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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】画像処理装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240909BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240909BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240909BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240909BHJP
   G03G 21/00 20060101ALN20240909BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/42 F
B41J29/38 401
B41J29/00 E
G03G21/00 370
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020089401
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021184548
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小花 祐輔
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-072773(JP,A)
【文献】特開2020-141343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを備え、カードからカード情報を読み取ることが可能であり、少なくともスキャナを用いた機能とプリンタを用いた機能とのいずれかを提供する画像処理装置であって、
前記画像処理装置が提供する機能と、該機能で利用される設定値群との第1の組合せを、前記カード情報に関連付けて管理する管理手段と、
前記画像処理装置が提供する機能と、該機能で利用される設定値群との第2の組合せに関連付けるべき前記カード情報を受け付ける受け付け手段と、を有し、
前記管理手段は、前記第1の組合せに関連付けられて管理されているカード情報と、前記受け付けたカード情報とが一致する場合には、当該カード情報を、前記第1の組合せに関連付けて管理せずに前記第2の組合せに関連付けて管理する、および、前記第1の組合せに関連付けて管理したまま前記第2の組合せにも関連付けて管理するのいずれかの管理を選択的に行う、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記管理手段は、前記第1の組合せに関連付けられて管理されたカード情報と、前記受け付けたカード情報とが一致し、前記第1の組合せに関連付けて管理せずに前記第2の組合せに関連付けて管理する場合には、前記第1の組合せに関連付けて管理しないようにするために、前記第1の組合せと該カード情報とを関連付ける情報を削除することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1の組合せに関連付けられて管理されたカード情報と、前記受け付けたカード情報とが一致する場合には、前記受け付けたカード情報に関連付けられて管理されている第1の組合せを変更するか、前記受け付けたカード情報に前記第2の組合せの関連付けを追加するか、及び、前記変更も前記追加も行わないかのいずれかの指示を選択的に行う入力を促すための画面を前記ディスプレイに表示する表示手段をさらに有し、
前記管理手段は、前記画面の表示に応じて、前記受け付けたカード情報に関連付けられて管理されている第1の組合せを変更する指示が入力された場合、当該カード情報を、前記第1の組合せに関連付けて管理せずに前記第2の組合せに関連付けて管理し、前記追加の指示が入力された場合に、当該カード情報を、前記第1の組合せに関連付けて管理したまま前記第2の組合せにも関連付けて管理することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
所定の状態において前記カードからカード情報が読み取られた場合には、該読み取られたカード情報に関連付けて前記管理手段により管理されている組合せに対応する機能を、該組合せに対応する設定値群で利用可能に設定する制御手段を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、該読み取られたカード情報に関連付けて前記管理手段により管理されている組合せが複数存在する場合には、前記第1の組合せ及び前記第2組合せからいずれかの組合せを選択するように促す画面を前記ディスプレイに表示し、該選択された組合せに対応する機能を、該組合せに対応する設定値群で利用可能に設定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記管理手段は、前記画像処理装置が提供する機能と該機能で利用される設定値群との組合せを、操作ボタンに関連付けて管理することが可能であり、
前記制御手段は、前記操作ボタンが操作された場合、該操作ボタンに関連付けて管理されている組合せに対応する機能を、該組合せに対応する設定値群で利用可能に設定することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記カードは、所定の近距離無線通信規格に対応する非接触ICカードであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
ディスプレイを備え、カードからカード情報を読み取ることが可能であり、少なくともスキャナを用いた機能とプリンタを用いた機能とのいずれかを提供する画像処理装置における制御方法であって、
前記画像処理装置が提供する機能と、該機能で利用される設定値群との組合せに関連付けるべき前記カード情報を受け付ける受け付け工程と、
前記組合せを、前記受け付け工程で受け付けたカード情報に関連付けて登録する登録工程と、を有し、
前記登録工程では、前記受け付け工程で受け付けたカード情報がすでに第1の組合せに関連付けられて登録されている場合には、当該カード情報を、前記第1の組合せに関連付けて登録せずに該受け付け工程で関連付けるべきとされた第2の組合せに関連付けて登録する、および、前記第1の組合せに関連付けて登録したまま前記第2の組合せにも関連付けて登録するのいずれかの登録を選択的に行う、ことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1~7のいずれか1項に各記載の手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral)などの画像処理装置では、その機能(アプリ)と、その機能に関する複数の設定値の組合せをショートカットとして登録し、このショートカットに対して、ユーザ情報を紐付けて管理することが考えられる。
【0003】
特許文献1には、ショートカットに対して任意のICカードのカード情報(例えば製造番号)を紐付けて管理し、MFPでICカードを読み取ることで、カード情報に紐づくショートカットを呼び出す技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-186517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の場合、カード情報とショートカットの紐付けをMFPで1対1でしか管理できない場合には、ショートカットの使い勝手や、MFPの操作性などについてユーザにとって制約になってしまう可能性があるといった課題があった。
【0006】
例えば、カード情報とショートカットの紐付け変更を行う場合がある。この場合、カード情報が既に別ショートカットと紐付けられている場合にエラーとすると、ユーザはまず既に紐付いている別ショートカットの設定画面より紐付けを解除する操作を行う必要がある。そして、改めてカード情報とショートカットの紐付けを行う必要があるといった手間が発生し、煩雑であった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明は、ショートカット等の画像処理装置が提供する機能と該機能で利用される設定値群との組合せと、ICカード等のカード情報との紐付け管理を容易に行うことができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ディスプレイを備え、カードからカード情報を読み取ることが可能であり、少なくともスキャナを用いた機能とプリンタを用いた機能とのいずれかを提供する画像処理装置であって、前記画像処理装置が提供する機能と、該機能で利用される設定値群との第1の組合せを、前記カード情報に関連付けて管理する管理手段と、前記画像処理装置が提供する機能と、該機能で利用される設定値群との第2の組合せに関連付けるべき前記カード情報を受け付ける受け付け手段と、を有し、前記管理手段は、前記第1の組合せに関連付けられて管理されているカード情報と、前記受け付けたカード情報とが一致する場合には、当該カード情報を、前記第1の組合せに関連付けて管理せずに前記第2の組合せに関連付けて管理する、および、前記第1の組合せに関連付けて管理したまま前記第2の組合せにも関連付けて管理するのいずれかの管理を選択的に行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ショートカット等の画像処理装置が提供する機能と該機能で利用される設定値群との組合せと、ICカード等のカード情報との紐付け管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態を示す画像処理装置を適用可能なMFPのハードウェア構成図。
図2】MFPのソフトウェア構成図。
図3】MFPのホーム画面を説明する図。
図4】MFPのアプリ画面を説明する図。
図5】MFPのアプリ画面を説明する図。
図6】お気に入り管理テーブルを説明する図。
図7A】ショートカット登録を説明する図。
図7B】ショートカット登録を説明する図。
図8】ショートカット管理テーブルを説明する図。
図9】ICカード管理テーブルを説明する図。
図10】第1実施形態に係るショートカットの設定画面を説明する図。
図11】第1実施形態に係るショートカットの設定時にICカード情報の読取要求を行う画面を説明する図。
図12】第1実施形態に係るカード情報とショートカットの紐付けを変更するかを確認する画面を説明する図。
図13】第1実施形態に係るMFPのショートカットとICカードの紐付けを行う処理の一例を示すフローチャート。
図14】第2実施形態においてICカードを読み込んだ際にカード情報が複数のショートカットと紐付けられていた場合に表示されるショートカット一覧選択画面を説明する図。
図15】第2実施形態に係るカード情報とショートカットの紐付けを変更するか追加するかを確認する画面を説明する図。
図16】第2実施形態に係るMFPのショートカットとICカードの紐付けを行う処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態として、画像処理装置がICカードのカード情報とショートカットの紐付けを1対1で管理する場合における紐付けの管理方法について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態を示す画像処理装置を適用可能なMFP(Multifunction Peripheral)のハードウェア構成の一例を示す図である。図1は、本実施形態における説明のための一例を示したものであり、他の構成要素を含む、あるいは、本実施形態と同様の効果のある構成であれば、他の構成でも構わないことは言うまでもない。
【0014】
MFP101では、システムバス110に対してCPU111、RAM112、ROM113、入力制御I/F114、表示制御I/F115、記憶装置I/F116、通信I/Fコントローラ117が接続されている。また、システムバス110に対しては、、ICカード制御I/F130、スキャナ121、プリンタ122も接続されている。システムバス110に接続される各部は、システムバス110を介して互いにデータのやりとりを行うことができるように構成されている。
【0015】
CPU(Central Processing Unit)111は、各装置の制御やデータの計算・加工を行う装置である。RAM(Random Access Memory)112は、揮発性のメモリであり、CPU111の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。ROM(Read Only Memory)113は、不揮発性のメモリであり、画像データやその他のデータ、CPU111が動作するための各種プログラム等が、それぞれ所定の領域に格納されている。CPU111は、例えばROM113に格納されるプログラムに従い、RAM112をワークメモリとして用いて、MFP101の各部を制御する。なお、CPU111が動作するためのプログラムは、ROM113に格納されるのに限られず、記憶装置120に記憶されていてもよい。
【0016】
入力制御I/F114は、ユーザ操作を受け付け、操作に応じた制御信号を生成し、CPU111に供給する。例えば、入力制御I/F114は、ユーザ操作を受け付ける入力デバイスとして、不図示であるキーボードといった文字情報入力デバイスや数値などを直接入力するためのハードキー、あるいはタッチパネル118といったポインティングデバイス等と接続される。なお、タッチパネル118は、例えば平面的に構成された入力部に対して接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにされている入力デバイスである。以下、本実施形態においては、タッチパネルでの操作で説明しているが、それに限定されないことは言うまでもない。CPU111は、入力デバイスに対してなされたユーザ操作に応じて入力制御I/F114で生成され供給される制御信号に基づき、プログラムに従いMFP101の各部を制御する。これにより、ユーザ操作に応じた動作をMFP101に行わせることができる。
【0017】
表示制御I/F115は、ディスプレイ119に対して画像を表示させるための表示信号を出力する。例えば、CPU111は、プログラムに従い、生成した表示制御信号を表示制御I/F115に対して供給する。表示制御I/F115は、この表示制御信号に基づき表示信号を生成してディスプレイ119に対して出力する。例えば、表示制御I/F115は、CPU111が生成する表示制御信号に基づき、GUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面をディスプレイ119に表示させる。また、タッチパネル118は、ディスプレイ119と一体的に構成されていても良い。例えば、タッチパネル118は光の透過率がディスプレイ119の表示を妨げないように構成され、ディスプレイ119の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル118における入力座標と、ディスプレイ119上の表示座標が紐付けられる。これにより、あたかもユーザがディスプレイ119上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。
【0018】
記憶装置I/F116には、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置120が接続されている。CPU111の制御に基づき、記憶装置120からのデータの読み出しや、記憶装置120に対するデータの書き込みが行われる。記憶装置120をRAM112やROM113の代わりに使用しても構わない。
【0019】
通信I/Fコントローラ117は、CPU111の制御に基づき、例えばLANやインターネット、有線、無線等の各種ネットワークに対する通信を行う。ネットワーク102には、PCや他のMFP、プリンタ、サーバ等、様々な装置がMFP101と通信可能に接続される。また、後述する外部の認証サーバとの接続も通信I/Fコントローラ117を介して行われる。
【0020】
スキャナ121は、CPU111の制御に基づき、原稿を読み取り、画像データを生成する。例えば、CPU111は、入力制御I/F114を介して入力されたユーザの指示により、スキャナ121に対してスキャン処理を実施させる。スキャナ121は、原稿台やADF(Auto Document Feeder)に置かれた原稿を読み取り、デジタルデータ化し、画像データを生成する。そして、スキャナ121は、生成した画像データを記憶装置I/F116を介して記憶装置120に格納する。
【0021】
プリンタ122は、CPU111の制御に基づき、記憶装置120に保存された画像データを印刷処理する。例えば、CPU111は、入力制御I/F114を介して入力されたユーザの指示や、通信I/Fコントローラ117を介して外部装置から入力されたコマンドの指示によりプリンタ122に対して印刷処理を実施させる。プリンタ122は、記憶装置120から画像データを読出し、印刷可能なデータ形式に変換し、紙原稿に印字する。
【0022】
ICカード制御I/F130は、ICカード読取装置131に対してICカードの読取指示信号を出力する。ここで、本実施形態におけるICカードは、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信規格に対応する非接触ICカードのことを表すものとするが、接触ICカードであってもよい。例えば、CPU111は、プログラムに従い、生成したICカード制御信号をICカード制御I/F130に対して供給する。ICカード制御I/F130は、この制御信号に基づきICカード読取信号を生成してICカード読取装置131に対して出力する。ICカード読取装置131は、かざされているICカードの情報の読み込みを行い、ICカード制御I/F130に読取結果の信号をICカード制御I/F130に出力する。
【0023】
図2は、MFP101のソフトウェアの構成の一例を示す図である。なお、図2は、本実施形態における説明のための一例を示したものであり、他の構成要素を含んだり、あるいは、本実施形態と同様の効果のある構成であったりしても構わないことは言うまでもない。また、図2における各制御部は、CPU111がROM113に記憶されたプログラムを起動時や機能利用時など必要に応じてRAM112へ展開して実行することにより実現される機能に対応する。
【0024】
制御バス200には、表示操作制御部201、認証制御部202、ネットワーク制御部203などの各制御部が接続されている。制御バス200は、CPU111の制御に基づき、各制御部間の情報を受け渡しするソフトウェアバスである。例えば、制御バス200は、表示操作制御部201からユーザが入力した指示情報を受け取り、RAM112に一旦保存する。また、表示操作制御部201は各制御部からの表示情報を制御バス200経由で受け取り、表示制御I/F115を介してディスプレイ119に表示を行う。
【0025】
また、MFP101には、コピー、スキャンなどの一つ以上の機能があり、それぞれの機能毎に制御部がある。図2には、一例として、送信制御部204、コピー制御部205、文書利用制御部207、文書保存制御部208、FAX制御部209が示される。当然ながら図2に記載の機能以外のMFP101の処理に関わる機能が存在し、その制御部が存在しても構わないのは言うまでもない。
【0026】
表示操作制御部201は、CPU111の制御に基づき、入力制御I/F114や表示制御I/F115を制御する。例えば、表示操作制御部201は、他の制御部からの指示に基づいて表示制御I/F115を介してディスプレイ119で表示を行ったり、入力制御I/F114を介してタッチパネル118でユーザが入力した情報を取得したりすることを行う。なお、表示操作制御部201は、取得した情報を、必要に応じて制御バス200を介して各制御部へ通知する。以降の記述では、制御部間で情報やデータを受け渡しする際は、制御バス200を経由しているものとする。
【0027】
認証制御部202は、CPU111の制御に基づき、ユーザを識別するための認証処理を行い、MFP101の操作者がMFP101の正当なユーザか否かの判断を行う。認証処理を行って、正当なユーザの場合にセッションを開始することをログインと呼ぶ。また認証制御部202は、記憶装置120上のユーザ情報を格納した不図示のユーザ情報データベースを制御する。MFP101内部のユーザ情報データベースだけでなく、認証制御部202が、通信I/Fコントローラ117を介して、外部の認証サーバに接続し、外部の認証サーバの認証結果を利用するようにしても構わない。外部の認証サーバとの認証情報のやり取りは、公知の技術を用いて行う。また、ユーザがMFP101を利用後に、当該ユーザのセッションを終了することをログアウトと呼ぶ。
【0028】
ネットワーク制御部203は、通信I/Fコントローラ117を用いて、ネットワーク102上の外部機器と接続を行うための処理を行う。
【0029】
送信制御部204は、スキャナ121から原稿をスキャンし、スキャンした文書を所定のファイルフォーマットに変換する。さらに、送信制御部204は、メールなどのプロトコルを使って、ネットワーク制御部203を介して、ネットワーク102上のメールサーバなどに文書の送信を行う。送信制御部204を用いた一例として、スキャンして送信アプリがある。
【0030】
コピー制御部205は、スキャナ121から原稿をスキャンし、ステイプルなど指定された加工を施して、プリンタ122に出力を行う。コピー制御部205を用いた一例として、コピーアプリがある。
【0031】
文書利用制御部207は、外部のファイルサーバ、MFP101内のHDDやメモリメディア、クラウドストレージなどに保存されている文書を、MFP101で印刷したり、プレビューを行ったりする。MFP101のHDDやメモリメディアの文書を利用する場合であれば、文書利用制御部207は、記憶装置I/F116を介して、記憶装置にアクセスして、指定された文書を取得して処理を行う。外部のファイルサーバやクラウド上のストレージであれば、文書利用制御部207は、適切なプロトコルを用いて、ネットワーク制御部203を介して、ネットワーク102上の保存先に文書の取得して処理を行う。例えば、印刷を行う場合は、文書利用制御部207は、取得した文書をプリンタ122で出力する。
【0032】
文書保存制御部208は、送信制御部204と同様に、スキャナ121から原稿をスキャンし、スキャンした文書を所定のファイルフォーマットに変換する。文書保存制御部208は、SMB(Server Message Block)などの通信プロトコルを用いて、ネットワーク制御部203を介して、ネットワーク102上のファイルサーバに文書ファイルを保存する。ファイルサーバだけでなく、MFP101の内部のHDD、USBメモリなどのメモリメディアや、クラウド上のストレージにも保存できる。MFP101のHDDやメモリメディアであれば、文書保存制御部208は、記憶装置I/F116を介して、記憶装置にアクセスして、文書の保存を行う。外部のファイルサーバやクラウド上のストレージであれば、文書保存制御部208は、適切なプロトコルを用いて、ネットワーク制御部203を介して、ネットワーク102上の保存先に文書の保存を行う。文書利用制御部207、文書保存制御部208を用いた一例として、スキャンして保存アプリ、クラウドアプリがある。
【0033】
FAX制御部209は、スキャナ121から原稿をスキャンし、スキャンした文書を画像フォーマットに変換する。さらに、FAX制御部209は、公衆回線網、インターネット回線などを用いて、公知のG3などのFAX送信プロトコルを使って、ネットワーク制御部203を介して、送信先に文書の送信を行う。送信制御部204を用いた一例として、ファクスアプリがある。
【0034】
ICカード制御部210は、ICカード制御I/F130を介して、ICカード読取装置131にアクセスして、ICカード情報を読み取り、要求元の制御部に対して、読み取った結果を返す。ICカード情報には、ICチップに書き込まれたICカード固有の一意な番号が記録されており、以下「カードID」と記す。
【0035】
お気に入り制御部211は、後述するコピーなどの各アプリにおいてよく利用するお気に入り設定の設定、ホーム画面からのお気に入り設定呼び出しの設定、ICカードとの紐付け設定の管理を行う。
【0036】
<ホーム画面>
図3は、MFP101のディスプレイ119に表示されるホーム画面の一例を示す図である。
図3に示すように、ホーム画面は、コントロール領域300、タブ領域310、選択領域320、情報領域330の4つの領域から構成される。なお、タブ領域310、選択領域320、情報領域330、は、実行中の各機能(アプリ)に応じて変化するが、コントロール領域300は、実行中の機能に依らず常に表示されている。
【0037】
コントロール領域300には、MFP101にログインするためのログインボタン301、設定画面を表示するための設定ボタン302、実行中の機能からホーム画面に戻るためのホームボタン303がある。さらに、コントロール領域300には、数値などを入力するためのキーパッド304等のボタンが存在する。
【0038】
タブ領域310には、複数の選択領域320を切り替えるためのタブが存在し、各タブに対応する画面が選択領域320に表示される。例えば、図3の例では、タブ1が選択されており、タブ1に対応する画面が選択領域320に表示されている。図示しないが、別のタブが選択されれば、当該タブに対応する別の画面が別の選択領域320に表示される。
【0039】
選択領域320には、機能を実行するためのボタンが複数存在する。例えば、図3には、コピー機能を実行するためのコピーボタン321、スキャンして送信機能を実行するためのスキャンして送信ボタン322などのボタンが存在する。ユーザがこれらの機能実行ボタンを押下すると、各機能に対応したアプリの画面がタブ領域310、選択領域320の部分に表示される。例えば、コピーボタン321が押下されると、コピー機能が実行されて、コピーアプリの画面が表示される。スキャンして送信ボタン322が押下されると、スキャンして送信機能が実行されて、スキャンして送信アプリの画面が表示される。また、この領域に表示されるのはアプリの画面だけでなく、各機能に対応した画面がタブ領域310、選択領域320に表示される。例えば、設定ボタン302を押下した場合、不図示であるMFP101の設定画面が表示される。
【0040】
選択領域320には、機能が未登録のボタンとしての「+」ボタン323が表示されている。選択領域320で「+」が表示されている箇所には、新規のアプリをMFP101にインストールして機能を追加したり、後述するショートカットを登録することができる。
【0041】
情報領域330は、図3の例のように現在時刻を表示したり、エラーが発生したときにエラーメッセージ表示するなど、ユーザに情報を通知する領域である。
【0042】
<アプリ画面>
図4図5は、MFP101のディスプレイ119に表示されるアプリ画面の一例を示す図である。
前述のようにホーム画面で、機能が選択されると、それに応じた各アプリの画面が表示される。
【0043】
例えば、コピー機能が実行されると、図4のようなコピー画面が表示される。図4に示すコピー画面の例では、印刷の部数を指定する部数設定、1枚の用紙に割付けるページ数を指定する面付設定ボタンがある。また、このコピー画面には、その他に、片面印刷か両面印刷を指定する両面印刷設定ボタン、印刷をカラー/白黒/グレースケールのいずれで行うのかを指定するカラー設定ボタンがある。なお、各設定のボタンには、現在設定されている値が表示されており、本実施形態の本質ではないため図示していないが、アプリ内の各設定ボタンを押下すると、対応する設定値を変更する画面が表示され、設定を変更することができる。
【0044】
例えば、スキャンして送信機能が実行されると、図5のようなスキャンして送信画面が表示される。図5に示すスキャンして送信画面の例では、スキャンした文書を送信するメールアドレスやファイルサーバのパスなどの送信先設定、スキャンした文書の保存形式を指定するフォーマット設定ボタン、スキャンの解像度を指定する解像度設定ボタンがある。また、このスキャンして送信画面には、その他に、原稿の読み取りをカラー、白黒、グレースケール、自動判定ボタンのいずれで行うのかを指定するカラー設定もある。
【0045】
なお、図4図5は、アプリの画面の一例であり、説明のために簡易な構成にしているので、これ以外の設定が可能であったり、これらの設定を行えない形態であっても構わない。
【0046】
<お気に入り設定>
お気に入り設定とは、それぞれのアプリにおいてよく使う設定を予め登録しておき、それを簡単に呼び出せるようにするためのものである。お気に入り設定によって、ユーザは、毎回同じ設定を行わなくて済むようになる。
【0047】
例えば図4図5のようなアプリ画面において、お気に入り登録ボタン(図4の401、図5の501)が押下されると、お気に入り制御部211が、その時点でアプリ画面に設定されている設定の状態をお気に入りとして登録する。お気に入りが登録された後に、アプリ画面が表示されているときに、お気に入り呼び出しボタン(図4の402、図5の502)を押下すると、登録されたお気に入りが呼び出されて、アプリの各設定が、お気に入りに登録されている設定に切り替わる。
【0048】
例えば、コピー機能で、用紙節約のため、面付設定を2in1、両面印刷設定を両面、カラー設定を白黒の設定をよく行う場合には、次のように行う。例えば図4のようなアプリ画面で「部数:1、面付設定:2in1、両面印刷設定:両面、カラー設定:白黒」をお気に入り設定として事前に登録しておく。このとき、コピー機能のデフォルトは、部数は1、面付設定は1in1、両面印刷設定は片面、カラー設定はカラーであるとする。なお、ユーザが設定していない設定値はデフォルトの値が利用される。その後、コピー機能を呼び出したときに、各設定はデフォルトが表示されているが、お気に入り設定を呼び出すと、お気に入りに登録されている設定が復元され、部数が1、面付設定が2in1、両面印刷設定が両面、カラー設定が白黒になる。ユーザは、原稿を置いてスタートするだけで、いつも使う設定でコピーを行うことができる。
【0049】
また、例えば、スキャンして送信機能で、いつもきまっている送信設定がある場合には、次のように行う。例えば図5のようなアプリ画面で「フォーマット:jpeg、送信先:SMB \\172.20.83.168\folder、解像度:400dpi」をお気に入り設定として登録する。このとき、スキャンして送信機能のデフォルト設定は、送信先設定は空、フォーマット設定はjpeg、解像度設定は300dpi、カラー設定は自動判定であったとする。なお、ユーザが設定していない設定値はデフォルトの値が利用される。その後、スキャンして送信機能を実行したときに、各設定はデフォルトで表示されているが、お気に入り設定を呼び出すと、お気に入りに登録されている設定が復元される。すなわち、フォーマット設定がjpeg、送信先は、ファイルサーバで\\172.20.83.168\folder、解像度が400dpiの設定になる。ユーザは、原稿を置いてスタートするだけで、いつもの設定でいつもの送信先に文書を送信できる。
【0050】
なお、アプリ毎のお気に入り設定は、アプリ内で複数登録することができ、選択できるようにしても構わない。例えば、コピー機能で、「面付設定:2in1」以外に、更に節約するときに利用する「面付設定:4in1」もお気に入りとして登録して、両方をお気に入りとして登録できるようにしてもよい。複数のお気に入りが登録されている場合の一例として、お気に入り呼び出しボタン(図4の402や図5の502)が押下されたときは、複数のお気に入りから選択するリスト表示を行い、ユーザに選択させるようにしてもよい。
【0051】
お気に入り設定は、図6のお気に入り管理テーブルに格納される。
図6は、お気に入り管理テーブルの一例を示す図である。
フィールド601は、お気に入りIDフィールドであり、登録されているお気に入りを識別するための一意な識別子が格納される。フィールド602は、機能フィールドであり、どの機能(アプリ)のお気に入りであるかが格納される。フィールド603は、設定フィールドであり、お気に入りとして登録した設定が格納される。
【0052】
レコード610は、前述のコピー機能のお気に入りの一例に対応する。レコード610では、お気に入りIDフィールド601に「F0001」が格納され、機能フィールド602は「コピー」が格納、設定フィールド603は「部数:1、面付設定:2in1、両面印刷設定:両面、カラー設定:白黒」が格納される。
【0053】
レコード611は、前述のスキャンして送信機能のお気に入りの一例に対応する。レコード611では、お気に入りIDフィールド601に「F0005」が格納される。機能フィールド602は、「スキャンして送信」が格納、設定フィールド603は、「フォーマット:jpeg、送信先:ファイルサーバ:\\172.20.83.168\folder、解像度:400dpi、カラー設定:自動」が格納されている。
【0054】
<ショートカット>
ショートカットとは、ホーム画面から実行される機能で、ショートカットには、呼び出したい「アプリ」とその機能の復元したい「お気に入り設定」が登録されている。ホーム画面でショートカットが実行されると、登録されたアプリが起動して、同時にお気に入り設定が復元される。なお、当該アプリにお気に入り設定が登録されていない場合は、デフォルト設定で当該アプリが起動する。
【0055】
ショートカットの登録は、「+」ボタン323を押下することで可能となる。ここで、図7A図7Bを用いて、コピーのショートカットを登録する例を説明する。
図7A図7Bは、第1実施形態に係るショートカット登録を説明する図である。
【0056】
図3のようなホーム画面において「+」ボタン323が押下されると、お気に入り制御部211の制御により、図7Aに示すMFP101に登録されているアプリケーション一覧701が表示される。アプリケーション一覧701から、コピー702を選択して決定ボタン703を押下すると、当該ショートカットとしてコピーが追加できる。ショートカットの登録が終了すると、ホーム画面に戻り、図7Bのように、追加したショートカットボタン710が表示される。ショートカットボタン710が押下されると、お気に入り制御部211の制御により、お気に入り設定が反映された状態でコピー機能の画面が表示される(不図示)。なお、本実施形態では、ショートカットボタンをソフトキーとして説明しているが、ハードキーであってもよい。
【0057】
ショートカットは、図8のショートカット管理テーブルに格納される。
図8は、ショートカット管理テーブルの一例を示す図である。
フィールド801はショートカットIDフィールドであり、ショートカットを識別するための一意な識別子が格納されている。フィールド802は、機能フィールドであり、ショートカットによって実行されるアプリが格納される。フィールド803は、呼出お気に入りフィールドであり、アプリに反映させるための図6のお気に入り設定テーブルのお気に入りIDフィールド603の値が格納される。フィールド804は、場所フィールドであり、ショートカットに対応する操作ボタン(ショートカットボタン)がホーム画面のどこに登録されているかを示す場所が格納される。
【0058】
レコード810は、前述のコピーのショートカット登録の例である。ショートカットIDフィールド801には、一意なIDである「S0001」、機能フィールド802には「コピー」が格納される。なお、本実施形態では、機能フィールド802にアプリ名称を格納する形で示しているが、例えばアプリ毎に一意なIDを持って、それを格納するような形態でも構わない。呼出お気に入りフィールド103には、図6のお気に入り設定テーブルのレコード610のお気に入りを示すお気に入りIDである「F0001」が登録される。場所フィールド804には、ホーム画面のショートカットボタン710の場所であるタブ1の8番目のボタンを示す「タブ1:8」が格納される。
【0059】
ホーム画面に配置される、それぞれの登録済みのショートカットボタンには、対応して呼び出されるショートカットのショートカットIDフィールド801が設定される。ホーム画面でショートカットボタンが押下された場合には、お気に入り制御部211は、設定されている ショートカットIDフィールド801が読み出す。そして、お気に入り制御部211は、図8のショートカット管理テーブルで、読み出したショートカットIDに対応する機能フィールド802のアプリを実行する。同時に、お気に入り制御部211は、読み出したショートカットIDに対応する呼出お気に入りフィールド803に記録されたお気に入りIDを読み出す。さらに、お気に入り制御部211は、図6のお気に入り設定テーブルから、読み出したお気に入りIDフィールド601と一致するお気に入り設定フィールド603を読み出して、対応する設定を実行したアプリに適用する。
【0060】
なお、本実施形態の説明では、各アプリケーションに対して、1つのお気に入りを保持する例で説明しているが、それぞれのアプリケーションが複数のお気に入り設定を持つ形態であってもよい。アプリケーション一覧701からショートカットに登録したい所望のアプリを選択した後に、当該アプリが2つ以上のお気に入り設定が登録されている場合は、不図示のお気に入り一覧選択画面が表示される。ユーザが、お気に入り一覧選択画面から所望のお気に入りを選択する。これによって、ホーム画面で、ショートカットを実行することで、所望のお気に入りが設定された所望のアプリを即座に利用することができる。
【0061】
本実施形態におけるショートカットは、ログインユーザのユーザ情報などに依存せず、カード情報に紐付けて登録することが可能である。例えば、ユーザは、MFP101にログインするために利用するICカード以外に、交通系ICカードなど、任意のカードを保持している場合がある。その場合には、ユーザは交通系ICカードのカード情報に紐付けてショートカットを登録しておくことで、ログインすることなく、簡単にそのショートカットを呼び出せるようになる。このケースにおいては、ショートカットに対してユーザ情報をさらに紐付けて登録する必要がない。なお、ICカードは、NFC通信機能を有する形態端末等(例えばスマートフォン)であってもよい。以下、これらをまとめてICカードという。
【0062】
<ICカードによるショートカット呼び出し>
事前にICカードに対応してショートカットを登録しておくことで、ホーム画面が表示されている状態で、ICカードをICカード読取装置131にかざしたときに、ICカードに対応したショートカットを実行することができる。この際、ICカードから呼び出されるショートカットは、図9のICカード管理テーブルに格納される。
【0063】
図9は、ICカード管理テーブルの一例を示す図である。
フィールド901は、カードIDフィールドであり、登録するICカードに記録されている一意なカードIDが格納される。フィールド902は、ショートカットIDフィールドであり、ICカードに対応して呼び出されるショートカットのショートカットIDフィールド801の値が格納される。
【0064】
ホーム画面で、ICカード読取装置131にICカードをかざすと、ICカード制御部210が、ICカードのカードIDを読み出す。さらに、お気に入り制御部211が、図9のようなICカード管理テーブルのカードIDフィールド901に当該カードIDが存在するか確認する。当該カードIDが存在していれば、お気に入り制御部211は、当該カードIDに対応するショートカットIDフィールド902を読み出し、ショートカットIDフィールド902で指定されるショートカットを前述したようにして実行する。すなわち、ホーム画面が表示されている状態でICカードがかざされた場合、MFP101は、該ICカードのカードIDに関連付けされているショートカットに対応する機能を、該ショートカットに対応する設定値群で利用可能に設定制御する。
【0065】
ショートカットボタン710(図7B)に、ICカードを登録したショートカット管理テーブルの例を、レコード910で示す。ここでは、登録するICカードのカードIDが「ABC123456789」であったとする。カードIDフィールド901に、「ABC123456789」が格納され、ショートカットIDフィールドは、ショートカットボタン710に登録されているショートカットID「S0001」が格納される。
【0066】
ここで、ショートカットにICカードを登録する方法の一例として、登録されたショートカットボタンを長押しすることで、ICカード管理画面を表示させる構成について説明する。
図7の説明で登録したショートカットボタン710(図7B)に、ICカードを登録する例を図10図11図12を用いて説明する。
【0067】
図7Bに示したようなショートカットボタン710を長押しすると、図10のICカード管理画面1001が表示される。
図10は、第1実施形態に係るショートカットの設定画面(ICカード管理画面1001)の一例を示す図である。
ICカード管理画面1001には、ICカード登録ボタン1002、ICカード削除ボタン1003がある。ICカード登録ボタン1002を押下すると、図11のICカード登録画面1101が表示される。
また、ICカード削除ボタン1003を押下すると、当該ショートカットに登録されているICカードのカードIDが削除される。
【0068】
図11は、第1実施形態に係るショートカットの設定時、ICカード情報の読取要求を行う画面(ICカード登録画面1101)の一例を示す図である。
ICカード登録画面1101が表示されている状態でユーザは、ICカード読取装置131にICカードをかざすと、かざしたICカードのカードIDが読み取られる。ここで、カードIDが別ショートカットと紐付けられていない場合、ICカード管理テーブルにカードIDが当該ショートカットと紐付けて登録される。一方、カードIDが既に別ショートカットと紐付けられている場合、図12に示すようにカード情報の紐付け変更確認画面1201が表示される。
【0069】
図12は、第1実施形態に係るカード情報とショートカットの紐付けを変更するかを確認する画面(カード情報の紐付け変更確認画面1201)の一例を示す図である。
カード情報の紐付け変更確認画面1201には、「はい」ボタン1202、「いいえ」ボタン1203がある。「はい」ボタン1202を押下すると、既に紐付けられているショートカットのカードIDが削除され、当該ショートカットに紐付けてカードIDが登録される。「いいえ」ボタン1203を押下すると、前述のような紐付けは行われず、ICカード管理画面1001に戻る。
【0070】
以下、図13を用いて、ICカード管理画面1001においてICカード登録ボタン1002が押下された場合の処理について説明する。
図13は、第1実施形態に係るMFPのショートカットとICカードの紐付けを行う処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU111がROM113に記憶されたプログラムを必要に応じてRAM112へ展開して実行することにより実現される。
【0071】
まず、図7Bの710のようなショートカットボタンが長押しされると、図10のようなICカード管理画面1001が表示される。そして、図10のようなICカード管理画面1001において、ICカード登録ボタン1002が押下されると、MFP101のCPU111は、本フローチャートの処理を開始する。なお、上記長押しされたショートカットボタンに対応するショートカットを、以下「設定中のショートカット」という。
【0072】
まず、CPU111は、図11のようなICカード登録画面を表示する(S1301)。
そしてICカード読取装置131にICカードがかざされると、CPU111は、ICカード読取装置131にかざされたICカードからカードIDを取得する(S1302)。
【0073】
次にCPU111は、上記S1302で取得したカードIDがすでに別ショートカットと紐付けられているか判定する(S1303)。この判定は、上記取得したカードIDに対応したショートカットIDが、図9のようなICカード管理テーブルにおいて別ショートカットと紐付けられているかを確認することによって行う。
【0074】
そして、まだ別ショートカットと紐付けられていない場合(S1303でNoの場合)、CPU111は、S1307に処理を進める。S1307以降の処理については後述する。
一方、すでに別ショートカットと紐付けられている場合(S1303でYesの場合)、CPU111は、S1304に処理を進める。
【0075】
S1304において、CPU111は、図12に示すようなカード情報紐付け変更確認画面1201を表示し、ユーザ操作を受け付ける。そして、ユーザ操作を検知すると、S1305に処理を進める。
【0076】
S1305において、CPU111は、カードIDの紐付けを変更するか否かの判定を行う。この判定は、カード情報紐付け変更確認画面において「はい」ボタン1202か「いいえ」ボタン1203のどちらが押下されたかを確認することによって行う。
【0077】
「いいえ」ボタン1203が押下された場合、CPU111は、カードIDの紐付けを変更しない(S1305でNo)と判定し、本フローチャートの処理を終了する。
一方、「はい」ボタン1202が押下された場合、CPU111は、カードIDの紐付けを変更する(S1305でYes)と判定し、S1306に処理を進める。
【0078】
S1306において、CPU111は、図9のようなICカード管理テーブルから、上記S1302で取得したカードIDと該カードIDに既に紐付けられている別ショートカットのショートカットIDの関連付け(紐付け)を削除する。具体的には、図9のようなICカード管理テーブルにおいて、当該カードIDとショートカットIDの関連付けを削除する。
【0079】
s その後、CPU111は、設定中のショートカットのショートカットIDと上記S1302で取得したカードIDの紐付けを行う(S1307)。この紐付けは、図9のようなICカード管理テーブルに、S1302で取得したカードIDと当該ショートカットのショートカットIDの関連付けを追加することによって行う。そしてS1307の処理の後、CPU111は、本フローチャートの処理を終了する。
【0080】
以上、第1実施形態によれば、カード情報とショートカットの紐付けをMFPで1対1でしか管理できない場合であっても、ユーザは容易にカード情報に紐付けるショートカットの変更を行うことができる。これにより、ユーザの手間を軽減し、操作性の良いMFPを提供することが可能となる。
【0081】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、MFPがカード情報とショートカットの紐付けを1対1で管理する場合における紐付けの管理方法について説明した。次に、第2実施形態として、MFPがカード情報とショートカットの紐付けを1対多で管理する場合における紐付けの管理方法について説明する。
【0082】
MFP101のハードウェア構成、ソフトウェア構成、ホーム画面、コピー画面、スキャンして送信画面、お気に入り管理テーブル、ショートカット登録画面については、第1実施形態と同様なため省略する。以下、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0083】
<ICカードによるショートカット呼び出し>
事前にICカードに対応してショートカットを登録しておくことで、ホーム画面が表示されている状態で、ICカードをICカード読取装置131にかざしたときに、ICカードに対応したショートカットを実行することができる。なお、ICカード管理テーブル、ICカード管理画面1001、ICカード登録画面については、第1実施形態と同様なため省略する。
【0084】
第2実施形態においては、1つのICカードに対し、複数のショートカットを紐付けることが可能である。ICカードをICカード読取装置131にかざしたときに、ICカードに対応したショートカットが複数登録されている場合は、図14に示すような、それのショートカットに紐付けられているすべてのショートカット一覧選択画面1401が表示される。
図14は、第2実施形態において、ICカードを読み込んだ際にカード情報が複数のショートカットと紐付けられていた場合に表示されるショートカット一覧選択画面の一例を示す図である。
【0085】
ユーザは、ショートカット一覧選択画面1401から所望のショートカットを選択する。これにより、ホーム画面でICカードをICカード読取装置131にかざすことで、所望のショートカットを即座に実行することができる。例えば、ユーザが「ショートカット01」を選択した場合、ホーム画面でICカードをICカード読取装置131にかざすことで、該選択した「ショートカット01」に対応する機能を対応する設定で呼び出すことができる。
【0086】
図11のようなICカード登録画面において、ユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、ICカード制御部210の制御により、かざしたICカードのカードIDが読み取られる。ここで、カードIDが別ショートカットと紐付けられていない場合には、お気に入り制御部211の制御により、ICカード管理テーブルにカードIDが当該ショートカットと紐付けて登録される。一方、カードIDが既に別ショートカットと紐付けられている場合には、お気に入り制御部211の制御により、図15に示すようにカード情報の紐付け操作選択画面1501が表示される。
【0087】
図15は、第2実施形態に係るカード情報とショートカットの紐付けを変更するか追加するかを確認する画面(カード情報の紐付け操作選択画面1501)の一例を示す図である。
カード情報の紐付け操作選択画面1501には、「追加」ボタン1502、「変更」ボタン1503、「中止」ボタン1504がある。「追加」ボタン1502を押下すると、カードIDに既に紐付けられているショートカットに加えて、当該ショートカットが登録される。「変更」ボタン1503を押下すると、既に紐付けられているショートカットのカードIDが削除され、当該ショートカットに紐付けてカードIDが登録される。「中止」ボタン1504を押下すると、前述のような紐付けは行われず、ICカード管理画面1001に戻る。
【0088】
以下、図16を用いて、ICカード管理画面1001においてICカード登録ボタン1002が押下された場合の処理について説明する。
図16は、第2実施形態に係るMFPのショートカットとICカードの紐付けを行う処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU111がROM113に記憶されたプログラムを必要に応じてRAM112へ展開して実行することにより実現される。
【0089】
まず、図7Bの710のようなショートカットボタンが長押しされると、図10のようなICカード管理画面1001が表示される。そして、図10のようなICカード管理画面1001において、ICカード登録ボタン1002が押下されると、MFP101のCPU111は、本フローチャートの処理を開始する。なお、上記長押しされたショートカットボタンに対応するショートカットを、以下「設定中のショートカット」という。
【0090】
まず、CPU111は、図11のようなICカード登録画面を表示する(S1601)。
そしてICカード読取装置131にICカードがかざされると、CPU111は、ICカード読取装置131にかざされたICカードからカードIDを取得する(S1602)。
【0091】
次にCPU111は、上記S1302で取得したカードIDがすでに別ショートカットと紐付けられているか判定する(S1303)。この判定は、上記取得したカードIDに対応したショートカットIDが、図9のようなICカード管理テーブルにおいて別ショートカットと紐付けられているかを確認することによって行う。
【0092】
そして、まだ別ショートカットと紐付けられていない場合(S1603でNoの場合)、CPU111は、S1308に処理を進める。S1308以降の処理については後述する。
一方、すでに別ショートカットと紐付けられている場合(S1603でYesの場合)、CPU111は、S1604に処理を進める。
【0093】
S1604において、CPU111は、図15に示すようなカード情報の紐付け操作選択画面を表示し、ユーザ操作を受け付ける。そして、ユーザ操作を検知すると、S1605に処理を進める。
【0094】
S1605において、CPU111は、カードIDの紐付けの追加をするかの判定を行う。この判定は、カード情報の紐付け操作選択画面において「追加」ボタン1502が押下されたかを確認することによって行う。
「追加」ボタン1502が押下された場合、CPU111は、カードIDの紐付けを追加する(S1605でYes)と判定し、S1608に処理を進める。
S1308において、CPU111は、設定中のショートカットのショートカットIDと上記S1302で取得したカードIDの紐付けを追加する。この紐付けは、図9のようなICカード管理テーブルに、S1602で取得したカードIDと当該ショートカットのショートカットIDの関連付けを追加することによって行う。そしてS1608の処理の後、CPU111は、本フローチャートの処理を終了する。
【0095】
一方、「変更」ボタン1503又は「中止」ボタン1504が押下された場合、CPU111は、カードIDの紐付けを追加しない(S1605でNo)と判定し、S1606に処理を進める。
【0096】
S1606において、CPU111は、カードIDの紐付けの変更をするかの判定を行う。この判定は、カード情報の紐付け操作選択画面において「変更」ボタン1503が押下されたかを確認することによって行う。
「中止」ボタン1504が押下された場合、CPU111は、カードIDの紐付けを変更しない(S1606でNo)と判定し、本フローチャートの処理を終了する。
【0097】
一方、「変更」ボタン1503が押下された場合、CPU111は、カードIDの紐付けを変更する(S1606でYes)と判定し、S1607に処理を進める。
S1607において、CPU111は、上記S1602で取得したカードIDと該カードIDに既に紐付けられている別ショートカットのショートカットIDの関連付け(紐付け)を削除する。具体的には、図9のようなICカード管理テーブルにおいて、当該カードIDとショートカットIDの関連付けを削除する。そしてS1607の後、CPU111は、S1608に処理を進める。
【0098】
なお、カードIDとの紐付け変更時、該カードIDに紐付けられているショートカットが複数ある場合には、該カードIDに紐付けられているショートカットの一覧を表示し、ユーザが紐付けを変更したいショートカットを選択できるようにしてもよい。
【0099】
以上、第2実施形態によれば、カード情報とショートカットの紐付けをMFPで1対多で管理できる場合、ユーザは容易にカード情報に紐付けるショートカットの変更、追加を行うことができる。これにより、ショートカットの使い勝手等の操作性が良いMFPを提供することができる。
【0100】
また、本実施形態に加えて、カード情報に紐付けるショートカットを追加する際、紐付け可能なショートカット数が上限を超えていた場合、既に紐付けられたショートカットの内いずれかの紐付けを削除し新たなショートカットを紐付けるようにしても良い。この場合、該カードIDに紐付けられているショートカットの一覧を表示し、ユーザが紐付けを削除したいショートカットを選択できるようにしてもよい。
【0101】
以上、各実施形態によれば、ショートカット等の画像処理装置が提供する機能と該機能で利用される設定値群との組合せと、ICカード等のカード情報との紐付け管理を容易に行うことができる。これにより、ユーザの手間を軽減し、操作性の良い画像処理装置を提供することが可能となる。
【0102】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0103】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16