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特許7551508車両用クリーナ、車両用クリーナ用ブラケットおよび車両用クリーナユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】車両用クリーナ、車両用クリーナ用ブラケットおよび車両用クリーナユニット
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/54 20060101AFI20240909BHJP
   B60S 1/62 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
B60S1/54 Z
B60S1/62 110A
B60S1/62 120B
B60S1/62 120C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020568638
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2020003770
(87)【国際公開番号】W WO2020158938
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2019017124
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019017125
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019017126
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】松永 高宏
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/123517(WO,A1)
【文献】実開昭59-097334(JP,U)
【文献】国際公開第2015/056347(WO,A1)
【文献】特開2013-134035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00- 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の方向に並んで配置された複数の洗浄対象物と、
前記複数の洗浄対象物へ噴射される空気を前記第一の方向に送り出す送風部と、
前記送風部からの空気を前記複数の洗浄対象物へ搬送する1つの導風管と、を備え、
前記導風管は、前記第一の方向の途中に、前記第一の方向に対して交差する方向に沿って配置された仕切り板を有し、前記空気の一部の向きを変更させ、
前記複数の洗浄対象物は、バックカメラと、前記送風部に対して前記バックカメラよりも遠くに位置するリアカメラとを有し、
前記導風管は、メイン搬送路と、前記メイン搬送路から空気の一部を前記メイン搬送路の空気搬送方向に対して第一角度で前記バックカメラへ搬送する第一分岐路と、前記メイン搬送路から空気の一部を前記メイン搬送路の空気搬送方向に対して前記第一角度よりも小さい第二角度で前記リアカメラへ搬送する第二分岐路とを有
前記送風部は、前記空気を前記第一の方向に送り出す送出口を有し、
前記導風管は、前記バックカメラに対応する第一開口と、前記リアカメラに対応する第二開口とを有し、
前記第二開口は、前記第一の方向において、前記送風部の前記送出口と重ならない位置に形成されている、車両用クリーナユニット。
【請求項2】
記導風管は、前記送風部の前記送出口から前記第一の方向に伸びており、
前記仕切り板は、前記第一の方向において前記送風部の前記送出口の一部と重なっている、請求項1に記載の車両用クリーナユニット。
【請求項3】
記仕切り板は、前記第一開口へ向けて伸びている、請求項2に記載の車両用クリーナユニット。
【請求項4】
前記第一開口は、前記第一の方向において、前記送風部の前記送出口と重ならない位置に形成され、
前記導風管は、前記送風部の前記送出口と前記第一開口とを繋ぐ第一内面を有し、
前記第一内面は、前記送風部の前記送出口から前記第一開口に向けて伸びている、請求項3に記載の車両用クリーナユニット。
【請求項5】
前記導風管は、前記送風部の前記送出口と前記第二開口とを繋ぐ第二内面を有し、
前記第二内面は、前記送風部の前記送出口から前記第一の方向に伸びた第一部分と、前記第一部分から前記第二開口に向けて伸びた第二部分とを有する、請求項3または請求項4に記載の車両用クリーナユニット。
【請求項6】
前記導風管は、前記仕切り板の前記第一開口に連なる端部とは反対の端部から前記第二開口へ向けて伸びたガイド板を有する、請求項3から請求項5の何れか一項に記載の車両用クリーナユニット。
【請求項7】
前記仕切り板は、前記第一の方向に対して直交する方向に沿って伸びている、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の車両用クリーナユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用クリーナ、車両用クリーナ用ブラケットおよび車両用クリーナユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両周囲の状況を撮影する車載カメラが搭載された車両が増えてきている。車載カメラは、撮像面であるレンズが雨や泥等で汚れてしまう場合がある。このため、レンズ上に付着した水滴等の異物を除去するために、車載カメラのレンズに洗浄液や圧縮空気等を吹き付けて異物を除去する装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2001-171491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、洗浄対象物が複数ある場合、空気を噴射する噴射口まで空気を送るための管は、各洗浄対象物に対して設けられている。しかしながら、このような構造により、車両用クリーナユニットの全体の構造が大型化してしまう恐れがある。
【0005】
また、洗浄液を噴射する異物除去装置の場合、洗浄液を噴射するとノズルの先端に洗浄液が残り、水滴が車載カメラに映る場合がある。また、ノズルの先端に付着した雨等の水滴が車載カメラに映る場合がある。
【0006】
また、異物除去装置の取付作業は、車載カメラの位置に対して、洗浄液や空気を噴射するノズルやノズルに空気を搬送する導風管等の位置を調整しながら行う。このため、取付作業が煩雑になる。また、車載カメラに対して、ノズルや導風管の位置ずれが発生する場合がある。
【0007】
本開示は、シンプルな構造で複数の洗浄対象物へ空気を搬送することが可能な車両用クリーナユニットを提供することを目的の一つとする。
【0008】
また、本開示は、ノズルの先端に付着した水滴が車載センサに検知されることを防止する車両用クリーナ及び車両用クリーナユニットを提供することを目的の一つとする。
【0009】
また、本開示は、シンプルな構成で、洗浄対象物に対する導風管の位置ずれを防ぐことができる車両用クリーナ用ブラケット及び車両用クリーナユニットを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一側面に係る車両用クリーナユニットは、
第一の方向に並んで配置された複数の洗浄対象物と、
前記複数の洗浄対象物へ噴射される空気を前記第一の方向に送り出す送風部と、
前記送風部からの空気を前記複数の洗浄対象物へ搬送する1つの導風管と、を備え、
前記導風管は、前記第一の方向の途中に、前記第一の方向に対して交差する方向に沿って配置された仕切り板を有し、前記空気の一部の向きを変更させる。
【0011】
上記構成によれば、仕切り板を用いて空気の一部の向きを変更させるため、1つの導風管で複数の洗浄対象物に対して空気を搬送することができる。このため、シンプルな構造で複数の洗浄対象物に対して空気を搬送することができる。
【0012】
また、前記送風部は、前記空気を前記第一の方向に送り出す送出口を有し、
前記導風管は、前記送風部の前記送出口から前記第一の方向に伸びており、
前記仕切り板は、前記第一の方向において前記送風部の送出口の一部と重なってもよい。
【0013】
上記構成によれば、仕切り板により第一の方向に搬送される空気の一部の向きをより効果的に変更させることができる。
【0014】
また、前記複数の洗浄対象物は、第一の洗浄対象物と、前記送風部に対して前記第一の洗浄対象物よりも遠くに位置する第二の洗浄対象物とを有し、
前記導風管は、前記第一の洗浄対象物に対応する第一開口と、前記第二の洗浄対象物に対応する第二開口とを有し、
前記仕切り板は、前記第一開口へ向けて伸びてもよい。
【0015】
上記構成によれば、仕切り板を用いて空気の一部の向きを変更させつつ空気の一部を第一の洗浄対象物に対応する第一開口の方向にガイドすることができる。
【0016】
前記第一開口は、前記第一の方向において、前記送風部の前記送出口と重ならない位置に形成され、
前記導風管は、前記送風部の前記送出口と前記第一開口とを繋ぐ第一内面を有し、
前記第一内面は、前記送風部の前記送出口から前記第一開口に向けて伸びてもよい。
【0017】
上記構成によれば、第一内面により、第一の洗浄対象物に対応する第一開口の方向に空気をガイドすることができる。
【0018】
前記導風管は、前記送風部の前記送出口と前記第二開口とを繋ぐ第二内面を有し、
前記第二内面は、前記送風部の前記送出口から前記第一の方向に伸びた第一部分と、前記第一部分から前記第二開口に向けて伸びた第二部分とを有してもよい。
【0019】
上記構成によれば、第二内面の第一部分により第一の方向に空気を搬送することができ、第二部分により第二の洗浄対象物に対応する第二開口の方向に空気をガイドすることができる。
【0020】
前記導風管は、前記仕切り板の前記第一開口に連なる端部とは反対の端部から前記第二開口へ向けて伸びたガイド板を有してもよい。
【0021】
上記構成によれば、ガイド板により第二の洗浄対象物に対する第二開口の方向に空気をガイドすることができる。
【0022】
また、前記仕切り板は、前記第一の方向に対して直交する方向に沿って伸びてもよい。
【0023】
上記構成によれば、仕切り板を用いて空気の一部の向きを変更させることができる。
【0024】
本開示の一側面に係る車両用クリーナは、
車載センサの検出面に向けて洗浄液及び空気の少なくとも一方を噴射するノズルを備え、
前記ノズルの先端は、幅方向の一方の端部が、中央部よりも噴射方向の下流側へ伸びている。
【0025】
上記構成によれば、ノズル先端の中央部に付着した水滴は端部へ流れるため、ノズル先端に付着した水滴が車載センサに検知されることを防止することができる。
【0026】
また、前記ノズルの先端は、前記幅方向の両端部が、前記中央部よりも前記噴射方向の下流側へ伸びてもよい。
【0027】
上記構成によれば、ノズル先端の中央部に付着した水滴は両端部へ流れるため、ノズル先端に付着した水滴が車載センサに映ることを防止することができる。
【0028】
また、前記ノズルの先端の前記端部は、前記車載センサに接触する接触部を有してもよい。
【0029】
上記構成によれば、ノズル先端の中央部に付着した水滴は、端部の接触部を経由して車載センサへ流れるため、ノズル先端の端部から水滴が落ちることを防止することができる。
【0030】
また、前記ノズルの先端は、前記中央部から前記端部へ湾曲しながら前記噴射方向の下流側へ伸びてもよい。
【0031】
上記構成によれば、ノズル先端の中央部に付着した水滴はスムーズに端部へ流れるため、ノズル先端に付着した水滴が車載センサに検知されることを防止することができる。
【0032】
また、前記車両用クリーナは、複数の前記ノズルを備え、前記複数のノズルの先端は、互いに異なる形状を有してもよい。
【0033】
上記構成によれば、複数の車載センサの各洗浄面の形状および向きに合わせて、先端が異なる形状を有するノズルを使用することができる。例えば、ノズルの先端は、中央部と端部の間の噴射方向の長さが異なる。または、ノズルの先端は、中央部と端部の間の幅方向の長さが異なる。または、ノズルの先端は、中央部から端部へのカーブの度合いが異なる。このため、複数の車載センサの各洗浄面の形状および向きに応じて効率よくノズル先端の中央部に付着した水滴を端部へ流すことができる。
【0034】
また、前記ノズルは、車載センサの検出面に向けて洗浄液及び空気を噴射してもよい。
【0035】
上記構成によれば、例えば、ノズルは洗浄液を噴射後に空気を噴射する。これにより、洗浄液を噴射後にノズル先端に残った洗浄液が車載センサに検知されることを防止することができる。
【0036】
本開示の一側面に係る車両用クリーナユニットは、
前記車両用クリーナと、
車載センサと、を備えている。
【0037】
上記構成によれば、ノズル先端の中央部に付着した水滴は端部へ流れるため、ノズル先端に付着した水滴が車載センサに検知されることを防止することができる。
【0038】
また、前記ノズルの先端の幅は、前記車載センサの検出面の幅よりも大きくてもよい。
【0039】
上記構成によれば、ノズル先端の中央部に付着した水滴は端部へ流れるため、ノズル先端に付着した水滴が車載センサに検知されることをより確実に防止することができる。
【0040】
本開示の一側面に係る車両用クリーナ用ブラケットは、
洗浄対象物を取り付けるための取付部と、
前記洗浄対象物へ噴射される空気を搬送する導風管の少なくとも一部を形成する導風管形成部と、
を備える。
【0041】
上記構成によれば、洗浄対象物が取り付けられるブラケットに導風管形成部が設けられている。このため、シンプルな構成で、洗浄対象物に対する導風管の位置ずれを防ぐことができる。
【0042】
また、前記ブラケットは、複数の前記取付部を備えており、前記導風管形成部は、前記複数の取付部に対応づけて前記導風管形成部を分岐する分岐部を有してもよい。
【0043】
上記構成によれば、分岐部により導風管形成部を分岐し、それぞれの洗浄対象物へ空気を搬送することができる。
【0044】
また、前記ブラケットは、前記洗浄対象物へ噴射される空気を前記導風管へ送り出す送風部を収容するための収容部をさらに備え、前記収容部は前記導風管形成部と連通してもよい。
【0045】
上記構成によれば、導風管形成部を有するブラケットに送風部を収容するための収容部が設けられている。このため、シンプルな構成で、導風管に対する送風部の位置ずれを防ぐことができる。
【0046】
また、前記洗浄対象物へ噴射される空気を前記導風管へ送り出す送風部を収容するための収容部をさらに備え、前記収容部は前記導風管形成部と連通しており、
前記複数の取付部は、バックカメラを取り付けるためのバックカメラ用の取付部と、リアカメラを取り付けるためのリアカメラ用の取付部であり、
前記収容部と、前記バックカメラ用の取付部と、前記リアカメラ用の取付部とは、この順番に並んで配置されおり、
前記導風管形成部は、前記収容部から、前記バックカメラ用の取付部及び前記リアカメラ用の取付部の並び方向に沿って伸びてもよい。
【0047】
上記構成によれば、送風部からの空気は、導風管形成部により、バックカメラ用の取付部及びリアカメラ用の取付部の並び方向に沿って搬送される。このため、送風部の収容部に対して、遠くに位置するリアカメラ用の取付部の方に空気がスムーズに流れやすくなる。したがって、送風部からの空気をリアカメラにより多く搬送することができる。
【0048】
本開示の一側面に係る車両用クリーナユニットは、
前記車両用クリーナ用ブラケットと、
前記車両用クリーナ用ブラケットの取付部に取り付けられた洗浄対象物と、
前記洗浄対象物へ噴射される空気を導風管へ送り出す送風部と、
を備える。
【0049】
上記構成によれば、洗浄対象物が取り付けられるブラケットに導風管形成部が設けられている。このため、シンプルな構成で、洗浄対象物に対する導風管の位置ずれを防ぐことができる。
【0050】
また、前記車両用クリーナユニットは、前記導風管の一部を形成するカバーと、前記カバーに一体的に形成され、前記洗浄対象物へ前記空気を噴射するノズルと、を備え、前記カバーは、前記導風管形成部を覆うことにより、前記導風管形成部と共に前記導風管を形成してもよい。
【0051】
上記構成によれば、導風管形成部と共に導風管を形成するカバーにノズルが一体形成されている。このため、シンプルな構成で、導風管に対するノズルの位置ずれを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0052】
本開示によれば、シンプルな構造で複数の洗浄対象物へ空気を搬送することが可能な車両用クリーナユニットを提供することができる。
【0053】
また、本開示によれば、ノズルの先端に付着した水滴が車載センサに検知されることを防止する車両用クリーナ及び車両用クリーナユニットを提供することができる。
【0054】
また、本開示によれば、シンプルな構成で、洗浄対象物に対する導風管の位置ずれを防ぐことができる車両用クリーナ用ブラケット及び車両用クリーナユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本開示の第一実施形態の車両用クリーナユニットが搭載された車両を示す模式図である。
図2図1の車両用クリーナユニットを車両の後方から視た図である。
図3図1の車両用クリーナユニットを車両の側方から視た図である。
図4A】車両用クリーナユニットの正面図である。
図4B】車両用クリーナユニットの分解斜視図である。
図5図4Aの車両用クリーナユニットのV-Vにおける断面図である。
図6】多翼ファンの分解斜視図である。
図7】多翼ファンの軸方向断面図である。
図8】多翼ファンの径方向断面図である。
図9図3の車両用クリーナユニットのIX-IXにおける断面図である。
図10】連結ホースが接続された車両用クリーナユニットの斜視図である。
図11図3の車両用クリーナユニットのXI-XIにおける断面図である。
図12A図2の車両用クリーナユニットのXIIA-XIIAにおける断面図である。
図12B図2の車両用クリーナユニットのXIIB-XIIBにおける断面図である。
図13A】バックカメラ用ノズルの噴射口を示す図である。
図13B】リアカメラ用ノズルの噴射口を示す図である。
図14A】リアカメラおよびリアカメラ用ノズルを示す図である。
図14B】リアカメラおよびリアカメラ用ノズルを示す図である。
図15A】変形例1のリアカメラ用ノズルを示す図である。
図15B】変形例2のリアカメラ用ノズルを示す図である。
図16】本開示の第二実施形態に係る車両用クリーナユニットの正面図である。
図17】本開示の第三実施形態に係る車両用クリーナユニットの車載カメラおよびノズルを示す図である。
図18図17のノズルの噴射口を示す図である。
図19】変形例の多翼ファンの斜視図である。
図20】変形例の多翼ファンの分解斜視図である。
図21】変形例の多翼ファンの支持部とケージ部との接続関係を説明するための図である。
図22A】変形例の多翼ファンの軸方向断面図である。
図22B】変形例の多翼ファンの軸方向断面図である。
図23A】変形例の多翼ファンのケージ部を示した図である。
図23B】変形例の多翼ファンのモータにケージ部を取り付けた図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0057】
また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「上下方向」、「前後方向」について適宜言及する。これらの方向は、図4A図16の車両用クリーナユニット1、201について設定された相対的な方向である。車両用クリーナユニット1において、ブラケットカバー6が設けられている側を前方、その逆側を後方とする。図面において、「U」を上方、「D」を下方、「F」を前方、「B」を後方、「R」を右方、「L」を意味する。
【0058】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る車両用クリーナ3を有する車両用クリーナユニット1について以下に説明する。図1は、第一実施形態の車両用クリーナユニット1が搭載された車両Vを示す模式図である。図2は、図1の車両用クリーナユニット1を車両Vの後方から視た図である。図3は、図1の車両用クリーナユニット1を車両Vの側方から視た図である。図4Aは、車両用クリーナユニット1の正面図である。図4Bは、車両用クリーナユニット1の分解斜視図である。図5は、図4Aの車両用クリーナユニット1のV-Vにおける断面図である。
【0059】
車両Vは、図1に示すように、車両用クリーナユニット1と、タンク100と、モータポンプ101と、車両用ECU(Electronic Control Unit)102と、を備える。
【0060】
[車両用クリーナユニット1]
車両用クリーナユニット1は、洗浄対象物である車載カメラ2と、車両用クリーナ3とを有する。車両用クリーナユニット1は、車載カメラ2に付着する異物(水滴、泥、塵埃、等)を車両用クリーナ3により洗浄液および/または空気を用いて洗浄する。例えば、車両用クリーナ3は、外部から空気を取り込み、取り込んだ空気を車載カメラ2に吹き付ける。また、車両用クリーナ3は、車両用ECU102の制御に基づいて、タンク100からの洗浄液を車載カメラ2に所定のタイミングで吹き付ける。
【0061】
車両用クリーナユニット1は、車両Vの後部に搭載されている。例えば、車両用クリーナユニット1は、外側から車両Vの後部のアウターパネルに取り付けられ、ガーニッシュによって上方側から覆われる。
【0062】
タンク100は、車両用クリーナユニット1から噴射される洗浄液を収容する。モータポンプ101は、車両用ECU102からの制御信号に基づいて、タンク100に収容されている洗浄液を車両用クリーナユニット1へ圧送する。タンク100とモータポンプ101は、例えば、車両Vのボンネット内に配置されている。モータポンプ101は、連結ホース103を介して車両用クリーナユニット1に連結されている。尚、タンク100およびモータポンプ101は、車両Vのリア側に配置されてもよい。また、タンク100およびモータポンプ101は、フロントウインドウおよびリアウインドウを洗浄する洗浄液を噴射するためのウインドウウォッシャ装置(図示せず)の洗浄液用タンクおよびモータポンプと兼用でもよい。
【0063】
車両用ECU102は、車両Vを制御する。車両用ECU102は、タンク100の洗浄液が図2に示す車両用クリーナユニット1のノズル9から洗浄対象物である車載カメラ2へ向けて噴射されるようにモータポンプ101を制御する。
【0064】
[車載カメラ2]
車載カメラ2は、図2に示すように、バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bを有する。バックカメラ2Aは、車両Vの後退時に、車両Vの後方の自車両V近傍の画像を取得する。例えば、駐車時など、自車両Vの近くの障害物の存在を確認するためにバックカメラ2Aから出力される情報を用いることができる。
【0065】
リアカメラ2Bは、常時、車両Vの後方の画像を取得する。リアカメラ2Bは、例えば、インナーミラーカメラである。インナーミラーカメラは、インナーミラー(バックミラー)で確認することが可能な後方の状況(映像)を撮影するためのカメラである。インナーミラーカメラは、少なくとも車両Vのエンジンがオンしている間において動作する。例えば、後方から自車両Vを追い越そうとする他車両の有無を確認するためにリアカメラ2Bから出力される情報を用いることができる。
【0066】
車両用クリーナユニット1は、図2および図3に示すように、バックカメラ2Aが車両Vの後方斜め下方、リアカメラ2Bが車両Vの後方正面を向くように、車両Vに取り付けられる。
【0067】
[車両用クリーナ3]
車両用クリーナ3は、バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bに付着する異物を洗浄液および/または空気を噴射して洗浄する。車両用クリーナ3は、図4Aから図5に示すように、多翼ファン4と、ブラケット5と、ブラケットカバー6と、フィルター7とを有する。また、車両用クリーナ3は、導風管8と、ノズル9を有する。多翼ファン4は、送風部および非容積式送風部の一例である。ブラケット5およびブラケットカバー6は、ブラケットの一例である。
【0068】
[多翼ファン4]
まず、多翼ファン4について主に図6から図8を参照して説明する。図6は、多翼ファン4の分解斜視図である。図7は、多翼ファン4の軸方向断面図である。図8は、多翼ファン4の径方向断面図である。以降の説明において便宜的に、多翼ファン4において、多翼ファン本体部10の羽根車11が設けられている側を前方、その逆側を後方と呼ぶ。
【0069】
多翼ファン4は、外部から空気を連続的に取り込み、取り込んだ空気を連続的に送出するように構成されている。多翼ファン4は、図6に示すように、多翼ファン本体部10と、駆動部20と、防振部30とを有する。多翼ファン本体部10は、送風部本体の一例である。
【0070】
多翼ファン本体部10は、車載カメラ2へ噴射される空気を取り込み、取り込んだ空気を送り出すように構成されている。多翼ファン本体部10は、羽根車11と、ハウジング12と、支持部13とを有する。
【0071】
羽根車11は、駆動部20により回転軸線Ax回りに回転可能である。羽根車11は、円板状のメインプレート11aと、複数の羽根11bとを有する。複数の羽根11bは、径方向に延びるように形成されている。複数の羽根11bは、メインプレート11aに環状をなすように取り付けられている。メインプレート11aは、図7に示すように、後面から回転軸線Axに沿って延びた円筒形状の軸部11cを有する。軸部11cは、駆動部20のモータ21の回転軸21bが挿入される回転軸孔11dを有する。モータ21を駆動すると、モータ21の回転軸21bの回転と共にメインプレート11aの軸部11cも回転し、羽根車11は、回転軸線Ax回りに回転する。
【0072】
ハウジング12は、内部に略ドーナツ状の内部空間を有し、この内部空間に羽根車11を収容する。ハウジング12は、空気取込口12aと、空気送出口12bと、水抜き口12cとを有する(図4B参照)。空気取込口12aは、外部から空気を取り込むための開口である。空気送出口12bは、空気取込口12aから取込んだ空気を送出するための開口である。水抜き口12cは、多翼ファン4内部に進入した水を排出するための開口である。空気取込口12aは、羽根車11の回転軸線Axの延長線上に開口している。空気送出口12bは、羽根車11の回転軸線Axに対して交差する方向に開口している。水抜き口12cは、羽根車11の回転軸線Axに対して交差する方向に開口している。水抜き口12cは、ハウジング12の内部空間を外部へ連通させている。水抜き口12cは、車両用クリーナ3が車両Vへ取り付けられた状態でハウジング12の底部に開口している。ハウジング12の内部に浸入した水は水抜き口12cを通って外部へ落ち、ハウジング12の内部に水がたまらないようにされている。
【0073】
ハウジング12は、羽根車11を挟むように二つに分割されたフロントハウジング12Aとリアハウジング12Bとを有する。フロントハウジング12Aは、側面の対向する2か所にブラケット取付部12dを有する。多翼ファン4は、ブラケット取付部12dを介してブラケット5に固定される。リアハウジング12Bは、図7に示すように、その中央に羽根車11のメインプレート11aの軸部11cが挿入される開口12eを有する。リアハウジング12Bの開口12eと羽根車11のメインプレート11aの軸部11cとの間にはシール部材14が配置される。シール部材14は、ハウジング12から駆動部20への水等の進入を阻止しつつ、羽根車11が回転軸線Ax回りに回転することを許容する。
【0074】
羽根車11が回転すると、空気取込口12aから吸い込まれた空気が羽根11bによってリアハウジング12Bの内周面に押し付けられる。押し付けられた空気はリアハウジング12Bの内周面に沿って案内されて空気送出口12bまで導かれ、空気送出口12bからブラケット5の導風管形成部70へ送り出される。つまり、羽根車11の回転軸線Ax方向から吸い込まれた空気は、回転する羽根11bによって径方向に押し出されてリアハウジング12Bの内周面に押し付けられ、径方向に開口した空気送出口からブラケット5の導風管形成部70へ送り出される。
【0075】
支持部13は、図7に示すように、ハウジング12を支持する。支持部13は、防振部30を介して駆動部20のモータ21に接続される。また、支持部13は、その内部に駆動部20のモータ21の前部を収容している。本実施形態では、支持部13は、ハウジング12と一体成型されている。支持部13は、リアハウジング12Bの後面から回転軸線Axに沿って後方に伸びた、断面が8角形(図8参照)の筒型形状を有する。支持部13は、係合孔13a(図5参照)を有している。係合孔13aに駆動部20のモータケース22の係合爪22cを係合させることにより、支持部13は、駆動部20のモータケース22に接続される。
【0076】
尚、支持部13は、ハウジング12と一体成型されている。しかしながら、例えば、支持部13は、ハウジング12とは別々に形成され、ハウジング12に組み付けたり接着したりすることにより一体としてもよい。また、支持部13は、断面が8角形である。しかしながら、例えば、支持部13は、断面が円、楕円、8角形以外の多角形を有してもよい。
【0077】
駆動部20は、多翼ファン本体部10を駆動させるように構成されている。駆動部20は、モータ21と、モータケース22とを有する。
【0078】
モータ21は、羽根車11を回転軸線Ax回りに回転させる。モータ21は、モータ本体部21aと、回転軸21bとを有する。モータ本体部21aは、略角柱形状を有する。回転軸21bは、モータ本体部21aの前面から回転軸線Axに沿って前方に伸びている。回転軸21bは、メインプレート11aの軸部11cの回転軸孔11dに挿入される。
【0079】
モータケース22は、モータ21を収容および支持する。モータケース22は、モータ収容部22aと、支持部取付部22bとを有する。モータ収容部22aは、モータ21の後部を収容する。支持部取付部22bは、モータ収容部22aの前端から前方に伸びている。先端部の係合爪22cを支持部13の係合孔13a(図5参照)に係合させることにより、モータケース22は支持部13に接続される。
【0080】
尚、支持部13は係合孔13aを有し、モータケース22は係合爪22cを有している。しかしながら、支持部13が係合爪を有し、モータケース22が係合孔を有してもよい。
【0081】
防振部30は、支持部13に駆動部20の振動が伝わることを抑制するように構成されている。防振部30は、複数の弾性部材31と、複数の弾性部材取付部32(以下、取付部32と称する)と、ケージ部33とを有する。
【0082】
弾性部材31は、モータ21の振動を吸収し、モータ21の振動が支持部13に伝わることを抑制する。弾性部材31は、例えば、貫通孔31aを有する筒形状を有する防振ゴムである。取付部32は、モータ21に対して接触するように設けられている。弾性部材31は、取付部32を介してモータ21に取り付けられる。取付部32は、例えば、弾性部材31の貫通孔31aに挿通可能な棒形状を有する。弾性部材31は、図7および図8に示すように、取付部32と支持部13に対して接触するように設けられている。支持部13は、モータ21と非接触状態となるように弾性部材31に取り付けられる。ケージ部33は、図6に示すように、モータ21に接触した状態でモータ21の周囲を囲むように形成されている。本実施形態では、ケージ部33は、モータ21を挟むように分割されたフロントケージ部33Aとリアケージ部33Bとを有する。取付部32は、ケージ部33と一体成型されており、フロント取付部32Aと、リア取付部32Bとを有する。
【0083】
取付部32は、モータ21の周囲に4か所配置され、モータ21の径方向に伸びている。弾性部材31は、取付部32を弾性部材31の貫通孔31aに挿入させることにより、取付部32に取り付けられる。また、弾性部材31の側面には、全周に渡り貫通孔31aの軸方向と直交する方向に凹んだ溝31bが形成されている。支持部13は、支持部13の一部が弾性部材31の溝31bに挿入されることにより、弾性部材31を介してモータ21に取り付けられる。ケージ部33および取付部32を介して弾性部材31に伝わったモータ21の振動は、弾性部材31により吸収される。
【0084】
また、モータケース22は、モータケース22の一部が弾性部材31の溝31bに挿入されることにより、弾性部材31を介して支持部13に接続される。モータケース22を介して弾性部材31に伝わったモータ21の振動は、弾性部材31により吸収される。
【0085】
尚、取付部32は、ケージ部33と一体成型されている。しかしながら、取付部32は、ケージ部33と別々に形成されて、組み付けられたり接着されたりして一体となってもよい。
【0086】
また、取付部32および弾性部材31は、モータ21の周囲に4か所配置されている。取付部32および弾性部材31の個数および配置は、4か所配置に限られない。例えば、取付部32および弾性部材31がモータ21の周囲に3か所配置される場合は、モータ21が支持部13に対して取付部32の軸方向を中心として回転することを防止することができる。
【0087】
また、ケージ部33は、モータ21の全周囲を囲むように形成されている。しかしながら、例えば、ケージ部33は、モータ21の一部を囲むように形成されてもよい。
【0088】
また、弾性部材31の溝31bは、弾性部材31の側面の全周に渡り形成されている。しかしながら、例えば、溝31bは、弾性部材31の側面の一部に形成されてもよい。
【0089】
また、取付部32および弾性部材31の形状は、本実施形態に限定されない。取付部32および弾性部材31の形状は、モータ21の振動を吸収し、モータ21の振動が支持部13に伝わることを抑制できる形状であれば、他の形状でもよい。弾性部材31が筒形状を有する場合は、貫通孔31aの軸方向ではなく貫通孔31aの軸方向と直交する方向に形状を大きくすることにより、モータ21の振動をより吸収する構造とすることができる。
【0090】
このように、本実施形態では、防振部30により、支持部13にモータ21の振動が伝わることを抑制している。このため、モータ21の振動が支持部13を介して多翼ファン4の多翼ファン本体部10に伝わることを抑制することができる。また、モータ21の振動による振動音の発生を抑制することができる。
【0091】
また、防振部30の弾性部材31は、取付部32を介してモータ21に取り付けられている。支持部13は、モータ21と非接触状態となるように弾性部材31に取り付けられている。このため、モータ21の振動は弾性部材31で吸収されて、モータ21の振動が支持部13に伝わることを抑制することができる。また、支持部13はモータ21と非接触状態であるため、モータ21の振動が支持部13に伝わることを抑制することができる。
【0092】
また、弾性部材31は、棒形状の取付部32を弾性部材31の貫通孔31aに挿入することにより、取付部32に取り付けられる。また、支持部13は、その一部を弾性部材31の側面に形成された溝31bに挿入することにより、弾性部材31に取り付けられる。防振効果を向上させるために弾性部材31を大きくする場合、弾性部材31を貫通孔31aの軸方向ではなく貫通孔31aの軸方向と直交する方向に大きくすることができる。このため、支持部13及び/又は多翼ファン4全体を拡大せずに防振効果を向上させることができる。
【0093】
また、ケージ部33は、モータ21に接触した状態でモータ21の周囲を囲む。ケージ部33により取付部32を安定してモータ21に取り付けることができる。また、ケージ部33および取付部32を介してモータ21の振動を弾性部材31に伝達させて、該振動を弾性部材31により吸収させることができる。
【0094】
また、取付部32および弾性部材31は、好ましくは、モータ21の周囲に少なくとも3か所配置される。例えば、取付部32がモータ21の周囲に2か所のみ配置される場合、モータ21が支持部13に対して取付部32の軸方向を中心として回転する可能性がある。これに対して、取付部32がモータ21の周囲に少なくとも3か所配置されることにより、モータ21が支持部13に対して取付部32の軸方向を中心として回転することを防止することができる。
【0095】
また、モータケース22の一部が弾性部材31に取り付けられる。モータケース22を介して弾性部材31に伝わったモータ21の振動は、弾性部材31により吸収されるため、モータ21の振動が支持部13に伝わることを抑制することができる。
【0096】
[ブラケット5]
次に、ブラケット5について主に図4A図4Bおよび図5を参照して説明する。
ブラケット5は、バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bを支持および固定する。また、ブラケット5は、多翼ファン4を収容し、多翼ファン4から送出された空気をバックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bへ搬送する。
【0097】
ブラケット5は、図4Bに示すように、カメラ取付部50と、多翼ファン収容部60と、導風管形成部70とを有する。カメラ取付部50は、バックカメラ取付部50Aと、リアカメラ取付部50Bとを有する。
【0098】
カメラ取付部50は、ブラケット5における平板部の前面から前方に突出するように設けられている。多翼ファン収容部60は、ブラケット5における平板部の前面から後方に凹んで形成されている。導風管形成部70は、ブラケット5における平板部の前面から後方に凹んで形成されている。ブラケット5における平板部の前面の多翼ファン収容部60および導風管形成部70に対応する部分は開口されている。多翼ファン収容部60と、バックカメラ取付部50Aと、リアカメラ取付部50Bとは、多翼ファン4の空気送出口12bから送出される空気の方向(以下、空気送出方向という。)に対して直交する方向から視て、この順番に並んで配置されている。本実施形態では、空気送出方向に対して直交する方向とは、図4Bのブラケット5の前後方向(図6の多翼ファン4の回転軸線Ax方向)である。導風管形成部70は、多翼ファン収容部60から、バックカメラ取付部50Aおよびリアカメラ取付部50Bの並び方向に沿って伸びている。
【0099】
カメラ取付部50は、車載カメラ2をブラケット5に取付固定するためのものである。バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bはそれぞれ、締結部材(図示せず)により、バックカメラ取付部50Aおよびリアカメラ取付部50Bの上面に取り付けられる。バックカメラ取付部50Aは、その中央に貫通孔50Aaを有しており、バックカメラ2Aに接続される配線が収容される。リアカメラ取付部50Bは、その中央に貫通孔50Baを有しており、リアカメラ2Bに接続される配線が収容される。
【0100】
尚、バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bは、バックカメラ取付部50Aおよびリアカメラ取付部50Bの上面に取り付けられているが、一部がバックカメラ取付部50Aおよびリアカメラ取付部50Bの内部に収容されてもよい。
【0101】
多翼ファン収容部60は、多翼ファン4を収容する。多翼ファン収容部60は、図4Bおよび図5に示すように、ブラケット5における平板部の前面から後方に凹んだ凹部61を有する。凹部61は、多翼ファン4の多翼ファン本体部10のハウジング12に対応した形状を有し、多翼ファン4の多翼ファン本体部10のハウジング12を収容する。凹部61の底面には、開口61aが形成されている。多翼ファン4の多翼ファン本体部10の支持部13およびモータ21は、開口61aに挿通される。多翼ファン4は、多翼ファン本体部10の支持部13およびモータ21が開口61aを介してブラケット5から後方へ突出した状態で、多翼ファン収容部60に収容される。
【0102】
多翼ファン収容部60は、凹部61の側面の対向する2か所に、多翼ファン取付部61bを有する。多翼ファン4のブラケット取付部12dは、締結部材により多翼ファン取付部61bに取り付けられる。シール部材62は、凹部61の底面の開口61aの周りに配置される。多翼ファン4がブラケット5に取り付けられると、多翼ファン本体部10のハウジング12がシール部材62に押しつけられ、シール部材62が弾性変形することにより、多翼ファン4はブラケット5の開口61aに対してシールされる。
【0103】
多翼ファン収容部60は、多翼ファン4の水抜き口12cに連通する水抜き通路60cを有する。水抜き通路60cは、水抜き穴の一例である。水抜き通路60cは、多翼ファン4が多翼ファン収容部60に収容された際、多翼ファン4の水抜き口12cに連通する空間である。多翼ファン4の水抜き口12cから排出された水は、多翼ファン収容部60の水抜き通路60cから排出される。
【0104】
多翼ファン収容部60は、導風管形成部70と連通している。多翼ファン収容部60の凹部61の側面の多翼ファン4の空気送出口12bが対向する部分は、多翼ファン4の空気送出口12bの空気送出方向(本実施形態では、ブラケット5の左方向)に開口している。多翼ファン4が多翼ファン収容部60に収容されると、多翼ファン4の空気送出口12bが導風管形成部70に連通し、多翼ファン4の空気送出口12bから送出された空気が導風管形成部70へ搬送される。多翼ファン収容部60および導風管形成部70は、ブラケット5における平板部の前面よりも後方に配置されているため、空気は、多翼ファン4の空気送出口12bからブラケット5における平板部の前面よりも後方で且つ左方向に送出される。
【0105】
導風管形成部70は、多翼ファン4の空気送出口12bから送出された空気を搬送する導風管8の少なくとも一部を形成する。本実施形態では、導風管形成部70は、ブラケットカバー6により前面が覆われておりブラケットカバー6と共に導風管8を形成している。導風管形成部70は、多翼ファン4の空気送出口12bから空気送出方向に伸びている。導風管形成部70は、分岐部71を有する。導風管形成部70内で搬送されている空気は、分岐部71により分岐される。導風管形成部70は、多翼ファン4の空気送出口12bから送出された空気を最初は空気送出方向と略同一の方向に搬送し、その後、分岐部71により分岐してバックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bにそれぞれ搬送する。
【0106】
導風管形成部70は、ブラケット5における平板部の前面よりも後方に配置されているため、導風管8は、ブラケット5における平板部の前面よりも後方に配置され、空気は、導風管8によりブラケット5における平板部の前面よりも後方で且つ左方向に空気を搬送される。
【0107】
尚、導風管8は、導風管形成部70およびブラケットカバー6により形成されている。しかしながら、例えば、ブラケット5における平板部の前面の導風管形成部70に対応する部分は開口されておらず、導風管形成部70のみで導風管8が形成されてもよい。導風管8の詳しい構造は、後述する。
【0108】
ブラケット5は、さらに車体取付部53を有する。車体取付部53は、ブラケット5の左右方向の両端部に設けられている。車体取付部53は、図2に示すように、ブラケット5における平板部の前面が下を向くように、車両Vのアウターパネルに取り付けられる。
【0109】
[ブラケットカバー6]
次に、ブラケットカバー6について主に図4Aおよび図4Bを参照して説明する。
ブラケットカバー6は、ブラケット5の前面の一部を覆うように構成されている。本実施形態では、ブラケットカバー6は、多翼ファン収容部60および導風管形成部70を覆っている。ブラケットカバー6は、ブラケット5における平板部の前面に締結手段により取り付けられている。ブラケットカバー6は、第一カバー部6aと、第二カバー部6bとを有している。第一カバー部6aは、多翼ファン収容部60の前面を覆う。第一カバー部6aは、ブラケット5の水抜き通路60cに連通する切り欠き6cを有する。切り欠き6cは、ブラケットの水抜き穴の一例である。多翼ファン4の水抜き口12cから排出された水は、ブラケット5の水抜き通路60cを経由して、ブラケットカバー6の切り欠き6cから排出される。また、第一カバー部6aは、多翼ファン4の空気取込口12aに対応した開口6dを有する。多翼ファン4は、第一カバー部6aの開口6dを介して空気取込口12aから外部の空気を取り込む。
【0110】
第二カバー部6bは、導風管形成部70の前面を覆い、ブラケット5の導風管形成部70と共に導風管8を形成する。尚、ブラケットカバー6は、第二カバー部6bを有している。しかしながら、導風管形成部70のみにより導風管8が形成されている場合、ブラケットカバー6は、第一カバー部6aのみを有してもよい。
【0111】
[ノズル9]
ノズル9は、車載カメラ2へ洗浄液および/または空気を噴射するように構成されている。ノズル9は、図4Bに示すように、ブラケットカバー6の第二カバー部6bに一体成型されている。本実施形態では、ノズル9は、バックカメラ用ノズル9Aと、リアカメラ用ノズル9Bとを有する。多翼ファン4から送り出された空気は、導風管8を介して、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bへと搬送される。バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bへと搬送された空気は、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bの先端からバックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bへ噴射される。また、タンク100から連結ホース103を介して搬送された洗浄液は、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bの先端からバックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bへ噴射される。
【0112】
尚、ノズル9は、ブラケットカバー6に一体成型されている。しかしながら、例えば、ノズル9は、ブラケットカバー6とは別々に形成され、ブラケットカバー6に組み付けたり接着したりすることにより一体としてもよい。また、導風管形成部70により導風管8が形成されている場合、ノズル9は、ブラケット5に一体的に形成されてもよい。尚、一体的に形成されるとは、一体成型される、または、別々に形成され、組み付けたり接着したりすることにより一体とされることを含む。ノズル9の詳しい構造は、後述する。
【0113】
このように、本実施形態では、ブラケット5は、カメラ取付部50と、導風管形成部70とを備える。このため、シンプルな構成で、車載カメラ2に対する導風管8の位置ずれを防ぐことができる。
【0114】
また、カメラ取付部50は、バックカメラ取付部50Aと、リアカメラ取付部50Bとを有する。導風管形成部70は、導風管形成部70を二つに分岐する分岐部71を有する。このため、バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bそれぞれへ空気を搬送することができる。
【0115】
また、ブラケット5は、導風管形成部70と連通する多翼ファン収容部60を有する。このため、シンプルな構成で、導風管8に対する多翼ファン4の位置ずれを防ぐことができる。
【0116】
また、多翼ファン収容部60と、バックカメラ取付部50Aと、リアカメラ取付部50Bとは、この順番に並んで配置されおり、導風管形成部70は、多翼ファン収容部60から、バックカメラ取付部50Aおよびリアカメラ取付部50Bの並び方向に沿って伸びている。多翼ファン4からの空気は、導風管形成部70により、バックカメラ取付部50Aおよびリアカメラ取付部50Bの並び方向に沿って搬送される。このため、多翼ファン4の収容部に対して、遠くに位置するリアカメラ取付部50Bの方に空気がスムーズに流れやすくなる。したがって、多翼ファン4からの空気をリアカメラ2Bにより多く搬送することができる。
【0117】
また、ブラケットカバー6は、導風管8の一部を形成し、ブラケット5の導風管形成部70と共に導風管8を形成している。また、ブラケットカバー6には、ノズル9が一体成型されている。このため、シンプルな構成で、導風管8に対するノズル9の位置ずれを防ぐことができる。
【0118】
また、ブラケット5は、多翼ファン4の水抜き口12cに連通する水抜き通路60cを有している。ブラケットカバー6は、ブラケット5の水抜き通路60cに連通する切り欠きを有している。このため、多翼ファン4の取込口から進入した水を外部へ排出することができる。
【0119】
また、上記の構造を有するブラケット5により、車載カメラ2は、ブラケット5における平板部の前面よりも前方に配置される。多翼ファン4は、ブラケット5における平板部の前面よりも後方に配置される。多翼ファン4の空気送出口12bは、ブラケット5における平板部の前面よりも後方でブラケット5の左方向に空気を送出する。したがって、車載カメラ2は、多翼ファン4の空気送出口12bの空気送出方向において、多翼ファン4の空気送出口12bと重ならないように配置される。このため、多翼ファン4から車載カメラ2への空気の流れが良好になる。
【0120】
また、上記の構造を有するブラケット5により、導風管8は、ブラケット5における平板部の前面よりも後方に配置される。導風管8は、多翼ファン4の空気送出口12bから空気送出方向に伸びている。したがって、導風管8は、多翼ファン4の空気送出口12bの空気送出方向において、車載カメラ2と重ならないように配置される。このため、多翼ファン4からの空気を車載カメラ2へスムーズに搬送することができる。
【0121】
また、多翼ファン4および導風管8は、ブラケット5における平板部の前面から後方に位置しておりブラケット5における平板部の前面 から突出しない構成となっている。このため、ブラケット5を車両Vのアウターパネルに取り付けた場合、アウターパネルから多翼ファン4および導風管8が前方に突出せずに、車載カメラ2に干渉することを防止することができる。
【0122】
[フィルター7]
次に、フィルター7について主に図4Bおよび図5を参照して説明する。
フィルター7は、外部からの多翼ファン4への異物の進入を防ぎ、空気を通過させるように構成されている。フィルター7は、多翼ファン4の空気取込口12aの前側に着脱可能に設けられている。フィルター7は、多孔質の材料からなり、外部からの異物を含んだ空気をろ過する。フィルター7は、例えば、ウレタンフォーム(スポンジ)、不織布、等からなる。本実施形態では、図4Bに示すように、フィルター7は、厚さTを有する円盤状の形状を有し、ブラケットカバー6と多翼ファン4の空気取込口12aとの間の配置されている。例えば、フィルター7がスポンジからなる場合、厚さTをブラケットカバー6と多翼ファン4の空気取込口12aとの間の距離D(図5)よりも大きい値に形成する。この場合、フィルター7は、ブラケットカバー6と多翼ファン4の空気取込口12aとの間で圧縮した状態で挟まれて、より細かい異物をろ過することができる。
【0123】
このように、本実施形態では、フィルター7は、多翼ファン4の空気取込口12aに設けられる。このため、空気取込口12aから多翼ファン4の内部へ異物が進入することを防ぐことができる。例えば、多翼ファン4が駆動されて空気取込口12aから空気を取り込む際に、多翼ファン4の内部へゴミ等の異物が進入することを防ぐことができる。
【0124】
また、送風部として多翼ファン4を用いているが、空気を連続的に取り込むためにより多くの異物が進入する可能性が高い多翼ファン4を用いたとしても、フィルター7により多翼ファン4の内部へゴミ等の異物が進入することを防ぐことができる。
【0125】
また、フィルター7は、多翼ファン4の空気取込口12aに対して着脱可能に設けられている。このため、フィルター7が劣化した場合に、新しいフィルター7に交換することができる。
【0126】
また、車両用クリーナ3は車両Vのアウターパネルに取り付けられており、多翼ファン4の空気取込口12aは車外に通じている。多翼ファン4は、空気取込口12aから車外の空気を取り込んでおりより多くの異物が進入する可能性が高いが、フィルター7により多翼ファン4の内部へ車外の異物が進入することを防止することができる。
【0127】
[導風管8]
次に、導風管8について主に図9を参照して説明する。図9は、図3の車両用クリーナユニット1のIX-IXにおける断面図である。
導風管8は、多翼ファン4からの空気をバックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bへ搬送するように構成されている。本実施形態では、導風管8は、ブラケット5の導風管形成部70とブラケットカバー6の第二カバー部6bにより形成されている。導風管8は、多翼ファン収容部60に収容された多翼ファン4の空気送出口12bと連通する。導風管8は、多翼ファン4の空気送出口12bから空気送出方向Aに伸びている。導風管8は、第一開口8aと、第二開口8bと、空気導入口8cとを有する。第一開口8aは、バックカメラ用ノズル9Aへ空気を送出するための開口である。第二開口8bは、リアカメラ用ノズル9Bへ空気を送出するための開口である。第一開口8aおよび第二開口8bは、空気送出方向Aにおいて、多翼ファン4の空気送出口12bと重ならない位置に形成されている。第一開口8aおよび第二開口8bは、空気送出方向Aに交差する方向に開口している。第一開口8aおよび第二開口8bは、ブラケット5の導風管形成部70のノズル9に対応する部分を除いた部分をブラケットカバー6により覆うことにより形成される。空気導入口8cは、多翼ファン4の空気送出口12bに連通し、空気送出方向Aに開口している。多翼ファン4からの空気送出口12bからの空気は、空気導入口8cを介して導風管8に導入される。
【0128】
導風管8は、メイン搬送路80と、第一分岐路81と、第二分岐路82とを有する。第一分岐路81および第二分岐路82は、メイン搬送路80から分岐部71により分岐されることにより形成されている。メイン搬送路80は、空気導入口8cから導入された空気を空気送出方向Aと略同一方向(以下、空気搬送方向Bという。)に搬送する。第一分岐路81は、メイン搬送路80にて搬送されて分岐部71により分岐された空気の一部をバックカメラ用ノズル9Aへ搬送する。第二分岐路82は、メイン搬送路80にて搬送されて分岐部71により分岐された空気の一部をリアカメラ用ノズル9Bへ搬送する。
【0129】
第一分岐路81は、メイン搬送路80の空気搬送方向Bに対して第一角度θ1でメイン搬送路80から伸びており、第二分岐路82は、メイン搬送路80の空気搬送方向Bに対して第二角度θ2でメイン搬送路80から伸びている。第一角度θ1および第二角度θ2を異ならせることにより、複数の洗浄対象物に対して異なる量の空気を搬送することができる。例えば、第二角度θ2を第一角度θ1よりも小さく設定することにより、第二分岐路82は、第一分岐路81に比べてより多くの空気を搬送することができる。
【0130】
導風管8の分岐部71は、仕切り板71aとガイド板71bとを有する。仕切り板71aは、第一分岐路81の一部を構成する。ガイド板71bは、第二分岐路82の一部を構成する。仕切り板71aは、メイン搬送路80の空気搬送経路の途中に、メイン搬送路80の空気搬送方向B(すなわち、空気送出方向A)に対して交差する方向に沿って配置されている。仕切り板71aは、空気送出方向Aにおいて多翼ファン4の空気送出口12bの一部と重なるように配置されている。仕切り板71aは、第一開口8aへ向けて伸びている。メイン搬送路80内で搬送されている空気の一部は、仕切り板71aにぶつかり、その搬送される向きが第一開口8aの方へ変更される。ガイド板71bは、仕切り板71aの第一開口8aに連なる端部とは反対の端部に接続されており、第二開口8bへ向けて伸びている。本実施形態では、仕切り板71aは、第一開口8aの左側の縁(第二分岐路82に近い側の縁)からメイン搬送路80に向けて空気送出方向Aに対して直交する方向に伸びている。ガイド板71bは、仕切り板71aに接続された箇所から第二開口8bの右側の縁(第一分岐路81に近い側の縁)に向けて空気送出方向Aに対して交差する方向に伸びている。
【0131】
また、導風管8は、第一内面83および第二内面84を有する。第一内面83は、空気導入口8cと第一開口8aとを繋ぐ内面である。第一内面83は、空気導入口8cから第一開口8aに向けて空気送出方向Aに対して交差する方向に伸びている。第二内面84は、空気導入口8cと第二開口8bとを繋ぐ内面である。第二内面84は、第一部分84aと、第二部分84bとを有する。第一部分84aは、空気導入口8cから空気送出方向Aに伸びている。第二部分84bは、第一部分84aから第二開口8bに向けて空気送出方向Aに対して交差する方向に伸びている。第二部分84bは、ガイド板71bと同じ方向に伸びている。第一内面83および第二内面84の第一部分84aは、メイン搬送路80の一部を構成する。第二内面84の第二部分84bは、第二分岐路82の一部を構成する。本実施形態では、第一内面83は、ブラケットカバー6の後面の一部により構成されている。第二内面84は、ブラケット5の導風管形成部70の内面により構成されている。尚、第一内面83は、ブラケット5により構成されてもよい。
【0132】
導風管8は、図9に示すように、多翼ファン4の空気送出口12bから空気導入口8cを介して空気送出方向Aに送出された空気をメイン搬送路80によりブラケット5の空気搬送方向Bに搬送する。そして、導風管8は、該空気を分岐部71にて分岐した後、分岐した空気をそれぞれ第一分岐路81および第二分岐路82により搬送し、第一開口8aおよび第二開口8bから送出する。
【0133】
このように、本実施形態では、導風管8は、空気送出方向Aの途中に、空気送出方向Aに対して交差する方向に沿って配置された仕切り板71aを有する。例えば、仕切り板71aは、空気送出方向Aに対して直交する方向に沿って伸びている。仕切り板71aを用いて空気の一部の向きを変更させるため、1つの導風管8で複数の洗浄対象物(バックカメラ2Aおよびリアカメラ2B)に対して空気を搬送することができる。これにより、シンプルな構造で複数の洗浄対象物に対して空気を搬送することができる。
【0134】
また、仕切り板71aは、空気送出方向Aにおいて多翼ファン4の空気送出口12bの一部と重なっている。このため、仕切り板71aにより空気送出方向Aに搬送される空気の一部の向きをより効果的に変更させることができる。
【0135】
また、仕切り板71aは、バックカメラ2Aに対応する第一開口8aへ向けて伸びている。このため、仕切り板71aを用いて空気の一部の向きを変更させつつバックカメラ2Aに対応する第一開口8aの方向にガイドすることができる。
【0136】
また、第一開口8aは、空気送出方向Aにおいて、多翼ファン4の空気送出口12bと重ならない位置に形成されている。導風管8は、多翼ファン4の空気送出口12b(空気導入口8c)と第一開口8aとを繋ぐ第一内面83を有する。このため、第一内面83により、バックカメラ2Aに対応する第一開口8aの方向に空気をガイドすることができる。
【0137】
また、導風管8は、多翼ファン4の空気送出口12b(空気導入口8c)と第二開口8bとを繋ぐ第二内面84を有する。第二内面84は、多翼ファン4の空気送出口12bから空気送出方向Aに伸びた第一部分84aと、第一部分84aから第二開口8bに向けて伸びた第二部分84bとを有する。このため、第二内面84の第一部分84aにより空気送出方向Aに空気を搬送することができ、第二部分84bによりリアカメラ2Bに対応する第二開口8bの方向に空気をガイドすることができる。
【0138】
また、導風管8は、仕切り板71aの第一開口8aに連なる端部とは反対の端部から第二開口8bへ向けて伸びたガイド板71bを有する。このため、ガイド板71bによりリアカメラ2Bに対する第二開口8bの方向に空気をガイドすることができる。
【0139】
また、導風管8は、バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bへそれぞれ異なる量の空気を搬送する。このため、各洗浄対象物の機能及び/又は形状に対応した量の空気で洗浄することができる。これにより、機能及び/又は形状が異なる複数の洗浄対象物を効率的に洗浄する車両用クリーナユニット1を提供することができる。
【0140】
また、導風管8は、メイン搬送路80と、第一分岐路81および第二分岐路82と、を有する。第一分岐路81と第二分岐路82は、バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bへそれぞれ異なる量の空気を搬送するように形成されている。このため、第一分岐路81と第二分岐路82により、各洗浄対象物の機能及び/又は形状に対応した量の空気を搬送することができる。
【0141】
また、第一分岐路81は、メイン搬送路80の空気の搬送方向に対して第一角度θ1でメイン搬送路80から伸びている。第二分岐路82は、メイン搬送路80の空気搬送方向Bに対して第二角度θ2でメイン搬送路80から伸びている。第二角度θ2は、第一角度θ1よりも小さい。このため、第一分岐路81に比べてより多くの空気がメイン搬送路80から第二分岐路82へ流れ込むため、第二分岐路82は第一分岐路81に比べてより多くの空気を搬送することができる。
【0142】
また、多翼ファン4と、バックカメラ2Aと、リアカメラ2Bとは、空気送出方向Aに対して直交する方向から視て、この順番に並んで配置されている。このため、リアカメラ2Bは、バックカメラ2Aよりも多翼ファン4から離れて配置されている。この構造により、第一分岐路81に比べてより多くの空気がメイン搬送路80から第二分岐路82へ流れ込むため、第二分岐路82は第一分岐路81に比べてより多くの空気を搬送することができる。
【0143】
また、第一分岐路81は、バックカメラ2Aへ空気を搬送するように形成されている。第二分岐路82は、リアカメラ2Bへ空気を搬送するように形成されている。このため、バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bの機能に対応した量の空気で洗浄することができる。バックカメラ2Aは、後退時に自車両Vの近くの画像を取得する。リアカメラ2Bは、常時車両V後方の画像を取得する。例えば、バックカメラ2Aに比べてより多くの空気をリアカメラ2Bに搬送することにより、リアカメラ2Bは、異物の付着を防ぎながら、常時良好な画像を取得することができる。
【0144】
[ノズル9の構造]
次に、ノズル9の構造について図10から図15Bを参照して説明する。図10は、連結ホース103が接続された車両用クリーナユニット1を示す斜視図である。図11は、図3の車両用クリーナユニット1のXI-XIにおける断面図である。図12Aは、図2の車両用クリーナユニット1のXIIA-XIIAにおける断面図である。図12Bは、図2の車両用クリーナユニット1のXIIB-XIIBにおける断面図である。図13Aは、バックカメラ用ノズルの噴射口を示す図であり、バックカメラ用ノズルの噴射口を下から視た図である。図13Bは、リアカメラ用ノズルの噴射口を示す図であり、リアカメラ用ノズルの噴射口を下から視た図である。図14Aは、リアカメラおよびリアカメラ用ノズルを示す図であり、リアカメラ2Bの正面から視た図である。図14Bは、リアカメラおよびリアカメラ用ノズルを示す図であり、リアカメラ2Bを斜めから視た図である。図15Aは、変形例1のリアカメラ用ノズルを示す図である。図15Bは、変形例2のリアカメラ用ノズルを示す図である。尚、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bにおいて共通する部材には同一の参照番号を用いて、最後にバックカメラ用ノズル9Aの部材については“A”、リアカメラ用ノズル9Bの部材については“B”を付している。
【0145】
ノズル9は、図10に示すように、導風管8に連通しており、導風管8からの空気を搬送し、先端から洗浄対象物である車載カメラ2に向けて噴射する。ノズル9は、連結ホース103に連結される洗浄液導入路90を有する。ノズル9は、連結ホース103および洗浄液導入路90を介して搬送された洗浄液を先端から洗浄対象物である車載カメラ2に向けて噴射する。連結ホース103は、ブラケット5の裏側から貫通孔(図示せず)を介してブラケット5の前側に引き回されている。本実施形態では、ノズル9は、バックカメラ2Aに向けて噴射するバックカメラ用ノズル9Aと、リアカメラ2Bに向けて噴射するリアカメラ用ノズル9Bを有している。尚、以下の説明では、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bの共通する構成については、ノズル9の構成として説明し、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bそれぞれの構成の説明は省略する。
【0146】
<ノズル9の直線部91>
ノズル9は、図11に示すように、導風管8から空気搬送方向Bと交差する方向(以下、ノズル延長方向Cともいう。)に伸びている。本実施形態では、ノズル延長方向Cは、空気搬送方向Bと直交している。
【0147】
ノズル9は、図10から図12Bに示すように、直線部91と、先端部92とを有する。直線部91は、導風管8と連通し、導風管8から空気搬送方向Bと交差する方向(ノズル延長方向C)に直線状に伸びている。例えば、図12Aおよび図12Bに示すように、直線部91は、導風管8から、車載カメラ2のレンズ2aに向かって伸びている。バックカメラ2Aおよびリアカメラ2Bは、導風管8に対する取付位置および取付方向が異なるため、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bが伸びる方向は異なる。例えば、バックカメラ用ノズル9Aの直線部91Aは、図12Aに示すように、バックカメラ2Aの筺体の長手方向と略同一方向に伸びている。一方、リアカメラ用ノズル9Bの直線部91Bは、図12Bに示すように、リアカメラ2Bの筺体の長手方向に対して若干斜めに伸びている。直線部91Bは、リアカメラ2Bのレンズ2Baに近付くにつれてリアカメラ2Bの筺体に近付くように、伸びている。
【0148】
先端部92は、車載カメラ2に向けて開口した先端から洗浄液や空気を噴射する。先端部92は、直線部91の先端から車載カメラ2のレンズ2aに向かう方向に伸びている。先端部92の幅方向E(図14A参照)は、ノズル延長方向Cに直交している。
【0149】
ノズルのノズル延長方向Cは、図11に示すように、導風管8の仕切り板71aの配置方向と同じである。直線部91は、仕切り板71aにぶつかり向きが変わった空気が仕切り板71aの配置方向に搬送されるように、導風管8から送出された空気をガイドしながら搬送する。本実施形態では、直線部91は、導風管8から送出された空気を空気搬送方向Bと直交する方向(ノズル延長方向C)にガイドしながら搬送している。
【0150】
このように、本実施形態では、ノズル9の直線部91は、空気搬送方向Bと交差し且つノズル9の先端部92の幅方向Eと直交する方向(ノズル延長方向C)に伸びている。直線部91は、導風管8からの空気をノズル延長方向Cにガイドする。このため、ノズル9の直線部91により空気の向きを空気搬送方向Bからノズル延長方向Cに変更することができる。例えば、洗浄対象物の洗浄面(例えば、車載カメラ2のレンズ2a)が多翼ファン4に対して空気送出方向Aに重ならない位置にある場合でも、ノズル9により洗浄対象物の洗浄面の方向に空気の向きを変更し搬送することができる。このため、ノズル9から所望の方向に空気を噴射することができる。
【0151】
また、本実施形態では、ノズル延長方向Cは、空気搬送方向Bと直交している。このため、例えば、先端に洗浄面を有する洗浄対象物が空気搬送方向Bと直交した方向に伸びている場合でも、ノズル9により洗浄対象物が伸びている方向に空気の向きを変更し搬送することができる。
【0152】
尚、この直線部91を有するノズル9の構造は、空気のみを噴射するノズルにも適用可能である。空気のみを噴射するノズルの場合でもあっても、上記と同様な効果を得ることができる。
【0153】
<ノズル9の気液構造>
ノズル9は、図10および図11に示されるように、少なくとも先端部92において、ノズル9の幅方向の略中央の位置に分割部96を有する。バックカメラ用ノズル9Aは、直線部91Aの搬送途中から先端部92Aに渡り、バックカメラ用ノズル9Aの幅方向の略中央の位置に分割部96Aを有する。リアカメラ用ノズル9Bは、先端部92Bにおいて、リアカメラ用ノズル9Bの幅方向の略中央の位置に分割部96Bを有する。分割部96の両側には空気搬送路97,97が形成され、分割部96の内部には洗浄液搬送路98が形成されている。
【0154】
図12Aから図13Bに示すように、空気搬送路97,97は、空気噴射口95、95にそれぞれ連通し、洗浄液搬送路98は、洗浄液噴射路99を介して洗浄液噴射口94に連通している。洗浄液噴射口94と空気噴射口95、95は、ノズル9の先端部92の先端に形成されている。洗浄液噴射口94および空気噴射口95、95は、分割部96により、それぞれ独立した別個の噴射口として形成される。
【0155】
ノズル9内で搬送されている空気は、分割部96により分岐されて空気搬送路97,97に搬送される。空気搬送路97,97にて搬送された空気は、空気噴射口95、95から噴射される。
【0156】
洗浄液搬送路98は、図12Aおよび図12Bに示すように、洗浄液導入路90に連通している。また、洗浄液搬送路98の先端口98aは、径が小さくなるように絞られて形成されている。洗浄液搬送路98の先端口98aと洗浄液噴射口94とは、洗浄液噴射路99によって連通されている。洗浄液噴射路99は、洗浄液噴射口94に近くなるほど広くなるように形成されている。洗浄液導入路90から導入された洗浄液は、洗浄液搬送路98により搬送されて、洗浄液搬送路98の先端口98aで圧力が掛けられて、洗浄液噴射路99を経由して洗浄液噴射口94から噴射される。
【0157】
図13Aおよび図13Bに示すように、空気噴射口95、95は、ノズル9の先端部92の幅方向Eにおいて、洗浄液噴射口94の両側に配置されている。洗浄液噴射口94によりノズル9の先端の中央から洗浄液が噴射され、空気噴射口95、95によりノズル9の先端の両端部から空気が噴射される。
【0158】
空気噴射口95、95の形状と洗浄液噴射口94の形状は互いに異なる。例えば、図13Aおよび図13Bに示すように、空気噴射口95、95において、先端部92の幅方向Eに垂直な方向の幅をW1、先端部92の幅方向Eに平行な方向の幅をW3とする。また、洗浄液噴射口94において、先端部92の幅方向Eに垂直な方向の幅をW2、先端部92の幅方向Eに平行な方向の幅をW4とする。本実施形態では、空気噴射口95、95の幅W1は、洗浄液噴射口94の幅W2よりも広い。また、空気噴射口95、95の幅W3は、洗浄液噴射口94の幅W4よりも広い。また、空気噴射口95、95の空気の噴射方向に対して直交する面の面積は、洗浄液噴射口94の洗浄液の噴射方向に対して垂直な面の面積よりも大きい。
【0159】
尚、空気噴射口95、95の幅W1および幅W3は、洗浄液噴射口94の幅W2および幅W4よりも広く設定されている。しかしながら、空気噴射口95、95の幅W1および幅W3の何れか一方が、洗浄液噴射口94の対応する幅W2および幅W4よりも広く設定されてもよい。
【0160】
また、空気噴射口95、95の幅W1および幅W3が洗浄液噴射口94の幅W2および幅W4よりも広く設定されているために、空気噴射口95、95の面積が洗浄液噴射口94の面積よりも大きくなっている。しかしながら、例えば、空気噴射口95、95の幅W1および幅W3ならびに洗浄液噴射口94の幅W2および幅W4に関係なく、空気噴射口95、95の面積が洗浄液噴射口94の面積よりも大きくなるように、空気噴射口95、95および洗浄液噴射口94が形成されてもよい。
【0161】
このように、本実施形態では、空気噴射口95、95は、洗浄液噴射口94の両側に配置される。このため、ノズル9の先端に付着した水滴や異物を空気噴射口95、95から噴射する空気により除去することができる。例えば、ノズル9の先端に付着した水滴や異物や、洗浄液噴射口94に付着した水滴や異物を空気噴射口95、95から噴射する空気により除去することができる。水滴とは、例えば、洗浄液の残りや雨水などの水滴である。また、1つのノズル9に空気噴射口95、95と洗浄液噴射口94が形成されていることから、気液ごとに独立させた複数のノズルを設ける場合に比べて、車両用クリーナ3の見栄えが向上する。
【0162】
また、空気噴射口95、95の幅W1は、洗浄液噴射口94の幅W2よりも広い。このため、空気噴射口95、95は、空気の流れを妨げることなく空気を噴射することができる。一方、洗浄液噴射口94は、洗浄液を広く拡散させながら噴射することができる。
【0163】
また、空気噴射口95、95の幅W3は、洗浄液噴射口94の幅W4よりも広い。このため、空気噴射口95、95は、空気の流れを妨げることなく空気を噴射することができる。一方、洗浄液噴射口94は、洗浄液を広く拡散させながら噴射することができる。
【0164】
また、空気噴射口95、95の空気の噴射方向に対して直交する面の面積は、洗浄液噴射口94の洗浄液の噴射方向に対して垂直な面の面積よりも大きい。このため、空気噴射口95、95は、空気の流れを妨げることなく空気を噴射することができる。一方、洗浄液噴射口94は、洗浄液を広く拡散させながら噴射することができる。
【0165】
<ノズル9の先端形状>
ノズル9の先端は、その幅方向の少なくとも一方の端部が、中央部よりも噴射方向の下流側へ伸びるように、形成されている。本実施形態では、図14Aおよび図14Bに示すように、ノズル9の先端は、先端部92の幅方向Eの両端部9e,9eが、中央部9cよりも噴射方向Gの下流側へ伸びるように、形成されている。ノズル9の先端は、中央部9cから端部9eへ湾曲しながら噴射方向Gの下流側へ伸びている。
【0166】
尚、ノズル9の先端は、湾曲形状に限られない。例えば、図15Aに示されるように、中央部9cから端部9e,9eへ直線的に噴射方向Gの下流側へ伸びてもよい。また、ノズル9の先端は、幅方向Eの両端部9e,9eが、中央部9cよりも噴射方向Gの下流側へ伸びている。しかしながら、例えば、図15Bに示されるように、一方の端部9eから他方の端部9eへ噴射方向Gに対して傾斜しながら下流側へ伸びてもよい。
【0167】
ノズル9の両端部9e,9eはそれぞれ、図14Bに示すように、車載カメラ2に接触する接触部9a,9aを有する。本実施形態では、接触部9a,9aは、ノズル9の先端だけでなく、先端部92に渡って車載カメラ2に接触している。尚、接触部9a,9aは、ノズル9の先端だけでなく、先端部92に渡って車載カメラ2に接触しているが、少なくともノズル9の先端の部分が接触していればよい。
【0168】
ノズル9の先端の幅W5は、車載カメラ2の洗浄面(例えば、レンズ2a)の幅W6よりも大きく設定されている。
【0169】
尚、図14Aおよび図15Bでは、車載カメラ2およびノズル9としてリアカメラ2Bおよびリアカメラ用ノズル9Bの構造が示されているが、バックカメラ2Aおよびバックカメラ用ノズル9Aも同様な構成を有する。車両用クリーナ3が複数のノズル9を備える場合には、複数のノズル9の先端は、互いに異なる形状を有してもよい。すなわち、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bは、その先端が互いに異なる形状を有してもよい。例えば、バックカメラ用ノズル9Aおよびリアカメラ用ノズル9Bは、その先端が図14Aの形状を有するものの、中央部と端部の間の噴射方向の長さ及び/又は幅方向の長さや、中央部から端部へのカーブの度合いが異なっていてもよい。また、バックカメラ用ノズル9Aは、その先端が図14Aの形状を有し、リアカメラ用ノズル9Bは、その先端が図14Aの形状とは異なる形状、例えば図15Aの形状を有してもよい。
【0170】
このように、本実施形態では、ノズル9の先端は、幅方向Eの一方の端部9eが、中央部9cよりも噴射方向Gの下流側へ伸びている。このため、ノズル9先端の中央部9cに付着した水滴は端部へ流れるため、ノズル9の先端に付着した水滴が車載カメラ2(車載センサの検出面の一例)に検知されることを防止することができる。
【0171】
また、ノズル9の先端は、幅方向Eの両端部9e,9eが、中央部9cよりも噴射方向の下流側へ伸びている。このため、ノズル9の先端の中央部9cに付着した水滴は両端部9e,9eへ流れるため、ノズル9の先端に付着した水滴が車載カメラ2に映ることを防止することができる。
【0172】
また、ノズル9の先端の端部は、車載カメラ2に接触する接触部9aを有する。このため、ノズル9先端の中央部に付着した水滴は、端部の接触部9aを経由して車載カメラ2へ流れるため、ノズル9先端の端部から水滴が落ちることを防止することができる。
【0173】
また、ノズル9の先端は、中央部9cから端部9eへ湾曲しながら噴射方向の下流側へ伸びている。このため、ノズル9先端の中央部9cに付着した水滴はスムーズに端部9eへ流れるため、ノズル9先端に付着した水滴が車載カメラ2に検知されることを防止することができる。
【0174】
また、車両用クリーナ3は、複数のノズル9を備え、複数のノズル9の先端は、互いに異なる形状を有する。このため、複数の車載カメラ2の各洗浄面の形状および向きに合わせて、先端が異なる形状を有するノズル9を使用することができる。例えば、ノズル9の先端は、中央部と端部の間の噴射方向の長さが異なる、中央部と端部の間の幅方向の長さが異なる、又は、中央部から端部へのカーブの度合いが異なる。このため、複数の車載カメラ2の各洗浄面の形状および向きに応じて効率よくノズル9先端の中央部に付着した水滴を端部へ流すことができる。
【0175】
また、ノズル9は、車載カメラ2のレンズ2aに向けて洗浄液および空気を噴射する。このため、洗浄液を噴射後にノズル9先端に残った洗浄液が車載カメラ2に検知されることを防止することができる。
【0176】
また、ノズル9の先端の幅は、車載カメラ2の洗浄面(例えば、レンズ2a)の幅よりも大きい。このため、ノズル9の先端の中央部9cに付着した水滴は端部9eへ流れるため、ノズル9の先端に付着した水滴が車載カメラ2に検知されることをより確実に防止することができる。
【0177】
尚、このノズル9の先端形状は、空気のみを噴射するノズルまたは洗浄液のみを噴射するノズルにも適用可能である。空気のみを噴射するノズルまたは洗浄液のみを噴射するノズルの場合でもあっても、上記と同様な効果を得ることができる。
【0178】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る車両用クリーナ203について図を参照して説明する。図16は、第二実施形態に係る車両用クリーナユニット201を示す正面である。尚、第二実施形態の説明では、第一実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。
【0179】
第二実施形態の車両用クリーナユニット201は、多翼ファン4の空気取込口12aの周辺に設けられた熱線204を有する点が、第一実施形態と異なる。尚、車両用クリーナユニット201において、熱線204以外の構成は、第一実施形態と同じであり、説明の便宜上、その説明は省略する。
【0180】
熱線204は、加熱部の一例である。熱線204は、ブラケットカバー6の開口6dの周囲を囲むようにブラケットカバー6の前面に設けられる。熱線204は、ブラケットカバー6の開口6dの周囲から上方に伸ばされ、ブラケット5の裏側に引き回されて、車内の所定の熱源(図示せず)に接続されている。熱線204は、熱源から伝わった熱により多翼ファン4の空気取込口12aの周辺を温める。
【0181】
このように、上記実施形態では、多翼ファン4の空気取込口12aの周辺に設けられた熱線204により多翼ファン4の空気取込口12aの周辺を温める。このため、降雪時、又は、路面上に積った雪が巻き上げられることにより、雪が多翼ファン4の空気取込口12a又はその周囲に付着することを防止することができる。また、多翼ファン4の空気取込口12a又はその周囲に付着した水滴が凍結することも防止することができる。
【0182】
尚、上記実施形態では、熱線204をブラケットカバー6の前面に配置している。しかしながら、例えば、熱線204は、ブラケットカバー6の後面に配置されてもよい。熱線204は、ブラケットカバー6ではなく他の部材に配置されてもよい。
【0183】
また、熱線204の代わりに、多翼ファン4の空気取込口12aの周辺を温める別の手段を用いてもよい。例えば、導風管8から空気を分岐させ、分岐させた空気を、ブラケットカバー6の開口6dおよびその周囲、あるいは、多翼ファン4の空気取込口12aおよびその周囲に吹きかけてもよい。これらの場合も、多翼ファン4の空気取込口12a又はその周囲における雪の付着や付着した水滴の凍結を防止することができる。
【0184】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係る車両用クリーナユニット301について図を参照して説明する。図17は、第三実施形態に係る車両用クリーナユニット301の車載カメラ302およびノズル309を示す図である。図18は、図17のノズル309の噴射口を示す図である。尚、第三実施形態の説明では、第一実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。
【0185】
第三実施形態の車両用クリーナユニット301は、リアカメラ302Bの洗浄面およびバックカメラ302Aの洗浄面が互いに異なるサイズを有し、バックカメラ用ノズル309Aおよびリアカメラ用ノズル309Bが互いに異なる形状を有する点が、第一実施形態と異なる。本実施形態では、洗浄面はレンズ302Aa、302Baであり、レンズ302Baは、レンズ302Aaよりも小さく形成されている。尚、車両用クリーナユニット301において、バックカメラ302A、リアカメラ302B、バックカメラ用ノズル309Aおよびリアカメラ用ノズル309B以外の構成は、第一実施形態と同じであり、説明の便宜上、その説明は省略する。
【0186】
バックカメラ302Aは、図17に示すように、円形のレンズ302Aaを有する。リアカメラ302Bは、円形のレンズ302Baを有する。リアカメラ302Bのレンズ302Baは、バックカメラ302Aのレンズ302Aaの直径よりも小さい直径を有する。すなわち、リアカメラ302Bのレンズ302Baの幅は、バックカメラ302Aのレンズ302Aaの幅よりも小さく形成されている。尚、レンズ302Baおよびレンズ302Aaの幅とは、洗浄液および空気の噴射方向(以下、単に噴射方向という。)に直交する方向の幅であり、本実施形態ではレンズ直径に相当する。
【0187】
リアカメラ用ノズル309Bは、レンズ302Baの形状に対応して、バックカメラ用ノズル309Aよりもその形状が小さくなるように形成されている。例えば、図17に示すように、リアカメラ用ノズル309Bの噴射方向に直交する方向の幅W7は、バックカメラ302Aのレンズ302Aaの噴射方向に直交する方向の幅W8よりも小さい。
【0188】
また、リアカメラ用ノズル309Bの洗浄液噴射口394Bは、洗浄液の噴射角度がバックカメラ用ノズル309Aの洗浄液噴射口394Aの洗浄液の噴射角度よりも小さくなるように形成されている。例えば、図17に示すように、角度θ3が角度θ4より小さくなるように形成される。角度θ3は、リアカメラ用ノズル309Bの洗浄液噴射路399Bの洗浄液搬送路の先端口398Baから洗浄液噴射口394Bまでの広がり角度である。角度θ4は、バックカメラ用ノズル309Aの洗浄液噴射路399Aの洗浄液搬送路の先端口398Aaから洗浄液噴射口394Aまでの広がり角度である。また、図18に示すように、リアカメラ用ノズル309Bの洗浄液噴射口394Bの幅W9が、バックカメラ用ノズル309Aの洗浄液噴射口394Aの幅W10よりも小さくなるように形成されてもよい。
【0189】
また、リアカメラ用ノズル309Bの洗浄液噴射口394Bは、図18に示すように、洗浄液の噴射方向に直交する面の面積がバックカメラ用ノズル309Aの洗浄液噴射口394Aの洗浄液の噴射方向に直交する面の面積よりも小さくなるように形成されている。
【0190】
また、リアカメラ用ノズル309Bの空気噴射口395B、395Bは、洗浄液の噴射方向に直交する面の面積がバックカメラ用ノズル309Aの空気噴射口395A、395Aの空気の噴射方向に直交する面の面積よりも小さくなるように形成されている。
【0191】
また、第一実施形態で述べたように、バックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bは異なる方向を向くようにブラケット5に取り付けられている。すなわち、導風管8に対するリアカメラ302Bのレンズ302Baの距離は、導風管8に対するバックカメラ302Aのレンズ302Aaの距離よりも近い構造となっている。この構造に対応して、リアカメラ用ノズル309Bの噴射方向の長さは、バックカメラ用ノズル309Aの噴射方向長さよりも小さくなるように形成されている。
【0192】
尚、洗浄面は車載カメラ302のレンズ302aとしている。しかしながら、例えば、洗浄面は、車載カメラ302のレンズ302aおよびその周辺を含む領域であってもよい。
【0193】
また、リアカメラ用ノズル309Bの形状がバックカメラ用ノズル309Aの形状よりも小さい例として、リアカメラ用ノズル309Bの幅および長さをバックカメラ用ノズル309Aの幅および長さよりも小さくしている。また、リアカメラ用ノズル309Bの洗浄液噴射口394Bの洗浄液の噴射角度を、バックカメラ用ノズル309Aの洗浄液の噴射角度よりも小さくしている。また、リアカメラ用ノズル309Bの洗浄液噴射口394Bおよび空気噴射口395B、395Bの面積を、バックカメラ用ノズル309Aの洗浄液噴射口394Aおよび空気噴射口395A、395Aの面積よりも小さくしている。しかしながら、これらのうちの少なくとも一つをバックカメラ用ノズル309Aよりも小さく形成してもよい。
【0194】
例えば、リアカメラ用ノズル309Bの洗浄液噴射口394Bおよび空気噴射口395B、395Bのいずれか一つの面積が、対応するバックカメラ用ノズル309Aの洗浄液噴射口394A又は空気噴射口395A、395Aの面積よりも小さく形成されてもよい。
【0195】
このように、上記実施形態では、バックカメラ用ノズル309Aおよびリアカメラ用ノズル309Bは、洗浄面(例えば、レンズ302Aa、302Ba)のサイズが異なるバックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bのサイズに応じて、互いに異なる形状を有する。このため、洗浄面のサイズが異なるバックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bを効率的に洗浄することができる。
【0196】
例えば、バックカメラ用ノズル309Aおよびリアカメラ用ノズル309Bは、噴射方向に直交する方向の幅が異なる。このため、洗浄面の幅が異なるバックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bを効率的に洗浄することができる。
【0197】
また、バックカメラ用ノズル309Aおよびリアカメラ用ノズル309Bは、噴射方向の長さが異なる。このため、洗浄面の位置および角度が異なるバックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bを効率的に洗浄することができる。
【0198】
また、バックカメラ用ノズル309Aおよびリアカメラ用ノズル309Bは、洗浄液の噴射角度が異なる。このため、洗浄面のサイズが異なるバックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bを異なる洗浄液の噴射角度で効率的に洗浄することができる。
【0199】
また、バックカメラ用ノズル309Aおよびリアカメラ用ノズル309Bは、洗浄液噴射口394および/または空気噴射口395、395の噴射方向に直交する面の面積が異なる。このため、洗浄面のサイズが異なるバックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bを異なる洗浄液の噴射角度および/または異なる空気の噴射量で効率的に洗浄することができる。
【0200】
また、複数の洗浄対象物は、バックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bである。車両用クリーナユニット301は、バックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bを効率的に洗浄することができる。例えば、リアカメラ302Bの洗浄面は、バックカメラ302Aよりも洗浄面が小さい。このため、リアカメラ用ノズル309Bのサイズ(幅及び/又は長さ、噴射口の形状、等)をバックカメラ用ノズル309Aのサイズよりも小さくすることにより、バックカメラ302Aおよびリアカメラ302Bを効率的に洗浄することができる。
【0201】
尚、このノズル9の形状は、空気のみを噴射するノズルまたは洗浄液のみを噴射するノズルにも適用可能である。空気のみを噴射するノズルまたは洗浄液のみを噴射するノズルの場合でもあっても、上記と同様な効果を得ることができる。
【0202】
また、本実施形態は、第一実施形態および第二実施形態の何れにも適用可能である。
【0203】
(多翼ファンの変形例)
上記第一から第三実施形態では、弾性部材、弾性部材取付部およびケージ部から構成される防振部を有する多翼ファンについて説明したが、防振部はこの構成に限定されない。例えば、防振部は、板ばね等により構成されてもよい。以下に、板ばねを用いた多翼ファンの変形例について図を参照して説明する。
【0204】
図19は、変形例の多翼ファン104の斜視図である。図20は、変形例の多翼ファン104の分解斜視図である。図21は、変形例の多翼ファン104の支持部113とケージ部133との接続関係を説明するための図である。図22Aは、変形例の多翼ファン104の軸方向断面図である。図22Bは、変形例の多翼ファン104の軸方向断面図である。尚、図22Aは、ケージ部133の支持部取付部137(以下、取付部137と称する)を含む部分を回転軸線Axに沿って切断した断面図である。図22Bは、ケージ部133の第一板ばね135Aを含む部分を回転軸線Axに沿って切断した断面図である。図22Aおよび図22Bでは、ハウジング112およびケージ部133のみを断面で示している。図23Aは、変形例の多翼ファン104のケージ部133を示した図である。図23Bは、変形例の多翼ファン104のモータ121にケージ部133を取り付けた図である。尚、多翼ファン104の説明では、第一実施形態の多翼ファン4の説明において既に説明された部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。
【0205】
多翼ファン104は、図19および図20に示すように、多翼ファン本体部110と、モータ121と、ケージ部133と、を有する。多翼ファン104は、送風部の一例である。多翼ファン本体部110は、送風部本体の一例である。モータ121は、駆動部の一例である。
【0206】
多翼ファン本体部110は、羽根車111と、ハウジング112と、支持部113とを有する。羽根車111は、モータ121により回転軸線Ax回りに回転し、空気取込口112aから空気を吸い込む。ハウジング112は、フロントハウジング112Aとリアハウジング112Bとにより形成された略ドーナツ状の内部空間に羽根車111を収容する。
【0207】
支持部113は、ハウジング112を支持する。支持部113は、図21に示すように、リアハウジング112Bの後面から回転軸線Axに沿って後方に伸びた円筒形状を有する。本実施形態では、支持部113は、ハウジング112と一体成型されている。支持部113は、その内部にモータ121を収容する。支持部113は、図21および図22Aに示すように、係合孔113aを有し、係合孔113aにケージ部133の係合爪133aを係合させることによりケージ部133に接続される。支持部113は、図21に示すように、内面に回転軸線Axに沿って延びた板状の複数のリブ113bを有する。複数のリブ113bにおいて、一部のリブ113bは、ケージ部133の回転抑制部138を案内し、回転抑制部138を係止させる。また、ケージ部133が支持部113に取り付けられる際、隣り合うリブ113bの間に、ケージ部133の取付部137および第一板ばね135Aが案内される。回転抑制部138を係止させるリブ113bは、回転抑制部138に対応する分だけ、他のリブ113bの長さよりも短く形成されている。
【0208】
尚、支持部113は、円筒形状であり、ハウジング112と一体成型されている。しかしながら、例えば、支持部113は、ハウジング112とは別々に形成され、ハウジング112に組み付けたり接着したりすることにより一体としてもよい。また、支持部113は、断面が楕円、多角形の筒型形状を有してもよい。
【0209】
尚、多翼ファン本体部110の支持部113以外の構成は、第一実施形態の多翼ファン本体部110の構成と同じであり、説明の便宜上、その説明は省略する。
【0210】
ケージ部133は、モータ121を支持しながらモータ121の振動を吸収し、モータ121の振動が支持部113に伝わることを抑制する。ケージ部133は、モータ121の側面および後面を覆うように設けられている。ケージ部133は、フランジ部134と、板ばね部135と、底部136と、取付部137と、回転抑制部138とを有する。ケージ部133は、金属からなり、フランジ部134、板ばね部135、底部136、取付部137および回転抑制部138は一体成型されている。
【0211】
フランジ部134は、支持部113に接触する。フランジ部134は、モータ121の径方向外側へ伸びたリング形状を有している。
【0212】
板ばね部135は、モータ121と接触し、モータ121の振動を吸収する。板ばね部135は、複数の第一板ばね135Aと、複数の第二板ばね135Bとを有する。
【0213】
第一板ばね135Aは、フランジ部134から前方に伸びて、先端部は内側へ曲げられている。本実施形態では、6個の第一板ばね135Aがフランジ部134の周方向に均等な間隔で配置されている。第一板ばね135Aは、図23Aに示すように、直線部135Aaと、撓み部135Abと、接触部135Acとを有する。直線部135Aaは、フランジ部134から回転軸線Axに沿って伸びている。撓み部135Abは、直線部135Aaから回転軸線Axに対して内側へ傾斜しながら伸びている。接触部135Acは、撓み部135Abから内側へ曲げられた先端部に設けられており、モータ121と接触する。接触部135Acは、モータ121の軸方向に伸びてモータ121の側面に接触する。また、接触部135Acは、図22Bおよび図23Bに示すように、モータ121の径方向内側に突出した突起部135Adを有し、モータ121の前面と接触する。尚、接触部135Acは、突起部135Adを有してなくてもよい。
【0214】
図23Bに示すように、モータ121がケージ部133に収容された状態では、第一板ばね135Aのフランジ部134および撓み部135Abは、モータ121に非接触の状態でモータ121の長手方向に沿って伸びており、接触部135Acがモータ121の前端部に接触している。接触部135Acがモータ121と接触することにより、撓み部135Abが回転軸線Axに平行に伸びるように変形する。これにより、第一板ばね135Aには、変形ばね力が常に発生した状態となる。
【0215】
第二板ばね135Bは、フランジ部134から回転軸線Axに沿って後方に伸びている。第二板ばね135Bの後端部は、後方に凹んだ状態になるように内側へ曲げられて底部136に接続されている。第二板ばね135Bは、図22Aに示すように、底部136に接続される部分がモータ121の後端部に接触し、モータ121の振動を吸収する。本実施形態では、6個の第二板ばね135Bがフランジ部134の周方向に均等な間隔で配置されている。
【0216】
尚、板ばね部135は、第一板ばね135Aおよび第二板ばね135Bを有している。しかしながら、板ばね部135は、第一板ばね135Aおよび第二板ばね135Bの何れか一方のみを有していてもよい。また、第一板ばね135Aおよび第二板ばね135Bの形状および数は、本実施形態の形状および個数に限られない。
【0217】
底部136は、後方に凹んでおり、モータ121の後端部を収容する。
取付部137は、支持部113に係合し、ケージ部133を支持部113に取り付ける。取付部137は、フランジ部134から回転軸線Axに沿って前方に伸びている。取付部137は、前端部に係合爪133aを有する。この係合爪133aは、支持部113の係合孔113aに係合される。本実施形態では、2個の取付部137は、フランジ部134の周方向の対向する位置に配置されている。また、取付部137は、第一板ばね135Aよりも径方向外側に配置されている。
【0218】
回転抑制部138は、支持部113に対するケージ部133の回転を抑制する。回転抑制部138は、フランジ部134から回転軸線Axに沿って前方に伸びている。回転抑制部138は、前端部に切欠き部138aを有する。切欠き部138aは、支持部113のリブ113bに案内されて係止される。本実施形態では、回転抑制部138は、フランジ部134の周方向の4か所に配置されている。また、回転抑制部138は、第一板ばね135Aよりも径方向外側に配置されている。
【0219】
このように、上記変形例では、防振部として機能するケージ部133により、支持部113にモータ121の振動が伝わることを抑制する。このため、モータ121の振動が支持部113を介して多翼ファン104の多翼ファン本体部110に伝わることを抑制することができる。また、モータ121の振動による振動音の発生を抑制することができる。
【0220】
また、ケージ部133は、モータ121を支持し、支持部113に接続される。ケージ部133は、モータ121の振動を吸収する板ばね部135を有する。このため、モータ121の振動を板ばね部135で吸収することにより、ケージ部133によりモータ121を支持しながら、モータ121の振動が支持部113に伝わることを抑制することができる。
【0221】
また、板ばね部135は、モータ121の前部に接触する第一板ばね135Aとモータ121の後部に接触する第二板ばね135Bとを有する。このため、モータ121の振動が支持部113に伝わることをより抑制することができる。
【0222】
また、ケージ部133は、支持部113に接触するフランジ部134を有し、第一板ばね135Aは、フランジ部134からモータ121に非接触の状態でモータ121に沿って伸び、接触部135Acにてモータ121に接触する。第一板ばね135Aは、接触部135Acから伝わるモータ121の振動を吸収することにより、フランジ部134に振動が伝わることを抑制することができる。
【0223】
また、ケージ部133は、支持部113に係止され、支持部113に対するケージ部133の回転を抑制する回転抑制部138を有する。このため、回転抑制部138により、モータ121の振動によりケージ部133が支持部113に対して回転することを抑制することができる。
【0224】
以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本開示の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本開示の技術的範囲は請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0225】
上記実施形態では、車両用クリーナユニットが車両Vの後部に設けられる例を説明した。しかしながら、車両用クリーナユニットは、車両Vの前部や車両Vの側部に設けられていてもよい。
【0226】
また、上記実施形態では、洗浄対象物は、バックカメラ2A、302Aおよびリアカメラ2B、302Bである例を説明した。しかしながら、例えば、洗浄対象物は、バックカメラ2A、302Aおよびリアカメラ2B、302Bのどちらか一方でもよく、又は、他の用途に使用するカメラでもよい。また、洗浄対象物は、LiDAR(Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)等、カメラとは異なるセンサでもよい。
【0227】
また、上記実施形態では、導風管8は、洗浄対象物であるバックカメラ2A、302Aおよびリアカメラ2B、302Bへそれぞれ異なる量の空気を搬送している。しかしながら、例えば、導風管8は、仕切り板71a等の位置を変更することにより、洗浄対象物であるバックカメラ2A、302Aおよびリアカメラ2B、302Bへそれぞれ同量の空気を搬送してもよい。
【0228】
また、上記実施形態では、車両用クリーナ3、203は、送風部として連続的に送り出す非容積式の多翼ファン4、104を有している。しかしながら、車両用クリーナ3、203は、非容積式送風手段である、軸流ファンや斜流ファンを有してもよい。この場合には、ブラケット5の空気取込口12aの位置を軸流ファンや斜流ファンの取込口に合わせて変更する必要がある。また、車両用クリーナ3、203は、送風部として圧縮空気を送出する圧縮空気生成部を有してもよい。
【0229】
本出願は、2019年2月1日出願の日本特許出願2019-17124号、2019年2月1日出願の日本特許出願2019-17125号、および2019年2月1日出願の日本特許出願2019-17126号に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
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図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
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図23B