(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】映像配信システム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240909BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240909BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240909BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240909BHJP
A63F 13/86 20140101ALI20240909BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04N21/24
A63F13/35
A63F13/69
A63F13/86
(21)【出願番号】P 2022067731
(22)【出願日】2022-04-15
(62)【分割の表示】P 2020044558の分割
【原出願日】2020-03-13
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】酒井 昭
(72)【発明者】
【氏名】千葉 茂
(72)【発明者】
【氏名】井上 快
(72)【発明者】
【氏名】平井 純貴
(72)【発明者】
【氏名】進邦 嗣郎
(72)【発明者】
【氏名】金原 俊明
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-211845(JP,A)
【文献】特開2019-022072(JP,A)
【文献】特開2007-025915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04N 21/24
A63F 13/35
A63F 13/69
A63F 13/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参加者が参加するイベントの状況を撮影した撮影映像を、複数のユーザ端末装置に配信する映像配信システムであって、
前記イベントに設定される賞金額と当該イベントの撮影映像とを関連付けて記憶するデータ記録手段と、
前記撮影映像に対応するイベントに参加した
前記複数の参加者のうち所定の参加者に付与する個別賞金額を決定する賞金決定手段と、
前記ユーザ端末装置から、前記イベントに設定された賞金額を増加する要求を受け付けることに起因して、当該賞金額を増額する賞金増加手段と、
を備え、
前記賞金決定手段は、前記賞金増加手段により増額した後の賞金額に基づいて、
所定の条件に基づく分配割合に応じた個別賞金額を決定する、
映像配信システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末装置にネットワークを介して接続されるコンピュータを、請求項1に記載の映像配信システムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項3】
複数の参加者が参加するイベントの状況を撮影した撮影映像を、複数のユーザ端末装置に配信する映像配信システムに組み込まれるコンピュータに、
前記イベントに設定される賞金額と当該イベントの撮影映像とを関連付けて記憶させる手順と、
前記撮影映像に対応するイベントに参加した
前記複数の参加者のうち所定の参加者に付与する個別賞金額を決定する賞金決定手順と、
前記ユーザ端末装置から、前記イベントに設定された賞金額を増加する要求を受け付けることに起因して、当該賞金額を増額する賞金増加手順を実行させ、
前記賞金決定手順は、前記賞金増加
手順により増額した後の賞金額に基づいて、
所定の条件に基づく分配割合に応じた個別賞金額を決定する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各ユーザが使用するユーザ端末装置にネットワークを介して接続され、複数の参加者が参加するイベントの状況を記録した映像としての記録映像をそのユーザ端末装置に配信する映像配信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
各ユーザが使用するユーザ端末装置にネットワークを介して接続され、複数の参加者が参加するイベントの状況を記録した映像としての記録映像をそのユーザ端末装置に配信する映像配信システムが存在する。例えば、このような記録映像として、生放送動画等のコンテンツを配信するサーバが知られている(例えば特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2及び3が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6430059号公報
【文献】特許第5381083号公報
【文献】特開2017-174134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のサーバでは、生放送動画の観客がアイテムを選んで対価を支払うことで、その選んだアイテムが生放送動画に重畳的に表示される場合があり、その対価の一部が生放送動画の配信者に還元される場合もある。しかし、対価の一部が還元される場合があるとしてもその還元先はあくまでも配信者であり、その生放送動画の出演者ではない。配信者が生放送動画の出演者である場合も少なくないが、それは結果的に一致しているだけであり、出演者と配信者とが相違している場合には出演者には還元されず、そのような還元は配信者の判断に委ねられてしまう。また、特許文献2には、評価ポイントに応じて各コンテンツに順位付けを行い、予め定める順位以上のコンテンツの作者に評価ポイントに応じた利益を分配するコンテンツ評価システムが開示されている。しかし、このシステムにおいても、やはり評価ポイントに応じた利益が分配される対象、つまり利益の還元先はコンテンツの作者に過ぎず、そのコンテンツの出演等ではない。結果として、コンテンツの出演者にその内容を盛り上げることへの十分なインセンティブ(動機付け)を与えることができない。
【0005】
一方、特許文献3には選手の試合を観戦した観客による、選手に対するおひねりの情報を含む入力情報を取得し、外部に提供するサーバ装置が開示されている。しかし、このサーバ装置では、あくまでも個別の選手に対するおひねりが実現されるに過ぎず、試合に設定される賞金、換言すれば全選手、或いは一部の選手に分配されるべき賞金が増額される構成ではない。このため、各選手のモチベーションを上げることはできるかもしれないが、観客は試合の単位で各選手を応援できない。
【0006】
そこで、本発明は、記録映像として配信されるイベントにおいてその参加者のイベントへのモチベーションを向上させることができる映像配信システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の映像配信システムは、各ユーザが使用するユーザ端末装置にネットワークを介して接続され、複数の参加者が参加するイベントの状況を記録した映像としての記録映像を前記ユーザ端末装置に配信する映像配信システムであって、前記記録映像と前記イベントに設定される賞金としてのイベント賞金額とが関連づけられるように記述された賞金データを記憶するデータ記憶手段と、前記ユーザ端末装置を介して各ユーザによって前記記録映像に関連づけられるように実行される供与行為に応じて前記イベント賞金額を増額する賞金増額手段と、所定の期間の終了時における前記イベント賞金額に基づいて前記複数の参加者の少なくとも一部の参加者に付与されるべき賞金としての個別賞金額を決定する賞金決定手段と、を備えるものである。
【0008】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ユーザ端末装置に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータを、上述の映像配信システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明の制御方法は、各ユーザが使用するユーザ端末装置にネットワークを介して接続され、複数の参加者が参加するイベントの状況を記録した映像としての記録映像を前記ユーザ端末装置に配信する映像配信システムであって、前記記録映像と前記イベントに設定される賞金としてのイベント賞金額とが関連づけられるように記述された賞金データを記憶するデータ記憶手段を備える映像配信システムに組み込まれるコンピュータに、前記ユーザ端末装置を介して各ユーザによって前記記録映像に関連づけられるように実行される供与行為に応じて前記イベント賞金額を増額する賞金増額手順と、所定の期間の終了時における前記イベント賞金額に基づいて前記複数の参加者の少なくとも一部の参加者に付与されるべき賞金としての個別賞金額を決定する賞金決定手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一形態に係る映像配信システムの概略構成を示す図。
【
図2】映像配信システムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図3】スポンサーサービスの概要を説明するための説明図。
【
図4】賞金額を増額した視聴者(出資者)に付与される特典を説明するための説明 図。
【
図5】映像データによって表示される撮影映像を説明するための説明図。
【
図6】賞金の募集期間と賞金額の確定との関係を説明するための説明図。
【
図9】賞金増額処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図10】賞金減額処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図11】賞金決定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図12】賞金提示処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図13】特典付与処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係る映像配信システムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係る映像システムの全体構成を説明する。映像配信システム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続されるカメラ3と、を含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0012】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してカメラ3(あるいは後述のゲーム機GM等)を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びカメラ3のそれぞれをインターネットに接続するLANとによって構築されてよい。なお、カメラ3とLANとの間には、カメラ3を制御するローカルサーバ等の各種のコンピュータ装置が適宜に介在してもよい。この場合、このようなコンピュータ装置、及びカメラ3は一つのイベントシステムとして構築され、このようなイベントシステムがネットワークNTを介してセンターサーバ2に接続されてもよい。
【0013】
カメラ3は映像を撮影する周知の装置である。カメラ3は撮影結果をセンターサーバ2に提供できる限り適宜に構成されてよいが、一例としてネットワークNTに接続可能なネットワーク機器として構成され、ネットワークNTを介してセンターサーバ2によって動作が制御される。また、カメラ3は適宜の場所に適宜の対象を撮影するように設置されてよいが、
図1の例ではイベント会場EFにそこで開催されるイベントの状況を撮影するように設置されている。また、
図1の例では一つのカメラ3が示されているが、適宜の数のカメラ3がイベント会場EFに設置されてよい。
【0014】
イベント会場EFはイベントが開催される会場である。イベント会場EFは一つであってもよいが、
図1の例では複数のイベント会場EF(一つのイベント会場EFが時差的に複数のイベント会場EFとして機能する場合を含む)が用意されている。複数のイベント会場EFでは一つのイベント(同時開催、及び時差開催のいずれも含む)が提供されてもよいし、複数のイベントが提供されてもよい。このように各イベント会場EFでは適宜のイベントが適宜に提供されてよいが、
図1の例では少なくとも一つのイベント会場EFにおいてゲーム機GMが提供するゲームを利用したイベント(以下、ゲームイベントと呼ぶ場合がある)が開催されている。以下では、一例として、カメラ3が、このイベント会場EFにおいてゲームイベントを撮影する場合について説明する。
【0015】
ゲーム機GMは、ゲームを提供する装置である。各ゲーム機GMは、独立型の装置として構成されてもよいし、イベントシステムが構築される場合にはそのイベントシステムに接続され、ゲーム結果等の各種情報をイベントシステムに提供してもよい。このように各ゲーム機GMは適宜に構成されてよいが、一例としてネットワークNTを介してセンターサーバ2に接続され、映像配信等のためにゲーム結果を含む各種ゲーム状況の情報(ゲーム画面を再現するためのリプレイデータ用の情報を含む)、或いはゲーム画面をキャプチャした画像データを適宜にセンターサーバ2に提供する。また、適宜の数のゲーム機GMがイベント会場EFに設置されてよいが、
図1の例では二台のゲーム機GMがイベント会場EFに設置されている。各ゲーム機GMとして、据置型又は携帯型のゲーム機(タブレット、或いはスマートフォンを含む)、或いは据置型又はブック型のパーソナルコンピュータといった個人用途に供される各種のコンピュータ装置が利用されてよいが、
図1の例ではアーケートゲーム機が利用されている。アーケードゲーム機は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として本来店舗等の適宜の施設に設置されるコンピュータ装置である。このため、各ゲーム機GMは、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機(有償でゲームを提供するゲーム機)として構成されるが、
図1の例ではイベント会場EFにおいてイベントの一部として無償でゲームのプレイを提供する。
【0016】
各ゲーム機GMは、イベント用にアクションゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、タイミングゲーム(音楽ゲーム)等の適宜のゲームを提供してよい。また、各ゲーム機GMは、これらのゲームを1対1、1対多(チーム)、或いは多対多(人数は適宜でよく対戦者間で一致していても一致していなくてもよい)等の適宜の対戦型、又は協力型(対戦者、或いは協力者がコンピュータの場合を含む)等の適宜の形式で提供してよい。いずれにしてもゲームイベントは、各ゲーム機GMをプレイするユーザP(以下、参加者Pと呼ぶ場合がある)間において結果を競う大会として提供される。また、ゲームイベントは無観客で開催されてもよいが、
図1の例では参加者Pのプレイを観戦する複数の観客PAを含むように開催されている。この例において二人の参加者Pが本発明の複数の参加者として機能する。
【0017】
イベント会場EFには、ゲーム機GMの他にもゲームイベントを演出する(盛り上げる)ための演出機器等の各種の装置が適宜に設置されてよいが、
図1の例では演出機器の一種としてライトユニットLU、スピーカSP、スモーク装置SU、及びモニタ47が設置されている。ライトユニットLUは、点灯、点滅、消灯、或いは適宜の発色等の照明(光)による各種の視覚的な演出を実行する周知の照明機器である。スピーカSPは、各種の音声を再生(出力)することにより聴覚的な演出を実行する周知の音声出力装置である。スモーク装置SUは、適宜の量のスモーク(煙)を発生させることにより視覚的な演出を実行する周知の装置である。また、モニタ47は、各種の画像(演出用、或いは各種情報を含む)を表示する周知の表示装置である。モニタ47には、例えばこのような演出用の画像としてカメラ3の撮影結果が表示されてもよい。これらの各種演出機器は、例えばセンターサーバ2に接続され、センターサーバ2によって制御されてもよく、イベント会場EFにイベントシステムが構築される場合にはそのイベントシステムに接続され、制御されてもよい。このように各演出機器は、適宜に制御されてよい。
【0018】
映像配信システム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4が接続される場合がある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。例えば、ユーザ端末装置4は、所定のアプリケーション(ソフトウエア)の実行に伴いカメラ3の撮影した撮影動画を表示可能な表示用端末として機能する。ユーザ端末装置4として適宜のコンピュータ装置が利用されてよいが、
図1の例では携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4A、携帯型タブレット端末装置4B、及びブック型(据置型でもよい)のパーソナルコンピュータ4Cといったユーザ端末装置が示されている。これらは、例えばアクセスポイントAP等を通じて適宜にネットワークNTに接続される。なお、その他にも、例えば据置型の家庭用ゲーム機、或いは携帯型ゲーム機といったネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。
【0019】
センターサーバ2は、カメラ3及びゲーム機GMに対して各種の機器用サービスを提供する。機器用サービスは、各ゲーム機GMから各参加者Pのプレイ状況の情報を取得する情報取得サービスを含んでいる。また、機器用サービスは、各参加者Pのプレイ実績の情報等がプレイデータ等の各種データを介して管理される場合、そのようなデータにそのプレイ状況の情報を反映するデータ更新サービスを含んでいてもよい。さらに、機器用サービスは、カメラ3の撮影条件(撮影方向、撮影範囲、画角、或いは撮影時期等)を制御する制御サービス、及び撮影結果を取得し、動画データとして記録する映像記録サービスを含んでいる。また、カメラ3(あるいはイベントシステム)がプログラム或いはデータを記憶可能に構成される場合、機器用サービスは、ネットワークNTを介して、このようなプログラム或いはデータを配信し、更新するデータ配信サービスを含んでもよい。
【0020】
同様に、センターサーバ2は、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、カメラ3の撮影結果に対応する動画としての撮影映像を配信する動画配信サービス、及びそのような撮影映像に関連する映像関連サービスを含んでいる。動画配信サービスは、撮影映像に対応する動画データを適宜にユーザ端末装置4に配信するように構成されてよいが、一例としてパケット通信を利用して随時配信するように構成される。つまり、撮影映像は、動画配信サービスを通じて随時ストリーミング配信される。また、このような撮影映像には、カメラ3の撮影結果(イベント会場EFの状況)をライブで配信するライブ映像、及びそのライブ映像を録画した映像としての録画映像が適宜に含まれてよいが、一例としてこれらの両方が含まれる。
【0021】
映像関連サービスは、撮影映像に関連する各種のサービスを適宜に含んでいてよいが、一例としてスポンサーサービスを含んでいる。スポンサーサービスは、撮影映像の視聴者をゲームイベントのスポンサ(広告主、出資者、寄付者、或いは賛助者等)として機能させるためのサービスである。スポンサーサービスの詳細は後述する。なお、Webサービスは、例えばその他にも、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)するデータ配信サービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するID付与サービス、ユーザ端末装置4からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証する認証サービス、或いは周知の決済処理を通じてユーザ端末装置4の各ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。
【0022】
次に、
図2を参照して映像配信システム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0023】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データ23が記憶される。そのようなサーバ用データ23は、機器用サービス、或いはWebサービスの提供に必要な各種のデータを含んでいるが、
図2の例ではそのような各種のデータの一種として、映像データVD、賞金データAD、及び大会データEDが示されている。
【0024】
映像データVDは、カメラ3の撮影映像(動画)をユーザ端末装置4に表示させるための周知の動画データである。映像データVDは、カメラ3の撮影結果に基づいて生成される。賞金データADは、ゲームイベントに設定される賞金を管理するためのデータである。大会データEDは、各参加者Pのプレイ結果等のゲームイベント(大会)の各種状況の情報を管理するためのデータである。賞金データAD、及び大会データEDの詳細は更に後述する。なお、サーバ用データ23は、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、上述のプレイデータ、或いはユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データ等が含まれてよい。しかし、それらの図示は省略した。
【0025】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、機器用サービス管理部24、及び端末用サービス管理部25が設けられる。機器用サービス管理部24は、カメラ3、或いはゲーム機GMに対して上述の機器用サービスを実現するための各種処理を実行する。一方、端末用サービス管理部25は、ユーザ端末装置4に対して上述のWebサービスを実現するための各種の処理を実行する。このような処理には、動画配信サービス、及び映像関連サービスを実現するための処理が含まれる。具体的には、端末用サービス管理部25は、動画配信サービスを実現するための処理として、ストリーミング配信を実現する周知の処理を実行する。同様に、端末用サービス管理部25は、映像関連サービスを実現するための処理として各種の処理を実行するが、このような処理にはスポンサーサービスを実現するための処理が含まれる。端末用サービス管理部25は、このようなスポンサーサービスを実現するための処理として、例えば賞金増額処理、増額取消処理、賞金決定処理、賞金提示処理、及び特典付与処理を実行する。これらの賞金増額処理、増額取消処理、賞金決定処理、賞金提示処理、及び特典付与処理の手順の詳細は後述する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0026】
一方、ユーザ端末装置4には、コンピュータとしての制御ユニット41と、記憶手段としての記憶部42とが設けられる。制御ユニット41は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0027】
記憶部42は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部42には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット41に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部42には、動画の表示等のWebサービスの享受に必要な端末データTDが記録される。そのような端末データTDには各種のデータが含まれるが、
図2の例ではその一種として映像データVD、及び賞金データADが示されている。これらの映像データVD、及び賞金データADは、動画配信サービス(又はデータ配信サービス)或いは映像関連サービスの一部として必要な部分を含むようにセンターサーバ2から提供される。なお、端末データTDには、例えばその他にもセンターサーバ2から適宜に提供されるID管理データ等が含まれ得る。同様に、端末データTDには、例えば動画配信に関連する各種の画像を表示するための画像データ、或いはBGM等の各種音声を再生するための音声データ等が含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
【0028】
制御ユニット41には、制御ユニット41のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてWebサービスの享受に必要な各種の処理が実行されるが、これらに関連する論理的装置として、
図2の例では画像制御部43、及びデータ管理部44が示されている。画像制御部43は、各種の画像(動画を含む)を表示するための各種の処理を行う論理的装置である。そのような処理には、撮影映像(動画)を表示するための処理(動画配信サービスを享受するための処理)、及び映像関連サービスの享受のために動画に関連する各種の画像を表示するための処理が含まれる。一方、データ管理部44は、記憶部42に記録される各種データの管理に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、映像データVD、及び賞金データADをセンターサーバ2から取得する処理、それらを適宜に更新する処理、或いは更新後のデータをセンターサーバ2に提供(送信)する処理が含まれる。
【0029】
また、ユーザ端末装置4には、モバイル端末装置4A等のユーザ端末装置等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、
図2の例ではそのような出力装置としてモニタ47、及びスピーカSPが、入力装置としてタッチパネル46が、それぞれ示されている。モニタ47、及びスピーカSPは、それぞれ動画等の各種の画像を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。また、タッチパネル46は、ユーザのタッチ操作の位置を検出し、その位置に応じた信号を出力する周知の入力装置(検出装置)である。このようなタッチパネルへのタッチ操作を通じて、ユーザ端末装置4には動画配信サービス、或いは映像関連サービスを利用するための適宜のタッチ操作が入力される。タッチパネル46は、このようなタッチ操作を検出するために、モニタ47の上にモニタ47を覆うように配置される。
【0030】
次に、
図3~
図6を参照して、スポンサーサービスの詳細について説明する。スポンサーサービスは撮影映像の視聴者をゲームイベントにおいて適宜のスポンサとして機能させるように構成されてよいが、一例としてゲームイベント(大会)に設定される賞金のスポンサとして機能させるように構成される。このため、スポンサーサービスは、ゲームイベントの賞金額を増額したり減額したりする機会を視聴者に提供するように構成される。このような機会の提供は音声による提供を含む各種の手法により適宜に実現されてよいが、一例として増額、或いは減額をするための選択肢を含む選択画面を通じて実現される。また、このような選択画面は、適宜のタッチ操作等を通じて撮影映像を表示する映像画面とは別に表示されてもよいが、例えばそのような選択画面としても機能する映像画面が表示される。つまり、スポンサーサービスは、増額等の選択肢を含む映像画面をユーザ端末装置4に表示させるように構成される。
【0031】
図3は、スポンサーサービスの概要を説明するための説明図である。また、
図3の例は、このような概要を説明するためにスポンサーサービスに使用されるデータ、及びユーザ端末装置4を示しているが、そのユーザ端末装置4には上述のような映像画面50が模式的に表示されている。具体的には、
図3に示すように、ユーザ端末装置4から撮影映像が要求されると、その撮影映像に対応する映像データVDがセンタ-サーバ2からユーザ端末装置4に配信される。この配信は、上述のとおり撮影映像をユーザ端末装置4に随時表示するストリーミング配信として実現される。そして、このような映像データVDの配信により、ユーザ端末装置4のモニタ47には映像画面50が表示される。
【0032】
映像画面50は、映像領域51、及び関連情報領域52を含んでいる。映像領域51は、カメラ3が撮影した撮影映像が表示される領域である。つまり、映像データVDに基づく撮影映像は映像領域51に表示される。映像領域51には、撮影映像としてライブ映像、及び録画映像のいずれが表示されてもよいが、
図3の例では
図1の例のイベント会場EFの状況を撮影した撮影結果の映像としてライブ映像が表示されている。また、ライブ映像(録画映像の場合も同様)には、適宜にゲーム画面(ゲーム機GMにおいてキャプチャされたゲーム画面、及びリプレイデータに基づいて再現されたゲーム画面の両方を含む)が差し込まれてもよい(解説等が適宜に付加されていてもよい)が、
図3の例ではカメラ3の撮影結果が映像領域51に表示されている。一方、関連情報領域52は、映像領域51に表示中の撮影映像に関連する各種情報が表示される領域である。これらの映像領域51、及び関連情報領域52は、適宜の大きさ、及び形状に形成されてよいが、
図3の例では中央付近の最も目のつきやすい範囲に映像領域51が形成され、その周囲のうち右側及び下方に(撮影映像の視聴を邪魔しない範囲で映像領域51よりも小さく)関連情報領域52が形成されている。
【0033】
関連情報領域52は、各種の情報を表示するための適宜の領域を更に含んでいてよいが、
図3の例では名称欄53、増額選択肢54、減額選択肢55、賞金提示欄56、及び終了選択肢57を含んでいる。名称欄53は、撮影映像の名称を表示するための領域である。撮影映像には適宜の名称が設定されてよいが、
図3の例では大会(ゲームイベント)の名称(“A大会”)が撮影映像の名称として設定され、名称欄53に表示されている。
【0034】
増額選択肢54、及び減額選択肢55は、いずれも選択肢として機能する領域であり、タッチパネル46との組み合わせによりタッチ操作を受け付ける仮想的な押しボタン(タッチ操作が実行されるべき範囲に対応する領域)として機能する。具体的には、増額選択肢54は、視聴者がスポンサとして賞金額の増額(出資)を行う場合にタッチ操作されるべき選択肢である。増額選択肢54には、このような選択肢の機能を示す適宜の情報が表示されてよいが、
図3の例では“賞金応募”の情報が提示されている。このような増額選択肢54にタッチ操作が実行された場合、増加額(出資額)を入力すべき入力機会(例えば入力画面)が別途適宜に提供されてもよいが、一例として一回のタッチ操作に伴い固定額が適宜に意思確認等の中間プロセスを経て増額される。このような中間プロセスは各種のプロセス(手順)を適宜に含んでいてよいが、例えば決済プロセスを含んでいる。決済プロセスも適宜に構成されてよく、例えば必要な増額を決済するプロセス、及びその決済が完了したか否か確認し、完了しない場合に決済エラーとして増額不可とするプロセスを含んでいる。また、このような決済プロセスを実現する決済システムは映像配信システム1の一部として構成されてもよいし、別のシステムとして構成されてもよい。別のシステムとして構成される場合、その決済システムは映像配信システム1の運営者と同様の運営者により運営されてもよいし、別の運営者が運営する第三者システムとして構築されてもよい。さらに、このような決済システムとして、決済の対象に各種のポイント(適宜の電子的な価値)を利用するポイントシステムが利用されてもよい。つまり、先に適宜の決済システムを通じてポイントがチャージされ、そのポイントの消費を通じて増額(結果的に増額はチャージ済の額に制限される)が実現されてもよい(換言すれば賞金額は各種のポイントであってもよい)。このように決済プロセス等の適宜の中間プロセスが介在してよいが、いずれにしても固定額の増加に伴い一回のタッチ操作が賞金額の増加額の一口に対応する。このため、一回のタッチ操作で十分な増額が行えていない視聴者には希望の増加額に至るように複数回のタッチ操作(複数口の増額)が要求される。そして、このようなタッチ操作の結果、つまり賞金の増額はセンターサーバ2の賞金データADに反映される。この例において増額選択肢54へのタッチ操作が本発明の供与行為として機能する。また、増額選択肢54へのタッチ操作を実行した視聴者が本発明の供与ユーザとして機能する。
【0035】
一方、減額選択肢55は、視聴者が賞金額の減額を行う場合にタッチ操作されるべき選択肢である。賞金額の減額は、自己の出資額(増加額)に限定される。つまり、減額選択肢55は、各視聴者が増額選択肢54へのタッチ操作により賞金額を増額した場合にその増額分の賞金額を減額する(取り消す)ために使用される。また、減額選択肢55を通じた減額は、出資額が残存する限り制限なく実行されてもよいが、一例として増額選択肢54へのタッチ操作により増額した撮影映像の視聴中に制限される。つまり、各視聴者が自己の出資分(増額分)を減額したい場合、各視聴者はその増額を行った撮影映像の視聴中に減額選択肢55にタッチ操作を行う必要がある。また、減額選択肢55にタッチ操作が実行された場合、減少額(減額されるべき出資額)を入力すべき入力機会が別途適宜に提供されてもよいが、一例として増額選択肢54と同様に適宜に意思確認等の中間プロセスを経て固定額(一口分)が減額される。そして、このようなタッチ操作の結果、つまり賞金の減額もセンターサーバ2の賞金データADに反映される。この例において減額選択肢55へのタッチ操作が本発明の取消行為として機能する。
【0036】
賞金提示欄56は、視聴中の大会(ゲームイベント)に設定される賞金額の情報を表示するための領域である。大会の賞金額はセンターサーバ2の賞金データADによって管理される。このため、賞金提示欄56には、賞金データADの賞金額が表示される。賞金データADの賞金額は、適宜に賞金提示欄56に反映されてよく、例えばセンターサーバ2側で反映され、賞金額を表示する賞金提示欄56を含む映像画面50を表示するためのデータをセンターサーバ2がユーザ端末装置4に配信してもよい(視聴者の操作を伴わないその他の各種の情報も同様)が、一例としてユーザ端末装置4側において賞金提示欄56に反映される。より具体的には、ユーザ端末装置4はセンタ-サーバ2から賞金データADを取得し、その賞金データADの賞金額を賞金提示欄56に表示する。賞金データADの取得、換言すれば賞金提示欄56への賞金データADの賞金額は、撮影映像の視聴開始時、或いは所定の周期等の適宜の条件で反映されてよいが、一例として賞金データADの賞金額が更新される毎に実行される。つまり、賞金提示欄56には、最新の賞金データADに基づく賞金額が表示される。また、賞金データADは賞金額を適宜に管理してよく、例えば賞金額を初期賞金額と、そこからの増加分としての増加賞金額とに区別して管理していてもよい。賞金提示欄56には、このような賞金額が適宜に表示されてよいが、
図3の例では累積額(初期賞金額及び増加賞金額の合算)として“1010000円”が、初期賞金額として“100万円”(“最低”の文字は初期賞金額であることを示す情報)が、それぞれ区別されて表示されている。結果として、累積額から初期賞金額を減算した金額が増加賞金額として把握される。この例において“100万円”、及び“1010000円”から“100万円”が減算された額が、本発明の初期賞金額、及び増加賞金額としてそれぞれ機能する。
【0037】
終了選択肢57は、視聴中(映像領域51に表示中)の撮影映像の視聴を終了するための選択肢として機能する領域であり、タッチパネル46との組み合わせによりタッチ操作を受け付ける仮想的な押しボタン(タッチ操作が実行されるべき範囲に対応する領域)として機能する。つまり、終了選択肢57にタッチ操作が実行された場合には、撮影映像の表示が終了する。この終了は、映像領域51の表示される撮影映像の非表示により実現されてもよいが、一例として映像画面50の表示の終了により実現される。つまり、終了選択肢57へのタッチ操作に伴い、映像画面50の表示が終了する。なお、映像画面50はその他にも各種の選択肢等を適宜に含んでいてよいが、例えば撮影映像として録画映像が表示される場合にはそのような選択肢には録画映像の再生を早送り、巻き戻し、一時停止、或いは再開(再生の再開)を行うための各選択肢が含まれてもよい。
【0038】
図4は、賞金額を増額した視聴者(出資者)に付与される特典を説明するための説明図である。出資者(スポンサ)には、ゲームに関連する各種アイテムの付与等の適宜の有形(電子的な物を含む)の特典が付与されてもよいし、ゲームイベント或いは撮影映像への各種演出の付与等の適宜の無形の特典が付与されてもよい。また、このような無形の特典は、ゲームイベントの名称を命名できる権利等の各種の名誉権が含まれてもよい。このように出資者には適宜の特典が付与されてよいが、
図4の例では名誉権の一種として撮影映像に出資者の名称を表示する特典が付与される場合が示されている。この場合、
図4に示すように、撮影映像には、“A視聴者”、“D視聴者”等の出資者の名称が表示される。これらの撮影映像に表示されるべき出資者の情報(名称を含む)はセンターサーバ2からユーザ端末装置4に提供される。
【0039】
名称の表示は、出資額(増加額)にかかわらず一律に付与されてもよいが、一例として所定額以上の増額を行った視聴者にのみ付与される。また、出資者の名称は、視聴者の名称等、各種の規則に従って固定的に設定されてもよいが、一例として出資者によって任意に設定される。つまり、出資者の名称として、自己が自由に設定した名称が撮影映像に表示される。このような名称は、適宜の時期に表示されてよく、例えば撮影映像の途中において撮影映像に重なるように表示されてもよいが、一例として撮影映像の最後に表示される。
【0040】
図5は、映像データVDによって表示される撮影映像を説明するための説明図である。ゲームイベントは、一台のカメラ3によって撮影されてもよいし、複数のカメラによって撮影されてもよい。また、一台のカメラ3がゲームイベントを撮影する場合も、その一台のカメラ3がゲームイベントを最初から最後まで通して撮影してもよいし、ゲームイベントの一部、或いは複数の部分を取り出すようにその一部を撮影してもよい。このため、映像データVDも一つの撮影結果に対応する一つ撮影映像を表示するように構成されてもよいし、複数の撮影映像を表示するように構成されてもよい。つまり、一つのゲームイベントに対応する撮影映像として複数の撮影映像が用意されていてもよい。
図5の例は、映像データVDがゲームイベントの異なる部分に対応する複数の撮影映像を表示するように構成される場合を示している。この場合、
図5に示すように、映像データVDは、ゲームイベントの異なる複数の部分の撮影結果にそれぞれ対応する複数の映像データVD1~VD4を含んでいる。そして、これらの複数の映像データVD1~VD4の配信に伴い、複数の映像データVD1~VD4にそれぞれ対応する複数の撮影映像がユーザ端末装置4に表示される。
【0041】
具体的には、ゲームイベントはリーグ戦(総当たり戦)等の適宜の形式で実現されてよいが、
図5の例ではトーナメント形式により参加者Pがプレイ結果を競うタイプの大会として開催されている。また、トーナメント形式は参加者Pの数に応じて適宜の対戦数を含んでいてよいが、
図5の例では1回戦、2回戦、準決勝、及び決勝の計四つの回戦を含んでいる。そして、映像データVDは、これらの第1回戦を撮影した撮影結果に対応する第1映像データVD1、第2回戦を撮影した撮影結果に対応する第2映像データVD2、準決勝を撮影した撮影結果に対応する第3映像データVD3、及び決勝を撮影した撮影結果に対応する第4映像データVD4を含んでいる。
【0042】
各回戦は、例えば複数のカメラ3が適宜に切り替わるように撮影されてもよい。この場合、1回戦~準決勝までの複数の対戦を含む回戦では、一台、或いは複数のカメラ3がそれらの複数の対戦を網羅するように撮影してもよいし、各対戦をフォーカスするように対戦毎に撮影してもよい。同様の撮影は一台のカメラ3によって実現されてもよい。また、録画動画の場合、一台、或いは複数のカメラ3の撮影結果(更に適宜のゲーム画面を含んでいてもよい)が適宜に編集されていてもよい。このように四つの回戦は適宜の数のカメラ3を通じて適宜に撮影(或いは編集)されてよいが、一例として回戦毎に一つのカメラ3が全対戦を網羅するように撮影し、四つの映像データVD1~VD4はそれらの撮影結果に対応している。
【0043】
第1映像データVD1がユーザ端末装置4に配信される場合、その第1映像データVD1に基づく撮影映像として第1回戦の撮影結果に対応する第1映像が表示される。同様に、第2映像データVD2、第3映像データVD3、及び第4映像データVD4がそれぞれユーザ端末装置4に配信される場合には、それらに基づく撮影映像として第2回戦を撮影した撮影結果に対応する第2映像、準決勝を撮影した撮影結果に対応する第3映像、及び決勝を撮影した撮影結果に対応する第4映像がそれぞれユーザ端末装置4に表示される。
【0044】
また、これらの第1映像から第4映像はいずれも映像画面50を通じて表示されるが、いずれの映像画面50も増額選択肢54等の各種選択肢等を含んでいる。このため、これらのいずれの撮影映像に対応する映像画面50でも増額選択肢54、或いは減額選択肢55は選択され得る。これらの増額選択肢54等による増額等の結果は、適宜に管理されてよく、例えば撮影映像毎に管理されてもよいし、まとめて一つの増額として管理されてもよいが、いずれにしても同じ大会に関連づけられ、その大会の賞金として管理される。つまり、第1映像から第4映像のいずれの撮影映像に対応する映像画面50において増額選択肢54、或いは減額選択肢55が選択されても、それらは同じ大会に設定される賞金額に反映される。例えば、第1映像データVD1~第4映像データVD4の異なる別々の映像データVDに基づく第1映像~第4映像の別々の撮影映像のいずれにおいて増額選択肢54が選択されても、賞金データADの同じ大会の賞金額が増額される。減額選択肢55が選択される場合も同様である。
【0045】
図6は、賞金の募集期間と賞金額の確定との関係を説明するための説明図である。一例として上述のようにライブ映像の視聴中(配信中)において賞金の募集(賞金額の増額の募集)は実行されるが、賞金の募集はこのような視聴中(大会中)に限定されてもよいし、限定されなくてもよい。つまり、賞金の募集は、大会中、及びその前後の期間の適宜の時期に設定されてよい。
図6の例は、大会中、及び大会の前後の期間に賞金が募集される場合の賞金の募集期間と賞金額の確定との関係を示している。この場合、
図6に示すように、賞金の募集期間には、事前募集期間、大会中募集期間、第1事後募集期間、及び第2事後募集期間が形成される。そして、大会終了に伴い、事前募集期間、及び大会中募集期間に集まった賞金が終了時賞金額として確定され、大会における入賞者等の一部の参加者Pに分配される。一方、第1事後募集期間及び第2事後募集期間の事後募集期間に集まった賞金はそれぞれの募集期間の終了時に録画賞金額として確定され、同様に一部の参加者Pに分配される。
【0046】
具体的には、まず大会(ゲームイベント)の開始前に事前募集期間が設定される。その事前募集期間の募集開始時において大会に設定されている賞金額は初期賞金額である。初期賞金額には、その全てがスポンサの出資によって賄われるようにゼロ(換言すれば初期賞金額なし)が設定されてもよいが、一例として適宜の最低賞金額が設定される。また、事前募集期間における賞金額の増額は、適宜に実現されてよく、例えば特設のWebサイトに用意されたリンクにアクセスすることにより適宜の入力手順を通じて実現されてもよいが、一例として大会中と同様に映像画面50を通じて実現される。この場合、映像領域51には適宜の動画が表示されてよいが、一例としてゲームイベントを紹介する(盛り上げる)ための紹介動画が表示される。そして、そのような映像画面50における増額選択肢54、或いは減額選択肢55へのタッチ操作により初期賞金額(最低賞金額)が増額されたり減額されたりする。
【0047】
また、事前募集期間は大会開始(例えばライブ配信の開始)に伴い終了するが、そこから大会中募集期間が開始される。大会中募集期間における賞金の募集は上述のとおり映像画面50を通じて実現される。また、大会中募集期間は大会終了(例えばライブ配信の終了)まで継続するが、その大会中募集期間(換言すればライブ配信期間)に集まった賞金は、事前募集期間に集まった賞金と同様に初期賞金額に累積的に加えられ、いずれもライブ賞金額として管理される。そして、このようなライブ賞金額、つまり初期賞金額及び募集開始から大会終了までに集まった賞金(増額分)の累積額が大会終了時に終了時賞金額として確定され、ゲームイベントに参加した参加者Pのうち対象の参加者Pに分配される。
【0048】
対象の参加者Pは、適宜に設定されてよく、例えば優勝者のみ、各参加者P間に順位が設定される場合における適宜の範囲の入賞者、全参加者P、或いはその他の適宜の対象特定条件に基づいて特定される参加者Pであってよい。撮影映像が各回戦の対戦毎の撮影結果に対応する場合、例えばそのような対象特定条件として撮影映像の対戦において対戦を行っている二以上の参加者Pが特定されてもよい。同様に、対象の参加者Pが複数の場合、それらの各参加者Pに分配される賞金額(以下、個別賞金額と呼ぶ場合がある)も適宜に決定されてよいが、一例として分配条件に基づいて決定される。分配条件は、終了時賞金額(あるいはその後の各種の賞金額)を対象の参加者Pに分配するための条件である。分配条件は、適宜に設定されてよく、例えば一律、或いは傾斜型等の適宜の規則であってもよい。
【0049】
具体的には、例えば、適宜の範囲の入賞者に分配される場合、上位者ほど賞金額が多くなるように各順位に賞金額(あるいは分配割合)が設定され、そのような順位に応じた賞金額が個別賞金額として各参加者Pに分配されてもよい。この場合、そのような分配割合(規則)が分配条件として機能してよい。同様に、全参加者Pに賞金が分配される場合、順位等の適宜の条件に基づく分配割合に応じて傾斜型の分配(例えば入賞者には順位に応じた割合で分配され、その他の参加者Pには最低額が一律に分配される等)が実現されてもよいし、一律の分配が実現されてもよい。この場合、そのような一律、或いは分配割合に応じた分配を含む傾斜型の分配が分配条件として機能してよい。同様に、撮影映像毎に集まった賞金(増額分、或いは出資額)が管理され、撮影映像の対戦に対応する二以上の参加者Pに賞金が分配される場合も、一律、或いは例えば勝者が敗者よりも多い等の適宜の傾斜型等の適宜の分配条件により分配されてもよい。さらに、これらの分配は、終了時賞金額から所定の手数料等が減額された額に基づいて実行されてもよい。
【0050】
一方、大会の終了に伴い大会中募集期間は終了するが、その後に事後募集期間が開始される。この事後募集期間は大会終了後から適宜に開始されてよく、例えば特設のWebサイト(事前募集期間において使用されたものと同じであってもよいし、相違していてもよい)を通じて適宜に賞金を募集することにより大会終了の直後から開始されてもよいが、一例としてライブ映像の録画に対応する録画映像(ライブ映像に適宜に修正が追加された映像であってもよい)の配信開始とともに開始される。事後募集期間は所定期間の経過に伴い終了する一回の期間として設定されてもよいし、適宜に期間毎に区切られる複数の期間として設定されてもよい。また、事後募集期間が複数の期間を含む場合、そのような複数の期間として適宜の数の期間が設定されてよいが、
図6の例では第1事後募集期間、及び第2事後募集期間の二つの期間が示されている。
【0051】
第1事後募集期間は、大会終了後において例えば録画映像の配信開始とともに開始される事後募集期間(録画配信期間)である。第1事後募集期間においても適宜に賞金の募集が実現されてよいが、一例として録画映像を表示する映像画面50を通じて実現される。また、大会終了とともにライブ賞金額(大会終了までに累積した賞金額)は終了時賞金額として既に分配済(確定済み)であるため、第1事後募集期間では賞金額は録画賞金額として再度ゼロから累積(増額)される。そして、この録画賞金額は、第1事後募集期間の終了時(事後募集期間の第1期終了時)に第1録画賞金額として確定され、分配される。第2事後募集期間(あるいはそれ以降に事後募集期間が設定される場合)も同様である。このように大会中及び大会前だけでなく、大会後にも賞金の募集期間が設定される。また、大会中及び大会前の募集期間では賞金額が両期間を跨ぐように累積され、その累積された賞金額が大会終了時に一度分配されるが、大会後の募集期間では録画映像に基づいて賞金額が集められ、適宜の期間毎に各期間において集められた賞金の累積額が分配される。一例として、このような関係が賞金の募集期間と賞金額の確定との間に形成される。この例において、大会中募集期間、第1事後募集期間、及び第2事後募集期間が本発明の所定の期間として機能する。また、これらのうち大会中募集期間が本発明のイベントの開催期間として、第1事後募集期間、及び第2事後募集期間が本発明の終了後期間として、それぞれ機能する。
【0052】
次に、賞金データAD、及び大会データEDの詳細について説明する。
図7は、賞金データADの構成の一例を示す図である。各視聴者が増額(出資)した賞金額は個別に管理されず、全視聴者による累積額として管理されてもよいが、
図7の例は各視聴者の増額分が個別に管理される場合の賞金データADを示している。また、
図7の例は、賞金データADにより複数の大会(イベント)の賞金額が管理される場合を示している。この場合、
図7に示すように、賞金データADは、賞金額を大会(イベント)毎に管理する賞金レコードADRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、賞金レコードADRは、例えば“大会ID”、“映像ID”、“内容”、“初期賞金”、“ユーザID”、“増加賞金”、“分配済額”、及び“未分配額”の情報を含んでいる。
【0053】
“大会ID”は、複数の大会(イベント)の各大会を識別するために大会毎にユニークな大会IDを示す情報である。“映像ID”は、一つの大会に複数の撮影映像が存在する場合に、各撮影映像を識別するために撮影映像毎にユニークな映像IDを示す情報である。“内容”は、撮影映像の内容を示す情報である。このような情報は撮影映像の内容を示す適宜の情報を含んでいてよいが、例えば対戦毎にその対戦者に賞金が分配される場合にはその対戦を示す情報を含んでいる。“初期賞金”は、各大会に設定される初期賞金額(最低正賞金額)を示す情報である。“ユーザID”は、各視聴者(撮影映像を視聴するユーザ)を識別するために視聴者毎にユニークなユーザIDを示す情報である。“増加賞金”は初期賞金額から増加した増加分の賞金額を示す情報である。“増加賞金”には、増加分の賞金額として各視聴者の区別なく全視聴者の累積額を示す情報が記述されてもよいが、
図7の例では各視聴者の個別の増額分を示す情報が記述される。
【0054】
“分配済額”は、そのような増加分として対象の参加者Pに既に分配済の賞金額を示す情報である。一方、“未分配額”は、まだ分配されていない未分配の賞金額を示す情報である。“分配済額”、及び“未分配額”には、初期賞金額を含む額が記述されてもよく、この場合には各視聴者の区別なく全視聴者の累積額を示す情報が記述されてもよいが、一例として各視聴者の個別の増額分のうち分配済の賞金額、及び未分配の賞金額の情報がそれぞれ記述される。賞金レコードADRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において、分配済の賞金額、及び未分配の賞金額が本発明の付与済の賞金額、及び未付与の賞金額としてそれぞれ機能する。また、“初期賞金”“増加賞金”、“分配済額”、及び“未分配額”は、いずれも本発明のイベント賞金額として機能するが、これらの適宜の組み合わせ、或いは一部が本発明のイベント賞金額として機能してもよい。
【0055】
なお、賞金データADは、これらの情報に限定されず、各種の賞金管理(分配を含む)の要請に応じて適宜の情報を管理してよい。あるいは、これらの情報の一部が適宜に省略されてもよい。例えば、賞金の募集は適宜の単位で実行されてよく、例えば、各順位に設定される賞金として順位毎の賞金の増額が募集される(対象の順位の指定を含む等により増額選択肢54等を通じた増額が各順位に関連づけられるように実行される)場合、賞金データADはそのような順位毎の賞金額としての順位別賞金額の情報を含んでいてもよい。この場合、このような順位別賞金額に応じて各順位に対応する参加者Pの個別賞金額が決定されてよい。一方、例えば、各視聴者の増額分が個別に管理されない場合、“ユーザID”の情報が省略されてもよい。この場合、例えば“増加賞金”には全視聴者の累積額を示す情報が記述されてよい。同様に、例えば対戦毎にその対戦者にその対戦の撮影映像に関連づけられる増加賞金額が分配されない場合等、撮影映像の内容の管理が不要な場合、“内容”の情報は省略されてもよい。
【0056】
図8は、大会データEDの構成の一例を示す図である。大会データEDでは大会(ゲームイベント)における各種状況の情報が適宜に管理されてよいが、
図8の例は各参加者Pの成績が管理される場合を示している。このため、
図8の例は、各参加者Pの成績を管理する部分に対応する大会データEDを示している。また、
図8の例は、大会データEDにより複数の大会(イベント)における各参加者Pの成績が管理される場合を示している。この場合、
図8に示すように、大会データEDは、各参加者Pの成績を大会(イベント)毎に管理する大会レコードEDRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、大会レコードEDRは、例えば“大会ID”、“参加者ID”、“及び“成績”の情報を含んでいる。
【0057】
“大会ID”は、上述の大会IDを示す情報である。“参加者ID”は、各参加者P(各ゲーム機GMのユーザ)を識別するために参加者P毎にユニークな参加者IDを示す情報である。このような参加者IDは、イベント用のユーザ名、又はイベントに限定されたイベント用のユーザ番号であってもよい。あるいは、各ゲーム機GMのプレイにおいてユーザID(イベントに限定されず、各ユーザUを識別するID)が使用される場合には、そのようなユーザIDが使用されてもよい。“成績”は、各参加者Pの成績を示す情報である。この成績にはゲームイベントにおける各種の成績が含まれてよいが、例えば
図5の例におけるトーナメント形式のイベントの場合には各回戦を識別する情報、各回戦における対戦を識別する情報、その対戦における勝敗を示す情報、及び順位を示す情報を含んでいる。大会レコードEDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、大会データEDは、これらの情報に限定されず、大会に生じ得る各種の状況の要請に応じて適宜の情報を管理してよい。あるいは、これらの情報の一部が適宜に省略されてもよい。
【0058】
次に、
図9~
図13を参照して、賞金増額処理、増額取消処理、賞金決定処理、賞金提示処理、及び特典付与処理について説明する。賞金増額処理は、スポンサの出資に応じて大会に設定される賞金を増額するための処理である。端末用サービス管理部25は、ユーザ端末装置4を介して賞金の増額が指示される(例えば映像画面50において増額選択肢54の選択を通じて賞金の増額が指示される)毎に
図9の賞金増額処理を開始し、まずユーザ端末装置4から提供される増額結果を取得する(ステップS101)。ユーザ端末装置4を介して例えば任意の金額等の適宜の増額指示が入力されてよいが、一例として増額選択肢54に対する一度のタッチ操作により固定額の増額が実現される。このため、増額選択肢54へのタッチ操作を通じて指示された増額の回数(口数)、及びその回数に固定額を積算した金額の少なくともいずいれか一方がユーザ端末装置4から増額結果として提供されてよいが、一例として端末用サービス管理部25は増額の回数を増額結果として取得する。また、映像画面50はユーザ端末装置4においてWebサイトを表示するためのアプリケーション(ソフトウエア)、或いは撮影映像を視聴するための専用のアプリケーション(以下、アプリ)等の適宜のアプリを通じて視聴されてよいが、一例として撮影映像の視聴、或いは増額選択肢54の選択にユーザIDの入力を要求するように提供される。ユーザ端末装置4は、そのような視聴者(増加の回数を指示した視聴者)のユーザIDを同様に増加結果として端末用サービス管理部25に提供する。
【0059】
続いて端末用サービス管理部25は、ステップS101で取得した増額結果を反映するように賞金データADを更新する(ステップS102)。具体的には、端末用サービス管理部25は、まずステップS101で取得した増額の回数に固定額を積算し、増加金額を算出する。そして、端末用サービス管理部25は、その増加金額をその増加金額を指示した視聴者の“増加賞金”の情報に反映する。つまり、端末用サービス管理部25は、その視聴者の個別の増加金額(増額)を、今回の増加金額を加算した金額に増額するように賞金データADの“増加賞金”の情報を更新する。そして、この更新の後に端末用サービス管理部25は今回の賞金増額処理を終了する。これにより、大会を撮影した撮影映像を視聴する視聴者がスポンサとして機能するように、その視聴者による出資(賞金の増額)が受け付けられ、大会の賞金に実際に反映される。また、そのような賞金の増額は視聴者毎に個別に管理される。
【0060】
増額取消処理は、大会の賞金が増額されている場合にその増額を取り消す(減額する)ための処理である。端末用サービス管理部25は、ユーザ端末装置4を介して増額の取消が指示される(例えば映像画面50において減額選択肢55の選択を通じて賞金の減額が指示される)毎に
図10の増額取消処理を開始し、まずユーザ端末装置4から提供される取消指示を取得する(ステップS201)。ユーザ端末装置4を介して例えば任意の金額等の適宜の取消(減額)指示が入力されてよいが、一例として減額選択肢55に対する一度のタッチ操作により固定額の減額が実現される。このため、減額選択肢55へのタッチ操作を通じて指示された減額の回数(口数)、及びその回数に固定額を積算した金額の少なくともいずいれか一方がユーザ端末装置4から取消指示として提供されてよいが、一例として端末用サービス管理部25は減額の回数を取消指示として取得する。また、増額選択肢54の場合と同様に、映像画面50は、その視聴、或いは減額選択肢55の選択にユーザIDの入力を要求するように構成される。ユーザ端末装置4は、そのような視聴者(減額の回数を指示した視聴者)のユーザIDを同様に取消指示として端末用サービス管理部25に提供する。
【0061】
続いて端末用サービス管理部25は、ステップS201の取消指示が取消条件を満たすか否か判別する(ステップS202)。賞金額の減額は、その減額を指示した視聴者がそれ以前に賞金額を増額している場合にその増額分まで許容される。換言すれば、賞金の増額を行っていない視聴者には賞金額の減額は許可されない。また、減額選択肢55を通じた減額は、一例として上述のように賞金額の増額を行った撮影映像の視聴中のみに制限される。つまり、増額分の減額には時期的な条件が設定される。取消条件は、その他にも適宜の条件が採用されてよいが、一例としてこれらの取消指示の視聴者が増額を行っており、かつ時期的な条件を満たす(増額を行った撮影映像の視聴中に減額が指示されている)場合に満たされる。減額指示が取消条件を満たさない場合、つまりそれ以前に増額が指示されていないか、指示されていても時期的な条件を満たさない(増額を行った撮影映像の視聴後等の視聴中以外に減額が指示されている)場合、端末用サービス管理部25は以降の処理をスキップして、今回の増額取消処理を終了する。この場合、端末用サービス管理部25は減額不許可等を示す情報をユーザ端末装置4に提供してよい。
【0062】
一方、減額指示が取消条件を満たす(それ以前に増額が指示されており、かつ今回の取消指示が時期的な条件も満たす)場合、端末用サービス管理部25は取消額を特定する(ステップS203)。具体的には、端末用サービス管理部25は、ステップS201で取得した減額の回数に固定額を積算し、減算金額を算出する。そして、端末用サービス管理部25は、この減算金額を今回の取消額として特定する。続いて端末用サービス管理部25は、その取消額を反映するように賞金データADを更新する(ステップS204)。具体的には、端末用サービス管理部25は、ステップS203で特定した取消額(減算金額)をその減額を指示した視聴者の“増加賞金”の情報に反映する。つまり、端末用サービス管理部25は、その視聴者の個別の増加金額(増額)を、そこから今回の減算金額を減算した金額に減算するように賞金データADの“増加賞金”の情報を更新する。そして、この更新の後に端末用サービス管理部25は今回の賞金増額処理を終了する。これにより、賞金が増額されている場合においてその増額分の取消(減算)が実現される。また、そのような取消が、その増額を行った撮影映像の視聴中に制限される。
【0063】
賞金決定処理は、大会の参加者Pに分配されるべき賞金を決定するための処理である。端末用サービス管理部25は、大会中募集期間、或いは事後募集期間等の所定の募集期間の終了毎に
図11の賞金決定処理を開始し、まず所定の募集期間の終了時における賞金額を取得する(ステップS301)。この取得は、賞金データADの“初期金額”、“増加賞金”、“分配済額”、及び“未分配額”の情報に基づいて実現される。具体的には、端末用サービス管理部25は、所定の募集期間の終了毎にまず賞金データADの“増加賞金”、及び“分配済額”の情報を参照し、分配済賞金額が視聴者毎の増加賞金額の累計としての総増加賞金額よりも大きいか否か判別する。分配済賞金額の方が総増加賞金額よりも小さい場合(例えば分配済賞金額がゼロの場合)、ライブ賞金額が未分配と判別される。このため、端末用サービス管理部25は、“初期金額”の情報を更に参照し、初期賞金額及び総増加賞金額の合算を今回の賞金額(ライブ賞金額)として取得する。
【0064】
一方、分配済賞金額の方が総増加賞金額よりも大きい場合、ライブ賞金額は分配済と判別される。このため、端末用サービス管理部25は、“未分配額”を更に参照し、視聴者毎の未分配額の累計としての総未分配額を算出し、その総未分配額を今回の賞金額(録画賞金額)として取得する。また、端末用サービス管理部25は、同様の判別を募集期間に応じて実現してもよい。具体的には、例えば、端末用サービス管理部25は、大会中募集期間の終了時であれば初期賞金額及び総増加賞金額の合算を、第1事後募集期間等の事後募集期間の終了時であれば総未分配額を、それぞれ同様に今回の賞金額として取得してよい。さらに、端末用サービス管理部25は、順位別賞金額が管理される場合も同様に順位別賞金額のうち未分配の賞金額を今回の賞金額として取得する。
【0065】
続いて端末用サービス管理部25は、大会の結果を取得する(ステップS302)。大会の結果は、管理者等の手入力等により適宜に提供されてもよいが、一例として大会データEDによって管理される。このため、端末用サービス管理部25は、大会データEDを参照して、大会の結果を取得する。また、端末用サービス管理部25は、大会の結果として適宜の情報を取得してよいが、一例として各参加者Pの成績を取得する。このため、端末用サービス管理部25は、大会データEDの“成績”の情報を参照し、各参加者Pの成績を大会の結果として取得する。
【0066】
次に端末用サービス管理部25は、賞金額が分配されるべき参加者Pを特定する(ステップS303)。分配対象の参加者Pは上述のように適宜に設定されてよく、端末用サービス管理部25はそのような設定に応じて対象の参加者Pを特定する。例えば、分配対象の参加者Pが上位入賞者の場合は、各参加者Pの成績を参照し、上位入賞者に対応する参加者Pを分配対象の参加者Pとして特定する。あるいは、各対戦を行う二以上の参加者Pにその対戦に対応する撮影映像において指示された増額分が分配される場合、端末用サービス管理部25は、各参加者Pの成績(より具体的にはそこに含まれる対戦の情報)を参照し、各対戦を行う二以上の参加者Pを分配対象の参加者Pとして特定する。
【0067】
続いて端末用サービス管理部25は、ステップS303で特定した分配対象の参加者Pに分配されるべき分配額(個別賞金額)を決定する(ステップS304)。この分配は、ステップS301で取得した賞金額をステップS303で特定した分配対象の参加者Pに分配することにより実現される。具体的には、例えば入賞の順位毎に分配割合が設定されている場合、端末用サービス管理部25は未分配額における各順位の割合に対応する金額を算出し、その算出した金額を各順位に対応する参加者Pの分配額として決定する。あるいは、順位毎に増額が指示される場合、端末用サービス管理部25は、その順位に設定される順位別賞金額の未分配の賞金額をその順位に対応する参加者Pの個別賞金額として決定する。また、例えば各対戦を行う二以上の参加者Pにその対戦に対応する撮影映像において指示された増額分が一律に分配される場合、端末用サービス管理部25は撮影映像毎の未分配額をその撮影映像に対応する二以上の参加者Pに一律に分配し、その分配した金額をその二以上の参加者Pの個別賞金額として決定する。そして、このような決定の後に端末用サービス管理部25は今回の賞金決定処理を終了する。
【0068】
図11の手順により、所定の募集期間毎に賞金額が確定され、その賞金額に基づいて対象の参加者Pに個別賞金額として分配(付与)されるべき分配額が決定される。なお、この処理によって決定された分配額は適宜に修正等され、確定されてもよい。また、決定された分配額(あるいは修正後の分配額)の実際の分配は、適宜に実現されてよく、例えば各参加者Pへの支払いを実現する決済システム等に接続される場合には、そのようなシステムに分配額が提供され、実際の支払いまで実現されてもよい。
【0069】
賞金提示処理は、所定の募集期間において集まった賞金額を提示するための処理である。賞金額の提示は、適宜に実行されてよいが、一例として映像画面50を通じてその視聴者に提供される。
図12の例は、このような映像画面50を通じた提供を実現する場合の賞金提示処理を示している。この場合、端末用サービス管理部25は、映像画面50における賞金提示欄56の更新条件が満たされる(例えば映像画面50の表示開始時、或いは大会の賞金額、つまり賞金データADの“増加額”が更新された場合に満たされる)毎に
図12の賞金提示処理を開始し、まず賞金データADを取得する(ステップS401)。
【0070】
続いて端末用サービス管理部25は、ステップS401で取得した賞金データADを参照し、映像画面50の賞金提示欄56に提示されるべき賞金額を特定する(ステップS402)。賞金提示欄56には、賞金額の情報が適宜に提示されてよく、例えば初期賞金額及び総増加賞金額の合算額の情報だけが提示されてもよいが、一例としてこれらが区別されるように、総増加賞金額、及び初期賞金額情報の情報が別々に提示される。このため、端末用サービス管理部25は、賞金データADの“初期賞金”、及び“増加賞金”の情報を参照し、初期賞金額及び総増加賞金額(視聴者毎の増加賞金額でもよい)を賞金額として特定する。
【0071】
次に端末用サービス管理部25は、ステップS402で特定した賞金額をユーザ端末装置4に提供する(ステップS403)。より具体的には、端末用サービス管理部25は、映像画面50の賞金提示欄56に総増加賞金額及び初期賞金額の合算額と初期賞金額とが別々に提示されるように、ユーザ端末装置4に初期賞金額及び総増加賞金額の情報を提供する。そして、このような提供の後に端末用サービス管理部25は今回の賞金提示処理を終了する。これにより、映像画面50の賞金提示欄56を通じて、その映像画面50に表示される撮影映像の大会に設定される最新の賞金額(総増加賞金額及び初期賞金額の合算額)が初期賞金額と区別されて把握されるように視聴者に提供される。
【0072】
特典付与処理は、大会の賞金を増額した視聴者(スポンサ)に特典を付与するための処理である。このような特典として各種の特典が適宜に利用されてよいが、
図13の例は撮影映像の最後にスポンサ名を表示する特典を付与する場合の特典付与処理である。また、このような特典は、大会の賞金を増額した全視聴者に同様に或いは適宜の差を生じさせつつ付与されてもよいが、一例として特典条件を満たす視聴者(スポンサ)に一様に付与される。この場合、端末用サービス管理部25は、所定の表示時期(例えばスポンサ名を表示すべき時期)が到来する毎(あるいは録画映像の編集時において所定の特典付与指示が実行される毎でもよい)に
図13の特典付与処理を開始し、まず賞金データADを取得する(ステップS501)。
【0073】
続いて端末用サービス管理部25は、特典条件を満たす視聴者(スポンサ)が存在するか否か判別する(ステップS502)。特典条件として適宜の条件が利用されてよいが、一例として増額が所定額以上の場合に満たされる条件が採用される。このため、端末用サービス管理部25は、ステップS501で取得した賞金データADの“ユーザID”及び“増加賞金”の情報(事後募集期間においては“未分配額”の情報)を参照し、所定額以上の増額(出資)を行った視聴者が存在するか否か判別する。特典条件が満たされない場合、つまり所定額以上の増額(出資)を行った視聴者が存在しない場合、端末用サービス管理部25は以降の処理をスキップして今回の特典付与処理を終了する。
【0074】
一方、特典条件が満たされる場合、つまり所定額以上の増額(出資)を行った視聴者が存在する場合、端末用サービス管理部25は対象の視聴者、つまり特典条件を満たす視聴者を特定する(ステップS503)。続いて端末用サービス管理部25は、ステップS503で特定した対象の視聴者に特典を付与する(ステップS504)。具体的には、端末用サービス管理部25は、ステップS503で特定した対象の視聴者を示す名称(視聴者の名前だけでなく、任意に設定された名称でよい)が撮影映像の最後(例えばエンドロール部分)に表示されるように、ユーザ端末装置4にその視聴者の名称を示す情報を提供する。あるいは、録画映像の編集の場合、端末用サービス管理部25は、そのような名称が付加されるように映像データVDを編集する。そして、このような特典の付与の後に端末用サービス管理部25は今回の特典付与処理を終了する。これにより、賞金額を所定額以上増額した視聴者に特典が付与される。より具体的には、そのような視聴者の名称がスポンサ名として撮影映像の最後に表示される。
【0075】
以上に説明したように、この形態によれば、ゲームイベントを撮影した撮影映像が配信されるユーザ端末装置4においてその撮影映像の視聴用に表示される映像画面50の増額選択肢54が選択された場合に、ゲームイベントに設定される賞金額が増額される。そして、その増額後の賞金額に基づいて大会中募集期間等の適宜の期間の終了時にゲームイベントの入賞者等の対象の参加者Pに付与されるべき賞金としての個別賞金額が決定される。つまり、対象の参加者Pの個別賞金額がユーザ端末装置4における増額選択肢54の選択(タッチ操作)に応じて増加する。これにより、撮影映像として配信されるゲームイベントにおいてその参加者Pのゲームイベントへのモチベーションを向上させることができる。特に、ゲームイベントが複数の参加者P間において結果を競うタイプの大会として開催される場合、一般的にその大会の入賞者において賞金額が分配されるが、いずれの参加者Pにも入賞の可能性があるため、全参加者Pのモチベーションの向上を図ることができる。結果として、ゲームイベント全体の盛り上げに寄与することができる。
【0076】
また、一般的にそのような大会の賞金額は事前に決まるものであり、その大会の内容に影響されないが、実際の大会の内容は予測不能であり、賞金額以上の価値があると視聴者(あるいは観客PA)に判断される場合もあれば、賞金額以下の価値しかないと判断される場合もある。一方で、視聴者を大会のスポンサ(賞金額への出資者)として機能させることにより、賞金額に出来高に相当する可変的賞金部分を設けることができ、大会の内容(価値)を実際の賞金額に反映することができる。
【0077】
同様に、各種イベントは一般的にライブで見る方が高い満足感が得られるが、ライブで見られない視聴者(或いは観客PA)も当然生じ得る。一方で、ゲームイベントの後にも録画映像が配信される場合、このような視聴者等にもゲームイベントの視聴機会を提供することができる。そして、そのような視聴機会に事後募集期間を設定することにより、録画映像の視聴者にも賞金額の増額を通じてゲームイベントを評価したり、スポンサとして応援したりする機会を与えることができる。また、イベントの賞金額は一般的にイベントの終了時に確定し、分配される場合が多いが、このような事後募集期間が設定される場合、ゲームイベントの終了後にも賞金額が増額され、その増額分に応じて個別賞金額が決定される。このため、個別賞金額がイベントの終了時に確定する場合に比べて、個別賞金額を増やすことができる。これにより、ゲームイベントの参加者Pのモチベーションを更に向上させることができる。
【0078】
また、賞金額の増額は適宜の単位で実現されてよく、順位別賞金額の単位で増額されてもよいし、撮影映像に対応する対戦の単位で増額されてもよいが、対戦の単位で増額される場合、価値のある対戦を行った参加者Pにその価値に見合った個別賞金額を分配することができる。例えば、トーナメント形式の大会においては組み合わせ次第(あるいは展開次第)で、決勝よりも1回戦等の予選の対戦に最も価値のある(見応えのある、あるいは感動する等)対戦が実現される場合も少なくない。対戦の単位の増額、及び分配を通じて、そのような価値のある対戦(撮影映像)の参加者Pにも個別賞金額の増額を行うことができる。結果として、そのような増額により価値のある撮影映像(対戦)に報いることができるので、ひいてはゲームイベント全体の盛り上げを図ることができる。さらに、賞金額を増額した視聴者にスポンサ名の表示等の特典が付与される場合、そのような特典を利用して、賞金額の増額の促進を図ることができる。結果として、賞金額の増額、参加者のモチベーションの向上、及びゲームイベントの盛り上げの相乗効果を図ることができる。
【0079】
以上の形態において、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、
図9のステップS102の処理を実行することにより本発明の賞金増額手段として機能する。また、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、
図11のステップS304の処理を実行することにより本発明の賞金決定手段として機能する。同様に、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、
図10のステップS204の処理を実行することにより本発明の賞金減額手段として機能する。また、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、
図13のステップS504の処理を実行することにより本発明の特典付与手段として機能する。同様に、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、
図12のステップS403の処理を実行することにより本発明の情報提供手段として機能する。一方、センターサーバ2の記憶部22が、賞金データADを記憶することにより本発明のデータ記憶手段として機能する。
【0080】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、ユーザ端末装置4には動画配信サービスを通じてカメラ3が撮影した撮影映像が配信されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。映像配信システム1は、動画配信サービスを通じて、ゲームイベントの各種の状況を記録した映像(以下、記録映像と呼ぶ場合がある)を適宜に配信してよい。上述の撮影映像もゲームイベントの状況をカメラ3で記録した映像であるから記録映像の一種と言えるが、このような記録映像には、例えばその他にも上述のゲーム画面(ゲーム機GMに表示されるゲーム画面のキャプチャに対応するゲーム画面、及びリプレイデータに基づいて再現されるゲーム画面の両方を含む)が含まれる。つまり、映像配信システム1は、動画配信サービスを通じて、このようなゲーム画面により構成される動画(適宜に撮影映像を含んでいてもよいが、ゲーム画面のみ、或いはゲーム画面に解説等の各種音声が追加された映像でもよい)、及び上述の撮影映像を含む各種の記録映像を適宜に配信してよい。そして、このような記録映像に対して上述のスポンサーサービスを含む各種の映像関連サービスが提供されてよい。また、上述の形態では、イベントとしてゲームイベントがイベント会場EFにおいて開催されている。しかし、イベントはゲームイベントに限定されない。例えば、イベントとして、ゲームイベントのような大会ではなく、演劇の上映等の単なる催し物がイベント会場EFにおいて開催されてもよい。
【0081】
また、上述の形態では、映像配信システム1にはカメラ3が含まれている。しかし、本発明のこのような形態に限定されない。例えば、ライブ映像の配信は省略され、録画映像の配信だけが実行されてもよく、この場合において録画映像は適宜に用意されてよい。このため、本発明の映像配信システムでは、カメラ3は省略されてもよい。同様に、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をイベントシステム、ゲーム機GM、或いはユーザ端末装置4等の他のシステム(あるいは装置)が適宜に実行してもよい。つまり、本発明の映像配信システムは、各種の他のシステムを適宜に含んでいてもよい。一方で、センターサーバ2のみが本発明の映像配信システムとして機能してもよいし、イベントシステム、ゲーム機GM、或いはユーザ端末装置4等の適宜の他のシステムのみが本発明の映像配信システムとして機能してもよい。
【0082】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0083】
本発明の映像配信システムは、各ユーザが使用するユーザ端末装置(4)にネットワーク(NT)を介して接続され、複数の参加者(P)が参加するイベントの状況を記録した映像としての記録映像を前記ユーザ端末装置に配信する映像配信システム(1)であって、前記記録映像と前記イベントに設定される賞金としてのイベント賞金額とが関連づけられるように記述された賞金データ(AD)を記憶するデータ記憶手段(22)と、前記ユーザ端末装置を介して各ユーザによって前記記録映像に関連づけられるように実行される供与行為に応じて前記イベント賞金額を増額する賞金増額手段(25)と、所定の期間の終了時における前記イベント賞金額に基づいて前記複数の参加者の少なくとも一部の参加者に付与されるべき賞金としての個別賞金額を決定する賞金決定手段(25)と、を備えるものである。
【0084】
本発明によれば、イベントを撮影した記録映像が配信されるユーザ端末において供与行為が実行された場合に、そのイベントに設定されるイベント賞金額が増額される。そして、そのイベント賞金額に基づいて所定の期間の終了時にイベントの少なくとも一部の参加者に付与されるべき賞金としての個別賞金額が決定される。つまり、少なくとも一部の参加者の個別賞金額がユーザ端末における供与行為に応じて増加する。これにより、記録映像として配信されるイベントにおいてその参加者のイベントへのモチベーションを向上させることができる。特に、複数の参加者間において結果を競うタイプの大会がイベントとして開催される場合、一般的にその大会の入賞者においてイベント賞金額が分配されるが、いずれの参加者にも入賞の可能性があるため、全参加者のモチベーションの上昇を図ることができる。結果として、大会全体の盛り上げに寄与することができる。
【0085】
所定の期間は、イベント中、及びその前後に適宜に設定されてよい。例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記賞金決定手段は、前記所定の期間として少なくとも前記イベントの開催期間が利用される場合に当該イベントの終了時における前記イベント賞金額に基づいて前記個別賞金額を決定してもよい。また、本発明の映像配信システムの一態様において、前記賞金データには、前記所定の期間として前記イベントの終了後の終了後期間が利用される場合に、前記個別賞金額として付与済みの賞金額と、未付与の賞金額とが区別されるように、前記付与済みの賞金額及び前記未付与の賞金額が前記イベント賞金額として記述され、前記賞金増額手段は、前記イベントの終了後に実行される前記供与行為に応じて前記イベント賞金額として前記未付与の賞金額を増加し、前記賞金決定手段は、前記終了後期間の終了時における前記未付与の賞金額に基づいて前記個別賞金額を決定してもよい。イベントの賞金は一般的にイベントの終了時に確定し、分配される場合が多いが、この場合、イベントの終了後にもイベント賞金額が増額され、その増額分に応じて個別賞金額が決定される。このため、個別賞金額がイベントの終了時に確定する場合に比べて、個別賞金額を増やすことができる。これにより、参加者のモチベーションを更に向上させることができる。
【0086】
供与行為に基づくイベント賞金額の増加分は取消可能であっても、不可であってもよい。また、そのような取消には、制限があっても、なくてもよい。例えば、本発明の映像配信システムの一態様として、前記供与行為を実行したユーザとしての供与ユーザによって前記ユーザ端末装置を介して実行される取消行為に基づいて前記供与ユーザの前記供与行為に応じて増加した増加分を前記イベント賞金額から減額する賞金減額手段(25)を備える態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記賞金減額手段は、前記記録映像の視聴中に実行された前記供与行為に基づく前記増加分の減額を、当該供与行為が実行された前記記録映像の視聴中に制限してもよい。
【0087】
イベントとして各種のイベントが適宜に採用されてよい。例えば、イベントは結果を競うタイプの大会であっても、そのような結果を競わないタイプの催し物(例えば演劇等)であってもよい。また、記録映像は、このような各種のイベントを適宜に撮影した撮影結果として構成されてよく、例えば一つの記録映像であっても、複数の記録映像であってもよい。同様に、各記録映像は、複数の撮影結果の組み合わせにより構成されても、一つの撮影結果のみによって構成されてもよい。さらに、これらは適宜に編集されていていてもよい。例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記イベントは、前記複数の参加者間において対戦結果を競う大会として開催され、前記複数の参加者間の対戦として複数の対戦を含み、前記記録映像は、前記複数の対戦にそれぞれ対応する複数の記録映像を含み、前記賞金データには、前記イベント賞金額が前記複数の記録映像に関連づけられるように記述され、前記賞金増額手段は、前記複数の記録映像のいずれかに関連づけられるように実行される前記供与行為に応じて前記イベント賞金額を増額してもよい。
【0088】
賞金額の増額は適宜に管理されてよい。例えば、イベント単位でまとめて管理されてもよいし、記録映像毎に管理されてもよい。あるいは、参加者間に順位付けが行われるイベントの場合、順位に対して増額が実行され、順位毎に賞金額が管理されてもよい。この場合、順位毎の賞金額がその順位の参加者の個別賞金額として決定されてもよい。具体的には、例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記イベントは、前記複数の参加者間において対戦結果を競う大会として前記複数の参加者間において順位を決定するように開催され、前記賞金データには、前記記録映像と各順位に設定される賞金としての順位別賞金額とが関連づけられるように記述され、前記賞金増額手段は、前記大会の各順位と関連づけられるように実行された前記供与行為に応じて、当該共与行為に関連づけられる順位に対応する前記順位別賞金額を増額し、前記賞金決定手段は、前記大会の各順位に対応する参加者が前記一部の参加者として機能するように、前記順位別賞金額に応じて各順位に対応する参加者の前記個別賞金額を決定してもよい。
【0089】
同様に、例えば、大会がイベントとして開催される態様において、前記賞金データには、前記複数の記録映像の各記録映像に個別に設定される対戦賞金額が前記イベント賞金額として各記録映像と関連づけられるように記述され、前記賞金増額手段は、前記供与行為に応じて当該共与行為に関連づけられる記録映像の前記対戦賞金額を増額し、前記賞金決定手段は、各記録映像において対戦する二以上の参加者(P)が前記一部の参加者として機能するように、各記録映像の前記対戦賞金額に応じて前記二以上の参加者の各参加者に付与されるべき前記個別賞金額を決定してもよい。例えばトーナメント形式の大会においては、決勝よりも1回戦等の予選に最も価値のある(見応えのある、あるいは感動する等)対戦が実現される場合も少なくないが、この態様ではそのような価値のある対戦(記録映像)の参加者にも賞金を付与することができる。結果として、価値のあるイベント内容に報いることができるので、ひいてはイベント全体の盛り上げを図ることができる。
【0090】
供与行為を実行したユーザには、適宜の特典が付与されてもよい(なお、賞金の増額は記録映像を視聴した対価と捉えることができるため、付与されなくてもよい)。例えば、このような特典として、イベント、或いは記録映像への各種演出の付加が利用されてもよい。あるいは、特典として、イベントの名称を命名する命名権、或いは記録映像に供与行為を実行したユーザを示す名称を表示する権利等が適宜に付与されてよい。具体的には、例えば、本発明の映像配信システムの一態様として、前記供与行為を実行したユーザとしての供与ユーザに前記イベントに関連する特典を付与する特典付与手段(25)を備える態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記特典付与手段は、前記供与ユーザによって設定される名称が前記特典として前記記録映像に付加されるように、前記ユーザ端末装置に前記名称の情報を提供してもよい。これらの場合、特典を利用して、供与行為の促進を図ることができる。
【0091】
イベント賞金額は、ユーザ端末を介して記録映像を視聴するユーザに提供されなくてもよいし、適宜に提供されてもよい。例えば、本発明の映像配信システムの一態様として、前記記録映像に前記イベント賞金額の情報が付加されるように当該イベント賞金額の情報を前記ユーザ端末装置に提供する情報提供手段(25)を備える態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記賞金データには、前記イベントに初期に設定される初期賞金額、及び前記供与行為に伴い当該初期賞金額から増加した分の増加賞金額が前記イベント賞金額として前記記録映像と関連づけられるように記述され、前記情報提供手段は、前記イベント賞金額の情報として前記初期賞金額、及び前記増加賞金額が別々に前記記録映像に表示されるように、前記初期賞金額、及び前記増加賞金額の情報を前記ユーザ端末装置に提供する態様が採用されてもよい。
【0092】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ユーザ端末装置に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータ(21)を、上述の映像配信システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0093】
また、本発明の制御方法は、各ユーザが使用するユーザ端末装置(4)にネットワーク(NT)を介して接続され、複数の参加者(P)が参加するイベントの状況を記録した映像としての記録映像を前記ユーザ端末装置に配信する映像配信システム(1)であって、前記記録映像と前記イベントに設定される賞金としてのイベント賞金額とが関連づけられるように記述された賞金データ(AD)を記憶するデータ記憶手段(22)を備える映像配信システム(1)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記ユーザ端末装置を介して各ユーザによって前記記録映像に関連づけられるように実行される供与行為に応じて前記イベント賞金額を増額する賞金増額手順と、所定の期間の終了時における前記イベント賞金額に基づいて前記複数の参加者の少なくとも一部の参加者に付与されるべき賞金としての個別賞金額を決定する賞金決定手順と、を実行させるものである。これらのコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明の映像配信システムを実現することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 映像配信システム
2 センターサーバ
4 ユーザ端末装置
21 制御ユニット(コンピュータ)
22 記憶部(データ記憶手段)
25 端末用サービス管理部(賞金増額手段、賞金決定手段、賞金減額手段、特典付与手段、情報提供手段)
P 参加者
AD 賞金データ
NT ネットワーク
PG1 プログラム(コンピュータプログラム)