(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】自律型掃除ロボット用の洗浄パッド
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20240909BHJP
A47L 11/03 20060101ALI20240909BHJP
A47L 11/10 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
A47L13/16 B
A47L11/03
A47L11/10
(21)【出願番号】P 2021564613
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(86)【国際出願番号】 US2020028124
(87)【国際公開番号】W WO2020223006
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-02-17
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313013863
【氏名又は名称】アイロボット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ルーカス
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-520354(JP,A)
【文献】特表2006-526463(JP,A)
【文献】特表2001-521432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 11/00-13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面からデブリを清掃する自律型掃除ロボット用の洗浄パッドにおいて、
当該洗浄パッドの上側に配置された取り付け面であって、自律型掃除ロボットへの機械的接続をもたらすように構成されている取り付け面と、
前記洗浄パッドの下側に配置された第1の外層であって、第1の外層の材料とデブリの材料との間で第1の摩擦係数を有する、第1の外層と、
前記洗浄パッドの下側に配置された第2の外層であって、第2の外層の材料とデブリの材料との間で、前記第1の摩擦係数よりも小さい第2の摩擦係数を有し、第2の外層は、当該洗浄パッドが前記自律型掃除ロボットに取り付けられている構成で、前記第1の外層の前方に配置される、第2の外層と、
を含んでなり、
前記第2の摩擦係数が、デブリの材料と床面の材料との間の第3の摩擦係数より小さく、
当該洗浄パッドは、当該洗浄パッドの前方エッジまたはその近くで前記自律型掃除ロボットの1つまたは複数のセンサーの下にデブリが蓄積するのを軽減するように構成され、前記自律型掃除ロボットの動作中に、前記第2の外層が、床面との間で前記第3の摩擦係数を有するデブリの上を滑り、前記第1の外層は、床面との間で前記第3の摩擦係数を有するデブリを収集し、
当該洗浄パッドの前方セグメントの厚さが、当該洗浄パッドの後方セグメントの厚さよりも大き
く、前記前方セグメントが前記第2の外層を含み、前記後方セグメントが前記第1の外層を含むことを特徴とする、洗浄パッド。
【請求項2】
前記第1の外層の表面積が前記第2の外層の表面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項3】
前記第1の外層の表面積と前記第2の外層の表面積との比が1:1から10:1の間であることを特徴とする、請求項2に記載の洗浄パッド。
【請求項4】
前記第2の外層が、前記第1の外層の少なくとも一部の前方に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項5】
前記洗浄パッドの前方部が、前記洗浄パッドの後方部に対して角度付けされていることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項6】
前記洗浄パッドの前方部と後方部との間の角度が30°から60°の間であることを特徴とする、請求項5に記載の洗浄パッド。
【請求項7】
前記第2の外層が、前記洗浄パッドの前方エッジの周りに巻かれた材料の層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項8】
前記取り付け面がコアの上面に配置され、前記第1および第2の外層がコアの底面に配置されている、コアを含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項9】
前記第1の外層が、前記コアの周りに巻かれた材料の層を含むことを特徴とする、請求項8に記載の洗浄パッド。
【請求項10】
前記第1の外層が前記コアの底面に直接配置され、前記第2の外層が前記第1の外層の前方部に配置されていることを特徴とする、請求項8に記載の洗浄パッド。
【請求項11】
前記第1の外層が前記コアの底面の後方部に直接配置され、前記第2の外層が前記コアの底面の前方部に直接配置されていることを特徴とする、請求項8に記載の洗浄パッド。
【請求項12】
前記第2の外層がポリマーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項13】
前記第2の外層が、リリースコーティングを有するポリマー層を含むことを特徴とする、請求項12に記載の洗浄パッド。
【請求項14】
前記第2の外層がテープを含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項15】
前記第2の外層が薄膜コーティングを含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項16】
前記第2の外層が、折り畳まれた材料の層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項17】
前記第2の外層の折り畳まれた材料の層が、後向きの開口部を画定していることを特徴とする、請求項16に記載の洗浄パッド。
【請求項18】
前記第2の外層が当該洗浄パッドの全幅に及んでいることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項19】
前記第2の外層の後方にある当該洗浄パッドの底面に窪みが画定されていることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項20】
前記第2の摩擦係数が前記第1の摩擦係数の半分未満であることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項21】
前方部および後方部からなるロボット本体と、
床面を横切って前記ロボット本体を操作する駆動システムと、
前記ロボット本体の前方部に取り付けられた洗浄アセンブリであって、パッドホルダーを備えた洗浄アセンブリと、
洗浄パッドの取り付け面によって前記洗浄アセンブリの前記パッドホルダーに取り付けられた洗浄パッドであって、洗浄パッドの前記取り付け面が洗浄パッドの上面に配置されている洗浄パッドと、
を含んでなる、床面からデブリを清掃する自律型掃除ロボットにおいて、
前記洗浄パッドが、
前記洗浄パッドの下側に配置された第1の外層であって、第1の外層の材料とデブリの材料との間で第1の摩擦係数を有する、第1の外層と、
前記洗浄パッドの下側に配置された第2の外層であって、第2の外層の材料とデブリの材料との間で、前記第1の摩擦係数よりも小さい第2の摩擦係数を有し、第2の外層は、前記洗浄パッドが前記洗浄アセンブリの前記パッドホルダーに取り付けられている構成で、前記第1の外層の前方に配置される、第2の外層と、
を備えており、
前記第2の摩擦係数が、デブリの材料と床面の材料との間の第3の摩擦係数より小さく、
前記洗浄パッドは、前記洗浄パッドの前方エッジまたはその近くで当該自律型掃除ロボットの1つまたは複数のセンサーの下にデブリが蓄積するのを軽減するように構成され、当該自律型掃除ロボットの動作中に、前記第2の外層が、床面との間で前記第3の摩擦係数を有するデブリの上を滑り、前記第1の外層は、床面との間で前記第3の摩擦係数を有するデブリを収集し、
前記洗浄パッドの前方セグメントの厚さが、前記洗浄パッドの後方セグメントの厚さよりも大き
く、前記前方セグメントが前記第2の外層を含み、前記後方セグメントが前記第1の外層を含むことを特徴とする、自律型掃除ロボット。
【請求項22】
前記洗浄パッドの先端が前記ロボット本体の先端と位置合わせされていることを特徴とする、請求項21に記載の自律型掃除ロボット。
【請求項23】
前記洗浄パッドの前記第1の外層の表面積が前記第2の外層の表面積よりも大きいことを特徴とする、請求項21に記載の自律型掃除ロボット。
【請求項24】
前記洗浄パッドの前記第2の外層が、前記第1の外層の少なくとも一部の前方に配置されていることを特徴とする、請求項21に記載の自律型掃除ロボット。
【請求項25】
前記洗浄パッドの前方部が、前記洗浄パッドの後方部に対して角度付けされていることを特徴とする、請求項21に記載の自律型掃除ロボット。
【請求項26】
前記第2の外層が、前記洗浄パッドの前方エッジの周りに巻かれた材料の層を含むことを特徴とする、請求項21に記載の自律型掃除ロボット。
【請求項27】
前記洗浄パッドがコアを含み、前記取り付け面が前記コアの上面に配置され、前記第1および第2の外層が、前記コアの底面に配置されていることを特徴とする、請求項21に記載の自律型掃除ロボット。
【請求項28】
前記第1の外層が前記コアの底面に直接配置され、前記第2の外層が、前記第1の外層の前方部に配置されていることを特徴とする、請求項27に記載の自律型掃除ロボット。
【請求項29】
前記第2の摩擦係数が前記第1の摩擦係数の半分未満であることを特徴とする、請求項21に記載の自律型掃除ロボット。
【請求項30】
前記第1の外層の材料とデブリの材料との間の前記第1の摩擦係数は、デブリの材料と床面の材料との間の前記第3の摩擦係数よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項31】
前記デブリは、ほこりの塊まりまたはペットの毛の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【請求項32】
前記第1の外層の材料は、前記第2の外層の材料とは異なっていることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
この出願は、2019年4月30日に出願された米国特許出願シリアル番号62/840,773の35U.S.C.セクション119(e)に基づく利益を主張する、2019年8月9日に出願された米国特許出願シリアル番号16/536,815の優先権を主張する。前述したそれぞれの出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
掃除ロボットには、例えば、家などの環境内で自律的に掃除タスクを実行する移動ロボットが含まれる。多くの種類の掃除ロボットは、ある程度自律的で、さまざまな方法で動作する。掃除ロボットは、掃除ロボットが移動するときにデブリを取得できるように、環境において掃除ロボットを自律的にナビゲートするように構成されたコントローラを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2018/344117号明細書
【発明の概要】
【0004】
特定の掃除ロボットには、洗浄パッドを含み得る。洗浄パッドは、掃除ロボットの下側に取り付けられ、掃除ロボットの掃除任務中にデブリを収集し得る。特定の状況では、ほこりの塊まり(dust bunnies)が洗浄パッドの前に蓄積し得る。ほこりの塊まりは、頻繁に掃除されない場所(例えば、家具の下)で最も一般的に発生し、髪の毛や糸くずの集まりが含まれ得る。蓄積されたほこりの塊まりは、掃除ロボットセンサを塞ぐなどして、掃除ロボットセンサの通常の動作を妨げ得る。本発明者らは、とりわけ、掃除ロボットセンサの干渉を低減するなど、掃除ロボットの掃除任務中に洗浄パッドの前でほこりの塊まりの蓄積を軽減することができる洗浄パッドを提供することが可能であり得ることを認識した。
【0005】
一態様では、洗浄パッドは、洗浄パッドの上面に配置された取り付け面を含む。取り付け面は、自律型掃除ロボットへの機械的接続をもたらすように構成されている。洗浄パッドは、洗浄パッドの下側に配置された第1の外層を含み、第1の外層は、第1の摩擦係数を有し、洗浄パッドの下側に配置された第2の外層であって、第1の摩擦係数よりも小さい第2の摩擦係数を有する第2の外層を含む。
【0006】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0007】
第1の外層の表面積は、第2の外層の表面積よりも大きい。第1の外層の表面積と第2の外層の表面積との比は、1:1から10:1の間である。
【0008】
第2の外層は、第1の外層の少なくとも一部の前方に配置されている。
【0009】
洗浄パッドの前方部は、洗浄パッドの後方部に対して角度付けされている。パッドの前方部と後方部の間の角度は30°から60°の間である。
【0010】
第2の外層は、洗浄パッドの前方エッジの周りに巻かれた材料の層を含む。
【0011】
洗浄パッドはコアを含み、取り付け面はコアの上面に配置され、第1および第2の外層はコアの底面に配置される。第1の外層は、コアの周りに巻かれた材料の層を含む。第1の外層はコアの底面に直接配置され、第2の外層は第1の外層の前方部に配置される。第1の外層は、コアの底面の後方部に直接配置され、第2の層は、コアの底面の前方部に直接配置される。
【0012】
第2の外層は、リリース(release)コーティングを有するポリマー層などのポリマーを含む。
【0013】
第2の外層は、テープを含む。
【0014】
第2の外層は、薄膜コーティングを含む。
【0015】
第2の外層は、折り畳まれた材料の層を含む。第2の外層の折り畳まれた材料の層は、後ろ向きの開口部を画定する。
【0016】
第2の外層は洗浄パッドの幅全体に及ぶ。
【0017】
洗浄パッドの前方セグメントの厚さは、洗浄パッドの後方セグメントの厚さよりも大きい。
【0018】
窪みは、第2の外層の後方部にある洗浄パッドの底面に画定される。
【0019】
第2の摩擦係数は第1の摩擦係数の半分未満である。
【0020】
一態様では、自律型掃除ロボットは、前方部および後方部を含むロボット本体と、床面を横切ってロボット本体を操作するための駆動システムと、ロボット本体の前方部に取り付けられた洗浄アセンブリであって、パッドホルダーを備えた洗浄アセンブリと、洗浄パッドの取り付け面によって洗浄アセンブリのパッドホルダーに取り付けられた洗浄パッドとを含む。洗浄パッドの取り付け面は、洗浄パッドの上面に配置されている。洗浄パッドは、洗浄パッドの下側に配置された第1の外層を含み、第1の外層は、第1の摩擦係数を有し、洗浄パッドの下側に配置された第2の外層であって、第1の摩擦係数よりも小さい第2の摩擦係数を有する第2の外層を含む。
【0021】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0022】
洗浄パッドの先端は、ロボット本体の先端と位置合わせされている。
【0023】
洗浄パッドの第1の外層の表面積は、第2の外層の表面積よりも大きい。
【0024】
洗浄パッドの第2の外層は、第1の外層の少なくとも一部の前方に配置されている。
【0025】
洗浄パッドの前方部は、洗浄パッドの後方部に対して角度付けされている。
【0026】
第2の外層は、洗浄パッドの前方エッジの周りに巻かれた材料の層を含む。
【0027】
洗浄パッドはコアを含み、取り付け面はコアの上面に配置され、第1および第2の外層はコアの底面に配置される。第1の外層はコアの底面に直接配置され、第2の外層は第1の外層の前方部に配置される。
【0028】
第2の摩擦係数は第1の摩擦係数の半分未満である。
【0029】
1つまたは複数の実装の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴および利点は、明細書および図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図3A】崖の近くにある自律型掃除ロボットの図である。
【
図3B】崖の近くにある自律型掃除ロボットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書に記載されているのは、洗浄パッドの前方部に低摩擦層を含み、洗浄パッドの後方部に繊維層を含む自律型掃除ロボット用の洗浄パッドである。低摩擦層の存在は、洗浄パッドの前方エッジまたはその近くでのほこりやペットの毛などのデブリの蓄積を減らすのに役立つ。洗浄パッドの先端は、自律型掃除ロボットの崖センサの近くに配置されており、床の高さの変化を検知して、自律型掃除ロボットが階段などからの落下を防ぐことができる。崖センサの近くにデブリがたまるのを減らすことで、崖センサの機能は、さまざまな床の清浄度条件に対して信頼性が高く堅牢になり、そして、自律型掃除ロボットの構造的完全性が落下による損傷から保護され得る。
【0032】
図1を参照すると、洗浄パッド100が例示的な自律型掃除ロボット110に取り付けられている。駆動システムは、自律型掃除ロボット110が床面104を横切って操縦するのを操作する。ホイール114は、自律型掃除ロボット110の後方部106を支持し、洗浄パッド100は、自律型掃除ロボット110の前方部108を支持する。自律型掃除ロボット110が床面104をナビゲートすると、洗浄パッド100は床面104に接触し、濡れたモップ機能またはドライ洗浄機能などの掃除機能を提供する。洗浄パッド100は、自律型掃除ロボット110のパッドホルダー112に可逆的に取り付けられ、自律型掃除ロボット110が掃除任務の実行を完了した後、或いは、洗浄パッド100が汚れたときに、洗浄パッド100は交換され得る。洗浄パッド100は、使い捨ての洗浄パッドまたは再利用可能な洗浄パッドであり得る。
【0033】
図2は、自律型掃除ロボット110の底面図を示す。洗浄パッド100は、自律型掃除ロボット110の前方部108に向かって配置され、自律型掃除ロボットが床面をナビゲートするときに掃除機能を提供する。
【0034】
自律型掃除ロボット110は、自律型掃除ロボット110の前方コーナーに配置された前方崖センサ200a、200b(総称して崖センサ200)を含む。崖センサ200は、機械的落下センサ、または、例えば、床面に下向きに向けられた、IR(赤外線)ペアのデュアルエミッター・シングルレシーバー若しくはデュアルレシーバー・シングルエミッターのIR光ベースの近接センサのような、光ベース近接センサであってよい。クリフセンサ200は、自律型掃除ロボット110の側壁間に及び、コーナーを密接にカバーして、自律型掃除ロボット110によるそれぞれの床部分の横断の前に、反転ロボットホイール落下によって適応される閾値を超える床の高さ変化を検出する。例えば、自律型掃除ロボット110のコーナーに近接する崖センサ200の配置により、自律型掃除ロボット110が床の落下に張り出したときに崖センサ200が確実にトリガーされ、ロボットホイール114が落下端を越えて前進するのを防止するのに役立つ。
【0035】
例示的な自律型掃除ロボット110は、それぞれの前方コーナーに1つの前方崖センサ200a、200bを含む。いくつかの例では、自律型掃除ロボットは、単一の前方崖センサのみを含み、または、2つ以上の崖センサを含み得る。いくつかの例では、自律型掃除ロボットは、自律型掃除ロボット110の後方部106、例えば、1つまたは複数の後方コーナーに配置された1つまたは複数の後方崖センサを含み得る。
【0036】
自律型掃除ロボット110が床面をナビゲートしてドライ洗浄任務を実行する際に、自律型掃除ロボット110が順方向に移動しているとき、洗浄パッド100の前方部208は、洗浄パッド100の後方部210の前に床面を横切る。いくつかの洗浄パッドでは、掃除任務中に、自律型掃除ロボットに取り付けられている洗浄パッドの前方部に床面からのデブリが蓄積し得る。例えば、ほこりの塊まりやペットの毛などのデブリは、洗浄パッドの先端に巻き込まれ得る。場合によっては、デブリの蓄積が1つまたは複数の前方崖センサ200を閉塞するのに十分に重大になり、これにより、床の高さ変化を検出する崖センサ200の能力を妨げる可能性がある。
【0037】
洗浄パッド100の前方部208におけるデブリの蓄積を防ぐのを助けるために、低摩擦層204が洗浄パッド100の前方部208に配置される。繊維層202が、洗浄パッド100の後方部210に配置される。低摩擦層204とデブリとの間の摩擦係数は、繊維層202とデブリとの間の摩擦係数よりも小さい。簡単にするために、低摩擦層204とデブリとの間の摩擦係数は、単に低摩擦層204の摩擦係数と称され、繊維層202とデブリとの間の摩擦係数は、繊維層202の摩擦係数と適宜称される。低摩擦層204および繊維層202は実質的に同一平面上にあり、例えば、低摩擦層204と繊維層202の両方の少なくとも一部は、洗浄パッド100の底面206に配置されている。
【0038】
一部のデブリについては、デブリと床面との間の摩擦係数は、デブリと低摩擦層204との間の摩擦係数よりも高い。さらに、デブリと床面との間の摩擦係数は、デブリと繊維層202との間の摩擦係数よりも低くなり得る。そのような場合、デブリは、洗浄パッド100の前方部208をすり抜けて、洗浄パッド100の後方部210に蓄積し、それゆえ、崖センサの機能を妨げない。洗浄パッド100の低摩擦層204がデブリ上を移動すると、デブリは、洗浄パッド100によって床面に加えられた圧力によって圧縮される。繊維層202がデブリ上を通過するとき、デブリは繊維層202に蓄積し、例えば、デブリは繊維層の繊維内に閉じ込められ、崖センサ200をきれいに保つ。いくつかの例では、洗浄パッド100の前方部208は、洗浄パッド100がデブリを通過するときにデブリの圧縮を促進するために、洗浄パッド100の後方部210よりも厚い。
【0039】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、いくつかのデブリ300について、デブリ300と床面104との間の摩擦係数が比較的低いか、またはデブリ300が大きすぎて洗浄パッド100と床面104との間を滑ることができない。そのようなデブリ300は、
図3Aに示されるように、洗浄パッド100の前方部208に蓄積する可能性がある。しかしながら、洗浄パッド100の前方部208、例えば、洗浄パッド100の先端は、滑らかで低摩擦の材料で形成されているので、蓄積されたデブリは、洗浄パッドに捕らえられない。自律型掃除ロボット110が崖302の近くに移動すると、蓄積されたデブリ300は、
図3Bに示すように、自律型掃除ロボット110から落下し、自律型掃除ロボット110が崖302のエッジを越えてナビゲートする前に崖センサ200を自由にして崖302を検出することができる。
【0040】
図4Aおよび
図4Bは、それぞれ、洗浄パッド100の底面図および上面図である。低摩擦層204は、洗浄パッド100の前方部208に配置され、繊維層202は、洗浄パッド100の後方部210に配置される。いくつかの例では、低摩擦層204および繊維層202は互いに隣接している。いくつかの例では、繊維層202は、低摩擦層204が繊維層202の前方部に配置されるように、洗浄パッド100の前方部208に向かって延在する。例えば、繊維層202は、洗浄パッド100の底面206全体を覆い、低摩擦層204が底面の前方部に配置されている。
【0041】
低摩擦層204と床面上のデブリとの間の摩擦係数は、繊維層202とデブリとの間の摩擦係数よりも小さい。例えば、低摩擦層204とデブリとの間の摩擦係数は、繊維層202とデブリとの間の摩擦係数の約10%から約60%の間、例えば、約20%から約50%の間、例えば、約30%から約50%の間であり得る。例えば、繊維層202とデブリとの間の摩擦係数は、約1.0から約1.4の間であり、低摩擦層204とデブリとの間の摩擦係数は、約0.2から約0.6の間であり得る。
【0042】
繊維層202は、繊維性の不織布材料であり得る。低摩擦層204は、サテンまたはサテンに似た材料などの織物材料であってもよい。低摩擦層204は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのポリマーを含み得る。いくつかの例では、低摩擦層204は、リリースコーティング、例えば、シリコーンリリースコーティングを有するポリマー層であり得る。
【0043】
例示的な洗浄パッド100では、繊維層202および低摩擦層204は両方とも、洗浄パッド100の幅wに及ぶ。繊維層202の表面積(例えば、洗浄パッド100の底面206上の繊維層202の表面積)は、低摩擦層204の表面積(例えば、洗浄パッド100の底面206上の低摩擦層204の表面積)と同じまたはそれ以上である。例えば、繊維層202の表面積と低摩擦層204の表面積との比は、約1:1から約10:1の間、例えば、約2:1から約5:1の間、例えば、約2:1、約3:1、約4:1、または約5:1であり得る。低摩擦層204の表面積に対する繊維層202の表面積の比は、洗浄パッドが、繊維層202によって一般に提供されるその洗浄能力のかなりの量を保持する一方で、低摩擦層204によって提供されるように、崖センサにデブリがないように保つ能力を達成することができるようにされ得る。
【0044】
洗浄パッド100において、繊維層202は、繊維層202が洗浄パッド100の上面214にも存在するように、洗浄パッド100の周りに巻かれる(
図4B)。低摩擦層204は、低摩擦層204の一部が洗浄パッド100の上面210に配置されるように、洗浄パッド100の先端212の周りに巻かれる(
図4B)。いくつかの例では、低摩擦層204は、洗浄パッド100の底面206にのみ配置され、先端212の周りに巻かれず、または上面214にもない。いくつかの例では、繊維層202は、洗浄パッド100の底面206上のみに配置される。
【0045】
取り付け面216は、自律型掃除ロボットに機械的に接続するために、洗浄パッド100の上面210に配置されている。例えば、取り付け面216は、自律型掃除ロボット110のパッドホルダー112(
図1)によって受容されるように成形され得る。取り付け面216は、例えば、カードストック、プラスチック、または、洗浄パッド100を自律型掃除ロボット110のパッドホルダーに固定するのに適切な別の材料であり得る。洗浄パッド100が自律型掃除ロボットに取り付けられる場合、繊維層202および低摩擦層204を含む、洗浄パッド100の底面206は、洗浄される床面に面している。
【0046】
図5を参照すると、いくつかの例では、自律型掃除ロボット110と共に使用するための洗浄パッド500は、複数のセグメント520a~520e(まとめてセグメント520と呼ぶ)から構成される。洗浄パッド500は5つのセグメントから構成されるが、いくつかの例では、洗浄パッドはより多いまたはより少ないセグメントから構成され得る。セグメント520は、遷移領域522a~522d(まとめて遷移領域522と呼ぶ)によって規定され、それぞれが洗浄パッド500の幅にわたって延在する。それぞれの遷移領域522において、洗浄パッド500の要素(例えば、1つ以上のコア層、以下で論じられている、低摩擦層および繊維層)は、遷移領域522の厚さが、洗浄パッド500のセグメント520の厚さよりも薄い厚さを有するように、洗浄パッド500の厚さを通して一緒に固定されている。
【0047】
洗浄パッド500の前方セグメント520aは、低摩擦層504を含み、洗浄パッド500の後方セグメント520b~520eは、繊維層502を含む。低摩擦層504は、例えば、
図4の層202、204について上述したように、繊維層502よりも低い摩擦係数を有する。いくつかの例では、複数のセグメントが低摩擦層504を含む。
【0048】
いくつかの例では、洗浄パッド500の前方セグメント520aは、例えば、洗浄パッド500によるデブリの圧縮を容易にするために、後方セグメント520b~520eの1つまたは複数よりも厚い。いくつかの例では、洗浄パッド500の1つ以上のセグメント、例えば、第2のセグメント520bは、前方セグメント520aよりも薄く、その中にデブリが蓄積し得る容積を提供している。
【0049】
洗浄パッド500において、セグメント520は、洗浄パッドの移動方向xに沿って等しい長さを有する。いくつかの洗浄パッドでは、セグメント520のうちの1つまたは複数は、他のセグメントのうちの1つまたは複数よりも長くても短くてもよい。
【0050】
洗浄パッド500のセグメント520は、セグメントのない洗浄パッドの機械的処理によって、例えば、機械的エンボス加工、超音波溶接、または他のタイプの機械的処理によって形成され得る。セグメント化された洗浄パッドに関する追加の詳細は、米国特許出願公開第2018/0344117号明細書に記載されており、その内容の全体が、この参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
図6は、例えば、
図1の自律型掃除ロボット110で使用するための、例示的な洗浄パッド600の前方部の断面を示す。例えば、
図6に示される断面プロファイルは、
図2の洗浄パッド100の断面プロファイルであり得る。洗浄パッド600は、コア630を含む。繊維層602は、コア630上に直接配置され、コア630の周りに巻かれる。低摩擦層604は、繊維層602の前方部に配置され、洗浄パッド600の先端に巻かれる。例えば、低摩擦層604は、テープ、スプレーコーティング、薄膜、或いは、繊維層602の前方部に適用される材料における別の適切な形態であり得る。この構成では、繊維層602および低摩擦層604の両方が、洗浄パッド600の底面606上に配置される。低摩擦層604は、例えば、
図4の層202、204について上述したように、繊維層602よりも低い摩擦係数を有する。いくつかの例では、繊維層602および低摩擦層604の両方がコア630上に直接配置され、繊維層602はコア630の後方部に直接配置され、低摩擦層604はコア630の前方部に直接配置される。
【0052】
洗浄パッド600において、繊維層602は、コア630の表面全体に巻かれ、繊維層602がそれ自体と低摩擦層の両方に重なる、洗浄パッド600の上面にオーバーラップ領域640を形成する。オーバーラップ領域640の存在は、洗浄パッド600の構造に機械的安定性を与え、低摩擦層604が洗浄パッド600の表面から剥がれるのを防ぐ。
【0053】
洗浄パッド600のコア630は、トップ構造層632a、底部構造層632b、および圧縮層634を含む複数のサブ層を含む。いくつかの例では、コア630は、追加のサブ層を含み得る。いくつかの例では、コア630は単一の材料層であってもよい。
【0054】
図7は、例えば、
図1の自律型掃除ロボット110で使用するための、例示的な洗浄パッド700の前方部の断面を示す。洗浄パッド700は、複数のセグメント720a~720c(まとめてセグメント720と呼ぶ)から構成される。例えば、
図7に示される断面プロファイルは、
図5の洗浄パッド500の断面プロファイルであり得る。
【0055】
洗浄パッド700は、トップ構造層732a、底部構造層732b、および圧縮層734を含む複数のサブ層を含むコア730を含む。トップ構造層732aは、底部構造層732bよりもさらに前方に延在する。
【0056】
繊維層702は、コア730上に直接配置され、その周りに巻かれる。低摩擦層704は、洗浄パッド700の前方セグメント720aで、繊維層702上に配置され、洗浄パッド700の先端712の周りに巻かれる。いくつかの例では、繊維層702および低摩擦層704の両方がコア730上に直接配置される。低摩擦層704は、例えば、
図4の層202、204について上述したように、繊維層702よりも低い摩擦係数を有する。
【0057】
洗浄パッド700内にセグメント720を形成するプロセスは、コア730のトップ構造層732aと底部構造層732bとの間の長さの違いのために、洗浄パッド700の底面上の繊維層702および低摩擦層704に適用される張力を引き起こす。層702、704の張力は、より長いトップ構造層732aを下向きに引っ張り、洗浄パッド700の前方部708を、洗浄パッド700の後方部710に対して下向きに傾斜させる。例えば、洗浄パッド700の平面に対する洗浄パッド700の前方部708の角度θは、約30°から約60°の間、例えば、約45°であり得る。洗浄パッド700の前方部708を下向きに角度付けることにより、洗浄パッド700の前方部708がすきとして機能し、自律型掃除ロボットがデブリの上を移動するときにデブリを前方に押すことができる。
【0058】
図8は、例えば、
図1の自律型掃除ロボット110と共に使用するための例示的な洗浄パッド800の前方部を示す。洗浄パッド800は、複数のセグメント820a~820c(まとめてセグメント820と呼ぶ)から構成される。例えば、
図8に示される断面プロファイルは、
図5の洗浄パッド500の断面プロファイルであり得る。
【0059】
洗浄パッド800は、トップ構造層832a、底部構造層832b、および圧縮層834を含む複数のサブ層を有するコア830を含む。底部構造層832bは、トップ構造層832aよりもさらに前方に延在する。
【0060】
繊維層802は、コア830上に直接配置され、その周りに巻かれる。低摩擦層804は、洗浄パッド800の前方セグメント820aで、繊維層802上に配置され、洗浄パッドの先端812の周りに巻かれる。低摩擦層804は、例えば、
図4の層202、204について上述したように、繊維層802よりも低い摩擦係数を有する。
【0061】
洗浄パッド800内にセグメント820を形成するプロセスは、コア830のトップ構造層832aと下部層832bとの間の長さの違いのために、洗浄パッド800の上面上の繊維層802および低摩擦層804に適用される張力を引き起こす。層802、804の張力は、より長い底部構造層832bを上方に引っ張り、洗浄パッド800の前方部808を、洗浄パッド800の後方部810に対して上方に傾斜させる。例えば、洗浄パッド800の平面に対する洗浄パッド800の前方部808の角度θは、約30°から約60°の間、例えば、約45°であり得る。洗浄パッド800の前方部808を上向きに角度付けることにより、前方部808がくさびとして機能し、デブリが繊維層802によって圧縮されて捕らえられる洗浄パッド800の下にデブリをドライブすることが可能になり得る。
【0062】
図9は、例えば、
図1の自律型掃除ロボット110と共に使用するための例示的な洗浄パッド900の底面図を示す。洗浄パッド900は、洗浄パッドの底面の全範囲にわたって配置された繊維層902を有する。例えば、繊維層902は、洗浄パッドの周りに巻かれ得る。洗浄パッド900の前方部908の繊維層902上に配置された不連続な低摩擦層は、第1および第2の低摩擦領域904a、904b(まとめて低摩擦層904と呼ぶ)を含み、低摩擦層904は、洗浄パッド900の幅w全体に及ばない。この構成では、洗浄パッド900の先端912の一部は、低摩擦層904の材料を含み、先端912の一部は、繊維層902の材料を含む。低摩擦層904は、上述したように、繊維層902の摩擦係数よりも小さい摩擦係数を有する。洗浄パッド900が自律型掃除ロボットに取り付けられたときに、第1および第2の低摩擦領域904が概して自律型掃除ロボットの前方崖センサの近くに配置されるように、第1および第2の低摩擦領域904は配置される。
【0063】
図9の洗浄パッド900は、セグメント920a~920eを有し、第1および第2の低摩擦領域904は、前方セグメント920aの一部を占める。前方セグメント920aの残りの部分は、繊維層902によって形成される。いくつかの例では、セグメントのない洗浄パッドは、洗浄パッドの幅全体に及ばない不連続な低摩擦層を含み得る。
【0064】
洗浄パッド900において、低摩擦層904の表面積に対する繊維層902の表面積の比は、低摩擦層904が洗浄パッドの全幅にわたって延在する洗浄パッドの場合よりも高くなり得る。例えば、繊維層902の表面積と低摩擦層904の表面積との比は、約10:1から約20:1の間であり得、崖センサと位置合わせされた低摩擦領域904a、904bによってもたらされるように、崖センサにデブリがない状態を維持する能力を達成しながら、洗浄パッド900が、繊維層902によってもたらされるより多くの洗浄能力を保持することを可能にする。
【0065】
図10は、例えば、
図1の自律型掃除ロボット110と共に使用するための例示的な洗浄パッド950の底面図を示す。繊維層952は、洗浄パッド950の底面の後方部960に配置され、低摩擦層954は、洗浄パッド950の底面の前方部958に配置される。低摩擦層954は、例えば、
図4の層202、204について上述したように、繊維層952よりも低い摩擦係数を有する。窪み962は、低摩擦層954の後方の洗浄パッド950の底面に形成される。洗浄パッド950が取り付けられた自律型掃除ロボットがデブリの上を移動すると、デブリは洗浄パッド950の低摩擦前方部958をすり抜けて窪み962に蓄積し、洗浄パッド950の底面956を自由に保ち、床面を掃除する。
【0066】
図10の洗浄パッド950は、セグメント970a~970eを有し、窪み962が第2のセグメント970bに形成されている。いくつかの例では、セグメントのない洗浄パッドは、その底面に形成された窪みを有し得る。
【0067】
図11Aおよび
図11Bは、例えば、
図1の自律型掃除ロボット110と共に使用するための例示的な洗浄パッド250の断面図を示す。
図11Aは、例えば、洗浄パッド250の前方部258が、洗浄パッド250の後方部260の前に床面に接触するように、自律型掃除ロボットが前方に移動するに取り付けられたときの洗浄パッド250の構成を示す。
図11Bは、例えば、洗浄パッド250の後方部260が、洗浄パッド250の前方部258の前に床面に接触するように、自律型掃除ロボットが逆方向に移動しているときの洗浄パッドの構成を示している。
【0068】
洗浄パッド250は、洗浄パッド250の底面256の前方部258に配置された低摩擦層254と、底面256の後方部260に配置された繊維層252とを含む。低摩擦層254は、例えば、
図4の層202、204について上述したように、繊維層252よりも低い摩擦係数を有する。洗浄パッド250はまた、フラップ270などの折り畳まれた要素を含み、フラップ270の第1のエッジ272は低摩擦層254に固定され、フラップ270の第2のエッジ274は自由である。フラップ270の第1の側276は、低摩擦層の材料で形成され、フラップの第2の側278は、繊維層の材料で形成されている。
【0069】
自律型掃除ロボットが前方に移動すると、フラップ270は
図11Aの構成になり、フラップ270は、洗浄パッド250の後方部260に向けられ、ポケット280は、フラップ270と底面256との間に画定される。フラップ270の第1の側276の低摩擦材料は、フラップ270が低摩擦層254の要素として機能するように、床面に露出されている。
【0070】
自律型掃除ロボットが逆方向に動くとき、フラップ270は
図11Bの構成にあり、フラップ270は洗浄パッド250の前方部258の方を向いている。フラップ270が、そうでなければ洗浄パッド250の前方部258に向かって移動するであろうデブリを捕らえるように、フラップ270の第2の側278の繊維材料は床面に露出している。自律型掃除ロボットが再び前進すると、ポケット280は、フラップ270の第2の側278によって捕らえられたデブリを閉じ込め、そのデブリが崖センサの動作を妨害するのを防ぐ。
【0071】
いくつかの例では、洗浄パッドの低摩擦層は、洗浄パッドに機械的安定性をもたらし得る。例えば、いくつかの繊維層は伸縮性であり、いくつかの低摩擦層は実質的に伸縮性が低くなり、例えば、低摩擦層の材料は、繊維層の材料よりも高い弾性率を有し得る。低摩擦層の存在は、例えば、自律型掃除ロボットの運動方向に沿って伸張するなど、洗浄パッドの伸びに対する抵抗の尺度をもたらし得る。いくつかの例では、低摩擦層を洗浄パッドの上面の全部または一部に配置して、伸びに対する剛性を提供し得る。
【0072】
図12を参照すると、自律型掃除ロボット(例えば、自律型掃除ロボット110)は、例えば、x、y、およびθコンポーネントを有する駆動コマンドに基づいて、床面を横切って自律型掃除ロボット110を操縦することができる駆動部(図示せず)を含む。
【0073】
自律型掃除ロボット110の前方部108は、長手方向(例えば、前方または後方)または横方向(例えば、左または右)の衝突を検出するための可動バンパー160を搭載している。
【0074】
いくつかの例では、洗浄パッド(図示せず)は、バンパー160の幅を越えて延在し、自律型掃除ロボット110は、洗浄パッドの外側エッジを、壁と床の境界面のように、手の届きにくい表面まで、およびそれに沿って、または隙間などに配置し得る。いくつかの例では、洗浄パッドは端部まで延在し、ロボットのパッドホルダー(図示せず)を越えて延在しない。このような例では、洗浄パッドのエッジを鈍くカットし、側面が吸収性にされ得る。自律型掃除ロボット110は、洗浄パッドのエッジを壁面に押し付けることができる。洗浄パッドの位置はさらに、自律型掃除ロボット110が壁追従動作で移動する間、洗浄パッドは、洗浄パッドの拡張されたエッジによって壁の表面または隙間を洗浄し得る。したがって、洗浄パッド100の拡張により、自律型掃除ロボット110が亀裂および隙間を掃除することを可能にする。
【0075】
本体152内のリザーバ172は、洗浄液(例えば、洗浄溶液、水、および/または洗剤)を保持する。自律型掃除ロボット110は、チューブによってリザーバ172に接続された流体アプリケータ176を有する。流体アプリケータ176は、1つまたは複数のノズル178を含むスプレーまたはスプレー機構であり得る。流体アプリケータ176のいくつかの例では、複数のノズルが、流体を異なる方向にスプレーするように構成される。流体アプリケータは、自律型掃除ロボット110の真正面に洗浄液を滴下またはスプレーして、外側ではなく、バンパー160の底部を通って下向きに流体を塗布することができる。いくつかの例では、流体アプリケータは、マイクロファイバーの布またはストリップ、流体分散ブラシ、またはスプレーである。いくつかの例では、自律型掃除ロボット110は、単一のノズルを含む。
【0076】
洗浄パッドおよび自律型掃除ロボット110は、洗浄液をリザーバ172から吸収性洗浄パッドに移送するプロセスが、動的動作中に自律型掃除ロボット110の前後のバランスを維持するような、サイズおよび形状である。自律型掃除ロボット110は、自律型掃除ロボット110の後方部106を持ち上げ、自律型掃除ロボット110の前方部108を下向きにピッチングする、これは、自律型掃除ロボット110に動きを妨げる下向きの力を加え得る、ますます飽和する洗浄パッドおよび減少する満たされた流体リザーバ172なしに、洗浄パッドを床面上に継続的に推進するように、流体は分配される。したがって、自律型掃除ロボット110は、洗浄パッドが流体で完全に飽和しており、リザーバが空である場合でも、床面を横切って洗浄パッドを動かすことができる。自律型掃除ロボット110は、移動した床面の量および/またはリザーバ172に残っている流体の量を追跡し、洗浄パッドを交換するおよび/またはリザーバ172を補充するようにユーザに可聴および/または可視の警告をもたらし得る。いくつかの実装形態では、自律型掃除ロボット110は、洗浄パッドが完全に飽和している場合、または掃除する床が残っている場合に洗浄パッドを交換する必要があるとき、移動を停止し、床面上の所定の位置に留まる。
【0077】
本明細書に記載のロボットおよび技術、またはその一部は、1つまたは複数の非一時的な機械可読記憶媒体に記憶され、制御するために1つまたは複数の処理装置上で実行可能な命令を含むコンピュータプログラム製品によってここで説明する操作を(例えば、調整するために)制御することができる。本明細書に記載のロボットまたはその一部は、様々な動作を実施するための実行可能命令を記憶するための1つまたは複数の処理装置およびメモリを含み得る装置または電子システムの全部または一部として実施され得る。
【0078】
本明細書に記載のロボット動作および制御の全部または一部の実施に関連する動作は、本明細書に記載された機能を実行するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって実行され得る。例えば、モバイル装置、モバイル装置および自律型掃除ロボットと通信するように構成されたクラウドコンピューティングシステム、およびロボットのコントローラはすべて、信号の送信、推定値の計算、または信号の解釈などの機能を実行するためのコンピュータプログラムでプログラムされたプロセッサを含み得る。コンピュータプログラムは、コンパイル言語または解釈言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述され、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境の使用に適したその他のユニットとしてなど、任意の形式で展開され得る。
【0079】
本明細書に記載のコントローラおよびモバイルデバイスは、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、例として、汎用および特殊目的の両方のマイクロプロセッサ、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは、読み取り専用ストレージ領域またはランダムアクセスストレージ領域、あるいはその両方から命令とデータを受信する。コンピュータの要素は、命令を実行するための1つまたは複数のプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つまたは複数の記憶領域デバイスとを含む。一般に、コンピュータはまた、データを格納するための大量のPCBなどの1つまたは複数の機械可読記憶媒体、例えば、磁気、磁気光学ディスク、または光ディスクを含むか、或いは、データを受信するか、若しくはデータを転送するか、或いはその両方のために動作可能に結合される。コンピュータプログラムの命令およびデータを具体化するのに適した機械可読記憶媒体には、例えば、半導体記憶領域デバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュ記憶領域デバイス、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性記憶領域が含まれる。
【0080】
本明細書に記載されたロボット制御および操作技術は、掃除ロボット以外の他の移動ロボットを制御するために適用可能である。例えば、芝刈りロボットまたは空間監視ロボットは、本明細書に記載されるように、芝生または空間の特定の部分で操作を実行するように訓練され得る。
【0081】
本明細書に記載されている異なる実装の要素を組み合わせて、上記には具体的に記載されていない他の実装を形成することができる。要素は、それらの動作に悪影響を与えることなく、本明細書に記載の構造から除外され得る。さらに、様々な別個の要素を1つまたは複数の個別の要素に組み合わせて、本明細書に記載の機能を実行することができる。
【符号の説明】
【0082】
100 洗浄パッド
104 床面
106 後方部
108 前方部
110 自律型掃除ロボット
112 パッドホルダー
114 ホイール
152 本体
160 バンパー
172 リザーバ
176 流体アプリケータ
200 崖センサ
202 繊維層
204 低摩擦層
206 底面
208 前方部
210 後方部
212 先端
214 上面
216 取り付け面
250 洗浄パッド
252 繊維層
256 底面
258 前方部
260 後方部
270 フラップ
272 第1のエッジ
274 第2のエッジ
276 第1の側
278 第2の側
280 ポケット
300 デブリ
302 崖
500 洗浄パッド
502 繊維層
504 低摩擦層
520 セグメント
522 遷移領域
600 洗浄パッド
602 繊維層
604 低摩擦層
630 コア
632a トップ構造層
632b 底部構造層
634 圧縮層
640 オーバーラップ領域
700 洗浄パッド
702 繊維層
704 低摩擦層
708 前方部
710 後方部
712 先端
720 セグメント
730 コア
732a トップ構造層
732b 底部構造層
734 圧縮層
800 洗浄パッド
802 繊維層
804 低摩擦層
808 前方部
812 先端
820 セグメント
830 コア
832a トップ構造層
832b 底部構造層
834 圧縮層
900 洗浄パッド
902 繊維層
904 低摩擦層
908 前方部
912 先端
950 洗浄パッド
952 繊維層
954 低摩擦層
956 底面
958 前方部
962 窪み
970 セグメント