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特許7551355アクセサリシュー装置、電子機器、シュー装置およびアクセサリ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】アクセサリシュー装置、電子機器、シュー装置およびアクセサリ装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/50 20230101AFI20240909BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240909BHJP
【FI】
H04N23/50
G03B17/56 J
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020109357
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022006845
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】石井 賢治
(72)【発明者】
【氏名】関口 夏未
(72)【発明者】
【氏名】岡野 好伸
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-045759(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0386412(US,A1)
【文献】特開2005-292187(JP,A)
【文献】特開2015-001731(JP,A)
【文献】特開2014-240898(JP,A)
【文献】特開2017-022673(JP,A)
【文献】特開2015-203988(JP,A)
【文献】特開2012-002984(JP,A)
【文献】中国実用新案第204680185(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/50
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に設けられ、アクセサリ装置に設けられたシュー装置の着脱が可能なアクセサリシュー装置であって、
前記シュー装置と係合し、係合した前記シュー装置に対向する開口部を有する係合部材と、
前記シュー装置と前記開口部の内側を通して無線通信を行う通信素子とを有し、
前記係合部材は、該係合部材に対して第1の方向にスライドした前記シュー装置と係合し、
前記アクセサリシュー装置は、前記シュー装置に設けられた一対のロック部材と係合することで前記シュー装置の脱落を阻止する一対のロック係合部を、前記第1の方向に交差する第2の方向において前記開口部を間に挟む位置に有しており、
前記通信素子は、前記開口部に対向する側から見て、前記一対のロック係合部の間に配置されていることを特徴とするアクセサリシュー装置。
【請求項2】
電子機器に設けられ、アクセサリ装置に設けられたシュー装置の着脱が可能なアクセサリシュー装置であって、
前記シュー装置と係合し、係合した前記シュー装置に対向する開口部を有する係合部材と、
前記シュー装置と前記開口部の内側を通して無線通信を行う通信素子として互いに離間して配置された送信素子および受信素子と、
少なくとも前記送信素子と前記受信素子との間に配置された防磁部材と、
非導電材料により形成され、前記送信素子、前記受信素子および前記防磁部材を覆うカバー部材とを有し、
前記カバー部材のうち前記防磁部材を覆う領域に、前記送信素子からの電波の前記カバー部材の内部での伝播を抑制する溝が設けられていることを特徴とするアクセサリシュー装置。
【請求項3】
前記カバー部材により覆われる面内において、
前記送信素子と前記受信素子は第1の方向に互いに離間し、
前記溝の少なくとも一部が、前記カバー部材における前記第1の方向での前記受信素子よりも前記送信素子に近い位置にて前記第1の方向に対して交差する第2の方向に延びていることを特徴とする請求項に記載のアクセサリシュー装置。
【請求項4】
アクセサリ装置に設けられたシュー装置の着脱が可能な請求項1からのいずれか一項に記載のアクセサリシュー装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
アクセサリ装置に設けられ、電子機器に設けられたアクセサリシュー装置に対する着脱が可能なシュー装置であって、
前記アクセサリシュー装置と係合する脚部材と、
前記脚部材のうち、該脚部材に係合した前記アクセサリシュー装置に対向する領域に配置され、前記アクセサリシュー装置と無線通信を行う通信素子と
前記アクセサリシュー装置と接触する電気端子とを有し、
前記シュー装置と前記脚部材に係合した前記アクセサリシュー装置とが対向する方向において、前記通信素子は、前記電気端子における前記アクセサリシュー装置と接触する先端部よりも前記シュー装置側に位置するように配置されていることを特徴とするシュー装置。
【請求項6】
非導電材料により形成され、前記通信素子を覆うカバー部材を有することを特徴とする請求項に記載のシュー装置。
【請求項7】
前記脚部材は、前記アクセサリシュー装置に対して第1の方向にスライドして係合し、
前記通信素子は、前記電気端子よりも前記第1の方向とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項またはに記載のシュー装置。
【請求項8】
前記電気端子は、前記先端部から前記第1の方向とは反対の方向に延びる伸延部を有し、
前記通信素子は、前記シュー装置と前記脚部材に係合した前記アクセサリシュー装置とが対向する方向において前記電気端子の少なくとも一部と並ぶように配置されていることを特徴とする請求項に記載のシュー装置。
【請求項9】
前記伸延部における前記先端部側とは反対側の端の位置が、前記先端部側の端の位置よりも前記シュー装置側にずれていることを特徴とする請求項に記載のシュー装置。
【請求項10】
前記通信素子の少なくとも一部は、前記伸延部における前記先端部側の端の位置と前記反対側の端の位置とのずれによって生じる前記電気端子と前記シュー装置における前記脚部材に係合した前記アクセサリシュー装置に対向する面との間の空間に配置されていることを特徴とする請求項に記載のシュー装置。
【請求項11】
アクセサリ装置に設けられ、電子機器に設けられたアクセサリシュー装置に対する着脱が可能なシュー装置であって、
前記アクセサリシュー装置と係合する脚部材と、
前記脚部材のうち、該脚部材に係合した前記アクセサリシュー装置に対向する領域に配置され、前記アクセサリシュー装置と無線通信を行う通信素子とを有し、
前記脚部材は、前記アクセサリシュー装置に対して第1の方向にスライドして係合し、
前記シュー装置は、前記アクセサリシュー装置に設けられた一対のロック係合部に係合することで前記シュー装置の前記アクセサリシュー装置からの脱落を阻止する一対のロック部材を、前記脚部材における前記第1の方向に交差する第2の方向に離間した位置に有しており、
前記通信素子は、該通信素子が配置された領域に対向する側から見て、前記一対のロック部材の間に配置されていることを特徴とするシュー装置。
【請求項12】
アクセサリ装置に設けられ、電子機器に設けられたアクセサリシュー装置に対する着脱が可能なシュー装置であって、
前記アクセサリシュー装置と係合する脚部材と、
前記脚部材のうち、該脚部材に係合した前記アクセサリシュー装置に対向する領域に、前記アクセサリシュー装置と無線通信を行う通信素子として互いに離間して配置された送信素子および受信素子と、
少なくとも前記送信素子と前記受信素子との間に配置された防磁部材と、
非導電材料により形成され、前記送信素子、前記受信素子および前記防磁部材を覆うカバー部材とを有し、
前記カバー部材のうち前記防磁部材を覆う領域に、前記送信素子からの電波の前記カバー部材の内部での伝播を抑制する溝が設けられていることを特徴とするシュー装置。
【請求項13】
前記カバー部材により覆われる面内において、
前記送信素子と前記受信素子は第1の方向に互いに離間し、
前記溝の少なくとも一部が、前記カバー部材における前記第1の方向での前記受信素子よりも前記送信素子に近い位置にて前記第1の方向に対して交差する第2の方向に延びていることを特徴とする請求項12に記載のシュー装置。
【請求項14】
電子機器のアクセサリシュー装置に対して着脱が可能な請求項から13のいずれか一項に記載のシュー装置を有することを特徴とするアクセサリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置等の電子機器に設けられるアクセサリシュー装置および電子機器用のアクセサリ装置に設けられるシュー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置には、照明装置(フラッシュ)等の撮影用アクセサリ装置の着脱を可能とするアクセサリシュー装置を備えたものがある。アクセサリシュー装置には、撮像装置とアクセサリ装置との間での双方向通信を可能とするための複数の接続端子が設けられている。特許文献1には、複数の接続端子を備えたアクセサリシュー装置にアクセサリ装置としてのビューファインダが着脱可能な撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-084681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アクセサリシュー装置に有限数の接続端子が設けられているだけでは、撮像装置とアクセサリ装置との通信速度や通信容量が制限され、アクセサリ装置の機能を十分に使用することができないおそれがある。
【0005】
本発明は、アクセサリ装置と電子機器との間での通信の制限を少なくすることができるようにしたアクセサリシュー装置およびシュー装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのアクセサリシュー装置は、電子機器に設けられ、アクセサリ装置に設けられたシュー装置の着脱が可能である。アクセサリシュー装置は、シュー装置と係合し、係合したシュー装置に対向する開口部を有する係合部材と、シュー装置と開口部の内側を通して無線通信を行う通信素子とを有する。係合部材は、該係合部材に対して第1の方向にスライドした前記シュー装置と係合する。アクセサリシュー装置は、シュー装置に設けられた一対のロック部材と係合することでシュー装置の脱落を阻止する一対のロック係合部を、第1の方向に交差する第2の方向において開口部を間に挟む位置に有する。通信素子は、開口部に対向する側から見て、一対のロック係合部の間に配置されていることを特徴とする。また本発明の他の一側面としてのアクセサリシュー装置は、上記通信素子として互いに離間して配置され送信素子および受信素子と、少なくとも送信素子と受信素子との間に配置された防磁部材と、非導電材料により形成され、送信素子、受信素子および防磁部材を覆うカバー部材とを有する。カバー部材のうち防磁部材を覆う領域に、送信素子からの電波のカバー部材の内部での伝播を抑制する溝が設けられていることを特徴とする。なお、上記アクセサリシュー装置を備えた電子機器も、本発明の他の一側面を構成する。
【0007】
また本発明の他の一側面としてのシュー装置は、アクセサリ装置に設けられ、電子機器に設けられたアクセサリシュー装置に対する着脱が可能である。シュー装置は、アクセサリシュー装置と係合する脚部材と、脚部材のうち、該脚部材に係合したアクセサリシュー装置に対向する領域に配置され、アクセサリシュー装置と無線通信を行う通信素子と、アクセサリシュー装置と接触する電気端子とを有する。シュー装置と脚部材に係合したアクセサリシュー装置とが対向する方向において、通信素子は、電気端子におけるアクセサリシュー装置と接触する先端部よりもシュー装置側に位置するように配置されていることを特徴とする。また本発明の他の一側面としはてのシュー装置は、脚部材は、アクセサリシュー装置に対して第1の方向にスライドして係合し、シュー装置は、アクセサリシュー装置に設けられた一対のロック係合部に係合することでシュー装置のアクセサリシュー装置からの脱落を阻止する一対のロック部材を、脚部材における第1の方向に交差する第2の方向に離間した位置に有する。通信素子は、該通信素子が配置された領域に対向する側から見て、一対のロック部材の間に配置されていることを特徴とする。さらに本発明の他の一側面としてのシュー装置は、脚部材のうち、該脚部材に係合したアクセサリシュー装置に対向する領域に、アクセサリシュー装置と無線通信を行う通信素子として互いに離間して配置された送信素子および受信素子と、少なくとも送信素子と受信素子との間に配置された防磁部材と、非導電材料により形成され、送信素子、受信素子および防磁部材を覆うカバー部材とを有する。カバー部材のうち防磁部材を覆う領域に、送信素子からの電波のカバー部材の内部での伝播を抑制する溝が設けられていることを特徴とする。なお、上記シュー装置を備えたアクセサリ装置も、本発明の他の一側面を構成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子機器とアクセサリ装置との間での通信の制限を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のアクセサリシュー装置が設けられたカメラの外観を示す斜視図。
図2】実施例1における外部メディア装置の外観斜視図。
図3】実施例1における外部メディア装置の撮像装置への装着方法を示す斜視図。
図4】実施例1における外部メディア装置が装着されたカメラの構成を示すブロック図。
図5A】実施例1のアクセサリシュー装置の分解斜視図。
図5B】実施例1のアクセサリシュー装置の分解斜視図。
図6】実施例1のアクセサリシュー装置の上面図。
図7】実施例1における外部メディア装置に設けられたシュー装置の分解斜視図。
図8】実施例1における外部メディア装置が装着されたカメラの上面図および断面図。
図9】実施例1における外部メディア装置に設けられたシュー装置の断面図。
図10】実施例2におけるアクセサリシュー装置の下面図。
図11】実施例2における外部メディア装置のシュー装置の上面図。
図12】実施例2における外部メディア装置を装着したカメラの上面図、断面図および部分拡大図。
図13】実施例2に対する比較例を示す断面図。
図14】実施例3のアクセサリシュー装置を示す図。
図15】実施例3における外部メディア装置に設けられたシュー装置を示す図。
図16】実施例4のアクセサリシュー装置を示す図。
図17】実施例4における外部メディア装置に設けられたシュー装置を示す図。
図18】実施例5のアクセサリシュー装置を示す図。
図19】実施例5における外部メディア装置のシュー装置を示す図。
図20】実施例2が解決する課題を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例であるアクセサリシュー装置160を備えた電子機器としての撮像装置(以下、カメラという)100の外観を示している。カメラ100には、交換レンズとしての撮像レンズ200が装着されている。カメラ100と撮像レンズ200は、不図示のマウント接点群を介して電気的に接続される。カメラ100は、ユーザが撮像を指示するために操作する撮像ボタン130を有する。アクセサリシュー装置160には、図2に示すアクセサリ装置としての外部メディア装置300の着脱が可能である。アクセサリシュー装置160は、外部メディア装置300に係合してこれを保持するためのアクセサリシュー係合部材161を有する。
【0012】
図1および他の図において、光軸方向のうち被写体側を+z方向とし、上方向を+y方向とする。被写体側から見たときの右側を+x方向とする。+z方向は第1の方向に相当し、±x方向(以下、単にx方向ともいう)は第1の方向に直交する第2の方向に相当する。なお、第2の方向は、必ずしも第1の方向に直交する方向でなくてもよく、第1の方向に交差する方向であればよい。
【0013】
なお、本発明の実施例としてのアクセサリ装置は、外部メディア装置に限らず、照明装置、無線通信装置、電子ビューファインダユニット、マイク、変換アダプタ、各種測定機器、サブカメラ等、様々なアクセサリを含む。また電子機器は、一眼カメラやビデオカメラなどの撮像装置に限らず、撮像装置以外の様々な電子機器も含む。
【0014】
図2は、斜め下側から見た外部メディア装置300の外観を示している。外部メディア装置300は、カメラ100のアクセサリシュー装置160に着脱が可能なシュー装置330を有する。シュー装置330は、シュー取付け脚(脚部材)331を有する。シュー取付け脚331がアクセサリシュー装置160のアクセサリシュー係合部材161と係合することで、カメラ100に外部メディア装置300が装着される。
【0015】
図3(a)、(b)は、カメラ100に外部メディア装置300を装着する方法を示す。まず図3(a)に示すように、外部メディア装置300をカメラ100に対して+z方向に平行スライドさせることにより外部メディア装置300のシュー装置330(シュー取付け脚331)をカメラ100のアクセサリシュー装置160(アクセサリシュー係合部材161)に係合させる。この後、図3(b)に示すように、外部メディア装置300に設けられたロックレバー340を矢印Aの方向に回動操作することで、シュー装置330がアクセサリシュー装置160から-z方向に抜けないようにロックする。こうして図3(c)に示すように、外部メディア装置300がカメラ100に装着される。
【0016】
図4は、外部メディア装置300を装着したカメラ100の電気的構成を示す。カメラ100にはシステム制御部101が設けられている。システム制御部101は、カメラ100全体の動作を制御するものであり、様々な処理を行ったり後述する各部への指令を出力したりする。メイン基板102には、システム制御部101や後述する画像処理部111、シャッタ制御部121および記憶媒体制御部151が実装されている。電源140は、カメラ100内の各部に電力を供給するとともに、不図示のマウント接点群のうち電源接点を介して撮像レンズ200にも電源を供給する。電源140は、カメラ100に対して着脱可能な又はカメラ100に内蔵された2次電池である。
【0017】
撮像レンズ200は、フォーカスレンズ201等の複数のレンズと不図示の絞りにより構成された撮像光学系を有する。光学系制御部202は、システム制御部101からマウント接点群を介して受信したフォーカス指令や絞り指令に応じてフォーカスレンズ201と絞りを駆動して撮像レンズ200の焦点状態とカメラ100に入射する光量を調節する。
【0018】
カメラ100内における撮像レンズ200からの光路上にはシャッタ120が配置されている。シャッタ120は、撮像センサ110の露光時間を制御する。シャッタ制御部121は、システム制御部101から入力されたシャッタ指令に応じてシャッタ120を駆動する。
【0019】
操作検出部131は、ユーザにより撮像ボタン130が操作されたことを検出して撮像指示をシステム制御部101に通知する。撮像指示を受けたシステム制御部101は、シャッタ制御部121にシャッタ指令を出力するとともに撮像センサ110に撮像指令を出力する。撮像センサ(撮像素子)110は、CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子により構成され、撮像レンズ200により形成された被写体像を電気信号としての撮像信号に変換する。撮像センサ110から出力された撮像信号は、画像処理部111に入力される。
【0020】
画像処理部111は、撮像信号に対して各種画像処理を行って画像データを生成する。記憶媒体制御部151は、記憶媒体制御部151に接続された記憶媒体150と通信を行うためのインターフェース部である。記憶媒体150は、半導体メモリ等の記憶媒体であり、画像処理部111により生成された画像データを記憶する。
【0021】
外部メディア装置300は、メディア制御部301を有する。メディア制御部301は、外部メディア装置300の全動作を制御する。メイン基板302には、メディア制御部301および記憶媒体制御部321が実装されている。電源310は、外部メディア装置300内の各部に電力を供給する。電源310は、外部メディア装置300に対して着脱可能な又は外部メディア装置300に内蔵された2次電池である。
【0022】
記憶媒体制御部321は、半導体メモリ等の記憶媒体320と通信を行うためのインターフェース部である。
【0023】
カメラ100は、それぞれ通信素子である第1の送信部(送信素子)162と第1の受信部(受信)163を有する。外部メディア装置300は、それぞれ通信素子である第2の受信部(受信素子)332と第2の送信部(送信素子)333を有する。各送信部と各受信部は、無線通信用のアンテナを内部に備えた無線通信ICにより構成されている。
【0024】
なお、各送信部と各受信部は、無線通信用のアンテナを内部に備えた無線通信ICがモジュール化されていても、アンテナと無線通信ICとが別々に配置可能なようにフレキシブルプリント基板でつながれている構成でもよい。また、無線通信ICの機能をシステム制御部101やメディア制御部301に統合して、各送信部及び受信部としてアンテナのみを配置する構成であってもよい。また、送信部と受信部が別々な構成ではなく送信部と受信部が一体化した送受信部を備えた構成であってもよい。また、無線通信の方式は、電波、電磁誘導、磁界共鳴などを用いればよく特に限定されないが、以下では電波方式を用いた例を説明する。
【0025】
第1の送信部162は無線通信によってカメラ100内の記憶媒体150に保存された画像データ等の各種データを第2の受信部332に送信し、第2の受信部332は該データを受信する。第2の受信部332が受信したデータは、メディア制御部301に出力され、記憶媒体制御部321を介して記憶媒体320に記憶される。
【0026】
また、第2の送信部333は、無線通信によって外部メディア装置300内の記憶媒体320に保存された画像データ等の各種データを第1の受信部163に送信し、第1の受信部163は該データを受信する。第1の受信部163が受信したデータは、システム制御部101に出力され、記憶媒体制御部151を介して記憶媒体150に記憶される。
【0027】
このようにカメラ100と外部メディア装置300との間で無線通信によってデータを送受信することにより、高速かつ大容量の通信が可能である。なお、本実施例では、カメラ100および外部メディア装置300のそれぞれにおいて送信部と受信部が分かれているが、一体となっていてもよい。
【0028】
また、カメラ100は、複数の接続端子を備えた第1の端子部167を有していて、外部メディア装置300は、第1の端子部167の複数の接続端子と接触可能な複数の端子を備えた第2の端子部337を有している。カメラ100に外部メディア装置300を装着することで、第1の端子部167と第2の端子部337は接触状態となりカメラ100と外部メディア装置300の間の通信を行うことができる。第1の端子部167と第2の端子部337を介して行う通信は、例えば、カメラ100に装着されたアクセサリ装置の種別を判別するための通信などが挙げられるが、特に限定されず種々の通信が可能である。
【0029】
図5Aおよび図5Bは、カメラ100のアクセサリシュー装置160を分解して示している。外装部材としての第1のカバー部材164には、端子保持部164aが設けられている。端子保持部164aには、第1の端子部167としてx方向に等ピッチで並設された複数の接続端子(電気端子)がインサート成型されている。第1の端子部167は、アクセサリシュー装置160において外部メディア装置300の装着方向である+z側(カメラ100の正面側)に配置されている。なお、本実施例では第1のカバー部材164に端子保持部164aを設けているが、第1のカバー部材164と保持部材としての端子保持部164aとを別部品としてもよい。
【0030】
フレキシブル基板165には、第1の端子部167、第1の送信部162および第1の受信部163が実装されている。具体的には、第1の端子部167よりも-z側(カメラ100の背面側:+z側とは反対側)において、第1の送信部162と第1の受信部163がz方向に離間するように配置されている。フレキシブル基板165は、不図示のコネクタを介してメイン基板102と電気的に接続されている。
【0031】
第1のカバー部材164は、第1の送信部162と第1の受信部163を覆う部材である。第1の送信部162と第1の受信部163は、第1のカバー部材164により覆われる面内(xz面内)においてz方向に離間している。第1のカバー部材164は、それ自体が第1の送信部162と第1の受信部163の電波を遮断しないように非導電材料(例えば樹脂)により形成されている。
【0032】
アクセサリシュー係合部材161は、-z方向に向かって開口する角U字形状を有し、外部メディア装置300のシュー装置330と係合してこれを保持する強度を有するように板金により形成されている。アクセサリシュー係合部材161と第1のカバー部材164は熱加締め等で固定される。アクセサリシュー係合部材161は、x方向に互いに離間してそれぞれz方向に延びるように形成され、シュー装置330のシュー取付け脚(後述する一対の脚係合部)331が係合する一対の係合部161dを有する。また、アクセサリシュー係合部材161は、該一対の係合部161dの間にそれらに係合したシュー装置330に対向する開口部161aを有する。
【0033】
開口部161aに対向する側(開口面に直交する方向)である+y側から見たとき、前述した第1の送信部162と第1の受信部163が開口部161a内に配置されている。これにより、開口部161aの内側を通して第1の送信部162および第1の受信部163が外部メディア装置300と無線通信を行うことができる。この際、x方向における一対の係合部161dの間の幅は開口部161aの幅以上であり、第1の送信部162および第1の受信部163と外部メディア装置300との間には金属製の部品であるアクセサリシュー係合部材161が配置されていない。そのため、アクセサリシュー係合部材161によって第1の送信部162および第1の受信部163と外部メディア装置300との無線通信が阻害されない。アクセサリシュー係合部材161と第1のカバー部材164はカメラ100に対して不図示のネジ部材により固定されている。
【0034】
第1の送信部162と第1の受信部163の間およびそれらの周囲には、特定の周波数の電波を吸収する第1の防磁部材166が配置される。第1の防磁部材166は、第1の送信部162から発せられる電波の透過(伝播)を抑制して第1の受信部163が該電波を受信しないようにするために設けられている。第1の防磁部材166は、少なくとも第1の送信部162と第1の受信部163の間に配置されればよいが、図に示すように第1の送信部162と第1の受信部163の周囲を囲むように設けられるとより好ましい。なお、本実施例の第1の防磁部材166は特定の周波数の電波を吸収するが、電波を反射する等して電波の透過を抑制する部材であれば材料は特に限定されず、例えばシリコンゴムなどを用いればよい。なお、電波と異なり指向性の高い通信方式で無線通信を行う構成であれば第1の防磁部材166を設けなくてもよい。
【0035】
このように構成されるアクセサリシュー装置160は、カメラ100に対して不図示のビスによって固定される。
【0036】
図6は、上側(+y側)、すなわち開口部161aに対向する側から見たアクセサリシュー装置160を示している。アクセサリシュー係合部材161には、外部メディア装置300のシュー装置330に設けられた後述するロックピン(図7中の338a、338b)と係合する一対のロックピン係合部(ロック係合部)161b、161cが設けられている。ロックピン係合部161b、161cは開口部161aを間に挟むように互いにx方向に離間して設けられており、x方向におけるそれら一対のロックピン係合部161b、161cの間に第1の送信部162と第1の受信部163が配置されている。より詳細には、一対のロックピン係合部161b、161を結ぶx方向に延びる直線(一点鎖線)をz方向にて挟み、かつ該直線からそれぞれz方向に離間した位置に第1の送信部162と第1の受信部163が配置されている。
【0037】
このような配置により、第1の送信部162および第1の受信部163を金属部材であるロックピンから離して配置することができ、ロックピンにより無線通信が阻害されないようにすることができる。
【0038】
図7は、外部メディア装置300のシュー装置330を分解して示している。シュー取付け脚331は、x方向に互いに離間してそれぞれz方向に延びる一対の脚係合部を有する。一対の脚係合部は、アクセサリシュー係合部材161の一対の係合部に係合する。シュー取付け脚331のうち一対の脚係合部の間であってそれらに係合したアクセサリシュー装置160に対向する領域には、該アクセサリシュー装置160に対向する方向に開口する凹部330aを有する。
【0039】
またシュー取付け脚331における+z側の端部には、第2の端子部337としてx方向に等ピッチで並設された複数の接続端子(電気端子)が保持されている。第2の端子部337は、カメラ100の第1の端子部167と接触して外部メディア装置300とカメラ100との通信を可能とする。
【0040】
さらにシュー装置330は、金属により形成されたロックピン(ロック部材)338a、338bを有する。図7に示すようにユーザによりロックレバー340が矢印A方向に回動操作されると、ロックピン338a、338bはシュー装置330から-y方向に突出し、アクセサリシュー装置160のロックピン係合部161b、161cに係合する。これにより、アクセサリシュー装置160に装着されたシュー装置330がアクセサリシュー装置160からの脱落することが阻止される。図7は、回動操作後の状態を示している。
【0041】
第2の受信部332と第2の送信部333は、フレキシブル基板335に実装されている。フレキシブル基板335は、不図示の挿入部から内部に挿入され不図示のコネクタを介してメイン基板302に電気的に接続されている。フレキシブル基板335に実装された第2の受信部332と第2の送信部333は、シュー取付け脚331における第2の端子部337よりも-z側(+z側とは反対側)に設けられた凹部330aの内側に配置される。
【0042】
また、第2の受信部332と第2の送信部333は、凹部330aを間に挟むようにx方向に離間して設けられた一対のロックピン338a、338bの間に配置されている。より詳細には、一対のロックピン338a、338bを結ぶx方向に延びる直線をz方向にて挟み、かつ該直線からそれぞれz方向に離間した位置に第2の受信部332と第2の送信部333が配置されている。
【0043】
外装部材としての第2のカバー部材334は、第2の受信部332、第2の送信部333および後述する第2の防磁部材336を覆う部材である。第2の受信部332と第2の送信部333は、第2のカバー部材334により覆われる面内(xz面内)においてz方向に離間している。第2のカバー部材334は、それ自体が第2の受信部332と第2の送信部333の電波を遮断しないように非導電材料(例えば樹脂)により形成されている。
【0044】
第2の受信部332と第2の送信部333の間およびそれらの周囲には、特定の周波数の電波を吸収する第2の防磁部材336が配置される。第2の防磁部材336は、第2の送信部333から発せられる電波の透過(伝播)を抑制して第2の受信部332が該電波を受信しないようにするために設けられている。第2の防磁部材336は、少なくとも第2の受信部332と第2の送信部333の間に配置されればよいが、図に示すように第2の受信部332と第2の送信部333の周囲を囲むように設けられるとより好ましい。なお、本実施例の第2の防磁部材336は特定の周波数の電波を吸収するが、電波を反射する等して電波の透過を抑制する部材であれば材料は特に限定されず、例えばシリコンゴムなどを用いればよい。
【0045】
図8(a)は上側から見たときの外部メディア装置300が装着されたカメラ100を示し、図8(b)は図8(a)におけるAA-AA線での断面を示している。図8(b)において、第1の送信部162と第2の受信部332は互いに対向する位置に配置され、第1の受信部163と第2の送信部333は互いに対向する位置に配置されている。第1の送信部162から発せられる電波は、矢印Bで示すように第1のカバー部材164および第2のカバー部材334を透過して第2の受信部332により受信される。第2の送信部333から発せられる電波は、矢印Cで示すように第2のカバー部材334および第1のカバー部材164を透過して第1の受信部163により受信される。互いに対向する位置に送信部と受信部を配置することにより、最短距離で無線通信が可能となり、それらが対向しなすように配置される場合に比べて通信の劣化を抑えることができる。
【0046】
ただし、第1の送信部162と第2の送信部333が互いに近く、第1の送信部162から発せられた電波と第2の送信部333から発せられた電波が互いに干渉すると、第1の受信部163と第2の受信部332のそれぞれで電波の誤受信が生じる。
【0047】
このため、本実施例では、第1の送信部162と第2の送信部333に対向する第1の受信部163とをアクセサリシュー装置160の長手方向であるz方向に離間させて配置することにより、第1の送信部162と第2の送信部333との間の距離を長く確保している。これにより、第1の送信部162から発せられた電波と第2の送信部333から発せられた電波の干渉を抑制することができ、良好な無線通信を確保することができる。
【0048】
次に、外部メディア装置300に設けられたシュー装置330の構成について図9を用いて詳細に説明する。
【0049】
図9は、図2に示すシュー装置330のA-A線での断面を示している。図9においてシュー装置330に関係する部材は符号を付して説明するが、その他の部材の説明は省略する。
【0050】
シュー装置330は、エンクロージャー341、ロックレバー340、保持部材343、第2の端子部337、第2の受信部332、第2の送信部333、フレキシブル基板335、第2のカバー部材334および第2の防磁部材336を有する。
【0051】
エンクロージャー341は、シュー取付け脚331と一体に形成され、シュー装置330をアクセサリシュー装置160に装着させたときに一対の係合部161dの間に入りこむ。エンクロージャー341は、非導電材料(例えば樹脂)で形成されている。保持部材343は、シュー装置330をアクセサリシュー装置160に装着させた後に外部メディア装置300の脱落を阻止するための部材であるロックピン338a、338bをy方向に移動可能に保持している。
【0052】
ロックレバー340が回転操作されると、ロックレバー340と保持部材343とに設けられたカム機構の作用により保持部材343が-y方向へ移動する。その際、保持部材343と共にロックピン338a、338bも-y方向へ移動する。こうして、ロックピン338a、338bは、アクセサリシュー装置160のロックピン係合部161b、161cに係合する。
【0053】
第2の接続部337は、これに対応する第1の接続部167と接触する先端部337aを有する。また、第2の接続部337は、先端部337aから-z方向(第1の方向とは反対の方向)に延びる形状を有し、先端部337aが第1の接続部167に当接した際に弾性変形によって先端部337aを+y方向に変位させる伸延部337bを有する。伸延部337bの-z方向の端には、伸延部337bに対してほぼ直交するように延びる延直部337cが形成されている。延直部337cの先端には、メディア制御部301と電気的に接続されたフレキシブル基板342と接続するためのフレキシブル基板接続部337dが設けられている。
【0054】
なお、伸延部337bのほぼ中央部には段差部337eが形成されており、段差部337eにはy方向での段差が設けられている。この段差を設けることで、第2の受信部332、第2の送信部333およびフレキシブル基板335を、先端部337aよりも-y方向に位置しないように(+y方向であるシュー装置側に位置するように)配置することができる。また、段差を設けることで、第2の受信部332と第2の送信部333の少なくとも一方を、外部に露出していない部分を含む第2の接続部337の接続端子の少なくとも一部とy方向(シュー装置とアクセサリシュー装置とが対向する方向)に並ぶように配置することで、z方向の大型化を抑制することができる。
【0055】
本実施例では、伸延部337bのほぼ中央部に段差部337eを設けることで、伸延部337bにおける延直部337c側(先端部337a側とは反対側)の端の位置が先端部337a側の端の位置よりも+y方向シュー装置側)にずれている。ただし、段差部337eがない構成であってもよい。例えば、伸延部337bをz方向に対して傾斜させることで、段差部337eを設けることなく延直部337c側の端が先端部337a側の端よりも+y方向にずれている構成でもよい。
【0056】
伸延部337bにおける先端部337a側の端の位置と延直部337c側の端の位置とのずれによって、第2の接続部337とアクセサリシュー装置160に対向する面との間に空間が生じる。その空間に第2の受信部332と第2の送信部333の少なくとも一部を配置することで、シュー装置330の大型化を抑制することができる。
【0057】
第2の受信部332と第2の送信部333は、フレキシブル基板335に実装されており、フレキシブル基板335はメディア制御部301と電気的に接続されている。
【0058】
前述したように、アクセサリシュー係合部材161は強度のある板金で形成されているが、第1の送信部162と第2の受信部332との間および第1の受信部163と第2の送信部333との間のいずれにもアクセサリシュー係合部材161は位置しない。このため、アクセサリシュー係合部材161により無線通信が阻害されないようにすることが可能である。
【0059】
また、第2の防磁部材336は第2のカバー部材334によって凹部330aに圧入された状態で固定される。これにより、第2の防磁部材336と第2のカバー部材334との隙間を減らして、第2の防磁部材336と第2のカバー部材334との間で電波が漏れることを抑制することができる。
【0060】
このように、電子機器とアクセサリ装置との間で無線通信が可能で、電子機器とアクセサリ装置の装着状態を強固にするための部材により無線通信が阻害されないようにしたので、電子機器とアクセサリ装置との間での通信の制限を少なくすることができる。
【実施例2】
【0061】
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例において、実施例1と共通する構成要素には実施例1と同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0062】
まず図20を用いて、本実施例が解決する課題について説明する。図20は、図8(b)と同じ断面を示している。先に図8(b)を用いて説明したように、第1の送信部162から発せられた電波は第2の受信部332により受信され(矢印B)、第2の送信部333から発せられた電波は第1の受信部163により受信される(矢印C)。しかし、電波は第1のカバー部材164と第2のカバー部材334の内部を伝播するため、矢印Mで示すように第1の送信部162から発せられた電波が第1の受信部163により受信されるおそれがある。すなわち、第1の受信部163が電波を誤検出するおそれがある。また、矢印Nで示すように、第2の送信部333から発せられた電波が第1の送信部162から発せられた電波と干渉して第2の受信部332により受信されるおそれがある。すなわち、第2の受信部332が電波を誤検出するおそれがある。
【0063】
そこで本実施例では、第1の送信部162と第1の受信部163のそれぞれに第2の受信部332と第2の送信部333が対向する場合における第1の受信部163および第2の受信部332による電波の誤検出を回避できるようにする。
【0064】
なお、特開2014-197811号公報には、送受信部より下側の基板や筐体における電波の干渉を防止する方法は開示されているが、送受信部の対面側にある筐体内での電波の干渉を防止することができない。すなわち、図20で説明した電波の誤検出を解決することはできない。
【0065】
図10(a)、(b)は、本実施例におけるアクセサリシュー装置160を示している。図10(a)は、下側(-y側)から見た第1のカバー部材164を示している。図10(b)は、下側から見た第1の送信部162、第1の受信部163、第1の防磁部材166および第1のカバー部材164を示している。x方向およびz方向は、第1のカバー部材164により覆われる面内での方向である。
【0066】
図10(a)に示すように、第1のカバー部材164には、x方向(第2の方向)に延びる第1の溝164aが設けられている。第1の溝164aは、図10(b)に二点鎖線で示すように、下側から見たときに、第1の送信部162における第1の受信部163側の第1の辺(端)162aにz方向にて隣接する位置(すなわち受信素子側の端に対応する位置)に設けられている。この第1の溝164aは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166を覆う領域、すなわち第1の防磁部材166と重なる領域に設けられている。これにより、第1の溝164aは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域を、第1の送信部162が設けられた領域と第1の受信部163が設けられた領域とに分けている。第1の溝164aを設けた理由については後述する。
【0067】
図11(a)、(b)は、本実施例におけるシュー装置330を示している。図11(a)は、上側(+y側)から見た第2のカバー部材334を示している。図11(b)は、上側から見た第2の受信部332、第2の送信部333、第2の防磁部材336および第2のカバー部材334を示している。x方向およびz方向は、第2のカバー部材334により覆われる面内での方向である。
【0068】
図11(a)に示すように、第2のカバー部材334には、x方向に延びる第2の溝334aが設けられている。第2の溝334aは、図11(b)に二点鎖線で示すように、上側から見たときに、第2の送信部333における第2の受信部332側の第1の辺(端)333aにz方向にて隣接する位置(すなわち受信素子側の端に対応する位置)に設けられている。この第2の溝334aは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336を覆う領域、すなわち第2の防磁部材336と重なる領域に設けられている。これにより、第2の溝334aは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域を、第2の送信部333が設けられた領域と第2の受信部332が設けられた領域とに分けている。
【0069】
次に、第1の溝部164aおよび第2の溝334aを設けた理由について説明する。図12(a)は上側から見た外部メディア装置300が装着されたカメラ100を示し、図12(b)は図12(a)におけるA-A線での断面を示している。図12(c)は、第1の溝164aの周囲を拡大して示している。
【0070】
図12(b)において、第1の送信部162から発せられた電波Dは、第1のカバー部材164内を伝播する。図12(c)に示すように、第1のカバー部材164のうち第1の溝164aが設けられている部分のy方向の厚みが他の部分より薄くなり、この薄くなった部分の抵抗値が高くなる。抵抗値が高くなることで、電波Dのうちこの部分を透過する電波D1が減衰して第1の受信部163までほとんど伝播しなくなる。すなわち、電波D1の伝播が抑制される。
【0071】
また、電波Dのうち第1の溝164a内に入射した電波D2は、第1の溝164a内で反射する。このとき、第1の溝164aの幅164bを電波D2の波長の1/4(4分の1)とすると、電波D2の入射波と第1の溝164a内での反射波は1/2波長だけ位相がずれる。1/2波長だけ位相がずれた波長同士が合成されると互いに打ち消し合うため、電波D2のそれ以上の伝播を第1の溝164aによって抑制することが可能となる。
【0072】
本実施例では、第1のカバー部材164の厚み全体を薄くするのではなく、第1の溝164aを設けることで厚みが薄くなる部分を限定している。これにより、第1のカバー部材164の全体の強度が低下することがなく、かつ第1のカバー部材164の成型性も良好とすることができる。
【0073】
第1の送信部162から発せられた電波Eは、第1のカバー部材164を透過して第2のカバー部材334内を伝播するが、電波Dと同様に第2の溝334aでそれ以上の伝播が抑制される。第2の溝334aの幅334bは、電波Eの波長の1/4であることが好ましい。第2の送信部333から発せられた電波Fは、第2のカバー部材334内を伝播するが、同様に第2の溝334aでそれ以上の伝播が抑制される。第2の送信部333から発せられた電波Eは、第2のカバー部材334を透過して第1のカバー部材164内を伝播するが、同様に第1の溝164aでそれ以上の伝播が抑制される。
【0074】
このように第1の溝164aで電波の伝播を抑制するには、第1の溝164aの幅164bの少なくとも一部が第1の防磁部材166とy方向にて重なる必要がある。また、第2の溝334aで電波の伝播を抑制するには、第2の溝334aの幅の334bの少なくとも一部が第2の防磁部材336とy方向にて重なる必要がある。
【0075】
このとき、第2の溝334aは、z方向における第1の溝164aよりも第2の送信部333に近い位置に設けられている。この理由について図13を用いて説明する。
【0076】
図13は、第2の溝334aが、z方向における第1の溝164aよりも第2の受信部332に近い位置に設けられている場合を示す。この場合、第1の送信部162から発せられた電波Hは、第1のカバー部材164内を第1の溝164aに向かって伝播した後、第2の溝334aよりも第2の送信部333側の位置で第2のカバー部材334内に入って伝播し、第2の送信部333に到達するおそれがある。このような伝播を抑制するため、第2の溝334aは第1の溝164aよりも第2の送信部333側に設けられる必要がある。
【0077】
また前述したように、z方向において第1の溝164aが第1の送信部162の第1の辺162aに隣接した位置に設けられ、かつ第2の溝334aが第2の送信部333の第1の辺333aに隣接した位置に設けられることで、第1のカバー部材164と第2のカバー部材334内での電波の反射拡散による誤検出のリスクを下げることができる。
【0078】
なお、本実施例では、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域において第1の送信部162に隣接する位置に第1の溝164aを設け、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域において第2の送信部333に隣接する位置に第2の溝334aを設けた場合について説明した。しかし、必ずしも各送信部に隣接する位置に各溝部を設けなくても、z方向にて各受信部よりも各送信部に近い位置に溝を設ければよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
【0079】
また、第1の送信部162と第2の送信部333から発せられる電波の周波数(波長)が複数種類ある場合には、それらの波長に応じて溝幅が異なる複数の溝を各カバー部材に設けてもよい。このことも、後述する他の実施例で同じである。
【実施例3】
【0080】
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例において、実施例1、2と共通する構成要素にはそれらの実施例と同符号を付して説明に代える。
【0081】
図14(a)、(b)は、本実施例におけるアクセサリシュー装置160を示している。図14(a)は、下側(-y側)から見た第1のカバー部材164を示している。図14(b)は、下側から見た第1の送信部162、第1の受信部163、第1の防磁部材166および第1のカバー部材164を示している。
【0082】
図14(a)に示すように、第1のカバー部材164には、第1の溝464aと第3の溝464bが設けられている。第1の溝464aは、図14(b)に二点鎖線で示すように、下側から見たときに、第1の送信部162における第1の受信部163側の第1の辺162aに隣接する位置にてx方向に延び、第1の辺162aに直交する隣(別)の第2の辺162bに隣接する位置にてz方向に延びている。この第1の溝464aは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域に設けられている。これにより、第1の溝464aは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域を、第1の送信部162が設けられた領域と他の領域とに分けている。
【0083】
第3の溝464bは、図14(b)に二点鎖線で示すように、下側から見たときに、第1の受信部163における第1の送信部162側の第1の辺163aに隣接する位置にてx方向に延び、第1の辺163aに直交する隣の第2の辺163bに隣接する位置にてz方向に延びている。この第3の溝464bは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域に設けられている。これにより、第3の溝464bは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域を、第1の受信部163が設けられた領域と他の領域とに分けている。すなわち、第1の溝464aと第3の溝464bによって、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域が、第1の送信部162が設けられた領域と、第1の受信部163が設けられた領域と、それ以外の領域とに分けられている。
【0084】
このような第1の溝464aと第3の溝464bを設けることで、図14(b)に矢印Iで示すように第1のカバー部材164の内部において第1の送信部162から発せられた電波が反射して第1の受信部163に向かっても、第1の受信部163までの距離を長くすることができるため、電波を減衰させて第1の受信部163への到達を抑制することができる。
【0085】
なお、本実施例では、第1の溝464aと第3の溝464bを設けているが、第1の溝464aを設けるだけでもよい。また、第1の溝464aと第3の溝464bのうちz方向に延びる部分を、z方向に対して斜めとなる方向(x方向とは異なる方向)に延ばしてもよい。
【0086】
図15(a)、(b)は、本実施例におけるシュー装置330を示している。図15(a)は、上側(+y側)から見た第2のカバー部材334を示している。図15(b)は、上側から見た第2の受信部332、第2の送信部333、第2の防磁部材336および第2のカバー部材334を示している。
【0087】
図15(a)に示すように、第2のカバー部材334には、第2の溝434aと第4の溝434bが設けられている。第2の溝434aは、図15(b)に二点鎖線で示すように、上側から見たときに、第2の送信部333における第2の受信部332側の第1の辺333aに隣接する位置にてx方向に延び、第1の辺333aに直交する隣の第2の辺333bに隣接する位置にてz方向に延びている。この第2の溝434aは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域に設けられている。これにより、第2の溝434aは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域を、第2の送信部333が設けられた領域と他の領域とに分けている。
【0088】
第4の溝434bは、図15(b)に二点鎖線で示すように、上側から見たときに、第2の受信部332における第2の送信部333側の第1の辺332aに隣接する位置にてx方向に延び、第1の辺332aに直交する隣の第2の辺332bに隣接する位置にてz方向に延びている。この第4の溝434bは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域に設けられている。これにより、第4の溝434bは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域を、第2の受信部332が設けられた領域と他の領域とに分けている。すなわち、第2の溝434aと第4の溝434bによって、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域が、第2の送信部333が設けられた領域と、第2の受信部332が設けられた領域と、それ以外の領域とに分けられている。
【0089】
このような第2の溝434aと第4の溝434bを設けることで、第2のカバー部材334内(xz面内)において第2の送信部333から発せられた電波が反射して第2の受信部332に向かっても、第2の受信部332までの距離を長くすることができるため、電波を減衰させて第2の受信部332への到達を抑制することができる。
【0090】
なお、本実施例では、第2の溝434aと第4の溝434bを設けているが、第2の溝434aを設けるだけでもよい。また、第2の溝434aと第4の溝434bのうちz方向に延びる部分を、z方向に対して斜めとなる方向(x方向とは異なる方向)に延ばしてもよい。
【実施例4】
【0091】
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例において、実施例1~3と共通する構成要素にはそれらの実施例と同符号を付して説明に代える。
【0092】
図16(a)、(b)は、本実施例におけるアクセサリシュー装置160を示している。図16(a)は、下側(-y側)から見た第1のカバー部材164を示している。図16(b)は、下側から見た第1の送信部162、第1の受信部163、第1の防磁部材166および第1のカバー部材164を示している。
【0093】
図16(a)に示すように、第1のカバー部材164には、第1の溝564aと第3の溝564bが設けられている。第1の溝564aは、図16(b)に二点鎖線で示すように、下側から見たときに、第1の送信部162における第1の受信部163側の第1の辺162aに隣接する位置にてx方向に延び、第1の辺162aにそれぞれ直交する隣の第2の辺162bおよび第3の辺162cに隣接する位置にてz方向に延びている。この第1の溝564aは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域に設けられている。これにより、第1の溝564aは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域を、第1の送信部162が設けられた領域と他の領域とに分けている。
【0094】
第3の564bは、図16(b)に二点鎖線で示すように、下側から見たときに、第1の受信部163における第1の送信部162側の第1の辺163aに隣接する位置にてx方向に延び、第1の辺163aにそれぞれ直交する隣の第2の辺163bおよび第3の辺163cに隣接する位置にてz方向に延びている。この第3の溝564bは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域に設けられている。これにより、第3の溝564bは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域を、第1の受信部163が設けられた領域と他の領域とに分けている。すなわち、第1の溝564aと第3の溝564bによって、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域が、第1の送信部162が設けられた領域と、第1の受信部163が設けられた領域と、それ以外の領域とに分けられている。
【0095】
このような第1の溝564aと第3の溝564bを設けることで、第1のカバー部材164内(xz面内)において第1の送信部162から発せられた電波が反射して第1の受信部163に向かっても、第1の受信部163までの距離を長くすることができるため、電波を減衰させて第1の受信部163への到達を抑制することができる。
【0096】
なお、本実施例では、第1の溝564aと第3の溝564bを設けているが、第1の溝564aを設けるだけでもよい。また、第1の溝564aと第3の溝564bのうちz方向に延びる部分を、z方向に対して斜めとなる方向(x方向とは異なる方向)に延ばしてもよい。
【0097】
図17(a)、(b)は、本実施例におけるシュー装置330を示している。図17(a)は、上側(+y側)から見た第2のカバー部材334を示している。図17(b)は、上側から見た第2の受信部332、第2の送信部333、第2の防磁部材336および第2のカバー部材334を示している。
【0098】
図17(a)に示すように、第2のカバー部材334には、第2の溝534aと第4の溝534bが設けられている。第2の溝534aは、図17(b)に二点鎖線で示すように、上側から見たときに、第2の送信部333における第2の受信部332側の第1の辺333aに隣接する位置にてx方向に延び、第1の辺333aにそれぞれ直交する隣の第2の辺333bおよび第3の辺333cに隣接する位置にてz方向に延びている。この第2の溝534aは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域に設けられている。これにより、第2の溝534aは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域を、第2の送信部333が設けられた領域と他の領域とに分けている。
【0099】
第4の溝534bは、図17(b)に二点鎖線で示すように、上側から見たときに、第2の受信部332における第2の送信部333側の第1の辺332aに隣接する位置にてx方向に延び、第1の辺332aにそれぞれ直交する第2の辺332bおよび第3の辺332cに隣接する位置にてz方向に延びている。この第4の溝534bは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域に設けられている。これにより、第4の溝534bは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域(xz面)を、第2の受信部332が設けられた領域と他の領域とに分けている。すなわち、第2の溝534aと第4の溝534bによって、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域が、第2の送信部333が設けられた領域と、第2の受信部332が設けられた領域と、それ以外の領域とに分けられている。
【0100】
このような第2の溝534aと第4の溝534bを設けることで、第2のカバー部材334内(xz面内)において第2の送信部333から発せられた電波が反射して第2の受信部332に向かっても、第2の受信部332までの距離を長くすることができるため、電波を減衰させて第2の受信部332への到達を抑制することができる。
【0101】
なお、本実施例では、第2の溝534aと第4の溝534bを設けているが、第2の溝534aを設けるだけでもよい。また、第2の溝534aと第4の溝534bのうちz方向に延びる部分を、z方向に対して斜めとなる方向(x方向とは異なる方向)に延ばしてもよい。
【実施例5】
【0102】
次に、本発明の実施例5について説明する。本実施例において、実施例1~4と共通する構成要素にはそれらの実施例と同符号を付して説明に代える。
【0103】
図18(a)、(b)は、本実施例におけるアクセサリシュー装置160を示している。図18(a)は、下側(-y側)から見た第1のカバー部材164を示している。図18(b)は、下側から見た第1の送信部162、第1の受信部163、第1の防磁部材166および第1のカバー部材164を示している。
【0104】
図18(a)に示すように、第1のカバー部材164には、第1の溝664aと第3の溝664bが設けられている。第1の溝664aは、図18(b)に二点鎖線で示すように、下側から見たときに、第1の送信部162における4辺の全てに隣接する位置(すなわち全周の端に対応する位置)に第1の送信部162を囲むようにx方向およびz方向に延びている。この第1の溝664aは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域に設けられている。これにより、第1の溝664aは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域を、第1の送信部162が設けられた領域と他の領域とに分けている。
【0105】
第3の664bは、図18(b)に二点鎖線で示すように、下側から見たときに、第1の受信部163における4辺に隣接する位置に第1の受信部163を囲むようにx方向およびz方向に延びている。この第3の溝664bは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域に設けられている。これにより、第3の溝664bは、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域を、第1の受信部163が設けられた領域と他の領域とに分けている。すなわち、第1の溝664aと第3の溝664bによって、第1のカバー部材164のうち第1の防磁部材166と重なる領域が、第1の送信部162が設けられた領域と、第1の受信部163が設けられた領域と、それ以外の領域とに分けられている。
【0106】
上記のように下側から見て第1の送信部162を囲むように第1の溝664aを設けることで、第1の送信部162から発せられる電波が第1の送信部162の周囲に拡散して第1の受信部163に到達することを抑制することができる。さらに下側から見て第1の受信部163を囲むように第3の溝664bを設けることで、第1の送信部162からの電波が第1の受信部163に到達することを抑制することができる。
【0107】
なお、本実施例では、第1の溝664aと第3の溝664bを設けているが、第1の溝664aを設けるだけでもよい。また、第1の溝664aと第3の溝664bのうちz方向に延びる部分を、z方向に対して斜めとなる方向(x方向とは異なる方向)に延ばしてもよい。
【0108】
図19(a)、(b)は、本実施例におけるシュー装置330を示している。図19(a)は、上側(+y側)から見た第2のカバー部材334を示している。図19(b)は、上側から見た第2の受信部332、第2の送信部333、第2の防磁部材336および第2のカバー部材334を示している。
【0109】
図19(a)に示すように、第2のカバー部材334には、第2の溝634aと第4の溝634bが設けられている。第2の溝634aは、図19(b)に二点鎖線で示すように、上側から見たときに、第2の送信部333における4辺に隣接する位置に第2の送信部333を囲むようにx方向およびz方向に延びている。この第2の溝634aは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域に設けられている。これにより、第2の溝634aは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域を第2の送信部333が設けられた領域と他の領域とに分けている。
【0110】
第4の溝634bは、図19(b)に二点鎖線で示すように、上側から見たときに、第2の受信部332における4辺に隣接する位置に第2の受信部332を囲むようにx方向およびz方向に延びている。この第4の溝634bは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域に設けられている。これにより、第4の溝634bは、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域を第2の受信部332が設けられた領域と他の領域とに分けている。すなわち、第2の溝634aと第6の溝534bによって、第2のカバー部材334のうち第2の防磁部材336と重なる領域が、第2の送信部333が設けられた領域と、第2の受信部332が設けられた領域と、それ以外の領域とに分けられている。
【0111】
上記のように上側から見て第2の送信部333を囲むように第2の溝634aを設けることで、第2の送信部333から発せられる電波が第2の送信部333の周囲に拡散して第2の受信部332に到達することを抑制することができる。さらに上側から見て第2の受信部332を囲むように第3の溝634bを設けることで、第2の送信部333からの電波が第2の受信部332に到達することを抑制することができる。
【0112】
なお、本実施例では、第2の溝634aと第4の溝634bを設けているが、第2の溝634aを設けるだけでもよい。また、第2の溝634aと第4の溝634bのうちz方向に延びる部分を、z方向に対して斜めとなる方向(x方向とは異なる方向)に延ばしてもよい。
【0113】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
100 撮像装置(カメラ)
160 アクセサリシュー装置
161 アクセサリシュー係合部材
161a 開口部
161b、161c 一対のロックピン係合部
162 第1の送信部
163 第1の受信部
164 第1のカバー部材
300 外部メディア装置
330 シュー装置
331 シュー取付け脚
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20