(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】画像処理装置、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240909BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240909BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240909BHJP
B41J 25/20 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
G06F3/12 303
G06F3/12 365
G06F3/12 387
G03G21/00 396
G03G21/00 386
B41J25/20
(21)【出願番号】P 2020113361
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 千恵
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-069802(JP,A)
【文献】特開2011-139224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00-1/64
G06F 3/12
G03G 21/00
B41J 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサービスとネットワークを介して通信可能な画像処理装置であって、
原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記原稿の画像を前記読取手段によって読み取るための指示を受け付ける受付手段と、
前記読取手段によって前記画像を読み取ることによって生成された画像データを前記クラウドサービスに送信する送信手段と、
ユーザを前記画像処理装置にログインさせるログイン手段と、
前記ログイン手段によって前記画像処理装置に誰もログインされていない状態で前記受付手段によって前記指示を受け付けたら、前記送信手段によって送信された前記画像データの格納先を示す格納先情報と前記格納先情報の期限を示す情報を前記クラウドサービスに生成させるための要求を前記クラウドサービスに行う要求手段と、
前記要求手段によって前記要求が行われた後、他の装置によって撮影されることによって前記格納先情報が前記他の装置によって取得され、前記他の装置によって取得された前記格納先情報によって前記他の装置が前記画像データを受信することが可能なコード情報をユーザに通知する通知手段とを有し、
前記期限の経過後は、前記コード情報を用いた前記画像データの受信ができなくなることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ログイン手段によって前記画像処理装置にユーザがログインしている状態で前記受付手段によって前記指示を受け付けた場合、前記要求手段は、前記送信手段によって送信された前記画像データの前記格納先を示す前記格納先情報を生成させるための要求を前記クラウドサービスに要求しないことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記読取手段によって読み取られた前記画像を前記クラウドサービスに送信することに成功したことに基づいて、前記要求手段は、前記送信手段によって送信された前記画像データの前記格納先を示す前記格納先情報を生成させるための要求を前記クラウドサービスに要求することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
表示手段をさらに有し、
前記通知手段は、前記表示手段に前記コード情報を表示することによって前記コード情報をユーザに通知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
印刷手段をさらに有し、
前記通知手段は前記印刷手段によって前記コード情報を印刷することによって前記コード情報をユーザに通知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記期限の経過後は、前記格納先情報を用いたアクセスができなくなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記コード情報は、QRコード(登録商標)であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記クラウドサービスは、画像を格納する格納サービスであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
クラウドサービスとネットワークを介して通信可能な画像処理装置の制御方法であって、
原稿の画像を読み取る読取工程と、
前記原稿の画像を前記読取
工程で読み取るための指示を受け付ける受付工程と、
前記読取工程で前記画像を読み取ることによって生成された画像データを前記クラウドサービスに送信する送信工程と、
ユーザを前記画像処理装置にログインさせるログイン工程と、
前記ログイン工程で前記画像処理装置に誰もログインされていない状態で前記指示を前記受付工程で受け付けたら、前記送信工程で送信された前記画像データの格納先を示す格納先情報と前記格納先情報の期限を示す情報を前記クラウドサービスに生成させるための要求を前記クラウドサービスに行う要求工程と、
前記要求工程で前記要求が行われた後、他の装置によって撮影されることによって前記格納先情報が前記他の装置によって取得され、前記他の装置によって取得された前記格納先情報によって前記他の装置が前記画像データを受信することが可能なコード情報をユーザに通知する通知工程とを有し、
前記期限の経過後は、前記コード情報を用いた前記画像データの受信ができなくなることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シェアオフィスやコワーキングスペースが注目され、シェアオフィスやコワーキングスペースに欠かせない設備として複合機等の画像処理装置が挙げられている。また、クラウドサービスの導入を進めている企業も多い。
【0003】
シェアオフィスやコワーキングスペースに設置された画像処理装置で原稿を読み取って生成された画像データを、自社で使用しているクラウドサービスやビジネスチャットにアップロードしたい要望がある。
【0004】
しかしながら、セキュリティの観点から、不特定多数のユーザーが使用する画像処理装置を自社で使用しているクラウドサービスに安易に接続することは好まれない。仮に、接続しようとしても、画像処理装置からクラウドサービスに接続するための手順は容易ではない。シェアオフィスやコワーキングスペースに設置された画像処理装置で原稿を読み取って生成された画像データを容易に入手することが難しい現状がある。
【0005】
特許文献1には、ネットワークを介してクラウドサーバと通信可能な画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シェアオフィスやコワーキングスペースに設置された画像処理装置では、不特定多数のユーザーが使用するためログインしなくても使えるようにしていることが多い。クラウドサービスを使用するために、そのような画像処理装置にユーザーがクラウドサービスのアカウントを登録するのは手間がかかる。
【0008】
特許文献1の方法では、PCやスマートホンなどの端末で予めクラウドサービスにログインし、データ格納フォルダ情報やログイン情報を含むチケットを生成し、チケットを画像処理装置に送信する。画像処理装置にログインしたユーザーによりスキャンが実行されると、ログインユーザーに紐づけられたチケットを読み出しクラウドにデータをアップロードする。つまり、特許文献1では、クラウドサービスのアカウントが予め画像処理装置に登録されていることが前提となっている。
【0009】
一方、クラウドサービスやビジネスチャットでは、それらのアカウントがないユーザーでもファイルを共有できるような一時共有ファイル機能を備えているものが多い。例えばDropbox社のDropbox(登録商標)ではリンク共有機能として、Dropbox内の任意のファイルまたはフォルダに対するリンクを作成することができる。リンクはユニークなURL(Uniform Resource Locator)であり、URLにアクセスすることでファイルの内容をブラウザで表示することや、ファイルをダウンロードすることが可能となる。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、原稿の画像を読み取ることによって生成された画像データをクラウドサービスに送信し、画像処理装置に誰もログインされていない状態で原稿の画像を読み取るための指示を受け付けたら、送信された画像データの格納先を示す格納先情報と格納先情報の期限を示す情報をクラウドサービスに生成させるための要求をクラウドサービスに行い、その要求が行われた後、他の装置によって撮影されることによって格納先情報が他の装置によって取得され、他の装置によって取得された格納先情報によって他の装置が画像データを受信することが可能なコード情報をユーザに通知し、期限の経過後は、コード情報を用いた画像データの受信ができなくなる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、クラウドサービスとネットワークを介して通信可能な画像処理装置であって、原稿の画像を読み取る読取手段と、前記原稿の画像を前記読取手段によって読み取るための指示を受け付ける受付手段と、前記読取手段によって前記画像を読み取ることによって生成された画像データを前記クラウドサービスに送信する送信手段と、ユーザを前記画像処理装置にログインさせるログイン手段と、前記ログイン手段によって前記画像処理装置に誰もログインされていない状態で前記受付手段によって前記指示を受け付けたら、前記送信手段によって送信された前記画像データの格納先を示す格納先情報と前記格納先情報の期限を示す情報を前記クラウドサービスに生成させるための要求を前記クラウドサービスに行う要求手段と、前記要求手段によって前記要求が行われた後、他の装置によって撮影されることによって前記格納先情報が前記他の装置によって取得され、前記他の装置によって取得された前記格納先情報によって前記他の装置が前記画像データを受信することが可能なコード情報をユーザに通知する通知手段とを有し、前記期限の経過後は、前記コード情報を用いた前記画像データの受信ができなくなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、原稿の画像を読み取ることによって生成された画像データをクラウドサービスに送信し、画像処理装置に誰もログインされていない状態で原稿の画像を読み取るための指示を受け付けたら、送信された画像データの格納先を示す格納先情報と格納先情報の期限を示す情報をクラウドサービスに生成させるための要求をクラウドサービスに行い、その要求が行われた後、他の装置によって撮影されることによって格納先情報が他の装置によって取得され、他の装置によって取得された格納先情報によって他の装置が画像データを受信することが可能なコード情報をユーザに通知し、期限の経過後は、コード情報を用いた画像データの受信ができなくなる仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係るシステムの全体構成図
【
図6】画像処理装置101のホーム画面の例を示す図
【
図7】画像処理装置101とクラウド102間のシーケンスの例を示す図
【
図8】画像処理装置101で実行されるプログラムの例を示す図
【
図9】画像処理装置101のスキャンToクラウドの実行時のフローチャート
【
図10】クラウド102のスキャンToクラウドの実行時のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。本実施形態では画像処理装置として、プリントやスキャン機能を有する複合機を例に説明をするが、特許請求の範囲に係る本発明を限定するものではない。また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0015】
図1は、本実施形態に係る画像処理システムを示すシステム構成図である。画像処理装置101と、クラウド102とは、ネットワーク100を介して通信可能に接続されている。不図示の複数の画像処理装置やサーバが接続されていてもよい。
【0016】
画像処理装置101は原稿画像をスキャンして得られた画像データを含むファイルを、ネットワーク100を介してクラウド102に送信する機能を有する。クラウド102は画像処理装置101から送信されたファイルを格納するオンラインのストレージサービス機能の他、各種サービスを提供する。クラウド102は、単一のクラウドサーバで構成されていてもよいし、複数のクラウドサーバ群によって構成されていてもよい。また、画像処理装置101とクラウド102は同一ネットワーク上にあってもよい。
【0017】
図2は、本実施形態における画像処理装置101のハードウェア構成を表すブロック図である。画像処理装置101は原稿の画像を読み取る読取機能、シート(印刷用紙)に画像を印刷する印刷機能を有する。また、他にも画像処理装置101は、画像データをファイルに変換して外部装置に送信するファイル送信機能などを有している。
【0018】
なお、本実施形態では画像処理装置101の例として複合機を用いて説明をするが、これに限定されるものではない。例えば、印刷機能を有さないスキャナなどの画像読取装置が用いられてもよい。
【0019】
CPU(Central Processing Unit)201を含む制御部200は、画像処理装置101全体の動作を制御する。
【0020】
CPU201は、ROM202またはストレージ204に記憶された制御プログラムを読み出して、読取制御や印刷制御などの各種制御を行う。
【0021】
ROM202は、CPU201で実行可能な制御プログラムを記憶する。
【0022】
RAM203は、CPU201の主記憶メモリであり、ワークエリア、ROM202及びストレージ204に記憶された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。
【0023】
ストレージ204は、印刷データ、画像データ、各種プログラム、及び各種設定情報を記憶する。ストレージ204は、HDD(Hard Disk Drive)であってもよいし、SSD(Solid State Drive)であってもよい。なお、本実施形態の画像処理装置101では、1つのCPU201が1つのメモリ(RAM203)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
【0024】
操作部I/F206は、操作部207に接続される。操作部207は、表示部としての機能を有するタッチパネルを有し、タッチパネルを介してユーザーに対して情報を表示したり、ユーザーからの入力を検出したりする。また、操作部207は、ハードキーを有しており、ユーザーからの入力を検出する。
【0025】
読取部I/F208は、読取部209に接続される。読取部209はスキャナであり、原稿の画像をスキャンして、画像データを生成する。読取部209によって生成された画像データはストレージ204に記憶され、ネットワーク100を介して外部装置に送信される。また、読取部209によって生成された画像データはストレージ204に基づいて印刷部211がシート上に画像を印刷する。また、読取部209は、自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder)を有していてもよく、自動原稿搬送装置に載置された複数枚の原稿を1枚ずつ搬送させ、搬送された原稿の画像を読取部209が読み取ることが可能である。
【0026】
印刷部I/F210は、印刷部211に接続される。印刷される画像データは印刷部I/F210を介して印刷部211に転送される。印刷部211は制御コマンド及び印刷すべき画像データを受信し、この画像データに基づいた画像をシート上に印刷する。印刷部211の印刷方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。電子写真方式の場合は、感光体上に静電潜像を形成した後トナーにより現像し、そのトナー像をシートに転写し、転写されたトナー像を定着することにより画像を形成する。一方、インクジェット方式の場合は、インクを吐出してシートに画像を印刷する。
【0027】
また、画像処理装置101は、ネットワークI/F205を介してネットワーク100に接続される。ネットワークI/F205は、ネットワーク100上のクラウド102と通信可能に接続され、読取部209によって生成された画像データをクラウド102に送信する。
【0028】
ネットワークI/F205を介して受信した印刷データは、ストレージ204又はROM202に記憶された印刷データを解析するためのソフトウェアモジュール(PDL解析部、不図示)によってCPU201によって解析される。PDL解析部は、様々な種類のページ記述言語(Page Description Language)で表現された印刷データに基づいて印刷部211で印刷するためのデータを生成する。
【0029】
なお、画像処理装置101は、不図示のモデムを有し、読取部209で原稿を読み取って生成された画像データをモデムを介して送信するファクス機能を有していてもよい。
【0030】
図3は本実施形態における画像処理装置101のソフトウェア構成を表すブロック図である。記憶部308を除く各ブロックは、CPU201が、ROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することによって実現される。記憶部308は、ストレージ204によって実現される。
【0031】
制御部301は、他のモジュールを制御し、スキャン、送信、印刷、表示処理などの画像処理装置101内で発生する各処理の実行を統括的に制御する。
【0032】
認証処理部305は画像処理装置101でユーザー管理が行われている場合、ユーザーからログイン/ログアウト要求を受け付ける。認証処理部305はログイン要求を受け付けると、記憶部308に記憶されたユーザー管理情報を参照し認証を行う。認証が成功したら、認証処理部305はUI制御部302にホーム画面を操作部207に表示するよう指示する。ユーザー管理情報は不図示の外部にあるサーバで管理しても良い。その場合、認証処理部305は外部サーバに認証情報を送信し認証を行う。
【0033】
UI制御部302は、操作部I/F206を介して操作部207を制御する。具体的には、操作部207へのユーザー通知や選択肢等の表示、及び、ユーザーによる操作部207の操作を受け付け、操作内容を他の機能部に通達する。
【0034】
スキャン処理部303は読取部I/F208を介して読取部209でスキャンを実行し、読み取ったスキャン画像を記憶部308に記憶する。
【0035】
プリント処理部304は印刷部I/F210を介して印刷部211で印刷を実行する。
【0036】
通信部306はネットワークI/F205を介してネットワーク100上のクラウド102や他の機器とデータ送受信等の通信を行う。
【0037】
QRコード(登録商標)生成部307は数値やテキスト情報を所定のコードの例であるQRコードに変換する。生成されたQRコードはUI制御部302を介し操作部207に表示したり、プリント処理部304により印刷される。
【0038】
記憶部308は、他の機能部からの指示により、指定されたデータを記憶する、あるいは記憶しているデータを読み出す。本実施形態で、記憶部308は、原稿を読み取って生成された画像データやユーザー管理情報、通信部306により受信したデータ等を記憶し、管理する。
【0039】
図4は本実施形態におけるクラウド102のハードウェア構成を表すブロック図である。
【0040】
CPU401を含む制御部400は、クラウド全体の動作を制御する。
【0041】
CPU401は演算回路からなり、ROM402またはHDD404に記憶されたプログラムをRAM403に読み出し、種々の処理を実行する。
【0042】
ROM402は、サーバ102の制御に用いられるシステムプログラムなどを記憶する。
【0043】
HDD404は、種々の処理を実行するアプリケーションプログラムや画像データなどを記憶する。HDD404は記憶装置の一例であり、HDD以外にもSSDなどにより構成することができる。
【0044】
通信部I/F407は、クラウド102に種々の機器を接続するためのインターフェースである。CPU401の制御に基づいて画像処理装置101などとネットワーク100を介して通信を行う。
【0045】
この他、クラウド102は、キーボードやタッチパネル、表示部等を有していてもよい。
【0046】
図5は本実施形態におけるクラウド102のソフトウェア構成図である。記憶部506を除く各ブロックは、CPU401が、ROM402に記憶されたプログラムをRAM403に読み出して実行することによって実現される。記憶部506は、HDD404によって実現される。
【0047】
認証処理部501はクラウド102へのログイン/ログアウト要求を処理する。ユーザーからログインの認証要求を受け取ると、認証処理を行い、認証結果を返信する。
【0048】
通信部503は通信部I/F407を介してネットワーク100上の画像処理装置101や他の機器とデータ送受信等の通信を行う。通信部503は画像処理装置101からのリクエストを受け取ると、制御部502にリクエストの内容を送信する。制御部502がリクエストを処理した結果及びデータを受け取ると、通信部503は画像処理装置101にレスポンスを送信する。
【0049】
制御部502は、通信部503を介して受信したリクエストの内容に従い、画像処理装置101から受信した画像データを記憶、削除、移動、更新等の処理をファイル管理部504に指示する。またリクエスト内容が共有URL生成要求の場合、共有URL生成部505にURL生成を指示する。
【0050】
ファイル管理部504は制御部502の指示に従い、記憶部506への画像データの記憶、既に記憶された画像データの削除、移動、更新を行う。
【0051】
共有URL生成部505は記憶部506に格納されたデータのユニークなURLを生成する。
【0052】
記憶部506は、他の機能部からの指示により、指定されたデータをROM402、RAM403、HDD404に記憶する、あるいは記憶しているデータを読み出す。本実施形態では、記憶部506は通信部503を介して受信した画像データや共有URL生成部505により生成されたURL情報などを管理している。
【0053】
図6は本実施形態における操作部207のタッチパネルに表示される画像処理装置101のホーム画面600の一例である。ホーム画面600には、画像処理装置101で実行可能なファンクション(コピー、ファクス、メディアプリント、スキャンToクラウド等)のボタンが表示されている。ユーザーは任意のボタンを押下することでそれらのファンクションを選択できる。
【0054】
画像処理装置はログイン機能を有する。ログイン機能は、操作部207を介して管理者等によって有効または無効に設定される。ログイン機能が有効に設定されている場合、誰もログインしていない状態で、CPU201は、不図示のログイン画面を操作部207に表示させ、ユーザから認証情報を受付け、受け付けた認証情報に基づいてユーザーを認証する。認証に成功した場合に、ユーザを画像処理装置101にログインした状態にし、操作部207にホーム画面600を表示させる。一度にログインした状態にできる人数は1人であるものとする。別のユーザが画像処理装置101にログインする場合、先のユーザが操作部207を介してログアウト指示を行うと、先のユーザが画像処理装置101からログアウトされ、誰もログインしていない状態になる。その状態でログイン画面が操作部207に表示され、別のユーザが認証情報を入力すると、入力された認証情報に基づく認証が画像処理装置101で行われ、別のユーザがログインした状態になる。なお、操作部207のタッチパネルに表示されるソフトウェアキーボードを介してユーザが認証情報を入力することでCPU201は認証情報を取得する。また、別の方法として、ユーザがカードを操作部207のカードリーダーにかざすことによって無線通信によってCPU201がカードから取得するようにしてもよい。CPU201は、取得した認証情報を使ってユーザを認証し、認証に成功した場合、ユーザを画像処理装置101にログインした状態にする。認証を外部サーバで行う場合、画像処理装置101は、取得した認証情報を外部サーバに送信し、外部サーバで認証が行われた後、認証の結果を外部サーバから受信すればよい。
【0055】
また、ログイン機能が有効に設定されている場合、画像処理装置101は予めクラウド102に接続され、クラウド102のアクセストークンをユーザごとに記憶部308に記憶する。事前にユーザが画像処理装置101にログインし、ブラウザを用いてクラウドサーバ102にアクセスし、クラウドサーバ102にユーザ名やパスワードを入力し、クラウドサーバ102のアカウントを作成する。そして、クラウドサーバ102にアクセストークンを発行してもらい、それを画像処理装置102は受信し、ログインした状態のユーザに紐づけて記憶部308に記憶しておく。
【0056】
そして、ユーザーが画像処理装置101にログインした状態でホーム画面600のスキャンToクラウドボタンを押下すると、制御部301はスキャン処理部303にスキャン実行を指示する。スキャン実行の指示を受けるとスキャン処理部303は読取部209に原稿の読み取りを開始させる。読取部209が原稿を読み取ると原稿の画像を示す画像データが生成され、生成された画像データが記憶部308に保存される。制御部301は、記憶部308に記憶された画像データをクラウド102に送信するよう通信部306に指示する。通信部306はクラウド102に、ログインした状態のユーザのアクセストークンとともに画像データを送信する。クラウド102は、受信したアクセストークンに基づいて記憶部506の中のそのユーザーの記憶領域を特定し、特定した記憶領域に受信した画像データを記憶する。なお、アクセストークンで特定した記憶領域を画像データの格納場所とするのではなく、別の方法で格納場所を決めてもよい。例えば、スキャンtoクラウドボタンが押された後に、画像処理装置101がクラウド102と通信し、クラウド102のフォルダ階層のリストを受信し、どこのフォルダに記憶するかを選択することで画像データの格納場所を決めてもよい。
【0057】
一方、ログイン機能が無効に設定されている場合、画像処理装置101の起動後、CPU201は、ホーム画面600を操作部207に表示させる。この状態では、ログインを必要とせず、画像処理装置101に認証情報を登録していないユーザーであっても画像処理装置101を利用することができる。
【0058】
画像処理装置101が自社オフィス内にある場合、スキャンToクラウドにより送信された画像データのファイルパスは容易に特定できる。一方、シェアオフィスやコワーキングスペースに設置された画像処理装置101でスキャンToクラウドする場合、予め接続されたクラウドはシェアオフィスやコワーキングスペースを運営している会社のクラウドとなる。この場合、画像データのアップ先をシェアオフィスやコワーキングスペースユーザーが知ることは容易ではない。一方、シェアオフィスやコワーキングスペースに設置された画像処理装置101から、ユーザーが自社クラウドに接続しようとすると、複雑な手順が必要となり、またアクセスログが残るなどのセキュリティの懸念がある。
【0059】
そこで、本実施形態では、ログイン機能が無効に設定されている状態でスキャンToクラウドを実行した場合、画像データをクラウド102に送信した後、クラウド102に画像データの格納場所を示す情報を要求する。そして、その要求を受信したクラウド102は画像データの格納場所を示す情報としてURLを発行し、ユーザーに通知する。ユーザーへの通知の方法として、例えばURLを操作部207に表示してもよいし、URLを印刷してもよい。そのURLを、スマートフォンまたはPC(Personal Computer)に入力することによって、クラウド102に格納された画像データを容易にダウンロードすることができる。また、URLをQRコードに変換して表示してもよい。それによって、表示されたQRコードをスマートフォンのカメラで撮影することでクラウド102に格納された画像データをスマートフォンに容易にダウンロードすることができる。また、URLをQRコードに変換してシートに印刷してもよい。シートに印刷されたQRコードをスマートフォンのカメラで撮影することでクラウド102に格納された画像データをスマートフォンに容易にダウンロードすることができる。また、クラウド102への送信が成功した後、ユーザーからメールアドレスの入力を受付け、受け付けたメールアドレスにそのURLを含むメールを送信してもよい。そのメールを受信したスマートフォンまたはPCでユーザーは容易にクラウド102に格納された画像データをダウンロードすることができる。
【0060】
このように、本実施形態によれば、ユーザーは、画像処理装置101にログインしない状態で原稿を読み取って画像データをクラウド102に送信した場合に、自分のPCやスマートフォンを使って容易にその画像データをダウンロードすることができる。
【0061】
図7は、ログイン機能が無効になっている状態でシェアオフィスやコワーキングスペースに設置された画像処理装置101からスキャンToクラウドの実行を指示した際の画像処理装置101とクラウド102間のシーケンスの一例である。このシーケンスでは共有URLをQRコード化し印刷する例について説明する。
図7のフローチャートに示す画像処理装置101の処理は、画像処理装置101のCPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することによって実現される。また、
図7のフローチャートに示すクラウド102の処理は、クラウド102のCPU401がROM402に記憶されたプログラムをRAM403に読み出して実行することによって実現される。
【0062】
S701で、ユーザーは画像処理装置101に起動指示を行い、ユーザーが画像処理装置101を起動させる。この起動は省電力状態からの復帰指示であってもよい。
【0063】
図7の例ではログイン機能が無効になっており、シェアオフィスやコワーキングスペースのユーザーは画像処理装置101に登録されていないため、CPU201は、操作部207にホーム画面600を表示させる。
【0064】
S703で、ユーザーは原稿を読取部209の原稿台または自動原稿搬送装置にセットし、ホーム画面600のスキャンToクラウドボタンを押下する。
【0065】
S704で、CPU201は、読取部209に原稿の画像を読み取らせる。S705で、読取部209は原稿を読み取って画像データを生成する。CPU201は、読取部209によって生成された画像データを読取部209から受け取り、ストレージ204に記憶する。
【0066】
S706で、CPU201は、ストレージ204に記憶された画像データをクラウド102に送信するよう通信部306を制御する。通信部306は、クラウド102に接続するために、予めゲスト用にストレージ204に登録されたアクセストークンを用いて、S705で生成された画像データとをクラウド102に送信する。
【0067】
クラウド102は通信部503を介し、画像処理装置101から画像データを受信する。S707で、クラウド102のCPU401は、受信した画像データをHDD404に記憶するようファイル管理部504に指示する。ファイル管理部504はHDD404に画像データを記憶する。S708で、CPU401は、HDD404に画像データが記憶されたことを示す情報と、S707で記憶した画像データの格納場所を示すファイルパスを、通信部503を介して画像処理装置101に送信する。
【0068】
画像処理装置101は、画像データが記憶されたことを示す情報とファイルパスを通信部306を介して受信する。
【0069】
S709で、CPU201は、その画像データをダウンロードするためのURL(共有URLともいう)の生成要求と、ファイルパスと、共有URL生成用の設定情報をクラウド102に送信する送信処理を実行する。設定情報は、例えば、共有URLの有効期限である。この有効期限が切れると、この共有URLを用いたアクセスができなくなる。この有効期限は、予め画像処理装置101に設定された固定の期間であってもよいし、ユーザーがスキャンtoクラウドボタンを押下したことに応じて表示される画面を介して入力するようにしてもよい。また、このような有効期限を設定しないようにしてもよい。また、設定情報の他の例はパスワードである。共有URLに対するアクセスがあったときにパスワードの入力をクラウド102から、共有URLを用いてアクセスしてきたユーザーに要求し、正しいパスワードが送信されたらCPU401はアクセスを許可する。正しいパスワードが送信されてこなかったらCPU401はアクセスを禁止する。このパスワードも、ユーザーがスキャンtoクラウドボタンを押下したことに応じて表示される画面を介して入力するようにすればよい。このようなパスワードは設定情報に含まれなくてもよい。
【0070】
クラウド102のCPU401は通信部503を介し、画像処理装置101から共有URLの生成要求とファイルパスと設定情報を受信する。
【0071】
S710で、CPU401は、受信したファイルパスに基づいて、ストレージ404に記憶されている画像データを特定し、その画像データをダウンロードするための共有URLを生成する。
【0072】
S711で、CPU401は、生成された共有URLを、通信部503を介し画像処理装置101に送信する。
【0073】
画像処理装置101のCPU201は、通信部306を介して共有URLを受信する。
【0074】
S712で、CPU201は、QRコード生成部307によって共有URLをQRコードに変換する。
【0075】
S713で、CPU201は、S712における変換によって得られたQRコードをシートに印刷するよう印刷部211に指示する。印刷部211は、印刷するよう指示されたQRコードをシートに印刷する。
【0076】
図8は、
図7のS709で、画像処理装置101がクラウド102に共有URL生成要求を送信する際のプログラムのサンプルである。本実施形態ではクラウドの一例としてDropbox(登録商標)を例に説明する。
【0077】
801は予め記憶部308に記憶されたクラウド102に接続するためのアクセストークンである。
【0078】
802は画像データが記憶された場所を示すクラウド上のファイルパスを指定している。本実施形態ではimagesというフォルダの下にscan001.jpgというファイル名で記憶されていることを示している。ファイルの記憶先や、ファイルのファイル名は予め決められたルールに従ってクラウド102のCPU401で決められる。しかしながら、本発明は、これに限られない。ファイルの記憶先や、ファイルのファイル名は画像処理装置101が操作部207の画面を介してユーザーが指定したものであってもよい。また、ファイルの記憶先は、画像処理装置101がクラウド102から取得したフォルダの階層を表示し、その階層からユーザーが階層を選択することによって決まる構成でもよい。
【0079】
803ではスキャン実行により得られた画像データ(scan_file)を指定してクラウドへアップロードするためのAPI(Application Programming Interface)を呼び出している。
【0080】
804では共有URL生成時に指定するパラメータを設定している。生成した共有URLはログイン不要で誰でもアクセスできるURLであることを指定している。
【0081】
805では804で指定したパラメータで共有URLを生成するAPIを呼び出している。
【0082】
図9は本実施形態における画像処理装置101でスキャンToクラウドが実行された場合の画像処理装置101のフローチャートの一例である。
図9のフローチャートに示す画像処理装置101の処理は、画像処理装置101のCPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することによって実現される。
【0083】
画像処理装置101が起動した後、S901で、CPU201は、操作部207にホーム画面600を表示させる。
【0084】
S902で、ユーザーがホーム画面600上に表示されたスキャンToクラウドボタンを押下することで、CPU201は、スキャンToクラウド実行要求を受け付ける。
【0085】
S903で、CPU201は、読取部I/F206を介して読取部207に読み取りの実行指示を発行し、読取部207に原稿を読み取らせる。
【0086】
S904で、CPU201は、読取部207によって読み取られた原稿の画像を示す画像データをストレージ204に記憶する。
【0087】
S905で、CPU201は、ストレージに記憶された画像データをクラウド102に送信するアップロード処理(送信処理)を実行する。
【0088】
S906で、CPU201は、ネットワークI/F205を介して、クラウド102から画像データのアップロード(送信)が成功したか失敗したかを示す情報と、画像データを格納した場所を示すフォルダパスを受信する。
【0089】
S907で、CPU201は、S906で受信した情報に基づいて、画像データのアップロードに成功したか失敗したかを判定する。アップロードに失敗したと判定した場合、CPU201は、S908に処理を進め、画像データのアップロードに失敗したことを示すエラーMsg(メッセージ)を操作部207に表示させ、
図9のフローチャートに示す処理を終了する。
【0090】
画像データのアップロードに成功したと判定した場合、CPU201はS909に処理を進める。S909で、CPU201は、アップロードした画像データをダウンロードするための共有URLの生成要求と、S906で受信したフォルダパスと、設定情報とをクラウド102に送信する送信処理を実行する。
【0091】
S910で、CPU201は、S909で送信した生成要求に応じてクラウド102から送信された共有URL生成の生成結果を受け取る。
【0092】
S911で、CPU201は、共有URLの生成に成功したか、失敗したかを判断する。共有URLの生成に失敗したと判断した場合、S912で、CPU201は、共有URLの生成に失敗したことを示すエラーMsgを操作部207に表示させ、
図9のフローチャートに示す処理を終了する。
【0093】
S911で、共有URLの生成に成功したと判断した場合、S913で、CPU201は、QRコード生成部307に受信した共有URLのQRコード化を指示する。
【0094】
S914で、CPU201は、共有URLコード生成部307が生成したQRコードを印刷部211に印刷するよう指示する。印刷部211は、印刷するよう指示されたQRコードをシートに印刷する。
【0095】
図10は画像処理装置101でスキャンToクラウドが実行された場合のクラウド102のフローの一例である。
図10のフローチャートに示す処理は、クラウド102のCPU401がROM402に記憶されたプログラムをRAM403に読み出して実行することによって実現される。
【0096】
S1001で、CPU401は、画像処理装置101から画像データアップロードの要求を受け付ける。
【0097】
S1002で、CPU401は、ファイル管理部504に指定されたパラメータに従い、受信した画像データのHDD404に記憶する。
【0098】
S1003で、CPU401は、HDD404への画像データの記憶が成功したか否か(クラウド102へのアップロードが成功したか否か)を判定する。
【0099】
HDD404への画像データの記憶が成功したと判定すると、S1004で、CPU401は、画像処理装置101に画像データのアップロードが成功したことを示す情報を通知する。
【0100】
HDD404への画像データの記憶が失敗した場合、S1005で、CPU401は、画像処理装置101に画像データのアップロードが失敗したことを示す情報を通知する。
【0101】
S1006で、CPU201は、画像処理装置101から共有URLの生成要求を受け付ける。
【0102】
S1007で、CPU201は、記憶された画像データをダウンロードするための共有URLを生成する。
【0103】
S1008で、CPU201は、共有URLの生成が成功したか否かを判定する。共有URLの生成が成功したと判定した場合、CPU201はS1009に処理を進め、共有URLの生成が失敗したと判定した場合、CPU201はS1010に処理を進める。
【0104】
S1009で、CPU201は、生成した共有URLを画像処理装置101に送信する送信処理を実行する。
【0105】
一方、共有URLの生成に失敗したと判定した場合、S1010で、CPU201は、共有URL生成失敗を画像処理装置101に通知する。
【0106】
その後、クラウド102は、URLに基づく画像データのダウンロード要求を受け付けると、URLで示される場所に格納された画像データをダウンロード要求を送信した装置に送信する。その装置は、送信された画像データを記憶し、記憶された画像データをブラウザで表示したり、保存したりすることができる。
【0107】
以上のような制御を行うことによって、原稿を読み取って生成し、クラウドサーバに送信した画像データをクラウドサーバのアカウントがなくても容易に他の装置で受け取ることができる。特に、シェアオフィスやコワーキングスペースのユーザーは設置された画像処理装置101で原稿を読み取って生成した画像データを、クラウド102によって生成されたURLによってユーザーはその画像データを容易に入手することができる。
【0108】
また、画像処理装置101に誰もログインしていない状態で原稿の読取指示を受付けた場合、共有URLの生成を別途指示しなくても、クラウド102に共有URLを生成するよう要求することができる。一方、誰かがログインしているときには画像処理装置101は共有URLの生成をクラウド102に要求しない。それによって、後から容易に自分のクラウドサーバにアクセスし、画像データを入手できるような場合には、共有URLが無駄に生成されてしまうことを防ぐことができる。
【0109】
(その他の実施例)
本実施形態では、画像処理装置101のログイン機能が無効になっている状態でスキャンtoクラウドを実行するときに、
図7に示す処理を実行する例を説明した。しかしながら、本発明はこれに限られない。ログイン機能が有効になっているが、誰も画像処理装置101にログインしていない状態でスキャンtoクラウド機能の利用をできるようにし、そのときに
図7に示す処理を実行してもよい。具体的に、ログイン機能が有効に設定されている場合、CPU201は、誰もログインしていなくても、
図6のホーム画面601を操作部207に表示させる。その状態で、ゲストユーザがホーム画面601のスキャンtoクラウドボタンを操作し、原稿の画像の読み取りと、読み取って生成された画像データのクラウド102への送信を可能にする。そして、このときに、
図7に示す処理を実行する。一方、
図6のホーム画面201が操作部207に表示された状態で不図示の認証画面呼出しボタンの選択によって認証画面を操作部207に表示させ、ユーザーから認証情報を受付け、受け付けた認証情報に基づいてユーザーを認証することもできる。認証に成功した場合に、ユーザーを画像処理装置101にログインした状態にする。一度にログインした状態にできる人数は1人であるものとする。別のユーザーが画像処理装置101にログインする場合、先のユーザーがログアウト指示を操作部207を介して行うと、先のユーザーが画像処理装置101からログアウトされ、誰もログインしていない状態になる。その状態で認証画面呼出しボタンによって認証画面を操作部207に表示させ、別のユーザーが認証情報を入力すると、入力された認証情報に基づく認証が画像処理装置101で行われ、別のユーザーがログインした状態になる。なお、操作部207のタッチパネルに表示されるソフトウェアキーボードを介してユーザーが認証情報を入力することでCPU201は認証情報を取得する。また、別の方法として、ユーザーがカードを操作部207のカードリーダーにかざすことによって無線通信によってCPU201がカードから取得するようにしてもよい。CPU201は、取得した認証情報を使ってユーザーを認証し、認証に成功した場合、ユーザーを画像処理装置101にログインした状態にする。認証を外部サーバで行う場合、画像処理装置101は、取得した認証情報を外部サーバに送信し、外部サーバで認証が行われた後、認証の結果を外部サーバから受信すればよい。このとき、
図7に示すS709以降の処理を行わないようにしてもよい。このとき、S708で、ファイルパスは送信されないようにしてもよい。
【0110】
また共有URL生成をクラウド102に生成させるか否かを、画像処理装置102の設定として記憶できてもよい。
【0111】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0112】
101 画像処理装置
102 クラウド
301 制御部
306 通信部
502 制御部
505 共有URL生成部