(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20240909BHJP
A63F 13/75 20140101ALI20240909BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240909BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20240909BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20240909BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
A63F13/75
A63F13/79
A63F13/85
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2021130772
(22)【出願日】2021-08-10
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】本庄 勝
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-045939(JP,A)
【文献】特開2021-033745(JP,A)
【文献】特開2013-186629(JP,A)
【文献】特開2020-103514(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112451973(CN,A)
【文献】梶並知記 ほか,文字入力や閲覧待機を強制することによるスマートフォンの使用意欲減少手法に関する基礎的検討,情報処理学会論文誌,Vol. 57 No. 12,2016年09月06日,2811-2818頁,URL: <https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_uri&item_id=176443&file_id=1&file_no=1>,[令和6年3月21日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 19/00
A63F 13/00-13/98、9/24
G06Q 50/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末においてユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報
と、前記端末の利用状態を示す利用状態情報と、前記ユーザのスケジュールを示すスケジュール情報とを取得する取得部と、
前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定する依存対象特定部と、
前記利用状態情報が示す前記端末の利用状態と、前記ユーザの前記スケジュール情報とに基づいて、前記ユーザの状態が前記依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出する検出部と、
前記ユーザが前記衝動状態であることを前記検出部が検出すると、前記依存対象特定部が特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記端末又は前記端末とは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付ける訓練実行部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
ユーザが使用する端末においてユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報
と、前記端末の利用状態を示す利用状態情報とを取得する取得部と、
前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定する依存対象特定部と、
前記利用状態情報が示す前記端末の利用状態に基づいて、前記ユーザの状態が前記依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出する検出部と、
前記ユーザが前記衝動状態であることを前記検出部が検出すると、前記依存対象特定部が特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記端末又は前記端末とは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付ける訓練実行部と、
を有し、
前記取得部は、前記依存対象が所定のアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツである場合、所定のアプリケーションプログラムの提供元から通知される前記アプリケーションプログラムに関するイベント情報を取得し、
前記検出部は、前記イベント情報に基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出する、
情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記ユーザとは異なる他のユーザが使用する他端末の利用状態を示す他ユーザ利用状態情報を取得し、
前記検出部は、前記利用状態情報が示す前記端末の利用状態と、前記他ユーザ利用状態情報が示す前記他端末の利用状態とに基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出する、
請求項
1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記端末の周囲を撮像した撮像画像、前記端末が集音した音を示す音情報、前記端末の位置を示す位置情報、前記端末が検出した加速度を示す加速度情報、及び前記ユーザに装着されたバイタルセンサが測定した前記ユーザの生体情報の少なくともいずれかを取得し、
前記検出部は、前記撮像画像、前記音情報、前記位置情報、前記加速度情報、及び前記生体情報の少なくともいずれかと、前記端末の利用状態とに基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出する、
請求項
1から
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記端末にインストールされている一以上のアプリケーションプログラムの実行履歴を前記利用履歴情報として取得し、
前記依存対象特定部は、前記利用履歴情報が示す前記一以上のアプリケーションプログラムの実行履歴に基づいて、アプリケーションプログラムの利用状況を特定し、特定した利用状況が所定条件を満たすアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツを前記依存対象として特定する、
請求項1から
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記依存対象特定部は、所定時間おきに前記コンテンツの利用状況に基づいて前記依存対象を特定する、
請求項1から
5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記端末の周囲を撮像した撮像画像、前記端末が集音した音を示す音情報、前記端末の位置を示す位置情報、前記端末が検出した加速度を示す加速度情報、及び前記ユーザに装着されたバイタルセンサが測定した前記ユーザの生体情報の少なくともいずれかを取得し、
前記依存対象特定部は、前記撮像画像、前記音情報、前記位置情報、前記加速度情報、及び前記生体情報の少なくともいずれかと、前記コンテンツの利用頻度とに基づいて前記依存対象を特定する、
請求項1から
6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記依存対象に対応するコンテンツに関連する画像情報、テキスト情報、及び音声情報の少なくともいずれかを第1訓練用情報として取得する訓練用情報取得部をさらに有し、
前記訓練実行部は、前記訓練用情報取得部が取得した前記第1訓練用情報を前記端末又は前記外部装置に出力し、前記第1訓練用情報を避ける操作を受け付ける、
請求項1から
7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記訓練用情報取得部は、前記依存対象に対応しないコンテンツに関連する画像情報、テキスト情報、及び音声情報の少なくともいずれかを前記第1訓練用情報と異なる第2訓練用情報として取得し、
前記訓練実行部は、前記訓練用情報取得部が取得した前記第2訓練用情報を前記端末又は前記外部装置に出力し、前記第2訓練用情報を避けない操作を受け付ける、
請求項
8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ユーザから受け付けた前記操作に基づいて前記訓練の内容を評価し、評価結果を出力する評価部をさらに有する、
請求項1から
9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記評価部は、前記訓練実行部が前記訓練用情報を出力してから前記依存対象の利用を避けるための操作を受け付けるまでの時間を測定し、測定した時間に基づいて前記訓練の内容を評価する、
請求項
10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
ユーザが使用する端末においてユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報
と、前記端末の利用状態を示す利用状態情報と、前記ユーザのスケジュールを示すスケジュール情報とを取得するステップと、
前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定するステップと、
前記利用状態情報が示す前記端末の利用状態と、前記ユーザの前記スケジュール情報とに基づいて、前記ユーザの状態が前記依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出するステップと、
前記ユーザが前記衝動状態であることが検出されると、特定された依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記端末又は前記端末とは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付けるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
ユーザが使用する端末においてユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報
と、前記端末の利用状態を示す利用状態情報とを取得するステップと、
前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定するステップと、
前記利用状態情報が示す前記端末の利用状態に基づいて、前記ユーザの状態が前記依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出するステップと、
前記ユーザが前記衝動状態であることが検出されると、特定された依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記端末又は前記端末とは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付けるステップと、
を有し、
前記取得するステップにおいて、前記コンピュータは、前記依存対象が所定のアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツである場合、所定のアプリケーションプログラムの提供元から通知される前記アプリケーションプログラムに関するイベント情報を取得し、
前記検出するステップにおいて、前記コンピュータは、前記イベント情報に基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出する、
情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータを、
ユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報
と、前記コンピュータの利用状態を示す利用状態情報と、前記ユーザのスケジュールを示すスケジュール情報とを取得する取得部、
前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定する依存対象特定部
、
前記利用状態情報が示す前記コンピュータの利用状態と、前記ユーザの前記スケジュール情報とに基づいて、前記ユーザの状態が前記依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出する検出部、及び、
前記ユーザが前記衝動状態であることを前記検出部が検出すると、前記依存対象特定部が特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記コンピュータが有する表示部若しくは出音部、又は前記コンピュータとは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付ける訓練実行部、
として機能させるプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
ユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報
と、前記コンピュータの利用状態を示す利用状態情報とを取得する取得部、
前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定する依存対象特定部
、
前記利用状態情報が示す前記コンピュータの利用状態に基づいて、前記ユーザの状態が前記依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出する検出部、及び、
前記ユーザが前記衝動状態であることを前記検出部が検出すると、前記依存対象特定部が特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記コンピュータが有する表示部若しくは出音部、又は前記コンピュータとは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付ける訓練実行部、
として機能させ
前記取得部は、前記依存対象が所定のアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツである場合、所定のアプリケーションプログラムの提供元から通知される前記アプリケーションプログラムに関するイベント情報を取得し、
前記検出部は、前記イベント情報に基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームやアプリケーションに対してユーザが依存していることが問題となっている。依存対象に依存しているユーザは、依存対象に対応する手掛かりを得たことに応じて、衝動的に依存対象に依存する行動をとる傾向が高いことが知られている。
【0003】
これに対し、被験者が衝動的に依存対象に依存することを抑制する訓練方法が知られている。例えば、非特許文献1には、依存対象に対応する対象画像を表示装置に表示させ、被験者が対象画像を視認したことに応じて、対象画像から離れる操作を被験者から受け付ける訓練を行うことにより、被験者が衝動的に依存対象に依存することを抑制する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Jinbo He,et al. “Behavioral modification decreases approach bias in young adults with internet, Addictive Behaviors, 2021年2月, Vol.113 : 106686,
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の訓練方法は、ユーザが依存している対象が特定できていることが前提であり、ユーザが依存している対象が不明である場合には、訓練を行うことができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが依存している依存対象を特定し、当該依存対象に依存することを抑制する訓練を実施可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザが使用する端末においてユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報を取得する取得部と、前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定する依存対象特定部と、前記依存対象特定部が特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記端末又は前記端末とは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付ける訓練実行部と、を有する。
【0008】
前記取得部は、前記端末の利用状態を示す利用状態情報を取得し、前記情報処理装置は、前記利用状態情報が示す前記端末の利用状態に基づいて、前記ユーザの状態が前記依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出する検出部をさらに有し、前記訓練実行部は、前記ユーザが前記衝動状態であることを前記検出部が検出すると、前記訓練用情報を前記端末又は前記外部装置に出力し、前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付けてもよい。
【0009】
前記取得部は、前記ユーザとは異なる他のユーザが使用する他端末の利用状態を示す他ユーザ利用状態情報を取得し、前記検出部は、前記利用状態情報が示す前記端末の利用状態と、前記他ユーザ利用状態情報が示す前記他端末の利用状態とに基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出してもよい。
【0010】
前記取得部は、前記ユーザのスケジュールを示すスケジュール情報を取得し、前記検出部は、前記利用状態情報が示す前記端末の利用状態と、前記ユーザの前記スケジュール情報とに基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出してもよい。
【0011】
前記取得部は、前記依存対象が所定のアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツである場合、所定のアプリケーションプログラムの提供元から通知される前記アプリケーションプログラムに関するイベント情報を取得し、前記検出部は、前記イベント情報に基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出してもよい。
【0012】
前記取得部は、前記端末の周囲を撮像した撮像画像、前記端末が集音した音を示す音情報、前記端末の位置を示す位置情報、前記端末が検出した加速度を示す加速度情報、及び前記ユーザに装着されたバイタルセンサが測定した前記ユーザの生体情報の少なくともいずれかを取得し、前記検出部は、前記撮像画像、前記音情報、前記位置情報、前記加速度情報、及び前記生体情報の少なくともいずれかと、前記端末の利用状態とに基づいて、前記ユーザの状態が前記衝動状態であることを検出してもよい。
【0013】
前記取得部は、前記端末にインストールされている一以上のアプリケーションプログラムの実行履歴を前記利用履歴情報として取得し、前記依存対象特定部は、前記利用履歴情報が示す前記一以上のアプリケーションプログラムの実行履歴に基づいて、アプリケーションプログラムの利用状況を特定し、特定した利用状況が所定条件を満たすアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツを前記依存対象として特定してもよい。
【0014】
前記依存対象特定部は、所定時間おきに前記コンテンツの利用状況に基づいて前記依存対象を特定してもよい。
【0015】
前記取得部は、前記端末の周囲を撮像した撮像画像、前記端末が集音した音を示す音情報、前記端末の位置を示す位置情報、前記端末が検出した加速度を示す加速度情報、及び前記ユーザに装着されたバイタルセンサが測定した前記ユーザの生体情報の少なくともいずれかを取得し、前記依存対象特定部は、前記撮像画像、前記音情報、前記位置情報、前記加速度情報、及び前記生体情報の少なくともいずれかと、前記コンテンツの利用頻度とに基づいて前記依存対象を特定してもよい。
【0016】
前記情報処理装置は、前記依存対象に対応するコンテンツに関連する画像情報、テキスト情報、及び音声情報の少なくともいずれかを第1訓練用情報として取得する訓練用情報取得部をさらに有し、前記訓練実行部は、前記訓練用情報取得部が取得した前記第1訓練用情報を前記端末又は前記外部装置に出力し、前記第1訓練用情報を避ける操作を受け付けてもよい。
【0017】
前記訓練用情報取得部は、前記依存対象に対応しないコンテンツに関連する画像情報、テキスト情報、及び音声情報の少なくともいずれかを前記第1訓練用情報と異なる第2訓練用情報として取得し、前記訓練実行部は、前記訓練用情報取得部が取得した前記第2訓練用情報を前記端末又は前記外部装置に出力し、前記第2訓練用情報を避けない操作を受け付けてもよい。
【0018】
前記情報処理装置は、前記ユーザから受け付けた前記操作に基づいて前記訓練の内容を評価し、評価結果を出力する評価部をさらに有してもよい。
前記評価部は、前記訓練実行部が前記訓練用情報を出力してから前記依存対象の利用を避けるための操作を受け付けるまでの時間を測定し、測定した時間に基づいて前記訓練の内容を評価してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、ユーザが使用する端末においてユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報を取得するステップと、前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定するステップと、特定された依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記端末又は前記端末とは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付けるステップと、を有する。
【0020】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報を取得する取得部、前記利用履歴情報に基づく前記ユーザのコンテンツの利用状況に基づいて前記ユーザが依存している対象である依存対象を特定する依存対象特定部、及び、前記依存対象特定部が特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を前記コンピュータが有する表示部若しくは出音部、又は前記コンピュータとは異なる外部装置に出力し、前記訓練に係る操作として前記依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付ける訓練実行部、として機能させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザが依存している依存対象を特定し、当該依存対象に依存することを抑制する訓練を実施することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態に係る訓練システムの概要を説明する図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る端末の構成を示す図である。
【
図4】複数のコンテンツの依存度を算出した例を示す図である。
【
図5】端末において訓練が実施されている例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[情報処理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る訓練システムSの概要を説明する図である。訓練システムSは、情報処理装置1と、ユーザが使用する端末2とを有し、ユーザが依存している依存対象を特定し、ユーザが当該依存対象に依存することを抑制するシステムである。情報処理装置1は、例えばサーバ等のコンピュータであり、基地局や無線LAN、Bluetooth等を介して端末2と通信可能に接続されている。端末2は、例えば、ユーザの頭部に装着され、仮想画面を表示可能なスマートグラス等の携帯端末である。
【0024】
情報処理装置1は、端末2においてユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報を取得する(
図1の(1))。情報処理装置1は、取得した利用履歴情報に基づくユーザのコンテンツの利用状況に基づいて、ユーザが依存している対象である依存対象を特定する(
図1の(2))。情報処理装置1は、特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を端末2に出力し、訓練に係る操作として依存対象の利用を避けるための操作をユーザから受け付けることにより、訓練を実行する(
図1の(3))。
【0025】
図1に示す例では、依存対象が「ゲームB」と特定され、「ゲームB」の画像PAから目を逸らす操作をユーザから受け付ける。このようにすることで、訓練システムSは、ユーザが依存している依存対象を特定し、当該依存対象にユーザが依存することを抑制する訓練を実施することができる。
続いて、訓練システムSが有する情報処理装置1及び端末2の構成について説明する。
【0026】
[情報処理装置1の構成例]
まず、情報処理装置1の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、取得部131と、依存対象特定部132と、訓練用情報取得部133と、検出部134と、訓練実行部135と、評価部136とを有する。
【0027】
通信部11は、インターネット回線や携帯電話回線等の通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。
記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等である。記憶部12は、情報処理装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部12は、情報処理装置1の制御部13を、取得部131、依存対象特定部132、訓練用情報取得部133、検出部134、訓練実行部135、及び評価部136として機能させるプログラムを記憶する。
【0028】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されている各種プログラムを実行することにより、情報処理装置1に係る機能を制御する。制御部13は、記憶部12に記憶されているプログラムを実行することにより、取得部131、依存対象特定部132、訓練用情報取得部133、検出部134、訓練実行部135、及び評価部136として機能する。これらの機能の詳細については後述する。
【0029】
[端末2の構成例]
続いて、端末2の構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る端末2の構成を示す図である。端末2は、操作部21と、表示部22と、加速度検出部23と、通信部24と、記憶部25と、制御部26とを有する。制御部26は、送信部261と、受信部262と、表示制御部263と、操作受付部264とを有する。
【0030】
操作部21は、例えば端末2に設けられたボタンであり、ユーザから各種操作を受け付ける。また、操作部21は、端末2に設けられ、ユーザの目を撮像する撮像部(不図示)が撮像した複数の撮像画像により目の動きを検出し、検出した目の動きにより、ユーザから各種操作を受け付けてもよい。なお、本実施形態では、ユーザの目の動きを検出することとしたが、これに限らず、端末2(スマートグラス)の向きにより各種操作を受け付けてもよい。
【0031】
表示部22は、導光板と、導光板に光を照射する照射部とを含んでいる。照射部は、制御部26の制御に応じて、コンテンツの画像や訓練用の画像に対応する色の光を導光板に照射することにより、導光板にコンテンツの画像や訓練用の画像を結像させる。
【0032】
加速度検出部23は、例えば3軸加速度センサである。加速度検出部23は、水平面上に規定されたX軸、水平面上においてX軸と垂直であるY軸、X軸及びY軸の交点を通り水平面に対して鉛直方向に規定されたZ軸のそれぞれの方向に対する加速度を検出する。
通信部24は、情報処理装置1との間でデータを送受信するためのインタフェースである。通信部24は、制御部26の制御により、情報処理装置1と通信を行う。
【0033】
記憶部25は、例えば、ROM及びRAM等である。記憶部25は、端末2を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部25は、制御部26を、送信部261、受信部262、表示制御部263、及び操作受付部264として機能させる訓練用プログラムを記憶する。
【0034】
また、記憶部25は、ユーザが端末2において利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報を記憶する。利用履歴情報は、例えば、端末2にインストールされており、コンテンツを提供する一以上のアプリケーションプログラムそれぞれの実行履歴であり、アプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツを識別するためのコンテンツIDと、当該コンテンツの利用開始時刻と、当該コンテンツの利用終了時刻とを関連付けた情報である。なお、利用履歴情報には、コンテンツに対してユーザが課金した金額と、ユーザが課金した日時とを関連付けた課金情報が含まれていてもよい。なお、以下の説明において、コンテンツを提供するアプリケーションプログラムを、単にアプリケーションともいう。
【0035】
制御部26は、例えばCPUである。制御部26は、記憶部25に記憶されている各種プログラムを実行することにより、端末2に係る機能を制御する。制御部26は、記憶部25に記憶されている訓練用プログラムを実行することにより、送信部261、受信部262、表示制御部263、及び操作受付部264として機能する。
続いて、情報処理装置1の制御部13、端末2の制御部26の詳細を説明する。
【0036】
[依存対象の特定]
まず、ユーザの依存対象を特定する機能を説明する。
制御部13の取得部131は、ユーザが使用する端末2においてユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報を取得する。取得部131は、端末2にインストールされている一以上のアプリケーションの実行履歴を示す利用履歴情報を取得する。
【0037】
まず、端末2の送信部261は、記憶部25に記憶されている利用履歴情報のうち、情報処理装置1に送信していない利用履歴情報と、端末2のユーザを識別するためのユーザIDとを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1の取得部131は、端末2から、利用履歴情報と、ユーザIDとを受信することにより、ユーザIDが示すユーザに対応する利用履歴情報を取得する。取得部131は、訓練用プログラムをインストールしている複数の端末2のそれぞれから、ユーザIDと利用履歴情報とを取得する。
【0038】
依存対象特定部132は、取得部131が取得した利用履歴情報に基づくユーザのコンテンツの利用状況に基づいて、ユーザが依存している対象を特定する。例えば、依存対象特定部132は、利用履歴情報が示す一以上のアプリケーションそれぞれの実行履歴に基づいて、アプリケーションの利用状況を特定する。依存対象特定部132は、特定した利用状況が所定条件を満たすアプリケーションにより提供されるコンテンツを、依存対象として特定する。所定条件は、利用状況が過度にアプリケーションの利用をしている状況を示していることであり、具体的には、利用状況から特定される、アプリケーションにより提供されるコンテンツに対するユーザの依存度が、予め定められた所定の閾値を超えることである。
【0039】
具体的には、依存対象特定部132は、利用履歴情報が示す一以上のアプリケーションそれぞれの実行履歴に基づいて、アプリケーションそれぞれの実行頻度及び実行時間を特定する。依存対象特定部132は、特定した実行頻度及び実行時間に基づいて、アプリケーションにより提供されるコンテンツに対するユーザの依存度を算出する。
【0040】
例えば、依存対象特定部132は、実行頻度が高ければ高いほど、依存度が大きくなるように依存度を算出する。また、依存対象特定部132は、実行時間が長ければ長いほど、依存度が大きくなるように依存度を算出する。依存対象特定部132は、算出した依存度が所定の閾値を超えるアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツを依存対象として特定する。依存対象特定部132は、依存度が最も大きいアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツを依存対象として特定してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、依存対象をユーザごとに動的に生成することができる。
【0041】
ここで、依存対象特定部132は、深夜帯等のユーザの活動時間帯とは異なる時間帯における実行頻度及び実行時間のみに基づいて依存度を算出してもよい。また、依存対象特定部132は、ユーザの活動時間帯とは異なる時間帯における実行頻度及び実行時間に基づいて算出した依存度を補正してもよい。このようにすることで、ユーザの活動時間帯とは異なる時間帯におけるコンテンツの利用状況を重視し、依存度を算出することができる。
【0042】
また、依存対象特定部132は、利用履歴情報に含まれるアプリケーションプログラムそれぞれの課金情報にさらに基づいて、依存度を算出してもよい。例えば、依存対象特定部132は、ユーザが課金した額が多ければ多いほど依存度が大きくなるように依存度を算出する。
【0043】
図4は、複数のコンテンツの依存度を算出した例を示す図である。
図4に示す例では、アプリケーションが提供するコンテンツのコンテンツ名と、算出した依存度とが関連付けられていることが確認できる。
【0044】
なお、アプリケーションプログラムには、様々な種類のアプリケーションプログラムが存在する。例えば、アプリケーションプログラムには、ゲームコンテンツを提供するアプリケーションプログラム、動画コンテンツを提供するアプリケーションプログラム、SNSコンテンツを提供するアプリケーションプログラム等の、依存対象となりやすいコンテンツを提供するアプリケーションプログラムが存在する。このため、依存対象特定部132は、依存対象となりやすいコンテンツを提供するアプリケーションプログラムの種類を予め定めておき、予め定めた種類に対応するアプリケーションプログラムそれぞれの実行頻度及び実行時間に基づいて、アプリケーションプログラムが提供するコンテンツに対するユーザの依存度を算出してもよい。
【0045】
また、依存対象特定部132は、第1時間おきに、コンテンツの利用状況に基づいて依存対象を特定するようにしてもよい。第1時間は、例えば、1カ月や1週間である。ユーザの依存対象は、時間の経過とともに変化することがある。これに対し、情報処理装置1は、第1時間おきに依存対象を特定することで、ユーザの依存対象が変化した場合であっても、変化後の依存対象を特定することができる。
【0046】
また、取得部131は、端末2の周囲を撮像した撮像画像、端末2が集音した音を示す音情報、端末2の位置を示す位置情報、端末2の加速度検出部23が検出した加速度を示す加速度情報、及びユーザに装着されたバイタルセンサが測定したユーザの生体情報の少なくともいずれかを取得してもよい。そして、依存対象特定部132は、取得部131が取得した撮像画像、音情報、位置情報、加速度情報、及び生体情報の少なくともいずれかと、コンテンツの利用頻度とに基づいて依存対象を特定してもよい。
【0047】
例えば、依存対象特定部132は、取得部131が取得した撮像画像に、端末2とは異なるゲーム機やスマートフォン等の機器に表示されているコンテンツの画像が含まれているか否か、及び取得部131が取得した音情報に、当該コンテンツに対応する音が含まれているか否かを判定する。そして、依存対象特定部132は、当該コンテンツの画像及び当該コンテンツに対応する音に基づいて、当該コンテンツの依存度を算出してもよい。そして、依存対象特定部132は、当該コンテンツの依存度が所定条件を満たす場合に、当該コンテンツを依存対象として特定してもよい。
【0048】
ここで、依存対象特定部132は、取得部131が取得した音情報に当該コンテンツに対応する音が含まれている場合、当該コンテンツに対応する音の大きさを特定し、当該コンテンツに対応する音が大きければ大きいほど、当該コンテンツの依存度が高くなるように依存度を補正してもよい。また、取得部131が取得した音情報には、ユーザが当該コンテンツを享受している際のユーザの音声が含まれていてもよい。この場合には、依存対象特定部132は、当該ユーザの音声が大きければ大きいほど、当該コンテンツの依存度が高くなるように依存度を補正してもよい。また、依存対象特定部132は、当該ユーザの音声の発生回数が多ければ多いほど、当該コンテンツの依存度が高くなるように依存度を補正してもよい。
【0049】
また、例えば、取得部131が取得するユーザの生体情報には、各時刻におけるユーザの心拍数が含まれている。依存対象特定部132は、利用履歴情報を参照し、ユーザがコンテンツを実行している時間を特定するとともに、取得部131が取得したユーザの生体情報に基づいて、当該時間に対応するユーザの心拍数の平均値又は最大値を特定する。そして、依存対象特定部132は、アプリケーションが実行されている時間に対して特定したユーザの心拍数の平均値又は最大値が所定の閾値を超える場合、当該アプリケーションが提供するコンテンツの依存度が高くなるように依存度を補正する。
【0050】
また、依存対象特定部132は、深夜帯等のユーザの活動時間帯とは異なる時間帯にアプリケーションが実行されている場合に、取得部131が取得した加速度情報が示す加速度の所定の閾値以下である場合、ユーザが家族等に隠れてアプリケーションが提供するコンテンツを利用している可能性があると考えられる。このため、依存対象特定部132は、ユーザの活動時間帯とは異なる時間帯にアプリケーションが実行される場合に、取得部131が取得した加速度情報が示す加速度が所定の閾値以下である場合、当該アプリケーションが提供するコンテンツの依存度が高くなるように依存度を補正する。
【0051】
このように、情報処理装置1は、取得した撮像画像、音情報、位置情報、加速度情報、及び生体情報の少なくともいずれかと、コンテンツの利用頻度とに基づいて依存対象を特定することにより、撮像画像、音情報、位置情報、加速度情報、及び生体情報を用いずに依存対象を特定する場合に比べて、ユーザの依存対象の特定精度を高めることができる。
【0052】
[訓練用情報の取得]
続いて、依存対象を避けるための訓練に使用する訓練用情報の取得に係る機能を説明する。
訓練用情報取得部133は、依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を取得する。具体的には、訓練用情報取得部133は、依存対象特定部132が特定した依存対象に対応するコンテンツに関連する画像情報、テキスト情報、及び音声情報の少なくともいずれかを第1訓練用情報として取得する。画像情報には、複数の画像から構成される動画や3次元画像が含まれていてもよい。ここで、第1訓練用情報は、依存対象に対応する訓練用情報であり、訓練においてユーザが避けるべき訓練用情報である。また、コンテンツに関連する画像情報には、複数の画像情報により構成される動画が含まれていてもよい。
【0053】
例えば、訓練用情報取得部133は、依存対象のコンテンツを提供するウェブサイトにアクセスし、当該コンテンツの画像、テキスト情報、音情報の少なくともいずれかを第1訓練用情報として取得する。また、訓練用情報取得部133は、端末2において依存対象のコンテンツに対応するアプリケーションが実行されている場合に、端末2に表示されている当該コンテンツの画像、テキスト情報及び端末2が出力しているコンテンツの音を示す音情報を、第1訓練用情報として端末2から取得してもよい。ここで、コンテンツの画像は、コンテンツ内に出現するキャラクタの画像やアイテムの画像であってもよい。また、訓練用情報取得部133は、対象コンテンツに対応するアイコンの画像を第1訓練用情報として取得してもよい。
【0054】
また、訓練用情報取得部133は、依存対象に対応しないコンテンツに関連する画像情報、テキスト情報、及び音声情報の少なくともいずれかを第1訓練用情報と異なる第2訓練用情報として取得する。ここで、第2訓練用情報は、依存対象に対応しない訓練用情報であり、訓練においてユーザが避ける必要がない訓練用情報である。
【0055】
例えば、訓練用情報取得部133は、依存対象のコンテンツとは異なるコンテンツである対象外コンテンツを提供するウェブサイトにアクセスし、当該対象外コンテンツの画像、テキスト情報、音情報の少なくともいずれかを第2訓練用情報として取得する。訓練用情報取得部133は、対象外コンテンツに対応するアプリケーションが実行されている場合に端末2に表示されている当該コンテンツの画像、テキスト情報及び端末2が出力している音を示す音情報を第2訓練用情報として端末2から取得してもよい。また、訓練用情報取得部133は、対象外コンテンツに対応するアイコンの画像を第2訓練用情報として取得してもよい。
【0056】
[訓練の実行]
続いて、依存対象を避けるための訓練の実行に係る機能を説明する。
訓練実行部135は、依存対象特定部132が特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を端末2又は端末2とは異なる外部装置に出力し、訓練に係る操作として依存対象の利用を避けるための操作をユーザから受け付ける。
【0057】
具体的には、検出部134は、取得部131が取得した利用状態情報が示す端末2の利用状態に基づいて、ユーザの状態が依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出する。そして、訓練実行部135は、ユーザが衝動状態であることを検出部134が検出すると、訓練用情報を端末2又は外部装置に出力し、依存対象の利用を避けるための操作を前記ユーザから受け付ける。
【0058】
まず、検出部134がユーザの状態が衝動状態であることを検出する処理について詳細を説明する。初めに、取得部131は、端末2の利用状態を示す利用状態情報を取得する。例えば、取得部131は、第2時間おきに、端末2において実行中のアプリケーションを示す情報を利用状態情報として取得する。第2時間は、第1時間よりも短い時間であり、例えば、1分や5分である。
【0059】
続いて、検出部134は、取得部131が取得した利用状態情報が示す端末2の利用状態に基づいて、ユーザの状態が依存対象に依存する依存行動を衝動的にとる可能性がある衝動状態であることを検出する。例えば、検出部134は、取得部131が連続して取得した複数の利用状態情報それぞれが示す端末2の利用状態に基づいて、ユーザが依存対象に対応するアプリケーションが実行されたことを検出すると、ユーザの状態が衝動状態であることを検出する。
【0060】
ここで、取得部131は、ユーザとは異なる他のユーザが使用する他端末の利用状態を示す他ユーザ利用状態情報を取得してもよい。そして、検出部134は、利用状態情報が示す端末2の利用状態と、他ユーザ利用状態情報が示す他端末の利用状態とに基づいて、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。検出部134は、取得部131が取得したユーザの利用状態情報が示す利用状態が、依存対象に対応するアプリケーションが実行されたことを示しているとともに、取得部131が取得した他のユーザの他ユーザ利用状態情報が示す利用状態が、当該アプリケーションが実行されたことを示している場合に、ユーザの状態が衝動状態であることを検出する。
【0061】
この場合において、他のユーザは、SNSにおいてユーザと関連付けられているユーザ、又は端末2の記憶部12に記憶されている連絡帳に登録されているユーザである。取得部131は、SNSにおいてユーザと関連付けられているユーザを示す情報、又は端末2の記憶部12に記憶されている連絡帳に記憶されているユーザを示す情報を取得し、取得した情報に基づいて他のユーザのユーザIDである他ユーザIDを特定する。記憶部12は、訓練用プログラムを自身の端末にインストールしているユーザのユーザIDを記憶しており、特定した他ユーザIDの他のユーザの端末から取得した利用状態情報を、他ユーザ利用状態情報として特定する。取得部131は、依存対象に対応するアプリケーションが、複数のユーザがサーバに同時に接続してプレイするアプリケーションである場合に限定して、他ユーザ利用状態情報を取得してもよい。
【0062】
検出部134は、取得部131が取得したユーザの利用状態情報及び他のユーザの他ユーザ利用状態情報に基づいて、ユーザ及び他のユーザの双方が、同じ時間帯に依存対象に対応するアプリケーションを実行したことを検出すると、ユーザの状態が衝動状態であることを検出する。このようにすることで、ユーザが他のユーザと一緒に依存対象に対応するアプリケーションを実行した場合に、ユーザが衝動状態であると検出することができる。
【0063】
また、取得部131は、ユーザの利用状態情報を取得するとともに、ユーザのスケジュールを示すスケジュール情報を取得してもよい。そして、検出部134は、取得部131が取得した利用状態情報が示す端末2の利用状態と、ユーザのスケジュール情報とに基づいて、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。例えば、検出部134は、利用状態情報に基づいて、依存対象に対応するアプリケーションが実行されたことを検出した場合に、取得したスケジュール情報に、依存対象とは関係がないスケジュールが登録されていることを条件として、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。
【0064】
このようにすることで、情報処理装置1は、依存対象とは関係がないスケジュールが登録されているにもかかわらず、依存対象に対応するアプリケーションが実行され、ユーザがコンテンツを利用する欲求を抑えられず、強い衝動状態であることを検出することができる。
【0065】
また、取得部131は、依存対象が所定のアプリケーションプログラムにより提供されるコンテンツである場合、所定のアプリケーションプログラムの提供元から通知されるアプリケーションプログラムに関するイベント情報を取得してもよい。そして、検出部134は、取得したイベント情報に基づいて、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。例えば、検出部134は、取得したイベント情報に基づいて、イベントが開始する時刻を特定し、現在の時刻が、イベントが開始する時刻となったことに応じて、ユーザの状態が衝動状態となったことを検出する。例えば、依存対象がゲームコンテンツであり、取得したイベント情報が、ゲーム内で所定のアイテムを取得することにより報酬を得られるイベントであるとすると、ユーザは、イベント情報を受けることにより、衝動を抑えられずにゲームコンテンツを利用する傾向が強くなる。これに対し、情報処理装置1は、イベント情報に基づいて、ユーザの状態が衝動状態であることを検出することにより、ユーザが衝動状態になる傾向が強くなることを検出することができる。
【0066】
また、取得部131は、検出部134がユーザの状態を検出するタイミングにおいて、端末2の周囲を撮像した撮像画像、端末2が集音した音を示す音情報、端末2の位置を示す位置情報、端末2が検出した加速度を示す加速度情報、及びユーザに装着されたバイタルセンサが測定したユーザの生体情報の少なくともいずれかを取得してもよい。そして、検出部134は、取得部131が取得した、撮像画像、音情報、位置情報、加速度情報、及び生体情報の少なくともいずれかと、端末2の利用状態とに基づいて、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。
【0067】
例えば、検出部134は、依存対象に対応するコンテンツが、端末2とは異なる機器により提供されるコンテンツである場合に、取得部131が取得した撮像画像に、当該コンテンツに対応する画像が含まれているか、取得部131が取得した音情報に当該コンテンツに対応する音情報が含まれていることを条件として、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。また、取得部131が取得した音情報に、ユーザが当該コンテンツを享受している際のユーザの音声が含まれている場合には、検出部134は、当該ユーザの音声が所定の音量よりも大きいこと、又はユーザの音声の発生回数が所定回数よりも多いことを条件として、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。
【0068】
また、検出部134は、利用状態情報に基づいて、依存対象に対応するアプリケーションが実行されたことを検出した場合に、取得部131が取得したユーザの生体情報が示すユーザの心拍数の平均値又は最大値が所定の閾値を超える場合、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。
【0069】
また、検出部134は、利用状態情報に基づいて、依存対象に対応するアプリケーションが実行されたことを検出した場合に、取得部131が取得したユーザの生体情報が示すユーザの心拍数の平均値又は最大値が所定の閾値を超える場合、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。
【0070】
また、検出部134は、取得部131が取得した位置情報に基づいて、ユーザの居住地を予め特定しておく。そして、検出部134は、利用状態情報に基づいて依存対象に対応するアプリケーションが実行されたことを検出した場合に、取得部131が取得した位置情報がユーザの居住地とは異なる位置を示しているとき、又はユーザが移動中であるとき、ユーザの状態が衝動状態であることを検出してもよい。このようにすることで、例えば、ユーザの居住地とは異なる位置に存在する場合やユーザが移動中において、ユーザの状態が強い衝動状態であることを検出することができる。
【0071】
また、検出部134は、深夜帯等のユーザの活動時間帯とは異なる時間帯にユーザがコンテンツを実行している場合に、取得部131が取得した加速度情報が示す加速度が所定の閾値以下であるとき、ユーザの状態が衝動状態であることを検出する。このようにすることで、ユーザが家族等に隠れてコンテンツを衝動的に実行している状態であることを検出することができる。
【0072】
訓練実行部135は、ユーザが衝動状態であることを検出部134が検出すると、訓練用情報取得部133が取得した第1訓練用情報を端末2に出力し、第1訓練用情報を避ける操作をユーザから受け付ける。また、訓練実行部135は、ユーザが衝動状態であることを検出部134が検出すると、訓練用情報取得部133が取得した第2訓練用情報を端末2に出力し、第2訓練用情報を避けない操作をユーザから受け付ける。
【0073】
例えば、訓練実行部135は、ユーザが衝動状態であることを検出部134が検出すると、訓練用情報取得部133が取得した第1訓練用情報と、第2訓練用情報との一方の訓練用情報をランダムに選択する。訓練実行部135は、第1訓練用情報を選択した場合、当該第1訓練用情報を端末2に送信して、当該第1訓練用情報を端末2の表示部22に表示させるとともに、当該第1訓練用情報を避ける操作をユーザから受け付けることを端末2に指示する表示指示情報を端末2に送信する。訓練実行部135は、第2訓練用情報を選択した場合、当該第2訓練用情報を端末2に送信して、当該第2訓練用情報を端末2の表示部22に表示させるとともに、当該第2訓練用情報を避けない操作をユーザから受け付けることを指示する表示指示情報を端末2に送信する。
【0074】
表示制御部263は、受信部262が情報処理装置1から訓練用情報及び表示指示情報を受信すると、受信した訓練用情報を表示部22に表示させる。また、操作受付部264は、受信した表示指示情報に基づいて、第1訓練用情報を避ける操作又は第2訓練用情報を避けない操作をユーザから受け付ける。
【0075】
図5は、端末2において訓練が実施されている例を示す図である。表示制御部263は、
図5に示すように、ユーザが端末2を介して視認可能な実空間上の所定位置に対応するように第1訓練用情報PAを表示部22に表示させるとともに、第1訓練用情報PAとともに受信した表示指示情報に基づいて第1訓練用情報PAから目をそらすことを示すメッセージを表示部22に表示させる。例えば、操作受付部264は、表示部22における視点の位置を特定し、ユーザの目の中心と第1訓練用情報PAとを結ぶ直線と、ユーザの目の中心と視点の位置とを結ぶ直線とがなす角度を算出する。ここで、当該角度が所定時間内に所定角度以上になった場合には、訓練に成功したものとし、当該角度が所定時間内に所定角度以上にならなかった場合、訓練に失敗したものとする。
【0076】
表示制御部263は、第2訓練用情報を表示部22に表示させる場合、ユーザが端末2を介して視認可能な実空間上の所定位置に対応するように第2訓練用情報を表示部22に表示させる。そして、表示制御部263は、第2訓練用情報PAとともに受信した表示指示情報に基づいて第2訓練用情報から目をそらさないことを示すメッセージを表示部22に表示させる。例えば、操作受付部264は、表示部22における視点の位置を特定し、ユーザの目の中心と第2訓練用情報とを結ぶ直線と、ユーザの目の中心と視点の位置とを結ぶ直線とがなす角度を算出する。ここで、当該角度が所定時間内に所定角度以上にならなかった場合には、訓練に成功したものとし、当該角度が所定時間内に所定角度以上になった場合、訓練に失敗したものとする。
【0077】
なお、訓練の内容は、第1訓練用情報と第2訓練用情報とのいずれかが表示部22に表示され、第1訓練用情報が表示された場合にはユーザが第1訓練用情報を避け、第2訓練用情報が表示された場合にはユーザが第2訓練用情報を避けないものとしたが、これに限らない。例えば、訓練の内容は、第1訓練用情報と第2訓練用情報とを表示部22に同時に表示させ、第2訓練用情報の選択を受け付けるものであってもよい。
【0078】
また、訓練用情報が音情報である場合、訓練の内容は、端末2の出音部(不図示)に訓練用情報に対応する音情報を出力させ、第1訓練用情報を示す音情報が出力された場合に、依存対象の利用を避けるための操作として、音量を下げる操作を受け付け、第2訓練用情報を示す音情報が出力された場合に、音量を下げる操作を受け付けないものであってもよい。
【0079】
また、訓練実行部135は、訓練用情報を端末2に出力することとしたが、これに限らない。訓練実行部135は、訓練用情報を、端末2とは異なるスマートフォンやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置1と通信可能な外部装置に出力し、依存対象の利用を避けるための操作をユーザから受け付けるようにしてもよい。
【0080】
操作受付部264は、訓練用情報が表示部22に表示された場合のユーザの操作(動作)を示す操作情報を情報処理装置1に送信する。ここで、操作情報は、例えば、操作受付部264が算出した角度を示す角度情報である。
訓練実行部135は、訓練用情報を複数回選択して訓練用情報を端末2に送信し、複数の訓練用情報のそれぞれに対する、ユーザの操作を示す情報を端末2から受信する。
【0081】
情報処理装置1の評価部136は、端末2から受信したユーザの操作を示す情報に基づいて訓練の内容を評価し、評価結果を出力する。例えば、評価部136は、端末2に送信された複数の訓練用情報に対し、端末2から受信した複数の操作情報に基づいて、訓練に成功したか否かを判定する。そして、評価部136は、訓練に成功したか否かを示す訓練結果情報を端末2に送信し、訓練結果情報を端末2の表示部22に表示させる。
【0082】
評価部136は、訓練実行部135が訓練用情報を出力してから依存対象の利用を避けるための操作を受け付けるまでの時間を測定し、測定した時間に基づいて訓練の内容を評価してもよい。例えば、評価部136は、訓練実行部135が第1訓練用情報を端末2に送信してから、操作情報を端末2から受信した時間に基づいて、訓練用情報を出力してから依存対象の利用を避けるための操作を受け付けるまでの時間を測定する。
【0083】
評価部136は、第1訓練用情報を端末2に送信した場合に、受信した操作情報が第1訓練用情報を避けたことを示しているとともに、測定した時間が所定時間よりも短い場合に、訓練に成功したと判定する。また、評価部136は、第2訓練用情報を端末2に送信した場合に、受信した操作情報が第2訓練用情報を避けなかったことを示しているとともに、測定した時間が所定時間よりも短い場合に、訓練に成功したと判定する。
【0084】
また、評価部136は、第1訓練用情報を端末2に送信した場合に、測定した時間が所定時間以上であるときには、受信した操作情報が第1訓練用情報を避けたことを示しているか否かにかかわらず、訓練に失敗したと判定する。また、評価部136は、第2訓練用情報を端末2に送信した場合に、測定した時間が所定時間以上であるときには、受信した操作情報が第2訓練用情報を避けなかったことを示しているか否かにかかわらず、訓練に失敗したと判定する。
【0085】
[動作フロー]
図6は、本実施形態に係る情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、複数のユーザのそれぞれに対応して実行されるものとする。また、
図6に示すフローチャートは、ユーザの衝動状態であるかを第2時間おきに判定するために、第2時間おきに実行されるものとする。
【0086】
まず、取得部131は、ユーザの依存対象が未特定、又はユーザの依存対象の特定後に第1時間を経過しているか否かを判定する(S1)。取得部131は、ユーザの依存対象が未特定であると判定した場合、又はユーザの依存対象の特定後に第1時間を経過していると判定した場合、S2に処理を移し、ユーザの依存対象が特定され、かつ、ユーザの依存対象の特定後に第1時間を経過していないと判定した場合、S5に処理を移す。
【0087】
続いて、取得部131は、端末2から、ユーザが利用したコンテンツの利用履歴を示す利用履歴情報を取得する(S2)。
続いて、依存対象特定部132は、少なくともS2において取得された利用履歴情報に基づいて、ユーザの依存対象を特定する(S3)。
続いて、訓練用情報取得部133は、特定された依存対象を避ける訓練に用いる訓練用情報を取得する(S4)。
【0088】
続いて、取得部131は、端末2におけるユーザの利用状態を示す利用状態情報を取得する(S5)。
続いて、訓練実行部135は、S5において取得された利用状態情報が示す端末2の利用状態に基づいて、ユーザの状態が衝動状態であることを検出部134が検出したか否かを判定する(S6)。訓練実行部135は、ユーザの状態が衝動状態であることを検出部134が検出したと判定すると、S7に処理を移し、ユーザの状態が衝動状態であることを検出部134が検出していないと判定すると、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0089】
続いて、訓練実行部135は、依存対象を避けるための訓練を実施する(S7)。具体的には、訓練実行部135は、依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を端末2又は端末2とは異なる外部装置に出力し、訓練に係る操作として依存対象の利用を避けるための操作をユーザから受け付ける。
続いて、評価部136は、ユーザから受け付けた操作に基づいて訓練の内容を評価し、評価結果を出力する(S8)。
【0090】
[変形例]
上述の説明では、依存対象特定部132は、依存度が最も大きいコンテンツを依存対象として特定したが、これに限らない。依存対象特定部132は、依存度が相対的に大きい複数のコンテンツを依存対象として特定してもよい。例えば、依存対象特定部132は、所定の閾値を超える全てのコンテンツを依存対象として特定してもよいし、所定の閾値を超える複数のコンテンツの中から依存度が高い順に複数のコンテンツを依存対象として特定してもよい。そして、訓練用情報取得部133は、依存対象特定部132が特定した複数の依存対象のそれぞれに対応する第1訓練用情報を取得してもよい。
【0091】
また、上述の説明では、訓練実行部135は、訓練用情報を複数回選択して訓練用情報を端末2に送信し、複数の訓練を行うこととしたが、これに限らない。訓練実行部135は、訓練に成功したと評価部136が判定するまで、訓練用情報を再選択して端末2に送信し、訓練を繰り返してもよい。
【0092】
また、上述の説明では、訓練システムSが、情報処理装置1と端末2とを有し、情報処理装置1と端末2とが協働することにより、ユーザが依存している依存対象を特定し、依存対象を避けるための訓練を実施することとしたが、これに限らない。例えば、端末2の訓練プログラムが、制御部26を、上述した取得部131、依存対象特定部132、訓練用情報取得部133、検出部134、訓練実行部135、及び評価部136として機能させるようにしてもよい。
【0093】
また、上述の説明では、端末2は、ユーザの頭部に装着され、仮想画面を表示可能なスマートグラス等の携帯端末であることとしたが、これに限らない。端末2は、パーソナルコンピュータやスマートフォン等のコンピュータであってもよい。また、端末2がスマートフォンである場合、依存対象特定部132は、コンテンツに対応するアプリケーションを実行中における、加速度検出部23が所定の加速度以上の加速度を検出した頻度に基づいて、依存対象を特定してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、コンテンツを利用するために、ユーザがスマートフォンを操作する頻度が多い場合に、当該コンテンツを依存対象として特定することができる。
【0094】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザが使用する端末2においてユーザが利用したコンテンツの利用状況に基づいてユーザが依存している対象である依存対象を特定し、特定した依存対象に対応し、当該依存対象を避けるための訓練に用いる訓練用情報を端末2又は端末2とは異なる外部装置に出力し、訓練に係る操作として依存対象の利用を避けるための操作をユーザから受け付ける。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザの依存対象が不明であっても、依存対象を特定し、当該依存対象に依存することを抑制する訓練を実施することができる。
【0095】
また、情報処理装置1は、ユーザが衝動状態であることを検出すると、訓練用情報を端末2又は外部装置に出力して訓練を実施する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザの衝動性が高まっているタイミングで訓練を実施し、依存対象に依存することを抑制する訓練をより効果的に実施することができる。
【0096】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0097】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0098】
1・・・情報処理装置、11・・・通信部、12・・・記憶部、13・・・制御部、131・・・取得部、132・・・依存対象特定部、133・・・訓練用情報取得部、134・・・検出部、135・・・訓練実行部、136・・・評価部、2・・・端末、21・・・操作部、22・・・表示部、23・・・加速度検出部、24・・・通信部、25・・・記憶部、26・・・制御部、261・・・送信部、262・・・受信部、263・・・表示制御部、264・・・操作受付部、S・・・訓練システム