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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/28 20060101AFI20240909BHJP
   G05G 9/047 20060101ALI20240909BHJP
   B65F 3/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
G05G5/28
G05G9/047
B65F3/00 L
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021058053
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154823
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】中津 俊介
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-050156(JP,A)
【文献】特開2012-132242(JP,A)
【文献】特開2010-036865(JP,A)
【文献】特開2015-021297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/00-25/04
B65F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータにより駆動される可動装置と、前記可動装置を操作する操作部とを有する作業装置を備えた作業車両であって、
前記操作部は、中立位置で車幅方向に延びるとともに正面から見て前記中立位置から少なくとも上下方向と車両前後方向に傾けて操作可能な操作レバーと、前記操作レバーを中立位置でロックするためのロック部とを有し、
前記操作レバーは、上下方向または車両前後方向に傾けると前記中立位置に復帰するような付勢力が付与されるとともに先端に握り部を有し、
前記ロック部はロック状態で前記操作レバーの前記握り部と係合して前記握り部の上下方および車両前後方向の動きを規制する規制部と、前記握り部に対して係脱自在となるように前記規制部を支持する支持部とを有し
前記支持部の基端部は、車両前後方向に延びる水平軸心のまわりに、先端部を回動可能になるように固定部材に対して取り付けられ、
前記規制部は、前記支持部の前記先端部に設けられ、
前記支持部の前記先端部を回動させることにより、前記規制部が前記操作レバーの前記握り部から離脱してロック解除されるように構成していることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
アクチュエータにより駆動される可動装置と、前記可動装置を操作する操作部とを有する作業装置を備えた作業車両であって、
前記操作部は、中立位置で水平方向に延びるとともに正面から見て前記中立位置から少なくとも上下方向と左右方向に傾けて操作可能な操作レバーと、前記操作レバーを中立位置でロックするためのロック部とを有し、
前記操作レバーは、上下方向または左右方向に傾けると前記中立位置に復帰するような付勢力が付与されるとともに先端に握り部を有し、
前記ロック部は、ロック状態で前記操作レバーの前記握り部の一部と係合するとともに前記握り部の前記一部以外は露出するようにして前記握り部の上下左右方向の動きを規制する規制部と、前記握り部に対して係脱自在となるように前記規制部を支持する支持部とを有し、
前記支持部の基端部は、先端部を回動可能になるように固定部材に対して取り付けられ、
前記規制部は、前記支持部の前記先端部に設けられ、
前記支持部の前記先端部を前記操作レバーの延びる方向に回動させることにより、前記規制部が前記操作レバーの前記握り部から離脱してロック解除されるように構成していることを特徴とする作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば作業車両のレシーバタンクを傾倒させたり、そのテールゲートを開閉させたりするために、傾倒シリンダやゲートシリンダを作動させる作業装置の操作部を有する作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
単一の操作具(モノレバー)を第1または第2の方向に操作することによって、レシーバタンクを傾倒させる傾倒シリンダ、またはその開閉扉(テールゲート)を開閉させるゲートシリンダを、それぞれ作動させることができる作業車両が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、第1の方向、および第2の方向に、同時には操作不能に構成されたモノレバーを有する作業装置において、モノレバーが第1の方向に操作されることを防止する第1ストッパと、このモノレバーが第2の方向に操作されることを防止する第2ストッパとを有し、第1ストッパによるロックを解除することにより、第2ストッパのロックも解除するようにした構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-015078号公報
【文献】特開2020-050156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された操作具では、操作具が誤動作しないように操作具をロックするためのロック機構、およびその解除機構が設けられている。しかしながら、その構成が繊細で複雑なために、ロック機構が壊れやすいという問題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載されたストッパでは、ストッパ自体が大型で、その構成が複雑であり、操作性が悪くなる可能性が生じうるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成かつ作業者が操作容易でありながら、モノレバーを中立位置で確実に維持することが可能な作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、アクチュエータにより駆動される可動装置と、前記可動装置を操作する操作部とを有する作業装置を備えた作業車両であって、前記操作部は、中立位置で車幅方向に延びるとともに正面から見て前記中立位置から少なくとも上下方向と車両前後方向に傾けて操作可能な操作レバーと、前記操作レバーを中立位置でロックするためのロック部とを有し、前記操作レバーは、上下方向または車両前後方向に傾けると前記中立位置に復帰するような付勢力が付与されるとともに先端に握り部を有し、前記ロック部はロック状態で前記操作レバーの前記握り部と係合して前記握り部の上下方および車両前後方向の動きを規制する規制部と、前記握り部に対して係脱自在となるように前記規制部を支持する支持部とを有し、前記支持部の基端部は、車両前後方向に延びる水平軸心のまわりに、先端部を回動可能になるように固定部材に対して取り付けられ、前記規制部は、前記支持部の前記先端部に設けられ、前記支持部の前記先端部を回動させることにより、前記規制部が前記操作レバーの前記握り部から離脱してロック解除されるように構成していることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、操作レバーは、上下方向または左右方向に傾けると中立位置に復帰するような付勢力が付与されるとともに、先端に握り部を有し、ロック部はロック状態で操作レバーの握り部と係合し握り部の上下左右方向の動きを規制する規制部と、握り部に対して係脱自在となるように前記規制部を支持する支持部とを有しているため、簡単な構成かつ作業者が操作容易でありながら、モノレバーを中立位置で確実に維持することができる。
【0010】
また、本発明は、アクチュエータにより駆動される可動装置と、前記可動装置を操作する操作部とを有する作業装置を備えた作業車両であって、前記操作部は、中立位置で水平方向に延びるとともに正面から見て前記中立位置から少なくとも上下方向と左右方向に傾けて操作可能な操作レバーと、前記操作レバーを中立位置でロックするためのロック部とを有し、前記操作レバーは、上下方向または左右方向に傾けると前記中立位置に復帰するような付勢力が付与されるとともに先端に握り部を有し、前記ロック部は、ロック状態で前記操作レバーの前記握り部の一部と係合するとともに前記握り部の前記一部以外は露出するようにして前記握り部の上下左右方向の動きを規制する規制部と、前記握り部に対して係脱自在となるように前記規制部を支持する支持部とを有し、前記支持部の基端部は、先端部を回動可能になるように固定部材に対して取り付けられ、前記規制部は、前記支持部の前記先端部に設けられ、前記支持部の前記先端部を前記操作レバーの延びる方向に回動させることにより、前記規制部が前記操作レバーの前記握り部から離脱してロック解除されるように構成していることを特徴とする
【0011】
上記構成によれば、支持部の先端部を回動させるだけで容易にロック解除ができる。一方で、支持部を車両前後方向に延びる水平軸心のまわりに回動可能にすることにより、車両走行中の加減速に勢いがあったとしても支持部がその勢いで回動されてロック解除される可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構成かつ作業者が操作容易でありながら、モノレバーを中立位置で確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る吸引車の概略構成を示す側面図である。
図2図1の吸引車の平面図である。
図3】モノレバーの拡大図である。
図4】ロック部を示す図である。
図5図1の吸引車に搭載された吸引装置のエア配管図であって、吸引時のエアの流れを示す図である。
図6図3のエア配管図において、加圧時のエアの流れを示す図である。
図7図1の吸引車に搭載された吸引装置の水封式ポンプ、3次キャッチャ、4次キャッチャ等を左前方から見た斜視図である。
図8図1の吸引車に搭載された吸引装置の水封式ポンプ、3次キャッチャ、4次キャッチャ等を左後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1図2は、本発明の実施形態に係る吸引車2を示している。この吸引車2の車台3上のサブフレーム4上に吸引装置1が設けられている。具体的には、サブフレーム4の後部に、例えば、汚泥、土砂、廃液等よりなる回収対象物を回収するレシーバタンク5が搭載されている。
【0017】
レシーバタンク5は、例えば、後端開口を有する断面円形容器状のタンク本体5aと、この後端開口を開閉するテールゲート5cとを有する。テールゲート5cは、例えば、タンク本体5aの上部後端部にヒンジピン5bを介して回動自在に軸支されている。タンク本体5aとテールゲート5cとの間には、開閉シリンダ5dが設けられており、この開閉シリンダ5dを伸縮操作することで、テールゲート5cがタンク本体5aの後端開口を開閉可能となっている。
【0018】
テールゲート5cの下部には、回収対象物の吸引口となる開閉弁付の吸引口8と、回収対象物の排出口となる開閉弁付の排出口9とが設けられている。レシーバタンク5は、サブフレーム4の後方に設けた傾倒軸10を介してサブフレーム4に対して傾倒可能に軸支されている。すなわち、サブフレーム4とレシーバタンク5との間には、傾倒シリンダ11が設けられている。この傾倒シリンダ11を伸縮操作することで、レシーバタンク5が傾倒軸10の周りに起立回動または倒伏回動するようになっている。
【0019】
詳しくは後述するが、レシーバタンク5内に回収対象物を吸引し回収する場合、レシーバタンク5内の減圧およびエアの流れにより、吸引口8に接続した図示しない吸引ホースを通じて外部からレシーバタンク5内に回収対象物を吸引するようになっている。一方、レシーバタンク5内の回収対象物を、例えば汚泥処理場等に排出する場合、レシーバタンク5内のエアを加圧し、排出口9に接続した図示しない排出ホースを通じてレシーバタンク5内の回収対象物を外部へ排出するようになっている。また、テールゲート5cを開いてレシーバタンク5を起立回動させることによって、レシーバタンク5内の回収対象物を排出することも可能となっている。
【0020】
また、運転室13とレシーバタンク5との間のサブフレーム4上には、レシーバタンク5内のエアを加減圧し、エアの流れを発生させる水封式ポンプ25が設けられている。詳しくは図示しないが、水封式ポンプ25は、吸引車2のPTO(動力取出装置)のドライブシャフトを介して連結された図示しないエンジンの駆動力によって回転駆動されるようになっている。この水封式ポンプ25の周辺には、水封式ポンプ25に接続された配管類、各種バルブ、操作パネル(操作盤本体)15等が配置されている。操作パネル15は、吸引車2の車幅方向一方側の端部に設けられ、車両側面から操作されるようになっている。
【0021】
なお、後に具体的に説明するが、操作部16は、操作パネル15の下部に位置し、開閉シリンダ5dや傾倒シリンダ11を操作するためのモノレバー27が設けられている。
【0022】
次に、モノレバー27について説明する。図3はモノレバー27を拡大して示す図である。この図3に示すように、モノレバー27は、そのシャフト27aの先端部に球状の握り部27cが取り付けられており、これを掌で包むように把持した作業者が正面から見て上下左右のいずれかの方向に操作し易い。また、シャフト27aの基端側は、ハウジング27bに保持され、その内部で、例えば十文字のゲートが形成されたプレートが配設されていて、その中央部から上下または左右のいずれかの方向にのみシャフト27aを動かせるようになっている。
【0023】
また、モノレバー27は、中立位置から上下方向または左右方向のいずれかに操作されると、中立位置に復帰するような付勢力が付与されている。
【0024】
本実施形態では、モノレバー27のシャフト27aは、中立位置で車幅方向に水平に延びるように配設されており、モノレバー27の握り部27cは、車幅方向外側に位置している。モノレバー27を車幅方向外側から見た場合が正面となる。そのため、モノレバー27を正面から見て中立位置から左右方向に動かすということは、モノレバー27を車両前後方向に動かすということになる。
【0025】
さらに、本実施形態の操作部16には、モノレバー27のシャフト27aが前記中立位置にあるときにその上下左右、全ての方向への操作を規制するロック部50が設けられている。すなわち、操作部16には操作レバーであるモノレバー27を中立位置でロックするためのロック部が設けられている。
【0026】
次に、ロック部50について説明する。図4は、モノレバー27、ロック部50、およびそれらの近傍を説明する図である。図4(A)は操作パネル15の前方向に取り付けられたモノレバー27の近傍の底面を示す底面図であり、図4(B)はモノレバー27の近傍の正面を示す正面図であり、図4(C)は図4(B)において、C1-C1で示す部分の矢視図であり、図4(D)は図4(B)の側面図である。
【0027】
図4(A)~図4(D)を参照して、ロック部50は、モノレバー27が中立位置にあるときに、モノレバー27を中立位置でロックするために設けられる。
【0028】
正面から見て、モノレバー27は、操作パネル15の下部に設けられた操作部16のハウジング27bに取り付けられている。
【0029】
操作パネル15の最上部には、これを照明するパネル灯31が設けられている。その下方には、吸引および加圧時等におけるレシーバタンク5内の圧力を表示する連成計32と、吸引車2のエンジン回転数を表示するエンジン回転計33と、が横並びに配置されている。
【0030】
モノレバー27の握り部27cの位置は、図4(B)においては、中央の中立位置と、その上下、左右にその稼働位置も示している。ここで、握り部27cが中立位置にあるときに、ロック部50は、その位置に移動して、握り部27cをロックする。
【0031】
図4(C)および(D)に示すように、ロック部50は、モノレバー27の中央部を車幅方向外側から覆うように設けられ、中立位置にある握り部27cをロックする規制部51と、規制部51を保持する平板状の支持部52と、支持部52を回転可能に保持するヒンジ部53とを含む。なお、ヒンジ部53は、操作パネル15の車幅方向外側(モノレバー27の握り部27c側)の端部に設けられている。そしてヒンジ部53の軸心は、車両前後方向(モノレバー27の左右方向)に延びるように配設されている。
【0032】
ここで、規制部51は、モノレバー27の握り部27cの球状の外周を囲むように形成された短い円筒状であり、操作パネル15の端部に設けられたヒンジ部53を中心として、上方離脱位置から下方係止位置に回動可能であり、下方係止位置に回動したときに握り部27cの球を囲む。
【0033】
すなわち、支持部52の基端部は、車両前後方向に延びる水平軸心を有するヒンジ部53のまわりに、先端部を回動可能になるように操作パネル15の下方に取り付けられ、規制部51は、支持部52の先端部に設けられ、支持部52の先端部を上方へ回動させることにより、規制部51がモノレバー27の握り部27cから離脱してロック解除されるように構成した。支持部52は、規制部51の上方離脱位置で水平方向(車幅方向)に延びた位置になり、規制部51の下方係止位置で上下方向に延びた位置となる。
【0034】
なお、図4(B)には、理解の容易のために、支持部52に設けられた規制部51がモノレバー27の握り部27cに当接した状態を、点線で示しているが、ここに示すように、支持部52は、基端部のヒンジ部53から先端側に行くにつれて幅が狭くなる逆三角形状になっている。これは、使用するヒンジの幅に合わせて基端部の幅を決めているためである。また、支持部52の裏側の短筒状の規制部51から先端側にも延長して、指が引っかかる部分を設けて操作性を向上している。
【0035】
また、ここでは、規制部51は、握り部27cの外周に沿うように円筒状であるが、これに限らず、モノレバー27の上下左右の移動を規制できれば、握り部27cの外周に当接可能な任意の形状であってもよい。
【0036】
すなわち、吸引車2のような、作業車両は、シリンダのようなアクチュエータにより駆動されるレシーバタンク5のような可動装置と、可動装置を操作する操作部16とを有する作業装置を備えた作業車両である。操作部16は、中立位置で水平方向(車幅方向)に延びるとともに中立位置から少なくとも上下方向と左右方向(車両前後方向)に傾けて操作可能な、モノレバー27のような操作レバーと、モノレバー27を中立位置でロックするためのロック部50とを有する。
【0037】
モノレバー27は、上下方向または左右方向に傾けると中立位置に復帰するような付勢力が付与されているとともに先端に握り部27cを有する。
【0038】
ロック部50はロック状態でモノレバー27の握り部27cと係合して握り部27cの上下左右方向の動きを規制する規制部51と、握り部27cに対して係脱自在となるように規制部51を支持する支持部52とを有している。
【0039】
上記構成によれば、モノレバー27は、上下方向または左右方向に傾けると中立位置に復帰するような付勢力が付与されるとともに、先端に握り部を有し、ロック部50はロック状態でモノレバー27の握り部27cと係合し握り部27cの上下左右方向の動きを規制する規制部51と、握り部27cに対して係脱自在となるように規制部51を支持する支持部52とを有しているため、簡単な構成かつ作業者が操作容易でありながら、モノレバーを中立位置で確実に維持することができる。
【0040】
また、支持部52の先端部を回動させるだけで容易にロック解除ができる。一方で、支持部52を車両前後方向に延びる水平軸心のまわりに回動可能にすることにより、車両走行中の加減速に勢いがあったとしても支持部52がその勢いで回動されてロック解除される可能性を低減することができる。
【0041】
なお、図4(B)等に示すように、操作パネル15の下方の操作部16にモノレバー27が配設され、ロック部50の支持部52は、モノレバー27の握り部27cのロック状態において操作パネル15の計器が設けられた正面側から見て握り部27cを覆って垂下されるように構成している。
【0042】
ここで、規制部51は、モノレバー27の先端部のみを覆う形状としたが、これは、操作性を極力犠牲にしないためであり、必要に応じて、モノレバー27を例えば、蓋付きの箱内に収容できるような構造としてもよい。
【0043】
また、モノレバー27のロック部50について、モノレバー27を覆う状態から上開きになるような構成としたが、これは、手を離せば、自重でロック状態になるようにするためである。また、支持部52の先端部を基端部よりも上方まで回動させたとしても、規制部51が設けられていることによる重心バランスによって、支持部52の先端部は、基端部より上方にとどまることなく、自重でモノレバー27の握り部27cを規制部51で係止する位置まで下方回動される。
【0044】
なお、ロック部50の先端は重力だけで下方向に付勢されているが、必要に応じて、コイルバネ等を回動軸35に設けても良い。
【0045】
本実施形態では、モノレバー27が上向きに操作されると傾倒シリンダ11の伸長作動によって、レシーバタンク5が起立し(ダンプ上げ)、下向きに操作されると傾倒シリンダ11の収縮作動によって、レシーバタンク5が倒伏する(ダンプ下げ)。また、モノレバー27が右向き(車両後向き)に操作されると開閉シリンダ5dの伸長作動によって、テールゲート5cが開放され(ゲート開)、左向き(車両前向き)に操作されると開閉シリンダ5dの収縮作動によって、テールゲート5cは閉じられる(ゲート閉)。
【0046】
次に、吸引装置1の具体的構成について説明する。
【0047】
図5図7に示すように、吸引装置1は、1次キャッチャとしてのレシーバタンク5、サイクロン式の集塵機よりなる2次キャッチャ20および3次キャッチャ21、気水分離器兼水タンクよりなる4次キャッチャ22等を備えており、これらの機器が、例えば金属製丸鋼管等よりなるレシーバタンク加減圧配管7を介して接続されている。本実施形態では、3次キャッチャ21および4次キャッチャ22が一体的に設けられている。3次キャッチャ21および4次キャッチャ22の具体的な構成ついては後述する。
【0048】
レシーバタンク5は、2次キャッチャ20と第1配管7aにより接続されている。また、2次キャッチャ20は、3次キャッチャ21と第2配管7bにより接続されている。なお、2次キャッチャ20は、図5および図6に図示しているが、図1図2図7図8では図示を省略している。
【0049】
水封式ポンプ25、3次キャッチャ21、4次キャッチャ22、および一体型サイレンサ23は、エア切換式四方弁24と配管を介して接続されるようになっている。具体的には、水封式ポンプ25は、吸引口25aと吐出口25bとを有している。3次キャッチャ21とエア切換式四方弁24とが、第3配管7cにより接続されている。また、水封式ポンプ25の吸引口25aとエア切換式四方弁24とが、第4配管7dにより接続されている。また、4次キャッチャ22とエア切換式四方弁24とが、第5配管7eにより接続されている。また、一体型サイレンサ23とエア切換式四方弁24とが、第6配管7fにより接続されている。水封式ポンプ25の吐出口25bは、4次キャッチャ22と第7配管7gにより接続されている。
【0050】
吸引時には、3次キャッチャ21と水封式ポンプ25の吸引口25aとがエア切換式四方弁24を介して接続される一方、4次キャッチャ22と一体型サイレンサ23とがエア切換式四方弁24を介して接続されるようになっている。また、エア切換式四方弁24を切り換えることにより、加圧時には、一体型サイレンサ23と水封式ポンプ25の吸引口25aとがエア切換式四方弁24を介して接続される一方、4次キャッチャ22と3次キャッチャ21とがエア切換式四方弁24を介して接続されるようになっている。
【0051】
そして、レシーバタンク5と水封式ポンプ25とをつなぐ配管には、この配管の上流側よりも高い圧力のエアを駆動エアとして導入するエゼクタ30が介設されている。具体的には、エア切換式四方弁24と水封式ポンプ25との間の第4配管7dにエゼクタ30が介設されている。なお、第4配管7dには、このエゼクタ30を通さずにエア切換式四方弁24から吸引口25aへ通るバイパス通路(図示せず)を設けてもよい。
【0052】
エア切換式四方弁24には、図示しない四方弁切換バルブユニットが接続されており、エアタンクからの加圧エアが供給可能になっている。操作パネル15(図1参照)に設けられた吸引ボタン15a、中正ボタン15b、加圧ボタン15cのいずれかが押されたことに基づいて、エアタンクから加圧エアがエア切換式四方弁24に供給され、この加圧エアの圧力によりエア切換式四方弁24が切換制御されるようになっている。
【0053】
上記構成の吸引装置1の作動について説明する。
【0054】
まず、吸引車2の走行を停止した状態で、運転室13等に設けられたPTOスイッチをオンにする。すると、車両の走行用エンジンの駆動力が水封式ポンプ25に供給されるようになる。
【0055】
次に、吸引開始のために、作業者が操作パネル15の吸引ボタン15aを押す。すると、エアタンクの加圧エアの圧力でエア切換式四方弁24のスプールが吸引側へ移動する。
【0056】
次いで、図5の状態にエア切換式四方弁24が切り換わり、水封式ポンプ25の駆動と共に、吸引口8からエアが吸い込まれてレシーバタンク5に回収対象物が回収される。エアは、レシーバタンク5、2次キャッチャ20、3次キャッチャ21を通り、エア切換式四方弁24を通って水封式ポンプ25の吸引口25aから吸い込まれる。このとき、エア切換式四方弁24からのエアは、エゼクタ30を通る。
【0057】
水封式ポンプ25に吸い込まれたエアは、吐出口25bから吐出され、4次キャッチャ22を通ってエア切換式四方弁24に戻り、一体型サイレンサ23を通って外部に排気される。
【0058】
一方、吸引から中正に切り換えるときには、作業者が操作パネル15の中正ボタン15bを押す。すると、エアタンクの加圧エアの圧力によりエア切換式四方弁24のスプールが中正側に戻る。
【0059】
そして、中正から加圧に切り換えるときには、作業者が操作パネル15の加圧ボタン15cを押す。すると、エアタンクの加圧エアの圧力によりエア切換式四方弁24のスプールが中正側から加圧側へ移動する。
【0060】
次いで、図6の状態にエア切換式四方弁24が切り換わり、水封式ポンプ25の駆動と共に、吐出口25bから加圧エアが吐出され、4次キャッチャ22を通過したエアは、エア切換式四方弁24を通って3次キャッチャ21および2次キャッチャ20を通り、レシーバタンク5に到達して回収した回収対象物と共に、排出口9から排出される。
【0061】
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0062】
上記実施形態では、真空ポンプとして水封式ポンプ25を用いたが、これ以外の真空ポンプを用いてもよい。
【0063】
以上では作業装置が吸引車2に搭載されている場合について説明したが、吸引車2以外にも荷箱や油圧シリンダを備えた種々の作業車両について本発明を適用することが可能であり、例えば荷箱として、回収された塵芥の収集箱を備える塵芥収集車にも本発明を適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、アクチュエータにより駆動される可動装置と、前記可動装置を操作する操作部とを有する作業装置を備えた作業車両に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 吸引装置
2 吸引車(作業車両)
5 レシーバタンク
15 操作パネル
16 操作部
25 水封式ポンプ(真空ポンプ)
27 モノレバー
27c 握り部
50 ロック部
51 規制部
52 支持部
53 ヒンジ部
図1
図2
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図8