(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】結球野菜の搬送装置
(51)【国際特許分類】
A23N 15/08 20060101AFI20240909BHJP
B65G 43/08 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
A23N15/08 B
B65G43/08 D
(21)【出願番号】P 2021104989
(22)【出願日】2021-06-24
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大門 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】奥村 剛浩
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-028956(JP,A)
【文献】特開2001-352958(JP,A)
【文献】実開昭59-029782(JP,U)
【文献】特開平10-327660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 1/00-17/02
B65G 43/00-43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結球野菜を搬送する搬送部と、
前記搬送部に対して結球野菜を供給する供給装置と、
を備え、
前記供給装置には、当該供給装置における結球野菜の滞留を検出する検出装置が設けられ、
前記検出装置は、結球野菜の滞留を検出したとき、前記供給装置に対して前記供給装置の駆動を停止する制御信号を送信する制御部を有して
おり、
前記検出装置は、前記供給装置から前記搬送部に向かう結球野菜により前方に押される位置に配置された検出部材を有し、
前記検出部材は、結球野菜により前方に押されたときに検出信号を発信し、
前記制御部は、前記検出信号が発信される時間の長さが所定長さ以上になったとき前記制御信号を送信する結球野菜の搬送装置。
【請求項2】
前記供給装置は、前記制御部から前記制御信号を受信したとき、結球野菜の供給速度を減速し、所定時間をかけて停止する請求項
1に記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項3】
前記供給装置は、前記搬送部に向けて下り勾配を有する傾斜面を有し、
前記検出部材は、前記傾斜面を移動してきた結球野菜により
前方に押される位置に配置されている請求項
1又は2に記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項4】
前記供給装置は、前記傾斜面の下端から略水平に延設され、前記傾斜面を移動してきた結球野菜を受ける受け面を有し、
前記検出部材は、前記受け面に到達する前の結球野菜により
前方に押される位置に配置されている請求項
3に記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項5】
前記検出部材は、結球野菜の移動方向と略直交する方向に延設され、結球野菜により
前方に押されたときに
前方に揺動する検出バーから構成されている請求項
1~4のいずれか1項に記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項6】
前記検出バーは、結球野菜の上部が当たる位置に高さに配置されている請求項
5に記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項7】
前記供給装置は、結球野菜が通過するトンネル状の覆い部を有し、
前記検出バーは、前記覆い部を通過した結球野菜により
前方に押される位置に配置されている請求項
5又は
6に記載の結球野菜の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば玉ねぎ等の結球野菜の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された玉ねぎの処理装置が知られている。
特許文献1に開示された装置は、玉ねぎを搬送する複数の搬送手段と、玉ねぎの茎葉部を切断する第1切断手段と、玉ねぎの茎葉部および根部を切断する第2切断手段と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した装置の場合、上流側の搬送手段において玉ねぎが滞留した場合、下流側において玉ねぎがオーバーフローしてしまうという問題がある。
本発明は、上記したような実情に鑑みて、玉ねぎ等の結球野菜が搬送途中で滞留した場合にオーバーフローが生じることを防止できる結球野菜の搬送装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る結球野菜の搬送装置は、結球野菜を搬送する搬送部と、前記搬送部に対して結球野菜を供給する供給装置と、を備え、前記供給装置には、当該供給装置における結球野菜の滞留を検出する検出装置が設けられ、前記検出装置は、結球野菜の滞留を検出したとき、前記供給装置に対して前記供給装置の駆動を停止する制御信号を送信する制御部を有しており、前記検出装置は、前記供給装置から前記搬送部に向かう結球野菜により前方に押される位置に配置された検出部材を有し、前記検出部材は、結球野菜により前方に押されたときに検出信号を発信し、前記制御部は、前記検出信号が発信される時間の長さが所定長さ以上になったとき前記制御信号を送信する。
【0006】
好ましくは、前記供給装置は、前記制御部から前記制御信号を受信したとき、結球野菜の供給速度を減速し、所定時間をかけて停止する。
【0007】
好ましくは、前記供給装置は、前記搬送部に向けて下り勾配を有する傾斜面を有し、前記検出部材は、前記傾斜面を移動してきた結球野菜により前方に押される位置に配置されている。
好ましくは、前記供給装置は、前記傾斜面の下端から略水平に延設され、前記傾斜面を移動してきた結球野菜を受ける受け面を有し、前記検出部材は、前記受け面に到達する前の結球野菜により前方に押される位置に配置されている。
【0008】
好ましくは、前記検出部材は、結球野菜の移動方向と略直交する方向に延設され、結球野菜により前方に押されたときに前方に揺動する検出バーから構成されている。
好ましくは、前記検出バーは、結球野菜の上部が当たる位置に高さに配置されている。
好ましくは、前記供給装置は、結球野菜が通過するトンネル状の覆い部を有し、前記検
出バーは、前記覆い部を通過した結球野菜により前方に押される位置に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
上記した結球野菜の搬送装置によれば、検出装置が結球野菜の滞留を検出したとき、供給装置の駆動を停止することができるため、搬送部において結球野菜のオーバーフローが生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】結球野菜の調製装置の一実施形態を示す平面図である。
【
図2】結球野菜の調製装置の一実施形態を示す側面図である。
【
図3】結球野菜の調製装置の一実施形態を示す斜視図である。
【
図6】第1搬送装置及び第2搬送部の側面図である。
【
図7】第1搬送装置の内部に設けられたローラ等を示す斜視図である。
【
図8】第1搬送装置の排出部(供給部)及び衝撃緩和機構を示す斜視図である。
【
図9】第1搬送装置の排出部(供給部)及び衝撃緩和機構を示す平面図である。
【
図10】第1搬送装置の内部に設けられたローラ等を示す側面図である。
【
図11】第1搬送装置の上部を示す一部断面図である。
【
図12】弾性体シートの別の実施形態を示す平面図である。
【
図13】第1搬送装置の供給部、衝撃緩和機構、及び第2搬送装置の上流側を示す斜視図である。
【
図14】第1搬送装置の供給部、衝撃緩和機構、及び第2搬送装置の上流側を示す平面図である。
【
図15】第2搬送装置の第1ローラ及び第2ローラを搬送方向の上流側から見た図である。
【
図16A】結球野菜が円滑に搬送されている(滞留していない)場合において、検出装置が発信する検出信号を示すタイミングチャートである。
【
図16B】結球野菜が滞留している場合において、検出装置が発信する検出信号を示すタイミングチャートである。
【
図17】第2搬送装置の第1ローラ及び第2ローラを搬送方向の下流側から見た図である。
【
図18】第1搬送装置による搬送方向を、平面視において、他の搬送装置による搬送方向に対して直角方向とした実施形態を示す平面図である。
【
図19】第2搬送部の下流側及び第3搬送部を示す平面図である。
【
図20】第2搬送部の下流側及び第3搬送部の上流側を姿勢矯正部材と共に示す側面図である。
【
図21】第2搬送部の下流側及び第3搬送部の上流側を姿勢矯正部材と共に示す平面図である。
【
図22】第2搬送部の下流側及び第3搬送部の上流側を姿勢矯正部材と共に示す斜視図である。
【
図23】第2搬送部の下流側及び搬送補助部材を含む第3搬送部の上流側を示す斜視図である。
【
図24】第2搬送部の下流側及び搬送補助部材を含む第3搬送部の上流側を示す平面図である。
【
図25】始端プーリ及び搬送補助部材を搬送方向の下流側から見て示す斜視図である。
【
図26】姿勢矯正部材によって結球野菜の姿勢が矯正されている様子を示す側面図である。
【
図28】第3搬送部における結球野菜の動きを示す斜視図である。
【
図29】第3搬送部の下流側及び第4搬送部における結球野菜の動きの一例を示す側面図である。
【
図30】下段ベルト及び下段プーリを示す平面図である。
【
図33】第3搬送部の下流側、第4搬送部、第1移送コンベア、第2移送コンベアにおける結球野菜の動きの一例を示す側面図である。
【
図34】第1移送コンベア、支持装置、仕切り壁等を搬送方向の下流側から見た図である。
【
図35】第3搬送部の下流側及び第4搬送部の上流側を示す平面図である。
【
図36】第1移送コンベア、第2移送コンベア、連絡部材を搬送部の上流側から見た図である。
【
図37】第1移送コンベア、第2移送コンベア、排出通路等を示す斜視図である。
【
図38】第4搬送部、第1切断装置、根移送部、第2切断装置、傾斜面、排出シュート等を示す斜視図である。
【
図39】第4搬送部、第1切断装置、根移送部、第2切断装置、傾斜面、排出シュート等を示す平面図である。
【
図40】第1切断装置、根移送部、第2切断装置、傾斜面、排出シュート等を示す側面図である。
【
図41】第1切断装置における結球野菜の動きを示す側面図である。
【
図42】第1切断装置、根移送部等を搬送方向の下流側の右方から見た斜視図である。
【
図43】第1切断装置等を搬送方向の下流側の左方から見た斜視図である。
【
図44】第1切断装置、根移送部等の平面図である。
【
図45】根揃え部を搬送方向の下流側から見た図である。
【
図47】第1切断装置、根移送部、第2切断装置等を搬送方向の下流側の左方から見た斜視図である。
【
図49】第1切断装置、根移送部、第2切断装置等の平面図である。
【
図50】第1切断装置、根移送部、第2切断装置、傾斜面、排出シュート等を搬送方向の下流側の左方から見た斜視図である。
【
図51】結球野菜の一例として玉ねぎを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~
図3は、結球野菜の調製装置1の全体構成を示す図である。
以下、説明の便宜上、
図1、
図2の矢印X1方向を前方、矢印X2方向を後方、矢印X方向を前後方向という。
図1の矢印Y1方向を左方、矢印Y2方向を右方、矢印Y方向を装置幅方向という。また、本明細書において、装置幅方向の一方側を左側、装置幅方向の他方側を右側として説明するが、装置幅方向の一方側が右側、装置幅方向の他方側が左側であってもよい。
【0012】
本発明に係る調製装置1により調製される結球野菜VGは、例えば、葉の根元が地下や地際で膨れて球状になる鱗茎菜である。具体的には、例えば、玉ねぎ、ラッキョウ、にんにく、ゆり根等である。
図51に示すように、結球野菜(鱗茎菜)VGは、結球部(鱗茎)VG1と、結球部VG1の上部から上方に延びる外葉VG2と、結球部VG1の下部から下方に延びる根VG3と、を有している。
図51は、結球野菜VGの代表例として玉ねぎを示している。本発明において処理対象となる結球野菜VGは、外葉VG2の長さが根VG3の長さよりも長い状態で収穫又は前処理がされたものが好ましい。
【0013】
先ず、
図1~
図3に基づいて、調製装置1の全体構成について説明する。
図1~
図3に示すように、調製装置1は、搬送装置2、第1切断装置4、第2切断装置5を備えている。
搬送装置2は、調製前又は調製後の結球野菜VGを搬送する装置である。第1切断装置4は、結球野菜VGの根VG3を切断する装置である。第2切断装置5は、結球野菜VGの外葉VG2を切断する装置である。
【0014】
搬送装置2は、第1搬送装置2A、第2搬送装置2B、第3搬送装置2C、第4搬送装置2D、第5搬送装置2Eを含む。第1搬送装置2Aは、第1フレーム6Aにより設置面(床面)上に支持されている。第2搬送装置2B、第3搬送装置2C、第4搬送装置2D、第5搬送装置2Eは、第2フレーム6Bにより設置面上に支持されている。第1フレーム6A及び第2フレーム6Bは、複数本の直線状のフレーム材(例えば、鋼材等)を立体的に組み合わせて構成されている。第1フレーム6Aと第2フレーム6Bとは接続されておらず、第1フレーム6Aと第2フレーム6Bとの位置関係(相対位置)を調整することが可能である。これにより、第1搬送装置2Aと第2搬送装置2Bとの位置関係を調整することができる。但し、第1フレーム6Aと第2フレーム6Bとは接続されていてもよい。
【0015】
図面において、第1搬送装置2Aによる搬送方向を矢印A1、第2搬送装置2Bによる搬送方向を矢印A2、第3搬送装置2Cによる搬送方向を矢印A3、第4搬送装置2Dによる搬送方向を矢印A4、第5搬送装置2Eによる搬送方向を矢印A5で示している。
図1に示すように、本実施形態の場合、第1搬送装置2Aによる搬送方向A1は、平面視において、他の搬送装置2B~2Eによる搬送方向A2~A5と同じ方向(後方から前方)である。しかし、他の実施形態(
図18参照)として、第1搬送装置2Aによる搬送方向A1を、平面視において、他の搬送装置2B~2Eによる搬送方向A2~A5に対して直角方向としてもよい。
【0016】
先ず、第1搬送装置2Aについて説明する。第1搬送装置2Aは、後述する搬送部(第2搬送部)3Bに対して結球野菜VGを供給する供給装置である。そのため、以下の説明において、第1搬送装置2Aを供給装置3Aという場合がある。
図4,
図5等に示すように、第1搬送装置(供給装置)2Aは、側壁7、後壁8、前壁9、載置部10、収容部11、搬送部3A(以下、「第1搬送部3A」という)を有している。
【0017】
側壁7は、一方側壁7Lと他方側壁7Rとを含む。一方側壁7Lは、第1搬送部3Aの幅方向(装置幅方向Yと同じ)の一方側(左側)に配置されている。他方側壁7Rは、第1搬送部3Aの幅方向の他方側(右側)に配置されている。一方側壁7Lは、本体壁7Laと延長壁7Lbとを含む。他方側壁7Rは、本体壁7Raと延長壁7Rbとを含む。本体壁7Laと本体壁7Raは、互いに平行に配置されており、後下方から前上方に向けて延びている。延長壁7Lbは、本体壁7Laの前端部から前方に延長されている。延長壁7Rbは、本体壁7Raの前端部から前方に延長されている。延長壁7Lbと延長壁7Rbは、前方に向かうにつれて(本体壁7La,7Raから離れるにつれて)、互いの距離が次第に狭くなっている(接近している)。
【0018】
後壁8は、第1搬送装置2Aの後端部に配置されている。後壁8は、一方側壁7L(本体壁7La)の後端部と他方側壁7R(本体壁7Ra)の後端部とに亘って設けられている。前壁9は、第1搬送装置2Aの前端部に配置されている。前壁9は、一方側壁7L(延長壁7Lb)及び他方側壁7R(延長壁7Rb)よりも前方に配置されている。
載置部10は、調製前の結球野菜を収容したコンテナ(図示略)を載置する部分である。
図4、
図5に示すように、載置部10は、一方側壁7Lと他方側壁7Rとの間であって、後壁8の上部の前方に設けられている。
【0019】
収容部11は、調製前の結球野菜を受け入れて収容する部分である。収容部11は、載置部10の前下方に設けられている。収容部11は、コンテナに収容された結球野菜を受け入れて収容する。
図5に示すように、収容部11は、第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113を有している。
第1支持板111は、表側に第1支持面111aを有している。第2支持板112は、表側に第2支持面112aを有している。第3支持板113は、表側に第3支持面113aを有している。これにより、収容部11は、表側(平面視で見える側)に結球野菜を支持する第1支持面111a、第2支持面112a、第3支持面113aを有している。
【0020】
第1支持面111aは、結球野菜を下方から支持する面であって、前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜面である。第2支持面112aは、第1搬送部3Aの幅方向(装置幅方向Yと同じ)の一方側(左側)に配置されている。第3支持面113aは、第1搬送部3Aの幅方向の他方側(右側)に配置されている。第2支持面112a及び第3支持面113aは、第1支持面111a上に結球野菜を集めるための面であって、第1支持面111aに向けて結球野菜を転がす又は滑らせることができる傾斜面に形成されている。第2支持面112aは、第1搬送部3Aの幅方向の他方側(右側)に向かうにつれて下方に移行する傾斜面である。第3支持面113aは、第1搬送部3Aの幅方向の一方側(左側)に向かうにつれて下方に移行する傾斜面である。
【0021】
第1支持面111aの形状は、前下方に向かうにつれて次第に幅(装置幅方向Yの長さ)が狭くなる台形状である。言い換えれば、第1支持面111aの形状は、上辺の幅に比べて下辺の幅が小さい台形状である。第2支持面112aの形状は、右下方に向かうにつれて次第に幅(装置幅方向Yの長さ)が狭くなる三角形状である。第3支持面113aの形状は、左下方に向かうにつれて次第に幅(装置幅方向Yの長さ)が狭くなる三角形状である。
【0022】
収容部11は、第1支持面111aと第2支持面112aとの境界部、第1支持面111aと第3支持面113aとの境界部において、それぞれV字状に屈曲している。
図5に示すように、第1支持面111aは、切り欠き部111bを有している。切り欠き部111bは、第1搬送部3Aの幅方向に間隔をあけて形成された2つの切り欠き部から構成されている。切り欠き部111bは、第1支持面111aの下辺を上辺に向けて矩形状に切り欠いて形成されている。切り欠き部111bは、後述する移動体15の移動に伴って突出部21が通過する部分である。2つの切り欠き部111bの間には、下向きに延びる垂下板111cが配置されている。突出部21が切り欠き部111bを通過するとき、移動体15は第1支持面111aの下方(垂下板111cの下方)を通過する。
【0023】
第1搬送部3Aは、収容部11に収容された結球野菜を第1支持面111aから離れる上方に向けて(下方から上方に向けて)1個ずつ搬送する。結球野菜は、第1搬送部3Aによって、上方に向かうにつれて前方に移行するように搬送される。
図5~
図7等に示すように、第1搬送部3Aは、移動体15、第1板16、第2板17を有している。
【0024】
図6、
図7に示すように、移動体15は、無端状の索体から構成されている。索体は、本実施形態の場合、チェーンである。移動体15を構成する索体は、側面視ループ状(長円状)の経路に沿って移動する。
図5に示すように、第1板16は、移動体15の装置幅方向の一方側(左側)に配置されて搬送方向A1に延びている。第2板17は、移動体15の装置幅方向の他方側(右側)に配置されて搬送方向A1に延びている。第1板16及び第2板17の下部は、収容部11を構成する第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113の下方に進入して(もぐりこんで)延びている。別の言い方をすれば、第1板16は、第1搬送部3Aの幅方向の一方側(左側)に配置され、第2支持面112aの下方から上方に亘って搬送方向A1に延びている。第2板17は、第1搬送部3Aの幅方向の他方側(右側)に配置され、第3支持面113aの下方から上方に亘って搬送方向A1に延びている。
【0025】
図6等に示すように、第1搬送部3Aは、駆動機構19、取付体20、突出部21を有している。
駆動機構19は、移動体15を移動させるための機構である。駆動機構19は、モータ19a、第1スプロケット19b、第2スプロケット19c、第3スプロケット19d、第4スプロケット19e、第5スプロケット19f、第6スプロケット19iを有している。
【0026】
第1スプロケット19b、第2スプロケット19c、第6スプロケット19iには、移動体15を構成する索体が巻き掛けられている。
第3スプロケット19dは、モータ19aの回転軸に取り付けられている。第4スプロケット19eは、第6スプロケット19iと同じ第1軸19gに取り付けられている。第3スプロケット19dと第4スプロケット19eにはチェーン19hが巻き掛けられている。第5スプロケット19fは、第1スプロケット19bと第2スプロケット19cとの間に配置され、移動体15を構成する索体に対して上方に向けてテンションを付与している。
【0027】
上記駆動機構19によれば、モータ19aが駆動すると、第3スプロケット19dが回転し、第3スプロケット19dの回転はチェーン19hを介して第4スプロケット19eに伝達され、第4スプロケット19eが回転する。第4スプロケット19eの回転は第1軸19gを介して第6スプロケット19iに伝達され、第6スプロケット19iが回転する。第6スプロケット19iの回転は、移動体15を構成する索体を介して第1スプロケット19b及び第2スプロケット19cに伝達される。これにより、第1スプロケット19b、第2スプロケット19c、第6スプロケット19iが回転し、移動体15が側面視ループ状(長円状)の経路に沿って移動(回転)する。
【0028】
図6の矢印R1に示すように、移動体15が移動(回転)することにより、移動体15の上部(ループの上部分)は上方に向かうにつれて前方に移行する方向(斜め前上方)に向けて移動する。この移動体15の上部(ループの上部分)の移動方向R1が、第1搬送装置2Aの搬送部3Aによる搬送方向A1となる。つまり、移動体15は、第1搬送部3Aの搬送方向A1に沿って移動する。
【0029】
図5~
図7に示すように、取付体20は、移動体15に取り付けられており、移動体15と共に移動する。取付体20は、取付部材22(
図7参照)によって、移動体15を構成する索体の外面(ループの外周側の面)に取り付けられている。取付体20は、移動体15を構成する索体の長さ方向(第1搬送部3Aの搬送方向A1)に沿って複数並んで設けられている。複数の取付体20は、搬送方向A1に所定間隔をあけて配置されている。複数の取付体20の配置のピッチ(間隔)は、等しく設定されていることが好ましいが、一部が異なっていてもよい。取付体20の配置のピッチは、結球野菜VGの結球部VG1の外径よりも大きく設定される。
【0030】
図7に示すように、取付体20は、基板20aと周縁部20bとを有している。基板20aは、表面が平らな矩形状の板である。基板20aの幅(装置幅方向の長さ)は、移動体15を構成する索体を覆うように、当該索体の幅よりも長く形成されている。周縁部20bは、基板20aの外縁(四辺)から屈曲して下方又は斜め下方に延びている。基板20aの表面には、突出部21の基端部が固定されている。これにより、突出部21は取付体20に突設されている。
【0031】
上述したように、突出部21は、取付体20に突設されており、取付体20を介して移動体15に取り付けられている。これにより、突出部21は、取付体20及び移動体15と共に移動する。突出部21は、移動体15から離れる方向に突出することにより結球野菜(具体的には、結球野菜VGの結球部VG1)を支持可能となっている。
突出部21は、円柱状又は円筒状の棒体から構成されている。但し、突出部21の形状はこれに限定されない。突出部21は、装置幅方向に間隔をあけて配置された2つの突出部を含む。2つの突出部は、装置幅方向の一方側(左側)に配置された一方突出部21Lと、装置幅方向の他方側(右側)に配置された他方突出部21Rとから構成されている。一方突出部21Lと他方突出部21Rとの間隔は、結球野菜VGの結球部VG1の外径よりも小さく設定される。
【0032】
図4に示すように、第1板16及び第2板17は、搬送方向A1の中途部において屈曲している。第1板16は屈曲部16cを有し、第2板17は屈曲部17cを有している。
以下、第1板16の屈曲部16cよりも前方部位を「第1板前部16a」、屈曲部16cよりも後方部位を「第1板後部16b」という。また、第2板17の屈曲部17cよりも前方部位を「第2板前部17a」、屈曲部17cよりも後方部位を「第2板後部17b」という。
【0033】
図6、
図7、
図10に示すように、移動体15の上部(ループの上側)には、第1屈曲部23と第2屈曲部24が形成されている。第1屈曲部23は、第2屈曲部24よりも搬送方向A1の上流側(下側)に位置している。第1屈曲部23には、第5スプロケット19fが配置されている。第2屈曲部24には、第1スプロケット19bが配置されている。第2屈曲部24における移動体15の屈曲角度は、第1屈曲部23における移動体15の屈曲角度よりも小さい。
【0034】
図10に示すように、移動体15は、第1屈曲部23及び第2屈曲部24に対応する位置において、水平面に対する角度が変化している。移動体15は、第1屈曲部23に対応する位置において、水平面に対する角度が小さくなるように変化している。移動体15は、第2屈曲部24に対応する位置において、水平面に対する角度が大きくなるように変化している。
【0035】
これにより、取付体20の基板20aも、第1屈曲部23及び第2屈曲部24に対応する位置において、水平面に対する角度が変化している。第1屈曲部23よりも下流側に位置する基板20a2は、第1屈曲部23よりも上流側に位置する基板20a1に比べて、水平面に対する角度が小さい。基板20a1と基板20a2は、いずれも前方に向かうにつれて上方に移行するように傾斜している。また、第2屈曲部24よりも下流側に位置する基板20a3は、第2屈曲部24よりも上流側に位置する基板20a2に比べて、水平面に対する角度が大きい。基板20a3は、前方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。つまり、基板20aは、第2屈曲部24の上流側と下流側とで傾斜の向き(上方向きか下方向きか)が変化している。
【0036】
図10に示すように、第1搬送部3Aは、搬送方向A1の中途部において搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔を拡げる拡張機構を有している。以下、拡張機構について説明する。
図10に示すように、取付体20が第1屈曲部23の上流側から下流側へと移行するとき、突出部21の突出方向が変化する。これにより、取付体20が第1屈曲部23を挟んで配置された状態における搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔L2は、取付体20が第1屈曲部23に達していない状態における搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔L1に比べて大きくなる。言い換えれば、搬送方向A1の中途部において、搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔が搬送方向A1に拡がる。
【0037】
図10に示すように、搬送方向A1の中途部において、搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔が拡がることにより、搬送方向A1に隣り合う突出部21の間に複数の結球野菜VGが挟まって(詰まって)搬送されてきたとしても、上側にある結球野菜VGと突出部21との間に隙間GP1が生じる。そのため、結球野菜VGが隣り合う突出部21の間に挟まった(詰まった)状態が解消し、突出部21に直接的に支持されていない上側の不要な結球野菜VGを突出部21から落下させることができる。これにより、結球野菜VGを適量ずつ(例えば1個ずつ)確実に且つ円滑に搬送することが可能となる。
【0038】
図10に示すように、第2屈曲部24の前後(上流側と下流側)において、基板20aの水平面に対する傾斜方向が、前上方(前方に向かうにつれて上方に移行する傾斜)から前下方(前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜)へと変化する。そのため、第2屈曲部24の上流側に位置する基板20a2と、第2屈曲部24の下流側に位置する基板20a3との間には、比較的大きな隙間GP2が生じる。そのため、この隙間GP2に小さい結球野菜が挟まることを防止するためのローラ26が配置されている。
【0039】
図7、
図10に示すように、ローラ26は、装置幅方向に延びる軸19jに支持されている。軸19jには、第1スプロケット19bが取り付けられている。第1スプロケット19bは、軸19jの回転に伴って回転する。ローラ26は、軸19jの軸心回りに回転可能である。ローラ26は、軸19jと共に回転するのではなく、軸19jに対して相対的に回転可能である。但し、ローラ26が軸19jと共に回転するように構成してもよい。
【0040】
ローラ26は、移動体15の左側に配置された左ローラ26Lと、移動体15の右側に配置された右ローラ26Rと、を含む。左ローラ26Lの左端から右ローラ26Rの右端までの距離は、基板20aの幅以下に設定されている。
図9、
図10に示すように、左ローラ26L及び右ローラ26Rは、第2屈曲部24の上流側の基板20a2と下流側の基板20a3とに跨る位置に配置されている。これにより、ローラ26(左ローラ26L及び右ローラ26R)は、隙間GP2の一部を埋めている。
【0041】
図9、
図10に示すように、隙間GP2の一部がローラ26により埋められることによって、小さい結球野菜VGが隙間GP1上に位置したとしても、結球野菜VGの下部がローラ26に支持されるため、隙間GP2に小さい結球野菜が挟まることを防止することができる。また、ローラ26が軸19jに対して相対的に回転可能であることによって、ローラ26が自由に回転して結球野菜VGSの移動を助けるため、結球野菜VGSが隙間GP2に詰まることをより効果的に防止できる。また、周縁部20bが隙間GP2の一部を埋めることによっても、結球野菜VGSが隙間GP2に詰まることを防止する機能を有している。
【0042】
図6、
図8、
図9、
図13等に示すように、第1搬送装置2Aは、第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部から結球野菜を排出する排出部25を備えている。排出部25は、第2搬送装置2Bに向けて下向きに傾斜しており、第2搬送装置2Bの搬送部である第2搬送部3Bの搬送方向A2の上流側に結球野菜を排出する。従って、排出部25は、第2搬送部3Bに結球野菜を供給する供給部でもある。そのため、以下の説明において、排出部25を供給部25という場合がある。
【0043】
図8、
図9等に示すように、排出部25は、第1前延部材27、第2前延部材28、傾斜板29を有している。第1前延部材27は、第1板16の前部から前下方に向けて延びている。第2前延部材28は、第2板17の前部から前下方に向けて延びている。第1前延部材27と第2前延部材28とは、装置幅方向に間隔をあけて配置されている。第1前延部材27は、第1壁部27aと第1上面部27bを有している。第2前延部材28は、第2壁部28aと第2上面部28bを有している。第1上面部27b及び第2上面部28bは、第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部から離れるにつれて(前方に向かうにつれて)下方に移行するように傾斜して延びている。
【0044】
傾斜板29は、第1前延部材27と第2前延部材28との間に配置されている。傾斜板29の左縁は、第1壁部27aに取り付けられている。傾斜板29の右縁は、第2壁部28aに取り付けられている。傾斜板29は、第1上面部27bの上端及び第2上面部28bの上端よりも下方に配置されている。傾斜板29は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部(上端部)から離れるにつれて(前方に向かうにつれて)下方に移行するように傾斜して延びている。傾斜板29の表面(上面)は、傾斜面29aである。傾斜面29aは、後述する第2搬送部3Bに向けて下り勾配を有する。傾斜面29aは、傾斜に沿って結球野菜VGの結球部VG1を移動(転動又は滑り移動)させる面を構成している。
【0045】
図8に示すように、傾斜板29は、第1スリット291と第2スリット292を有している。第1スリット291及び第2スリット292は、傾斜板29を上縁から下方(前下方)に向けて切り欠くことにより形成されている。第1スリット291と第2スリット292は、装置幅方向に間隔をあけて配置されている。第1スリット291と第2スリット292との間隔は、一方突出部21Lと他方突出部21Rとの間隔と等しい。移動体15の移動に伴って、一方突出部21Lは第1スリット291を通過し、他方突出部21Rは第2スリット292を通過する。これにより、突出部21が傾斜板29に接触することを防ぐことができる。また、突出部21によって傾斜板29の途中まで結球野菜を支持することができる。
【0046】
図4、
図5等に示すように、排出部(供給部)25は、結球野菜が通過するトンネル状の覆い部40を有している。
図8及び
図9では、覆い部40を仮想線で示している。
図6では、覆い部40が省略されている。
覆い部40は、傾斜板29の上方の一部を覆っている。
図4、
図8に示すように、覆い部40は、左板部40a、右板部40b、天板部40cを有している。左板部40aは、第1前延部材27の第1上面部27bに取り付けられており、第1上面部27bから上方(前上方)に起立している。右板部40bは、第2前延部材28の第2上面部28bに取り付けられており、第2上面部28bから上方(前上方)に起立している。天板部40cは、左板部40aの上端と右板部40bの上端とを接続している。天板部40cは、傾斜板29と平行に配置されている。天板部40cと傾斜板29との間には、結球野菜が通過可能な通路41が形成されている。通路41の高さは、結球野菜が結球部を下にした姿勢で追加可能な高さに設定される。これにより、傾斜面29aを移動する結球野菜は、覆い部40を通過することができる。
【0047】
図8、
図9に示すように、排出部(供給部)25は、傾斜板29の傾斜面29aを移動してきた結球野菜を受ける受け面43を有している。受け面43は、受け部材42に設けられている。受け部材42は、左後板42a、右後板42b、左側板42c、右側板42d、左上板42e、右上板42f、受け板42gを有している。左後板42aは、第1前延部材27に取り付けられている。右後板42bは、第2前延部材28に取り付けられている。左側板42cは、左後板42aから前方に延びている。右側板42dは、右後板42bから前方に延びている。左側板42cと右側板42dは、装置幅方向に間隔をあけて平行に配置されている。左上板42eは、左後板42aの上縁と左側板42cの上縁とを繋いでいる。右上板42fは、右後板42bの上縁と右側板42dの上縁とを繋いでいる。受け板42gは、左側板42cの下縁と右側板42dの下縁とを繋いでいる。受け板42gの上面は、受け面43を構成している。受け面43は、傾斜板29の傾斜面29aの下縁から略水平に延設されている。本実施形態の場合、傾斜面29aと受け面43は異なる部材に設けられているが、1つの部材に設けてもよい。
【0048】
受け面43は、傾斜面29a上を移動してきた結球野菜を真下に近い方向に向けて落下させるために設けられている。受け面43が無い場合、傾斜面29a上を移動してきた結球野菜は前方に向けて勢いよく飛び出してしまうが、受け面43が有ることによって、傾斜面29aを移動してきた結球野菜の勢いが弱まるため、結球野菜を真下に近い方向に向けて落下させることができる。
【0049】
図8、
図9、
図11等に示すように、排出部(供給部)25には、当該排出部(供給部)25における結球野菜の滞留を検出する検出装置45が設けられている。検出装置45は、例えばリミットスイッチを含む。検出装置45は、検出部材46、筐体47、制御部(図示略)を有している。
図9に示すように、検出部材46は、平面視において、傾斜板29の傾斜面29aと重なる位置に配置されている。検出部材46は、受け面43よりも搬送方向A1の上流側(後方)に配置されている。つまり、検出部材46は、傾斜板29の傾斜面29aを移動してきた結球野菜VGにより押される位置に配置されている。詳しくは、検出部材46は、受け面43に到達する前の結球野菜VGにより押される位置に配置されている。
【0050】
図8、
図9、
図11に示すように、検出部材46は、覆い部40よりも搬送方向A1の下流側(前方)に配置されている。検出部材46の高さは、覆い部40の前端(搬送方向の下流側の端)の高さ以下に設定されている。つまり、検出部材46は、覆い部40を通過した結球野菜VGにより押される位置に配置されている。具体的には、検出部材46は、覆い部40を通過した結球野菜VGの外葉VG2により押される位置に配置されている。
【0051】
検出部材46は、筐体47から装置幅方向に延びる検出バー46から構成されている。検出バー46は、筐体47から結球野菜の移動方向と直交する方向に延設されている。本実施形態の場合、検出バー46は、左から右に向けて延設されているが、右から左に向けて延設されていてもよい。検出バー46は、結球野菜の上部が当たる高さに配置されている。検出バー46の長さは、傾斜面29aの幅以下の長さに設定されている。検出バー46の長さは、傾斜面29aの幅の半分以上の長さに設定することが好ましい。
【0052】
検出バー46は、基端側(筐体47側)を支点として前後方向に揺動可能に構成されている。具体的には、検出バー46は、結球野菜により押されたときに前方(
図9、
図11の矢印E1方向)に揺動し、押されていないときは後方(矢印E1方向と反対方向)に揺動して元の位置に復帰する。
筐体47の内部には、スイッチ(図示略)が収容されている。スイッチは、検出バー46の揺動に伴ってオン状態とオフ状態とが切り換えられる。検出バー46が結球野菜により押されて前方に揺動したとき、スイッチはオン状態となり、検出装置45は結球野菜を検出したことを表す検出信号(電気信号)を発信する。検出バー46が結球野菜により押されていない状態となって後方に揺動したとき(元の位置に復帰したとき)、スイッチはオフ状態となり、検出装置45は検出信号を発信しない。
【0053】
筐体47は、支持体48により支持されている。支持体48は、支柱48aと取付具48bとを有している。支柱48aは、受け部材42(具体的には、左上板42e)に立設されて上方に延びている。取付具48bは、支柱48aに取り付けられている。取付具48bには、筐体47が取り付けられている。取付具48bは、蝶ボルト48cによって支柱48aに取り付けられており、蝶ボルト48cを緩めることによって支柱48aに対する取り付け高さを調整することができる。これにより、結球野菜の大きさや種類に応じて、検出バー46の高さを変更することができる。
【0054】
結球野菜が円滑に搬送されている場合、検出バー46は、順次搬送されてくる結球野菜によって間欠的に押される。この場合、
図16Aに示すように、検出装置45は間欠的に検出信号を発信する。結球野菜が排出部(供給部)25で滞留している場合、検出バー46が結球野菜により押され続けている状態となる。この場合、
図16Bに示すように、検出装置45は連続的に検出信号を発信する。その結果、結球野菜が滞留している場合の検出信号が発信される時間の長さT2は、結球野菜が滞留していない場合の検出信号が発信される時間の長さT1に比べて長くなる。
【0055】
制御部は、検出装置45から発信される検出信号を受信する。検出装置45から制御部への制御信号の送信は、無線通信で行ってもよいし有線通信で行ってもよい。制御部は、検出信号が発信される時間の長さ(以下、「発信時間長さ」という)が所定長さ以上になったとき、第1搬送装置(供給装置)2Aに対して当該第1搬送装置2Aの駆動を停止する制御信号を送信する。所定長さは、結球野菜が滞留していない場合の発信時間長さT1に比べて長く設定される。発信時間長さT1は、予め第1搬送装置(供給装置)2Aを駆動して実測した時間に基づいて設定される。
【0056】
例えば、発信時間長さT1が0.3秒である場合、所定長さはT1より長い0.5秒に設定される。この場合、制御部は、発信時間長さが0.5秒以上となったとき、第1搬送装置(供給装置)2Aに対して駆動を停止する制御信号を送信する。第1搬送装置(供給装置)2Aは、制御部から駆動を停止する制御信号を受信すると、駆動機構19のモータ19aの駆動を停止させる。これにより、第1搬送装置(供給装置)2Aによる結球野菜の搬送が停止される。そのため、排出部(供給部)25における結球野菜の滞留を解消することができ、第2搬送部3Bにおける結球野菜のオーバーフローを防止することができる。
【0057】
第1搬送装置(供給装置)2Aは、制御部から駆動を停止する制御信号を受信したとき、結球野菜の搬送速度(供給速度)を減速し、所定時間をかけて停止することが好ましい。この場合、第1搬送装置(供給装置)2Aは、制御部から駆動を停止する制御信号を受信したとき、モータ19aの回転を直ちに停止するのではなく、モータ19aの回転速度を徐々に減速して停止する。第1搬送装置(供給装置)2Aが制御信号を受信してから停止するまでの所定時間は、例えば5~10秒間に設定される。この場合、第1搬送装置(供給装置)2Aは、制御信号を受信してから5~10秒間かけて減速して緩やかに停止する。これにより、第1搬送装置(供給装置)2Aの急停止に伴って結球野菜に衝撃が加わることを防止できる。第1搬送装置(供給装置)2Aが制御信号を受信してから停止するまでの所定時間は、結球野菜の搬送量や搬送速度を考慮して変更することができる。
【0058】
結球野菜の滞留は、例えば、結球野菜が傷んで軟らかくなっている場合に、受け面43上で滑りにくくなって停止してしまう現象等が原因で生じ得る。この場合、第1搬送装置(供給装置)2Aの駆動を停止することにより、傷んだ結球野菜を排除することが可能となる。
第1搬送部3Aによって搬送されてきた結球野菜VGは、排出部(供給部)25から排出されて、第2搬送装置2Bの搬送部(第2搬送部3B)に供給される。結球野菜は、排出部(供給部)25の傾斜面29aを下って受け面43に達し、受け面43の前端から落下して第2搬送部3Bに供給される。
【0059】
図4~
図6、
図8、
図9、
図11等に示すように、第1搬送装置2Aは、衝撃緩和機構50を備えている。衝撃緩和機構50は、第2搬送部3Bへの落下時に結球野菜が受ける衝撃を緩和する機構である。衝撃緩和機構50は、衝撃を緩和するための緩衝材51を有している。緩衝材51は、排出部(供給部)25から第2搬送部3Bに向けて落下する途中の結球野菜が衝突する位置に配置されている。詳しくは、緩衝材51は、受け面43を通過してから落下する結球野菜が衝突する位置に配置されている。
【0060】
本実施形態の場合、緩衝材51は、弾性体シートから構成されている。弾性体は、例えばゴムや軟質樹脂等である。以下、緩衝材51が弾性体シート51であるとして説明するが、緩衝材51は弾性体シートには限定されず、布(織物)、編み物、スポンジ等から構成してもよい。
弾性体シート51は、結球野菜が衝突する衝突面を構成している。
図9に示すように、弾性体シート51は、平面視にて略U字状に湾曲されており、略U字状の開放側が排出部(供給部)25側に配置されている。これにより、緩衝材51は、受け面43の前方、左方、右方にわたって配置されている。言い換えれば、受け面43は、前方、左方、右方にわたって緩衝材51により囲まれている。これにより、受け面43から前方に飛び出して落下する結球野菜を確実に緩衝材51に衝突させることができる。
図11の矢印K1に示すように、緩衝材51に当たった結球野菜VGは、略真下に向けて落下する。
【0061】
図8、
図11等に示すように、緩衝材(弾性体シート)51の上端部は、受け面43よりも上方に配置されている。好ましくは、受け面43から緩衝材(弾性体シート)51の上端部までの距離(高さ)は、排出部(供給部)25から供給される結球野菜の結球部の高さ以上に設定される。これにより、受け面43から前方に飛び出して落下する結球野菜の結球部を確実に緩衝材51に衝突させることができる。
【0062】
図5、
図9に示すように、受け面43の前端と緩衝材(弾性体シート)51との間には、結球野菜が通過(落下)可能な空間52が形成されている。受け面43の前端から飛び出した結球野菜は、この空間52を通って落下することができる。受け面43の前端から飛び出した結球野菜は、緩衝材51に衝突することによって、移動の向きが変更される。具体的には、受け面43の前端から前下方へと飛び出した結球野菜は、緩衝材51に衝突することによって、緩衝材51の内面に沿って略真下へと落下する。つまり、緩衝材51は、結球野菜を略真下へと落下させることができる。
【0063】
衝撃緩和機構50は、弾性体シート51の変形を抑制する変形抑制部材53を有している。変形抑制部材53は、結球野菜が衝突したときの弾性体シート51の変形を抑制するための部材である。変形抑制部材53は、例えば金属板から構成されている。変形抑制部材53は、弾性体シート51の外側に配置されている。
図8に示すように、変形抑制部材53は、前部位53a、左部位53b、右部位53cを有している。前部位53a、左部位53b、右部位53cは、1枚の金属板を折り曲げて形成されている。本実施形態の場合、前部位53a、左部位53b、右部位53cは、それぞれ平面視にて直線状に形成されており、変形抑制部材53は、全体として平面視にてコの字形に形成されている。これにより、弾性体シート51と変形抑制部材53との間に隙間が生じ、この隙間によって弾性体シート51の外側への変形が許容される。但し、変形抑制部材53は、弾性体シート51と同様に、平面視にて略U字状に湾曲されているものであってもよい。変形抑制部材53の形状に関わらず、変形抑制部材53と弾性体シート51との間に、弾性体シート51の外側への変形を許容する隙間が形成されることが好ましい。
【0064】
前部位53aは、弾性体シート51の前方に配置されており、前側から弾性体シート51に当接している。左部位53bは、弾性体シート51の左方に配置されており、左側から弾性体シート51に当接している。右部位53cは、弾性体シート51の右方に配置されており、右側から弾性体シート51に当接している。
変形抑制部材53は、弾性体シート51の少なくとも一部に沿って配置されている。本実施形態の場合、変形抑制部材53は、弾性体シート51の前方、左方、右方にわたって配置されている。変形抑制部材53の上下方向の幅は、弾性体シート51の上下方向の幅に比べて小さい。
【0065】
変形抑制部材53は、止め位置54において、弾性体シート51と共にボルト等の止め具(図示略)によって受け部材42に固定されている。具体的には、変形抑制部材53の左部位53bが受け部材42の左側板42cに固定され、右部位53cが右側板42dに固定されている。また、変形抑制部材53の前部位53aは、止め位置55において、弾性体シート51の前部に止め具(図示略)によって固定されている。
【0066】
弾性体シート51は、円筒形、楕円筒形、角筒形などの筒形であってもよい。この場合、筒形は、略上下方向に直線状に延びるものであってもよいし、側面視にてL字状や円弧状等に屈曲又は湾曲して延びるものであってもよい。また、弾性体シート51は、衝突面が略水平向きとなるように配置してもよい。この場合、弾性体シート51は、例えば、
図12に示すような放射状に延びる切断線51aを有するものとすることができる。落下して弾性体シート51に衝突した結球野菜は、切断線51aを押し広げて弾性体シート51を通過することができる。切断線51aの形状は、適宜変更することができる。
【0067】
次に、第2搬送装置2Bについて説明する。
図1~
図3に示すように、第2搬送装置2Bは第1搬送装置2Aの搬送方向A1の下流側に配置されている。
図6、
図13、
図14等に示すように、第2搬送装置2Bは、第1搬送装置2Aの排出部(供給部)25とオーバーラップして配置されている。
第2搬送装置2Bは、第1搬送装置2Aの排出部(供給部)25から排出(供給)された結球野菜を受け入れて搬送する第2搬送部3Bを有している。
図14に示すように、平面視において、排出部(供給部)25の終端側(搬送方向A1の下流側)は、第2搬送部3Bの始端側(搬送方向A2の上流側)と重なっている。空間52は、平面視において、第2搬送部3Bの始端側(搬送方向A2の上流側)と重なっている。
【0068】
図13~
図15、
図17に示すように、第2搬送部3Bは、並列に配置された2つのローラ30A,30Bを有している。2つのローラ30A,30Bのうち、一方のローラ(以下、「第1ローラ30A」という)は右側(装置幅方向の他方側)に配置され、他方のローラ(以下、「第2ローラ30B」という)は左側(装置幅方向の一方側)に配置されている。尚、ローラは本実施形態の場合は2つであるが、3つ以上であってもよく、例えば4つのローラを並列配置してもよい。
【0069】
2つのローラ30A,30Bは、左壁板31と右壁板32との間に配置されている。左壁板31は第2搬送装置2Bの左部に配置されており、右壁板32は第2搬送装置2Bの右部に配置されている。左壁板31及び右壁板32は、第2フレーム6Bに取り付けられている。
第1ローラ30Aの回転軸(以下、「第1回転軸33A」という)と、第2ローラ30Bの回転軸(以下、「第2回転軸33B」という)とは、互いに平行に配置されている。
図14、
図6において、第1回転軸33Aの中心軸を一点鎖線CLAで示し、第2回転軸33Bの中心軸を一点鎖線CLBで示している。第1ローラ30Aの長さ(第1回転軸33A方向の長さ)と第2ローラ30Bの長さ(第2回転軸33B方向の長さ)は略等しい。
【0070】
図6、
図15等に示すように、第2ローラ30Bの外径は、第1ローラ30Aの外径よりも大きい。
図6に示すように、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bは、中心軸CLA,CLBが前後方向且つ水平方向を向くように配置されている。また、第1ローラ30Aの中心軸CLAと第2ローラ30Bの中心軸CLBは、同じ高さにあり、側面視において重なっている。尚、変更例として、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bは、第2搬送部3Bの搬送方向A2の上流側(始端側)から下流側(終端側)に向けて次第に低くなるように傾斜して配置してもよい。
【0071】
図15に示すように、第2搬送装置2Bは、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bを駆動する駆動機構35を備えている。駆動機構35は、モータ35a、駆動スプロケット35b、第1従動スプロケット35c、第2従動スプロケット35d、第3従動スプロケット35e、第4従動スプロケット35f、チェーン35gを有している。
駆動スプロケット35b、第1従動スプロケット35c、第2従動スプロケット35d、第3従動スプロケット35e、第4従動スプロケット35fには、無端状のチェーン35gが掛け渡されている。駆動スプロケット35bは、モータ35aの出力軸に取り付けられている。第1従動スプロケット35cは、第1回転軸33Aに取り付けられている。第2従動スプロケット35dは、第2回転軸33Bに取り付けられている。第3従動スプロケット35eは、内周側からチェーン35gにテンションを付与している。第4従動スプロケット35fは、外周側からチェーン35gにテンションを付与している。
【0072】
モータ35aが駆動すると、モータ35aの回転軸と共に駆動スプロケット35bが回転する。駆動スプロケット35bの回転は、チェーン35gを介して、第1従動スプロケット35c、第2従動スプロケット35d、第3従動スプロケット35e、第4従動スプロケット35fに伝達される。これにより、第1回転軸33Aが矢印F1方向に回転し、第2回転軸33Bが矢印F2方向に回転する。
【0073】
上記駆動機構35の駆動によって、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとは互いに内向き(対向する側が下向き)に回転する。これにより、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとの間に結球野菜VGの外葉VG2を引き込んで挟持することができる(
図15参照)。第2搬送部3Bは、2つのローラの間(第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとの間)に結球野菜VGの外葉VG2を挟持して、回転軸(第1回転軸33A、第2回転軸33B)の方向(搬送方向A2)に結球野菜VGを搬送する。
【0074】
図14、
図15に示すように、第1ローラ30Aは、第1ローラ本体30A1と、突条部30A3と、第1ブラシ部30A2とを有している。第1ローラ本体30A1は、第1回転軸33Aを備えた円筒状又は円柱状の部材である。
突条部30A3は、第1ローラ本体30A1の表面から突出しており、第1ローラ本体30A1の表面に沿って螺旋状に設けられている。突条部30A3の螺旋の方向は、第1ローラ30Aの表面(上面)側において、搬送方向A2の下流側に向かうにつれて第1ローラ30Aの内側(第2ローラ30B側)から外側(第2ローラ30B側と反対側)に移行する方向である。突条部30A3は、ゴムや軟質合成樹脂等からなる弾性素材から構成されている。突条部30A3は、例えば、弾性素材からなる紐状部材(ゴム紐、ゴムチューブ等)を第1ローラ本体30A1の表面に螺旋状に巻回することにより構成されている。
【0075】
第1ブラシ部30A2は、第1ローラ本体30A1の表面からブラシ状に突出している。第1ブラシ部30A2は、多数本の毛を束ねた毛束を螺旋状に並べて配置することにより構成されている。第1ブラシ部30A2を構成する複数の毛束は、第1ローラ本体30A1の表面に螺旋状に並んで形成された多数の孔にそれぞれ植え付けられ、第1ローラ本体30A1の表面から突出している。第1ブラシ部30A2と突条部30A3とは、第1ローラ30Aの中心軸CLAの方向(搬送方向A2)に沿って交互に現れる。言い換えれば、第1ブラシ部30A2は、搬送方向A2に間隔をあけて隣り合う突条部30A3の間に設けられている。
【0076】
図14に示すように、第1ローラ30Aの長さ方向(搬送方向A2)において、第1ブラシ部30A2が設けられている領域の幅W1は、突条部30A3の幅W2よりも大きい。
図15に示すように、第1ローラ本体30A1の表面からの高さは、突条部30A3が第1ブラシ部30A2よりも高い。
図14、
図15に示すように、第2ローラ30Bは、第2ローラ本体30B1と第2ブラシ部30B2とを有している。第2ローラ本体30B1は、第2回転軸33Bを備えた円筒状又は円柱状の部材である。第2ブラシ部30B2は、第2ローラ本体30B1の表面からブラシ状に突出している。第2ブラシ部30B2は、多数本の毛を束ねた毛束を螺旋状に並べて配置することにより構成されている。第2ブラシ部30B2を構成する複数の毛束は、第2ローラ本体30B1の表面に螺旋状に並んで形成された多数の孔にそれぞれ植え付けられ、第2ローラ本体30B1の表面から突出している。
【0077】
図15に示すように、第2ブラシ部30B2の第2ローラ本体30B1の表面からの突出量LBは、第1ブラシ部30A2の第1ローラ本体30A1の表面からの突出量LAよりも大きい。これにより、第2ブラシ部30B2を構成する毛束は、第1ブラシ部30A2を構成する毛束よりも変形(屈曲)し易くなっている。
第1ローラ30A及び第2ローラ30Bが互いに内向きに回転すると、結球野菜VGは突条部30A3の螺旋によって第1ローラ30Aの上に載った状態で搬送方向A2に搬送される。第2搬送部3Bによる搬送速度(搬送方向A2の移動速度)は、第1搬送部3Aによる搬送速度(搬送方向A1の移動速度)よりも速い。これにより、第1搬送部3Aから搬送されてきた結球野菜が第2搬送部3Bの上流側に滞留することが防止できる。
【0078】
本実施形態の場合、第1ローラ30Aが突条部30A3を有し、第2ローラ30Bは突条部を有していないが、第2ローラ30Bが第1ローラ30Aと同様の突条部を有する構成としてもよい。この場合、第2ローラ30Bの突条部は、第2ブラシ部30B2の毛束の螺旋状配置と同じ方向に延びる螺旋状に設けられる。
図15に示すように、2つのローラ(第1ローラ30A、第2ローラ30B)は、一方のローラ(第1ローラ30A)の上表面の高さH1が他方のローラ(第2ローラ30B)の上表面の高さH2よりも低くなる高低差(H2-H1)を有して配置されている。ローラの上表面の高さは、ローラの最高位置の設置面からの高さである。具体的には、第1ローラ30Aの上表面の高さは突条部30A3の上端の設置面からの高さであり、第2ローラ30Bの上表面の高さは第2ブラシ部30B2の上端の設置面からの高さである。高低差(H2-H1)は、搬送方向A2の全長に亘って形成されている。
【0079】
本実施形態の場合、
図15に示すように、高低差(H2-H1)は、第1回転軸33Aと第2回転軸33Bとを同じ高さに配置し、第1ローラ30Aの外径を第2ローラ30Bの外径よりも小さくすることにより形成されている。
図13~
図15、
図17に示すように、第1ローラ30Aの上方にはガイド板37が設けられている。ガイド板37は、第1ローラ30Aの長さ方向(搬送方向A2)に沿って延びている。
【0080】
ガイド板37は、右側(装置幅方向の他方側)から左側(装置幅方向の他方側)に向かうにつれて低くなるように傾斜している。ガイド板37の右端は、第1ローラ30Aよりも右側に配置されている。ガイド板37の左端は、第1ローラ30Aの右端よりも左側であって且つ第1回転軸33Aよりも右側に配置されている。
図13~
図15、
図17に示すように、第2搬送部3Bの上方には案内部材38が配置されている。具体的には、案内部材38は、第2ローラ30Bの上方に配置されている。案内部材38は、搬送方向A2(第2ローラ30Bの長さ方向)に延設されている。案内部材38は、搬送方向A2の始端部から中途部までの範囲に亘って延設されている。具体的には、案内部材38は、第2ローラ30Bの始端部(後端部)の上方から長さ方向中途部の上方までの範囲に亘って延設されている。搬送方向A2において、案内部材38の長さは、第2ローラ30Bの長さよりも短く、第2ローラ30Bの長さの半分よりも長い。案内部材38の終端部(前端部)は、第2ローラ30Bの長さ方向中途部よりも前方に位置している。
【0081】
案内部材38は、左板部38a、上板部38b、右板部38cを有している。左板部38aは、第2ローラ30Bの左方において第2フレーム6Bに固定されており、第2フレーム6Bから上方に延びている。上板部38bは、左板部38aの上端から右方(第1ローラ30A側)に延びている。右板部38cは、上板部38bの右端から右下方に延びている。右板部38cの表面は、傾斜面38dとなっている。傾斜面38dは、下方に延びるにつれて左方から右方に移行している。言い換えれば、傾斜面38dは、上方に延びるにつれて第1ローラ30A側から第2ローラ30B側に移行している。傾斜面38dの下端部は、装置幅方向において第1ローラ30Aの第1回転軸33Aと第2ローラ30Bの第2回転軸33Bとの間であって、且つ第1ローラ30Aの上表面の高さH1及び第2ローラ30Bの上表面の高さH2よりも低い位置まで延びている。
【0082】
図6、
図13、
図14に示すように、第2搬送部3Bの上方には、排出部(供給部)25の衝撃緩和機構50が配置されている。衝撃緩和機構50の緩衝材51は、第2搬送部3Bの搬送方向A2の始端部付近におけるローラ30A,30Bの上方に配置されている。
図14に示すように、受け面43の前端と緩衝材(弾性体シート)51との間に形成された結球野菜が通過(落下)可能な空間52も、第2搬送部3Bの搬送方向A2の始端部付近におけるローラ30A,30Bの上方に配置されている。また、空間52は、平面視において、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bの両方に重なる位置に配置されている。さらに、空間52は、平面視において、案内部材38の傾斜面38dと重なる位置に配置されている。
【0083】
図14に示すように、排出部(供給部)25は、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bの始端側であって、平面視において、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bの両方に重なる位置に結球野菜VGを落下させて供給する。
図17に示すように、排出部(供給部)25から排出(供給)された結球野菜VGは、案内部材38の傾斜面38dに当たって第2ローラ30B側(左方)への移動が阻止されるため、主として第1ローラ30Aの上に載った状態となる。
【0084】
主として第1ローラ30Aの上に載った結球野菜VGは、
図14に示すように、第1ローラ30A上で自転を繰り返しながら案内部材38に沿って搬送方向A2の下流側へと搬送される。ここで、第1ローラ30Aの上表面の高さが第2ローラ30Bの上表面の高さよりも低くなる段差を有して配置されているため、結球野菜VGは不安定な姿勢となって自転し易くなる。
【0085】
結球野菜VGは、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bの回転によって搬送方向A2と直交する方向回りの自転(矢印P1参照)を行うと共に、螺旋状の突条部30A3により搬送方向A2に送られることによって搬送方向A2回りの自転(矢印P2参照)も行う。結球野菜VGは、このような複数方向の自転を行うことにより、外葉VG2が下を向く下向き姿勢となる機会が多く生じる。
【0086】
結球野菜VGは、外葉VG2が下向きとなったときに、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとの間に外葉VG2が引き込まれる。
図15に示すように、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとの間に外葉VG2が引き込まれた結球野菜VGは、外葉VG2が下向きの下向き姿勢となる。
このように、結球野菜VGは、第2搬送部3Bで搬送される途中に外葉VG2が下向きとなる下向き姿勢となる。そして、下向き姿勢となった結球野菜VGは、下向き姿勢の状態で第2搬送部3Bから第3搬送装置2Cが有する第3搬送部3Cへと移行する。
【0087】
図18は、第1搬送装置2Aの配置の他の実施形態を示している。他の実施形態の場合、第1搬送装置2Aによる搬送方向A1が、平面視において、第2搬送装置2Bによる搬送方向A2に対して直角方向とされている。
他の実施形態の場合、衝撃緩和機構50の緩衝材51は、第2搬送部3Bの搬送方向A2の始端部付近における第1ローラ30Aの上方に配置されている。受け面43の前端と緩衝材(弾性体シート)51との間に形成された結球野菜が通過(落下)可能な空間52も、第2搬送部3Bの搬送方向A2の始端部付近における第1ローラ30Aの上方に配置されている。また、空間52は、平面視において、第1ローラ30Aに重なるが第2ローラ30Bに重ならない位置に配置されている。さらに、空間52は、平面視において、ガイド板37と重なる位置に配置されている。
【0088】
他の実施形態の場合、排出部(供給部)25は、第1ローラ30Aに対して第1回転軸33Aと直角方向から第1ローラ30Aの上方に結球野菜VGを供給する。排出部(供給部)25から排出された結球野菜VGは、ガイド板37上を通って第1ローラ30Aの上方に供給される。その後の結球野菜VGの動きは、
図14を用いて説明した動きと同様である。
【0089】
次に、第3搬送装置2Cの第3搬送部3Cについて説明する。
図1~
図3に示すように、第3搬送部3Cは、第2搬送部3Bの搬送方向A2の下流側に配置されている。第3搬送部3Cは、第2搬送部3Bにより搬送されてきた結球野菜VGを更に下流側(前方)に向けて搬送する。以下、第2搬送部3Bを上流側搬送部、第3搬送部3Cを下流側搬送部という場合がある。第2搬送部3B(上流側搬送部)は、結球野菜を外葉が上下方向を向く立姿勢で搬送する。第3搬送部3C(下流側搬送部)は、結球野菜を立姿勢で受け取って途中で上下を反転させて更に下流側へ搬送する。
【0090】
図19に示すように、第3搬送部3Cは、結球野菜VGの外葉VG2を挟んで搬送する挟持ベルト70を備えている。挟持ベルト70は、第1挟持ベルト71と第2挟持ベルト72とを含む。第1挟持ベルト71及び第2挟持ベルト72は、ゴム等の弾性体から構成されている。
図19に示すように、第1挟持ベルト71は、第2搬送部3Bの下流側の端部に近接して配置されている。
図20に示すように、第1挟持ベルト71は、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bの上端よりも下方に位置している。
【0091】
図19に示すように、第2挟持ベルト72は、第1挟持ベルト71の下流側に配置されている。第3搬送部3Cの搬送方向A3において、第1挟持ベルト71の一部と第2挟持ベルト72の一部はオーバーラップしている。
図20に示すように、第2挟持ベルト72は、第1挟持ベルト71の下方に位置している。
第1挟持ベルト71は、一対の挟持ベルト71L,71Rから構成されている。第1挟持ベルト71は、一方側ベルト71Lと他方側ベルト71Rとを含む。一方側ベルト71Lは、第3搬送部3Cの搬送方向A3に直交する方向(以下、「第3直交方向」という)の一方側(左側)に配置されている。他方側ベルト71Rは、第3直交方向の他方側(右側)に配置されている。一方側ベルト71L及び他方側ベルト71Rは、無端状であって、それぞれ複数のプーリに巻き掛けられている。
【0092】
他方側ベルト71Rは、第1プーリ73と第2プーリ74に掛け渡されている。他方側ベルト71Rの外周面には、テンション付与用の第3プーリ75が当接している。第1プーリ73は、第1ローラ30Aの下流側の端部に近接して配置されている。第2プーリ74は、当該第2プーリ74と同じ回転軸79aに取り付けられた第7プーリ79(後述する)の回転に伴って回転する。第2プーリ74の回転に伴って、第1プーリ73、第3プーリ75、他方側ベルト71Rが回転する。
【0093】
一方側ベルト71Lは、第4プーリ76と第5プーリ77に掛け渡されている。一方側ベルト71Lの外周面には、テンション付与用の第6プーリ78が当接している。第4プーリ76は、第2ローラ30Bの下流側の端部に近接して配置されている。第5プーリ77は、当該第5プーリ77と同じ回転軸82aに取り付けられた第10プーリ82(後述する)の回転に伴って回転する。第5プーリ77の回転に伴って、第4プーリ76、第6プーリ78、一方側ベルト71Lが回転する。
【0094】
図19に示すように、第1プーリ73と第4プーリ76、第2プーリ74と第5プーリ77は、それぞれ互いに近接している。これにより、一方側ベルト71Lと他方側ベルト71Rとは、互いに当接又は近接している。一方側ベルト71Lと他方側ベルト71Rとは、互いに当接又は近接する側において前方に向けて(第2搬送部3Bから離れる方向である第3搬送方向A3に向けて)移動する。
【0095】
以下、第1プーリ73と第4プーリ76を纏めて「始端プーリ73,76」という場合がある。また、第1プーリ73を「右側プーリ73」、第4プーリ76を「左側プーリ76」という場合がある。始端プーリ73,76は、第2搬送部3B(上流側搬送部)の終端近傍に配置されている。第1プーリ(右側プーリ)73の直径は、第3プーリ(左側プーリ)76の直径と等しい。第1プーリ(右側プーリ)73と第3プーリ(左側プーリ)76は、同じ高さに配置されている。
【0096】
図25に示すように、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)は、それぞれ上円板PL1と下円板PL2とを有している。上円板PL1と下円板PL2は、直径が等しく、上下方向に間隔をあけて配置されている。上円板PL1と下円板PL2との間に第1挟持ベルト71が配置される。
図19、
図20、
図24に示すように、第1挟持ベルト71は、一方側ベルト71Lと他方側ベルト71Rとの間に結球野菜VGの外葉VG2を挟持し、外葉VG2を挟持した状態で移動することにより、結球野菜VGを下流側から上流側に向けて(搬送方向A3に向けて)搬送する。第1挟持ベルト71による結球野菜VGの搬送では、第2搬送部3Bから移行してきたときの姿勢が維持される。つまり、第1挟持ベルト71により搬送される結球野菜VGの姿勢は、外葉VG2が下向きの下向き姿勢である。
【0097】
図19~
図26に示すように、第3搬送装置2Cは、第2搬送部3B(上流側搬送部)から第3搬送部3C(下流側搬送部)への結球野菜VGの受け渡しを補助する搬送補助部材60を備えている。
図24、
図25の矢印AL1,AL2に示すように、搬送補助部材60は、上下方向に延びる中心軸CA回りに回転する。
図24に示すように、搬送補助部材60は、結球野菜VGの外葉VG2に側方(左方及び右方)から当接しながら中心軸CA回りに回転する。中心軸CAは、搬送補助部材60の回転中心の軸であると共に、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)の回転中心の軸でもある。この回転により、第2搬送部3Bから第3搬送部3Cの第1挟持ベルト71への結球野菜VGの受け渡しを補助する。搬送補助部材60は、弾性素材から構成されている。弾性素材は、例えば、ゴムや軟質樹脂等である。
【0098】
図24、
図25等に示すように、搬送補助部材60は、中心軸CAから離れる方向に放射状に延びる複数の当接部60aを有している。本実施形態の場合、当接部60aの数は、4つであるが、3つ以下又は5つ以上であってもよい。複数の当接部60aは、中心軸CA回りの周方向に等間隔で配置されている。複数の当接部60aは、基端部(中心軸CA側の端部)同士が繋がって一体化されている。
【0099】
搬送補助部材60は、左補助部材60Lと右補助部材60Rとを含む。左補助部材60Lは、結球野菜VGの外葉VG2に左方から当接しながら中心軸CA回りに回転する。右補助部材60Rは、結球野菜VGの外葉VG2に右方から当接しながら中心軸CA回りに回転する。
左補助部材60Lと右補助部材60Rは、第3直交方向において、互いに当接又は近接している。左補助部材60Lと右補助部材60Rは、矢印AL1、AL2に示すように、互いに当接又は近接する側において前方に向けて(第2搬送部3Bから離れる方向である第3搬送方向A3に向けて)回転する。
【0100】
図24に示すように、左補助部材60Lの当接部60aと右補助部材60Rの当接部60aとは、回転の位相をずらして配置されている。言い換えれば、左補助部材60Lの当接部60aと右補助部材60Rの当接部60aとは、装置幅方向の中心線を挟んで非対称形となるように配置されている。これにより、左補助部材60Lの当接部60aと右補助部材60Rの当接部60aは、回転に伴ってタイミングをずらして外葉VG2に当接する。具体的には、左補助部材60Lの当接部60aと右補助部材60Rの当接部60aは、回転に伴って交互に外葉VG2に当接する。
【0101】
搬送補助部材60は、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)の上方に配置されている。搬送補助部材60は、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)と重ねて配置されており、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)と共に回転する。具体的には、左補助部材60Lは、第3プーリ(左側プーリ)76と重ねて配置されており、第3プーリ(左側プーリ)76と共に回転する。右補助部材60Rは、第1プーリ(右側プーリ)73と重ねて配置されており、第1プーリ(右側プーリ)73と共に回転する。
【0102】
搬送補助部材60の回転の中心軸CAは、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)の回転中心と一致している。本実施形態の場合、搬送補助部材60の直径(外径)は、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)の直径以下に設定されている。但し、搬送補助部材60の直径は、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)の直径(外径)より大きくてもよい。尚、搬送補助部材60の直径は、中心軸CAを挟んで対向する一方の当接部60aの外端と他方の当接部60aの外端との間の距離DM(
図24参照)である。
【0103】
図25に示すように、搬送補助部材60は、押さえ板61によって、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)の上円板PL1の上面に固定されている。押さえ板61は、上円板PL1よりも小径の円板である。搬送補助部材60は、押さえ板61と上円板PL1との間に挟まれて固定されている。
図25に示すように、搬送補助部材60の厚さ(高さ)t1は、始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)の厚さ(高さ)t2よりも小さい。また、厚さt1は、上円板PL1の厚さ(高さ)t3よりも大きい。但し、厚さt1は、厚さt2以上であってもよいし、厚さt3以下であってもよい。
【0104】
図20、
図24に示すように、第2搬送部3B(上流側搬送部)の終端に達した結球野菜VGは、第3搬送部3C(下流側搬送部)の第1挟持ベルト71(一方側ベルト71Lと他方側ベルト71R)に外葉VG2が挟持されることによって、第3搬送部3Cに受け渡される。このとき、搬送補助部材60が始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)と重ねて配置されていることにより、外葉VG2は第1挟持ベルト71だけでなく、搬送補助部材60(左補助部材60Lと右補助部材60R)によっても挟持される。そのため、第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しを確実に行うことができる。
【0105】
つまり、搬送補助部材60(左補助部材60Lと右補助部材60R)があることによって、外葉VG2を挟持する部材の厚さ(高さ)が第3搬送部3Cの始端側において大きくなる。具体的には、第3搬送部3Cの始端側においては、外葉VG2を挟持する部材の厚さは、第1挟持ベルト71と搬送補助部材60の両方の厚さとなる。このように、搬送補助部材60を配置することで、第3搬送部3Cの始端側のみにおいて、外葉VG2を挟持する部材の厚さを増加させることができる。そのため、第1挟持ベルト71の幅(高さ)を増加させることなく、第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しを確実に行うことが可能となる。
【0106】
また、
図20に示すように、第3搬送部3Cの上端の高さは、第2搬送部3Bの上端の高さよりも低い。そのため、搬送補助部材60を始端プーリ(第1プーリ73、第4プーリ76)の上方に配置することにより、第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行する結球野菜VGの外葉VG2を確実に挟持することができる。
また、搬送補助部材60が複数の当接部60aを有しているため、周方向に隣り合う当接部60aの間に外葉VG2が引っ掛けることが可能となり、第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しを確実に行うことができる。例えば、外葉VG2が曲がっている場合等には、周方向に隣り合う当接部60aの間に外葉VG2が引っ掛かり易くなる。また、左補助部材60Lの当接部60aと右補助部材60Rの当接部60aが回転に伴って交互に外葉VG2に当接することで、少なくともいずれか一方の補助部材の当接部60aを確実に外葉VG2に引っ掛けることが可能となる。これにより、第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しをより確実に行うことが可能となる。
【0107】
図20~
図22に示すように、第3搬送装置2Cは、姿勢矯正部材65を備えている。姿勢矯正部材65は、結球野菜が前傾姿勢となったときに、結球野菜を立姿勢(外葉が上下方向を向く姿勢)に戻すための部材である。
図22に示すように、姿勢矯正部材65は、上方部材66と支持部67とを有している。尚、
図20では、支持部67を省略して上方部材66のみを示している。上方部材66は、搬送補助部材60の上方に配置されている。上方部材66は、搬送補助部材60の中心軸CAよりも前方(上流側)に配置されている。
【0108】
支持部67は、上方部材66を搬送補助部材60の上方に支持している。支持部67は、左支持部67Lと右支持部67Rとを有している。左支持部67Lは、上方部材66の左部を支持している。右支持部67Rは、上方部材66の右部を支持している。左支持部67Lは、左支持板68Lの上面に立設されている。右支持部67Rは、右支持板68Rの上面に立設されている。左支持板68L及び右支持板68Rは、第2フレーム6Bに固定されている。左支持板68Lと右支持板68Rとは、装置幅方向に隙間GP3をあけて配置されている。隙間GP3の幅は、平面視において、搬送補助部材60の一部又は全部が露出可能な幅に設定されている。
【0109】
左支持部67Lと右支持部67Rには、前後方向に長い長孔67aが設けられている。また、左支持板68Lと右支持板68Rには、長孔67aと重なる位置に貫通孔68aが設けられている。長孔67aと貫通孔68aにボルトを通してナットを螺合することによって、左支持部67Lが左支持板68Lに固定され、右支持部67Rが右支持板68Rに固定される。また、貫通孔68aに対する長孔67aの重なり位置をずらすことによって、支持部67を前後方向にずらすことができる。これにより、姿勢矯正部材65の前後方向の位置を調整することができる。
【0110】
図20に示すように、上方部材66の下端の高さは、第2搬送部3Bの上端の高さよりも高い。
図20、
図22に示すように、上方部材66の下方であって且つ左支持板68Lと右支持板68Rとの間には、結球野菜が通過可能な空間SP1が形成されている。この空間SP1は、上方部材66の下端と第2搬送部3Bの上端との間に形成されている。空間SP1の高さは、結球野菜VGが立姿勢で第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行する場合に、結球部VG1が通過可能な高さに設定されている。つまり、結球野菜VGが通過可能な空間SP1とは、立姿勢にある結球野菜VGが第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行する際に通過できる空間SP1である。尚、根VG3は上方部材66等に当たっても曲がることで空間SP1を通過できるため、空間SP1の上端は立姿勢にある結球野菜VGの結球部VG1の上端よりも高い位置にあればよい。
【0111】
空間SP1の高さは、結球野菜VGが前傾姿勢で第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行しようとした場合には、前傾姿勢のままでは通過できない高さに設定されている。玉ねぎ等の結球野菜VGでは、結球部VG1の高さよりも幅(横幅)の方が大きい場合が多い。そのため、結球野菜VGが前傾姿勢であるときの結球部VG1の高さは、立姿勢であるときの結球部VG1の高さに比べて大きく(高く)なることが多い。本発明では、空間SP1の高さは、結球野菜VGが立姿勢にあるときには結球部VGが通過可能であって、前傾姿勢であるときには通過できない高さに設定することができる。
【0112】
図20は、結球野菜VGが立姿勢にあるときの第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行する結球野菜VGの動き及び姿勢を示している。第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行するときの結球野菜VGが立姿勢にあるとき、結球部VG1は上方部材66に当たらないため、結球野菜VGは立姿勢を維持した状態で第3搬送部3Cへと移行する。
図26は、結球野菜VGが前傾姿勢にあるときの第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行する結球野菜VGの動き及び姿勢を示している。第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行するときの結球野菜VGが前傾姿勢にあるとき、結球部VG1の上部が上方部材66に当たるため、結球野菜VGは前傾姿勢から立姿勢へと戻され(矢印J1参照)、立姿勢となって第3搬送部3Cへと移行する。
【0113】
上記したように、姿勢矯正部材65が設けられていることによって、結球野菜は第2搬送部3Bにおいて前傾姿勢となったとしても、姿勢矯正部材65により前傾姿勢が矯正されて立姿勢となって第3搬送部3Cへと受け渡される。そのため、第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しを確実に行うことが可能となる。
また、結球野菜が第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行するときに立姿勢となることで、結球野菜の外葉VG2を搬送補助部材60によって挟持し易くなる。そのため、第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しを、より確実に行うことが可能となる。
【0114】
第2挟持ベルト72は、第1挟持ベルト71により搬送されてきた結球野菜VGを更に下流側へと搬送する。第2挟持ベルト72は、1本のベルトから構成されている。
図27に示すように、第2挟持ベルト72は、1本のベルトが720°(2回転)ねじられて、ねじられたベルトの両端部72d,72dが互いに接合された無端状のベルトである。第2挟持ベルト72は、平面視にて8の字状に複数のプーリに掛け渡されている。
【0115】
図19、
図28に示すように、複数のプーリは、第7プーリ79、第8プーリ80、第9プーリ81、第10プーリ82を含む。尚、これらのプーリに加えて、テンション付与用のプーリを含んでいてもよい。
第7プーリ79と第8プーリ80は、第3直交方向の一方側(右側)に配置されている。第7プーリ79は、第2プーリ74の下方に配置されており、第2プーリと同じ回転軸79aに取り付けられている。これにより、第2プーリ74と第7プーリ79とは、回転軸79a回りに同じ方向に回転する。第8プーリ80は、第7プーリ79の前方に配置されている。第7プーリ79と第8プーリ80とは、第3搬送部3Cの搬送方向A3に並んで配置されている。
【0116】
第9プーリ81と第10プーリ82は、第3直交方向の他方側(左側)に配置されている。第9プーリ81は、第5プーリ77の下方に配置されており、第5プーリ77と同じ回転軸81aに取り付けられている。これにより、第5プーリ77と第9プーリ81とは、回転軸81a回りに同じ方向に回転する。第10プーリ82は、第9プーリ81の前方に配置されている。第9プーリ81と第10プーリ82とは、第3搬送部3Cの搬送方向A3に並んで配置されている。
【0117】
第3搬送部3Cは、第2挟持ベルト72を上流側から下流側(後方から前方)に向けて移動させる移動装置85を備えている。移動装置85は、第2挟持ベルト72が掛け渡された複数のプーリ(第7プーリ79、第8プーリ80、第9プーリ81、第10プーリ82)と、これら複数のプーリを回転させるモータ等の回転装置(図示略)とを有している。
【0118】
図19、
図28に示すように、第7プーリ79と第9プーリ81、第8プーリ80と第10プーリ82とは、それぞれ互いに近接している。これにより、第2挟持ベルト72は、第3搬送部3Cの搬送方向A3において、第7プーリ79と第9プーリ81に挟まれた位置から、第8プーリ80と第10プーリ82に挟まれた位置までの区間Z1において、互いに当接又は近接している。以下、区間Z1を「当接区間Z1」という。第2挟持ベルト72は、当接区間Z1において、後方から前方に向けて(第2搬送部3Bから離れる方向に向けて)移動する。
【0119】
第2挟持ベルト72は、断面が凸形のベルトであって、表面が平坦で且つ裏面に突出部が形成されている。第2挟持ベルト72は、平坦な表面側で結球野菜VGの外葉VG2を挟持する。第2挟持ベルト72の裏面に形成された突出部は、複数のプーリ(第7プーリ79、第8プーリ80、第9プーリ81、第10プーリ82)にそれぞれ形成された溝に嵌まっている。
【0120】
図19、
図28、
図29に示すように、第2挟持ベルト72は、下向き挟持部72aと、上向き挟持部72bと、反転挟持部72cと、を有している。下向き挟持部72a、反転挟持部72c、上向き挟持部72bは、この順番で、第3搬送部3Cの搬送方向A3の上流側から下流側にかけて設けられている。
図19に示すように、下向き挟持部72a、上向き挟持部72b、反転挟持部72cは、当接区間Z1に設けられている。具体的には、下向き挟持部72aは、当接区間Z1の上流部に設けられている。上向き挟持部72bは、当接区間Z1の下流部に設けられている。反転挟持部72cは、当接区間Z1の中流部に設けられている。反転挟持部72cでは、第2挟持ベルト72が搬送方向A3に延びる軸回りにねじられており、上流側から下流側に向かう過程で第2挟持ベルト72は上下方向が反転する。
【0121】
下向き挟持部72aは、外葉VG2を下向きで挟持する。上向き挟持部72bは、外葉VG2を上向きで挟持する。
図28、
図29に示すように、反転挟持部72cは、下向き挟持部72aの下流側且つ上向き挟持部72bの上流側において、結球野菜VGを外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転させる。
図19に示すように、第3搬送部3Cは、第2挟持ベルト72を押さえる押さえローラ88a,88bを有している。押さえローラ88a,88bは、それぞれ取付軸66a,66bを介して第2フレーム6Bに取り付けられている。押さえローラ88a,88bは、第3直交方向の軸回りに回転可能である。押さえローラ88aの外周面は、反転挟持部72cにおいて第2挟持ベルト72に当接している。押さえローラ88は、反転挟持部72cにおいて、上方から第2挟持ベルト72を押さえている。押さえローラ88bの外周面は、反転挟持部72cの下流側近傍において第2挟持ベルト72に当接している。押さえローラ88bは、反転挟持部72cの下流側近傍において、下方から第2挟持ベルト72を押さえている。押さえローラ88a,88bは、第2挟持ベルト72の移動に伴って回転(自転)する。これにより、反転挟持部72cにおける第2挟持ベルト72のねじりの状態(向き)が、押さえローラ88a,88bからの押圧力により適切に維持される。
【0122】
図28、
図29に示すように、第1挟持ベルト71により搬送されてきた結球野菜VGは、外葉VG2が下向きの姿勢で第2挟持ベルト72の当接区間Z1に移行し、当該当接区間Z1において外葉VG2が挟持された状態で搬送される。第2挟持ベルト72の当接区間Z1に移行した結球野菜VGは、先ず当接区間Z1の上流側にある下向き挟持部72aで外葉VG2が挟持される。結球野菜VGは、下向き挟持部72aでは、結球野菜VGは外葉VG2が下向きの姿勢で搬送される。続いて、結球野菜VGは、第2挟持ベルト72の移動(回転)に伴って下向き挟持部72aから反転挟持部72cに移行する。結球野菜VGは、反転挟持部72cにおいて外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転される。続いて、結球野菜VGは、第2挟持ベルト72の移動(回転)に伴って反転挟持部72cから上向き挟持部72bに移行する。結球野菜VGは、上向き挟持部72bでは、結球野菜VGは外葉VG2が上向きの姿勢で搬送される。このように、結球野菜VGは、第2挟持ベルト72により挟持された状態で移動し、移動に伴って外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転する。
【0123】
図19、
図28、
図29に示すように、第3搬送部3Cは、支持板89を備えている。支持板89は、第2挟持ベルト72の移動に伴って反転する結球野菜VGの結球部VG1を下方から支持する。支持板89は、第2挟持ベルト72よりも下方に配置されている。
図19に示すように、支持板89は、第2挟持ベルト72の移動の方向(第3搬送部3Cの搬送方向A3)と直交する方向(装置幅方向)において、外葉VG2の挟持位置(外葉VG2が挟持されている部分)からずれた位置に配置されている。支持板89のズレの方向は、反転挟持部72cにおいて結球野菜VGがねじられる方向に設定される。本実施形態の場合、反転挟持部72cにおいて結球野菜VGは右方にねじられるため、支持板89は外葉VG2の挟持位置の右方にずれた位置に配置されている。反転挟持部72cにおいて結球野菜VGが左方にねじられる場合、支持板89は外葉VG2の挟持位置の左方にずれた位置に配置される。また、支持板89を外葉VG2の挟持位置を挟んで左方から右方に亘る広い幅のものとしてもよい、具体的には、
図19、
図28に示した支持板89の幅(装置幅方向の長さ)を外葉VG2の挟持位置を越えて左方まで延びる幅としてもよい。
【0124】
図28、
図29に示すように、支持板89は、起立部891と傾斜部892を有している。起立部891と傾斜部892とは、1枚の板を折り曲げて形成されている。支持板89は、第2挟持ベルト72の下方に設けられた基板90にボルト等により固定されている。起立部891は、第2プーリ74及び第7プーリ79の下方に配置されている。傾斜部892は、前後方向において、第7プーリ79と第8プーリ80との間に配置されている。傾斜部892は、後方(上流側)から前方(下流側)に向かうにつれて下向きに移行している。
【0125】
図19に示すように、支持板89は、第2挟持ベルト72の移動の方向(第3搬送部3Cの搬送方向A3)において、下向き挟持部72a及び反転挟持部72cとオーバーラップする領域に設けられている。支持板89は、第2挟持ベルト72の移動の方向(第3搬送部3Cの搬送方向A3)において、少なくとも、下向き挟持部72aの一部及び反転挟持部72cの一部とオーバーラップする領域に設けられていればよいが、下向き挟持部72aの全部及び反転挟持部72cの全部とオーバーラップする領域に設けられていてもよい。
【0126】
図28、
図29に示すように、支持板89は、第2挟持ベルト72の移動に伴って反転する結球野菜VGの結球部VG1を下方から支持する。結球野菜VGは、反転挟持部72cにおいて外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転される過程で、結球部VG1が第2挟持ベルト72の後方に突出する横向き又は斜め向き姿勢となる。支持板89は、横向き又は斜め向き姿勢となった結球野菜VGの結球部VG1に対して下方から当接し、結球部VG1の重量を受けることができる。そのため、結球野菜VGが横向き又は斜め向き姿勢となったときに、結球部VG1の重量によって外葉VG2が折れ曲がったり破断したりすることが防がれる。
【0127】
図19、
図28、
図29に示すように、第3搬送部3Cは、揺れ防止部材130を備えている。揺れ防止部材130は、結球野菜VGの反転に伴って生じる結球部VG1の揺れを防止する。揺れ防止部材130は、第2挟持ベルト72の下方に配置されている。
図19に示すように、揺れ防止部材130は、平面視において、第2挟持ベルト72と重なる位置に配置されている。詳しくは、揺れ防止部材130は、平面視において、第2挟持ベルト72の外葉VG2を挟持する部分と重なる位置に配置されている。また、揺れ防止部材130は、支持板89よりも搬送方向A3の下流側に配置されている。本実施形態の場合、揺れ防止部材130と支持板89とは、前後方向の位置がずれているが、前後方向の位置が一部重なっていてもよい。
【0128】
図19に示すように、揺れ防止部材130は、支持板89に対して装置幅方向にずれて配置されている。ズレの方向は、反転挟持部72cにおいて結球野菜VGがねじられる方向と逆方向に設定される。本実施形態の場合、反転挟持部72cにおいて結球野菜VGは右方にねじられるため、揺れ防止部材130は支持板89に対して左方にずれた位置に配置されている。反転挟持部72cにおいて結球野菜VGが左方にねじられる場合、揺れ防止部材130は支持板89に対して右方にずれた位置に配置される。
【0129】
揺れ防止部材130は、弾性体シートから構成されている。弾性体は、例えばゴムや軟質樹脂等である。但し、揺れ防止部材130は、スポンジ等から構成してもよい。本実施形態の場合、
図28等に示すように、揺れ防止部材130は、弾性体シートを湾曲させて構成されている。具体的には、揺れ防止部材130は、四角形の弾性体シートを対向する二辺を合わせるように湾曲させることにより構成されている。揺れ防止部材130は、固定部130aと湾曲部130bとを有している。固定部130aは、ボルト等の固定具によって基板90の上面に固定されている。固定部130aは、弾性体シートの合わされた対向する二辺側の部分であって、基板90の上面に沿って、搬送方向A3に延びるように配置されている。湾曲部130bは、固定部130aから右方(支持板89側)に延びている。湾曲部130bは、略円弧状(略C字状)に湾曲している。
【0130】
図28、
図29に示すように、揺れ防止部材130は、前方から後方に向かう(搬送方向A3の下流側に向かう)につれて下方に移行するように傾斜している。従って、固定部130a及び湾曲部130bも前方から後方に向かう(搬送方向A3の下流側に向かう)につれて下方に移行するように傾斜している。
図28、
図29に示すように、揺れ防止部材130の湾曲部130bは、反転している途中の結球野菜VGの結球部VG1に当たる。湾曲部130bは、結球部VG1が当たると変形することによって、結球部VG1の動き(揺れ)を抑制することができる。結球野菜VGは、反転するときに結球部VG1がねじり方向及びその反対方向に揺れる。そのため、揺れ防止部材130が無い場合は、結球部VG1が左右に大きく揺れて外葉VG2が破断する等の不具合が生じるおそれがある。揺れ防止部材130を設けることによって、反転するときに揺れる結球部VG1を湾曲部130bで受けることができるため、結球部VG1が左右に大きく揺れることがなく、外葉VG2が破断する等の不具合の発生を防止できる。
【0131】
上述したように、結球野菜VGは、第3搬送部3Cにより搬送される過程で、外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転される。そして、外葉VG2が上向きの姿勢となった結球野菜VGは、搬送方向A3の下流端(上向き挟持部72bの下流端)において外葉VG2の挟持が解除されて第4搬送装置2Dの第4搬送部3Dに移行する。
図29、
図31等に示すように、第4搬送部3Dは、第3搬送部3Cよりも下方に配置されている。以下、第3搬送部3Cを「上段搬送部3C」、第4搬送部3Dを「下段搬送部3D」ということがある。
【0132】
第4搬送部(下段搬送部)3Dは、結球野菜VGの外葉VG2を挟持して搬送する。より詳しくは、第4搬送部(下段搬送部)3Dは、第3搬送部(上段搬送部)3Cによる挟持が解除された結球野菜VGの外葉VG2を挟持して、更に下流側(前方)へと搬送する。
図29、
図30に示すように、第4搬送部3Dは、当該第4搬送部3Dの搬送方向A4において、第3搬送部3Cとオーバーラップする重複部91と、第3搬送部3Cとオーバーラップしない非重複部92と、を有している。非重複部92は、重複部91よりも搬送方向A4の下流側(前方)に配置されている。第4搬送部3Dの搬送方向A4は、第3搬送部3Cの搬送方向A3と同じく後方から前方へと向かう方向である。
【0133】
図30に示すように、第4搬送部3Dは、無端状のベルト93(以下、「下段ベルト93」という)と、下段ベルト93が掛け渡された複数のプーリ100(以下、「下段プーリ100」という)と、を有している。
図30、
図31に示すように、下段ベルト93は、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとを含む。下段ベルト93Lと下段ベルト93Rは、いずれもゴムベルト等の弾性ベルトである。下段ベルト93Lは、第4搬送部3Dの搬送方向A4に直交する方向(以下、「第4直交方向」という)の一方側(左側)に配置されている。下段ベルト93Rは、第4直交方向の他方側(右側)に配置されている。
【0134】
下段ベルト93は、下段プーリ100の回転により水平面内において回転する。下段ベルト93Lの他方側(右側)と下段ベルト93Rの一方側(左側)とは、互いに当接している。言い換えれば、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rは、装置内方側において互いに当接している。下段ベルト93L及び下段ベルト93Rは、互いに当接する側(内側)において後方から前方に向けて移動する。
【0135】
複数の下段プーリ100は、第1下段プーリ101、第2下段プーリ102、第3下段プーリ103、第4下段プーリ104、第5下段プーリ105、第6下段プーリ106、第7下段プーリ107、第8下段プーリ108、第9下段プーリ109を含む。
第1下段プーリ101~第9下段プーリ109は、第4直交方向の一方側(左側)と他方側(右側)にそれぞれ配置されている。図面及び以下の説明において、第4直交方向の一方側(左側)に配置された下段プーリを「第1下段プーリ101L」等と記し、第4直交方向の他方側(右側)に配置された下段プーリを「第1下段プーリ101R」等と記す。
【0136】
図1に示すように、第4搬送装置2Dの左上部には第1板94Lが取り付けられており、第4搬送装置2Dの右上部には第2板94Rが取り付けられている。第1下段プーリ101L~第9下段プーリ109Lの中心軸は、第1板94Lに回転可能に支持されている。第1下段プーリ101R~第9下段プーリ109Rの中心軸は、第2板94Rに回転可能に支持されている。第1板94Lと第2板94Rとの間には、隙間G2が形成されている。隙間G2は、第4搬送装置2Dの搬送方向A4に延びている。隙間G2は、結球野菜VGの外葉VG2が通ることができる幅に形成されている。
【0137】
下段ベルト93Lは、第1下段プーリ101L~第9下段プーリ109Lに巻き掛けられている。第8下段プーリ108L及び第9下段プーリ109Lは、下段ベルト93Lのテンション調整用であって、第4直交方向に移動可能である。下段ベルト93Rは、第1下段プーリ101R~第9下段プーリ109Rに巻き掛けられている。第7下段プーリ107R~第9下段プーリ109Rは、下段ベルト93Rのテンション調整用であって、第4直交方向に移動可能である。
【0138】
搬送方向A4の最も下流側に位置する下段プーリ(第6下段プーリ106R、第7下段プーリ107L)は、
図38、
図39に示す第1モータ95から動力伝達機構96を介して伝達される回転駆動力により回転する。第6下段プーリ106Rの回転に伴って、第1下段プーリ101R~第5下段プーリ105R、第7下段プーリ107R、第8下段プーリ108R、下段ベルト93Rが回転する。第7下段プーリ107Lの回転に伴って、第1下段プーリ101L~第6下段プーリ106L、第8下段プーリ108L、第9下段プーリ109L、下段ベルト93Lが回転する。
【0139】
図30に示すように、下段ベルト93Lは、第4直交方向の一方側(左側)から外葉VG2に当接する。下段ベルト93Rは、第4直交方向の他方側(右側)から外葉VG2に当接する。これにより、結球野菜VGの外葉VG2が、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間に挟持される。以下、下段ベルト93Lを「第1挟持体93L」、下段ベルト93Rを「第2挟持体93R」ということがある。
【0140】
下段ベルト93Lが巻き掛けられた複数のプーリのうち、第2下段プーリ102L~第7下段プーリ107Lは、下段ベルト(第1挟持体)93Lを、外葉VG2側(下段ベルト93R側)に向けて押圧する押圧部材(以下、「第1押圧部材116L」という)である。第1押圧部材116Lは、下段ベルト93Lと共に回転(自転)する。
下段ベルト93Rが巻き掛けられた複数のプーリのうち、第2下段プーリ102R~第7下段プーリ107Rは、下段ベルト(第2挟持体)93Rを、外葉VG2側(下段ベルト93L側)に向けて押圧する押圧部材(以下、「第2押圧部材116R」という)である。第2押圧部材116Rは、下段ベルト93Rと共に回転(自転)する。
【0141】
図30に示すように、第1押圧部材116Lと第2押圧部材116Rとは、第4搬送装置2Dの搬送方向A4に沿って交互に配置されている。具体的には、第4搬送装置2Dの搬送方向A4に沿って、第7下段プーリ107R、第2下段プーリ102L、第2下段プーリ102R、第3下段プーリ103L、第3下段プーリ103R、第4下段プーリ104L、第4下段プーリ104R、第5下段プーリ105L、第5下段プーリ105R、第6下段プーリ106L、第6下段プーリ106R、第7下段プーリ107Lの順に配置されている。
【0142】
第1押圧部材116Lと第2押圧部材116Rとを第4搬送装置2Dの搬送方向A4に沿って交互に配置することにより、下段ベルト(第1挟持体)93Lと下段ベルト(第2挟持体)93Rとが波状に湾曲して弾性変形する。そのため、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間に外葉VG2を確実に挟持することができる。
図29、
図30に示すように、複数の下段プーリ100のうち、搬送方向A4の最も上流側にある第1下段プーリ101L,101Rは、重複部91に配置されている。言い換えれば、複数の下段プーリ100は、重複部91に配置された第1下段プーリ101L,101Rを含む。
【0143】
上述したように、第3搬送部3Cに設けられた第2挟持ベルト72は、複数のプーリ(第7プーリ79、第8プーリ80、第9プーリ81、第10プーリ82)に掛け渡されている。以下、第2挟持ベルト72を「上段ベルト72」、第2挟持ベルト(上段ベルト)72が掛け渡された複数のプーリを「上段プーリ」という場合がある。また、複数の上段プーリのうち、最も下流側に配置された上段プーリ(第8プーリ80、第10プーリ82)を「第1上段プーリ80,82」という。
【0144】
図29、
図31に示すように、第1上段プーリ82は、第1下段プーリ101Lの上方に配置されている。第1上段プーリ80は、第1下段プーリ101Rの上方に配置されている。第1上段プーリ82は、第1下段プーリ101Lと同一の回転軸82aに支持されている。第1上段プーリ80は、第1下段プーリ101Rと同一の回転軸80aに支持されている。回転軸80aと回転軸82aとは、互いに平行に配置されており、それぞれ上下方向に延びている。
【0145】
回転軸80aの上部に第1上段プーリ80が取り付けられ、回転軸80aの下部に第1下段プーリ101Rが取り付けられている。また、回転軸82aの上部に第1上段プーリ82が取り付けられ、回転軸82aの下部に第1下段プーリ101Lが取り付けられている。これにより、第1上段プーリ(第8プーリ)80と第1下段プーリ101Rとは、回転軸80aの回転に伴って一体的に同じ角速度で回転する。また、第1上段プーリ(第10プーリ)82と第1下段プーリ101Lとは、回転軸82aの回転に伴って一体的に同じ速度(角速度)で回転する。
【0146】
図31~
図34に示すように、搬送装置2は、第4搬送部(下段搬送部)3Dにて搬送される結球野菜VGの結球部VG1の底部を支持する支持装置117を備えている。支持装置117は、第4搬送部3Dの下方に配置されている。
図29に示すように、支持装置117は、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、重複部91の下方に配置されている。より詳しくは、支持装置117は、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、重複部91の下方から非重複部92の下方にわたって設けられている。
【0147】
図32、
図34に示すように、支持装置117は、第1支持ベルト119Lと第2支持ベルト119Rを有している。第1支持ベルト119Lは、無端状であって、第4搬送部3Dの搬送方向A4に移動可能な第1支持面120Lを有している。第2支持ベルト119Rは、無端状であって、第4搬送部3Dの搬送方向A4に移動可能な第2支持面120Rを有している。第1支持ベルト119Lと第2支持ベルト119Rとは、互いに平行に間隔をあけて配置されている。第1支持ベルト119Lと第2支持ベルト119Rとの間には、結球野菜VGの根VG3が挿入可能な挿入部118が形成されている。
【0148】
図29、
図33、
図35に示すように、第3搬送部(上段搬送部)3Cにより搬送されてきた結球野菜VGは、第3搬送部3Cの搬送方向A3の下流端(第1上段プーリ80,82の位置)に達すると、第2挟持ベルト72による外葉VG2の挟持が解除される。そのため、結球野菜VGは自重により下降するが、第3搬送部3Cとオーバーラップする第4搬送部3Dの重複部91(
図29、
図30、
図33参照)により支持される。具体的には、
図33、
図34に示すように、結球野菜VGは、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間に外葉VG2が挟持されると共に、結球部VG1が第4搬送部3Dの下方に配置された支持装置117により支持される。
【0149】
支持装置117により支持された結球部VG1は、第1支持面120Lと第2支持面120Rにより下方から支持されると共に、第1支持ベルト119Lと第2支持ベルト119Rとの間に形成された挿入部118に根VG3が挿入される。そのため、結球野菜VGの姿勢(上向き姿勢)が安定する。
支持装置117により支持された結球部VG1は、姿勢(上向き姿勢)が安定することにより、結球部VG1の大きさに関わらず、結球部VG1の根VG3の基端部(根元)の高さが略一定となる。結球野菜VGは、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間に外葉VG2が挟持され、第1支持面120Lと第2支持面120Rに結球部VG1が支持された状態で、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rの移動(回転)に伴って搬送方向A4の下流側(前方)に搬送される。
【0150】
図31、
図33に示すように、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、支持装置117の下流側(前方)には、第1切断装置4が配置されている。
図2、
図3、
図38等に示すように、第1切断装置4の下流側(前方)には、第2切断装置5が配置されている。第1切断装置4と第2切断装置5は、搬送方向A4に並んで配置されている。第1切断装置4及び第2切断装置5は、第4搬送部3Dの下方に配置されている。
【0151】
図31、
図38~
図41に示すように、第1切断装置(根切断装置)4は、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rの下方に配置されている。第1切断装置4は、下段ベルト93L,93Rにより外葉VG2を挟持されて吊り下げられた結球野菜VGの根VG3を切断する。
図1、
図3に示すように、調製装置1は、結球野菜VGの外葉VG2を保持して第1切断装置(根切断装置)4に向けて移送する第1移送部2C,2Dと、第1切断装置4に到達する前に第1移送部2C,2Dから落下した結球野菜を、第1切断装置4に向かう方向とは異なる方向に移送する第2移送部300と、を備えている。
【0152】
第1移送部は第4搬送装置2Dと第3搬送装置2Cの少なくともいずれか一方の搬送装置を含む。つまり、第1移送部は、第4搬送装置2Dと第3搬送装置2Cの両方であってもよいし、いずれか一方であってもよい。
上述したように、第1移送部(第4搬送装置)2Dは、外葉VG2を挟持して移動する挟持ベルトである下段ベルト93を有している。また、第1移送部(第3搬送装置)2Cは、第1移送部(第3搬送装置)2Cは外葉VG2を挟持して移動する挟持ベルト70を有している。第1移送部2C,2Dにおいて移送される結球野菜VGは、外葉VG2が移送の途中で千切れることによって落下したり、下段ベルト(挟持ベルト)93又は挟持ベルト70の挟持から抜けて落下したりする場合がある。第2移送部300は、このような場合に落下した結球野菜を第1切断装置4に向かう方向とは異なる方向に移送する。
【0153】
図31、
図37等に示すように、第2移送部300は、第1移送コンベア301と第2移送コンベア302とを有している。本実施形態の場合、第1移送コンベア301及び第2移送コンベア302は、ベルトコンベアである。但し、第1移送コンベア301及び第2移送コンベア302は、ローラコンベア等であってもよい、
図31~
図34に示すように、第1移送コンベア301は、下段ベルト93及び挟持ベルト70の下方に配置されている。第1移送コンベア301は、下段ベルト93及び/又は挟持ベルト70から落下した結球野菜を載せて第1切断装置4に向かう方向(搬送方向A4)とは異なる方向に移送する。「第1切断装置4に向かう方向とは異なる方向」は、平面視において異なる方向である。本実施形態の場合、「第1切断装置4に向かう方向とは異なる方向」は、「第1切断装置4に向かう方向と直角方向」であるが、「第1切断装置4に向かう方向と鋭角をなす方向」や「第1切断装置4に向かう方向と鈍角をなす方向」であってもよい。
【0154】
図34、
図36に示すように、第1移送コンベア301は、始端側プーリ301aと、終端側プーリ301bと、始端側プーリ301aと終端側プーリ301bとに掛け渡された無端状のベルト301cと、を有している。第1移送コンベア301は、始端側プーリ301aを回転させるモータ301dを有している。ベルト301cの表面は、結球野菜を載せて第1切断装置4に向かう方向とは異なる方向に移送する第1移送コンベア301の移送面を構成している。
【0155】
図29、
図31等に示すように、第1移送コンベア301の移送面は、仕切り壁303により第1移送面301Fと第2移送面301Sとに仕切られている。第1移送面301Fと第2移送面301Sは、仕切り壁303を挟んでベルト301cの幅方向に並んで配置されている。仕切り壁303の前方に第1移送面301Fが位置し、仕切り壁303の後方に第2移送面301Sが位置している。言い換えれば、第1移送面301Fは第1移送部(第4搬送装置)2Dの移送方向における下流側に配置され、第2移送面301Sは第1移送部の移送方向における上流側に配置されている。
【0156】
仕切り壁303は、支持装置117を下方から支持する支持体から構成されている。
図31、
図32に示すように、仕切り壁303を構成する支持体は、左支柱303L、右支柱303R、中央部材303Mを有している。左支柱303Lと右支柱303Rとは、下端部が第2フレーム6Bに固定されている。左支柱303Lは、第1移送コンベア301の左方(終端側)に配置されている。右支柱303Rは、第1移送コンベア301の右方(始端側)に配置されている。中央部材303Mは、装置幅方向に延びており、左支柱303Lと右支柱303Rとを接続している。中央部材303Mの下端と第1移送コンベア301の移送面(上面)との間には隙間GP4が形成されている。中央部材303Mの上部には、支持装置117が固定されている。
【0157】
図29、
図31、
図33に示すように、第1移送コンベア301の後方(第1移送部2Dの移送方向A4における上流側)には、上流側スロープ304が設けられている。第1移送コンベア301の前方(第1移送部2Dの移送方向における下流側)には、下流側スロープ305が設けられている。上流側スロープ304は、前方(第1移送コンベア301側)に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。下流側スロープ305は、後方(第1移送コンベア301側)に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。
【0158】
上流側スロープ304は、仕切り壁303よりも上流側(第1移送部2Dの移送方向における上流側)において落下した結球野菜VGを第1移送面301Fに向けて移動(転動又は滑り移動)させる(
図29、
図33の矢印M1参照)。下流側スロープ305は、仕切り壁303よりも下流側(第1移送部2Dの移送方向における下流側)において落下した結球野菜VGを第2移送面301Sに向けて移動(転動又は滑り移動)させる(
図29、
図33の矢印M2参照)。
【0159】
これにより、第1移送コンベア301上に落下した結球野菜だけでなく、仕切り壁303よりも上流側や下流側において落下した結球野菜も第1移送コンベア301上に導いて、第1移送コンベア301により移送することができる。
第2移送コンベア302は、第1移送コンベア301により移送されてきた結球野菜を第1切断装置4に向かう方向と平行な方向に移送する。本実施形態の場合、第2移送コンベア302の移送方向は、第1移送コンベア301の移送方向に対して直角方向である。
図36に示すように、第2移送コンベア302は、第1移送コンベア301よりも低い位置に配置されている。
【0160】
図31~
図34、
図36、
図37に示すように、第2移送部300は、第1移送コンベア301の終端部と第2移送コンベア302の始端部とを連絡する連絡部材306を有している。連絡部材306は、第1移送コンベア301の終端部から第2移送コンベア302の始端部に向けて下り勾配を有する傾斜面306aを有している。
図36に示すように、傾斜面306aの上端部は、終端側プーリ301bの中心よりも下方に配置されている。これにより、傾斜面306aを水平方向において第1移送コンベア301に近づけて配置することができる。これによって、第1移送コンベア301の終端部と傾斜面306aとの隙間GP5を小さくすることができ、第1移送コンベア301の終端部から傾斜面306aに移動する結球野菜の根等が隙間GP5に引き込まれることを防止できる。
【0161】
図1、
図3、
図37等に示すように、調製装置1は、第1切断装置4により根が切断された結球野菜が排出される排出通路310を備えている。第2移送コンベア302の終端位置は、排出通路310の終端位置の近傍に配置されている。言い換えれば、第2移送コンベア302の終端位置と排出通路310の終端位置とは、装置幅方向において接近して配置されている。第2移送コンベア302と排出通路310との間の装置幅方向の距離は、排出通路310の幅よりも小さく、第2移送コンベア302の幅よりも小さい。第2移送コンベア302の終端位置の高さは、排出通路310の終端位置の高さと略同じ高さに設定されている。
【0162】
第2移送コンベア302により移送されてきた結球野菜は、第1切断装置4に到達する前に第1移送部2Dから落下した結球野菜であって、外葉が途中で千切れる等して短くなっているものが多い。このような結球野菜は、結球部に問題が無ければ、商品として販売することができる。そのため、このような結球野菜を第2移送コンベア302により移送することで、第2移送コンベア302の終端にて回収することができる。回収された結球野菜は、根や残った外葉を人手(はさみ等)で切断する等の処理(再調製)を施してもよいし、再び第1搬送装置2Aに供給して搬送してもよい。
【0163】
尚、第1移送面301F上に落下して移送されてきた結球野菜と、第2移送面301S上に落下して移送されてきた結球野菜とは、別の方向に移送するように構成してもよい。この場合、第2移送コンベア302を、第1移送面301Fから結球野菜を受け取って移送する一のコンベアと、第2移送面301Sから結球野菜を受け取って移送する他のコンベアと、から構成することができる。第1移送面301F上に落下した結球野菜は外葉が短くて状態が良くないものが多いのに対し、第2移送面301S上に落下した結球野菜は外葉が長くて状態が良いものが多い。つまり、第1移送面301F上に落下した結球野菜は外葉が千切れて落下したものが多いのに対し、第2移送面301S上に落下した結球野菜は外葉が千切れずに滑って落下したものが多い。そのため、第2移送面301S上に落下した結球野菜は、外葉を挟持して搬送することが可能な状態にあるものが多い。従って、第2移送面301S上に落下した結球野菜は、上述した他のコンベアにより第1搬送装置2Aまで移送し、再度、第1搬送装置2Aから第2搬送装置2B、第3搬送装置2C、第4搬送装置2Dへと順次搬送するように構成することができる。
【0164】
図42~
図44に示すように、第1切断装置4は、根揃え部140、根引き込み部170、根切断部180を有している。根揃え部140、根引き込み部170、根切断部180は、第4搬送部3Dの下方に配置されている。
先ず、根揃え部140について説明する。
根揃え部140は、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、支持装置117の下流側であって且つ根引き込み部170の上流側に配置されている。根揃え部140は、第4搬送部3Dにより搬送されている結球野菜VGの根VG3を揃える。
【0165】
図42~
図45に示すように、根揃え部140は、第1回転体141Rと、第2回転体141Lと、第1弾性板142Rと、第2弾性板142Lと、回転駆動機構143(以下、「第1回転駆動機構143」という)と、を備えている。
第1回転体141Rは、第4直交方向の一方側(右側)に配置されている。第2回転体141Lは、第4直交方向の他方側(左側)に配置されている。第1回転体141Rと第2回転体141Lは、同径且つ同長さの円筒状である。第1回転体141Rと第2回転体141Lとは、互いに平行に間隔をあけて配置されており、第4搬送部3Dの搬送方向A4に延びている。
【0166】
第1弾性板142R及び第2弾性板142Lは、ゴムやスポンジ等の弾性体から構成されており、撓み変形が可能な板(弾性板)から構成されている。本実施形態の場合、第1弾性板142R及び第2弾性板142Lの数は、それぞれ2つであるが、それぞれ1つ又は3つ以上であってもよい。
図45等に示すように、第1弾性板142Rは、第1弾性板142R1と第1弾性板142R2とを含む。第1弾性板142R1と第1弾性板142R2とは、同じ大きさで同じ形状である。第1弾性板142R1と第1弾性板142R2とは、第1回転体141Rの軸心に対して点対称となるように配置されている。第1弾性板142R1は、第1回転体141Rの外周面から離れる一方向(
図45では上方向)に延びている。第1弾性板142R2は、第1回転体141Rの外周面から離れる一方向と反対側の他方向(
図45では下方向)に延びている。つまり、第1弾性板142R1と第1弾性板142R2とは互いに反対方向に延びている。第1弾性板142R1と第1弾性板142R2とは、第4直交方向B4においてずれた位置に配置されている。
【0167】
第2弾性板142Lは、第2弾性板142L1と第2弾性板142L2とを含む。第2弾性板142L1と第2弾性板142L2とは、同じ大きさで同じ形状である。第2弾性板142L1と第2弾性板142L2とは、第2回転体141Lの軸心に対して点対称となるように配置されている。第2弾性板142L1は、第2回転体141Lの外周面から離れる一方向(
図45では上方向)に延びている。第2弾性板142L2は、第2回転体141Lの外周面から離れる一方向と反対側の他方向(
図45では下方向)に延びている。つまり、第2弾性板142L1と第2弾性板142L2とは互いに反対方向に延びている。第2弾性板142L1と第2弾性板142L2とは、第4直交方向B4においてずれた位置に配置されている。
【0168】
図45に示すように、第1弾性板142Rと第2弾性板142Lとは、第1回転体141Rと第2回転体141Lとの間の第4直交方向B4における中心線CL2を挟んで対称に配置されている。第1弾性板142Rと第2弾性板142Lとの間の距離(第4直交方向B4における距離)は、上方に延びている状態の距離D1が下方に延びている状態の距離D2よりも小さい。
【0169】
図45に示すように、第1弾性板142Rの第1回転体141Rの外周面からの突出量L5と、第2弾性板142Lの第2回転体141Lの外周面からの突出量L6とは等しい。突出量L5は、第1回転体141Rの外径よりも大きい。突出量L6は、第2回転体141Lの外径よりも大きい。
図42、
図43、
図45等に示すように、第1弾性板142Rは、矩形状であって、一辺側が第1回転体141Rの外周面に固定されている。第2弾性板142Lは、矩形状であって、一辺側が第2回転体141Lの外周面に固定されている。
【0170】
図42~
図44に示すように、第1弾性板142Rの一辺側と対向する他辺側には、一辺側に向けて切り込まれた複数のスリット142Laが設けられている。複数のスリット142Laは、互いに間隔をあけて第4搬送部3Dの搬送方向A4に並んで設けられている。第2弾性板142Lの一辺側と対向する他辺側には、一辺側に向けて切り込まれた複数のスリット142Raが設けられている。複数のスリット142Raは、互いに間隔をあけて第4搬送部3Dの搬送方向A4に並んで設けられている。
【0171】
スリット142Laは、第1弾性板142Rの一方の面から他方の面に向けて切り込まれているが、他方の面までは達していない。スリット142Raは、第2弾性板142Lの一方の面から他方の面に向けて切り込まれているが、他方の面までは達していない。スリット142Laとスリット142Raは、第1弾性板142R及び第2弾性板142Lが下方に延びている状態において対向し、第1弾性板142R及び第2弾性板142Lが上方に延びている状態においては互いに反対側を向く。
【0172】
スリット142La,142Raは、第1弾性板142R及び第2弾性板142Lが、結球部VG1の外面に沿って曲面状に変形することを可能とする。
図46に示すように、第1弾性板142Rは、第1回転体141Rの回転に伴って第1回転体141Rの軸心回りに回転する。第2弾性板142Lは、第2回転体141Lの回転に伴って第2回転体141Lの軸心回りに回転する。
【0173】
図46に示すように、第1回転体141Rと第2回転体141Lとが中心軸回りに互いに内向きに回転すると、第1弾性板142Rと第2弾性板142Lも中心軸回りに互いに内向きに回転する。第1弾性板142Rと第2弾性板142Lとは、互いに内向きに回転することにより、結球野菜VGの表面に対して湾曲しながら接触する。
詳しくは、第1弾性板142R及び第2弾性板142Lは、互いに内向きに回転することにより、結球野菜VGの結球部VG1に対して互いに反対側から接触する。続いて、第1弾性板142R及び第2弾性板142Lは、撓んで湾曲しながら結球部VG1の表面の曲面に沿って下方に移動し、根VG3を互いに反対側から押さえる。これにより、結球野菜VGの根VG3の拡がりを抑えて揃えることができる。このとき、結球野菜VGの外葉VG2は、波状に湾曲した下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間にしっかりと挟持されている。そのため、結球野菜VGの落下を防ぎながら、根VG3を揃えることができる。
【0174】
図42、
図47等に示すように、第1回転駆動機構143は、第2モータ(駆動源)145、第1伝動機構146を有している。
第2モータ145の回転駆動力は、第1伝動機構146を介して第1回転体141Rと第2回転体141Lに伝達される。これにより、第1回転体141Rと第2回転体141Lとは、中心軸回りに互いに内向きに回転する(
図46参照)。
【0175】
第1伝動機構146は、第1伝動部147と第2伝動部148とを有している。第1伝動部147は、第2モータ145の回転動力を第2伝動部148へと伝える。第2伝動部148は、第1伝動部147に伝えられた回転動力を第1回転体141R及び第2回転体141Lへと伝える。
図42、
図47に示すように、第1伝動部147は、駆動スプロケット149、第1従動スプロケット150、チェーン151を含む。
図42~
図44に示すように、第2伝動部148は、第1従動軸152、第5ベベルギア153、第6ベベルギア154、第7ベベルギア155、第8ベベルギア156を含む。
【0176】
駆動スプロケット149は、第2モータ145の出力軸に取り付けられている。第1従動スプロケット150、第5ベベルギア153、第6ベベルギア154は、第1従動軸152に取り付けられている。第7ベベルギア155は、第1回転体141Rの一端側(搬送方向A4の上流側)に取り付けられている。第8ベベルギア156は、第2回転体141Lの一端側(搬送方向A4の上流側)に取り付けられている。第5ベベルギア153は、第7ベベルギア155と噛み合っている。第6ベベルギア154は、第8ベベルギア156と噛み合っている。
【0177】
第2モータ145の出力軸が回転すると、その回転駆動力は駆動スプロケット149からチェーン151を介して第1従動スプロケット150に伝達され、第1従動軸152が軸回りに回転する。第1従動軸152が回転すると、第5ベベルギア153と第6ベベルギア154が回転する。第5ベベルギア153と第6ベベルギア154が回転すると、第7ベベルギア155と第8ベベルギア156が回転し、第1回転体141Rと第2回転体141Lが回転し、第1弾性板142Rと第2弾性板142Lが回転する。
【0178】
次に、根引き込み部170について説明する。
根引き込み部170は、第4搬送部3Dにより搬送されている結球野菜VGの根VG3を下方に向けて引き込む。
図41~
図44に示すように、根引き込み部170は、第1引き込みローラ171Rと、第2引き込みローラ171Lと、回転駆動機構172(以下、「第2回転駆動機構172」という)と、を有している。第1引き込みローラ171Rは、第4直交方向B4の一方側(右側)に配置されている。第2引き込みローラ171Lは、第4直交方向B4の他方側(左側)に配置されている。第1引き込みローラ171R及び第2引き込みローラ171Lは、同径且つ同長さの円筒状に形成されている。
【0179】
図44に示すように、第1引き込みローラ171Rは、第1回転体141Rの搬送方向A4の下流側に配置されており、第1回転体141Rと共に回転する。第2引き込みローラ171Lは、第2回転体141Lの搬送方向A4の下流側に配置されており、第2回転体141Lと共に回転する。第1引き込みローラ171Rは、第4搬送部3Dの搬送方向A4に延びる軸回りに回転する。第2引き込みローラ171Lは、第4搬送部3Dの搬送方向A4に延びる軸回りに回転する。第1引き込みローラ171Rの外周面と第2引き込みローラ171Lの外周面は、当接又は近接している。
【0180】
第2回転駆動機構172は、上述した第1回転駆動機構143と同じである。つまり、第1回転駆動機構143と第2回転駆動機構172とは、共通の機構により構成されている。
第2モータ145の回転駆動力は、第1伝動機構146を介して第1回転体141Rと第2回転体141Lに伝達される。これにより、第1回転体141Rと第2回転体141Lとは、中心軸回りに互いに内向き(対向する側が下向き)に回転する。これに伴って、第1引き込みローラ171Rと第2引き込みローラ171Lとは、中心軸回りに互いに内向き(対向する側が下向き)に回転する。
【0181】
図48に示すように、第1引き込みローラ171Rと第2引き込みローラ171Lとが中心軸回りに互いに内向きに回転することにより、結球野菜VGの根VG3が第1引き込みローラ171Rと第2引き込みローラ171Lとの間に引き込まれる。このとき、
図30に示すように、結球野菜VGの外葉VG2は、波状に湾曲した下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間にしっかりと挟持されているため、結球野菜VGの根VG3は下方に向けて直線状に延びた状態となる。これにより、結球野菜VGの根VG3が下方に向けて拡がっていた場合でも、根VG3を直線状に延ばすことができる。
【0182】
根引き込み部170により根VG3が延ばされた結球野菜VGは、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rによって外葉VG2を挟持されて吊り下げられた状態で、更に下流側(前方)へと搬送されて根切断部180へと送られる。
根切断部180は、第4搬送部3Dにより搬送されてきた結球野菜VGの根VG3を切断する。根切断部180は、第4搬送部3Dの下方において、第4搬送部3Dにて外葉VG2が挟持された結球野菜VGの根VG3を切断する。
【0183】
図41~
図44等に示すように、根切断部180は、根切断刃181と、根切断刃181を回転させる回転駆動機構190(以下、「第4回転駆動機構190」という)を備えている。この第4回転駆動機構190の構成については後述する。
根切断刃181は、第4搬送部3Dにより搬送されてきた結球野菜VGの根VG3を切断する。根切断刃181は、外周に多数の切れ刃が形成された円盤状の切断刃であって、上下方向を向いた中心軸181a回りに回転する。根切断刃181の中心軸181aの方向と、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rの移動方向(搬送方向A4)とは直交している。言い換えれば、根切断刃181は、水平面内に配置されている。根切断刃181は、第4搬送部3Dの下方に配置されている。
【0184】
図44に示すように、根切断刃181の中心(回転中心)は、第4直交方向B4において、第1引き込みローラ171Rと第2引き込みローラ171Lとの中間位置よりも第1引き込みローラ171R側にずれた位置に配置されている。
図40~
図42、
図44に示すように、根切断刃181の下方には、根移送部230が配置されている。根移送部230は、第4搬送部3Dにより搬送されている結球野菜VGの根VG3を挟持して、根切断刃181側へと移動させる。これにより、結球野菜VGの根VG3が根切断刃181によって切断される。
【0185】
また、根移送部230は、根切断部180の下方において、根切断部180で切断された根VG3を挟持して移送する。根移送部230は、根切断部180により切断された根VG3を挟持して搬送部(第4搬送部3D)による搬送方向A4とは異なる方向に移送する。つまり、第4搬送部3Dによる結球野菜VGの搬送方向A4と根移送部230による根VG3の移送方向とは異なっている。
【0186】
第4搬送部3Dは、結球野菜VGを水平面内における第1方向(搬送方向A4)に搬送する。
図1、
図39、
図44に示すように、根移送部230は、根VG3を水平面内において第1方向(搬送方向A4)に対して傾斜する第2方向Bに移送する。第1方向(搬送方向A4)に対する第2方向Bの傾斜角度は、鋭角であることが好ましく、例えば20°~45°の範囲に設定される。
【0187】
図44、
図47、
図49、
図50等に示すように、根移送部230は、無端状の第1ベルト231と、第1ベルト231との間で根VG3を挟持する無端状の第2ベルト232とを有している。
第1ベルト231は、第1始端側プーリ233(
図44参照)と第1終端側プーリ234(
図49参照)に巻き掛けられている。第2ベルト232は、第2始端側プーリ235(
図44参照)と第2終端側プーリ236(
図49参照)に巻き掛けられている。第1始端側プーリ233と第2始端側プーリ235とは互いに反対方向(互いに内向き)に回転し、第1終端側プーリ234と第2終端側プーリ236とは互いに反対方向(互いに内向き)に回転する。
【0188】
図44に示すように、第1始端側プーリ233は、搬送方向A4において、第1引き込みローラ171Rの下流側に配置されている。第2始端側プーリ235は、搬送方向A4において、第2引き込みローラ171Lの下流側に配置されている。
図38、
図47に示すように、第1ベルト231の上側には上板238Aが配置され、第1ベルト231の下側には下板238Bが配置されている。第2ベルト232の上側には上板239Aが配置され、第2ベルト232の下側には下板239Bが配置されている。上板238Aには、テンション調整部238Cが設けられている。上板239Aには、テンション調整部239Cが設けられている。テンション調整部238Cは、第1始端側プーリ233と第1終端側プーリ234との間の距離を変化させることにより、第1ベルト231のテンションを調整することができる。テンション調整部239Cは、第2始端側プーリ235と第2終端側プーリ236との間の距離を変化させることにより、第2ベルト232のテンションを調整することができる。
【0189】
第1ベルト231及び第2ベルト232は、ベルトの幅方向が上下方向を向いて配置されている。
図44、
図49に示すように、第1ベルト231の内面(第2ベルト232側の面)と、第2ベルト232の内面(第1ベルト231側の面)とは、当接又は近接して互いに平行に配置されており、根VG3を挟持する挟持面237を構成している。
根VG3は、根引き込み部170を通過した後、根移送部230へと移行して挟持面237に挟持される。そのため、根VG3は、根引き込み部170により延ばされた状態で、根移送部230の挟持面237によって確実に挟持される。
【0190】
第1ベルト231は、第1始端側プーリ233と第1終端側プーリ234の回転に伴って回転する。第2ベルト232は、第2始端側プーリ235と第2終端側プーリ236の回転に伴って回転する。第1ベルト231及び第2ベルト232の回転により、挟持面237は根切断部180から離れる方向に移動する。これにより、根切断部180により切断された根VG3を、第1ベルト231と第2ベルト232との間に構成される挟持面237に挟持して根切断部180から離れる方向に移送することができる。
【0191】
図40、
図44に示すように、根移送部230の移送方向(第2方向B)の上流側の部位は、根切断刃181の下方において根VG3を挟持する。
図49に示すように、根移送部230の移送方向(第2方向B)の下流側端部230bは、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、上流側端部230aよりも第2切断装置(外葉切断装置)5側(搬送方向A4の下流側)に配置されている。
【0192】
図44に示すように、挟持面237の移送方向(第2方向B)の上流側端部237aは、搬送方向A4において、根切断刃181の外周と重なる位置もしくは当該位置よりも搬送方向A4の上流側に位置している。これにより、根VG3は、第1ベルト231と第2ベルト232との間に構成される挟持面237に挟持された状態で根切断刃181に向けて移動するため、根切断刃181の回転により確実に切断することができる。
【0193】
ここで、根移送部230による根VG3の移送速度は、第4搬送部3Dの搬送速度よりも速い。これにより、結球野菜VGは、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rにより挟持されて移動する外葉VG2の移動速度に比べて、根移送部230による根VG3の移動速度が速くなる。
これによって、
図41に示すように、結球野菜VGは、外葉VG2の挟持された部分を支点として振り子のように左方に揺動する。この揺動によって、結球野菜VGの根VG3は下向きに凸の円弧状の軌跡C1を描いて左方に移動する。そのため、根VG3は、円弧状の軌跡C1を描いて根切断刃181に向けて移動して切断される。結球野菜VGは根元部分が曲面状であるため、根VG3が円弧状の軌跡を描いて根切断刃181に向けて移動することにより、切り残しの発生量を極力少なくして根VG3を切断することができる。
【0194】
但し、根移送部230による根VG3の移送速度は、第4搬送部3Dの搬送速度と同じであってもよい。
根切断刃181により切断された根VG3は、そのまま挟持面237に挟持されて第2方向Bに移送され、根移送部230の下流側端部230bから排出される。
図42、
図47に示すように、根移送部230は、第1始端側プーリ233と第2始端側プーリ235を回転させる回転駆動機構184(以下、「第3回転駆動機構184」という)を備えている。第3回転駆動機構184は、第2モータ145と第2伝動機構220とから構成されている。第2伝動機構220は、第2モータ145の回転駆動力を、根移送部230(第1始端側プーリ233と第2始端側プーリ235)に伝達する。
【0195】
第2伝動機構220は、第3伝動部221と第4伝動部222とを有している。第3伝動部221は、第2モータ145の回転動力を第4伝動部222へと伝える。第4伝動部222は、第3伝動部221に伝えられた回転動力を第1始端側プーリ233及び第2始端側プーリ235へと伝える。
図47に示すように、第3伝動部221は、駆動スプロケット149、第2従動スプロケット157、チェーン151を含む。
図42、
図43に示すように、第4伝動部222は、第2従動軸223、第1プーリ軸224、第2プーリ軸225、第9ベベルギア226、第10ベベルギア227、第11ベベルギア228、第12ベベルギア229を含む。
【0196】
駆動スプロケット149は、第2モータ145の出力軸に取り付けられている。第2従動スプロケット157、第9ベベルギア226、第10ベベルギア227は、第2従動軸223に取り付けられている。第1プーリ軸224には、第1始端側プーリ233が取り付けられている。第2プーリ軸225には、第2始端側プーリ235が取り付けられている。
【0197】
第11ベベルギア228は、第1プーリ軸224に取り付けられている。第12ベベルギア229は、第2プーリ軸225に取り付けられている。第9ベベルギア226は、第12ベベルギア229と噛み合っている。第10ベベルギア227は、第11ベベルギア228と噛み合っている。
第2モータ145の出力軸が回転すると、その回転駆動力は駆動スプロケット149からチェーン151を介して第2従動スプロケット157に伝達され、第2従動軸223が軸回りに回転する。第2従動軸223が回転すると、第9ベベルギア226と第10ベベルギア227が回転する。第9ベベルギア226と第10ベベルギア227が回転すると、第11ベベルギア228と第12ベベルギア229が回転する。第11ベベルギア228と第12ベベルギア229が回転すると、第1プーリ軸224と第2プーリ軸225が回転し、第1始端側プーリ233と第2始端側プーリ235が回転する。これにより、第1終端側プーリ234と第2終端側プーリ236が回転し、第1ベルト231と第2ベルト232が回転する。
【0198】
次に、上述した根切断刃181を回転させる第4回転駆動機構190の構成について説明する。
図47に示すように、第4回転駆動機構190は、第2モータ145と第3伝動機構191とから構成されている。第3伝動機構191は、第2モータ145の回転駆動力を根切断部180(根切断刃181)に伝達する。
【0199】
図43、
図47に示すように、第3伝動機構191は、第2伝動機構220の一部(駆動スプロケット149、第2従動スプロケット157、チェーン151、第2従動軸223、第1プーリ軸224、第10ベベルギア227、第11ベベルギア228)と、一方スプロケット192、他方スプロケット193、第2チェーン194を含む。
図43に示すように、一方スプロケット192は、第1プーリ軸224に取り付けられている。他方スプロケット193は、根切断刃181の中心軸181aに取り付けられている。第2チェーン194は、一方スプロケット192と他方スプロケット193とに巻き掛けられている。
【0200】
第2モータ145の出力軸が回転すると、その回転駆動力は駆動スプロケット149からチェーン151を介して第2従動スプロケット157に伝達され、第2従動軸223が軸回りに回転する。第2従動軸223が回転すると、第10ベベルギア227が回転する。第10ベベルギア227が回転すると、第11ベベルギア228が回転し、第1プーリ軸224が回転する。第1プーリ軸224が回転すると、その回転駆動力は一方スプロケット192から第2チェーン194を介して他方スプロケット193に伝達され、中心軸181aが回転する。これにより、根切断刃181が中心軸181a回りに回転する。
【0201】
根切断刃181の回転により根VG3が切断された結球野菜VGは、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rにより外葉VG2が挟持されて吊り下げられた状態で更に前方(搬送方向A4の下流側)に搬送され、第2切断装置(外葉切断装置)5へと送られる。つまり、第4搬送部3Dは、結球野菜VGの外葉VG2を挟持して第2切断装置(外葉切断装置)5に向けて搬送する。
【0202】
図38~
図40に示すように、第2切断装置5は、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rの下方に配置されている。第2切断装置5は、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rにより吊り下げられて搬送されてきた結球野菜VGの外葉VG2を切断する。
図38、
図40、
図49、
図50に示すように、第2切断装置5は、外葉案内部200と外葉切断部210とを有している。
【0203】
図49、
図50等に示すように、外葉案内部200は、第1案内部材201及び第2案内部材202を有している。第1案内部材201は、ブラケット(図示略)を介して第2板94R(
図1参照)に取り付けられている。第2案内部材202は、ブラケット(図示略)を介して第1板94L(
図1参照)に取り付けられている。
第1案内部材201と第2案内部材202は、第4直交方向B4に並んで配置されている。具体的には、第1案内部材201は、第4直交方向の一方側(右側)に配置されている。第2案内部材202は、第4直交方向の他方側(左側)に配置されている。
【0204】
第1案内部材201は、第1案内部位201aと第1導入部位201bとを有している。第1案内部位201aは、前方(搬送方向A4の下流側)に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。第1導入部位201bは、第1案内部位201aの後端(搬送方向A4の上流側の端)から屈曲して右方に延びている。
第2案内部材202は、第2案内部位202aと第2導入部位202bとを有している。第2案内部位202aは、前方(搬送方向A4の下流側)に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。第2導入部位202bは、第2案内部位202aの後端から屈曲して左方に延びている。
【0205】
図47、
図49、
図50に示すように、外葉切断部210は、外葉切断刃211と、外葉切断刃211を回転させる回転駆動機構240(以下、「第5回転駆動機構240」という)を備えている。外葉切断刃211は、外周に沿って多数の切れ刃が形成された円盤状の切断刃であって、上下方向を向いた中心軸211a回りに回転する。
図47、
図49に示すように、第5回転駆動機構240は、第2モータ145と第4伝動機構241とから構成されている。第4伝動機構241は、第2モータ145の回転駆動力を外葉切断刃211に伝達する。
【0206】
図47に示すように、第4伝動機構241は、第5伝動部242と第6伝動部243とを有している。第5伝動部242は、第2モータ145の回転動力を第6伝動部243へと伝える。第6伝動部243は、第5伝動部242に伝えられた回転動力を外葉切断刃211の中心軸211aへと伝える。
図47等に示すように、第5伝動部242は、駆動スプロケット149、第3従動スプロケット244、チェーン151を含む。第6伝動部243は、第3従動軸245、第13ベベルギア246、第14ベベルギア247、起立軸248、第1上スプロケット249、第2上スプロケット250、第3チェーン251を含む。
【0207】
駆動スプロケット149は、第2モータ145の出力軸に取り付けられている。第3従動スプロケット244、第13ベベルギア246は、第3従動軸245に取り付けられている。第14ベベルギア247は、起立軸248の下部に取り付けられている。第13ベベルギア246と第14ベベルギア247とは噛み合っている。第1上スプロケット249は、起立軸248の上部に取り付けられている。第2上スプロケット250は、外葉切断刃211の中心軸211aに取り付けられている。第3チェーン251は、第1上スプロケット249と第2上スプロケット250とに掛け渡されている。
【0208】
第2モータ145の出力軸が回転すると、その回転駆動力は駆動スプロケット149からチェーン151を介して第3従動スプロケット244に伝達され、第3従動軸245が軸回りに回転する。第3従動軸245が回転すると、第13ベベルギア246が回転し、第14ベベルギア247が回転する。第14ベベルギア247が回転すると、起立軸248が回転し、第1上スプロケット249が回転する。第1上スプロケット249の回転動力は、第3チェーン251を介して第2上スプロケット250に伝達され、第2上スプロケット250が回転する。これにより、外葉切断刃211が中心軸211a回りに回転する。
【0209】
根切断部180と根移送部230と外葉切断部210と根揃え部140は、同一の駆動源(第2モータ145)により駆動される。従って、根切断部180、根移送部230、外葉切断部210、根揃え部140をそれぞれ駆動する駆動源を個別に設ける必要がない。そのため、調製装置1に用いられる駆動源(モータ等)の数を削減することができ、調製装置1を小型化・軽量化することが可能となる。
【0210】
外葉切断刃211は、第1案内部位201a及び第2案内部位202aの搬送方向A4の下流側の端部の上方に配置されている。
以下、第2切断装置5の作用(動作)について説明する。
下段ベルト93L,93Rにより外葉VG2を挟持されて搬送されてきた結球野菜VGは、外葉VG2が第1案内部位201aと第2案内部位202aとの間に後方(搬送方向A4の上流側)から導入された後、第1案内部位201aと第2案内部位202aとの間に挟まれながら前方(第4搬送方向A4)に移動する。ここで、第1案内部位201aと第2案内部位202aとは前方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。そのため、第1案内部位201aと第2案内部位202aが外葉VG2を挟む位置は、結球野菜VGの移動に伴って次第に下方へと移行する。
【0211】
第1案内部位201aと第2案内部位202aとの間に挟まれながら前方に移動した結球野菜VGの外葉VG2は、基端部付近(結球部VG1に近い部分)において外葉切断刃211により切断される。外葉VG2の基端部付近が切断された結球野菜VGは、第4搬送部3Dにより挟持されない状態となるため、落下する。一方、切断後の外葉VG2は、第4搬送部3Dにより挟持されて更に下流側へと搬送される。
【0212】
図37、
図39、
図40に示すように、第2切断装置5の下流側(搬送方向A4の下流側)には、排出シュート260が配置されている。排出シュート260は、第4搬送部3Dの下段ベルト93の下方に配置されている。より詳しくは、排出シュート260は、下段ベルト93の搬送方向A4の下流側の端部の下方に配置されている。排出シュート260は、搬送方向A4と直角方向に延びるように配置されており、右方(又は左方)に向かうにつれて下方に移行している。排出シュート260は、装置幅方向において、第2移送コンベア302が配置された側(左側)と反対側(右側)に向けて延びている。切断後の外葉VG2は、下段ベルト93の下流側の端部から落下し、排出シュート260を滑り落ちて回収される。
【0213】
図38、
図40、
図50に示すように、第1案内部材201、第2案内部材202、外葉切断刃211の下方には、傾斜面270が配置されている。傾斜面270は、搬送方向A4の下流側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。傾斜面270は、第1案内部材201及び第2案内部材202の下方に配置された第1傾斜面271と、外葉切断刃211の下方に配置された第2傾斜面272とを含む。第2傾斜面272の傾斜角度は、第1傾斜面271の傾斜角度よりも大きい。
【0214】
図40に示すように、外葉VG2の基端部付近が切断されて落下した結球野菜VGの結球部VG1は、傾斜面270に沿って搬送方向A4の下流側に移動し、第5搬送部3Eへと到達する。
図1~
図3に示すように、第5搬送装置2Eの第5搬送部3Eは、第4搬送部3Dの搬送方向A4の下流側に配置されている。第5搬送部3Eは、第2フレーム6Bに支持されている。第5搬送部3Eの搬送方向A5は、第4搬送部3Dの搬送方向A4と同じである。
【0215】
第5搬送部3Eは、スロープからなる排出通路310を有している。排出通路310は、搬送方向A5の上流側から下流側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。排出通路310は、第1切断装置4により根が切断された結球野菜が排出される通路であって、より詳しくは、第1切断装置4により根が切断され且つ第2切断装置5により外葉が切断された結球野菜の結球部VG1が排出される通路である。
【0216】
第5搬送部3Eは、搬送方向A5の上流側が傾斜面270の下流側に近接している。外葉切断刃211によって外葉VG2が切断されて落下した結球野菜VGは、傾斜面270に沿って移動して第5搬送部3Eの上流側に供給され、上流側から下流側に向けて排出通路310の上面を転がって又は滑って移動して回収される。回収された結球野菜VGは、外葉VG2及び根VG3が適当な位置で切断された結球野菜VGとなる。
<効果>
上記実施形態の結球野菜の搬送装置及び調製装置によれば、以下の効果を奏する。
【0217】
結球野菜の搬送装置2は、結球野菜VGを搬送する搬送部(第2搬送部)3Bと、搬送部3Bに対して結球野菜VGを供給する供給装置(第1搬送部)3Aと、を備え、供給装置3Aには、供給装置3Aにおける結球野菜VGの滞留を検出する検出装置45が設けられ、検出装置45は、結球野菜VGの滞留を検出したとき、供給装置3Aに対して供給装置3Aの駆動を停止する制御信号を送信する制御部を有している。
【0218】
この構成によれば、検出装置45が結球野菜VGの滞留を検出したとき、供給装置3Aの駆動を停止することができるため、搬送部3Bにおいて結球野菜VGのオーバーフローが生じることを防止できる。
また、検出装置45は、供給装置3Aから搬送部3Bに向かう結球野菜VGにより押される位置に配置された検出部材46を有し、検出部材46は、結球野菜VGにより押されたときに検出信号を発信し、制御部は、検出信号が発信される時間の長さが所定長さ以上になったとき制御信号を送信する。
【0219】
この構成によれば、滞留した結球野菜VGによって検出部材46が押され続けた場合に、制御信号が送信されることによって、供給装置3Aの駆動を停止することができる。
また、供給装置3Aは、制御部から制御信号を受信したとき、結球野菜VGの供給速度を減速し、所定時間をかけて停止する。
この構成によれば、供給装置3Aを緩やかに停止させることができるため、供給装置3Aが急停止することにより結球野菜VGに衝撃が加わって傷むことを防止できる。
【0220】
また、供給装置3Aは、搬送部3Bに向けて下り勾配を有する傾斜面29aを有し、検出部材46は、傾斜面29aを移動してきた結球野菜VGにより押される位置に配置されている。
この構成によれば、傾斜面29aを移動してきた結球野菜VGによって検出部材46を押すことができるため、検出部材46を確実に押して検出信号を発信させることができる。
【0221】
また、供給装置3Aは、傾斜面29aの下端から略水平に延設され、傾斜面29aを移動してきた結球野菜VGを受ける受け面43を有し、検出部材46は、受け面43に到達する前の結球野菜VGにより押される位置に配置されている。
この構成によれば、検出部材46を押した後の結球野菜VGを、搬送部3Bに供給される前に受け面43で一旦受け止めることができる。そのため、搬送部3Bにおいて結球野菜VGがオーバーフローすることをより確実に防ぐことができる。
【0222】
また、検出部材46は、結球野菜VGの移動方向と略直交する方向に延設され、結球野菜VGにより押されたときに揺動する検出バー46から構成されている。
この構成によれば、検出バー46が揺動することによって、結球野菜VGが検出バー46に当たったときの衝撃を緩和することができる。
また、検出バー46は、結球野菜VGの上部が当たる位置に高さに配置されている。
【0223】
この構成によれば、結球野菜VGが跳ねる等して検出バー46に当たらずに検出バー46の上方を通過することを防止できる。
供給装置3Aは、結球野菜VGが通過するトンネル状の覆い部40を有し、検出バー46は、覆い部40を通過した結球野菜VGにより押される位置に配置されている。
この構成によれば、結球野菜VGが覆い部40を通過するときに、結球野菜VGの姿勢や高さが略一定に揃えられることにより、結球野菜VGを検出バー46に確実に当てることが可能となる。
【0224】
結球野菜の調製装置1は、結球野菜VGの根VG3を切断する根切断装置(第1切断装置)4と、結球野菜VGの外葉VG2を保持して根切断装置4に向けて移送する第1移送部2D,3Dと、根切断装置4に到達する前に第1移送部2D,3Dから落下した結球野菜VGを根切断装置4に向かう方向とは異なる方向に移送する第2移送部300と、を備えている。
【0225】
この構成によれば、根切断装置4に到達する前に第1移送部2D,3Dから落下した結球野菜VGを、第2移送部300によって根切断装置4に向かう方向とは異なる方向に移送することができるため、根切断装置4へと向かう搬送経路から外れた結球野菜VGを第2移送部300により移送して効率良く回収することができる。
また、第1移送部2D,3Dは、外葉VG2を挟持して移動する挟持ベルト70,93を有し、第2移送部300は、挟持ベルト70,93の下方に配置された第1移送コンベア301を有し、第1移送コンベア301は、挟持ベルト70,93から落下した結球野菜VGを載せて前記異なる方向に移送する。
【0226】
この構成によれば、外葉VG2が千切れる等して挟持ベルト70,93から落下した結球野菜VGを第1移送コンベア301により移送して回収することができる。
また、第2移送部300は、第1移送コンベア301により移送されてきた結球野菜VGを根切断装置4に向かう方向と平行な方向に移送する第2移送コンベア302を有する。
【0227】
この構成によれば、根切断装置4に到達する前に第1移送部2Dから落下した結球野菜VGを、根切断装置4にて根VG3が切断される結球野菜VGと平行な方向に移送して、根切断装置4と近い位置で効率良く回収することができる。
また、根切断装置4により根VG3が切断された結球野菜VGが排出される排出通路310を備え、第2移送コンベア302の終端位置は、排出通路310の終端位置の近傍に配置されている。
【0228】
この構成によれば、根切断装置4に到達する前に第1移送部2Dから落下した結球野菜VGを、根VG3が切断された結球野菜VGと近い位置で回収することができる。
また、第2移送コンベア302は、第1移送コンベア301よりも低い位置に配置され、第2移送部300は、第1移送コンベア301の終端部と第2移送コンベア302の始端部とを連絡する連絡部材306を有し、連絡部材306は、終端部から始端部に向けて下り勾配を有する傾斜面306aを有している。
【0229】
この構成によれば、結球野菜VGを第1移送コンベア301の終端部から第2移送コンベア302の始端部に向けて傾斜面306a上を転がして又は滑らせて確実に移動させることができる。
また、第1移送コンベア301は、始端側プーリ301aと、終端側プーリ301bと、始端側プーリ301aと終端側プーリ301bとに掛け渡された無端状のベルト301cと、を有し、傾斜面306aの上端部は、終端側プーリ301bの中心よりも下方に配置されている。
【0230】
この構成によれば、第1移送コンベア301の終端部と傾斜面306aとの隙間GP5を小さくすることができ、第1移送コンベア301の終端部から傾斜面306aに移動する結球野菜の根等が隙間GP5に引き込まれることを防止できる。
また、第1移送コンベア301の移送面を第1移送面301Fと第2移送面301Sとに仕切る仕切り壁303を備え、第1移送面301Fは、第1移送部2D,3Dの移送方向における上流側に配置され、第2移送面301Sは、第1移送部2D,3Dの移送方向における下流側に配置されている。
【0231】
この構成によれば、上流側で落下した結球野菜VGと下流側で落下した結球野菜VGとを、第1移送面301Fと第2移送面301Sとに分けて移送することができる。これにより、例えば、外葉VG2が殆ど無い状態で落下した結球野菜VGを第1移送面301Fで移送し、外葉VG2がある程度残った状態で落下した結球野菜VGを第2移送面301Sで移送することができる。
【0232】
また、仕切り壁303よりも上流側において落下した結球野菜VGを第1移送面301Fに向けて移動させる上流側スロープ304と、仕切り壁303よりも下流側において落下した結球野菜VGを第2移送面301Sに向けて移動させる下流側スロープ305と、を備えている。
この構成によれば、仕切り壁303よりも上流側において落下した結球野菜VGを上流側スロープ304によって確実に第1移送面301Fへと移動させることができる。また、仕切り壁303よりも下流側において落下した結球野菜VGを下流側スロープ305によって確実に第2移送面301Sへと移動させることができる。
【0233】
結球野菜の調製装置1は、結球野菜VGを搬送する搬送部(第2搬送部)3Bと、搬送部3Bに対して結球野菜VGを落下して供給する供給部25と、搬送部3Bへの落下時に結球野菜VGが受ける衝撃を緩和する衝撃緩和機構50と、を備え、衝撃緩和機構50は、供給部25から搬送部3Bに向けて落下する途中の結球野菜VGが衝突する位置に配置された緩衝材51を有している。
【0234】
この構成によれば、結球野菜VGが供給部25から搬送部3Bに向けて落下するときの衝撃を、緩衝材51により緩和して結球野菜VGが落下によって傷付くことを防止できる。
また、供給部25は、搬送部3Bに向けて下り勾配を有する傾斜面29aを有し、緩衝材51は、傾斜面29aを移動して落下する結球野菜VGが衝突する位置に配置されている。
【0235】
この構成によれば、傾斜面29aによって結球野菜VGを供給部25から搬送部3Bへと確実に導くことができるとともに、傾斜面29aを移動して落下する結球野菜VGを確実に緩衝材51に当てることができる。
また、緩衝材51は、結球野菜VGが衝突する衝突面を構成する弾性体シート51から構成されている。
【0236】
この構成によれば、結球野菜VGが緩衝材51に衝突したときの衝撃を弾性体シート51の変形によって緩和することができる。
また、弾性体シート51は、平面視にて略U字状に湾曲されており、U字の開放側が供給部25側に配置されている。
この構成によれば、弾性体シート51のU字の開放側から取り入れた結球野菜VGを三方(左方、右方、前方)から包み込むようにして受けることができる。そのため、結球野菜VGが弾性体シート51を外れて飛び出すことを防止できる。
【0237】
また、調製装置1は、弾性体シート51の周囲の少なくとも一部に沿って配置され、結球野菜VGが衝突したときの弾性体シート51の変形を抑制する変形抑制部材53を有している。
この構成によれば、結球野菜VGが弾性体シート51に衝突したときに、弾性体シート51が過剰に変形することがなく、結球野菜VGが弾性体シート51を外れて(乗り越えて)飛び出すことを防止できる。
【0238】
また、搬送部3Bは、互いに平行に配置された回転軸を有し且つ互いに内向きに回転する2つのローラ30A,30Bを有し、2つのローラ30A,30Bの間に結球野菜VGの外葉VG2を挟持して回転軸の方向に結球野菜VGを搬送し、緩衝材51は、搬送部3Bの搬送方向の始端部付近におけるローラ30A,30Bの上方に配置されている。
この構成によれば、緩衝材51に当たった後の結球野菜VGを、搬送部3Bの搬送方向の始端部付近におけるローラ30A,30B上に落下させることができる。そのため、搬送部3Bによる搬送を円滑に行うことができる。
【0239】
また、供給部25は、傾斜面29aの下端から略水平に延設され、傾斜面29aを移動してきた結球野菜VGを受ける受け面43を有し、緩衝材51は、受け面43を通過してから落下する結球野菜VGが衝突する位置に配置されている。
この構成によれば、傾斜面29aを移動してきた結球野菜VGをそのまま落下させずに、受け面43を通過させて落下させることにより、結球野菜VGを真下に近い下方に落下させることができる。
【0240】
また、緩衝材51の上端部は、受け面43よりも上方に配置されている。
この構成によれば、受け面43を通過して落下した結球野菜VGが緩衝材51を飛び越えてしまうことを防止し、結球野菜VGを確実に緩衝材51に衝突させることができる。
また、緩衝材51は、受け面43の前方、左方、右方にわたって配置されている。
この構成によれば、受け面43を通過して落下した結球野菜VGを三方から包み込むように受けることができるため、結球野菜VGが緩衝材51から外れた位置に飛び出すことを防止できる。
【0241】
結球野菜の搬送装置2は、外葉VG2を有する結球野菜VGの搬送装置であって、結球野菜VGを外葉VG2が上下方向を向く立姿勢で搬送する上流側搬送部(第2搬送部)3Bと、上流側搬送部3Bにより搬送されてきた結球野菜VGを立姿勢で受け取って更に下流側に搬送する下流側搬送部(第3搬送部)3Cと、外葉VG2に側方から当接しながら上下方向に延びる中心軸回りに回転することによって上流側搬送部3Bから下流側搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しを補助する搬送補助部材60と、を備えている。
【0242】
この構成によれば、搬送補助部材60によって、上流側搬送部3Bから下流側搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しを補助し、受け渡しを確実に行わせることが可能となる。
また、搬送補助部材60は、中心軸から離れる方向に放射状に延びる複数の当接部60aを有しており、複数の当接部60aは、搬送補助部材60の回転に伴って外葉VG2に順次当接する。
【0243】
この構成によれば、複数の当接部60aが順次外葉VG2に当接することで外葉VG2を断続的に押すことができるため、結球野菜VGを上流側搬送部3Bから下流側搬送部3Cへと円滑に移動させることができる。
また、下流側搬送部3Cは、外葉VG2を挟持する一対の挟持ベルト70と、挟持ベルト70が掛け渡されて回転するプーリと、を有し、プーリは、上流側搬送部3Bの終端近傍に配置された始端プーリ73,76を含み、搬送補助部材60は、始端プーリ73,76と重ねて配置され且つ始端プーリ73,76と共に回転する。
【0244】
この構成によれば、始端プーリ73,76と共に搬送補助部材60が回転することによって、外葉VG2を一対の挟持ベルト70の始端部へと確実に導くことができる。
また、始端プーリ73,76は、左側プーリ76と右側プーリ73とを含み、搬送補助部材60は、外葉VG2に左方から当接しながら左側プーリ76と共に回転する左補助部材60Lと、外葉VG2に右方から当接しながら右側プーリ73と共に回転する右補助部材60Rと、を含む。
【0245】
この構成によれば、搬送補助部材60が外葉VG2の左側と右側から当接して搬送を補助することができるため、上流側搬送部3Bから下流側搬送部3Cへの結球野菜VGの受け渡しをより確実に行うことが可能となる。
また、左補助部材60Lと右補助部材60Rとは、回転に伴って交互に外葉VG2に当接する。
【0246】
この構成によれば、外葉VG2を下流側搬送部3Cへ向けて左右のバランス良く円滑に移動させることができる。
また、搬送補助部材60の直径は、プーリ73,76の直径以下に設定されている。
この構成によれば、搬送補助部材60がプーリ73,76から突出して外葉VG2に過大な圧力で当たることを防止できる。
【0247】
また、搬送補助部材60は、弾性素材から構成されている。
この構成によれば、搬送補助部材60が外葉VG2を傷付けることを防止できる。
また、搬送装置2は、結球野菜VGが前傾姿勢となったときに立姿勢に戻す姿勢矯正部材65を備え、姿勢矯正部材65は、搬送補助部材60の上方に配置されて前傾姿勢となった結球野菜VGの上部が当たる上方部材66を有している。
【0248】
この構成によれば、姿勢矯正部材65によって結球野菜VGを前傾姿勢から立姿勢に戻すことによって、搬送補助部材60を外葉VG2に確実に当接させることができる。
また、姿勢矯正部材65は、上方部材66を搬送補助部材60の上方に支持する支持部67を備え、支持部67は、上方部材66の左部を支持する左支持部67Lと、上方部材66の右部を支持する右支持部67Rと、を有し、上方部材66の下方であって且つ左支持部67Lと右支持部67Rとの間には、結球野菜VGが通過可能な空間SP1が形成されている。
【0249】
この構成によれば、結球野菜VGを上方部材66の下方であって且つ左支持部67Lと右支持部67Rとの間に形成された空間SP1を通過させることにより、結球野菜VGの向きや姿勢を整えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0250】
2 結球野菜の搬送装置
3A 供給装置
3B 搬送部(第2搬送部)
29a 傾斜面
40 覆い部
43 受け面
45 検出装置
46 検出部材
46 検出バー
VG 結球野菜