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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240909BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240909BHJP
   B41J 3/60 20060101ALI20240909BHJP
   G03G 15/23 20060101ALI20240909BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
B41J29/38 302
B41J29/46 Z
B41J3/60
G03G15/23
G03G21/00 388
G03G21/00 386
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020101025
(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公開番号】P2021194804
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】石船 太朗
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-191244(JP,A)
【文献】特開2019-194003(JP,A)
【文献】特開2000-238959(JP,A)
【文献】特開2001-109330(JP,A)
【文献】特開2001-305918(JP,A)
【文献】特開2015-110455(JP,A)
【文献】特開2010-030235(JP,A)
【文献】特開2010-260199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0009581(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/46
B41J 3/60
G03G 15/23
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを給紙する給紙手段と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが、第1の排紙搬送路を介して搬送された後に、形成された画像が下向きになってフェイスダウン排紙される第1の排紙部と、
シートを搬送する第1の搬送手段であり、シートを第1の排紙部へ搬送するために第1の方向へ回転してシートを前記第1の方向へ搬送するか、シートを前記画像形成手段へ再び搬送するために前記第1の方向とは異なる第2の方向へ回転しシートを前記第2の方向へ搬送するかを切り替えることが可能である前記第1の搬送手段と、
閉じた状態の位置と開いた状態の位置とに切り替えることが可能であり、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが、第2の排紙搬送路を介して搬送された後に、形成された画像が上向きになってフェイスアップ排紙される第2の排紙部であって、前記閉じた状態の位置では前記第1の排紙部へシートを案内する案内部となり、前記開いた状態の位置では前記第1の排紙部へシートを案内せずにシートを積載できるシートの排紙部となる前記第2の排紙部と、
前記第1の搬送手段によってシートが前記第2の方向へ搬送された後に、前記案内部よりも前記第2の方向における下流の搬送路においてシートを搬送する第2の搬送手段と、
前記第2の排紙部が閉じた状態において第1の信号を出力し、開いた状態において第2の信号を出力する開閉信号出力手段と、
メッセージを出力するメッセージ出力手段と、
前記給紙手段により複数のシートを給紙させ、前記画像形成手段によりシートの両面に画像を形成させ、シートを排紙させる一連の印刷動作と、前記メッセージ出力手段と、を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
第2の排紙部が閉じた状態で、片面のみに第1の画像が形成されたシートの搬送方向を前記第1の搬送手段により前記第2の方向へ切り替えさせた後に、前記画像形成手段へ再び搬送させることにより前記片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる第1の両面印刷方法、または前記片面のみに第1の画像が形成されたシートを前記第2の排紙部へ排紙させ、前記第2の排紙部に排紙させたシートが前記給紙手段に積載されたことにより、前記画像形成手段へ再び搬送させ前記片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる第2の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を実行し、
前記制御手段は、
前記第1の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を実行する場合、
前記画像形成手段により前記片面のみに第1の画像が形成されたシートが前記第2の搬送手段に到達する前に、前記開閉信号出力手段により前記第2の信号が出力された場合、前記片面のみに第1の画像が形成されたシートが前記第2の排紙部に排紙された後に、前記給紙手段により新たにシートを給紙することを中止させ、
前記印刷動作を休止させるとともに、前記第2の排紙部に排紙されたシートの第1の画像が形成された面が下向きになるように前記給紙手段に積載することを促すためのメッセージを前記メッセージ出力手段により出力させ、
前記メッセージ出力手段により前記メッセージを出力させた後に、前記給紙手段によりシートの給紙を再開させ、前記給紙手段から給紙されたシートに前記画像形成手段により第2の画像を形成させ
前記制御手段は、
前記メッセージ出力手段が出力した、前記第1の両面印刷方法と前記第2の両面印刷方法のどちらの方法を用いて前記印刷動作を再開させるかを選択させることが可能なメッセージに応じて、前記第1の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を再開させることが選択された場合、
前記第2の排紙部を閉じた状態の位置に切り替えることを促すためのメッセージを前記メッセージ出力手段により出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記印刷動作を休止させるとともに、前記メッセージ出力手段により前記メッセージを出力させた後に、前記給紙手段にシートが積載された場合、前記給紙手段によりシートの給紙を再開させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記印刷動作を休止させるとともに、前記メッセージ出力手段により前記メッセージを出力させた後に、前記メッセージに応じた操作が完了したという信号を受信した場合、前記給紙手段によりシートの給紙を再開させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記シートに前記画像形成手段により第2の画像を形成させ、前記第2の排紙部に排紙させた後、後続する画像が無い場合は印刷を終了し、
後続する画像が1つのみである場合は、前記画像形成手段によりシートの片面のみに画像を形成させ、
後続する画像が2つ以上である場合は、前記画像形成手段によりシートの両面に画像を形成させる画像形成装置であって、
前記制御手段は、
後続する画像が2つ以上である場合、前記第1の両面印刷方法と前記第2の両面印刷方法のどちらの方法を用いて前記印刷動作を再開させるかを選択させることが可能なメッセージを前記メッセージ出力手段により出力することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の両面印刷方法は、前記制御手段が前記画像形成手段によりシートの表面の画像と裏面の画像を交互に形成させる印刷動作であり、
前記第2の両面印刷方法は、前記制御手段が前記画像形成手段により画像を形成する複数のシートの表面に画像を形成させた後に、画像を形成する複数のシートの裏面に画像を形成させる印刷動作であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
シートを給紙する給紙手段と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが、第1の排紙搬送路を介して搬送された後に、形成された画像が下向きになってフェイスダウン排紙される第1の排紙部と、
シートを搬送する第1の搬送手段であり、シートを第1の排紙部へ搬送するために第1の方向へ回転してシートを前記第1の方向へ搬送するか、シートを前記画像形成手段へ再び搬送するために前記第1の方向とは異なる第2の方向へ回転してシートを前記第2の方向へ搬送するかを切り替えることが可能である前記第1の搬送手段と、
閉じた状態の位置と開いた状態の位置とに切り替えることが可能であり、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが、第2の排紙搬送路を介して搬送された後に、形成された画像が上向きになってフェイスアップ排紙される第2の排紙部であって、前記閉じた状態の位置では前記第1の排紙部へシートを案内する案内部となり、前記開いた状態の位置では前記第1の排紙部へシートを案内せずにシートを積載できるシートの排紙部となる前記第2の排紙部と、
前記第1の搬送手段によってシートが前記第2の方向へ搬送された後に、前記案内部よりも前記第2の方向における下流の搬送路においてシートを搬送する第2の搬送手段と、
前記第2の排紙部が閉じた状態において第1の信号を出力し、開いた状態において第2の信号を出力する開閉信号出力手段と、
メッセージを出力するメッセージ出力手段と、
前記給紙手段により複数のシートを給紙させ、前記画像形成手段によりシートの両面に画像を形成させ、シートを排紙させる一連の印刷動作と、前記メッセージ出力手段と、を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
第2の排紙部が閉じた状態で、片面のみに第1の画像が形成されたシートの搬送方向を前記第1の搬送手段により前記第2の方向へ切り替えさせた後に、前記画像形成手段へ再び搬送させることにより前記片面のみに画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる第1の両面印刷方法、または、前記片面のみに第1の画像が形成されたシートを前記第2の排紙部へ排紙させ、前記第2の排紙部に排紙させたシートが前記給紙手段に積載されたことにより、前記画像形成手段へ再び搬送させ前記片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる第2の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を実行し、
前記制御手段は、
前記第1の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を実行する場合、
前記画像形成手段により前記片面のみに第1の画像が形成されたシートが前記第2の搬送手段に到達する前に前記開閉信号出力手段により前記第2の信号が出力された場合、前記給紙手段により新たにシートを給紙することを中止させ、
前記片面のみに第1の画像が形成されたシートが前記第1の排紙部あるいは前記第2の排紙部に排紙された後に、前記印刷動作を休止させるとともに、前記第1の排紙部あるいは前記第2の排紙部に排紙されたシートを前記給紙手段に積載することを促すためのメッセージを前記メッセージ出力手段により出力させ、
前記メッセージ出力手段により前記メッセージを出力させた後に、前記給紙手段によりシートの給紙を再開させ、前記給紙手段から給紙されたシートに前記画像形成手段により第2の画像を形成させ、
前記制御手段は、
前記メッセージ出力手段が出力した、前記第1の両面印刷方法と前記第2の両面印刷方法のどちらの方法を用いて前記印刷動作を再開させるかを選択させることが可能なメッセージに応じて、前記第1の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を再開させることが選択された場合、
前記第2の排紙部を閉じた状態の位置に切り替えることを促すためのメッセージを前記メッセージ出力手段により出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記印刷動作を休止させるとともに、前記メッセージ出力手段により前記メッセージを出力させた後に、前記給紙手段にシートが積載された場合、前記給紙手段によりシートの給紙を再開させることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記印刷動作を休止させるとともに、前記メッセージ出力手段により前記メッセージを出力させた後に、前記メッセージに応じた操作が完了したという信号を受信した場合、前記給紙手段によりシートの給紙を再開させることを特徴とする請求項またはに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、
前記シートに前記画像形成手段により第2の画像を形成させ、前記第1の排紙部に排紙させた後、後続する画像が無い場合は印刷を終了し、
後続する画像が1つのみである場合は、前記画像形成手段によりシートの片面のみに画像を形成させ、
後続する画像が2つ以上である場合は、前記画像形成手段によりシートの両面に画像を形成させる画像形成装置であって、
前記制御手段は、
後続する画像が2つ以上である場合、前記第1の両面印刷方法と前記第2の両面印刷方法のどちらの方法を用いて前記印刷動作を再開させるかを選択させることが可能なメッセージを前記メッセージ出力手段により出力することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の両面印刷方法は、前記制御手段が前記画像形成手段によりシートの表面の画像と裏面の画像を交互に形成させる印刷動作であり、
前記第2の両面印刷方法は、前記制御手段が前記画像形成手段により画像を形成する複数のシートの表面に画像を形成した後に、前記画像を形成する複数のシートの裏面に画像を形成する印刷動作であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものであり、特に、複数の排紙トレイを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーザービームプリンタ等の画像を形成する画像形成装置において、複数の排紙トレイを有している構成が記載されている。
【0003】
例えば、シートの上面に画像が形成される場合、画像が形成された後にシートの表裏が裏返される搬送路を通ることで、シートの画像が形成された面が下向きになるように排紙される排紙部である排紙トレイがある。この排紙トレイは、画像が形成された面をフェイスと表現すると、フェイスが下向きに排紙されるためフェイスダウン(以下、FDとも称する)トレイといわれる。一方、シートの上面に画像が形成される場合、画像が形成された後にシートの表裏が裏返されない搬送路を通ることで、シートの画像が形成された面が上向きになるように排紙される排紙部である排紙トレイがある。この排紙トレイは、フェイスが上向きのまま排紙されるためフェイスアップ(以下、FUとも称する)トレイといわれる。
【0004】
FUトレイは開閉可能な構成とされることがある。また、この構成において、FUトレイが閉じた状態では排紙トレイへシートを案内する案内部となり、開いた状態では排紙トレイへシートを案内せずにシートを積載できる排紙トレイとなる。
【0005】
このような画像形成装置においては、FUトレイを閉じた状態で両面印刷を実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4289749号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、FUトレイが開いた状態では、シートを両面搬送路に搬送することができず、画像形成装置が両面印刷を継続することができない。つまり、両面印刷が開始された後にFUトレイが開いた状態に切り替わった場合、両面印刷を継続できず、ユーザビリティの低下につながる虞があった。
【0008】
本出願に係る発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものである。両面印刷が開始された後にFUトレイが開いた状態に切り替わっても、両面印刷を継続可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
【0010】
シートを給紙する給紙手段と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが、第1の排紙搬送路を介して搬送された後に、形成された画像が下向きになってフェイスダウン排紙される第1の排紙部と、
シートを搬送する第1の搬送手段であり、シートを第1の排紙部へ搬送するために第1の方向へ回転してシートを前記第1の方向へ搬送するか、シートを前記画像形成手段へ再び搬送するために前記第1の方向とは異なる第2の方向へ回転しシートを前記第2の方向へ搬送するかを切り替えることが可能である前記第1の搬送手段と、
閉じた状態の位置と開いた状態の位置とに切り替えることが可能であり、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが、第2の排紙搬送路を介して搬送された後に、形成された画像が上向きになってフェイスアップ排紙される第2の排紙部であって、前記閉じた状態の位置では前記第1の排紙部へシートを案内する案内部となり、前記開いた状態の位置では前記第1の排紙部へシートを案内せずにシートを積載できるシートの排紙部となる前記第2の排紙部と、
前記第1の搬送手段によってシートが前記第2の方向へ搬送された後に、前記案内部よりも前記第2の方向における下流の搬送路においてシートを搬送する第2の搬送手段と、
前記第2の排紙部が閉じた状態において第1の信号を出力し、開いた状態において第2の信号を出力する開閉信号出力手段と、
メッセージを出力するメッセージ出力手段と、
前記給紙手段により複数のシートを給紙させ、前記画像形成手段によりシートの両面に画像を形成させ、シートを排紙させる一連の印刷動作と、前記メッセージ出力手段と、を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
第2の排紙部が閉じた状態で、片面のみに第1の画像が形成されたシートの搬送方向を前記第1の搬送手段により前記第2の方向へ切り替えさせた後に、前記画像形成手段へ再び搬送させることにより前記片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる第1の両面印刷方法、または前記片面のみに第1の画像が形成されたシートを前記第2の排紙部へ排紙させ、前記第2の排紙部に排紙させたシートが前記給紙手段に積載されたことにより、前記画像形成手段へ再び搬送させ前記片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる第2の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を実行し、
前記制御手段は、
前記第1の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を実行する場合、
前記画像形成手段により前記片面のみに第1の画像が形成されたシートが前記第2の搬送手段に到達する前に、前記開閉信号出力手段により前記第2の信号が出力された場合、前記片面のみに第1の画像が形成されたシートが前記第2の排紙部に排紙された後に、前記給紙手段により新たにシートを給紙することを中止させ、
前記印刷動作を休止させるとともに、前記第2の排紙部に排紙されたシートの第1の画像が形成された面が下向きになるように前記給紙手段に積載することを促すためのメッセージを前記メッセージ出力手段により出力させ、
前記メッセージ出力手段により前記メッセージを出力させた後に、前記給紙手段によりシートの給紙を再開させ、前記給紙手段から給紙されたシートに前記画像形成手段により第2の画像を形成させ
前記制御手段は、
前記メッセージ出力手段が出力した、前記第1の両面印刷方法と前記第2の両面印刷方法のどちらの方法を用いて前記印刷動作を再開させるかを選択させることが可能なメッセージに応じて、前記第1の両面印刷方法を用いて前記印刷動作を再開させることが選択された場合、
前記第2の排紙部を閉じた状態の位置に切り替えることを促すためのメッセージを前記メッセージ出力手段により出力することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、両面印刷が開始された後に、FUトレイが開いた状態に切り替わっても、両面印刷を継続可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】画像形成装置の概略構成図
図2】(a)プリンタ制御システム全体の制御ブロック図(b)シート搬送制御に関わるハードウェアの制御ブロック図
図3】(a)~(c)FUトレイ開閉センサ117の説明図(d)定着後紙有無センサ110の説明図
図4-1】(a)(b)シートの搬送位置についての説明図
図4-2】(c)(d)シートの搬送位置についての説明図
図4-3】(e)(f)シートの搬送位置についての説明図
図4-4】(g)(h)シートの搬送位置についての説明図
図5】第1の実施形態に関わる処理のフローチャート
図6-1】第2の実施形態に関わる処理のフローチャート
図6-2】第2の実施形態に関わる処理のフローチャート
図7】(a)~(d)第1~4の実施形態に関わるメッセージの説明図
図8】(a)、(d)~(f)第3の実施形態に関わるメッセージの説明図(b)自動両面印刷モードのときに出力される画像信号の順番の説明図(c)手動両面印刷モードのときに出力される画像信号の順番の説明図
図9】第3の実施形態に関わる処理のフローチャート
図10-1】第4の実施形態に関わる処理のフローチャート
図10-2】第4の実施形態に関わる処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
<画像形成装置の構成>
図1は本実施形態の画像形成装置10の概略構成図である。
【0014】
まず、画像形成プロセスを行う画像形成手段について説明する。図1において、感光ドラム122は有機感光体やアモルファスシリコン感光体で構成されており、時計まわりに所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光ドラム122は、帯電ローラ123によりその周面が所定の極性、電位に一様に帯電される。そして、帯電された感光ドラム122の周面に、光学装置109から出力されたレーザ光がレーザ光反射ミラー108によって反射され、照射されることで、走査露光が行われ、画像情報に対応した静電潜像が形成される。このときのレーザ光は、画像読取装置やコンピュータ等の画像信号発生装置(図示せず)から入力された目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ変換)される。
【0015】
このように目的の画像に対応して感光ドラム122上に形成された静電潜像は、現像器121により帯電ローラ123による帯電と同じ極性に帯電されたトナーが付着されることによって、トナー像として現像される。なお、静電潜像の形成開始はレジストレーションセンサ106(REGセンサ106)でシートの先端を検知したタイミングに応じて行われる。なお、本実施形態において、シートの搬送方向の下流側の端を先端、上流側の端を後端と称する。
【0016】
次に、シートの給紙手段について説明する。給紙トレイ100に積載されているシートが、給紙ローラ102によってピックアップされて、分離ローラ103によって1枚ずつ搬送ローラ104へ給紙される。このとき、給紙トレイ100におけるシートの有無は、シート検知センサ101により検知される。搬送ローラ104へ給紙されたシートは、搬送ローラ105に搬送される。このとき、給紙トレイ100に積載されているシートは、積載されている状態における上面を下向きにして搬送ローラ105に搬送される給紙搬送路を通ってシートが給紙される。このときの給紙搬送路を第1の給紙搬送路とも称する。また、給紙トレイ100を第1の給紙部とも称する。
【0017】
感光ドラム122に現像されたトナー像は、シートに転写される。このとき、転写ローラ107はシートの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することによって、感光ドラム122からシートにトナー像を転写する。このようにトナー像が転写されたシートは、感光ドラム122から分離されて定着装置130へ搬送される。定着装置130は、ヒータ132とヒータの温度を検知するサーミスタ131と定着スリーブ133と加圧ローラ134から構成される。定着装置130は、ヒータ132による熱と、定着スリーブ133と加圧ローラ134が形成する定着ニップによる加圧によって、シート上のトナー像をシートに定着させる。
【0018】
以上のように、シートに画像を形成する一連の画像形成プロセスに関わる各部材を画像形成手段と称する。さらに、画像形成手段へのシートの給紙に関わる各部材を給紙手段と称する。
【0019】
トナーが定着されたシートは、DCブラシレスモータ622により駆動されるFUローラ111と、ステッピングモータ623で駆動されるFDローラ112によって搬送され、排紙トレイ115に排紙される。
【0020】
続いて、シートの排紙部について説明する。画像形成装置10は、フェイスダウン排紙(以下、FD排紙とも称する)される排紙トレイ115と、フェイスアップ排紙(以下、FU排紙とも称する)されるFUトレイ116を有する。排紙トレイ115までの排紙搬送路とFUトレイ116までの排紙搬送路は、それぞれ異なる。
【0021】
排紙トレイ115までの排紙搬送路は、シートがFUローラ111からFDローラ112を経由し排紙トレイ115に積載されるまでの搬送経路である。排紙トレイ115までの排紙搬送路は、第1の排紙搬送路とも称する。シートの上面に画像が形成されたシートは、第1の排紙搬送路を搬送されると、画像面が下向き(フェイスダウン)(FD)になって排紙トレイ115へFD排紙される。FDトレイ排紙センサ125は、排紙トレイ115へ排紙されたシートの枚数を記録することが出来る。なお、排紙トレイ115は、第1の排紙部とも称する。
【0022】
FUトレイ116は開いた状態の位置と閉じた状態の位置とを切り替え可能な開閉部材である。FUトレイ116が閉じた状態の位置では、排紙トレイ115へシートを案内する案内部となる。FUトレイ116が開いた状態の位置では、排紙トレイ115へシートを案内する案内部とならずにシートを積載できる排紙トレイとなる。
【0023】
FUトレイ116までの排紙搬送路は、シートがFUローラ111からFUトレイ116に積載されるまでの搬送経路である。FUトレイ116までの排紙搬送路は、第2の排紙搬送路とも称する。シートの上面に画像が形成されたシートは、第2の排紙搬送路を搬送されると、画像面が上向き(フェイスアップ)(FU)になってFUトレイ116へFU排紙される。なお、FUトレイ116は、第2の排紙部とも称する。
【0024】
FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ116が閉じた状態において第1の信号を出力し、開いた状態において第2の信号を出力する開閉信号出力手段となる。FUトレイ開閉センサ117により出力された第1の信号または第2の信号に応じて、CPU601が開閉状態を検知する。つまり、FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ116が開いた状態であるか閉じた状態であるかを検知する検知手段として機能する。詳細な機能は後述する。
【0025】
続いて、もう一つのシートの給紙手段として、手差しでシートを給紙するためのMPトレイ140(MultiPurposeトレイ)からシートを給紙する場合について説明する。MPトレイ140は開いた状態の位置と閉じた状態の位置とを切り替え可能な開閉部材である。MPトレイ140が開いた状態の位置では、シートを給紙するための給紙口となり、MPトレイ140が閉じた状態の位置では、シートを給紙するための給紙口とならない。MPトレイ140からシートを給紙する場合は、MPトレイ140を開いた状態の位置に切り替え、シートを積載する。MPトレイ140を第2の給紙部とも称する。
【0026】
MPトレイ140からシートを給紙する場合、CPU601がI/Oポート606を介してMP給紙ソレノイド621を所定時間駆動することでMP給紙ローラ142を回転させる。MP給紙ローラ142は、MPトレイ140に積載されたシートをMP分離ローラ143へ給紙する。MP分離ローラ143は、MP給紙ローラ142により給紙されたシートを1枚になるように分離して搬送ローラ105へ搬送する。搬送ローラ105へ搬送されたシートは、感光ドラム122へ搬送される。感光ドラム122へ搬送されたシートは、給紙トレイ100から給紙されたシートと同様、トナー像が形成されて定着され、FUトレイ116もしくは排紙トレイ115へ排紙される。
【0027】
なお、MPトレイ140へのシートの積載の有無は、MP紙有無センサ141により検知される。MPトレイ140に積載されているシートは、積載されている状態における上面を上向きにして搬送ローラ105に搬送される給紙搬送路を通り、画像形成部120へ搬送される。MPトレイ140からシートを給紙する時の給紙搬送路を、第2の給紙搬送路とも称する。
【0028】
オプション給紙トレイ200、300からシートを給紙する場合も同様に、オプション給紙ローラ202、302が、シートをオプション分離ローラ203、303へ給紙する。このとき、給紙トレイ100やMPトレイ140と同様に、オプション給紙トレイ200、300へのシートの積載の有無は、それぞれシート検知センサ201、301により検知される。オプション分離ローラ203、303は、搬送されたシートが1枚になるように分離してオプション搬送ローラ204、304へ搬送する。オプション搬送ローラ204、304へ搬送されたシートは、画像形成部120へ搬送される。画像形成部120へ搬送された後の動作は、給紙トレイ100やMPトレイ140から給紙された場合と同様である。
【0029】
また、画像形成装置10の上部には、オペレーションパネル626が備えられている。オペレーションパネル626は、画像や文字を表示してユーザへの指示内容などの情報を提供する液晶パネルとユーザからの指示を受け付けるキーパッドから構成される。本実施形態では、オペレーションパネル626を、ユーザへのメッセージを報知するための情報を出力するメッセージ出力手段とも称する。
【0030】
<プリンタ制御システムの構成>
図2(a)は、本実施形態のプリンタ制御システム全体の構成を説明するブロック図である。なお、本実施形態の機能が実行されるのであれば、単体の機器あるいは、複数の機器からなるシステムあるいは、LAN、WAN等のネットワークを介して接続がなされて処理が行われるシステムであってもよい。
【0031】
図2(a)において、ホストコンピュータ200はCPU201を備える。CPU201は、ROM203のプログラム用ROMあるいは外部メモリ210に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行する。本実施形態において、CPU201は、例えばアプリケーションおよびグラフィックエンジン、プリンタドライバを用いて画像情報を処理する。
【0032】
CPU201は、メインバス204に接続される各デバイスを総括的に制御する。また、ROM203のプログラム用ROMあるいは外部メモリ210は、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)等を記憶する。ROM203のフォント用ROMあるいは外部メモリ210は、上記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶する。ROM203のデータ用ROMあるいは外部メモリ210は、上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0033】
キーボードコントローラ205は、キーボード208や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ206は、ディスプレイ209の表示を制御する。ユーザはキーボード208や不図示のポインティングデバイスを入力手段として用いて、印刷動作を選択する等の操作を行うことによって、所望する印刷動作をホストコンピュータ200へ入力する。
【0034】
ディスクコントローラ207は、外部メモリ210のアクセスを制御する。外部メモリ210は、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)等である。外部メモリ210は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタ制御コマンド生成プログラム(以下プリンタドライバ)等を記憶する。
【0035】
なお、CPU201は、例えばRAM202上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行する。ラスタライズ処理は、ディスプレイ209上でのWYSIWYG(What You See Is What You Get)を可能にする。WYSIWYGとは、CPU201が最終的な仕上がりをディスプレイ209上に表示することで、ユーザが最終的な仕上がりを確認しながら編集できることである。また、CPU201は、ディスプレイ209上の不図示のマウスカーソル等によってユーザから指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは、印刷動作を実行する際、印刷動作の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行う。このような処理によって生成された画像情報は、ホストコンピュータ200からプリンタ装置212へ出力される。
【0036】
プリンタ装置212は図1に示した画像形成装置10であり、前述した電子写真プロセスに従ってホストコンピュータ200から入力された画像情報に基づいてシートに画像を形成する。プリンタコントローラ213は、CPU214によって制御される。CPU214は、ROM216のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等に基づいて、メインバス204に接続される印刷部(プリンタエンジン)221へ第2の画像情報である画像信号を出力する。なお、ROM216のプログラムROMは、CPU214の制御プログラム等を記憶する。ROM216のフォント用ROMは、上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM216のデータ用ROMは、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶されている。
【0037】
CPU214は、入力部218を介して双方向性インタフェイス(インタフェイス)211を用いてホストコンピュータ200と情報を通信することが可能であり、プリンタ装置212内の情報等をホストコンピュータ200に通知する。このとき入力部218は、ホストコンピュータ200から、例えば第1の画像情報などを含む情報を受信する受信手段として機能する。
【0038】
RAM215は、CPU214の主メモリや、ワークエリア等として機能し、増設ポート(不図示)に接続されるオプションRAM(不図示)によりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM215は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。
【0039】
本実施形態におけるプリンタ装置212は、オプションとして外部メモリ(不図示)が接続されてもよい。この外部メモリ(不図示)は、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、本実施形態におけるプリンタ装置212は、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した複数の外部メモリ(不図示)を接続できてもよい。
【0040】
図2(b)は、本実施形態の印刷部221によって実現されるソフトウェア機能として、シート搬送制御に関わるハードウェアの構成を示したブロック図である。
【0041】
CPU601は、通信用のバス605を介して、ROM603、RAM604、I/Oポート606、シリアル通信ポート607と通信する。CPU601は、ROM603およびRAM604に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより印刷部221を制御する。CPU601は、ROM603に格納されたプログラムを実行し、実行時の演算結果を取得して、演算結果をRAM604に保存する。なお、マルチコアなどの複数のプロセッサを備えたCPU601およびMPU(不図示)が、複数のプロセッサにより印刷部221を制御してもよい。以下で、CPU601は制御手段とも称する。
【0042】
印刷部221のうちの記憶部は、ROM603やRAM604などの1以上のメモリ等により構成され、後述する各種動作を行うためのコンピュータプログラムや、無線通信のための通信パラメータなどの各種情報を記憶する。なお、本実施形態における記憶部は、ROM603、RAM604等のメモリであってもよい。また、本実施形態における記憶部は、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。
【0043】
MP紙有無センサ141は、MP紙有無センサ入力回路610およびI/Oポート606を介してCPU601により制御される。
【0044】
MP給紙ソレノイド621は、MP給紙ソレノイド駆動回路611およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。MP給紙ソレノイド621が所定時間駆動することでMP給紙ローラ142が回転する。MP給紙ローラ142が回転することによって、MPトレイ140に積載されたシートがMP分離ローラ143に搬送される。
【0045】
DCブラシレスモータ622は、DCブラシレスモータ駆動回路612およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。DCブラシレスモータ622は、FUローラ111を駆動する。
【0046】
ステッピングモータ623は、ステッピングモータ駆動回路613およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。ステッピングモータ623は、FDローラ112を駆動する。
【0047】
FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ開閉センサ入力回路614およびI/Oポート606を介してCPU601により動作が制御される。
【0048】
定着後紙有無センサ110は、定着後紙有無センサ入力回路615およびI/Oポート606を介してCPU601により動作が制御される。
【0049】
シリアル通信ポート607は、オペレーションパネル制御回路616と接続されている。オペレーションパネル626は、オペレーションパネル制御回路616を介してCPU601により制御される。CPU601は、ユーザがオペレーションパネル626の液晶パネルやキーパットを用いて入力した情報を、シリアル通信ポート607を制御することにより取得する。
【0050】
<FUトレイ開閉センサ117によるFUトレイ116の開閉状態の検知方法>
以下で、本実施形態においてFUトレイ開閉センサ117がFUトレイ116の開閉状態を検知する方法について説明する。図3(a)はFUトレイ116が開いている状態の画像形成装置10の斜視図である。図3(b)は、図3(a)に示した矢印の方向から見た画像形成装置10の断面図である。図3(c)は、FUトレイ開閉センサ117の各部材の斜視図である。
【0051】
図3(b)、図3(c)に示すように、FUトレイ開閉センサ117は、支持部材301、カム部材302、フラグ部材303、フォトインタラプタ304からなる(図1では省略している)。フォトインタラプタ304は、検知部として用いる光センサの一例であり、フラグ部材303により光が遮られるか否かにより異なる信号を出力することができる。
【0052】
支持部材301は、FUトレイ116に取り付けられており、FUトレイ116が回動して開いた状態の位置に切り替えられるときに共に回動する。支持部材301は、カム部材302を支持している。
【0053】
カム部材302は、支持部材301が回動する動きをフラグ部材303の上下の動きに変える。
【0054】
フラグ部材303は、FUトレイ116が閉じた状態の位置ではフォトインタラプタ304の発光部304aからのセンサ光を遮っている。FUトレイ116が開いた状態の位置では、フラグ部材303がカム部材302により上に押し上げられ、発光部304aからのセンサ光が受光部304bへ受光される状態となる。なお、発光部304aと受光部304bの配置は、逆であっても良い。
【0055】
フォトインタラプタ304は、発光部304aのセンサ光が受光部304bで受光される状態と、フラグ部材303に遮られて受光されない状態と、の2種類の受光状態が切り替わることにより、異なる信号を出力する。すなわちフォトインタラプタ304は、FUトレイ116が閉じている場合、発光部304aのセンサ光がフラグ部材303により遮られ受光部304bにより受光されない状態となる。またフォトインタラプタ304は、FUトレイ116が開いている場合、発光部304aのセンサ光がフラグ部材303に遮られず受光部304bにより受光される状態となる。
【0056】
以上のように、FUトレイ116が閉じている場合、FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ開閉センサ入力回路614およびI/Oポート606を介してCPU601へLOW信号を出力する。この信号を第1の信号とも称する。LOW信号(第1の信号)を受信したCPU601は、FUトレイ116が閉じている状態であると検知する。
【0057】
また、FUトレイ116が開いている場合、FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ開閉センサ入力回路614およびI/Oポート606を介してCPU601へHIGH信号を出力する。この信号を第2の信号とも称する。HIGH信号(第2の信号)を受信したCPU601は、FUトレイ116が開いている状態であると検知する。
【0058】
このように、FUトレイ116が閉じた状態において第1の信号を出力し、開いた状態において第2の信号を出力するFUトレイ開閉センサ117は、開閉信号出力手段とも称する。
【0059】
<定着後紙有無センサ110によるシートの検知方法>
以下で、定着後紙有無センサ110がシートを検知するときの検知方法について説明する。定着後紙有無センサ110は、図3(d)に示すように、フォトインタラプタ310とフラグ部材311によって構成されている。フラグ部材311は、フォトインタラプタ310の近傍に回動自在に設けられている。フォトインタラプタ310は、発光部310aのセンサ光が受光部310bで受光される状態とフラグ部材311に遮られて受光されない状態の2種類の受光状態の変化により異なる信号を出力する。
【0060】
搬送路にシートが無い場合、フラグ部材311は、自重で搬送路に当接するようになっている。このときフラグ部材311は、フォトインタラプタ310の発光部310aからのセンサ光を遮らない位置にあり、センサ光が受光部310bにより受光される状態となる。一方、定着後紙有無センサ110にシートが搬送されると、フラグ部材311は、シートと当接することによって回動し、フォトインタラプタ310の発光部310aからのセンサ光を遮る。なお、発光部310aと受光部310bの配置は、逆であっても良い。
【0061】
以上のように、搬送路にシートが無い場合、定着後紙有無センサ110が定着後紙有無センサ入力回路615およびI/Oポート606を介してCPU601へHIGH信号を出力する。HIGH信号を受信したCPU601は、搬送路にシートが無いと検知する。また、定着後紙有無センサ110にシートが搬送された場合、定着後紙有無センサ110が定着後紙有無センサ入力回路615およびI/Oポート606を介してCPU601へLOW信号を出力する。LOW信号を受信したCPU601は、定着後紙有無センサ110にシートが搬送されたと検知する。
【0062】
CPU601は、定着後紙有無センサ110から受信していたHIGH信号がLOW信号に切り替わったことによって、シートの先端が通過したことを検知する。また、CPU601は、定着後紙有無センサ110から受信していたLOW信号がHIGH信号に切り替わったことによって、シートの後端が通過したことを検知する。
【0063】
FDトレイ排紙センサ125とREGセンサ106、両面搬送センサ113、MP紙有無センサ141も定着後紙有無センサ110と同様な構成であるため、説明を省略する。
【0064】
なお、FDトレイ排紙センサ125は、排紙トレイ115が満載である場合、シートが排紙トレイ115へ排紙された後もLOW信号を出力し続ける。この場合、CPU601が、排紙トレイ115が満載であると検知し、例えば「排紙トレイ115に積載されているシートを取り除いてください」という内容のメッセージをオペレーションパネル626に出力する。
【0065】
<自動両面印刷モードと手動両面印刷モードについて>
本実施形態の画像形成装置10は、シートの両面に画像を形成する印刷動作を実行する場合、自動両面印刷モードと手動両面印刷モードを備えている。自動両面印刷モードを第1の両面印刷方法、手動両面印刷モードを第2の両面印刷方法とも称する。以下でそれぞれのモードについて図4を用いて説明する。
【0066】
<自動両面印刷モード>
自動両面印刷モードで両面印刷を行う場合、例えば図4(a)に示すように、FUトレイ116が閉じた状態で、片面のみに画像が形成されたシートの先端が定着後紙有無センサ110を通過する。例えば図4(b)に示すように、シートの後端が定着後紙有無センサ110を通過してから所定時間後に、CPU601がステッピングモータ623の回転を逆回転させる。所定時間とは、CPU601が、シートの搬送速度と、定着後紙有無センサ110からFDローラ112までの距離によって算出する時間である。なお、CPU601は、FDトレイ排紙センサ125がシートの先端を検知したタイミングを起点として、シートの搬送速度とシートの長さによって算出される時間が経過してから、ステッピングモータ623が逆回転を開始しても良い。
【0067】
ステッピングモータ623の回転が逆になると、図4(b)に示すように、FDローラ112の回転も逆になる。FDローラ112の回転が逆になると、シートの搬送方向も逆になる。搬送方向が逆になったシートは、FDローラ112からFUローラ111へ搬送される。搬送方向が逆になったシートはFUローラ111へ搬送されると、両面搬送路L1へ搬送される。なお、図4(b)に示すように、シートが排紙トレイ115へ排紙されるときの搬送方向を第1の方向とも称し、FDローラ112の回転が逆になった時の搬送方向を第2の方向とも称する。
【0068】
FDローラ112は、シートを排紙トレイ115へ搬送するために第1の方向へ回転してシートを第1の方向へ搬送する。また、FDローラ112は、シートを画像形成手段へ再び搬送するために第2の方向へ回転しシートを第2の方向へ搬送する。このように、FDローラ112は、第1の方向へ回転してシートを第1の方向へ搬送するか、第2の方向へ回転してシートを第2の方向へ搬送するかを切り替えることが可能である。なお、本実施形態では、FDローラ112を第1の搬送手段とも称する。
【0069】
さらに、FUローラ111は、FDローラ112によりシートが第2の方向へ搬送された後に、案内部としてのFUトレイ116よりも第2の方向における下流の搬送路においてFDローラ112の次にシートを搬送する。シートがFUローラ111へ到達すると、FUローラ111は、FUトレイ116が開いた状態のであっても、シートを両面搬送路L1へ搬送する。なお、本実施形態では、FUローラ111を第2の搬送手段とも称する。
【0070】
両面搬送路L1へ搬送されたシートは、両面搬送センサ113を通過し、両面搬送ローラ114によって搬送ローラ105へ搬送される。シートが両面搬送ローラ114から搬送ローラ105へ搬送されるときに、シートの上面と下面が逆になり、画像が形成された面が下向きになって、画像形成手段へ再び搬送される。画像形成手段へ再び搬送されたシートは、画像が形成されていない面に画像が形成されて定着され、排紙トレイ115へ排紙される。なお、表面に形成する画像を第1の画像とも称し、画像が形成されていない面(裏面とも称する)に形成する画像を第2の画像とも称する。
【0071】
以上のように、CPU601は、自動両面印刷モードにおいては、FUトレイ116が閉じた状態で、片面のみに第1の画像が形成されたシートの搬送方向をFDローラ112により第2の方向へ切り替えさせる。CPU601は、片面のみに第1の画像が形成されたシートを第2の方向へ搬送させ、画像形成手段へ再び搬送させることにより片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる。
【0072】
つまり、自動両面印刷モードは、CPU601が画像形成手段によりシートの表面の画像と裏面の画像を交互に形成させる印刷動作である。
【0073】
<手動両面印刷モード>
手動両面印刷モードで両面印刷を行う場合、FUトレイ116が閉じた状態では、片面に画像が形成されたシートが排紙トレイ115へ排紙されると、CPU601が印刷動作を休止させる。FUトレイ116が開いた状態では、片面に画像が形成されたシートがFUトレイ116へ排紙されると、CPU601が印刷動作を休止させる。
【0074】
続いて、以下で説明するような操作をユーザが行うことが必要である。本実施形態においては、メッセージ出力手段を用いて図7(a)(b)あるいは図7(c)(d)のようなメッセージを出力してもよい。
【0075】
まずユーザは、片面に画像が形成され、排紙トレイ115或いはFUトレイ116に排紙されたシートの画像が形成された面が下向きになるようにシートをMPトレイ140に積載する。ユーザによって、片面に画像が形成されたシートがMPトレイ140に積載されると、CPU601が休止した印刷動作を再開させる。ユーザによってMPトレイ140に積載されたシートは、MP給紙ローラ142によって画像形成手段に再び搬送される。画像形成手段に再び搬送されたシートは、画像が形成されていない面にトナー像が形成されて定着され、排紙トレイ115或いはFUトレイ116へ排紙される。
【0076】
以上のように、CPU601は、手動両面印刷モードにおいては、片面のみに画像が形成されたシートを排紙トレイ115或いはFUトレイ116へ排紙させる。FUトレイ116に排紙されたシートが給紙手段に積載されたことにより、CPU601は、画像形成手段へ再びシートを搬送させ、片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる。
【0077】
つまり、手動両面印刷モードでは、CPU601が画像形成手段により画像を形成する複数のシートの表面に画像を形成させた後に、画像を形成する複数のシートの裏面に画像を形成させる印刷動作である。なお、手動両面印刷モードでは、CPU601が画像形成手段により、複数枚のシートの表面に画像を形成させた後に複数枚のシートの裏面に画像を形成させる印刷動作を、複数回に分けて実行しても良い。この場合、CPU601は、オペレーションパネル626に、排紙トレイ115或いはFUトレイ116に排紙された何枚のシートをMPトレイ140に積載するのかをユーザに報知させるためのメッセージを出力させても良い。
【0078】
なお、本実施形態では、手動両面印刷モードを備えていなくてもよい。
【0079】
<自動両面印刷モードでの両面印刷中にFUトレイ116が開かれた場合>
以下で、自動両面印刷モードでの両面印刷中にFUトレイ116が開かれた場合について図4を用いて説明する。自動両面印刷モードで両面印刷を行う場合、まず片面のみに画像が形成されたシートが第2の方向へ搬送される。図4(c)は、シートがFUローラ111へ差しかかった状態を示している。シートがFUローラ111へ差しかかる前に、ユーザによってFUトレイ116が開かれた場合、シートは排紙トレイ115或いはFUトレイ116へ排紙される。この場合、排紙トレイ115へ排紙されるかFUトレイ116へ排紙されるかは、CPU601が異常を検知して印刷動作を休止させるときの、異常の検知方法によって異なる。本実施形態では、CPU601は、第1の異常検知方法で異常を検知し、印刷動作を休止させる。
【0080】
<第1の異常検知方法>
CPU601が印刷動作を休止させる際の第1の異常検知方法は、FDローラ112が逆回転を開始した時を起点として、一定時間経過しても両面搬送センサ113によってシートが検知されない場合である。この場合、FDローラ112が逆回転を開始した時を起点として、一定時間経過しても両面搬送センサ113によってLOW信号が発信されず、HIGH信号が発信され続ける。両面搬送センサ113によってLOW信号が発信されるまでは、CPU601は通常通りの印刷動作を行う。なお、両面搬送センサ113による信号の発信方法は前述した<定着後紙有無センサ110によるシートの検知方法>と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0081】
例えば、図4(b)のように、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFDローラ112に差しかかった後、FDローラ112が逆回転を開始し、シートを第2の方向へ搬送される前までに図4(d)のようにFUトレイ116がオープンされる。この場合、両面搬送センサ113によりLOW信号が発信されておらず、CPU601が異常を検知しないため、FDローラ112は通常通り逆回転を開始し、シートを第2の方向へ搬送する。このため、第2の方向へ搬送されたシートは、図4(f)に示すように、FUトレイ116へ排紙される。シートがFUトレイ116へ排紙されると、FDローラ112が逆回転を開始した時を起点として一定時間経過後であっても、両面搬送センサ113によってHIGH信号がCPU601へ発信され続ける。このため、CPU601が異常を検知し、印刷動作を休止する。
【0082】
図4(e)に示すように、シートがFUローラ111に差しかかってからFUトレイ116がオープンされた場合は、シートは両面搬送路L1へ搬送されるため、シートは画像形成手段によって第2の画像が形成される。
【0083】
<両面印刷中にFUトレイ116がオープンされた場合の処理>
次に、本実施形態における具体的な処理を図5のフローチャートを用いて説明する。本実施形態では、CPU601は、FUトレイ116が閉じた状態で、自動両面印刷モードで両面印刷を実行し、第1の異常検知方法を用いて印刷動作を休止する場合について記載する。第1の異常検知方法については、前述の通りである。なお、本実施形態では、1枚のシートに対して両面印刷を実行する場合について記載する。さらに、FUトレイ116へシートが1枚も排紙されていない状態からS101を開始しても良いし、FUトレイ116へシートが1枚以上排紙された状態からS101を開始しても良い。
【0084】
S101では、図4(a)に示すように片面に画像が形成されたシートの先端が定着後紙有無センサ110に到達し、CPU601が定着後紙有無センサ110によって出力されたLOW信号を受信すると、処理をS102へ進める。なお、シートの検知については、<定着後紙有無センサ110によるシートの検知方法>に前述しているため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0085】
S102では、ユーザの操作によってFUトレイ116が開かれ、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信した場合、処理をS109へ進める。CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信しない場合、処理をS103へ進める。
【0086】
S103では、片面に画像が形成されたシートの先端がFDトレイ排紙センサ125に到達し、CPU601がFDトレイ排紙センサ125によって出力されたLOW信号を受信すると、処理をS108へ進める。CPU601がFDトレイ排紙センサ125によって出力されたLOW信号を受信しなければ、処理をS102へ戻す。
【0087】
S104では、ユーザの操作によってFUトレイ116が開かれ、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信した場合、処理をS108へ進める。CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信しない場合、処理をS105へ進める。
【0088】
S105では、CPU601が、ステッピングモータ623の回転が逆になったという情報を取得することにより、処理をS106へ進める。ステッピングモータ623の回転が逆になると、図4(d)に示すように、シートが第2の方向へ搬送される。CPU601が、ステッピングモータ623の回転が逆になったという情報を取得しなければ、処理をS104へ戻す。
【0089】
S106では、ユーザの操作によってFUトレイ116が開かれ、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信した場合、処理をS109へ進める。CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信しない場合、処理をS107へ進める。
【0090】
S107では、図4(e)に示すように、片面に画像が形成されたシートの先端がFUローラ111に到達していれば、片面に画像が形成されたシートが両面搬送路L1へ搬送される。両面搬送路L1へ搬送された片面に画像が形成されたシートは、画像が形成されていない面に第2の画像が形成され、排紙トレイ115へ排紙され、処理を終了する。片面に画像が形成されたシートの先端がFUローラ111に到達していなければ、S106へ戻る。
【0091】
S108では、CPU601が、ステッピングモータ623の回転が逆になったという情報を取得することにより、処理をS109へ進める。ステッピングモータ623の回転が逆になると、図4(d)に示すように、シートが第2の方向へ搬送される。
【0092】
S109では、片面のみに画像が形成されたシートがFUトレイ116に排紙される。シートがFUトレイ116へ排紙されると、CPU601は、FDローラ112が逆回転を開始した時を起点として、一定時間経過しても両面搬送センサ113によって出力されるLOW信号を受信できない。このためCPU601は、異常が発生したと検知し、給紙手段により新たにシートを給紙させることを中止させ、処理をS110へ進める。なお、S104、S105、S106、S108、S109が、前述した第1の異常検知方法に対応するステップとなる。
【0093】
なお、FUトレイ116へシートが排紙されたか否かは、シートの後端が定着後紙有無センサ110を通過したタイミングを起点として、所定時間が経過するまでにシートの後端がFDトレイ排紙センサ125を通過するか否かにより判断される。CPU601が、FDトレイ排紙センサ125によって出力されるLOW信号を受信しなければ、FUトレイ116にシートが排紙されたと検知する。ここでの所定時間とは、シートの搬送速度と、定着後紙有無センサ110からFDトレイ排紙センサ125までの距離によって算出される時間である。
【0094】
S110では、CPU601が、ユーザに対して後述のような操作をすることを促すためのメッセージを、オペレーションパネル626に出力させ、処理をS111へ進める。
【0095】
S110で、CPU601が、オペレーションパネル626に出力させるメッセージにおいて、ユーザに対して促される操作を説明する。まず、FUトレイ116に排紙されたシートを、画像が形成された面が下向きになるように裏返す。画像が形成されていない面を上向きにした状態で、FUトレイ116へ排紙された状態のシートの先端をMPトレイ140へ差し込むようにMPトレイ140に積載する。このとき表示されるメッセージは、例えば図7(a)に示すような文章であっても良いし、例えば図7(b)に示すような絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、例えば図7(b)に示すような絵をアニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。
【0096】
CPU601が、メッセージ出力手段によってこのようなメッセージを出力させ、ユーザによる操作を促すことによって、両面印刷を継続させることができ、ユーザビリティを向上させることが出来る。なお、S110で表示されるメッセージにはOKボタンが備えられていても良い。このOKボタンは、ユーザがメッセージに応じた操作を完了させた際に押下するボタンである。OKボタンが押下されると、操作が完了したという信号をCPU601が取得する。なお、OKボタンは、例えば「完了ボタン」などの、操作が完了したことが分かるボタンであっても良い。
【0097】
S111では、CPU601が印刷動作を休止させ、処理をS112へ進める。なお、S110とS111の処理の順は逆であっても良い。
【0098】
S112では、ユーザによってMPトレイ140にシートが積載され、CPU601が、MP紙有無センサ141によって出力されたLOW信号を取得すると、処理をS113へ進める。なお、MPトレイ140にシートが積載されたか否かを示す情報は、必ずしもMP紙有無センサ141が出力しなくても良い。ユーザがオペレーションパネル626のキーパットを通して入力することによって、MPトレイ140にシートが積載されたという情報を出力しても良い。
【0099】
S113では、CPU601が、ユーザによってオペレーションパネル626に表示されているメッセージに備えられているOKボタンが押下されたという情報を取得した場合、処理をS114へ進める。
【0100】
S114では、CPU601が印刷動作を再開する。具体的には、MPトレイ140に積載されたシートの給紙を再開させ、画像が形成されていない面に第2の画像を形成させ、FUトレイ116へ排紙させ、処理を終了する。
【0101】
なお、本実施形態では、縦送りでシートを搬送する場合であり、長辺とじで両面印刷する場合について記載した。このため、MPトレイ140にシートを積載する操作をユーザに促すとき、「排紙された状態のシートの先端をMPトレイ140へ差し込むように積載する」操作を促す。しかし、縦送りでシートを搬送する場合であり、短辺とじで両面印刷する場合であっても良い。短辺とじで両面印刷する場合、「排紙された状態のシートの後端をMPトレイ140へ差し込むように積載する」操作を促す。
【0102】
<第1の実施形態のまとめ>
以上説明したように本実施形態では、1枚のシートに対して両面印刷を行う印刷であって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わる場合について記載した。また、CPU601が第1の異常検知方法を用いて印刷動作を休止する場合について記載した。
【0103】
本実施形態では、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFUローラ111へ差しかかる前に、ユーザによってFUトレイ116がオープンされ、シートがFUトレイ116に排紙される。CPU601は、排紙されたシートを手動でMPトレイ140に積載させる操作をユーザに促すためのメッセージを、メッセージ出力手段により出力させる。排紙されたシートがユーザによって、MPトレイ140に積載されたことに応じて、給紙手段による給紙を再開させ、画像形成手段により第2の画像を形成させる。この機能によって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わっても、両面印刷を継続することができる。また、片面のみに画像が形成されて排紙されてしまったシートを無駄にすることなく、画像が形成されていない面に画像を形成させて、ユーザの所望する両面印刷を行うことが出来る。
【0104】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、1枚のシートに対して両面印刷を行う場合、自動両面印刷モードで両面印刷をしている途中でFUトレイ116が開かれても両面印刷を継続できる場合について記載した。本実施形態では、複数枚のシートに対して両面印刷を行う場合について記載する。
【0105】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、CPU601が第1の異常検知方法を用いて印刷動作を休止させる。第1の異常検知方法については、前述の通りである。FUトレイ116へ排紙されたシートがユーザの操作によってMPトレイ140に積載されると、画像が形成されていない面へ第2の画像が形成され、1枚分の両面印刷を終える。本実施形態では、1枚分の両面印刷を終えた後に、後続する画像(ページとも称する)の印刷が終了するまで自動両面印刷モードを維持するか、手動両面モードの印刷動作に切り替えるかをユーザが選択できる場合について記載する。
【0106】
以下で、本実施形態における制御について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。先の実施形態と同一の構成に関しては、同一の番号を付与し説明を省略する。また、画像形成プロセスおよびハードウェア構成も、第1の実施形態と同一であるため、説明を省略する。図6のフローチャートのS101からS114までは第1の実施形態と同一である。
【0107】
S210では、CPU601が、プリンタコントローラ213から後続する画像の情報を受信した場合は、処理をS211へ進める。CPU601が、プリンタコントローラ213から後続する画像の情報を受信しなかった場合は、処理を終了させる。
【0108】
S211で、CPU601が受信した後続する画像の情報において、後続する画像が1つのみである場合は、処理をS212へ進め、画像形成手段によりシートの片面に画像を形成させ、処理を終了させる。CPU601が受信した後続する画像の情報において、後続する画像が2つ以上である場合は、[1]以降に示すフローチャートの処理を行う。
【0109】
S213では、CPU601が、後述のようなメッセージを、オペレーションパネル626に出力させる。ここでのメッセージは、後続する画像の印刷が終了するまで自動両面印刷モードを維持するか、手動両面印刷モードに切り替えるかをユーザに選択させるためのメッセージである。このとき、例えば、図8(a)に示すようなメッセージがオペレーションパネル626に表示される。このメッセージに応じてユーザがどちらかを選択し、オペレーションパネル626を操作する。CPU601が、ユーザの操作によって選択された両面印刷モードの情報をCPU601へ出力し、処理を次のステップへ進める。
【0110】
CPU601が、メッセージ出力手段によってこのようなメッセージを出力させることによって、ユーザが所望する両面印刷モードを用いて両面印刷を継続でき、ユーザビリティを向上させることができる。
【0111】
S213では、CPU601が、ユーザによって「自動両面印刷モードで後続する画像を両面印刷する」という処理が選択されたという情報を取得した場合、処理をS214に進める。
【0112】
S214では、CPU601が、メッセージ出力手段により、ユーザに対してFUトレイ116を閉めることを促すためのメッセージを、オペレーションパネル626に出力させ、処理をS215へ進める。このとき、例えば、図8(f)に示すようなメッセージがオペレーションパネル626に表示される。
【0113】
S215では、ユーザによってFUトレイ116が閉じられ、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたLOW信号を受信した場合、処理をS216へ進める。CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたLOW信号を受信するまでは、処理をS214へ戻し、メッセージ出力手段により前述のメッセージをオペレーションパネル626へ出力させる。
【0114】
S216では、CPU601が自動両面印刷モードで両面印刷を再開させ、印刷を終了する。なお、自動両面印刷モードについては、<自動両面印刷モード>に前述しているため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0115】
S213では、CPU601が、ユーザによって「手動両面印刷モードで後続する画像を両面印刷する」という処理が選択されたという情報を取得した場合、処理をS217へ進める。
【0116】
S217では、プリンタコントローラ213が、印刷開始時に作成していた後続する画像の自動両面印刷モードの印刷動作をキャンセルさせ、印刷動作を手動両面印刷モードの印刷動作に切り替える。
【0117】
<自動両面印刷モードの印刷動作を手動両面印刷モードの印刷動作に切り替える方法>
以下で、プリンタコントローラ213が、自動両面印刷モードの印刷動作を手動両面印刷モードの印刷動作に切り替える方法について記載する。
【0118】
まず、自動両面印刷モードの印刷動作と手動両面印刷モードの印刷動作について説明する。例えば、連続する8ページ分の画像を4枚のシートに両面印刷する場合、自動両面印刷モードでは、プリンタコントローラ213のCPU214が、印刷部221へ図8(b)に示す順番で第2の画像情報である画像信号を出力する。CPU214によって出力された画像信号に応じて、CPU601は、画像形成手段により表面の画像と裏面の画像を交互に形成させる。
【0119】
手動両面印刷モードでは、プリンタコントローラ213のCPU214が、印刷部221へ図8(c)に示す順番で第2の画像情報である画像信号を出力する。CPU214によって出力された画像信号に応じて、CPU601は、画像形成手段により、画像を形成するシートのすべての表面に画像を形成した後に、画像を形成するシートのすべての裏面に画像を形成させる。なお、CPU601は、画像形成手段により、画像を形成する複数シートの表面に画像を形成した後に画像を形成する複数のシートの裏面に画像を形成させる、という印刷動作を複数回に分けて実行しても良い。
【0120】
また、手動両面印刷モードの場合、まずCPU214によって出力された画像信号に応じて、CPU601が画像形成手段により4枚のシートの表面に画像を形成させ、FUトレイ116へ排紙させる。表面のみに画像が形成された4枚のシートがFUトレイ116へ排紙されると、CPU601は、が、MPトレイ140へシートを積載させる操作をユーザに促すためのメッセージをオペレーションパネル626に出力させる。このとき表示されるメッセージは、例えば図8(d)に示すような文章であっても良いし、例えば図8(e)に示すような絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、例えば図8(e)に示すような絵をアニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。ユーザがメッセージに応じてシートの束をMPトレイ140に積載し、CPU601が、OKボタンが押下されたという情報を取得すると、給紙手段により給紙を再開させ、画像形成手段によりシートの画像が形成されていない面へ画像を形成させる。
【0121】
このように、自動両面印刷モードと手動両面印刷モードでは、プリンタコントローラ213のCPU214が、印刷部221へ第2の画像情報である画像信号を出力する順番が異なる。
【0122】
S217の説明に戻る。例えば、CPU601が、10ページある印刷動作のうち4ページ目まで両面印刷を終えて処理をS217へ進めた場合、プリンタコントローラ213が、印刷開始時に作成していた5~10ページを両面印刷するための印刷動作をキャンセルする。続いて、残りの5~10ページの先頭のページが奇数ページなので、奇数ページの画像信号を昇順に並び替え、印刷部221へ出力する。つまり、プリンタコントローラ213が、5、7、9ページの画像信号を印刷部221へ出力する。CPU601は、画像形成手段により5、7、9ページの画像を形成させ、片面のみに画像が形成された3枚のシートをFUトレイ116へ排紙させる。奇数ページの印刷が終わると、CPU601が、MPトレイ140へシートの束を積載させる操作をユーザに促すためのメッセージをオペレーションパネル626に表示させる。ユーザがメッセージに応じてシートの束をMPトレイ140に積載し、CPU601が、OKボタンが押下されたという情報を取得すると、プリンタコントローラ213が偶数ページの画像信号を昇順に並べ替え、印刷部221へ出力する。CPU601は、画像形成手段により6、8、10ページの画像を形成させ、両面に画像が形成された3枚のシートをFUトレイ116へ排紙させ、印刷を終了させる。
【0123】
<第2の実施形態のまとめ>
以上説明したように本実施形態では、複数枚のシートに対して両面印刷を行う印刷であって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わる場合について記載した。また、CPU601が第1の異常検知方法を用いて印刷動作を休止させる場合について記載した。
【0124】
本実施形態では、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFUローラ111へ差しかかる前に、ユーザによってFUトレイ116がオープンされ、シートがFUトレイ116に排紙される。CPU601は、排紙されたシートを手動でMPトレイ140に積載させる操作をユーザに促すためのメッセージを、メッセージ出力手段により出力させる。排紙されたシートがユーザによって、MPトレイ140に積載されたことに応じて、給紙手段による給紙を再開させ、画像形成手段により第2の画像を形成させる。この機能によって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わっても、両面印刷を継続することができる。また、片面のみに画像が形成されて排紙されてしまったシートを無駄にすることなく、画像が形成されていない面に画像を形成させて、ユーザの所望する両面印刷を行うことが出来る。
【0125】
さらに、後続する画像を印刷する際に、ユーザにFUトレイ116を閉じさせて自動両面印刷モードのまま印刷を再開させることができる。或いは、後続の画像を印刷する際に、FUトレイ116が開いたままプリンタコントローラ213によって印刷動作を手動両面印刷モードに切り替え、手動両面印刷モードで印刷を再開させることができる。この機能によって、ユーザが印刷開始後に誤ってFUトレイ116を開いてしまった場合でも、ユーザが所望する両面印刷モードを用いて両面印刷を継続でき、ユーザビリティを向上させることができる。
【0126】
<第3の実施形態>
第1及び第2の実施形態では、CPU601が、第1の異常検知方法を用いて印刷動作を休止する場合について記載した。本実施形態では、第2の異常検知方法を用いて印刷動作を休止する場合について記載する。第2の異常検知方法については、後述する。
【0127】
本実施形態でも、第1及び第2の実施形態と同様に、FUトレイ116が閉じた状態で、自動両面印刷モードで両面印刷を実行する場合について記載する。また、第1の実施形態と同様に、1枚のシートに対して両面印刷を実行する場合であって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わる場合について記載する。
【0128】
<第2の異常検知方法>
CPU601が印刷動作を休止させる際の第2の異常検知方法は、ユーザによってFUトレイ116が開かれ、FUトレイ開閉センサ117によって第2の信号が出力された場合である。
【0129】
例えば、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFDローラ112に差しかかる前にFUトレイ116がオープンされた場合、図4(g)に示すように、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFUトレイ116に排紙される。また、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFDローラ112に差しかかった後、FDローラ112が逆回転を開始する前までにFUトレイ116がオープンされた場合、CPU601は印刷動作を休止する。このため、片面のみに第1の画像が形成されたシートが図4(h)に示すように、排紙トレイ115へ排紙される。さらに、FDローラ112が逆回転を開始し搬送方向が逆になったシートがFUローラ111へ搬送される前までに、FUトレイ116がオープンされた場合、図4(f)に示すように、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFUトレイ116へ排紙される。
【0130】
以下で、本実施形態における制御について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。先の実施形態と同一の構成に関しては、同一の番号を付与し説明を省略する。また、画像形成プロセスおよびハードウェア構成も、第1及び第2の実施形態と同一であるため、説明を省略する。なお、FUトレイ116或いは排紙トレイ115へシートが1枚も排紙されていない状態からS101を開始しても良いし、FUトレイ116或いは排紙トレイ115へシートが1枚以上排紙された状態からS101を開始しても良い。
【0131】
S301では、ユーザの操作によってFUトレイ116が開かれ、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信した場合、異常が発生したと検知する。CPU601が、異常が発生したことを検知すると、給紙手段により新たにシートを給紙させることを中止させ、処理をS304へ進める。CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力された第2の信号を受信しない場合、処理をS103へ進める。S103については説明を省略する。
【0132】
S302では、ユーザの操作によってFUトレイ116が開かれ、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信した場合、異常が発生したと検知する。CPU601が、異常が発生したことを検知すると、給紙手段により新たにシートを給紙させることを中止させ、処理をS306へ進める。CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信しない場合、処理をS105へ進める。S105については説明を省略する。
【0133】
S303では、ユーザの操作によってFUトレイ116が開かれ、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信した場合、異常が発生したと検知する。CPU601が、異常が発生したことを検知すると、給紙手段により新たにシートを給紙させることを中止させ、処理をS304へ進める。CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信しない場合、処理をS107へ進める。S107については説明を省略する。
【0134】
S304では、片面のみに画像が形成されたシートがFUトレイ116に排紙され、処理がS305へ進む。
【0135】
S305では、CPU601が、オペレーションパネル626に出力させるメッセージにおいて、ユーザに対して促される操作を説明する。まず、FUトレイ116に排紙されたシートを、画像が形成された面が下向きになるように裏返す。画像が形成されていない面を上向きにした状態で、FUトレイ116へ排紙された状態のシートの先端をMPトレイ140へ差し込むようにMPトレイ140に積載する。このとき表示されるメッセージは、例えば図7(a)に示すような文章であっても良いし、例えば図7(b)に示すような絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、例えば図7(b)に示すような絵をアニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。
【0136】
CPU601が、メッセージ出力手段によってこのようなメッセージを出力させ、ユーザによる操作を促すことによって、両面印刷を継続させることができ、ユーザビリティを向上させることが出来る。
【0137】
S306では、片面のみに画像が形成されたシートが排紙トレイ115に排紙され、処理がS307へ進む。なお、S103、S105、S107、S301、S302、S303、S304、S306が、前述した第2の異常検知方法に対応するステップとなる。
【0138】
S307では、CPU601が、ユーザに対して後述のような操作をすることを促すためのメッセージを、オペレーションパネル626に出力させ、処理をS111へ進める。
【0139】
S307で、CPU601が、オペレーションパネル626に出力させるメッセージにおいて、ユーザに対して促される操作を説明する。排紙トレイ115に排紙されたシートの上面と下面はそのままで、排紙トレイ115へ排紙された状態の先端をMPトレイ140へ差し込むようにMPトレイ140に積載する。このとき表示されるメッセージは、例えば図7(c)に示すような文章であっても良いし、例えば図7(d)に示すような絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、例えば図7(d)に示すような絵をアニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。
【0140】
CPU601が、メッセージ出力手段によってこのようなメッセージを出力させ、ユーザによる操作を促すことによって、両面印刷を継続させることができ、ユーザビリティを向上させることが出来る。
【0141】
なお、S305およびS307で表示されるメッセージにはOKボタンが備えられていても良い。このOKボタンは、ユーザがメッセージに応じた操作を完了させた際に押下するボタンである。OKボタンが押下されると、操作が完了したという信号をCPU601が取得する。なお、OKボタンは、例えば「完了ボタン」などの、操作が完了したことが分かるボタンであっても良い。
【0142】
S111では、CPU601が印刷動作を休止させ、処理をS112へ進める。なお、S305とS111の処理の順および、S307とS111の処理の順は、それぞれ逆であっても良い。
【0143】
S112からS114までの説明は第1及び第2の実施形態と同一のため省略する。
【0144】
<第3の実施形態のまとめ>
以上説明したように本実施形態では、1枚のシートに対して両面印刷を行う印刷であって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わる場合について記載した。また、CPU601が第2の異常検知方法を用いて印刷動作を休止する場合について記載した。
【0145】
本実施形態では、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFUローラ111へ差しかかる前に、ユーザによってFUトレイ116がオープンされたたタイミングに応じて、シートがFUトレイ116或いは排紙トレイ115に排紙される。排紙されたシートを、手動でMPトレイ140に積載させる操作をユーザに促すためのメッセージを、メッセージ出力手段により出力させる。ユーザによって、FUトレイ116或いは排紙トレイ115に排紙されたシートがMPトレイ140に積載されたことに応じて、給紙手段による給紙を再開させ、画像形成手段により第2の画像を形成させる。この機能によって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わっても、両面印刷を継続することができる。また、片面のみに画像が形成されて排紙されてしまったシートを無駄にすることなく、画像が形成されていない面に画像を形成させて、ユーザの所望する両面印刷を行うことが出来る。
【0146】
<第4の実施形態>
第1及び第3の実施形態では、1枚のシートに対して両面印刷を行う場合、自動両面印刷モードで両面印刷をしている途中でFUトレイ116が開かれても両面印刷を継続できる場合について記載した。本実施形態では、複数枚のシートに対して両面印刷を行う場合について記載する。
【0147】
本実施形態では、第3の実施形態と同様に、第2の異常検知方法を用いて印刷動作を休止させる。第2の異常検知方法については、前述の通りである。FUトレイ116或いは排紙トレイ115に排紙されたシートがユーザの操作によってMPトレイ140に積載されると、画像が形成されていない面へ第2の画像が形成され、1枚分の両面印刷を終える。本実施形態では、1枚分の両面印刷を終えた後に、後続する画像の印刷が終了するまで自動両面印刷モードを維持するか、手動両面モードの印刷動作に切り替えるかをユーザが選択できる場合について記載する。
【0148】
以下で、本実施形態における制御について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。先の実施形態と同一の構成に関しては、同一の番号を付与し説明を省略する。また、画像形成プロセスおよびハードウェア構成も、第1乃至第3の実施形態と同一であるため、説明を省略する。図10のフローチャートのS101からS114およびS301からS307については第3の実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0149】
S210では、CPU601が、プリンタコントローラ213から後続する画像の情報を受信した場合は、処理をS211へ進める。CPU601が、プリンタコントローラ213から後続する画像の情報を受信しなかった場合は、処理を終了させる。
【0150】
S211で、CPU601が受信した後続する画像の情報において、後続する画像が1つのみである場合は、処理をS212へ進め、画像形成手段によりシートの片面に画像を形成させ、処理を終了させる。CPU601が受信した後続する画像の情報において、後続する画像が2つ以上である場合は、[2]以降に示すフローチャートの処理を行う。
【0151】
S213では、CPU601が、後述のようなメッセージを、オペレーションパネル626に出力させる。ここでのメッセージは、後続する画像の印刷が終了するまで自動両面印刷モードを維持するか、手動両面印刷モードに切り替えるかをユーザに選択させるためのメッセージである。このとき、例えば、図8(a)に示すようなメッセージがオペレーションパネル626に表示される。このメッセージに応じてユーザがどちらかを選択し、オペレーションパネル626を操作する。CPU601が、ユーザの操作によって選択された両面印刷モードの情報をCPU601へ出力し、処理を次のステップへ進める。
【0152】
CPU601が、メッセージ出力手段によってこのようなメッセージを出力させることによって、ユーザが所望する両面印刷モードを用いて両面印刷を継続でき、ユーザビリティを向上させることができる。
【0153】
S213では、CPU601が、ユーザによって「自動両面印刷モードで後続する画像を両面印刷する」という処理が選択されたという情報を取得した場合、処理をS214に進める。
【0154】
S214では、CPU601が、メッセージ出力手段により、ユーザに対してFUトレイ116を閉めることを促すためのメッセージを、オペレーションパネル626に出力させ、処理をS215へ進める。このとき、例えば、図8(f)に示すようなメッセージがオペレーションパネル626に表示される。
【0155】
S215では、ユーザによってFUトレイ116が閉じられ、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたLOW信号を受信した場合、処理をS216へ進める。CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたLOW信号を受信するまでは、処理をS214へ戻し、メッセージ出力手段により前述のメッセージをオペレーションパネル626へ出力させる。
【0156】
S216では、CPU601が自動両面印刷モードで両面印刷を再開させ、印刷を終了する。なお、自動両面印刷モードについては、<自動両面印刷モード>に前述しているため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0157】
S213では、CPU601が、ユーザによって「手動両面印刷モードで後続する画像を両面印刷する」という処理が選択されたという情報を取得した場合、処理をS217へ進める。
【0158】
S217では、プリンタコントローラ213が、印刷開始時に作成していた後続する画像の自動両面印刷モードの印刷動作をキャンセルさせる。プリンタコントローラ213は、自動両面印刷モードの印刷動作を手動両面印刷モードの印刷動作に切り替え、手動両面印刷モードを用いて両面印刷を実行し、印刷を終了させる。
【0159】
<第4の実施形態のまとめ>
以上説明したように本実施形態では、複数枚のシートに対して両面印刷を行う印刷であって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わる場合について記載した。また、CPU601が第2の異常検知方法を用いて印刷動作を休止させる場合について記載した。
【0160】
本実施形態では、片面のみに第1の画像が形成されたシートがFUローラ111へ差しかかる前に、ユーザによってFUトレイ116がオープンされたタイミングに応じて、シートがFUトレイ116或いは排紙トレイ115に排紙される。排紙されたシートを、手動でMPトレイ140に積載させる操作をユーザに促すためのメッセージを、メッセージ出力手段により出力させる。ユーザによって、FUトレイ116或いは排紙トレイ115に排紙されたシートがMPトレイ140に積載されたことに応じて、給紙手段による給紙を再開させ、画像形成手段により第2の画像を形成させる。この機能によって、両面印刷が開始された後にFUトレイ116が開いた状態に切り替わっても、両面印刷を継続することができる。また、片面のみに画像が形成されて排紙されてしまったシートを無駄にすることなく、もう片面に画像を形成させて、ユーザの所望する両面印刷を行うことが出来る。
【0161】
さらに、後続する画像を印刷する際に、ユーザにFUトレイ116を閉じさせて自動両面印刷モードのまま印刷を再開させることができる。或いは、後続する画像を印刷する際に、FUトレイ116が開いたままプリンタコントローラ213によって印刷動作を手動両面印刷モードに切り替え、手動両面印刷モードで印刷を再開させることができる。この機能によって、印刷開始後、ユーザが印刷開始後に誤ってFUトレイ116を開いてしまった場合でも、ユーザが所望する両面印刷モードを用いて両面印刷を継続でき、ユーザビリティを向上させることができる。
【符号の説明】
【0162】
10 画像形成装置
110 定着後紙有無センサ
111 FUローラ
112 FDローラ
115 排紙トレイ
116 FUトレイ
117 FUトレイ開閉センサ
125 FDトレイ排紙センサ
140 MPトレイ
141 MP紙有無センサ
142 MP給紙ローラ
621 MP給紙ソレノイド
622 DCブラシレスモータ
623 ステッピングモータ
626 オペレーションパネル
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図5
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9
図10-1】
図10-2】