(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】HPVワクチン
(51)【国際特許分類】
C12N 15/37 20060101AFI20240909BHJP
C12N 15/861 20060101ALI20240909BHJP
C07K 14/025 20060101ALI20240909BHJP
C12N 15/86 20060101ALI20240909BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240909BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240909BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20240909BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240909BHJP
A61K 39/12 20060101ALI20240909BHJP
A61K 39/235 20060101ALI20240909BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
C12N15/37 ZNA
C12N15/861 Z
C07K14/025
C12N15/86 Z
A61P37/04
A61K31/7088
A61P31/20
A61K48/00
A61K39/12
A61K39/235
A61K38/02
(21)【出願番号】P 2020508007
(86)(22)【出願日】2018-08-16
(86)【国際出願番号】 GB2018052335
(87)【国際公開番号】W WO2019034887
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-08-13
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516245900
【氏名又は名称】オックスフォード ユニバーシティ イノベーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OXFORD UNIVERSITY INNOVATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ドレル,ルーシー
(72)【発明者】
【氏名】ブライト,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】レイズ-サンドヴァル,アルトゥーロ
【審査官】山本 匡子
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-512814(JP,A)
【文献】国際公開第2014/103608(WO,A1)
【文献】特表2011-512486(JP,A)
【文献】3 Biotech(2016)6:39
【文献】Vaccine(2017)vol.27, pp.431-440
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-90
C07K
MEDLINE/BIOSIS/REGISTRY/CAPLUS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の保存ペプチド配列またはそのバリアントを含むポリペプチドをコードする核酸であって、前記ポリペプチドが、配列番号61あるいは配列番号66の配列を含む;または配列番号66の配列を含み更にペプチドアジュバンドを含む、核酸。
【請求項2】
前記核酸が、配列番号60あるいは配列番号65の配列を含む、請求項1に記載の核酸。
【請求項3】
前記核酸は、
配列番号62の配列を含み、
ATGGATGCTATGAAGAGGGGCCTGTGCTGCGTGCTGCTGCTGTGTGGCGCCGTGTTTGTGTCCCCCAGCCAGGAAATCCACGCCCGGTTCAGAAGAGGCAGCAAGCTGGCC
のTPAリード配列をコードする
、
請求項1または2に記載の核酸。
【請求項4】
前記核酸が、ワクチン接種のためのプラスミドベクターである、及び/又は
前記核酸がウイルスベクター配列を含む、請求項1又は2に記載の核酸。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の前記核酸を含む、ワクチン。
【請求項6】
別の治療または予防に有効な成分をさらに含む、及び/又は
アジュバントをさらに含む、請求項5に記載のワクチン。
【請求項7】
任意選択的に薬学的に許容され得る組成物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複数の異なる核酸を含む、組成物。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の前記核酸によってコードされる、ポリペプチド。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の前記核酸を含み、任意選択的に、ウイルスベクターがアデノウイルスベクターである、ウイルスベクター。
【請求項10】
組成物であって、
-請求項1~4のいずれか1項に記載の核酸
-請求項8に記載のポリペプチド;および/または
-請求項9に記載のウイルスベクター
のうちの1つまたは複数を含み、任意選択的に、前記組成物が哺乳動物に免疫原性を示す、及び/又は、任意選択的に、薬学的に許容され得る担体をさらに含む、組成物。
【請求項11】
HPV感染の予防または処置で用いる、請求項1~4のいずれか1項に記載の核酸;請求項5又は6のいずれか1項に記載のワクチン;請求項8に記載のポリペプチド;請求項9に記載のウイルスベクター;または請求項10に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HPV感染に対するワクチン接種で用いるウイルスベクター化ワクチンに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトパピローマウイルス感染は、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染である。ほとんどのHPV感染は無症状であり、自然に消失する。しかし、場合によっては感染が持続し、それにより、疣贅または前がん病変を発生させ得る。前がん病変は、子宮頸部、外陰、膣、陰茎、肛門、口腔、または咽頭の癌リスクを増加させる。
【0003】
世界中で毎年発生するHPVに起因する子宮頸癌の症例はおよそ50万件あり、そのうちの半数超が致死性である。約85%の症例が、処置が限られているか、処置できない中/低所得国で発生している。予防ワクチンを受けていない女性は、子宮頸部上皮内新形成(CIN)を同定して処置するために3年毎のスクリーニングが必要である。スクリーニングのために英国国民保健サービスが負担する費用は年間およそ1億7500万ポンドである。
【0004】
現在のCIN治療は、電気焼灼または手術による異常な子宮頸部組織の切除である。現時点でHPVウイルス感染を排除するのに利用可能な治療は存在しない。女性は、再発がないことを確認するために、処置後に追跡のための複数回の来院が必要である。治療は、早産リスクの増加にも関連する。
【0005】
既存のHPV感染治療のために開発されたHPVワクチンには、Inovio-VGX-3100(E6、E7をコードするDNA)、類似物Genexine(GX-188E);E2、E6、E7融合タンパク質をコードするJanssen-Ad26/Ad35+/-MVA;合成長ペプチド(E6、E7)および類似物(例えば、PepCan、GTL001);Advaxis-ADXS-HPV;およびE7をコードするL.Monocytogenesが含まれる。しかし、かかる開発済みワクチンは、HPV16および18のみを標的としており、安全性への懸念があり、そして/または低効率である。例えば、第IIb相ランダム化対照試験におけるVGX-3100の正味の有効性は、18%であった(ワクチンアームで48%対プラセボアームで30%)。
【0006】
これまでに試験された治療用ワクチン候補よりも安全であり、送達が容易であり、有効性がより高いワクチンが必要である。したがって、本発明の目的は、HPV感染のための改良されたワクチンを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、複数の保存ペプチド配列またはそのバリアントを含むポリペプチドをコードする核酸であって、
ここで、前述の保存配列が、1以上のHPV遺伝子型16、18、31、52、53、および58にわたって保存されており;
ここで、前述のポリペプチドが、各HPVタンパク質E1、E2、E4、E5、E6、およびE7の保存ペプチド配列を含む、核酸を提供する。
【0008】
本発明は、ビリオンの比較的保存された抗原に対してT細胞を誘導することができるワクチン接種の新規のより安全な代替アプローチを提供するのに有利である。非構造タンパク質由来の特別に設計された保存ウイルスセグメントを使用することにより、複数の重要な遺伝子型からの防御が可能である。
【0009】
1つの実施形態では、ポリペプチドは融合ポリペプチドである。ポリペプチドは、野生型ポリペプチドでなくてよい。ポリペプチドは、合成/人工であってよく、例えば、ポリペプチドは、自然界に存在しなくてよい。1つの実施形態では、ポリペプチドは、完全な遺伝子配列を含まなくてよい。ポリペプチドは、保存ペプチド配列から本質的になってよい。別の実施形態では、ポリペプチドは、保存ペプチド配列およびペプチドアジュバント配列から本質的になってよい。別の実施形態では、ポリペプチドは、保存ペプチド配列およびその間の1以上のリンカーから本質的になってよい。別の実施形態では、ポリペプチドは、保存ペプチド配列、ペプチドアジュバント配列、およびその間の1以上のリンカーから本質的になってよい。1つの実施形態では、ポリペプチドは、組換えポリペプチド(組換え融合ポリペプチドなど)である。
【0010】
本明細書中で使用される用語「融合ポリペプチド」は、異なる遺伝子産物(例えば、異なるHPVタンパク質)に由来する配列の組み合わせまたは同一の遺伝子産物(例えば、単一のHPVタンパク質)に由来する配列(ここで、前述の配列は、野生型遺伝子産物の別個の/別々の領域に由来する)の組み合わせを含むポリペプチドを意味すると理解される。例えば、融合ポリペプチドは、野生型において通常は他の配列セグメントによって分離されている配列の組み合わせを含んでよく、前述の分離している配列(複数可)は除去されている。
【0011】
本明細書中で使用される用語「保存ペプチド配列」または「保存セグメント」は、以下に定義されるように1以上の遺伝子型で保存されている配列と定義される。保存の評価前に、遺伝子型16、18、31、52、53、および58由来のHPVタンパク質E1、E2、E4、E5、E6、およびE7の全ての利用可能な全長配列をNCBIタンパク質データベースから収集し(アクセス日付:2014)、本発明のアプローチのための入力データとして使用した。選択した保存ペプチド配列が確実に環境集団全体を等しく表すように全ての利用可能な配列を使用した(表1を参照のこと)。保存ペプチド配列を、「バリアント」アプローチを使用して同定した(
図1A);全ての遺伝子型をアラインメントし、各遺伝子型内の配列を、保存評価前に確実に遺伝子型の多様性が等しく表されるように重み付けし、それにより、確実にワクチン候補は環境集団全体を代表していた。次いで、遺伝子型内の保存(遺伝子型内保存)を、15アミノ酸スライディングウィンドウを使用して評価し、それにより、各ウィンドウについて、保存値をウィンドウ内のアミノ酸優先度の組み合わせに基づいて決定し、各配列の値を重み付けして各遺伝子型内で保存された断片を同定し、各ウィンドウについて正規化遺伝子型内コンセンサスを作製した。「正規化コンセンサス」は、重み付けした遺伝子型配列組を表すアミノ酸配列を意味し、各位置での最も一般的なアミノ酸ではない。保存と分類されるためには、ウィンドウは、タンパク質の全ウィンドウ保存値の第一四分位数内の保存値を持たなければならない。引き続いて、全ての遺伝子型にわたって同一の位置で保存された遺伝子型内ウィンドウを、遺伝子型間で共有された遺伝子型内正規化コンセンサスの同一率(遺伝子型間保存)と無関係に同定した。次いで、得られた領域の系統樹を作製し、系統樹内群配列を組み合わせてコンセンサス同一性の共有レベルが高い遺伝子型間コンセンサスを作製した。この場合、「遺伝子型間コンセンサス」は、各遺伝子型から作製した正規化コンセンサスを使用して作製したコンセンサスを指す。いくつかのシナリオでは、遺伝子型間の遺伝子型内正規化コンセンサスの同一性の共有率が60%を超える、全タンパク質にわたって同一の位置で保存された遺伝子型内ウィンドウを同定した「改変バリアント」を作製した。
【0012】
系統樹内群由来の同定された血清型間断片の同一率が60%未満である場合、この配列を、バリアントアプローチで使用した「低不一致」配列に対比して、「高不一致」として分類した。遺伝子型間で高度に不一致のタンパク質については、「キメラ」アプローチを使用して、保存ペプチド配列を同定した(
図1B);系統樹を作製し、遺伝子型内群のみを相互にアラインメントし、遺伝子型内保存配列を評価した。したがって、遺伝子型間保存は、選択した遺伝子型にわたってコンセンサス同一性の共有率が60%を超える内群と血清型内保存ウィンドウとの間のみで評価した。いくつかの場合、遺伝子型を「キメラ」として管理したが、遺伝子型間保存は評価しなかった(「キメラ-バリアント」)。
【0013】
複数の保存ペプチド配列は、10以上の保存ペプチド配列を含み得る。別の実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、15以上の保存ペプチド配列を含み得る。別の実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、20以上の保存ペプチド配列を含み得る。別の実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、25以上の保存ペプチド配列を含み得る。別の実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、30以上の保存ペプチド配列を含み得る。複数の保存配列は、35以上の保存ペプチド配列を含み得る。別の実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、40以上の保存ペプチド配列を含み得る。複数の保存ペプチド配列は、45以上の保存ペプチド配列を含み得る。別の実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、50以上の保存ペプチド配列を含み得る。別の実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、55以上の保存ペプチド配列を含み得る。1つの実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、約56以上の保存ペプチド配列からなる。1つの実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、約57以上の保存ペプチド配列からなる。1つの実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、約58以上の保存ペプチド配列からなる。1つの実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、約59以上の保存ペプチド配列からなる。1つの実施形態では、複数の保存ペプチド配列は、約59の保存ペプチド配列からなる。
【0014】
コードされたポリペプチドは、各HPVタンパク質E1、E2、E4、E5、E6、およびE7の少なくとも3つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも3つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも3つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E4の少なくとも3つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E5の少なくとも3つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E6の少なくとも3つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E7の少なくとも3つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0015】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも4つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも4つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E4の少なくとも4つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E6の少なくとも4つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E7の少なくとも4つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0016】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも5つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも5つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E4の少なくとも5つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E6の少なくとも5つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0017】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも6つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも6つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E4の少なくとも6つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E6の少なくとも6つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0018】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも7つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも7つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E4の少なくとも7つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E6の少なくとも7つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0019】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも8つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも8つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E4の少なくとも8つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E6の少なくとも8つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0020】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも9つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも9つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E4の少なくとも9つの異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0021】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも10の異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも10の異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0022】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の少なくとも11の異なる保存ペプチド配列を含み得る。コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも11の異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0023】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E2の少なくとも12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24の異なる保存ペプチド配列を含み得る。
【0024】
コードされたポリペプチドは、HPVタンパク質E1の11以上の異なる保存ペプチド配列、HPVタンパク質E2の24以上の異なる保存ペプチド配列、HPVタンパク質E4の9以上の異なる保存ペプチド配列、HPVタンパク質E5の3以上の異なる保存ペプチド配列、HPVタンパク質E6の8以上の異なる保存ペプチド配列、およびHPVタンパク質E7の4以上の異なる保存ペプチド配列を含み得るか、からなり得る。
【0025】
複数の保存ペプチド配列は、相互に比較して別個の配列領域に由来し得る(すなわち、天然に存在しない)。例えば、「異なる保存ペプチド配列」という言及は、相互に比較して野生型配列の別個の領域に由来する配列を含み得る(すなわち、天然に存在しない)。例えば、野生型の遺伝子型では、保存配列は、野生型の遺伝子型において可変/非保存配列によって分離され得る。複数の保存ペプチド配列は、相互に重複しなくてよいか、有意に重複しなくてよい。複数の保存ペプチド配列のうちの2以上か、全ては、ポリペプチド中で相互に直接連結することができ、例えば、その間にいかなる非保存/可変残基も含まない。ポリペプチド配列は、自然界に見出されてなくてよい。ポリペプチドは、非保存配列または残基を含まなくてよい。例えば、保存ペプチド配列間にリンカー/接合残基が存在する実施形態では、保存ペプチド配列は、ポリペプチド配列において1、2、3、4、または5個を超える残基分離れていなくてもよい。あるいは、例えば、保存ペプチド配列間にリンカー/接合残基が存在する実施形態では、保存ペプチド配列は、ポリペプチド配列において6、7、8、9、または10個を超える残基分離れていなくてもよい。ポリペプチドは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のアミノ酸より長い非保存配列を含まなくてよい。
【0026】
1つの実施形態では、リンカー残基は、1以上か、全ての保存ペプチド配列の間に提供され得る(例えば、ポリペプチド中の保存ペプチド配列の間に接合部が提供される)。リンカー残基は、ランダムなアミノ酸配列、またはエピトープ予測コンピュータプログラムもしくは動物モデルにおける実験に基づいて非免疫原性であるように選択されたアミノ酸を含み得る。例えば、リンカーがエピトープであると予想されるか、知られている場合(すなわち、エピトープ(例えば、HPVで見出されない人工エピトープ)に対する免疫応答を回避するために)、リンカーは考慮されなくてよい。リンカーは、可動性であり得る。リンカーは、K、G、P、A、もしくはSアミノ酸残基、またはその組み合わせを含んでよいか、これらからなってよい。1つの実施形態では、リンカーは、Gおよび/またはPアミノ酸残基を含んでよいか、これらからなってよい。1つの実施形態では、リンカーは、1以上のアラニン(A)アミノ酸残基を含んでよいか、これらからなってよい。リンカー残基は、1アミノ酸長と10アミノ酸長との間であってよい。別の実施形態では、リンカー残基は、2残基長と8残基長との間であってよい。別の実施形態では、リンカー残基は、1残基長と6残基長との間であってよい。例えば、保存ペプチド配列間にリンカー/接合残基が存在する実施形態では、保存ペプチド配列は、ポリペプチド配列において1残基分と10残基分との間で離れていてよい。
【0027】
1つの実施形態では、ポリペプチドは、保存ペプチド配列および1以上のリンカーから本質的になってよく、任意選択的に、1以上のリンカーが隣接する保存ペプチド配列の間に配置されている。
【0028】
保存ペプチド配列を、配列番号1~59を含む群、そのバリアント、または組み合わせのうちのいずれかから選択することができる。別の実施形態では、保存ペプチド配列を、配列番号1~59を含む群、そのバリアント、または組み合わせのうちのいずれかから任意の順序で選択することができる。1つの実施形態では、保存ペプチド配列は、配列番号1~59を含む群からなってよい。
【0029】
ポリペプチドは、配列番号1~11のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E1配列(複数可);配列番号12~35のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E2配列(複数可);配列番号36~44のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E4配列(複数可);配列番号45~47のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E5配列(複数可);配列番号48~55のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E6配列(複数可);および配列番号56~59のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E7配列(複数可)を含んでよい。
【0030】
ポリペプチドは、配列番号1~11のうちのいずれかから選択される2以上の保存E1配列(複数可);配列番号12~35のうちのいずれかから選択される2以上の保存E2配列(複数可);配列番号36~44のうちのいずれかから選択される2以上の保存E4配列(複数可);配列番号45~47のうちのいずれかから選択される2以上の保存E5配列(複数可);配列番号48~55のうちのいずれかから選択される2以上の保存E6配列(複数可);および配列番号56~59のうちのいずれかから選択される2以上の保存E7配列(複数可)を含んでよい。
【0031】
ポリペプチドは、配列番号1~11のうちのいずれかから選択される3以上の保存E1 配列(複数可);配列番号12~35のうちのいずれかから選択される3以上の保存E2 配列(複数可);配列番号36~44のうちのいずれかから選択される3以上の保存E4 配列(複数可);配列番号45~47のうちのいずれかから選択される3以上の保存E5 配列(複数可);配列番号48~55のうちのいずれかから選択される3以上の保存E6 配列(複数可);および配列番号56~59のうちのいずれかから選択される3以上の保存E7 配列(複数可)を含んでよい。
【0032】
保存配列は、1以上のHPV遺伝子型16、18、31、52、および58にわたって保存されている。保存配列は、全てのHPV遺伝子型16、18、31、52、および58にわたって保存されている。
【0033】
ポリペプチドは、以下:
配列番号1~11のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E1配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、少なくとも1つの保存E1配列によって表される、保存E1配列(複数可);
配列番号12~35のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E2配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、少なくとも1つの保存E2配列によって表される、保存E2配列(複数可);
配列番号36~44のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E4配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、少なくとも1つの保存E4配列によって表される、保存E4配列(複数可);
配列番号45~47のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E5配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、少なくとも1つの保存E5配列によって表される、保存E5配列(複数可);
配列番号48~55のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E6配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、少なくとも1つの保存E6配列によって表される、保存E6配列(複数可);および
配列番号56~59のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E7配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、少なくとも1つの保存E7配列によって表される、保存E7配列(複数可)を含んでよい。
【0034】
ポリペプチドは、以下:
配列番号1~11のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E1配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、少なくとも1つの保存E1配列によって表される、保存E1配列(複数可);
配列番号12~35のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E2配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、少なくとも1つの保存E2配列によって表される、保存E2配列(複数可);
配列番号36~44のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E4配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、少なくとも1つの保存E4配列によって表される、保存E4配列(複数可);
配列番号45~47のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E5配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、少なくとも1つの保存E5配列によって表される、保存E5配列(複数可);
配列番号48~55のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E6配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、少なくとも1つの保存E6配列によって表される、保存E6配列(複数可);および
配列番号56~59のうちのいずれか1つから選択される1以上の保存E7配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、少なくとも1つの保存E7配列によって表される、保存E7配列(複数可)を含んでよい。
【0035】
ポリペプチドは、以下:
配列番号1~11のうちのいずれかから選択される2以上の保存E1配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E1配列群内に表される、保存E1配列(複数可);
配列番号12~35のうちのいずれかから選択される2以上の保存E2配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E2配列群内に表される、保存E2配列(複数可);
配列番号36~44のうちのいずれかから選択される2以上の保存E4配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E4配列群内に表される、保存E4配列(複数可);
配列番号45~47のうちのいずれかから選択される2以上の保存E5配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E5配列群内に表される、保存E5配列(複数可);
配列番号48~55のうちのいずれかから選択される2以上の保存E6配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E6配列群内に表される、保存E6配列(複数可);および
配列番号56~59のうちのいずれかから選択される2以上の保存E7配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E7配列群内に表される、保存E7配列(複数可)を含んでよい。
【0036】
ポリペプチドは、以下:
配列番号1~11のうちのいずれかから選択される2以上の保存E1配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E1配列群内に表される、保存E1配列(複数可);
配列番号12~35のうちのいずれかから選択される2以上の保存E2配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E2配列群内に表される、保存E2配列(複数可);
配列番号36~44のうちのいずれかから選択される2以上の保存E4配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E4配列群内に表される、保存E4配列(複数可);
配列番号45~47のうちのいずれかから選択される2以上の保存E5配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E5配列群内に表される、保存E5配列(複数可);
配列番号48~55のうちのいずれかから選択される2以上の保存E6配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E6配列群内に表される、保存E6配列(複数可);および
配列番号56~59のうちのいずれかから選択される2以上の保存E7配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E7配列群内に表される、保存E7配列(複数可)を含んでよい。
【0037】
ポリペプチドは、以下:
配列番号1~11のうちのいずれかから選択される3以上の保存E1配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E1配列群内に表される、保存E1配列(複数可);
配列番号12~35のうちのいずれかから選択される3以上の保存E2配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E2配列群内に表される、保存E2配列(複数可);
配列番号36~44のうちのいずれかから選択される3以上の保存E4配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E4配列群内に表される、保存E4配列(複数可);
配列番号45~47から選択される3つの保存E5配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E5配列群内に表される、保存E5配列(複数可);
配列番号48~55のうちのいずれかから選択される3以上の保存E6配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E6配列群内に表される、保存E6配列(複数可);および
配列番号56~59のうちのいずれかから選択される3以上の保存E7配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が、保存E7配列群内に表される、保存E7配列(複数可)を含んでよい。
【0038】
ポリペプチドは、以下:
配列番号1~11のうちのいずれかから選択される3以上の保存E1配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E1配列群内に表される、保存E1配列(複数可);
配列番号12~35のうちのいずれかから選択される3以上の保存E2配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E2配列群内に表される、保存E2配列(複数可);
配列番号36~44のうちのいずれかから選択される3以上の保存E4配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E4配列群内に表される、保存E4配列(複数可);
配列番号45~47から選択される3つの保存E5配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E5配列群内に表される、保存E5配列(複数可);
配列番号48~55のうちのいずれかから選択される3以上の保存E6配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E6配列群内に表される、保存E6配列(複数可);および
配列番号56~59のうちのいずれかから選択される3以上の保存E7配列(複数可)であって、遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が、保存E7配列群内に表される、保存E7配列(複数可)を含んでよい。
【0039】
「遺伝子型16、18、31、52、53、および58の各々が表される」または「遺伝子型16、18、31、52、および58の各々が表される」との言及は、同定された各遺伝子型が保存ペプチド配列の少なくとも1つのコンセンサス配列を定義するために使用されていることを意味することが意図される。したがって、所与の群は、各遺伝子型由来の保存ペプチドを含んでよいか、保存ペプチドは、2以上の遺伝子型のコンセンサスに由来し得る。配列同一性が十分に類似する場合、全ての遺伝子型16、18、31、52、53、および58または16、18、31、52、および58を、単一の保存ペプチド配列によって表すことができ、この配列は、全ての遺伝子型16、18、31、52、53、および58または16、18、31、52、および58のぞれぞれのコンセンサスであり得る。しかし、配列同一性の相違により、単一の保存ペプチドは、全ての遺伝子型16、18、31、52、53、および58または16、18、31、52、および58由来のコンセンサス配列を表すことができない可能性があり、その代わり、全ての遺伝子型16、18、31、52、53、および58または16、18、31、52、および58を対象とする/表すために2以上の保存ペプチド配列を必要とする。例えば(例示のみを目的とする)、1つの保存E6ペプチド配列は、E6遺伝子型16および18を表すことができ、別の保存E6ペプチド配列は、E6遺伝子型52を表すことができ、第3の保存E6ペプチド配列は、E6遺伝子型53および58を表すことができ、その結果、群内の3つ全ての保存E6ペプチド配列は、全てのE6遺伝子型16、18、31、52、53、および58または16、18、31、52、および58を表す。
【0040】
核酸は、配列番号60の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよい。別の実施形態では、核酸は、配列番号60の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、かつTPAリード配列をコードしない。別の実施形態では、核酸は、配列番号60の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、TPAリード配列よりもむしろ異なる/代替ペプチドアジュバントをコードする。別の実施形態では、核酸は、配列番号65の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよい。
【0041】
核酸のバリアントは、配列番号60または65と少なくとも80%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。あるいは、核酸のバリアントは、配列番号60または65と少なくとも85%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号60または65と少なくとも90%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号60または65と少なくとも95%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号60または65と少なくとも98%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号60または65と少なくとも99%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。当業者は、核酸のバリアントが配列番号60または65と同一のペプチドをコードする縮重コドンバリアントを含み得ると理解するであろう。
【0042】
核酸は、配列番号62の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよい。別の実施形態では、核酸は、配列番号62の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、かつTPAリード配列をコードしない。別の実施形態では、核酸は、配列番号62の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、TPAリード配列よりもむしろ異なる/代替ペプチドアジュバントをコードする。
【0043】
核酸のバリアントは、配列番号62と少なくとも80%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。あるいは、核酸のバリアントは、配列番号62と少なくとも85%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号62と少なくとも90%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号62と少なくとも95%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号62と少なくとも98%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号62と少なくとも99%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号62と少なくとも99.5%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号62と少なくとも99.9%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。当業者は、核酸のバリアントが配列番号62と同一のウイルスベクターおよび/またはペプチドをコードする縮重コドンバリアントを含み得ると理解するであろう。
【0044】
核酸は、配列番号71、73、または75の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよい。別の実施形態では、核酸は、配列番号71、73、または75の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、かつTPAリード配列をコードしない。別の実施形態では、核酸は、配列番号71、73、または75の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、TPAリード配列よりもむしろ異なる/代替ペプチドアジュバントをコードする。
【0045】
核酸のバリアントは、配列番号71、73、または75と少なくとも80%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。あるいは、核酸のバリアントは、配列番号71、73、または75と少なくとも85%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号71、73、または75と少なくとも90%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号71、73、または75と少なくとも95%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号71、73、または75と少なくとも98%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号71、73、または75と少なくとも99%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号71、73、または75と少なくとも99.5%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。核酸のバリアントは、配列番号71、73、または75と少なくとも99.9%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。当業者は、核酸のバリアントが配列番号71、73、または75と同一のウイルスベクターおよび/またはペプチドをコードする縮重コドンバリアントを含み得ると理解するであろう。
【0046】
ポリペプチドは、配列番号61の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよい。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号61の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、かつTPAリード配列を含まない。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号61の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、TPAリード配列よりもむしろ異なる/代替ペプチドアジュバントを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号66の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよい。
【0047】
ポリペプチドは、配列番号72、74、または76の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよい。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号72、74、または76の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、かつTPAリード配列を含まない。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号72、74、または76の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよく、TPAリード配列よりもむしろ異なる/代替ペプチドアジュバントを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号72、74、または76の配列またはそのバリアントを含んでよいか、それからなってよい。
【0048】
1つの実施形態では、ポリペプチドは、保存ペプチド配列およびペプチドアジュバントから本質的になってよい。1つの実施形態では、ポリペプチドは、保存ペプチド配列、1以上のリンカー、およびペプチドアジュバントから本質的になってよい。1以上のリンカーは、隣接する保存ペプチド配列の間に配置され得る。ペプチドアジュバントは、N末端であり得る。
【0049】
ポリペプチドのバリアントは、配列番号61、66、72、74、または76と少なくとも80%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。あるいは、ポリペプチドのバリアントは、配列番号61、66、72、74、または76と少なくとも85%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。ポリペプチドのバリアントは、配列番号61、66、72、74、または76と少なくとも90%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。ポリペプチドのバリアントは、配列番号61、66、72、74、または76と少なくとも95%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。ポリペプチドのバリアントは、配列番号61、66、72、74、または76と少なくとも98%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。ポリペプチドのバリアントは、配列番号61、66、72、74、または76と少なくとも99%同一性を有する配列を含んでよいか、それからなってよい。
【0050】
保存ペプチド配列のバリアントは、保存ペプチド配列の短縮配列を含んでよいか、それからなってよい。例えば、本明細書中の配列番号1~59の配列のうちのいずれか1以上を短縮しても、ポリペプチドにおいて免疫原性を提供することができる。短縮配列は、配列番号1~59の配列のうちのいずれか1つのうちの配列由来の認識可能なエピトープを形成するのに十分な数のアミノ酸(例えば、特異的T細胞認識のための少なくとも最小数の残基)を含んでよい。短縮配列は、配列番号1~59の配列の少なくとも7つのアミノ酸を含んでよい。あるいは、短縮配列は、配列番号1~59の配列の少なくとも8つのアミノ酸を含んでよい。あるいは、短縮配列は、配列番号1~59の配列の少なくとも9、10、11、または12のアミノ酸を含んでよい。複数の短縮配列を、配列番号1~59の保存ペプチド配列のうちの1つに提供してよい。
【0051】
1つの実施形態では、配列番号1~59の保存ペプチド配列のうちのいずれか1つを、例えば、残基の置換、付加、または欠失によって変化させることができる。別の実施形態では、配列番号1~59の保存ペプチド配列のうちのいくつかまたは全てを、例えば、残基の置換、付加、または欠失によって変化させることができる。変異保存ペプチド配列は、依然として認識可能なHPVエピトープを提供するように機能し得る。当業者は、任意の所与の集団に自然変異が存在すること、および、これらのバリアントがコンセンサス配列(例えば、配列番号1~59中の提供された患者の配列)にいくらかの配列多様性をもたらし得ると理解するであろう。したがって、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも70%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも74%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも75%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも79%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも82%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも83%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも85%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも88%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも92%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも98%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも99%の配列同一性を有し得る。別の実施形態では、変異保存ペプチド配列は、配列番号1~59のうちのいずれか1つと少なくとも99.5%の配列同一性を有し得る。
【0052】
本明細書中で使用される配列「同一性」という言及は、標準的なNCBI BLASTpパラメーター(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov)を使用してアラインメントした2配列間の同一率を指し得る。
【0053】
保存ペプチド配列は長さが変動してよく、最小長を、認識可能なエピトープを形成するために必要な最小残基数として定義する。したがって、保存ペプチド配列は、約7~250アミノ酸長、またはそれを超えるアミノ酸長であってよい。例えば、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、少なくとも約7アミノ酸長であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、少なくとも約8アミノ酸長であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、少なくとも約10アミノ酸長であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、少なくとも約15アミノ酸長であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、少なくとも約20アミノ酸長であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、少なくとも約30アミノ酸長であってよい。1つの実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、約20アミノ酸長と約220アミノ酸長との間であってよい。1つの実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、約300アミノ酸長以下であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、約250アミノ酸長以下であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、約200アミノ酸長以下であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、約150アミノ酸長以下であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、約100アミノ酸長以下であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、約55アミノ酸長以下であってよい。別の実施形態では、少なくとも1つの保存ペプチド配列は、約54アミノ酸長以下であってよい。
【0054】
保存ペプチド配列は、保存ペプチド配列集団における平均長が約15アミノ酸と約50アミノ酸との間であってよい。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ペプチドアジュバント(TPA(組織プラスミノゲンアクチベーター)配列など)、またはその機能的バリアントをさらに含んでよい。TPAは、配列:MDAMKRGLCCVLLLCGAVFVSPSQEIHARFRR(配列番号63)、またはその機能的バリアントを含んでよいか、これらからなってよい。1つの実施形態では、ペプチドアジュバントは、例えば、配列SLLWGGVTVLAAMLIAGQVASSVVFLV(配列番号64)のSharkインバリアント鎖またはその機能的バリアントを含んでよい。ペプチドアジュバントは、本発明のポリペプチドのN末端に存在してもよい。ペプチドアジュバントの機能的バリアントは、依然としてアジュバントとして機能することができる短縮または変異したペプチドバリアント(例えば、依然としてアジュバントとして機能するTPAまたはsharkインバリアント鎖の短縮バリアントまたは変異バリアント)であってよい。当業者は、機能に影響を及ぼさずに1、2、3、4、5、またはそれを超えるアミノ酸残基を置換、付加、または除去することができると認識するであろう。例えば、保存的置換を考慮することができる。ペプチドアジュバントが提供される(または、適切にコードされる)実施形態では、ペプチドアジュバントと第1の保存ペプチド配列との間に提供される(またはコードされる)リンカー配列をさらに提供することができる。ペプチドアジュバントを含まない実施形態では、第1のリンカー配列は提供されてなくてもよい。
【0056】
核酸の組み合わせは、本発明の異なるポリペプチドをコードすることができ、ワクチンとして提供され得る。例えば、初回刺激および/または追加免疫ワクチン製剤は、相互に比較して異なり得る2以上の本発明のポリペプチドをコードする核酸またはウイルスベクターを含んでよい。
【0057】
核酸を、ワクチン中で別の治療または予防に有効な成分と組み合わせて使用してよい。核酸を、ワクチン中でアジュバントと組み合わせて使用してよい。
【0058】
本発明の別の態様によれば、複数の異なる本発明の核酸を含む組成物を提供し、任意選択的に、組成物は薬学的に許容され得る組成物である。
【0059】
本発明の別の態様によれば、本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを本明細書中に提供する。
【0060】
1つの実施形態では、ポリペプチドは、単離ポリペプチドである。ポリペプチド、ポリペプチドをコードする核酸、または関連するウイルス粒子を、薬学的に許容され得る担体中に提供してよい。
【0061】
核酸は、ワクチン接種のためのプラスミドベクターであってよい。核酸は、ウイルスベクター配列を含んでよい。
【0062】
本発明の別の態様によれば、本発明の核酸を含むウイルスベクターを本明細書中に提供する。
【0063】
ウイルスベクターは、ウイルスを含んでよい。ウイルスベクターは、アデノウイルス(ヒトまたはサルアデノウイルスなど)を含んでよい。ウイルスベクターは、初回刺激・追加免疫レジメの初回刺激ワクチンで使用する場合にアデノウイルスを含んでよい。ウイルスベクターは、ChAdOx1(E群サルアデノウイルス、マラリア試験で安全に使用されるAdCh63ベクターなど)またはChAdOx2(Morris et al 2016.Future Virol 11(9),pp.649-659に記載)を含んでよい。ChAdOx2配列は、本明細書中に記載の配列(例えば、配列番号67+68)を含んでよいか、これらからなってよい。ウイルスベクターは、AdCh63を含んでよい。ウイルスベクターは、AdC3またはAdH6を含んでよい。ウイルスベクターは、ヒト血清型であってよい。ウイルスベクターは、改変ワクシニアアンカラ(MVA)を含んでよい。ウイルスベクターは、F11 MVA(例えば、F11遺伝子座に核酸構築物インサートを有するMVA)を含んでよい。本発明の核酸(HPVワクチン構築物インサート)を、例えば、p7.5 MVAシャトルプラスミド(配列番号158)を用いた組換えによって、p7.5プロモーターの調節下で親MVAウイルスのTK遺伝子座に挿入することができる。核酸は、配列番号158中に提供した核酸ワクチン構築物インサート(下線部)を有するか、本発明の別の核酸ワクチン構築物を有する配列番号158の配列を本明細書中に含んでよい。別の実施形態では、本発明の核酸(HPVワクチン構築物インサート)を、例えば、F11シャトルプラスミド(配列番号159)を用いた組換えによって、F11プロモーターの調節下で親MVAウイルスのF11遺伝子座に挿入することができる。核酸は、配列番号159中に提供した核酸ワクチン構築物インサート(下線部)を有するか、本発明の別の核酸ワクチン構築物を有する配列番号159の配列を本明細書中に含んでよい。MVA配列は、本明細書中に記載される配列(例えば、配列番号69+70)を含んでよいか、これからなってよい。ウイルスベクターは、初回刺激・追加免疫レジメにおけるワクチン追加免疫として使用する場合にMVAを含んでよい。ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)またはレンチウイルスを含んでよい。ウイルスベクターは、弱毒化ウイルスベクターであってよい。本発明のポリペプチド配列を、良好な免疫応答を誘発することが公知の任意の適切なウイルスベクターにクローン化することができる。適切なウイルスベクターは、Dicks et al(Vaccine.2015 Feb 25;33(9):1121-8.doi:10.1016/j.vaccine.2015.01.042.Epub 2015 Jan 25)、Antrobus et al(Mol Ther.2014 Mar;22(3):668-74.doi:10.1038/mt.2013.284.Epub 2013 Dec 30.)、および(Warimwe et al.(Virol J.2013 Dec 5;10:349.doi:10.1186/1743-422X-10-349)(本明細書中で参考として援用される)に記載されている。
【0064】
本発明の別の態様によれば、以下:
-本発明のポリペプチド;
-本発明の核酸;および
-本発明のウイルスベクター
のうちの1以上を含む組成物を提供する。
【0065】
組成物は、例えば、ヒトなどの哺乳動物において免疫原性を示し得る。組成物は、薬学的に許容され得る担体を含んでよい。組成物は、薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物であってよい。組成物は、HPV感染の予防または処置で用いられるものであり得る。
【0066】
本発明の別の態様によれば、HPV感染を処置または予防する方法であって、以下:
-本発明のポリペプチド;
-本発明の核酸;
-本発明の組成物または
-本発明のウイルスベクター
の投与を含む方法を提供する。
【0067】
HPV感染を処置または予防する方法は、ワクチン接種方法であり得る。
【0068】
本発明の別の態様によれば、HPV感染の予防または処置で用いる薬剤であって、以下:
-本発明のポリペプチド;
-本発明の組成物;
-本発明の核酸;または
-本発明のウイルスベクター
を含むか、これからなる薬剤を提供する。
【0069】
1つの実施形態では、HPV感染の処置または予防は、肛門生殖器HPV駆動病変(肛門、外陰、膣、または陰茎の上皮内新形成など)の処置または予防を含む。さらにまたはあるいは、HPV感染の処置または予防は、HPVに原因する口腔咽頭病変の処置または予防を含む。
【0070】
本発明の別の態様によれば、ワクチン中で、またはワクチンとして使用するための本発明のポリペプチド;本発明の組成物;本発明の核酸;または本発明のウイルスベクターを提供する。
【0071】
本発明の別の態様によれば、本発明の核酸;本発明のポリペプチド;本発明の組成物;または本発明のウイルスベクターを含むワクチンを提供する。
【0072】
ワクチンは、初回刺激ワクチンであってよい。ワクチンは追加免疫ワクチンであってよい。追加免疫ワクチンを初回刺激ワクチン後に提供する場合、ポリペプチドは異なっていてよい。例えば、ポリペプチドは、保存ペプチド配列の並べ替えた配列を含んでよい。保存ペプチド配列は同一であってよいが、ポリペプチドに提供される順序は変更してよい。したがって、本発明は、保存ペプチド配列が提供される順序を変更することができる本発明の配列/実施形態のいずれかを提供する。かかる実施形態には、並べ替えたか異なるリンカー/接合配列も含まれ得る。
【0073】
有利には、初回刺激ワクチンと追加免疫ワクチンとの間のポリペプチドの保存ペプチド配列の並べ替えにより、1つの保存ペプチド配列の別の保存ペプチド配列との接合によって形成される「偽」エピトープの提供を回避することができる(すなわち、並べ替えたポリペプチドにおいては同一の接合が起こり得ない)。
【0074】
本発明の別の態様によれば、ワクチン中で、またはワクチンとして使用するための本発明の核酸またはポリペプチドを提供する。
【0075】
本発明の別の態様によれば、
-本発明の初回刺激ワクチン接種;
-本発明の追加免疫ワクチン接種
を含む、初回刺激・追加免疫ワクチン接種キットを提供する。
【0076】
初回刺激ワクチン接種および追加免疫ワクチン接種は異なっていてよい。初回刺激ワクチン接種および追加免疫ワクチン接種は、ポリペプチド配列が異なっていてよい。初回刺激ワクチン接種および追加免疫ワクチン接種は、異なるウイルスベクター(すなわち、MVA対アデノウイルスなどの異なるウイルスファミリーに由来する)を含んでよい。
【0077】
本発明の別の態様によれば、本発明の核酸および薬学的に許容され得る担体を含む組成物を提供する。
【0078】
組成物は、野生型HPVを含まなくてよい。組成物は、全長HPVタンパク質配列を含まなくてよい。ウイルスベクターまたは核酸は、HPVの非保存タンパク質/ペプチド配列をコードしなくてよい。
【0079】
薬学的に許容され得る担体と共に使用してよい。さらにまたはあるいは、アジュバントと共に使用してよい。
【0080】
用語「免疫原性」は、本発明の核酸、ポリペプチド、または組成物に適用する場合、ヒトまたは動物の体内で免疫応答を誘発することができることを意味する。免疫応答は防御的であってよい。
【0081】
用語「防御的」は、疾患の予防、疾患の感染、伝播および/もしくは進行のリスクの低下、疾患の重症度の低下、容態もしくは疾患の治癒、症状の緩和、または疾患もしくは病徴の重症度の低下を意味する。
【0082】
用語「予防」は、疾患の予防または予防的処置を意味する。予防には、疾患の感染、伝播および/もしくは進行のリスクの低下、または疾患の重症度の低下が含まれ得る。
【0083】
用語「処置」は、容態もしくは疾患の治癒、症状の緩和、または疾患もしくは病徴の重症度の低下を意味する。
【0084】
当業者は、本発明の1つの実施形態または態様の任意選択的な特徴を、適切な場合には、本発明の他の実施形態または態様に適用可能であり得ると理解するであろう。
【0085】
ここで、本発明の実施形態を、ほんの一例として、添付の図面を参照して、より詳細に説明するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】HPV候補を作製するために使用したキメラ法およびバリアント法。
【
図2】以下の得られたバリアントを有する保存領域。
【
図3】A)キメラを形成するために使用した2つの遺伝子型で保存されていたことが同定された領域。B)改変バリアントの保存プロット。
【
図4】A)キメラを形成するために使用した2つの遺伝子型で保存されていたことが同定された領域。B)バリアントの保存プロット。
【
図5】キメラを形成するために使用した2つの遺伝子型で保存されていたことが同定された領域。
【
図6】キメラ-バリアントを形成するために使用した2つの遺伝子型で保存されていたことが同定された領域。
【
図7】キメラを形成するために使用した2つの遺伝子型で保存されていたことが同定された領域。
【
図8】ワクチン特異的T細胞は、初回刺激・追加免疫ワクチン接種後に高頻度で誘導される。IFNγElispotを、DNA-HPV、MVA-HPV、またはChAdOx1-5GHPV3で筋肉内に初回刺激し、次いで、2週間後に異種または同種のワクチンで筋肉内に追加免疫したC57BL/6マウス(6匹/群)由来のPBMCに対して行った。初回刺激の2週間後および追加免疫の1週間後および2週間後にPBMCを尾静脈出血によって回収した。
【
図9】初回刺激・追加免疫ワクチン接種は、免疫原中のコードされた全ての抗原に対する応答を誘導することができる。PBMCを2週間追加免疫時に回収し、タンパク質供給源に応じてプールした全免疫原配列にわたるペプチドを使用したIFNγ Elispotにおいて使用した。免疫原のE2領域にわたるペプチドを、ペプチドが多数であるので2つのプールに分割し、E4およびE5にわたる領域のペプチドを1つのプールに合わせた。
【
図10】ワクチン特異的CD8+T細胞を、ChAdOx1-5GHPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫の6週間後に高頻度で検出することができる。10a:追加免疫の2、3、4、および6週間後に尾静脈出血によって回収したPBMCを用いたIFNγ Elispot(DM;DNA-5GHPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫、CM;ChAdOx1-5GHPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫)。10b:ChAdOx1-5GHPV3初回刺激、MVA-5GHPV3追加免疫の1週間後および6週間後に得たPBMCに対してICSを行った。PBMCを、E6およびE7ペプチドプールで刺激した。IFN-γ、CD107、TNF-α、およびIL2を測定した。
【
図11】HPV E6およびE7特異的CD8+T細胞応答は多機能であり、細胞毒性の可能性がある。ChAdOx1-5GHPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫の1週間後に回収した尾静脈出血由来のPBMCを、免疫優性ペプチドプールE6およびE7ならびにE6内の優性サブプールであるサブプール22で刺激した。応答しているCD8+T細胞は、3つの機能(CD107、IFNγ、およびTNFα)を優性に発現する。
【
図12】ChAdOx1-5GHPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫はまた、HPV E6およびE7特異的CD4+T細胞応答を初回刺激し、この応答は、追加免疫の6週間後にも依然として検出可能である。ChAdOx1-5GHPV3初回刺激、MVA-5GHPV3追加免疫の1週間後および6週間後に得たPBMCに対してICSを行った。PBMCをE6およびE7ペプチドプールで刺激した。IFN-γ、CD107、TNF-α、およびIL2を測定した。
【
図13】ほとんどのE6およびE7特異的CD4+T細胞が2つの機能を発現する。ChAdOx1-5GHPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫の1週間後に回収した尾静脈出血由来のPBMCを、免疫優性ペプチドプールE6およびE7ならびにE6内の優性サブプールであるサブプール22で刺激した。応答しているCD4+T細胞は、2つの機能(CD107の減少+単機能細胞)を優性に発現する。
【
図14】HPV E6およびE7特異的CD8+T細胞を、子宮頸部中に検出することができる。ChAdOx1-5GHPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫の2週間後にマウスから単離した頸膣リンパ球に対してICSを行い、免疫優性ペプチドプールE6および E7ならびにサブプール22で刺激した。IFN-γ、CD107、TNF-α、およびIL2を測定した。
【
図15】頸膣HPV E6およびE7特異的CD8+T細胞応答は、多機能である。ChAdOx1-5GHPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫の1週間後に回収した頸膣リンパ球を、免疫優性ペプチドプールE6およびE7ならびにE6内の優性サブプールであるサブプール22で刺激した。応答しているCD8+T細胞は、3つの機能(CD107、IFNγ、およびTNFα)を優性に発現する。
【
図16】子宮頸部内のワクチン誘導性E6およびE7特異的CD8+T細胞およびCD4+T細胞は、ほぼ例外なくエフェクター表現型である。ナイーブ:CD44-CD62L+。抗原経験あり:セントラルメモリー-CD62L+、CD127+;エフェクターメモリー-CD62L-、CD127+;エフェクター- CD62L-、CD127-。リンパ球数が少ないので、6匹のマウス由来の子宮頸部リンパ球を3つの対にプールした。
【
図17】子宮頸部と対照的に、脾臓内のワクチン誘導性E6およびE7特異的CD8+T細胞およびCD4+T細胞は、エフェクター集団およびエフェクターメモリー集団を含む。
【
図18】ChAdOx1-5GHPV3初回刺激、MVA-5GHPV3追加免疫でワクチン接種したマウスは、対照マウスよりも生存期間が増加した。マウスに、5×10
4個のTC-1細胞を0日目に接種し、次いで、3日目に初回刺激し、17日目に追加免疫した。腫瘍をデジタルカリパスで2日毎に測定し、腫瘍が任意の1つの方向において10mmに到達したときにマウスを屠殺した。
【
図19】非近交系CD1マウスのワクチン接種により、T細胞応答が高頻度で誘導される。IFNγ Elispotを、DNA-5GHPV3、MVA-5GHPV3、またはChAdOx1-5GHPV3で筋肉内に初回刺激し、次いで、2週間後に異種または同種のワクチンで筋肉内に追加免疫したCD1マウス(10匹/群)由来のPBMCに対して行った。初回刺激の2週間後ならびに追加免疫の2週間後および3週間後にPBMCを尾静脈出血によって回収した。
【
図20】ワクチン接種したCD1マウスにおけるT細胞応答は、免疫原全体に向かう。PBMCを2週間追加免疫時に回収し、免疫原配列全体にわたるペプチドを使用したIFNγ Elispotで使用し、タンパク質供給源に応じてプールした。免疫原のE2領域にわたるペプチドを、ペプチドが多数であるので2つのプールに分割し、E4およびE5にわたる領域のペプチドを1つのプールに合わせた。
【
図21】上のパネル:16~24歳の76人の女性由来の末梢血単核球(PBMC)を、ex vivo IFN-γ Elispotアッセイにおいて高リスクHPV(hrHPV)由来の初期タンパク質に基づいたペプチド認識について試験した。「インサート」は、hrHPV導入遺伝子にわたって11アミノ酸が重複した15量体ペプチドのプールである。「基準」ペプチドは、以下のように組み合わせたHPV16およびHPV52由来の初期タンパク質に基づいたペプチドのプールであった:E1/E2、E4/E5、およびE6/E7。「FEC」(flu、EBV、およびCMV)ペプチドおよびPHA(フィトヘマグルチニン(phytohaemaglutinnin))を、ポジティブコントロールとして使用した。示したデータは、ネガティブコントロール値(偽刺激細胞)を差し引いた後のペプチド刺激ウェルから得たスポット形成単位(SFU)である。陽性反応のカットオフを、25SFU/百万個のPBMC(全ドナー由来の偽刺激値の平均+2標準偏差から導く)で設定した。膣試料採取時に女性をhrHPV DNAについて同時に試験した:試験した女性の26%が陽性であった。データは、現在hrHPV感染しているか、過去に曝露されていた9/76人の女性が導入遺伝子中にコードされたHPV配列を認識したことを示す。下のパネル:PBMCをインサートプールのサブプール(左、SFU/百万個のPBMC)で試験し、その後にプール内の個別のペプチド(右、SFU/ウェル)で試験し、それにより、真のHPV特異的応答の存在を確認することによって、応答する1ドナーにおけるインサートプールに対する応答をさらに調査した。SFU-200,000PBMCを含むウェルあたり、または百万個のPBMCあたり報告されたスポット形成単位。
【
図22】ChAdOX1-5G-HPV3初回刺激MVA-5GHPV3追加免疫後のC57BL/6マウス(上のパネル)およびCD1マウス(下のパネル)におけるサブプールマッピング。追加免疫の2週間後にマウスを屠殺し、脾細胞を単離した。脾細胞を、免疫原配列を対象とするサブプールを使用したIFNγ Elispotアッセイで使用した。サブプール21、25、および26(例えば)は、HPV53配列を含まず、かつ依然として高い応答が得られるため、HPV53セグメントを持たない配列は依然として免疫原性を示すという証拠が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0087】
HPV免疫原のデザイン
HPV免疫原は、保存されたアミノ酸断片から構成され、タンパク質レベルで世界的なHPV集団を地理的に代表している。各断片を、キメラまたはバリアントベースの断片のいずれかを作製するために利用されている保存アルゴリズムを使用して作製する。アルゴリズムの選択は、使用した各HPVタンパク質の特徴に依存する。
【0088】
コア保存アルゴリズムは、コレクションバイアルを考慮した正規化法とスライディングウィンドウアプローチを組み合わせて使用して、遺伝子型の内部(遺伝子型内)および間(遺伝子型間)の両方で保存されているウィンドウを同定する。遺伝子型内保存ウィンドウを、配列全体についての全ウィンドウ保存値の和の1四分位数未満の保存値を有するウィンドウと分類する。このプロセス中の各遺伝子型についての典型的な正規化コンセンサス配列を作製する。引き続いて、遺伝子型間ウィンドウを、保存され、コンセンサス同一性の共有率が60%を超える各遺伝子型内の同一の位置のウィンドウとして同定する。
【0089】
各タンパク質領域について選択された全ての遺伝子型を表す配列の作製における主要な課題は、多数の遺伝子型が固有の系統発生的クラスタリングを示すことであった。遺伝子型にわたって保存された領域の同定とこれらの領域間のコンセンサス同一性の共有率レベルとの間のバランスが重要である。多くの場合、遺伝子型間の多様性は、コンセンサス同一性の共有率を犧牲にするほど極端であった。いくつかの遺伝子型は相互に非常に異なっているので、代表的な配列を作製するのは不可能であった。この問題を解決するために、生の配列データを以下の2つの方法のうちの1つにおけるコアアルゴリズムに入力した(
図1)。(i)バリアント;全ての遺伝子型の配列をアルゴリズムに入力し、遺伝子型間の保存領域を、コンセンサス同一性の共有率と無関係に同定する。得られた領域から系統樹を作製し、内群配列を組み合わせてコンセンサスの同一性の共有レベルが高いコンセンサスを作製した(
図1b)。(ii)キメラ;いくつかの場合、遺伝子型間に、遺伝子型が適切にアラインメントされないほどの距離がある。したがって、遺伝子型内群のみを共にアルゴリズムに入力し、コンセンサス同一性の共有率が60%を超える内群間で保存された領域を同定する(
図1a)。
【0090】
HPV候補
NCBIタンパク質データベースから収集した入力配列を使用して6つのHPVタンパク質(E1~2、E4~7)の候補配列を作製し、アラインメントし、手作業で監査して、不完全で低品質の配列を除去した(表1)。
【0091】
【0092】
【0093】
ウィンドウを用いて同定したE1タンパク質内の5つの断片は、その各遺伝子型内の同一の位置に保存されていた。分岐分類により、コンセンサス同一性を高レベルで共有する最も適切な遺伝子型の組み合わせを同定した(
図2)。
【0094】
【0095】
アラインメントの不一致により、系統樹に基づいて3つのキメラが作製された(16および31、52および58、53および18)(
図3a)。さらに、全ての遺伝子型を類似の様式でアルゴリズムに入力してバリアントを作製したが、各遺伝子型から60%を超えるコンセンサス同一性の共有率を有する保存ウィンドウのみを選択するためのプログラムのフィルタリングを無効にした。この同定された1つの断片を、「改変バリアント」と呼んだ(
図3b)。
【0096】
【0097】
4つのキメラを作製し、断片のうちの2つは遺伝子型特異的である(
図4a)。さらに、バリアント解析により1つの領域を同定した(
図4b)。
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
E6タンパク質は、遺伝子型にわたって保存が非常に制限されていた。その代わりとして内群を処理してコンセンサス同一性共有率のフィルターを用いずにキメラを生成したが、遺伝子型52および58を除いて、保存されたウィンドウを組み合わせずにコンセンサスを生成した(
図6)。
【0102】
【0103】
遺伝子型16および31ならびに52および58のキメラを作製した(
図7)。遺伝子型53および18はキメラバリアントである。
【0104】
【0105】
HPV3ヌクレオチド配列(配列番号60)
開始コドンを先頭にして、追加のリンカーと共にコードされるTPAリーディング配列から始まっている(TPAおよびリンカーを、下線を引いた太字で示す)。
【化1】
【化2】
【0106】
ペプチドアジュバント/TPAをコードしていないHPV3ヌクレオチド配列(配列番号65)
【化3】
【化4】
【化5】
【0107】
HPV3ポリペプチド配列(配列番号61)
開始コドンを先頭にして、TPAリーディング配列から始まっている。
【化6】
【0108】
TPA/ペプチドアジュバント配列を持たないHPV3 ポリペプチド配列(配列番号66)
【化7】
【化8】
【0109】
免疫原コード配列インサートを有するウイルスベクター配列ChAdOx1。
免疫原コード配列インサートの開始コドンおよび終止コドンに下線を引いている。リードTPA配列およびリンカーを太字で表している。
(配列番号62)
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0110】
ChAdOx2配列(配列番号67+68)
免疫原カセットに対して5’側のChAdOx2配列を配列番号67として提供し、免疫原カセットに対して3’側のChAdOx2配列を配列番号68として提供する。
【0111】
MVA配列(配列番号69+70)
免疫原カセットに対して5’側のMVA配列を配列番号69として提供し、免疫原カセットに対して3’側のMVA配列を配列番号70として提供する。
【0112】
以下の2つの異なるシャトルプラスミドを使用してMVAワクチンを作製した:
1.P7.5シャトルプラスミド。親MVAウイルス中のTK遺伝子座領域に相同な上流および下流に隣接するHPVインサート。p7.5プロモーターの制御下のインサート。
2.F11シャトルプラスミド。親MVAウイルス中のF11遺伝子座領域に相同な上流および下流に隣接するHPVインサート。F11プロモーターの制御下のインサート。
【0113】
次いで、ニワトリ胚線維芽細胞にMVA親ウイルスを感染させ、p7.5MVAシャトルプラスミドまたはF11MVAシャトルプラスミドのいずれかでトランスフェクトして、MVAゲノムを用いた相同組換えを起こす。それにより、目的の遺伝子がMVAゲノム内のTK遺伝子座(p7.5シャトルプラスミド)またはF11遺伝子座(F11シャトルプラスミド)のいずれかに挿入された親MVAが得られる。2つのMVAワクチンバージョンが得られる。
【0114】
P7.5シャトルプラスミド(配列番号158)(インサートに下線を付す)
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【0115】
F11-HPVシャトルプラスミド(配列番号159)(ワクチン構築物インサートに下線を付す)
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【0116】
HPV2ランダム化ヌクレオチド配列(セグメントがランダムな順序で存在する)(下線を付したtPAリーディング配列およびHindIIIクローニングリンカーを含む)(配列番号71)
【化37】
【化38】
【0117】
HPV2ランダム化配列ポリペプチド(下線を付したtPAリーディング配列およびHindIIIクローニングリンカーを含む)(配列番号72)
【化39】
【0118】
HPV53delヌクレオチド配列(HPV53由来のセグメントが除去されている)(下線を付したtPAリーディング配列およびHindIIIクローニングリンカーを含む)(配列番号73)
【化40】
【化41】
【0119】
HPV53delポリペプチド配列(下線を付したtPAリーディング配列およびHindIIIクローニングリンカーを含む)(配列番号74)
【化42】
【0120】
HPV3-リンカーヌクレオチド配列(下線を付したtPAリーディング配列およびHindIIIクローニングリンカーを含む)(配列番号75)
【化43】
【化44】
【化45】
【0121】
HPV3-リンカーポリペプチド配列(下線を付したtPAリーディング配列およびHindIIIクローニングリンカーを含む)(配列番号76)
【化46】
【配列表】