(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】ズームレンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 15/16 20060101AFI20240909BHJP
【FI】
G02B15/16
(21)【出願番号】P 2020170344
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】須藤 健太
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-108702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群および正の屈折力の第2レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第1レンズ群は2つの接合レンズを有し、該2つの接合レンズはそれぞれ正レンズを含み、
前記2つの接合レンズに含まれている正レンズの平均屈折率をNd1pとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし
、前記第1レンズ群の光軸上における長さを1Gtとして、
1.80<Nd1p<2.15
-1.7<f1/f2<-0.9
0.40<|1Gt/f1|<0.90
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記2つの接合レンズのうち少なくとも1つは、負の屈折力を有し、
前記負の屈折力の接合レンズのうち最も屈折力が強い接合レンズの焦点距離をf1aとして、
0.50<f1a/f1<3.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項
1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの広角端での長さをTLwとし、前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの望遠端での長さをTLtとし、望遠端での前記ズームレンズの焦点距離をftとして、
0≦|TLw-TLt|/ft<0.30
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1
または2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの広角端での長さをTLwとし、広角端から望遠端へのズーミングにおける前記第2レンズ群の移動量をM2として、
0.28<M2/TLw<0.52
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第2レンズ群に含まれている正レンズの平均アッベ数をνd2pとして、
35<νd2p<60
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
広角端でのバックフォーカスをbfwとして、
0.30<bfw/f2<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記ズームレンズは、前記第1レンズ群および前記第2レンズ群からなり、
広角端から望遠端へのズーミングにおいて、前記第2レンズ群は像側から物体側へ単調に移動し、前記第1レンズ群は像側へ移動した後に物体側へ移動することを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記第2レンズ群の像側に配置された正の第3レンズ群を有し、
広角端から望遠端へのズーミングにおいて、前記第2レンズ群は像側から物体側へ単調に移動し、前記第1レンズ群は像側へ移動した後に物体側へ移動し、前記第3レンズ群は移動しないことを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項9】
開口絞りを有し、
広角端から望遠端へのズーミングにおいて、前記開口絞りは前記第2レンズ群と共に移動することを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群および正の屈折力の第2レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第1レンズ群は2つの接合レンズを有し、該2つの接合レンズはそれぞれ正レンズを含み、
前記2つの接合レンズに含まれている正レンズの平均屈折率をNd1pとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの広角端での長さをTLwとし、広角端から望遠端へのズーミングにおける前記第2レンズ群の移動量をM2として、
1.80<Nd1p<2.15
-1.7<f1/f2<-0.9
0.28<M2/TLw<0.52
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項11】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群および正の屈折力の第2レンズ群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第1レンズ群は2つの接合レンズを有し、該2つの接合レンズはそれぞれ正レンズを含み、
広角端から望遠端へのズーミングにおいて、前記第2レンズ群は像側から物体側へ単調に移動し、前記第1レンズ群は像側へ移動した後に物体側へ移動し、
前記2つの接合レンズに含まれている正レンズの平均屈折率をNd1pとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2として、
1.80<Nd1p<2.15
-1.7<f1/f2<-0.9
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項12】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群および正の屈折力の第2レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第1レンズ群は2つの接合レンズを有し、該2つの接合レンズはそれぞれ正レンズを含み、
前記第2レンズ群の像側に配置された正の第3レンズ群を有し、
広角端から望遠端へのズーミングにおいて、前記第2レンズ群は像側から物体側へ単調に移動し、前記第1レンズ群は像側へ移動した後に物体側へ移動し、前記第3レンズ群は固定され、
前記2つの接合レンズに含まれている正レンズの平均屈折率をNd1pとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2として、
1.80<Nd1p<2.15
-1.7<f1/f2<-0.9
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項13】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群および正の屈折力の第2レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
開口絞りを有し、
広角端から望遠端へのズーミングにおいて、前記開口絞りは前記第2レンズ群と共に移動し、
前記第1レンズ群は2つの接合レンズを有し、該2つの接合レンズはそれぞれ正レンズを含み、
前記2つの接合レンズに含まれている正レンズの平均屈折率をNd1pとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2として、
1.80<Nd1p<2.15
-1.7<f1/f2<-0.9
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項14】
請求項1乃至1
3のいずれか一項に記載のズームレンズと、
前記ズームレンズにより形成された像を撮る撮像素子と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、監視カメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、又は放送用カメラに用いられるズームレンズにおいて、撮像素子の高精細化に対応可能な高い光学性能を有することが要求されている。特に、監視カメラは、設置の容易性や目立ちにくさの観点から小型化が要求され、また、広角端において広い範囲を撮影可能であることが要求されている。さらには、監視カメラは、可視域に加えて近赤外域の波長を考慮して像の中心から周辺まで色収差が十分に補正されていることが要求されている。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、ズーミングにおいて負の第1レンズ群と正の第2レンズ群とが移動するネガティブリード型のズームレンズが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-215453号公報
【文献】特開2016-62053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたズームレンズでは、小型と広角との両立が難しい。特許文献2に開示されたズームレンズでは、小型と倍率色収差補正との両立が難しい。
【0006】
本発明は、例えば、小型、広角、高い光学性能の点で有利なズームレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群および正の屈折力の第2レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、前記第1レンズ群は2つの接合レンズを有し、該2つの接合レンズはそれぞれ正レンズを含み、前記2つの接合レンズに含まれている正レンズの平均屈折率Nd1p、前記第1レンズ群の焦点距離f1、および前記第2レンズ群の焦点距離f2、前記第1レンズ群の光軸上における長さを1Gtは、所定の条件式を満足する。
【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、例えば、小型、広角、高い光学性能の点で有利なズームレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1における広角端でのレンズ断面および移動軌跡を示す図である。
【
図2】実施例1における広角端、中間ズーム位置、望遠端での諸収差図である。
【
図3】実施例2における広角端でのレンズ断面および移動軌跡を示す図である。
【
図4】実施例2における広角端、中間ズーム位置、望遠端での諸収差図である。
【
図5】実施例3における広角端でのレンズ断面および移動軌跡を示す図である。
【
図6】実施例3における広角端、中間ズーム位置、望遠端での諸収差図である。
【
図7】実施例4における広角端でのレンズ断面および移動軌跡を示す図である。
【
図8】実施例4における広角端、中間ズーム位置、望遠端での諸収差図である。
【
図9】実施例5における広角端でのレンズ断面および移動軌跡を示す図である。
【
図10】実施例5における広角端、中間ズーム位置、望遠端での諸収差図である。
【
図11】各実施例における撮像装置の構成図である。
【
図12】各実施例における撮像装置の構成図である。
【
図13】各実施例における撮像装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
各実施例のズームレンズは、小型かつ広角でありながら、倍率色収差が良好に補正された高い光学性能を有するズームレンズである。各実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に、負の第1レンズ群L1および正の第2レンズ群L2を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。第1レンズ群L1は2つの接合レンズを有し、2つの接合レンズはそれぞれ正レンズを含む。また、第1レンズ群L2の2つの接合レンズに含まれている正レンズの平均屈折率をNd1p、第1レンズ群L1の焦点距離をf1、第2レンズ群L2の焦点距離をf2として、以下の条件式(1)、(2)を満足する。
【0013】
1.80<Nd1p<2.15 ・・・(1)
-1.7<f1/f2<-0.9 ・・・(2)
各実施例のズームレンズは、小型で広角なズームレンズを得るため、ズーミングに際して負の第1レンズ群L1と正の第2レンズ群L2とが移動するネガティブリード型である。負の第1レンズ群L1は、少なくとも2枚の正レンズを有し、正レンズを含む接合レンズを少なくとも2組以上有することで、倍率色収差を良好に補正するとともに、小型化に有利な構成となっている。
【0014】
条件式(1)は、第1レンズ群L1が有する正レンズの平均屈折率Nd1pの取るべき範囲を規定している。条件式(1)の上限値を上回って平均屈折率Nd1pが大きくなると、選択可能なレンズ材料が少なくなり好ましくない。一方、条件式(1)の下限値を下回って平均屈折率Nd1pが小さくなると、第1レンズ群L1に含まれる正レンズの曲率が大きくなり、正レンズおよび正レンズを含む接合レンズが大型化するため好ましくない。
【0015】
条件式(2)は、第1レンズ群L1の焦点距離f1と、第2レンズ群L2の焦点距離f2との比を規定している。条件式(2)の上限値を上回って第2レンズ群L2の屈折力に対する第1レンズ群L1の屈折力が強くなると、倍率色収差が劣化するため好ましくない。一方、条件式(2)の下限値を下回って第2レンズ群L2の屈折力に対する第1レンズ群L1の屈折力が弱くなると、高変倍比化のために第2レンズ群L2の屈折力が強まり、小型化と広角化との両立が困難となるため好ましくない。
【0016】
各実施例において、第1レンズ群L1の光軸上における長さを1Gtとして、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0017】
0.40<|1Gt/f1|<0.90 ・・・(3)
条件式(3)は、第1レンズ群L1の長さ1Gtと、第1レンズ群L1の焦点距離f1との比を規定している。長さ1Gtは、第1レンズ群L1における最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの距離である。条件式(3)の上限値を上回って第1レンズ群L1の屈折力に対する第1レンズ群L1の長さ1Gtが大きくなると、ズームレンズ(レンズ全系)の小型化が困難となるため好ましくない。一方、条件式(3)の下限値を下回って第1レンズ群L1の屈折力に対する第1レンズ群L1の長さ1Gtが小さくなると、第1レンズ群L1内において適切なレンズの曲率と間隔を取ることができず、倍率色収差の補正が困難となるため好ましくない。
【0018】
各実施例において、第1レンズ群L1の2つの接合レンズのうち少なくとも1つは、負の屈折力を有し、負の屈折力の接合レンズのうち最も屈折力が強い接合レンズの焦点距離をf1aとして、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0019】
0.50<f1a/f1<3.50 ・・・(4)
条件式(4)は、負の屈折力の接合レンズのうち最も屈折力の絶対値が大きい接合レンズの焦点距離f1aと、第1レンズ群L1の焦点距離f1との比を規定している。条件式(4)の上限値を上回って第1レンズ群L1の焦点距離f1に対する負の屈折力の接合レンズのうち最も屈折力が強い接合レンズの焦点距離f1aが大きくなると、広角化が困難となるため好ましくない。一方、条件式(4)の下限値を下回って第1レンズ群L1の焦点距離f1に対する負の屈折力の接合レンズのうち最も屈折力が強い接合レンズの焦点距離f1aが小さくなると、倍率色収差の補正が困難となるため好ましくない。
【0020】
各実施例において、ズームレンズの最も物体側の面から像面までの広角端での長さをTLw、ズームレンズの最も物体側の面から像面までの望遠端での長さをTLt、望遠端でのズームレンズの焦点距離をftとして、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0021】
0≦|TLw-TLt|/ft<0.30 ・・・(5)
条件式(5)は、広角端での長さTLwと望遠端での長さTLtとの差と、望遠端でのズームレンズの焦点距離ftとの比を規定している。条件式(5)の上限値を上回って望遠端でのズームレンズの焦点距離ftに対する広角端での長さTLwと望遠端での長さTLtの差が大きくなると、ズーム全域におけるズームレンズの小型化が困難となるため好ましくない。
【0022】
各実施例において、広角端から望遠端への第2レンズ群L2の移動量(最大移動量)をM2として、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
【0023】
0.28<M2/TLw<0.52 ・・・(6)
条件式(6)は、第2レンズ群L2の移動量M2と、広角端での長さTLwとの比を規定している。条件式(6)の上限値を上回って広角端での長さTLwに対する第2レンズ群L2の移動量M2が大きくなると、ズームレンズの小型化が困難となるため好ましくない。一方、条件式(6)の下限値を下回って広角端での長さTL2に対する第2レンズ群L2の移動量M2が小さくなると、ズーム比を維持するために第2レンズ群L2の屈折力が大きくなり、倍率色収差の変動が大きくなるため好ましくない。
【0024】
各実施例において、第2レンズ群L2は少なくとも1枚の正レンズをし、第2レンズ群L2における正レンズの平均アッベ数をνd2pとして、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
【0025】
35<νd2p<60 ・・・(7)
条件式(7)は、第2レンズ群L2における正レンズの平均アッベ数νd2pの取るべき範囲を規定している。条件式(7)の上限値を上回って第2レンズ群L2における正レンズの平均アッベ数νd2pが大きくなると、ズーム全域で倍率色収差の補正が過剰となるため好ましくない。一方、条件式(7)の下限値を下回って第2レンズ群L2における正レンズの平均アッベ数νd2pが小さくなると、ズーム全域で倍率色収差の補正が不足するため好ましくない。
【0026】
各実施例において、最も像側のレンズ面から像面までをバックフォーカスと定義し、広角端でのバックフォーカスをbfwとして、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
【0027】
0.30<bfw/f2<0.50 ・・・(8)
条件式(8)は、広角端でのバックフォーカスbfwと、第2レンズ群L2の焦点距離f2との比を規定している。条件式(8)の上限値を上回って第2レンズ群L2の焦点距離f2に対する広角端でのバックフォーカスbfwが大きくなると、ズームレンズの小型化が困難となるため好ましくない。一方、条件式(8)の下限値を上回って第2レンズ群L2の焦点距離f2に対する広角端でのバックフォーカスbfwが小さくなると、第1レンズ群L1の屈折力が弱まり、広角化が困難となるため好ましくない。
【0028】
各実施例のズームレンズは、第1レンズ群L1および第2レンズ群L2からなり、広角端から望遠端へのズーミングにおいて、第2レンズ群L2は像側から物体側へ単調に移動し、第1レンズ群L1は像側へ移動した後に物体側へ移動することが好ましい。また各実施例のズームレンズは、第2レンズ群の像側に配置された正の第3レンズ群L3を有していてもよい。このとき、広角端から望遠端へのズーミングにおいて、第2レンズ群L2は像側から物体側へ単調に移動し、第1レンズ群L1は像側へ移動した後に物体側へ移動し、第3レンズ群L3は移動しない(固定されている)ことが好ましい。また各実施例のズームレンズは、開口絞りSPを有していてもよい。このとき、広角端から望遠端へのズーミングにおいて、開口絞りSPは第2レンズ群L2と共に(第2レンズ群L2と一体的に)移動する。
【0029】
各実施例において、より好ましくは、条件式(1)~(8)の数値範囲をそれぞれ以下の条件式(1a)~(8a)のように設定する。
【0030】
1.81<Nd1p<2.11 ・・・(1a)
-1.6<f1/f2<-1.0 ・・・(2a)
0.45<|1Gt/f1|<0.85 ・・・(3a)
0.58<f1a/f1<3.30 ・・・(4a)
0≦|TLw-TLt|/ft<0.23 ・・・(5a)
0.31<M2/TLw<0.48 ・・・(6a)
40<νd2p<58 ・・・(7a)
0.33<bfw/f2<0.48 ・・・(8a)
各実施例において、さらに好ましくは、条件式(1a)~(8a)の数値範囲をそれぞれ以下の条件式(1b)~(8b)のように設定する。
【0031】
1.82<Nd1p<2.07 ・・・(1b)
-1.5<f1/f2<-1.1 ・・・(2b)
0.50<|1Gt/f1|<0.80 ・・・(3b)
0.66<f1a/f1<3.10 ・・・(4b)
0≦|TLw-TLt|/ft<0.16 ・・・(5b)
0.34<M2/TLw<0.44 ・・・(6b)
45<νd2p<56 ・・・(7b)
0.36<bfw/f2<0.46 ・・・(8b)
各実施例によれば、以上のように各要素を構成することにより、小型で広角としながら、倍率色収差が良好に補正された高い光学性能を有するズームレンズを得られる。また、前述の各条件式を任意に複数組み合わせることにより、本発明の効果をさらに高めることができる。
【0032】
各実施例のズームレンズは、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、銀塩フィルムカメラ、テレビカメラ、監視カメラ等の撮像装置に用いられる撮像レンズ系である。
図1、
図3、
図5、
図7、
図9は、実施例1~5のそれぞれの広角端でのレンズ断面および移動軌跡を示す図である。各図において、左側が物体側で右側が像側である。L1は負の屈折力の第1レンズ群、L2は正の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群である。
【0033】
各実施例において、第1レンズ群L1は負レンズと正レンズとからなる接合レンズを2組有する構成である。実施例1~3において、第1レンズ群L1は負レンズと正レンズによる接合レンズ2組のみからなる構成としている。実施例4、5において、第1レンズ群L1は負レンズと正レンズとによる接合レンズ2組に加え、単負レンズ1枚を有する構成としている。
【0034】
各図において、Pは光学フィルター、フェースプレート、ローパスフィルター、または赤外カットフィルターなどに相当する光学ブロックである。SPは開口絞りである。Iは像面である。デジタルスチルカメラやビデオカメラの撮像光学系としてズームレンズを使用する際には、像面IはCCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子(光電変換素子)に相当する。銀塩フィルムカメラの撮像光学系としてズームレンズを使用する際には、像面Iはフィルム面に相当する。各図中の矢印は、ズーミングに際して各レンズ群の移動軌跡を示している。
【0035】
各実施例において、開口絞りSPは、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間、または第2レンズ群L2の最も物体側に配置されている。開口絞りSPの開口径は、ズーミングに際して一定としてもよく、または変化させてもよい。開口絞りSPの径を変化させることで、望遠端において大きく発生する軸外光束による下線コマフレアをカットすることができ、より良好な光学性能を得ることができる。
【0036】
フォーカシングに関しては、第1レンズ群L1が光軸OA上を移動することで行う。各図中に描かれた第1レンズ群L1についての移動軌跡のうち、実線で描かれた曲線は無限遠物体にフォーカスしているときの、広角端から望遠端へのズーミングに伴う像面変動を補正するための移動軌跡を示す。また、点線で描かれた曲線は、近距離物体にフォーカスしているときの、広角端から望遠端へのズーミングに伴う像面変動を補正するための移動軌跡を示す。各実施例において、フォーカシングは第1レンズ群L1ではなく、第2レンズ群L2を光軸OA上に移動させて行ってもよい。
【0037】
実施例1、2(
図1、
図3)のズームレンズ1a、1bにおいて、第1レンズ群L1はレンズG11、G12、G13、G14からなり、第2レンズ群L2はレンズG21、G22、G23、G24、G25からなり、第3レンズ群L3はレンズL31からなる。またズームレンズ1a、1bにおいて、第1レンズ群L1は、正のレンズG11と負のレンズG12との接合レンズ、および負のレンズG13と正のレンズG14との接合レンズのみからなる。
【0038】
実施例3(
図5)のズームレンズ1cにおいて、第1レンズ群L1はレンズG11、G12、G13、G14からなり、第2レンズ群L2はレンズG21、G22、G23、G24、G25、G26からなる。またズームレンズ1cにおいて、第1レンズ群L1は、負のレンズG11と正のレンズG12との接合レンズ、および負のレンズG13と正のレンズG14との接合レンズのみからなる。
【0039】
実施例4(
図7)のズームレンズ1dにおいて、第1レンズ群L1はレンズG11、G12、G13、G14、G15からなり、第2レンズ群L2はレンズG21、G22、G23、G24、G25、G26からなる。またズームレンズ1dにおいて、第1レンズ群L1は、負のレンズG11と、負のレンズG12と正のレンズG13との接合レンズ、および負のレンズG14と正のレンズG15との接合レンズからなる。
【0040】
実施例5(
図9)のズームレンズ1eにおいて、第1レンズ群L1はレンズG11、G12、G13、G14、G15からなり、第2レンズ群L2はレンズG21、G22、G23、G24、G25からなり、第3レンズ群L3はレンズG31からなる。またズームレンズ1eにおいて、第1レンズ群L1は、正のレンズG11と負のレンズG12との接合レンズ、負のレンズG13、および負のレンズG14と正のレンズG15との接合レンズからなる。
【0041】
図2、
図4、
図6、
図8、
図10はそれぞれ、実施例1~5における(A)広角端、(B)中間ズーム位置、(C)望遠端での諸収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーである。また、実線はd線(波長587.56nm)、二点鎖線はg線(波長435.84nm)、一点鎖線はC線(656.27nm)、破線はF線(波長486.13nm)、点線は波長850nmをそれぞれ示している。非点収差図において、実線はd線におけるサジタル像面、点線はメリディオナル像面である。歪曲収差はd線について示している。倍率色収差図において、d線に対するg線、C線、F線、波長850nmのそれぞれの収差を示している。ωは撮像半画角である。
【0042】
次に、実施例1~5にそれぞれ対応する数値実施例1~5を示す。各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表している。ただし、mは光入射側(物体側)から数えた面の番号である。各数値実施例において、最後の2つの面は、フィルター、フェースプレート等の光学ブロックの面である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のd線を基準としたアッベ数を表している。なお、各実施例で用いられる光学材料のアッベ数νdは、フラウンフォーファ線のF線(486.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)に対する屈折率をそれぞれnF、nd、nCとするとき、以下の式で表される。
【0043】
νd=(nd-1)/(nF-nC)
また各数値実施例において、d、焦点距離f(mm)、FナンバーFno、半画角(度)は全て各実施例のズームレンズが無限遠物体に焦点を合わせた時の値である。BF(バックフォーカス)は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。レンズ全長は、ズームレンズの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。レンズ群は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。また、第i面と第i+1面との間に光学部材を有する単レンズについて、d線における焦点距離を示している。
【0044】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、kを円錐定数(離心率)、A4、A6、A8、A10を各次数の非球面係数とするとき、非球面形状は、以下の式(A)で表される。
【0045】
x=(h2/R)/[1+{1-(1+k)(h/R)2}1/2]+A4h4+A6h6+A8h8+A10h10 ・・・(A)
なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。
【0046】
前述の各条件式と各数値実施例における諸数値との関係を表1に示す。
【0047】
<数値実施例1>
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd
1 -122.971 1.28 2.05090 26.9
2 -28.596 0.60 1.88202 37.2
3* 11.584 2.34
4 -35.401 0.45 1.49700 81.5
5 8.913 1.95 2.05090 26.9
6 22.143 (可変)
7(絞り) ∞ 0.30
8* 10.057 1.70 1.69350 53.2
9* 18.337 0.15
10 7.324 3.59 1.49700 81.5
11 -6.912 0.16
12 -25.494 0.45 1.92286 18.9
13 32.635 1.64
14 13.158 2.74 1.85478 24.8
15 -401.405 0.97
16 -4.552 0.45 1.90366 31.3
17 -13.043 (可変)
18 32.993 1.08 1.95906 17.5
19 -118.561 0.90
20 ∞ 0.50 1.52000 61.4
21 ∞ 2.12
像面 ∞
非球面データ
第3面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.41581e-004 A 6= 3.63957e-007 A 8= 5.61312e-008 A10=-1.34655e-010
第8面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.57301e-004 A 6=-2.56965e-005 A 8=-1.44572e-006 A10= 1.59999e-008
第9面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.93148e-005 A 6= 1.13199e-006 A 8=-2.68201e-006 A10= 1.77107e-007
各種データ
ズーム比 4.90
広角 中間 望遠
焦点距離 4.92 14.52 24.12
Fナンバー 2.10 3.70 5.30
半画角 42.5 12.6 7.57
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 39.42 34.37 39.43
BF 2.12 2.12 2.12
d 6 15.65 2.94 0.35
d17 0.40 8.05 15.70
d21 2.12 2.12 2.12
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -12.67
2 7 8.68
3 18 27.01
接合レンズデータ
始面 終面 焦点距離
1 3 -12.62
4 6 346.32
<数値実施例2>
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd
1 -47.768 1.63 2.00100 29.1
2 -17.897 0.60 1.90525 35.0
3 9.046 2.08
4 -150.026 0.45 1.49700 81.5
5 9.573 2.09 2.05090 26.9
6 42.132 (可変)
7(絞り) ∞ 0.30
8* 10.408 1.70 1.69350 53.2
9* 16.897 0.15
10 7.844 3.78 1.49700 81.5
11 -6.110 0.28
12 -9.386 0.45 1.95906 17.5
13 -14.553 1.69
14 74.300 3.18 1.85025 30.1
15 -19.106 0.72
16 -4.859 0.45 1.90366 31.3
17 -29.600 (可変)
18 34.035 1.11 1.92286 18.9
19 -70.152 0.90
20 ∞ 0.50 1.52000 61.4
21 ∞ 2.13
像面 ∞
非球面データ
第8面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.91818e-004 A 6=-1.64329e-005 A 8=-2.25232e-006 A10= 1.37587e-008
第9面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.93148e-005 A 6= 1.77230e-005 A 8=-4.22171e-006 A10= 2.57401e-007
各種データ
ズーム比 4.60
広角 中間 望遠
焦点距離 4.92 13.78 22.64
Fナンバー 2.21 3.85 5.50
半画角 40.3 13.2 8.05
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 39.93 35.09 39.84
BF 2.13 2.13 2.13
d 6 15.24 3.01 0.35
d17 0.48 7.88 15.28
d21 2.13 2.13 2.13
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -12.46
2 7 8.84
3 18 24.96
接合レンズデータ
始面 終面 焦点距離
1 3 -8.48
4 6 32.23
<数値実施例3>
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd
1 95.927 0.60 2.05090 26.9
2 11.639 1.33 1.69350 53.2
3* 16.486 3.02
4 -10.843 0.45 1.49700 81.5
5 12.934 1.44 1.95906 17.5
6 49.257 (可変)
7(絞り) ∞ 0.30
8* 9.347 1.70 1.58313 59.4
9* 23.866 0.15
10 8.315 3.74 1.49700 81.5
11 -8.261 0.36
12 -21.277 0.45 1.95906 17.5
13 119.493 2.01
14 16.345 2.62 1.80000 29.8
15 -48.763 0.91
16 -5.188 0.45 1.90366 31.3
17 -10.584 0.40
18 17.591 1.32 1.95906 17.5
19 19.063 (可変)
20 ∞ 0.50 1.52000 61.4
21 ∞ 2.70
像面 ∞
非球面データ
第3面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.44424e-004 A 6= 1.67835e-006 A 8=-3.23823e-008 A10= 2.05884e-009
第8面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.09901e-004 A 6=-1.49287e-005 A 8=-1.67695e-006 A10= 8.48762e-009
第9面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.93148e-005 A 6= 2.44940e-006 A 8=-2.77573e-006 A10= 8.95995e-008
各種データ
ズーム比 4.29
広角 中間 望遠
焦点距離 4.92 13.03 21.13
Fナンバー 2.07 3.29 4.50
半画角 44.4 14.2 8.69
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 39.00 34.84 39.04
BF 2.70 2.70 2.70
d 6 13.78 2.89 0.35
d19 0.77 7.50 14.23
d21 2.70 2.70 2.70
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -10.18
2 7 8.46
接合レンズデータ
始面 終面 焦点距離
1 3 -16.07
4 6 -33.90
<数値実施例4>
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd
1 89.715 0.70 2.05090 26.9
2 13.857 0.30
3 16.039 0.50 1.90043 37.4
4 10.215 1.45 1.80610 40.7
5* 18.501 2.60
6 -9.702 0.45 1.49700 81.5
7 13.449 1.42 1.95906 17.5
8 54.210 (可変)
9(絞り) ∞ 0.30
10* 9.414 1.70 1.55332 71.7
11* 41.607 0.15
12 8.424 3.56 1.49700 81.5
13 -8.698 0.32
14 -26.122 0.45 1.95906 17.5
15 59.765 2.15
16 16.616 2.57 1.80000 29.8
17 -37.428 0.91
18 -5.269 0.45 1.90366 31.3
19 -12.264 0.40
20 24.204 0.95 1.95906 17.5
21 32.823 (可変)
22 ∞ 0.50 1.52000 61.4
23 ∞ 0.45
像面 ∞
非球面データ
第5面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.11134e-004 A 6= 1.26081e-006 A 8=-1.14637e-008 A10= 1.38765e-009
第10面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.41340e-004 A 6=-1.37936e-005 A 8=-1.78258e-006 A10=-1.74217e-010
第11面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.93148e-005 A 6= 2.65801e-006 A 8=-2.77408e-006 A10= 7.50166e-008
各種データ
ズーム比 4.50
広角 中間 望遠
焦点距離 4.60 12.65 20.70
Fナンバー 2.15 3.44 4.75
半画角 49.7 14.6 8.87
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 39.00 34.68 39.03
BF 0.45 0.45 0.45
d 8 13.96 2.82 0.35
d21 2.76 9.59 16.41
d23 0.45 0.45 0.45
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -9.75
2 9 8.26
接合レンズデータ
始面 終面 焦点距離
3 5 173.71
6 8 -28.97
<数値実施例5>
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd
1 -701.401 1.20 2.05090 26.9
2 -76.233 0.60 1.58313 59.4
3* 13.850 1.80
4 ∞ 0.70 1.69680 55.5
5 29.466 1.68
6 -16.719 0.45 1.65160 58.5
7 11.132 1.87 2.05090 26.9
8 49.984 (可変)
9(絞り) ∞ 0.50
10* 9.300 1.70 1.69350 53.2
11* 21.612 0.15
12 7.398 3.37 1.49700 81.5
13 -8.308 0.15
14 67.261 0.45 1.89286 20.4
15 7.601 1.05
16 8.027 3.37 1.73800 32.3
17 -165.697 1.03
18 -4.433 0.45 1.60311 60.6
19 -16.535 (可変)
20 26.723 1.16 1.90366 31.3
21 -54.872 0.90
22 ∞ 0.50 1.52000 61.4
23 ∞ 2.12
像面 ∞
非球面データ
第3面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.47374e-004 A 6= 1.22538e-006 A 8= 1.34899e-008 A10= 1.33362e-009
第10面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.04208e-004 A 6=-2.50613e-005 A 8=-1.39196e-006 A10= 4.35507e-010
第11面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.93148e-005 A 6=-1.26384e-005 A 8=-1.89698e-006 A10= 7.97661e-008
各種データ
ズーム比 4.80
広角 中間 望遠
焦点距離 4.50 13.05 21.60
Fナンバー 2.08 3.64 5.20
半画角 50.6 14.2 8.48
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 39.01 36.44 42.42
BF 2.12 2.12 2.12
d 8 13.41 2.60 0.35
d19 0.40 8.63 16.87
d23 2.12 2.12 2.12
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -10.81
2 9 8.45
3 20 20.02
接合レンズデータ
始面 終面 焦点距離
1 3 -26.72
6 8 -41.66
前述の各条件式と各数値実施例との関係を示す。
【0048】
【0049】
次に、
図11乃至
図13を参照して、各実施例のズームレンズを撮像光学系として用いた撮像装置について説明する。
図11乃至
図13は、各実施例における撮像装置の構成図である。
図11乃至
図13において、16は実施例1~5のいずれかのズームレンズにより構成された撮像光学系である。
図11および
図13(B)中の15は、撮像光学系16を保護するドームカバーである。
図12中の17は、撮像光学系16を保護する保護ガラスである。
【0050】
図13(A)、(B)において、11a、11bは監視カメラ本体である。監視カメラ本体11bは、ドームカバー15が下方向を向くように天井に設置されている。12は、監視カメラ本体11a、11bに内蔵され、撮像光学系16により形成された被写体像を受光する(ズームレンズにより形成された像を撮る)CCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子(光電変換素子)である。13は、撮像素子12により光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリである。14は、撮像素子12により光電変換された被写体像を転送するためのネットワークケーブルである。なお各実施例の撮像装置は、監視カメラに限定されるものではなく、ビデオカメラやデジタルカメラなどの他の撮像装置として用いることもできる。また各実施例の撮像装置は、実施例1~5のいずれかのズームレンズとともに、歪曲収差と倍率色収差のいずれか一方、もしくは両方を電気的に補正する回路を有していてもよい。
【0051】
このようにズームレンズの歪曲収差などの諸収差を許容可能な構成にすれば、ズームレンズ全体のレンズ枚数を少なくでき、小型化が容易になる。また倍率色収差を電気的に補正することにより、撮影した画像の色にじみを軽減し、解像力の向上を図ることが容易になる。各実施例によれば、例えば、小型、広角、高い光学性能の点で有利なズームレンズ及び撮像装置を提供することができる。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、接合レンズを分割しレンズ間に空気間隔を設けることや、球面レンズを非球面レンズに変更することにより、更なる収差補正を行ってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1a~1e ズームレンズ
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群