(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】キャップユニット及びキャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/28 20060101AFI20240909BHJP
B65D 53/00 20060101ALI20240909BHJP
B65D 81/38 20060101ALI20240909BHJP
A47G 19/22 20060101ALI20240909BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
B65D47/28 120
B65D53/00
B65D81/38 E
A47G19/22 D
A47G19/22 C
A47J41/00 304B
A47J41/00 304C
(21)【出願番号】P 2021009108
(22)【出願日】2021-01-22
【審査請求日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2020014393
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591261602
【氏名又は名称】サーモス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 晴也
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 利行
(72)【発明者】
【氏名】石田 宗弘
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0121072(US,A1)
【文献】特開2018-158734(JP,A)
【文献】特開2017-124307(JP,A)
【文献】特開2015-166258(JP,A)
【文献】特開2013-184738(JP,A)
【文献】登録実用新案第3213499(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44-35/54
B65D 39/00-55/16
B65D 81/38
A47G 19/22
A47J 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、前側上部に通液口が設けられたキャップ本体と、
前記キャップ本体の前後方向にスライド自在に取り付けられた状態で、前記通液口を開閉する蓋体と、
前記蓋体が前記通液口を閉塞する閉塞位置と、前記蓋体が前記通液口を開放する開放位置との間でスライドされる前記蓋体を
、前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力によって、前記閉塞位置と前記開放位置とに保持する蓋開閉機構とを備え、
前記蓋開閉機構は、前記キャップ本体の上部に、境界部を挟んで前記通液口側に向かって延在する前側当接面部と、前記境界部を挟んで前記通液口側とは反対側に向かって延在する後側当接面部とを有し、
前記閉塞位置において前記蓋体が前記前側当接面部と当接された状態で前記通液口を閉塞すると共に、前記蓋体と前記後側当接面部との間に隙間が設けられ、
前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態から、前記蓋体の前記通液口側とは反対側を下方に向けて押圧操作することによって、前記境界部を支点として揺動した前記蓋体を前記前側当接面部と当接された状態から前記後側当接面部と当接された状態とした後に、
前記蓋体を前記開放位置に向かってスライドすることによって、前記開放位置において前記蓋体が前記通液口を開放した状態となることを特徴とするキャップユニット。
【請求項2】
前記蓋開閉機構は、前記閉塞位置
までスライドされ
た前記蓋体を
前記キャップ本体との間で働く磁気的な吸引力により前記閉塞位置に
保持する一方、前記開放位置
までスライドされ
た前記蓋体を
前記キャップ本体との間で働く磁気的な吸引力により前記開放位置に
保持することを特徴とする請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項3】
前記蓋開閉機構は、前記キャップ本体と前記蓋体との何れか一方に設けられたマグネットと、何れか他方に設けられたマグネット又は磁性体とを有し、
前記マグネット又は前記磁性体は、前記キャップ本体の前記閉塞位置と前記開放位置とに各々対応して設けられると共に、前記蓋体の前記閉塞位置と前記開放位置とに各々対応して設けられていることを特徴とする請求
項2に記載のキャップユニット。
【請求項4】
前記閉塞位置において前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力が、前記開放位置において前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力よりも大き
く、
前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態から、前記蓋体の前記通液口側とは反対側を下方に向けて押圧操作することによって、前記境界部を支点として揺動した前記蓋体を前記前側当接面部と当接された状態から前記後側当接面部と当接された状態としたときに、前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力によって、前記蓋体が前記閉塞位置側から前記開放位置側に向かってスライドされることを特徴とする請求項
2又は3に記載のキャップユニット。
【請求項5】
前記蓋開閉機構は、
前記キャップ本体と前記蓋体との何れか一方に設けられたマグネットと、何れか他方に設けられたマグネットとを有し、
前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態から、前記蓋体の前記通液口側とは反対側を下方に向けて押圧操作することによって、前記境界部を支点として揺動した前記蓋体を前記前側当接面部と当接された状態から前記後側当接面部と当接された状態としたときに、前記キャップ本体
側のマグネットと前記蓋体
側のマグネットとの間で働く磁気的な反発力によって、前記蓋体が
前記閉塞位置側から前記開放位置
側に向かってスライドされることを特徴とする
請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項6】
前記蓋開閉機構は
、前記キャップ本体の前記前側当接面部及び前記後側当接面部を挟んだ幅方向の両側に設けられた一対の段差部と、前記蓋体の前側に位置する幅方向の両側から突出された一対の前側凸部とを有し、
前記一対の前側凸部が前記一対の段差部の上面と摺接しながら、前記一対の段差部の間に配置された前記蓋体が前後方向にスライドされることを特徴とする請求項1~
5の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項7】
前記蓋開閉機構は、前記一対の段差部の前側に位置して前記一対の段差部の側面を上下方向に切り欠く一対の前側凹部を有し、
前記閉塞位置において前記一対の前側凸部が前記一対の前側凹部に係合されることによって、前記蓋体の前記開放位置側へのスライドが規制されると共に、
前記蓋体の前記通液口側とは反対側を押圧操作することによって、前記一対の前側凹部に対する前記一対の前側凸部の係合状態が解除されることを特徴とする請求項
6に記載のキャップユニット。
【請求項8】
前記蓋開閉機構は、前記一対の前側凹部の後側の側面に沿って前記一対の段差部の上面から突出された一対の規制凸部を有し、
前記蓋体の前記通液口側とは反対側を押圧操作することによって、前記一対の前側凹部に対する前記一対の前側凸部の係合状態が解除された後に、前記一対の前側凸部が前記一対の規制凸部を乗り越えて、前記蓋体が前記開放位置側に向かってスライドされることを特徴とする請求項
7に記載のキャップユニット。
【請求項9】
前記蓋開閉機構は、前記蓋体の後側に位置する幅方向の両側から突出された一対の後側凸部と、前記後側当接面部を挟んだ幅方向の両側に位置して前記キャップ本体の後端部を前後方向に切り欠く一対の後側凹部とを有し、
前記閉塞位置において前記一対の後側凸部が前記一対の後側凹部に係合されることを特徴とする請求項
6~
8の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項10】
前記蓋開閉機構は、前記キャップ本体の前側当接面部から上方に向かって突出して設けられた係合凸部と、前記蓋体の前記係合凸部に対応した位置を上下方向に切り欠くように設けられた係合凹部とを有し、
前記閉塞位置において前記係合凹部に前記係合凸部が係合されることによって、前記蓋体の前記開放位置側へのスライドが規制されることを特徴とする請求項1~
5の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項11】
前記蓋体の前端側から上方に向かって突出して設けられた前側操作部を有し、
前記前側操作部を上方に向けて持ち上げる操作によって、前記蓋体が前記開放位置側に向かってスライドされることを特徴とする請求項1~
10の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項12】
前記蓋体の下面、若しくは前記キャップユニットの上部に、前記通液口を閉塞する閉栓パッキンが着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1~
11の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項13】
請求項1~
12の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備えるキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップユニット及びキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けることによって、容器本体の上部開口部を閉塞するキャップユニット(栓体)を備えたキャップ付き容器がある(例えば、下記特許文献1を参照)。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、前側上部に通液口が設けられたキャップ本体と、キャップ本体の前後方向にスライド自在に取り付けられた状態で、通液口を開閉する蓋体とを備え、蓋体に設けられた弾性クリック部がキャップ本体に設けられたクリック受部に嵌合することによって、通液口を閉塞する位置にて蓋体がキャップ本体に保持される構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のキャップユニットでは、クリック受部に対する弾性クリック部の嵌合状態を解除するのに力を必要とするため、容器本体を把持した状態で、蓋体の開閉操作を片手で行うことが困難であった。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、蓋体の開閉操作を容易に行うことを可能としたキャップユニット、並びに、そのようなキャップユニットを備えることによって、更なる使い勝手の向上を可能としたキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、前側上部に通液口が設けられたキャップ本体と、
前記キャップ本体の前後方向にスライド自在に取り付けられた状態で、前記通液口を開閉する蓋体と、
前記蓋体が前記通液口を閉塞する閉塞位置と、前記蓋体が前記通液口を開放する開放位置との間でスライドされる前記蓋体を、前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力によって、前記閉塞位置と前記開放位置とに保持する蓋開閉機構とを備え、
前記蓋開閉機構は、前記キャップ本体の上部に、境界部を挟んで前記通液口側に向かって延在する前側当接面部と、前記境界部を挟んで前記通液口側とは反対側に向かって延在する後側当接面部とを有し、
前記閉塞位置において前記蓋体が前記前側当接面部と当接された状態で前記通液口を閉塞すると共に、前記蓋体と前記後側当接面部との間に隙間が設けられ、
前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態から、前記蓋体の前記通液口側とは反対側を下方に向けて押圧操作することによって、前記境界部を支点として揺動した前記蓋体を前記前側当接面部と当接された状態から前記後側当接面部と当接された状態とした後に、
前記蓋体を前記開放位置に向かってスライドすることによって、前記開放位置において前記蓋体が前記通液口を開放した状態となることを特徴とするキャップユニット。
〔2〕 前記蓋開閉機構は、前記閉塞位置までスライドされた前記蓋体を前記キャップ本体との間で働く磁気的な吸引力により前記閉塞位置に保持する一方、前記開放位置までスライドされた前記蓋体を前記キャップ本体との間で働く磁気的な吸引力により前記開放位置に保持することを特徴とする前記〔1〕に記載のキャップユニット。
〔3〕 前記蓋開閉機構は、前記キャップ本体と前記蓋体との何れか一方に設けられたマグネットと、何れか他方に設けられたマグネット又は磁性体とを有し、
前記マグネット又は前記磁性体は、前記キャップ本体の前記閉塞位置と前記開放位置とに各々対応して設けられると共に、前記蓋体の前記閉塞位置と前記開放位置とに各々対応して設けられていることを特徴とする前記〔2〕に記載のキャップユニット。
〔4〕 前記閉塞位置において前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力が、前記開放位置において前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力よりも大きく、
前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態から、前記蓋体の前記通液口側とは反対側を下方に向けて押圧操作することによって、前記境界部を支点として揺動した前記蓋体を前記前側当接面部と当接された状態から前記後側当接面部と当接された状態としたときに、前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力によって、前記蓋体が前記閉塞位置側から前記開放位置側に向かってスライドされることを特徴とする前記〔2〕又は〔3〕に記載のキャップユニット。
〔5〕 前記蓋開閉機構は、前記キャップ本体と前記蓋体との何れか一方に設けられたマグネットと、何れか他方に設けられたマグネットとを有し、
前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態から、前記蓋体の前記通液口側とは反対側を下方に向けて押圧操作することによって、前記境界部を支点として揺動した前記蓋体を前記前側当接面部と当接された状態から前記後側当接面部と当接された状態としたときに、前記キャップ本体側のマグネットと前記蓋体側のマグネットとの間で働く磁気的な反発力によって、前記蓋体が前記閉塞位置側から前記開放位置側に向かってスライドされることを特徴とする前記〔1〕に記載のキャップユニット。
〔6〕 前記蓋開閉機構は、前記キャップ本体の前記前側当接面部及び前記後側当接面部を挟んだ幅方向の両側に設けられた一対の段差部と、前記蓋体の前側に位置する幅方向の両側から突出された一対の前側凸部とを有し、
前記一対の前側凸部が前記一対の段差部の上面と摺接しながら、前記一対の段差部の間に配置された前記蓋体が前後方向にスライドされることを特徴とする前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔7〕 前記蓋開閉機構は、前記一対の段差部の前側に位置して前記一対の段差部の側面を上下方向に切り欠く一対の前側凹部を有し、
前記閉塞位置において前記一対の前側凸部が前記一対の前側凹部に係合されることによって、前記蓋体の前記開放位置側へのスライドが規制されると共に、
前記蓋体の前記通液口側とは反対側を押圧操作することによって、前記一対の前側凹部に対する前記一対の前側凸部の係合状態が解除されることを特徴とする前記〔6〕に記載のキャップユニット。
〔8〕 前記蓋開閉機構は、前記一対の前側凹部の後側の側面に沿って前記一対の段差部の上面から突出された一対の規制凸部を有し、
前記蓋体の前記通液口側とは反対側を押圧操作することによって、前記一対の前側凹部に対する前記一対の前側凸部の係合状態が解除された後に、前記一対の前側凸部が前記一対の規制凸部を乗り越えて、前記蓋体が前記開放位置側に向かってスライドされることを特徴とする前記〔7〕に記載のキャップユニット。
〔9〕 前記蓋開閉機構は、前記蓋体の後側に位置する幅方向の両側から突出された一対の後側凸部と、前記後側当接面部を挟んだ幅方向の両側に位置して前記キャップ本体の後端部を前後方向に切り欠く一対の後側凹部とを有し、
前記閉塞位置において前記一対の後側凸部が前記一対の後側凹部に係合されることを特徴とする前記〔6〕~〔8〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔10〕 前記蓋開閉機構は、前記キャップ本体の前側当接面部から上方に向かって突出して設けられた係合凸部と、前記蓋体の前記係合凸部に対応した位置を上下方向に切り欠くように設けられた係合凹部とを有し、
前記閉塞位置において前記係合凹部に前記係合凸部が係合されることによって、前記蓋体の前記開放位置側へのスライドが規制されることを特徴とする前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔11〕 前記蓋体の前端側から上方に向かって突出して設けられた前側操作部を有し、
前記前側操作部を上方に向けて持ち上げる操作によって、前記蓋体が前記開放位置側に向かってスライドされることを特徴とする前記〔1〕~〔10〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔12〕 前記蓋体の下面、若しくは前記キャップユニットの上部に、前記通液口を閉塞する閉栓パッキンが着脱自在に取り付けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔11〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔13〕 前記〔1〕~〔12〕の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備えるキャップ付き容器。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、蓋体の開閉操作を容易に行うことを可能としたキャップユニット、並びに、そのようなキャップユニットを備えることによって、更なる使い勝手の向上を可能としたキャップ付き容器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が開放位置にある状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【
図4】
図1に示すキャップユニットを上方側から見た分解斜視図である。
【
図5】
図1に示すキャップユニットを下方側から見た分解斜視図である。
【
図6】
図1に示すキャップユニットを側方側から見た分解斜視図である。
【
図7】キャップユニットを構成するキャップ本体及び蓋体を上方側から見た分解平面図である。
【
図8】
図1に示すキャップユニットの蓋体が閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図9】
図1に示すキャップユニットの蓋体が開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図10】
図1に示すキャップユニットの蓋体が押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に対応した線分A-Aによる断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係るキャップユニットの蓋体が閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図12】
図11に示すキャップユニットの蓋体が開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図13】
図11に示すキャップユニットの蓋体が押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図14】本発明の第3の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
【
図15】
図14に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が開放位置にある状態を示す斜視図である。
【
図16】
図14に示すキャップユニットの蓋体が閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図17】
図14に示すキャップユニットの蓋体が開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図18】
図14に示すキャップユニットの蓋体が押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
【
図20】
図19に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が開放位置にある状態を示す斜視図である。
【
図21】
図19に示すキャップユニットを構成するキャップ本体を上方側から見た分解平面図である。
【
図22】
図19に示すキャップユニットを構成する蓋体を上方側から見た分解平面図である。
【
図23】
図19に示すキャップユニットの蓋体が閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図24】
図19に示すキャップユニットの蓋体が開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図25】
図19に示すキャップユニットの蓋体が押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図26】本発明の第5の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
【
図27】
図26に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が開放位置にある状態を示す斜視図である。
【
図28】
図26に示すキャップユニットの蓋体が閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図29】
図26に示すキャップユニットの蓋体が開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図30】
図26に示すキャップユニットの蓋体が押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図31】本発明の第6の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
【
図32】
図31に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器において、蓋体が開放位置にある状態を示す斜視図である。
【
図33】
図31に示すキャップユニットのキャップ本体を上方側から見た斜視図である。
【
図34】
図31に示すキャップユニットの蓋体を下方側から見た斜視図である。
【
図35】
図31に示すキャップユニットの蓋体が閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図36】
図31に示すキャップユニットの蓋体が開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【
図37】
図31に示すキャップユニットの蓋体が押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば
図1~
図3に示すキャップユニット1を備えたキャップ付き容器100について説明する。
なお、
図1は、キャップユニット1を備えたキャップ付き容器100において、蓋体8が閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
図2は、キャップユニット1を備えたキャップ付き容器100において、蓋体8が開放位置にある状態を示す斜視図である。
図3は、キャップユニット1を備えたキャップ付き容器100の構成を示す断面図である。
【0011】
本実施形態のキャップ付き容器100は、
図1~
図3に示すように、本実施形態のキャップユニット1と、このキャップユニット1が着脱自在に取り付けられる容器本体2とを備えている。キャップ付き容器100は、真空断熱構造を有する容器本体2によって、この容器本体2に収容された飲料(内容物)を保温又は保冷することが可能なタンブラー(飲料用容器)である。
【0012】
具体的に、この容器本体2は、例えばステンレス等からなる有底筒状の外容器3及び内容器4を有し、外容器3の内側に内容器4を収容した状態で互いの口元部を接合した二重構造の容器により構成されている。また、外容器3と内容器4との間には、真空断熱層5が設けられている。真空断熱層5は、例えば、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外容器3の底面中央部に設けられた脱気孔を塞ぐことによって形成することができる。
【0013】
容器本体2は、略円形状の底面部2aと、底面部2aの外周から略円筒状に起立した胴部2bと、胴部2bの上端部は、容器本体2の上部開口部2cとして、円形状に開口している。
【0014】
なお、本実施形態のキャップ付き容器100は、全体として略円筒状の外観形状を有しているが、キャップ付き容器100の外観形状については、特に限定されるものではなく、サイズやデザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。また、容器本体2の外周面には、塗装や印刷等が施されていてもよい。
【0015】
本実施形態のキャップユニット1の構成については、
図1~
図7を参照して説明する。
なお、
図4は、キャップユニット1を上方側から見た分解斜視図である。
図5は、キャップユニット1を下方側から見た分解斜視図である。
図6は、キャップユニット1を側方側から見た分解斜視図である。
図7は、キャップユニット1を構成するキャップ本体7及び蓋体8を上方側から見た分解平面図である。
【0016】
なお、以下の説明では、キャップユニット1において、後述する通液口6が設けられた側をキャップユニット1の「前側」とし、通液口6が設けられた側とは反対側をキャップユニット1の「後側」として説明する。
【0017】
本実施形態のキャップユニット1は、
図1~
図3に示すように、容器本体2の上部開口部2cを閉塞する栓体を構成するものである。具体的に、このキャップユニット1は、
図1~
図7に示すように、容器本体2の上部開口部2cを閉塞すると共に、前側上部に通液口6が設けられたキャップ本体7と、キャップ本体7の前後方向にスライド自在に取り付けられた状態で、通液口6を開閉する蓋体8と、蓋体8が通液口6を閉塞する閉塞位置と、蓋体8が通液口6を開放する開放位置との間でスライドされる蓋体8を閉塞位置と開放位置とに保持する蓋開閉機構9とを備えている。
【0018】
キャップ本体7は、例えばポリプロピレン(PP)やポリメチルペンテン(PMP)等の耐熱性樹脂からなる。キャップ本体7は、略円筒状の周壁部7aと、周壁部7aの上部を覆う略円板状の上壁部7bと、上壁部7bの周囲から上方に向かって突出された上縁部7cと、上壁部7bの周囲から周壁部7aよりも外側に向かって突出されたフランジ部7dとを有している。通液口6は、上壁部7bを厚み方向に貫通しながら円形状に開口している。
【0019】
また、上壁部7bの上面は、通液口6側に向かって傾斜している。これにより、上縁部7cの内側は、通液口6がある前側がそれとは反対側の後側よりも深くなっている。キャップ付き容器100では、このような上縁部7cの前側が飲み口となって、容器本体2を前方に傾けた際に、この容器本体2から通液口6を通して流出される飲料(内容物)を飲み易くすることが可能となっている。
【0020】
キャップ本体7は、容器本体2の上部開口部2cから周壁部7aが容器本体2の内側に嵌め込まれた状態で、容器本体2の上端部にフランジ部7dが当接されることによって、容器本体2の上部開口部2cを閉塞する構成となっている。
【0021】
キャップ本体7の周壁部7aには、止水パッキン10が着脱自在に取り付けられている。止水パッキン10は、キャップ本体7と容器本体2との間を密閉するためのリング状のシール部材である。止水パッキン10は、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。
【0022】
これに対応して、周壁部7aの外周部には、リング状の嵌合凹部7eが全周に亘って設けられている。止水パッキン10は、この嵌合凹部7eに嵌め付けられている。一方、止水パッキン10は、それ自体を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、嵌合凹部7e(キャップ本体7)から取り外すことが可能である。これにより、止水パッキン10とキャップ本体7とをそれぞれ別々に洗浄することができ、止水パッキン10と嵌合凹部7e(キャップ本体7)との間を衛生的に保つことが可能である。
【0023】
また、止水パッキン10の外周面には、拡径方向に全周に亘って突出された弾性フランジ部10aが設けられている。止水パッキン10は、容器本体2の内側に周壁部7aが嵌め込まれた際に、この弾性フランジ部10aが弾性変形しながら、内容器4(容器本体2)の内周面に全周に亘って密着した状態となる。これにより、キャップ本体7と容器本体2との間を液密に封止(止水)することが可能となっている。
【0024】
蓋体8は、例えばポリプロピレン(PP)やポリメチルペンテン(PMP)等の耐熱性樹脂からなる。蓋体8は、前後方向に延在された略平板形状を有している。
【0025】
これに対応して、キャップ本体7には、上壁部7bの上面中央部を前後方向に切り欠く溝部7fが設けられている。溝部7fは、上縁部7cの前側の内周面に沿った位置から上縁部7cの後側を蓋体8に対応した幅で前後方向に切り欠くように設けられている。
【0026】
蓋体8は、溝部7fの内側に配置されることによって、この溝部7fに沿ってキャップ本体7の前後方向にスライド自在に取り付けられている。また、蓋体8は、閉塞位置において溝部7fの内側に配置された状態で、キャップ本体7と面一となるような形状を有している。
【0027】
蓋体8の下面には、閉栓パッキン11が着脱自在に取り付けられている。閉栓パッキン11は、閉塞位置において通液口6を閉塞するための略円筒状のシール部材である。閉栓パッキン11は、上記止水パッキン10と同様に、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。
【0028】
これに対応して、蓋体8の前側の下面には、通液口6の内側に向かって突出された栓部8aが設けられている。閉栓パッキン11は、この栓部8aに嵌め付けられている。一方、閉栓パッキン11は、それ自体を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、栓部8a(蓋体8)から取り外すことが可能である。これにより、閉栓パッキン11と蓋体8とをそれぞれ別々に洗浄することができ、閉栓パッキン11と栓部8a(蓋体8)との間を衛生的に保つことが可能である。
【0029】
また、閉栓パッキン11の外周面には、拡径方向に全周に亘って突出された弾性フランジ部11aが設けられている。閉栓パッキン11は、通液口6の内側に嵌め込まれた際に、この弾性フランジ部11aが弾性変形しながら、通液口6の周囲と全周に亘って密着した状態となる。これにより、通液口6と栓部8aとの間を液密に封止(閉栓)することが可能となっている。
【0030】
なお、本実施形態では、上述した閉栓パッキン11が蓋体8側に設けられた構成となっているが、キャップ本体7側に閉栓パッキンが設けられた構成とすることも可能である。この場合、例えば、キャップ本体7の通液口6の周囲にリング状の閉栓パッキン(Oリング)を取り付けて、この閉栓パッキンに蓋体8側の栓部8a又は蓋体8の下面が当接されることで、通液口6と栓部8aとの間を液密に封止(閉栓)することも可能である。
【0031】
蓋開閉機構9は、キャップ本体7の閉塞位置に対応して設けられた板状の一対の磁性体プレート12a,12bと、キャップ本体7の開放位置に対応して設けられた板状の第1のマグネットプレート13と、蓋体8の閉塞位置に対応して設けられた板状の一対の第2のマグネットプレート14a,14bと、蓋体8の開放位置に対応して設けられた板状の第3のマグネットプレート15とを有している。
【0032】
一対の磁性体プレート12a,12bは、平面視で上壁部7bの通液口6を挟んだ幅方向の両側に配置されている。一方、第1のマグネットプレート13は、平面視で上壁部7bの後側の中央部に配置されている。
【0033】
これら磁性体プレート12a,12b及び第1のマグネットプレート13は、キャップ本体7と一体に成形されることによって、上壁部7bを形成する樹脂の中に埋め込まれた状態で配置されている。また、磁性体プレート12a,12b及び第1のマグネットプレート13については、このようなキャップ本体7と一体に成形された構成に限らず、上壁部7bに形成された凹部の内側に配置され、その上を透磁性のプレート又はフィルムにより覆った構成としてもよい。
【0034】
一対の第2のマグネットプレート14a,14bは、平面視で蓋体8の栓部8aを挟んだ幅方向の両側に配置されている。一方、第3のマグネットプレート15は、平面視で蓋体8の一対の第2のマグネットプレート14a,14bよりも後側の中央部に配置されている。
【0035】
これら第2のマグネットプレート14a,14b及び第3のマグネットプレート15は、蓋体8と一体に成形されることによって、蓋体8を形成する樹脂の中に埋め込まれた状態で配置されている。また、第2のマグネットプレート14a,14b及び第3のマグネットプレート15については、このような蓋体8と一体に成形された構成に限らず、蓋体8に形成された凹部の内側に配置され、その上を透磁性のプレート又はフィルムにより覆った構成としてもよい。
【0036】
蓋開閉機構9は、溝部7fの底面(キャップ本体7の上部)に位置して、境界部16aを挟んで通液口6側(前側)に向かって延在する前側当接面部16bと、境界部16aを挟んで通液口6側とは反対側(後側)に向かって延在する後側当接面部16cとを有している。
【0037】
このうち、前側当接面部16bは、境界部16aから溝部7fの前端に向かって傾斜する傾斜面を形成している。一方、後側当接面部16cは、境界部16aから溝部7fの後端に向かって水平となる水平面を形成している。
【0038】
また、蓋体8の後端側の上面中央部には、押圧操作部8bが上方に向かって突出して設けられている。押圧操作部8bは、蓋体8の後端側を下方に向けて押圧操作する部分であり、凸形状のものに限らず、押圧操作する部分を表示する(その目印となる)ものであればよい。
【0039】
蓋開閉機構9は、キャップ本体7の前側当接面部16b及び後側当接面部16cを挟んだ幅方向の両側に設けられた一対の段差部17a,17bと、蓋体8の前側に位置する幅方向の両側から突出された一対の前側凸部18a,18bとを有している。
【0040】
一対の段差部17a,17bは、溝部7fの底面を挟んだ幅方向の両側に設けられている。すなわち、これら一対の段差部17a,17bは、上壁部7bの上面及び溝部7fの側面により構成されている。一対の前側凸部18a,18bは、一対の段差部17a,17bの間(溝部7f)に配置された蓋体8が前後方向にスライドしたときに、一対の段差部17a,17bの上面と摺接するように配置されている。これにより、閉栓パッキン11が上壁部7bに接触することなく、蓋体8を前後方向にスライドさせることが可能である。
【0041】
また、蓋開閉機構9は、一対の段差部17a,17bの前側に位置して、一対の段差部17a,17bの側面を一対の前側凸部18a,18bに対応して上下方向に切り欠く一対の前側凹部19a,19bと、一対の前側凹部19a,19bの後側の側面に沿って一対の段差部17a,17bの上面から前後方向に湾曲しながら突出された一対の規制凸部20a,20bとを有している。
【0042】
一対の前側凹部19a,19bは、閉塞位置において蓋体8の一対の前側凸部18a,18bが係合されることによって、一対の規制凸部20a,20bと共に、蓋体8の開放位置側へのスライドを規制している。
【0043】
蓋開閉機構9は、蓋体8の後側に位置する幅方向の両側から突出された一対の後側凸部21a,21bと、後側当接面部16cを挟んだ幅方向の両側に位置して、キャップ本体7の後端部を一対の後側凸部21a,21bに対応して前後方向に切り欠く一対の後側凹部22a,22bとを有している。
【0044】
一対の後側凹部22a,22bは、閉塞位置において蓋体8の一対の後側凸部21a,21bが係合されることによって、蓋体8の後端部の上方側への移動を規制している。また、一対の後側凹部22a,22bは、蓋体8の後端側を下方側へと揺動させた際に、蓋体8が後側当接面部16cと当接された状態よりも蓋体8の後端側が下がらないように規制している。
【0045】
一方、閉塞位置において蓋体8の下面とキャップ本体7の後側当接面部16cとの間には、隙間Sが設けられている。これにより、押圧操作部8bを下方に向けて押圧操作しながら、境界部16aを支点として蓋体8の後端側を下方側へと揺動させることが可能となっている。
【0046】
なお、境界部16aについては、上述した前側当接面部16bと後側当接面部16cとの間に明確な境界ライン(角部)を形成するものに限らず、例えば前側当接面部16bと後側当接面部16cとの間が連続した曲面により接続されたものであってもよい。
【0047】
また、蓋開閉機構9は、フランジ部7dの後端部に位置して、溝部7fに対応した幅でフランジ部7dの側面に沿って傾斜したガイド面部23と、蓋体8の後端部に位置して、蓋体8に対応した幅で下方に向かって突出されたガイド凸部24とを有している。
【0048】
ガイド凸部24は、閉塞位置において蓋体8の後端側を下方側へと揺動させたときに、ガイド面部23と当接しながら、蓋体8を後方側へとスライドさせる。
【0049】
なお、本実施形態の蓋開閉機構9では、上述した蓋体8側に一対の前側凸部18a,18b及び一対の後側凸部21a,21bを設けて、それぞれに対応する一対の前側凹部19a,19b及び一対の後側凹部22a,22bをキャップ本体7側に設けた構成となっている。一方、キャップ本体7の溝部7fに一対の前側凸部18a,18b及び一対の後側凸部21a,21bを設け、蓋体8側の側面を上下方向又は幅方向に切り欠く一対の前側凹部19a,19b及び一対の後側凹部22a,22bを蓋体8側に設けた構成とすることも可能である。この場合も、上述した同様の効果を得ることが可能である。
【0050】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1において、上述した蓋開閉機構9による蓋体8の開閉動作について、
図8~
図10を参照しながら説明する。
なお、
図8は、蓋体8が閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図9は、蓋体8が開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図10は、蓋体8が押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
【0051】
蓋開閉機構9では、
図8(A),(B)に示す閉塞位置において、キャップ本体7側の一対の磁性体プレート12a,12bと、蓋体8側の一対の第2のマグネットプレート14a,14bとが互いに対向した状態で磁気的に吸引される。これにより、蓋体8がキャップ本体7の閉塞位置に保持される。また、蓋体8は、前側当接面部16bと当接された状態で、閉栓パッキン11(蓋体8)により通液口6を閉塞している。
【0052】
一方、蓋開閉機構9では、
図9(A),(B)に示す開放位置において、キャップ本体7側の第1のマグネットプレート13と、蓋体8側の第3のマグネットプレート15とが互いに対向した状態で磁気的に吸引される。これにより、閉塞位置よりも後方に向かってスライドされた蓋体8がキャップ本体7の開放位置に保持される。また、蓋体8は、後側当接面部16cと当接された状態で、通液口6を開放している。
【0053】
また、閉塞位置において、キャップ本体7側の一対の磁性体プレート12a,12bと、蓋体8側の一対の第2のマグネットプレート14a,14bとの間で働く磁気的な吸引力は、開放位置において、キャップ本体7側の第1のマグネットプレート13と、蓋体8側の第3のマグネットプレート15との間で働く磁気的な吸引力よりも、大きくなっている。
【0054】
通液口6を開放する際は、
図8(A),(B)に示す蓋体8が通液口6を閉塞した状態から、
図10(A),(B)に示すように、蓋体8の押圧操作部8bを下方に向けて押圧操作する。これにより、境界部16aを支点に揺動した蓋体8が、前側当接面部16bと当接された状態から後側当接面部16cと当接された状態となる。また、閉栓パッキン11が通液口6から離間した状態となる。さらに、ガイド凸部24がガイド面部23と当接しながら、蓋体8を後方側へとスライドさせる。
【0055】
このとき、一対の前側凹部19a,19bに対する一対の前側凸部18a,18bの係合状態が解除された後に、一対の前側凸部18a,18bが一対の規制凸部20a,20bを乗り越える。さらに、キャップ本体7側の第1のマグネットプレート13と、蓋体8側の第3のマグネットプレート15との間で磁気的に吸引され、蓋体8が開放位置に向かってスライドされることによって、一対の後側凹部22a,22bに対する一対の後側凸部21a,21bの係合状態が解除される。これにより、
図9(A),(B)に示す開放位置において、蓋体8が通液口6を開放した状態となる。
【0056】
一方、通液口6を閉塞する際は、
図9(A),(B)に示す蓋体8が通液口6を開放した状態から、蓋体8を前方に向かってスライド操作する。このとき、一対の後側凸部21a,21bが一対の後側凹部22a,22bに係合された状態となると共に、一対の前側凸部18a,18bが一対の規制凸部20a,20bを乗り越えて、一対の前側凹部19a,19bに係合された状態となる。同時に、キャップ本体7側の一対の磁性体プレート12a,12bと、蓋体8側の一対の第2のマグネットプレート14a,14bとの間で磁気的に吸引され、境界部16aを支点に揺動した蓋体8が、後側当接面部16cと当接された状態から前側当接面部16bと当接された状態となる。
【0057】
また、一対の前側凸部18a,18bが一対の規制凸部20a,20bを乗り越えた直後に、一対の前側凸部18a,18bが一対の前側凹部19a,19bに係合されることによって、閉栓パッキン11が上方向から通液口6の内側に嵌め込まれる。これにより、弾性フランジ部11aが偏りなく通液口6の周囲と全周に亘って密着した状態となり、
図8(A),(B)に示す閉塞位置において、閉栓パッキン11(蓋体8)が通液口6を閉塞した状態となる。
【0058】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1では、上述した蓋開閉機構9を備えることによって、部品点数の少ない簡便な構造を有しながら、蓋体8の開閉操作を容易に行うことが可能となっている。
【0059】
したがって、本実施形態のキャップ付き容器100では、このようなキャップユニット1を備えることによって、容器本体2を把持した状態で、蓋体8の開閉操作を片手で容易にできることから、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば
図11~
図13に示すキャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100について説明する。
【0061】
なお、
図11は、キャップユニット1Aの蓋体8Aが閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図12は、キャップユニット1Aの蓋体8Aが開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図13は、キャップユニット1Aの蓋体8Aが押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0062】
本実施形態のキャップユニット1Aは、上記キャップユニット1とは別の構成例として、上記キャップ付き容器100を構成する容器本体2に対して着脱自在に取り付けられるものである。
【0063】
具体的に、このキャップユニット1Aは、上記蓋体8の代わりに、
図11~
図13に示すような蓋体8Aを備えている。蓋体8Aは、上記蓋体8の下面に設けられた栓部8a及び閉栓パッキン11を省略した構成であり、この蓋体8Aの下面が平坦となっている。
【0064】
これにより、本実施形態のキャップユニット1Aでは、閉塞位置において、蓋体8Aの平坦な下面により通液口6を簡易的に止水することになるが、この蓋体8Aを洗浄し易くすることが可能である。また、閉栓パッキン11を省略したことにより、部品点数の削減及び低コスト化が可能である。
【0065】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1Aにおいて、上述した蓋開閉機構9による蓋体8Aの開閉動作については、
図11~
図13に示すように、上記キャップユニット1の
図8~
図10に示す場合と基本的に同じであることから、その説明を省略するものとする。
【0066】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Aでは、上述した蓋開閉機構9を備えることによって、部品点数の少ない簡便な構造を有しながら、蓋体8Aの開閉操作を容易に行うことが可能となっている。
【0067】
したがって、本実施形態のキャップ付き容器100では、このようなキャップユニット1Aを備えることによって、容器本体2を把持した状態で、蓋体8Aの開閉操作を片手で容易にできることから、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0068】
(第3の実施形態)
次に、本発明第3の実施形態として、例えば
図14~
図18に示すキャップユニット1Bを備えたキャップ付き容器100について説明する。
【0069】
なお、
図14は、キャップユニット1Bを備えたキャップ付き容器100において、蓋体8Bが閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
図15は、キャップユニット1Bを備えたキャップ付き容器100において、蓋体8Bが開放位置にある状態を示す斜視図である。
図16は、キャップユニット1Bの蓋体8Bが閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図17は、キャップユニット1Bの蓋体8Bが開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図18は、キャップユニット1Bの蓋体8Bが押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0070】
本実施形態のキャップユニット1Bは、上記キャップユニット1とは別の構成例として、上記キャップ付き容器100を構成する容器本体2に対して着脱自在に取り付けられるものである。
【0071】
具体的に、このキャップユニット1Bは、上記蓋体8の代わりに、
図14~
図18に示すような蓋体8Bを備えている。蓋体8Bの下面には、上記閉栓パッキン11の代わりに、閉栓パッキン25が着脱自在に取り付けられている。
【0072】
閉栓パッキン25は、閉塞位置において通液口6を閉塞するためのシール部材であり、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。閉栓パッキン25は、軸部25aと、軸部25aの先端からドーム状に広がる栓部25bとを有している。
【0073】
これに対応して、蓋体8Bには、閉栓パッキン25を取り付けるための取付孔8cが設けられている。閉栓パッキン25は、この取付孔8cに軸部25aを嵌め付けることによって、蓋体8Bの前側の下面に取り付けられている。また、取付孔8cの上方から軸部25aを露出させることによって、閉栓パッキン25が蓋体8Bに取り付けられたことを視認することができ、この閉栓パッキン25の付け忘れを防止することが可能である。
【0074】
一方、閉栓パッキン25は、取付孔8cから取り外すことが可能である。これにより、閉栓パッキン25と蓋体8Bとをそれぞれ別々に洗浄することができ、閉栓パッキン25と取付孔8cとの間を衛生的に保つことが可能である。
【0075】
閉栓パッキン25は、蓋体8Bが通液口6を閉塞した際に、栓部25bが弾性変形しながら、通液口6の周囲と全周に亘って密着した状態となる。これにより、通液口6と栓部25b(閉栓パッキン25)との間を液密に封止(閉栓)することが可能となっている。
【0076】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1Bにおいて、上述した蓋開閉機構9による蓋体8Bの開閉動作については、
図16~
図18に示すように、上記キャップユニット1の
図8~
図10に示す場合と基本的に同じであることから、その説明を省略するものとする。
【0077】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Bでは、上述した蓋開閉機構9を備えることによって、部品点数の少ない簡便な構造を有しながら、蓋体8Bの開閉操作を容易に行うことが可能となっている。
【0078】
したがって、本実施形態のキャップ付き容器100では、このようなキャップユニット1Bを備えることによって、容器本体2を把持した状態で、蓋体8Bの開閉操作を片手で容易にできることから、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0079】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、例えば
図19~
図25に示すキャップユニット1Cを備えたキャップ付き容器100について説明する。
【0080】
なお、
図19は、キャップユニット1Cを備えたキャップ付き容器100において、蓋体8Cが閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
図20は、キャップユニット1Cを備えたキャップ付き容器100において、蓋体8Cが開放位置にある状態を示す斜視図である。
図21は、キャップユニット1Cを構成するキャップ本体7Cを上方側から見た分解平面図である。
図22は、キャップユニット1Cを構成する蓋体8Cを上方側から見た分解平面図である。
図23は、キャップユニット1Cの蓋体8Cが閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図24は、キャップユニット1Cの蓋体8Cが開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図25は、キャップユニット1Cの蓋体8Cが押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1,1Bと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0081】
本実施形態のキャップユニット1Cは、上記キャップユニット1とは別の構成例として、上記キャップ付き容器100を構成する容器本体2に対して着脱自在に取り付けられるものである。
【0082】
具体的に、このキャップユニット1Cは、上記蓋体8の代わりに、
図19~
図25に示すような蓋体8Cを備えている。蓋体8Cの下面には、上記閉栓パッキン11の代わりに、上記蓋体8Bと同様の閉栓パッキン25が着脱自在に取り付けられている。これに対応して、蓋体8Cには、閉栓パッキン25を取り付けるための取付孔8cが設けられている。
【0083】
本実施形態のキャップユニット1Cは、上記蓋開閉機構9の代わりに、
図19~
図25に示すようなキャップ本体7Cに対してスライド自在に取り付けられた蓋体8Cを開閉操作するための蓋開閉機構9Cを備えている。
【0084】
蓋開閉機構9Cは、上記キャップ本体7側に設けられた一対の前側凹部19a,19b、一対の規制凸部20a,20b及び一対の後側凹部22a,22bを省略する代わりに、キャップ本体7C側に一対の係合凸部26a,26bと、上記蓋体8側に設けられた一対の前側凸部18a,18b及び一対の後側凸部21a,21bを省略する代わりに、蓋体8C側に一対の係合凹部27a,27bとを有している。
【0085】
一対の係合凸部26a,26bは、前側当接面部16bの前後方向の中間付近に位置して、この前側当接面部16bの幅方向の両側から上方に向かって突出して設けられている。
【0086】
一対の係合凹部27a,27bは、蓋体8Cの前後方向の中間付近に位置して、この蓋体8Cの幅方向の両側を一対の係合凸部26a,26bに対応して上下方向に切り欠くように設けられている。
【0087】
蓋開閉機構9Cでは、蓋体8Cが前後方向にスライドしたときに、蓋体8Cの下面が一対の係合凸部26a,26bの上面と摺接する。これにより、閉栓パッキン25が上壁部7bに接触することなく、蓋体8Cを前後方向にスライドさせることが可能である。
【0088】
また、蓋開閉機構9Cでは、閉塞位置において一対の係合凹部27a,27bに一対の係合凸部26a、26bが係合されることによって、蓋体8Cの開放位置側へのスライドを規制している。さらに、閉塞位置において蓋体8Cが下方側へと移動することによって、蓋体8Cにより通液口6が閉塞したことを容易に認識することが可能である。
【0089】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1Cにおいて、上述した蓋開閉機構9Cによる蓋体8Cの開閉動作については、
図23~
図25に示すように、上記キャップユニット1の
図8~
図10に示す場合と基本的に同じであることから、その説明を省略するものとする。
【0090】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Cでは、上述した蓋開閉機構9Cを備えることによって、部品点数の少ない簡便な構造を有しながら、蓋体8Cの開閉操作を容易に行うことが可能となっている。
【0091】
したがって、本実施形態のキャップ付き容器100では、このようなキャップユニット1Cを備えることによって、容器本体2を把持した状態で、蓋体8Cの開閉操作を片手で容易にできることから、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0092】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態として、例えば
図26~
図30に示すキャップユニット1Dを備えたキャップ付き容器100について説明する。
【0093】
なお、
図26は、キャップユニット1Dを備えたキャップ付き容器100において、蓋体8Dが閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
図27は、キャップユニット1Dを備えたキャップ付き容器100において、蓋体8Dが開放位置にある状態を示す斜視図である。
図28は、キャップユニット1Dの蓋体8Dが閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図29は、キャップユニット1Dの蓋体8Dが開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図30は、キャップユニット1Dの蓋体8Dが押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0094】
本実施形態のキャップユニット1Dは、上記キャップユニット1とは別の構成例として、上記キャップ付き容器100を構成する容器本体2に対して着脱自在に取り付けられるものである。
【0095】
具体的に、このキャップユニット1Dは、
図26~
図30に示すように、上記キャップ本体7側に設けられた一対の後側凹部22a,22bを省略したキャップ本体7Dと、上記蓋体8側に設けられた一対の後側凸部21a,21bを省略した蓋体8Dとを備えている。
【0096】
また、キャップユニット1Dは、キャップ本体7D側に切欠部7gと、蓋体8D側に前側操作部8dとを有している。切欠部7gは、溝部7fに連続して上縁部7cの前側を切り欠くように設けられている。前側操作部8dは、切欠部7gに対応して蓋体8の前端側から上方に向かって突出して設けられている。
【0097】
本実施形態のキャップユニット1Dでは、
図26に示すように、蓋体8Dが通液口6を閉塞したときに、切欠部7gに前側操作部8dが係合された状態となる。一方、
図27に示すように、蓋体8Dが通液口6を開放した状態において、切欠部7gを飲み口の一部として、容器本体2から通液口6を通して流出される飲料(内容物)を飲み易くすることが可能である。
【0098】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1Dにおいて、上述した蓋開閉機構9による蓋体8Dの開閉動作については、
図28~
図30に示すように、上記キャップユニット1の
図8~
図10に示す場合と基本的に同じであることから、その説明を省略するものとする。
【0099】
一方、本実施形態のキャップユニット1Dでは、蓋体8Dの後側にある押圧操作部8bを下方に向けて押圧操作するだけでなく、蓋体8の前側にある前側操作部8dを上方に向けて持ち上げる操作によって、蓋体8を閉塞位置から開放位置へとスライドさせることも可能である。これにより、キャップ付き容器100を手に持った状態で、主に人差し指で操作する押圧操作部8bに加え、親指で操作する前側操作部8dが加わったことで、さらに操作がし易くなっている。
【0100】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Dでは、上述した蓋開閉機構9を備えることによって、部品点数の少ない簡便な構造を有しながら、蓋体8Dの開閉操作を容易に行うことが可能となっている。
【0101】
したがって、本実施形態のキャップ付き容器100では、このようなキャップユニット1Dを備えることによって、容器本体2を把持した状態で、蓋体8Dの開閉操作を片手で容易にできることから、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0102】
(第6の実施形態)
本発明第6の実施形態として、例えば
図31~
図37に示すキャップユニット1Eを備えたキャップ付き容器100について説明する。
【0103】
なお、
図31は、キャップユニット1Eを備えたキャップ付き容器100において、蓋体8Eが閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
図32は、キャップユニット1Eを備えたキャップ付き容器100において、蓋体8Eが開放位置にある状態を示す斜視図である。
図33は、キャップユニット1Eのキャップ本体7Eを上方側から見た斜視図である。
図34は、キャップユニット1Eの蓋体8Eを下方側から見た斜視図である。
図35は、キャップユニット1Eの蓋体8Eが閉塞位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図36は、キャップユニット1Eの蓋体8Eが開放位置にある状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。
図37は、キャップユニット1Eの蓋体8Eが押圧操作された状態を示し、(A)はその
図7中に示す線分A-Aに対応した断面図である。(B)はその
図7中に示す線分B-Bに対応した断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0104】
本実施形態のキャップユニット1Eは、上記キャップユニット1とは別の構成例として、上記キャップ付き容器100を構成する容器本体2に対して着脱自在に取り付けられるものである。
【0105】
具体的に、このキャップユニット1Eは、上記蓋体8の代わりに、
図31~
図36に示すような蓋体8Eを備えている。蓋体8Eは、上記蓋体8の下面に設けられた栓部8a及び閉栓パッキン11を省略した構成であり、この蓋体8Aの下面が平坦となっている。
【0106】
これにより、本実施形態のキャップユニット1Eでは、閉塞位置において、蓋体8Eの平坦な下面により通液口6を簡易的に止水することになるが、蓋体8Eを洗浄し易くすることが可能である。また、閉栓パッキン11を省略したことにより、部品点数の削減及び低コスト化が可能である。
【0107】
本実施形態のキャップユニット1Eは、上記蓋開閉機構9の代わりに、
図31~
図36に示すようなキャップ本体7Eに対してスライド自在に取り付けられた蓋体8Eを開閉操作するための蓋開閉機構9Eを備えている。
【0108】
蓋開閉機構9Eは、上記キャップ本体7側に設けられた一対の磁性体プレート12a,12b、第1のマグネットプレート13、一対の前側凹部19a,19b、一対の規制凸部20a、20b及び一対の後側凹部22a,22bを省略する代わりに、キャップ本体7E側に第1のマグネット28と、第2のマグネット29と、ガイド凹部30とを有している。
【0109】
第1のマグネット28は、キャップ本体7Eと一体に成形されることによって、周壁部7aの前側を形成する樹脂の中に埋め込まれた状態で配置されている。第2のマグネット29は、キャップ本体7Eと一体に成形されることによって、上縁部7cの前側を形成する樹脂の中に埋め込まれた状態で配置されている。第1のマグネット28と第2のマグネット29とは、上下方向において互いの磁極の方向が逆向きとなるように配置されている。本実施形態では、第1のマグネット28のN極が上向き、第2のマグネット29のN極が下向きとなるように配置されている。
【0110】
ガイド凹部30は、
図33に示すように、溝部7fの底面中央部を境界部16aから後側当接面部16cの後端に向かって上壁部7bを切り欠くガイド溝30aと、ガイド溝30aの前端からガイド凸部32が挿脱される挿脱口30bと、挿脱口30bからガイド溝30aの後端に向かってガイド凸部32を前後方向に案内するスリット30cとを有している。挿脱口30bは、ガイド溝30aと同じ幅で形成されている。一方、スリット30cは、挿脱口30bよりも幅狭に形成されている。
【0111】
一方、蓋開閉機構9Eは、
図31~
図36に示すように、上記蓋体8側に設けられた押圧操作部8b、一対の第2のマグネットプレート14a,14b、第3のマグネットプレート15、一対の前側凸部18a,18b、一対の後側凸部21a,21b及びガイド凸部24を省略する代わりに、前側操作部8eと、第3のマグネット31と、ガイド凸部32とを有している。
【0112】
前側操作部8eは、蓋体8の前端側からキャップ本体7Eの上縁部7cよりも上方に向かって突出すると共に、その上端から前方に向かって突出して設けられている。
【0113】
第3のマグネット31は、前側操作部8eの後側の下端部に配置されている。また、前側操作部8eの後側には、第3のマグネット31が配置された位置を覆うカバー部材33が設けられている。
【0114】
第3のマグネット31は、上下方向において第1のマグネット28とは磁極の方向が一致し、第2のマグネット29とは磁極の方向が反対となるように配置されている。本実施形態では、第3のマグネット31のN極が上向きとなるように配置されている。
【0115】
ガイド凸部32は、
図34に示すように、蓋体8Eの下面から下方に向かって突出された軸部32aと、軸部32aの下端から蓋体8Eの幅方向において互いに逆向きに突出された一対のガイドピン32bとを有している。
【0116】
蓋開閉機構9Eでは、ガイド凹部30の後方からガイド凸部32の一対のガイドピン32bをガイド溝30a内に挿入することによって、ガイド溝30a内で一対のガイドピン32bを前後方向にスライド自在に取り付けることが可能である。また、ガイド凸部32の一対のガイドピン32bをガイド凹部30の挿脱口30bからガイド溝30a内に挿入することによって、キャップ本体7Eに対して蓋体8Eを取り付けることも可能である。
【0117】
また、蓋開閉機構9Eでは、ガイド溝30a内で一対のガイドピン32bを前後方向にスライドさせたときに、ガイド凹部30のスリット30cに沿ってガイド凸部32の軸部32aがスライドすることによって、ガイド溝30a内でスライドする一対のガイドピン32bが抜け止めとなっている。これにより、蓋開閉機構9Eでは、キャップ本体7Eに対して蓋体8Eを前後方向にスライド自在に取り付けることが可能である。
【0118】
なお、蓋開閉機構9Eでは、前側操作部8eを持ち上げることにより、上述した挿脱口30bから一対のガイドピン32bを離脱することによって、キャップ本体7Eに対して蓋体8Eを取り外すことが可能である。また、蓋開閉機構9Eでは、ガイド溝30aの後端から一対のガイドピン32bを挿脱することが可能なことから、開放位置において、キャップ本体7Eに対して蓋体8Eを着脱自在とすることが可能である。
【0119】
また、ガイド溝30aは、前後方向に亘って開放されているため、洗浄後に水が内部に溜まるといったことがなく、衛生的である。
【0120】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1Eにおいて、上述した蓋開閉機構9Eによる蓋体8Eの開閉動作については、
図35~
図37を参照しながら説明する。
【0121】
蓋開閉機構9Eでは、
図35(A),(B)に示す閉塞位置において、キャップ本体7E側の第1のマグネット28と、蓋体8側の第3のマグネット31とが互いに対向した状態となるため、異極同士が磁気的に吸引される。これにより、蓋体8Eがキャップ本体7Eの閉塞位置に保持されると共に、蓋体8Eが通液口6を閉塞した状態となる。
【0122】
一方、通液口6を開放する際は、
図35(A),(B)に示す蓋体8Eが通液口6を閉塞した状態から、
図37(A),(B)に示すように、蓋体8Eの前側操作部8eを上方に向けて持ち上げ操作する。又は、蓋体8Eの後側を下方に向けて押圧操作する。これにより、境界部16aを支点に揺動した蓋体8Eが、前側当接面部16bと当接された状態から後側当接面部16cと当接された状態となる。
【0123】
このとき、キャップ本体7E側の第2のマグネット29と、蓋体8E側の第3のマグネット31とが互いに対向した状態となるため、同極同士が磁気的に反発する。これにより、蓋体8Eが開放位置に向かってスライドされ、
図36(A),(B)に示す開放位置において、蓋体8Eが通液口6を開放した状態となる。
【0124】
一方、通液口6を閉塞する際は、
図36(A),(B)に示す蓋体8Eが通液口6を開放した状態から、蓋体8Eを前方に向かってスライド操作する。このとき、キャップ本体7E側の第1のマグネット28と、蓋体78側の第3のマグネット31とが接近することによって異極同士が磁気的に吸引され、境界部16aを支点に揺動した蓋体8Eが、後側当接面部16cと当接された状態から前側当接面部16bと当接された状態となる。これにより、閉塞位置において、蓋体8Eが通液口6を閉塞した状態となる。
【0125】
なお、本実施形態のキャップユニット1Eでは、開放位置において蓋体8Eをキャップ本体7Eに保持するための機構を設けてもよい。例えば、ガイド凹部30のガイド溝30a内に規制凸部を設けて、開放位置においてガイド凸部32の一対のガイドピン32bが閉塞位置側へとスライドすることを規制する構成としてもよい。
【0126】
また、キャップ本体7E側に第4のマグネットを設けて、第3のマグネット31と第4のマグネットとの磁気的な吸引によって、開放位置において蓋体8Eをキャップ本体7Eに保持する構成としてもよい。
【0127】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Eでは、上述した蓋開閉機構9Eを備えることによって、部品点数の少ない簡便な構造を有しながら、蓋体8Eの開閉操作を容易に行うことが可能となっている。
【0128】
したがって、本実施形態のキャップ付き容器100では、このようなキャップユニット1Eを備えることによって、容器本体2を把持した状態で、蓋体8Eの開閉操作を片手で容易にできることから、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0129】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記蓋開閉機構9では、上述した磁性体プレート12a,12b、第1、第2及び第3のマグネットプレート13、14a,14b、15の組み合わせやその配置する数、位置等に必ずしも限定されるものではなく、その組み合わせや配置する数、位置等について適宜変更することが可能である。
【0130】
すなわち、上記蓋開閉機構9では、キャップ本体7と蓋体8との何れか一方に設けられたマグネットと、何れか他方に設けられたマグネット又は磁性体との間で働く磁気的な吸引力によって、蓋体8を閉塞位置と開放位置とに保持する構成であればよい。また、これらのマグネット又は磁性体は、キャップ本体7の閉塞位置と開放位置とに各々対応して設けられると共に、蓋体8の閉塞位置と開放位置とに各々対応して設けられた構成であればよい。例えば、一対の磁性体プレート12a,12bに替えて、通液口6の周囲を囲むようなリング状の磁性体プレートを用いることも可能である。
【0131】
また、上記本実施形態では、上述した後側当接面部16cが水平面を構成しているが、蓋体8の前後方向へのスライド具合を調整して、後側当接面部16cを溝部7fの後端に向かって下がるような傾斜面とすることも可能である。
【0132】
なお、上記実施形態では、上述した真空断熱構造を有する容器本体2によって保温・保冷機能を持たせたタンブラー(飲料用容器)に本発明を適用した場合を例示しているが、容器本体と、容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップユニットとを備えたキャップ付き容器に対して、本発明の蓋開閉機構9を幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0133】
1,1A~1E…キャップユニット 2…容器本体 3…外容器 4…内容器 5…真空断熱層 6…通液口 7,7C,7D,7E…キャップ本体 8,8A~8E…蓋体 9,9C,9E…蓋開閉機構 10…止水パッキン 11…閉栓パッキン 12a,12b…磁性体プレート 13…第1のマグネットプレート 14a,14b…第2のマグネットプレート 15…第3のマグネットプレート 16a…境界部 16b…前側当接面部 16c…後側当接面部 17a,17b…段差部 18a,18b…前側凸部 19a,19b…前側凹部 20a,20b…規制凸部 21a,21b…後側凸部 22a,22b…後側凹部 23…ガイド面部 24…ガイド凸部 25…閉栓パッキン 26a,26b…係合凸部 27a,27b…係合凹部 28…第1のマグネット 29…第2のマグネット 30…ガイド凹部 31…第3のマグネット 32…ガイド凸部 33…カバー部材 S…隙間