外科的切除(すなわち、切除)後の再発または転移を治療、予防、阻害もしくは軽減するために対象に投与することが意図されていることが理解される。したがって、治療薬カーゴが抗体、小分子、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、ポリマーまたは核酸を含む、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。例えば、治療薬カーゴは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブもしくはアベルマブなど)などを含むことができる。
【0053】
開示された治療薬送達賦形剤の血小板に治療薬カーゴを付着させるためのリンカーが本明細書で企図されている。リンカーは、4-メルカプト吉草酸、6-マレイミドカプロン酸、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)、ポリグリシン(例えば、3、4もしくは5つのグリシン)、ポリセリン(例えば、3、4もしくは5つのセリン)、または繰り返しの組み合わせを含むグリシンとセリンの組み合わせ含む、治療用カーゴを血小板に結合させるのに十分な任意のリンカーを含み得ることが理解され、本明細書で企図されている。例えば、リンカーは、例えば、G4S、GSG4、G2SG3SG2、G2SG、G3Sリンカーなどのグリシンおよびセリンリンカー、または塩基リンカー配列が場合に応じて2回、3回、4回以上繰り返され得る当該技術分野で知られている任意の他のリンカーであり得る。したがって、一態様では、免疫チェックポイント阻害剤が、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)リンカーを介して改変血小板の表面に付着している、任意の先行する態様の治療薬送達賦形剤が本明細書に開示されている。
【0054】
1.医薬担体/医薬製品の送達
一態様では、本明細書に開示される治療薬送達賦形剤は、癌もしくは転移を治療、予防、阻害もしくは軽減するために、または外科的切除(すなわち、切除)後の再発または転移を治療、予防、阻害もしくは軽減するために対象に投与することが意図されていることが理解される。したがって、本明細書に開示される治療薬送達賦形剤を含む医薬組成物が本明細書に開示されている。例えば、改変血小板と標的化部分を含み、ここで、血小板は治療薬カーゴと化学的な結合を含むように改変されており、ここで、血小板は標的化部分に化学的にコンジュゲートされている治療薬送達賦形剤を含む医薬組成物が本明細書に開示されている。
【0055】
1種以上の治療薬を、治療薬送達賦形剤と共に医薬組成物で提供することができる。したがって、一態様では、改変血小板と標的化部分を含む治療薬送達賦形剤を含む医薬組成物であって、ここで、血小板は、治療薬カーゴと化学的な結合を含むように改変されており、ここで、化学的な結合は、ジベンゾシクロオクチル(DBCO)-ポリエチレングリコール(PEG)4-NHSエステルを含み、ここで、血小板は、標的化部分に化学的にコンジュゲートされており、ここで、1種以上の治療薬カーゴは、小分子(1-メチル-トリプトファン(1-MT)、ノルハルマン、ロスマリン酸、エパカドスタット、ナボキシモド、ドキソルビシン、タモキシフェン、パクリタキセル、ビンブラスチン、シクロホスファミドおよび5-フルオロウラシルを含むがこれらに限定されない)、siRNA、ペプチド、ポリマー、ペプチド模倣物および/または抗体(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブを含むがこれらに限定されない抗PD-L1抗体など)を含む医薬組成物が本明細書に開示されている。
【0056】
開示された治療薬送達賦形剤を含む開示された医薬組成物は、癌を治療するために使用することができるので、開示された医薬組成物は、Abemaciclib、Abiraterone Acetate、Abitrexate(Methotrexate)、Abraxane(Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、AC-T、Adcetris(Brentuximab Vedotin)、ADE、Ado-Trastuzumab Emtansine、Adriamycin(Doxorubicin Hydrochloride)、Afatinib Dimaleate、Afinitor(Everolimus)、Akynzeo(Netupitant and Palonosetron Hydrochloride)、Aldara(Imiquimod)、Aldesleukin、Alecensa(Alectinib)、Alectinib、Alemtuzumab、Alimta(Pemetrexed Disodium)、Aliqopa(Copanlisib Hydrochloride)、Alkeran for Injection(Melphalan Hydrochloride)、Alkeran Tablets(Melphalan)、Aloxi(Palonosetron Hydrochloride)、Alunbrig(Brigatinib)、Ambochlorin(Chlorambucil)、Amboclorin Chlorambucil)、Amifostine、Aminolevulinic Acid、Anastrozole、Aprepitant、Aredia(Pamidronate Disodium)、Arimidex(Anastrozole)、Aromasin(Exemestane),Arranon(Nelarabine)、Arsenic Trioxide、Arzerra(Ofatumumab)、Asparaginase Erwinia chrysanthemi、Atezolizumab、Avastin(Bevacizumab)、Avelumab、Axitinib、Azacitidine、Bavencio(Avelumab)、BEACOPP、Becenum(Carmustine)、Beleodaq(Belinostat)、Belinostat、Bendamustine Hydrochloride、BEP、Besponsa(Inotuzumab Ozogamicin)、Bevacizumab、Bexarotene、Bexxar(Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab)、Bicalutamide、BiCNU(Carmustine)、Bleomycin、Blinatumomab、Blincyto(Blinatumomab)、Bortezomib、Bosulif(Bosutinib)、Bosutinib、Brentuximab Vedotin、Brigatinib、BuMel、Busulfan、Busulfex(Busulfan)、Cabazitaxel、Cabometyx(Cabozantinib-S-Malate)、Cabozantinib-S-Malate、CAF、Campath(Alemtuzumab)、Camptosar、(Irinotecan Hydrochloride)、Capecitabine、CAPOX、Carac(Fluorouracil--Topical)、Carboplatin、CARBOPLATIN-TAXOL、Carfilzomib、Carmubris(Carmustine)、Carmustine、Carmustine Implant、Casodex(Bicalutamide)、CEM、Ceritinib、Cerubidine(Daunorubicin Hydrochloride)、Cervarix(Recombinant HPV Bivalent Vaccine)、Cetuximab、CEV、Chlorambucil、CHLORAMBUCIL-PREDNISONE、CHOP、Cisplatin、Cladribine、Clafen(Cyclophosphamide)、Clofarabine、Clofarex(Clofarabine)、Clolar(Clofarabine)、CMF、Cobimetinib、Cometriq(Cabozantinib-S-Malate)、Copanlisib Hydrochloride、COPDAC、COPP、COPP-ABV、Cosmegen(Dactinomycin)、Cotellic(Cobimetinib)、Crizotinib、CVP、Cyclophosphamide、Cyfos(Ifosfamide)、Cyramza(Ramucirumab)、Cytarabine、Cytarabine Liposome、Cytosar-U(Cytarabine)、Cytoxan(Cyclophosphamide)、Dabrafenib、Dacarbazine、Dacogen(Decitabine)、Dactinomycin、Daratumumab、Darzalex(Daratumumab)、Dasatinib、Daunorubicin Hydrochloride、Daunorubicin Hydrochloride and Cytarabine Liposome、Decitabine、Defibrotide Sodium、Defitelio(Defibrotide Sodium)、Degarelix、Denileukin Diftitox、Denosumab、DepoCyt(Cytarabine Liposome)、Dexamethasone、Dexrazoxane Hydrochloride、Dinutuximab、Docetaxel、Doxil(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Doxorubicin Hydrochloride、Doxorubicin Hydrochloride Liposome、Dox-SL(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、DTIC-Dome(Dacarbazine)、Durvalumab、Efudex(Fluorouracil--Topical)、Elitek(Rasburicase)、Ellence(Epirubicin Hydrochloride)、Elotuzumab、Eloxatin(Oxaliplatin)、Eltrombopag Olamine、Emend(Aprepitant)、Empliciti(Elotuzumab)、Enasidenib Mesylate、Enzalutamide、Epirubicin Hydrochloride、EPOCH、Erbitux(Cetuximab)、Eribulin Mesylate、Erivedge(Vismodegib)、Erlotinib Hydrochloride、Erwinaze(Asparaginase Erwinia chrysanthemi)、Ethyol(Amifostine)、Etopophos(Etoposide Phosphate)、Etoposide、Etoposide Phosphate、Evacet(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Everolimus、Evista、(Raloxifene Hydrochloride)、Evomela(Melphalan Hydrochloride)、Exemestane、5-FU(Fluorouracil Injection)、5-FU(Fluorouracil--Topical)、Fareston(Toremifene)、Farydak(Panobinostat)、Faslodex(Fulvestrant)、FEC、Femara(Letrozole)、Filgrastim、Fludara(Fludarabine Phosphate)、Fludarabine Phosphate、Fluoroplex(Fluorouracil--Topical)、Fluorouracil Injection、Fluorouracil--Topical、Flutamide、Folex(Methotrexate)、Folex PFS(Methotrexate)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、Folotyn(Pralatrexate)、FU-LV、Fulvestrant、Gardasil(Recombinant HPV Quadrivalent Vaccine)、Gardasil 9(Recombinant HPV Nonavalent Vaccine)、Gazyva(Obinutuzumab)、Gefitinib、Gemcitabine Hydrochloride、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、Gemtuzumab Ozogamicin、Gemzar(Gemcitabine Hydrochloride)、Gilotrif(Afatinib Dimaleate)、Gleevec(Imatinib Mesylate)、Gliadel(Carmustine Implant)、Gliadel wafer(Carmustine Implant)、Glucarpidase、Goserelin Acetate、Halaven(Eribulin Mesylate)、Hemangeol(Propranolol Hydrochloride)、Herceptin(Trastuzumab)、HPV Bivalent Vaccine、Recombinant、HPV Nonavalent Vaccine、Recombinant、HPV Quadrivalent Vaccine、Recombinant、Hycamtin(Topotecan Hydrochloride)、Hydrea(Hydroxyurea)、Hydroxyurea、Hyper-CVAD、Ibrance(Palbociclib)、Ibritumomab Tiuxetan、Ibrutinib、ICE、Iclusig(Ponatinib Hydrochloride)、Idamycin(Idarubicin Hydrochloride)、Idarubicin Hydrochloride、Idelalisib、Idhifa(Enasidenib Mesylate)、Ifex(Ifosfamide)、Ifosfamide、Ifosfamidum(Ifosfamide)、IL-2(Aldesleukin)、Imatinib Mesylate、Imbruvica(Ibrutinib)、Imfinzi(Durvalumab)、Imiquimod、Imlygic(Talimogene Laherparepvec)、Inlyta(Axitinib)、Inotuzumab Ozogamicin、Interferon Alfa-2b、Recombinant、Interleukin-2(Aldesleukin)、Intron A(Recombinant Interferon Alfa-2b)、Iodine I 131 Tositumomab and Tositumomab、Ipilimumab、Iressa(Gefitinib)、Irinotecan Hydrochloride、Irinotecan Hydrochloride Liposome、Istodax(Romidepsin)、Ixab








epilone、Ixazomib Citrate、Ixempra(Ixabepilone)、Jakafi(Ruxolitinib Phosphate)、JEB、Jevtana(Cabazitaxel)、Kadcyla(Ado-Trastuzumab Emtansine)、Keoxifene(Raloxifene Hydrochloride)、Kepivance(Palifermin)、Keytruda(Pembrolizumab)、Kisqali(Ribociclib)、Kymriah(Tisagenlecleucel)、Kyprolis(Carfilzomib)、Lanreotide Acetate、Lapatinib Ditosylate、Lartruvo(Olaratumab)、Lenalidomide、Lenvatinib Mesylate、Lenvima(Lenvatinib Mesylate)、Letrozole、Leucovorin Calcium、Leukeran(Chlorambucil)、Leuprolide Acetate、Leustatin(Cladribine)、Levulan(Aminolevulinic Acid)、Linfolizin(Chlorambucil)、LipoDox(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Lomustine、Lonsurf(Trifluridine and Tipiracil Hydrochloride)、Lupron(Leuprolide Acetate)、Lupron Depot(Leuprolide Acetate)、Lupron Depot-Ped(Leuprolide Acetate)、Lynparza(Olaparib)、Marqibo(Vincristine Sulfate Liposome)、Matulane(Procarbazine Hydrochloride)、Mechlorethamine Hydrochloride、Megestrol Acetate、Mekinist(Trametinib)、Melphalan、Melphalan Hydrochloride、Mercaptopurine、Mesna、Mesnex(Mesna)、Methazolastone(Temozolomide)、Methotrexate、Methotrexate LPF(Methotrexate)、Methylnaltrexone Bromide、Mexate(Methotrexate)、Mexate-AQ(Methotrexate)、Midostaurin、Mitomycin C、Mitoxantrone Hydrochloride、Mitozytrex(Mitomycin C)、MOPP、Mozobil(Plerixafor)、Mustargen(Mechlorethamine Hydrochloride)、Mutamycin(Mitomycin C)、Myleran(Busulfan)、Mylosar(Azacitidine)、Mylotarg(Gemtuzumab Ozogamicin)、Nanoparticle Paclitaxel(Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation)、Navelbine(Vinorelbine Tartrate)、Necitumumab、Nelarabine、Neosar(Cyclophosphamide)、Neratinib Maleate、Nerlynx(Neratinib Maleate)、Netupitant and Palonosetron Hydrochloride、Neulasta(Pegfilgrastim)、Neupogen(Filgrastim)、Nexavar(Sorafenib Tosylate)、Nilandron(Nilutamide)、Nilotinib、Nilutamide、Ninlaro(Ixazomib Citrate)、Niraparib Tosylate Monohydrate、Nivolumab、Nolvadex(Tamoxifen Citrate)、Nplate(Romiplostim)、Obinutuzumab、Odomzo(Sonidegib)、OEPA、Ofatumumab、OFF、Olaparib、Olaratumab、Omacetaxine Mepesuccinate、Oncaspar(Pegaspargase)、Ondansetron Hydrochloride、Onivyde(Irinotecan Hydrochloride Liposome)、Ontak(Denileukin Diftitox)、Opdivo(Nivolumab)、OPPA、Osimertinib、Oxaliplatin、Paclitaxel、Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation、PAD、Palbociclib、Palifermin、Palonosetron Hydrochloride、Palonosetron Hydrochloride and Netupitant、Pamidronate Disodium、Panitumumab、Panobinostat、Paraplat(Carboplatin)、Paraplatin(Carboplatin)、Pazopanib Hydrochloride、PCV、PEB、Pegaspargase、Pegfilgrastim、Peginterferon Alfa-2b、PEG-Intron(Peginterferon Alfa-2b)、Pembrolizumab、Pemetrexed Disodium、Perjeta(Pertuzumab)、Pertuzumab、Platinol(Cisplatin)、Platinol-AQ(Cisplatin)、Plerixafor、Pomalidomide、Pomalyst(Pomalidomide)、Ponatinib Hydrochloride、Portrazza(Necitumumab)、Pralatrexate、Prednisone、Procarbazine Hydrochloride、Proleukin(Aldesleukin)、Prolia(Denosumab)、Promacta(Eltrombopag Olamine)、Propranolol Hydrochloride、Provenge(Sipuleucel-T)、Purinethol(Mercaptopurine)、Purixan(Mercaptopurine)、Radium 223 Dichloride、Raloxifene Hydrochloride、Ramucirumab、Rasburicase、R-CHOP、R-CVP、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Bivalent Vaccine、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Nonavalent Vaccine、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Quadrivalent Vaccine、Recombinant Interferon Alfa-2b、Regorafenib、Relistor(Methylnaltrexone Bromide)、R-EPOCH、Revlimid(Lenalidomide)、Rheumatrex(Methotrexate)、Ribociclib、R-ICE、Rituxan(Rituximab)、Rituxan Hycela(Rituximab and Hyaluronidase Human)、Rituximab、Rituximab and、Hyaluronidase Human、,Rolapitant Hydrochloride、Romidepsin、Romiplostim、Rubidomycin(Daunorubicin Hydrochloride)、Rubraca(Rucaparib Camsylate)、Rucaparib Camsylate、Ruxolitinib Phosphate、Rydapt(Midostaurin)、Sclerosol Intrapleural Aerosol(Talc)、Siltuximab、Sipuleucel-T、Somatuline Depot(Lanreotide Acetate)、Sonidegib、Sorafenib Tosylate、Sprycel(Dasatinib)、STANFORD V、Sterile Talc Powder(Talc)、Steritalc(Talc)、Stivarga(Regorafenib)、Sunitinib Malate、Sutent(Sunitinib Malate)、Sylatron(Peginterferon Alfa-2b)、Sylvant(Siltuximab)、Synribo(Omacetaxine Mepesuccinate)、Tabloid(Thioguanine)、TAC、Tafinlar(Dabrafenib)、Tagrisso(Osimertinib)、Talc、Talimogene Laherparepvec、Tamoxifen Citrate、Tarabine PFS(Cytarabine)、Tarceva(Erlotinib Hydrochloride)、Targretin(Bexarotene)、Tasigna(Nilotinib)、Taxol(Paclitaxel)、Taxotere(Docetaxel)、Tecentriq、(Atezolizumab)、Temodar(Temozolomide)、Temozolomide、Temsirolimus、Thalidomide、Thalomid(Thalidomide)、Thioguanine、Thiotepa、Tisagenlecleucel、Tolak(Fluorouracil--Topical)、Topotecan Hydrochloride、Toremifene、Torisel(Temsirolimus)、Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab、Totect(Dexrazoxane Hydrochloride)、TPF、Trabectedin、Trametinib、Trastuzumab、Treanda(Bendamustine Hydrochloride)、Trifluridine and Tipiracil Hydrochloride、Trisenox(Arsenic Trioxide)、Tykerb(Lapatinib Ditosylate)、Unituxin(Dinutuximab)、Uridine Triacetate、VAC、Vandetanib、VAMP、Varubi(Rolapitant Hydrochloride)、Vectibix(Panitumumab)、VeIP、Velban(Vinblastine Sulfate)、Velcade(Bortezomib)、Velsar(Vinblastine Sulfate)、Vemurafenib、Venclexta(Venetoclax)、Venetoclax、Verzenio(Abemaciclib)、Viadur(Leuprolide Acetate)、Vidaza(Azacitidine)、Vinblastine Sulfate、Vincasar PFS(Vincristine Sulfate)、Vincristine Sulfate、Vincristine Sulfate Liposome、Vinorelbine Tartrate、VIP、Vism








odegib、Vistogard(Uridine Triacetate)、Voraxaze(Glucarpidase)、Vorinostat、Votrient(Pazopanib Hydrochloride)、Vyxeos(Daunorubicin Hydrochloride and Cytarabine Liposome)、Wellcovorin(Leucovorin Calcium)、Xalkori(Crizotinib)、Xeloda(Capecitabine)、XELIRI、XELOX、Xgeva(Denosumab)、Xofigo(Radium 223 Dichloride)、Xtandi(Enzalutamide)、Yervoy(Ipilimumab)、Yondelis(Trabectedin)、Zaltrap(Ziv-Aflibercept)、Zarxio(Filgrastim)、Zejula(Niraparib Tosylate Monohydrate)、Zelboraf(Vemurafenib)、Zevalin(Ibritumomab Tiuxetan)、Zinecard(Dexrazoxane Hydrochloride)、Ziv-Aflibercept、Zofran(Ondansetron Hydrochloride)、Zoladex(Goserelin Acetate)、Zoledronic Acid、Zolinza(Vorinostat)、Zometa(Zoledronic Acid)、Zydelig(Idelalisib)、Zykadia(Ceritinib)、および/またはZytiga(Abiraterone Acetate)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で知られている任意の既知の任意の化学療法薬をさらに含み得ることが本明細書でさらに企図されている。
【0057】
上記のように、組成物は、薬学的に許容される担体中でin vivo投与することもできる。「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない材料を意味し、すなわち、その材料は、いかなる望ましくない生物学的作用も引き起こすことなく、またはそれが含まれる医薬組成物の他のいずれの成分とも有害な形で相互作用することなく、核酸またはベクターと共に対象に投与され得る。担体は、当業者に周知であるとおり、当然のことながら、活性成分のいかなる分解も最小限に抑え、対象におけるいかなる有害な副作用も最小限に抑えるように選択されるであろう。
【0058】
組成物は、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与)、筋肉内注射、腹腔内注射、経皮投与、体外投与などで投与することができ、局所鼻腔内投与または吸入剤による投与を含む。本明細書で使用されるように、「局所鼻腔内投与」は、鼻孔の一方または両方を通じた鼻および鼻腔内への組成物の送達を意味し、噴霧機構もしくは液滴機構による、または核酸もしくはベクターのエアロゾル化を介した送達を含むことができる。吸入剤による組成物の投与は、噴霧機構または液滴機構による送達を介した鼻または口を通じたものであり得る。挿管を介して呼吸器系の任意の領域(例えば、肺)に直接送達することもできる。必要とされる組成物の正確な量は、対象の種、年齢、体重および全身状態、治療下のアレルギー性障害の重症度、使用される特定の核酸またはベクター、その投与形式などに応じて、対象毎に異なるであろう。したがって、全ての組成物に対して正確な量を特定することは可能でない。しかしながら、適切な量は、本明細書の教示があれば、日常的な実験のみを用いて、当業者によって決定されることができる。
【0059】
組成物の非経口投与は、使用される場合、一般的に注射によって行われることを特徴とする。注射剤は、液体溶液もしくは懸濁液として、注射前の液体中での懸濁液の溶解に適した固体形態として、またはエマルジョンとして、慣用の形態で調製することができる。比較的最近になって改訂された非経口投与のためのアプローチは、一定の用量が維持されるように徐放系または持続放出系の使用を伴う。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,610,795号を参照されたい。
【0060】
材料は、溶液、懸濁液(例えば、微粒子、リポソームまたは細胞中に組み込まれている)の状態であってもよい。これらは、抗体、受容体または受容体リガンドを介して、特定の細胞種を標的とし得る。以下の参考文献は、特定のタンパク質が腫瘍組織を標的とする本技術の使用例である。(Senter,et al.,Bioconjugate Chem.,2:447-451,(1991);Bagshawe,K.D.,Br.J.Cancer,60:275-281,(1989);Bagshawe,et al.,Br.J.Cancer,58:700-703,(1988);Senter,et al.,Bioconjugate Chem.,4:3-9,(1993);Battelli,et al.,Cancer Immunol.Immunother.,35:421-425,(1992);PieterszおよびMcKenzie,Immunolog.Reviews,129:57-80,(1992);ならびにRoffler,et al.,Biochem.Pharmacol,42:2062-2065,(1991)賦形剤、例えば「ステルス」および抗体がコンジュゲートされた他のリポソーム(結腸癌腫への脂質媒介性薬物標的化を含む)、細胞特異的リガンドを介したDNAの受容体媒介性標的化、リンパ球誘導腫瘍標的化、およびin vivoでのマウス神経膠腫細胞の高特異的治療レトロウイルス標的化。以下の参考文献は、特定のタンパク質が腫瘍組織を標的とする本技術の使用例である(Hughes et al.,Cancer Research,49:6214-6220,(1989);ならびにLitzingerおよびHuang,Biochimica et Biophysica Acta,1104:179-187,(1992))。一般に、受容体は、構成性またはリガンド誘導性のいずれかで、エンドサイトーシスの経路に関与している。これらの受容体は、クラスリンで被覆されたピットに集まり、クラスリンで被覆された小胞を介して細胞内に入り、酸性化されたエンドソームを通過し、その中で受容体は選別され、次いで、細胞表面にリサイクルされるか、細胞内に貯蔵されるか、またはリソソーム中で分解されるかのいずれかである。インターナリゼーション経路は、栄養素の取り込み、活性化タンパク質の除去、高分子のクリアランス、ウイルスおよび毒素の日和見的侵入、リガンドの解離および分解、ならびに受容体レベルの調節などの様々な機能を果たす。多くの受容体は、細胞の種類、受容体の濃度、リガンドの種類、リガンドの価数、およびリガンドの濃度に応じて、1つ以上の細胞内経路をたどる。受容体媒介性エンドサイトーシスの分子・細胞機序が概説されている(BrownおよびGreene,DNA and Cell Biology 10:6,399-409(1991))。
【0061】
a)薬学的に許容される担体
抗体を含む組成物は、薬学的に許容される担体と組み合わせて治療的に使用することができる。
【0062】
適切な担体およびそれらの配合は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(19th ed.)ed.A.R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA 1995に記載されている。典型的には、製剤を等張性にするために、適切な量の薬学的に許容される塩が製剤中で使用される。薬学的に許容される担体の例として、生理食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液が挙げられるがこれらに限定されない。溶液のpHは、好ましくは約5~約8、より好ましくは約7~約7.5である。更なる担体として、持続放出製剤、例えば、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは、成形品、例えば、フィルム、リポソームまたは微粒子の形態である。ある担体が、例えば、投与される組成物の投与経路および濃度に応じて、より好ましいものであり得ることは、当業者に自明であろう。
【0063】
医薬担体は、当業者に知られている。これらは、最も典型的には、無菌水、生理食塩水および生理的pHで緩衝化された溶液などの溶液を含む、ヒトへの薬物投与のための標準的な担体であろう。組成物は、筋肉内投与にまたは皮下投与することができる。他の化合物は、当業者によって使用される標準的な手順に従って投与されるであろう。
【0064】
医薬組成物は、選択された分子に加えて、担体、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤および界面活性剤などを含み得る。医薬組成物は、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔剤などの1種以上の活性成分も含み得る。
【0065】
医薬組成物は、局所的または全身的な治療が所望されるか否かと、治療されるべき領域に応じて、いくつかの方法で投与され得る。投与は、局所的(点眼、経膣、直腸内、経鼻を含む)、経口的、吸入により、または非経口的、例えば、点滴、皮下、腹腔内または筋肉内注射により行うことができる。開示された抗体は、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮下投与、腔内投与、または経皮投与することができる。
【0066】
非経口投与のための調製物として、滅菌水性溶液または非水性溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体として、食塩水および緩衝化媒体を含む、水、アルコール性/水性溶液、エマルジョンまたは懸濁液が挙げられる。非経口賦形剤として、塩化ナトリウム溶液、デキストロースリンゲル液、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸リンゲル液、または不揮発性油が挙げられる。静脈内賦形剤として、流体および栄養素補充液、電解質補充液(デキストロースリンゲル液をベースとするものなど)などが挙げられる。保存剤および他の添加剤、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガスなども存在し得る。
【0067】
局所投与用の製剤として、軟膏、ローション、クリーム、ジェル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体および粉末が挙げられ得る。慣用の医薬担体、水性、粉末または油性の基剤、増粘剤などが必要であり得、または望ましくあり得る。
【0068】
経口投与用の組成物として、粉末もしくは顆粒、水もしくは非水性媒体中の懸濁液もしくは溶液、カプセル、サシェまたは錠剤が挙げられる。増粘剤、着香剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤または結合剤が望ましいことがあり得る。
【0069】
組成物のいくつかは、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸およびフマル酸などの有機酸との反応によって、または水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、ならびにモノ-、ジ-、トリアルキルアミンおよびアリールアミンおよび置換されたエタノールアミンなどの有機塩基との反応によって形成される薬学的に許容される酸または塩基付加塩として潜在的に投与され得る。
【0070】
b)治療用途
組成物を投与するための有効用量およびスケジュールは実験により決定され得、そのような決定を行うことは当該技術分野の範疇である。組成物の投与のための用量範囲は、障害の症状が影響を受ける所望の効果を生じるのに十分大きな投与量範囲である。用量は、望ましくない交差反応、アナフィラキシー型反応などの副作用を引き起こすほど多いものであってはならない。一般的に、用量は、患者の年齢、状態、性別、疾患の程度、投与経路により、または他の薬物がレジメンに含まれているか否かで異なり、当業者によって決定されることができる。用量は、任意の禁忌の場合には、個々の医師によって調整されることができる。用量は変えることができ、1日または数日間で、毎日1回以上の用量投与で投与されることができる。所与の部類の医薬製品の適切な用量については、文献に手引きを見出すことができる。例えば、抗体の適切な用量を選択する上での手引きは、抗体の治療用途に関する文献、例えば、Handbook of Monoclonal Antibodies,Ferrone et al.,eds.,Noges Publications,Park Ridge,N.J.,(1985)ch.22 and pp.303-357;Smith et al.,Antibodies in Human Diagnosis and Therapy,Haber et al.,eds.,Raven Press,New York(1977)pp.365-389中に見出すことができる。単独で使用される抗体の典型的な一日用量は、上記の要因に応じて、1日当たり約1μg/kg~最大100mg/kg(体重)またはそれを超える範囲であり得る。
【0071】
2.癌の治療法
本明細書に記載されるように、開示された治療薬送達賦形剤および/または医薬組成物は、癌などの制御されていない細胞増殖が起こる任意の疾患を治療するために使用することができる。したがって、一態様では、対象の癌(黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺癌および/または膀胱癌を含むがこれらに限定されない);癌(黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺癌および/または膀胱癌を含むがこれらに限定されない)の増殖;癌(黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺癌および/または膀胱癌を含むがこれらに限定されない)の転移を治療、軽減、阻害または予防する方法;および/または対象における腫瘍の外科的切除後の癌(黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺癌および/または膀胱癌を含むがこれらに限定されない)の再発、増殖または転移を治療、軽減、阻害または予防する方法であって、癌治療薬送達賦形剤および/または本明細書に開示される医薬組成物を患者に投与することを含む方法が本明細書に開示されている。したがって、一態様では、対象の癌;癌の増殖;癌の転移を治療、軽減、阻害または予防する方法;および/または対象における腫瘍の外科的切除後の癌の再発、増殖または転移を治療、軽減、阻害または予防する方法であって、改変血小板と標的化部分(または医薬組成物)を含む治療薬送達賦形剤を対象に投与することを含む方法が本明細書に開示されている。開示された方法で使用される治療薬送達賦形剤および/または医薬組成物は、治療薬送達賦形剤および/または医薬組成物の免疫療法効果を高めるための1種以上の治療薬をさらに含み得ることが理解される。例えば、開示された方法で使用される治療薬送達賦形剤および/または医薬組成物は、小分子(1-メチル-トリプトファン(1-MT)、ノルハルマン、ロスマリン酸、エパカドスタット、ナボキシモド、ドキソルビシン、タモキシフェン、パクリタキセル、ビンブラスチン、シクロホスファミドおよび5-フルオロウラシルを含むがこれらに限定されない)、siRNA、ペプチド、ペプチド模倣物または抗体(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブを含むがこれらに限定されない抗PD-L1抗体など)をさらに含み得る。1種以上の治療薬は、治療薬送達賦形剤にカプセル化されるか、もしくは化学的に結合され得るか、または治療薬送達賦形剤と共に医薬組成物中で供給され得る。したがって、対象の癌;癌の増殖;癌の転移を治療、軽減、阻害または予防する方法;および/または対象における腫瘍の外科的切除後の癌の再発、増殖または転移を治療、軽減、阻害または予防する方法であって、改変血小板と標的化部分(または医薬組成物)を含み、ここで、治療薬カーゴは、小分子(1-メチル-トリプトファン(1-MT)、ノルハルマン、ロスマリン酸、エパカドスタット、ナボキシモド、ドキソルビシン、タモキシフェン、パクリタキセル、ビンブラスチン、シクロホスファミドおよび5-フルオロウラシルを含むがこれらに限定されない)、siRNA、ペプチド、ペプチド模倣物または抗体(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブを含むがこれらに限定されない抗PD-L1抗体など)を含む、方法が本明細書に開示されている。
【0072】
開示された癌の治療、阻害、低減および/または予防方法で使用される化学療法薬は、Abemaciclib、Abiraterone Acetate、Abitrexate(Methotrexate)、Abraxane(Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、AC-T、Adcetris(Brentuximab Vedotin)、ADE、Ado-Trastuzumab Emtansine、Adriamycin(Doxorubicin Hydrochloride)、Afatinib Dimaleate、Afinitor(Everolimus)、Akynzeo(Netupitant and Palonosetron Hydrochloride)、Aldara(Imiquimod)、Aldesleukin、Alecensa(Alectinib)、Alectinib、Alemtuzumab、Alimta(Pemetrexed Disodium)、Aliqopa(Copanlisib Hydrochloride)、Alkeran for Injection(Melphalan Hydrochloride)、Alkeran Tablets(Melphalan)、Aloxi(Palonosetron Hydrochloride)、Alunbrig(Brigatinib)、Ambochlorin(Chlorambucil)、Amboclorin Chlorambucil)、Amifostine、Aminolevulinic Acid、Anastrozole、Aprepitant、Aredia(Pamidronate Disodium)、Arimidex(Anastrozole)、Aromasin(Exemestane),Arranon(Nelarabine)、Arsenic Trioxide、Arzerra(Ofatumumab)、Asparaginase Erwinia chrysanthemi、Atezolizumab、Avastin(Bevacizumab)、Avelumab、Axitinib、Azacitidine、Bavencio(Avelumab)、BEACOPP、Becenum(Carmustine)、Beleodaq(Belinostat)、Belinostat、Bendamustine Hydrochloride、BEP、Besponsa(Inotuzumab Ozogamicin)、Bevacizumab、Bexarotene、Bexxar(Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab)、Bicalutamide、BiCNU(Carmustine)、Bleomycin、Blinatumomab、Blincyto(Blinatumomab)、Bortezomib、Bosulif(Bosutinib)、Bosutinib、Brentuximab Vedotin、Brigatinib、BuMel、Busulfan、Busulfex(Busulfan)、Cabazitaxel、Cabometyx(Cabozantinib-S-Malate)、Cabozantinib-S-Malate、CAF、Campath(Alemtuzumab)、Camptosar、(Irinotecan Hydrochloride)、Capecitabine、CAPOX、Carac(Fluorouracil--Topical)、Carboplatin、CARBOPLATIN-TAXOL、Carfilzomib、Carmubris(Carmustine)、Carmustine、Carmustine Implant、Casodex(Bicalutamide)、CEM、Ceritinib、Cerubidine(Daunorubicin Hydrochloride)、Cervarix(Recombinant HPV Bivalent Vaccine)、Cetuximab、CEV、Chlorambucil、CHLORAMBUCIL-PREDNISONE、CHOP、Cisplatin、Cladribine、Clafen(Cyclophosphamide)、Clofarabine、Clofarex(Clofarabine)、Clolar(Clofarabine)、CMF、Cobimetinib、Cometriq(Cabozantinib-S-Malate)、Copanlisib Hydrochloride、COPDAC、COPP、COPP-ABV、Cosmegen(Dactinomycin)、Cotellic(Cobimetinib)、Crizotinib、CVP、Cyclophosphamide、Cyfos(Ifosfamide)、Cyramza(Ramucirumab)、Cytarabine、Cytarabine Liposome、Cytosar-U(Cytarabine)、Cytoxan(Cyclophosphamide)、Dabrafenib、Dacarbazine、Dacogen(Decitabine)、Dactinomycin、Daratumumab、Darzalex(Daratumumab)、Dasatinib、Daunorubicin Hydrochloride、Daunorubicin Hydrochloride and Cytarabine Liposome、Decitabine、Defibrotide Sodium、Defitelio(Defibrotide Sodium)、Degarelix、Denileukin Diftitox、Denosumab、DepoCyt(Cytarabine Liposome)、Dexamethasone、Dexrazoxane Hydrochloride、Dinutuximab、Docetaxel、Doxil(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Doxorubicin Hydrochloride、Doxorubicin Hydrochloride Liposome、Dox-SL(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、DTIC-Dome(Dacarbazine)、Durvalumab、Efudex(Fluorouracil--Topical)、Elitek(Rasburicase)、Ellence(Epirubicin Hydrochloride)、Elotuzumab、Eloxatin(Oxaliplatin)、Eltrombopag Olamine、Emend(Aprepitant)、Empliciti(Elotuzumab)、Enasidenib Mesylate、Enzalutamide、Epirubicin Hydrochloride、EPOCH、Erbitux(Cetuximab)、Eribulin Mesylate、Erivedge(Vismodegib)、Erlotinib Hydrochloride、Erwinaze(Asparaginase Erwinia chrysanthemi)、Ethyol(Amifostine)、Etopophos(Etoposide Phosphate)、Etoposide、Etoposide Phosphate、Evacet(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Everolimus、Evista、(Raloxifene Hydrochloride)、Evomela(Melphalan Hydrochloride)、Exemestane、5-FU(Fluorouracil Injection)、5-FU(Fluorouracil--Topical)、Fareston(Toremifene)、Farydak(Panobinostat)、Faslodex(Fulvestrant)、FEC、Femara(Letrozole)、Filgrastim、Fludara(Fludarabine Phosphate)、Fludarabine Phosphate、Fluoroplex(Fluorouracil--Topical)、Fluorouracil Injection、Fluorouracil--Topical、Flutamide、Folex(Methotrexate)、Folex PFS(Methotrexate)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、Folotyn(Pralatrexate)、FU-LV、Fulvestrant、Gardasil(Recombinant HPV Quadrivalent Vaccine)、Gardasil 9(Recombinant HPV Nonavalent Vaccine)、Gazyva(Obinutuzumab)、Gefitinib、Gemcitabine Hydrochloride、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、Gemtuzumab Ozogamicin、Gemzar(Gemcitabine Hydrochloride)、Gilotrif(Afatinib Dimaleate)、Gleevec(Imatinib Mesylate)、Gliadel(Carmustine Implant)、Gliadel wafer(Carmustine Implant)、Glucarpidase、Goserelin Acetate、Halaven(Eribulin Mesylate)、Hemangeol(Propranolol Hydrochloride)、Herceptin(Trastuzumab)、HPV Bivalent Vaccine、Recombinant、HPV Nonavalent Vaccine、Recombinant、HPV Quadrivalent Vaccine、Recombinant、Hycamtin(Topotecan Hydrochloride)、Hydrea(Hydroxyurea)、Hydroxyurea、Hyper-CVAD、Ibrance(Palbociclib)、Ibritumomab Tiuxetan、Ibrutinib、ICE、Iclusig(Ponatinib Hydrochloride)、Idamycin(Idarubicin Hydrochloride)、Idarubicin Hydrochloride、Idelalisib、Idhifa(Enasidenib Mesylate)、Ifex(Ifosfamide)、Ifosfamide、Ifosfamidum(Ifosfamide)、IL-2(Aldesleukin)、Imatinib Mesylate、Imbruvica(Ibrutinib)、Imfinzi(Durvalumab)、Imiquimod、Imlygic(Talimogene Laherparepvec)、Inlyta(Axitinib)、Inotuzumab Ozogamicin、Interferon Alfa-2b、Recombinant、Interleukin-2(Aldesleukin)、Intron A(Recombinant Interferon Alfa-2b)、Iodine I 131 Tositumomab and Tositumomab、Ipilimumab、Iressa(Gefitinib)、Irinotecan Hydrochloride、Irinotecan Hydrochloride Liposome、Istodax(Romidepsin)、Ixabepilone、Ixazomib Citrat








e、Ixempra(Ixabepilone)、Jakafi(Ruxolitinib Phosphate)、JEB、Jevtana(Cabazitaxel)、Kadcyla(Ado-Trastuzumab Emtansine)、Keoxifene(Raloxifene Hydrochloride)、Kepivance(Palifermin)、Keytruda(Pembrolizumab)、Kisqali(Ribociclib)、Kymriah(Tisagenlecleucel)、Kyprolis(Carfilzomib)、Lanreotide Acetate、Lapatinib Ditosylate、Lartruvo(Olaratumab)、Lenalidomide、Lenvatinib Mesylate、Lenvima(Lenvatinib Mesylate)、Letrozole、Leucovorin Calcium、Leukeran(Chlorambucil)、Leuprolide Acetate、Leustatin(Cladribine)、Levulan(Aminolevulinic Acid)、Linfolizin(Chlorambucil)、LipoDox(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Lomustine、Lonsurf(Trifluridine and Tipiracil Hydrochloride)、Lupron(Leuprolide Acetate)、Lupron Depot(Leuprolide Acetate)、Lupron Depot-Ped(Leuprolide Acetate)、Lynparza(Olaparib)、Marqibo(Vincristine Sulfate Liposome)、Matulane(Procarbazine Hydrochloride)、Mechlorethamine Hydrochloride、Megestrol Acetate、Mekinist(Trametinib)、Melphalan、Melphalan Hydrochloride、Mercaptopurine、Mesna、Mesnex(Mesna)、Methazolastone(Temozolomide)、Methotrexate、Methotrexate LPF(Methotrexate)、Methylnaltrexone Bromide、Mexate(Methotrexate)、Mexate-AQ(Methotrexate)、Midostaurin、Mitomycin C、Mitoxantrone Hydrochloride、Mitozytrex(Mitomycin C)、MOPP、Mozobil(Plerixafor)、Mustargen(Mechlorethamine Hydrochloride)、Mutamycin(Mitomycin C)、Myleran(Busulfan)、Mylosar(Azacitidine)、Mylotarg(Gemtuzumab Ozogamicin)、Nanoparticle Paclitaxel(Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation)、Navelbine(Vinorelbine Tartrate)、Necitumumab、Nelarabine、Neosar(Cyclophosphamide)、Neratinib Maleate、Nerlynx(Neratinib Maleate)、Netupitant and Palonosetron Hydrochloride、Neulasta(Pegfilgrastim)、Neupogen(Filgrastim)、Nexavar(Sorafenib Tosylate)、Nilandron(Nilutamide)、Nilotinib、Nilutamide、Ninlaro(Ixazomib Citrate)、Niraparib Tosylate Monohydrate、Nivolumab、Nolvadex(Tamoxifen Citrate)、Nplate(Romiplostim)、Obinutuzumab、Odomzo(Sonidegib)、OEPA、Ofatumumab、OFF、Olaparib、Olaratumab、Omacetaxine Mepesuccinate、Oncaspar(Pegaspargase)、Ondansetron Hydrochloride、Onivyde(Irinotecan Hydrochloride Liposome)、Ontak(Denileukin Diftitox)、Opdivo(Nivolumab)、OPPA、Osimertinib、Oxaliplatin、Paclitaxel、Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation、PAD、Palbociclib、Palifermin、Palonosetron Hydrochloride、Palonosetron Hydrochloride and Netupitant、Pamidronate Disodium、Panitumumab、Panobinostat、Paraplat(Carboplatin)、Paraplatin(Carboplatin)、Pazopanib Hydrochloride、PCV、PEB、Pegaspargase、Pegfilgrastim、Peginterferon Alfa-2b、PEG-Intron(Peginterferon Alfa-2b)、Pembrolizumab、Pemetrexed Disodium、Perjeta(Pertuzumab)、Pertuzumab、Platinol(Cisplatin)、Platinol-AQ(Cisplatin)、Plerixafor、Pomalidomide、Pomalyst(Pomalidomide)、Ponatinib Hydrochloride、Portrazza(Necitumumab)、Pralatrexate、Prednisone、Procarbazine Hydrochloride、Proleukin(Aldesleukin)、Prolia(Denosumab)、Promacta(Eltrombopag Olamine)、Propranolol Hydrochloride、Provenge(Sipuleucel-T)、Purinethol(Mercaptopurine)、Purixan(Mercaptopurine)、Radium 223 Dichloride、Raloxifene Hydrochloride、Ramucirumab、Rasburicase、R-CHOP、R-CVP、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Bivalent Vaccine、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Nonavalent Vaccine、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Quadrivalent Vaccine、Recombinant Interferon Alfa-2b、Regorafenib、Relistor(Methylnaltrexone Bromide)、R-EPOCH、Revlimid(Lenalidomide)、Rheumatrex(Methotrexate)、Ribociclib、R-ICE、Rituxan(Rituximab)、Rituxan Hycela(Rituximab and Hyaluronidase Human)、Rituximab、Rituximab and、Hyaluronidase Human、,Rolapitant Hydrochloride、Romidepsin、Romiplostim、Rubidomycin(Daunorubicin Hydrochloride)、Rubraca(Rucaparib Camsylate)、Rucaparib Camsylate、Ruxolitinib Phosphate、Rydapt(Midostaurin)、Sclerosol Intrapleural Aerosol(Talc)、Siltuximab、Sipuleucel-T、Somatuline Depot(Lanreotide Acetate)、Sonidegib、Sorafenib Tosylate、Sprycel(Dasatinib)、STANFORD V、Sterile Talc Powder(Talc)、Steritalc(Talc)、Stivarga(Regorafenib)、Sunitinib Malate、Sutent(Sunitinib Malate)、Sylatron(Peginterferon Alfa-2b)、Sylvant(Siltuximab)、Synribo(Omacetaxine Mepesuccinate)、Tabloid(Thioguanine)、TAC、Tafinlar(Dabrafenib)、Tagrisso(Osimertinib)、Talc、Talimogene Laherparepvec、Tamoxifen Citrate、Tarabine PFS(Cytarabine)、Tarceva(Erlotinib Hydrochloride)、Targretin(Bexarotene)、Tasigna(Nilotinib)、Taxol(Paclitaxel)、Taxotere(Docetaxel)、Tecentriq、(Atezolizumab)、Temodar(Temozolomide)、Temozolomide、Temsirolimus、Thalidomide、Thalomid(Thalidomide)、Thioguanine、Thiotepa、Tisagenlecleucel、Tolak(Fluorouracil--Topical)、Topotecan Hydrochloride、Toremifene、Torisel(Temsirolimus)、Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab、Totect(Dexrazoxane Hydrochloride)、TPF、Trabectedin、Trametinib、Trastuzumab、Treanda(Bendamustine Hydrochloride)、Trifluridine and Tipiracil Hydrochloride、Trisenox(Arsenic Trioxide)、Tykerb(Lapatinib Ditosylate)、Unituxin(Dinutuximab)、Uridine Triacetate、VAC、Vandetanib、VAMP、Varubi(Rolapitant Hydrochloride)、Vectibix(Panitumumab)、VeIP、Velban(Vinblastine Sulfate)、Velcade(Bortezomib)、Velsar(Vinblastine Sulfate)、Vemurafenib、Venclexta(Venetoclax)、Venetoclax、Verzenio(Abemaciclib)、Viadur(Leuprolide Acetate)、Vidaza(Azacitidine)、Vinblastine Sulfate、Vincasar PFS(Vincristine Sulfate)、Vincristine Sulfate、Vincristine Sulfate Liposome、Vinorelbine Tartrate、VIP、Vismodegib、Vistogard(Uridin








e Triacetate)、Voraxaze(Glucarpidase)、Vorinostat、Votrient(Pazopanib Hydrochloride)、Vyxeos(Daunorubicin Hydrochloride and Cytarabine Liposome)、Wellcovorin(Leucovorin Calcium)、Xalkori(Crizotinib)、Xeloda(Capecitabine)、XELIRI、XELOX、Xgeva(Denosumab)、Xofigo(Radium 223 Dichloride)、Xtandi(Enzalutamide)、Yervoy(Ipilimumab)、Yondelis(Trabectedin)、Zaltrap(Ziv-Aflibercept)、Zarxio(Filgrastim)、Zejula(Niraparib Tosylate Monohydrate)、Zelboraf(Vemurafenib)、Zevalin(Ibritumomab Tiuxetan)、Zinecard(Dexrazoxane Hydrochloride)、Ziv-Aflibercept、Zofran(Ondansetron Hydrochloride)、Zoladex(Goserelin Acetate)、Zoledronic Acid、Zolinza(Vorinostat)、Zometa(Zoledronic Acid)、Zydelig(Idelalisib)、Zykadia(Ceritinib)、および/またはZytiga(Abiraterone Acetate)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で知られている任意の化学療法薬を含み得ることが理解され、本明細書で企図されている。したがって、対象の癌;癌の増殖;癌の転移を治療、軽減、阻害もしくは予防する方法;および/または対象の腫瘍の外科的切除後の癌の再発、増殖もしくは転移を治療、軽減、阻害もしくは予防する方法であって、改変血小板と標的化部分を含み、ここで、血小板は、治療薬カーゴと化学的な結合を含むように改変されており、ここで、血小板は、標的化部分に化学的にコンジュゲートされている治療薬送達賦形剤を対象に投与することを含み、さらに、Abemaciclib、Abiraterone Acetate、Abitrexate(Methotrexate)、Abraxane(Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、AC-T、Adcetris(Brentuximab Vedotin)、ADE、Ado-Trastuzumab Emtansine、Adriamycin(Doxorubicin Hydrochloride)、Afatinib Dimaleate、Afinitor(Everolimus)、Akynzeo(Netupitant and Palonosetron Hydrochloride)、Aldara(Imiquimod)、Aldesleukin、Alecensa(Alectinib)、Alectinib、Alemtuzumab、Alimta(Pemetrexed Disodium)、Aliqopa(Copanlisib Hydrochloride)、Alkeran for Injection(Melphalan Hydrochloride)、Alkeran Tablets(Melphalan)、Aloxi(Palonosetron Hydrochloride)、Alunbrig(Brigatinib)、Ambochlorin(Chlorambucil)、Amboclorin Chlorambucil)、Amifostine、Aminolevulinic Acid、Anastrozole、Aprepitant、Aredia(Pamidronate Disodium)、Arimidex(Anastrozole)、Aromasin(Exemestane),Arranon(Nelarabine)、Arsenic Trioxide、Arzerra(Ofatumumab)、Asparaginase Erwinia chrysanthemi、Atezolizumab、Avastin(Bevacizumab)、Avelumab、Axitinib、Azacitidine、Bavencio(Avelumab)、BEACOPP、Becenum(Carmustine)、Beleodaq(Belinostat)、Belinostat、Bendamustine Hydrochloride、BEP、Besponsa(Inotuzumab Ozogamicin)、Bevacizumab、Bexarotene、Bexxar(Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab)、Bicalutamide、BiCNU(Carmustine)、Bleomycin、Blinatumomab、Blincyto(Blinatumomab)、Bortezomib、Bosulif(Bosutinib)、Bosutinib、Brentuximab Vedotin、Brigatinib、BuMel、Busulfan、Busulfex(Busulfan)、Cabazitaxel、Cabometyx(Cabozantinib-S-Malate)、Cabozantinib-S-Malate、CAF、Campath(Alemtuzumab)、Camptosar、(Irinotecan Hydrochloride)、Capecitabine、CAPOX、Carac(Fluorouracil--Topical)、Carboplatin、CARBOPLATIN-TAXOL、Carfilzomib、Carmubris(Carmustine)、Carmustine、Carmustine Implant、Casodex(Bicalutamide)、CEM、Ceritinib、Cerubidine(Daunorubicin Hydrochloride)、Cervarix(Recombinant HPV Bivalent Vaccine)、Cetuximab、CEV、Chlorambucil、CHLORAMBUCIL-PREDNISONE、CHOP、Cisplatin、Cladribine、Clafen(Cyclophosphamide)、Clofarabine、Clofarex(Clofarabine)、Clolar(Clofarabine)、CMF、Cobimetinib、Cometriq(Cabozantinib-S-Malate)、Copanlisib Hydrochloride、COPDAC、COPP、COPP-ABV、Cosmegen(Dactinomycin)、Cotellic(Cobimetinib)、Crizotinib、CVP、Cyclophosphamide、Cyfos(Ifosfamide)、Cyramza(Ramucirumab)、Cytarabine、Cytarabine Liposome、Cytosar-U(Cytarabine)、Cytoxan(Cyclophosphamide)、Dabrafenib、Dacarbazine、Dacogen(Decitabine)、Dactinomycin、Daratumumab、Darzalex(Daratumumab)、Dasatinib、Daunorubicin Hydrochloride、Daunorubicin Hydrochloride and Cytarabine Liposome、Decitabine、Defibrotide Sodium、Defitelio(Defibrotide Sodium)、Degarelix、Denileukin Diftitox、Denosumab、DepoCyt(Cytarabine Liposome)、Dexamethasone、Dexrazoxane Hydrochloride、Dinutuximab、Docetaxel、Doxil(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Doxorubicin Hydrochloride、Doxorubicin Hydrochloride Liposome、Dox-SL(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、DTIC-Dome(Dacarbazine)、Durvalumab、Efudex(Fluorouracil--Topical)、Elitek(Rasburicase)、Ellence(Epirubicin Hydrochloride)、Elotuzumab、Eloxatin(Oxaliplatin)、Eltrombopag Olamine、Emend(Aprepitant)、Empliciti(Elotuzumab)、Enasidenib Mesylate、Enzalutamide、Epirubicin Hydrochloride、EPOCH、Erbitux(Cetuximab)、Eribulin Mesylate、Erivedge(Vismodegib)、Erlotinib Hydrochloride、Erwinaze(Asparaginase Erwinia chrysanthemi)、Ethyol(Amifostine)、Etopophos(Etoposide Phosphate)、Etoposide、Etoposide Phosphate、Evacet(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Everolimus、Evista、(Raloxifene Hydrochloride)、Evomela(Melphalan Hydrochloride)、Exemestane、5-FU(Fluorouracil Injection)、5-FU(Fluorouracil--Topical)、Fareston(Toremifene)、Farydak(Panobinostat)、Faslodex(Fulvestrant)、FEC、Femara(Letrozole)、Filgrastim、Fludara(Fludarabine Phosphate)、Fludarabine Phosphate、Fluoroplex(Fluorouracil--Topical)、Fluorouracil Injection、Fluorouracil--Topical、Flutamide、Folex(Methotrexate)、Folex PFS(Methotrexate)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、Folotyn(Pralatrexate)、FU-LV、Fulvestrant、Gardasil(Recombinant HPV Quadrivalent Vaccine)、Gardasil 9(Recombinant HPV Nonavalent Vaccine)、Gazyva(Obinutuzumab)、Gefitinib、Gemcitabine Hydrochloride、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、Gemtuzumab Ozogamicin、Gemzar(Gemcitabine Hydrochloride)、Gilotrif(Afatinib Dimaleate)、Gleevec(Imatinib Mesylate)、Gliadel(Carmustine Implant)、Gliadel wafer(Carmustine Implant)、Glucarpidase、Goserelin Acetate、








Halaven(Eribulin Mesylate)、Hemangeol(Propranolol Hydrochloride)、Herceptin(Trastuzumab)、HPV Bivalent Vaccine、Recombinant、HPV Nonavalent Vaccine、Recombinant、HPV Quadrivalent Vaccine、Recombinant、Hycamtin(Topotecan Hydrochloride)、Hydrea(Hydroxyurea)、Hydroxyurea、Hyper-CVAD、Ibrance(Palbociclib)、Ibritumomab Tiuxetan、Ibrutinib、ICE、Iclusig(Ponatinib Hydrochloride)、Idamycin(Idarubicin Hydrochloride)、Idarubicin Hydrochloride、Idelalisib、Idhifa(Enasidenib Mesylate)、Ifex(Ifosfamide)、Ifosfamide、Ifosfamidum(Ifosfamide)、IL-2(Aldesleukin)、Imatinib Mesylate、Imbruvica(Ibrutinib)、Imfinzi(Durvalumab)、Imiquimod、Imlygic(Talimogene Laherparepvec)、Inlyta(Axitinib)、Inotuzumab Ozogamicin、Interferon Alfa-2b、Recombinant、Interleukin-2(Aldesleukin)、Intron A(Recombinant Interferon Alfa-2b)、Iodine I 131 Tositumomab and Tositumomab、Ipilimumab、Iressa(Gefitinib)、Irinotecan Hydrochloride、Irinotecan Hydrochloride Liposome、Istodax(Romidepsin)、Ixabepilone、Ixazomib Citrate、Ixempra(Ixabepilone)、Jakafi(Ruxolitinib Phosphate)、JEB、Jevtana(Cabazitaxel)、Kadcyla(Ado-Trastuzumab Emtansine)、Keoxifene(Raloxifene Hydrochloride)、Kepivance(Palifermin)、Keytruda(Pembrolizumab)、Kisqali(Ribociclib)、Kymriah(Tisagenlecleucel)、Kyprolis(Carfilzomib)、Lanreotide Acetate、Lapatinib Ditosylate、Lartruvo(Olaratumab)、Lenalidomide、Lenvatinib Mesylate、Lenvima(Lenvatinib Mesylate)、Letrozole、Leucovorin Calcium、Leukeran(Chlorambucil)、Leuprolide Acetate、Leustatin(Cladribine)、Levulan(Aminolevulinic Acid)、Linfolizin(Chlorambucil)、LipoDox(Doxorubicin Hydrochloride Liposome)、Lomustine、Lonsurf(Trifluridine and Tipiracil Hydrochloride)、Lupron(Leuprolide Acetate)、Lupron Depot(Leuprolide Acetate)、Lupron Depot-Ped(Leuprolide Acetate)、Lynparza(Olaparib)、Marqibo(Vincristine Sulfate Liposome)、Matulane(Procarbazine Hydrochloride)、Mechlorethamine Hydrochloride、Megestrol Acetate、Mekinist(Trametinib)、Melphalan、Melphalan Hydrochloride、Mercaptopurine、Mesna、Mesnex(Mesna)、Methazolastone(Temozolomide)、Methotrexate、Methotrexate LPF(Methotrexate)、Methylnaltrexone Bromide、Mexate(Methotrexate)、Mexate-AQ(Methotrexate)、Midostaurin、Mitomycin C、Mitoxantrone Hydrochloride、Mitozytrex(Mitomycin C)、MOPP、Mozobil(Plerixafor)、Mustargen(Mechlorethamine Hydrochloride)、Mutamycin(Mitomycin C)、Myleran(Busulfan)、Mylosar(Azacitidine)、Mylotarg(Gemtuzumab Ozogamicin)、Nanoparticle Paclitaxel(Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation)、Navelbine(Vinorelbine Tartrate)、Necitumumab、Nelarabine、Neosar(Cyclophosphamide)、Neratinib Maleate、Nerlynx(Neratinib Maleate)、Netupitant and Palonosetron Hydrochloride、Neulasta(Pegfilgrastim)、Neupogen(Filgrastim)、Nexavar(Sorafenib Tosylate)、Nilandron(Nilutamide)、Nilotinib、Nilutamide、Ninlaro(Ixazomib Citrate)、Niraparib Tosylate Monohydrate、Nivolumab、Nolvadex(Tamoxifen Citrate)、Nplate(Romiplostim)、Obinutuzumab、Odomzo(Sonidegib)、OEPA、Ofatumumab、OFF、Olaparib、Olaratumab、Omacetaxine Mepesuccinate、Oncaspar(Pegaspargase)、Ondansetron Hydrochloride、Onivyde(Irinotecan Hydrochloride Liposome)、Ontak(Denileukin Diftitox)、Opdivo(Nivolumab)、OPPA、Osimertinib、Oxaliplatin、Paclitaxel、Paclitaxel Albumin-stabilized Nanoparticle Formulation、PAD、Palbociclib、Palifermin、Palonosetron Hydrochloride、Palonosetron Hydrochloride and Netupitant、Pamidronate Disodium、Panitumumab、Panobinostat、Paraplat(Carboplatin)、Paraplatin(Carboplatin)、Pazopanib Hydrochloride、PCV、PEB、Pegaspargase、Pegfilgrastim、Peginterferon Alfa-2b、PEG-Intron(Peginterferon Alfa-2b)、Pembrolizumab、Pemetrexed Disodium、Perjeta(Pertuzumab)、Pertuzumab、Platinol(Cisplatin)、Platinol-AQ(Cisplatin)、Plerixafor、Pomalidomide、Pomalyst(Pomalidomide)、Ponatinib Hydrochloride、Portrazza(Necitumumab)、Pralatrexate、Prednisone、Procarbazine Hydrochloride、Proleukin(Aldesleukin)、Prolia(Denosumab)、Promacta(Eltrombopag Olamine)、Propranolol Hydrochloride、Provenge(Sipuleucel-T)、Purinethol(Mercaptopurine)、Purixan(Mercaptopurine)、Radium 223 Dichloride、Raloxifene Hydrochloride、Ramucirumab、Rasburicase、R-CHOP、R-CVP、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Bivalent Vaccine、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Nonavalent Vaccine、Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Quadrivalent Vaccine、Recombinant Interferon Alfa-2b、Regorafenib、Relistor(Methylnaltrexone Bromide)、R-EPOCH、Revlimid(Lenalidomide)、Rheumatrex(Methotrexate)、Ribociclib、R-ICE、Rituxan(Rituximab)、Rituxan Hycela(Rituximab and Hyaluronidase Human)、Rituximab、Rituximab and、Hyaluronidase Human、,Rolapitant Hydrochloride、Romidepsin、Romiplostim、Rubidomycin(Daunorubicin Hydrochloride)、Rubraca(Rucaparib Camsylate)、Rucaparib Camsylate、Ruxolitinib Phosphate、Rydapt(Midostaurin)、Sclerosol Intrapleural Aerosol(Talc)、Siltuximab、Sipuleucel-T、Somatuline Depot(Lanreotide Acetate)、Sonidegib、Sorafenib Tosylate、Sprycel(Dasatinib)、STANFORD V、Sterile Talc Powder(Talc)、Steritalc(Talc)、Stivarga(Regorafenib)、Sunitinib Malate、Sutent(Sunitinib Malate)、Sylatron(Peginterferon Alfa-2b)、Sylvant(Siltuximab)、Synribo(Omacetaxine Mepesuccinate)、Tabloid(Thioguanine)、TAC、Tafinlar(Dabrafenib)、Tagrisso(Osimertinib)、Talc、Talimogene Laherparepvec、Tamoxifen Citrate、Tarabine PFS(Cytarabine)、Tarceva(Erlotinib Hydrochloride)、Targretin(Bexarotene)、Tasigna(Nilotinib)、Taxol(Paclitaxel)、Taxotere(Docetaxel)、








Tecentriq、(Atezolizumab)、Temodar(Temozolomide)、Temozolomide、Temsirolimus、Thalidomide、Thalomid(Thalidomide)、Thioguanine、Thiotepa、Tisagenlecleucel、Tolak(Fluorouracil--Topical)、Topotecan Hydrochloride、Toremifene、Torisel(Temsirolimus)、Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab、Totect(Dexrazoxane Hydrochloride)、TPF、Trabectedin、Trametinib、Trastuzumab、Treanda(Bendamustine Hydrochloride)、Trifluridine and Tipiracil Hydrochloride、Trisenox(Arsenic Trioxide)、Tykerb(Lapatinib Ditosylate)、Unituxin(Dinutuximab)、Uridine Triacetate、VAC、Vandetanib、VAMP、Varubi(Rolapitant Hydrochloride)、Vectibix(Panitumumab)、VeIP、Velban(Vinblastine Sulfate)、Velcade(Bortezomib)、Velsar(Vinblastine Sulfate)、Vemurafenib、Venclexta(Venetoclax)、Venetoclax、Verzenio(Abemaciclib)、Viadur(Leuprolide Acetate)、Vidaza(Azacitidine)、Vinblastine Sulfate、Vincasar PFS(Vincristine Sulfate)、Vincristine Sulfate、Vincristine Sulfate Liposome、Vinorelbine Tartrate、VIP、Vismodegib、Vistogard(Uridine Triacetate)、Voraxaze(Glucarpidase)、Vorinostat、Votrient(Pazopanib Hydrochloride)、Vyxeos(Daunorubicin Hydrochloride and Cytarabine Liposome)、Wellcovorin(Leucovorin Calcium)、Xalkori(Crizotinib)、Xeloda(Capecitabine)、XELIRI、XELOX、Xgeva(Denosumab)、Xofigo(Radium 223 Dichloride)、Xtandi(Enzalutamide)、Yervoy(Ipilimumab)、Yondelis(Trabectedin)、Zaltrap(Ziv-Aflibercept)、Zarxio(Filgrastim)、Zejula(Niraparib Tosylate Monohydrate)、Zelboraf(Vemurafenib)、Zevalin(Ibritumomab Tiuxetan)、Zinecard(Dexrazoxane Hydrochloride)、Ziv-Aflibercept、Zofran(Ondansetron Hydrochloride)、Zoladex(Goserelin Acetate)、Zoledronic Acid、Zolinza(Vorinostat)、Zometa(Zoledronic Acid)、Zydelig(Idelalisib)、Zykadia(Ceritinib)、および/またはZytiga(Abiraterone Acetate)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で知られている任意の化学療法薬を別個にまたは同じ組成物中で対象に投与することを含む方法が本明細書に開示されている。前記方法はまた、小分子(1-メチル-トリプトファン(1-MT)、ノルハルマン、ロスマリン酸、エパカドスタット、ナボキシモド、ドキソルビシン、タモキシフェン、パクリタキセル、ビンブラスチン、シクロホスファミドおよび5-フルオロウラシルを含むがこれらに限定されない)、siRNA、ペプチド、ペプチド模倣物または抗体(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブもしくはアベルマブを含むがこれらに限定されない抗PD-L1抗体など)を含むがこれらに限定されない、本明細書に開示される任意の治療薬の投与も含む。
【0073】
上述のとおり、開示された方法または癌の治療に有用である。開示された組成物を使用して治療可能な癌の代表的であるが非限定的なリストは以下のとおりである:リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉症、ホジキン病、骨髄性白血病、膀胱癌、脳腫瘍、神経系癌、頭頸部癌、頭頸部扁平上皮癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌などの肺癌、神経芽細胞腫/膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌(prostate cancer)、皮膚癌、肝臓癌、黒色腫、口・喉・喉頭および肺の扁平上皮癌、子宮頸部癌、子宮頸癌、乳癌、および上皮癌、腎癌、尿路性器癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌腫、大腸癌、造血器癌;精巣癌、結腸・直腸癌、前立腺癌(prostatic cancer)、または膵臓癌。
【0074】
一態様では、本明細書に開示される任意の治療薬送達賦形剤または医薬組成物を対象に投与することを含む、癌を治療する開示された方法は、対象における特定の癌の治療に適切な任意の頻度での治療薬送達賦形剤または医薬組成物の投与を含み得る。例えば、治療薬送達賦形剤または医薬組成物は、少なくとも12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48時間毎に1回、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日間毎に1回、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12か月毎に1回患者に投与することができる。一態様では、治療薬送達賦形剤または医薬組成物は、週に少なくとも1、2、3、4、5、6、7回投与される。
【0075】
一態様では、開示された方法で使用するために対象に投与される、本明細書に開示される治療薬送達賦形剤または医薬組成物の量は、医師によって決定される特定の癌の対象の治療に適切な任意の量を含み得る。例えば、治療薬送達賦形剤または医薬組成物の量は、約10mg/kg~約100mg/kgであり得る。例えば、投与される治療薬送達賦形剤または医薬組成物の量は、少なくとも10mg/k、11mg/kg、12mg/kg、13mg/kg、14mg/kg、15mg/kg、16mg/kg、17mg/kg、18mg/kg、19mg/kg、20mg/kg、21mg/kg、22mg/kg、23mg/kg、24mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、または100mg/kgであり得る。したがって、一態様では、投与される治療薬送達賦形剤または医薬組成物の用量が約10mg/kg~約100mg/kgである、対象の癌を治療する方法が本明細書に開示される。
【実施例
【0076】
C.実施例
以下の実施例は、本明細書の特許請求の範囲に記載された化合物、組成物、物品、装置および/または方法がどのように作製され評価されるかの完全な開示および記述を当業者に提供するために提示されており、純粋に例示的であることが意図されており、本開示を限定することは意図されていない。数字(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するための努力がなされているが、一部の誤差および偏差が考慮されるべきである。特に明記しない限り、部は、重量部であり、温度は、℃単位または周囲温度であり、圧力は、大気圧または大気圧に近い。
【0077】
C.実施例1:癌免疫療法のためのPD-1遮断細胞小胞
a)結果
(1)aPD1で修飾された血小板の操作
マウス全血から血小板を採取し、プロスタグランジンE1(PGE1)で処理して血小板の活性化を阻害した。共有結合的なコンジュゲーション法により、リンカーとしてスルホスクシンイミジル-4(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)を使用して血小板にaPD1を結合した。フローサイトメトリー分析と共焦点画像の両方で、血小板上へのaPD1の修飾が成功したことが確認された。さらに、血小板上のaPD1のコンジュゲーション量を酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)の使用により定量化したところ、aPD1の最大コンジュゲーション量は血小板当たり約0.3pgとして達成されたことが示された(図3A)。そのようなカップリングはごくわずかな細胞毒性を示し、血小板の溶解を誘発することはなく、24時間後の血小板の完全性によって確認された(図3B)。さらに、コラーゲン結合と血小板凝集を介して血小板の機能を特徴づけた。P-aPD1はコラーゲンに効率的に結合し、天然血小板と比較した場合の差異は微差である。血小板とP-aPD1の両方が活性化後に凝集しており、aPD1コンジュゲーションが血小板の機能を変化させないことが示された。さらに、活性化後、PMPの生成により顕著な量のaPD1が放出され、これは非活性化血小板よりも有意に高く、aPD1の修飾後の生体機能が良好に保存されていることが示された(図3C)。
【0078】
(2)HSCと血小板との統合
C57B6マウスの大腿骨と脛骨からHSCを単離し、40μMのAcGalNAz含有培地で72時間培養した。AcGalNAzは、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の代謝とムチン型O結合型糖タンパク質への取り込みによって多数の細胞を標識することが確認されている。細胞生存率の研究により、研究濃度でのAcGalNAzの細胞毒性はごくわずかであることが確認された。HSCの表面にアジド基が存在するかどうかは、アルキニルベースのプローブであるFAMアルキンを添加することにより決定した。フローサイトメトリー分析から、クリック反応によりFAMアルキンと反応させた場合、AcGalNAzで処理されたHSCの蛍光シグナルの増加が示され、これはHSC対照よりも有意に高かった。さらに、AcGalNAzで処理されたHSCは、共焦点観察下で明るい蛍光を示したが、HSC対照では蛍光シグナルは見られなかった。
【0079】
次に、血小板を、血小板表面のアミン基と反応することができるジベンゾシクロオクチン-PEG-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(DBCO-PEG-NHSエステル)とコンジュゲートさせた。DBCO-PEG-NHSエステルの修飾が成功したかどうかは、アジドベースの蛍光プローブであるazide-fluor 488の共有結合によって決定された。フローサイトメトリー分析から、DBCO-PEG-NHSエステルで処理された血小板の方が、未処理の血小板およびアジドプローブと物理的に混合された血小板よりも明るい蛍光シグナルを示した。
【0080】
クリック反応によりHSCを血小板で修飾するために、DBCO-PEG-NHSエステルで処理された血小板をアジド導入されたHSCに供し、45分間インキュベートした。血小板-HSC集団の凝集を回避するために、過剰なアジド-PEGを添加して、血小板上の遊離DBCO基をブロックした。共焦点および走査型電子顕微鏡(SEM)画像からわかるように、細胞間界面での直接的な修飾がはっきりと観察され、細胞のコンジュゲーションは1:1の比率(血小板:HSC)で正確に調整されており、これは細胞間立体障害に起因すると考えられる(図1B)。さらに、HSCと血小板の両方の形態は、コンジュゲーション後も良好に維持されていた。血小板機能は、いくつかの重要なタンパク質の保存および活性化後の血小板由来微粒子の生成によって証明されるように、十分に保存されていた(図1C)。HSCの表面にコンジュゲートした血小板数による影響をさらに調べるために、HSCに対する血小板の反応率を高め、HSCに結合した血小板数を定量化した。1:1(血小板:HSC)の比率では、集団の大部分は、1つのHSC上に1つの血小板であった(約66%)。血小板数の増加に伴い、HSCの表面にコンジュゲートした血小板も、それに応じて増加した。8:1の比率で、80%を超えるHSCが4つ以上の血小板と結合していた(図1Dおよび1E)。しかしながら、HSCの生存率は、コンジュゲートした血小板数の増加と共に減少した。したがって、以下の研究では、1:1(血小板:HSC)の反応率を選択した。
【0081】
(3)S-P-aPD1のin vivo治療効果
骨髄に残存白血病細胞が滞留していることが、AML再発の主な原因の1つである。したがって、抗白血病効果を高めるためには、白血病細胞を排除するための薬物送達系が骨髄に蓄積されることが極めて重要である。S-P-aPD1の骨髄ホーミング能力を調べるために、最初にS-P-aPD1のin vivo薬物動態を評価した。図4Aに示すように、S-P-aPD1は、遊離aPD1よりも有意に長い半減期を示したが、これは血小板を有するHSCの循環時間に長い持続性があることに起因すると考えられる。遊離aPD1の迅速なクリアランスは、ラット抗マウスIgGの高い免疫原性に起因すると考えられる。次いで、S-P-aPD1の骨髄ホーミング能力を試験した。aPD1をCy5.5で標識し、それぞれHSC、血小板およびHSC血小板にコンジュゲートさせた。遊離aPD1、HSC-aPD1(S-aPD1と命名)、血小板-aPD1(P-aPD1と命名)、HSCと血小板-aPD1の混合物(S+P-aPD1と命名)およびS-P-aPD1を、同等のaPD1用量でC57B6マウスに静脈内注射し、6時間後にイメージングのために脚の骨を取り出した。S-aPD1とS-P-aPD1のいずれも、P-aPD1、S+P-aPD1混合物および遊離aPD1の群よりも骨髄で高い蛍光シグナルを示し、HSCの優れた骨髄蓄積能力が示された(図4B)。定量分析結果により、S-aPD1およびS-P-aPD1で処理されたマウスでは、他の群よりも骨組織からの蛍光シグナルが25倍以上も大きいことが示された(図4C)。さらに、HSCとP-aPD1の単純なブレンドでは、骨髄でaPD1の蓄積を高められなかった。HSC-血小板集団の骨髄蓄積は、骨髄におけるHSC(緑色蛍光)と血小板(赤色蛍光)の共局在化によって証明されるように、蛍光イメージングによってさらに確認され、骨髄内に局在するHSCと血小板の両方の膜の保存完全性が実証された。さらに、PMPの蛍光シグナルは、HSC-血小板で処理された骨髄において認められたが、血小板とPMPの群において観察されたPMPはわずかであった。PMPの存在は、HSC-血小板による治療後の骨髄におけるPMPのin situ潜在的な生成を示唆しており、これは骨髄における白血病微小環境が引き金となっている可能性がある。
【0082】
AMLに対するS-P-aPD1の治療効果を調べるために、C1498細胞をC57B6マウスに静脈内注射した。投与後のC1498細胞におけるPD-L1の表面発現はフローサイトメトリーによって確認された。C1498白血病保有マウスを、3回用量の生理食塩水、HSC、血小板、遊離aPD1、S-aPD1、P-aPD1、S+P-aPD1およびS-P-aPD1で1週間後に隔日で0.5mg/kgのaPD1用量にて治療した(図4D)。さらに、別の群のマウスを、aPD1を6日間毎日投与して治療した(aPD1用量、0.25mg/kg)。白血病の増殖は、C1498細胞の生物発光シグナルを介してモニターした。図4Eおよび4Fに示すように、S-P-aPD1で治療したマウスは、2週間後に生物発光シグナルの減少を示し、3週間後に生物発光シグナルは完全に消失した。さらに、この群の8匹中7匹のマウスは、白血病細胞シグナルの検出可能なシグナルを伴わない強い免疫応答を示した。対照的に、aPD1で治療したマウスは、aPD1の迅速なクリアランスと非特異的な生体内分布のために、生存時間に関する免疫効果の増強を示さなかった。P-aPD1群の控えめな治療効果は、血小板の骨髄ホーミング能力の欠如に起因すると考えられる。さらに、S-aPD1群の免疫応答がわずかであったのは、細胞間相互作用の立体障害によるT細胞の非効率的な活性化に起因すると考えられる。対照的に、骨髄ホーミング能力を有するS-P-aPD1は、骨髄に効果的に蓄積し、aPD-1を効率的に放出してT細胞をプライミングすることができる。白血病の増殖と相関するマウスの生存率は、S-P-aPD1を投与されたマウスでは80日後に約87.5%であった。対照的に、他のすべてのaPD1治療では40日を超えてマウスは生存し、生理食塩水群では30日を超えて生存したマウスはいなかった(図4H)。末梢血中のC1498細胞もフローサイトメトリーを使用して分析した。図4Gに示すように、S-P-aPD1治療を受けたマウスは、わずかな量のC1498細胞を示し、これは他のaPD1治療群および生理食塩水対照よりも有意に低かった。
【0083】
さらに、異なる治療を受けたマウスの脾臓を切除し、画像化した(図4I)。S-P-aPD1で治療したマウスの脾臓は正常な形態を示したが、他の治療群では脾臓のサイズは大きかった。定量分析結果により、S-P-aPD1で治療したマウスからの脾臓の最小重量が他の脾臓の1/2~1/3であることが示された(図4J)。次いで、ヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色を使用して、主要臓器における白血病の発症を調べた。生理食塩水で治療したマウスの骨髄、肝臓、脾臓および肺組織で白血病細胞の存在が認められた。一方、S-P-aPD1で治療したマウスは、主要臓器にごくわずかな量の白血病細胞を示した。特に、生理食塩水で治療したマウスの脾臓の免疫機能ゾーンは、白血病細胞によってほとんど破壊されており、これにより免疫応答の効果がなくなる可能性があった。
(4)T細胞性免疫応答
S-P-aPD1治療の観察された治療効果の根底にある細胞メカニズムを理解するために、治療時に末梢血中のT細胞を採取し、フローサイトメトリーによって分析した。生理食塩水、HSCおよび血小板で治療した対照群と比較して、S-P-aPD1治療を受けたマウスではCD3+T細胞の約4倍の増加が観察された(図5Aおよび5C)。S-P-aPD1治療群のCD3+T細胞は、他のaPD1治療群と比較して1.9~2.4倍の増加を示した(図5Aおよび5C)。さらに、S-P-aPD1治療を受けたマウスは、生理食塩水、HSCおよび血小板対照群と比較してCD8+T細胞の1.5倍の増加を示し、他のaPD1治療群と比較して約1.3倍の増加を示した(図5Bおよび5D)。さらに、S-P-aPD1治療群のIFNγ+CD8+T細胞は、他のaPD1治療群と比較して1.9~2.6倍増加し、生理食塩水、HSCおよび血小板対照群と比較して6.4~17.8倍増加した。これらのCD3+、CD8+およびIFNγ+CD8+T細胞の増加は、白血病の増殖の阻害と一致しており、S-P-aPD1群における有効な免疫応答および細胞傷害性T細胞のプライミングを実証した。骨髄内のT細胞サブセットをさらに分析した。PD-1発現T細胞は、フローサイトメトリーによって白血病保有マウスの骨髄内で検出された。S-P-aPD1治療を受けたマウスは、生理食塩水、HSCおよび血小板対照群と比較してCD8+T細胞の1.8~1.9倍の増加を示し、aPD1を用いた他の治療群と比較して約1.3倍の増加を示した。さらに、S-P-aPD1で治療した後のマウスの骨髄中のCD8+T細胞は約44%のGzmB陽性率を示し(図6)、これは他の治療群よりも有意に高く、S-P-aPD1治療後にエフェクターT細胞が増加したことを示唆していた。加えて、S-P-aPD1治療群では、CD8+CD44+CD69+およびCD8+CD44+CD25+T細胞の割合が高いことからも明らかなように、初期活性化状態におけるエフェクターT細胞が他の治療群よりも高かった。S-P-aPD1治療群のIFNγ+CD8+T細胞は、他のaPD1治療群と比較して2.6~2.9倍増加し、生理食塩水、HSCおよび血小板対照群と比較して5.3~21.2倍増加した。対照的に、非白血病保有マウスの骨髄中のCD8+およびIFNγ+CD8+T細胞サブセットは、S-P-aPD1で処理した後に有意な増加を示さなかった。サイトカインおよびケモカインのLuminexベースの定量化により、共調節タンパク質の4つのクラスターが明らかになり、多くの炎症誘発性因子がaPD1治療による治療後に末梢血中で増加した(図5E)。さらに、S-P-aPD1群では、サイトカインおよびケモカインの大部分が他のaPD1治療群と比較して高度にアップレギュレートされており、これはS-P-aPD1の優れた抗白血病治療効果と一致していた。血清サイトカインレベルの上昇は、AMLが単球および骨髄性細胞の成熟を妨げることを特徴としていることから、単球および骨髄性細胞を含む他の免疫細胞サブセットの変化を反映している可能性がある。白血病の発症は、以前の研究で実証されているように、AML患者の単球および顆粒球を含む他の骨髄性細胞の異常を引き起こす可能性がある。
【0084】
S-P-aPD1治療の長期的な効力をさらに確認するために、CD8+T細胞を単離し、フローサイトメトリーにより分析した。ネイティブCD8+T細胞のアクティブな表現型へのシフトに加えて、中枢記憶CD8+T細胞表現型へのシフトもある。CD44CD62L中枢央記憶表現型は、生理食塩水対照よりも2.1倍高い(図7A)。同様に、CD44hiCD122hi記憶T細胞サブセットも増加した。S-P-aPD1治療マウスの記憶サブセットの機能は、再チャレンジ実験で実証された。次に、S-P-aPD1治療を受けたマウスは、白血病接種の80日後に1×10個のC1498細胞で再チャレンジされた。その結果により、以前に治療された白血病を保有しないマウスは、新たに投与された白血病細胞に対して抵抗性を示し、60日目でも白血病を保有しないままであったが、そのような白血病は未治療マウスでは強固に増殖したことが示された(図7Bおよび7C)。未治療マウス群では、40日以内にすべての動物が死亡した。これらの結果は、S-P-aPD1治療によって誘発された長期の抗白血病免疫応答を示唆していた。S-P-aPD1治療におけるT細胞介在性免疫応答の重要な役割をさらに確認するために、T細胞ノックアウトマウス(rag-/-)にC1498細胞を注射し、次いでS-P-aPD1を投与した。図7Dに示すように、生理食塩水群のすべての動物は3週間以内に死亡した。さらに、遊離aPD1およびS-P-aPD1治療は、生理食塩水対照と比較して白血病の増殖に対する有意な阻害または生存利益を提供しなかったことから、aPD1をベースとした治療におけるT細胞媒介性免疫応答を示している。S-P-aPD1がCD8+T細胞の表現型をシフトする能力を考慮して、観察された抗白血病効果がCD8+T細胞に依存しているかどうかを明らかにするよう努めた。C1498白血病細胞を保有するマウスは、抗CD8モノクローナル抗体の腹腔内投与によりCD8+T細胞が枯渇した。CD8+T細胞の完全な枯渇は、フローサイトメトリー分析によって確認された。S-P-aPD1の治療効果は、CD8+T細胞の非存在下では現れなかった。生理食塩水、遊離aPD1およびS-P-aPD1を投与されたマウスは40日を超えて生存せず、CD8+T細胞がS-P-aPD1治療から抗白血病効果を生み出すために不可欠であることが示された(図7E)。S-P-aPD1の治療効果は、PD1ノックアウトマウスモデル(PD-/-)でも調べた。PD1ノックアウトマウスでは、著しく低下した抗白血病効果が認められ、生存利益はわずかであり、PD1媒介性免疫応答におけるPD1遮断の重要性が検証された(図7F)。
【0085】
別のタイプの白血病の治療におけるS-P-aPD1の有効性を評価するために、BALB/cJマウスのWEHI-3骨髄単球性白血病細胞株を使用した。この白血病モデルでは、S-P-aPD1治療を受けたマウスはより良好な白血病制御を示し、治療されたマウスの62.5%が50日目に生存していた。対照的に、対照群のマウスは40日目までに死亡し、より大きな脾臓を示した。
【0086】
要約すると、この研究は、白血病細胞を完全に排除するための効果的な免疫応答を達成するための、一方の細胞は標的化のために、他方の細胞は活性放出のためにある、新しい「細胞の組み合わせ」薬物送達アプローチを提示する。S-P-aPD1は、HSCホーミング能力と血小板のin situ活性化を利用することにより、骨髄におけるaPD1の送達と有効性を高めることで、T細胞を効果的にプライミングし、白血病の増殖と再発を抑制することができる。そのようなS-P-aPD1は、AMLに対する従来の非選択的細胞毒性薬と比較して、毒性を軽減しながら強力な免疫応答を誘発することができる。さらに、S-P-aPD1送達システムは、成分が患者自身に由来するため、免疫原性と副作用を最小限に抑えることができる。優れた生体適合性と製造の容易さにより、免疫チェックポイント阻害剤を送達するためのこの新たに開発されたバイオテクノロジー細胞工学的アプローチは、臨床応用のための魅力的なプラットフォームとなる。さらに、この細胞集団を介した送達戦略は、時空間的な薬物送達が不可欠である様々な疾患を治療するために他の生体粒子を組み込むのに採用することができる。
【0087】
b)材料および方法
(1)細胞株
マウス白血病細胞株C1498は、ミネソタ大学のBruce Blazar博士の厚意により提供された。C1498細胞は、10%胎児ウシ血清(Invitrogen)、100U/mLペニシリン(Invitrogen)および100U/mLストレプトマイシン(Invitrogen)を補充したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)培地(Gibco、Invitrogen、Carlsbad、CA)中に維持した。C57BL/6Jマウスの大腿骨と脛骨からHSCと前駆細胞(すべての研究でHSCと命名)を単離した。骨髄は、最初に系統枯渇キット(Miltenyi、ドイツ)で事前濃縮した。続いて、得られた細胞を抗Sca-1マイクロビーズキット(Miltenyi)で処理して、linSca-1HSCを得た。細胞は、ヒトIL-6(50ng/mL、Thermo Scientific)、ヒトFlt3リガンド(100ng/mL、Thermo Scientific)、マウス幹細胞因子(SCF、50ng/mL、Thermo Scientific)および低密度リポ蛋白質(LDL、40μg/mL、Thermo Scientific)を添加した無血清増殖培地(SFEM、STEMCELL Technologies、ケンブリッジ、マサチューセッツ州)中で培養した。細胞は、インキュベーター(Thermo Scientific)中で、5%COおよび90%相対湿度の雰囲気下で37℃にて培養した。細胞は、約2~3日毎に1:3のスプリット比にて80%のコンフルエンスで継代培養した。
【0088】
(2)抗体
抗PD1抗体(aPD1)は、Biolegend(カタログ番号114114、クローン:RMP1-14)から入手した。免疫染色に使用した抗体は、CD3(Biolegend、カタログ番号100236、クローン:17A2)、CD4(BD Bioscience、カタログ番号553046、クローン:RM4-5)、CD8a(Biolegend、カタログ番号100708、クローン:53-6.7)、IFN-γ(Biolegend、カタログ番号505806、クローン:XMG1.2)、CD122(Biolegend、カタログ番号123207、クローン:TM-β1)、CD41(Biolegend、カタログ番号133904、クローン:MWReg30)、CD9(Biolegend、カタログ番号124807、クローン:MZ3)、CD61(Biolegend、カタログ番号104307、クローン:2C9.G2(HMβ3-1)、CD62P(Biolegend、カタログ番号148305、クローン:RMP-1)、CD36(Biolegend、カタログ番号102605、クローン:HM36)、CD154(Biolegend、カタログ番号106505、クローン:MR1)、CD62L(Biolegend、カタログ番号104405、クローン:MEL-14)、CD44(Biolegend、カタログ番号103024、クローン:IM7)、CD34(Biolegend、カタログ番号128609、クローン:HM34)、CD38(BD Bioscience、カタログ番号558813、クローン:90/CD38)、CD117(Biolegend、カタログ番号105812、クローン:2B8)、CD366(BD Bioscience、カタログ番号566346、クローン:5D12/TIM-3)、CD223(Biolegend、カタログ番号125207、クローン:C9B7W)、CD274(Biolegend、カタログ番号124311、クローン:10F.9G2)、グランザイムB(GzmB)(Biolegend、カタログ番号372204、クローン:QA16A02)、CD25(Biolegend、カタログ番号101904、クローン:3C7)、CD69(Biolegend、カタログ番号104508、クローン:H1.2F3)に特異的であった。染色後の細胞は、製造元の指示に従って蛍光活性化セルソーティング(FACS)分析に供した。マルチカラーフローサイトメトリーを適切に補正して使用した。すべての抗体は、製造元の指示に従って使用した。抗体にコンジュゲートした蛍光色素は、同じ蛍光色素チャンネルに正確に一致していた。染色後、FlowJoまたはCytexpertソフトウェアパッケージを使用して、FACS Calibur機器(Cytoflex、BD)により細胞を分析した。CD8+T細胞枯渇抗体(クローン:YTS169.4)をBioXCellから購入した。ラットIgGはInvitrogenから購入した。組換えmPD-1はR&Dシステムから入手した。免疫染色に使用した二次抗体は、ヤギ抗ラットIgG(H+L;Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A18866)であった。
【0089】
(3)マウス
C57BL/6Jマウス、T細胞ノックアウトマウス(B6.129S7-Rag1tm-Mom/J)およびPD1ノックアウトマウス(B6.Cg-Pdcd1tm1.1Shr/J)をジャクソン研究所から購入した。すべての動物実験は、ノースカロライナ大学チャペルヒル校およびノースカロライナ州立大学の動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)によって承認された動物プロトコルに厳密に従った。
(4)aPD1コンジュゲート血小板の調製
【0090】
マウス全血からマウス血小板を単離した。簡単に説明すると、全血をC57BL/6Jマウス(眼窩洞からの非終末部採取)から、1.0mLのクエン酸リン酸デキストロース(16mMクエン酸、90mMクエン酸ナトリウム、16mM NaHPO、142mMデキストロース、pH7.4)を含有するEDTA二カリウム処理チューブで採取した。次いて、全血を100gで室温にて20分間遠心分離することにより、多血小板血漿(PRP)を採取した。その後、プロスタグランジンE1(PGE1)を多血小板血漿に1μMの最終濃度で添加し、PRPを100gでさらに20分間遠心分離して、赤血球をさらに取り除いた。血小板を単離するために、多血小板血漿を800gで20分間遠心分離した。次に、ペレットを採取し、1mMのEDTAと1μMのPGE1を含有するPBSバッファーに再懸濁した。血小板のin vitro活性化のために、血小板溶液を800gで20分間遠心分離し、PBSバッファーに懸濁した。血小板数は、顕微鏡下で血球計算盤を使用して計数した。
【0091】
スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC、Pierce)リンカーを介して血小板表面にaPD1(Biolegend)を修飾するために、フローサイトメトリーを使用して血小板表面の遊離チオール基を最初に調べた。簡単に説明すると、1×10個の血小板を0.1mg/mLマレイメイド蛍光プローブ(Mal-FITC、シグマ)とPBS中で混合し、15分間の反応後に800gで10分間遠心分離した。次いで、血小板を洗浄し、遠心分離し、フローサイトメトリーに供した。ここでは、最小限の遊離チオール基のみ有することが報告されている赤血球を対照群として使用した。次に、aPD1をスルホ-SMCCとモル比1:1.2で4℃にて2時間反応させた。次いで、混合物を限外濾過チューブ(分子量カットオフ=3kDa)で遠心分離して、過剰のSMCCリンカーを廃棄した。その後、SMCC-aPD1を血小板に添加し、室温で1時間保持して、aPD1-血小板を得た。余分な抗体を800gで20分間遠心分離して除去した。ペレットを洗浄し、1μMのPGE1を含有するPBSに室温で保存してから、実験に使用した。aPD1コンジュゲーション効率をさらに評価するために、様々な量のaPD1を上記のように血小板と反応させ、得られたaPD1血小板を遠心分離し、洗浄し、超音波処理を使用して溶解した。血小板にコンジュゲートされたaPD1の量は、ELISA(rat IgG total ELISA kit、eBioscience)で測定した。血小板に及ぼすaPD1の効果を評価するために、反応後24時間で顕微鏡を使用して血小板の量を計数することにより、血小板の安定性を調べた。aPD1の放出を研究するために、トロンビン0.5U/mLを1×10個のaPD1-血小板懸濁液(500μL)に添加して、37℃で血小板を活性化した。予め決められた時間間隔で50μLのサンプルを採取し、800gで20分間遠心分離し、ELISAで上清を検出した。活性化されていないaPD1-血小板を対照として使用した。
【0092】
aPD1のコンジュゲーション後の血小板の機能をさらに調べるために、コラーゲン結合と血小板凝集研究を行った。マウスI/III型コラーゲン(Bio-Rad)を2.0mg/mLの濃度に再構成し、96ウェルプレートに添加し、4℃で一晩インキュベートした。プレートをさらに2%BSAで2時間ブロックし、コラーゲン結合研究のためにPBSで洗浄した。ブランクプレートはブロックしたのみで、コラーゲンは添加しなかった。WGA Alexa Fluor 594で染色された1×10個のP-aPD1または血小板を、コラーゲンプレコーティングの有無にかかわらず血小板に添加した。次いで、プレートを1分間のインキュベーション後にPBSで洗浄し、イメージングのために共焦点に供した。凝集研究のために、WGA Alexa Fluor 594で標識されたP-aPD1または血小板を、トロンビン0.5U/mLを有する完全培地中でインキュベートし、共焦点イメージング(CLSM、LSM 710、Zeiss)に供した。
【0093】
血小板表面のaPD1の修飾を可視化するために、aPD1をFITCとコンジュゲートさせ、血小板をローダミンで染色した。次いで、aPD1-血小板を共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM、LSM 710、Zeiss)で観察した。aPD1-血小板をさらに特徴づけるために、PE染色したラット抗IgG抗体でaPD1-血小板を染色し、フローサイトメトリーに供した。染色されていない血小板および血小板と抗体の単純な混合物を対照として使用した。
【0094】
(5)HSC-血小板-aPD1集団の調製
C57BL/6Jマウスの大腿骨と脛骨からHSCを単離し、40μMのAcGalNAz(Thermo Scientific)含有培地で72時間培養した。HSCの表面のアジド基の存在を検出するために、HSCを50μMの銅(II)-TBTA錯体、2mMのアスコルビン酸ナトリウム、25μMのFAMアルキンを含有するPBSを用いて暗所でインキュベートした。15分後、得られたHSCをPBSで3回洗浄し、フローサイトメトリー分析と共焦点観察に供した。クリック反応のために血小板を三重結合で官能化するために、血小板を20μMのジベンゾシクロオクチン-PEG-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(DBCO-NHS)で室温にて30分間処理し、上記のようにaPD1で修飾した。血小板上の三重結合の存在を調べるために、得られた血小板を20μMのアジド-FITCプローブと暗所で15分間反応させた後、フローサイトメトリー分析を行った。
【0095】
HSCに血小板をコンジュゲートさせるために、1×10個のDBCO官能化血小板を1×10個のAc4GalNAzで処理したHSCに添加し、37℃で45分間インキュベートした。その後、余分なアジド-PEG(50μM)をHSCと血小板の混合物に添加し、さらに15分間インキュベートして、血小板表面の追加のDBCOをクエンチした。得られた血小板-HSC集団は、共焦点顕微鏡で観察された。血小板をローダミンで染色して観察した。
【0096】
HSCの表面上の血小板のコンジュゲート量を調べるために、血小板の反応量を1:1(血小板とHSCの比率)から8:1に増やした。過剰のアジドPEGを添加した後、得られたS-P-aPD1をPBSで3回洗浄し、共焦点顕微鏡に供した。また、HSC上のコンジュゲート血小板の割合を、様々な反応比で200個のS-P-aPD1集団を計数することによって定量化した。
【0097】
走査型電子顕微鏡(SEM)の特性評価のために、S-P-aPD1を最初に3.5%グルタルアルデヒドで4時間固定し、PBSで3回洗浄し、次いでエタノールで段階的に脱水し(30%、50%、70%、85%、90%を各回15分間、100%を30分間で回)、次いでtert-ブタノールで処理した。真空下で乾燥させた後、S-P-aPD1を金/パラジウムでコーティングし、SEM(Verios 460L)で検査した。
【0098】
HSCへのコンジュゲーション後の血小板の生物活性を試験するために、S-P-aPD1をトロンビン0.5U/mLで37℃にて30分間処理し、次いで300gで5分間遠心分離した。上清を採取し、2%酢酸ウラニルで染色し、透過型電子顕微鏡(TEM、JEOL 2000FX、日立)で観察した。S-P-aPD1上での血小板の機能は、血小板での鍵となるタンパク質発現を検査することによっても検出された。簡単に説明すると、S-P-aPD1を様々なラット抗マウス抗体(CD61、CD41、CD9、CD36、CD62P、CD154、Biolegend)で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。血小板活性化のためにトロンビンを添加した後、CD62PおよびCD154の検出を行った。
【0099】
コンジュゲーション後のHSCの生存率を試験するために、HSCまたはS-P-aPD1を96ウェルプレートに播種し、48時間のインキュベーション後に10μLのCCK8溶液(同仁化学研究所、日本)を添加した。4時間後、マイクロプレートリーダーにより450nmの波長で吸光度を測定した。
【0100】
HSCの表面にaPD-1をコンジュゲートさせるために、1×10個のHSCを、ローダミンで染色したSMCC-aPD1と4℃で1時間反応させた。400gで5分間遠心分離した後、HSC-aPD1を37℃で2時間および6時間インキュベートした。エンドリソソームトラッカーグリーン、Hoechst 33258およびトリパンブルーで染色した後、HSC-aPD1を共焦点に供して観察した。
【0101】
(6)インビボ薬物動態
6匹のマウスを無作為に2つの群に分け、遊離aPD1(aPD1、1mg/kg)、S-P-aPD1(aPD1、1mg/kg、HSC/血小板、1×10個、各マウスについて200μLのPBS中)を静脈内注射した。所定の時点で、血液サンプル10μLを尾部から採取し、水100μLで希釈し、超音波処理に供した。放出されたaPD1は、rat IgG total ELISA kitで測定した。in vivo生体内分布研究のために、Cy5.5標識した遊離aPD1、S-aPD1、P-aPD1、HSCとaPD1の混合物、およびS-P-aPD1をマウスに静脈内注射した。6時間後、骨を取り出し、IVIS Spectrumシステム(Perkin Elmer)を使用して骨の蛍光画像を記録した。関心領域(ROI)の蛍光強度を、Living Image Softwareによって分析した。HSC-血小板集団の骨髄蓄積のために、白血病保有マウスにHSC-血小板集団(FITCで染色されたHSC、ローダミンで染色された血小板、HSC/血小板、5×10個)を静脈内注射した。注射の12時間後に、マウスを安楽死させた。骨を採取して切片化した。骨組織は10%ホルマリンで固定した。48時間後、骨をEDTA溶液中で2日間脱灰した後、30%スクロース中でインキュベートした。その後、骨組織をO.C.T.培地中で凍結し切片化した。ヘキストで染色した後、骨スライドを共焦点顕微鏡で観察した。骨髄中でのPMPの潜在的な生成を観察するために、ローダミンで標識した血小板、PMP、およびHSC血小板を、白血病保有マウスに静脈内注射した。24時間後、骨組織を採取し、上記のように切片化し、共焦点観察に供した。蛍光シグナルの定量化は、Image Jソフトウェアで行った。
【0102】
(7)In vivo白血病治療
白血病モデルを構築するために、1×10個のルシフェラーゼタグ付きC1498細胞をマウスに静脈内注射した。7日後、64匹のマウスを無作為に8つの群に分け、PBS、HSC、血小板、遊離aPD1、S-aPD1、P-aPD1、S+P-aPD1およびS-P-aPD1を5×10の細胞数および0.5mg/kgのaPD1濃度で尾静脈を介して静脈内投与した。治療は隔日で3回繰り返した。白血病の増殖は、C1498細胞からの生物発光シグナルの検出によってモニターした。ルシフェラーゼの基質としてD-ルシフェリン(Xenogen)を使用し、各マウスにPBS100μL中150mg/kgの濃度でD-ルシフェリンを腹腔内注射した。IVISスペクトルイメージングシステム(Perkin Elmer)を用いてD-ルシフェリンを5分間注射した後、生物発光画像を集め、生物発光シグナルの取得時間は5分であった。生物発光シグナルは、C1498細胞注射の1週間後、2週間後および3週間後に記録された。Living Imageソフトウェアバージョン4.3.1(Perkin Elmer)を使用して、生物発光シグナルを定量化した。バックグラウンド生物発光を補正するために、白血病を保有しないマウス(D-ルシフェリンを注射した)から取得されたシグナルを差し引いた。3週間後、血液サンプル100μLを採取し、赤血球溶解バッファーで溶解した。残りの細胞は、末梢血中のC1498細胞の量を調べるためにフローサイトメトリーに供した。他に、各マウスの生存時間を記録し、脾臓の重量を測定して画像化した。さらに、ヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色のために、主要組織(心臓、肝臓、脾臓、肺、肝臓、骨)を取り出した。スライドを光学顕微鏡(DM5500B、Leica)で観察した。
【0103】
S-P-aPD1の治療効果の根底にある細胞メカニズムを調べるために、T細胞ノックアウトマウス(rag-/-)、CD8+T細胞枯渇マウスおよびPD1ノックアウトマウス(PD-/-)に生理食塩水、遊離aPD1およびS-P-aPD1を0.5mg/kgのaPD1濃度で注射した。各マウスの生存時間を記録した。CD8+T細胞を枯渇させるために、C57BL/6Jマウスに、S-P-aPD1治療の2日前から開始して72時間毎に治療期間中にわたって500μgの抗CD8 mAb(クローンYTS 169.4、Bio X Cell)を腹腔内注射した。枯渇は、末梢血から単離されたT細胞のフローサイトメトリー分析(CytoFlex、Beckman Coulter、米国)によって確認された。すべてのフローサイトメトリーデータは、CytExpertソフトウェアによって分析した。
【0104】
白血病の再チャレンジ研究のために、C57BL/6Jマウスに、最初のC1498細胞注射の80日後に1×10個のC1498細胞を注射した。生物発光シグナルを毎週モニターし、生存時間を記録した。
【0105】
(8)サイトカインおよびケモカインの検出とT細胞分析
複数のサイトカインおよびケモカインの血漿レベルは、Luminexベースの検出を使用して測定した。12日目に末梢血を採取し、300gで10分間遠心分離した。上清を分注し、分析まで-80℃で保存した。サンプルをLuminexアッセイバッファーで希釈し、製造元の指示に従った。サイトカイン値は、クラスタリングの前のサンプル毎にZ-スコアで正規化した。サンプルは、ヒートマップ関数を使用したk-meansクラスタリングによって、サイトカインプロファイルに基づいて任意に4つの群に分けた。骨髄中のT細胞におけるPD-1発現を調べるために、骨髄を採取し、抗CD8および抗PD1抗体で染色した(分析のために回収されたイベントは5×10個であった)。アイソタイプコントロール抗体には抗ヒトCD8抗体を使用した。T細胞分析のために、末梢血と骨髄を12日目に採取した。血液サンプルを赤血球溶解バッファーで最初に溶解し、次いて抗CD3、抗CD8、抗CD4、抗グランザイムB、抗CD44、抗CD25、抗CD69および抗IFNγ抗体で30分間染色した。グランザイムB染色は、Biolegend細胞内染色プロトコルに従って行った。CD3+T細胞数を計数するために、150μLの血液を赤血球溶解バッファーで最初に溶解し、50μLの計数ビーズを添加してAPC-抗CD3抗体で染色した後、フローサイトメトリー分析を行った。回収されたイベントは、CD8およびCD4分析では1×10個、IFNγ分析では5×10個であった。記憶T細胞分析のために、生理食塩水処理マウスおよびS-P-aPD1処理マウスから30日後に脾臓細胞を取り出し、抗CD8、抗CD44、抗CD62Lおよび抗CD122抗体で染色した。その後、染色された細胞を分析のためにフローサイトメトリーに供した(分析のために回収されたイベントは5×10個であった)。PD-/-マウスのT細胞消耗を検出するために、正常マウスおよびPD-/-マウスのリンパ節のリンパ球を採取し、抗CD8、抗TIM-3および抗LAG-3で染色し、分析のためにフローサイトメトリーに供した(分析のために回収されたイベントは5×10個であった)。脾臓およびリンパ節の分析からのT細胞の場合、組織は最初に機械的に破壊し、更なる分析のために細胞を40μmのストレーナーを介してフィルタにかけた。
【0106】
(9)統計学
提示されたすべての結果は平均(標準偏差)である。統計分析は、GraphPad Prism(6.0)を使用して評価した。生存時間の統計分析のためにログランク検定を行い、他の統計分析のために両側スチューデントt検定を行った。P値が0.05未満の場合、実験群と対照群との間の差は統計的に有意であると見なされた。
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また、本発明は以下を提供する。
[1]
薬物または薬物担体と標的化部分とを含む治療薬送達賦形剤。
[2]
前記薬物担体が、改変血小板、合成微粒子、合成ナノ粒子または細胞由来小胞である、[1]に記載の治療薬送達賦形剤。
[3]
前記標的化部分が、ペプチド、ポリペプチド、ポリマー、小分子、核酸、抗体、糖または細胞である、[1]に記載の治療薬送達賦形剤。
[4]
前記標的化部分が、骨髄、肝臓、脾臓、膵臓、前立腺、膀胱、心臓、肺、脳、皮膚、腎臓、卵巣、精巣、リンパ節、小腸、大腸または胃を標的とする、[3]に記載の治療薬送達賦形剤。
[5]
前記標的化部分が前記骨髄を標的とし、当該部分は、造血幹細胞、AspもしくはGluの繰り返しを含むペプチド、または骨髄を標的とする製剤からなる群から選択される、[4]に記載の治療薬送達賦形剤。
[6]
前記薬物担体が化学的な結合を含むように改変されている、[1]に記載の治療薬送達賦形剤。
[7]
前記薬物担体が前記標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、[1]に記載の治療薬送達賦形剤。
[8]
前記薬物担体が、銅(I)触媒による[3+2]アジド-アルキン環化付加(CuAAC)、歪み促進アジド-アルキン環化付加(SPAAC)、または歪み促進アルキン-ニトロン環化付加(SPANC)を介して標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、[6]または[7]に記載の治療薬送達賦形剤。
[9]
前記薬物担体が、ジベンゾシクロオクチル(DBCO)銅フリーの環化付加を介して標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、[8]に記載の治療薬送達賦形剤。
[10]
前記血小板の化学的な結合がジベンゾシクロオクチル(DBCO)-ポリエチレングリコール(PEG)4-NHSエステルを含む、[9]に記載の治療薬送達賦形剤。
[11]
前記標的化部分が活性化アジド分子で処理されている、[1]に記載の治療薬送達賦形剤。
[12]
前記活性化アジド分子がN-アジドアセチルガラクトサミン-テトラアシル化(Ac4GalNAz)を含む、[11]に記載の治療薬送達賦形剤。
[13]
前記薬物担体が治療薬カーゴを含むように改変されている、[1]に記載の治療薬送達賦形剤。
[14]
前記治療薬カーゴが、抗体、小分子、ペプチド、ポリペプチド、ポリマー、ペプチド模倣物、核酸、または薬物の組み合わせを含む、[13]に記載の治療薬送達賦形剤。
[15]
前記治療薬カーゴが免疫チェックポイント阻害剤を含む、[14]に記載の治療薬送達賦形剤。
[16]
前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤を含む、[15]に記載の治療薬送達賦形剤。
[17]
前記免疫チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブまたはアベルマブを含む、[16]に記載の治療薬送達賦形剤。
[18]
前記免疫チェックポイント阻害剤が、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)リンカーを介して前記改変血小板の表面に付着している、[17]に記載の治療薬送達賦形剤。
[19]
[1]から[18]のいずれか一項に記載の治療薬送達賦形剤を対象に投与することを含む、対象の癌を治療する方法。
[20]
改変血小板と標的化部分を含む治療薬送達賦形剤を対象に投与することを含む、対象の癌を治療する方法であって、前記血小板は、治療薬カーゴと化学的な結合を含むように改変されており、かつ前記血小板は、前記標的化部分に化学的にコンジュゲートされている、方法。
[21]
前記標的化部分が、N-アジドアセチルガラクトサミン-テトラアシル化(Ac4GalNAz)で標識された造血幹細胞を含む、[20]に記載の癌を治療する方法。
[22]
前記治療薬カーゴが免疫チェックポイント阻害剤を含む、[20]に記載の癌を治療する方法。
[23]
前記免疫チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブまたはアベルマブを含む、[22]に記載の癌を治療する方法。
[24]
前記化学的な結合がジベンゾシクロオクチル(DBCO)-ポリエチレングリコール(PEG)4-NHSエステルを含む、[19]から[23]のいずれか一項に記載の方法。
[25]
前記治療薬送達賦形剤を、少なくとも12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48時間毎に1回、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日毎に1回、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12ヶ月毎に1回患者に投与する、[19]から[24]のいずれか一項に記載の癌を治療する方法。
[26]
前記治療薬送達賦形剤を、少なくとも週に1、2、3、4、5、6、7回投与する、[19]から[24]のいずれか一項に記載の癌を治療する方法。
[27]
前記投与される治療薬送達賦形剤の用量が約10mg/kg~約100mg/kgである、[19]から[24]のいずれか一項に記載の癌を治療する方法。
[28]
化学療法薬を投与することをさらに含む、[19]から[24]のいずれか一項に記載の癌を治療する方法。
[29]
前記癌が、リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉症、ホジキン病、骨髄性白血病、膀胱癌、脳腫瘍、神経系癌、頭頸部癌、頭頸部扁平上皮癌、腎癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌、肝臓癌、黒色腫、口・喉・喉頭および肺の扁平上皮癌、子宮頸部癌、子宮頸癌、乳癌、上皮癌、尿路性器癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌腫、大腸癌、造血器癌;精巣癌、結腸癌および直腸癌からなる群から選択される、[19]から[24]のいずれか一項に記載の癌を治療する方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
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