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特許7551132モジュール式電気外科的システム及び当該システムについてのモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】モジュール式電気外科的システム及び当該システムについてのモジュール
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20240909BHJP
【FI】
A61B18/18
A61B18/18 100
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021531660
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2019082571
(87)【国際公開番号】W WO2020120125
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】1820060.0
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512008495
【氏名又は名称】クレオ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,クリストファー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ホジキンズ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ,ジョン
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-225818(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0257817(US,A1)
【文献】特表2014-507175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/04 - A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサ及びコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリを有するリモートコンピューティングデバイスと、
それからデータを受信するように、前記リモートコンピューティングデバイスと無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェースを有するコントローラモジュールであって、前記コントローラモジュールは、前記受信されたデータに基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である、前記コントローラモジュールと、
前記制御コマンドを受信するように、前記コントローラモジュールと通信している信号ジェネレータモジュールであって、前記信号ジェネレータモジュールは、電磁気(EM)信号を形成するよう、前記制御コマンドに基づいて、EM放射を生成及び制御するように動作可能である、前記信号ジェネレータモジュールと、
前記EM信号を伝達し、電気外科的機器に前記EM信号を出力するための出力ポートを有するフィード構造モジュールであって、前記フィード構造モジュールは、前記出力ポートに前記信号ジェネレータモジュールを接続するための信号チャネルを有する、前記フィード構造モジュールと、を備え、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記リモートコンピューティングデバイスに、少なくとも、
ユーザ入力に基づいて、入力データを生成させ、前記入力データは、前記信号ジェネレータモジュールの少なくとも1つの動作パラメータを指定し、
前記コントローラモジュールへの無線送信のためのデータパケットを生成させ、前記データパケットは、前記少なくとも1つの動作パラメータを含み、
無線通信チャネルを介して、前記コントローラモジュールに前記データパケットを送信させ
前記コントローラモジュールは、前記無線通信インタフェースにおいて受信されたデータを復号し、前記無線通信インタフェースから送信されたデータを暗号化するように動作可能である、
モジュール式電気外科的システム。
【請求項2】
前記コントローラモジュールは、前記受信されたデータを受信するように、前記無線通信インタフェースと通信しているプロセッサを更に含み、前記プロセッサは、前記受信されたデータに基づいて、前記制御コマンドを生成するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラモジュールは、前記無線通信インタフェースを介して前記リモートコンピューティングデバイスに前記制御コマンドを送信するように動作可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラモジュールは、前記システムの潜在的な誤り状態を監視するためのウォッチドッグを含み、前記ウォッチドッグは、前記誤り状態が発生したときにアラーム信号を生成するように動作可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムの一部の動作を監視し、対応するセンサデータを生成するように動作可能なセンサを更に備え、前記ウォッチドッグは、前記センサデータと1つ以上のセンサ閾値との間の比較に基づいて、前記アラーム信号を生成するように動作可能である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラモジュールは、前記無線通信インタフェースを介して前記リモートコンピューティングデバイスに前記アラーム信号を送信するように動作可能である、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ウォッチドッグは、前記無線通信インタフェースが少なくとも予め設定された時間期間の間に前記リモートコンピューティングデバイスとの通信を失ったときに前記アラーム信号を生成するように動作可能である、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラモジュールは、前記アラーム信号に基づいて、前記制御コマンドを生成するように動作可能である、請求項4~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記信号チャネルに関する信号特性をサンプリングし、前記信号特性を示す検出信号をそれから生成するように、前記信号チャネルに結合された信号検出器モジュールを更に備えた、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラモジュールは、前記検出信号に基づいて、前記制御コマンドを生成するように動作可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラモジュールは、前記無線通信インタフェースを介して前記リモートコンピューティングデバイスに前記検出信号を送信するように動作可能である、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記フィード構造モジュールは、前記EM信号によって配送されたエネルギーを制御するための、前記信号チャネルに接続されたチューナを更に含み、前記チューナは、前記検出信号に基づいて、前記コントローラモジュールによって制御可能な調節可能インピーダンス素子を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記信号ジェネレータモジュールは、前記EM放射からパルス化EM放射を生成するよう、前記制御コマンドに基づいて前記コントローラモジュールによって制御可能なパルスジェネレータを更に含み、前記EM信号は、前記パルス化EM放射を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記電気外科的機器に流体を出力するための、流体ポートと流体連結している流体フィード構造を有する流体フィードモジュールを更に備え、前記流体フィードモジュールは、前記流体フィード構造を介した前記流体ポートへの流体の流れを供給及び制御するよう、前記制御コマンドに基づいて前記コントローラモジュールによって制御可能である、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記流体フィードモジュールは、前記流体フィード構造に結合され、前記流体フィード構造内の前記流体の流れの温度を調節するよう、前記制御コマンドに基づいて前記コントローラモジュールによって制御可能な温度制御素子を更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
1つ以上の追加のEM信号を形成するよう、前記制御コマンドに基づいて追加のEM放射を生成及び制御するように動作可能な1つ以上の追加の信号ジェネレータモジュール、または前記信号ジェネレータモジュール及び各々の他の追加の信号ジェネレータモジュールとは異なる周波数においてEM放射を生成する各々の追加の信号ジェネレータモジュールを更に備え、前記フィード構造モジュールは、前記出力ポートに前記各々の追加の信号ジェネレータモジュールを結合するための1つ以上の追加の信号チャネルを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記信号チャネル及び/または各々の追加の信号チャネルは、物理的に別個の信号経路を含み、前記フィード構造モジュールは、1つ以上の入力を有する信号結合回路を含み、各々の入力は、前記物理的に別個の信号経路の異なる1つに接続され、前記信号結合回路は、単一のチャネルに沿って前記出力ポートに別個にまたは同時に、前記EM信号及び/または各々の追加のEM信号を伝達するための共通信号経路に接続された出力を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記信号結合回路は、前記共通信号経路に、前記信号チャネル及び/または各々の追加の信号チャネルのうちの1つを接続するための切り替えデバイスを含み、前記切り替えデバイスは、前記制御コマンドに基づいて、前記コントローラモジュールによって制御可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムの複数のモジュールを収納するための容器を更に備え、前記容器は、前記複数のモジュールを受けるための複数のソケットを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
その遠位端からEM放射を配送するよう配列された電気外科的機器を更に備え、前記電気外科的機器は、前記遠位端に前記EM信号を伝達するための機器フィード構造を有し、前記機器フィード構造は、前記出力ポートに前記遠位端を接続するための機器信号チャネルを有する、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物組織を治療するために、無線周波数(RF)放射またはマイクロ波電磁気(EM)放射などのEM放射を使用するモジュール式電気外科的システムに関する。実施形態では、モジュールの制御は、システムのモジュールと無線で通信することができるリモートコンピューティングデバイスに集中化される。実施形態では、異なる任意選択のモジュールは、システムに異なる能力を提供するために、コアモジュールと共に組み合わされてもよい。
【背景技術】
【0002】
外科的摘出は、人間または動物の身体内から器官の断片を除去する手段である。そのような器官は、血管であることが多い。組織が切断されるとき(分割または切開される)、小動脈と称される小さな血管が損傷し、または破裂する。初期の出血に続いて、出血点をふさぐことを試みる際に血液がクロットに変化する凝固カスケードが起こる。手術の間、患者は、できるだけ血液を失わないことが望ましく、よって、出血がない切断をもたらすことの試みにおいて様々なデバイスが開発されてきた。内視鏡的処置に対し、血流がオペレータの視覚を曖昧にすることがあり、それは、処置が終結される必要があること、及び代わりに別の方法、例えば、観血手術が使用されることにつながることがあるので、出血が発生すること、及びできるだけ早く対処されないこと、または便宜な方式において対処されないことも望ましくない。
【0003】
電気外科的ジェネレータは、観血処置及び内視鏡的処置における使用のために、病院の手術室の全体を通じて普及しており、また、内視鏡一式にますます存在している。内視鏡的処置では、電気外科的アクセサリは典型的には、内視鏡の内部の内腔を通じて挿入される。腹腔鏡手術のための同等のアクセスチャネルに対して考慮すると、そのような内腔は比較的、内径において狭く、長さにおいて大きい。肥満患者のケースでは、外科的アクセサリは、RFチップへのハンドルから300ミリメートルの長さを有することがあるのに対し、腹腔鏡容器内の同等の距離は、2500ミリメートルを上回ることがある。
【0004】
鋭いブレードの代わりに、生物組織を切断するために、無線周波数(RF)エネルギーを使用することが知られている。RFエネルギーを使用して切断する方法は、組織マトリクス(細胞のイオン含有量及び細胞内電解質によって補助される)を通る電流として、組織にわたる電子の流れへのインピーダンスが熱を生じさせるという原理を使用して動作する。RF電圧が組織マトリクスに印加されるとき、組織の含水量を気化するよう、細胞内で十分な熱が生じる。特に、組織を通じた電流経路全体の最高電流密度を有する機器のRF放出領域(本明細書でRFブレードと称される)に隣接した、この増大する乾燥の結果として、RFブレードの切断された極に隣接した組織は、ブレードとの直接接触を失う。印加された電圧は次いで、この空洞にわたってほとんど全体的に現れ、それは、イオン化し、結果として、組織と比較して非常に大規模の抵抗性を有するプラズマを形成する。この区別は、RFブレードの切断された極と組織との間の電気回路を完了したプラズマへの印加されたエネルギーに注目するように重要である。プラズマに低速に十分に入り込むいずれかの揮発性材料は気化され、したがって、知覚は、プラズマを解離する組織の知覚である。
【0005】
英国特許出願公開第2486343号明細書は、生物組織を治療するよう、RFエネルギー及びマイクロ波エネルギーの両方を配送する電気外科的装置についての制御システムを開示している。プローブに配送されるRFエネルギー及びマイクロ波エネルギーの両方のエネルギー配送プロファイルは、サンプリングされた電圧と、プローブに伝達され、前方向にサンプリングされたRFエネルギーの電流情報と、プローブに及びプローブから伝達されたマイクロ波エネルギーについての反射電力情報とに基づいて設定される。
【0006】
図1は、英国特許出願公開第2486343号明細書において立案されたような電気外科的装置100の概略図を示す。装置は、RFチャネル及びマイクロ波チャネルを含む。RFチャネルは、生物組織を治療するために(例えば、切断し、または乾燥させる)適切な電力レベルにおいてRF周波数電磁気信号を生成及び制御するための構成要素を包含する。マイクロ波チャネルは、生物組織を治療するために(例えば、凝固させ、または切除する)適切な電力レベルにおいてマイクロ波周波数電磁気信号を生成及び制御するための構成要素を包含する。
【0007】
マイクロ波チャネルは、マイクロ波周波数ソース102と、それに続いて、電力分割器124(例えば、3デシベル電力分割器)を含み、電力分割器124は、ソース102からの信号を2つのブランチに分割する。電力分割器124からの1つのブランチは、マイクロ波チャネルを形成し、マイクロ波チャネルは、制御信号V10を介してコントローラ106によって制御される可変減衰器104及び制御信号V11を介してコントローラ106によって制御される信号変調器108を含む電力制御モジュールと、治療のために適切な電力レベルにおけるプローブ120からの配送のための前方向マイクロ波EM放射を生成するための駆動増幅器110及び電力増幅器112を含む増幅器モジュールとを有する。増幅器モジュールの後、マイクロ波チャネルは、マイクロ波信号結合モジュール(マイクロ波信号検出器の一部を形成する)と連続し、マイクロ波信号結合モジュールは、その第1のポートと第2のポートとの間の経路に沿ってソースからプローブにマイクロ波EMエネルギーを配送するよう接続された循環装置116、循環装置116の第1のポートにおける前方向結合器114、及び循環装置116の第3のポートにおける反射結合器118を含む。反射結合器を通った後、第3のポートからのマイクロ波EMエネルギーは、電力ダンプロード122において吸収される。マイクロ波信号結合モジュールはまた、検出のためにヘテロダイン受信機に前方向結合信号または反射結合信号のいずれかを接続するための、制御信号V12を介してコントローラ406によって操作されるスイッチを含む。
【0008】
電力分割器124からの他のブランチは、測定チャネルを形成する。測定チャネルは、マイクロ波チャネル上で増幅するラインナップをバイパスし、よって、プローブから低電力信号を配送するよう配列される。この実施形態では、制御信号V13を介してコントローラ106によって制御されるプライマリチャネル選択スイッチ126は、プローブに配送するマイクロ波チャネルまたは測定チャネルのいずれかからの信号を選択するよう動作可能である。高帯域通過フィルタ127は、低周波数RF信号からマイクロ波信号ジェネレータを保護するよう、プライマリチャネル選択スイッチ126とプローブ120との間に接続される。
【0009】
測定チャネルは、材料、例えば、プローブの遠位端に存在する生物組織に関する情報を得ることができる、プローブから反射された電力の位相及びマグニチュードを検出するよう配列された構成要素を含む。測定チャネルは、その第1のポートと第2のポートとの間の経路に沿ってソース102からプローブにマイクロ波EMエネルギーを配送するよう接続された循環装置128を含む。プローブから戻された反射信号は、循環装置128の第3のポートに方向付けられる。循環装置128は、正確な測定を促進するよう、前方向信号と反射信号との間の分離をもたらすために使用される。しかしながら、循環装置がその第1のポートと第3のポートとの間の完全な分離をもたらさないので、すなわち、前方向信号の一部が第3のポートを抜け、反射信号と干渉することがあるので、第3のポートから発生する信号(注入結合器132を介して)に前方向信号(前方向結合器130からの)の一部を再度注入する搬送波キャンセレーション回路が使用される。搬送波キャンセレーション回路は、それをキャンセルアウトするために、注入された部分が第1のポートから第3のポートに抜けるいずれかの信号と180度位相がずれることを保証する位相調節器134を含む。搬送波キャンセレーション回路はまた、注入された部分のマグニチュードがいずれかの抜けた信号と同一であることを保証する信号減衰器136を含む。
【0010】
前方向信号におけるいずれかのドリフトを補償するために、測定チャネルに対して前方向結合器138が設けられる。前方向結合器138及び循環装置128の第3のポートからの反射信号の結合された出力は、スイッチ140のそれぞれの入力端子に接続され、スイッチ140は、検出のためにヘテロダイン受信機に、結合された前方向信号または反射信号のいずれかを接続するよう、制御信号V14を介してコントローラ106によって操作される。
【0011】
スイッチ140の出力(すなわち、測定チャネルからの出力)及びスイッチ115の出力(すなわち、マイクロ波チャネルからの出力)は、セカンダリチャネル選択スイッチ142のそれぞれの入力端子に接続され、セカンダリチャネル選択スイッチ142は、測定チャネルがプローブにエネルギーを供給しているときに測定チャネルの出力がヘテロダイン受信機に接続されること、及びマイクロ波チャネルがプローブにエネルギーを供給しているときにマイクロ波チャネルの出力がヘテロダイン受信機に接続されることを保証するために、プライマリチャネル選択スイッチと共に制御信号V15を介してコントローラ106によって操作される。
【0012】
ヘテロダイン受信機は、セカンダリチャネル選択スイッチ142によって出力された信号から位相情報及びマグニチュード情報を抽出するために使用される。このシステム内の単一のヘテロダイン受信機が示されるが、必要な場合に、信号がコントローラに入る前にソース周波数を2倍ミックスダウンする二重ヘテロダイン受信機(2つの局所発振器及び混合機を含む)が使用されてもよい。ヘテロダイン受信機は、セカンダリチャネル選択スイッチ142によって出力された信号をミックスダウンするための局所発振器144及びを含む。局所発振器信号の周波数は、混合機148からの出力がコントローラ406において受信されるのに適切な中間周波数にあるように選択される。帯域通過フィルタ146、150は、高周波数マイクロ波信号から局所発振器144及びコントローラ106を保護するために設けられる。
【0013】
コントローラ106は、ヘテロダイン受信機の出力を受信し、それから、マイクロ波チャネルまたは測定チャネル上の前方向信号及び/または反射信号の位相及びマグニチュードを示す情報を判定する(例えば、抽出する)。この情報は、マイクロ波チャネル上の高電力マイクロ波EM放射またはRFチャネル上の高電力RF EM放射の配送を制御するために使用されてもよい。ユーザは、上記議論されたように、ユーザインタフェース152を介してコントローラ106と相互作用することができる。
【0014】
図1に示されるRFチャネルは、制御信号V16を介してコントローラ106によって制御されるゲートドライバ156に接続されたRF周波数ソース154を含む。ゲートドライバ156は、ハーフブリッジ配列である、RF増幅器158に対して動作信号を供給する。ハーフブリッジ配列のドレイン電圧は、可変DC供給装置160を介して制御可能である。出力変換器162は、プローブ120への配送のためのラインに生成されたRF信号を転送する。低域通過、帯域通過、帯域停止、またはノッチフィルタ164は、高周波数マイクロ波信号からRF信号ジェネレータを保護するよう、そのライン上で接続される。
【0015】
電流変換器166は、組織負荷に配送される電流を測定するよう、RFチャネル上で接続される。電位分割器168(出力変換器からタップにつながれてもよい)は、電圧を測定するために使用される。電位分割器168及び電流変換器166からの出力信号(すなわち、電圧及び電流を示す電圧出力)は、それぞれのバッファ増幅器170、172、及び電圧クランピングツェナーダイオード174、176、178、180(図1では信号B及びCとして示される)によって調整した後、コントローラ106に直接接続される。
【0016】
位相情報を導出するために、電圧信号及び電流信号(B及びC)も、位相比較器182(例えば、EXORゲート)に接続され、位相比較器182の出力電圧は、電圧波形と電流波形との間の位相差に比例した電圧出力を生成するようRC回路184によって統合される(図1ではAとして示される)。この電圧出力(信号A)は、コントローラ106に直接接続される。
【0017】
マイクロ波/測定チャネル及びRFチャネルは、信号コンバイナ184に接続され、信号コンバイナ184は、ケーブルアセンブリ186に沿ってプローブ120に別個にまたは同時に、両方のタイプの信号を伝達し、プローブ120から、それが患者の生物組織に配送される(例えば、放射される)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
その最も全般なものとして、本発明は、モジュールから構築された電気外科的システムを提供し、システムの電気外科的能力を変化させるために、任意選択のモジュールを追加することができ、コアモジュールから除去することができる。モジュールの制御は、システムのモジュールと無線で通信することができるリモートコンピューティングデバイスに集中化される。各々のモジュールは、別個の無線通信インタフェースを含んでもよく、よって、リモートコンピューティングデバイスと別個に通信することが可能である。加えてまたは代わりに、複数のモジュールは、単一の無線通信インタフェースを共有してもよい。モジュール式電気外科的システムは、例えば、電気外科的機器の遠位アセンブリの近くの治療部位において、生物組織の治療のために、電気外科的機器への提供のためのEM信号を生成するように動作可能である。リモートコンピューティングデバイスは、モジュールから受信されたフィードバックデータを介して、モジュールのリアルタイム監視を実行するように構成されてもよい。リモートコンピューティングデバイスは、ユーザインタフェースを介して、モジュールから受信されたデータを記憶及び表示(例えば、グラフ及びテーブル)するように構成されてもよい。
【0019】
本発明の第1の態様は、それからデータを受信するように、リモートコンピューティングデバイスと無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェースを有するコントローラモジュールであって、コントローラモジュールは、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である、コントローラモジュールと、制御コマンドを受信するように、コントローラモジュールと通信している信号ジェネレータモジュールであって、信号ジェネレータモジュールは、電磁気(EM)信号を形成するよう、制御コマンドに基づいてEM放射を生成及び制御するように動作可能である、信号ジェネレータモジュールと、EM信号を伝達し、電気外科的機器にEM信号を出力するための出力ポートを有するフィード構造モジュールであって、フィード構造は、出力ポートに信号ジェネレータモジュールを接続するための信号チャネルを有する、フィード構造モジュールと、を含むモジュール式電気外科的システムを提供する。
【0020】
無線通信インタフェースは、リモートコンピューティングデバイスとの無線通信を有効にする。無線通信インタフェースは、3G、4G、5G、GSM(登録商標)、WiFi、Bluetooth(登録商標)、及び/またはCDMAなどの1つ以上の異なるプロトコルを介して通信する能力を有することができる。無線通信インタフェースは、送信機及び受信機(または、送受信機)など、データ信号の送信及び受信のための通信ハードウェアを含んでもよい。また、通信ハードウェアは、アンテナ、並びにデータ信号の送信及びそれからの受信のためにアンテナにRF信号を提供するRFプロセッサを含んでもよい。無線通信インタフェースは、RFプロセッサにデータ信号を提供し、RFプロセッサからデータ信号を受信するベースバンドプロセッサをも含んでもよい。無線通信インタフェースの正確な構造は、当業者によって理解されるように、実施形態の間で変化してもよい。
【0021】
電磁気放射(または、エネルギー)は、無線周波数(RF)エネルギー及び/またはマイクロ波周波数エネルギーを含んでもよい。信号ジェネレータモジュールは、生物組織の治療のためにRF EMエネルギーまたはマイクロ波周波数EMエネルギーを配送する能力を有するいずれかのデバイスを含んでもよい。例えば、国際公開第2012/076844号(参照によって本明細書に組み込まれる)において説明されたジェネレータが使用されてもよい。
【0022】
フィード構造は、内部コンダクタ、内部コンダクタと同軸の外部コンダクタ、並びに内部コンダクタ及び外部コンダクタを分離する第2の誘電材料を含む同軸フィードケーブルであってもよく、同軸フィードケーブルは、RF信号及び/またはマイクロ波信号を伝達するためのものである。実施形態では、フィード構造モジュールは、国際公開第2012/076844号において説明されたフィード構造を含んでもよい。
【0023】
実施形態では、コントローラモジュールは、受信されたデータを受信するように、無線通信インタフェースと通信しているプロセッサを更に含んでもよく、プロセッサは、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを生成するように動作可能である。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよい。
【0024】
実施形態では、コントローラモジュールは、無線通信インタフェースを介してリモートコンピューティングデバイスに制御コマンドを送信するように動作可能である。
【0025】
実施形態では、コントローラモジュールは、無線通信インタフェースにおいて受信されたデータを復号し、無線通信インタフェースから送信されたデータを暗号化するように動作可能である。
【0026】
実施形態では、コントローラモジュールは、システムの潜在的な誤り状態を監視するためのウォッチドッグを含み、ウォッチドッグは、誤り状態が発生したときにアラーム信号を生成するように動作可能である。ウォッチドッグは、コントローラモジュールのプロセッサとは独立した障害検出デバイスであってもよい。
【0027】
実施形態では、システムは、システムの部分の動作を監視し、対応するセンサデータを生成するように動作可能なセンサを更に含み、ウォッチドッグは、センサデータと1つ以上のセンサ閾値との間の比較に基づいて、アラーム信号を生成するように動作可能である。例えば、センサは、システムの部分(例えば、コントローラモジュールのプロセッサ)の温度に基づいて温度測定を生成するように、その部分に結合された温度センサであってもよい。ウォッチドッグは次いで、センサからの温度測定を温度限度と比較してもよく、温度測定が限度を超えた場合にシステムをシャットダウンしてもよい。代わりに、センサは、システムの部分(例えば、プロセッサに能動的冷却をもたらす冷却ファン)にわたる電圧に基づいて、電圧測定を生成する電圧センサであってもよい。ウォッチドッグは次いで、センサからの電圧測定を電圧限度と比較してもよく、電圧が限度を超えた場合にシステムをシャットダウンしてもよい。
【0028】
実施形態では、コントローラモジュールは、無線通信インタフェースを介してリモートコンピューティングデバイスにアラーム信号を送信するように動作可能である。このようにして、リモートコンピューティングデバイスは、障害へのシステムの応答に対処することができる。
【0029】
実施形態では、ウォッチドッグは、無線通信インタフェースが少なくとも予め設定された時間期間の間にリモートコンピューティングデバイスとの通信を失ったときにアラーム信号を生成するように動作可能である。実施形態では、予め設定された限度は、少なくとも10秒であってもよい。
【0030】
実施形態では、コントローラモジュールは、アラーム信号に基づいて、制御コマンドを生成するように動作可能である。このようにして、コントローラモジュールは、障害へのシステムの応答に対処することができる。
【0031】
実施形態では、システムは、信号チャネルに関する信号特性をサンプリングし、信号特性を示す検出信号をそれから生成するように、信号チャネルに結合された信号検出器モジュールを更に含む。
【0032】
実施形態では、コントローラモジュールは、検出信号に基づいて、制御コマンドを生成するように動作可能である。それ自体として、EM信号は、組織へのEM放射の効率的な転送を促進するよう、組織特性に基づいて適合されてもよい。
【0033】
実施形態では、コントローラモジュールは、無線通信インタフェースを介してリモートコンピューティングデバイスに検出信号を送信するように動作可能である。それ自体として、リモートコンピューティングデバイスは、組織へのEM放射の効率的な転送を促進するよう、組織特性に基づいたEM信号の適合を制御することができる。また、組織特性(例えば、組織タイプ)は、リモートコンピューティングデバイスのユーザインタフェースを介してユーザに提示されてもよい。
【0034】
実施形態では、フィード構造モジュールは、EM信号によって配送されたエネルギーを制御するための、信号チャネルに接続されたチューナを更に含み、チューナは、検出信号に基づいて、コントローラモジュールによって制御可能な調節可能インピーダンス素子を含む。実施形態では、チューナは、国際公開第2012/076844号において説明されたRFチューナを含んでもよい。実施形態では、チューナは、国際公開第2012/076844号において説明されたインピーダンス調節装置を含んでもよい。
【0035】
実施形態では、信号ジェネレータモジュールは、EM放射からパルス化EM放射を生成するよう、制御コマンドに基づいてコントローラモジュールによって制御可能なパルスジェネレータを更に含み、EM信号は、パルス化EM放射を含む。このようにして、信号ジェネレータモジュールは、電気穿孔のために適切であることができる。実施形態では、信号ジェネレータモジュールは、参照によって組み込まれる英国特許出願公開第2563386号明細書において説明された信号ジェネレータを含む。
【0036】
実施形態では、システムは、電気外科的機器に流体を出力するための、流体ポートと流体連結している流体フィード構造を有する流体フィードモジュールを更に含み、流体フィードモジュールは、流体フィード構造を介した流体ポートへの流体の流れを供給及び制御するよう、制御コマンドに基づいてコントローラモジュールによって制御可能である。それ自体として、システムは、電気外科的機器の遠位端(または、遠位アセンブリ)の近くの治療部位に流体(例えば、ガスまたは液体)を提供するために使用されてもよい。流体は、プラズマ、例えば、熱プラズマまたは非熱プラズマを生成するために、EM信号と共に使用されてもよい。実施形態では、流体フィードモジュールは、国際公開第2012/076844号において説明されたガスフィード装置を含む。加えて、流体フィードモジュールは、ポンプまたは吸引デバイスを含んでもよく、その結果、流体を治療部位から抽出することができる。
【0037】
実施形態では、流体フィードモジュールは、流体フィード構造に結合され、流体フィード構造における流体の流れの温度を調節するよう、制御コマンドに基づいてコントローラモジュールによって制御可能な温度制御素子を更に含む。このようにして、流体は、機器の遠位端(または、遠位アセンブリ)に配送される前に加熱または冷却されてもよい。これは、プラズマの生成において有益であることができる。また、流体(例えば、液体)は、冷凍分離機能を実行するために、組織凍結流体を形成するように冷却されてもよい。
【0038】
実施形態では、システムは、1つ以上の追加のEM信号を形成するよう、制御コマンドに基づいて追加のEM放射を生成及び制御するように動作可能な1つ以上の追加の信号ジェネレータモジュール、または信号ジェネレータモジュール及び各々の他の追加の信号ジェネレータモジュールとは異なる周波数においてEM放射を生成する各々の追加の信号ジェネレータモジュールを更に含み、フィード構造モジュールは、出力ポートに各々の追加の信号ジェネレータモジュールを結合するための1つ以上の追加の信号チャネルを有する。それ自体として、RFエネルギー及びマイクロ波エネルギーの両方は、機器の遠位アセンブリの近くの治療部位に同時にまたは別個に配送されてもよい。また、異なる周波数のマイクロ波及びRFも、異なる状況に対処するために提供されてもよい。
【0039】
実施形態では、信号チャネル及び/または各々の追加の信号チャネルは、物理的に別個の信号経路を含み、フィード構造モジュールは、1つ以上の入力を有する信号結合回路を含み、各々の入力は、物理的に別個の信号経路の異なる1つに接続され、信号結合回路は、単一のチャネルに沿って出力ポートに別個にまたは同時に、EM信号及び/または各々の追加のEM信号を伝達するための共通信号経路に接続された出力を有する。
【0040】
実施形態では、信号結合回路は、共通信号経路に、信号チャネル及び/または各々の追加の信号チャネルのうちの1つ以上を接続するための切り替えデバイスを含み、切り替えデバイスは、制御コマンドに基づいて、コントローラモジュールによって制御可能である。
【0041】
実施形態では、システムは、システムの複数のモジュールを収納するための容器を更に含み、容器は、複数のモジュールを受けるための複数のソケットを含む。ソケットは、ソケットに挿入されたモジュールに対して様々な接続をもたらすことができる。例えば、ソケットは、モジュールがソケットに挿入されるとき、モジュール上で連結電力コネクタと係合するように位置する電力コネクタを含んでもよい。このようにして、電力は、操作のためにモジュールに提供されてもよい。加えてまたは代わりに、モジュールに、またはモジュールから、EM信号、流体信号、及び検出信号などの様々な信号を供給/抽出するための同様のコネクタが設けられてもよい。容器は、機器にEM信号を接続するためのコネクタ、及び機器に流体の流れを接続するためのコネクタをも含んでもよい。容器は、容器及び容器のソケットに受けられるモジュールに電力を提供する(例えば、主電源から)ための電力コネクタをも含んでもよい。
【0042】
実施形態では、システムは、その遠位端(または、遠位アセンブリ)からEM放射を配送するよう配列された電気外科的機器を更に含み、電気外科的機器は、遠位端にEM信号を伝達するための機器フィード構造を有し、機器フィード構造は、出力ポートに遠位端を接続するための機器信号チャネルを有する。実施形態では、機器フィード構造モジュールは、国際公開第2012/076844号において説明されたフィード構造を含む。
【0043】
電気外科的機器は、使用中、生物組織の治療のためにRF EMエネルギーまたはマイクロ波周波数EMエネルギーを使用するよう配列されたいずれかのデバイスであってもよい。電気外科的機器は、摘出、凝固、及び切除のいずれかまたは全てのためにRF EMエネルギー及び/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを使用してもよい。例えば、機器は、摘出デバイスであってもよいが、代わりに、マイクロ波鉗子のペア、マイクロ波エネルギーを放射し、及び/またはRFエネルギーを結合するスネア、並びにアルゴンビーム凝固剤であってもよい。
【0044】
機器は、機器チップに流体(例えば、食塩水)を配送するための機器流体フィード構造または導管を含んでもよい。機器流体フィード構造は、治療部位に流体を配送するための、機器を通じた経路を含んでもよい。
【0045】
機器フィード構造及び機器流体フィード構造は、機器にRFエネルギー及び/またはマイクロ波周波数エネルギー、並びに流体(液体またはガス)を配送するための多内腔導管アセンブリの一部を形成してもよい。実施形態では、機器流体フィード構造は、国際公開第2012/076844号において説明されたガス供給チューブを含んでもよい。
【0046】
実施形態では、システムは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を有するリモートコンピューティングデバイスを更に含み、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサにより、リモートコンピューティングデバイスに、少なくとも、ユーザ入力に基づいて、入力データを生成させ、入力データは、信号ジェネレータモジュールの少なくとも1つの動作パラメータを指定し、コントローラモジュールへの無線送信のためのデータパケットを生成させ、データパケットは、少なくとも1つの動作パラメータを含み、無線通信チャネルを介して、コントローラモジュールにデータパケットを送信させる、ように構成されている。リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンであってもよい。
【0047】
本発明の第2の態様は、モジュール式電気外科的システムについての信号ジェネレータモジュールであって、信号ジェネレータモジュールは、それからデータを受信するように、リモートコンピューティングデバイスと無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェースを有するコントローラであって、コントローラは、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である、コントローラと、制御コマンドを受信するように、コントローラと通信している信号ジェネレータであって、信号ジェネレータは、電磁気(EM)信号を形成するよう、制御コマンドに基づいてEM放射を生成及び制御するように動作可能である、信号ジェネレータと、EM信号を搬送し、電気外科的機器にEM信号を出力するための出力ポートを有するフィード構造であって、フィード構造は、出力ポートに信号ジェネレータを接続するための信号チャネルを有する、フィード構造と、を含む信号ジェネレータモジュールを提供する。
【0048】
本発明の第3の態様は、モジュール式電気外科的システムについての流体フィードモジュールであって、流体フィードモジュールは、それからデータを受信するように、リモートコンピューティングデバイスと無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェースを有するコントローラであって、コントローラは、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である、コントローラと、電気外科的機器に流体を出力するための流体ポートと流体連結している流体フィード構造であって、流体フィード構造は、流体ポートへの流体の流れを供給及び制御するよう、制御コマンドに基づいてコントローラによって制御可能である、流体フィード構造と、を含む流体フィードモジュールを提供する。
【0049】
本発明の第4の態様は、モジュール式電気外科的システムについての信号結合モジュールであって、信号結合モジュールは、それからデータを受信するように、リモートコンピューティングデバイスと無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェースを有するコントローラであって、コントローラは、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である、コントローラと、複数の入力電磁気(EM)信号を受信するための複数の入力ポートと、電気外科的機器に出力EM信号を送信するための出力ポートと、切り替えデバイスに複数の入力EM信号を伝達するための複数の入力ポートに結合された複数の別個の信号経路を含むフィード構造であって、フィード構造は、出力ポートに接続された共通信号経路を有し、切り替えデバイスは、制御コマンドに基づいて、共通信号経路に複数の別個の信号経路のうちの1つ以上を選択的に接続するように構成されている、フィード構造と、を含む信号結合モジュールを提供する。
【0050】
本発明の第5の態様は、第2の態様に従った信号ジェネレータモジュールと、その遠位端(または、遠位アセンブリ)からEM放射を配送するよう配列された電気外科的機器であって、電気外科的機器は、遠位端にEM信号を伝達するための機器フィード構造を有し、機器フィード構造は、信号ジェネレータモジュールの出力ポートに遠位端を結合するための機器信号チャネルを有する、電気外科的機器と、リモートコンピューティングデバイスによって受信されたユーザ入力データに基づいて、信号ジェネレータモジュールの無線通信インタフェースにデータを無線で送信するためのリモートコンピューティングデバイスと、を含むモジュール式電気外科的システムを提供する。
【0051】
実施形態では、システムは、第2の態様に従った追加の信号ジェネレータモジュールと、第4の態様に従った信号結合モジュールと、を更に含み、信号ジェネレータモジュールの出力ポートは、信号結合モジュールの複数の入力ポートの最初の1つに接続され、追加の信号ジェネレータモジュールの出力ポートは、信号結合モジュールの複数の入力ポートの2つ目の1つに接続され、信号結合モジュールの出力ポートは、機器フィード構造に接続される。
【0052】
実施形態では、システムは、第3の態様に従った流体フィードモジュールと、流体フィードモジュールの流体ポートから電気外科的機器の遠位端に流体の流れを供給するよう接続された流体フィード構造と、を更に含む。
【0053】
第1の態様を参照して上述した更なる特徴及び利点が等しく適用可能であり、第2の態様~第5の態様に関して再び述べられる。
【0054】
本明細書で、無線周波数(RF)は、10キロヘルツ~300メガヘルツの範囲にある不変の固定周波数を意味してもよく、マイクロ波周波数は、300メガヘルツ~100ギガヘルツの範囲にある不変の固定周波数を意味してもよい。RFエネルギーは、エネルギーが神経刺激を生じさせることを防止するために十分に高く、エネルギーが組織漂白または不要な熱マージンもしくは組織構造への損傷を生じさせることを防止するために十分に低い周波数を有するべきである。RFエネルギーについての好ましいスポット周波数は、100キロヘルツ、250キロヘルツ、400キロヘルツ、500キロヘルツ、1メガヘルツ、5メガヘルツのうちのいずれか1つ以上を含む。マイクロ波エネルギーについての好ましいスポット周波数は、915メガヘルツ、2.45ギガヘルツ、5.8ギガヘルツ、14.5ギガヘルツ、24ギガヘルツを含む。
【0055】
本明細書で、用語「近接」及び「遠位」は、治療部位からそれぞれ遠くへのエネルギー伝達構造の端、及び治療部位に近くへのエネルギー伝達構造の端を指す。よって、使用中、近接端は、EMエネルギーを提供するためのジェネレータにより近いのに対し、遠位端は、治療部位、すなわち、患者により近い。
【0056】
実施例は、添付図面を参照して以下で詳細に議論されるように発明を具体化する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】従来技術の電気外科的装置の概略図である。
図2】実施形態に従った、モジュール式電気外科的システムの概略図である。
図3】別の実施形態に従った、モジュール式電気外科的システムの概略図である。
図4図3のモジュール式電気外科的システムの信号ジェネレータモジュールの概略図である。
図5図3のモジュール式電気外科的システムの流体フィードモジュールの概略図である。
図6図3のモジュール式電気外科的システムの信号結合モジュールの概略図である。
図7】実施形態に従った、リモートコンピューティングデバイスの概略図である。
図8】別の実施形態に従った、リモートコンピューティングデバイスの動作の方法のフローチャートである。
図9図2のモジュール式電気外科的システムの容器収納モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
様々な実施形態は、生物組織を治療するために、無線周波数(RF)放射またはマイクロ波電磁気(EM)放射などのEM放射を使用するモジュール式電気外科的システムに関連する。実施形態では、モジュールの制御は、システムのモジュールと無線で通信することができるリモートコンピューティングデバイスに集中化される。実施形態では、異なる任意選択のモジュールは、システムに異なる電気外科的能力を提供するために、コアモジュールと共に組み合わされてもよい。
【0059】
本発明の様々な態様は、EMエネルギー、例えば、RFエネルギー及びマイクロ波エネルギーの制御された配送を伴う内視鏡的処置における使用のためのモジュール式電気外科的システムを提供する電気外科的環境のコンテキストにおいて以下で提示される。そのようなEMエネルギーは、ポリープ及び悪性腫瘍の除去において有用であることができる。しかしながら、本明細書で提示される発明の態様は、この特定の用途に限定される必要はないことが理解されよう。また、それらは、RFエネルギーのみが必要とされる実施形態、またはRFエネルギー及び流体配送のみが必要とされる実施形態に等しく適用可能であってもよい。
【0060】
図2は、実施形態に従った、モジュール式電気外科的システム200の概略図である。モジュール式システム200は、複数のモジュール202、電気外科的機器204、及びリモートコンピューティングデバイス206を含む。
【0061】
実施形態では、複数のモジュール202は、単一の物理構造、筐体、または容器内に収納される。実施例では、容器は、図9を参照して以下で説明される。しかしながら、少なくともいくつかの他の実施形態では、複数のモジュール202は、複数の容器に含まれてもよく、または容器(複数可)を有さない複数のモジュール202が含まれてもよいことが理解されよう。
【0062】
電気外科的機器204は、複数のモジュール202に接続される。電気外科的機器204は、遠位端205にあり、または遠位端205の近くの治療部位に位置する生物組織を治療するために、遠位端(または遠位アセンブリ)205からEM放射を配送するように配列または構成される。電気外科的機器204は、使用中、生物組織の治療のためにEMエネルギー(例えば、RFエネルギー、マイクロ波エネルギー)を使用するように配列されたいずれかのデバイスであってもよい。電気外科的機器204は、摘出、凝固、及び切除のいずれかまたは全てのためにEMエネルギーを使用してもよい。例えば、機器204は、摘出デバイス、マイクロ波鉗子のペア、またはマイクロ波エネルギーを放射し、及び/またはRFエネルギーを結合するスネア、並びにアルゴンビーム凝固剤であってもよい。
【0063】
電気外科的機器204は、遠位端205にEM放射(例えば、EM信号)を伝達するための機器フィード構造208を含む。機器フィード構造208は、以下で更に詳細に説明されるように、複数のモジュール202内で1つ以上のモジュールに遠位端205を接続するための機器信号チャネルを有する。機器フィード構造208は、内視鏡の機器チャネルを通じた挿入のためにケーブルアセンブリ内に設けられてもよい。これを達成するために、ケーブルアセンブリは、伸縮自在なビデオ結腸鏡のために、9ミリメートル以下、例えば、2.8ミリメートル以下の外径を有してもよい。ケーブルアセンブリは、機器フィード構造の周りで保護構造をもたらし、それによってケーブルアセンブリの近接端からケーブルアセンブリの遠位端にトルクを伝達することができる手段をもたらす、外部伸縮自在スリーブを含んでもよい。
【0064】
リモートコンピューティングデバイス206は、ラップトップ、スマートフォン、及びタブレットコンピュータなどの無線コンピューティングデバイスである。リモートコンピューティングデバイス206は、複数のモジュール202の動作を制御するように、無線通信チャネル210を介して複数のモジュール202を無線で通信する能力を有する。それ自体として、システム200の制御は、リモートコンピューティングデバイス206に集中化されてもよい。この目的のために、リモートコンピューティングデバイス206は、それに命令を送信するように、複数のモジュール202のモジュールと無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェースを含む。リモートコンピューティングデバイス206の特定の実施形態は、図7を参照して以下で説明される。また、リモートコンピューティングデバイス206の動作の実施例の方法は、図8を参照して以下で更に詳細に説明される。
【0065】
複数のモジュール202のモジュールがここで詳細に説明される。
複数のモジュール202は、コントローラモジュール212、信号ジェネレータモジュール214、及びフィード構造フィード構造モジュール216を含む。それらは、システム200のコアモジュールであってもよい。加えて、複数のモジュール202は、更なる任意選択のモジュール:信号検出器モジュール218、流体フィードモジュール220、及び1つ以上の追加の信号ジェネレータモジュール222a~222nを含んでもよい。それらのモジュールの任意選択の性質は、破線によって図2に示される。また、異なるモジュールの間の様々な接続が図2に示される。
【0066】
複数のモジュール202のコアモジュールがここで詳細に説明される。
コントローラモジュール212は、それから命令またはデータを受信するように、リモートコンピューティングデバイス206と無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェース224を有する。コントローラモジュール212は、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である。例えば、1つの実施形態では、制御コマンドは、受信されたデータの全てまたは一部であってもよく、それ自体として、コントローラモジュール212は、制御コマンドとして受信されたデータを転送してもよい。また、転送することは、転送する前に受信されたデータの一部を除去することを伴ってもよい。例えば、受信されたデータは、制御コマンド及び通信情報の両方を含むデータパケットを含んでもよく、通信情報は、そのソースから(例えば、リモートコンピューティングデバイス206)からその宛先(例えば、コントローラモジュール212)にデータパケットを方向付けるために使用される。無線通信チャネル210は、リモートコンピューティングデバイス206とコントローラモジュール212との間の直接チャネルであってもよいが、それは、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、及び/またはワイドエリアネットワークなどの1つ以上の有線ネットワークまたは無線ネットワークを含む間接チャネルでもあってもよい。いずれかのケースでは、コントローラモジュール212は、この通信情報(及び、例えば、いずれかの他の情報)を除去し、または取り去ってもよく、その結果、制御コマンドのみが残る。しかしながら、加えてまたは代わりに、コントローラモジュール212は、受信されたデータを受信するように、無線通信インタフェース224に結合されたプロセッサ226(例えば、マイクロプロセッサ)を含んでもよい。使用中、プロセッサ226は、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを生成してもよい。すなわち、受信されたデータは、制御コマンドを含まなくてもよく、または制御コマンドの一部のみを含んでもよく、その結果、プロセッサ226は、制御コマンド自体の少なくとも一部を生成する。制御コマンドは、1つ以上のモジュール機能を実行するように、モジュールが理解及び実行することができるフォーマットにあることが理解されよう。
【0067】
コントローラモジュール212及びリモートコンピューティングデバイス206の無線通信インタフェースは、コントローラモジュール212がリモートコンピューティングデバイス206と無線で通信することを可能にする。各々の無線通信インタフェースは、3G、4G、5G、GSM、WiFi、Bluetooth(商標)、及び/またはCDMAなどの1つ以上の異なるプロトコルを介して通信する能力を有することができる。いずれかのケースでは、コントローラモジュール212及びリモートコンピューティングデバイス206は、WiFiなどの同一のプロトコルを介して相互に通信してもよい。各々の無線通信インタフェースは、送信機及び受信機(または、送受信機)など、データ信号の送信及び受信のための通信ハードウェアを含んでもよい。また、通信ハードウェアは、アンテナ、並びにデータ信号の送信及びそれからの受信のためにアンテナにRF信号を提供するRFプロセッサを含んでもよい。各々の無線通信インタフェースは、RFプロセッサにデータ信号を提供し、RFプロセッサからデータ信号を受信するベースバンドプロセッサをも含んでもよい。無線通信インタフェースの正確な構造は、当業者によって理解されるように、実施形態の間で変化してもよい。
【0068】
実施形態では、コントローラモジュール212は、例えば、リモートコンピューティングデバイス206から無線通信インタフェース224において受信されたデータを復号するように動作可能である。また、コントローラモジュール212は、例えば、リモートコンピューティングデバイス206に無線通信インタフェース224によって送信されるデータを暗号化するように動作可能である。例えば、コントローラモジュール212が制御コマンドを生成する場合、後に更に詳細に説明されるように、コントローラモジュール212は、無線通信インタフェース224を介してリモートコンピューティングデバイス206に、それらの生成された制御コマンドを送信してもよい。コントローラモジュール212がプロセッサ226を含む場合、暗号化処理及び復号処理は、プロセッサ226によって実行されてもよい。代わりに、コントローラモジュール212は、暗号化及び復号を実行するための別個の暗号化デバイスを含んでもよい。当業者によって既知であるように、任意の暗号化プロトコルが使用されてもよいことが理解されよう。しかしながら、発明の電気外科的性質を仮定して、医療暗号化プロトコルが好ましいことがある。データが暗号化形式においてコントローラモジュール212に、またはコントローラモジュール212から送信される必要がある利点は、悪意のある当事者が、電気外科的機器204を支配するために電気外科的システム200をハッキングすることがより困難であり、または不可能であることを発見することである。それ自体として、システムセキュリティ及び患者の安全性が改善される。
【0069】
実施形態では、コントローラモジュール212は、その意図した仕様に対してシステム200が実行しないことをもたらすことがある、潜在的な誤り状態の範囲を監視するためのウォッチドッグ(または、障害検出ユニット)228を含む。ウォッチドッグ228は、潜在的な誤り状態の1つが発生したときにアラーム信号を生成するように動作可能である。例えば、ウォッチドッグ228は、無線通信モジュール224とリモートコンピューティングデバイス206との間の通信のステータスを監視してもよく、潜在的な誤り状態は、予め設定された閾値または時間期間を上回る持続期間の間の、コントローラモジュール212とリモートコンピューティングデバイス206との間の通信の故障であってもよい。例えば、ウォッチドッグ228は、無線通信モジュール224がリモートコンピューティングデバイス206と10秒をよりも多く通信することが可能なかったときにアラーム信号を生成してもよい。異なる時間期間が異なる実施形態において使用されてもよいことが理解されよう。
【0070】
実施形態では、コントローラモジュール212は、システム200の様々な部分の動作を監視する1つ以上のセンサを含み、ウォッチドッグ228は、それらのセンサの出力が予め設定された限度を超えたときにアラーム信号を生成してもよい。例えば、コントローラモジュール212は、コントローラモジュール212のプロセッサ226またはメモリなど、コントローラモジュール212の部分の温度に基づいて、温度測定を生成するように動作可能な1つ以上の温度センサを含んでもよい。ウォッチドッグ228は次いで、部分がオーバヒートしていることを示すよう、温度測定と1つ以上の予め設定された温度限度との間の比較に基づいて、アラーム信号を生成するように動作可能であってもよい。加えてまたは代わりに、プロセッサまたはメモリの能動的な冷却をもたらすファンの動作を監視するために、異なるタイプのセンサ(例えば、電圧センサまたは電流センサ)が設けられてもよく、その結果、ウォッチドッグ228は、ファンが正常に動作していない(例えば、それが電圧または電流を使用していない)ことをセンサが示す場合に、アラーム信号を生成する。加えてまたは代わりに、センサは、コントローラモジュール212のDC電力供給装置の電圧レベルを監視してもよく、ウォッチドッグ228は、電圧レベルが予め定められた許容された範囲の動作外でドリフトした場合にアラーム信号を生成してもよい。コントローラモジュール212は、コントローラモジュールの異なる要素の動作を監視する異なるタイプのセンサを包含してもよく、ウォッチドッグは、それらのセンサの出力を監視してもよく、それらの出力のいずれか1つが予め設定された限度を超えた場合にアラーム信号を生成してもよいことが理解されよう。加えて、コントローラモジュール212は、他のモジュールの動作を監視するセンサを包含してもよく、ウォッチドッグは、それらのセンサの出力を監視してもよく、それらの出力のいずれか1つが予め設定された限度を超えた場合にアラーム信号を生成してもよい。
【0071】
コントローラモジュール212は、いくつかの異なる方式においてアラーム信号に対処してもよい。例えば、コントローラモジュール212は、ウォッチドッグ228に、無線通信インタフェース224を介してリモートコンピューティングデバイス206にアラーム信号を送信させてもよい。このようにして、リモートコンピューティングデバイス206は、障害が発生したときの記録またはログを保持することができる。また、ウォッチドッグ228は、アラーム信号に、アラーム信号が関連する障害のタイプへの参照を含めてもよく、その結果、リモートコンピューティングデバイス206は、ログにこの情報を含むことができる。また、リモートコンピューティングデバイス206は、アラーム信号に基づいて、システム200の応答を外部から制御してもよい。例えば、リモートコンピューティングデバイス206は、例えば、安全な方式において電気外科的システム200をシャットダウンするように、アラーム信号に基づいて、コントローラモジュール212に特定の制御コマンドを送信してもよい。このようにして、リモートコンピューティングデバイス206は、アラーム信号に基づいて、システム200の応答を外部から制御してもよい。加えてまたは代わりに、コントローラモジュール212(例えば、プロセッサ226)自体が、アラーム信号に基づいて、制御コマンドを生成してもよい。このようにして、コントローラモジュール212は、アラーム信号に基づいて、システム200の応答を内部から制御してもよい。この内部制御機構は、前に説明された通信の損失障害に対して特に適切であることができる。対照的に、外部制御機構は、前に説明されたオーバヒート障害に対して特に適切であることができる。したがって、ある障害が内部から対処されるのに対し、いくつかの他の障害が外部から対処されるハイブリッドモデルが適合されてもよい。
【0072】
実施形態では、コントローラモジュール212がプロセッサ226を含む場合、ウォッチドッグ228は、独立したプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を含み、その結果、ウォッチドッグ228は、プロセッサ226が正確に機能していることを確認することができ、すなわち、プロセッサ226が正常に動作していない(例えば、電圧または電流を使用していない)場合にアラーム信号を引き起こすことができる。代わりに、ウォッチドッグ228は、コントローラモジュール212のプロセッサ226によって実行されるソフトウェアにおいて実装されてもよく、すなわち、別個のハードウェアプロセッサが含まれなくてもよい。
【0073】
したがって、要約すれば、コントローラモジュール212は、リモートコンピューティングデバイス206からデータを受信し、この受信されたデータに基づいて、信号ジェネレータモジュール214に制御コマンドを提供する。
【0074】
信号ジェネレータモジュール214は、制御コマンドを受信するように、コントローラモジュール212と通信している。例えば、信号ジェネレータモジュール214は、有線接続またはケーブルを介してコントローラモジュール212に結合されてもよい。使用中、信号ジェネレータモジュール214は、EM信号を形成するよう、制御コマンドに基づいてEM放射を生成及び制御するように動作可能である。信号ジェネレータモジュールは、生物組織の治療のためにEMエネルギーを配送する能力を有するいずれかのデバイスであってもよい。例えば、信号ジェネレータモジュール214は、例えば、100~500キロヘルツまたは300~400メガヘルツの周波数を有する、RF EM放射を生成及び制御する能力を有するRF信号ジェネレータモジュールであってもよい。加えて、RF信号ジェネレータモジュールは、双極RF信号ジェネレータまたは単極RF信号ジェネレータを含んでもよい。実施形態では、信号ジェネレータモジュールは、図1のRF EM信号ジェネレータ部(例えば、154、156、158、160、及び162)を含んでもよい。代わりに、信号ジェネレータモジュール214は、例えば、433メガヘルツ、915メガヘルツ、2.45ギガヘルツ、5.8ギガヘルツ、14.5ギガヘルツ、24ギガヘルツ、または30~31ギガヘルツの周波数を有する、マイクロ波EM放射を生成及び制御する能力を有するマイクロ波信号ジェネレータモジュールであってもよい。実施形態では、信号ジェネレータモジュールは、図1のマイクロ波信号ジェネレータ部(例えば、102、104、108、110、及び112)を含んでもよい。代わりに、信号ジェネレータモジュール214は、低周波数、例えば、30~300キロヘルツを有するEM放射を生成及び制御する能力を有する電気穿孔信号ジェネレータモジュールであってもよい。
【0075】
信号ジェネレータモジュール214は、制御コマンドに基づいて、EM放射を生成する。それ自体として、実施例の制御コマンドは、その動作周波数、すなわち、433メガヘルツマイクロ波信号ジェネレータモジュールのケースでは433メガヘルツにおいてEM放射を生成するように、信号ジェネレータモジュール214がターンオンするための命令を含んでもよい。また、制御コマンドは、EM放射を生成することを停止するように、信号ジェネレータモジュール214がターンオフするための命令を含んでもよい。加えてまたは代わりに、制御コマンドは、EM放射の他のパラメータ、例えば、信号ジェネレータモジュールがEMエネルギー、または生成されたEMエネルギーの電力(もしくは、振幅)を生成するべき持続期間を指定する他のコマンドを含んでもよい。
【0076】
実施形態では、信号ジェネレータモジュール214は、EM放射からパルス化EM放射を生成するよう、制御コマンドに基づいてコントローラモジュール212によって制御可能なパルスジェネレータ229を含む。したがって、信号ジェネレータモジュール214は、電気穿孔信号ジェネレータモジュールであってもよい。例えば、信号ジェネレータモジュール214によって生成及び制御されるEM放射は、パルス化EM放射を生成するようにパルスジェネレータ229によって動作し、パルス化EM放射は、フィード構造モジュール216によって受信されるEM信号を形成する。このようにして、信号ジェネレータモジュール214は、パルス化EM信号を提供するように修正される。コントローラモジュール212は、単純にターン「オン」または「オフ」するよう、制御コマンドを介してパルスジェネレータ229を制御してもよく、その結果、信号ジェネレータモジュール214は、それぞれパルス化され、または連続したEM信号を生成する。代わりに、制御コマンドは、デューティサイクル、パルス幅(例えば、0.5ナノ秒~300ナノ秒)、立ち上がり時間(例えば、ピコ秒もしくはナノ秒)、または振幅(例えば、最大で10キロボルト)などの1つ以上のパルスパラメータを指定してもよい。加えて、制御コマンドは、単一のパルス、パルス列(例えば、パルスの数もしくは持続期間)、またはパルスのバースト(例えば、バースト持続期間、バーストにおけるパルスの数、バーストの間の期間)を配送するよう、パルスジェネレータを指示してもよい。
【0077】
実施形態では、信号ジェネレータモジュール214は、1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、信号ジェネレータモジュール214の異なる要素の動作を監視し、コントローラモジュール212に測定を送信する。上述したように、コントローラモジュール212(ウォッチドッグ228を介した)は次いで、それらの測定を許容可能な限度と比較してもよく、それらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成してもよい。例えば、信号ジェネレータモジュール214は、信号ジェネレータモジュール(例えば、発振器または増幅器)の部分の温度に基づいて、温度測定を生成するように動作可能な温度センサを含んでもよい。ウォッチドッグ228は次いで、温度測定と1つ以上の予め設定された温度限度との間の比較に基づいて、アラーム信号を生成する。
【0078】
要約すれば、信号ジェネレータモジュール214は、EM信号を形成するよう、制御コマンドに基づいてEM放射を生成及び制御する。EM放射の周波数は、信号ジェネレータのタイプに依存する。フィード構造モジュール216は、信号ジェネレータモジュール214からEM信号を受信する。
【0079】
フィード構造モジュール216は、EM信号を受信するように、信号ジェネレータモジュール214と通信している。フィード構造モジュール216は、信号ジェネレータモジュール214からフィード構造モジュール216の出力ポートにEM信号を伝達する信号チャネルを含む。出力ポートは、電気外科的機器204にEM信号を出力するためのものであり、それ自体として、出力ポートは、出力ポート及び機器フィード構造208の近接端に対する連携コネクタを介して機器フィード構造208に接続してもよい。フィード構造モジュール216は、信号チャネルを含むケーブルアセンブリを介して、信号ジェネレータモジュール214に結合されてもよい。また、ケーブルアセンブリは、出力ポートにおいて終端してもよい。それ自体として、実施形態では、フィード構造モジュール216は、機器フィード構造208に信号ジェネレータモジュール214を接続し、EM信号を伝達するための信号チャネルを含むケーブルアセンブリであってもよい。
【0080】
上記に鑑みて、リモートコンピューティングデバイス206、コントローラモジュール212、信号ジェネレータモジュール214、フィード構造モジュール216、及び電気外科的機器204は、生物組織を治療するためにEM信号を生成するモジュール式電気外科的システムを提供するよう連携する。実施形態では、コントローラモジュール212、信号ジェネレータモジュール214、及びフィード構造モジュール216は、複数のモジュール202のコアモジュールと称されてもよい。
【0081】
複数のモジュール202の任意選択のモジュール218、220、及び222がここで詳細に説明される。
【0082】
信号検出器モジュール218は、フィード構造モジュール216の信号チャネルに関する信号特性をサンプリングし、信号特性を示す検出信号を生成するように構成される。例えば、信号ジェネレータモジュール214は、RF信号ジェネレータモジュールであってもよく、信号特性は、信号チャネル上に存在する電圧または電流であってもよい。代わりに、信号ジェネレータ214は、マイクロ波信号ジェネレータモジュールであってもよく、信号特性は、信号チャネル上に存在する前方向電力または反射電力であってもよい。実施形態では、信号ジェネレータモジュール214は、信号検出の目的のために低電力EM信号を配送するように構成されてもよく、この低電力信号は、電気外科的機器204の遠位端205において生物組織を測定する目的のために生成されるので、測定信号と称されてもよい。代わりに、後に説明される、追加の信号ジェネレータモジュール222は、測定信号を提供するように構成されてもよい。信号検出器モジュール218は、信号チャネルを測定し、それ自体として、信号ジェネレータモジュール214によって放出された信号、及び、例えば、遠位端205の近くの治療部位において生物組織によってフィード構造モジュール216に再度反射された信号の両方を測定することが理解されよう。したがって、測定された信号特性は、生物組織を示し、それ自体として、検出信号は、組織特性と共に変化する。このようにして、検出信号は、組織特性(例えば、組織タイプ)を判定するために使用されてもよい。
【0083】
実施形態では、コントローラモジュール212は、検出信号を受信するように、信号検出器モジュール218と通信している。例えば、コントローラモジュール218は、有線接続またはケーブルを介して信号検出モジュール218に接続されてもよい。また、コントローラモジュール212は、検出信号に基づいて、信号ジェネレータモジュール212に対して制御コマンドを生成するように動作可能である。検出信号は、治療部位における組織の特性を判定するために使用されてもよく(例えば、コントローラモジュール212またはリモートコンピューティングデバイス206によって)、例えば、それは、組織が健康であり、または癌性であることを示すことができることが理解されよう。
【0084】
使用中、信号検出器モジュール218は、電気外科的システム200が電気外科的機器204によって手術される生物組織に動的に応答するための機構を設けてもよい。例えば、信号ジェネレータモジュール214は、マイクロ波信号ジェネレータモジュールであってもよく、測定された信号特性は、フィード構造モジュール216のマイクロ波信号チャネルに対してサンプリングされた前方向電力及び反射電力を含んでもよい。前方向電力及び反射電力に基づいて、信号チャネルに対して測定された反射損失は、-6デシベル~-10デシベルであってもよい。この反射損失は、出血を示してもよい。コントローラモジュール212(または、リモートコンピューティングデバイス206)は、この反射損失を判定してもよく、更に、それが出血を示すと判定してもよく、次いで、出血が止まるまで、マイクロ波信号ジェネレータモジュールが適切な(例えば、増大した)電力レベル及び/またはデューティサイクルによりマイクロ波EM信号を配送するための制御コマンドを生成してもよい。出血が止まることは、反射電力から測定された反射損失における変化によって示されてもよい。代替的な実施形態では、信号ジェネレータモジュール214は、RF信号ジェネレータモジュールであってもよく、測定された信号特性は、フィード構造モジュール216のRF信号チャネルに対してサンプリングされた電圧(または、電流)を含んでもよい。出血の開始のインジケーションも、測定された電圧/電流における変化によって提供されてもよい。それ自体として、RF信号ジェネレータモジュールのいずれかの切断動作が停止してもよく、その結果、例えば、マイクロ波信号ジェネレータモジュールによって出血に対処することができる。
【0085】
加えてまたは代わりに、コントローラモジュール212は、無線通信インタフェースから、例えば、リモートコンピューティングデバイス206に、検出信号を送信するように動作可能である。したがって、リモートコンピューティングデバイス206は、検出信号に基づいて制御コマンドを生成し、次いで、実行のためにコントローラモジュール212に、それらの制御コマンドを送信するように動作可能である。リモートコンピューティングデバイス206がコントローラモジュール212よりも多くの処理電力を有することができることを理由に、リモートコンピューティングデバイス206に制御コマンドを生成させることが有利であることができる。代わりに、リモートコンピューティングデバイス206を介するのではなく、コントローラモジュール212から信号ジェネレータモジュール214に直接データを転送することが著しく高速であることがあるのを理由に、コントローラモジュール212に制御コマンドを生成させることが有利であることができる。実施形態では、両方のオプションが利用可能であってもよく、信号ジェネレータモジュール214またはコントローラモジュール212において制御コマンドを生成するかどうかの選択は、状況依存である。いずれのケースでも、検出信号は、治療される生物組織に基づいて、システム性能を動的に調節するために、リモートコンピューティングデバイス206及び/またはコントローラモジュール212によって使用されてもよい。それらの調節は、治療及び患者の安全性を改善することができる。
【0086】
実施形態では、フィード構造モジュール216は更に、EM信号によって配送されるエネルギーを制御するための、信号チャネルに接続されたチューナ230を含む。チューナ230は、検出信号に基づいて、コントローラモジュール212によって制御可能な調節可能インピーダンス素子を含む。実施形態では、コントローラモジュール212は、有線接続またはケーブルを介して、フィード構造モジュール216(及び、チューナ230)に接続される。
【0087】
チューナ230は、組織へのEM放射の効率的な転送を促進するよう機能することができる。例えば、信号チャネルからの情報は、電気外科的機器204と組織との間の動的な電力整合をもたらすよう、信号チャネルに対する調節可能インピーダンスの調節を判定するために使用されてもよい。これは、電気外科的システム200と生物組織との間の効率的且つ制御可能なエネルギー転送を保証する。
【0088】
実施形態では、調節可能インピーダンス素子は、調節可能リアクタンス(例えば、キャパシタンスまたはインダクタンス)であってもよい。例えば、調節可能リアクタンスは、複数のリアクタンス素子を含んでもよく、各々のリアクタンス素子は、固定リアクタンスを有し、コントローラモジュール212からのそれぞれの制御コマンドに従って信号チャネルとの接続に、または信号チャネルとの接続から独立して切り替え可能である。代わりに、各々のリアクタンス素子は、コントローラモジュール212からのそれぞれの制御コマンドに従って独立して制御可能な可変リアクタンスを有してもよい。代わりに、調節可能リアクタンスは、可変キャパシタ及び/または可変インダクタによって設けられてもよく、コントローラモジュール212は、可変キャパシタまたは可変インダクタのリアクタンスを設定するための制御コマンドを生成するよう配列された自己調節フィードバックループを含む。そのような実施形態は、信号ジェネレータモジュール214がRF信号ジェネレータモジュールであり、信号チャネルがRF信号チャネルである場合に特に適切であることができる。
【0089】
別の実施形態では、調節可能インピーダンス素子は、コントローラモジュール212によって制御可能な調節可能複合インピーダンスを有するインピーダンス調節装置であってもよい。そのような実施形態は、信号ジェネレータモジュール214がマイクロ波信号ジェネレータモジュールであり、信号チャネルがマイクロ波信号チャネルである場合に特に適切であることができる。
【0090】
実施形態では、信号検出器モジュール218またはフィード構造モジュール216は、1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、それぞれのモジュールの異なる要素の動作を監視し、コントローラモジュール212に測定を送信する。上述したように、コントローラモジュール212(ウォッチドッグ228を介した)は次いで、それらの測定を許容可能な予め設定された限度と比較してもよく、それらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成してもよい。
【0091】
各々の追加の信号ジェネレータモジュール222は、各々の追加の信号ジェネレータモジュール222が、EM信号を形成するよう、コントローラモジュール212からの制御コマンドに基づいてEM放射を生成及び制御するように動作可能であるという意味で、信号ジェネレータモジュール214と同様である。更に、追加の信号ジェネレータモジュール222により機能するために、フィード構造モジュール216は、フィード構造モジュール216の出力ポートに各々の追加の信号ジェネレータモジュール222を結合するための1つ以上の追加の信号チャネルを有する。それらの追加の信号チャネルは、前に説明された信号チャネルと同一の物理構造(例えば、ケーブル)に含まれてもよい。実施形態では、フィード構造216は、信号ジェネレータモジュール214からのEM信号を、各々の追加の信号ジェネレータモジュール222からのEM信号と共に組み合わせるよう機能し、その結果、それらは全て、機器フィード構造208を介して、出力ポートから電気外科的機器204の遠位端205に出力される。
【0092】
上記説明されたように、信号検出器218は、フィード構造モジュール216の各々の追加の信号チャネルに対して信号特性を測定するように構成されてもよいことが理解されよう。また、上記説明されたように、フィード構造モジュール216は、EM信号によって配送されたエネルギーを制御するための各々の追加の信号チャネルに接続されたチューナを含んでもよい。
【0093】
いずれかの数の追加の信号ジェネレータモジュール222が設けられてもよい。更に、各々の追加の信号ジェネレータモジュール222は、異なる周波数において、信号ジェネレータモジュール212及び各々の他の追加の信号ジェネレータモジュール222へのEM放射を生成してもよい。例えば、信号ジェネレータモジュール212は、100~500キロヘルツの周波数を有するRF EM放射を生成する能力を有するRF信号ジェネレータモジュールであってもよい。加えて、2.45ギガヘルツの周波数を有するマイクロ波EM放射を生成する能力を有するマイクロ波信号ジェネレータモジュールであることができる、単一の追加の信号ジェネレータモジュール222aが設けられてもよい。しかしながら、追加の信号ジェネレータモジュール222は、別の追加の信号ジェネレータモジュール222または信号ジェネレータモジュール214と同一の周波数においてEM放射を生成してもよいことが理解されよう。
【0094】
実施形態では、信号ジェネレータモジュール214についての信号チャネル及び各々の追加の信号ジェネレータモジュール222についての信号チャネルは、フィード構造モジュール216内の物理的に別個の信号経路を含んでもよい。また、フィード構造モジュール216は、1つ以上の入力を有する信号結合回路を含んでもよく、各々の入力は、物理的に別個の信号経路の異なる1つに接続される。また、信号結合回路は、単一のチャネルに沿って出力ポートに別個にまたは同時に、全てのEM信号を伝達するための共通信号経路に接続された出力を有する。別の言い方をすれば、信号結合回路は、接点を設けてもよく、接点において、複数のEM信号が複数の異なる信号ジェネレータモジュールから別個の信号経路を介して到達し、接点から、全てのEM信号が電気外科的機器204への配送のために同一の信号経路を介して発出する。
【0095】
実施形態では、信号結合回路は、共通信号経路に接続されることになるEM信号のうちの1つ以上を選択するための切り替えデバイス232を含む。切り替えデバイス232は、例えば、コントローラモジュール212とフィード構造モジュール216との間の有線リンクを介して、コントローラモジュール212から受信された制御コマンドに基づいて制御可能であってもよい。実施形態では、信号ジェネレータモジュール214に加えて、5個の追加の信号ジェネレータモジュール222a、222b、222c、222d、及び222eが設けられ、それ自体として、6個のEM信号の合計は、フィード構造モジュール216によって受信されてもよく、したがって、信号結合回路は、各々が切り替えデバイス232に異なるEM信号を配送する6個の入力を有することができる。制御コマンドに基づいて、切り替えデバイス232は、切り替えデバイス232の出力に接続する6個の入力のうちの1つを選択する。例えば、制御コマンドは、切り替えデバイス232が追加の信号ジェネレータモジュール222bからの入力を出力に接続するべきであることを指定してもよく、その結果、追加の信号ジェネレータモジュール222bからのEM信号は、電気外科的機器204に送信される。その後、コントローラモジュール212は、フィード構造モジュール216に異なる制御コマンドを発行してもよく、異なる制御コマンドは、切り替えデバイス232に、追加の信号ジェネレータモジュール222aからの入力を出力に接続させ、その結果、追加の信号ジェネレータ222aからのEM信号が電気外科的機器204に送信される。出力への接続のために入力のうちの1つを選択することは、他の入力が出力に接続されないことを意味することが理解されよう。しかしながら、代替的な実施形態では、1つよりも多い入力が出力に接続されるよう選択されてもよく、その結果、1つよりも多いEM信号が電気外科的機器204に同時に送信される。
【0096】
要約すれば、フィード構造モジュール216への上述した修正と組みわせて追加の信号ジェネレータモジュール222a~nを設けることは、電気外科的システム200が、生物組織を治療するために異なるタイプのEM放射を提供するように適合されてもよいことを意味する。このモジュールの性質の有利な点は、システムが異なる状態を治療するよう、異なる方式において組織を治療することができるように、電気外科的システム200の機能性が増大することができることである。また、システムがより安価であり、またはより小型である(例えば、よりポータブル)であるように、電気外科的システム200の機能性が縮小する。
【0097】
実施形態では、各々の追加の信号ジェネレータモジュール222は、1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、追加の信号ジェネレータモジュール222の異なる要素の動作を監視し、コントローラモジュール212に測定を送信する。上述したように、コントローラモジュール212(ウォッチドッグ228を介した)は次いで、それらの測定を許容可能な限度と比較してもよく、それらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成してもよい。
【0098】
流体フィードモジュール220は、電気外科的機器204に流体を出力するための流体ポートと流体連結している流体フィード構造を含む。図2に対して理解することができるように、流体フィードモジュール220は、機器流体フィード構造234を介して、電気外科的機器204の遠位端205に接続されてもよい。流体フィードモジュール220は、流体フィード構造を介した流体ポートへの流体(ガスまたは液体)の流れを供給及び制御するよう、制御コマンドに基づいてコントローラモジュール212によって制御可能である。例えば、流体フィードモジュール220は、有線接続またはケーブルによってコントローラモジュール212に接続されてもよい。流体フィードモジュール220の目的は、電気外科的機器204の遠位端205に流体を提供することであってもよい。例えば、流体は、生物組織の治療のためにプラズマを生成するための電気外科的機器204に提供されるガスであってもよい。例えば、自然オリフィスの内部に存在し、または身体の内部に導入される異物、すなわち、金属の挿入によって生じるバクテリアを死滅させるよう組織を滅菌するために、非熱プラズマが使用されてもよい。また、例えば、組織の表面上の潰瘍の治療のために、組織を切断し、または表面凝固を行うために、熱プラズマが使用されてもよい。電気外科的機器204は、RFエネルギーまたはマイクロ波エネルギー(信号ジェネレータモジュール212及び1つ以上の追加の信号ジェネレータモジュール222からの)のいずれかまたは両方を有するガスを受信してもよく(流体フィードモジュール220から)、熱プラズマまたは非熱プラズマのいずれかを放出するために、それらの構成要素を使用してもよい。例えば、非熱プラズマに対し、信号ジェネレータモジュール212(RF信号ジェネレータモジュールとしての機能を果たす)は、ガスを使用してプラズマを起動するよう、高電圧状態RFパルス(例えば、1ミリ秒の間に400ボルトのピーク)を生成してもよく、それに続いて、追加の信号ジェネレータモジュール222a(マイクロ波信号ジェネレータモジュールとしての機能を果たす)は、10%のデューティサイクル及び30ワットの振幅により10ミリ秒の持続期間の間にマイクロ波パルスを生成してもよい。対照的に、熱プラズマに対し、デューティサイクルは、60%まで増大することができ、振幅は、60ワットまで増大することができる。一般的な意味で、ガスの流れが存在するとき、RF EM放射は、送ガスプラズマに衝突するよう制御可能であり、マイクロ波EM放射は、ガスプラズマを維持するよう配列される。実施形態では、機器204は、その2つのコンダクタの間の送ガスに衝突する双極プローブを含む。当業者にとって既知であるように、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2012/076844号に鑑みて、マイクロ波エネルギー及びRFエネルギーの組み合わせを供給することが可能であることは、機器204の遠位端205において生じる熱プラズマまたは非熱プラズマにわたって高いレベルの制御を可能にする。
【0099】
実施形態では、流体フィード構造は、流体コントローラ(例えば、1つ以上のフロースイッチ及び/またはバルブ)に流体を供給する流体供給装置(例えば、圧縮された空気またはアルゴンなどの不活性ガスのキャニスタ)を含み、流体コントローラは、コントローラモジュール212から受信された命令の下で動作する。流体コントローラは、流体ポートへの流体の選択的な配送を許可するよう接続されてもよく、それは、プラズマの形成において使用されてもよい。本発明において使用される流体供給システムは、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2009/060213号において開示されたガス制御システムを含んでもよい。
【0100】
実施形態では、流体フィードモジュール220は、電気外科的機器204の遠位端205に液体(例えば、食塩水)を提供してもよい。1つの実施形態では、流体(食塩水または同様のもの)の注入は、治療部位において生物組織を膨張させるために使用される。これは、腸の壁もしくは食道の壁を治療し、または腫瘍もしくは他の異常が非常に近接して位置するときに門脈もしくは膵管を保護し、それらの構造を保護して、流体のクッションを生成するために機器が使用される場合に特に有用であることができる。このようにして組織を膨張させることは、腸穿孔のリスク、食道の壁への損傷もしくは膵管からの漏れ、または門脈への損傷などを減少させることに役立つことができる。この態様は、異常(腫瘍、成長、しこりなど)が敏感な生物学的構造に近い場合に、他の状態を治療することを可能にすることができる。
【0101】
また、流体フィードモジュール220は、電気外科的機器204から流体を受けるように構成されてもよい。例えば、機器204の遠位端205において治療部位に存在する流体は、例えば、流体フィード構造と流体連結しているポンプまたは他の吸引デバイスによって、機器フィード構造234を通じて流体フィードモジュール220に吸引されてもよい。
【0102】
実施形態では、流体フィードモジュール220は、流体フィード構造内の流体の流れの温度を変化させるよう、制御コマンドに基づいてコントローラモジュール212によって制御可能な温度制御素子236を含む。このようにして、流体は、電気外科的機器204に配送される前に加熱または冷却されてもよい。温度制御素子は、加熱のみまたは冷却のみをもたらすことができる。温度制御素子は、流体を加熱するための加熱装置を含んでもよい。また、温度制御素子は、流体を冷却するための冷却装置を含んでもよい。
【0103】
実施形態では、信号ジェネレータモジュール212(または、追加の信号ジェネレータモジュール222)及び流体フィードモジュール220は、冷凍分離機能をもたらすために共に使用されてもよい。例えば、信号ジェネレータモジュール212は、マイクロ波信号ジェネレータモジュールであってもよく、流体フィードモジュール220は、機器204に組織凍結流体を供給するように構成されてもよい。それ自体として、システム200は、機器204の遠位端205(例えば、放射チップ)の周りの領域内の生物組織を凍結し、凍結された組織にマイクロ波エネルギーを印加する能力を有する。凍結された組織内の水分子が凍結されていない組織と比較して、振動自由度及び回転自由度を減少させているので、凍結された組織を通じてマイクロ波エネルギーが伝送されるとき、誘電加熱に対してエネルギー損失が小さい。よって、遠位端部分の周りの領域を凍結することによって、低損失により凍結された領域を通じて、凍結された領域を囲む組織に、遠位端部分から放射されたマイクロ波エネルギーを伝送することができる。これは、従来のマイクロ波切除機器(例えば、プローブ)と比較して、遠位端部分に配送されるマイクロ波エネルギーの量を増大させる必要なく、治療エリアのサイズを増大させることを可能にする。凍結された領域を囲む組織がマイクロ波エネルギーにより切除されると、凍結された領域は、徐々に解凍することが可能になることができ、その結果、それは、マイクロ波エネルギーを散逸させ、切除される。本発明の装置はまた、マイクロ波エネルギー及び組織凍結の様々な組み合わせが生物組織を効率的に切除するために使用されることを可能にする。
【0104】
組織凍結流体は、低温液体またはガスであってもよく、本明細書で凍結剤と称されてもよい。用語「凍結剤」は、摂氏0度を下回る温度を生じさせるために使用される物質を指してもよい。適切な凍結剤は、それらに限定されないが、液体窒素、液体二酸化炭素、及び液体亜酸化窒素を含む。装置の他の部分が凍結剤によって冷却されることを防止するために、断熱材料及び/または真空ジャケットから成る断熱層を有する流体フィード構造及び機器流体フィード構造が設けられてもよい。これは、治療ゾーン内の組織が凍結し、凍結剤伝達管路に非常に近接することがある患者の他の部分が凍結剤によって影響されないことをも保証することができる。
【0105】
実施形態では、流体フィードモジュール220は、1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、流体フィードモジュール220の異なる要素の動作を監視し、コントローラモジュール212に測定を送信する。上述したように、コントローラモジュール212(ウォッチドッグ228を介した)は次いで、それらの測定を許容可能な予め設定された限度と比較してもよく、それらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成してもよい。
【0106】
機器フィード構造208から分離されるとして流体フィード構造234が図2に示されるが、少なくともいくつかの実施形態では、234及び208の両方が同一の物理構造、例えば、ケーブルアセンブリ内に収容されてもよいことが理解されよう。別個の機器が領域にまたは治療の間に導入される場合、収縮(例えば、空気の混入の流体漏出または損失に起因した)が発生することがあるので、流体を配送するために、RFエネルギー及び/またはマイクロ波エネルギーを配送するのと同一の機器を使用することが可能であることが有利であることができる。同一の治療構造を使用して流体を導入する能力は、収縮が発生するとできるだけ早く水位が上がることを可能にする。その上、乾燥または解離を実行すると共に、流体を導入するための単一の機器の使用は、全体的な処置を実行するのに要する時間をも減少させ、患者への害を生じさせるリスクを減少させ、感染のリスクをも減少させる。より一般的には、例えば、廃棄物または除去された組織を除去して、治療するときにより良好な視覚をもたらすよう、治療領域に水を流すために、流体の注入が使用されてもよい。これは、内視鏡的処置において特に有益であることができる。実施形態では、本発明のフィード構造は、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2012/095653号において開示されたフィード構造を含む。
【0107】
要約すれば、図2の実施形態は、モジュール式システム200の1つの特定の実施形態を示すが、それは、特定の任意選択のモジュールをコアモジュールに追加またはコアモジュールから除去することによって、システム200の機能性をどのように変更することができるかを理解することができる。上述したように、コアモジュールは、コントローラモジュール212、信号ジェネレータモジュール214、及びフィード構造モジュール214である。それらのコアモジュールは、生物組織を治療するためのEM信号を制御可能に生成し、電気外科的機器にそのEM信号を配送するための機構を設ける。EM信号は、RFまたはマイクロ波などのいずれかのタイプの電磁気信号であってもよい。更に、追加の機能性をもたらすために、異なる方式においてこの主要な機能性が補完されてもよい。例えば、組織の特性を判定するよう、または治療(例えば、EM信号)を組織に適合することができるように、組織の状態を監視するために信号検出器モジュール218が設けられてもよい。信号検出器モジュール218は、測定信号(例えば、低電力マイクロ波信号)を提供するために、信号ジェネレータモジュール212を使用してもよいが、測定信号を生成するために、別個の追加の信号ジェネレータモジュール222が使用されてもよい。加えてまたは代わりに、システム200が複数の異なる周波数を有するEM信号を配送することができるように、1つ以上の追加の信号ジェネレータ222が設けられてもよい。1つの実施例では、RF EM信号及びマイクロ波EM信号の両方が、システム200によって提供されてもよい。別の実施例では、複数の異なる周波数のマイクロ波EM信号が提供されてもよい。更に、フィード構造モジュール216は、機器204に別個にまたは同時に、複数の異なるEM信号のうちの1つ以上を配送するように構成されてもよい。最終的に、治療部位にまたは治療部位から流体を配送/受信するために、流体フィードモジュール220が設けられてもよい。例えば、プラズマを生成するために、RFエネルギーまたはマイクロ波エネルギーの組み合わせたガスが提供されてもよい。代わりに、冷凍分離を実行するために、EMエネルギーを有する組織凍結流体が配送されてもよい。更に、治療部位から液体が抽出されてもよい(例えば、吸入またはポンプ機能によって)。
【0108】
図2のシステム200は、コントローラモジュール212と無線で通信するリモートコンピューティングデバイス206を含む。コントローラモジュール212は、システム200各々の他のモジュールと通信し、制御コマンドを介してシステムの各々の他のモジュールを制御してもよい。例えば、コントローラモジュール212は、信号ジェネレータモジュール214に、EM信号を生成する制御コマンドを発行してもよい。コントローラモジュール212は、フィード構造モジュール216に、その調節可能インピーダンス素子を変化させることによって、信号チャネルを同調する制御コマンドを発行してもよい。いずれのケースでも、上記説明されたように、コントローラモジュール212は、制御コマンド自体を生成してもよいが、それがリモートコンピューティングデバイス206から受信する、制御コマンドを転送することも単純にしてもよい。したがって、実施形態では、システム200の制御は、リモートコンピューティングデバイス206に集中化され、コントローラモジュール212は、モジュールに制御コマンドを転送するだけでもよく、リモートコンピューティングデバイス206から受信されたデータを生成または処理しなくてもよい。しかしながら、別の実施形態では、コントローラモジュール212は、システム200の制御の少なくとも一部を実行してもよく、それ自体として、システム200の制御は、リモートコンピューティングデバイス206とコントローラモジュール212との間で共有されてもよい。このハイブリッドの配列では、システム200の制御は、リモートコンピューティングデバイス206になおも集中化されてもよく、コントローラモジュール212は、例えば、リモートコンピューティングデバイス206とコントローラモジュール212との間の通信が機能停止するとき、特定の状況においてのみこの制御を補完してもよい。代わりに、システム200の制御は、コントローラモジュール212に集中化されてもよく、リモートコンピューティングデバイス206は、例えば、ユーザ入力が必要とされる特定の状況においてのみこの制御を補完してもよい。したがって、要約すれば、システム200の全体的な制御は、リモートコンピューティングデバイス206及びコントローラモジュール212のいずれかまたは両方によって制御されてもよい。
【0109】
上述したように、システム200の複数のモジュール202は、単一の容器または筐体に収容されてもよい。図9は、実施形態に従った容器250を示す。容器250は、複数のソケット(例えば、スロット、孔、オリフィス)252a~jを含んでもよく、各々のソケット252a~jは、異なるモジュールを受けるためのサイズとされ、形状付けられる。例えば、信号生成モジュール214が、ソケット252aに収容され、フィード構造モジュール216が、ソケット252bに収容される。また、ソケット252h~jは、空であり、例えば、更なる追加の信号ジェネレータモジュール222d、222e、及び222fにより充填されてもよい。実施形態では、各々のモジュールは、実質的に同一のサイズとされた構造(例えば、容器)内に収納され、その結果、各々のソケット252a~jは、実質的に同一のサイズである。実施形態では、各々のモジュールは、10センチメートル×2センチメートル×2センチメートルの寸法を有する容器に収納されてもよい。各々のソケットは、図2に示されたようなシステム200に所与のモジュールを接続するための様々なコネクタを含んでもよい。電力供給コネクタ及びコントローラモジュール212へのコネクタなど、それらのコネクタの一部は、全てのモジュール及びソケットに共通してもよい。しかしながら、信号ジェネレータモジュール214(及び、各々の追加の信号ジェネレータモジュール222)とフィード構造モジュール216との間のEM信号コネクタなど、それらのコネクタの一部は、所与のモジュールに特有であってもよい。いずれかのケースでは、少なくとも一部のコネクタの位置は、ソケット及びモジュール内で統一されてもよい。例えば、電力供給コネクタは、ソケット及びモジュールごとに同一の位置に位置してもよい。
【0110】
実施形態では、1つ以上のコアモジュールは、固定された方式において、すなわち、ソケット内に取り外し可能に収納されないで、ケーシング内に収容されてもよい。例えば、コントローラモジュール212は、容器の内部空洞内に収納されてもよい(図9には線によって表されるように)。内部空洞は、ハッチまたは開口(図示せず)を介してアクセス可能であってもよい。
【0111】
実施形態では、容器250は、2つのコネクタ254及び256を含む。コネクタ254は、それによって機器フィード構造208がフィード構造モジュール216と接続する機構を設けてもよい。コネクタ256は、それによって機器流体フィード構造234が流体フィードモジュール220と接続する機構を設けてもよい。実施形態では、2つのコネクタ254及び256は、同一の物理コネクタ内に収納される。
【0112】
実施形態では、容器250は、主電源などの電力供給装置に容器250を接続するためのコネクタ258を含む。例えば、コネクタ258は、それによって各々のモジュールが主電源から電力をフィードされる機構を設けてもよい。
【0113】
図9が、容器250が10個のソケットを有することを示すが、いくつかの他の実施形態では、10個よりも多いまたは少ないソケットが設けられてもよいことが理解されよう。また、容器250の内部空洞内のコントローラモジュール212が示されるが、いくつかの他の実施形態では、コントローラモジュール212がソケットに含まれてもよい。また、ソケットが矩形であるとして示されるが、ソケットは、モジュールを受けることができるいずれかの形状であってもよい。加えて、容器は、全体的に矩形であるとして示されるが、いずれかの形状であってもよい。
【0114】
図2の実施形態は、異なる電気外科的能力をもたらすよう、異なる方式において複数のモジュール202を相互接続することができるシステム200を示す。多くの異なる構成が可能であるが、各々のモジュールは、コントローラモジュール212を介してリモートコンピューティングデバイス206と通信する必要がある。別の言い方をすれば、コントローラモジュール212のみが無線通信インタフェースを含み、リモートコンピューティングデバイス206と無線で通信する能力を有する。
【0115】
図3~6は、リモートコンピューティングデバイスと独立して無線で通信することができるコントローラを各々のモジュールが含む、代替的なモジュール式電気外科的システム300を示す。それ自体として、複数のモジュールの制御は、リモートコンピューティングデバイスに集中化される必要がある。しかしながら、この差異以外は、システム300は、システム200と同様である。ここで、システム200とは異なるシステム300の態様に焦点を当てるシステム300の説明が続く。他に述べられない限り、システム300の機能及び動作は、上記説明されたシステム200の機能及び動作と同様である。
【0116】
図3において理解することができるように、モジュール式電気外科的システム300は、リモートコンピューティングデバイス302、信号ジェネレータモジュール304、及び電気外科的機器306を含む。信号ジェネレータモジュール304は、コアモジュールとして考えられてもよいが、システム300は、他の任意選択のモジュールを含んでもよい。任意選択のモジュールは、1つ以上の追加の信号ジェネレータモジュール308a~n、信号結合モジュール310、及び流体フィードモジュール312を含む。図3~6の任意選択の特徴は、破線によって示される。システム300の異なる要素の間の様々な接続が図3に示される。例えば、モジュールの各々は、例えば、独立した無線通信チャネル311a~nを介して、リモートコンピューティングデバイス302と別個に通信する。信号ジェネレータモジュール304は、それにEM信号を提供するように、電気外科的機器306にも結合される。追加の信号ジェネレータモジュール308a~nが存在しない場合、信号コンバイナモジュール310が存在しなくてもよく、したがって、信号ジェネレータモジュール304は、電気外科的機器306の機器フィード構造314によって、電気外科的機器306の遠位端(または、遠位アセンブリ)313に直接接続されてもよい。代わりに、少なくとも1つの追加の信号ジェネレータモジュール308a~nが存在する場合、信号コンバイナモジュール310が必要とされてもよく、信号ジェネレータモジュール304及び少なくとも1つの追加の信号ジェネレータモジュール308の両方は、信号コンバイナモジュール310を介して電気外科的機器306に結合される。信号ジェネレータモジュール304及び各々の追加の信号ジェネレータモジュール308は、ケーブルなど、EM放射を伝達するためのコンバイナフィード構造316によって信号コンバイナモジュール310に接続されてもよく、信号コンバイナモジュール310は、機器フィード構造314に接続されてもよい。更に、存在するとき、流体フィードモジュール312は、機器流体フィード構造318を介して電気外科的機器に接続される。図3は、機器フィード構造314とは別個であるとして流体フィード構造318を示すが、少なくともいくつかの実施形態では、318及び314の両方は、同一の物理構造、例えば、ケーブルアセンブリ内に収納されてもよいことが理解されよう。
【0117】
ここで、モジュール304、308、310、312の各々が図4~6を次に参照して説明される。
【0118】
図4に対して理解されるように、信号ジェネレータモジュール304は、コントローラ400、信号ジェネレータ402、及びフィード構造404を含む。それらは、信号ジェネレータモジュール304のコア要素として考えられる。しかしながら、加えて、信号ジェネレータモジュール304は、以下の任意選択の要素:パルスジェネレータ406及び信号検出器408を含んでもよい。それらの要素の間の様々な接続が図4に示される。パルスジェネレータ406が存在しないとき、信号ジェネレータ402は、フィード構造404に直接結合されるが、パルスジェネレータ406が存在するとき、信号ジェネレータ402は、パルスジェネレータ406を介してフィード構造404に結合されることに留意されよう。
【0119】
コントローラ400は、それから命令を受信するように、リモートコンピューティングデバイス302と無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェース410を含む。更に、コントローラ400は、受信された命令に基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である。それ自体として、コントローラ400は、図2のコントローラモジュール212と同様である。例えば、コントローラ400は、リモートコンピューティングデバイス302から信号ジェネレータ402に制御コマンドを転送してもよく、またはコントローラ400は、リモートコンピューティングデバイス302から受信されたデータに基づいて、信号ジェネレータ402に対して制御コマンドを生成してもよい。また、信号ジェネレータモジュール304とリモートコンピューティングデバイス302との間の通信は、双方向であってもよく、その結果、コントローラ400からリモートコンピューティングデバイス302に、コントローラ400によって生成された制御コマンドを送信することができる。コントローラモジュール212と同様に、コントローラ400は、図2のプロセッサ226及びウォッチドッグ228と同様の方式において動作するプロセッサ412及びウォッチドッグ414を含んでもよい。
【0120】
信号ジェネレータ402は、制御コマンドを受信するようにコントローラ400と通信している。信号ジェネレータ402は次いで、EM信号を形成するよう、制御コマンドに基づいて、EM放射を生成及び制御するように動作可能である。信号ジェネレータ402の動作は、図2の信号ジェネレータモジュール214の動作と同一である。例えば、制御コマンドは、ターンオンし、ターンオフし、特定の持続時間の間にターンオンし、または特定の電力(もしくは、振幅)においてEM放射を提供するよう、信号ジェネレータ402を指示してもよい。
【0121】
フィード構造404は、信号ジェネレータ402によって生成されたEM信号を伝達するためのものである。特に、フィード構造404は、電気外科的機器306にEM信号を出力するための出力ポートを含み、フィード構造404は、出力ポートに信号ジェネレータ402を接続するための信号チャネルを含む。フィード構造404は、図2のフィード構造モジュール216と同様である。
【0122】
存在するとき、任意選択のパルスジェネレータ406は、信号ジェネレータ402とフィード構造404との間に位置付けられる。パルスジェネレータ406は、図2のパルスジェネレータ229と同様であり、それ自体として、パルスジェネレータ406は、信号ジェネレータ402から出力されたEM放射からパルス化EM放射を生成するよう、制御コマンドに基づいてコントローラ400によって制御可能である。例えば、信号ジェネレータモジュール402によって生成及び制御されるEM放射は、パルス化EM放射を生成するように、パルスジェネレータ406によって操作され、パルス化EM放射は次いで、フィード構造404によって受信されるEM信号を形成する。このようにして、信号ジェネレータモジュール304は、例えば、電気穿孔に対して、パルス化EM信号を提供するように修正される。
【0123】
存在するとき、任意選択の信号検出器408は、フィード構造404の信号チャネルに関する信号特性をサンプリングし、信号特性を示す検出信号を生成するように、フィード構造404に結合される。それ自体として、信号検出器408は、図2の信号検出器モジュール218と同様である。すなわち、実施例の信号特性は、電圧、電流、前方向電力、または反射電力を含んでもよい。実施形態では、信号ジェネレータ402は、信号検出の目的のために低電力EM信号を配送するように構成されてもよく、この低電力信号は、電気外科的機器306の遠位端313において生物組織を測定する目的のために生成されるので、測定信号と称されてもよい。代わりに、測定信号を提供するために、追加の信号ジェネレータモジュール308a~nが使用されてもよい。
【0124】
実施形態では、コントローラ400は、検出信号を受信するように、信号検出器408と通信している。また、コントローラ400は、検出信号に基づいて、制御コマンドを生成するように動作可能である。加えてまたは代わりに、コントローラ400は、無線通信インタフェース410からリモートコンピューティングデバイス302に検出信号を送信するように動作可能である。それ自体として、リモートコンピューティングデバイス302は、検出信号に基づいて制御コマンドを生成し、次いで、信号ジェネレータ402に転送するために、コントローラ400にそれらの制御コマンドを送信することに関与してもよい。
【0125】
実施形態では、フィード構造404は更に、EM信号によって配送されたエネルギーを制御するための、信号チャネルに接続されたチューナ416を含む。チューナ416は、検出信号に基づいてコントローラ400によって制御可能な調節可能インピーダンス素子を含む。チューナ416は、図2のチューナ230と同様であり、それ自体として、組織へのEM放射の効率的な転送を促進するように機能することができる。例えば、信号チャネルから検出された情報は、電気外科的機器306と組織との間の動的な電力整合をもたらすよう、信号チャネルに対する調節可能インピーダンス素子の調節を判定するために使用されてもよく、動的な電力整合は、電気外科的システム300と生物組織との間の効率的且つ制御可能なエネルギー転送を保証する。
【0126】
実施形態では、コントローラ400は、ケーブルなどの別個の有線接続を介して、信号ジェネレータモジュール304の各々の他の要素に接続される。
【0127】
システム300が1つ以上の追加の信号ジェネレータモジュール308a~nを含むとき、追加の信号ジェネレータモジュール308a~nの各々は、図4を参照して上記説明された信号ジェネレータモジュール304と同様である。追加の信号ジェネレータモジュール308a~nの各々はまた、図2の追加の信号ジェネレータモジュール222a~nのうちの1つと同様である。いずれかの数の追加の信号ジェネレータモジュール308a~nが設けられてもよい。更に、追加の信号ジェネレータモジュール308a~nの各々は、信号ジェネレータモジュール304及び各々の他の追加の信号ジェネレータモジュールとは異なる周波数においてEM放射を生成してもよい。しかしながら、追加の信号ジェネレータモジュール308a~nの1つは、別の追加の信号ジェネレータモジュールまたは信号ジェネレータモジュール304と同一の周波数においてEM放射を生成してもよいことが理解されよう。いずれかのケースでは、リモートコンピューティングデバイス302は、異なる信号ジェネレータモジュールの各々の動作を制御するよう機能する。それ自体として、リモートコンピューティングデバイス302は、各々の信号ジェネレータモジュールを選択的に制御することができる。
【0128】
信号ジェネレータモジュール304のフィード構造404の信号チャネルは、追加の信号ジェネレータモジュール308a~nの各々のフィード構造の対応する信号チャネルへの物理的に別個の信号経路であることが理解されよう。それ自体として、信号結合モジュール310は、電気外科的機器306への配送のために、信号ジェネレータモジュール304からのEM信号及び追加の信号ジェネレータモジュール308a~nの各々からのEM信号を共に組み合わせるための機構を設ける。
【0129】
図5に対して理解されるように、信号コンバイナモジュール310は、コントローラ500及びフィード構造502を含む。コントローラ500は、制御コマンドを介してフィード構造502の動作を制御するように、フィード構造502と通信している(例えば、有線接続またはケーブルを介して)。特に、コントローラ500は、それから命令を受信するように、リモートコンピューティングデバイス302と無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェース502を有する。コントローラ500は、受信された命令に基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である。例えば、コントローラ500は、リモートコンピューティングデバイス302からフィード構造502に制御コマンドを転送してもよく、またはコントローラ500は、リモートコンピューティングデバイス302から受信されたデータに基づいて、フィード構造502に対して制御コマンドを生成してもよい。コントローラモジュール212と同様に、コントローラ500は、図2のプロセッサ226及びウォッチドッグ228と同様の方式において動作するプロセッサ506及びウォッチドッグ508を含んでもよい。
【0130】
加えて、信号コンバイナモジュール310は、複数の入力EM信号を受信するための複数の入力ポートを含む。各々の入力ポートは、信号ジェネレータモジュール304または追加の信号ジェネレータモジュール308a~nの異なる1つのいずれかから別個のEM信号を受信するためのものである。更に、信号結合モジュール310は、電気外科的機器306に出力EM信号を送信するための出力ポートを含む。それ自体として、信号結合モジュール310は、単一の電気外科的機器306への配送のために、複数のEM信号を共に組み合わせるための機構を設ける。更に、フィード構造502は、切り替えデバイス510を含んでもよく、フィード構造502は、切り替えデバイス510に複数の入力EM信号を伝達するための、複数の入力ポートに結合された複数の別個の信号経路を含む。また、フィード構造502は、出力ポートに接続された共通信号経路を有し、切り替えデバイス510は、コントローラ500からフィード構造502が受信する制御コマンドに基づいて、共通信号経路に複数の別個の信号経路のうちの1つ以上を選択的に接続するように構成される。それ自体として、信号コンバイナモジュール310は、図2のフィード構造モジュール216と同様である。
【0131】
システム300が流体フィードモジュール312を含むとき、流体フィードモジュール312は、流体フィード構造602と通信しているコントローラ600を含む。加えて、コントローラ600及び流体フィード構造602の両方と通信している任意選択の温度制御素子604が設けられてもよい。コントローラ600は、別個の有線接続またはケーブルを介して、流体フィード構造602及び温度制御素子604に接続されてもよい。コントローラ600は、それから命令を受信するように、リモートコンピューティングデバイス302と無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェース602を有する。コントローラ600は、受信された命令に基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である。例えば、コントローラ600は、リモートコンピューティングデバイス302から流体フィード構造602及び温度制御素子604に制御コマンドを転送してもよく、またはコントローラ600は、リモートコンピューティングデバイス302から受信されたデータに基づいて、流体フィード構造602及び温度制御素子604に対して制御コマンドを生成してもよい。コントローラモジュール212と同様に、コントローラ600は、図2のプロセッサ226及びウォッチドッグ228と同様の方式において動作するプロセッサ608及びウォッチドッグ610を含んでもよい。
【0132】
流体フィード構造602は、電気外科的機器306に流体を出力するための流体ポートを有する。図3に対して理解されるように、流体フィードモジュール312は、機器流体フィード構造318を介して、電気外科的機器306の遠位端313に接続されてもよい。流体フィード構造602は、流体ポートへの流体フィード構造602を介した流体(例えば、ガスまたは液体)の流れを供給及び制御するよう、制御コマンドに基づいてコントローラ600によって制御可能である。流体フィードモジュール312の目的は、電気外科的機器306の遠位端313に流体(例えば、ガスまたは液体)を提供することであってもよい。例えば、流体は、生物組織の治療のためにプラズマを生成するための、電気外科的機器306に提供されるガスであってもよい。また、流体フィード構造602は、治療部位から流体(例えば、液体)を抽出するためのポンプまたは他の吸引デバイスを含んでもよい。それ自体として、流体フィードモジュール312は、図2を参照して上記説明された流体フィードモジュール220と同様である。
【0133】
存在するとき、温度制御素子604は、流体フィード構造602内の流体の流れの温度を変化させるよう、制御コマンドに基づいてコントローラ600によって制御可能である。このようにして、流体は、電気外科的機器306に配送される前に、加熱または冷却されてもよい。温度制御素子604は、流体の加熱のみまたは冷却のみをもたらすことができる。それ自体として、温度制御素子604は、図2を参照して上記説明された温度制御素子236と同様である。
【0134】
実施形態では、信号ジェネレータ304及び流体フィードモジュール312は、図2の信号ジェネレータモジュール214及び流体フィードモジュール220を参照して上記説明されたのと同様の方式において、冷凍分離機能をもたらすために共に使用されてもよい。
【0135】
システム300のモジュールは、1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、モジュールの異なる要素の動作を監視し、モジュールのコントローラに測定を送信する。上述したように、コントローラ(そのウォッチドッグを介した)は次いで、それらの測定を許容可能な限度と比較してもよく、それらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成してもよい。アラーム信号は、コントローラの無線通信インタフェースを介して、リモートコンピューティングデバイス302に送信されてもよい。コントローラ及び/またはリモートコンピューティングデバイス302は、例えば、シャットダウンすることによって、障害に対処するようシステムを制御する制御コマンドを生成してもよい。実施形態では、各々のモジュールは、このようにして障害検出及び対処を促進するよう動作する1つ以上のセンサを含む。このようにして、システム300は、図2のシステム200と同様である。
【0136】
要約すれば、図3~6の実施形態は、モジュール式システム300の1つの特定の実施形態を示すが、それは、特定の任意選択のモジュールを追加または除去することによって、システム300の機能性をどのように変更することができるかを理解することができる。上述したように、システム300のコアモジュールは、信号ジェネレータモジュール304である。このコアモジュールは、生物組織を治療するためにEM信号を制御可能に生成し、電気外科的機器にそのEM信号を配送するための機構を設ける。EM信号は、RFまたはマイクロ波などのいずれかのタイプの電磁気信号であってもよい。更に、新たな機能性をもたらすために、異なる方式においてこの主要な機能性が補完されてもよい。例えば、組織の状態を監視するために、信号ジェネレータモジュール304に信号検出器408が追加されてもよく、その結果、治療を組織に適合することができる。加えてまたは代わりに、システム300が複数の異なる周波数を有するEM信号を配送することができるように、1つ以上の追加の信号ジェネレータモジュール308が設けられてもよい。1つの実施例では、RF EM信号及びマイクロ波EM信号の両方は、システム300によって提供されてもよい。別の実施例では、複数の異なる周波数のマイクロ波EM信号が提供されてもよい。更に、機器306への別個にまたは同時に複数の異なるEM信号のうちの1つ以上の配送を制御するために、信号結合モジュール310が追加されてもよい。最終的に、治療部位に、または治療部位から流体を配送/受信するために、流体フィードモジュール312が設けられてもよい。例えば、プラズマを生成するために、RFエネルギーまたはマイクロ波エネルギーと組み合わせたガスが提供されてもよい。代わりに、冷凍分離を実行するために、マイクロ波エネルギーを有する組織凍結流体が配送されてもよい。更に、治療部位から液体が抽出されてもよい(例えば、吸入またはポンプ機能によって)。
【0137】
図3~6のシステム300は、各々のモジュール304、308a~n、310、及び312と無線で通信するリモートコンピューティングデバイス302を含む。リモートコンピューティングデバイス302は、制御制御コマンドを介して、システム300の各々のモジュール(304、308a~n、310、及び312)を制御してもよい。例えば、リモートコンピューティングデバイス302は、信号ジェネレータモジュール304に、EM信号を生成する制御コマンドを発行してもよい。また、リモートコンピューティングデバイス302は、流体フィードモジュール312に、流体の流れを生成する制御コマンドを発行してもよい。代わりに、上記説明されたように、各々のモジュール(304、308a~n、310、及び312)は、リモートコンピューティングデバイス302から受信されたデータに基づいて、制御コマンド自体を生成することができるコントローラを含む。したがって、実施形態では、システム300の制御は、リモートコンピューティングデバイス302に集中化されてもよく、様々なモジュールのコントローラは、リモートコンピューティングデバイス302から受信された制御コマンドに対してのみ作用してもよい。しかしながら、別の実施形態では、各々のモジュールのコントローラは、そのそれぞれのモジュールの制御の少なくとも一部を実行してもよく、それ自体として、システム300の制御は、リモートコンピューティングデバイス206と各々のモジュール(304、308a~n、310、及び312)との間で共有されてもよい。このハイブリッドの配列では、システム300の制御は、リモートコンピューティングデバイス206になおも集中化されてもよく、様々なモジュールのコントローラは、例えば、リモートコンピューティングデバイス206と1つ以上のモジュールとの間の通信が機能停止するとき、特定の状況においてのみこの制御を補完してもよい。したがって、要約すれば、システム300の全体的な制御は、リモートコンピューティングデバイス206に集中化されてもよいが、様々なモジュールの個々のコントローラによって補完されてもよい。
【0138】
上記説明されたモジュール式システム200は、リモートコンピューティングデバイス206を含み、上記説明されたモジュール式システム300は、リモートコンピューティングデバイス302を含む。リモートコンピューティングデバイス206及び302の両方は、概して、少なくとも1つのプロセッサ及びコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリを有するコンピューティングデバイスとして説明されてもよい。使用中、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサにより、図2~6を参照して上記説明されたシステム機能性の少なくとも一部を有効にする様々な演算をリモートコンピューティングデバイスに実行させるように構成される。
【0139】
詳細な実施例のリモートコンピューティングデバイスが図7を参照して以下で説明される。実施形態では、リモートコンピューティングデバイス206及び302は、図7のリモートコンピューティングデバイスである。
【0140】
図7は、無線コンピューティングデバイス1100の概略である。無線コンピューティングデバイス1100の以下の説明は、例としてのみ提供され、限定することを意図していない。
【0141】
無線デバイス1100は、キーパッド1102、タッチスクリーン1104、マイクロフォン1106、スピーカ1108、及びアンテナ1110を含む。無線デバイス1100は、例えば、電話呼び出しをホストすること、SMSメッセージを送信すること、インターネットを閲覧すること、電子メールを送信すること、及びサテライトナビゲーションを提供することなど、様々な異なる機能を実行するようユーザによって操作されることが可能である。
【0142】
無線デバイス1100は、無線デバイス1100が、メッセージング、インターネット閲覧、及び電子メール機能などの他の機能を有することを可能にするよう、アプリケーションプロセッサ及び対応するサポートハードウェアと共に通信機能(例えば、テレフォニ、データ通信)を実行するハードウェアを含む。通信ハードウェアは、データ信号の送信及びそれからの受信のためのアンテナ1110にRF信号を提供するRFプロセッサ1112によって表される。加えて、設けられるのは、RFプロセッサ1112に信号を提供し、RFプロセッサ1112から信号を受信するベースバンドプロセッサ1114である。ベースバンドプロセッサ1114はまた、本分野において公知であるように、加入者識別モジュール1116と相互作用する。通信サブシステムは、無線デバイス1100が、3G、4G、5G、GSM、WiFi、Bluetooth(商標)、及び/またはCDMAを含むいくつかの異なる通信プロトコルを介して通信することを可能にする。無線デバイス1100の通信サブシステムは、本発明の範囲を超える。
【0143】
キーパッド1102及びタッチスクリーン1104は、アプリケーションプロセッサ1118によって制御される。バッテリ1122から通信サブシステム、アプリケーションプロセッサ1118、及び他のハードウェアに電力を供給するために、電力及び音声コントローラ1120が設けられる。電力及び音声コントローラ1120はまた、マイクロフォン1106からの入力、及びスピーカ1108を介して出力された音声を制御する。また、設けられるのは、グローバルポジショニングシステム(GPS)アンテナ及び関連する受信機要素1124であり、受信機要素1124は、アプリケーションプロセッサ1118によって制御され、無線デバイス1100のサテライトナビゲーション機能性による使用のためのGPS信号を受信する能力を有する。
【0144】
アプリケーションプロセッサ1118が動作するために、様々な異なるタイプのメモリが設けられる。最初に、無線デバイス1100は、アプリケーションプロセッサ1118に接続されたランダムアクセスメモリ(RAM)1126を含み、RAM1126にデータ及びプログラムコードを自在に書き込むことができ、RAM1126からデータ及びプログラムコードを自在に読み出すことができる。RAM1126内のいずれかに配置されたコードは、RAM1126からアプリケーションプロセッサ1118によって実行されてもよい。RAM1126は、無線デバイス1100の揮発性メモリを表す。
【0145】
次に、アプリケーションプロセッサ1118に接続された長期記憶装置1128を有する無線デバイス1100が設けられる。長期記憶装置1128は、3つの区画、オペレーティングシステム(OS)区画930、システム区画1132、及びユーザ区画1134を含む。長期記憶装置1128は、無線デバイス1100の不揮発性メモリを表す。
【0146】
本実施例では、OS区画1130は、オペレーティングシステムを含む、無線デバイス1100のファームウェアを包含する。アプリケーションプログラムなどの他のコンピュータプログラムも長期記憶装置1128に記憶されてもよい。特に、スマートフォン及び通信アプリケーションなどのケースにおいてなど、無線デバイス1100に必須のアプリケーションプログラムは典型的には、システム区画1132に記憶される。システム区画1132に記憶されたアプリケーションプログラムは典型的には、無線デバイス1100が最初に販売されたときにデバイス製造者によって無線デバイス1100と共に束ねられたアプリケーションプログラムである。
【0147】
ユーザによって無線デバイス1100に追加されたアプリケーションプログラムは通常、ユーザ区画1134に記憶される。
【0148】
述べられるように、図7の表現は概略である。実際に、示される様々な機能的構成要素は、1つ且つ同一の構成要素に置き換えられてもよい。例えば、長期記憶装置1128は、NANDフラッシュ、NORフラッシュ、ハードディスクドライブ、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、1つ以上の構成要素が省略されてもよい。
【0149】
一般的な意味で、リモートコンピューティングデバイス206及び302のハードウェア構造に関わらず、両方のリモートコンピューティングデバイスは、それによってユーザ(例えば、人間のオペレータ)がモジュール式システム200及び300と対話することができる機構を設ける。例えば、ユーザは、生物組織にEM信号または流体を配送することなど、システム200または300の機能性を構成または有効にする命令を、リモートコンピューティングデバイス206及び302を介して発行することができる。加えて、ユーザは、リモートコンピューティングデバイス206及び302を介してシステム200または300から、誤り通知または特定の外科的処置に関するデータ(例えば、制御コマンドもしくは検出信号)などのフィードバックを受信することができる。加えて、リモートコンピューティングデバイス206及び302は、それによって更なる電気外科的処置を制御する際にフィードバックデータを記憶し、表示し、操作し、または使用することができる機構を設ける。実施形態では、リモートコンピューティングデバイスは、ユーザからの入力の受信及びユーザへのコンテンツ(例えば、グラフ、テーブル、警告、更新など)の配送の両方のために、そのタッチスクリーン上にユーザインタフェースを表示する。ユーザインタフェースは、それによって全てのモジュールを制御及び監視することができる機構であってもよい。
【0150】
ここで、システム200の上記説明された機能性のいくつかを示すために、システム200のリモートコンピューティングデバイス206の動作の詳細な実施形態が、図8のフローチャート1200を参照して説明される。
【0151】
処理がブロック1202において開始し、そこでは、リモートコンピューティングデバイス206は、ユーザ入力に基づいて、入力データを生成する。例えば、システム200のケースでは、リモートコンピューティングデバイス206は、ユーザがユーザ入力を提供するよう制御するタッチスクリーンディスプレイを含んでもよい。入力データは、信号ジェネレータモジュール212など、システム200の1つ以上のモジュールの1つ以上の動作パラメータを指定してもよい。例えば、ユーザ入力が提供されてもよく、ユーザ入力によって、リモートコンピューティングデバイス206は、機器204への配送のためのEM信号を生成するよう信号ジェネレータモジュール214を活性化する。それ自体として、動作パラメータは、コントローラモジュール212が信号ジェネレータモジュール214を「ターンオン」するための命令を含んでもよい。
【0152】
ブロック1204において、リモートコンピューティングデバイス206は、コントローラモジュール212への無線送信のためのデータパケットを生成する。データパケットは、ユーザによって入力された動作パラメータを含む。データパケットは、コントローラモジュール212に動作パラメータを無線で送信することができるように生成される。例えば、動作パラメータは、コントローラモジュール212への動作パラメータの無線通信を有効にする、ソースアドレス及び宛先アドレスなどの通信パラメータと組み合わされてもよい。加えて、リモートコンピューティングデバイス206は、セキュリティ及び安全性を追加するためにデータパケットが暗号化された動作パラメータを含むように、動作パラメータを暗号化してもよい。
【0153】
ブロック1206において、データパケットは、無線通信チャネル210を介してリモートコンピューティングデバイス206からコントローラモジュール212に無線で送信される。無線通信チャネル210は、リモートコンピューティングデバイス206とコントローラモジュール212との間の直接(例えば、専用)経路であってもよく、あるいは無線通信チャネル210は、1つ以上の他のコンピューティングデバイス、またはインターネット、1つ以上の無線エリアネットワーク、及び/または1つ以上のローカルエリアネットワークなどのネットワークを含んでもよい。
【0154】
データパケットを受信すると、上記説明されたように、コントローラモジュール212は、動作パラメータを抽出し、対応する制御コマンドを生成する。例えば、制御コマンドは、EM信号を生成するよう、信号ジェネレータモジュール214を指示する。
【0155】
動作パラメータは、信号ジェネレータモジュール214をターンオンすることに限定されないことが理解されよう。例えば、動作パラメータは、信号ジェネレータモジュール214が、EM信号をターンオフし、特定の持続期間の間にEM信号をターンオンし、特定の電力(または、振幅)においてEM信号を生成し、特定のパルス特性(例えば、パルス幅、デューティサイクル、振幅など)を有するパルス化EM信号を生成するなどのための他の命令を含んでもよい。加えて、動作パラメータは、信号ジェネレータモジュール214以外のモジュールに対する命令を含んでもよい。例えば、動作パラメータが追加の信号ジェネレータモジュール222に対するものである場合、それらは、信号ジェネレータモジュール214を参照して説明された動作パラメータと同様であってもよい。動作パラメータが流体フィードモジュール220に対するものである場合、それらは、ガス供給がターンオンされること、または温度制御素子がガスを特定の温度に設定することを指定してもよい。動作パラメータがフィード構造216に対するものである場合、それらは、1つ以上の特定の信号ジェネレータモジュールからのEM信号が機器204に配送されることを指定してもよい。いずれかのケースでは、動作パラメータ(または、動作パラメータに基づいて生成された制御コマンド)を含む制御コマンドは、コントローラモジュール212によって関連するモジュールに配送される。
【0156】
ブロック1208において、リモートコンピューティングデバイス206は、無線通信チャネル210を介して、コントローラモジュール212からデータパケットを受信する。
【0157】
ブロック1210において、リモートコンピューティングデバイス206は、受信されたデータパケットからデータを抽出する。コントローラモジュール212がデータを暗号化していた場合、リモートコンピューティングデバイスは、データを抽出するために、対応する復号プロトコルを使用してデータを復号する必要がある。代わりに、データが暗号化されていない場合、データは、もはや必要とされないデータパケットの部分、例えば、通信パラメータ(例えば、ヘッダまたはアドレス)を除去することによって抽出されてもよい。
【0158】
ブロック1212において、リモートコンピューティングデバイス206は、抽出されたデータを処理する。処理の性質は、抽出されたデータに依存するが、全体的に、それは、ユーザにリアルタイムフィードバックを提供し、システム200の動作を監視する機構を設ける。例えば、とり得る処理の動作は、データを記憶すること、及びリモートコンピューティングデバイス206のディスプレイスクリーン上でデータを表示すること(例えば、グラフ、チャート、またはテーブルにおいて)を含む。更に、リモートコンピューティングデバイス206は、データを操作してもよく、場合によっては、更なるデータを合成するためにデータを使用してもよい。実施例では、抽出されたデータは、コントローラモジュール212からのアラーム信号を含んでもよく、アラーム信号は、信号ジェネレータモジュール214の要素が予め設定された限度を超えた温度を記録していることを通知する。このケースでは、リモートコンピューティングデバイス206は、コントローラモジュール212への送信のためのデータ(例えば、動作パラメータ)を生成してもよく、このデータによって、コントローラモジュール212は、信号ジェネレータモジュール214にシャットダウンさせる制御コマンドを信号ジェネレータモジュール214に発行する。代わりに、抽出されたデータは、信号検出器モジュール218からの検出信号を含んでもよく、リモートコンピューティングデバイス206は、コントローラモジュール212への送信のためのデータ(例えば、動作パラメータ)を生成してもよく、このデータによって、コントローラモジュール212は、電気外科的機器204の遠位端205における治療部位での組織へのEM放射の転送の効率性を改善するように、信号ジェネレータモジュール214にチューナ230を調節させる制御コマンドを信号ジェネレータモジュール214に発行する。また、ブロック1212は、複数の異なる処理の動作を伴ってもよいことが理解されよう。例えば、オーバヒートに関連する上記実施例を考慮して、リモートコンピューティングデバイス206は、(i)電流動作セッションを識別する他のデータと共に違反温度を含む、記憶のためのデータエントリを生成してもよく、(ii)リモートコンピューティングデバイス206のメモリにデータエントリを記憶してもよく、(iii)ユーザに障害を警告するよう、リモートコンピューティングデバイス206のディスプレイスクリーン上に警告を表示してもよく、(iv)コントローラモジュール212への送信のためのデータパケットを生成してもよく、データパケットは、それによってコントローラモジュール212が、信号ジェネレータモジュール214にシャットダウンさせる制御コマンドを信号ジェネレータモジュール214に発行するデータを含み、(v)コントローラモジュール212にデータパケットを送信してもよい。
【0159】
上記に加え、リモートコンピューティングデバイス206は、それによってシステム200のセッションデータ(すなわち、特定の外科的処置に関連するデータ)を保存することができ、呼び戻すことができ、表示することができ、エクスポートすることができ、印刷することができ、他のコンピューティングデバイスまたはシステム上のデータ(例えば、病院患者データベース)とリンク付けすることができる機構を設ける。例えば、患者の手術の間にシステム200から収集されたデータは、病院の患者データベースにおけるその患者のエントリと関連して記憶されてもよい。加えて、リモートコンピューティングデバイス206は、電気外科的処置に関連したデータ分析を有効にするように、システム200からデータを収集してもよい。例えば、セッションデータは、処置の結果と共に記憶されてもよく、新たなセッションデータに基づいて、後の処置の結果を予測するよう、機械学習、人工知能、またはパターンマッチングがリモートコンピューティングデバイス206によって実行されてもよい。加えてまたは代わりに、リモートコンピューティングデバイス206は、クラウドの記憶されたデータベースなどのグローバルリポジトリにセッションデータ及び結果データを送信してもよい。このようにして、リモートコンピューティングデバイス206は、他のリモートコンピューティングデバイス206からセッションデータ及び結果データにアクセスすることが可能であることができ、その結果、その結果予測がより正確である。
【0160】
リモートコンピューティングデバイスの動作の上記説明がモジュール式システム200と関連して提示されてきたが、説明は、モジュールシステム300に等しく適用されることが理解されよう。しかしながら、リモートコンピューティングデバイス302は、信号ジェネレータモジュール304、各々の追加の信号ジェネレータモジュール308、信号結合モジュール310、及び流体フィードモジュール312の各々と別個に通信する(例えば、データパケットを送信及び受信する)能力を有することが理解されよう。したがって、各々のモジュールに送信されたデータは、そのモジュールの機能性に関連するべきである。例えば、リモートコンピューティングデバイス302は、EM信号を生成することに関連する信号ジェネレータモジュール304に、データパケットを送信してもよい。しかしながら、リモートコンピューティングデバイス302は、このデータパケットが代わりに流体フィードモジュール312に直接送信されるべきであるので、ガス流を生成することに関連する信号ジェネレータモジュール304に、データパケットを送信しなくてもよい。
【0161】
システム300からのモジュールは、リモートコンピューティングデバイスによって集中的に制御される組み合わされた実施形態を形成するように、システム200に含まれてもよいことが理解されよう。例えば、組み合わされたシステムは、リモートコンピューティングデバイス206、電気外科的機器204、並びにシステム200のコアモジュール、すなわち、コントローラモジュール212、信号ジェネレータモジュール214、及びフィード構造モジュール216を含んでもよい。加えて、システム200は、機器流体フィード構造318を介して電気外科的機器204と連結する流体フィードモジュール312を含んでもよい。リモートコンピューティングデバイス206は、信号ジェネレータモジュール214及びフィード構造モジュール216に対する制御コマンドをコントローラモジュール212に発行することによって、組み合わされたシステムを制御してもよいが、リモートコンピューティングデバイス206は、流体フィード構造318に直接制御コマンドを発行してもよい(すなわち、コントローラモジュール212を介さないで)。
【0162】
本発明の様々な実施形態は、例えば、腸に対するポリープを除去するための、すなわち、内視鏡的粘膜摘出、または内視鏡的粘膜下解離のための下部胃腸(GI)管及び上部GI管と関連付けられたGI処置において特に適切であることができることが理解されよう。本発明はまた、例えば、一般外科的手術または腹腔鏡手術における他の処置にふさわしいことができる。本発明は、耳、鼻、喉の処置、及び肝臓摘出における使用を見い出すことができる。本発明は、膵臓と関連付けられた処置に対処するために、例えば、門脈または膵管に非常に近接した腫瘍または異常を摘出または除去するために使用されてもよい。
【0163】
開示される結果を得るために開示される機能または方法もしくはプロセスを遂行するために、それらの具体的な形態でまたは手段に関して表現された、前述の記載または以下の請求項または添付の図面中で開示される特色は、必要に応じて、その多様な形態で本発明を実現するために、分離してまたはかかる特色の任意の組み合わせで、利用され得る。
【0164】
本発明は上で記載される例示的な実施形態と共に記載されているが、本開示が与えられた時に多くの等価な修飾及び変動が当業者に明らかになる。したがって、上で説明された本発明の例示的な実施形態は、例示的であり限定的でないと判断される。記載される実施形態への様々な変化は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに行われ得る。
【0165】
任意の疑義を回避するために、本明細書において提供される任意の論理的説明は、読者の理解を改善する目的のために提供される。本発明者は、これらの論理的説明のうちの任意のものによって束縛されることを望まない。
【0166】
本明細書において使用される任意のセクションの見出しは構成の目的のみのためであり、記載される対象物の限定として解釈されるべきではない。
【0167】
以下の請求項を含む本明細書の全体を通じて、文脈が他に必要としない限り、用語「~を有する(have)」、「~を備える(comprise)」、及び「~を含む(include)」、並びに「~を有する(having)」、「~を備える(comprises)」、「~を備える(comprise)」、及び「~を含む(including)」などの変形は、明示された整数値もしくはステップ、または整数値もしくはステップの群を包含するが、他の整数値もしくはステップ、または整数値もしくはステップの群を除外しないことを示唆すると理解される。
【0168】
本明細書及び添付の請求項において使用される時、単数形「a」、「an」、及び「前記」は、文脈が明確に指示しない限り、複数の指示物を包含することに注目すべきである。範囲は、「約」ある特定の値から及び/または「約」別の特定の値として、本明細書において表現され得る。かかる範囲が表現される場合に、別の実施形態は、ある特定の値から及び/または他の特定の値までを包含する。同様に、値が近似として表現される場合に、先行詞「約」の使用によって、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるだろう。数値に関連する「約」という用語は、随意であり、例えば10%±を意味する。
【0169】
用語「好ましい(preferred)」及び好ましくは(preferably)」は、いくつかの状況の下で特定の利点を提供することができる本発明の実施形態を指すために本明細書で使用される。しかしながら、他の実施形態も同一の状況または異なる状況の下で好ましいことがあることが認識されよう。したがって、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを意味または示唆せず、開示の範囲から、または請求項の範囲から他の実施形態を排除することを意図していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9