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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240909BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240909BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20240909BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20240909BHJP
   B60L 53/63 20190101ALI20240909BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 P
B60L53/30
B60L53/67
B60L53/63
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021159158
(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公開番号】P2023049428
(43)【公開日】2023-04-10
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】501377139
【氏名又は名称】日本宅配システム株式會社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】淺井 泰夫
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-042579(JP,A)
【文献】特開2021-035171(JP,A)
【文献】特開2015-019465(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0277927(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
B60L 53/30
B60L 53/63
B60L 53/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車を充電する充電部と、前記充電部を制御する制御部と、を有する充電システムであって、
前記制御部は、
前記充電部において同時に充電可能な前記電気自動車の台数の上限を設定する設定部と、
充電される前記電気自動車毎に充電の優先度に関する情報を取得する取得部と、
前記設定部により設定された同時に充電可能な前記電気自動車の台数の上限と、前記取得部によって取得された前記電気自動車毎の充電の優先度に関する情報とに基づき、前記電気自動車の充電の順位を決定する決定部と、を備え、
前記決定部で決定した前記順位に従って前記電気自動車の充電が順次行われるように前記充電部を制御し、
前記優先度として、通常優先度と、前記通常優先度よりも優先度を高く設定した高優先度との二つの優先度が少なくとも設定されており、
前記制御部は、前記充電部において同時に充電可能な前記電気自動車の台数の上限に達している場合にのみ、ユーザーが前記高優先度を選択できるように構成されたことを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記設定部は、電力供給者より供給される電力容量に基づいて、同時に充電可能な前記電気自動車の台数を算出して前記電気自動車の台数の上限を設定することを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記取得部で取得される優先度に関する情報は、前記電気自動車を充電しようとするユーザーから取得される情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記決定部は、電気自動車の充電の順位を決定するにあたり、前記取得部が充電対象となる対象車両の前記優先度として前記高優先度を取得した場合には、充電待機していた通常優先度の電気自動車の待機行列における順位を繰り下げて当該充電待機している電気自動車よりも高い順位に決定することを特徴とする請求項に記載の充電システム。
【請求項5】
前記決定部は、前記取得部が前記対象車両の前記優先度として前記高優先度を取得した場合には、充電している電気自動車のうち、もっとも優先度の低い電気自動車の充電を停止し、対象車両の充電順位を当該最も優先度の低い電気自動車の順位に置き換えて対象車両の充電を決定することを特徴とする請求項4に記載の充電システム。
【請求項6】
前記決定部は、待機している前記電気自動車のうち、前記充電の順位が所定の回数繰り下がった電気自動車がある場合には、当該電気自動車の前記優先度を高くして、この前記優先度に応じて、当該電気自動車の前記充電の順位を決定することを特徴とすることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項7】
電気自動車を充電する充電部と、前記充電部を制御する制御部と、を有する充電システムであって、
前記制御部は、
前記充電部において同時に充電可能な前記電気自動車の台数の上限を設定する設定部と、
充電される前記電気自動車毎に充電の優先度に関する情報を取得する取得部と、
前記設定部により設定された同時に充電可能な前記電気自動車の台数の上限と、前記取得部によって取得された前記電気自動車毎の充電の優先度に関する情報とに基づき、前記電気自動車の充電の順位を決定する決定部と、を備え、
前記決定部で決定した前記順位に従って前記電気自動車の充電が順次行われるように前記充電部を制御し、
前記優先度として、通常優先度と、前記通常優先度よりも優先度を高く設定した高優先度との二つの優先度が少なくとも設定されており、
前記制御部は、前記優先度毎に、当該優先度を選択することができる最大枠数を設定していることを特徴とする充電システム。
【請求項8】
前記制御部は、時間帯に応じて前記設定部が設定した同時に充電可能な前記電気自動車の台数を変更することができるように構成されたことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項9】
前記制御部は、充電を開始する充電開始時間を指定することが可能であるように構成され、前記決定部が、指定された当該充電開始時間に充電を開始することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項10】
前記充電システムの使用権限を認証するための認証部を有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の充電システム。
【請求項11】
前記取得部で取得された充電の優先度に関する情報に基づき、充電に必要な料金を算出する料金算出部を有することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の充電システム。
【請求項12】
集合住宅の駐車場に設置されることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球の温暖化や空気汚染などの環境問題に配慮した様々な自動車が開発されている。中でも、走行時に二酸化炭素や排気ガスを排出しない電気自動車が注目されており、その市場は急速に拡大している。
【0003】
このような電気自動車の普及に伴い、電気自動車に搭載された駆動用バッテリを充電するための電気自動車用の充電装置が普及し始めている。しかしながら、電気自動車を充電する際は、ガソリンや軽油を燃料とする自動車の燃料補給よりも多くの時間を要するという問題がある。そこで、電気自動車の場合は、集合住宅やオフィスビル、店舗の駐車場やコインパーキング等の施設に充電装置を設置し(例えば、特許文献1)、電気自動車を駐車している間に駆動用バッテリの充電を可能とすることで、上記の問題の解決を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-115038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような電気自動車が今後更に普及した場合、上述した集合住宅等の駐車場やコインパーキング等に施設において、複数の電気自動車を同時に並行して充電することが求められることになる。しかしながら、電気事業者から各施設に供給される電気容量には限りがあり、これを超えた台数の電気自動車を充電してしまうと、ブレーカートリップが発生し、充電が停止するなどの問題が生じる。
【0006】
一方で、充電器に接続された全ての電気自動車が緊急に充電を必要としているわけではない。例えば、集合住宅等の駐車場では翌朝までに充電が完了すればよい場合があるし、オフィスビルや店舗の駐車場では仕事や買い物が終わるまでに充電が完了していれば良い場合もある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の電気自動車の充電を行う際に、限られた電気容量をシェアしながら、優先度に応じた充電を可能とする、電気自動車の充電システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の充電システムは、電気自動車を充電する充電部と、前記充電部を制御する制御部と、を有する充電システムであって、前記制御部は、前記充電部において同時に充電可能な前記電気自動車の台数の上限を設定する設定部と、充電される前記電気自動車毎に充電の優先度に関する情報を取得する取得部と、前記設定部により設定された同時に充電可能な前記電気自動車の台数の上限と、前記取得部によって取得された前記電気自動車毎の充電の優先度に関する情報とに基づき、前記電気自動車の充電の順位を決定する決定部と、を備え、前記決定部で決定した前記順位に従って前記電気自動車の充電が順次行われるように前記充電部を制御することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、複数の電気自動車の充電を行う場合でも、同時に充電可能な電気自動車の台数の上限が設定されているために、ブレーカートリップによる充電の中断などの問題が発生することがなく、更に限りある電気容量の中で優先度に応じた電気自動車の充電が可能となるため、電気自動車のユーザーにとって充電システムの利便性が向上する。
【0010】
前記設定部は、電力供給者より供給される電力容量に基づいて、同時に充電可能な前記電気自動車の台数を算出して前記電気自動車の台数の上限を設定することが好ましい。
【0011】
前記取得部で取得される優先度に関する情報は、前記電気自動車を充電しようとするユーザーから取得される情報であることが好ましい。
【0012】
充電の前記優先度として、通常優先度と、前記通常優先度よりも優先度を高く設定した高優先度との二つの優先度が少なくとも設定されていることが好ましい。
【0013】
前記制御部は、前記充電部において同時に充電可能な前記電気自動車の台数の上限に達している場合にのみ、ユーザーが前記高優先度を選択できるように構成されたことが好ましい。
【0014】
前記決定部は、電気自動車の充電の順位を決定するにあたり、前記取得部が充電対象となる対象車両の前記優先度として前記高優先度を取得した場合には、充電待機していた通常優先度の電気自動車の待機行列における順位を繰り下げて当該充電待機している電気自動車よりも高い順位に決定することが好ましい。
【0015】
前記決定部は、前記取得部が前記対象車両の前記優先度として前記高優先度を取得した場合には、充電している電気自動車のうち、もっとも優先度の低い電気自動車の充電を停止し、対象車両の充電順位を当該最も優先度の低い電気自動車の順位に置き換えて対象車両の充電を決定することが好ましい。
【0016】
前記決定部は、待機している前記電気自動車のうち、前記充電の順位が所定の回数繰り下がった電気自動車がある場合には、当該電気自動車の前記優先度を高くして、この前記優先度に応じて、当該電気自動車の前記充電の順位を決定することを特徴とすることが好ましい。
【0017】
前記制御部は、前記優先度毎に、当該優先度を選択することができる最大枠数を設定していることが好ましい。
【0018】
前記制御部は、時間帯に応じて前記設定部が設定した同時に充電可能な前記電気自動車の台数を変更することができるように構成されたことが好ましい。
【0019】
前記制御部は、充電を開始する充電開始時間を指定することが可能であるように構成され、前記決定部が、指定された当該充電開始時間に充電を開始することが好ましい。
【0020】
前記充電システムの使用権限を認証するための認証部を有することが好ましい。
【0021】
前記取得部で取得された充電の優先度に関する情報に基づき、充電に必要な料金を算出する料金算出部を有することが好ましい。
【0022】
本発明の好ましい実施形態としては、前記充電システムが集合住宅の駐車場に設置されることである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の充電システムによれば、限られた電気容量をシェアしながら、電気自動車の充電の優先度に応じた充電を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態1に係る充電システムの基本構成を概略的に示す図。
図2】本発明の実施形態1に係る充電システムの動作を説明するためのフローチャート。
図3】本発明の実施形態1に係る充電システムにおける設定工程を説明するためのフローチャート。
図4】本発明の実施形態1に係る充電システムにおける認証工程を説明するためのフローチャート。
図5】利用テーブルデータを説明するための図。
図6】待機行列テーブルデータを説明するための図。
図7】本発明の実施形態1に係る充電システムにおける取得工程を説明するためのフローチャート。
図8】本発明の実施形態1に係る充電システムにおける決定工程を説明するためのフローチャート及びデータテーブルを説明するための図。
図9】決定工程における利用テーブルデータ、待機行列テーブルデータの入力を説明するための図。
図10】本発明の実施形態1に係る充電システムにおける充電工程を説明するためのフローチャート。
図11】本発明の実施形態2に係る充電システムの基本構成を概略的に示す図。
図12】本発明の実施形態3に係る充電システムにおける待機行列テーブルデータを説明するための図。
図13】本発明の実施形態4に係る充電システムにおける同時充電可能台数設定工程を説明するためのフローチャート。
図14】本発明の実施形態5に係る充電システムにおける取得工程を説明するためのフローチャート。
図15】本発明の実施形態5に係る充電システムにおける予約充電工程を説明するためのフローチャート。
図16】本発明の実施形態6に係る充電システムにおける枠数決定工程を説明するためのフローチャート。
図17】本発明の実施形態6に係る充電システムにおける取得工程を説明するためのフローチャート。
図18】本発明の実施形態7に係る充電システムにおける決定工程を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
(実施形態1)
【0027】
図1図10を用いて本発明の第一実施形態を説明する。図1に示す本実施形態の充電システム1は、マンションなどの集合住宅の駐車場に設けられており、電気自動車に充電を行う充電部10と、充電部10を制御する制御部20とを備える。充電部10と制御部20との間で互いにデータを入出力できるように充電部10と制御部20とは接続されている。
【0028】
(充電部10)
【0029】
充電部10は、駐車場の複数の駐車スペースにそれぞれ設置された充電器11と、複数の充電器11を制御する充電器制御部12とを備える。充電部10に含まれる充電器11、充電器制御部12はそれぞれデータ等を互いに入出力できるように構成されているとともに、制御部20から充電部10へ入力されるデータもそれぞれが必要に応じて取得することができるように構成されている。充電器11が配置される駐車スペースは各居住者(ユーザー)に割り当てられ、各居住者が保有する電気自動車(電気自転車などを含む)が専有的に使用するスペース、あるいは、他の駐車位置から居住者が電気自動車を移動してきて充電のみ行うような共用の充電スペースであってよい。充電対象の電気自動車は、各居住者が保有するものであってもよいし、また、その集合住宅の居住者で共有(カーシェアリング)されるものであってもよい。
【0030】
充電器制御部12は、制御部20と同様にCPU、ROM、RAMなどの部材から構成される。充電器制御部12は、制御部20との間で互いにデータを入出力することにより、各充電器11の各種制御、例えば、充電器11のうちどの充電器11の充電をON/OFF状態とするかを制御することや、各充電器11が備える後述の入出力パネル112に制御部20からの出力結果を出力し、また、入出力パネル112からの入力結果を制御部20へ入力する等を行う。
【0031】
また、各充電器11は、電力供給源13に接続され、充電器制御部12の充電のON/OFFのタイミングに従って各充電器11に電力供給源13から電力が供給されるように構成されている。電力供給源13は、集合住宅へ供給される商用電力供給源であり、各充電器11は、直接この電力供給源13に接続されていても、この電力供給源13から供給される電力系統に接続されていてもよい。
【0032】
充電器11は、各電気自動車に充電のための電力を共有する電力供給部111と入出力パネル112を備える。各充電器11は、ユーザーが電力供給部111に着脱自在な電源ケーブルの一方を挿入し、電源ケーブルの他方を不図示の電気自動車に挿入することで、電気自動車に電力が供給され、充電を行うことが可能である。なお、電気自動車の仕様によって、あるいは電気自動車のバッテリを直接充電するような用途のために、充電器11は交流出力ではなくスイッチングレギュレータなどを用いて生成した直流を充電電力として電気自動車に供給できるように構成されていてもよい。充電器11は、集合住宅の規模などに応じて複数台分用意されている(図1では2台分の充電器11のみを図示している)。
【0033】
入出力パネル112は、制御部20からの充電器制御部12を介して入力されたデータを画面上に出力することができる。このような入出力パネル112は、LCDパネルなどから構成され、ファンクションキーやテンキーから成るキーボード、および認証手段としてのIDカードの情報を読み取るカードリーダーとしての機能を有する。また、充電器11は、入出力パネル112からユーザーにより入力された入力データを充電器制御部12を介して制御部20へ送信することが可能である。
【0034】
(制御部20)
【0035】
制御部20は、充電器11の同時に充電可能な電気自動車の台数を設定する設定工程を行う設定部21と、ユーザーの充電システム1の使用権限を認証する認証工程を行う認証部22と、充電の優先度を取得する取得工程を行う取得部23と、充電の順位を決定する決定工程を行う決定部24と、充電に掛かる費用を算出する算出工程を行う料金算出部25とを備える。制御部20に含まれる設定部21、認証部22、取得部23、決定部24及び料金算出部25はそれぞれデータ等を互いに入出力できるように構成されているとともに、充電部10から制御部20へ入力されるデータ等もそれぞれが必要に応じて取得することができ、また、それぞれが充電部10へデータ等を必要に応じて出力できるように構成されている。このような制御部20は、主制御部としてのCPU、プログラムを格納したROM、ワークエリアとして用いられるRAM、充電器制御部12と通信するための所定通信方式によるインターフェース(たとえばシリアルインターフェースなど)等から構成された制御装置であればよい。制御装置は、例えば、汎用パーソナルコンピュータであってもよい。
【0036】
また、制御部20は、HDDや不揮発メモリカードから成る記録部26を有する。本実施形態の記録部26に記録されたデータベースは、いわゆるリレーショナル形式で、複数の記憶領域を関連づける形で種々のデータレコードを格納している。記録部26には、記録部26に記録されたデータベースの構成の一例としての、認証部22が認証を行うための認証用テーブルデータ、充電の利用実績が記録された利用テーブルデータ(利用データともいう)、決定部が優先度を設定するための待機行列テーブルデータ(待機行列テーブルともいう)、等が記録されている。
【0037】
本実施形態の制御部20は、ユーザーからの充電開始指示があった場合に、充電の対象となる対象車両に対応した充電器11の充電制御を行う。充電制御の流れについて、図2を用いて説明する。
【0038】
本実施形態の制御部20による充電制御は、まず、ユーザーが駐車スペースに充電対象となる電気自動車(以下、対象車両とする)を駐車し、駐車スペースに設けられた充電器11の入出力パネル112に触れることで、開始される。充電制御が開始されると、制御部20は、ステップS11において認証部22によりユーザーの充電システム1の使用権限を認証する認証工程を行う。認証工程において認証が得られると、制御部20は、ステップS12へ進む。ステップS12においては、取得部23により、対象車両のユーザーが所望する充電の優先度を取得する取得工程が行われる。次いで、制御部20がステップS13へ進むと、ステップS13においては、決定部24により、充電待機中の車両における対象車両の充電の順位を、取得された充電の優先度に基づいて決定する決定工程が行われる。そして、制御部20はS14へ進み、対象車両が充電待機中の車両における待機順位が一番になると、対称車両の充電を開始するように充電器制御部12を制御する充電工程を行う。対象車両の充電が完了すると、制御部20はステップS15に進み、料金算出部25により充電に掛かった費用を算出する算出工程が行われる。以下、それぞれの工程について詳細に説明する。
【0039】
初めに、設定部21について説明する。設定部21は、集合住宅に電力供給者より供給される電力容量(施設の電気契約値)に基づいて、同時に充電可能な電気自動車の最大台数(以下、同時充電可能台数とする)を算出し、同時充電可能台数を設定する設定工程を行う。
【0040】
設定部21は、本実施形態では、制御部20による充電制御を行う場合には起動されずに、所定の場合(システムの導入時や、施設の電力容量の変更時等)に起動されて、または管理者等が起動して、同時充電可能台数を設定する設定工程を予め行うものである。設定部21の設定工程を、図3に示すフローチャートも用いて説明する。
【0041】
設定部21の作動が開始されると、設定部21には、図示しない別の入力部から、施設の電気契約値が入力される(S101)。この入力された施設の電気契約値に基づいて、設定部21は、同時に充電可能な電気自動車の台数、即ち同時に稼働可能な充電器11の最大台数を算出する(S102)。設定部21は、算出された同時充電可能台数を記録する。これにより、設定工程が終了し、設定部21の動作は終了する。
【0042】
このように、本実施形態では、設定部21が同時充電可能台数を設定する設定工程を行い、設定された同時充電可能台数が、設定部21で記録される。これにより、電気事業者から各施設に供給される電気容量を超えた台数の電気自動車を充電してしまうことがなく、ブレーカートリップの発生を抑制して、充電が停止するなどの問題が生じないようにすることが可能である。
【0043】
次に、上述のように充電制御が行われる際に一番初めに実行される認証工程を行う認証部22を説明する。
【0044】
本実施形態では、集合住宅の各戸のユーザーは、充電システム1の利用の認証のためのIDカードを有している。IDカードは、集合住宅の居住者がそれぞれ保有するもので、たとえばその居室番号などがID情報として記録されたICカードなどにより構成される。さらに、本実施形態では、IDカードは、居住者が電気自動車を充電するための充電サービスを受けるために必要な認証を行なう認証カードとしても用いられている。
【0045】
認証部22の認証工程では、この認証カードを用いて認証を行う。認証部22の認証工程について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0046】
駐車スペースに設けられた充電器11の入出力パネル112に触れることで、充電制御が開始されると、制御部20の動作が始まり、認証部22による認証工程が開始される。認証工程が開始されると、認証部22は入出力パネル112に認証工程が開始されている旨を表示する。ユーザーが入出力パネル112に認証カードをかざしてIDカードを読み取らせると、カードデータが充電器制御部12を介して制御部20に入力される(S111)。認証部22は、制御部20が取得したカードデータに基づいて、ユーザーが使用権原を有していないと判断した場合(NO)、認証エラーであることを示す信号を入出力パネル112へ出力し、入出力パネル112には「認証エラー」である旨が表示される(S112)。カードデータに基づいて、ユーザーが使用権原を有すると判断した場合(YES)、認証済であることを示す信号を入出力パネル112へ出力して表示させるとともに、取得部23及び決定部24に認証済みであることを示す信号を入力する(S113)。このようにして認証工程が終了する。
【0047】
次いで、対象車両のユーザーが所望する充電の優先度を取得する取得部23と、充電待機中の車両における対象車両の充電の順位を、取得された充電の優先度に基づいて決定する決定部24とは、記録部26に記録されているデータベースに基づいて動作を行う。以下、まず記録部26に記録されている各データベースについて説明する。
【0048】
図5は、利用テーブルデータであり、利用テーブルデータは、充電中、または充電が完了した車両の充電の利用に関するデータがリスト化されている。利用テーブルデータは、符号301~306で示すフィールド、すなわち、充電タイプ、充電開始時間、充電完了時間、居室ID、充電時間、充電状態から構成される。
【0049】
「充電タイプ」は、充電の態様を意味し、本実施形態の充電システム1は充電待機の順位において、二つの態様を有する。即ち、充電待機時において、優先的に充電が行われる「優先充電」タイプと、「優先充電」よりも優先度が低い「通常充電」タイプの二つの充電態様を本実施形態の充電システム1は有しており、利用テーブルデータの「充電タイプ」としては、この、「優先充電」又は「通常充電」のいずれかが入力される。なお、テーブルデータ上では、単に「優先」「通常」と省略して記載している。
【0050】
ここで、本実施形態の充電システム1においては、「優先充電」と「通常充電」とでは時間当たりの充電単価が異なり、「優先充電」のほうが時間当たりの単価が高い。これにより、ユーザーが急を要しているような場合には費用の高い「優先充電」を選択し、時間に余裕がある場合には「通常充電」を選択することができるようにすることで、ユーザーの多目的な利用ニーズに対応することが可能である。
【0051】
「充電開始時間」は、充電器11が実際に充電を開始した時間であり、「充電完了時間」は、車両に所定量の充電が完了して充電器11が充電を終了した時間である。なお、所定量の充電とは、本実施形態では完全充電を意味する。「充電時間」は、「充電開始時間」から「充電完了時間」までにかかった時間である。
【0052】
「居室ID」は、ユーザーを識別するための識別記号であり、ユーザーのIDカードに記録された居室番号を本実施形態では居室IDとして用いている。
【0053】
「充電状態」は、充電器11における充電の状態をいい、充電器11における充電が開始された場合に「充電中」の記載とし、充電が完了した場合に「完了」との記載とされている。
【0054】
利用テーブルデータでは、充電中、または充電が完了した車両のデータがリスト化されている。充電が完了した車両のデータは、その充電が完了した「充電完了時間」の順でリスト化されており、充電中の車両のデータは、その充電が開始された「充電開始時間」の順でリスト化されている。これらの充電中の車両のデータは、充電が完了した複数の車両のデータが利用テーブルデータのリストの上方にあり、充電中の複数の(又は単数の)車両のデータが利用テーブルデータのリストの下方にあるように入力されている。即ち、図5に示すように、1から3行目まではすでに充電が終了している車両のリストであり、4から6行目までは現在充電が行われている車両のリストである。現在充電が行われているものについては、「充電開始時間」のデータは入力されているものの、充電完了時間のデータは入力されていない。この利用テーブルデータの各データの入力は、決定部24が行う。
【0055】
また、図6は、待機行列テーブルデータであり、待機行列テーブルデータは、充電待機をしている待機車両に関するデータがリスト化されている。待機行列テーブルデータは、符号311~312で示すフィールド、すなわち、現時点で充電開始を待っている待機車両の居室ID、充電タイプから構成される。これらの居室ID、充電タイプは利用テーブルデータで用いたものと同様である。
【0056】
待機行列テーブルデータは、現在充電待機中の車両がリスト化されているものであり、車両の充電待機の順位でリスト化されている。即ち、待機行列テーブルデータの一行目に入力されている車両が、充電待機の順位が一番であって次に充電が開始される車両を意味する。また、待機行列テーブルデータにおけるリストの順序は、通常、充電待機している車両のうち、優先充電タイプを選択している車両がリストの上方にあり、通常充電タイプを選択している車両がリストの下方にあるように入力されている。なお、ユーザーの選択により優先充電が選択された車両のみ、通常充電が選択された車両のみが待機行列テーブルデータにリストとして入力されることももちろんありうる。各充電タイプが複数の待機車両を有する場合には、待機行列テーブルデータには、優先充電タイプを選択した複数の車両がリストの上方に充電タイプを選択した時間の順に並べられ、続けて通常充電タイプを選択した複数の車両がリストの後方に充電タイプを選択した時間の順に並べられる。待機行列テーブルデータは、取得部23と決定部24とが入力を行う。
【0057】
取得部23は、認証部22から認証済みであることを示す信号が入力されると動作を開始する。取得部23の動作について、図7に示すフローチャートも用いて説明する。
【0058】
取得部23は、認証済みであることを示す信号を受け取ると、入出力パネル112に選択できる充電タイプを表示させる。充電器制御部12は、この信号に基づいてユーザーが使用している充電器11の入出力パネル12へ充電タイプを選択する旨を表示するように制御する。ユーザーが充電における優先度を選択すると、選択した充電タイプを充電器制御部12を介して取得部23が取得する(S121)。取得部23は、待機行列テーブルデータを取得し、その充電タイプと居室IDとのデータを待機行列テーブルデータのリストの最終行(最後尾)に入力する(S122)。入力された待機行列データは、記録部26に再度記録される。取得部23は、待機行列データへの書き込みが完了したことを示す信号を決定部24へ入力する。これにより、取得工程が終了する。
【0059】
決定部24は、取得部23の待機行列テーブルデータへの書き込みが完了したことを示す信号が入力されると、その動作を開始する。決定部24の動作を、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0060】
決定部24は、取得部23の待機行列テーブルデータへの書き込みが完了したことを示す信号が入力されると、その動作を開始する。決定部24は、初めにステップS131で対象車両の選択された充電タイプを取得し、優先充電かどうか判断する。具体的には、決定部24は、記録部26から待機行列テーブルデータを取得し、最終行(最後尾)に入力された、居室IDとユーザーが選択した充電タイプとを取得する。取得した充電タイプが優先充電である場合(YES)、決定部24は、ステップS132に進み、待機行列テーブルデータにおける優先充電を選択した待機車両行列の最後尾に、取得した居室IDと充電タイプを書き込む。他方、取得した充電タイプが通常タイプである場合には(NO)、決定部24は、ステップS133に進み、待機行列テーブルデータのうち、通常充電タイプの待機車両行列の最後尾に取得した居室IDと充電タイプを書き込む。いずれの場合も、ステップS134に進む。
【0061】
例えば、図9(1)は、取得部23が、その充電タイプ「優先充電」と居室ID「505」とのデータを待機行列テーブルデータのリストの最終行(最後尾)に入力している。決定部24は、記録部26から待機行列テーブルデータを取得し、最終行(最後尾)である3行目に入力された、居室ID「505」とユーザーが選択した充電タイプ「優先充電」とを取得する。取得した充電タイプが優先充電であるので、待機行列テーブルデータにおける優先充電を選択した一台の待機車両の次となる二行目に取得した居室ID「505」と充電タイプ「優先充電」を書き込む。これにより、待機行列テーブルデータは、図9(2)に示すようになる。
【0062】
次に、決定部24は、ステップS134で、充電器制御部12から何台の充電器11が稼働しているか(充電稼働数)を取得して、充電稼働数が設定部21が設定した同時充電可能台数に達しているかどうかを判断する。充電稼働数が同時充電可能台数に達している場合(NO)、ステップS134に戻り、対象車両の充電を行うことができないので対象車両は充電待機とする。充電稼働数が同時充電可能台数より少ない場合(YES)、ステップS135に進み、対象車両が待機行列テーブルデータの充電待機の順位が一番目であるかどうかを判断する。順位が一番である場合(YES)、対象車両が充電対象となる。そのため、まずステップS136で、決定部24は、待機行列テーブルデータの充電待機の順位が一番目のユーザーのデータを利用テーブルデータへ移行する。順位が一番ではない場合(NO)、ステップS134に戻る。
【0063】
そして、決定部24は、ステップS136で待機行列テーブルデータの充電待機の順位が一番目である対象車両に対して充電を開始するように充電器制御部12へ信号を送る。決定部24による決定工程が終了する。
【0064】
例えば、図9(2)の場合、充電稼働数が3台であり、かつ、同時充電可能台数が3台であるので、居室ID「505」と充電タイプ「優先充電」については、充電待機となる。そして、居室ID「503」の車両の充電が完了したタイミングで、待機行列テーブルデータの一番目に記載されている居室ID「302」の車両の充電が開始されることになる。この場合に、決定部24は、図9(3)に示すように、待機行列テーブルデータの充電待機の順位が一番目である居室ID「302」のデータを利用テーブルデータへ移行する。これにより、対象車両である居室ID「505」は充電待機の順位が一番目になるので、次に充電中の車両の充電が完了した場合には、対象車両である居室ID「505」の充電が開始されることになる。そこで、対象車両である居室ID「505」のデータが利用テーブルデータに移行される。
【0065】
その後、制御部20による充電工程が開始され、制御部20が充電器制御部12を介して充電待機の順位が一番の対象車両に充電を開始する。ここでの充電は、完全充電を意味するが、ユーザーが所望する場合等には完全充電ではなく、例えば60%程度の充電でもよい。
【0066】
決定工程後、制御部20により開始される充電工程は、図10に示すように、まず、ステップS141において制御部20が、利用テーブルデータに基づいて充電器制御部12を介して充電待機の順位が一番の車両に充電を開始する。そして、制御部20は、ステップS142において、充電器制御部12から充電完了との信号を受けとると、待機車両の充電は終了して、充電工程が終了する。
【0067】
料金算出部25は、充電タイプに関する情報に基づき、充電にかかった料金を算出する。料金算出部25は、具体的には、記録部26の利用テーブルデータから、所定の車両のデータを取得し、例えば、充電の優先度と、充電にかかった時間等から充電にかかった料金を算出し、入出力部に出力する。本実施形態では、充電の優先度が高い場合、即ち優先充電のほうが単価が高くなるように設定されている。
【0068】
このように、本実施形態の充電システム1は、充電されている車両の台数が設定部21が設定した同時充電可能台数に達するまでは、接続された充電待機の順位で車両の充電が行われるが、充電に使用されている充電器11の台数が同時充電可能台数に達した後は、いずれかの車両の充電が終わるまで、車両は待機する。決定部24は、充電待機する車両が複数ある場合に、複数の待機車両のうちの充電待機の順位を決定して、順次充電し、対象車両の充電待機の順位が一番になったときに充電器制御部12が所定の充電器11による対象車両の充電を開始するように制御し、取得部23は、この充電待機の順位決定時における対象車両の優先度を取得する。このように決定部24が動作することで、複数の電気自動車の充電を行う際に、限られた電気容量をシェアしながら、優先度に応じた充電が可能となる。これにより、車両の充電に関し急を要するユーザーの待機時間を長期化させず、かつ、全体として計画的に運用することが可能である。
【0069】
(実施形態2)
【0070】
本実施形態では、選択表示部31を備える点を備える点で実施形態1とは異なる。これ以外の点は全て実施形態1と同一であるので説明を省略する。
【0071】
図11に示す本実施形態の充電システム1は、充電稼働数から優先充電を選択可能とするかどうかを決定すべく、制御部20内に選択表示部31を備える。選択表示部31は、認証部22における認証工程後に選択表示決定工程を行う。選択表示部31は、認証部22による認証工程が終了したことを示す信号が認証部22から入力されると、選択表示決定工程を行う。
【0072】
選択表示部31は、記録部26から待機行列テーブルデータおよび利用テーブルデータを取得する。そして、これらの待機行列テーブルデータ内の待機車両の記載の有無、および利用テーブルデータで状態が「充電中」とされている充電車両の有無から、充電稼働数を得て、現時点で充電器11による同時充電に空きがあるかどうかを判断する。これらの待機行列テーブルデータに待機車両の記載がないこと、および利用テーブルデータで状態が「充電中」とされている充電車両が同時充電可能台数に達していない場合、選択表示部31は、充電器11による同時充電に空きがあると判断する。また、これらの待機行列テーブルデータに待機車両の記載があるか、または利用テーブルデータで状態が「充電中」とされている充電車両が同時充電可能台数に達している場合には、選択表示部31は、充電器11による同時充電に空きがないと判断する。
【0073】
そして、選択表示部31は、充電器11による同時充電に空きがあると判断した場合には、充電タイプのうち「優先充電」は不要であるとして、取得部23に、充電タイプの選択を表示させない信号を入力する。取得部23は、当該信号を受け取ると動作を開始する。本実施形態では、取得部23は、充電タイプを選択する旨を入出力パネル112に出力せず、「通常充電」のみが表示されるように信号を発出する。入出力パネル112にユーザーが充電タイプ「通常充電」を入力することにより、取得部23は充電タイプを取得する。
【0074】
また、選択表示部31は、同時充電に空きがないと判断した場合には、実施形態1と同様に、取得部23に、充電タイプの選択を表示させる信号を入力する。取得部23は、当該信号を受け取ると実施形態1と同様に動作を開始する。
【0075】
このように、本実施形態では、選択表示部31を備えていることで、ユーザーは同時充電に空きがない場合にのみ優先充電を選択できるので、同時充電に空きがある場合にユーザーに優先度の高い充電を選択させて無駄に費用がかかってしまうことを抑制できる。
【0076】
(実施形態3)
【0077】
本実施形態では、図12に示すように、待機行列テーブルデータにさらに「パス回数」のフィールドが設けられており、これにより、決定部24が決定工程中に優先度決定工程を行う点が実施形態1とは異なる。これ以外の点は全て実施形態1と同一であるので説明を省略する。
【0078】
決定部24は、決定工程におけるステップS132又はステップS133とステップS134(図8参照)との間に優先度決定工程を行う。本実施形態では、図12に示すように、待機行列テーブルデータは、311~313で示す3つのフィールド、即ち、居室ID、充電タイプに加え、パス回数のフィールドから構成される。
【0079】
「パス回数」は、充電の順位が繰り下がった回数を意味する。例えば、ユーザーが充電タイプとして「通常充電」を選択した後、別の複数のユーザーが充電タイプとして「優先充電」を選択したとすると、別の複数のユーザーの車両は優先度が高いので、対象車両よりも待機行列における前の順位を獲得して、即ちいわゆる割り込みを行った様な状態となり、ユーザーの対象車両は待機行列における順位が繰り下がる。この順位が繰り下がった回数を、本実施形態では「パス回数」としている。
【0080】
本実施形態では、決定部24は、図8に示すステップS131において、取得した充電タイプが優先充電である場合(YES)、決定部24は、ステップS132に進み、待機行列テーブルデータにおける優先充電を選択した車両の待機行列の最後尾に、取得した居室IDと充電タイプを書き込む。これにより、通常充電を選択した車両は、すべて待機行列における順位が繰り下がる。そこで、決定部24は、ステップS132において、待機行列テーブルデータにおける通常充電を選択した待機車両のデータに、それぞれパス回数を一回追加する。他方、図8に示すステップS131において、取得した充電タイプが通常タイプである場合には(NO)、決定部24は、ステップS133に進み、待機行列テーブルデータのうち、通常充電タイプの待機行列の最後尾に取得した居室ID及び充電タイプのみを書き込み、パス回数は追加しない。
【0081】
その後、決定部24は、優先度決定工程を行う。決定部24は、優先度決定工程として、充電タイプが通常充電である車両のデータのうち、パス回数が所定値(本実施形態では例えば3)に達したものがあるかどうかを判断する。そして、パス回数が所定値に達したものがあれば、充電タイプを「優先充電」に変更して、優先充電の待機行列の最後尾に移動させるように入力を行う。この決定部24における待機行列テーブルデータへの書き込みの終了後、決定部24は、ステップS134へ進み、実施形態1と同様に残りの決定工程を行う。
【0082】
このように、本実施形態では、パス回数をカウントできるように待機行列テーブルデータを構成し、これに応じて決定部24を構成していることで、通常充電を選択した車両よりも後に優先充電を選択した車両が続くことで、充電の順位が何度も繰り下がって長期間当該通常充電を選択した車両の充電が行われない事態を防止することが可能である。
【0083】
(実施形態4)
【0084】
本実施形態では、時間ごとに同時充電可能台数が異なる場合、これに対応して同時充電可能台数設定工程を有する点が実施形態1とは異なる。これ以外の点は全て実施形態1と同一であるので同一の点については説明を省略する。
【0085】
本実施形態では、制御部20内に同時充電可能台数設定部を有する。同時充電可能台数設定部は、設定工程後に図13に示す同時充電可能台数設定工程を行うように構成されている。本実施形態では、設定工程が終わると、設定部21から同時充電可能台数設定部に開始信号が入力され、同時充電可能台数設定工程が開始される。
【0086】
まず、ステップS151で、時間によって同時充電可能台数が異なるかどうか(時間変動の有無)が判断される。そして、時間によって同時充電可能台数を変動させない場合(NO)、設定工程で設定された同時充電可能台数を保持することを決定する(S152)。ステップS155に進む。
【0087】
また、ステップS151において時間によって同時充電可能台数が異なる場合(YES)、同時充電可能台数設定部は設定部21で設定した同時充電可能台数を取得する(S153)。そして、同時充電可能台数を変更する時間帯と、その時の同時充電可能台数を、設定工程において設定された同時充電可能台数に対してどの程度増減させるかを決定する(S154)。ステップS155に進む。
【0088】
ステップS155では、この同時充電可能台数と時間帯とを記録する。例えば、同時充電可能台数の時間変動がない場合には、すべての時間帯において設定部21で設定された同時充電可能台数を同時充電可能台数設定部に記録し、同時充電可能台数の時間変動がある場合には、時間帯とその時間帯における同時充電可能台数とを同時充電可能台数設定部に記録する。同時充電可能台数設定工程が終了する。充電制御においては、決定部24は、図8に示すステップS134で、当該時間帯において充電稼働数が設定部21が設定した同時充電可能台数に達しているかどうかを判断する。
【0089】
本実施形態は、例えば、集合住宅に電力供給者より供給される電力容量は一日を通して一定であっても夜間には各戸の電力使用量が減るので電気自動車の充電に使用できる電力容量が増える場合等にユーザーの充電の選択肢を広げることができ好ましい。また、夜間の電気代金が昼間の電気代金に比べて安いので、その時間帯のユーザーからの充電要求が高い等の場合に、このように時間によって同時充電可能台数が異なるように構成することで、ユーザーの充電の選択肢を広げることができ好ましい。
【0090】
(実施形態5)
【0091】
本実施形態では、時間を指定した予約充電を可能とすべく、取得部23による取得工程を図14に示すように行う点、及び決定部24が図15に示すように時間指定に基づく予約充電を決定する予約充電工程を行う点で実施形態1とは異なる。これ以外の点は全て実施形態1と同一であるので同一の点については説明を省略する。
【0092】
本実施形態の取得部23は、認証済みであることを示す信号を受け取ると、入出力パネル112に選択できる充電タイプを表示させる。充電器制御部12は、この信号に基づいてユーザーが使用している充電器11の入出力パネル12へ充電タイプを選択する旨を表示するように制御する。この場合に、本実施形態では、充電タイプには、優先充電、通常充電以外に「予約充電」が含まれ、これらの3つの充電タイプのうちの少なくとも一つを選択できる。ユーザーが選択した充電タイプを充電器制御部12を介して取得部23が取得する(S161)。ステップS162で、取得部23が取得した充電タイプが予約充電であるかどうかを判断する。予約充電でない場合(NO)、実施形態1と同様に、取得部23は、待機行列テーブルデータを取得し、その充電タイプと居室IDとのデータを待機行列テーブルデータのリストの所定の最終行(最後尾)に入力する(S163)。入力された待機行列データは、記録部26に再度記録される。取得部23は、待機行列テーブルデータへの書き込みが完了したことを示す信号を決定部24へ入力して取得工程を終了する。
【0093】
ステップS162で予約充電である場合(YES)には、取得部23は、入出力パネル12にユーザーが希望する充電開始時刻を入力するように表示し、ユーザーが希望する充電開始時刻を入力すると(S164)、取得部23は、当該充電開始時刻を取得して、取得部23に記録する(S165)。取得部23は、予約充電を行う旨の信号を決定部24へ入力して取得工程を終了する。
【0094】
そして、決定部24は、本実施形態では、待機行列テーブルデータへの書き込みが完了したことを示す信号が決定部24に入力された場合には、実施形態1の決定工程を行い、予約充電を行う旨の信号が決定部24に入力された場合には、予約充電決定工程を行う。以下、予約充電決定工程を説明する。
【0095】
取得部23が予約充電を行う旨の信号を決定部24に入力すると、決定部24が予約時間であるかどうかを判断する(S171)。予約時間になっていない場合(NO)、ステップS171に戻る。予約時間となった場合(YES)、決定部24は、まず、記録部26から利用テーブルデータを取得し、利用テーブルデータのうち、最下段に記載された、即ち最も新しく充電が開始された車両の充電を一時的に停止する。そして、利用テーブルデータの当該車両のデータを待機行列テーブルデータの充電待機の順位が一番目のデータとしてデータを移行する(S172)。これにより、次に充電可能な充電器11に空きが出た場合には、当該充電が一時的に停止された車両の充電が開始されることになる。そして、予約充電の対象車両のデータを利用テーブルデータへ入力する(S173)。これにより、予約充電決定工程を終了し、充電工程へ移行する。
【0096】
本実施形態は、夜間の電気代金が昼間の電気代金に比べて安い場合等にユーザーの充電の選択肢を広げることができ好ましい。また、このように、夜間の電気代金が昼間の電気代金に比べて安い場合には、料金算出部25が算出工程において記録部26に記録された夜間の電気代金と昼間の電気代金とのテーブルデータを参照して料金算出を行う。なお、本実施形態では、利用テーブルデータのうち最下段に記載された車両の充電が、充電が始まってからの時間が最も短いことから充電を停止することよる問題が少ないとして充電を停止したが、これに限定されない。充電が行われている車両のうち、もっとも優先度が低いと考えられる車両の充電を停止するように構成すればよい。ここでいう優先度は、ユーザーが選択した優先度に従って、例えば、通常充電を選択している車両の充電を停止するように構成してもよく、またユーザーが選択した優先度とは関係なく、例えば充電が所定の数値以上(例えば80%等)終了しているものはほとんど充電が終了しているとして優先度が低いと判断してもよい。また、本実施形態では、予約充電の場合には充電開始時間を入力したが、充電終了時間をユーザーが入力するように構成してもよい。この場合、入力された充電終了時間と、対象車両の残り充電状況とから、充電開始時間を取得部23が算出し、当該充電開始時間を記録するように構成してもよい。
【0097】
(実施形態6)
【0098】
本実施形態では、充電タイプごとに同時充電可能台数に上限、即ち枠を設けるべく、枠数決定部が図16に示す枠数決定工程を行う点、およびこれに伴い取得部23による取得工程を図17に示すように行う点で実施形態1とは異なる。これ以外の点は全て実施形態1と同一であるので同一の点については説明を省略する。
【0099】
本実施形態の制御部20内には、枠数決定部が設けられている。枠数決定部による枠数決定工程を、図16を用いて説明する。枠数決定工程は、本実施形態では、設定工程と同様にあらかじめ行われる工程である。なお、ユーザーの要望等に応じて充電システム稼働後も適宜枠数決定工程を再度行って枠数を変更することも可能である。
【0100】
初めに、枠数決定部が起動されると、図示しない別の入出力部に、優先充電の枠数を入力するように表示され、枠数が入力される(S181)。枠数決定部は、この枠数の入力値が同時充電可能台数の半分以下であるかどうかを判断する(S182)。半分以下ではなかった場合(NO)、枠数決定部は、入出力部にエラー表示を行う。ステップS182で半分以下であった場合(YES)、枠数決定部は、算出された同時充電可能台数を記録部26に入力する。これにより、枠数決定工程が終了し、枠数決定部の動作は終了する。
【0101】
次に、取得部23による取得工程を、図17を用いて説明する。本実施形態の取得工程においては、初めに、取得部23が優先充電の枠が空いているかどうかを判断する(S191)。空いている場合(YES)、取得部23は、優先充電と通常充電とが可能である旨を表示するための信号を入出力パネル12へ表示する(S192)。ステップS194へ進む。空いていない場合(NO)、取得部23は、通常充電のみが可能である旨を表示するための信号を入出力パネル112へ表示する(S193)。ステップS194へ進む。
【0102】
ステップS194では、入出力パネル112が、受け取った信号に基づいて、画面上に出力を行い、ユーザーが充電タイプを選択する。その後は、実施形態1と同様に、取得部23は、待機行列テーブルデータを取得し、その充電タイプと居室IDとのデータを待機行列データのリストの最終行(最後尾)に入力する(S195)。入力された待機行列データは、記録部26に再度記録される。取得部23は、待機行列データへの書き込みが完了したことを示す信号を決定部24へ入力する。
【0103】
本実施形態は、優先充電の枠に空きがあるかどうかを表示することで、ユーザーが優先充電を選ぶ必要があるかどうかを検討でき、ユーザーの利便性が高く好ましい。また、優先充電を選択する車両が過剰に多くなりすぎずに、適正な台数を指定でき、優先充電の優先度を担保できる。
【0104】
また、本実施形態において、例えば取得部23が現時点で同時充電可能台数に達しているかどうか、さらにすぐに充電可能かどうかを判断した上で、すぐに充電可能ではない場合に、ステップS191に進むように構成してもよい。このように構成することで、充電がすぐに可能である場合には、優先充電を選択する必要がなく、さらにユーザーの利便性が向上する。なお、本実施形態では、優先充電のみに枠を設けたが、これに限定されず、通常充電に枠を設けてもよい。
【0105】
(実施形態7)
【0106】
本実施形態では、充電中に、例えば緊急で充電が必要な車両がある場合に充電中の車両の充電を一時的に停止して当該車両の充電を行う、いわゆる割り込みで充電を行うように充電の順位を決定する決定工程を行う点で、実施形態1とは異なる。これ以外の点は全て実施形態1と同一であるので同一の点については説明を省略する。
【0107】
本実施形態では、充電タイプとしては、優先充電はなく緊急充電と通常充電の二つであり、緊急充電の優先度は通常充電よりも高い。取得部23による取得工程においては、緊急充電か、または通常充電かどうかを取得する。
【0108】
そして、取得部23の待機行列テーブルデータへの書き込みが完了したことを示す信号が入力されると、決定部24は、その動作を開始する。図18に示すように、決定部24は、初めにステップS201で対象車両の選択された充電タイプを判断する。具体的には、決定部24は、記録部26から待機行列テーブルデータを取得し、最終行(最後尾)に入力された、居室IDとユーザーが選択した充電タイプとを取得して、緊急充電か否かを判断する。取得した充電タイプが緊急充電である場合(YES)、決定部24は、記録部26から利用テーブルデータを取得し、利用テーブルデータのうち、最下段に記載がある、即ち最も新しく充電が開始された車両の充電を一時的に停止する。そして、利用テーブルデータの当該車両のデータを待機行列テーブルデータの充電待機の順位が一番目のデータとしてデータを移行する(S202)。そして、緊急充電の対象車両のデータを利用テーブルデータへ入力する(S203)。これにより、決定工程は終了して決定部24は動作を終了する。
【0109】
他方で、ステップS201において取得した充電タイプが通常充電である場合には(NO)、実施形態1と同様の手順により、決定部24は、ステップS204に進み、待機行列テーブルデータのうち、通常充電タイプの待機車両の最後に取得した居室IDと充電タイプを書き込む。この後の工程ステップS134からステップS136については、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0110】
本実施形態では、緊急に充電が必要な電気自動車がある場合には、充電中の車両の充電を一時的に停止して当該車両の充電を行う、いわゆる割り込みで充電を行うことができるので、ユーザーの多様な要求に対応することができ、システムの利便性が高く好ましい。
【0111】
(変形例)
【0112】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0113】
例えば、充電部10について、充電器11は、上述した実施形態では充電ケーブルを用いて充電器11と車両とを接続するものを例示したが、これに限定されない。例えば、充電器11は、各駐車スペースの床部に設けられた非接触型の充電器であってもよい。充電器11に設けられた入出力パネル112は、上述した実施形態では各充電器11にそれぞれ設けられたが、これに限定されず、充電部10に対して一つ、または複数設けてもよく、また、入出力パネル112は、複数の機能を有するタッチパネルとして構成した例を示したが、これに限定されない。入出力画面とキーとカードリーダーとの機能をそれぞれ別の部材が有していてもよい。
【0114】
また、充電部10について、充電器制御部12は、上述した実施形態では各充電器11に接続された一の充電器制御部12を例示したが、これに限定されない。例えば、各充電器11それぞれに充電器制御部12が設けられていてもよいし、充電器制御部12を有さずに、制御部20が直接各充電器11を制御してもよい。さらに、充電器制御部20が制御部20にも、充電部10にも設けられておらず、独立していてもよい。
【0115】
また、充電部10に接続されていた電力供給源13は、上述した実施形態では商用電源であったが、これに限定されず、例えば集合住宅に設けられた太陽電池であってもよい。
【0116】
上述した充電システム1は、インターネット等の通信網に接続可能であってもよく、通信網に接続されている管理サーバ及び/又は端末装置と通信可能とされていてもよい。また、例えば記録部26がサーバ上にあってもよく、このように構成することでデータベースの管理を集中的に行うことができ、好ましい。
【0117】
上述した各実施形態で用いた認証カードは、また、当該集合住宅以外のIDカードを用いたりできないように、IDカードには、当該集合住宅で用いることができる正規のカードであることを示す特定の鍵情報を格納したり、あるいは居室番号などのID情報を当該集合住宅のみで通用する鍵情報を用いて暗号化して記録したりすることができる。さらに、IDカードは、集合住宅のエントランスの扉や、居住者個々の居室を開閉する鍵として機能するカードキーを兼ねていてもよい。また、認証に用いるものはカードに限定されず、生体認証手段や、携帯端末等を用いた認証等でもよい。
【0118】
上述した実施形態でデータベースに入力されているデータはこれに限定されず、管理や制御に応じて適宜選択することが可能である。例えば、充電管理のための車種等をさらに記録することも可能である。また、テーブルデータをデータベースとして管理して記録部に格納することに限定されず、例えば、制御テーブルとして制御部20が有するRAMに割り当てておいてもよい。
【0119】
上述した実施形態では、充電タイプとして「通常充電」と「優先充電」の二つの優先度か、もしくは「通常充電」及び「緊急充電」、並びに「通常充電」、「優先充電」及び「予約充電」を有していたが、これに限定されず、優先度は複数設けてもよい。例えば、「通常充電」と「優先充電」と「緊急充電」とを備えていてもよい。この場合においても、優先度に応じて待機充電の順位を決定することが可能である。
【0120】
また、上述した実施形態では、充電システム1は、集合住宅の駐車場に用いる場合を例示したがこれに限定されず、例えば、商業施設等の駐車場に用いてもよい。
【0121】
また、充電器11の入出力パネル112や電力供給部111には扉を設け、この扉を開けた時に充電システム11の起動を行ったり、この扉を閉めた時に制御部20による決定工程を行うように充電システム11を構成してもよい。
【0122】
また、上述した実施形態では、設定部21は、入力された施設の電気契約値に基づいて同時に稼働可能な充電器数(同時充電可能台数)を算出したが、施設の電気契約値の取得方法はこれに限定されない。例えば、施設に設置されたスマートメーター(通信機能付き電力量計)と制御部20とを接続し、制御部20が当該電力量計から電気契約値を取得するように構成してもよい。
【0123】
上述した実施形態では、記録部26はテーブルデータのみを記録したが、これに限定されず、例えば、設定部で設定した同時充電可能台数や、同時充電可能台数設定部に記録した時間帯とこれに対応した同時充電可能台数等も記録部26へ記録するように構成してもよい。また、独立した記録部26を有していなくてもよく制御部20の各部が記録部26をそれぞれ有するように構成してもよい。
【0124】
実施形態2では、同時充電可能台数の上限に達しているかどうかを判断する場合に、利用テーブルデータから充電稼働数を得ることを説明したが、実施形態1と同様に充電制御部12から充電稼働数を得るように構成してもよく、また、実施形態1でも実施形態2と同様に利用テーブルデータから充電稼働数を得るように構成してもよい。
【0125】
上述した各実施形態を組み合わせることももちろん可能である。例えば、実施形態3と実施形態5とを組み合わせて、予約充電の車両の充電時間となり充電中であった車両が一度その充電を停止した場合にその車両のパス回数を「1」とし、再度その車両が充電に復帰した場合に、別の予約充電の車両の予約時間となったとしても、パス回数が0である別の充電中の車両の充電を停止するようにしてもよい。
【0126】
実施形態6では、優先充電に対する充電枠を同時充電可能台数の半分までとしたが、これに限定されず、同時充電可能台数以下であれば自由に設定することが可能である。例えば、優先度を低、中、高と三段階に分けた場合には、各段階ごとに充電枠を設けるために、それぞれの枠を同時充電可能台数の3分の1としてもよいし、優先度が高であるものと優先度が低であるものとの充電枠の枠数を異なるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0127】
10 充電部
11 充電器
12 充電器制御部
13 電力供給源
20 制御部
21 設定部
22 認証部
23 取得部
24 決定部
25 料金算出部
26 記録部
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