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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/317 20210101AFI20240909BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20240909BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20240909BHJP
   H01M 50/325 20210101ALI20240909BHJP
【FI】
H01M50/317 101
H01M50/105
H01M50/35 101
H01M50/325
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022575823
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 KR2020016181
(87)【国際公開番号】W WO2021256629
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0072596
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フン・ヒ・イム
(72)【発明者】
【氏名】サン・フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ヒョン・カン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・キョン・ユ
【審査官】吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-179442(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0232236(US,A1)
【文献】国際公開第2006/098242(WO,A1)
【文献】特開2010-287451(JP,A)
【文献】国際公開第2020/080325(WO,A1)
【文献】特開2019-207782(JP,A)
【文献】特表2020-509553(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0050207(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30 - 50/392
H01M 50/00 - 50/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁に形成されたシール部が密封されて電極組立体および電解液が封入されるパウチを備えた二次電池であって、
一端は前記パウチの内部に位置し、他端は前記パウチの外部に位置するようにシール部に取り付けられ、前記パウチの内部で生成されたガスを外部に排出可能なバルブを含み、
前記バルブは、内部に接着剤が充填され、膨れの発生時に変形する材料から製造された内側チューブを含み、
膨れが発生して前記パウチ内部の圧力が上昇すると、前記接着剤が充填された部分で間隙が発生し、前記間隙を通して前記パウチ内部のガスが外部に排出され
前記バルブは、
一端は前記パウチの内部に位置し、他端は前記パウチの外部に位置するように前記シール部に取り付けられた外側チューブであって、前記内側チューブが長さ方向に沿って挿入されている外側チューブを含み、
前記外側チューブと前記内側チューブとの間で密閉された空間であるチャンバが形成されるように、前記外側チューブと前記内側チューブは、それぞれの両側終端において互いに連結されて密封され、
前記内側チューブは、前記外側チューブ内で変形することを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記外側チューブは、膨れの発生時にも変形しない材料から製造され、膨れが発生して前記パウチ内部の圧力が上昇すると、前記チャンバの体積が収縮するように前記内側チューブが変形することを特徴とする、請求項に記載の二次電池。
【請求項3】
前記外側チューブと前記内側チューブは、前記パウチに含まれた材料であるポリプロピレンから製造され、前記外側チューブは、前記内側チューブに比べて、相対的に延性が低く且つ剛性が高く、前記内側チューブは、前記外側チューブに比べて、相対的に延性が高く且つ剛性が低いことを特徴とする、請求項に記載の二次電池。
【請求項4】
前記チャンバ内には、気体窒素(N2)が注入されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記外側チューブと前記内側チューブは、円形または楕円形の横断面を有するように製造されることを特徴とする、請求項2~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記接着剤は、エポキシバインダー(epoxy binder)を含有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記接着剤は、アクリルバインダー(acrylate binder)を含有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記内側チューブ内には、フックアンドループファスナー(hook-and-loop fastener)方式で物理的に締結されるように、互いに対向する一側面と他側面それぞれに複数のフックが設けられることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記内側チューブ内に形成された間隙は、ガス排出以後に再び埋められることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記バルブは、電極組立体から引き出されて前記パウチの外部に突出する電極リードと平行に配置されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の二次電池が複数結合されて構成された二次電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月15日付けの韓国特許出願第10-2020-0072596号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、パウチ内に電極組立体および電解液が内蔵される二次電池に関し、より詳しくは、パウチ内にガスが生成されると、前記ガスを外部に排出可能なバルブを備えたパウチ型二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
携帯機器および電気自動車分野などにおいて、高効率の二次電池に対する需要が急激に増加している。このような二次電池の中でも、エネルギー密度が高く、相対的に高電圧が維持可能であり、自己放電率の低いリチウム二次電池が商用化されて広く用いられており、性能を向上させるための研究開発が活発に行われている。
【0004】
二次電池は、缶、パウチなどのようなケース内に電極組立体および電解質が内蔵される構造を有する。電極組立体は、正極、セパレータ、負極が繰り返し積層された構造を有するが、一般的に、正極、セパレータ、負極が積層された状態でぐるぐる巻かれてケース内に内蔵される巻き取り型と、一定の大きさに正極、セパレータ、負極が切断された状態で積層されるスタック型(積層型)に区分することができる。
【0005】
前記巻き取り型電極組立体は、螺旋状に巻かれる構造上、円筒型電池には搭載が好適であるのに対し、角型またはパウチ型電池には空間活用度において不利であり、その逆に、スタック型電極組立体は、電極とセパレータの切断時に大きさの調節が可能であるため、ケースに合った角形態を得ることが容易であるが、製造過程が相対的に複雑になり、外部衝撃に相対的に脆弱であるという短所がある。そして、巻き取り型とスタック型の長所を合わせるようにスタック&フォールディング(Stack&Folding)方式が開発されている。スタック&フォールディング方式は、フォールディングセパレータ上にCタイプバイセル(正極/セパレータ/負極/セパレータ/正極の積層構造を有するバイセル)と、Aタイプバイセル(負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の積層構造を有するバイセル)を載せ、前記バイセルをフォールディングすることで製造される。
【0006】
上記のように多様な方式で製造される電極組立体は、缶またはパウチのようなケースに搭載される。中でも、パウチ型電池は、単位重量および体積当たりのエネルギー密度がさらに高く、電池の薄型化および軽量化が可能であるだけでなく、外装材としての材料費が少ないなどの有利な点が多いため、近年、その開発が活発に進行中である。パウチ1が開口された状態で電極組立体3が搭載される様子を示した図1に示されたように、パウチ型二次電池は、パウチ1の上側部分と下側部分が分離された状態で電極組立体3が内部に載置され、電解液が注入されると、上側部分と下側部分の縁2に形成されたシール部2a、2b同士が密封されるように製造される。この際、電極組立体3から引き出された電極リード3aの終端は、外部に突出するように配置された状態で密封される。
【0007】
一方、パウチ型電池は、製造過程で充放電工程が行われる間、そして製造後に充放電装置として用いられる間に膨れ(swelling)が発生するという問題があった。
【0008】
このような膨れは、電解液が気化してパウチ1の内部にガスが発生する現象であって、パウチ1の外形を変形させ、二次電池の充放電性能を低下させ、激しい場合には爆発の危険性もあった。そこで、パウチの内部でガスが生成されると、それを除去する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述したような問題を解消できるように、パウチの内部でガスが生成されて内部圧力が増加すると、ガスを外部に排出可能なバルブを備えた二次電池を提供することに主な目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述したような目的を達成するための本発明は、縁に形成されたシール部が密封されて電極組立体および電解液が封入されるパウチを備えた二次電池であって、一端はパウチの内部に位置し、他端はパウチの外部に位置するようにシール部に取り付けられ、前記パウチの内部で生成されたガスを外部に排出可能なバルブを含み、前記バルブは、内部に接着剤が充填され、膨れの発生時に変形する材料から製造された内側チューブを含み、膨れが発生して前記パウチ内部の圧力が上昇すると、前記接着剤が充填された部分で間隙が発生し、前記間隙を通してパウチ内部のガスが外部に排出されることを特徴とする。
【0011】
前記バルブは、一端はパウチの内部に位置し、他端はパウチの外部に位置するようにシール部に取り付けられた外側チューブであって、前記内側チューブが長さ方向に沿って挿入されている外側チューブを含み、前記外側チューブと内側チューブとの間で密閉された空間であるチャンバが形成されるように、前記外側チューブと内側チューブは、それぞれの両側終端において互いに連結されて密封され、前記内側チューブは、外側チューブ内で変形する。
【0012】
前記外側チューブは、膨れの発生時にも変形しない材料から製造され、膨れが発生して前記パウチ内部の圧力が上昇すると、チャンバの体積が収縮するように内側チューブが変形する。
【0013】
前記外側チューブと内側チューブは、パウチに含まれた材料であるポリプロピレンから製造され、外側チューブは、内側チューブに比べて、相対的に延性が低く且つ剛性が高く、前記内側チューブは、外側チューブに比べて、相対的に延性が高く且つ剛性が低い。
【0014】
前記チャンバ内には、気体窒素(N)が注入されるが、他の安定した気体に代えてもよい。
前記外側チューブと内側チューブは、円形または楕円形の横断面を有するように製造される。
【0015】
前記接着剤は、エポキシバインダー(epoxy binder)を含有する材料であってもよい。または、前記接着剤は、アクリルバインダー(acrylate binder)を含有する材料であってもよい。
【0016】
そして、前記内側チューブ内には、フックアンドループファスナー(hook-and-loop fastener)方式で物理的に締結されるように、互いに対向する一側面と他側面それぞれに複数のフックが設けられることができる。
【0017】
さらに、本発明において、前記内側チューブ内に形成された間隙は、ガス排出以後に再び埋められることができる。前記バルブは、電極組立体から引き出されてパウチの外部に突出する電極リードと平行に配置されることができる。
【0018】
また、本発明においては、上記のような構成を有する二次電池が複数結合されて構成された二次電池モジュールがさらに提供されることができる。
【発明の効果】
【0019】
上記のような構成を有する本発明は、内側チューブ内に接着剤が充填されて電解液漏れおよび外部の水分浸透を防止するが、パウチ内部の圧力が上昇する場合にだけ間隙が発生してガスを排出するため、膨れの発生を効率的に防止できるという効果を有する。
【0020】
前記内側チューブは、外側チューブ内で直径が拡張するように変形できるように前記外側チューブ内に位置するため、外部衝撃から保護されることができる。
【0021】
前記内側チューブと外側チューブとの間に形成されたチャンバには、気体窒素が注入されて内側チューブを保護することができ、前記気体窒素は、内側チューブの膨張と同時に収縮して接着剤の間隙の発生を容易にすることができる。
【0022】
さらに、前記内側チューブ内には、フックアンドループファスナー(hook-and-loop fastener)方式で物理的に締結されるように、互いに対向する一側面と他側面それぞれに複数のフックが設けられることで、接着剤に間隙が生成されるパウチ内の圧力基準および間隙の拡張速度を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】パウチが開口された状態で電極組立体が搭載される様子を示した斜視図である。
図2】パウチ型二次電池において、本発明の第1実施形態に係るバルブが搭載された様子を示した図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るバルブの横断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るバルブにおいて、接着剤内に間隙gが発生した様子を示した横断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るバルブが一般的な状態であるときの縦断面と横断面(左側の図面)、およびパウチの内部にガスが生成されて内部圧力が上昇したときの前記バルブの縦断面と横断面(右側の図面)を示した図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るバルブの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明を詳しく説明する。ただし、本発明は、種々の異なる形態で実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書の全体をわたって、同一または類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付するようにする。
【0026】
また、本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
【0027】
本発明は、電極組立体3および電解液が封入されると、縁2に形成されたシール部2a、2bが密封されるパウチ1を備えた二次電池に関し、前記パウチ1の内部でガスが発生して内部圧力が上昇すると、前記ガスを外部を排出できるようにバルブ10を備える二次電池に関する。以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0028】
第1実施形態
図2は、パウチ型二次電池において、本発明の第1実施形態に係るバルブが搭載された様子を示した図であり、図3は、本発明の第1実施形態に係るバルブの横断面図であり、図4は、前記バルブにおいて、接着剤内に間隙gが発生した様子を示した横断面図である。
【0029】
図面を参照すると、図2に示されたように、本願の二次電池は、バルブ10を含んで構成され、この際、前記バルブ10は、一端はパウチの内部に位置し、他端はパウチの外部に位置するようにシール部に取り付けられる(より詳細には、互いに接合するシール部の間に取り付けられる)。すなわち、前記バルブ10は、電極組立体から引き出されてパウチの外部に突出する電極リード3aと間隔をおいて平行に配置される。
【0030】
前記バルブ10は、パウチ1の内部で生成されたガスを外部に排出する機能を有し、この際、パウチの内外部を開通するように通路が形成されたチューブ10において、前記通路が接着剤13により塞がった構造を有する。
【0031】
すなわち、図3に示されたように、前記バルブ10は、一端はパウチ1の内部に位置し、他端はパウチ1の外部に位置し、内部は接着剤13が充填された内側チューブ11と、一端はパウチ1の内部に位置し、他端はパウチ1の外部に位置するようにシール部に取り付けられ、この際、前記内側チューブ11が内部で長さ方向に沿って挿入されるように取り付けられる外側チューブ12と、を含んで構成される。
【0032】
前記内側チューブ11は、パウチの内部で膨れが発生して圧力が高くなると変形し得る材料から製造され、内部の圧力が上昇すると、前記接着剤13が充填された部分で間隙gが発生し、前記間隙gが接着剤13を内側チューブ11の長さ方向に沿って開通させると、前記間隙gを通してパウチ1内部のガスが外部に排出されるように構成される。
【0033】
この際、前記外側チューブ12と内側チューブ11との間で密閉された空間であるチャンバCが形成されるように、前記外側チューブ12と内側チューブ11は、それぞれの両側終端において互いに連結されて密封され、前記内側チューブ11は、外側チューブ12内で直径が拡張する方向に変形することができる。
【0034】
前記外側チューブ12は、膨れの発生時にも変形しない材料から製造され、膨れが発生して前記パウチ1内部の圧力が上昇すると、チャンバCの体積が収縮するように内側チューブ11が変形する。
【0035】
すなわち、パウチ1の内部で内側チューブ11の終端にガス圧力が作用すると、接着剤13の表面にはストレスが作用することになり、図4のような間隙gが少なくとも1つ以上発生することになる(図4の形態とは異なり、縁部分や中央で1つの間隙が発生してもよい。すなわち、図4においては複数の間隙gが形成されたものと示され、図5においてはガス通過経路が1つの矢印で示されたが、接着剤の種類や状態に応じて、前記間隙gは、複数形成されてもよく、1つのみ形成されてもよく、またその大きさも多様であってもよい)。
【0036】
バルブ10が一般的な状態であるときの縦断面と横断面(左側の上下図)、およびパウチの内部にガスが生成されて内部圧力が上昇したときの前記バルブの縦断面と横断面(右側の上下図)を示した図5に示されたように、このような間隙gには持続的に圧力が作用することになるため、前記間隙gは、内側バルブ11の長さ方向に沿って拡張し、内側バルブ11の外側まで開通することになる。
【0037】
これにより、パウチ1内部のガスは、このような間隙gにより開通した通路に沿って外部に排出されることになる。このような間隙gの形成および前記間隙の拡張と同時に、内側チューブ11は、チャンバCを収縮が発生するように、直径が増加することになる。
【0038】
この際、外側バルブ12の形状には変形しないため、チャンバC内部の気体収縮と内側バルブ11の膨張が同時になされることができる。チャンバC内部の空気収縮と内側チューブ11の直径増加が同時になされるため、接着剤13の自由体積(free volume)を上昇させる間隙gの大きさが増加し、ガスが排出される通路が形成されることができる。
【0039】
一方、前記外側チューブ12と内側チューブ11は、パウチ1のシール時に密閉できるように、前記パウチに含まれた材料であるポリプロピレンから製造されることが好ましい。
【0040】
ただし、外側チューブ12は、内側チューブ11と比較する際に、相対的に延性が低く剛性が高く製造され、前記内側チューブ11は、外側チューブ12に比べて、相対的に延性が高く剛性が低く製造される。このような延性および強度は、成形条件の調節または添加物の追加などにより調節されることができる。さらに、前記チャンバC内には、気体窒素(N)が注入されてもよく、他の安定した気体がその代わりに注入されてもよい。
【0041】
前記外側チューブ12と内側チューブ11は、全方向において比較的に均一な圧力が作用できるように円形または楕円形の横断面を有することが好ましいが、四角または他の多角形の横断面を有するように製造されてもよい。また、前記外側チューブ12と内側チューブ11は、ガス圧力が効率的に作用できるように、パウチ1の内部に位置した部分は相対的に直径がさらに大きく、反対側部分はさらに小さい直径を有する形状を有するように製造してもよい。
【0042】
さらに、前記接着剤13は、エポキシバインダー(epoxy binder)を含有する材料、またはアクリルバインダー(acrylate binder)を含有する材料であってもよい。ただし、前記接着剤13は、電解液との反応が行われない材料の中から多様な材料が選択されてもよく、柔らかい固体状態だけでなく、ゼリー(jell)またはゲル(gel)状で内側チューブ11に充填されてもよい。
【0043】
また、本発明において、前記内側チューブ11内に形成された間隙gは、ガス排出以後に再び埋められることができる。したがって、本発明に係るバルブ10は、二次電池の寿命が終わるまで繰り返しガスを排出した後に密閉される機能を繰り返し提供することができる。
【0044】
第2実施形態
図6は、本発明の第2実施形態に係るバルブ10の横断面図である。この実施形態に係るバルブ10は、第1実施形態と同様に、外側チューブ12内に内側チューブ11が位置し、前記内側チューブ11に接着剤13が充填された構造を有し、この際、物理的な結合力を増大させるために、複数のフック14が、図6に示されたように、さらに設けられた構造を有する。すなわち、前記内側チューブ11の内周面には、特定の方向への結合力を増大させるように、対をなした複数のフック14が設けられる。
【0045】
前記フック14は、フックアンドループファスナー(hook-and-loop fastener)方式(すなわち、ベルクロ(登録商標)テープの結合方式)で物理的に締結されることができるため、間隙gが生成される圧力および間隙の拡張速度などを遅らせることができる。
【0046】
上記のような構成を有する本発明は、内側チューブ11内に接着剤13が充填されて電解液漏れおよび外部の水分浸透を防止するが、パウチ内部の圧力が上昇する場合にだけ間隙gが発生してガスを排出するため、膨れの発生を効率的に防止できるという効果を有する。
【0047】
前記内側チューブ11は、外側チューブ12内で直径が拡張するように変形できるように前記外側チューブ12内に位置するため、前記外側チューブ12により外部衝撃から保護されることができる。
【0048】
前記内側チューブ11と外側チューブ12との間に形成されたチャンバCには、気体窒素が注入されて内側チューブ11を保護(緩衝)することができ、前記気体窒素は、内側チューブ11の膨張と同時に収縮して接着剤13の間隙の発生を容易にすることができる。
【0049】
さらに、前記内側チューブ11内には、フックアンドループファスナー(hook-and-loop fastener)方式で物理的に締結されるように、互いに対向する一側面と他側面それぞれに複数のフック14が設けられることで、接着剤13に間隙gが生成されるパウチ内の圧力基準および間隙の拡張速度を調節することができる。
【0050】
以上、限定された実施形態と図面により本発明が説明されたが、本発明はこれにより限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と後述の特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10:バルブ
11:内側チューブ
12:外側チューブ
13:接着剤
14:フック
C:チャンバ
g:間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6