(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240909BHJP
【FI】
G06F3/12 330
G06F3/12 305
G06F3/12 329
G06F3/12 385
(21)【出願番号】P 2020086298
(22)【出願日】2020-05-15
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】長島 威行
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005565(JP,A)
【文献】特開2004-194284(JP,A)
【文献】特開2019-053570(JP,A)
【文献】特開2006-243905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して画像処理装置を管理するデバイス管理ソフトウェアを実行する情報処理装置であって、
前記画像処理装置のファームウェアの更新処理に係る指示を受け付ける第1の画面において、更新可能な前記ファームウェアの存在確認を行うための、前記画像処理装置に対する前記ファームウェアの更新の指示を伴わないファームウェア存在確認タスクを実行するか否かの選択の入力を受け付けて、第1タスクを実行する実行手段と、
前記第1タスクの実行結果を表示装置に表示させる表示手段と、を備え、
前記表示手段は、前記ファームウェア存在確認タスクを実行することが選択された場合、前記第1タスクとしての前記ファームウェア存在確認タスクの実行結果を表示する第2の画面を介して選択された画像処理装置に対する更新指示を受け付けたことに応じて、前記画像処理装置にファームウェアを配信するための第2タスクの設定を行うための第3の画面を前記表示装置に表示させ、
前記実行手段は、前記第3の画面を介して入力される実行指示に応じて、前記第2タスクを実行する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2タスクでは、前記画像処理装置ごとにパスワードを設定可能である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第3の画面では、前記第2タスクのタスク名を編集可能である
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第3の画面では、前記第2タスクの実行スケジュールを設定可能である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の画面を介して、更新可能な前記ファームウェアの存在確認と、存在が確認できたファームウェアの前記画像処理装置に対する配信と、を実行するための第3タスクの指示を受け付け得る
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して画像処理装置を管理するデバイス管理ソフトウェアを実行する情報処理装置の方法であって、
前記画像処理装置のファームウェアの更新処理に係る指示を受け付ける第1の画面において、更新可能な前記ファームウェアの存在確認を行うための、前記画像処理装置に対する前記ファームウェアの更新の指示を伴わないファームウェア存在確認タスクを実行するか否かの選択の入力を受け付けて、第1タスクを実行する実行工程と、
前記第1タスクの実行結果を表示装置に表示させる表示工程と、を有し、
前記表示工程では、前記ファームウェア存在確認タスクを実行することが選択された場合、前記第1タスクとしての前記ファームウェア存在確認タスクの実行結果を表示する第2の画面を介して選択された画像処理装置に対する更新指示を受け付けたことに応じて、前記画像処理装置にファームウェアを配信するための第2タスクの設定を行うための第3の画面を前記表示装置に表示させ、
前記第3の画面を介して入力される実行指示に応じて、前記第2タスクが実行される
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
画像処理装置のファームウェアの更新処理に係る指示を受け付ける第1の画面において、更新可能な前記ファームウェアの存在確認を行うための、前記画像処理装置に対する前記ファームウェアの更新の指示を伴わないファームウェア存在確認タスクを実行するか否かの選択の入力を受け付けて、第1タスクを実行する実行工程と、
前記第1タスクの実行結果を表示装置に表示させる表示工程と、をコンピュータに実行させ、
前記表示工程では、前記ファームウェア存在確認タスクを実行することが選択された場合、前記第1タスクとしての前記ファームウェア存在確認タスクの実行結果を表示する第2の画面を介して選択された画像処理装置に対する更新指示を受け付けたことに応じて、前記画像処理装置にファームウェアを配信するための第2タスクの設定を行うための第3の画面を前記表示装置に表示させ、
前記第3の画面を介して入力される実行指示に応じて、前記第2タスクが実行される
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスにおけるネットワーク接続デバイスに対して、デバイスのファームウェア更新を管理するためのデバイス管理システムが存在する。
この種のデバイス管理システムでは、デバイスのファームウェア更新処理や、更新可能なファームウェアが存在するかの確認処理を、複数のデバイスに対してリモートタスクを用いて実行する。また、デバイス管理システムは、実行したタスクが失敗した場合には、タスクの実行結果画面にてリカバリータスクの実行を可能とする機能を提供する。
【0003】
更に、デバイス管理システムに関しては、ファームウェア更新の指示を受けたデバイスが、デバイス自身の動作状態を確認してファームウェア更新が可能な状態か否かを判定し、その結果をデバイス管理システムに通知する。そして、デバイス管理システムは、デバイスからの通信内容に従ってデバイスのファームウェアの更新を実現する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
更新可能なファームウェアを確認するためのタスクの実行結果画面で更新可能なファームウェアの存在が確認できた場合には、デバイスのファームウェアの更新を簡便な操作で実現することが要望される。
ところが、従来の技術では、上記のタスクの実行結果画面で更新可能なファームウェアの存在が確認できても、別途ファームウェア更新のタスクを最初から作成する必要があり煩雑であった。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、更新可能なファームウェアを確認するためのタスクの実行結果画面からデバイスのファームウェアの更新を簡便な操作で実現する仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、ネットワークを介して画像処理装置を管理するデバイス管理ソフトウェアを実行する情報処理装置である。情報処理装置は、画像処理装置のファームウェアの更新処理に係る指示を受け付ける第1の画面において、更新可能なファームウェアの存在確認を行うための、画像処理装置に対するファームウェアの更新の指示を伴わないファームウェア存在確認タスクを実行するか否かの選択の入力を受け付けて、第1タスクを実行する実行手段と、第1タスクの実行結果を表示装置に表示させる表示手段と、を備える。表示手段は、ファームウェア存在確認タスクを実行することが選択された場合、第1タスクとしてのファームウェア存在確認タスクの実行結果を表示する第2の画面を介して選択された画像処理装置に対する更新指示を受け付けたことに応じて、画像処理装置にファームウェアを配信するための第2タスクの設定を行うための第3の画面を表示装置に表示させる。実行手段は、第3の画面を介して入力される実行指示に応じて、第2タスクを実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、更新可能なファームウェアを確認するためのタスクの実行結果画面からデバイスのファームウェアの更新を簡便な操作で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態のデバイス管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバおよびコンテンツサーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】デバイスのハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】管理サーバ、コンテンツサーバおよびデバイスのソフトウェア構成例を示す図である。
【
図6】デバイス管理アプリケーションの表示画面の一例を示す図である。
【
図7】「ファームウェア更新のタスク作成/実行」の画面表示例を示す図である。
【
図8】第1実施形態のデバイス管理アプリケーションの処理例を示す図である。
【
図9】S805でのタスク実行の処理例を示す図である。
【
図10】「タスクの実行結果」の画面表示例を示す図である。
【
図11】
図10の画面から遷移できる「ファームウェア更新のタスク作成/実行」の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。ただし、以下の実施形態で説明されている特徴のすべてが本発明に必須のものであるとは限らない。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の情報処理装置の運用例であるデバイス管理システムの構成例を示す図である。
【0012】
デバイス管理システムは、管理サーバ1000と、コンテンツサーバ2000と、複数のデバイス3000(DevA1~DevAn、DevB1~DevBn)と、を含む。
【0013】
管理サーバ1000は、デバイス3000のファームウェアの更新を制御する情報処理装置である。コンテンツサーバ2000は、上記のファームウェアを管理する情報処理装置である。
【0014】
デバイス3000は、管理サーバ1000の管理対象となる画像処理装置である。デバイス3000は、一例として、プリンター、複写機、デジタル複合機、3Dプリンターなどの画像形成装置を含む。もっとも、デバイス3000は、ファームウェアの実行機能を有するネットワークデバイスであれば、画像処理装置または画像形成装置に限定されるものではない。
なお、以下の説明では、複数のデバイス3000のうち特定のデバイス(A1)を指す場合、デバイスDevA1等とも表記する。
【0015】
管理サーバ1000とデバイス3000は、LAN等のイントラネット4000を介してネットワーク接続されている。また、管理サーバ1000とコンテンツサーバ2000は、WAN等のインターネット5000を介して接続されている。なお、管理サーバ1000とコンテンツサーバ2000は、イントラネット4000を介して接続されていてもよい。
【0016】
ここで、管理サーバ1000は、コンテンツサーバ2000からファームウェアを配信し、デバイス3000のファームウェアを更新する。上記のファームウェアの更新は、複数のデバイス3000に対して、管理サーバ1000がファームウェア更新タスクを実行することで行われる。
【0017】
また、管理サーバ1000は、デバイス3000のファームウェアの更新が可能かを確認するためのタスク(以下、ファームウェア存在確認タスクとも称する)を実行可能である。このファームウェア存在確認タスクは、ファームウェア更新タスクの一種であるが、ファームウェアの更新を伴わないタスクである。
【0018】
図2は、管理サーバ1000およびコンテンツサーバ2000のハードウェア構成例を示す図である。ここで、本実施形態において、管理サーバ1000およびコンテンツサーバ2000のハードウェア構成はほぼ同様である。そのため、以下の説明では、管理サーバ1000のハードウェア構成を主に説明し、コンテンツサーバ2000のハードウェア構成に関する重複説明はいずれも省略する。
【0019】
管理サーバ1000は、CPU201、ROM202、RAM203、表示I/F204、入力I/F206、記録I/F208、通信I/F211を備える。これらの要素は、システムバス200を介して互いに接続されている。また、管理サーバ1000は、それぞれ記録I/F208に接続されたハードディスク(以下、HDDとも称する)209、DiskDrive210をさらに備えている。
なお、CPUは、Central Processing Unitの略であり、ROMは、Read Only Memoryの略であり、RAMは、Random Access Memoryの略である。
【0020】
CPU201は、ROM202またはRAM203に格納されたプログラムに従って、各種の演算処理を行う。ROM202は、不揮発性の記憶領域であって、オペレーティングシステム(OS)や、管理サーバ1000の各種機能(後述のデバイス探索部41、タスク管理部42、ファームウェア制御部43など)を実現するアプリケーションプログラムを格納できる。RAM203は、揮発性の記憶領域であって、CPU201が各種の演算処理を行う際の一時記憶領域として使用される。
【0021】
表示I/F204は、表示手段の一例であって、表示装置205と接続されるインターフェースである。表示装置205は、各種の画面表示を行うデバイスであって、例えば、液晶ディスプレイなどで構成される。
【0022】
入力I/F206は、入力装置207と接続されるインターフェースである。入力装置207は、管理サーバ1000に対する管理者の操作を受け付けるデバイスであって、例えば、キーボードやポインティングデバイスが挙げられる。管理サーバ1000は、入力装置207から受け付けた管理者の各種指示に応じて、各種の制御を行う。
【0023】
記録I/F208は、HDD209およびDiskDrive210と接続され、これらに対するデータの読み込み/書き込みを制御する。HDD209は、不揮発性の大容量記憶媒体である。DiskDrive210は、着脱可能な記憶媒体(不図示)に対してデータの読み込み/書き込みを行う装置である。管理サーバ1000の各種機能を実現するアプリケーションプログラムは、HDD209またはDiskDrive210から供給されてもよい。
【0024】
通信I/F211は、外部装置との通信を行うためのインターフェースである。通信I/F211は、インターネット5000を介してコンテンツサーバ2000とのデータ通信を行い、イントラネット4000を介してデバイス3000とのデータ通信を行う。
【0025】
ここで、コンテンツサーバ2000のハードウェアの場合、CPU201は、後述のファームウェア管理部45などの機能を担うアプリケーションプログラムを実行しうる。また、コンテンツサーバ2000におけるROM202、RAM203、HDD209またはDiskDrive210は、後述のファームウェア保管部46として機能しうる。
【0026】
図3は、デバイス3000のハードウェア構成例を示す図である。
本実施形態のデバイス3000は、プリントやコピーなどの印刷に関する機能と、管理サーバ1000等との通信に関する機能とを有している。
【0027】
デバイス3000は、CPU301、ROM302、RAM303、記録I/F304、操作部306、カードリーダー307、プリンター308、スキャナー309、通信I/F310を備える。これらの要素は、システムバス300を介して互いに接続されている。また、デバイス3000は、記録I/F304に接続されたHDD305をさらに備えている。
【0028】
CPU301は、デバイス3000全体を制御するコントローラとして機能する。CPU301は、例えば、制御プログラムに基づいて、プリンター308およびスキャナー309等の制御を行う。また、CPU301は、アプリケーションプログラムの実行により、後述のファームウェア更新部47として機能しうる。
【0029】
ROM302は、不揮発性の記憶領域であって、デバイス3000の各種機能(後述のファームウェア更新部47など)を実現するアプリケーションプログラムを格納できる。RAM303は、揮発性の記憶領域であって、CPU301が各種の演算処理を行う際の一時記憶領域として使用される。
【0030】
記録I/F304は、HDD305に対するデータの読み込み/書き込みを制御する。HDD305は、不揮発性の大容量記憶媒体である。デバイス3000の各種機能を実現するアプリケーションプログラム(ファームウェア48も含む)は、HDD305から供給されてもよい。また、HDD305は、後述のファームウェア48のクライアント側のデータや、デバイスの利用者であるユーザに関する登録情報(ユーザ情報)を格納する。
【0031】
操作部306は、ユーザインターフェースとして機能するモジュールである。操作部306は、デバイス3000に対するユーザの操作を受け付けるスイッチやタッチパネルと、画面表示を行うLED表示器などを含む。
【0032】
カードリーダー307は、ユーザが保有する認証用のICカードや磁気カードから個人認証情報を読み出して取得するデバイスである。CPU301は、予めHDD307に格納されているユーザ情報と、カードリーダー307から受信した個人認証情報を照合することでユーザのログイン処理を行う。なお、ログイン処理のユーザの認証は、IDおよび識別情報の入力によるアカウント認証などであってもよい。
【0033】
プリンター308は、画像データに基づく画像を記録媒体上に印刷する。例えば、プリンター308は、電子写真方式の印刷デバイスであって、露光部、転写部や定着器などを含む。また、スキャナー309は、原稿上の画像を読み取って、読み取った画像データをページ毎に順に出力するデバイスである。
【0034】
通信I/F310は、外部装置との通信を行うためのインターフェースである。通信I/F310は、例えば、イントラネット4000を介して管理サーバ1000とのデータ通信を行う。
【0035】
図4は、管理サーバ1000、コンテンツサーバ2000およびデバイス3000のソフトウェア構成例を示す図である。
【0036】
管理サーバ1000は、デバイス管理ソフトウェアによるソフトウェアモジュールとしてデバイス管理部40を有する。管理サーバ1000上で稼働するデバイス管理部40は、デバイス探索部41、タスク管理部42、ファームウェア制御部43およびデータ保管部44を含む。なお、デバイス管理部40はWebベースのアプリケーションとして実装されてもよく、その場合には、デバイス管理部40の機能はWebブラウザーを介して利用することもできる。
【0037】
デバイス探索部41は、管理対象のデバイス3000に対して任意のタイミングで探索を行い、デバイス情報を取得する機能を担う。
【0038】
デバイス探索部41によって実行されるタスクとしては、例えば、公知のSNMP、IP Broadcast、SLP/Multicast等によるデバイス3000に対するデバイス探索機能のタスクが挙げられる。これにより、デバイス探索部41は、イントラネット4000を介して、MIB(Management Information Base)等のデバイス情報の取得または変更を行う。
【0039】
本実施形態でのデバイス探索部41は、デバイス探索の結果として、デバイス名、製品名、アドレスおよびファームウェア情報等のデバイス情報を取得する。取得されたデバイス情報は、データ保管部44に保存される。
【0040】
タスク管理部42は、デバイス探索部41またはファームウェア制御部43が生成し、データ保管部44に保管されたタスクの実行を管理する機能を担う。タスク管理部42は、各タスクに設定されたスケジュールに応じて、タスクを保存したデバイス探索部41またはファームウェア制御部43に対してタスクの実行を指示する。
【0041】
ファームウェア制御部43は、実行手段の一例であって、デバイス3000のファームウェアを更新するためのファームウェア更新タスクを実行する。ファームウェア更新タスクには、上記のファームウェア存在確認タスクが含まれる。
【0042】
これにより、ファームウェア制御部43は、デバイス3000上で稼働するファームウェアの更新処理を後述のファームウェア更新部47に指示する機能(ファームウェアの更新機能)や、ファームウェア存在確認機能を担う。
【0043】
データ保管部44は、管理サーバ1000のHDD209上で稼働するデータベースである。データ保管部44は、デバイス探索部41のデバイス探索によって生成されたデバイスリスト等のテーブルデータや、デバイス探索部41またはファームウェア制御部43が生成したタスクの情報を保管する。なお、デバイス情報を含むデバイスリストは、デバイス探索部41のデバイス探索以外に、CSVファイル等のファイルをインポートすることで取得されてもよい。
【0044】
図5は、データ保管部44に保管されるデバイスリストの一例を示す図である。
図5に示すデバイスリスト50は、デバイスとデバイス情報を紐づけしたテーブルデータであって、デバイス名、当該デバイスの製品名、当該デバイスのアドレスおよびファームウェア情報の項目を含む。デバイスリスト50のファームウェア情報は、当該デバイスで稼働するファームウェアのバージョンを示す情報である。
【0045】
例えば、
図5のデバイスリスト50の最上行は、デバイス名がDevA1であるデバイスDevA1は、製品名がDevA、アドレスがipA1であり、FirmA100というバージョンのファームウェアが稼働していることを示している。
【0046】
一方、
図5のデバイスリスト50から、デバイスDevB1においては、製品名がDevB、アドレスがipB1であり、FirmB200というバージョンのファームウェアが稼働していることが分かる。
図5のデバイスリスト50において、デバイスDevA2~An、デバイスDevB2~Bnのデバイス情報の見方も同様である。
【0047】
図4に戻って、コンテンツサーバ2000は、ソフトウェアモジュールとしてファームウェア管理部45およびファームウェア保管部46を有する。
【0048】
ファームウェア管理部45は、ファームウェア制御部43やデバイス3000のファームウェア更新部47からの指示に応じて、ファームウェア48や関連するファームウェア情報を提供する機能を担う。
【0049】
ファームウェア保管部46は、例えば、FTPサーバ、HTTPサーバまたはファイルサーバなどのファームウェア48のデータファイルや、当該ファームウェアのファームウェア情報を保管する。ファームウェア情報は、例えば、ファームウェアのバージョンや、ファームウェアを適用可能なデバイス3000の製品名等の情報を含む。
【0050】
また、デバイス3000は、ソフトウェアモジュールとしてファームウェア更新部47と、デバイス3000上で稼働するファームウェア48とを有する。
【0051】
ファームウェア更新部47は、デバイス3000上で稼働するファームウェア48に対する更新指示をファームウェア制御部43から受けると、ファームウェア管理部45を介してファームウェアのデータを取得する。そして、ファームウェア更新部47は、取得したデータを用いてデバイス3000上で稼働するファームウェア48を更新する。なお、ファームウェア48の取得は、管理サーバ1000のファームウェア制御部43を経由するものでもよい。
【0052】
ここで、ファームウェア制御部43、ファームウェア保管部46およびファームウェア更新部47は、互いにSOAP(Simple Object Access Protocol)等のプロトコルを利用したWebサービスにより通信する。
【0053】
上記構成のデバイス管理システムにおいて、ファームウェア制御部43が実行するファームウェア48の更新タスクとして、上記のようにファームウェア存在確認タスクが存在する。
【0054】
ファームウェアの更新処理を伴うファームウェア更新タスクは、更新可能なファームウェアが存在していない状態で実行されると失敗として処理される。一方で、ファームウェア存在確認タスクの実行結果が成功となる場合、デバイス3000においてファームウェア48の更新が可能な状態にあることが分かる。そのため、ファームウェア存在確認タスクを予め実行することで、デバイス3000のファームウェア更新部47への無駄な処理を抑制できる。
【0055】
ファームウェア存在確認タスクの実行により、デバイス3000においてファームウェア48の更新が可能な状態にあることが分かると、続いてファームウェア48の更新タスクが実行される場合がある。上記の場合には、ファームウェア存在確認タスクの実行結果を提示するユーザインターフェース上からファームウェアの更新タスクが実行できることが望ましい。
【0056】
次に、本実施形態のデバイス管理システムにおけるファームウェア制御について説明する。
図6は、デバイス管理部40によって処理されるデバイス管理アプリケーションの表示画面の一例を示す図である。
【0057】
図6の表示画面60は、例えば管理サーバ1000の表示装置205に表示され、メニュー61の表示とタスク作成領域62の表示を含む。デバイス管理部40は、管理者の操作で選択されたメニュー61の項目に応じて、タスク作成のための画面を表示画面60のタスク作成領域62に表示させる。
【0058】
メニュー61は、デバイス探索部41が機能を提供する「デバイス探索」メニューと、ファームウェア制御部43が機能を提供する「ファームウェア管理」メニューを含む。さらに、「ファームウェア管理」メニューは、「ファームウェア更新のタスク」、「その他のタスク」、および「実行タスクの結果」メニューを含む。
【0059】
ここで、「デバイス探索」メニューが選択されると、デバイス探索部41が、デバイス3000に対して探索タスクを実行する。「デバイス探索」メニューによるデバイス探索によって、
図5に示すデバイスリストの情報が生成される。
【0060】
また、「ファームウェア更新のタスク」メニューは、ファームウェア制御部43に対して、デバイス3000のファームウェア更新のタスクや、ファームウェア存在確認のタスクを作成/実行させるためのメニューである。
【0061】
また、「その他のタスク」メニューは、例えば、ファームウェア制御部43に対して、デバイス3000上で稼働するファームウェア48のファームウェア情報を取得させるためのメニューである。
また、「実行タスクの結果」メニューは、各タスクの実行結果を提示させるとともに、タスクで指定されたデバイス毎の実行結果の詳細を提示させるためのメニューである。
【0062】
図8は、本実施形態のデバイス管理アプリケーションの処理例を示す図である。
図8の処理は、例えば、管理サーバ1000のCPU201が、プログラムをRAM203にロードして実行することで実現される。
【0063】
本実施形態のデバイス管理アプリケーションは、デバイス3000に対して最初にファームウェア存在確認タスクを実行し、更新可能なファームウェア48が存在するかを確認する。そして、更新可能なファームウェア48が存在する場合、デバイス管理アプリケーションは、デバイス3000上で稼働するファームウェア48を更新するタスクを実行する。
【0064】
S800にて、ファームウェア制御部43は、
図6のメニュー61のうち入力装置207で選択されたメニュー情報を取得する。本実施形態では、ファームウェア制御部43は、選択されたメニュー情報として「ファームウェア更新のタスク」のメニュー情報を取得するものとする。
【0065】
S801にて、ファームウェア制御部43は、選択されたメニュー情報が「ファームウェア更新のタスク」かを判断する。選択されたメニュー情報が「ファームウェア更新のタスク」である場合、S802に処理が移行する。一方、選択されたメニュー情報が「ファームウェア更新のタスク」でない場合、S806に処理が移行する。
【0066】
S802にて、ファームウェア制御部43は、ファームウェア更新のタスクを作成するための画面70(「ファームウェア更新のタスク作成/実行」の画面)を表示装置205に表示する。画面70は、例えば、
図6の表示画面60のタスク作成領域62に表示される。
【0067】
図7は、「ファームウェア更新のタスク作成/実行」の画面表示例を示す図である。
「ファームウェア更新のタスク作成/実行」の画面70は、タスク名設定71、デバイス選択72、オプション設定73およびスケジュール設定74の各セクションを含む。また、画面70は、設定したタスクを実行する操作を受け付ける「実行」ボタンや、処理を中止する操作を受け付ける「キャンセル」ボタンを含む。
【0068】
タスク名設定71のセクションは、登録するタスクの名称を設定するための編集ボックスを含み、タスクの名称の設定入力(例えばTask1)を受け付ける。
【0069】
デバイス選択72のセクションは、管理対象のデバイス3000の情報を表示するデバイスリストと、ファームウェアの更新対象となるデバイス3000の選択を受け付けるチェックボックスを含む。デバイス選択72のチェックボックスで選択されたデバイス3000に対して、画面70で設定中のタスクが実行される。
【0070】
例えば、ファームウェア制御部43は、デバイス選択72のセクションにおいて、
図5のデバイスリスト50の情報と、デバイス3000のデバイスパスワードの情報を紐づけて表示する。デバイスパスワードは、ファームウェア更新を実行する際に必要となる各々のデバイス3000のパスワードである。
【0071】
オプション設定73のセクションは、ファームウェア48の更新を伴わず、更新可能なファームウェア48が存在するかを確認するファームウェア存在確認タスクの実行可否の設定を受け付ける。上記のようにファームウェア存在確認タスクを利用することで、更新可能なファームウェア48が存在しないデバイス3000との無駄な通信トラフィックの発生が抑制される。
【0072】
スケジュール設定74のセクションは、「実行スケジュール」と「実行周期」(不図示)の項目を含み、画面70で設定中のタスクの実行スケジュールの設定入力を受けつける。ここで、「実行スケジュール」の項目は、「定期的に実行する」や「すぐに実行する」などのタスクの実行スケジュールの選択を受け付ける。
【0073】
また、スケジュール設定74の「実行周期」は、実行スケジュールが「定期的に実行する」設定である場合の詳細な設定を受け付ける項目である。例えば、実行周期が月単位で設定される場合には、当該項目では配信日と配信時間の指定を受け付ける。また、実行周期が週単位で設定される場合には、当該項目では配信曜日の配信時間の指定を受け付ける。また、実行周期が週単位で設定される場合には、当該項目では配信時間の指定を受け付ける。
【0074】
なお、スケジュール設定74の「実行スケジュール」や「実行周期」は上記の設定に限定されず、例えば、ある週の月曜日から金曜日は09:00~17:00、土曜日と日曜日は終日などの不定期な配信スケジュールや周期を設定してもよい。
【0075】
図8に戻ってS803にて、ファームウェア制御部43は、「ファームウェア更新のタスク作成/実行」の画面70で受け付けた操作に基づいて、ファームウェア更新タスクを設定する。例えば、ファームウェア制御部43は、デバイス選択72のチェックボックスの入力に基づきタスクの対象となるデバイス3000を選択し、スケジュール設定74の入力に基づきタスクの実行スケジュールを設定する。また、ファームウェア制御部43は、オプション設定73での選択に基づいてファームウェア存在確認タスクを設定する。
【0076】
本実施形態では、S803でのファームウェア制御部43は、タスク名として「Task1」を設定するものとする。また、S803でのファームウェア制御部43は、タスクの対象となるデバイス3000としてデバイスDevA1~DevAn、DevB1~DevB1を選択し、各々のデバイスパスワードを設定可能であるものとする。また、S803でのファームウェア制御部43は、オプション設定73を有効にしてファームウェア存在確認タスクを設定するものとする。また、S803でのファームウェア制御部43は、タスクの実行スケジュールとして「すぐに実行する」を設定するものとする。
【0077】
S804にて、ファームウェア制御部43は、入力装置207からタスクの実行指示(例えば、画面70での「実行」ボタンの押下)を受け付けたかを判断する。タスクの実行指示を受け付けた場合には、S805に処理が移行する。一方、タスクをキャンセルする指示がある場合(例えば、画面70での「キャンセル」ボタンの押下)には、ファームウェア制御部43は
図8の処理を終了する。
【0078】
S805にて、デバイス管理部40は、S803で設定されたタスクを実行する。S805の処理については
図9を用いて詳述する。S805の後、ファームウェア制御部43は
図8の処理を終了する。
【0079】
S806にて、ファームウェア制御部43は、選択されたメニュー情報が「実行タスクの結果」かを判断する。選択されたメニュー情報が「実行タスクの結果」である場合、S807に処理が移行する。一方、選択されたメニュー情報が「実行タスクの結果」でない場合、S815に処理が移行する。
【0080】
S807にて、ファームウェア制御部43は、実行タスクの結果を示す「タスクの実行結果」の画面80を表示装置205に表示する。画面80は、例えば、
図6の表示画面60のタスク作成領域62に表示される。
【0081】
図10は、「タスクの実行結果」の画面表示例を示す図である。
「タスクの実行結果」の画面80は、タスク結果81、タスク結果の詳細82の各セクションを含む。また、画面80は、更新可能なファームウェアが存在するデバイス3000に対してファームウェア更新を実行する操作を受け付ける「更新」ボタンや、処理を中止する操作を受け付ける「キャンセル」ボタンを含む。ここで、S807の段階では、タスク結果の詳細82のセクションは画面80に表示されない。また、画面80の「更新」ボタンは、後述のS812の場合には表示され、後述のS813の場合には表示されない。
【0082】
タスク結果81のセクションは、タスクの実行結果を一覧表示する。タスク結果81のセクションは、実行したタスク名、タスクの実行結果を示す状態、タスクの種別および実行日時を紐づけて表示する。また、タスク結果81のセクションでは、タスクを選択する操作を受け付ける。
【0083】
例えば、
図10の画面80において、「Task1」は、yyyy/mm/ddにタスクが実行されて正常に終了したファームウェア存在確認タスクであることを示す。同様に、「Task2」~「TaskN」は、それぞれyyyy/mm/ddにタスクが実行されて正常に終了したファームウェア更新タスクであることを示す。
【0084】
タスク結果の詳細82のセクションは、タスク結果81で選択されたタスク(例えばTask1)の実行結果の詳細を示す。タスク結果の詳細82は、例えば、当該タスクの対象となったデバイス名、デバイス毎のタスク実行結果を示す状態、タスク結果の詳細およびデバイスパスワードの表示を含む。
【0085】
ここで、画面80でのタスク結果の詳細82の表示内容は、タスク結果81で選択されたタスクにより動的に変更される。例えば、タスク結果81で選択したタスクが「ファームウェア更新」である場合、タスク結果の詳細82はファームウェアバージョンの変更内容(不図示)を含む表示となり、画面上にはデバイスパスワードの項目が表示されない。
【0086】
図8に戻ってS808にて、ファームウェア制御部43は、
図10のタスク結果81での選択に基づき、実行したタスク結果からタスクを選択する。本実施形態では、ファームウェア制御部43は、タスク名「Task1」のファームウェア存在確認タスクを選択するものとする。
【0087】
S809にて、ファームウェア制御部43は、S808で選択されたタスクがファームウェア存在確認タスクであるかを判断する。ファームウェア存在確認タスクである場合、処理はS810に移行する。一方、ファームウェア存在確認タスクでない場合、処理はS814に移行する。
【0088】
S810にて、ファームウェア制御部43は、S808で選択されたファームウェア存在確認タスクのタスク実行結果を、データ保管部44から取得する。
【0089】
S811にて、ファームウェア制御部43は、ファームウェア存在確認タスクのタスク実行結果に基づいて、更新可能なファームウェア48が存在するデバイス3000が存在するかを判断する。更新可能なファームウェア48が存在するデバイス3000がある場合、処理はS812に移行する。一方、更新可能なファームウェア48が存在するデバイス3000がない場合、処理はS813に移行する。
【0090】
例えば、タスク名「Task1」のファームウェア存在確認タスクでは、デバイスDevA1~Anは更新可能なファームウェア48が存在し、デバイスDevB1~Bnは更新可能なファームウェア48が存在しないものとする。この場合、S811からS812に処理が移行する。
【0091】
S812にて、ファームウェア制御部43は、更新可能なファームウェアが存在する場合のタスク結果の詳細画面を表示装置205に表示する。S812の詳細画面は、例えば、
図10の画面80と同様の画面であって、ファームウェアの更新機能を伴う。当該画面は、タスク結果81のセクションに加え、タスク結果の詳細82のセクションと「更新」ボタンが表示される点で、S807で表示される画面と相違する。
【0092】
S812で表示される詳細画面では、
図10に示すように、タスク結果の詳細82のセクションにおいて、「Task1」に関するデバイスDevA1~An、B1~Bnのデバイス3000毎のタスク結果が示される。
【0093】
図10の例では、デバイスDevA1に対してタスクが正常終了し、デバイスDevA1に更新可能なファームウェア48が存在する状態が示されている。デバイスDevA2~AnもデバイスDevA1と同様である。一方、
図10の例では、デバイスDevB1~Bnに対してタスクが正常終了し、デバイスDevB1~Bnに更新可能なファームウェア48が存在しない状態が示されている。
【0094】
また、
図10のタスク結果の詳細82では、更新可能なファームウェア48が存在するデバイスDevA1~Anに対して、それぞれデバイスパスワードが紐づけて表示される。
図10で表示されるデバイスパスワードは、例えばS803で設定されたパスワードがデフォルトで表示されるが、S812で改めて設定可能である。
【0095】
また、上記のように、S812の詳細画面では、更新可能なファームウェア48が存在するデバイスDevA1~Anに対するファームウェア更新機能を実現する「更新」ボタンが表示される。「更新」ボタンが押下されると、ファームウェア制御部43は、S812の詳細画面の表示を、
図11に示す画面90に遷移させる。
【0096】
図11は、
図10の画面から遷移できる「ファームウェア更新のタスク作成/実行」の画面表示例を示す図である。
「ファームウェア更新のタスク作成/実行」の画面90は、タスク名設定91、デバイス選択92およびスケジュール設定93の各セクションを含む。また、画面90は、設定したタスクを実行する操作を受け付ける「実行」ボタンや、処理を中止する操作を受け付ける「キャンセル」ボタンを含む。なお、
図11の画面90では、
図7のオプション設定のセクションは不要であるので、オプション設定は非表示状態または操作不能なディスエーブル状態となる。
【0097】
タスク名設定91のセクションは、登録するタスクの名称を設定するための編集ボックスを含み、タスク名を編集可能である。一例として、
図11の画面90の初期設定では、元のタスク名である「Task1」に対して、
図10の「更新」ボタンを押下したことを示すプレフィックス(「ファームウェア更新:」)が自動的に付加される。
【0098】
デバイス選択92のセクションは、管理対象のデバイス3000のうち、更新可能なファームウェア48が存在し、
図10で選択されたデバイス(DevA1~An)の情報を表示するデバイスリストを含む。デバイス選択92のセクションでは、デバイス名、製品名、アドレス、ファームウェア情報およびデバイスパスワードが紐づけて表示される。
【0099】
スケジュール設定93のセクションは、「実行スケジュール」と「実行周期」(不図示)の項目を含み、画面90で設定中のタスクの実行スケジュールの設定入力を受けつける。
図11のスケジュール設定93は、
図7のスケジュール設定74と同様であるため重複説明は省略する。
【0100】
図11の画面90で「実行」ボタンが押下されると、ファームウェア制御部43は、S805のタスクの実行(具体的には後述のS903)に処理を移行した後、処理を終了させる。一方、画面90で「キャンセル」ボタンが押下されると、ファームウェア制御部43は、
図11に示す画面90をS812の詳細画面の表示に再び遷移させる。
【0101】
図8に戻ってS813にて、ファームウェア制御部43は、更新可能なファームウェアが存在しない場合のタスク結果の詳細画面を表示装置205に表示する。S813の詳細画面では、
図10の画面80と同様にタスク結果81およびタスク結果の詳細82は表示される。しかし、S813の詳細画面では「更新」ボタンが表示されず、ファームウェアの更新機能は伴わない。また、S813の詳細画面では、タスク結果の詳細82のセクションにおいて、デバイス3000を選択するチェックボックスやデバイスパスワードの表示は省略される。S813の処理の後、
図8の処理は終了する。
【0102】
また、S814にて、ファームウェア制御部43は、ファームウェア更新タスクの実行結果の詳細を表示装置205に表示する。S814の処理の後、
図8の処理は終了する。
【0103】
また、S815にて、ファームウェア制御部43は、他のタスクの実行結果の詳細を表示装置205に表示する。S815の処理の後、
図8の処理は終了する。
【0104】
以下、
図9を参照して、
図8のS805におけるタスク実行時の処理例を詳細に説明する。
図9の処理の説明では、S812でタスクの実行が指示された場合も含めて説明する。なお、
図9の処理は、例えば、管理サーバ1000のCPU201が、プログラムをRAM203にロードして実行することで実現される。
【0105】
S900にて、タスク管理部42は、データ保管部44から実行するタスクの情報を取得する。
【0106】
S901にて、タスク管理部42は、実行するタスクがファームウェア更新タスクかを判断する。S901でファームウェア更新タスクである場合、処理はS902に移行する。このとき、タスク管理部42は、ファームウェア制御部43にタスクの処理を受け渡す。一方、S901でファームウェア更新タスクでない場合、
図9の処理は終了する。
【0107】
S902にて、ファームウェア制御部43は、ファームウェア更新タスクがファームウェア存在確認タスクの結果に対するものかを判断する。
ファームウェア更新タスクがファームウェア存在確認タスクの結果に対するものである場合、処理はS903に移行する。具体的には、
図8のS812でファームウェア存在確認タスクの結果から生成されたファームウェア更新タスクである場合、処理はS903に移行する。
【0108】
一方、ファームウェア更新タスクがファームウェア存在確認タスクの結果に対するものでない場合、処理はS907に移行する。例えば、ファームウェア更新タスクが
図8のS803で設定されたファームウェア存在確認タスクである場合、処理はS907に移行する。
【0109】
S903にて、ファームウェア制御部43は、ファームウェア48を更新する更新対象のデバイスの情報を、データ保管部44に保管されたデバイスリスト50から取得する。
例えば、
図8のS812で設定されたファームウェア更新タスクの場合、S903でのファームウェア制御部43は、デバイスDevA1~Anのデバイス情報を取得する。
【0110】
S904にて、ファームウェア制御部43は、ファームウェア更新の対象のデバイス3000のファームウェア情報を取得する。例えば、ファームウェア制御部43は、データ保管部44に保管されたファームウェア更新確認タスクの実行結果(後述のS911)から上記のファームウェア情報を取得する。あるいは、ファームウェア制御部43は、コンテンツサーバ2000と通信を行い、ファームウェア管理部45を介してファームウェア保管部46から上記のファームウェア情報を取得してもよい。
【0111】
例えば、
図8のS812のファームウェア更新タスクの場合、ファームウェア制御部43は、デバイスDevA1~Anのファームウェア情報として、「FirmA100」からの更新が可能な「FirmA110」があることを取得する。これにより、ファームウェア制御部43は、デバイスDevA1~Anのファームウェア更新部47に対して、ファームウェア48の「FirmA100」から「FirmA110」への更新の指示が可能になる。
【0112】
S905にて、ファームウェア更新の対象のデバイス3000は、管理サーバ1000のファームウェア制御部43からファームウェア48の更新の指示を受ける。すると、デバイス3000のファームウェア更新部47は、コンテンツサーバ2000と通信を行う。そして、ファームウェア更新部47は、ファームウェア管理部45を介して、更新用のファームウェア48をファームウェア保管部46から取得する。その後、ファームウェア更新部47は、ファームウェア48の更新を実行する。
【0113】
例えば、
図8のS812で設定されたファームウェア更新タスクの場合、ファームウェア制御部43は、デバイスDevA1~Anのファームウェア更新部47に対して、「FirmA110」によるファームウェアの更新を指示する。S905でのデバイスDevA1~Anのファームウェア更新部47は、更新用の「FirmA110」をファームウェア保管部46から取得し、ファームウェア更新を実行する。
【0114】
S906にて、ファームウェア更新部47は、S905で実行したファームウェア更新のタスク実行結果を管理サーバ1000に通知する。管理サーバ1000のタスク管理部42は、ファームウェア制御部43を介して、デバイス3000からのタスク実行結果の通知を受信し、データ保管部44にタスク実行結果を保存する。その後、
図9の処理は終了する。
【0115】
なお、S906で保存されたタスク実行結果は、
図6の表示画面60における「実行タスクの結果」メニューから参照できる。
図8のS808で当該タスクの実行結果を選択すると、S814の表示が行われることとなる。
【0116】
S907にて、ファームウェア制御部43は、タスクの対象となるデバイス3000の現在のファームウェア情報を、データ保管部44に保管されたデバイスリスト50から取得する。なお、ファームウェア制御部43は、デバイス3000のファームウェア更新部47を介してファームウェア情報を取得してもよい。
【0117】
例えば、
図8のS803で設定されたファームウェア存在確認タスクの場合、S903でのファームウェア制御部43は、デバイスDevA1のファームウェア情報の「FirmA100」を取得する。同様に、ファームウェア制御部43は、デバイスDevA2~An、B1~Bnに関してもそれぞれファームウェア情報を取得する。
【0118】
S908にて、ファームウェア制御部43は、デバイス3000のファームウェア48に対して更新可能なファームウェア情報を取得する。例えば、ファームウェア制御部43は、コンテンツサーバ2000と通信を行い、ファームウェア管理部45を介してファームウェア保管部46から上記のファームウェア情報を取得する。
【0119】
例えば、
図8のS803のファームウェア存在確認タスクの場合、ファームウェア制御部43は、デバイスDevA1~Anのファームウェア情報として、「FirmA100」からの更新が可能な「FirmA110」があることを取得する。一方、ファームウェア制御部43は、デバイスDevB1~Bnには更新可能なファームウェアがないことを示す情報を取得する。
【0120】
S909にて、ファームウェア制御部43は、タスクの対象となるデバイス3000のいずれかに更新可能なファームウェア(現在のファームウェアよりも新しいファームウェア)が存在するかを判断する。更新可能なファームウェアが存在する場合、処理はS910に移行する。一方、更新可能なファームウェアが存在しない場合、処理はS912に移行する。
【0121】
S910にて、ファームウェア制御部43は、実行中のタスクがファームウェア更新を伴わないタスクかを判断する。ファームウェア更新を
伴うタスクの場合、処理はS905に移行する。S910からS905に移行する場合、ファームウェア制御部43は、タスクの対象となるデバイス3000のファームウェア更新部47に対して、ファームウェア48の更新を指示する。そして、上記のようにS905、S906の処理が行われ、
図9の処理が終了する。
【0122】
一方、S910でファームウェア更新を伴わないタスクの場合、処理はS911に移行する。例えば、
図8のS803で設定されたファームウェア存在確認タスクの場合、
図7のオプション設定73によりファームウェア更新を伴わないので、ファームウェア制御部43は、S911に処理を移行させる。
【0123】
S911にて、ファームウェア制御部43は、ファームウェア存在確認タスクの実行結果をタスク管理部42に通知する。そして、タスク管理部42は、更新可能なファームウェアが存在することを示すタスク実行結果をデータ保管部44に保存する。その後、
図9の処理は終了する。
【0124】
例えば、
図8のS803で設定されたファームウェア存在確認タスクの場合、S911でのデータ保管部44は、タスク実行結果として、デバイスDevA1~Anには更新可能なファームウェア48が存在することを示す情報を保存する。データ保管部44は、タスク実行結果として、デバイスDevB1~Bnには更新可能なファームウェア48がないことを示す情報を保存する。
【0125】
S911で保存されたタスク実行結果は、
図6の表示画面60における「実行タスクの結果」メニューから参照できる。
図8のS808で当該タスクの実行結果を選択すると、S812の表示が行われることとなる。
【0126】
S912にて、ファームウェア制御部43は、ファームウェア存在確認タスクの実行結果をタスク管理部42に通知する。そして、タスク管理部42は、すべてのデバイス3000に更新可能なファームウェアが存在しないことを示すタスク実行結果をデータ保管部44に保存する。その後、
図9の処理は終了する。
【0127】
S912で保存されたタスク実行結果は、
図6の表示画面60における「実行タスクの結果」メニューから参照できる。
図8のS808で当該タスクの実行結果を選択すると、S813の表示が行われることとなる。
以上で、
図9の説明を終了する。
【0128】
以上のように、管理サーバ1000のファームウェア制御部43は、ファームウェア存在確認タスクの実行指示を画面70で受け付けてファームウェア存在確認タスクを実行する(S805、S903~S906)。表示I/F204は、ファームウェア存在確認タスクの実行結果の画面80を表示装置205に表示させる(S812)。表示I/F204は、画面80を介して選択されたデバイス3000に対する更新指示を受け付けたことに応じて、ファームウェア更新タスクの設定を行うための画面90を表示装置205に表示させる。そして、ファームウェア制御部43は、画面90を介して入力される実行指示に応じて、ファームウェア更新タスクを実行する。
【0129】
本実施形態においては、ファームウェア存在確認タスクの実行結果を確認する画面80から、ファームウェア更新タスクの設定を行う画面90に直接遷移でき、当該画面90からファームウェア更新タスクの実行を指示できる。そのため、本実施形態によれば、ファームウェア存在確認タスクの実行結果の画面80から、当該実行結果に基づき更新可能なファームウェアが存在するデバイス3000のファームウェア更新タスクを簡便な操作で実現できる。
【0130】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態におけるデバイス管理システムの動作を説明する。第2実施形態において、デバイス管理システムの構成は第1実施形態と同様であるので重複説明はいずれも省略する。
【0131】
インターネット上の他のコンテンツサーバからイントラネット4000上のコンテンツサーバ2000にファームウェア48をダウンロードし、コンテンツサーバ2000のファームウェア保管部46にアップロードする場合がある。この場合、デバイス3000は、イントラネット4000上のコンテンツサーバ2000からファームウェア48をダウンロードしてファームウェア更新を実行する。これにより、セキュリティの観点から、デバイス3000のファームウェア更新部47が、インターネット5000上の他のコンテンツサーバに直接通信することを避けることができる。
【0132】
ところで、デバイス3000のファームウェア48に関して、最新のファームウェアに更新するためには中間バージョンのファームウェア(中間ファームウェア)に一旦更新してから、最新のファームウェアへの更新が可能となる場合がある。このとき、上記の他のコンテンツサーバには中間ファームウェアがあるが、イントラネット4000上のコンテンツサーバ2000には中間ファームウェアがないこともある。上記のケースでは、ファームウェア存在確認タスクのタスク実行結果において、最新のファームウェアは存在するが更新出来ない旨の通知をすることが望ましい。
【0133】
以下、第2実施形態でのデバイス管理システムの動作例を説明する。
コンテンツサーバ2000のファームウェア管理部45は、ファームウェア保管部46にファームウェア48を保存する際に、どのバージョンからファームウェア更新が可能かを示すファームウェア情報をファームウェア保管部46に保存する。また、ファームウェア管理部45は、最新のファームウェア48に更新するために必要となる中間ファームウェアの情報も、ファームウェア保管部46に併せて保存する。
【0134】
一方、管理サーバ1000のファームウェア制御部43は、
図9のS908で更新可能なファームウェア情報を取得する際に、更新に必要となる中間ファームウェアの情報も取得する。
【0135】
また、ファームウェア制御部43は、
図9のS911において、更新可能なファームウェア48が存在するときに、更新に必要となる中間ファームウェアのコンテンツサーバ2000上での存否を示す情報もタスク管理部42に通知する。中間ファームウェアの存否を示す情報は、データ保管部44に保存される。
【0136】
その後、ファームウェア制御部43は、
図8のS812でファームウェア存在確認タスクの実行結果を表示する。このとき、ファームウェア制御部43は、画面80の詳細の項目において、最新のファームウェア48は存在するが、更新に必要となる中間ファームウェアが存在しない表示を行う。そして、ファームウェア制御部43は、更新に必要となる中間ファームウェアが存在せず、ファームウェア48の更新ができないデバイス3000は、ファームウェア更新タスクの対象から除外する処理を行う。
【0137】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、コンテンツサーバ2000上に必要な中間ファームウェアがなく、ファームウェア更新タスクが失敗する事象を抑制できる。これにより、ファームウェア48の更新ができないデバイス3000との無駄な通信トラフィックの発生が抑制される。
【0138】
(その他の実施形態)
上記実施形態においては、管理サーバ1000とは別にコンテンツサーバ2000を設け、コンテンツサーバ2000からファームウェアを配信する例を説明した。しかし、管理サーバ1000がコンテンツサーバ2000のファームウェア管理部45やファームウェア保管部46を有していてもよい。
【0139】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0140】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0141】
40 デバイス管理部
41 デバイス探索部
42 タスク管理部
43 ファームウェア制御部
44 データ保管部
45 ファームウェア管理部
46 ファームウェア保管部
47 ファームウェア更新部
48 ファームウェア
201 CPU
203 RAM
204 表示I/F
205 表示装置
1000 管理サーバ
2000 コンテンツサーバ
3000 デバイス
4000 イントラネット