(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】磁気インク読取装置およびプリンタ
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20240909BHJP
B41J 13/00 20060101ALI20240909BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240909BHJP
G11B 5/02 20060101ALI20240909BHJP
B41J 11/00 20060101ALN20240909BHJP
【FI】
B65H7/02
B41J13/00
B41J29/38 601
G11B5/02 Z
B41J11/00 Z
(21)【出願番号】P 2020103799
(22)【出願日】2020-06-16
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 洋之
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-222476(JP,A)
【文献】特開2006-088688(JP,A)
【文献】特開2019-104555(JP,A)
【文献】特開2009-035367(JP,A)
【文献】特開2007-284162(JP,A)
【文献】特開2016-088686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00- 43/08
B41J 13/00- 13/32
G11B 5/00- 5/024
B41J 29/00- 29/70
B65H 83/30- 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気インクを用いて情報が印刷されたシート状の媒体を出し入れするための媒体出入口が設けられた筐体と、
前記媒体出入口に挿入された前記媒体を前記筐体内に設けられた搬送経路に沿って往復搬送する搬送手段と、
前記搬送経路中で前記媒体の有無を検出する媒体検出手段と、
検出した前記媒体の搬送方向の長さを計測する計測手段と、
前記媒体検出手段が前記媒体無しを検出した場合に前記搬送手段による前記媒体の搬送を停止する停止手段と、
前記搬送経路中に配置された磁気ヘッドを用いて、搬送中の前記媒体に印刷された前記情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段による前記印刷された情報の読み取りを開始してから、前記媒体を前記計測手段が計測した前記媒体の長さ分の距離を搬送したかを判断する搬送判断手段と、
前記搬送判断手段が前記長さ分の距離を搬送していないと判断した場合には、前記媒体検出手段が前記媒体無しを検出しても前記停止手段による前記媒体の搬送を停止せずに前記搬送手段による前記媒体の搬送および前記読取手段による前記情報の読み取りを継続する搬送制御手段と、
を備えた磁気インク読取装置。
【請求項2】
前記搬送経路に沿って往路を搬送される前記媒体の前記磁気インクに着磁させる着磁部、をさらに備え、
前記読取手段は、着磁した前記情報を読み取り、
前記読取手段は、前記搬送経路の復路を搬送される前記媒体の前記情報を読み取
り、
前記搬送判断手段は、復路において前記読取手段による前記印刷された情報の読み取りを開始してから、前記媒体を前記計測手段が計測した前記媒体の長さ分の距離を搬送したかを判断する、
請求項1に記載の磁気インク読取装置。
【請求項3】
搬送される前記媒体の先端部を検出するTOFセンサと、
搬送される前記媒体の後端部を検出するBOFセンサと、
をさらに備え、
前記計測手段は、前記TOFセンサの前記媒体の有無を検出する信号と前記BOFセンサの前記媒体の有無を検出する信号と、に基づいて前記媒体の長さを計測する、
請求項1または2に記載の磁気インク読取装置。
【請求項4】
前記媒体検出手段は、前記TOFセンサの信号に基づいて前記媒体の有無を検出する、
請求項3に記載の磁気インク読取装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一に記載の磁気インク読取装置と、
前記読取手段によって読み取った情報に関連して前記媒体に対して所定の印字を行う印字手段と、
を備えたプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気インク読取装置およびプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、小切手、手形、チケット等のシート状の媒体への印字装置として用いられるプリンタ装置においては、媒体の出入口から挿入された媒体を装置内に引き込んで所定事項を印刷し、同出入口から排出を行っている。
【0003】
このような媒体としての小切手や手形等には、磁気インクで文字(MICR文字:Magnetic Ink character recognition)が印刷されていることがある。このようなMICR文字は、プリンタ装置に内蔵された磁気インク読取装置によって次のようにして読み取られる。すなわち、ユーザがプリンタ装置内に出入口から小切手等を挿入すると、磁石によってMICR文字に着磁がなされる。次に、MICR文字が帯びる残留磁気によって発生する残留磁界をMICRヘッド(磁気ヘッド)によって読み取り、その磁気特性や磁気パターンからMICR文字を識別する。このようにしてMICR文字によって小切手等を判別することが可能となる。このような磁気インク読取装置は、ATMやPOS(Point of Sales)端末のプリンタに組み込まれて用いられている。
【0004】
ところで、磁気インク読取装置は媒体検出センサを備える。媒体検出センサは、磁気インク読取装置に挿入された媒体の有無を検出する。ところが媒体検出センサは、媒体の背景のデザインや媒体に印字される文字や図形の特に黒い部分を媒体無しと誤検出することがある。そして、MICRヘッドによってMICR文字の読取り途中に媒体検出センサが媒体無しを検出した場合、磁気インク読取装置は、MICRヘッドによってMICR文字の読取り動作を停止してしまい、MICR文字を最後まで読み取れないことがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、MICR文字の読取り動作を途中で停止することを防止した磁気インク読取装置およびプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の磁気インク読取装置は、磁気インクを用いて情報が印刷されたシート状の媒体を出し入れするための媒体出入口が設けられた筐体と、前記媒体出入口に挿入された前記媒体を前記筐体内に設けられた搬送経路に沿って往復搬送する搬送手段と、前記搬送経路中で前記媒体の有無を検出する媒体検出手段と、検出した前記媒体の搬送方向の長さを計測する計測手段と、前記媒体検出手段が前記媒体無しを検出した場合に前記搬送手段による前記媒体の搬送を停止する停止手段と、前記搬送経路中に配置された磁気ヘッドを用いて、搬送中の前記媒体に印刷された前記情報を読み取る読取手段と、前記読取手段による前記印刷された情報の読み取りを開始してから、前記媒体を前記計測手段が計測した前記媒体の長さ分の距離を搬送したかを判断する搬送判断手段と、前記搬送判断手段が前記長さ分の距離を搬送していないと判断した場合には、前記媒体検出手段が前記媒体無しを検出しても前記停止手段による前記媒体の搬送を停止せずに前記搬送手段による前記媒体の搬送および前記読取手段による前記情報の読み取りを継続する搬送制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる磁気インク読取装置が組み込まれたプリンタを示す外観斜視図である。
【
図2】
図2は、プリンタの概略構成を示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、磁気インク読取装置の要部を示す縦断面図である。
【
図4】
図4は、MICR文字が印刷された媒体を示す図である。
【
図5】
図5は、プリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、プリンタの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、プリンタの制御処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、磁気インク読取装置において媒体の先端部を検出した状態を示す説明図である。
【
図9】
図9は、磁気インク読取装置において媒体の後端部を検出した状態を示す説明図である。
【
図10】
図10は、磁気インク読取装置においてMICR文字の読取開始の状態を示す説明図である。
【
図11】
図11は、磁気インク読取装置においてMICR文字の読取終了の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態にかかる磁気インク読取装置50が組み込まれたプリンタ10を示す外観斜視図である。
図2は、プリンタ10の概略構成を示す縦断面図、
図3は、プリンタ10に組み込まれた磁気インク読取装置50を示す縦断面図である。
【0009】
プリンタ10は、例えば銀行等に設置されたATMや店舗・倉庫等に設置されたPOS(Point Of Sales)端末に組み込まれ、あるいは接続されている。図中Pは小切手(シート状であり、媒体の一例)、Kは小切手Pの搬送経路を示している。小切手Pは長手方向を有する長尺上の単票で構成される。この小切手P上には、通常のインクによる文字・図形や、磁気インクによるMICR文字が印刷される。
【0010】
プリンタ10は、筐体11を有している。筐体11内には、搬送経路Kが形成されている。この搬送経路Kの一端部(
図2中右端)には外部から小切手Pを挿入・排出する媒体出入口12が設けられている。なお、このプリンタ10については、磁気インクでMICR文字が予め印刷されている表面を
図1中下向きにして媒体出入口12から挿入する。
【0011】
図2に示すように、筐体11内には、磁気インク読取装置50として、制御部200(
図5を参照)と、搬送機構40と、MICRヘッド70が収容されている。また、筐体11内には、印字機構90と、反転機構100が収容されている。印字機構90はMICRヘッド70よりも媒体出入口12側に設けられている。反転機構100は印字機構90より媒体出入口12側に設けられている。また、筐体11内には、ロール状に巻回されたレシート用紙R(熱を印加することで変色して文字や図形を形成するサーマル紙で構成される)が収納される。レシート用紙Rには、購入した商品に係る商品情報や決済情報が印字され、プリンタ10から発行される。制御部200は、搬送機構40、MICRヘッド70、印字機構90、反転機構100等を連携制御する機能を有している。
【0012】
搬送機構40は、シート状の小切手Pが
図2中左右方向に搬送されるテーブル41を有している。テーブル41の上面に沿った方向が搬送経路Kとなる。搬送機構40は、テーブル41に沿ってフィードローラ42及びピンチローラ43を含む複数のローラ等を有している。
【0013】
搬送機構40は、搬送経路Kに沿った位置であって、MICRヘッド70の近傍に、搬送経路Kに沿って搬入される小切手Pの先端部を検出するTOF(Top of Form(
図3を参照))センサ81を備えている。TOFセンサ81は、TOFセンサ81が設置された位置(所定の位置)において、小切手Pの有無をも検出する。
【0014】
搬送機構40は、搬送経路Kに沿った位置であって、媒体出入口12付近に、小切手Pの先端部や後端部を検出するBOF(Bottom of Form(
図3を参照))センサ82を備えている。BOFセンサ82は、BOFセンサ82が設置された位置(所定の位置)において、小切手Pの有無をも検出する。
【0015】
磁気インク読取装置50は、搬送機構40の他に、搬送経路K上の小切手Pの磁気インクに着磁させる着磁機構61と、この着磁機構61の搬送経路Kにおける搬送方向下流側近傍に配置され、着磁された磁気インクの磁気を読み取るMICRヘッド(磁気ヘッド)70等を備えている。
【0016】
着磁機構61は、TOFセンサ81に近接して設置される。着磁機構61は、搬送経路Kに沿って搬送される小切手Pの表面に印刷されたMICR文字を着磁するマグネット60を有している。小切手Pには予め磁気インクを用いてMICR文字を表す磁気パターンが印刷されているが、磁気力が弱いことがあるため、着磁機構61を用いて改めて着磁することで磁気パターンの磁気力を増幅する。
【0017】
MICRヘッド70は、MICR文字の残留磁力を検出し、MICR文字が磁気特性や磁気パターンとして読み取られ、制御部200に電気信号として出力される。予め制御部200(
図5を参照)にはMICR文字の磁気特性や磁気パターンが登録されており、それらと照合することで、MICR文字を識別する。MICRヘッド70は、MICR文字の残留磁力を右側から左側に向けてスライドさせることで、当該文字特有の磁気特性や磁気パターンを読み取る。そして、後述するパターンテーブル242に記憶されている磁気パターンと照合することで、一つの文字を特定する。
【0018】
印字機構90は、制御部200から指示された所定の印刷を行うインクジェットヘッド91を備えている。インクジェットヘッド91は、搬送経路Kを挟んでMICRヘッド70と反対側に設けられる。
【0019】
反転機構100は、小切手Pの表裏を反転させる機構である。反転機構100は、
図3に示すように、直方体状の筐体110を備えている。筐体110内には、
図3中左側に位置する反転往路Hと、
図3中右側に位置するは反転復路Tを有している。筐体110の下部には開口部111が形成されており、搬送経路Kに対向配置されている。開口部111のMICRヘッド70側に反転往路Hへ導入する反転導入口112を有している。
【0020】
筐体110内には、一対のローラ121,122が設けられており、無端ベルト123が一対のローラ121,122に掛け渡されている。ローラ121は反転モータ33(
図5を参照)によって駆動される。無端ベルト123の表面と筐体110の内壁との間には、小切手Pが通過できる経路(反転往路H及び反転復路T)が形成されている。
【0021】
筐体110の開口部111には、切替フラッパ131が配置されている。切替フラッパ131は、切替ソレノイド32(
図5を参照)の動作によって搬送経路Kと交わる位置と搬送経路Kから上方に退避した位置とを往復動する。切替フラッパ131が搬送経路Kと交わる位置に位置する場合、インクジェットヘッド91で印字された小切手Pは、搬送機構40によって反転機構100へと搬送される。切替フラッパ131が搬送経路Kから上方に退避した位置に位置する場合、インクジェットヘッド91で印字された小切手Pは、搬送機構40によって搬送経路Kに沿って媒体出入口12へと搬送される。
【0022】
ここで、小切手Pについて説明する。小切手Pは、
図4に示すように、長尺上のシートであって、長手方向の長さがLである。小切手Pは、表面と裏面を有する。表面は、印字領域P1を有する。印字領域P1には、小切手Pの所有者名、小切手Pの発行年月日、額面金額等がインクジェットヘッド91によって印字される。また、印字領域P1には、小切手Pの所有者のサイン欄が設けられる。また、小切手Pの表面には、磁気インクによって1以上のMICR文字が印刷された印刷部P2を有する。
図4は、一例として6文字分のMICR文字が印刷部P2に印刷されている。
【0023】
各印刷部P2は、特定の文字等を表す所定の磁気パターンで着磁されている。MICRヘッド70が各印刷部P2の右端部P2Rから左端部P2Lに向けて磁気パターンを読み取ることで、印刷部P2に印刷されたMICR文字を個別の文字として読み取ることができる。
【0024】
なお、小切手Pは、裏面に印字領域P3を備える。印字領域P3には、小切手Pを発行したPOS端末(図示せず)を特定するレジ番号情報、小切手Pを発行した担当者番号情報、取引先の銀行情報等がインクジェットヘッド91によって印字される。なお、印字領域P1は、印刷部P2の領域に重なっていてもよい。印刷部P2に印刷されたMICR文字は磁気インクで印刷されているため、印字領域P1に印字された情報が重なっていても正確に読み取ることができる。
【0025】
ここからは、プリンタ10のハードウェア構成について説明する。
図5は、プリンタ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5に示すように、プリンタ10は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、メモリ部24等を備えている。CPU21は制御主体となる。ROM22は各種プログラムを記憶する。RAM23はプログラムや各種データを展開する。メモリ部24は各種プログラムを記憶する。CPU21、ROM22、RAM23、メモリ部24は、互いにバス25を介して接続されている。CPU21とROM22とRAM23が、制御部200を構成する。すなわち、制御部200は、CPU21がROM22やメモリ部24に記憶されRAM23に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するプリンタ10に係る制御処理を実行する。
【0026】
RAM23は、時間記憶部231、長さ記憶部232、文字記憶部233を備える。時間記憶部231は、TOFセンサ81が小切手Pの先端部P4(
図8を参照)を検出してからBOFセンサ82が小切手Pの後端部P5(
図8を参照)を検出するまでの時間を記憶する。長さ記憶部232は、小切手Pの長さLを記憶する。小切手Pの長さLは、搬送機構40が小切手Pを搬送する速度と、時間記憶部231に記憶されている時間と、TOFセンサ81とBOFセンサ82の距離D(
図8を参照)とに基づいて算出される。文字記憶部233は、MICRヘッド70が読み取ったMICR文字を記憶する。
【0027】
メモリ部24は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。メモリ部24は、制御プログラム部241、パターンテーブル242を備える。制御プログラム部241は、プリンタ10を制御するための制御プログラムを記憶する。パターンテーブル242は、各MICR文字を特定するためのそれぞれの磁気パターンを記憶する。制御部200は、MICRヘッド70が読み取った磁気パターンとパターンテーブル242に記憶されている磁気パターンとを照合することで、当該印刷部P2に印刷されているMICR文字を認識できる。
【0028】
また、制御部200は、バス25およびコントローラ26を介して、TOFセンサ81、BOFセンサ82、媒体搬送モータ31、切替ソレノイド32、反転モータ33、MICRヘッド70、インクジェットヘッド91、サーマルヘッド92、レシート搬送モータ93と接続している。TOFセンサ81は、例えば反射式のフォトセンサであり、TOFセンサ81の設置位置において小切手Pの先端部P4を検出する。また、TOFセンサ81は、TOFセンサ81の設置位置において小切手Pの有無を検出する。BOFセンサ82は、例えば反射式のフォトセンサであり、BOFセンサ82の設置位置において小切手Pの後端部P5を検出する。また、BOFセンサ82は、BOFセンサ82の設置位置において小切手Pの有無を検出する。
【0029】
媒体搬送モータ31は、フィードローラ42を回転させて、媒体出入口12に挿入された小切手Pを搬送経路Kに沿って移動させる。具体的には、媒体搬送モータ31は、媒体出入口12に挿入された小切手PをMICRヘッド70に対向する位置まで搬入する。また、媒体搬送モータ31は、小切手PをMICRヘッド70に対向する位置から媒体出入口12まで搬出する。MICRヘッド70は、小切手Pが搬出される際に印刷部P2に印刷されているMICR文字を読み取る。また、媒体搬送モータ31は、小切手Pの印字領域P3にインクジェットヘッド91を用いて情報や図形を印字するために小切手Pを移動させる。また、媒体搬送モータ31は、小切手Pを反転機構100内の反転導入口112へと移動させる。
【0030】
切替ソレノイド32は、切替フラッパ131を、搬送経路Kと交わる位置と搬送経路Kから上方に退避した位置とを往復動させる。切替ソレノイド32は、小切手Pを反転機構100内に移動させる際に切替フラッパ131を、搬送経路Kと交わる位置に移動させる。切替ソレノイド32は、反転機構100で反転した小切手Pを再び搬送経路Kに搬送する際、および小切手Pを媒体出入口12に移動させる際に切替フラッパ131を搬送経路Kから上方に退避した位置に移動させる。
【0031】
反転モータ33は、ローラ121を回転させて無端ベルト123を駆動することで、反転機構100内に移動した小切手Pを、反転往路Hから反転復路Tへと移動させ、開口部111から搬送経路Kへと搬送する。
【0032】
MICRヘッド70は、印刷部P2に印刷されているMICR文字を読み取る。インクジェットヘッド91は、印字領域P1および印字領域P3にインクを吐出して文字や図形(情報)を印字する。サーマルヘッド92は、一列に整列した発熱素子を備え、搬送されるレシート用紙Rに熱を印加して情報を印字する。レシート搬送モータ93は、レシート用紙Rを搬送する。情報が印字されたレシート用紙Rは、筐体11から外部に発行される。
【0033】
また、制御部200は、バス15を介して、タイマ34と接続する。タイマ34は時間を計時する。タイマ34は、TOFセンサ81が小切手Pの先端部P4を検出してからBOFセンサ82が小切手Pの後端部P5を検出するまでの時間を計測する。
【0034】
また、制御部200は、バス25を介して、通信部35と接続している。通信部35は、通信回線を介して、例えばPOS端末と接続している。通信部35は、POS端末から商品の販売に係る取引情報を受信する。取引情報は、小切手Pやレシート用紙Rへの印字情報として活用される。
【0035】
なお、実施形態では、
図5に示したプリンタ10のうち、切替ソレノイド32、反転モータ33、インクジェットヘッド91、サーマルヘッド92、レシート搬送モータ93、通信部35を除く構成が磁気インク読取装置50に該当する。
【0036】
このように構成されたプリンタ10においては、次のようにして小切手Pに対して磁気インク読取及び印刷を行う。操作者は、小切手Pを、裏面を上向きにして媒体出入口12に挿入する。プリンタ10の制御部200は、媒体出入口12から挿入された小切手Pをプリンタ10の内部に引き込む。その際、制御部200は、小切手Pの搬入方向の長さLを計測する。また、小切手Pは、印刷部P2が着磁される。次に制御部200は、引き込んだ小切手Pを媒体出入口12方向に移動させながら印刷部P2に印字されたMICR文字を読み取る。次に制御部200は、再度小切手Pを引き込む。そして制御部200は、小切手Pの裏面側(印字領域P3)に情報を印字する。制御部200は、表面(印字領域P1)に印字する情報がない場合は、小切手Pを媒体出入口12方向に移動させ、小切手Pを搬出する。一方、表面に印字する情報がある場合は、制御部200は、切替フラッパ131を搬送経路Kと交わる位置に移動させ、小切手Pを反転機構100内を通過させ、小切手Pの表裏を反転する。その後、制御部200は、小切手Pの表面に情報を印字し、媒体出入口12方向に移動させ、小切手Pを搬出する。
【0037】
ここからは、プリンタ10の機能構成について説明する。
図6は、プリンタ10の機能構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、プリンタ10の制御部200は、ROM22やメモリ部24の制御プログラム部241に記憶された制御プログラムに従うことで、搬送手段201、媒体検出手段202、計測手段203、停止手段204、読取手段205、判断手段206、搬送制御手段207、印字手段208として機能する。
【0038】
搬送手段201は、媒体出入口12に挿入された小切手Pを筐体11内に設けられた搬送経路Kに沿って往復搬送する。具体的には、搬送手段201は、BOFセンサ82が小切手Pの先端部P4を検出すると、媒体搬送モータ31を駆動して、媒体出入口12に挿入された小切手Pを筐体11内に設けられた搬送経路Kに沿って往路搬送し、その後、MICRヘッド70を用いて、小切手Pに印刷された情報を読み取りながら小切手Pを媒体出入口12まで復路搬送する。
【0039】
媒体検出手段202は、搬送経路K中で小切手Pの有無を検出する。具体的には、媒体検出手段202は、TOFセンサ81が小切手Pを検出しているか否かの出力によって、搬送経路K中で小切手Pの有無を検出する。
【0040】
計測手段203は、検出した小切手Pの搬送方向の長さLを計測する。具体的には、計測手段203は、TOFセンサ81による小切手Pの先端部P4を検出した出力と、BOFセンサ82による小切手Pの後端部P5を検出した出力と、に基づいて、当該小切手Pの搬送方向の長さLを計測する。さらに具体的には、計測手段203は、TOFセンサ81による小切手Pの先端部P4を検出した出力と、BOFセンサ82による小切手Pの後端部P5を検出した出力とに基づく小切手Pの搬送時間と、TOFセンサ81とBOFセンサ82の距離Dと、小切手Pの搬送速度と、に基づいて、当該小切手Pの搬送方向の長さLを算出する(すなわち、長さLを計測する)。
【0041】
停止手段204は、媒体検出手段202が小切手P無しを検出した場合に搬送手段201による小切手Pの搬送を停止する。具体的には、停止手段204は、TOFセンサ81が小切手P無しを検出した出力に基づいて媒体検出手段202が搬送経路K中に小切手P無しを検出した場合に、搬送手段201による小切手Pの搬送を停止する。
【0042】
読取手段205は、搬送経路K中に配置されたMICRヘッド70を用いて、小切手Pに印刷された情報を読み取る。具体的には、読取手段205は、搬送経路K中に配置されたMICRヘッド70を用いて、搬送経路Kの復路を搬送される小切手Pの印刷部P2に磁気インクで印刷された情報を読み取る。
【0043】
判断手段206は、読取手段205が小切手Pに印刷された情報を読み取っている際に、小切手Pを、計測手段203が計測した長さL分の距離を搬送したかを判断する。具体的には、判断手段206は、復路搬送中の小切手Pに対し、読取手段205が小切手Pに磁気インクで印刷された情報を読み取っている際に、小切手Pを、計測手段203が計測した長さL分の距離を搬送したかを判断する。
【0044】
搬送制御手段207は、読取手段205より印刷された情報を読み取るために小切手Pの搬送を行っている間は、媒体検出手段202が小切手P無しを検出しても停止手段204による小切手Pの搬送を停止せずに搬送手段201による小切手Pの搬送および読取手段205による情報の読み取りを継続する。具体的には、搬送制御手段207は、読取手段205より磁気インクで印刷された情報を読み取るために、小切手Pを、小切手Pの長さLに満たない距離しか搬送していない間は、TOFセンサ81が小切手P無しを検出して媒体検出手段202が小切手P無しを検出しても、停止手段204による小切手Pの搬送を停止せずに搬送手段201による小切手Pの搬送および読取手段205による情報の読み取りを継続する。
【0045】
印字手段208は、読取手段205によって読み取った情報に基づいて小切手Pに対して所定の印字を行う。具体的には、印字手段208は、インクジェットヘッド91を用いて、読取手段205によって読み取った情報に関連した印字情報を取得して、小切手Pに対して印字処理を行う。なお、印字手段208は、小切手Pの片面または両面に印字を行う。小切手Pの両面に印字を行う場合、搬送手段201は、小切手Pの裏面と表面を反転させる反転処理を行う。
【0046】
ここからは、プリンタ10の制御について説明する。
図7は、プリンタ10の制御処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、プリンタ10の制御部200は、BOFセンサ82が媒体出入口12から搬入された小切手Pを検出したかを判断する(S11)。小切手Pを検出するまで待機し(S11のNo)、小切手Pを検出した場合には(S11のYes)、搬送手段201は、媒体搬送モータ31を正転させる(S12)。するとフィードローラ42が回転して、搬送手段201は、小切手Pを搬送経路Kの往路を搬送させる。
【0047】
続いて媒体検出手段202は、TOFセンサ81が小切手Pの先端部P4を検出したかを判断する(S13)。小切手Pの先端部P4を検出するまで待機し(S13のNo)、小切手Pの先端部P4を検出したと判断した場合には(S13のYes)、計測手段203は、小切手Pの搬送時間の計測を開始する(S14)。具体的には計測手段203は、タイマ34を起動して、小切手Pの搬送時間の計測を開始する。
【0048】
図8は、S14における小切手Pの搬送時間の計測の開始を示す図である。
図8において、TOFセンサ81は、BOFセンサ82より小切手Pの往路搬送方向前方に配置されている。TOFセンサ81とBOFセンサ82は、小切手P搬送方向に距離Dだけ離して設置されている。小切手Pが差し込まれてBOFセンサ82が小切手Pの先端部P4を検出すると、フィードローラ42が回転する。さらに小切手Pが差し込まれると、フィードローラ42とピンチローラ43の間に小切手Pが搬入されて挟持され、以降、フィードローラ42の回転によって小切手Pは往路を搬送される。そして、TOFセンサ81が小切手Pの先端部P4を検出すると、計測手段203は、小切手Pの搬送時間の計測を開始する。
【0049】
図7の説明に戻る。次に媒体検出手段202は、BOFセンサ82が小切手Pの後端部P5を検出したかを判断する(S15)。BOFセンサ82が小切手Pの後端部P5を検出するまで待機し(S15のNo)、BOFセンサ82が小切手Pの後端部P5を検出したと判断した場合には(S15のYes)、計測手段203は、S14で開始した小切手Pの搬送時間の計測を終了する(S16)。具体的には計測手段203は、タイマ34を停止して、小切手Pの搬送時間の計測を終了する。そして計測手段203は、タイマ34が計測した搬送時間を時間記憶部231に記憶する。
【0050】
図9は、S16における小切手Pの搬送時間の計測の終了を示す図である。
図9において、BOFセンサ82は、小切手Pの後端部P5を検出している。
【0051】
図7の説明に戻る。次に制御部200は、媒体搬送モータ31を駆動させて小切手Pを所定距離だけ往路を搬送し、その後、媒体搬送モータ31を停止する(S17)。
【0052】
図10は、S17において媒体搬送モータ31を停止させた状態を示す図である。
図10において、小切手Pは、MICRヘッド70によって印刷部P2に印刷されたMICR文字の読取りを開始するための開始位置に位置している。なお、S12において媒体搬送モータ31を回転させてからS17において媒体搬送モータ31を停止するまでの間、印刷部P2に印刷されたMICR文字は、小切手Pが往路搬送されながら着磁機構61によって着磁される。
【0053】
図7の説明に戻る。次に計測手段203は、小切手Pの搬送方向の長さLを計測(算出)する(S18)。具体的には、計測手段203は、S14およびS17の間に小切手Pが搬送された時間(時間記憶部231に記憶されている)、すなわちタイマ34が計測した時間と、予め定められた小切手Pの搬送速度と、距離Dに基づいて、小切手Pの長さLを計測(算出)する。そして計測手段203は、計測した小切手Pの長さLを長さ記憶部232に記憶する(S18)。
【0054】
ここからは、小切手Pを復路搬送しながらMICR文字を読み取る処理を行う。すなわち、搬送手段201は、媒体搬送モータ31を逆転駆動して小切手Pの復路搬送を開始する(S21)。また、読取手段205は、MICRヘッド70によるMICR文字の読取りを開始する(S21)。MICR文字の読み取り中の場合、読取手段205は、例えば読取中フラグを「1」にセットする。また、制御部200は、媒体搬送モータ31の駆動量に戻づいて、S21の処理以降に小切手Pを搬送した距離を計測する。
【0055】
そして媒体検出手段202は、TOFセンサ81が小切手Pを検出しているか否かを判断する(S22)。TOFセンサ81が小切手Pを検出していないと判断した場合には(S22のNo)、判断手段206は、読取中フラグをチェックして、読取手段205によるMICR文字の読取中かを判断する(S23)。読取手段205によるMICR文字の読取中である場合には(S23のYes)、判断手段206は、S21の処理を開始してから長さ記憶部232に記憶されている長さLの距離だけ小切手Pを搬送したか否かを判断する(S24)。長さL分の距離まで小切手Pを搬送していない場合には(S24のNo)、搬送制御手段207は、小切手Pの搬送を継続する(S25)。すなわち、搬送制御手段207は、TOFセンサ81が小切手Pを検出しない場合であっても、停止手段204による小切手Pの搬送を停止せずに搬送手段201による小切手Pの搬送を継続する。また、読取手段205によるMICR文字の読取りも継続する(S25)。そして制御部200は、S22に戻る。
【0056】
小切手Pに印刷された文字、図形、背景等によって、TOFセンサ81は、TOFセンサ81の設置位置に小切手Pが存在するのに小切手P無しを検出することがある。そのため、S22~S24によって、MICR文字の読取り中にも拘わらずTOFセンサ81が小切手P無しを検出した場合に、S21の処理から小切手Pを小切手Pの長さLの距離分搬送したかを判断し、小切手Pを長さLの距離を搬送していない場合は、小切手Pの搬送を継続させる処理を行う。
【0057】
一方、小切手Pを長さL分の距離分搬送した場合には(S24のYes)、制御部200は、媒体搬送モータ31を駆動して小切手Pを所定距離だけ復路搬送して駆動を停止する(S26)。そして制御部200は、MICRヘッド70によるMICR文字の読取りを終了する(S27)。また、S27において、制御部200は、読み取ったMICR文字を文字記憶部233に記憶する。
【0058】
図11に、S26の処理およびS27の処理を行った状態の図を示す。すなわち、小切手Pは、先端部P4が搬送機構40の位置まで復路搬送され停止している。この状態で、MICR文字の読み取りを終了している。
【0059】
図7の説明に戻る。なお、S22において、媒体検出手段202がTOFセンサ81が小切手Pを検出していると判断した場合には(S22のYes)、S23の判断をすることなくS24の判断を行う。また、S23において、MICRヘッド70によるMICR文字の読取中ではないと判断した場合には(S23のNo)、停止手段204は、搬送手段201による小切手Pの搬送を停止する(S29)。
【0060】
次に制御部200は、小切手Pへの印字処理を行う(S28)。まずは、小切手Pの裏面に印字を行う。この場合、印字手段208は、小切手Pを往路搬送させながら、あるいは小切手Pを奥まで搬入させた後に復路搬送させながら、インクジェットヘッド91を使用して印字領域P3に印字を行う。制御部200は、小切手Pの裏面のみに印字を行うと判断した場合は、印字した小切手Pを媒体出入口12から排出する。
【0061】
一方、制御部200は、小切手Pの表面にも印字すると判断した場合は、小切手Pを反転機構100へと移動させる。すなわち、制御部200は、切替ソレノイド32を駆動させて切替フラッパ131を搬送経路Kと交わる位置に移動させる。すると搬送手段201は、裏面に印字した小切手Pを切替フラッパ131に沿って反転導入口112へと搬送する。搬送された小切手Pは、回転する無端ベルト123によって反転往路H、反転復路Tを搬送され、表裏反転した小切手Pは開口部111から搬送経路Kへと搬送される。制御部200は、反転された小切手Pに対してインクジェットヘッド91を用いて表面の印字領域P1に印字処理を行う。そして制御部200は、表面が印字された小切手Pを、媒体出入口12から排出する。
【0062】
なお、停止手段204は、小切手Pへの印字中にTOFセンサ81が小切手Pを検出しなくなった場合には、搬送手段201による小切手Pの搬送を停止する(S29)。制御部200は、S28の処理、S29の処理を行った後処理を終了する。
【0063】
このような実施形態の磁気インク読取装置50は、磁気インクを用いて情報が印刷された小切手Pを出し入れするための媒体出入口12が設けられた筐体11と、媒体出入口12に挿入された小切手Pを筐体11内に設けられた搬送経路Kに沿って往復搬送する搬送手段201と、搬送経路K中で小切手Pの有無を検出する媒体検出手段202と、検出した小切手Pの搬送方向の長さLを計測する計測手段203と、媒体検出手段202が小切手P無しを検出した場合に搬送手段201による小切手Pの搬送を停止する停止手段204と、搬送経路K中に配置されたMICRヘッド70を用いて、小切手Pに印刷された情報を読み取る読取手段205と、読取手段205により印刷された情報を読み取るために小切手Pの搬送を行っている間は、媒体検出手段202が小切手P無しを検出しても停止手段204による小切手Pの搬送を停止せずに搬送手段201による小切手Pの搬送および読取手段205による小切手Pの読み取りを継続する搬送制御手段207と、を備える。
【0064】
このような実施形態の磁気インク読取装置50によれば、MICR文字の読取りを途中で停止することを防止することができる。
【0065】
また、このような実施形態のプリンタ10は、磁気インクを用いて情報が印刷された小切手Pを出し入れするための媒体出入口12が設けられた筐体11と、媒体出入口12に挿入された小切手Pを筐体11内に設けられた搬送経路Kに沿って往復搬送する搬送手段201と、搬送経路K中で小切手Pの有無を検出する媒体検出手段202と、検出した小切手Pの搬送方向の長さLを計測する計測手段203と、媒体検出手段202が小切手P無しを検出した場合に搬送手段201による小切手Pの搬送を停止する停止手段204と、搬送経路K中に配置されたMICRヘッド70を用いて、小切手Pに印刷された情報を読み取る読取手段205と、読取手段205により印刷された情報を読み取るために小切手Pの搬送を行っている間は、媒体検出手段202が小切手P無しを検出しても停止手段204による小切手Pの搬送を停止せずに搬送手段201による小切手Pの搬送および読取手段205による小切手Pの読み取りを継続する搬送制御手段207と、読取手段205によって読み取った情報に関連して小切手Pに対して所定の印字を行う印字手段208と、を備える。
【0066】
このような実施形態のプリンタ10によれば、MICR文字の読取りを途中で停止することを防止することができる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その
他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0068】
例えば、磁気インク読取装置50は、プリンタ10のうち、切替ソレノイド32、反転モータ33、インクジェットヘッド91、サーマルヘッド92、レシート搬送モータ93、通信部35を除く構成が該当するとした。しかしながらこれに限らず、磁気インク読取装置50は、MICR文字を読み取るための構成を備えていれば、他にどのような構成を備えていてもよい。
【0069】
また、実施形態では、インクジェットヘッド91を含む印字機構90を、搬送経路Kを挟んでMICRヘッド70と反対側に設けられている。しかしながらこれに限らず、印字機構90とMICRヘッド70とを、搬送経路Kに対して同じ側に設けられていてもよい。
【0070】
また、実施形態では、印字機構90にインクジェットヘッド91を用いた。しかしながらこれに限らず、印字機構90は、インクジェットヘッド91以外のヘッド(例えばワイヤドットヘッド)を用いて小切手Pに印字を行ってもよい。
【0071】
また、実施形態では、印字手段208は、MICRヘッド70が読み取ったMICR文字の情報に関連した内容を小切手Pに印字するようにした。しかしながらこれに限らず、印字手段208は、MICRヘッド70が読み取ったMICR文字の情報と無関係の情報を印字するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 プリンタ
11 筐体
12 媒体出入口
20 制御部
31 媒体搬送モータ
32 切替ソレノイド
34 タイマ
40 搬送機構
42 フィードローラ
50 磁気インク読取装置
60 マグネット
61 着磁機構
70 MICRヘッド
81 TOFセンサ
82 BOFセンサ
90 印字機構
91 インクジェットヘッド
92 サーマルヘッド
93 レシート搬送モータ
100 反転機構
123 無端ベルト
131 切替フラッパ
200 制御部
201 搬送手段
202 媒体検出手段
203 計測手段
204 停止手段
205 読取手段
206 判断手段
207 搬送制御手段
208 印字手段
231 時間記憶部
232 長さ記憶部
233 印字記憶部
242 パターンテーブル
K 搬送経路
P 小切手
P1 印字領域
P2 印刷部
P3 印字領域
P4 先端部
P5 後端部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】