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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】乳化剤及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C09K 23/56 20220101AFI20240909BHJP
   A23L 29/10 20160101ALI20240909BHJP
   A23L 29/00 20160101ALI20240909BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20240909BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20240909BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240909BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20240909BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20240909BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20240909BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240909BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240909BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240909BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240909BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20240909BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20240909BHJP
   B02C 11/08 20060101ALI20240909BHJP
   A23K 20/147 20160101ALI20240909BHJP
   A23K 20/163 20160101ALI20240909BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20240909BHJP
   A23K 10/35 20160101ALI20240909BHJP
   A23K 20/174 20160101ALI20240909BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALN20240909BHJP
【FI】
C09K23/56
A23L29/10
A23L29/00
A23L33/10
A23L33/135
A61Q19/00
A61Q1/02
A61Q1/10
A61Q1/00
A61Q19/10
A61Q17/04
A61Q5/02
A61Q5/12
A61K8/06
A61K8/64
A61K8/73
A61K8/9789
A61K9/107
A61K47/42
A61K47/36
A61K47/46
A61K39/00 G
B02C11/08
A23K20/147
A23K20/163
A23K10/30
A23K10/35
A23K20/174
A61K8/9794
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021506385
(86)(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019028411
(87)【国際公開番号】W WO2019204793
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】62/659,950
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/698,193
(32)【優先日】2018-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/731,960
(32)【優先日】2018-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520404562
【氏名又は名称】ファイトプション・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジンミン・ジャン
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-219920(JP,A)
【文献】特開平07-031863(JP,A)
【文献】特開2018-038368(JP,A)
【文献】特開平08-143601(JP,A)
【文献】特開2011-041512(JP,A)
【文献】特開平03-091451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 23/00
A23L 29/10
A61K 8/06
A61K 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化剤を生成するための方法であって、
少なくとも1つの製粉の工程及び少なくとも1つの加熱工程で植物材料を処理する工程を含み、
前記少なくとも1つの製粉の工程が、10分間~10時間のボールミリングであり、
前記少なくとも1つの加熱の工程が、100~150℃で10分間~20時間の加熱処理であり、
前記植物材料が、穀粉、ミール、穀物粒の部分又は全粒、マメ科植物、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、ナッツ、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの成分であり、
前記乳化剤が、全乾燥質量の1%~85%の範囲のタンパク質成分と、全乾燥質量の15%~99%の範囲の炭水化物成分とを含み、前記炭水化物成分がデンプンを含有し、前記乳化剤中の前記デンプンの結晶化度が同じ植物起源の元の植物材料中の前記デンプンの結晶化度から減少しており、前記乳化剤中のデンプンの結晶化度が、同じ植物起源の前記元の植物材料中のデンプンの結晶化度の約90%以下であり、前記乳化剤が親油性材料のエマルジョンを調製するのに有用である、方法。
【請求項2】
前記製粉が、前記植物材料1キログラム(kg)当たり0.1キロワット(kw)以上の電力入力を有する、請求項1に記載の乳化剤を生成するための方法。
【請求項3】
前記製粉が、前記植物材料1kg当たり0.2kw以上の電力入力を有する、請求項1に記載の乳化剤を生成するための方法。
【請求項4】
前記製粉が、前記植物材料1kg当たり0.5kw以上の電力入力を有する、請求項1に記載の乳化剤を生成するための方法。
【請求項5】
前記加熱が、オーブン、真空オーブン、換気オーブン、マイクロ波オーブン、近赤外線オーブン、蒸熱、ホットガスヒーティング、加熱用ジャケットを備えた容器、静的加熱、撹拌加熱、ジェット式調理、温度調整装置若しくはコントローラー、乾燥器、加熱トンネル、ヒートチューブ、又は熱交換器から選択される少なくとも1つの加熱の方法又は設備を使用する、請求項1に記載の乳化剤を生成するための方法。
【請求項6】
前記製粉及び前記加熱が重複する、又は特定の順序を踏まない、請求項1に記載の乳化剤を生成するための方法。
【請求項7】
前記植物材料の熱水処理の工程を更に含み、前記熱水処理が、前記植物材料を、調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、流動床処理、顆粒化、押出加工、及び均質化することからの少なくとも1種を使用して行われる、請求項1に記載の乳化剤を生成するための方法。
【請求項8】
前記植物材料を前記熱水処理に供した後、前記植物材料を乾燥させる工程を更に含む、請求項7に記載の乳化剤を生成するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年4月19日に出願した米国仮特許出願第62/659、950号、2018年7月15日に出願した米国仮特許出願第62/698,193号、及び2018年9月16日に出願した米国仮特許出願第62/731,960号の利益を主張する。これらの内容は本明細書に完全に明示的に組み込まれている。
【0002】
政府権利の記述
本発明は、アメリカ国立科学財団(National Science Foundation)により、NSF1556121の下で支給された政府支援を用いて作製された。政府は本発明においてある特定の権利を有する。
【0003】
本出願は一般的に、穀粉乳化剤及びその生産方法、具体的には、再生可能な農業産物を使用して、物理的プロセスを介して調製した乳化剤に関する。穀粉乳化剤は、食品用途と非食品用途の両方に使用することができる。穀粉乳化剤は、穀粉の基本的形態を有するが、これらは、他の形態、例えば、特定の用途に適した微粒子、穀物、顆粒、粉末、分散液、又は懸濁液で生産する、プロセスを施す、又は配合することができる。穀粉乳化剤は主に、乳化特性をもたらし、ある特定の状況及び用途では、穀粉乳化剤はまた、食品及び非食品系において他の機能性、例えば、膨化、安定化、テクスチャリング、配合、及び保護をもたらすことができる。
【背景技術】
【0004】
本セクションは、本開示のより良い理解を促進する助けとなり得る態様を紹介する。したがって、これらの記述はこの観点から読み取られるべきあり、何が従来技術であるか、又は従来技術でないかについての承認と理解されるべきではない。
【0005】
一般的に、食品業界は、食品材料及び成分をいくつかの特徴、例えば、コスト(例えば、お手頃感)、持続可能性(例えば、持続した入手の可能性及び一貫した価格設定)、機能性(例えば、望ましい特性及び性能)、官能品質、及び資源に従い選択する。食品材料及び成分の資源に関して、消費者及び食品業界は加工食品において天然(又は非合成)材料の使用を次第に好むようになっており、これは普通、天然材料がもたらし得る健康イメージ、健康上の利点、及び持続可能性に関係している。他方では、合成又は部分的合成材料は普通、消費者が手軽に使えず、環境に優しくないと考えられており、よって削減、除去、及び/又は回避すべきである。
【0006】
したがって、食品業界では、天然の、非合成食品材料及び成分を使用することに対する重大な必要性が存在し、これが「クリーンラベル」食品の急速な成長を推進している。クリーンラベルは見慣れない又は化学物質のような名称を有する成分の不在について記載するために使用されている最近の用語であり、これは主に、加工食品の成分リストに標識された合成(人工)又は部分的合成成分に関連する。クリーンラベル及び天然資源に加えて、消費者及び食品業界はまた、官能品質に対して妥協することなく、食品材料及び成分に対して低コスト、優れた機能性、及び持続可能性も要求している。
【0007】
エマルジョン及びカプセル化システムに関連して、いくつかの自然発生の材料、例えば、アラビアゴム、サポニン、カゼイン塩、及びレシチンが食品用乳化剤として使用されている。しかし、これらの乳化剤は様々な欠点がある。例えば、アラビアゴムは、持続可能性及び価格変動に関係した問題を頻繁に伴い、食品業界のそのユーザーにとって主な懸念材料となっている。レシチン材料は一般的に親油性であり、よって示される乳化能が水中油型エマルジョン中に限定される。加えて、ダイズレシチンは普通GMO(遺伝子改変された生物)ダイズに関連する。これまで、サポニンの使用は、半凍結の炭酸飲料及び非炭酸飲料の発泡剤に限定されてきた。カゼインナトリウムは乳製品ベース材料であり、その乳化能は高い酸性度を有する系において低減する。現在使用されているすべての天然乳化剤に対して、使用コストの削減に対する重大な必要性が常に存在し、これが食品業界に大きな難題を投げかけている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Koehler & Wieser、第2章: Chemistry of Cereal Grains
【文献】「Handbook on Sourdough Biotechnology」、Gobbetti & Ganzle、2013年
【文献】Belitz、Grosch、及びSchieberle、第15章: Cereal and Cereal Products、「Food Chemistry」、Springer、2009年
【文献】(Belitz、Grosch、及びSchieberle、第16章: Legumes、「Food Chemistry」、Springer、2009年
【文献】Zobel及びStephen、第2章: Starch: Structure, Analysis, and Application、「Food Polysaccharides and Their Applications」、第2版、Stephen, Phillips及びWilliams、2006年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
食品系に加えて、天然及び/又は持続可能な成分又は賦形剤の使用が同様に要求されているいくつかの他の系の用途、例えば、パーソナルケア、化粧品、ヘルスケア、医薬品、薬剤、及び農業の用途が存在する。いくつかの工業用途、例えば、洗剤、産業用クリーニング用品、コーティング、ペインティング、燃料配合物、及び構造物等もまた天然の及び/又は持続可能な成分を必要としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願は一般的に、乳化剤及びその生産方法、具体的には、再生可能な農産物を使用し、物理的プロセスを介して調製した穀粉乳化剤に関する。穀粉乳化剤は、タンパク質と炭水化物、特にデンプンの両方を含有する穀物穀粒、マメ科植物、又は他の植物材料から調製される。前記植物材料は、穀粉、ミール、穀物粒の部分又は全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、植物のナッツ、及びこれらの組合せであり、これらに限定されないが、コムギ、トウモロコシ、コメ、ワイルドライス、オオムギ、フォニオ、ハトムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、ライムギ、テフ、ライコムギ、ソバ、ダッタンソバ、アマランス、キノア、ピスシードグースフット、カニワ、チア、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ(hericot bean)、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ(adzuki bean)、アズキマメ(azuki bean)、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン(horse bean)、ブロードビーン(broad bean)、フィールドビーン(field bean)、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー(black-eyed pea)、クロメマメ(blackeye pea)、ハトマメ、アラハル/トゥール(arhar/toor)、キマメ(cajan pea)、コンゴマメ、ガンデュレス、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、ヤムビーン、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、キャッサバ(タピオカ)、ウォーターチェストナット、アロールート、サツマイモ、ナガイモ、レンコン、アーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ、及びこれらの組合せが含まれる。調製方法は主に物理的プロセシング、例えば、具体的に設計された加熱及び製粉の組合せ等を含有する。親油性材料のエマルジョンは穀粉乳化剤を使用して調製される。形成されるエマルジョンは、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、又は他の乾燥方法を使用して更に脱水することができる。穀粉乳化剤を使用して調製したエマルジョン及び脱水エマルジョンは、従来の乳化剤、例えば、オクテニルコハク酸デンプン(加工デンプンの1種)、カゼインナトリウム、ホエータンパク質、サヤエンドウタンパク質、ダイズタンパク質、ホエータンパク質、レシチン、及びアラビアゴムを使用して調製したエマルジョン及び脱水エマルジョンと比較して、物理的及び化学的劣化に対する安定性の増強を示し得る。
【0011】
エマルジョン関連のカプセル化固体では、製造、貯蔵、及び使用中の望ましい保護及び放出特性のために油滴が「壁材料」に埋め込まれている。普通、壁材料は炭水化物類、タンパク質類、又はこれらの混合物であることができる。一部の壁材料は、例としてアラビアゴム、オクテニルコハク酸デンプン(OSA-デンプン)、及びカゼインナトリウムを用いて複数の機能性、例えば、乳化及び膨化を有することができる。一部の壁材料は、膨化剤、例えば、マルトデキストリン又はコーンシロップとしてのみ使用することができる。有効なカプセル化のため、望ましい安定性を有するエマルジョンを形成することが必要である。
【0012】
本発明に記載されている穀粉乳化剤を使用して、エマルジョン、カプセル化製品、又は製品を調製するために使用されるエマルジョンを形成することができる。これらの用途において、穀粉乳化剤は、乳化剤として、膨化剤として、テクスチャリング剤として、保護剤として、壁材料として、又はこれらの組合せとして使用することができる。
【0013】
一般的に、カプセル化製品の粒子サイズがマイクロメートルレベルである場合、「マイクロカプセル化」という単語が普通カプセル化の代わりに使用される。一般的に、本発明において記載されている穀粉乳化剤は、カプセル化製品とマイクロカプセル化製品の両方に使用することができる。本明細書で使用される場合、「カプセル化」という単語は、カプセル化とマイクロカプセル化の両方を示すものである。
【0014】
穀粉乳化剤で安定化したエマルジョンを脱水することにより調製されるカプセル化組成物が開示される。
【0015】
1つの例示的実施形態では、本発明は穀粉乳化剤組成物であって、
(1)穀粉乳化剤組成物が、タンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分との両方を含有し、タンパク質成分の含有量が前記穀粉乳化剤組成物の1%~85%(乾燥質量ベース)であり、デンプンを含む炭水化物成分の含有量が前記穀粉乳化剤組成物の15%~99%(乾燥質量ベース)である、
(2)前記穀粉乳化剤中の前記デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、
(3)穀粉乳化剤組成物が乳化特性を有する、
穀粉乳化剤組成物に関する。
【0016】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を調製する方法であって、
(1)タンパク質とデンプンの両方を含有する植物材料、例えば、これらに限定されないが、穀物粒(コメ、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ等)、マメ科植物穀粒(ビーン、サヤエンドウ)、及び塊茎(ジャガイモ、サツマイモ)、ナッツ、種子の全体又は部分を含めた植物材料から作製される穀粉を調製する工程と、
(2)デンプン結晶化度を元の植物材料のデンプン結晶化度の90%未満に減少させるように、穀粉を、製粉(2分~50時間)及び加熱(40℃~300℃、2分~100時間)を介した1つ又は複数の工程に供し、よって、これらに限定されないが、
a.植物、動物、微生物、又は石油資源由来の油若しくは脂肪、又はこれらの混合物若しくは他の材料との混合物、
b.着色料(例えば、カロチノイドオレオレジン)、香味料、及び/又は香料、
c.親油性ビタミン(例えば、VA、VE)、栄養素(例えば、EPA、DHA、コエンザイムQ10、レシチン)、及び抗酸化剤(例えば、ルテイン、クルクミン、アスタキサンチン)、
d.エッセンシャルオイル(例えば、オレンジオイル、ローズマリー抽出物)、
e.上記親油性材料に溶解性のある他の親油性化合物又は疎水性化合物
を含めた親油性材料を乳化するという目的のため、乳化特性を有する穀粉乳化剤を生成する工程
を含む方法に関する。
【0017】
一部の他の例示的実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される穀粉乳化剤を使用した、カプセル化の方法に関する。
(1)従来の方法を使用して、エマルジョンベースカプセル化固体を調製する
a.水中油型エマルジョンを生成する
b.噴霧乾燥、フリーズドライ、ドラム乾燥、真空乾燥等を使用して、エマルジョンの脱水化を施用する
c.カプセル化固体生成物は以下のうちの1つ又は複数において許容される特性を有する:
i.油収量
ii.油の充填能力
iii.表面油
iv.脂質酸化に対する安定性
v.水和
vi.カプセル化物の水和を介して形成されるエマルジョンの物理的及び化学的安定性
【0018】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから選択される植物材料から乳化剤を調製するための方法であって、乳化剤を生成するための穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから選択される前記植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記乳化剤が少なくともタンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分とを含み、デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である方法に関する。
【0019】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから選択される植物材料から乳化剤を調製するための方法であって、乳化剤を生成するための穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから選択される前記植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、
(1)前記各製粉プロセスが、前記植物材料1キログラム(kg)当たり0.05キロワット(kw)以上の電力入力を提供し、
(2)前記各製粉プロセスが約2分間~約50時間持続し、
(3)前記各加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有し、
(4)前記乳化剤が、約1%~約85%のタンパク質と、元の植物材料のデンプン結晶化度の90%未満のデンプン結晶化度を有するデンプンを含む、約15%~99%の炭水化物とを含有する
方法に関する。
【0020】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから選択される植物材料から調製した乳化剤であって、乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記乳化剤が少なくともタンパク質成分と、元の植物材料のデンプン結晶化度と比較して約90%以下のデンプン結晶化度を有するデンプンを含む炭水化物成分とを含有する乳化剤に関する。
【0021】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンに関する。
【0022】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンに関する。前記エマルジョンは、親油性化合物又はその親油性化合物の組合せを含む油相を有し、前記エマルジョンはまた水溶液、懸濁液、又は混合物である水相も含有する。
【0023】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンに関する。前記乳化剤がタンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分との両方を含有する場合、タンパク質成分の含有量は前記穀粉乳化剤組成物の約1%~約85%(乾燥質量ベース)であり、デンプンを含む炭水化物成分の含有量は前記穀粉乳化剤組成物の約15%~約99%(乾燥質量ベース)であり、前記穀粉乳化剤中の前記デンプンの結晶化度は、元の植物中のデンプンの結晶化度の90%未満であり、穀粉乳化剤組成物は乳化特性を有する。
【0024】
一部の例示的実施形態では、本発明は、
a.親油性化合物又はその親油性化合物の組合せを準備する工程、
b.水又は水溶液を調製する工程、
c.乳化剤又はその組合せを調製する工程であって、前記乳化剤が、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから選択される植物材料から、前記乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を介して調製され、前記乳化剤が少なくともタンパク質成分と、結晶化度の減少したデンプンを含む炭水化物成分とを含有する工程、
d.a.、b.及びc.の成分を混合して、混合物を生成する工程であって、調製及び混合が特定の順序を踏まない工程、
e. 工程d.の前記混合物を均質化して、エマルジョンを生成する工程
に従い調製されるエマルジョンに関する。
【0025】
一部の例示的実施形態では、本発明は、タンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分との両方を含有する穀粉乳化剤成分を含有するカプセル化組成物であって、タンパク質成分の含有量が前記穀粉乳化剤組成物の約1%~約85%(乾燥質量ベース)であり、デンプンを含む炭水化物成分の含有量が前記穀粉乳化剤組成物の約15%~約99%(乾燥質量ベース)であり、前記穀粉乳化剤中の前記デンプンの結晶化度が、元の植物中のデンプンの結晶化度の90%未満であり、穀粉乳化剤組成物が乳化特性を有するカプセル化組成物に関する。
【0026】
一部の例示的実施形態では、本発明は、乳化剤を生成するための植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を介して、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから選択される前記植物材料から調製した前記乳化剤を含有するエマルジョンを乾燥させることを介して調製したカプセル化組成物であって、前記乳化剤が、少なくともタンパク質成分と、結晶化度の減少したデンプンを含む炭水化物成分とを含有するカプセル化組成物に関する。
【0027】
一部の例示的実施形態では、本発明は、食品及び飲料、サプリメント、パーソナルケア、化粧品製品、ヒト若しくは動物用薬物、ワクチン、娯楽用品、喫煙、吸入物、医薬品、農産物、工業製品、又は他の製品を作製するために穀粉乳化剤を使用することに関する。前記製品として、これらに限定されないが、オレオレジン、エッセンシャルオイル、カプセル化、プロテインシェーク、スムージー、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、プリン、スナック食品、バッター、生地、焼いた食品、冷凍若しくは冷蔵生地、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥若しくは液体の栄養素配合物、DHA若しくはEPA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、栄養分添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス、肉製品、植物性肉代替製品、ブライン、粉末食品、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ダイズミルク、アーモンドミルク、他のナッツミルク、プロバイオティクス若しくはプレバイオティクドリンク、ヨーグルト、チーズ、代替食、植物プロテインドリンク、合法マリファナ若しくはアサ製品、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料、香料、合法マリファナ若しくはアサ含有製品、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング、ヒト若しくは動物が使用するための医薬品、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、局所用軟膏剤、農業使用のための製品、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、種子コーティング、殺菌剤、家庭用若しくは産業用クリーニング用品、産業用コーティング、ペイント、布地若しくは皮革処理した化学物質、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、建設材料、布、布地、皮革等、又は上記製品のいずれかの成分若しくは組合せが挙げられる。
【0028】
一部の例示的実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、小分子乳化剤、加工デンプン、アラビアゴム、タンパク質ベース乳化剤等を含む、他の乳化剤と組み合わせて穀粉乳化剤を使用することに関する。
【0029】
一部の例示的実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、デンプンベース膨化剤(例えば、マルトデキストリン、シロップ)、糖、糖アルコール、オリゴ糖、加水分解バイオポリマー(例えば、多糖加水分解物、タンパク質加水分解物)等を含む膨化剤と組み合わせて穀粉乳化剤を使用することに関する。
【0030】
一部の例示的実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、多糖ガム、タンパク質ベース親水コロイド、合成ポリマー等を含むレオロジー特性改質剤と組み合わせて穀粉乳化剤を使用することに関する。
【0031】
一部の例示的実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、乳製品タンパク質、サヤエンドウタンパク質、ダイズタンパク質、コオロギパウダー、コオロギタンパク質、タンパク質加水分解物、卵白、卵パウダー、卵製品等を含む様々なタンパク質源と組み合わせて穀粉乳化剤を使用することに関する。
【0032】
一部の例示的実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、プロバイオティクス細菌及びこれらの配合物、プレバイオティクス及びこれらの配合物、マイクロバイオームの概念及び用途に関係した成分及び配合物等を含むプレバイオティクス及びプロバイオティクスと組み合わせて穀粉乳化剤を使用することに関する。
【0033】
一部の例示的実施形態では、本発明は、マリファナ又はアサ関連の材料又は製品と組み合わせて穀粉乳化剤を使用することに関する。
【0034】
1つの例示的実施形態では、本発明は、乳化剤組成物であって、
(1)タンパク質成分と炭水化物成分との混合物から作製される、
(2)タンパク質成分の含有量が前記乳化剤組成物の約1%~約95%(乾燥質量ベース)であり、炭水化物成分の含有量が前記乳化剤組成物の約5%~約99%(乾燥質量ベース)である
(3)タンパク質成分と炭水化物成分の混合物を、1つ又は複数の工程のうちの製粉(2分間~50時間)及び加熱(40℃~300℃、2分間~100時間)に供することにより得られる
(4)前記製粉プロセスが、タンパク質と炭水化物の前記混合物1キログラム当たり0.05キロワット(kw)以上の電力入力を提供する
(5)乳化特性を有する
乳化剤組成物に関する。
【0035】
本発明において、穀粉乳化剤は、穀粉形態での開示された乳化剤を指す。標準の穀粉又は生の穀粉とは、パウダー形態での元の植物材料を指し、これは、単に、任意の他のさらなる処理なしでの、本発明において開示された元の植物材料についての粒径の減少である。
【0036】
本明細書に開示されている方法(method)又は方法(processes)の製品はこの本発明の範囲内である。
【0037】
本発明の上記及び他の物体、特徴及び利点は、以下の記載及び図面と組み合わせた場合に、より明らかになり、ここで、可能な場合、同一の参照番号が、図面に共通である同一の特徴を示すために使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#1(RFE-1)、未処理コメ粉#1(URF-1)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。画像は、振とう直後(2分未満)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った。 図1は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った均質化混合物の画像を示す。振とう後120分時点に撮った画像は、乳化剤の使用なし(乳化剤なし)では、大部分の油滴が水性相の上部に移動したことを示した。未処理コメ粉#1(URF-1)安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-1の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-1群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。コメ粉乳化剤1(RFE-1)安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はアラビアゴムのクリーミング層と同等であり、URF-1よりもはるかに高いRFE-1の乳化能が示された。
図2】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#2(RFE-2)、未処理コメ粉#2(URF-2)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。画像は、振とう直後(2分未満)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った。 図2は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに管の振とう後30、60及び120分時点に撮った画像を示す。「120分」群について、乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動したことが示される。URF-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-2の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-2群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はアラビアゴムのクリーミング層よりもはるかに薄く、URF-2及びアラビアゴムよりも高いRFE-2の乳化能が示された。
図3】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#2(RFE-2-1)、未処理コメ粉#2(URF-2)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図3は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-2の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-2群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-2-1安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はアラビアゴムのクリーミング層よりも軽くかつ薄く、URF-2及びアラビアゴムよりも高いRFE-2-1の乳化能が示された。
図4】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#3(RFE-3)、未処理コメ粉#3(URF-3)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図4は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-3安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-3の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-3群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-3安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はURF-3のクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、URF-3の乳化能と比較して、はるかに高められたRFE-3の乳化能が示された。
図5】乳化剤なし、オオムギ粉乳化剤(BFE)、未処理オオムギ粉(UBF)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。画像は、振とう直後(2分未満)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った。 図5は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに管の振とう後30、60及び120分時点に撮った画像を示す。「120分」群について、乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動したことが示される。UBF安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UBFの乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUBF群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。BFE安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUBF及びアラビアゴムのクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、UBF及びアラビアゴムの乳化能よりも高いBFEの乳化能が示された。
図6】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#4(RFE-4)、未処理コメ粉#4(URF-4)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図6は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-4安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-4の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-4群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-4安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はURF-4及びアラビアゴムのクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、アラビアゴムの乳化能よりもはるかに高いRFE-4の乳化能が示された。
図7】乳化剤なし、コムギ全粒粉乳化剤(WFE)、未処理コムギ全粒粉(UWF)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図7は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。未処理コムギ粉(UWF)安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UWFの乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUWF群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。コムギ粉乳化剤(WFE)安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUWFのクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、UWFの乳化能よりも高いその乳化能が示された。
図8】乳化剤なし、胚除去トウモロコシ粉乳化剤#1(CFE-1)、未処理トウモロコシ粉#1(UCF-1)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図8は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。未処理トウモロコシ粉#1(UCF-1)安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UCF-1の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUCF-1群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。トウモロコシ粉乳化剤1(CFE-1)安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUCF-1のクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、アラビアゴムのクリーミング層と同様であり、アラビアゴムの乳化能と同様のCFE-1の乳化能が示された。
図9】乳化剤なし、胚除去トウモロコシ粉乳化剤#2(CFE-2)、未処理トウモロコシ粉#2(UCF-2)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図9は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。UCF-2安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミングが生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UCF-2の低い乳化能が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUCF-2群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。CFE-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUCF-2のクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、アラビアゴムのクリーミング層と同様であり、アラビアゴムの乳化能と同様のCFE-2の乳化能が示された。
図10】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#5(RFE-5)、未処理コメ粉#5(URF-5)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図10は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-5安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミングが生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-5の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-5群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-5安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はURF-5のクリーミング層よりもはるかに薄く、アラビアゴムのクリーミング層と同様であり、アラビアゴムと同等のRFE-5の乳化能が示された。
図11】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#6(RFE-6)、未処理コメ粉#6(URF-6)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図11は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-6安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミング及び沈降が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-6の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-6群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-6安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はURF-6のクリーミング層よりもはるかに薄く、アラビアゴムのクリーミング層と同様であり、アラビアゴムと同等のRFE-6の乳化能が示された。
図12】乳化剤なし、ノーザンビーン粉乳化剤(NBFE)、未処理ノーザンビーン粉(UNBF)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図12は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。未処理ノーザンビーン粉(UNBF)安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミング及び沈降が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UNBFの乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUNBFの厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。ノーザンビーン粉乳化剤(NBFE)安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUNBFのクリーミング層よりもはるかに薄く、加熱及び製粉の組合せ処理に起因して増加したノーザンビーン粉の乳化能が示された。
図13】乳化剤なし、キドニービーン粉乳化剤(KBFE)、未処理キドニービーン粉(UKBF)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図13は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。未処理キドニービーン粉(UKBF)安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミング及び沈降が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UKBFの乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUKBFの厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。キドニービーン粉(KBFE)安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUKBFのクリーミング層よりも軽く、加熱及び製粉の組合せ処理に起因して増加したキドニービーン粉の乳化能が示された。
図14】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#2-2(RFE-2-2)、未処理コメ粉#2(URF-2)、及びアラビアゴムで調製されたエマルジョンを示す図である。 図14は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-2の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-2群の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-2-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はアラビアゴムのクリーミング層よりも軽くかつ薄く、URF-2及びアラビアゴムよりも高いRFE-2-2の乳化能が示された。
図15】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#2-2(RFE-2-2)、及びアラビアゴムで調製されたレチノール-ダイズ油混合物のエマルジョンを示す図である。 図15は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なしの厚さよりもはるかに小さいクリーミングの明層が生じた。RFE-2-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はほぼ不可視であり、レチノール-ダイズ油混合物についてのアラビアゴムよりも高いRFE-2-2の乳化能が示された。
図16】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#2-2(RFE-2-2)、及びアラビアゴムで調製されたトコフェロールのエマルジョンを示す図である。 図16は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水相から分離した。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、クリーミングの層が生じた。RFE-2-2安定化エマルジョンの場合、やはりクリーミング層が形成されたが、密度は低く、トコフェロールについてのアラビアゴムの乳化能と同等又はそれよりも優れたRFE-2-2の乳化能が示された。
図17】乳化剤なし、コメ粉乳化剤#2-2(RFE-2-2)、及びアラビアゴムで調製されたアスタキサンチンオレオレジンのエマルジョンを示す図である。 図17は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、アスタキサンチンオレオレジンは十分に分散できず、したがって、管壁に油状ペーストの点が形成される。アラビアゴムの場合、オレオレジンはより良好に分散したが、なお相当量の油状ペーストが壁表面に付着した。RFE-2-2の場合、はるかにより均一な分散体が形成されることに起因して油状ペーストはほぼ無視できた。明らかに、RFE-2-2は、アラビアゴムよりもはるかに高い、アスタキサンチンオレオレジンを分散及び乳化させる能力を有する。
図18】コメ粉乳化剤#2-2(RFE-2-2)及びアラビアゴムを使用して安定化したパプリカオレオレジンのエマルジョンの色を示す図である。 図18は、REF-2-2及びアラビアゴムの両方が、パプリカオレオレジンのエマルジョンを形成することができたことを示す。48hの露光後、アラビアゴム安定化エマルジョンの色強度は、実質的に低下した一方、RFE-2-2安定化エマルジョンの色は、その元の強度をほぼ維持した。したがって、乳化剤としてのREF-2-2の使用は、パプリカオレオレジンの着色成分を、露光による分解から保護することができた。
図19】振とう直後並びに振とう後30、60及び120分時点の、コメ粉乳化剤#2(RFE-2)及びボールミルのみで処理されたコメ粉(URF-2B)で調製されたエマルジョンを示す図である。 図19は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った写真を示す。いずれの時点においても、RFE-2で形成されたエマルジョンは、URF-2Bで形成されたエマルジョンよりもはるかに安定であり、製粉のみの処理と比較して、優れた乳化特性を有する穀粉乳化剤の製造に対する加熱及び製粉の組合せの役割が実証されたことが示される。
図20】振とう直後並びに振とう後30、60及び120分時点の、コメ粉乳化剤#2(RFE-2)及び処理済コメデンプン(Starch-HB)で調製されたエマルジョンを示す図である。 図20は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った均質化混合物の画像を示す。振とう後、いずれの時点においても、Starch-HBはエマルジョンを形成できなかったことが示される。振とう直後でさえ、油-水分離が直ちに生じた。これは、Starch-HBの乳化能が無視できたことを示している。これとは対照的に、RFE-2は、振とう後120分間にわたってエマルジョンを安定化させ、許容可能な乳化特性をもたらすための粉中のタンパク質成分の重要性が強調された。
図21】凍結融解処理にかけられたエマルジョンの写真を示す図である。使用した乳化剤のタイプは、加熱及び製粉にかけられていないコメ粉(生粉)、加熱及び製粉にかけられたコメ粉(穀粉乳化剤、FE1)、及びOSA-デンプン(OSA-デンプン)を含んだ。 図21に示される通り、FE1及びOSA-デンプンの両方が、エマルジョンを形成することができた。これとは対照的に、加熱及び製粉にかけられていないコメ粉は、エマルジョンを効果的に形成することができなかった。凍結融解処理にかけられたエマルジョンの場合、OSA-デンプンで形成されたエマルジョンは、厚い油層を示した一方、FE1で形成されたエマルジョンでは識別可能な油層は見られなかった。結果は、FE1で形成されたエマルジョンの凍結融解安定性が、通常のコメ粉で形成されたエマルジョン及びOSA-デンプンで形成されたエマルジョンの凍結融解安定性よりもはるかに高かったことを示した。
図22】ブラックコーヒーと比較した、FE1クリーマー又は市販のクリーマーが添加されたコーヒー飲料の外見を示す写真を示す図である。 図22に示される通り、穀粉乳化剤FE1を使用して調製されたコーヒークリーマーは、市販のクリーマーによって示される白化能と本質的に同じ白化能を示した。官能検査に基づくと、FE1含有クリーマー及び市販のクリーマーの両方が、同様にクリーミーな口当たりをもたらし、本来ブラックコーヒーにある苦味及び酸味をマスクした。
図23】アーモンドミルクの油滴の顕微鏡画像を示す図である。左:乳化剤の添加なしのアーモンドミルク。右:FE1を含むアーモンドミルク。倍率:400×。黒い針の長さ:220μm。 図23に示される通り、FE1を含むアーモンドミルクは、乳化剤の添加なしのアーモンドミルク中の油滴よりもはるかに小さい油滴を示し、アーモンドミルクをエマルジョンとして安定化するFE1の能力が示唆された。
図24】乳化剤なし(左)又は乳化剤としてFE1(右)で形成された黒コショウオレオレジンのエマルジョンの写真を示す図である。 図24に示される通り、黒コショウオレオレジンの安定なエマルジョンが、乳化剤としてFE1を使用して形成された。
図25】フレンチドレッシングの写真(上)及び希釈したドレッシング中の油滴の顕微鏡画像(下)を示す図である。顕微鏡画像について、倍率は400×であり、黒い針の長さは220μmであった。生粉:加熱及び製粉にかけられていないコメ粉。FE1: 穀粉乳化剤(加熱及び製粉にかけられたコメ粉)。 図25に示される通り、生粉で作製されたドレッシングは、層分離を示した一方、FE1で作製されたドレッシングは均一かつ安定であった。更に、FE1で形成されたドレッシングの油滴は、生粉で形成されたドレッシングの油滴よりもはるかに小さかった。そのような結果は、FE1が、フレンチドレッシングを調製するための効果的な乳化剤であることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示の原理の理解を推進するという目的のため、図及び実施例に例示された実施形態についての言及がここでなされ、特定の言語がそれを説明するために使用される。それでやはり、本開示の範囲についてのいかなる制限もこれにより意図されることはないことを理解されたい。
【0040】
本開示において、「約」という用語は、例えば、述べられている値又は述べられている範囲の境界の20%以内、10%以内、5%以内、又は1%以内の値又は範囲におけるばらつきの程度は許容することができる。
【0041】
本開示において、「実質的に」という用語は、例えば、述べられている値又は述べられている範囲の境界の80%以内、90%以内、95%以内、又は99%以内の値又は範囲におけるばらつきの程度を許容することができる。
【0042】
本出願は一般的に、穀粉乳化剤、その生産方法、エマルジョンにおけるこれらの使用、食品及び非食品製品におけるこれらの使用、前記乳化剤を含有する配合物又は製品、具体的には、農業の再生可能生成物を使用して、物理的プロセスを介して調製される乳化剤に関する。穀粉乳化剤は、化学的処理なしで植物源から作製される。穀粉乳化剤は、食品用途と非食品用途の両方に使用することができる。穀粉乳化剤は穀粉という基本的形態を有するが、これらは、他の形態、例えば、微粒子、穀物、顆粒、パウダー、溶液、分散液、懸濁液、又は特定の用途に適した他の成分との混合物の形態で生産、プロセス、又は配合することができる。穀粉乳化剤は主に乳化特性を提供し、ある特定の状況及び用途において、穀粉乳化剤はまた、これらに限定されないが、食品及び非食品系における、膨化、安定化、テクスチャリング、配合、及び/又は保護を含む他の機能性を提供することができる。
【0043】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから作製される乳化剤に関する。
【0044】
本発明において、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから作製される乳化剤について記載されている。前記穀粉乳化剤は乳化特性を有する。
【0045】
一部の他の実施形態では、本発明は、その約1%~約85%がタンパク質成分である、乳化剤に関する。
【0046】
一部の他の実施形態では、本発明は、その約15%~約99%が炭水化物成分である、乳化剤に関する。
【0047】
一部の他の実施形態では、本発明は、植物材料の1種又は混合物に由来する穀粉である、乳化剤に関する。
【0048】
一部の他の実施形態では、本発明は、そのデンプン成分の結晶化度が約0%~約70%の範囲である、穀粉乳化剤に関する。
【0049】
本発明では、乳化剤について記載されている。乳化剤は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから作製され、前記乳化剤は、少なくともタンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分とを含み、前記デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である。
【0050】
主要な穀物はコムギ、トウモロコシ、コメ、オオムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、及びライムギである。植物としては、穀物はイネ科草本であり、単子葉植物科イネ科(Poaceae)に属する。コムギ、ライムギ、及びオオムギはイチゴツナギ(Pooideae)亜科及びコムギ連(Triticeae)のメンバーとして密接に関連している。カラスムギは、イチゴツナギ亜科内のコムギ連の遠い親戚である。一般的に、穀物は乾燥した、1個の種子を持つ種実と呼ばれる果実又は穀果の形態の穀粒を生成する。果実被膜(果皮)は種子被膜(種皮)に結合している。穀粒のサイズ及び質量は、大きなトウモロコシ穀粒(約350mg)から小さな雑穀粒(約9mg)まで変動する(Koehler & Wieser、第2章: Chemistry of Cereal Grains、「Handbook on Sourdough Biotechnology」、Gobbetti & Ganzle、2013年)。穀物粒の解剖学的構造はむしろ均一であり、胚芽及び胚乳は果実及び種子被膜(ふすま)内に包み込まれ、デンプン質の胚乳及び糊粉層からなる(Koehler & Wieser、第2章: Chemistry of Cereal Grains、「Handbook on Sourdough Biotechnology」、Gobbetti & Ganzle, 2013年)。
【0051】
穀物粒は多量の炭水化物を含有し、デンプンは主に胚乳内に堆積し、繊維は主にふすま内に位置する。穀粒中でのタンパク質の平均含有量は約8~13%の範囲である。穀物粒中の脂質含有量は普通約(2~4%)であり、ミネラル含有量は約1~3%である。加えて、穀物粒は様々なビタミン、特にビタミンBを含有する(Koehler & Wieser、第2章: Chemistry of Cereal Grains、「Handbook on Sourdough Biotechnology」、Gobbetti & Ganzle、2013年)。
【0052】
Table 1(表1)はいくつかの穀物粒の組成の一覧表であるが、個々の成分の実際の量は、これらの遺伝子型、品種、成長条件、及び成長場所等の要素に応じて変動し得ることを理解されたい。
【0053】
【表1】
【0054】
ソバ(ソバ(Fagopyrum esculentum))はその穀粒様種子のために栽培される植物であり、アジア及び中央欧州及び東欧州において一般的な栽培化された食用植物である。ソバはイネ科草本ではないので、コムギの親戚ではない。種子に炭水化物及びタンパク質を豊富に含むソバは本発明に関係する植物材料である。
【0055】
一般的に、「穀物」という用語は、本発明において(1)穀物、例えば、これらに限定されないが、オオムギ、フォニオ、ハトムギ、メイズ(トウモロコシ)、雑穀、カラスムギ、コメ、ライムギ、ソルガム、テフ、ライコムギ、ワイルドライス、及びコムギ、並びに(2)擬似穀物、例えば、これらに限定されないが、ソバ、ダッタンソバ、アマランス及びそのファミリー、キノア、ピスシードグースフット、カニワ、及びチア、を網羅する。
【0056】
「マメ科植物」又は「パルス」は植物科マメ科(Fabaceae)の熟した種子であり、ヒトの食品にとって重要なタンパク質源である。マメ科植物の主要な成分は、タンパク質、炭水化物、食物繊維、脂質、ビタミン、及びミネラル、並びに植物性エストロゲン、及びサポニンを含む。周知のマメ科植物(又はパルス)として、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、及びタマリンドが挙げられる。マメ科植物又はパルスの部分的一覧表は以下も含む:キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ、アズキマメ、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン、ブロードビーン、フィールドビーン、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー、クロメマメ、ハトマメ、アラハル/トゥール、キマメ、コンゴマメ、ガンデュレス、レンズマメ、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、及びヤムビーン。
【0057】
穀物と比較して、マメ科植物は比較的に多量のタンパク質(Table 2 (表2))を含有する。対照的に、マメ科植物におけるデンプン含有量は穀物(Table 3 (表3))と比較して比較的低い。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
タンパク質及びデンプンを含有する他の植物材料として、これらに限定されないが、種子及びナッツが挙げられる。本明細書のナッツは、これらに限定されないが、植物ナッツ及び食用ナッツを含む。ナッツとして、これらに限定されないがアーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ等が挙げられる。Table 4(表4)は、いくつかのナッツ中でも一部の主要な成分の含有量を示す。
【0061】
【表4】
【0062】
タンパク質及びデンプンを含有する他の植物材料として、これらに限定されないが、クリ、ウォーターチェストナット、ジャガイモ、キャッサバ又はタピオカ、タロイモ、アロールート、サツマイモ、ヤムイモ、ナガイモ、レンコン、及び他の植物種又は農作物が挙げられる。
【0063】
アルファ-D-グルカンの群であるデンプンは、最も豊富な植物産物の中の主成分である。デンプンは大部分の栄養素及びエネルギー源を提供する主要な食品成分であり、また、様々な機能性をもたらすために当業界で幅広く使用されてきた。一般的に、天然デンプンは顆粒状の形態で存在する。デンプンには2種類のアルファ-D-グルカン、アミロースとアミロペクチンがある。アミロースは本質的に1,4-アルファ-Dグリコシド結合を介して連結されたグルコシル単位の直鎖状バイオポリマーである。アミロース分子では、1,6-アルファ-Dグリコシド結合を介して主要直鎖に結合している少数の枝が存在し得る。対照的に、アミロペクチンは、1,4と1,6-アルファ-Dグリコシド結合の両方を含有する高分岐グルカン分子である。アミロペクチンの枝はクラスターパターンで配置されて、デンプン顆粒に見出される結晶構造を形成すると考えられる。アミロースとアミロペクチンとの比率、並びにアミロースとアミロペクチンの特定の構造は、デンプン生成植物の種、多様性、遺伝的バックグラウンド、及び成長条件により影響される。
【0064】
デンプン顆粒が結晶構造を含有することは公知である。このような結晶構造の存在度は結晶性の程度、又は要するに、結晶化度を使用して一般的に定量化される。概念的に、デンプン顆粒は結晶領域と非晶質領域の両方を含有し、結晶化度は以下のように定義することができる:
結晶性(%)=(結晶領域の量)/(結晶領域の量+非晶質領域の量)
【0065】
様々な技術を使用して、デンプンの結晶化度を決定することができ、主に使用されている方法は粉末X線回折である。3つの異なる種類の結晶構造が特定され、A型特徴の穀物デンプン、B型の塊茎デンプン、及びC型のマメ科植物として分類されている。加えて、C型はA型とB型の混合であると考えられる。普通、天然デンプンの粉末X線回折結晶図は、広い回折線及び下位にある非晶質(非結晶)散乱バンドを表す。これらの特徴は、顆粒の部分的結晶化度と、小さな又は不完全に組織化された晶子からの回折の両方を反映している。(Zobel及びStephen、第2章: Starch: Structure, Analysis, and Application、「Food Polysaccharides and Their Applications」、第2版、Stephen, Phillips及びWilliams、2006年)。
【0066】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀物粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料のうちの1種又は混合物から作製される乳化剤組成物であって、エマルジョンを形成することができる乳化剤組成物に関する。
【0067】
エマルジョンは通常、水相、油相、及び1種又は複数の乳化剤を含有する。
【0068】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから作製される乳化剤であって、少なくともタンパク質成分と炭水化物成分とを含む乳化剤に関する。
【0069】
一部の他の実施形態では、本発明は、植物材料から作製される乳化剤であって、コムギ、トウモロコシ、コメ、オオムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、ライムギ、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ、アズキマメ、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン、ブロードビーン、フィールドビーン、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー、クロメマメ、ハトマメ、アラハル/トゥール、キマメ、コンゴマメ、ガンデュレス、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、ヤムビーン、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、タピオカ、アーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ、又はこれらの組合せからの1種又は複数を含む植物材料に関する。
【0070】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀物粒、マメ科植物、種子、ナッツ、又は他の植物材料のうちの1種又は混合物の穀粉である乳化剤であって、約1%~85%のタンパク質、約15%~約99%の炭水化物を含有し、前記乳化剤組成物がエマルジョンを形成することができる乳化剤に関する。
【0071】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから作製される穀粉の形態での乳化剤であって、約1%~約85%のタンパク質、約15%~約99%のデンプンを含む炭水化物を含有し、デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である乳化剤に関する。
【0072】
一般的に、乳化剤の乳化能は、前記乳化剤により形成されるエマルジョンの安定性を使用して評価する。特定の条件下で、乳化剤が生じ得るエマルジョン安定性が大きいほど、この乳化剤はより大きな乳化能を示す。エマルジョンの安定性を評価するための方法は、以下のうちの1つ又は複数から選択される:
a.前記エマルジョン中の油滴の平均サイズ(平均直径により定義される)は、1000μm、500μm、100μm、50μm、30μm、10μm、5μm、1μm、0.5μm、0.2μm、0.1μm、又は0.05μm以下である。油滴の平均サイズがより低い値であるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す、
b.500μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である。500μmより大きいサイズを有する油滴の割合がより低い値であるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す、
c.50μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である。50μmより大きいサイズを有する油滴の割合がより低い値であるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す、
d.10μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である。50μmより大きいサイズを有する油滴の割合がより低い値であるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す、
e.5μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である。5μmより大きいサイズを有する油滴の割合がより低い値であるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す、
f.1μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である。1μmより大きいサイズを有する油滴の割合がより低い値であるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す;
g.約1gの力(例えば、標準の重力。1g又は1gの力は地球表面における重力による加速であり、9.80665メートル毎秒毎秒、又は同等に質量1キログラム当たり9.80665ニュートンの力として定義される標準重力である)の下で、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも0.1分、0.5分、1分、5分、10分、20分、50分、100分、200分、500分、1000分、2000分、5000分、10,000分、20,000分、50,000分、又は100,000分後に起こる。目に見える分離を起こすのにより長い時間が必要とされるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す、
h.エマルジョンを1分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×g(相対的遠心力(RCF)は、遠心分離において試料に加わる加速力の量について記載するために使用される用語である。RCFは、地球表面の重力による標準的な加速の倍数(×g)で測定される。このことから、遠心分離プロトコルにおいてRCF及び「×g」は交換可能なように使用される)の遠心力で起こる。目に見える分離を起こすのにより大きな遠心力が必要とされるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す、
i.エマルジョンを10分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心力で起こる。目に見える分離を起こすのにより大きな遠心力が必要とされるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す、
j.エマルジョンを特定の期間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心力で起こる。目に見える分離を起こすのにより大きな遠心力が必要とされるほど、より大きなエマルジョン安定性を示す。
【0073】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀物粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料、又はこれらの組合せからの1種又は混合物から作製される乳化剤組成物であって、前記乳化剤が約1%~85%のタンパク質、約15%~99%の炭水化物を含有し、1/100~100/1、優先的には1/10~10/1の乳化剤組成物の油に対する比でエマルジョンを形成することができ、エマルジョンが、以下の方法のうちの少なくとも1つで特徴付けられる、乳化剤組成物に関する
a.前記エマルジョン中の油滴の平均サイズ(平均直径で定義される)は1000μm、500μm、100μm、50μm、30μm、10μm、5μm、1μm、0.5μm、0.2μm、0.1μm、又は0.05μm以下である、
b.500μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である、
c.50μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である、
d.10μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である、
e.5μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である、
f.1μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%以下である、
g.約1gの力(例えば、標準の重力。1g又は1gの力は地球表面における重力による加速であり、9.80665メートル毎秒毎秒、又は同等に質量1キログラム当たり9.80665ニュートンの力として定義される標準重力である)の下で、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が少なくとも0.1分、0.5分、1分、5分、10分、20分、50分、100分、200分、500分、1000分、2000分、5000分、10,000分、20,000分、50,000分、又は100,000分後に起こる;
h.エマルジョンを1分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×g(相対的遠心力(RCF)は、遠心分離において試料に加わる加速力の量について記載するために使用される用語である。RCFは、地球表面の重力による標準的な加速の倍数(×g)で測定される。このことから、遠心分離プロトコルにおいてRCF及び「×g」は交換可能なように使用される)の遠心力で起こる、
i.エマルジョンを10分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心力で起こる、
j.エマルジョンを特定の期間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心力で起こる。
【0074】
あるエマルジョンを別のエマルジョンと比較して、これらの相対的安定性を決定することもできる。比較は、これらに限定されないが、同じ温度、重力又は遠心分離力、容器、及び光曝露を含めて、同じ環境条件下で行う必要がある。比較に使用することができるパラメーターとして、これらに限定されるが、以下が挙げられる:
a.エマルジョン中の油滴の平均粒径、
b.特定レベルより大きいサイズを有する油滴の割合、
c.標準の重力又は特定の遠心分離力下で、エマルジョンが目に見える分離を示すのに必要とされる時間、
d.特定の遠心分離時間にわたりエマルジョンが目に見える分離を示すのに必要とされる遠心分離力、
e.上記(a)、(b)、(c)、及び(d)に記載されているパラメーターの組合せ。
【0075】
一部の他の実施形態では、異なるエマルジョン間でのエマルジョン安定性についての比較、よってそれらのエマルジョン中に含有される異なる乳化剤の乳化特性についての記載が必要とされる。例えば、エマルジョンAとエマルジョンBとの間のエマルジョン安定性の比較が必要とされる。このような比較のため、エマルジョンAとエマルジョンBの両方を、これらに限定されないが、温度、重力又は遠心分離力、容器、及び光曝露を含めた、定義された環境条件に供する必要がある。その後、エマルジョンA及びエマルジョンBの特性を比較する。以下に列挙された1つ又は複数の結果が生じた場合、エマルジョンAはエマルジョンBより安定していると考えられる:
a.エマルジョンの調製後、エマルジョンAとエマルジョンBの両方を同じ期間の間、同じ環境条件に供する。その後、エマルジョンに対して油滴の粒径を測定する。結果は、エマルジョンAの平均粒径はエマルジョンBより小さいことを示す、
b.エマルジョンの調製後、エマルジョンAとエマルジョンBの両方を同じ期間の間、同じ環境条件に供する。その後、エマルジョンに対して油滴の粒径分布を測定し、特定の値より大きいサイズを有する油滴の割合を、エマルジョンA及びエマルジョンBに対してそれぞれ割合A及び割合Bとして決定する。結果は、割合Aが割合Bより低いことを示す、
c.エマルジョンの調製後、エマルジョンAとエマルジョンBの両方を同じ環境条件に供する。同じ又は本質的に同じ分離レベルに到達するのにかかる時間が、エマルジョンBよりもエマルジョンAの方が長い、
d.エマルジョンの調製後、エマルジョンA及びエマルジョンBを、同じ期間の間異なる遠心分離力に供して、同じ又は本質的に同じ分離レベルに到達させる。エマルジョンAに対して必要とされる遠心分離力が、エマルジョンBに対して必要とされる遠心分離力よりも大きい。
【0076】
一部の他の実施形態では、異なるエマルジョン間での相対的安定性を定量化することができる。本発明において、エマルジョンが特定の分離レベルに到達するのに必要とされる時間を、エマルジョンの安定性を定量的に特徴付けるために使用する。エマルジョンA及びエマルジョンBの調製後、両方を同じ又は本質的に同じ環境条件に供して、分離を発生させる。以下に列挙された1つ又は複数の結果が生じた場合、次いでエマルジョンAの安定性は、エマルジョンBの安定性の少なくともN倍であると考えられる:
(1)エマルジョンAが特定の分離に到達するのに必要とされる時間分(tA)は、エマルジョンBが同じ特定の分離に到達するのに必要とされる時間分(tB)のN倍である、すなわち、tA=NtBである、
(2)エマルジョンAが特定の分離に到達するのに必要とされる時間分(tA)は、エマルジョンBが同じ特定の分離に到達するのに必要とされる時間分(tB)のN倍より多い、すなわち、tA>NtBである、
(3)エマルジョンAが特定の分離に到達するのに必要とされる時間分(tA)は、エマルジョンBが同じ特定の分離に到達するのに必要とされる時間分(tB)のN倍より多い。しかし、tA値は、実質的に決定するには大きすぎる。この状況では、tA>>NtBである、
【0077】
エマルジョンに対して、エマルジョン調製の後の時間分は、以下のうちの1つにより定義することができる:
(1)エマルジョンの撹拌、振盪、超音波処理(すなわち超音波で処理)、又は油及び水性溶媒の混合物の均質化を介して、又は乾燥エマルジョン固体、例えば、カプセル化固体の再水和を介して、新たに調製した後、経過した時間;
(2)調製したエマルジョンを再撹拌、再振盪、再超音波処理、又は再均質化して、油滴中に再分散させた後、経過した時間;
【0078】
異なるエマルジョンに対する上記比較を用いて、前記エマルジョンを形成する乳化剤の特性を記載し、比較する。特定の条件下、上記に記載されているエマルジョンAを形成する乳化剤は、エマルジョンBを形成する乳化剤より大きな乳化能を有する。
【0079】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀物粒、マメ科植物、種子、ナッツ、又は他の植物材料のうちの1種又は混合物から作製される穀粉乳化剤であって、同じ植物材料由来の標準の穀粉の乳化能の少なくとも2倍の乳化能を有する、穀粉乳化剤に関する。
【0080】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀物粒、マメ科植物、種子、ナッツ、又は他の植物材料のうちの1種又は混合物から作製される穀粉乳化剤であって、同じ植物材料由来の標準の穀粉の乳化能の少なくとも3倍の乳化能を有する、穀粉乳化剤に関する。
【0081】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀物粒、マメ科植物、種子、ナッツ、又は他の植物材料のうちの1種又は混合物から作製される穀粉乳化剤であって、同じ植物材料由来の標準の穀粉の乳化能の少なくとも5倍の乳化能を有する、穀粉乳化剤に関する。
【0082】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀物粒、マメ科植物、種子、ナッツ、又は他の植物材料のうちの1種又は混合物から作製される穀粉乳化剤であって、同じ植物材料由来の標準の穀粉の乳化能の少なくとも10倍の乳化能を有する、穀粉乳化剤に関する。
【0083】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている乳化剤であって、製品に使用されている乳化剤にする。前記製品は、食品、食品成分、飲料、パーソナルケア製品、化粧品、薬剤品、薬物、工業製品、農業製品、又は他の製品等である。
【0084】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている乳化剤であって、製品に使用される乳化剤に関する。前記製品は、オレオレジン、エッセンシャルオイル、カプセル化、プロテインシェーク、スムージー、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、プリン、スナック食品、バッター、生地、焼いた食品、冷凍若しくは冷蔵生地、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥若しくは液体の栄養素配合物、DHA若しくはEPA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、栄養分添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス、肉製品、植物性肉代替製品、ブライン、粉末食品、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ダイズミルク、アーモンドミルク、他のナッツミルク、プロバイオティクス若しくはプレバイオティクドリンク、ヨーグルト、チーズ、代替食、植物プロテインドリンク、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料、香料、合法マリファナ若しくはアサ含有製品、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング、ヒト若しくは動物が使用するための医薬品、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、局所用軟膏剤、農業使用のための製品、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、種子コーティング、殺菌剤、家庭用若しくは産業用クリーニング用品、産業用コーティング、ペイント、布地若しくは皮革処理した化学物質、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、皮革、又は上記製品のいずれかの成分若しくは組合せ等である。
【0085】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている乳化剤であって、増粘、テクスチャ改善、クリーム状、口当たりの改善、凍結融解安定性の改善、物理安定性の改善、化学安定性の改善、及び/又は他の特性をエマルジョンにもたらす乳化剤に関する。例えば、前記乳化剤の使用は、より高い粘度又はゲル強度のエマルジョン関連系又は製品をもたらすことができる。
【0086】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている乳化剤であって、増粘、テクスチャ改善、クリーム状、口当たりの改善、凍結融解安定性の改善、物理安定性の改善、化学安定性の改善、及び/又は他の特性をも製品にもたらす乳化剤に関する。前記製品は、食品、食品成分、飲料、パーソナルケア製品、化粧品、薬剤品、薬物、工業製品、農業製品等である。
【0087】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている乳化剤であって、エマルジョンの油相の保護をもたらす乳化剤に関する。前記保護は、油相又は油相中化合物を、光不安定性、酸化、化学的不安定性、揮発性、pH不安定性、温度不安定性、色不安定性、味覚変化、及び香味変化等から保護するためのものである
【0088】
本発明において、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから乳化剤を調製するための方法が記載されている。前記乳化剤が少なくともタンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分とを含む場合、デンプンの結晶化度は、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である。
【0089】
一部の例示的実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている乳化剤のいずれかを含有する、エマルジョンに関する。
【0090】
一部の他の実施形態では、本発明は、コムギ、トウモロコシ、コメ、オオムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、ライムギ、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ、アズキマメ、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン、ブロードビーン、フィールドビーン、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー、クロメマメ、ハトマメ、アラハル/トゥール、キマメ、コンゴマメ、ガンデュレス、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、ヤムビーン、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、タピオカ、アーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ、又はこれらの組合せから作製された穀粉乳化剤を含有する、エマルジョンに関する。
【0091】
一部の他の実施形態では、本発明は、少なくともタンパク質成分と、より低い結晶化度のデンプンを含む炭水化物成分とを含有する穀粉乳化剤を含有する、エマルジョンに関する。
【0092】
一部の他の実施形態では、本発明は、少なくともタンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分とを含有する穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が、約1%~約85%のタンパク質、約15%~約99%のデンプンを含む炭水化物を含有し、デンプンの結晶化度が、その元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、エマルジョンに関する。
【0093】
一部の他の実施形態では、本発明は、少なくともタンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分とを含有する穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が、約1%~約85%のタンパク質、約15%~約99%のデンプンを含む炭水化物を含有し、デンプンの結晶化度が、その元の植物材料中のデンプンの結晶化度の85%未満であるエマルジョンに関する。
【0094】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、製品へのプロセスが更に施されて、前記エマルジョン又は製品が、食品、飲料、パーソナルケア、薬物、薬剤、農業、産業での使用のための他の成分を更に含有する、エマルジョンに関する。
【0095】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている穀粉乳化剤を含有する製品であって、オレオレジン、エッセンシャルオイル、カプセル化、プロテインシェーク、スムージー、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、プリン、スナック食品、バッター、生地、焼いた食品、冷凍若しくは冷蔵生地、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥若しくは液体の栄養素配合物、DHA若しくはEPA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、栄養分添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス、肉製品、植物性肉代替製品、ブライン、粉末食品、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ダイズミルク、アーモンドミルク、他のナッツミルク、プロバイオティクス若しくはプレバイオティクドリンク、ヨーグルト、チーズ、代替食、植物プロテインドリンク、合法マリファナ若しくはアサ含有製品、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料、香料、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング、ヒト若しくは動物が使用するための医薬品、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、局所用軟膏剤、農業使用のための製品、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、種子コーティング、殺菌剤、家庭用若しくは産業用クリーニング用品、産業用コーティング、布地若しくは皮革処理した化学物質、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、皮革等又は上記製品のいずれかの成分若しくは組合せである、製品に関する。
【0096】
一部の例示的実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから選択される植物材料から乳化剤を調製するための方法であって、乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉及び加熱の複数の工程を含み、前記乳化剤が少なくともタンパク質成分と、炭水化物成分とを含む、方法に関する。
【0097】
一部の他の実施形態では、本発明は乳化剤を調製するための方法であって、タンパク質成分が前記乳化剤の約1%~約85%である、方法に関する。
【0098】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、炭水化物成分が前記乳化剤の約15%~約99%である、方法に関する。
【0099】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記乳化剤のデンプン成分の結晶化度が約0%~約70%の範囲である、方法に関する。
【0100】
本発明において、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから選択される植物材料から穀粉乳化剤を調製するための方法が記載されている。本方法は、乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記乳化剤は約1%~約85%のタンパク質及び15%~約99%の炭水化物を含む。
【0101】
本発明において、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから選択される植物材料から穀粉乳化剤を調製するための方法が記載されている。本方法は、乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記乳化剤は、約1%~約85%のタンパク質及び15%~約99%のデンプンを含む炭水化物を含み、デンプンの結晶化度は、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である。
【0102】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉プロセスが、ハンマーミル、ボールミル、ジェット式ミル、ストーンミル、ローラーミル、撹拌ミル、撹拌ボールミル、コロイドミル、磨砕機、ホモジナイザー、流動化機、高速ブレンダー、シグマブレンダー、又は押出し機を使用する少なくとも1つの形態の製粉を含む、方法に関する。
【0103】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、加工される植物材料1キログラム当たり少なくとも0.05kwの電力入力速度を有する少なくとも1つの工程の製粉プロセスを含む、方法に関する。
【0104】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり少なくとも0.1kwのエネルギー入力率を必要とする、方法に関する。
【0105】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、式中前記製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり少なくとも0.2kwのエネルギー入力率を必要とする、方法に関する。
【0106】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり少なくとも0.3kwのエネルギー入力率を必要とする、方法に関する。
【0107】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり少なくとも0.4kwのエネルギー入力率を必要とする、方法に関する。
【0108】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法では、前記製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり少なくとも0.5kwのエネルギー入力率を必要とする、方法に関する。
【0109】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり少なくとも0.6kwのエネルギー入力率を必要とする、方法に関する。
【0110】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉プロセスが、前記エネルギー入力率において少なくとも1分間の全製粉時間を必要とする、方法に関する。
【0111】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉プロセスが、前記エネルギー入力率において少なくとも2分間の全製粉時間を必要とする、方法に関する。
【0112】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉プロセスが約2分間~約50時間持続する、方法に関する。
【0113】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記加熱プロセスが、真空オーブン、換気オーブン、マイクロ波オーブン、近赤外線オーブン、蒸熱、ホットガスヒーティング、加熱用ジャケットを備えた容器、静的加熱、撹拌加熱、ジェット式調理、温度調整装置若しくはコントローラー、又は熱交換器から選択される少なくとも1つの加熱の方法又は設備を含む、方法に関する。
【0114】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記加熱が、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度、又はその段階的勾配、又はその異なる温度の組合せを有する、方法に関する。
【0115】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記穀粉、ミール、部分、又は全粒が、異なる植物材料のうちの1種又は混合物である、方法に関する。
【0116】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉及び加熱が特定の順序を踏まない、方法に関する。
【0117】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、前記製粉及び加熱が、高温下での製粉の単一工程へと統合される、方法に関する。
【0118】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀物粒を使用して乳化剤を調製するための方法であって、前記穀物粒が、メイズ(トウモロコシ)、コムギ、コメ、ワイルドライス、オオムギ、カラスムギ、ソルガム、ライムギ、及び雑穀等からの1種又は複数の穀物粒を含む、方法に関する。
【0119】
一部の他の実施形態では、本発明は、マメ科植物又はパルスを使用して乳化剤を調製するための方法であって、前記マメ科植物又はパルスが、キドニービーン、ピントビーン、ヤエナリ、ノーザンビーン、及びサヤエンドウ、レンズマメ等からの1種又は複数を含む、方法に関する。
【0120】
一部の他の実施形態では、本発明は、植物材料を使用して乳化剤を調製するための方法であって、前記植物材料が、コムギ、トウモロコシ、コメ、オオムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、ライムギ、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ、アズキマメ、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン、ブロードビーン、フィールドビーン、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー、クロメマメ、ハトマメ、アラハル/トゥール、キマメ、コンゴマメ、ガンデュレス、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、ヤムビーン、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、タピオカ、アーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ、又はこれらの組合せからの1種又は複数を含む、方法に関する。
【0121】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、植物材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む、出発材料の熱水処理の工程を更に含む、方法に関する。
【0122】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を調製するための方法であって、植物ベース材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む熱水処理に植物材料を供した後、植物材料を乾燥させる工程を更に含む、方法に関する
【0123】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、パルス、種子、ナッツ、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから選択される植物材料から乳化剤を調製するための方法であって、乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記各製粉プロセスが約2分間~約50時間持続し、少なくとも1つの製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり0.05kwを超えるエネルギー入力率を有し、前記各加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有する、方法に関する。
【0124】
一部の他の実施形態では、本発明は穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、パルス、種子、ナッツ、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから選択される植物材料から乳化剤を調製するための方法であって、乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記各製粉プロセスが約2分間~約50時間持続し、少なくとも1つの製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり0.05kwを超えるエネルギー入力率を有し、前記各加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有し、前記乳化剤が約1%~約85%のタンパク質、約15%~約99%のデンプンを含む炭水化物を含有し、前記デンプンの結晶化度が、前記穀粉乳化剤を生成するための元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、方法に関する。
【0125】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている上記方法のいずれかに従い調製される、乳化剤に関する。
【0126】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている上記方法のいずれかに従い調製される乳化剤に関する。乳化剤が油相を有するエマルジョンを形成することができる場合、前記エマルジョンは、約1/100~約100/1、優先的には約1/10~約10/1の乳化剤組成物の油に対する比を有し、油相は追加の化合物を場合によって含む。エマルジョンは、以下の特徴の少なくとも1つにより特徴付けられる:
a.前記エマルジョン中の油滴の平均サイズ(直径)は、1000μm、500μm、100μm、50μm、30μm、10μm、5μm、1μm、0.5μm、0.2μm、0.1μm、若しくは0.05μm以下である、又は
b.500μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%より大きい、又は
c.50μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
d.10μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
e.5μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
f.1μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
g.約1μg力(例えば標準の重力)下で、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも0.1分、0.5分、1分、5分、10分、20分、50分、100分、200分、500分、1000分、2000分、5000分、10,000分、20,000分、50,000分、若しくは100,000分後に起こる;又は
h.エマルジョンを約1分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心分離力で起こる;又は
i.エマルジョンを10分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心分離力で起こる。
j.前記乳化剤組成物を含有するエマルジョンは、同じ植物源由来の同量の標準の穀粉を含有するエマルジョンよりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は10倍安定している。
【0127】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、パルス、種子、ナッツ、又は他の植物材料或いはこれらの組合せ由来のものであり、乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記乳化剤が少なくともタンパク質成分と、デンプンを含む炭水化物成分とを含有し、前記デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である方法に関する。
【0128】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記タンパク質成分が前記乳化剤の約1%~約85%である、乳化剤に関する。
【0129】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記炭水化物成分が、前記乳化剤の約15%~約99%の範囲である、乳化剤に関する。
【0130】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記デンプン成分の結晶化度が約0%~約70%の範囲である、乳化剤に関する。
【0131】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記製粉方法が、ハンマーミル、ボールミル、ジェット式ミル、ストーンミル、ローラーミル、撹拌ミル、撹拌ボールミル、コロイドミル、磨砕機、ホモジナイザー、流動化機、高速ブレンダー、シグマブレンダー、及び押出し機の少なくとも1つを含む、乳化剤に関する。
【0132】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、少なくとも1つの前記製粉方法が、加工される乳化剤1キログラム当たり0.05kwより速いエネルギー入力率を有する、乳化剤に関する。
【0133】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記製粉プロセスが約2分間~約50時間持続する、乳化剤に関する。
【0134】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記加熱プロセスが、真空オーブン、換気オーブン、マイクロ波オーブン、近赤外線オーブン、蒸熱、ホットガスヒーティング、加熱用ジャケットを備えた容器、静的加熱、撹拌加熱、ジェット式調理、温度調整装置又はコントローラー、及び熱交換器から選択される少なくとも1つの方法又は設備の使用を含む、乳化剤に関する。
【0135】
一部の他の実施形態、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記加熱が、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度、又はその段階的な勾配、又はこれらの異なる温度の組合せを有する、乳化剤に関する。
【0136】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記穀粉、ミール、部分、又は全粒が、異なる植物材料の混合物である、乳化剤に関する。
【0137】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記製粉及び加熱が特定の順序を踏まない、乳化剤に関する。
【0138】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記製粉及び加熱が、高温下での製粉の単一工程へと統合される、乳化剤に関する。
【0139】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記穀物粒が、メイズ(トウモロコシ)、コムギ、コメ、オオムギ、カラスムギ、ソルガム、ライムギ、及び雑穀等からの1種又は複数の穀物を含む、乳化剤に関する。
【0140】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、前記マメ科植物又はパルスが、キドニービーン、ピントビーン、ヤエナリ、ノーザンビーン、及びサヤエンドウ、レンズマメ等からの1種又は複数を含む、乳化剤に関する。
【0141】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、この方法が、植物材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む、出発材料の熱水処理工程を更に含む、乳化剤に関する。
【0142】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、この方法が、植物ベース材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む熱水処理に植物材料を供した後、植物材料を乾燥させる工程を更に含む、乳化剤に関する。
【0143】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、種子、ナッツ、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから調製され、前記方法が、乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記各製粉方法が約2分間~約50時間持続し、少なくとも1つの製粉方法が、加工される植物材料1キログラム当たり0.05kwを超えるエネルギー入力率を有し、前記加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有する、乳化剤に関する。
【0144】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、種子、ナッツ、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから調製され、前記方法が、乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、記各製粉プロセスが約2分間~約50時間持続し少なくとも1つの製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり0.1kw、0.2kw、0.3kw、0.4kw、又は0.5kwを超えるエネルギー入力率を有し、前記加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有する、乳化剤に関する。
【0145】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤であって、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、種子、ナッツ、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから調製され、前記方法が、乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、前記各製粉プロセスが約2分間~約50時間持続し、少なくとも1つの製粉プロセスが、加工される植物材料1キログラム当たり0.05kwを超えるエネルギー入力率を有し、前記加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有し、前記乳化剤が、約1%~85%のタンパク質、15%~99%のデンプンを含む炭水化物を含有し、デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、乳化剤に関する。前記乳化剤は、以下の1つ又は複数の特徴を有するエマルジョンを形成することができる:
a.前記エマルジョン中の油滴の平均サイズ(直径)が、1000μm、500μm、100μm、50μm、30μm、10μm、5μm、1μm、0.5μm、0.2μm、0.1μm、若しくは0.05μm以下である、又は
b.500μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース) が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
c.50μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース) が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
d.5μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース) が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
e.1μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース) が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
f.1×g力(例えば標準の重力)下で、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも0.1分、0.5分、1分、5分、10分、20分、50分、100分、200分、500分、1000分、2000分、5000分、10,000分、20,000分、50,000分、若しくは100,000分後に起こる、又は
g.エマルジョンを約1分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心分離力で起こる、又は
h.エマルジョンを10分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、及び沈殿を含めた、エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心分離力で起こる。
i.前記乳化剤組成物を含有するエマルジョンが、同じ植物源由来の同量の標準の穀粉を含有するエマルジョンよりも少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は10倍安定している。
【0146】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている穀粉乳化剤のいずれかを含有する、エマルジョンに関する。
【0147】
一部の他の実施形態では、本発明は、コムギ、トウモロコシ、コメ、オオムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、ライムギ、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ、アズキマメ、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン、ブロードビーン、フィールドビーン、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー、クロメマメ、ハトマメ、アラハル/トゥール、キマメ、コンゴマメ、ガンデュレス、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、ヤムビーン、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、タピオカ、アーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ、又はこれらの組合せ由来の穀粉である穀粉乳化剤を含有する、エマルジョンに関する。
【0148】
一部の他の実施形態では、本発明は、少なくともタンパク質成分と、非常に低い結晶化度のデンプンを含む炭水化物成分とを含有する穀粉乳化剤を含有する、エマルジョンに関する。
【0149】
一部の他の実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、以下の工程を含む方法に従い調製したエマルジョンに関する。
a.親油性化合物又はこれら親油性化合物の組合せを調製する工程、
b.水又は水溶液を調製する工程、
c.乳化剤又はこれらの組合せを調製する工程であって、前記乳化剤が、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物(パルス)、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから、前記乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程により調製され、前記乳化剤が少なくともタンパク質成分と、非常に低い結晶化度のデンプンを含む炭水化物成分を含有する工程、
d.a.、b.及びc.の成分を混合して、混合物を生成する工程であって、調製及び混合が特定の順序を踏まない工程、
e.前記混合物を均質化して、エマルジョンを生成する工程。
【0150】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている方法に従い調製される乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記エマルジョン中の前記親油性化合物が、脂肪、油、活性医薬成分、除草剤、殺有害生物剤、殺生物剤、香味料、着色剤、天然抽出物、栄養素、ビタミン、皮膚軟化剤、食品添加物若しくは成分、化粧品添加物若しくは成分、又はパーソナルケア製品用添加物若しくは成分、或いはこれらの組合せを含有する、エマルジョンに関する。
【0151】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い加工される乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記エマルジョン中の前記水溶液が、糖、塩、タンパク質、ペプチド、香味料、着色剤、シーズニング、ビタミン、抗酸化剤、抗菌化合物、抗体、酵素、活性医薬成分、除草剤、殺有害生物剤、栄養素、食品成分、食品成分、食品添加物、化粧品の添加物及び成分、安定剤、及び乳化剤、保湿剤、パーソナルケア製品用添加物若しくは成分等の溶液、懸濁液、又は混合物である、エマルジョンに関する。
【0152】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記エマルジョンが、食料品、飲料、香味添加物、色素添加物、栄養分添加物、サプリメント、香料、ヒト若しくは動物による消費のための医薬品、農業業界用製品、又は、例えば、クリーム、ローション、スキンケア製品、ファンデーション、パウダー、シャンプー、コンディショナー、石鹸、洗剤、皿洗い用洗剤、家庭用クリーニング用品等を含めたパーソナルケア若しくは衛生用製品に更に加工される、エマルジョンに関する。
【0153】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤を含有するエマルジョンであって、食料品へのプロセスが更に施され、前記食料品が、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、バッター、生地、アイシング、トッピング、フィリング、焼いた食品、冷凍生地、アイスクリーム、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥若しくは液体栄養素配合物、肉製品、植物肉代替品製品、ブライン、乾燥粉末食品又は動物飼料、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ヨーグルト、代替食、植物タンパク質ドリンク等である、エマルジョンに関する。
【0154】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が1%~約85%(w/w)のタンパク質成分を含有する、エマルジョンに関する。
【0155】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が、約15%~約99%の範囲の炭水化物成分を含有する、エマルジョンに関する。
【0156】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤中のデンプン成分の結晶化度が約0%~約70%の範囲である、エマルジョンに関する。
【0157】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が、ハンマーミル、ボールミル、ジェット式ミル、ストーンミル、ローラーミル、撹拌ミル、撹拌ボールミル、コロイドミル、磨砕機、ホモジナイザー、流動化機、高速ブレンダー、シグマブレンダー、及び押出し機から選択される少なくとも1つを含む製粉プロセスを含む方法により作製される、エマルジョンに関する。
【0158】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が、約2分間~約50時間持続する製粉プロセスを含む方法により作製され、前記製粉プロセスの少なくとも1つが、加工される乳化剤1キログラム当たり0.05kwを超えるエネルギー入力率を有する、エマルジョンに関する。
【0159】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が加熱プロセスを含む方法で作製され、この加熱プロセスが、真空オーブン、換気オーブン、マイクロ波オーブン、近赤外線オーブン、蒸熱、ホットガスヒーティング、加熱用ジャケットを備えた容器、静的加熱、撹拌加熱、ジェット式調理、温度調整装置又はコントローラー、及び熱交換器から選択される少なくとも1つの方法又は設備の使用を含む、エマルジョンに関する。
【0160】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が加熱プロセスを含む方法で作製され、前記加熱が、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度、又はその段階的な勾配、又はその異なる温度の組合せを有する、エマルジョンに関する。
【0161】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記穀粉が、これらに限定されないが、穀物、マメ科植物、パルス、根、塊茎、茎、種子、ナッツを含めた異なる植物材料の混合物である、エマルジョンに関する。
【0162】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって,前記乳化剤が、製粉プロセス及び加熱プロセスを含む方法により作製され、前記製粉及び加熱が特定の順序を踏まない、エマルジョンに関する。
【0163】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記乳化剤が、製粉プロセス及び加熱プロセスを含む方法により作製され、前記製粉及び加熱が、高温下での製粉の単一工程へと統合される、エマルジョンに関する。
【0164】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記穀物粒が、メイズ(トウモロコシ)、コムギ、コメ、オオムギ、カラスムギ、ソルガム、ライムギ、及び雑穀等由来の1種又は複数の穀物を含む、エマルジョンに関する
【0165】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記穀粉が、キドニービーン、ピントビーン、ヤエナリ、ノーザンビーン、及びサヤエンドウ等を含むマメ科植物又はパルスから作製される、エマルジョンに関する。
【0166】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤を含有するエマルジョンであって、穀粉、ミール、部分、又は全粒から作製される前記穀粉が、トウモロコシ、コムギ、コメ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、ソルガム、アマランス、雑穀、マメ科植物、ビーン、サヤエンドウ、ピーナッツ、ダイズ、ジャガイモ、ヤムイモ、及びタピオカ、又はこれらの組合せの穀粉である、エマルジョンに関する。
【0167】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製されるエマルジョンであって、前記方法が、植物材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む、出発材料の熱水処理の工程を更に含む、エマルジョンに関する。
【0168】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製されるエマルジョンであって、前記方法が、植物ベース材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む熱水処理に植物材料を供した後、植物材料を乾燥させる工程を更に含む、エマルジョンに関する。
【0169】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記エマルジョンが、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから調製される乳化剤を使用し、前記方法が、前記乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、
前記各製粉プロセスが約2分間~約50時間持続し、
製粉プロセスの少なくとも1つが、加工される植物材料1kg当たり少なくとも0.05kwの電力入力を有し、
前記加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有する、エマルジョンに関する。
【0170】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤を含有するエマルジョンであって、前記エマルジョンが、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、又は他の植物材料或いはこれらの組合せから調製される乳化剤を使用し、前記方法が、前記乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、
前記各製粉プロセスが、約2分間~約50時間持続し、
前記製粉プロセスの少なくとも1つが、加工される植物材料1kg当たり0.05kwを超える電力入力又は電力消費を有し、;
前記加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間約40℃~約300℃の温度を有し、
前記乳化剤が、約1%~85%のタンパク質、その元の値の90%未満の結晶化度を有するデンプンを含む、15%~99%の炭水化物を含有する、エマルジョンに関する。
【0171】
一部の実施形態では、乳化剤を作製する加熱又は加熱プロセスは、40℃~300℃の温度で2分間~100時間行われる。
【0172】
一実施形態では、加熱は、50℃~200℃の温度で10分間~20時間行われる。
【0173】
別の実施形態では、加熱は、80℃~150℃の温度で20分間~10時間行われる。
【0174】
別の実施形態では、加熱は90℃~130℃の温度で行われる。
【0175】
別の実施形態では、加熱は100℃~130℃の温度で行われる。
【0176】
別の実施形態では、加熱は20分間~5時間行われる。
【0177】
別の実施形態では、加熱は30分間~3時間行われる。
【0178】
本発明において、製粉又は製粉プロセスは、0.05kw(キロワット)以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて2分間~50時間行われる。
【0179】
一実施形態では、製粉は、0.10kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて2分間~20時間行われる。
【0180】
別の実施形態では、製粉は5分間~10時間行われる。
【0181】
別の実施形態では、製粉は5分間~5時間行われる。
【0182】
別の実施形態では、製粉は10分間~5時間行われる。
【0183】
別の実施形態では、製粉は0.15kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0184】
別の実施形態では、製粉は0.2kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0185】
別の実施形態では、製粉は0.3kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0186】
別の実施形態では、製粉は0.4kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0187】
別の実施形態では、製粉は0.5kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0188】
別の実施形態では、製粉は0.6kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0189】
別の実施形態では、製粉は0.8kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0190】
別の実施形態では、製粉は0.9kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0191】
別の実施形態では、製粉は1kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0192】
別の実施形態では、製粉は1.2kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0193】
別の実施形態では、製粉は1.5kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0194】
別の実施形態では、製粉は2kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0195】
別の実施形態では、製粉は3kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0196】
別の実施形態では、製粉は5kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0197】
別の実施形態では、製粉は6kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて行われる。
【0198】
別の実施形態では、製粉は、0.2kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて20分間~5時間行われる。
【0199】
別の実施形態では、製粉は、0.3kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて20分間~3時間行われる。
【0200】
別の実施形態では、製粉は、0.4kw以上の製粉単位の電力入力(又は電力消費)を用いて20分間~3時間行われる。
【0201】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている乳化剤を含有するカプセル化組成物に関する。
【0202】
一部の他の実施形態では、本発明は、乳化剤を含有するカプセル化組成物であって、前記乳化剤が、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから、前記乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程により調製され、前記乳化剤が少なくともタンパク質成分と、非常に低い結晶化度のデンプンを含む炭水化物成分を含有する、カプセル化組成物に関する。
【0203】
一部の他の実施形態では、本発明は、親油性化合物又はこれらの親油性化合物の組合せを更に含有するカプセル化組成物に関する。
【0204】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているカプセル化組成物であって、前記親油性化合物が活性医薬成分、除草剤、殺有害生物剤、香味料、栄養素、食品添加物若しくは成分、化粧品添加物若しくは成分、又はパーソナルケア製品用添加物若しくは成分である、カプセル化組成物に関する。
【0205】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているカプセル化組成物であって、前記水溶液が、糖、塩、タンパク質、ペプチド、香味料、着色剤、ビタミン、抗酸化剤、抗菌化合物、抗体、酵素、活性医薬成分、除草剤、殺有害生物剤、香味料、栄養素、食品添加物若しくは成分、化粧品添加物若しくは成分、安定剤、及び/又は乳化剤の溶液である、カプセル化組成物に関する。
【0206】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているカプセル化組成物であって、前記カプセル化組成物が、食料品、飲料、香料、ヒト又は動物による消費のための医薬品、農業業界用製品、個人衛生用製品、ローション、シャンプー、コンディショナー、石鹸等に更に加工される、又はこれらに使用される、カプセル化組成物に関する。
【0207】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているカプセル化組成物であって、前記食料品がケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、焼いた食品、アイスクリーム、スープ、ソース、ドレッシング、スープ、料理用食品、肉製品、ブライン、グレイビー、コーヒークリーマー、乾燥粉末食品又は動物飼料である、カプセル化組成物に関する。
【0208】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているカプセル化組成物であって、穀粉、ミール、部分、又は全粒から調製される前記乳化剤が、コムギ、トウモロコシ、コメ、ワイルドライス、オオムギ、フォニオ、ハトムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、ライムギ、テフ、ライコムギ、ソバ、ダッタンソバ、アマランス、キノア、ピスシードグースフット、カニワ、チア、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ、アズキマメ、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン、ブロードビーン、フィールドビーン、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー、クロメマメ、ハトマメ、アラハル/トゥール、キマメ、コンゴマメ、ガンデュレス、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、ヤムビーン、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、キャッサバ(タピオカ)、ウォーターチェストナット、アロールート、サツマイモ、ナガイモ、レンコン、アーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ、又はこれらの組合せの乳化剤である、カプセル化組成物に関する。
【0209】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているカプセル化組成物であって、前記カプセル化を作製する方法が、植物材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む、最初の植物材料の熱水処理の工程を更に含む、カプセル化組成物に関する。
【0210】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているカプセル化組成物であって、前記カプセル化を作製する方法が、植物ベース材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む熱水処理に植物材料を供した後、植物材料を乾燥させる工程を更に含む、カプセル化組成物に関する。
【0211】
一部の他の実施形態では、本発明は、穀粉、ミール、穀物粒の部分若しくは全粒、マメ科植物、又は他の植物材料、或いはこれらの組合せから調製される乳化剤を使用するカプセル化組成物であって、前記乳化剤を生成するための前記穀粉、ミール、部分、又は全粒の製粉及び加熱の1つ又は複数の工程を含み、
前記各製粉プロセスが、約2分間~約50時間持続し、
前記製粉プロセスの少なくとも1つが、加工される植物材料1kg当たり0.05kwを超える電力入力を有し、
前記加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有し、
前記乳化剤が、約1%~85%のタンパク質、15%~99%のデンプンを含む炭水化物を含有し、
前記デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、カプセル化組成物に関する。
【0212】
一部の他の実施形態では、本発明は、植物材料の製粉及び加熱を交互に行うことにより調製される乳化剤であって、少なくとも乳化剤の約1%~85%の範囲のタンパク質成分と、乳化剤の約15%~99%の範囲の炭水化物成分とを含み、前記炭水化物成分がデンプンを含み、デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、乳化剤に関する。
【0213】
一部の他の実施形態では、本発明は、親油性化合物と、本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤と、均質化により混合される水溶液とを含むエマルジョンであって、前記本明細書に開示されている方法に従い調製される乳化剤を含まない、前記水溶液中の均質化した親油性化合物と比較して、前記エマルジョンが少なくとも2倍の安定性を有する、エマルジョンに関する。
【0214】
一部の他の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているカプセル化組成物であって、前記カプセル化を作製する方法が、脱水化の工程を更に含む、カプセル化組成物に関する
【0215】
親油性材料は、油、脂肪、油又は脂溶性化合物、及びこれらの組合せを含み、食品、パーソナルケア、調剤、農業用化学物質、及び他の領域で幅広く使用されている。親油性材料を配合及び/又は使用する主な方法は、これらが水溶性又は分散性となり得るように、又は配合物中の他の成分と混合可能となり得るように、エマルジョンを形成することである。一般的に、エマルジョンは、水中油型、油中水型、又は両方の組合せであることができる。
【0216】
食品用エマルジョン系は、油含有飲料、乳製品、アイスクリーム、肉製品、ベーカリー、ソース、スープ、サラダドレッシング、グレービー、オレオレジンの配合物、及び着色剤、香味剤、栄養素用のエッセンシャルオイル、並びに酸化からの保護の提供、活性成分のカプセル化及びマイクロカプセル化、コーヒークリーマー、並びに親油性栄養素、例えば、オメガ-3脂肪酸(例えば魚油、DHA、EPA)の送達を含む。たくさんの食品飲料がエマルジョン系であるばかりか、エマルジョンは、ある特定の乾燥食品及び食品成分を作製するためのプロセシング上にも形成される。例えば、カプセル化された脂肪又は油溶性香味料は、水中油型エマルジョンを最初に形成し、次いでエマルジョンを粉末固体へと噴霧乾燥させることにより作製される。パーソナルケア用では、たくさんの製品が、例えば、クリーム、ローション、シャンプー、石鹸等のエマルジョンである。パーソナルケア用途において、エマルジョンは、活性成分とのエマルジョンを最初に形成し、次いでこのエマルジョンを最終製品に添加することにより、例えば、ビタミンA及びビタミンE等の抗酸化剤を送達するために調製される。調剤に対しては、エマルジョンは、親油性又は水溶性に欠ける医薬品活性成分を可溶化及び送達するために使用される。農業用化学物質に関しては、エマルジョンは、殺有害生物剤、植物栄養素、ホルモン、又は他の活性成分を分散又は可溶化するために使用される。加えて、多くの他の領域で使用されるエマルジョンをここに列挙する。
【0217】
これらに限定されないが、ケーキ、マフィン、ドーナツ、クッキー、ブレッド、フラットブレッド、パイ、クラッカー、チップ、トルティーヤ、プリン、バー、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、冷凍菓子、冷蔵又は冷凍生地、スナック食品を含めた、穀粉乳化剤を含有するベーカリー食品が本発明において開示される。前記ベーカリー食品はまた、他の乳化剤、安定剤、糖、バター、油、バター、ガム、タンパク質、着色剤、香味料、卵、デンプン等も含有し得る。
【0218】
これらに限定されないが、色配合物、香味配合物、天然抽出物配合物、抗酸化剤配合物、栄養素配合物、DHA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックスを含めた、穀粉乳化剤を含有する食品成分又は食品成分が本発明において開示される。前記食品成分又は食品成分は、他の乳化剤、活性成分、栄養素、安定剤、香味料、着色剤、タンパク質、デンプン、脂肪又は油、ガム等を更に含有し得る。
【0219】
冷凍した物、乳製品又は非乳製品アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍菓子を含めた、穀粉乳化剤を含有する冷凍食品が本発明において開示される。前記冷凍食品はまた他の食品成分、乳化剤、安定剤等も含有し得る。前記冷凍食品は、改善された冷凍及び解凍安定性、より良いテクスチャ、より良い口当たり、及び味覚を有し得る。
【0220】
これらに限定されないが、ソース、ドレッシング、スープ、エントリーを含めた、穀粉乳化剤を含有する薬味又は料理用食品が本発明において開示される。前記薬味はまた、他の乳化剤、安定剤、香味料、シーズニング等を含有し得る。
【0221】
これらに限定されないが、プロテインドリンク、エネルギードリンク、代替食、乾燥飲料粉末、乳製品及び非乳製品飲料、アーモンドミルク、ナッツミルク、ダイズミルク、ヨーグルト、プロバイオティクス又はプレバイオティクドリンク、栄養補助食品を含めた、穀粉乳化剤を含有する飲料が本発明において開示される。前記飲料はまた、他の乳化剤、安定剤、香味料、他の食品成分等を含有し得る。
【0222】
これらに限定されないが、ソーセージ、デリミート、缶詰め肉、肉ブライン、肉代替品、植物由来のタンパク質を含めた、穀粉乳化剤を含有する肉製品が本発明において開示される。前記肉又はタンパク質製品はまた、他の乳化剤、安定剤、香味料、他の食品成分等を含有し得る。
【0223】
動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料を含めた、穀粉乳化剤を含有する飼料製品が本発明において開示される
【0224】
クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、石鹸、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティングを含めた、穀粉乳化剤を含有するパーソナルケア製品が本発明において開示される。前記パーソナルケア製品はまた、他の乳化剤、安定剤、ガム、界面活性剤、皮膚軟化剤、保湿剤又は多糖、日焼け止め剤活性成分、抗酸化剤、ビタミン、皮膚栄養素、着色剤、油、ワックス、皮膚活性化合物等を含有し得る。
【0225】
薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、抗がん剤、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、軟膏剤を含めた、穀粉乳化剤を含有する医薬品が本発明において開示される。前記医薬品はまた、活性医薬成分、賦形剤等を含有し得る。
【0226】
殺有害生物剤、除草剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、殺生物剤類、種子コーティング、殺菌剤を含めた、穀粉乳化剤を含有する農業製品が本発明において開示される。前記農業製品はまた、生理活性化合物、殺生物剤、農業用活性成分、他の乳化剤、安定剤等を含有し得る。
【0227】
プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、フィルム、皮革を含めた、穀粉乳化剤を含有する配合物を含有する又はこれで処理した工業製品が本発明において開示される。
【0228】
本発明はまた、上記食品、飲料、パーソナルケア、医薬品、農業製品、及び工業製品における穀粉乳化剤の使用、並びに穀粉乳化剤を含有する食品、飲料、パーソナルケア、医薬品、農業、及び工業製品の新規配合物の創製に関する。一部の実施形態では、発明者らは、本発明において開示された穀粉乳化剤を含有する、食品、飲料、パーソナルケア、医薬品、農業、及び工業製品を初めて開発した。
【0229】
記載されている上記新規の食品、飲料、パーソナルケア、医薬品、農業、及び工業製品として、これらに限定されないが、オレオレジン、エッセンシャルオイル、カプセル化、プロテインシェーク、スムージー、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、プリン、スナック食品、バッター、生地、焼いた食品、冷凍若しくは冷蔵生地、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥若しくは液体の栄養素配合物、DHA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、栄養分添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス、肉製品、植物性肉代替製品、ブライン、粉末食品、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ダイズミルク、アーモンドミルク、他のナッツミルク、プロバイオティクス若しくはプレバイオティクドリンク、ヨーグルト、チーズ、代替食、植物プロテインドリンク、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料、香料、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング、ヒト若しくは動物が使用するための医薬品、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、局所用軟膏剤、農業使用のための製品、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、種子コーティング、殺菌剤、家庭用若しくは産業用クリーニング用品、産業用コーティング、布地若しくは皮革処理した化学物質、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、皮革等、又は上記製品のいずれかの成分が挙げられる。
【0230】
記載されている上記新規の食品、飲料、パーソナルケア、医薬品、農業、及び工業製品はまた、食品、飲料、パーソナルケア、医薬品、薬剤、農業用、及び産業用の使用のための1種又は複数の他の成分を含むこともでき、これらに限定されないが例えば、タンパク質、炭水化物、多糖、保湿剤、標準の穀粉、ビタミン、DHA、EPA、微量栄養素、香味料、香料、着色剤、小分子乳化剤、モノ/ジグリセリド、ポリソルベート、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、糖エステル、アセチル化モノグリセリド、ラクチル化モノグリセリド、レシチン、サポニン、加工デンプン、アラビアゴム(gum arabic)(アラビアゴム(gum acacia))、タンパク質ベース乳化剤、例えば、サヤエンドウタンパク質、カゼインナトリウム、ホエータンパク質分離物等、デンプン、マルトデキストリン、シロップ、糖、糖アルコール、オリゴ糖、加水分解バイオポリマー、多糖加水分解物、タンパク質加水分解物、レオロジー特性改質剤、例えば、これらに限定されないが、多糖ガム、タンパク質、キサンタンガム、ローカストビーンガム(locus)、グアーガム、アルギン酸塩、ペクチン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、修飾セルロース、デンプン又はその誘導体、タンパク質ベース親水コロイド、ゼラチン、ダイズタンパク質、サヤエンドウタンパク質、卵白、タンパク質材料、例えば、これらに限定されないが、サヤエンドウタンパク質、ダイズタンパク質、コオロギパウダー、タンパク質加水分解物、全卵、卵黄、卵白、サヤエンドウ粉、ビーン粉、レンズマメ粉、プレバイオティクス、プロバイオティクス、マイクロバイオーム関連材料等が含まれる。
【0231】
乳化剤の使用はエマルジョンの形成及び安定性に不可欠である。時には界面活性剤とも呼ばれる乳化剤は、油-水境界面で分配され得る表面活性のある、両親媒性材料の群である。普通、両親媒性分子又は微粒子は1つ又は複数の親油性部分と、1つ又は複数の親水性部分とを有する。界面張力を減少させることにより、乳化剤は、油-水境界面の安定性を増強し、分散した液滴の凝集率を減少させる。
【0232】
乳化特性に加えて、本発明の穀粉乳化剤はまた、これらに限定されないが、増粘性、粘度、質感の改善、クリーム状、食感の改善、凍結融解安定性の改善、物理安定性の改善、及び/又は他の特性を含めた特性をエマルジョン又は製品に寄与する。
【0233】
本発明の穀粉乳化剤はまた、エマルジョンの油相に対する保護を提供する。前記保護は、油相又は油相中の化合物を、これもまた同様に、光不安定性、酸化、化学的不安定性、揮発性、pH不安定性、温度不安定性、又は色不安定性、味覚変化、香味変化等から保護する。本発明の穀粉乳化剤を含有する製品は、より良い光安定性、色安定性、化学的安定性、抗酸化剤特性又は酸化に対するより良い抵抗性、より良い香味及び香り安定性、pH安定性、及び温度安定性等を有する。
【0234】
時には、HLB(親水性-親油性バランス)値を使用して、水相及び油相における乳化剤の分布の程度を示すことができる。普通、高いHLB値の乳化剤は、水中油型エマルジョンを安定化させるために使用され、及び低いHLB値の乳化剤は、油中水型エマルジョンを安定化させるために使用される。
【0235】
HLB値に加えて、乳化剤は、他の特徴に基づき分類することができる。例えば、乳化剤は、これらのサイズ、例えば、小分子乳化剤(例えばレシチン、サポニン、脂肪酸、糖エステル、モノグリセリド/ジグリセリド、ポリソルベート)及び巨大分子乳化剤(例えば、アラビアゴム、オクテニルコハク酸デンプン、オクテニルコハク酸アラビアゴム)に基づき分類することができる。特に、粒子ベース乳化剤は、普通高い安定性を持つピッケリングエマルジョンを形成することができる。
【0236】
乳化剤は、それらの資源、すなわち合成、部分的合成、及び自然発生に基づき分類することができる。糖エステル、ポリソルベート、モノグリセリド及びジグリセリド、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、モノステアリン酸ソルビタン及びトリステアリン酸ソルビタン、ステアロイル乳酸ナトリウム及びステアロイル乳酸カルシウム、並びにDATEM(モノグリセリド及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル)は合成乳化剤の例である。アラビアゴム、レシチン、乳製品タンパク質(例えば、カゼイン塩、ホエータンパク質)、及びサポニンは天然乳化剤の例である。オクテニルコハク酸デンプン(OSA-デンプン)及びオクテニルコハク酸アラビアゴムは部分的合成乳化剤の例である。
【0237】
エマルジョンを評価するための主要な特性はその安定性である。エマルジョンの安定性は、物理的安定性及び化学的安定性として概念的に分類することができる。物理安定性は普通、分散した液滴(例えば、水中油型エマルジョン中の油滴又は油中水型エマルジョン中の水滴)の状態に主に関係するエマルジョンの物理的状態の変化について記載するために使用される。一般的に、水中油型エマルジョンの物理安定性は、油滴のクリーミング、沈降、フロキュレーション、癒合、又は凝集に対抗する本エマルジョンの程度又は能力として記載される。揮発性親油性成分、例えば、エマルジョン由来のエッセンシャルオイルの損失率もまた、物理安定性の指標として考えることができる。
【0238】
エマルジョンの化学安定性は普通、エマルジョン中の任意の成分の化学変化に対抗するエマルジョンの能力について記載するために使用される。水中油型エマルジョンにおいて、化学安定性は、光、加熱、酸化促進性化合物、放射線、又はこれらの要素の組合せに対抗する親油性成分の耐性として言及することができる。例えば、パプリカオレオレジンのエマルジョンは、長期間の光曝露による影響を受けやすく、よってその特定の色の濃さを失うこともある。魚油エマルジョンは、水系中の酸化的成分、例えば、酸素、フリーラジカル、及び重金属イオン等により分解する可能性があり、このような分解は高温の存在下で加速し得る。
【0239】
エマルジョンの安定性は、複数の要素により影響を受け得る。これらの中でも、使用される乳化剤の型は非常に重要となり得る。一般的に、乳化剤分子(又は粒子)は界面層、すなわち、油と水の境界面における層を形成する。界面層の特性は普通、液滴と、その周辺の成分との間の相互作用に大きな影響を有する。境界面において、乳化剤の親水性部分は、水性相と相互作用し、親油性部分は油相と相互作用する。界面層は境界面の張力を減少させるだけでなく、油と水性相との間の物質移動に対抗する物理的バリアを形成する。例えば、巨大分子又はナノ微粒子は、厚い及び/又は高密度の界面層を形成し、よって酸化促進性化合物の水性相から油相への拡散を減少させることができ、親油性化合物の酸化の削減をもたらす。厚い界面層はまた、個々の液滴間の立体反発を介してエマルジョンの物理安定性に有利に働くことができ、よって凝集、凝集、フロキュレーション、又は癒合の率を減少させる。厚い及び高密度の界面層はまた、エッセンシャルオイル等の揮発性親油性化合物の、分散油滴からの蒸発損失を効果的に減少させることもできる。イオン化乳化剤は、電荷を有する(正電荷又は負電荷のいずれか)界面層を形成することができ、よって個々の液滴間の固定した反発を引き起こし、エマルジョンの物理安定性を促進する。
【0240】
乳化剤の型に加えて、他の要素(例えば、環境因子)もまたエマルジョン安定性に影響を与え得る。これらの要素として、これらに限定されないが、pH値、イオン強度、粘度、温度変化、反対に帯電した分子又は粒子の存在、ポリマー又はバイオポリマーの存在、光への曝露、及び酸化的化合物の存在が挙げられる。例えば、極端なpH値(非常に高い又は低い)又は高塩分濃度は、エマルジョンのフロキュレーションをもたらし得る。高い粘度は、クリーミング又は沈降からエマルジョンを安定化させることができる。高温又は低温は、酸化率を増加又は低減させ得る。高い光強度、高温、又は酸化的化合物の存在は、油相中の親油性化合物の酸化及び分解を促進し得る。高温は、揮発性成分(例えば、エッセンシャルオイル)の、油相からの急速な損失をもたらし得る。ポリマー又はバイオポリマーの存在は、架橋フロキュレーション又は枯渇フロキュレーションをもたらし得る。
【0241】
多くの状況において、環境因子は、乳化剤の性能への影響を介してエマルジョンの安定性に影響を与える。例えば、低pHでの、負荷電カルボキシル基へのプロトン付加(すなわち、プロトンを添加すること)は、乳化剤の電荷密度を減少させることができ、よって、水中油型エマルジョン中の個々の油滴間の反発を減少させる。他方では、高いpHは、より多くの負電荷をもたらすことにより、水中油型エマルジョンのより高い安定性をもたらし得る。
【0242】
ある特定の状況では、エマルジョンへの異なる乳化剤の添加は、必ずしも安定性を増強するわけではない。例えば、巨大分子乳化剤で安定化したエマルジョンへの小分子乳化剤の添加は、界面層における小分子による巨大分子の置換を引き起こす可能性があり、これはエマルジョンの物理安定性を減少させ得る。
【0243】
水中油型エマルジョンにおいて、ポリマー又はバイオポリマー(例えば、多糖)の添加は普通、エマルジョンの粘度を増加させ、よってクリーミング、フロキュレーション、癒合、又は凝集の率を減少させる。しかし、一部のポリマー又はバイオポリマーは、エマルジョンの不安定性をもたらし得る。例えば、架橋フロキュレーションは、加えたポリマー又はバイオポリマーが乳化剤と反対の電荷を有する(よって、油滴)場合に起こり得る。高濃度のポリマー又はバイオポリマーは枯渇フロキュレーションをもたらし得る。
【0244】
食品系において、いくつかの種類の乳化剤が通常使用される:(1)小分子界面活性剤、例えば、脂肪酸、モノグリセリド、サポニン、及びDATEM、(2)タンパク質ベース乳化剤、例えば、カゼインナトリウム及びホエータンパク質、(3)多糖ベース乳化剤、例えば、アラビアゴム及びOSA-デンプン。これらのサイズ、電荷の種類及び密度、並びに親油性部分及び親水性部分の性質の差異により、これらの乳化剤は、エマルジョンを形成する及び安定化させることにおいて異なる特性を示してきた。加えて、エマルジョンの脱水から調製した固体中の親油性材料の安定性は、異なる種類の乳化剤によっても異なり得る。
【0245】
カプセル化のための乳化剤及び壁材料の使用。多くの状況において、エマルジョンは、好都合なプロセシング、貯蔵、及び使用のために脱水が必要となる。他の状況では、親油性化合物、例えば、多価不飽和脂肪酸(PUFA)、エッセンシャルオイル、又は天然着色料は、酸化、分解、及び/又は他の化学変化を引き起こし得る酸素、水分、光、及び他の環境因子からの保護のために固体形態でなければならない。この目的のために、親油性材料で形成されるエマルジョンは、固体を得るために脱水しなければならない。主に使用されている脱水方法は噴霧乾燥であり、これにより、普通カプセル化(又はマイクロカプセル化)と呼ばれるプロセスでミクロンサイズの粒子が生成される。他の方法、例えば、フリーズドライ、ドラム乾燥、押出し、及びコアセルベーションもまた親油性材料のカプセル化のために使用することができる。
【0246】
エマルジョン脱水製品において、油滴は、乳化剤で覆われ、膨化剤、例えば、ゼラチン、マルトデキストリン、又はデンプン中に埋め込まれる。固体の中で、これらの材料(例えば、乳化剤及び膨化剤)は、油滴を酸素、水分、光、及び他の分解要素から保護する能力を有し、普通これらは「壁材料」と呼ばれ、壁材料は通常カプセル系の説明に使用される用語である。一部の巨大分子乳化剤、例えば、アラビアゴム、カゼインナトリウム、及びオクテニルコハク酸デンプンは、乳化中に乳化剤として振る舞うばかりでなく、壁材料としても機能する。壁材料の分子量、吸湿性(環境から水分を吸収する能力)、ガラス転移温度(Tg)、及び他の物理化学特性は、酸素、水分、光、及び異常な温度に対するカプセル化親油性材料の安定性に実質的に影響を与え得る。普通、良好な膜形成特性及びバリア特性を有するバイオポリマーが壁材料として好ましい。
【0247】
普通、親油性材料を含めたカプセル化組成物を調製する方法は、いくつかの工程を含む:(1)親油性の材料を油に組み込む(例えば、溶解する)、(2)乳化剤(複数可)及び壁材料を水性溶媒(例えば、水又は緩衝液)に溶解又は分散させる、(3)油と水性溶媒を混合し、ミクロン又はサブミクロンサイズの油滴を形成することを目標に、混合物を、高速、高圧、高せん断、又は超音波手法を介した均質化に供する、並びに(4)エマルジョンを噴霧乾燥等の脱水手順に供し、普通粉末形態である固体を収集する。時には、粉末は、より良い流動特性及び分散特性のために更に顆粒化して、より大きな粒子を形成する。
【0248】
食品用途に対しては、大部分の食品等級乳化剤を使用して、カプセル化用エマルジョンを調製することができる。しかし、壁材料に対しては、許容されるバリア特性を有するような食品材料のだけが好ましい。バイオポリマーは普通、壁材料に対する良好な候補であり、これらは、これらに限定されないが:(1)タンパク質ベース材料、例えば、カゼイン塩、ホエータンパク質、及びゼラチン、並びに(2)オリゴ糖及び多糖、例えば、イヌリン、ポリデキストロース、マルトデキストリン、アラビアゴム、プルラン、及びセルロース誘導体を含む。
【0249】
いくつかのバイオポリマー、例えば、カゼインナトリウム、アラビアゴム、オクテニルコハク酸デンプン、及びオクテニルコハク酸アラビアゴムは、乳化剤と壁材料の両方として使用することができる。これらのニ官能性バイオポリマーはカプセル化に対して独特である。しかし、これらは普通高いコストを伴う。したがって、非乳化剤、低コスト壁材料、例えば、マルトデキストリン又はトウモロコシシロップを加えて、ニ官能性バイオポリマーを部分的に置き換える。
【0250】
エマルジョン系、カプセル化系、及び製品において遭遇する問題及び難題に取り組むため、発明者らは、食品、飲料、パーソナルケア、薬物、薬剤、農業、産業の用途に対して対費用効果の高い及び持続可能な乳化剤を探してきた。根気強い努力を介して、発明者らは驚くことに、高品質の乳化剤が、様々な植物材料、例えば、穀物(例えばトウモロコシ、コムギ、コメ)、マメ科植物(ビーン、サヤエンドウ)、及び塊茎及び根(ジャガイモ及びサツマイモ)からのデンプン及びタンパク質含有穀粉から調製することができることを発見した。
【0251】
これら穀粉のそれぞれにおいて、相当量のデンプン及びタンパク質材料が存在する。しかし、従来の穀粉作製法では、許容される乳化特性を有する穀粉は生成されない。言い換えれば、本発明以前に報告された又は実施されたいかなる製粉手法を使用しても穀粉乳化剤を調製することはできない。
【0252】
初めて、発明者らは、加熱と組み合わせた長期の製粉により、食品業界で主に使用されている2種の乳化剤であるアラビアゴム及びオクテニルコハク酸デンプン(OSA-デンプン)と同等の又はこれらを超える強い乳化能を有する穀粉を生成することができることを発見した。
【0253】
穀粉乳化剤の調製は、いかなる外部の化学物質、例えば、酸、塩基、塩、及び酵素をも添加することなく、物理的プロセシングのみを含むことができる。しかし、プロセシング中に外部の化学物質を添加することは、穀粉製品の機能性に、正又は負のいずれかの影響を与え得る。
【0254】
以下の段落は、本発明の概念を表すだけのために、一部の実施例の実行又は実施形態を列挙している。この列挙は、本発明が適用される範囲を限定するものではない。
【0255】
一実施形態では、穀物粒又はマメ科植物種子は、110℃で合計2.5時間加熱し、合計4時間ボールミリングする。生成された穀粉は強い乳化能を示す。
【0256】
別の実施形態では、製粉されたコメ穀粒は、2時間製粉して、標準のコメ粉の乳化能より大きい乳化能を有するコメ粉を生成する。
【0257】
別の実施形態では、製粉されたコメ穀粒は、2時間製粉して、標準のコメ粉の乳化能より大きい乳化能を有するコメ粉を生成し、製粉プロセスは、プロセスを施した植物材料1kg当たり0.05kwを超える電力入力を有する。
【0258】
別の実施形態では、2時間の製粉で処理したコメ粉は、110℃で1時間更に加熱して、加熱なしで調製されたコメ粉の乳化能より大きい乳化能を有する穀粉を生成する。
【0259】
別の実施形態では、標準のトウモロコシ粉は、110℃で2時間加熱し、3時間製粉して、乳化能が増強したトウモロコシ粉を生成する。
【0260】
別の実施形態では、ヤエナリ種子は、摩砕し、80メッシュ篩を通し、その後3時間の製粉に供し、次いで110℃で1.5時間の加熱に供する。生成されたヤエナリ粉は乳化特性を示す。
【0261】
別の実施形態では、浸漬し、蒸し加熱し、次いで乾燥で割れたサヤエンドウを摩砕し、80メッシュ篩を通し、その後110℃で1時間の加熱、3時間の製粉、次いで110℃で1.5時間の加熱に供する。こうして調製された穀粉は乳化能を示す。
【0262】
別の実施形態では、浸漬し、蒸し加熱し、次いで乾燥させたキドニービーンを摩砕し、80メッシュ篩を通し、その後110℃で2.5時間の加熱と4時間のボールミリングの組合せに供する。こうして調製した穀粉は乳化能を示す。
【0263】
別の実施形態では、コメ穀粒を最初に摩砕し、80メッシュ篩を通し、含水量0.0~10%まで乾燥させ、10分間~10時間のボールミリングに供し、その後100~150℃で10分間~20時間加熱処理する。生成されたコメ粉は、加熱及びボールミリングの組合せに供さなかったコメ粉より高い乳化特性を示す。
【0264】
本発明の範囲及び用途を制限することなく、穀粉乳化剤の高乳化能の機序は、タンパク質及びデンプンの物理的状態、例えば、これらの粒径、結晶化度、及び構造変化におそらく関連する。例えば、長期間の製粉又は加熱は、デンプン結晶化度の減少及びタンパク質の疎水性パッキングの変化をもたらし得る。タンパク質及びデンプンは、物理的プロセシングにのみ供するが、タンパク質の疎水性部分の曝露並びにデンプン材料の急速な溶解は、穀粉の乳化特性を相乗的に増強し得る。
【0265】
異なる植物材料は異なる種類のタンパク質及びデンプンを有するので、したがって、対応する穀粉の乳化特性は異なり得る。
【0266】
本発明の穀粉乳化剤はエマルジョンを形成及び安定化させるために使用される。
【0267】
一実施形態では、穀粉乳化剤はエマルジョンを形成する親油性材料を乳化するために使用される。穀粉乳化剤を使用して調製したエマルジョンは、穀粉乳化剤を使用せずに調製したエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0268】
別の実施形態では、パプリカオレオレジンはコメ粉乳化剤で乳化される。形成されたエマルジョンはコメ粉乳化剤なしで形成されたエマルジョン及びアラビアゴムで形成されたエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0269】
別の実施形態では、アスタキサンチンオレオレジンはコメ粉乳化剤で乳化される。形成されたエマルジョンはコメ粉乳化剤なしで形成されたエマルジョン及びアラビアゴムで形成されたエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0270】
別の実施形態では、混合トコフェロールはコメ粉乳化剤で乳化される。形成されたエマルジョンは、コメ粉乳化剤なしで形成されたエマルジョン及びアラビアゴムで形成されたエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0271】
別の実施形態では、レチノール油はコメ粉乳化剤で乳化される。形成されたエマルジョンは、コメ粉乳化剤なしで形成されたエマルジョン及びアラビアゴムで形成されたエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0272】
別の実施形態では、ダイズ油はコメ粉乳化剤で乳化される。形成されたエマルジョンは、コメ粉乳化剤なしで形成されたエマルジョン及びアラビアゴムで形成されたエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0273】
別の実施形態では、魚油はコメ粉乳化剤で乳化される。形成されたエマルジョンはコメ粉乳化剤なしで形成されたエマルジョン及びアラビアゴムで形成されたエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0274】
別の実施形態では、オレンジオイルはコメ粉乳化剤で乳化される。形成されたエマルジョンは、コメ粉乳化剤なしで形成されたエマルジョン及びアラビアゴムで形成されたエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0275】
別の実施形態では、ローズマリーオイルはコメ粉乳化剤で乳化される。形成されたエマルジョンは、コメ粉乳化剤なしで形成されたエマルジョン及びアラビアゴムで形成されたエマルジョンより大きな安定性を示す。
【0276】
本発明の穀粉乳化剤は、カプセル化及びマイクロカプセル化のために使用される。
【0277】
驚くことに、本発明において生成される穀粉乳化剤は優れた乳化能を示すばかりでなく、またカプセル化又はマイクロカプセル化のための壁材料としても使用することができることが判明した。本発明の範囲を制限することなく、穀粉乳化剤は、バイオポリマーとしてこれらの特性により、カプセル化のための壁材料として使用することができると発明者らは考える。穀粉乳化剤はタンパク質及びデンプンを含有し、両方とも高分子量、高いガラス転移温度(Tg)、及び低い吸湿性を有する。穀粉乳化剤のこのような特性は、油滴上での十分な固体被覆、したがって環境中の酸素、水分、光、及び他の分解要素から親油性化合物を高度に保護することを可能にする。カプセル化固体生成物が、水又は他の水性溶媒中で効果的に水和、分散、又は溶解して、安定したエマルジョンを形成することが更に判明した。
【0278】
一実施形態では、穀粉乳化剤は、水中油型エマルジョンを形成する親油性材料を乳化するために使用される。エマルジョンはその後脱水して、固形材料を形成する。その後、固形物は安定したエマルジョンへと成功裏に再水和される。
【0279】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤はパプリカオレオレジンを乳化し、エマルジョンを形成するために使用される。このエマルジョンを換気オーブン内、60℃で乾燥させて、固形物を収集する。固形物を水に分散すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0280】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤はオレンジオイルを乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0281】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤は魚油を乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0282】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤はローズマリーオイルを乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0283】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤は植物油を乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0284】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤は、パプリカオレオレジンを溶解する植物油を乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0285】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤は、リコピンオレオレジンを乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0286】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤は、パプリカオレオレジン及びリコピンオレオレジンを含有する植物油を乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンをオーブン乾燥させて、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0287】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤及びトウモロコシ粉乳化剤は、パプリカオレオレジン及びリコピンオレオレジンを含有する植物油を乳化するために合わせ、エマルジョンを形成する。エマルジョンをオーブン乾燥させて、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0288】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤及びトウモロコシ粉乳化剤は、パプリカオレオレジン及びリコピンオレオレジンを含有する植物油を乳化するために合わせ、エマルジョンを形成する。エマルジョンをドラム乾燥させて、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0289】
別の実施形態では、トウモロコシ粉乳化剤は、アスタキサンチンオレオレジンを乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンを冷凍乾燥させて、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0290】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤は、トウガラシ属オレオレジンを乳化するために使用され、エマルジョンを形成する。エマルジョンを冷凍乾燥させて、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0291】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤は、クルクミンを含有した植物を乳化するために使用される。クルクミン固形物を最初に植物油中に分散し、その後コメ粉乳化剤を使用してエマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0292】
別の実施形態では、オオムギ粉乳化剤はβ-カロテンを乳化するために使用される。β-カロテン固形物を最初に植物油に分散させ、その後オオムギ粉乳化剤を使用してエマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0293】
別の実施形態では、サヤエンドウ粉乳化剤はルテインを乳化するために使用される。ルテイン固形物を最初に植物油に分散させ、その後サヤエンドウ粉乳化剤を使用してエマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0294】
別の実施形態では、コメ粉乳化剤は、コエンザイムQ10を乳化するために使用される。コエンザイムQ10を最初に植物油中で希釈し、その後コメ粉乳化剤を使用して、エマルジョンを形成する。エマルジョンを噴霧乾燥して、固形物を粉末形態で収集する。粉末を再水和すると、安定したエマルジョンが形成される。
【0295】
慣習的に、化学的処理なしの穀粉は食品の成分として使用されてきた。化学的処理なしの従来の穀粉は、本明細書に記載されている乳化特性を保有せず、食品、飲料、パーソナルケア、農業、又は工業製品の乳化剤として使用されてこなかった。
【0296】
本発明は本明細書に記載されている穀粉乳化剤に関するものである。
【0297】
本発明は、穀粉乳化剤を作製する本明細書に記載されている方法に関するものである。
【0298】
本発明は開示された方法により作製される穀粉乳化剤に関するものである。
【0299】
本発明は、本明細書に記載されている穀粉乳化剤の使用に関するものである。
【0300】
本発明は、製品は、本明細書の穀粉乳化剤を含有する、食品、飲料、薬物、薬剤品、パーソナルケア製品、化粧品、農業製品、又は工業製品である製品に関するものである。
【0301】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、これらに限定されないが、ケーキ、マフィン、ドーナツ、クッキー、ブレッド、フラットブレッド、パイ、クラッカー、チップ、トルティーヤ、プリン、バー、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、冷凍菓子、冷蔵又は冷凍生地、スナック食品等を含むベーカリー食品を生成するために使用される。
【0302】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する新規ベーカリー食品であって、これらに限定されないが、ケーキ、マフィン、ドーナツ、クッキー、ブレッド、フラットブレッド、パイ、クラッカー、チップ、トルティーヤ、プリン、バー、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、冷凍菓子、冷蔵又は冷凍生地、スナック食品等を含むベーカリー食品に関する。
【0303】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、これらに限定されないが、オレオレジン、カプセル化、色配合物、香味配合物、天然抽出物配合物、抗酸化剤配合物、栄養素配合物、DHA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス等を含む食品成分又は食品成分を生成するために使用される。
【0304】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する新規食品成分又は食品成分であって、これらに限定されないが、オレオレジン、カプセル化、色配合物、香味配合物、天然抽出物配合物、抗酸化剤配合物、栄養素配合物、DHA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス等を含む前記食品成分又は食品成分に関する。
【0305】
別の実施形態では、本発明において記載されている乳化剤は、冷凍食品エントリー、乳製品又は非乳製品アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍菓子、冷凍生地、冷凍食品成分、冷凍ミール、冷凍ソース等を含む冷凍食品を生成するために使用される。
【0306】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する新規冷凍食品であって、これらに限定されないが、冷凍食品エントリー、乳製品又は非乳製品アイスクリーム、冷凍生地、冷凍食品成分、冷凍ミール、冷凍ソース、フローズンヨーグルト、冷凍菓子等を含む冷凍食品に関する。
【0307】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、これらに限定されないが、ソース、ドレッシング、スープ、食品エントリー、スプリンクル、食品デコレーション、フィリング、封入物等を含む薬味又は料理用食品を生成するために使用される。
【0308】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する新規薬味又は料理用食品であって、これらに限定されないが、ソース、ドレッシング、スープ、食品エントリー、スプリンクル、食品デコレーション、フィリング、封入物等を含む薬味又は料理用食品に関する。
【0309】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、これらに限定されないが、プロテインドリンク、エネルギードリンク、代替食、乾燥飲料粉末、乳製品及び非乳製品飲料、アーモンドミルク、ナッツミルク、ダイズミルク、ヨーグルト、プロバイオティクス又はプレバイオティクドリンク、栄養補助食品、シェーク、スムージー等を含む飲料を生成するために使用される。
【0310】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する飲料であって、これらに限定されないが、プロテインドリンク、エネルギードリンク、代替食、乾燥飲料粉末、乳製品及び非乳製品飲料、アーモンドミルク、ナッツミルク、ダイズミルク、ヨーグルト、プロバイオティクス又はプレバイオティクドリンク、栄養補助食品、シェーク、スムージー等を含む飲料に関する。
【0311】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、これらに限定されないが、ソーセージ、デリミート、缶詰め肉、肉ブライン、植物由来の肉代替品、植物タンパク質製品、真菌タンパク質製品、植物由来のバーガー、植物由来のチキン、植物由来の魚等を含む肉製品を生成するために使用される。
【0312】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する肉又は代替品タンパク質製品であって、これらに限定されないが、ソーセージ、デリミート、缶詰め肉、肉ブライン、植物由来の肉代替品、植物タンパク質製品、真菌タンパク質製品、植物由来のバーガー、植物由来のチキン、植物由来の魚等を含む肉又は代替品タンパク質製品に関する。
【0313】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料等を含む飼料製品を生成するために使用される。
【0314】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する飼料タンパク質製品であって、これらに限定されないが、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料、飼料成分等を含む飼料に関する。
【0315】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング等を含むパーソナルケア製品を生成するために使用される。
【0316】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有するパーソナルケア製品であって、これらに限定されないが、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング等を含むパーソナルケア製品に関する。
【0317】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、抗がん剤、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、軟膏剤、注射、スプレー、病人向け特別飲料、病人向け特別食等を含む医薬品を生成するために使用される。
【0318】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する医薬品であって、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、抗がん剤、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、軟膏剤、注射、スプレー、病人向け特別飲料、病人向け特別食等を含む医薬品に関する。
【0319】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、殺生物剤類、種子コーティング、殺菌剤、有機植物保護剤又は栄養素等を含む農業製品を生成するために使用される。
【0320】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する農業製品であって、これらに限定されないが、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、殺生物剤類、種子コーティング、殺菌剤、有機植物保護剤又は栄養素等を含む農業製品に関する。
【0321】
別の実施形態では、本発明に記載されている乳化剤は、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、フィルム、皮革、産業用スプレー、産業用クリーニング液、及びいずれかの上記製品の成分を含む工業製品を生成するために使用される。
【0322】
本発明は、記載されている穀粉乳化剤を含有する農業製品に関し、前記工業製品は、これらに限定されないが、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、フィルム、皮革、産業用スプレー、産業用クリーニング液、及び上記製品を作製する成分を含む。
【0323】
別の実施形態では、本発明は、穀粉乳化剤と、他の成分とを含有する、本明細書に記載されている製品に関する。
【0324】
本発明は、エマルジョン、成分、又は製品中での、記載されている穀粉乳化剤の、他の成分と一緒に組み合わせての使用であって、前記他の成分が、これらに限定されないが、他の乳化剤、安定剤、膨化剤、レオロジー特性改質剤、タンパク質、プレバイオティクス、プロバイオティクス、及び任意の他の食品、パーソナルケア、薬物、農業用、又は産業用成分を含む、使用に関する。
【0325】
本発明は、エマルジョン、成分、又は製品中での、記載されている穀粉乳化剤の、他の成分と一緒に組み合わせての使用であって、前記他の成分が、これらに限定されないが、小分子乳化剤、モノグリセリド、ジグリセリド、ポリソルベート、ステアロイル二乳酸カルシウム(dilaciate)、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、糖エステル、アセチル化モノグリセリド、ラクチル化モノグリセリド、レシチン、加工デンプン、アラビアゴム、タンパク質ベース乳化剤、例えば、サヤエンドウ粉、カゼインナトリウム、ホエータンパク質分離物等、デンプン、マルトデキストリン、シロップ、糖、糖アルコール、オリゴ糖、加水分解バイオポリマー、多糖加水分解物、タンパク質加水分解物、多糖ガム、キサンタンガム、ローカスビーンガム、グアーガム、セルロース、カルボキシメチルセルロース、修飾セルロース、デンプン、タンパク質ベース親水コロイド、ゼラチン、ダイズタンパク質、サヤエンドウタンパク質、卵白、サヤエンドウタンパク質、ダイズタンパク質、コオロギパウダー、タンパク質加水分解物、卵白、サヤエンドウ粉、ビーン粉、レンズマメ粉、プレバイオティクス、プロバイオティクス、マイクロバイオーム関連材料等を含む、使用に関する。
【0326】
本発明において、製粉の目的は、固形材料を破壊してより小さな小片にすることだけではなく、穀粉中の成分、例えば、デンプン及びタンパク質の十分な混合を確実にすることでもある。これらに限定されないが、ハンマーミル、ボールミル、棒状ミル、粉砕ロール、ストーンミル、ジェット式ミル、乳鉢及び乳棒、ディスクミル等を含めた、乾燥材料に対して使用することができる様々なミルが存在する。湿った及び半ば湿った(半乾性)材料に対して、製粉又は剪断は、(これらに限定されないが)押出し機、ブレンダー、シグマブレンダー、コロイドミル、高速ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、及び流動化機等を使用して行うことができる。
【0327】
加熱は、これらに限定されないが、換気あり若しくは換気なしでのオーブン加熱、真空あり若しくは真空なしでのオーブン加熱、又は直接的熱風を使用する又はジャケットを介した撹拌容器内での加熱、及びマイクロ波を含めた様々な方式で行うことができる。加熱の目的は、必要とされる範囲で材料の温度を制御することである。温度は一定のレベルで維持することもできるし、又は変えることもできる。
【0328】
穀粉材料のタンパク質含有量は、乳化特性をもたらすのに十分であるべきである。一般的に、穀粉材料のタンパク質含有量は>1%であり、85%まで高くなり得る。大部分の穀粉材料に対して、タンパク質含有量は普通、2%~50%の範囲である。
【0329】
穀粉材料のデンプン含有量はエマルジョンを安定化させるのに十分であるべきである。一般的に、穀粉材料のデンプン含有量は20%を超え、90%超まで高くなり得る。大部分の穀粉材料に対して、デンプン含有量は普通、15%~85%の範囲である。
【0330】
デンプンの結晶化度はデンプン材料中の結晶領域のパーセンテージを示す。デンプン結晶化度を判定する最も一般的な手法は粉末X線回折を使用することである。普通デンプンの結晶化度は、デンプンの種類に応じて20%~80%周辺である。望ましい分散特性、乳化特性、又は両方の特性の組合せを有するために、デンプンの結晶化度を減少させる。デンプンの結晶化度は、元のレベルの90%以下まで減少させることができ、これは、プロセスを施した植物材料中のデンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度と等しい又はその90%未満であることを意味する。例えば、元の植物材料中のデンプンが40%の結晶化度を有し、プロセシング後のデンプン結晶化度が36%である場合、デンプンの結晶化度は元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%である。別の例として、元の植物材料中のデンプンが40%の結晶化度を有し、プロセシング後のデンプン結晶化度が30%である場合、デンプンの結晶化度は元の植物材料中のデンプンの結晶化度の75%である。本発明において、プロセスを施した材料中のデンプンの結晶化度は、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の0%~90%であることができる。
【0331】
元の植物材料(例えば、穀物及びマメ科植物種子、塊茎、根)の加熱のみのプロセシング方法、又は製粉のみプロセシング方法は、加熱と製粉プロセス方法を組み合わせた場合と同じ結果をもたらさないこともある。しかし、元の植物材料は、記載されている、組み合わせた加熱及び製粉プロセスの対象とする前に、熱水処理、例えば、アルファ化、沸騰、又は蒸熱の対象下に場合によっておいてもよい。
【0332】
一実施形態では、コメ粉を予備ゼラチン化プロセスに供し、その後110℃での2時間の加熱及びコメ粉1kg当たり0.5kwの電力入力での40分間の製粉を含む加熱及び製粉プロセスに供し、こうして穀粉乳化剤を生成する。
【0333】
別の実施形態では、トウモロコシ粉をアニーリングプロセスに供し、その後110℃での2時間の加熱及びトウモロコシ粉1kg当たり0.3kwの電力入力での90分間の製粉を含む加熱及び製粉プロセスに供し、こうして穀粉乳化剤を生成する。
【0334】
別の実施形態では、コメ粉を予備ゼラチン化プロセスに供し、トウモロコシ粉をアニーリングプロセスに供し、その後コメ粉及びトウモロコシ粉を合わせ、120℃での2時間の加熱及び穀粉1kg当たり0.8kwの電力入力での60分間の製粉を含む加熱及び製粉プロセスに供し、こうして穀粉乳化剤を生成する。
【0335】
別の実施形態では、オオムギ粉を調理プロセスに供し、次いで110℃での1.5時間の加熱及び穀粉1kg当たり1kwの電力入力での120分間の製粉を含む加熱及び製粉プロセスに供し、こうして穀粉乳化剤を生成する。
【0336】
別の実施形態では、コムギ粉をオートクレーブプロセスに供し、次いで110℃での2.5時間の加熱及び穀粉1kg当たり0.7kwの電力入力での120分間の製粉を含む加熱及び製粉プロセスに供し、こうして穀粉乳化剤を生成する。
【0337】
別の実施形態では、サヤエンドウ粉を蒸熱プロセスに供し、次いで110℃での2時間の加熱及び穀粉1kg当たり0.3kwの電力入力での120分間の製粉を含む加熱及び製粉プロセスに供し、こうして穀粉乳化剤を生成する。
【0338】
本発明はまた、タンパク質成分(1%~85%)と、デンプンを含む炭水化物成分(15%~99%)とを含む乳化剤組成物であって、タンパク質成分及びデンプンを含む炭水化物成分が必ずしも同じ原材料由来のものではなく、乳化剤組成物中のデンプンの結晶化度が元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である乳化剤組成物に関する。タンパク質成分及びデンプンを含む炭水化物成分は、1種又は複数の植物、動物、及び/又は微生物資源から得る又は単離することができる。
【0339】
本発明はまた、タンパク質成分(1%~85%)と炭水化物成分(15%~99%)とを含む乳化剤組成物であって、タンパク質成分及び炭水化物成分が必ずしも同じ原材料由来のものではなく、タンパク質成分と炭水化物成分の混合物が加熱及び製粉に供されて、前記乳化剤組成物を生成する、乳化剤組成物に関する。タンパク質成分及び炭水化物成分は、1種又は複数の植物、動物、及び/又は微生物資源から得る又は単離することができる。
【0340】
本発明はまた、タンパク質成分(1%~85%)と炭水化物成分(15%~99%)とを含む乳化剤組成物であって、タンパク質成分及び炭水化物成分が必ずしも同じ原材料由来のものではなく、タンパク質成分と炭水化物成分の混合物が加熱及び製粉に供されて、前記乳化剤組成物を生成し、加熱プロセスが、約40℃~約300℃の温度で約2分間~約100時間行われ、製粉プロセスが、プロセスを施した材料1kg当たり0.05kw以上の電力入力又は電力消費を用いて約2分間~約50時間行われる、乳化剤組成物に関する。タンパク質成分及び炭水化物成分は、1種又は複数の植物、動物、及び/又は微生物資源から得る又は単離することができる。
【0341】
本発明はまた、乳化剤を生成するための製粉プロセスの使用であって、製粉プロセスが、プロセスを施した材料1kg(キログラム)当たり、0.05kw(キロワット)、0.1kw、0.2kw、0.3kw、0.4kw、0.5kw、0.6kw、0.7kw、0.8kw以上の電力入力、電力出力、及び/又は電力消費を提供する、使用に関する。
【0342】
いくつかの具体例又は実施形態は、本発明の範囲を制限することなく本発明を例示するために本明細書で提供される。
【0343】
一部の実施例では、様々な穀粉乳化剤の調製が記載され、エマルジョンを安定化させるこれらの能力が画像を使用して示されている。
【0344】
組み合わせた製粉と加熱の処理の前及び後のデンプン含有量及びデンプン結晶化度を穀粉に対して決定した。
【0345】
メガザイムの全デンプン量アッセイ手順を使用してデンプン含有量を決定した。メガザイムのキットは以下を含む:
・耐熱性アルファミラーゼ、3000U/mL、安定化した溶液;1mLの酵素溶液を29mL酢酸ナトリウム緩衝液(100mM、pH5.0)で希釈した。
・アミログルコシダーゼ、330U/mL、安定化した溶液、
・グルコース判定試薬(GOPOD)、グルコースオキシダーゼ>2000U/L、ペルオキシダーゼ>650U/L、4-アミノアンチピリン0.4mM、
・グルコース試薬緩衝液、
・グルコース標準液、0.2%安息香酸中100μg/0.1mL、
・エタノール、水性、80%v/v。
【0346】
それぞれ個々の試料の全デンプン含有量を決定するため、100mgの材料を15mL遠心管に加えた。試料を0.2mLの80%(v/v)エタノールで湿らせ、分散を補助するためにボルテックスミキサーを使用して撹拌した。それぞれの分散した試料に、3mLの希釈した耐熱性アルファミラーゼを加え、混合物を沸騰水槽内で12分間インキュベートした。スラリーが確実に均一となるよう、試験管を様々な時間間隔で撹拌した(4、8及び12分間)。
【0347】
加熱後、試料を冷却させ、水槽内、50℃で平衡化した。各試験管に、0.1mLのアミログルコシダーゼを加え、混合物を50℃で30分間インキュベートした。その後、試験管の内容物を100mLメスフラスコに移し、蒸留水を使用して容量を調節した。メスフラスコから、1.00mLの分散液を吸引し、845×gで10分間遠心分離した。上清から、アリコート(50μL)をガラス試験管に分注し、次いでGOPOD試薬(1.5mL)を加え、続いて50℃で20分間のインキュベーションを行った。インキュベーション後、試薬ブランクに対して、510nmで各試料に対する吸光度を測定した。
【0348】
全デンプン含有量を以下の通り計算した:
デンプン(%)=ΔA×F×(FV/0.05)×(1/1000)×(100/W)×(162/180)
式中、
ΔA=試薬ブランクに対する吸光度読取り値;
F=100/(100μgのグルコースに対する吸光度)
FV:最終容量(100mL)
0.05:分析した試料の容量
1/1000:μgからmgへの換算率
100/W:穀粉の質量パーセンテージとして「デンプン」を示す要素
W:穀粉質量(単位:mg)
162/180=遊離D-グルコースから無水Dグルコースへの調整
【0349】
試料の粉末X線回折及び生成した結晶図の結晶領域のソフトウエアによる積分を使用して、デンプン結晶化度(%)を得た。試料(各500mg)をアルミニウムホルダーに固定し、次いで、試験管を40kV及び25mAで作動させながら、Ni-フィルターCuKα(1.5418Å)放射線を備えたPhilips PW3710回折計を使用して分析した。ワイドアングルX線結晶図を室温で、10~35°2θの範囲及びスキャン速度0.5°/分で得た。自動化粉末回折(APD)ソフトウエア(バージョン3.6)によるさらなる分析用に結晶図を平滑化した。次いで、Origin Pro2018ソフトウエア、バージョン95Eを使用する結晶化度(%)の計算のために生データをロードした。10~30°2θ範囲で各結晶図に対して、総面積及びベースライン領域を使用して結晶化度(%)を決定した。非ピーク領域におけるポイントを使用することにより、ベースラインパターンを得た。結晶化度(%)を以下の通り計算した:
【0350】
【数1】
【0351】
LECOモデルFP-2000窒素分析器(LECO社、St. Joseph、MI)を用いた燃焼法により、測定した窒素含有量を使用してタンパク質含有量を決定した。各材料に対して、0.2gをセラミック容器内に配置し、次いで窒素を燃焼により決定し、その値に5.75を掛けて、タンパク質含有量を得た。燃焼は、1.8及び4.2L/分のランス及びパージ流、3パージサイクル及び5℃でのクーラーセットを用いて、1100℃で実施した。EDTAを標準として使用した(9.56±0.02%N含有量、製造業者により決定された値)。
【実施例1】
【0352】
コメ品種#1
製粉したコメ粒品種#1を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた粉(未処理コメ粉#1、URF-1)を110℃で2.5h(時間)の加熱及び4h(時間)のボールミリングで処理した。収集した穀粉乳化剤(RFE)をコメ粉乳化剤#1(RFE-1)としてコード付けた。
【0353】
コメ粉について、デンプン含有率は72.8%であり、タンパク質含有率は7.35%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ46.9%及び41%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約87.4%(41/46.9=0.874)に減少したことが示された。
【0354】
2.5グラムのRFE-1を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-1ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コメ粉#1(URF-1)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種の追加のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を一緒に10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0355】
図1は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った均質化混合物の画像を示す。振とう後120分時点に撮った画像により、乳化剤の使用なし(乳化剤なし)では、大部分の油滴が水性相の上部に移動したことが示された。URF-1安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-1の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-1の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-1安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はアラビアゴムのクリーミング層と同等であり、URF-1よりもはるかに高いRFE-1の乳化能が示された。
【0356】
油中水エマルジョンを安定化する穀粉乳化剤の能力は、様々な時間間隔での均質化混合物の画像と比較することにより評価及び決定できる。例えば、図1において、「120分」及び「60分」の画像を比較することにより、振とう後120分時点のRFE-1混合物が、30、60及び120分時点のURF-1混合物よりも安定であることが見出だされた。120分が30分におけるものの4倍であるため、本発明者らは、エマルジョンを安定化するRFE-1の能力がURF-1の能力の少なくとも4倍であったと結論できる。
【0357】
一方法として、本発明は、エマルジョン安定化する穀粉乳化剤の能力を、以下の手順により評価する。
1)振とう後様々な時間間隔での均質化混合物のエマルジョン安定性を観察、記録及び比較する。例えば、均質化混合物の写真はいくつかの時間間隔で撮ることができる。
2)乳化剤なし、製粉及び加熱の組合せ処理なしの粉、又はアラビアゴム等の市販の乳化剤との均質化混合物であり得る比較混合物を選択する。例えば、製粉及び加熱の組合せ処理なしの粉との均質化混合物を比較混合物として使用できる。
3)比較混合物について、振とう後の時間間隔、例えば、振とう直後(振とう後2分以内)、又は振とう後30分、60分若しくは120分時点を選択する。選択した比較混合物と選択した時間間隔とは一緒に、比較標準を形成する。例えば、振とう後30分時点の未処理粉との均質化混合物を比較標準として使用できる。
4)確立した比較標準に対して、穀粉乳化剤の乳化能を定量的に評価できる。本発明において、穀粉乳化剤との均質化混合物(ある特定の時間間隔の)を比較標準と比較する。穀粉乳化剤との均質化混合物が、比較標準より安定である(例えば、より均一に分散される)場合、穀粉乳化剤との均質化混合物の時間間隔(振とう後)と比較標準のために使用した時間間隔との比(N)を使用して、穀粉乳化剤が比較標準に使用した材料の乳化能の「少なくともN倍」の乳化能を有すると定義する。
5)例えば、図1は、120分後(すなわち、振とう後120分時点)のRTE-1との均質化混合物が、30分後(すなわち、振とう後30分時点)のURF-1との均質化混合物よりも安定であった(又はより均一に分散される)ことを示している。120分は30分の時間の4倍であるため、本発明者らは、RTE-1が、URF-1の乳化能の少なくとも4倍の乳化能を有すると決定する。本発明者らはまた、RTE-1によって形成されたエマルジョンの安定性が、URF-1によって形成されたエマルジョンの少なくとも4倍であったことを述べる。
【実施例2】
【0358】
コメ品種#2
製粉したコメ粒(品種#2)を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理コメ粉#2(URF-2)を110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングの組合せで処理した。収集した穀粉乳化剤をコメ粉乳化剤#2(RFE-2)としてコード付けた。
【0359】
コメ粉について、デンプン含有率は73.0%であり、タンパク質含有率は6.65%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ48.2%及び35.4%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約73.4%に減少したことが示された。
【0360】
2.5グラムのRFE-2を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-2ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コメ粉#2(URF-2)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0361】
図2は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った画像を示す。「120分」群について、乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動したことが示される。URF-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-2の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-2の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はアラビアゴムのクリーミング層よりもはるかに薄く、URF-2及びアラビアゴムよりも高いRFE-2の乳化能が示された。
【0362】
振とう後120分時点のRFE-2を用いたエマルジョンは、30分時点におけるURF-2を用いたエマルジョンよりも安定であった(又はより均一に分散されていた)ため、RFE-2の乳化能はURF-2の乳化能の少なくとも4倍(120/30=4)であると結論した。
【0363】
振とう後120分時点のRFE-2を用いたエマルジョンは、振とう直後(振とう後2分以内)のURF-2を用いたエマルジョンよりも安定であった(又はより均一に分散されていた)ため、RFE-2の乳化能はURF-2の乳化能の少なくとも60倍(120/2=60)であると結論した。
【0364】
振とう後120分時点のRFE-2を用いたエマルジョンは、振とう後60分時点のアラビアゴムを用いたエマルジョンよりも安定であった(又はより均一に分散されていた)ため、RFE-2の乳化能はアラビアゴムの乳化能の少なくとも2倍(120/60=2)であると結論した。
【実施例3】
【0365】
コメ品種#2
製粉したコメ粒品種#2を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理コメ粉#2(URF-2)を、6サイクルの30分ボールミリング及び110℃での30分加熱の組合せにかけた。収集した穀粉乳化剤をRFE-2-1(コメ粉乳化剤#2-1)としてコード付けた。
【0366】
コメ粉について、デンプン含有率は73.0%であり、タンパク質含有率は6.65%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ48.2%及び36.4%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約75.5%に減少したことが示された。
【0367】
2.5グラムのRFE-2-1を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-2-1ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コメ粉#2(URF-2)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0368】
図3は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-2の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-2の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-2-1安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はアラビアゴムのクリーミング層よりも軽くかつ薄く、URF-2及びアラビアゴムよりも高いRFE-2-1の乳化能が示された。
【実施例4】
【0369】
コメ品種#3
製粉したコメ粒(品種#3)を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理コメ粉#3(URF-3)を、10サイクルの30分製粉及び110℃での30分加熱の組合せにかけた。収集した穀粉乳化剤をコメ粉乳化剤#3(RFE-3)としてコード付けた。
【0370】
コメ粉について、デンプン含有率は79.1%であり、タンパク質含有率は5.5%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ46.6%及び15%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約32.2%に減少したことが示された。
【0371】
2.5グラムのRFE-3を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-3ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コメ粉#3(URF-3)、及び3)アラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0372】
図4は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-3安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-3の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-3の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-3安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はURF-3のクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、URF-3の乳化能よりも高いRFE-3の乳化能が示された。
【実施例5】
【0373】
オオムギ
オオムギ粒を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理オオムギ粉(UBF)を110℃で1hの加熱、4hのボールミリング(Planetaryボールミル、PQ-N2、580rpm)、及び再度110℃で1.5hの加熱により処理した。このようにしてオオムギ粉乳化剤(BFE)を収集した。
【0374】
オオムギ粉について、デンプン含有率は65.4%であり、タンパク質含有率は6.96%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ27.5%及び9.7%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約35.3%に減少したことを示している。
【0375】
2.5グラムのBFEを蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。BFEベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理オオムギ粉(UBF)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0376】
図5は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った画像を示す。「120分」群について、乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動したことが示される。UBF安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UBFの乳化能の欠如が示される。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUBFの厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。BFE安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUBF及びアラビアゴムのクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、UBF及びアラビアゴムの乳化能よりも高いBFEの乳化能が示される。
【0377】
振とう後120分時点のBFEを用いたエマルジョンは、振とう後30分時点のUBFを用いたエマルジョンよりも安定であったため、BFEの乳化能はUBFの乳化能の少なくとも4倍(120/30=4)であると結論した。
【0378】
振とう後120分時点のBFEを用いたエマルジョンは、振とう直後(振とう後2分以内)のUBFを用いたエマルジョンよりも安定であったため、BFEの乳化能はUBFの乳化能の少なくとも60倍(120/2=60)であると結論した。
【0379】
振とう後120分時点のBFEを用いたエマルジョンは、振とう後60分時点のアラビアゴムによるエマルジョンよりも安定であったため、BFEの乳化能はアラビアゴムの乳化能の少なくとも2倍(120/60=2)であると結論した。
【実施例6】
【0380】
コメ品種#4
製粉したコメ粒(品種#4)を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理コメ粉#4(URF-4)を110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングの組合せで処理した。収集した穀粉乳化剤をコメ粉乳化剤#4(RFE-4)としてコード付けた。
【0381】
コメ粉について、デンプン含有率は71.1%であり、タンパク質含有率は6.18%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ45.5%及び25.9%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約56.9%に減少したことが示された。
【0382】
2.5グラムのRFE-4を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-4ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コメ粉#4(URF-4)、及び3)アラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0383】
図6は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-4安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-4の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-4の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-4安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はURF-4及びアラビアゴムのクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄く、アラビアゴムの乳化能よりもはるかに高いRFE-4の乳化能が示された。
【実施例7】
【0384】
コムギ
コムギ全粒を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理コムギ粉(UWF)を110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングで処理した。このようにしてコムギ粉乳化剤(WFE)を得た。
【0385】
コムギ粉について、デンプン含有率は59.9%であり、タンパク質含有率は10.31%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ30.7%及び12.4%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約40.4%に減少したことが示された。
【0386】
2.5グラムのWFEを蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。WFEベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コムギ全粒粉(UWF)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0387】
図7は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。UWF安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UWFの乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUWFの厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。WFE安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUWFのクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄かったが、しかしながら全体的な分離が生じ始め、アラビアゴムの乳化能よりも低いその乳化能が示された。
【実施例8】
【0388】
胚除去トウモロコシ品種#1
胚除去トウモロコシ品種#1の粗粒を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた粉(未処理トウモロコシ粉#1、UCF-1)を110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングで処理した。このようにしてトウモロコシ粉乳化剤#1(CFE-1)を収集した。
【0389】
トウモロコシ粉について、デンプン含有率は75.9%であり、タンパク質含有率は4.95%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ41.7%及び12.1%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約29%に減少したことが示された。
【0390】
2.5グラムのCFE-1を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、ブレンダーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。CFE-1ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理トウモロコシ粉#1(UCF-1)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0391】
図8は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。UCF-1安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UCF-1の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUCF-1の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。CFE-1安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUCF-1のクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄いが、アラビアゴムのクリーミング層と同様であり、アラビアゴムの乳化能と同様のCFE-1の乳化能が示された。
【実施例9】
【0392】
胚除去トウモロコシ品種#2
胚除去トウモロコシ品種#2の粗粒を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた粉(未処理トウモロコシ粉#2、UCF-2)を110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングで処理した。このようにしてトウモロコシ粉乳化剤#2(CFE-2)を収集した。
【0393】
2.5グラムのCFE-2を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。CFE-2ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理トウモロコシ粉(UCF-2)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0394】
図9は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。UCF-2安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミングが生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UCF-2の低い乳化能を示している。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUCF-2の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。CFE-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUCF-2のクリーミング層よりもはるかに軽くかつ薄いが、アラビアゴムのクリーミング層と同様であり、アラビアゴムの乳化能と同様のCFE-2の乳化能が示された。
【実施例10】
【0395】
コメ品種#5
製粉したコメ粒品種#5を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理コメ粉#5を110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングで処理した。このようにして収集したコメ粉乳化剤をコメ粉乳化剤#5(RFE-5)としてコード付けた。
【0396】
コメ粉について、デンプン含有率は71.9%であり、タンパク質含有率は6.08%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ45.4%及び15.4%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約33.9%に減少したことが示された。
【0397】
2.5グラムのRFE-5を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-5ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コメ粉#5(URF-5)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0398】
図10は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-5安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミングが生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-5の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-5の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-5安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はURF-5のクリーミング層よりもはるかに薄く、アラビアゴムのクリーミング層と同様であり、アラビアゴムの乳化能と同等のRFE-5の乳化能が示された。
【実施例11】
【0399】
コメ品種#6
製粉したコメ粒品種#6を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理コメ粉#6(URF-6)を110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングで処理した。収集したコメ粉乳化剤をRFE-6(コメ粉乳化剤#6)としてコード付けた。
【0400】
コメ粉について、デンプン含有率は75.0%であり、タンパク質含有率は5.64%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ48.6%及び19.6%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約40.3%に減少したことが示された。
【0401】
2.5グラムのRFE-6を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-6ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コメ粉#6(URF-6)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0402】
図11は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-6安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミング及び沈降が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-6の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-6の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-6安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はURF-6のクリーミング層よりもはるかに薄く、アラビアゴムのクリーミング層と同様であり、アラビアゴムの乳化能と同等のRFE-6の乳化能が示された。
【実施例12】
【0403】
ノーザンビーン
ノーザンビーンを戻し(4℃終夜)、蒸し(60分)、乾燥し(50℃で11時間)、次いで摩砕して80メッシュ篩を通して、「未処理ノーザンビーン粉、UNBF」を収集した。UNBFを110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングで処理した。得られた粉はノーザンビーン粉乳化剤(NBFE)であった。
【0404】
ノーザンビーン粉について、デンプン含有率は37.5%であり、タンパク質含有率は19.91%であった。製粉及び加熱の組合せ処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約70.1%に減少した。
【0405】
2.5グラムのNBFEを蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。NBFEベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理ノーザンビーン粉(UNBF)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0406】
図12は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。UNBF安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミング及び沈降が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UNBFの乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUNBFの厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。NBFE安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUNBFのクリーミング層よりもはるかに薄いが、アラビアゴムのクリーミング層よりも厚く、加熱及び製粉の組合せ処理に起因して増加したノーザンビーン粉の乳化能が示された。
【実施例13】
【0407】
キドニービーン
キドニービーンを戻し(4℃終夜)、蒸し(60分)、乾燥し(50℃で11時間)、次いで摩砕して80メッシュ篩を通して、「未処理キドニービーン粉、UKBF」を収集した。UKBFを110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングで処理した。得られた粉はキドニービーン粉乳化剤(KBFE)であった。
【0408】
2.5グラムのKBFEを蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、ブレンダーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。KBFEベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理キドニービーン粉(UKBF)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0409】
図13は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。UKBF安定化エマルジョンの場合、実質的なクリーミング及び沈降が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、UKBFの乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びUKBFの厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。KBFE安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はUKBFのクリーミング層よりも軽いがアラビアゴムのクリーミング層よりも厚く、加熱及び製粉の組合せ処理に起因して増加したキドニービーン粉の乳化能が示された。
【実施例14】
【0410】
コメ品種#2
コメ粒(品種#2)を摩砕して80メッシュ篩を通し、次いで、得られた粉(未処理コメ粉#2、URF-2)を110℃で90分の加熱及び2hの製粉の組合せ処理にかけた。収集した生成物をRFE-2-2と名付けた。
【0411】
コメ粉について、デンプン含有率は73.0%であり、タンパク質含有率は6.65%であった。デンプン結晶化度は、製粉及び加熱の組合せ処理の前及び後でそれぞれ48.2%及び9.3%であり、処理によりデンプン結晶化度がその元の値の約19.3%に減少したことが示された。
【0412】
2.5グラムのRFE-2-2を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-2-2ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、2)乳化剤として未処理コメ粉#2(URF-2)、及び3)乳化剤としてアラビアゴムを用いて3種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0413】
図14は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。URF-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング及び沈降の両方が生じ、エマルジョンの低安定性、したがって、URF-2の乳化能の欠如が示された。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なし及びURF-2の厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-2-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はアラビアゴムのクリーミング層よりも軽くかつ薄く、URF-2及びアラビアゴムよりも高いRFE-2-2の乳化能が示された。
【実施例15】
【0414】
レチノール-ダイズ油混合物のエマルジョンを形成するためのRFE-2-2。
2.5グラムのRFE-2-2を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのレチノール-ダイズ油混合物(ダイズ油中10%w/wレチノール)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-2-2ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、及び2)乳化剤としてアラビアゴムを用いて2種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0415】
図15は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水性相の上部に移動した。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、その厚さが乳化剤なしの厚さよりもはるかに小さいクリーミングの層が生じた。RFE-2-2安定化エマルジョンの場合、クリーミング層はほぼ不可視であり、レチノール-ダイズ油混合物についてのアラビアゴムよりも高いRFE-2-2の乳化能が示された。
【実施例16】
【0416】
RFE-2-2はトコフェロールを水中に分散させることが可能である。
2.5グラムのRFE-2-2を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのトコフェロールを添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-2-2ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、及び2)乳化剤としてアラビアゴムを用いて2種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0417】
図16は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、大部分の油滴が水相から分離した。アラビアゴム安定化エマルジョンの場合、クリーミングの層が生じた。RFE-2-2安定化エマルジョンの場合、やはりクリーミング層が形成されたが、密度は低く、トコフェロールについてのアラビアゴムの乳化能と同等又はそれよりも優れたRFE-2-2の乳化能が示された。
【実施例17】
【0418】
アスタキサンチンのエマルジョンを形成するためのRFE-2-2。
2.5グラムのRFE-2-2を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのアスタキサンチンオレオレジン(10%)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。RFE-2-2ベースのエマルジョンと共に、1)乳化剤なし、及び2)乳化剤としてアラビアゴムを用いて2種のエマルジョンを対照として調製した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、すべてのエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0419】
図17は、管の振とう後120分時点に撮った画像を示す。乳化剤の使用なしでは、アスタキサンチンオレオレジンは十分に分散できず、したがって、管壁にペーストの点が形成される。アラビアゴムの場合、オレオレジンはより良好に分散したが、なお相当量のペーストが壁表面に付着した。RFE-2-2の場合、より良好な分散体が形成されることに起因してペーストはほぼ無視できた。明らかに、RFE-2-2は、アラビアゴムよりもはるかに高い、アスタキサンチンオレオレジンを分散及び乳化させる能力を有する。
【実施例18】
【0420】
RFE-2-2はパプリカオレオレジンエマルジョンを光誘発分解から保護した。
質量基準で1:3:10の比でパプリカオレオレジン、RFE-2-2及び水を含有した混合物を、均質化にかけて、エマルジョンを調製した。対照として、アラビアゴムを使用してRFE-2-2を置き換えて、RFE-2-2群の場合の比と同じ油、乳化剤及び水の比でエマルジョンを調製した。両方のエマルジョンをおよそ200μg/mLのパプリカオレオレジンの濃度に水で希釈した。希釈したエマルジョンを光処理に48時間曝露した。
【0421】
図18に示される通り、REF-2-2及びアラビアゴムの両方が、パプリカオレオレジンのエマルジョンを形成することができた。48hの露光後、アラビアゴムベースのエマルジョンの色は、実質的に減少した一方、RFE-2-2エマルジョンの色は、その元の強度をほぼ維持した。したがって、乳化剤としてのREF-2-2の使用は、パプリカオレオレジンの着色成分を、露光に起因した分解から保護することができた。
【実施例19】
【0422】
許容可能な乳化特性を有する穀粉乳化剤を得るためには、未処理粉の加熱及び製粉の組合せが必要である
製粉したコメ粒(品種#2)を摩砕して80メッシュ篩を通した。得られた未処理コメ粉#2(URF-2)の一部分を、110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングの組合せ処理にかけた。収集した穀粉乳化剤をコメ粉乳化剤#2(RFE-2)としてコード付けた。URF-2の第2の部分は、4hのボールミリングでのみ処理し(加熱なし)、収集した粉をURF-2Bとコード付けした。
【0423】
2.5グラムのRFE-2及びURF-2Bの各々を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、両方のエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0424】
図19は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った均質化混合物の画像を示す。いずれの時点においても、RFE-2で形成されたエマルジョンは、URF-2Bで形成されたエマルジョンよりもはるかに安定であり、製粉のみの処理と比較して、優れた乳化特性を有する穀粉乳化剤の製造に対する加熱及び製粉の組合せの役割が実証されたことが示される。
【0425】
通常の粉(例えば、URF-2)が加熱のみされた場合、生成された材料(URF-2H)は許容可能な乳化能を示さなかった。一般に、せん断(例えば、製粉又は押出)の適用なしの加熱のみ(例えば、乾燥、加熱、蒸気処理、マイクロ波処理、沸騰)では、許容可能な乳化能を有する穀粉乳化剤は生成されない。
【0426】
したがって、許容可能及び/又は優れた乳化特性の穀粉乳化剤を得るために、加熱及び製粉の組合せを適用することが必須である。
【0427】
押出等のせん断力を適用する他のプロセスもまた、せん断プロセスが加熱プロセスと組み合わせて行われる場合、粉の乳化能を高め得る。
【実施例20】
【0428】
加熱及び製粉の組合せにかけられた単離デンプンは、乳化能を示さなかった。
製粉したコメ粒(品種#2)を摩砕して80メッシュ篩を通して、未処理コメ粉#2(URF-2)を製造した。
【0429】
以下の手順を使用してデンプンをURF-2から単離した。
【0430】
抽出を開始するために、100gの製粉したコメ粒を、フードプロセッサーを使用して16メッシュ篩を通して、粗粒に摩砕した。粗粒を350mLの0.1%(w/v)水酸化ナトリウム(NaOH)溶液と混合し、水浴中50℃で30分間一定のかき混ぜを維持した。次いで、混合物を、フードプロセッサーを高速で4分間使用して均質化し、270メッシュ篩を通した。維持された固体(篩によって)を、別の350mLのNaOH溶液を使用して再度抽出した。篩を通った部分を合わせ、3,000×gで15分間遠心分離した。沈殿物を粗デンプン材料として収集した。
【0431】
粗デンプン材料を300mLのNaOH溶液(pH10)に再懸濁し、30分間かき混ぜ、再度遠心分離した。沈殿物をNaOH溶液で4回洗浄し、その間、沈殿物の上層のタンパク質を、スパチュラを使用して取り除いた。その後、沈殿物を脱イオン水に再懸濁し、1.0M塩酸(HCl)溶液を使用してpH7.0に中和し、遠心分離した。デンプン沈殿物を脱イオン水で2回及びエタノールで1回更に洗浄した。収集した材料を真空ろ過にかけ、次いで、ヒュームフード中で終夜乾燥した。乾燥したデンプン材料を収集し、このデンプンのタンパク質含有率は0.97%であった。
【0432】
URF-2及び単離コメデンプンの両方を、110℃で2.5hの加熱及び4hのボールミリングを含む加熱及びボールミリングの組合せプロセスにかけた。URF-2の加熱及び製粉の組合せ処理から収集された穀粉乳化剤をコメ粉乳化剤#2(RFE-2)としてコード付けし、単離コメデンプンの加熱及び製粉の組合せ処理から収集されたデンプン材料をStarch-HBとしてコード付けた。
【0433】
コメ粉について、加熱及びボールミリングの組合せ処理により、デンプン結晶化度がその元の値の約73.4%に減少した。単離デンプンについて、加熱及び製粉の組合せ処理の前及び後のデンプン結晶化度は、それぞれ57.8%及び9.91%であり、処理によりデンプン結晶化度が約17.1%又はその元の値に減少したことが示された。
【0434】
2.5グラムのRFE-2及びStarch-HBの各々を蒸留水72.5gに分散させた。分散体に、5グラムのダイズ油(色を示すために1%w/wパプリカオレオレジンを含有する)を添加した。混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。エマルジョンを室温(20℃)に置いた。撮像前に、両方のエマルジョン(50mL管に密封した各々のアリコート)を10秒間振とうした。振とう後、管を様々な時間間隔で撮像してエマルジョンの物理安定性を記録した。
【0435】
図20は、振とう直後(振とう後2分以内)、並びに振とう後30、60及び120分時点に撮った均質化混合物の画像を示す。振とう後、いずれの時点においても、Starch-HBはエマルジョンを形成できなかったことが示される。振とう直後でさえ、油-水分離が直ちに生じた。これは、Starch-HBの乳化能が無視できたことを示している。これとは対照的に、RFE-2は、振とう後120分間にわたってエマルジョンを安定化させ、許容可能な乳化特性をもたらすために粉中のタンパク質成分の重要性が強調された。
【0436】
したがって、粉の加熱及び製粉の組合せ処理により穀粉乳化剤の製造につながる一方、そのような組合せ処理では、単離デンプン(タンパク質が除去された)からは許容可能な乳化剤が得られない。
【実施例21】
【0437】
ケーキ作製における穀粉乳化剤の使用
従来の乳化剤及びゴムを完全に置き換え、卵を部分的に置き換える目的で、加熱及び製粉の組合せ処理を使用して調製されたコメ粉乳化剤をケーキ形成に使用した。
【0438】
標準ケーキ、陰性対照ケーキ(乳化剤及びゴムの添加なし、並びに卵量を低減)、並びにコメ粉強化ケーキの配合物を以下に列挙する。
・ 標準ケーキ:ケーキ粉200g、糖240g、生卵240g、ショートニング120g、ベーキングパウダー1g、塩1g、SSL(ステアロイル乳酸ナトリウム)0.2g、レシチン0.6g、グアーガム0.2g、キサンタンガム0.2g、及び水40g
・ 陰性対照ケーキ:ケーキ粉200g、糖240g、生卵204g(36g又は12.5%低減)、ショートニング120g、ベーキングパウダー1g、塩1g、SSL(ステアロイル乳酸ナトリウム)0g(完全除去)、レシチン0g(完全除去)、グアーガム0g(完全除去)、キサンタンガム0g(完全除去)、及び水40g
・ コメ粉強化ケーキ:ケーキ粉200g、糖240g、生卵204g(36g又は12.5%低減)、ショートニング120g、ベーキングパウダー1g、塩1g、SSL(ステアロイル乳酸ナトリウム)0g(完全除去)、レシチン0g(完全除去)、グアーガム0g(完全除去)、キサンタンガム0g(完全除去)、コメ粉乳化剤11.4g、及び水67g(生卵の低減に起因した水分損失を補填するために水を増加させた)。
コメ粉強化ケーキにおいて、添加したコメ粉乳化剤により、乳化、粘度増加及び膨化を含む複数の機能が提供された。
3種の異なる配合物を使用して調製したケーキのうち、官能パネルにより以下の結果が示された。
・ コメ粉強化ケーキは、最良の質感、ちょうどよい量のしっとり感、柔らかさ及びふわふわ感を含む官能品質、並びに長い冷蔵保存寿命を示した。
・ コメ粉強化ケーキは、標準ケーキと同様の体積を有した。
・ 陰性対照ケーキは、最低の質感及び口当たり(乾燥及びふわふわし過ぎている)を有した。
【実施例22】
【0439】
油の封入のための穀粉乳化剤の使用
この例において、穀粉乳化剤の油の封入を形成する能力が実証された。加熱及び製粉の組合せにかけたコメ粉乳化剤(RFE)を、対照としてアラビアゴム及びオクテニルコハク酸デンプン(OSA-デンプン)と共に、担体として試験した。使用した油は、オレンジ油であった。手順は、以下の通りである。
【0440】
担体(すなわち、RFE、アラビアゴム、OSA-デンプン)を0.02mM酢酸ナトリウム(NaAc)バッファーに溶解して、15%(w/v)分散体を形成した。オレンジ油を、油/担体1:3の比で分散体に添加した。pHをおよそ7.0に調節した。
粗油中水エマルジョンを、室温でフードプロセッサーを使用して調製した。その後、粗エマルジョンを、およそ8000~9000psiで5回、高圧ホモジナイザー(Panda、GEA社)にかけた。得られた微細エマルジョンを、Buchi噴霧乾燥機(B-290、Buchi社)を使用して噴霧乾燥した。操作条件は、入口温度125~130℃、出口温度80~90℃、及び供給速度6mL/分であった。粉末形態の固体を、オレンジ油の封入生成物として収集した。RFE-オレンジ油封入生成物を水に分散させて急速にエマルジョンを形成した。
【実施例23】
【0441】
コーヒークリーマーの調製における穀粉乳化剤の使用
水115g及び穀粉乳化剤15gを混合し、混合物を、フードプロセッサーを使用して各回30秒ずつ10回、均質化した。分散体に、ココナツ油15gを添加し、混合物を、各回15秒ずつ20回、更に均質化してエマルジョンを形成した。エマルジョンに、リン酸二カリウム0.72g、バニラエキス1g及びGreat value(商標)甘味料(スクラロースを含有する)5gを添加した。このようにして得られた混合物は、穀粉乳化剤含有クリーマーであった。コーヒーを、水180gにNESCAFE Clasico(商標)深煎りインスタントコーヒー粉2gを分散させることによって調製した。コーヒーの各カップに、穀粉乳化剤含有クリーマー15gを添加した。比較として、コーヒーに市販のクリーマー(International Delight French Vanilla Creamer Singles)を添加した。
【0442】
結果は、穀粉乳化剤を配合されたクリーマーが、白化効果、コーヒーの酸味をマスクする効果、並びにコーヒー飲料の滑らかさ及びクリーミー感を提供する効果に関して市販のクリーマーと同等であったことを示した。
【実施例24】
【0443】
マフィンの調製における穀粉乳化剤の使用
Table 4(表5)に列挙される成分を使用してマフィンを調製した。糖、ショートニング及び卵を、クリーミングのために2分間混合した。その後、他の成分を添加し、1.5分間混合した。各マフィンカップに、バター60gを加え、425°Fで23分間焼成した。マフィンの外見及び官能品質を比較した。
【0444】
【表5】
【0445】
結果は、乳化剤及びゴムを使用せずに作製したマフィン(陰性対照)が、3種の配合物のうちで最小であったことを示した。穀粉乳化剤を配合されたマフィンは、ゴム及び合成乳化剤を配合されたマフィン(陽性対照)よりも良好なドーム形状を示した。
【0446】
穀粉乳化剤を配合されたマフィンの官能品質は、陰性対照及び陽性対照の官能品質よりも良好であった。穀粉乳化剤配合マフィンは、冷凍貯蔵後にしっとりしており、柔らかかった。これとは対照的に、陰性対照は乾燥しており、もろく、陽性対照は非常に粘着性でねばついていた。
【実施例25】
【0447】
冷凍菓子の調製における穀粉乳化剤の使用
Table 5(表6)に列挙される成分を使用して冷凍菓子を調製した。まず、油を除く成分を水に分散させ、分散体を、フードプロセッサーを使用して各回30秒ずつ10回、均質化した。その後、油を分散体に添加し、混合物を75℃で45分間加熱した。次いで、混合物を、各回15秒ずつ20回、均質化した。その後、形成された混合物(エマルジョン)を室温に冷却し、次いで、冷蔵庫中で終夜冷凍した。冷凍後、エマルジョンを、アイスクリームメーカー(Whynter ICM-200LS)を使用して加工し、得られた材料を冷凍庫中で硬化させて冷凍菓子製品を得た。
【0448】
【表6】
【0449】
穀粉乳化剤を配合された冷凍菓子の官能特性は、陽性対照(ゴム、レシチン、並びにモノ及びジグリセリドを配合された冷凍菓子)の官能特性と同等であり、陰性対照(ゴム及び乳化剤なし)の官能特性よりも良好であった。陰性対照は、堅い質感に起因してすくうのが非常に困難であり、非常に冷たい味感であった。これとは対照的に、陽性対照は、滑らかでふわふわした質感を示し、すくいやすく、非常にクリーミーな味感であった。穀粉乳化剤を配合された冷凍菓子は、陽性対照と同等の滑らかさ、ふわふわ感、すくいやすさ、及びクリーミー感を示した。
【実施例26】
【0450】
トルティーヤの調製における穀粉乳化剤の使用
トルティーヤの配合物をTable 6(表7)に列挙する。粉、他の乾燥成分、及びショートニングを3分間混合した。その後、水を添加し、生地を6分間、更に混合した。得られた生地を分割し、丸め、発酵させ、ホットプレスし、焼成した。次いで、製造したトルティーヤを冷却し、重ね、ポリ袋に包装した。
【0451】
穀粉乳化剤を使用して調製したトルティーヤは、加工性、味、柔軟性、外見、質感及び非粘着性において、対照(すなわち、グアーガム並びにモノ及びジグリセリドを使用して調製したトルティーヤ)の性能と同様の性能を示した。
【0452】
【表7】
【0453】
当業者であれば、上記の具体的な実施に対して多数の修正がなされ得ることを認識するであろう。実施は、記載された特定の制限に限定されるべきではない。他の実施も可能であり得る。
【0454】
本発明を、図面及び前述の記載において詳細に例示及び記載しているが、それらは例示とみなされ、特徴を制限するものではなく、ある特定の実施形態のみが示されかつ記載されており、本発明の趣旨内であるすべての変更及び修正が保護されることが望まれると理解される。本方法及び装置の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義されることが意図される。しかしながら、本開示は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく具体的に説明及び例示されることなく実施され得ることが理解されるべきである。当業者であれば、本明細書に記載の実施形態への種々の変更が、以下の特許請求の範囲に定義される通りの趣旨及び範囲から逸脱することなく特許請求の範囲を実施するのに用いられ得ることを理解するはずである。
【実施例27】
【0455】
穀粉乳化剤の調製
まず、白米粒を、ハンマーミルを使用して製粉して80メッシュ篩を通し、生成されたコメ粉を加熱及び製粉にかけた。加熱温度は110℃、総時間は150分であり、製粉は、コメ粉1kg当たり0.7kw~1.2kwの電力入力で合計120分間行った。加熱及び製粉プロセス後に収集した材料は、穀粉乳化剤であり、「FE1」と称した。FE1材料を、実施例28~実施例35において使用した。
【実施例28】
【0456】
FE1を含有するエマルジョンの凍結融解安定性
エマルジョンの調製:5グラムのFE1を85mLの蒸留水に分散させ、分散体を、フードプロセッサー(SMASH BLEND 14、Oster社、Hilliard、Ohio)を使用して各回30秒ずつ5回のブレンドにかけた。その後、10グラムの油(3%のパプリカオレオレジンを含有する植物油)を分散体に添加し、混合物を、フードプロセッサー(SMASH BLEND 14、Oster社)を使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。
【0457】
凍結融解試験:形成されたエマルジョンを50mL管に入れ、次いで、5サイクルの凍結融解処理にかけた。各凍結融解サイクルは、管を-20℃に21時間置く工程、及び管を30℃に3時間置く工程で構成された。凍結融解処理の間のエマルジョンの外見の変化を撮像した。市販のオクテニルコハク酸デンプン(OSA-デンプン)を使用して形成されたエマルジョンを、比較として使用した。
【0458】
結果:図21に示される通り、FE1及びOSA-デンプンの両方が、エマルジョンを形成することができた。これとは対照的に、加熱及び製粉にかけられていないコメ粉は、エマルジョンを効果的に形成することができなかった。凍結融解処理にかけられたエマルジョンの場合、OSA-デンプンで形成されたエマルジョンは、厚い油層を示した一方、FE1で形成されたエマルジョンでは識別可能な油層は見られなかった。結果は、FE1で形成されたエマルジョンの凍結融解安定性が、通常のコメ粉で形成されたエマルジョン及びOSA-デンプンで形成されたエマルジョンよりもはるかに高かったことを示した。
【実施例29】
【0459】
FE1を使用して形成されたエマルジョンの粒径
エマルジョンの調製:エマルジョンの配合物をTable 8(表8)に示す。30グラムのFE1を、510、540又は555グラムの蒸留水に分散させた。各分散体に、60、30又は15グラムの植物油を添加し、混合物を、まずフードプロセッサー(SMASH BLEND 14、Oster社)を使用して各回15秒ずつ10回、均質化し、次いで、高圧ホモジナイザー(PandaPlus、GEA社、Italy)を使用して2500psiで2回通して更に均質化して、エマルジョンを生成した。エマルジョンの粒径値を、Zetasizer Nano(ZS90、Malvern Instruments社)を使用して25℃で決定した。
【0460】
結果:エマルジョンの粒径特性をTable 8(表8)に示す。エマルジョン1、2及び3のZ平均粒径は、それぞれ734.5、840.8及び977.0nmであった。5μm超のサイズを有する粒子のパーセンテージは、エマルジョン1、2及び3についてそれぞれ、<1%、<0.5%及び<0.5%であった。
【0461】
【表8】
【0462】
【実施例30】
【0463】
コーヒークリーマーを調製するためのFE1の使用
コーヒークリーマー調製:97.6グラムの蒸留水に、13.4グラムのFE1、66.6グラムのスクロース、1グラムのリン酸二カリウム、及び2グラムのバニラ液を分散させた。分散体に、20グラムのパーム油を添加し、混合物を、フードプロセッサー(SMASH BLEND 14、Oster社)を使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。形成されたエマルジョンを、コーヒークリーマーとして収集した。
【0464】
コーヒークリーマーの試験:ブラックコーヒー飲料を、180gの熱水にNESCAFE Clasico(商標)深煎りインスタントコーヒー粉2gを分散させることにより調製した。1カップ(182グラム)のブラックコーヒー飲料に、15グラムのクリーマーを添加した。ブラックコーヒー及び市販のクリーマー(International Delight French Vanilla Creamer Singles)を添加したコーヒー飲料を、参照として使用した。白さ、酸味及び苦味を含む官能特性をパネリストによって評価した。
【0465】
結果:図22に示される通り、穀粉乳化剤FE1を使用して調製されたコーヒークリーマーは、市販のクリーマーの白化効果と実質的に同じ白化効果を示した。官能検査に基づくと、FE1含有クリーマー及び市販のクリーマーの両方が、同様にクリーミーな口当たりをもたらし、本来ブラックコーヒーにある苦味及び酸味をマスクした。
【実施例31】
【0466】
FE1を使用して調製したアーモンドミルク
粗製アーモンドミルクの調製:地元の食料雑貨店の100グラムの生アーモンドを、300グラムの蒸留水に添加した。15時間戻した後、混合物を、フードプロセッサー(MX1100XTX Xtreme、Waring社)を使用して摩砕した。生成されたスラリーを、140メッシュ篩に通し、残余分を更に300グラムの水とブレンドし、スラリーを再度140メッシュ篩に通した。ろ液を、粗製アーモンドミルクとして合わせた。
【0467】
粗製アーモンドミルクの更なる加工:10グラムのFE1を90グラムの水に分散させた。次いで、分散体を100グラムの粗製アーモンドミルクと混合し、混合物を、フードプロセッサー(SMASH BLEND 14、Oster社)を使用して各回15秒ずつ10回、均質化した。生成されたエマルジョンを800グラムの水と混合してアーモンドミルクを得た。参照として、100グラムの粗製アーモンドミルクを100グラムの水と混合し、混合物を均質化し、エマルジョンを800グラムの水と更に混合して、PE1を含まないアーモンドミルクを得た。
【0468】
アーモンドミルク中の油滴の観察:アーモンドミルクの油滴を、Compound Monocular Microscope(Boreal社、New York)を使用して観察した。
【0469】
結果:図23に示される通り、FE1を含むアーモンドミルクは、乳化剤の添加なしのアーモンドミルクよりもはるかに小さい油滴を示し、アーモンドミルクをエマルジョンとして安定化するFE1の能力が示唆された。
【実施例32】
【0470】
FE1を使用して乳化された黒コショウオレオレジン
黒コショウオレオレジンのエマルジョンの調製:78gの水に、22gの塩化ナトリウムを添加して22%塩溶液を作製した。83.3グラムのこの塩溶液に、10グラムのFE1を分散させた。生成された分散体に、6.7グラムの黒コショウオレオレジンを添加し、混合物を、フードプロセッサー(SMASH BLEND 14、Oster社)を使用して各回15秒ずつ10回、均質化して、黒コショウオレオレジンのエマルジョンを得た。参照として、6.7グラムの黒コショウオレオレジンを、93.3グラムの塩溶液と混合し、混合物を上記と同じ手順を使用して均質化して、PE1を含まないエマルジョンを得た。両方のエマルジョンを、比較のために50mL管に入れた。両方の管の振とう後、写真を同時に20回撮った。
【0471】
結果:図24に示される通り、黒コショウオレオレジンの安定なエマルジョンが、乳化剤としてFE1を使用して形成された。
【実施例33】
【0472】
FE1を使用して調製されたホホバ油クリーム
ホホバ油クリームの調製:3グラムのFE1を、75.8グラムの水に分散させた。PE1分散体に、20グラムのホホバ油を添加し、混合物をフードプロセッサー(SMASH BLEND 14、Oster社)を使用して合計150秒間均質化して、エマルジョンを得た。参照として、20gのホホバ油を78.8グラムの水と混合し、混合物を合計150秒間均質化して、参照エマルジョンを得た。各エマルジョン(98.8グラム)に、0.6グラムのグアーガム及び0.6グラムのキサンタンガムを添加し、混合物を、フードプロセッサーを使用して30秒間均質化し、次いで、振とう水浴(50℃、100rpm)中で1時間かき混ぜた。収集した生成物(PE1を含む又は含まないホホバクリーム)を各々、1.5mL遠心管に入れ、遠心分離(3000×g、30分)にかけた。
【0473】
結果:乳化剤を含まないホホバクリームの場合、遠心分離により、クリームの上部に識別可能な油層が生じた。これとは対照的に、PE1を含むホホバクリームの場合、遠心分離により可視油層は形成されず、このホホバ油クリームの長期保存安定性が示唆された。
【実施例34】
【0474】
FE1を使用して調製されたフレンチドレッシング
フレンチドレッシングの調製:10グラムのFE1、2グラムの塩及び18グラムの酢を、94グラムの蒸留水に分散させた。分散体に、76グラムの油(3%のパプリカオレオレジンを含有する植物油)を添加し、混合物を、フードプロセッサーを使用して各回15秒ずつ10回、均質化して、エマルジョンをフレンチドレッシングとして得た。参照ドレッシングを調製するために、加熱及び製粉にかけていないコメ粉(生粉)を使用して、上記と同じ手順を使用してエマルジョンを調製した。
【0475】
フレンチドレッシング中の油滴の観察:フレンチドレッシングを水で40倍に希釈し、Compound Monocular Microscopeを使用して観察した。
【0476】
結果:図25に示される通り、生粉で作製されたドレッシングは、層分離を示した一方、FE1で作製されたドレッシングは均一かつ安定であった。更に、FE1で形成されたドレッシングの油滴は、生粉で形成されたドレッシングの油滴よりもはるかに小さかった。そのような結果は、FE1が、フレンチドレッシングを調製するための効果的な乳化剤であることを示す。
【実施例35】
【0477】
FE1分散体の粘度
FE1分散体の調製:5%、10%、20%及び30%(w/w)FE1分散体を、190グラムの水に10グラムのFE1、180グラムの水に20グラムのFE1、160グラムの水に40グラムのFE1、及び175グラムの水に75グラムのFE1をそれぞれ分散させることにより調製した。各FE1分散体を、KitchenAidミキサー(速度2、15分)を使用して調製した。
【0478】
粘度測定:各FE1分散体をカップに移し、その粘度を、デジタル粘度計(DV-1、WANT社)を使用して測定した。
【0479】
結果:5%、10%、20%及び30%(w/w)FE1分散体の粘度は、それぞれ191.3、464.3、5378及び33271mPa・sであった。
【0480】
追加の実施形態
前述の開示に加えて、以下の実施形態が提供される。
【0481】
実施形態1.約1%~85%のタンパク質と、約15%~99%の炭水化物とを含む植物材料に由来する乳化剤組成物であって、前記炭水化物がデンプン成分を含む、乳化剤組成物。
【0482】
実施形態2.前記植物材料が、穀粉、ミール、穀物粒の部分又は全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、植物のナッツ、及びこれらの組合せから選択される、実施形態1に記載の乳化剤組成物。
【0483】
実施形態3.前記乳化剤組成物中のデンプン成分の結晶化度が、元の植物材料のデンプン成分の結晶化度の約90%以下である、実施形態1に記載の乳化剤組成物。
【0484】
実施形態4.エマルジョンを形成することができる、実施形態1に記載の乳化剤組成物。
【0485】
実施形態5.前記乳化剤組成物が、植物材料に由来する穀粉であり、前記植物材料が、コムギ、トウモロコシ、コメ、ワイルドライス、オオムギ、フォニオ、ハトムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、ライムギ、テフ、ライコムギ、ソバ、ダッタンソバ、アマランス、キノア、ピスシードグースフット、カニワ、チア、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ、アズキマメ、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン、ブロードビーン、フィールドビーン、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー、クロメマメ、ハトマメ、アラハル/トゥール、キマメ、コンゴマメ、ガンデュレス、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、ヤムビーン、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、キャッサバ(タピオカ)、ウォーターチェストナット、アロールート、サツマイモ、ナガイモ、レンコン、アーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ、及びこれらの組合せから選択される1種又は複数を含む、実施形態1に記載の乳化剤組成物。
【0486】
実施形態6.前記乳化剤が、穀物粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、及び他の植物材料のうちの1種又は混合物の穀粉であり、前記乳化剤組成物が油相を含有するエマルジョンを形成することができ、前記エマルジョンが、約1/100~約100/1、優先的には約1/10~約10/1の乳化剤組成物の油に対する比を有し、前記油相が追加の化合物を場合によって含む、実施形態1に記載の乳化剤組成物。
【0487】
実施形態7.前記エマルジョンが、以下の特徴:
a.前記エマルジョン中の油滴の平均サイズ(直径)が1000μm、500μm、100μm、50μm、30μm、10μm、5μm、1μm、0.5μm、0.2μm、0.1μm、若しくは0.05μm以下である、又は
b.500μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
c.50μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
d.10μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
e.5μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
f.1μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)が、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
g.1×gの力(例えば標準重力)下で、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、前記エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも0.1分、0.5分、1分、5分、10分、20分、50分、100分、200分、500分、1000分、2000分、5000分、10,000分、20,000分、50,000分、又は100,000分後に起こる、又は
h.前記エマルジョンを約1分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、前記エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心分離力で起こる、又は
i.前記エマルジョンを10分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、前記エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心分離力で起こる、又は
j.前記乳化剤組成物を含有する前記エマルジョンが、同じ植物源由来の同量の標準の穀粉を含有するエマルジョンよりも少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は10倍安定している、
のうちの少なくとも1つで特徴付けられる、実施形態6に記載の乳化剤組成物。
【0488】
実施形態8.前記油相又は前記油相中化合物を、光不安定性、酸化、化学的不安定性、揮発性、pH不安定性、温度不安定性、又は色不安定性、味覚変化、香味変化等から保護する、実施形態6に記載の乳化剤組成物。
【0489】
実施形態9.実施形態1に記載の乳化剤組成物を含む製品であって、食品、食品成分、食品添加物、飲料、パーソナルケア成分若しくは製品、化粧品成分若しくは製品、薬剤品、薬物賦形剤、薬物、工業製品、農業製品、又は他の製品等である、製品。
【0490】
実施形態10.実施形態1に記載の乳化剤組成物を含む製品であって、オレオレジン、エッセンシャルオイル、カプセル化、プロテインシェーク、スムージー、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、プリン、スナック食品、バッター、生地、焼いた食品、冷凍若しくは冷蔵生地、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥若しくは液体の栄養素配合物、DHA若しくはEPA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、栄養分添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス、肉製品、植物性肉代替製品、ブライン、粉末食品、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ダイズミルク、アーモンドミルク、他のナッツミルク、プロバイオティクス若しくはプレバイオティクドリンク、ヨーグルト、チーズ、代替食、植物プロテインドリンク、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料、香料、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング、ヒト若しくは動物が使用するための医薬品、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、局所用軟膏剤、農業使用のための製品、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、種子コーティング、殺菌剤、家庭用若しくは産業用クリーニング用品、産業用コーティング、布地若しくは皮革処理した化学物質、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、皮革又は上記製品のいずれかの成分である、製品。
【0491】
実施形態11.増粘、テクスチャ改善、クリーム状、口当たりの改善、凍結融解安定性の改善、物理安定性の改善、及び/又は他の特性をエマルジョン又は製品にもたらす、実施形態9又は10に記載の製品。
【0492】
実施形態12.穀粉、ミール、穀物粒の部分又は全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、及びこれらの組合せから選択される植物材料から生成される穀粉を含む乳化剤組成物であって、タンパク質とデンプンを含む炭水化物との両方を含有し、タンパク質の含有量が前記乳化剤組成物の約1%~85%であり、炭水化物の含有量が前記乳化剤組成物の約15%~99%であり、前記乳化剤組成物中の前記デンプンの結晶化度が、元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、乳化剤組成物。
【0493】
実施形態13.乳化剤を調製するための方法であって、前記乳化剤が、少なくとも前記乳化剤の約1%~約85%の範囲のタンパク質成分と、前記乳化剤の約15%~約99%の範囲の炭水化物成分とを含み、前記方法が、穀粉、ミール、穀物粒の部分又は全粒、マメ科植物、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、根、茎、ナッツ、種子、及びこれらの組合せのうちの少なくとも1種から選択される元の植物材料を製粉及び加熱する1つ又は複数の工程を含み、前記炭水化物成分がデンプンを含有する、方法。
【0494】
実施形態14.前記乳化剤中のデンプンの結晶化度が、前記元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0495】
実施形態15.前記乳化剤中の前記デンプンの結晶化度が、前記元の植物材料中のデンプンの結晶化度の85%未満である、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0496】
実施形態16.前記製粉プロセスが、ハンマーミル、ボールミル、ジェット式ミル、ストーンミル、ローラーミル、撹拌ミル、撹拌ボールミル、コロイドミル、磨砕機、ホモジナイザー、流動化機、高速ブレンダー、シグマブレンダー、又は押出し機から選択される少なくとも1種の形態のミルを使用する、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0497】
実施形態17.前記製粉プロセスが、約2分間~約50時間持続する、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0498】
実施形態18.前記製粉プロセスの少なくとも1つが、前記植物材料1キログラム(kg)当たり0.05キロワット(kw)以上の電力入力を有する、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0499】
実施形態19.前記製粉プロセスの少なくとも1つが、前記植物材料1kg当たり0.1kw以上の電力入力を有する、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0500】
実施形態20.前記製粉プロセスの少なくとも1つが、前記植物材料1kg当たり0.2kw以上の電力入力を有する、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0501】
実施形態21.前記製粉プロセスの少なくとも1つが、前記植物材料1kg当たり0.5kw以上の電力入力を有する、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0502】
実施形態22.前記加熱プロセスが、オーブン、真空オーブン、換気オーブン、マイクロ波オーブン、近赤外線オーブン、蒸熱、ホットガスヒーティング、加熱用ジャケットを備えた容器、静的加熱、撹拌加熱、ジェット式調理、温度調整装置若しくはコントローラー、乾燥器、加熱トンネル、ヒートチューブ、又は熱交換器から選択される少なくとも1つの加熱の方法又は設備を使用する、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0503】
実施形態23.前記加熱プロセスが約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度、その段階的勾配、又はその異なる温度の組合せを有する、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0504】
実施形態24.前記製粉プロセス及び加熱プロセスが特定の順序を踏まない、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0505】
実施形態25.前記製粉プロセス及び加熱プロセスが高温下での製粉の単一工程へと統合される、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0506】
実施形態26.前記植物材料が、コムギ、トウモロコシ、コメ、ワイルドライス、オオムギ、フォニオ、ハトムギ、ソルガム、雑穀、カラスムギ、ライムギ、テフ、ライコムギ、ソバ、ダッタンソバ、アマランス、キノア、ピスシードグースフット、カニワ、チア、アルファルファ、クローバ、サヤエンドウ、ビーン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルピナスマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、キドニービーン、ネイビービーン、ピントビーン、シロインゲンマメ、ライマメ、バターマメ、アヅキマメ、アズキマメ、ヤエナリ、ゴールデングラム、リョクトウ、ケツルアズキ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスマメ、テパリーマメ、ホースビーン、ブロードビーン、フィールドビーン、エンドウマメ、プロテインマメ、ヒヨコマメ、ササゲ、ブラックアイドピー、クロメマメ、ハトマメ、アラハル/トゥール、キマメ、コンゴマメ、ガンデュレス、バンバラマメ、アースピー、ベッチ、コモンヴェッチ、ルピナス、フジマメ、ヒヤシンスマメ、タチナタマメ、ナタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、ムクナマメ、ヤムビーン、ジャガイモ、ヤムイモ、タロイモ、塊茎、キャッサバ(タピオカ)、ウォーターチェストナット、アロールート、サツマイモ、ナガイモ、レンコン、アーモンド、カシュー、クリ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ピーナッツ、ペカン、マツの実、ピスタチオ、クルミ、ビンロウの実、コーラの実、ブラジルナッツ、ゴマ種子、銀杏、ブレッドナッツ、ジャックナッツ、ドングリ、ブナノキ、又はこれらの組合せからの植物材料の1種又は混合物である、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0507】
実施形態27.前記植物材料を、調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む、前記植物材料の熱水処理の工程を更に含む、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0508】
実施形態28.前記植物材料を調理、アニーリング、ゼラチン化、蒸熱、焙焼、マイクロ波処理、押出加工、流動床処理、顆粒化、及び均質化することから選択される少なくとも1つの方法を含む熱水処理に前記植物材料を供した後、前記植物材料を乾燥させる工程を更に含む、実施形態13に記載の乳化剤を生成するための方法。
【0509】
実施形態29.穀粉、ミール、穀物粒の部分又は全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、及びこれらの組合せから選択される植物材料から乳化剤を調製するための方法であって、乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉プロセス及び加熱プロセスの1つ又は複数の工程を含み、
前記各製粉プロセスが約2分間~約50時間持続し、前記製粉プロセスの少なくとも1つが、前記植物材料1kg当たり0.05kw以上の電力入力を有し、
前記各加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の範囲の温度を有する、方法。
【0510】
実施形態30.穀粉、ミール、穀物粒の部分又は全粒、マメ科植物、塊茎、根、茎、種子、ナッツ、及びこれらの組合せから選択される元の植物材料から乳化剤を調製するための方法であって、乳化剤を生成するための前記植物材料の製粉プロセス及び加熱プロセスの1つ又は複数の工程を含み、
a.前記各製粉プロセスが約2分間~約50時間持続する、
b.前記製粉プロセスの少なくとも1つが、前記植物材料1kg当たり約0.05kw以上の電力入力を有する、
c.前記各加熱プロセスが、約2分間~約100時間の期間の間、約40℃~約300℃の温度を有する、
d.前記乳化剤が、タンパク質と、デンプンを含む炭水化物成分との両方を含有し、前記タンパク質の含有量が前記乳化剤の1%~85%であり、炭水化物の含有量が前記乳化剤の約15%~約99%であり、前記乳化剤中の前記デンプンの結晶化度が、前記元の植物材料中のデンプンの結晶化度の90%未満である、方法。
【0511】
実施形態31.実施形態13から30のいずれか1つに記載の方法に従い調製される乳化剤。
【0512】
実施形態32.前記乳化剤がエマルジョンを形成することができる、実施形態31に記載の乳化剤。
【0513】
実施形態33.前記エマルジョンが、約1/100~約100/1、優先的には約1/10~約10/1の乳化剤の油に対する比を含み、前記エマルジョンが、以下の特徴:
a.前記エマルジョン中の油滴の平均サイズ(直径)は1000μm、500μm、100μm、50μm、30μm、10μm、5μm、1μm、0.5μm、0.2μm、0.1μm、若しくは0.05μm以下である、又は
b.500μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
c.50μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
d.10μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
e.5μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
f.1μmより大きいサイズ(直径)を有する油滴の割合(体積、質量、又は数ベース)は95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、2%、若しくは1%以下である、又は
g.1×gの力(例えば標準の重力)下で、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、前記エマルジョン中の目に見える分離が少なくとも0.1分、0.5分、1分、5分、10分、20分、50分、100分、200分、500分、1000分、2000分、5000分、10,000分、20,000分、50,000分、若しくは100,000分後に起こる、又は
h.前記エマルジョンを約1分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、前記エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心分離力で起こる、又は
i.前記エマルジョンを10分間遠心分離に供した後、これらに限定されないが、クリーミング、フロキュレーション、凝集、沈降、及び沈殿を含めた、前記エマルジョン中の目に見える分離が、少なくとも1×g、2×g、5×g、10×g、20×g、50×g、100×g、200×g、500×g、1000×g、2000×g、5000×g、10,000×g、20,000×g、及び50,000×gの遠心分離力で起こる、
j.前記乳化剤組成物を含有するエマルジョンは、同じ植物源由来の同量の標準の穀粉を含有するエマルジョンよりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は10倍安定している、
のうちの少なくとも1つで特徴付けられる、実施形態32に記載の乳化剤。
【0514】
実施形態34.実施形態1から12、又は31のいずれか1つに記載の乳化剤を含むエマルジョン。
【0515】
実施形態35.水性相と油相とを含み、
a.前記エマルジョンの油相が、1種又は複数の親油性成分を含む、及び
b.前記エマルジョンの水性相が、水又は水と1種又は複数の非水成分の組合せを含有する、
実施形態34に記載のエマルジョン。
【0516】
実施形態36.前記親油性成分が、これらに限定されないが、油、脂肪、バター、他の乳化剤、活性医薬成分、医薬賦形剤、殺生物剤、除草剤、殺有害生物剤、ホルモン又は植物ホルモン、植物栄養素、肥料、植物保護成分、農業用化学物質、農業用担体、保存剤、香味料又は香料、栄養素類、ビタミン、栄養素、着色剤、天然抽出物、抗体、抗生剤、抗菌剤、食品添加物又は成分、サプリメント添加物又は成分、化粧品添加物又は成分、パーソナルケア製品用添加物又は成分、農業用添加物又は成分、医療用添加物又は成分、及び工業製品を含む、実施形態35に記載のエマルジョン。
【0517】
実施形態37.前記水性相が、糖、塩、タンパク質、ペプチド、香味料、着色剤、ビタミン、抗酸化剤、抗菌化合物、香料、抗体、酵素、活性医薬成分、医薬賦形剤、肥料、植物ホルモン、植物栄養素、農業用化学物質、農業用担体、除草剤、殺有害生物剤、栄養素、食品添加物及び成分、化粧品添加物及び成分、パーソナルケア製品用添加物若しくは成分、安定剤、又は乳化剤の溶液、懸濁液、又は混合物である、実施形態35に記載のエマルジョン。
【0518】
実施形態38.前記エマルジョンが、これらに限定されないが、食品、飲料、食品成分、ヒト又は動物による消費のための医薬品、飼料製品、植物保護剤、農業業界用製品、パーソナルケア用製品、個人衛生用製品、例えば、ローション、クリーム、シャンプー、コンディショナー、石鹸、工業製品等を含む製品に更に加工される、実施形態34に記載のエマルジョン。
【0519】
実施形態39.前記製品が、これらに限定されないが、オレオレジン、エッセンシャルオイル、カプセル化、プロテインシェーク、スムージー、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、バッター、生地、焼いた食品、冷凍生地、アイシング、トッピング、フィリング、アイスクリーム、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥若しくは液体の栄養素配合物、肉製品、植物性肉代替製品、ブライン、乾燥粉末食品若しくは動物飼料、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ヨーグルト、代替食、植物プロテインドリンク、香味添加剤、色素添加物、栄養分添加物、サプリメント、香料、合法マリファナ若しくはアサ製品、ヒト若しくは動物による消費のための医薬品、農業業界用製品、クリーム、ローション、スキンケア製品、ファンデーション、パウダー、シャンプー、コンディショナー、石鹸、洗剤、皿洗い用洗剤、家庭用若しくは産業用クリーニング用品、プラスチック、ゴム、産業用コーティング、ペイント、布地若しくは皮革のコーティング又は処理した液体、建設材料等、又は上記製品のいずれかの成分若しくは組合せを含む、実施形態38に記載のエマルジョン。
【0520】
実施形態40.実施形態1から12、又は31のいずれか1つに記載の乳化剤を含有する、カプセル化組成物。
【0521】
実施形態41.実施形態35に記載のエマルジョンの脱水により作製される、カプセル化組成物。
【0522】
実施形態42.a.前記親油性の成分が、油、脂肪、バター、他の乳化剤、活性医薬成分、医薬賦形剤、殺生物剤、除草剤、殺有害生物剤、ホルモン又は植物ホルモン、植物栄養素、肥料、植物保護成分、農業用化学物質、農業用担体、保存剤、香味料又は香料、栄養素類、ビタミン、栄養素、着色剤、天然抽出物、抗体、抗生剤、抗菌剤、食品添加物又は成分、サプリメント添加物又は成分、化粧品添加物又は成分、パーソナルケア製品用添加物又は成分、農業用添加物又は成分、医療用添加物又は成分、及び工業製品から選択される少なくとも1つである、並びに
b.前記水性相が、糖、塩、タンパク質、ペプチド、香味料、着色剤、ビタミン、抗酸化剤、抗菌化合物、香料、抗体、酵素、活性医薬成分、医薬賦形剤、肥料、植物ホルモン、植物栄養素、農業用化学物質、農業用担体、除草剤、殺有害生物剤、栄養素、食品添加物及び成分、化粧品添加物及び成分、パーソナルケア製品用添加物又は成分、安定剤、並びに乳化剤から選択される少なくとも1つの非水成分を更に含有し得る、
実施形態41に記載のカプセル化組成物。
【0523】
実施形態43.これらに限定されないが、食品、飲料、香料、ヒト若しくは動物による消費のための医薬品、飼料製品、農業業界用製品、化粧品製品、建設材料及び製品、産業用クリーニング成分及び製品、ペイント、コーティング、個人衛生用製品、ローション、シャンプー、コンディショナー、石鹸等、又は上記製品のいずれかの成分若しくは組合せを含めた製品に更に加工される、実施形態40に記載のカプセル化組成物。
【0524】
実施形態44.前記製品が、オレオレジン、エッセンシャルオイル、プロテインシェーク、スムージー、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、プリン、スナック食品、バッター、生地、焼いた食品、冷凍若しくは冷蔵生地、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥若しくは液体の栄養素配合物、DHA若しくはEPA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、栄養分添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス、肉製品、植物性肉代替製品、ブライン、粉末食品、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ダイズミルク、アーモンドミルク、他のナッツミルク、プロバイオティクス若しくはプレバイオティクドリンク、ヨーグルト、チーズ、代替食、植物プロテインドリンク、合法アサ含有製品、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料、香料、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング、ヒト若しくは動物が使用するための医薬品、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、局所用軟膏剤、農業使用のための製品、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、種子コーティング、殺菌剤、家庭若しくは産業用クリーニング用品、産業用コーティング、布地若しくは皮革処理した化学物質、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、皮革、又は上記製品のいずれかの成分若しくは組合せである、実施形態43に記載のカプセル化組成物。
【0525】
実施形態45.実施形態1から12、又は31のいずれか1つに記載の乳化剤を含有する製品であって、食品、飲料、健康補助食品、パーソナルケア、化粧品、娯楽用品、喫煙、吸入物、医薬品、農業、又は工業製品である、製品。
【0526】
実施形態46.これらに限定されないが、オレオレジン、エッセンシャルオイル、カプセル化、プロテインシェーク、スムージー、ケーキ、マフィン、ドーナツ、トルティーヤ、ブレッド、フラットブレッド、チップ、クラッカー、クッキー、パイ、バー、プリン、スナック食品、バッター、生地、焼いた食品、冷凍若しくは冷蔵生地、デザート、アイシング、トッピング、フィリング、キャンデー、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、冷凍食品、冷凍菓子、薬味若しくは料理用食品、スープ、ソース、ドレッシング、グレイビー、食品エントリー、コーヒークリーマー、乾燥若しくは液体の色配合物、乾燥若しくは液体の香味配合物、乾燥又は液体の栄養素配合物、DHA若しくはEPA配合物、ビタミン配合物、ミクロ栄養素添加物、栄養分添加物、健康補助食品、サプリメント成分、ベーカリー成分ミックス、飲料成分ミックス、肉製品、植物性肉代替製品、ブライン、粉末食品、乳製品、ミルク代替品、プロテインドリンク、エネルギードリンク、飲料、ダイズミルク、アーモンドミルク、他のナッツミルク、プロバイオティクス若しくはプレバイオティクドリンク、ヨーグルト、チーズ、代替食、植物プロテインドリンク、合法マリファナ又はアサ製品、動物飼料、飼料添加物、ペットフード、魚用飼料、香料、クリーム、ローション、保湿剤、スキンケア製品、化粧品、パウダー、ファンデーション、アイシャドウ、ブロンザー、メイクアップ、洗浄剤、美容液、日焼け止め剤、シャンプー、コンディショナー、石鹸、ヘア製品、洗剤、ディッシュウォッシャー、ふき取り繊維、ベビーパウダー、軟膏剤、香油、リップ製品、家庭用スプレー、布地用スプレー、布地用コーティング、ヒト若しくは動物が使用するための医薬品、薬物、抗生剤、抗感染症薬物、抗ウイルス薬物、抗真菌薬物、ワクチン、ステロイド、点鼻薬、局所用クリーム、局所用軟膏剤、農業使用のための製品、殺有害生物剤、除草剤、殺生物剤、植物保護剤、植物栄養素、肥料、スプレー、植物ホルモン、種子保護、種子コーティング、殺菌剤、家庭用若しくは産業用クリーニング用品、産業用コーティング、布地若しくは皮革処理した化学物質、プラスチック、ゴム、容器、家庭用品、包装、タイヤ、布、布地、皮革等、又は上記製品のいずれかの成分若しくは組合せを含む、実施形態45に記載の製品。
【0527】
実施形態47.1つ又は複数の他の食品、飲料、健康補助食品、パーソナルケア、化粧品、娯楽用品、喫煙、吸入物、医薬品、農業、又は工業製品成分を更に含有する、実施形態46に記載の製品。
【0528】
実施形態48.実施形態1から12、又は31のいずれか1つに記載の乳化剤と、第2の成分とを含む組成物。
【0529】
実施形態49.前記第2の成分が、これらに限定されないが、小分子乳化剤、モノグリセリド/ジグリセリド、ポリソルベート、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、糖エステル、アセチル化モノグリセリド、ラクチル化モノグリセリド、レシチン、サポニン、加工デンプン、アラビアゴム(アカシアガム)、タンパク質ベース乳化剤、例えば、サヤエンドウタンパク質、カゼインナトリウム、ホエータンパク質分離物等を含めた1種又は複数の乳化剤を含む、実施形態48に記載の組成物。
【0530】
実施形態50.前記第2の成分が、これらに限定されないが、デンプン、マルトデキストリン、シロップ、糖、糖アルコール、オリゴ糖、加水分解バイオポリマー、多糖加水分解物、タンパク質加水分解物等を含めた1種又は複数の膨化剤を含む、実施形態48に記載の組成物。
【0531】
実施形態51.前記第2の成分が、これらに限定されないが、多糖ガム、タンパク質、キサンタンガム、ローカスマメガム、グアーガム、アルギン酸塩、ペクチン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、修飾セルロース、デンプン又はその誘導体、タンパク質ベース親水コロイド、ゼラチン、ダイズタンパク質、サヤエンドウタンパク質、卵白等を含めた1種又は複数のレオロジー特性改質剤を含む、実施形態48に記載の組成物。
【0532】
実施形態52.前記第2の成分が、これらに限定されないが、サヤエンドウタンパク質、ダイズタンパク質、コオロギパウダー、タンパク質加水分解物、全卵、卵黄、卵白、サヤエンドウ粉、ビーン粉、レンズマメ粉等を含めた1種又は複数のタンパク質材料を含む、実施形態48に記載の組成物。
【0533】
実施形態53.前記第2の成分が、プレバイオティクス、プロバイオティクス、マイクロバイオーム関連材料等に関係した1種又は複数の成分を含む、実施形態48に記載の組成物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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