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特許7551586二次電池、電池パック、車両及び定置用電源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】二次電池、電池パック、車両及び定置用電源
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/38 20060101AFI20240909BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20240909BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240909BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20240909BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20240909BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20240909BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20240909BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20240909BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240909BHJP
【FI】
H01M10/38
H01M4/66 A
H01M50/533
H01M50/553
H01M50/534
H01M50/562
H01M50/536
H01M50/566
H01M50/548 301
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021150356
(22)【出願日】2021-09-15
(65)【公開番号】P2023042928
(43)【公開日】2023-03-28
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】保科 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】堀田 康之
(72)【発明者】
【氏名】吉間 一臣
(72)【発明者】
【氏名】松野 真輔
(72)【発明者】
【氏名】高見 則雄
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-219426(JP,A)
【文献】特表2013-534361(JP,A)
【文献】特開2017-076576(JP,A)
【文献】特開平09-147830(JP,A)
【文献】特開2020-155401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05-10/0587
H01M 10/36-10/39
H01M 4/66
H01M 50/531-50/567
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体と、前記正極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第1方向に沿って延出した正極タブと、前記正極集電体の表面の少なくとも一部に担持された正極活物質含有層とを含む、複数の正極と、
第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体と、前記負極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第2方向に沿って延出した負極タブと、前記負極集電体の表面の少なくとも一部に担持された負極活物質含有層とを含む、複数の負極と、
各正極と各負極の間に配置されるセパレータと、
前記各正極の前記正極タブの少なくとも一部が直接接している正極リードと、
前記各負極の前記負極タブの少なくとも一部が直接接している負極リードと、
水系電解質と
を含
前記各正極の前記正極タブが、前記複数の正極と前記複数の負極と前記セパレータとの積層方向において重なっていないか、前記積層方向において互いが重なる面積が前記正極タブの面積の20%以下であり、
前記各負極の前記負極タブが、前記積層方向に重なっていないか、前記積層方向において互いが重なる面積が前記負極タブの面積の20%以下である、二次電池。
【請求項2】
第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体と、前記正極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第1方向に沿って延出した正極タブと、前記正極集電体の表面の少なくとも一部に担持された正極活物質含有層とを含む、複数の正極と、
第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体と、前記負極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第2方向に沿って延出した負極タブと、前記負極集電体の表面の少なくとも一部に担持された負極活物質含有層とを含む、複数の負極と、
各正極と各負極の間に配置されるセパレータと、
前記複数の正極と前記複数の負極と前記セパレータとの積層方向と交差する第1接続面と、前記第1接続面の反対側に位置する第2接続面とを有する正極リードと、
前記積層方向と交差する第1接続面と、前記第1接続面の反対側に位置する第2接続面とを有する負極リードと、
水系電解質と
を含み
前記各正極の前記正極タブの少なくとも一部それぞれが、前記正極リードの前記第1接続面又は前記第2接続面の少なくとも一方に直接接しており、
前記各負極の前記負極タブの少なくとも一部それぞれが、前記負極リードの前記第1接続面又は前記第2接続面の少なくとも一方に直接接している、二次電池
【請求項3】
前記正極タブが前記正極集電体の前記一端部の複数箇所から前記第1方向に沿って延出した複数延出部を有し、前記各正極の前記正極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記正極リードと直接接しており、
前記負極タブが前記負極集電体の前記一端部の複数箇所から前記第2方向に沿って延出した複数延出部を有し、前記各負極の前記負極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記負極リードと直接接している、請求項1または請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記複数の正極は、第1正極と第2正極を含み、
前記第1正極の前記正極タブの少なくとも一部が、前記正極リードと直接接しており、
前記第2正極の前記正極タブの少なくとも一部が、前記正極リードと直接接しており、
前記正極リード上の前記第1正極の前記正極タブと、前記正極リード上の前記第2正極の前記正極タブの間に、互いを電気的に接続する連結部が設けられており、
前記複数の負極は、第1負極と第2負極を含み、
前記第1負極の前記負極タブの少なくとも一部が、前記負極リードと直接接しており、
前記第2負極の前記負極タブの少なくとも一部が、前記負極リードと直接接しており、
前記負極リード上の前記第1負極の前記負極タブと、前記負極リード上の前記第2負極の前記負極タブの間に、互いを電気的に接続する連結部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の二次電池。
【請求項5】
前記複数の正極は、第1正極と第2正極を含み、
前記第1正極と前記第2正極それぞれの前記正極タブが前記正極集電体の前記一端部の複数箇所から前記第1方向に沿って延出した複数延出部を有し、
前記第1正極の前記正極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記正極リードと直接接しており、
前記第2正極の前記正極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記正極リードと直接接しており、
前記正極リード上の前記第1正極の前記複数延出部と、前記正極リード上の前記第2正極の前記複数延出部の間に、互いを電気的に接続する連結部が設けられており、
前記複数の負極は、第1負極と第2負極を含み、
前記第1負極と前記第2負極それぞれの前記負極タブが前記負極集電体の前記一端部の複数箇所から前記第2方向に沿って延出した複数延出部を有し、
前記第1負極の前記負極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記負極リードと直接接しており、
前記第2負極の前記負極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記負極リードと直接接しており、
前記負極リード上の前記第1負極の前記複数延出部と、前記負極リード上の前記第2負極の前記複数延出部の間に、互いを電気的に接続する連結部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の二次電池。
【請求項6】
前記連結部は、接触、熱融着、及び導電性接着剤から選択される少なくとも1種から形成される、請求項または請求項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記正極集電体は、前記第1高分子材料からなるマトリクス成分と、前記マトリクス成分に混合され、前記第1導電性材料からなるフィラーとを含む導電性樹脂シートであり、
前記負極集電体は、前記第2高分子材料からなるマトリクス成分と、前記マトリクス成分に混合され、前記第2導電性材料からなるフィラーとを含む導電性樹脂シートである、請求項1~のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記正極リードは、Ti、ステンレス鋼、Al及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも1種を含むか、前記正極集電体と同じ材料から形成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記負極リードは、Al、Zn、Sn、Ni、Cu及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも1種を含むか、前記負極集電体と同じ材料から形成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項10】
請求項1~の何れか1項に記載の二次電池を具備した電池パック。
【請求項11】
通電用の外部端子と、保護回路とを更に具備する請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
複数の前記二次電池を具備し、前記二次電池が、直列、並列、又は、直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている請求項10又は11に記載の電池パック。
【請求項13】
請求項1~の何れか1項に記載の二次電池を具備する車両。
【請求項14】
請求項1~の何れか1項に記載の二次電池を具備する定置用電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、二次電池、電池パック、車両及び定置用電源に関する。
【背景技術】
【0002】
負極活物質として炭素材料又はリチウムチタン酸化物を、正極活物質としてニッケル、コバルト及びマンガン等を含有する層状酸化物用いた非水電解質電池、特にリチウム二次電池が、幅広い分野における電源として既に実用化されている。このような非水電解質電池の電解液には、有機溶媒が使用されている。非水電解質電池の安全性を高めるため、電解液の水溶液化の検討がなされている。
電解液を水溶液化する場合の問題点の1つとして、水の酸化還元分解などの副反応を生じることが挙げられる。副反応は電池のクーロン効率の低下を招く。副反応を抑制するため、正極または負極のうちの少なくとも一方の電極の集電体に導電性の樹脂シートを用いることが検討されている。
【0003】
導電性樹脂シートからなる集電体は、厚さ方向の抵抗が金属製集電体に比して大きい傾向があるため、集電体同士を重ねたものを他の導電部材に電気的に接続すると、この接続部分の抵抗が大きくなり、電池の抵抗が増加するという問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-219426号公報
【文献】特開平09-147830号公報
【文献】特開2017-76576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、副反応の抑制と、低抵抗化を達成可能な二次電池と、該二次電池を含む電池パック、車両及び定置用電源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によると、複数の正極と、複数の負極と、セパレータと、正極リードと、負極リードと、水系電解質とを含む二次電池が提供される。複数の正極は、第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体と、正極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第1方向に沿って延出した正極タブと、正極集電体の表面の少なくとも一部に担持された正極活物質含有層とを含む。複数の負極は、第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体と、負極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第2方向に沿って延出した負極タブと、負極集電体の表面の少なくとも一部に担持された負極活物質含有層とを含む。セパレータは各正極と各負極の間に配置される。各正極の正極タブの少なくとも一部が、正極リードと直接接している。各負極の負極タブの少なくとも一部が、負極リードと直接接している。また、各正極の正極タブが、複数の正極と複数の負極とセパレータとの積層方向において重なっていないか、前記の積層方向において互いが重なる面積が正極タブの面積の20%以下である。各負極の負極タブが、前記積層方向に重なっていないか、前記積層方向において互いが重なる面積が前記負極タブの面積の20%以下である。
また、実施形態によれば、複数の正極と、複数の負極と、セパレータと、正極リードと、負極リードと、水系電解質とを含む二次電池が提供される。複数の正極は、第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体と、正極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第1方向に沿って延出した正極タブと、正極集電体の表面の少なくとも一部に担持された正極活物質含有層とを含む。複数の負極は、第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体と、負極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第2方向に沿って延出した負極タブと、負極集電体の表面の少なくとも一部に担持された負極活物質含有層とを含む。セパレータは各正極と各負極の間に配置される。
正極リードは、複数の正極と複数の負極とセパレータとの積層方向と交差する第1接続面と、第1接続面の反対側に位置する第2接続面とを有する。負極リードは、前記積層方向と交差する第1接続面と、第1接続面の反対側に位置する第2接続面とを有する。各正極の正極タブの少なくとも一部それぞれが、正極リードの第1接続面又は第2接続面の少なくとも一方に直接接している。各負極の負極タブの少なくとも一部それぞれが、負極リードの第1接続面又は第2接続面の少なくとも一方に直接接している。
【0007】
他の実施形態によると、電池パックが提供される。電池パックは、実施形態に係る二次電池を含む。
【0008】
他の実施形態によると、車両が提供される。車両は、実施形態に係る二次電池を含む。
【0009】
他の実施形態によると、定置用電源が提供される。定置用電源は、実施形態に係る二次電池を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る二次電池の一例を概略的に示す平面図。
図2図1に示す二次電池の電極積層方向(z軸方向)に沿った断面を概略的に示す断面図。
図3】実施形態に係る二次電池の負極のz軸方向に沿って切断した断面を概略的に示す断面図。
図4図3に示す負極を概略的に示す平面図。
図5】実施形態に係る二次電池の正極のz軸方向に沿って切断した断面を概略的に示す断面図。
図6図5に示す正極を概略的に示す平面図。
図7】実施形態に係る二次電池の他の例における負極リードと負極タブの位置関係を概略的に示す平面図。
図8】実施形態に係る二次電池の他の例における負極リードと負極タブの位置関係を概略的に示す平面図。
図9】実施形態に係る二次電池の他の例における正極リードと正極タブの位置関係を概略的に示す平面図。
図10】実施形態に係る二次電池の他の例における正極リードと正極タブの位置関係を概略的に示す平面図。
図11】実施形態に係る二次電池のさらに他の例における負極リードと負極タブの位置関係を概略的に示す平面図。
図12】実施形態に係る二次電池のさらに他の例における負極リードと負極タブの位置関係を概略的に示す平面図。
図13】実施形態に係る二次電池の更に他の例における正極リードと正極タブの位置関係を概略的に示す平面図。
図14】実施形態に係る二次電池の更に他の例における正極リードと正極タブの位置関係を概略的に示す平面図。
図15】実施形態に係る電池パックの電気回路の一例を示すブロック図。
図16】実施形態に係る車両の一例を概略的に示す断面図。
図17】実施形態に係る定置用電源を含むシステムの一例を示すブロック図。
図18】比較例の二次電池を概略的に示す平面図。
図19図18に示す比較例の二次電池のタブとリードの接続部を概略的に示す断面図。
図20】実施形態に係る二次電池の他の例における負極リードと負極タブの位置関係を概略的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について適宜図面を参照して説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態によれば、複数の正極と、複数の負極と、セパレータと、正極リードと、負極リードと、水系電解質とを含む、二次電池が提供される。実施形態に係る二次電池は、リチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池などのアルカリ金属イオン二次電池であり得る。
【0013】
各正極は、第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体と、正極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第1方向に沿って延出した正極タブ(正極集電タブ)と、正極集電体の表面の少なくとも一部に担持された正極活物質含有層とを含む。各負極は、第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体と、負極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第2方向に沿って延出した負極タブ(負極集電タブ)と、負極集電体の表面の少なくとも一部に担持された負極活物質含有層とを含む。第2方向は、第1方向と同じでも、異なっていても良い。負極タブと正極タブの接触による短絡を防止するため、第2方向は第1方向と異なることが望ましい。セパレータは、各正極と各負極の間に配置される。各正極の正極タブの少なくとも一部が正極リードと直接接している。正極タブは、一つの延出部を有するものでも複数延出部を有するものでも良く、正極タブの表面の少なくとも一部が正極リードと直接接していれば良い。また、各負極の負極タブの少なくとも一部が、負極リードと直接接している。負極タブは、一つの延出部を有するものでも複数延出部を有するものでも良く、負極タブの表面の少なくとも一部が負極リードと直接接していれば良い。
【0014】
第1実施形態の二次電池の例を図1図14及び図20を参照して説明する。
【0015】
図1に示す二次電池1は、外装部材2と、電極群3と、複数の負極リード4と、複数の正極リード5と、負極タブ6bと、正極タブ7bとを備える。各負極リード4は、x軸方向に沿った第2方向に延び、負極リード4の先端部が外装部材2から外側に突出している。図1において、第2方向は、x軸方向に沿い、かつ後述する第1方向とは反対向きの方向である。また、各負極リード4は、xy面に沿った第1接続面と、第1接続面の反対側に位置する第2接続面とを有する。複数の負極リード4は、図2に例示される通り、先端部において重なり合い、例えば溶接によって互いが電気的に接続されている。一方、各正極リード5は、第1方向に延び、各正極リード5の先端部が外装部材2から外側に突出している。各正極リード5は、xy面に沿った第1接続面と、第1接続面の反対側に位置する第2接続面とを有する。複数の正極リードは、先端部において重なり合い、例えば溶接によって互いが電気的に接続されている。
【0016】
図2に例示される通り、電極群3は、複数の負極8と、複数の正極9と、複数のセパレータ10とを備える。図2は、正極9と負極8それぞれの主面がxy面に沿っており、正極9と負極8とセパレータ10の積層方向がz軸方向に沿っている。水系電解質(図示省略)は、電極群3(図示せず)に保持されている。図3及び図4に例示される通り、各負極8は、シート状の負極集電体6aと、負極集電体6aのy軸方向に沿った一端部(例えば短辺方向に平行な一端部)の一箇所からx軸方向に沿った第2方向に延出した短冊状の負極タブ6bと、負極集電体6aのxy面に沿った第1主面と第1主面と反対側に位置する第2主面に担持された負極活物質含有層11とを含む。第2方向は、x軸方向に沿い、かつ第1方向と反対向きの方向である。また、図5及び図6に例示される通り、各正極9は、シート状の正極集電体7aと、正極集電体のy軸方向に沿った一端部(例えば短辺方向に平行な一端部)の一箇所から第1方向に延出した短冊状の正極タブ7bと、正極集電体7aの第1主面と第1主面と反対側に位置する第2主面に担持された正極活物質含有層12とを含む。
【0017】
複数の負極8と複数の正極9と複数のセパレータ10は、負極活物質含有層11と正極活物質含有層12の間にセパレータ10が配置されるようにz軸方向に積層されている。電極群3の最外層は、例えば、セパレータ10であり得る。複数の負極8を上層側から第1負極8、第2負極82、第3負極83、第4負極84、第5負極85、第6負極86とする。第1負極8と第2負極82それぞれの負極タブ6bは、負極リード4の第1接続面に直接接続されている。図1に例示されている通り、負極リード4の第1接続面上において、第1負極8の負極タブ6bと第2負極82の負極タブ6bは、互いに物理的に接続されていない。第3負極83と第4負極84それぞれの負極タブ6bは、負極リード4の第2接続面に直接接続されている。負極リード4の第2接続面上において、第3負極83の負極タブ6bと第4負極84の負極タブ6bは、互いに物理的に接続されていない。また、第5負極85と第6負極86それぞれの負極タブ6bは、別の負極リード4の第1接続面に直接接続されている。負極リード4の第1接続面上において、第5負極85の負極タブ6bと第6負極86の負極タブ6bは、互いに物理的に接続されていない。
【0018】
負極リード4の先端部は、外装部材2の外側に配置されているが、負極リード4における負極タブ6bとの接続部は、外装部材2内に配置されている。
【0019】
複数の正極9を上層側から第1正極9、第2正極92、第3正極93、第4正極94、第5正極95、第6正極96とする。図示を省略するが、第1正極9と第2正極92それぞれの正極タブ7bは、正極リード5の第1接続面に直接接続されている。図1に例示されている通り、正極リード5の第1接続面上において、第1正極9の正極タブ7bと第2正極92の正極タブ7bは、互いに物理的に接続されていない。第3正極93と第4正極94それぞれの正極タブ7bは、正極リード5の第2接続面に直接接続されている。正極リード5の第2接続面上において、第3正極93の正極タブ7bと第4正極94の正極タブ7bは、互いに物理的に接続されていない。また、第5正極95と第6正極96それぞれの正極タブ7bは、別の正極リード5の第1接続面に直接接続されている。正極リード5の第1接続面上において、第5正極95の正極タブ7bと第6正極96の正極タブ7bは、互いに物理的に接続されていない。
【0020】
正極リード5の先端部は、外装部材2の外側に配置されているが、正極リード5における正極タブ7bとの接続部は、外装部材2内に配置されている。
【0021】
上記に示す構成の二次電池1において、正極集電体7aと正極タブ7bは、それぞれ、第1導電性材料及び第1高分子材料を含む。正極集電体7aを形成する材料と正極タブ7bを形成する材料は、互いに同じでも異なっていても良い。また、負極集電体6aと負極タブ6bは、それぞれ、第2導電性材料及び第2高分子材料を含む。負極集電体6aを形成する材料と負極タブ6bを形成する材料は、互いに同じでも異なっていても良い。またさらに、第1導電性材料と第2導電性材料は互いに同じでも異なっていても良く、第1高分子材料と第2高分子材料は互いに同じでも異なっていても良い。正負極集電体と正負極タブが、導電性材料及び高分子材料を含むものであるため、水の電気分解(水の酸化還元分解)に起因する副反応を抑制することができる。
【0022】
また、各負極8の負極タブ6bが負極リード4の第1接続面または第2接続面と直に接しており、各正極9の正極タブ7bが正極リード5の第1接続面または第2接続面と直に接している。これにより、全ての負極8が、負極リード4と直に接続された負極タブ6bによって負極リード4と電気的に接続されている。また、全ての正極9が、極リードと直に接続された極タブbによって極リードと電気的に接続されている。言い換えれば、二次電池は、後述の比較例に示す方法、すなわち負極タブ6b同士が重ね合わされたものを負極リード4に接合することにより負極8と負極リード4を電気的に接続する方法、正極タブ7b同士が重ね合わされたものを正極リード5に接合することにより正極9と正極リード5を電気的に接続する方法を用いていないので、抵抗を抑えることができる。
【0023】
従って、副反応が少なく、かつ低抵抗な二次電池を提供することができる。
【0024】
図1及び図2では、各負極が有する負極タブが1枚で、各正極が有する正極タブが1枚の例を説明したが、各負極の負極タブ、各正極の正極タブは1枚に限らず、複数にすることができる。また、図1及び図2では、正負極リードを複数枚にしたが、正負極リードの枚数はそれぞれ1枚にすることができる。この一例を以下に説明する。
【0025】
図7図10に示す例は、各負極の負極タブ、各正極の正極タブが2枚ずつで、正負極リードが1枚ずつの例である。図7図10に示す構成以外は、図1及び図2と同様なため、説明を省略する。
【0026】
図7図10に示す例の電極群3は、4枚の負極8と3枚の正極9を備える。各負極8は、負極集電体6aの短辺方向に平行な一端部から第2方向に延出した2枚の負極タブを備える。第1負極81が有する負極タブを負極タブ61、負極タブ62、第2負極82が有する負極タブを負極タブ63、負極タブ64、第3負極83が有する負極タブを負極タブ65、負極タブ66、第4負極84が有する負極タブを負極タブ67、負極タブ6とする。図20は、図7及び図8に示す負極タブと負極リードのx軸方向に沿った(y軸方向側から見た)断面図である。図20のz軸方向は、第1負極81から第4負極84と、第1正極91から第3正極93がセパレータ10を介して積層されている方向に平行である。
【0027】
各正極9は、正極集電体7aの短辺方向に平行な一端部から第1方向に延出した2枚の正極タブを備える。第1正極91が有する正極タブを正極タブ71、正極タブ72、第2正極92が有する正極タブを正極タブ73、正極タブ74、第3正極93が有する正極タブを正極タブ75、正極タブ76とする。
【0028】
図7に示す通り、負極リード4の第1接続面4aの上方に、第1負極81の負極タブ61、第1負極81の負極タブ62、第2負極82の負極タブ63、第2負極82の負極タブ64が互いから距離を隔てて配置されている。互いに隣り合う負極タブ62と負極タブ63は、図20に示す通り、負極リード4の第1接続面4aと接し、負極リード4の第1接続面4aに例えば熱融着により接合されている。これら負極タブ62と負極タブ63を間に挟んで位置する負極タブ61と負極タブ64は、図20に示す通り、負極リード4の第1接続面4aと接していない。このように、複数ある負極タブのうち、負極リードと接していないものがあってもよい。
【0029】
図8に示す通り、負極リード4の第2接続面4bの上方(図20では下方)に、第3負極83の負極タブ65、第3負極83の負極タブ66、第4負極84の負極タブ67、第4負極84の負極タブ68が互いから距離を隔てて配置されている。互いに隣り合う負極タブ66と負極タブ67は、図20に示す通り、負極リード4の第2接続面4bと接し、負極リード4の第2接続面4bに例えば熱融着により接合されている。これら負極タブ66と負極タブ67を間に挟んで位置する負極タブ65と負極タブ68は、図20に示す通り、負極リード4の第2接続面4bと接していない。
【0030】
正極については、図9に示す通り、正極リード5の第1接続面5aの上方に、第1正極91の正極タブ71、第1正極91の正極タブ72、第2正極92の正極タブ73、第2正極92の正極タブ74が互いから距離を隔てて配置されている。互いに間隔を開けて隣り合っている正極タブ72と正極タブ73は、正極リード5の第1接続面5a上に例えば熱融着により接合されている。これら正極タブ72と正極タブ73を間に挟んで位置する正極タブ71と正極タブ74は、正極リード5の第1接続面5aと接していない。
【0031】
図10に示す通り、正極リード5の第2接続面5bの上方に、第3正極93の正極タブ75、正極タブ76が互いから距離を隔てて配置されている。正極タブ76は、正極リード5の第2接続面5b上に例えば熱融着により接合されている。一方、正極タブ75は、正極リード5の第2接続面5bと接していない。
【0032】
上述した構成によると、全ての負極8が、負極リード4と直に接続された負極タブ62、63、66、67によって負極リード4と電気的に接続されている。また、全ての正極9が、正極リード5と直に接続された正極タブ72、73、76によって正極リード5と電気的に接続されている。これにより、電池の抵抗を抑えることができる。
【0033】
次いで、図11図14に示す例を説明する。図11図14に示す例は、正負極リードと接している正負極タブ間を電気的に接続する例である。図11図14に示す例における正負極リードと正負極タブの配置は、図7図10に示す場合と同様なため、説明を省略する。
【0034】
図11図12に示す負極タブ61、負極タブ62、負極タブ63、負極タブ64、負極タブ65、負極タブ66、負極タブ67、負極タブ6の配置は、図7図8に示す例と同様である。互いに隣り合う負極タブ62と負極タブ63の間に第1連結部13が設けられている。また、互いに隣り合う負極タブ66と負極タブ67の間に第2連結部14が設けられている。第1連結部13は負極タブ62と負極タブ63間を直接つなぐ導電経路を形成するものである。一方、第2連結部14は負極タブ66と負極タブ67間を直接つなぐ導電経路を形成するものである。
【0035】
図13図14に示す正極タブ71、正極タブ72、正極タブ73、正極タブ74、正極タブ75、正極タブ76の配置は、図9図10に示す例と同様である。正極タブ72と正極タブ73の間に、第3連結部15が設けられている。第3連結部15は、正極タブ72と正極タブ73間を直接つなぐ導電経路を形成するものである。
【0036】
上述した構成によると、各負極8の負極タブ6bが、負極リード4と直に接続されている。また、各正極9の正極タブ7bが、正極リード5と直に接続されている。さらに、互いに異なる負極と電気的に接続されている複数の負極タブ間が負極リード4に加えて連結部によって電気的に接続されている。互いに異なる正極と電気的に接続されている複数の正極タブ間が正極リード5に加えて連結部によって電気的に接続されている。これにより、電池の低抵抗化をさらに促進することができる。
【0037】
第1連結部~第3連結部は、電極タブ間の電気的接続が可能な構成であれば特に限定されるものではない。一例として、隣り合う電極タブの一方の一部を他方に重ねて接触させる、電極タブ同士を熱融着により接合する、電極タブ同士を導電性接着剤で接合するなどを挙げることができる。隣り合う電極タブの一方の一部を他方に重ねて接触させる場合、重ねる面積は片方の電極タブの面積のおおよそ20%以下となるようにする。
【0038】
以下、二次電池に含まれる各部材について説明する。
【0039】
(1)正極
正極は、第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体と、正極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第1方向に沿って延出した正極タブ(または正極集電タブ)と、正極集電体の少なくとも一方の主面上に担持された正極活物質含有層とを含む。正極活物質含有層は、正極活物質を含む。正極活物質含有層は、導電剤及び結着剤を更に含み得る。導電剤は、集電性能を高め、且つ活物質と集電体との接触抵抗を抑えるために、必要に応じて配合される。結着剤は、活物質、導電剤及び集電体を結着させる作用を有する。
【0040】
正極集電体は、第1導電性材料及び第1高分子材料を含む導電性シートであり得る。第1高分子材料の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンなどを使用することができる。第1導電性材料は、炭素質材料などの導電性フィラーを使用することが好ましい。炭素質材料の例として、カーボンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛、繊維状炭素、カーボンナノチューブなどを使用することができる。第1導電性材料及び第1高分子材料それぞれの種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0041】
正極集電体中の第1導電性材料の含有量は10質量%以上90質量%以下にすることができる。第1導電性材料の含有量が不足すると、必要な導電性を得られなくなる。また、第1導電性材料の含有量が多すぎると、集電体にクラックや欠けが生じやすい等の不具合を生じる。
【0042】
正極集電体中の第1高分子材料の含有量は10質量%以上90質量%以下にすることができる。第1高分子材料の含有量が不足すると、集電体に含まれるバインダー成分が少なくなるため、集電体にクラックや欠けが生じやすい等の不具合を生じる。また、第1高分子材料の含有量が多すぎると、集電体の抵抗が大きくなる。
【0043】
正極集電体は、第1高分子材料をマトリクス成分とし、マトリクス成分に導電性フィラーからなる第1導電性材料が混合された導電性樹脂シートであっても良い。
【0044】
正極集電体は、例えば、Tダイ法やインフレーション法などの押出成形法やカレンダー法などで作製することができる。
【0045】
正極集電体の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。
【0046】
正極タブは、正極集電体と一体となっているものであり得る。正極タブは、例えば、正極集電体と同じ材料から形成され得る。
【0047】
正極活物質としては、リチウムイオン吸蔵放出電位が金属リチウムを基準とする電位で、3V(vs.Li/Li)以上5.5V以下(vs.Li/Li)である化合物を用いることができる。正極は、1種類の正極活物質を含んでいてもよく、2種類以上の正極活物質を含んでいてもよい。
【0048】
正極活物質の例には、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルトアルミニウム複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、リチウム鉄酸化物、リチウムフッ素化硫酸鉄、オリビン結晶構造のリン酸化合物(例えば、LiFePO(0<x≦1)、LiMnPO(0<x≦1))などが含まれる。オリビン結晶構造のリン酸化合物は、熱安定性に優れている。
【0049】
高い正極電位の得られる正極活物質の例としては、例えばスピネル構造のLixMn(0<x≦1)、LiMnO(0<x≦1)などのリチウムマンガン複合酸化物、例えばLiNi1-yAl(0<x≦1、0<y<1)などのリチウムニッケルアルミニウム複合酸化物、例えばLiCoO(0<x≦1)などのリチウムコバルト複合酸化物、例えばLiNi1-y―zCoMn(0<x≦1、0<y<1、0≦z<1)などのリチウムニッケルコバルト複合酸化物、例えばLiMnCo1-y(0<x≦1、0<y<1)などのリチウムマンガンコバルト複合酸化物、例えばLiMn1-yNi(0<x≦1、0<y<2、0<1-y<1)などのスピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、例えばLiFePO(0<x≦1)、LiFe1-yMnPO(0<x≦1、0≦y≦1)、LiCoPO(0<x≦1)などのオリビン構造を有するリチウムリン酸化物、フッ素化硫酸鉄(例えばLiFeSOF(0<x≦1))が挙げられる。
【0050】
正極活物質は、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物及びオリビン構造を有するリチウムリン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。これら活物質の作動電位は、3.5V(vs.Li/Li)以上4.2V(vs.Li/Li)以下である。すなわち、これらの活物質の作動電位は比較的高い。これら正極活物質を、上述したスピネル型のチタン酸リチウムなどの負極活物質と組み合わせて使用することにより、高い電池電圧が得られる。
【0051】
正極活物質は、例えば、粒子の形態で正極に含まれている。正極活物質粒子は、単独の一次粒子、一次粒子の凝集体である二次粒子、あるいは、一次粒子と二次粒子の混合物であり得る。粒子の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、楕円形状、扁平形状、又は繊維状等にすることができる。
【0052】
正極活物質の一次粒子の平均粒子径(直径)は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上5μm以下である。正極活物質の二次粒子の平均粒子径(直径)は100μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上50μm以下である。
【0053】
正極活物質含有層において、正極活物質及び結着剤は、それぞれ、80質量%以上98質量%以下、及び2質量%以上20質量%以下の割合で配合することが好ましい。
【0054】
結着剤の量を2質量%以上にすることにより、十分な電極強度が得られる。また、結着剤は、絶縁体として機能し得る。そのため、結着剤の量を20質量%以下にすると、電極に含まれる絶縁体の量が減るため、内部抵抗を減少できる。
【0055】
導電剤を加える場合には、正極活物質、結着剤及び導電剤は、それぞれ、77質量%以上95質量%以下、2質量%以上20質量%以下、及び3質量%以上15質量%以下の割合で配合することが好ましい。
【0056】
導電剤の量を3質量%以上にすることにより、上述した効果を発揮することができる。また、導電剤の量を15質量%以下にすることにより、電解質と接触する導電剤の割合を低くすることができる。この割合が低いと、高温保存下において、電解質の分解を低減することができる。
【0057】
(2)正極リード
正極リードは、導電性であれば特に限定されるものではないが、例えば、金属、合金、炭素質材料あるいは正極集電体と同じ材料から形成され得る。
【0058】
正極リードの例として、Ti、ステンレス鋼、Al及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも1種を含むか、正極集電体と同じ材料から形成されているものを挙げることができる。
【0059】
(3)負極
負極は、第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体と、負極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第1方向と異なる第2方向に沿って延出した負極タブと、負極集電体の少なくとも一方の主面上に担持された負極活物質含有層とを含む。負極活物質含有層は、負極活物質を含んでいる。
【0060】
負極集電体は、第2導電性材料及び第2高分子材料を含む導電性シートであり得る。第2高分子材料の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンなどを使用することができる。第2導電性材料は、炭素質材料などの導電性フィラーを使用することが好ましい。炭素質材料の例として、カーボンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛、繊維状炭素、カーボンナノチューブなどを使用することができる。第2導電性材料及び第2高分子材料それぞれの種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0061】
負極集電体中の第2導電性材料の含有量は10質量%以上90質量%以下にすることができる。第2導電性材料の含有量が不足すると、必要な導電性を得られなくなる。また、第2導電性材料の含有量が多すぎると、集電体にクラックや欠けが生じやすい等の不具合を生じる。
【0062】
負極集電体中の第2高分子材料の含有量は10質量%以上90質量%以下にすることができる。第2高分子材料の含有量が不足すると、集電体に含まれるバインダー成分が少なくなるため、集電体にクラックや欠けが生じやすい等の不具合を生じる。また、第2高分子材料の含有量が多すぎると、集電体の抵抗が大きくなる。
【0063】
負極集電体は、第2高分子材料をマトリクス成分とし、マトリクス成分に第2導電性材料からなるフィラーが混合された導電性樹脂シートであっても良い。
【0064】
負極集電体は、例えば、Tダイ法やインフレーション法などの押出成形法やカレンダー法などで作製することができる。
【0065】
負極集電体の厚さは、5μm以上50μm以下であることが好ましい。このような厚さを有する集電体は、電極の強度と軽量化のバランスをとることができる。
【0066】
負極タブは、負極集電体と一体となっているものであり得る。負極タブは、例えば、負極集電体と同じ材料から形成され得る。
【0067】
負極活物質としては、リチウムイオン吸蔵放出電位が金属リチウムを基準とする電位で、1V(vs.Li/Li)以上3V以下(vs.Li/Li)である化合物を用いることができる。
【0068】
このような化合物として、具体的には、チタン酸化物、又はチタン含有酸化物を使用することができる。チタン含有酸化物としては、リチウムチタン複合酸化物、ニオブチタン複合酸化物、ナトリウムニオブチタン複合酸化物などを使用することができる。負極活物質は、チタン酸化物及びチタン含有酸化物を1種、又は2種以上含むことができる。
【0069】
チタン酸化物は、例えば、単斜晶構造のチタン酸化物、ルチル構造のチタン酸化物、アナターゼ構造のチタン酸化物を含む。各結晶構造のチタン酸化物は、充電前の組成をTiO2、充電後の組成をLiTiO(xは0≦x≦1)で表すことができる。また、単斜晶構造のチタン酸化物の充電前構造をTiO(B)と表すことができる。
【0070】
リチウムチタン酸化物は、例えば、スピネル構造のリチウムチタン酸化物(例えば一般式Li4+xTi12(xは-1≦x≦3))、ラムスデライト構造のリチウムチタン酸化物(例えば、Li2+xTi(-1≦x≦3))、Li1+xTi(0≦x≦1)、Li1.1+xTi1.8(0≦x≦1)、Li1.07+xTi1.86(0≦x≦1)、LiTiO(0<x≦1)などを含む。また、リチウムチタン酸化物は、異種元素が導入されているリチウムチタン複合酸化物であってもよい。
【0071】
ニオブチタン複合酸化物は、例えば、LiTiMNb2±β7±σ(0≦a≦5、0≦b≦0.3、0≦β≦0.3、0≦σ≦0.3、MはFe,V,Mo及びTaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素)で表されるものを含む。
【0072】
ナトリウムチタン複合酸化物は、例えば、一般式Li2+VNa2―WM1Ti6-y-zNbM214+δ(0≦v≦4、0≦w<2、0≦x<2、0≦y<6、0≦z<3、-0.5≦δ≦0.5、M1はCs,K,Sr,Ba,Caより選択される少なくとも1つを含み、M2はZr,Sn,V,Ta,Mo,W,Fe,Co,Mn,Alより選択される少なくとも1つを含む)で表される直方晶(orthorhombic)型Na含有ニオブチタン複合酸化物を含む。
【0073】
負極活物質としては、アナターゼ構造のチタン酸化物、単斜晶構造のチタン酸化物、スピネル構造のリチウムチタン酸化物又はこれらの混合物を用いることが好ましい。これらの酸化物を負極活物質として用いると、例えば正極活物質としてのリチウムマンガン複合酸化物と組み合わせることで、高い起電力を得ることができる。
【0074】
負極活物質は、例えば粒子の形態で負極活物質含有層に含まれている。負極活物質粒子は、一次粒子、一次粒子の凝集体である二次粒子、あるいは、単独の一次粒子及び二次粒子の混合物であり得る。粒子の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、楕円形状、扁平形状、及び繊維状などにすることができる。
【0075】
負極活物質の一次粒子の平均粒子径(直径)は3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01μm以上1μm以下である。負極活物質の二次粒子の平均粒子径(直径)は30μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上20μm以下である。
【0076】
負極活物質含有層は、負極活物質の他に、導電剤及び結着剤などを含んでいてもよい。導電剤は、集電性能を高め、且つ活物質と集電体との接触抵抗を抑えるために、必要に応じて配合される。結着剤は、活物質、導電剤及び集電体を結着させる作用を有する。
【0077】
導電剤の例には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛及びコークスなどの炭素質物が含まれる。導電剤は、1種類であってもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0078】
結着剤は、分散された活物質の間隙を埋め、また、活物質と負極集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene;PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidenefluoride;PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸化合物、イミド化合物、カルボキシルメチルセルロース(carboxymethylcellulose;CMC)、及びCMCの塩が含まれる。これらの1つを結着剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて結着剤として用いてもよい。
【0079】
負極活物質含有層における導電剤及び結着剤の配合比は、それぞれ、活物質100重量部に対して1重量部以上20重量部以下、0.1重量部以上10重量部以下の範囲であることが好ましい。導電剤の配合比が1重量部以上であると負極の導電性を良好にすることができ、20重量部以下であると導電剤表面での水系電解質の分解を低減することができる。結着剤の配合比が0.1重量部以上であると十分な電極強度が得られ、10重量部以下であると電極の絶縁部を減少させることができる。
【0080】
正極活物質及び負極活物質の結晶構造及び元素組成は、粉末X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定及び誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)発光分光法により確認することができる。
【0081】
(4)負極リード
負極リードは、導電性であれば特に限定されるものではないが、例えば、金属、合金、炭素質材料あるいは負極集電体と同じ材料から形成され得る。
【0082】
負極リードの例として、Al、Zn、Sn、Ni、Cu及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも1種を含むか、負極集電体と同じ材料から形成されているものを挙げることができる。
【0083】
(5)水系電解質
水系電解質は、水系溶媒と電解質塩とを含む。水系電解質は、例えば、液状である。液状水系電解質は、溶質としての電解質塩を水系溶媒に溶解することにより調製される水溶液である。負極活物質含有層及び正極活物質含有層の双方に水系電解質が保持されている場合、これら水系電解質の種類は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0084】
水溶液は、溶質となる塩1molに対し、水系溶媒量が1mol以上であることが好ましく、3.5mol以上であることがさらに好ましい。
【0085】
水系溶媒としては、水を含む溶液を用いることができる。水を含む溶液とは、純水であってもよく、水と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。水系溶媒は、例えば、水を50体積%以上の割合で含む。
【0086】
水系電解質に水が含まれていることは、GC-MS(ガスクロマトグラフィー-重量分析;Gas Chromatography - Mass Spectrometry)測定により確認できる。また、水系電解質中の塩濃度および水含有量は、例えばICP(誘導結合プラズマ;Inductively Coupled Plasma)発光分析などで測定することができる。水系電解質を規定量はかり取り、含まれる塩濃度を算出することで、モル濃度(mol/L)を算出できる。また水系電解質の比重を測定することで、溶質と溶媒のモル数を算出できる。
【0087】
水系電解質は、ゲル状電解質であってもよい。ゲル状電解質は、上述した液状水系電解質と、高分子化合物とを混合して複合化することにより調製される。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、及びポリエチレンオキシド(PEO)等を挙げることができる。
【0088】
電解質塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩又はこれらの混合物を用いることができる。電解質塩は、1種類又は2種類以上のものを使用することができる。
【0089】
リチウム塩として、例えば、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、水酸化リチウム(LiOH)、硫酸リチウム(Li2SO4)、硝酸リチウム(LiNO3)、酢酸リチウム(CH3COOLi)、シュウ酸リチウム(Li)、炭酸リチウム(LiCO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(LiTFSI;LiN(SO2CF32)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI;LiN(SO2F)2)、及びリチウムビスオキサレートボラート(LiBOB:LiB[(OCO)2]2)などを用いることができる。
【0090】
リチウム塩としては、LiClを含むことが好ましい。LiClを用いると、水系電解質のリチウムイオン濃度を高めることができる。また、リチウム塩は、LiClに加えて、LiSO4及びLiOHの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。
【0091】
ナトリウム塩としては、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、水酸化ナトリウム(NaOH)、硝酸ナトリウム(NaNO3)及びナトリウムトリフルオロメタンスルホニルアミド(NaTFSA)などを用いることができる。
【0092】
水系電解質におけるアルカリ金属イオン(例えばリチウムイオン)のモル濃度は、3mol/L以上であってもよく、6mol/L以上であってもよく、12mol/L以上であってもよい。一例によれば、水系電解質におけるアルカリ金属イオンのモル濃度は、14mol/L以下である。水系電解質中のアルカリ金属イオンの濃度が高いと、負極における水系溶媒の電気分解が抑制されやすく、負極からの水素発生が少ない傾向にある。
【0093】
水系電解質は、アニオン種として、塩素イオン(Cl)、水酸化物イオン(OH)、硫酸イオン(SO 2-)、硝酸イオン(NO )から選ばれる少なくとも1種以上を含むことが好ましい。
【0094】
水系電解質のpHは、3以上14以下であることが好ましく、4以上13以下であることがより好ましい。負極側電解質と、正極側電解質とで別々の電解質を用いる場合には、負極側電解質のpHは、3以上14以下の範囲内にあることが好ましく、正極側電解質のpHは、1以上8以下の範囲内にあることが好ましい。
【0095】
負極側電解質のpHが上記範囲内にあることにより、負極での水素発生電位が低下するため、負極での水素発生が抑制される。これにより、電池の保存性能及びサイクル寿命性能が向上する。正極側電解質のpHが上記範囲内にあることにより、正極での酸素発生電位が高くなるため、正極での酸素発生が減少する。これにより、電池の保存性能及びサイクル寿命性能が向上する。正極側電解質のpHは、3以上7.5以下の範囲内にあることがより好ましい。
【0096】
水系電解質は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、チオ尿素、3、3‘-ジチオビス(1-プロパンホス酸)2ナトリウム、ジメルカプトチアジアゾール、ホウ酸、シュウ酸、マロン酸、サッカリン、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ゼラチン、硝酸カリウム、芳香族アルデヒド、複素環アルデヒドなどの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0097】
(6)セパレータ
セパレータは、例えば、正極と負極との間に配置される。また、セパレータは、正極または負極の一方のみを被覆するものが含まれていても良い。
【0098】
セパレータは、多孔質構造を有することができる。多孔質セパレータとしては、例えば、不織布、フィルム及び紙などが挙げられる。不織布、フィルム及び紙などを構成する多孔質セパレータの構成材料の例に、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、並びに、セルロースが含まれる。好ましい多孔質セパレータの例に、セルロース繊維を含む不織布、ポリオレフィン繊維を含む多孔質フィルムを挙げることができる。
【0099】
多孔質セパレータの気孔率は60%以上にすることが好ましい。また、繊維径は10μm以下が好ましい。繊維径を10μm以下にすることで、電解質に対する多孔質セパレータの親和性が向上するので電池抵抗を小さくすることができる。繊維径のより好ましい範囲は3μm以下である。気孔率が60%以上のセルロース繊維含有不織布は、電解質の含浸性が良く、低温から高温まで高い出力性能を出すことができる。気孔率のより好ましい範囲は62%~80%である。
【0100】
多孔質セパレータは、厚さが20μm以上100μm以下、密度が0.2g/cm以上0.9g/cm以下であることが好ましい。この範囲であると、機械的強度と電池抵抗の軽減のバランスを取ることができ、高出力で内部短絡が抑制された二次電池を提供することができる。また、高温環境下でのセパレータの熱収縮が少なく、良好な高温貯蔵性能を出すことができる。
【0101】
セパレータとして、多孔質セパレータと、多孔質セパレータの片面もしくは両面に形成され、無機粒子を含む層とを含む複合セパレータを使用しても良い。無機粒子の例として、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素などを挙げることができる。
【0102】
セパレータとして固体電解質層を使用しても良い。固体電解質層は、固体電解質粒子と、高分子成分とを含み得る。固体電解質層は、固体電解質粒子のみからなっていてもよい。固体電解質層は、1種類の固体電解質粒子を含んでいてもよく、複数種類の固体電解質粒子を含んでいてもよい。固体電解質層は、可塑剤及び電解質塩からなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。固体電解質層が電解質塩を含んでいると、例えば、固体電解質層のアルカリ金属イオン伝導性をより高めることができる。なお、高分子材料の形態は、例えば、粒状、繊維状でありうる。
【0103】
固体電解質層は、シート状で、ピンホールのような細孔の少ない、又はないものであることが好ましい。固体電解質層の厚さは、特に制限されないが、例えば150μm以下であり、好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内にある。
【0104】
固体電解質層に用いる高分子成分は、水系溶媒に不溶な高分子成分が望ましい。この条件を満たす高分子成分には、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、フッ素含有高分子成分などが挙げられる。フッ素含有高分子成分を用いることにより、セパレータに撥水性を付与することができる。また、無機固体電解質は水に対する安定性が高く、かつリチウムイオン伝導度に優れている。リチウムイオン伝導性の無機固体電解質とフッ素含有高分子成分とを複合体化することにより、アルカリ金属イオン伝導性で柔軟性のある固体電解質層が実現可能となる。この固体電解質層からなるセパレータは、抵抗を低減することができるため、二次電池の大電流性能を向上することができる。
【0105】
フッ素含有高分子成分は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が挙げられる。フッ素含有高分子成分の種類は1種類または2種類以上にすることができる。
【0106】
固体電解質層が高分子成分を含む場合、固体電解質層に占める高分子成分の含有割合は1重量%以上20重量%以下が好ましい。この範囲であると、固体電解質層の厚さを10~100μmの範囲にした際に高い機械的強度が得られ、かつ抵抗を低減することができる。さらに、固体電解質がリチウムイオン伝導性を阻害する要因になる恐れが低い。当該割合のより好ましい範囲は3重量%以上10重量%以下である。
【0107】
固体電解質としては、無機固体電解質を用いることが好ましい。無機固体電解質としては、例えば、酸化物系固体電解質、又は硫化物系固体電解質を挙げることができる。酸化物系固体電解質としては、NASICON型構造を有し、一般式LiM2(PO43で表されるリチウムリン酸固体電解質を用いることが好ましい。上記一般式中のMは、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)からなる群より選ばれる少なくとも一種類以上の元素であることが好ましい。元素Mは、Ge、Zr及びTiの何れか1つの元素と、Alとを含むことがより好ましい。
【0108】
NASICON型構造を有するリチウムリン酸固体電解質の具体例としては、LATP(Li1+xAlTi2-x(PO)、Li1+xAlGe2-x(PO、Li1+xAlZr2-x(POを挙げることができる。上記式におけるxは、0<x≦5の範囲内にあり、0.1≦x≦0.5の範囲内にあることが好ましい。固体電解質としては、LATPを用いることが好ましい。LATPは、耐水性に優れ、二次電池内で加水分解を生じにくい。
【0109】
また、酸化物系固体電解質としては、アモルファス状のLIPON(Li2.9PO3.30.46)、又はガーネット型構造のLLZ(Li7La3Zr212)を用いてもよい。
【0110】
(7)外装部材
外装部材としては、例えば、金属製容器、ラミネートフィルム製容器、又は樹脂製容器を使用することができる。金属製容器としては、ニッケル、鉄、及びステンレスなどからなる金属缶で角形、円筒形の形状のものが使用できる。樹脂製容器としては、ポリエチレン又はポリプロピレンなどからなるものを用いることができる。
【0111】
ラミネートフィルムの厚さは、例えば、0.5mm以下であり、好ましくは、0.2mm以下である。
【0112】
ラミネートフィルムとしては、複数の樹脂層とこれらの樹脂層間に介在した金属層とを含む多層フィルムが用いられる。樹脂層は、例えば、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)等の高分子材料を含んでいる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔からなることが好ましい。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行うことにより、外装部材の形状に成形され得る。
【0113】
金属製容器の壁の厚さは、例えば、1mm以下であり、より好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは、0.2mm以下である。
【0114】
金属製容器は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金等から作られる。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、及びケイ素等の元素を含むことが好ましい。アルミニウム合金は、鉄、銅、ニッケル、及びクロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は100質量ppm以下であることが好ましい。
【0115】
外装部材の形状は、特に限定されない。外装部材の形状は、例えば、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、又はボタン型等であってもよい。外装部材は、電池寸法や電池の用途に応じて適宜選択することができる。
【0116】
実施形態に係る二次電池は、角形、円筒形、扁平型、薄型、コイン型等の様々な形態で使用され得る。二次電池は、バイポーラ構造を有する二次電池であってもよい。例えば、電極群が、1枚の集電体の片面に正極活物質含有層を備え、もう一方の面に負極活物質含有層を備えるバイポーラ構造を有するものであってもよい。この場合、複数直列のセルを1個のセルで作製できる利点がある。
【0117】
第1実施形態の二次電池によれば、第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体並びに正極タブを含む複数の正極と、第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体並びに負極タブを含む複数の負極と、各正極の正極タブの少なくとも一部が正極リードと直接接している正極リードと、各負極の前記負極タブの少なくとも一部が負極リードと直接接している負極リードと、水系電解質とを含む。これにより、副反応が抑制され、かつ低抵抗な二次電池を提供することができる。
【0118】
(第2実施形態)
第2実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第1実施形態に係る二次電池を具備している。この電池パックは、第1実施形態に係る二次電池を1つ具備していてもよく、複数個の二次電池で構成された組電池を具備していてもよい。
【0119】
第2実施形態に係る電池パックは、保護回路を更に具備することができる。保護回路は、二次電池の充放電を制御する機能を有する。或いは、電池パックを電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を、電池パックの保護回路として使用してもよい。
【0120】
また、第2実施形態に係る電池パックは、通電用の外部端子を更に具備することもできる。通電用の外部端子は、外部に二次電池からの電流を出力するため、及び/又は二次電池に外部からの電流を入力するためのものである。言い換えれば、電池パックを電源として使用する際、電流が通電用の外部端子を通して外部に供給される。また、電池パックを充電する際、充電電流(自動車などの動力の回生エネルギーを含む)は通電用の外部端子を通して電池パックに供給される。
【0121】
次に、第2実施形態に係る電池パックの一例について、図面を参照しながら説明する。
【0122】
図15は、電池パックの電気回路の一例を示すブロック図である。
【0123】
図15に示す電池パックは、組電池200と、配線23とを備えている。組電池200は、複数の単電池100と、正極側リード21と、負極側リード22と、後述するプリント配線基板とを備えている。複数の単電池100の少なくとも1つは、第1の実施形態に係る二次電池である。複数の単電池100の各々は、図15に示すように電気的に直列に接続されている。複数の単電池100は、電気的に並列に接続されていてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されていてもよい。複数の単電池100を並列接続すると、直列接続した場合と比較して、電池容量が増大する。
【0124】
粘着テープは、複数の単電池100を締結している。粘着テープの代わりに、熱収縮テープを用いて複数の単電池100を固定してもよい。この場合、組電池200の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて複数の単電池100を結束させる。
【0125】
正極側リード21の一端は、単電池100の積層体において、最下層に位置する単電池100の正極端子に接続されている。負極側リード22の一端は、単電池100の積層体において、最上層に位置する単電池100の負極端子に接続されている。
【0126】
プリント配線基板は、正極側コネクタ341と、負極側コネクタ342と、サーミスタ343と、保護回路344と、配線345及び346と、通電用の外部端子347と、プラス側配線348aと、マイナス側配線348bとを備えている。
【0127】
正極側コネクタ341には、貫通孔が設けられている。この貫通孔に、正極側リード21の他端が挿入されることにより、正極側コネクタ341と正極側リード21とは電気的に接続される。負極側コネクタ342には、貫通孔が設けられている。この貫通孔に、負極側リード22の他端が挿入されることにより、負極側コネクタ342と負極側リード22とは電気的に接続される。
【0128】
サーミスタ343は、プリント配線基板の一方の主面に固定されている。サーミスタ343は、単電池100の各々の温度を検出し、その検出信号を保護回路344に送信する。
【0129】
通電用の外部端子347は、プリント配線基板の他方の主面に固定されている。通電用の外部端子347は、電池パックの外部に存在する機器と電気的に接続されている。
【0130】
保護回路344は、プリント配線基板の他方の主面に固定されている。保護回路344は、プラス側配線348aを介して通電用の外部端子347と接続されている。保護回路344は、マイナス側配線348bを介して通電用の外部端子347と接続されている。また、保護回路344は、配線345を介して正極側コネクタ341に電気的に接続されている。保護回路344は、配線346を介して負極側コネクタ342に電気的に接続されている。更に、保護回路344は、複数の単電池100の各々と配線23を介して電気的に接続されている。
【0131】
保護回路344は、複数の単電池100の充放電を制御する。また、保護回路344は、サーミスタ343から送信される検出信号、又は、個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号に基づいて、保護回路344と通電用の外部端子347との電気的な接続を遮断する。
【0132】
サーミスタ343から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の温度が所定の温度以上であることを検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の過充電、過放電及び過電流を検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100について過充電等を検出する場合、電池電圧を検出してもよく、正極電位又は負極電位を検出してもよい。後者の場合、参照極として用いるリチウム電極を個々の単電池100に挿入する。
【0133】
なお、保護回路344としては、電池パックを電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を用いてもよい。
【0134】
また、この電池パックは、上述したように通電用の外部端子347を備えている。したがって、この電池パックは、通電用の外部端子347を介して、組電池200からの電流を外部機器に出力するとともに、外部機器からの電流を、組電池200に入力することができる。言い換えると、電池パックを電源として使用する際には、組電池200からの電流が、通電用の外部端子347を通して外部機器に供給される。また、電池パックを充電する際には、外部機器からの充電電流が、通電用の外部端子347を通して電池パックに供給される。この電池パックを車載用電池として用いた場合、外部機器からの充電電流として、車両の動力の回生エネルギーを用いることができる。
【0135】
なお、電池パックは、複数の組電池200を備えていてもよい。この場合、複数の組電池200は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。また、プリント配線基板及び配線23は省略してもよい。この場合、正極側リード21及び負極側リード22を通電用の外部端子として用いてもよい。
【0136】
このような電池パックは、例えば大電流を取り出したときにサイクル性能が優れていることが要求される用途に用いられる。この電池パックは、具体的には、電子機器の電源、定置用電池、及び各種車両の車載用電池として用いられる。電子機器としては、例えば、デジタルカメラを挙げることができる。この電池パックは、車載用電池として特に好適に用いられる。
【0137】
第2実施形態に係る電池パックは、第1実施形態に係る二次電池を備えている。従って、第2実施形態に係る電池パックは、副反応を抑えることができると共に、低抵抗を実現できる。
【0138】
(第3実施形態)
第3実施形態によると、車両が提供される。この車両は、第2実施形態に係る電池パックを搭載している。
【0139】
第3実施形態に係る車両において、電池パックは、例えば、車両の動力の回生エネルギーを回収するものである。車両は、車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構を含み得る。
【0140】
車両の例としては、例えば、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車、及び鉄道用車両が挙げられる。
【0141】
車両における電池パックの搭載位置は、特には限定されない。例えば、電池パックを自動車に搭載する場合、電池パックは、車両のエンジンルーム、車体後方又は座席の下に搭載することができる。
【0142】
車両は、複数の電池パックを搭載してもよい。この場合、電池パックは、電気的に直列に接続されてもよく、電気的に並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。
【0143】
次に、第3実施形態に係る車両の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0144】
図16は、第3実施形態に係る車両の一例を概略的に示す断面図である。
【0145】
図16に示す車両400は、車両本体40と、第2実施形態に係る電池パック300とを含んでいる。図16に示す例では、車両400は、四輪の自動車である。
【0146】
車両400は、複数の電池パック300を搭載してもよい。この場合、電池パック300は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。
【0147】
図16では、電池パック300が車両本体40の前方に位置するエンジンルーム内に搭載されている例を図示している。上述したとおり、電池パック300は、例えば、車両本体40の後方又は座席の下に搭載してもよい。この電池パック300は、車両400の電源として用いることができる。また、この電池パック300は、車両400の動力の回生エネルギーを回収することができる。
【0148】
第3実施形態に係る車両は、実施形態に係る二次電池又は電池パックを搭載している。それ故、本実施形態によれば、副反応が少なく、かつ低抵抗な二次電池を具備した車両を提供することができる。
【0149】
(第4実施形態)
第4実施形態によると、定置用電源が提供される。この定置用電源は、実施形態に係る電池パックを搭載している。なお、この定置用電源は、第2実施形態に係る電池パックの代わりに、第1実施形態に係る二次電池又は組電池を搭載していてもよい。
【0150】
図17は、第4実施形態に係る定置用電源を含むシステムの一例を示すブロック図である。図17は、第2実施形態に係る電池パック300A、300Bの使用例として、定置用電源112、123への適用例を示す図である。図17に示す一例では、定置用電源112,123が用いられるシステム110が示される。システム110は、発電所111、定置用電源112、需要家側電力系統113及びエネルギー管理システム(EMS)115を備える。また、システム110には、電力網116及び通信網117が形成され、発電所111、定置用電源112、需要家側電力系統113及びEMS115は、電力網116及び通信網117を介して、接続される。EMS115は、電力網116及び通信網117を活用して、システム110全体を安定化させる制御を行う。
【0151】
発電所111は、火力及び原子力等の燃料源によって、大容量の電力を生成する。発電所111からは、電力網116等を通して電力が供給される。また、定置用電源112には、電池パック300Aが搭載される。電池パック300Aは、発電所111から供給される電力等を蓄電できる。また、定置用電源112は、電池パック300Aに蓄電された電力を、電力網116等を通して供給できる。システム110には、電力変換装置118が設けられる。電力変換装置118は、コンバータ、インバータ及び変圧器等を含む。したがって、電力変換装置118は、直流と交流との間の変換、互いに対して周波数が異なる交流の間の変換、及び、変圧(昇圧及び降圧)等を行うことができる。このため、電力変換装置118は、発電所111からの電力を、電池パック300Aへ蓄電可能な電力に変換できる。
【0152】
需要家側電力系統113には、工場用の電力系統、ビル用の電力系統、及び、家庭用の電力系統等が、含まれる。需要家側電力系統113は、需要家側EMS121、電力変換装置122及び定置用電源123を備える。定置用電源123には、電池パック300Bが搭載される。需要家側EMS121は、需要家側電力系統113を安定化させる制御を行う。
【0153】
需要家側電力系統113には、発電所111からの電力、及び、電池パック300Aからの電力が、電力網116を通して供給される。電池パック300Bは、需要家側電力系統113に供給された電力を蓄電できる。また、電力変換装置122は、電力変換装置118と同様に、コンバータ、インバータ及び変圧器等を含む。したがって、電力変換装置122は、直流と交流との間の変換、互いに対して周波数が異なる交流の間の変換、及び、変圧(昇圧及び降圧)等を行うことができる。このため、電力変換装置122は、需要家側電力系統113に供給された電力を、電池パック300Bへ蓄電可能な電力に変換できる。
【0154】
なお、電池パック300Bに蓄電された電力は、例えば、電気自動車等の車両の充電等に用いることができる。また、システム110には、自然エネルギー源が設けられてもよい。この場合、自然エネルギー源は、風力及び太陽光等の自然エネルギーによって、電力を生成する。そして、発電所111に加えて自然エネルギー源からも、電力網116を通して、電力が供給される。
【0155】
第4実施形態に係る定置用電源は、実施形態に係る二次電池を具備している。それ故、本実施形態によれば、副反応が抑えられ、かつ低抵抗な二次電池を具備した定置用電源を提供することができる。
【0156】
[実施例]
以下に実施例を説明するが、実施形態は、以下に記載される実施例に限定されるものではない。
【0157】
(実施例1)
<負極の作製>
負極活物質として、式Li4Ti512で表される組成を有するチタン複合酸化物の粒子を準備した。導電剤としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを準備した。これらを、負極活物質:AB:PVdFの質量比が90:5:5となるようにn-メチルピロリドン(NMP)溶媒中で混合し、スラリーを得た。このスラリーを負極集電体の表裏両方の主面上に負極タブとなるべき部分を除いて塗布し、塗膜を乾燥させて負極活物質含有層を形成した。負極集電体として、ポリプロピレン(PP)からなるマトリクス成分を70質量%と導電性フィラーとしてカーボンブラック(CB)を30質量%からなる厚さが40μmの導電性樹脂シートを用意した。負極タブは、負極集電体の短辺方向に沿った一端部の2か所を第2方向に延出させたものであった。負極活物質含有層の片面当たりの塗布量は50g/m2とした。
【0158】
乾燥後、負極集電体上の負極活物質含有層にロールプレスを施して負極活物質含有層の密度を2.0 g/cm3にした。次いで、この複合体を真空乾燥に供し、負極を得た。
【0159】
<正極の作製>
正極活物質として、式LiNi0.33Co0.33Mn0.342(表1でNCM333と表示)で表されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の粒子を準備した。また、導電剤としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを用意した。これらを、正極活物質:AB:PVdFの質量比が90:5:5となるように混合して混合物を得た。次に、得られた混合物をn-メチルピロリドン(NMP)溶媒中に分散して、正極スラリーを調製した。このスラリーを正極集電体の表裏両方の主面上に正極タブとなるべき部分を除いて塗布し、塗膜を乾燥させて正極活物質含有層を形成した。正極集電体として、ポリプロピレン(PP)からなるマトリクス成分を70質量%と導電性フィラーとしてカーボンブラック(CB)を30質量%からなる厚さが40μmの導電性樹脂シートを用意した。正極タブは、正極集電体の短辺方向に沿った一端部の2か所を第1方向に延出させたものであった。正極活物質含有層の片面当たりの塗布量は50g/m2とした。
【0160】
乾燥後、正極集電体上の正極活物質含有層にロールプレスを施して正極活物質含有層の密度を3.0g/cm3にした。次いで、この複合体を真空乾燥に供し、正極を得た。
【0161】
<電極群の製造>
厚さが15μmであるポリエチレン(PE)多孔質フィルムの両面にアルミナ粒子を含む層を3μm形成したものをセパレータとして用意した。次いで、用意したセパレータと上記負極と上記正極とを、負極、セパレータ、正極、及びセパレータの順で積層し、積層体からなる電極群を得た。使用した負極は4枚で、電極群の上層側から第1、第2、第3、第4の負極とする。使用した正極は3枚で、電極群の上層側から第1、第2、第3の正極とする。負極タブの延出方向は、図2に示すx軸に沿った第2方向であった。また、正極タブの延出方向は、図2に示すx軸に沿った、第2方向と反対向きの第1方向であった。
【0162】
負極リード、正極リードとして、厚さが200μmの帯状のアルミニウム板を1枚ずつ用意した。
【0163】
図7に示す通り、負極リード4の第1接続面4aの上方に、第1負極8の負極タブ61、第1負極8の負極タブ62、第2負極8の負極タブ63、第2負極8の負極タブ64を互いから距離を隔てて配置した。第1負極8の負極タブ61を除いた残り3つの負極タブ62、負極タブ63、第2負極8の負極タブ64を負極リード4の第1接続面4aにタブに含まれるPPを熱融着させることにより接合した。熱融着は、タブを150℃に加熱することで行った。負極タブ61は、負極リード4の第1接続面4aと接していない。
【0164】
図8に示す通り、負極リード4の第2接続面4bの上方に、第3負極8の負極タブ65、第3負極8の負極タブ66、第4負極8の負極タブ67、第4負極8の負極タブ68を互いから距離を隔てて配置した。これら4つの負極タブを負極リード4の第2接続面4bにタブに含まれるPPを熱融着させることにより接合した。
【0165】
正極については、図9に示す通り、正極リード5の第1接続面5aの上方に、第1正極9の正極タブ71、第1正極9の正極タブ72、第2正極9の正極タブ73、第2正極9の正極タブ74を互いから距離を隔てて配置した。第1正極9の正極タブ71を除いた残り3つの正極タブ72、正極タブ73、正極タブ74を正極リード5の第1接続面5a上にタブに含まれるPPを熱融着させることにより接合した。熱融着は、タブを150℃に加熱することで行った。正極タブ71は、正極リード5の第1接続面5aと接していない。
【0166】
図10に示す通り、正極リード5の第2接続面5bの上方に、第3正極9の正極タブ75、正極タブ76を互いから距離を隔てて配置した。これら二つ正極タブ75、正極タブ76を正極リード5の第1接続面5a上にタブに含まれるPPを熱融着させることにより接合した。
【0167】
以上のようにして作製した電極群を、注液口を有するアルミニウム含有ラミネートフィルム製外装部材で覆った。次いで、水系電解質を注液口から注入した後、注入口を塞ぐことで外装部材を液密に封止した。水系電解質として、塩化リチウム(LiCl)を含む水溶液からなる電解液を調製した。この水溶液の塩化リチウムの濃度は、12mol/Lであった。
【0168】
上記方法で実施例1の二次電池を製造した。
(実施例2)
正負極タブと正負極リードとの接続方法を下記の通りに変更すること以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。
【0169】
図7に示す通り、負極リード4の第1接続面4aの上方に、第1負極8の負極タブ61、第1負極8の負極タブ62、第2負極8の負極タブ63、第2負極8の負極タブ64を互いから距離を隔てて配置した。図20に示す通り、互いに隣り合う負極タブ62と負極タブ63を負極リード4の第1接続面4aに実施例1と同様な条件での熱融着により接合した。これら負極タブ62と負極タブ63を間に挟んで位置する負極タブ61と負極タブ64は、図20に示す通り、負極リード4の第1接続面4aと接していない。
【0170】
図8に示す通り、負極リード4の第2接続面4bの上方に、第3負極8の負極タブ65、第3負極8の負極タブ66、第4負極8の負極タブ67、第4負極8の負極タブ68を互いから距離を隔てて配置した。図20に示す通り、互いに隣り合う負極タブ66と負極タブ67を負極リード4の第2接続面4bに実施例1と同様な条件での熱融着により接合した。これら負極タブ66と負極タブ67を間に挟んで位置する負極タブ65と負極タブ68は、図20に示す通り、負極リード4の第2接続面4bと接していない。
【0171】
以上のようにして各負極の2枚の負極タブのうち、一方を負極リードに電気的に接続し、他方を負極リードに非接合とした。
【0172】
正極については、図9に示す通り、正極リード5の第1接続面5aの上方に、第1正極9の正極タブ71、第1正極9の正極タブ72、第2正極9の正極タブ73、第2正極9の正極タブ74を互いから距離を隔てて配置した。互いに間隔を開けて隣り合っている正極タブ72と正極タブ73を正極リード5の第1接続面5a上に実施例1と同様な条件での熱融着により接合した。これら正極タブ72と正極タブ73を間に挟んで位置する正極タブ71と正極タブ74は、正極リード5の第1接続面5aと接していない。
【0173】
図10に示す通り、正極リード5の第2接続面5bの上方に、第3正極9の正極タブ75、正極タブ76を互いから距離を隔てて配置した。正極タブ76を正極リード5の第2接続面5b上に実施例1と同様な条件での熱融着により接合した。一方、正極タブ75は、正極リード5の第2接続面5bと接していない。
【0174】
以上のようにして各正極の2枚の正極タブのうち、一方を正極リードに電気的に接続し、他方を正極リードに非接合とした。
(実施例3)
正負極タブと正負極リードとの接続方法を下記の通りに変更すること以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。
【0175】
まず、実施例2で説明したのと同様な方法により、各負極の2枚の負極タブのうち、一方を負極リードに電気的に接続し、他方を負極リードに非接合とした。
【0176】
また、実施例2で説明したのと同様な方法により、各正極の2枚の正極タブのうち、一方を正極リードに電気的に接続し、他方を正極リードに非接合とした。
【0177】
図11に示す通り、負極リード4の第1接続面4aにおいて、負極タブ62の第2方向に沿う端部上に負極タブ63の第2方向に沿う端部を重ね、負極タブ62と負極タブ63を電気的に接続する第1連結部13を設けた。また、図12に示す通り、負極リード4の第2接続面4bにおいて、負極タブ66の第2方向に沿う端部上に負極タブ67の第2方向に沿う端部を重ね、負極タブ66と負極タブ67を電気的に接続する第2連結部14を設けた。
【0178】
また、図13に示す通り、正極リード5の第1接続面5aにおいて、正極タブ72の第1方向に沿う端部上に正極タブ73の第1方向に沿う端部を重ね、正極タブ72と正極タブ73を電気的に接続する第3連結部15を設けた。
【0179】
以上のようにして実施例3の二次電池を製造した。
(比較例1)
図18図19に示す構造の比較例1の二次電池を以下の方法により製造した。図18は、比較例の二次電池の電極群を示す概略図で、図19は、図18のA部の積層方向に沿った断面図である。
【0180】
<負極の作製>
実施例1で説明したのと同様な組成のスラリーを負極集電体の表裏両方の主面上に負極タブとなるべき部分を除いて塗布し、塗膜を乾燥させて負極活物質含有層を形成した。負極集電体として、厚さが15μmのアルミニウム箔を用意した。負極タブは、負極集電体の短辺方向に沿った一端部の1か所を第2方向に延出させたものであった。負極活物質含有層の片面当たりの塗布量は50g/m2とした。
【0181】
乾燥後、負極集電体上の負極活物質含有層にロールプレスを施して負極活物質含有層の密度を2.0g/cm3にした。次いで、この複合体を真空乾燥に供し、負極を得た。
【0182】
<正極の作製>
実施例1で説明したのと同様な組成のスラリーを正極集電体の表裏両方の主面上に正極タブとなるべき部分を除いて塗布し、塗膜を乾燥させて正極活物質含有層を形成した。正極集電体として、厚さが15μmのアルミニウム箔を用意した。正極タブは、正極集電体の短辺方向に沿った一端部の1か所を第1方向に延出させたものであった。正極活物質含有層の片面当たりの塗布量は50g/m2とした。
【0183】
乾燥後、正極集電体上の正極活物質含有層にロールプレスを施して正極活物質含有層の密度を3.0g/cm3にした。次いで、この複合体を真空乾燥に供し、正極を得た。
【0184】
<電極群の製造>
上記負極と上記正極と実施例1で用意したのと同様なセパレータとを、負極、セパレータ、正極、及びセパレータの順で積層し、積層体からなる電極群30を得た。使用した負極は4枚であった。使用した正極は3枚であった。負極タブ31の延出方向は、図18に示すx軸に沿った第2方向であった。また、正極タブ32の延出方向は、図18のx軸に沿った第1方向であった。
【0185】
負極リード、正極リードとして、実施例1と同様な帯状のアルミニウム板を1枚ずつ用意した。
【0186】
図19に示す通り、4枚の負極タブ31をz軸方向に重ねたものを負極リード33上に配置し、これらを超音波溶接にて接続させた。また、3枚の正極タブ32をz軸方向に重ねたものを正極リード上に配置し、これらを超音波溶接にて接続させた。
【0187】
以上のようにして作製した電極群を、注液口を有するアルミニウム含有ラミネートフィルム製外装部材で覆った。次いで、実施例1と同様な組成の水系電解質を注液口から注入した後、注入口を塞ぐことで外装部材を液密に封止した。上記方法で比較例1の二次電池を製造した。
(比較例2)
図18図19に示す構造の比較例2の二次電池を以下の方法により製造した。
【0188】
<負極の作製>
実施例1で説明したのと同様な組成のスラリーを負極集電体の表裏両方の主面上に負極タブとなるべき部分を除いて塗布し、塗膜を乾燥させて負極活物質含有層を形成した。負極集電体として、実施例1と同様な樹脂シートを用意した。負極タブは、負極集電体の短辺方向に沿った一端部の1か所を第2方向に延出させたものであった。負極活物質含有層の片面当たりの塗布量は50g/m2とした。
【0189】
乾燥後、負極集電体上の負極活物質含有層にロールプレスを施して負極活物質含有層の密度を2.0g/cm3にした。次いで、この複合体を真空乾燥に供し、負極を得た。
【0190】
<正極の作製>
実施例1で説明したのと同様な組成のスラリーを正極集電体の表裏両方の主面上に正極タブとなるべき部分を除いて塗布し、塗膜を乾燥させて正極活物質含有層を形成した。正極集電体として、実施例1と同様な樹脂シートを用意した。正極タブは、正極集電体の短辺方向に沿った一端部の1か所を第1方向に延出させたものであった。正極活物質含有層の片面当たりの塗布量は50g/m2とした。
【0191】
乾燥後、正極集電体上の正極活物質含有層にロールプレスを施して正極活物質含有層の密度を3.0g/cm3にした。次いで、この複合体を真空乾燥に供し、正極を得た。
【0192】
<電極群の製造>
上記負極と上記正極と実施例1で用意したのと同様なセパレータとを、負極、セパレータ、正極、及びセパレータの順で積層し、積層体からなる電極群30を得た。使用した負極は4枚であった。使用した正極は3枚であった。負極タブ31の延出方向は、図18に示すx軸に沿った第2方向であった。また、正極タブ32の延出方向は、図18のx軸に沿った第1方向であった。
【0193】
負極リード、正極リードとして、実施例1と同様な帯状のアルミニウム板を1枚ずつ用意した。
【0194】
図19に示す通り、4枚の負極タブ31をz軸方向に重ねたものを負極リード33上に配置し、これらを熱融着にて接続させた。また、3枚の正極タブ32をz軸方向に重ねたものを正極リード上に配置し、これらを熱融着にて接続させた。
【0195】
以上のようにして作製した電極群を、注液口を有するアルミニウム含有ラミネートフィルム製外装部材で覆った。次いで、実施例1と同様な組成の水系電解質を注液口から注入した後、注入口を塞ぐことで外装部材を液密に封止した。上記方法で比較例2の二次電池を製造した。
【0196】
作製した電池のサイクル性能として、25℃、0.5Cにおいて100サイクル後の容量維持率を測定した。充電は定電流定電圧方式で行い、電流値0.5C、電圧は2.6Vとした。充電終止時間は150分とした。放電は定電流方式で行い、電流値0.5C, 放電終止電圧を1.5Vとした。充電および放電終了後の休止時間は設けなかった。その結果を表1に示す。
【0197】
【表1】
【0198】
表1から明らかな通り、実施例1~3の二次電池は、サイクル容量維持率が、比較例1,2の二次電池に比して優れている。これは、実施例1~3の二次電池によると、水の電気分解反応が抑えられ、かつ抵抗が低くなるためである。一方、比較例1の二次電池では、水の電気分解によるクーロン効率の低下によってサイクル寿命が短くなった。また、比較例2の二次電池では、水の電気分解が抑えられたものの、抵抗が高く、サイクル寿命が短くなった。
【0199】
実施例1~3を比較すると、リードと直に接するタブの枚数が最も多い実施例1の容量維持率が高いことがわかる。
【0200】
以上述べた少なくとも1つの実施形態の二次電池は、第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体並びに正極タブを含む複数の正極と、第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体並びに負極タブを含む複数の負極と、各正極の正極タブの少なくとも一部が正極リードと直接接している正極リードと、各負極の前記負極タブの少なくとも一部が負極リードと直接接している負極リードと、水系電解質とを含む。これにより、副反応が抑制され、かつ低抵抗な二次電池を提供することができる。
【0201】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 第1導電性材料及び第1高分子材料を含む正極集電体と、前記正極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第1方向に沿って延出した正極タブと、前記正極集電体の表面の少なくとも一部に担持された正極活物質含有層とを含む、複数の正極と、
第2導電性材料及び第2高分子材料を含む負極集電体と、前記負極集電体の一端部の少なくとも一箇所から第2方向に沿って延出した負極タブと、前記負極集電体の表面の少なくとも一部に担持された負極活物質含有層とを含む、複数の負極と、
各正極と各負極の間に配置されるセパレータと、
前記各正極の前記正極タブの少なくとも一部が直接接している正極リードと、
前記各負極の前記負極タブの少なくとも一部が直接接している負極リードと、
水系電解質と
を含む、二次電池。
[2] 前記正極タブが前記正極集電体の前記一端部の複数箇所から前記第1方向に沿って延出した複数延出部を有し、前記各正極の前記正極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記正極リードと直接接しており、
前記負極タブが前記負極集電体の前記一端部の複数箇所から前記第2方向に沿って延出した複数延出部を有し、前記各負極の前記負極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記負極リードと直接接している、[1]に記載の二次電池。
[3] 前記複数の正極は、第1正極と第2正極を含み、
前記第1正極の前記正極タブの少なくとも一部が、前記正極リードと直接接しており、前記第2正極の前記正極タブの少なくとも一部が、前記正極リードと直接接しており、前記正極リード上の前記第1正極の前記正極タブと、前記正極リード上の前記第2正極の前記正極タブの間に、互いを電気的に接続する連結部が設けられており、
前記複数の負極は、第1負極と第2負極を含み、
前記第1負極の前記負極タブの少なくとも一部が、前記負極リードと直接接しており、前記第2負極の前記負極タブの少なくとも一部が、前記負極リードと直接接しており、前記負極リード上の前記第1負極の前記負極タブと、前記負極リード上の前記第2負極の前記負極タブの間に、互いを電気的に接続する連結部が設けられている、[1]に記載の二次電池。
[4] 前記複数の正極は、第1正極と第2正極を含み、
前記第1正極と前記第2正極それぞれの前記正極タブが前記正極集電体の前記一端部の複数箇所から前記第1方向に沿って延出した複数延出部を有し、
前記第1正極の前記正極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記正極リードと直接接しており、
前記第2正極の前記正極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記正極リードと直接接しており、
前記正極リード上の前記第1正極の前記複数延出部と、前記正極リード上の前記第2正極の前記複数延出部の間に、互いを電気的に接続する連結部が設けられており、
前記複数の負極は、第1負極と第2負極を含み、
前記第1負極と前記第2負極それぞれの前記負極タブが前記負極集電体の前記一端部の複数箇所から前記第2方向に沿って延出した複数延出部を有し、
前記第1負極の前記負極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記負極リードと直接接しており、
前記第2負極の前記負極タブの前記複数延出部の少なくとも一つが前記負極リードと直接接しており、
前記負極リード上の前記第1負極の前記複数延出部と、前記負極リード上の前記第2負極の前記複数延出部の間に、互いを電気的に接続する連結部が設けられている、[1]に記載の二次電池。
[5] 前記連結部は、接触、熱融着、及び導電性接着剤から選択される少なくとも1種から形成される、[3]または[4]に記載の二次電池。
[6] 前記正極集電体は、前記第1高分子材料からなるマトリクス成分と、前記マトリクス成分に混合され、前記第1導電性材料からなるフィラーとを含む導電性樹脂シートであり、前記負極集電体は、前記第2高分子材料からなるマトリクス成分と、前記マトリクス成分に混合され、前記第2導電性材料からなるフィラーとを含む導電性樹脂シートである、[1]~[5]のいずれか1項に記載の二次電池。
[7] 前記正極リードは、Ti、ステンレス鋼、Al及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも1種を含むか、前記正極集電体と同じ材料から形成されている、[1]~[6]のいずれか1項に記載の二次電池。
[8] 前記負極リードは、Al、Zn、Sn、Ni、Cu及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも1種を含むか、前記負極集電体と同じ材料から形成されている、[1]~[7]のいずれか1項に記載の二次電池。
[9] [1]~[8]の何れか1項に記載の二次電池を具備した電池パック。
[10] 通電用の外部端子と、保護回路とを更に具備する[9]に記載の電池パック。
[11] 複数の前記二次電池を具備し、前記二次電池が、直列、並列、又は、直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている[9]又は[10]に記載の電池パック。
[12] [1]~[8]の何れか1項に記載の二次電池を具備する車両。
[13] [1]~[8]の何れか1項に記載の二次電池を具備する定置用電源。
【符号の説明】
【0202】
1…二次電池、2…外装部材(容器)、3…電極群、4…負極リード、4a…第1接続面、4b…第2接続面、5…正極リード、5a…第1接続面、5b…第2接続面、6a…負極集電体、6b…負極タブ、7a…正極集電体、7b…正極タブ、8…負極、9…正極、10…セパレータ、11…負極活物質含有層、12…正極活物質含有層、13…第1連結部、14…第2連結部、15…第3連結部、23…配線、40…車両本体、100…二次電池、110…システム、111…発電所、112…定置用電源、113…需要家側電力系統、115…エネルギー管理システム(EMS)、116…電力網、117…通信網、118…電力変換装置、122…電力変換装置、123…定置用電源、200…組電池、300…電池パック、300A…電池パック、300B…電池パック、341…正極側コネクタ、342…負極側コネクタ、343…サーミスタ、344…保護回路、345…配線、346…配線、347…通電用の外部端子、348a…プラス側配線、348b…マイナス側配線、400…車両。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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