(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】バッテリー管理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240909BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20240909BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240909BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02J7/02 X
H02J7/10 B
H02J7/00 V
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2021520555
(86)(22)【出願日】2019-07-15
(86)【国際出願番号】 KR2019008714
(87)【国際公開番号】W WO2020080648
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】10-2018-0124366
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】イグ,ヒュンチョ
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-279146(JP,A)
【文献】特開平11-299122(JP,A)
【文献】特開2018-026975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02J 7/10
H02J 7/00
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低電圧領域で動作する第1プロセッサ;
前記低電圧領域と高電圧領域を連結する第1アイソレーター及び第2アイソレーター;
前記第2アイソレーターと連結する複数のセンサーを含むセンサー部;
アナログデジタルコンバーティングを行うコンバーター;及び
前記複数のセンサー中一つを前記第2アイソレーターを介して前記コンバーターに連結するMUXを含み、
前記コンバーターは、前記MUXを介して受信された値をデジタル値に変換し、前記第1アイソレーターを介して前記第1プロセッサに伝送する、バッテリー管理システム。
【請求項2】
第2プロセッサは一つであり、
複数の各々のセンサーは、複数の各々のノードの電圧を感知する、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項3】
前記複数のノードは、リレーの両端及びフューズの両端のノードの少なくとも1つを含む、請求項
2に記載のバッテリー管理システム。
【請求項4】
前記リレーは、バッテリーから印加される前記高電圧の電力をモーター、出力端子及びディスプレイ中少なくとも一つに伝達する、請求項3に記載のバッテリー管理システム。
【請求項5】
前記低電圧領域のグラウンドレベルと前記高電圧領域のグラウンドレベルは、互いに異なり、
前記低電圧領域で利用される電圧は12V以下で、
前記高電圧領域で利用される電圧は500V以下である、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項6】
前記第1プロセッサは第1基板に配置されて、
第2プロセッサは第2基板に配置される、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項7】
前記第1プロセッサは、前記バッテリーに対する充電、放電状態の情報を提供する、請求項4に記載のバッテリー管理システム。
【請求項8】
低電圧領域で動作する第1プロセッサが、複数のノードに対するモニタリング要請信号を第2アイソレーターを介して高電圧領域で動作する第2プロセッサに伝送するステップ;
前記第2プロセッサが、前記モニタリング要請信号に応じて前記第2アイソレーターと連結される複数のセンサーを含むセンサー部を介して前記複数のノードに対する電圧値を取得するステップ;
前記複数のセンサー中一つを前記第2アイソレーターを介して
コンバーターに連結するMUXを利用して前記取得した電圧値のうち一つをコンバーターに入力するステップ;
前記コンバーターを介して前記コンバーターに入力された電圧値をデジタル値に変換するステップ;及び
前記第2プロセッサが、前記デジタル値に変換された電圧値を第1アイソレーターを介して前記第1プロセッサに伝送するステップ;を含む、バッテリー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示では、1つ以上のプロセッサを利用してバッテリーを管理するシステム及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
互いに異なる電圧領域で動作するモジュールが互いに連結される際に、アイソレーターが利用される。特に高電圧領域で動作するモジュールと低電圧領域で動作するモジュールが互いに連動して動作する場合、適切な位置にアイソレーターが配置されて漏洩電流を遮断しながら意図した通り動作を行うことができる。
【0003】
しかし、アイソレーターの場合、その費用が高いため、製品を構成する時その個数を減らすことが好ましい。従って、互いに異なる電圧領域で動作するモジュールが相互連結される際に、利用されるアイソレーターの個数を減らすための努力が継続している。特に、高電圧バッテリーが利用される場合、低電圧で動作するモジュールを共に利用するように回路を構成する際に、アイソレーターの個数を減らす方案が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、バッテリーを管理するシステム及び装置を提供することができる。具体的に、少ない数のアイソレーターを利用して、バッテリー管理を行うバッテリー管理システム及び装置が提供される。バッテリー管理システムは、第1プロセッサ、第2プロセッサ、アイソレーター、センサー部、スイッチ部などを含むことができ、アイソレーターは、第1プロセッサと第2プロセッサとの間に配置されることができる。
【0005】
解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、通常の技術者に自明な範囲内で多様な技術的課題がさらに含まれることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1側面に係るバッテリー管理システムは、低電圧領域で動作する第1プロセッサ;高電圧領域で動作する第2プロセッサ;前記第1プロセッサと前記第2プロセッサとの間に配置されるアイソレーター;複数のノードに対する電圧をセンシングするセンサー部;及び前記センサー部と前記第2プロセッサとの間に配置されるスイッチ部を含み、前記第1プロセッサは、前記複数のノードに対するモニタリング要請信号を前記アイソレーターを介し得前記第2プロセッサに伝送して、前記第2プロセッサは、前記モニタリング要請信号に応じて前記スイッチ部を制御して前記複数のノードに対する電圧値を取得して、前記第2プロセッサは、前記電圧値を前記アイソレーターを介して前記第1プロセッサに伝送することができる。
【0007】
さらに、前記スイッチ部は、複数のスイッチを含み、前記センサー部は、前記複数のスイッチに対応する複数のセンサーを含むことができる。
【0008】
さらに、前記スイッチ部は、前記第2プロセッサによって制御されて、前記スイッチ部がオンされると前記センサー部に電流が連結されて、前記スイッチ部がオフされると前記センサー部に連結された電流が遮断されることができる。
【0009】
さらに、前記複数のノードは、リレーの両端及びフューズの両端のノードの少なくとも1つを含むことができる。
【0010】
さらに、前記リレーは、バッテリーから印加される前記高電圧の電力をモーター、出力端子及びディスプレイ中少なくとも一つに伝達することができる。
【0011】
さらに、前記低電圧領域のグラウンドレベルと前記高電圧領域のグラウンドレベルは、互いに異なり、前記低電圧領域で利用される電圧は12V以下で、前記高電圧領域で利用される電圧は500V以下であってもよい。
【0012】
さらに、前記第1プロセッサは第1基板に配置されて、前記第2プロセッサは第2基板に配置されることができる。
【0013】
さらに、前記第1プロセッサは、前記バッテリーに対する充電、放電状態の情報を提供することができる。
【0014】
第2側面に係るバッテリー管理方法は、低電圧領域で動作する第1プロセッサが複数のノードに対するモニタリング要請信号をアイソレーターを介して高電圧領域で動作する第2プロセッサに伝送するステップ;前記第2プロセッサが、前記モニタリング要請信号に応じて前記複数のノードに対する電圧値を取得するステップ;及び前記第2プロセッサが、前記電圧値を前記アイソレーターを介して前記第1プロセッサに伝送するステップ;を含むことができる。
【0015】
第3側面は、第2側面の方法を実現するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な非一時的記録媒体を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示は、バッテリーを管理するシステム及び方法を提供することができる。具体的に、低電圧領域で動作する第1プロセッサと高電圧領域で動作する第2プロセッサとの間に配置されるアイソレーターを利用して情報を伝送することによって、バッテリー管理を行うシステムが開示される。アイソレーターは、第1プロセッサと第2プロセッサに配置されることによってその必要個数が減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施例に係るバッテリー管理システムが、バッテリー及びBEMと共に動作する一例を示す図面である。
【
図2】一実施例に係るバッテリー管理システムが、第1プロセッサ及び第2プロセッサを利用して動作する一例を示すブロック図である。
【
図3】一実施例に係るバッテリー管理システムが、複数のアイソレーターを利用して動作する一例を示すブロック図である。
【
図4】一実施例に係るバッテリー管理システムが、低電圧領域と高電圧領域で動作する一例を示すブロック図である。
【
図5】一実施例に係るバッテリー管理システムが、バッテリー、BEM、ECUなどと共に動作する一例を示す図面である。
【
図6】一実施例に係る複数のノードの一例を説明するための図面である。
【
図7】一実施例に係るバッテリー管理システムが、第1プロセッサ及び第2プロセッサを利用して動作する一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0019】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部実施例に限定されず各々異なる様々な形態で具現されることができて、本発明の技術思想範囲内でなら、実施例の間その構成要素中の一つ以上を選択的に結合または置き換えて使うことができる。
【0020】
さらに、本発明の実施例で使われる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に通常理解されることができる意味と解釈され、予め定義された用語と共に通常使われる用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるはずである。
【0021】
さらに、本発明の実施例で使われた用語は、実施例を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。
【0022】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も包含できて、“A及び(と)B、Cの少なくとも一つ(または一個以上)”と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせの中の一つ以上を含むことができる。
【0023】
さらに、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。このような用語は、その構成要素を別の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。なお、ある構成要素が異なる構成要素に‘連結’、‘結合’、または‘接続’されると記載された場合、その構成要素はその別の構成要素に直接的に‘接続’、‘結合’、または‘接続’される場合だけでなく、その構成要素とその別の構成要素との間にあるさらに別の構成要素によって‘連結’、‘結合’、または‘接続’される場合も含むことができる。
【0024】
さらに、各構成要素の“上(の上)”または“下(の下)”に形成または配置されると記載される場合、“上(の上)”または“下(の下)”は、二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、1つ以上のさらに別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。さらに、“上(の上)”または“下(の下)”と表現される場合、1つの構成要素を基準に上側方向だけでなく下側方向の意味も含まれることができる。
【0025】
以下では、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
図1は、一実施例に係るバッテリー管理システム100が、バッテリー110及びBEM(battery Energy Management)120と共に動作する一例を示す図面である。
【0027】
一実施例に係るバッテリー管理システム100は、バッテリー110及びBEM120と連動して動作することができる。バッテリー管理システム100は、バッテリー110及びBEM120の状態をモニタリングすることができる。具体的に、バッテリー管理システム100は、バッテリー110と連結された複数のノードに対する電圧をセンシングして様々な状態をモニタリングすることができ、モニタリングされた結果を出力することができる。例えば、バッテリー管理システム100は、リレーやフューズが正常な動作を行わない際に、アラームを出力することができる。
【0028】
図2は、一実施例に係るバッテリー管理システム100が、第1プロセッサ210及び第2プロセッサ230を利用して動作する一例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示したように、バッテリー管理システム100は、第1プロセッサ210、アイソレーター220、第2プロセッサ230、スイッチ部240、センサー部250を含むことができる。一実施例に係るバッテリー管理システム100は、低電圧領域201と高電圧領域202を含むことができる。アイソレーター220は、低電圧領域201と高電圧領域202を連結することができる。
【0030】
しかし、
図2に図示された構成要素のほかに他の汎用的な構成要素がバッテリー管理システム100にさらに含まれる可能性があることを関連技術分野で通常の知識を有する者ならば理解することができる。例えば、バッテリー管理システム100は、第1プロセッサ210または第2プロセッサ230と連結されるメモリ(図示せず)等をさらに含むことができる。用語“メモリ”は、電子情報を格納可能な任意の電子コンポーネントを含むように広く解釈されることができる。用語メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り-専用メモリ(ROM)、非揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラム可能読み取り-専用メモリ(PROM)、消去-プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データ格納装置、レジスターなどのようなプロセッサ-読み取り可能媒体の様々な類型を指し示すこともできる。第1プロセッサ210及び/または第2プロセッサ230が、メモリにメモリから情報を読み取りして/するかメモリに情報を記録できるならば、メモリは、第1プロセッサ210及び/または第2プロセッサ230と電子通信状態にあるという。第1プロセッサ210及び/または第2プロセッサ230に集積されたメモリは、プロセッサと電子通信状態にある。
【0031】
さらに、メモリは、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SDまたはXDメモリなど)、ラム(RAM,Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(ROM,Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスク中少なくとも1つのタイプの格納媒体を含むことができる。
【0032】
一実施例に係る第1プロセッサ210及び/または第2プロセッサ230は、通信機能を行うことができる。例えば、第1プロセッサ210及び/または第2プロセッサ230は、外部デバイスとWi-Fiチップ、Bluetoothチップなどを利用して通信できて、内部モジュールとも決められた規約に応じて通信することができる。Wi-Fiチップ、Bluetoothチップは、各々Wi-Fi方式、Bluetooth方式で通信を行うことができる。Wi-FiチップやBluetoothチップを利用する場合にはSSID及びセッション キーなどのような各種連結情報をまず送受信して、これを利用して通信連結した後、各種情報を送受信することができる。無線通信チップは、IEEE、ジグビー、3G(3rd Generation)、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、LTE(Long Term Evolution)等のような種々の通信規格に応じて通信を行うことができる。NFCチップは、135kHz、13.56MHz、433MHz、860~960MHz、2.45GHzなどのような様々なRF-ID周波数帯域の中から13.56MHz帯域を使うNFC(Near Field Communication)方式で動作することができる。さらに、第1プロセッサ210及び/または第2プロセッサ230は、LIN(Local Interconnect Network)バスまたはLINインタフニースを介して通信を行うことができる。
【0033】
一実施例に係る第1プロセッサ210は、低電圧領域201で動作して、第2プロセッサ230は、高電圧領域202で動作することができる。さらに、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間にはアイソレーター220が配置されることができる。アイソレーター220は、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に情報を相互送信することができる。
【0034】
低電圧領域201と高電圧領域202は、互いに異なる電圧範囲で動作することができる。例えば、低電圧領域201で利用される電圧は0V~12Vで、高電圧領域202で利用される電圧は0V~500Vであってもよい。具体的に、高電圧領域202に含まれたモジュールが動作する電圧範囲は300V~500Vであってもよい。
【0035】
さらに、低電圧領域201のグラウンドレベルと高電圧領域202のグラウンドレベルは、互いに異なってもよい。低電圧領域201のグラウンドと高電圧領域202のグラウンドは、互いに電気的に連結されなくてもよい。低電圧領域201のグラウンドと高電圧領域202のグラウンドは、電気的に分離することができる。
【0036】
一実施例によると、第1プロセッサ210は、第1基板に配置されて、第2プロセッサ230は、第2基板に配置されることができる。低電圧領域201で動作するモジュールは、第1基板に配置されて、高電圧領域202で動作するモジュールは、第2基板に配置されることができる。さらに、アイソレーター220は、第1基板及び/または第2基板に配置されて、第1基板と第2基板を電気的に連結すると同時に電気的に遮断することができる。アイソレーター220は、第1基板と第2基板との間で情報を伝送することができるが、決まったルート以外の電気的連結を遮断することができる。例えば、アイソレーター220は、第1基板と第2基板との間で漏洩電流を遮断することができる。
【0037】
第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に配置されるアイソレーター220は、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に情報を相互送信することができる。また、アイソレーター220は、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に伝送される情報以外の電気的連結を遮断することができる。例えば、アイソレーター220は、低電圧領域201と高電圧領域202との間の漏洩電流を遮断することができる。
【0038】
一実施例に係る第1プロセッサ210は、複数のノードに対するモニタリング要請信号をアイソレーター220を介して第2プロセッサ230に伝送することができる。さらに、一実施例に係る第2プロセッサ230は、モニタリング要請信号に応じてスイッチ部240を制御して複数のノードに対する電圧値を取得して、取得した電圧値をアイソレーター220を介して第1プロセッサ210に伝送することができる。
【0039】
一実施例に係るセンサー部250は、複数のノードに対する電圧をセンシングすることができる。さらに、センサー部250と第2プロセッサ230との間にはスイッチ部240が配置されることができる。スイッチ部240は、複数のスイッチを含み、センサー部250は、複数のスイッチに対応する複数のセンサーを含むことができる。
【0040】
一実施例に係るスイッチ部240は、第2プロセッサ230によって制御されることができる。さらに、スイッチ部240は、センサー部250に印加される電流を制御することができる。例えば、スイッチ部240がオンされるとセンサー部250に電流が連結されて、スイッチ部240がオフされるとセンサー部250に連結された電流が遮断されることができる。具体的に、スイッチ部240に連結された複数のスイッチがオン(on)される場合、センサー部250に含まれた複数のセンサーに各々電流を印加することができる。さらに、スイッチ部240に連結された複数のスイッチがオフ(off)される場合、センサー部250に含まれた複数のセンサーに各々電流が遮断されることができる。
【0041】
一実施例に係る複数のノードは、リレーの両端及びフューズの両端のノードの少なくとも1つを含むことができる。一実施例に係るリレーは、バッテリーから印加される高電圧の電力をモーター、出力端子及びディスプレイ中少なくとも一つに伝達するモジュールを含むことができる。さらに、フューズは、既設定以上の電流または電圧が印加される場合、電流を遮断させるモジュールまたは素子を含むことができる。より具休的な複数のノードに対する実施例は
図6で後述する。
【0042】
一実施例に係る第1プロセッサ210は、バッテリーに対する充電、放電状態の情報を提供することができる。例えば、第1プロセッサ210は、バッテリーが完全充電された場合、または放電状態の場合、各状況を示すメッセージを出力することができる。
【0043】
図2を参照すると、1つのアイソレーター220が、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に配置されることで、センサー部250に含まれたセンサーの数が複数であって、スイッチ部240に含まれたスイッチの数が複数であるにもかかわらず、バッテリー管理システム100は、1つのアイソレーター220でバッテリー管理を実現することができる。
【0044】
図3は、一実施例に係るバッテリー管理システム100が複数のアイソレーター320、340を利用して動作する一例を示すブロック図である。
【0045】
図3に示したように、バッテリー管理システム100は、メインMCU310、第1アイソレーター320、第2アイソレーター340、センサー部330、MUX350及びコンバータ360を含むことができる。一実施例に係るバッテリー管理システム100は、低電圧領域301と高電圧領域302を含むことができ、低電圧領域301と高電圧領域302で動作することができる。第1アイソレーター320及び第2アイソレーター340は、低電圧領域301と高電圧領域302を連結することができる。
【0046】
第2アイソレーター340は、複数のアイソレーターを含むことができる。さらに、複数のアイソレーターは、センサー部330に含まれた複数のセンサーと連結されることができる。さらに、MUX350は、複数のアイソレーターを介してセンサー部330に含まれた複数のセンサー中一つをコンバータ360と電気的に連結することができる。
【0047】
コンバータ360は、アナロダデジタルコンバーティングを行うことができる。例えば、コンバータ360は、MUX350を介して受信された値(例:電圧値)をデジタル値に変換することができる。さらに、コンバータ360は、MUX350を介して受信された値を第1アイソレーター320を介してメインMCU310に伝送することができる。
【0048】
センサー部330は、複数のセンサーを含むことができ、複数のセンサーは、複数のノードに対する電圧値をセンシングすることができる。さらに、MUX350によって選択されたライン上のセンサーがセンシングした電圧値は、第2アイソレーター340及びMUX350を介してコンバータ360に印加されて、コンバータ360は、受信した電圧値をデジタル信号に変換して第1アイソレーター320を介してメインMCU310に伝送することができる。
【0049】
低電圧領域301と高電圧領域302は、互いに異なる基板で具現されることができる。例えば、低電圧領域301は、第1基板で具現されて、高電圧領域302は、第2基板で具現されることができる。この場合、メインMCU310は、第1基板に配置されて、センサー部330、MUX350及びコンバータ360は、第2基板に配置されることができる。さらに、第1アイソレーター320及び第2アイソレーター340は、第1基板と第2基板を連結することができる。
図3に図示された実施例によると、バッテリー管理システム100は、第1アイソレーター320及び第2アイソレーター340、つまり複数のアイソレーター320、340を含むことができる。特に第2アイソレーター340の場合、センサー部330に含まれた複数のセンサーの個数に対応する個数のアイソレーターを含むことができる。
【0050】
図4は、一実施例に係るバッテリー管理システム100が低電圧領域401と高電圧領域402で動作する一例を示すブロック図である。
【0051】
図4に示したように、バッテリー管理システム100は、メインMCU410、HV MCU430、アイソレーター420、センサー部450及びスイッチ部440を含むことができる。一実施例に係るバッテリー管理システム100は、低電圧領域401と高電圧領域402を含むことができ、低電圧領域401と高電圧領域402で動作することができる。アイソレーター420は、低電圧領域401と高電圧領域402を連結することができる。
【0052】
図4に図示されたメインMCU410、アイソレーター420、HV MCU430、スイッチ部440及びセンサー部450は、各々
図2で開示された第1プロセッサ210、アイソレーター220、第2プロセッサ230、スイッチ部240及びセンサー部250に対応できるため、
図2の内容を参照することができる。
【0053】
スイッチ部440は、複数(例:13個)のMOSFETを含むことができる。複数のMOSFETは、スイッチで動作することができ、HV MCU430によって制御されることができる。
【0054】
図4を参照すると、1つのアイソレーター420だけを利用してバッテリー管理システム100が動作することができる。さらに、HV MCU430は、アナロダデジタルコンバーティング機能を行うことができる。従って、HV MCU430は、スイッチ部440を介して受信した信号(例:複数のノードに対する電圧値)をデジタル信号に変換してアイソレーター420を介してメインMCU410に伝送することができる。
【0055】
低電圧領域401と高電圧領域402は、互いに異なる基板で具現されることができる。例えば、低電圧領域401は、第1基板で具現されて、高電圧領域402は、第2基板で具現されることができる。この場合、メインMCU410は、第1基板に配置されて、センサー部450、スイッチ部440及びHV MCU430は、第2基板に配置されることができる。さらに、アイソレーター420は、第1基板と第2基板を連結することができる。
【0056】
図4を参照すると、
図3に比べて使われるアイソレーターの個数が減少するため、アイソレーターに使用される費用が節減できる。
【0057】
図5は、一実施例に係るバッテリー管理システム100が、バッテリー510、BEM520、ECU(electronic control unit)530等と共に動作する一例を示す図面である。
【0058】
図5に示したように、バッテリー管理システム100は、第1プロセッサ590、アイソレーター560、第2プロセッサ570、測定部580を含むことができる。一実施例に係るバッテリー管理システム100は、低電圧領域550と高電圧領域540を含むことができ、低電圧領域550と高電圧領域540で動作することができる。アイソレーター560は、低電圧領域550と高電圧領域540を連結することができる。
【0059】
図5に図示された第1プロセッサ590、アイソレーター560及び第2プロセッサ570、低電圧領域550及び高電圧領域540は、各々
図2で開示された第1プロセッサ210、アイソレーター220、第2プロセッサ230、低電圧領域201及び高電圧領域202に対応できるため、
図2の内容を参照することができる。
【0060】
さらに、
図5に図示された測定部580は、1つ以上のセンサー及びスイッチを含むことができる。例えば、測定部580は、
図2に図示されたセンサー部250及びスイッチ部240を含むため、
図2の内容を参照することができる。
【0061】
バッテリー管理システム100は、バッテリー510、BEM(Battery Energy Management)520及びECU530とともに連結されて動作することができる。
【0062】
具体的に、バッテリー510の電源がBEM520で印加されて、BEM520に含まれる複数のノードに対する電圧値が測定部580でセンシングされて第2プロセッサ570に伝送されることができる。第2プロセッサ570は、測定部580でセンシングされた電圧値をアイソレーター560を介して第1プロセッサ590に伝送することができる。例えば、第2プロセッサ570は、測定部580から受信した電圧値がアナロダ値の場合、アナロダ電圧値をデジタル電圧値に変換して第1プロセッサ590に伝送することができる。
【0063】
第1プロセッサ590は、ECU530を制御することができる。例えば、第1プロセッサ590は、第2プロセッサ570から受信した情報を利用してECU530を制御することができる。
【0064】
ECU530は、車両などの電子モジュールを制御することができる。例えば、ヒーター、パワーサプライ、リアルタイムクロック、クラッシュENSコントロール、CAN通信などを制御することができる。さらに、ECU530は、第1プロセッサ590から受信した制御信号を介して制御されることができる。例えば、第1プロセッサ590は、第2プロセッサ570から受信した信号を介してバッテリーの状態(例:充電、放電、異常発生)を示すアラームを出力することをECU530に要請することができる。
【0065】
図6は、一実施例に係る複数のノード671乃至683の一例を説明するための図面である。
【0066】
複数のノード671乃至683は、BEMの一部セクション690に含まれることができる。BEMの一部セクション690は、複数のリレー641、642、643、644、645、646、647、651、652、653、複数のフューズ631、632、633、複数の抵抗661、662、663、複数のノード671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683を含むことができる。さらに、BEMの一部セクション690は、複数の出力端子621、622、623、624と連結されることができる。第1出力端子621、第2出力端子622、第3出力端子623、第4出力端子624は、各々異なる動作を行うことができる。例えば、第1出力端子621は、Auxに電源を印加し、第2出力端子622は、前面トラクションモーターに電源を印加し、第3出力端子623は、後方トラクションモーターに電源を印加し、第4出力端子624は、直流充電ポートに電源を印加することができる。
【0067】
バッテリー610から印加される電源を介して複数のノード671乃至683に電圧が印加されることができる。一実施例に係る複数のノード671乃至683は、リレー641、642、643、644、645、646、647、651、652、653の両端及びフューズ631、632、633の両端のノードの少なくとも1つを含むことができる。一実施例に係るリレー641、642、643、644、645、646、647、651、652、653は、バッテリー610から印加される高電圧の電力をモーター、出力端子621、622、623、624及びディスプレイ中少なくとも一つに伝達するモジュールを含むことができる。さらに、フューズ631、632、633は、既設定以上の電流または電圧が印加される場合、電流を遮断させるモジュールまたは素子を含むことができる。
【0068】
図7は、一実施例に係るバッテリー管理システム100が、第1プロセッサ及び第2プロセッサを利用して動作する一例を示すフローチャートである。
【0069】
ステップS710で低電圧領域201で動作する第1プロセッサ210は、複数のノードに対するモニタリング要請信号をアイソレーター220を介して高電圧領域202で動作する第2プロセッサ230に伝送する。
【0070】
一実施例に係る第1プロセッサ210は、低電圧領域201で動作して、第2プロセッサ230は、高電圧領域202で動作することができる。さらに、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間にはアイソレーター220が配置されることができる。アイソレーター220は、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に情報を相互送信することができる。
【0071】
低電圧領域201と高電圧領域202は、互いに異なる電圧範囲で動作することができる。例えば、低電圧領域201で利用される電圧は0V~12Vで、高電圧領域202で利用される電圧は0V~500Vであってもよい。具体的に、高電圧領域202に含まれたモジュールが動作する電圧範囲は、300V~500Vであってもよい。
【0072】
第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に配置されるアイソレーター220は、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に情報を相互送信することができる。また、アイソレーター220は、第1プロセッサ210と第2プロセッサ230との間に伝送される情報以外の電気的連結を遮断することができる。例えば、アイソレーター220は、低電圧領域201と高電圧領域202との間の漏洩電流を遮断することができる。
【0073】
一実施例に係る第1プロセッサ210は、複数のノードに対するモニタリング要請信号をアイソレーター220を介して第2プロセッサ230に伝送することができる。
【0074】
さらに、ステップS710で伝送されたモニタリング要請信号に応じてステップS720で第2プロセッサ230は、複数のノードに対する電圧値を取得する。
【0075】
高電圧領域202で動作する1つ以上のスイッチと1つ以上のセンサーを介して第2プロセッサ230は、複数のノードに対する電圧値を取得することができ、第2プロセッサ230は、取得した電圧値をデジタル信号に変換することができる。
【0076】
ステップS730で第2プロセッサ230は、電圧値をアイソレーター220を介して第1プロセッサ210に伝送する。この時、アイソレーター220を介して伝送される電圧値は、デジタル信号に変換されて伝送されることができる。
【0077】
ステップS710で複数のノードに対するモニタリング要請信号が、アイソレーター220を第2プロセッサ230に伝送されて、ステップS730でデジタル信号に変換された電圧値がアイソレーター220を介して第1プロセッサ210に伝送されるため、1つのアイソレーター220を介してバッテリー管理が実行されることができる。
【0078】
さらに、
図7の方法は、
図1乃至
図6で上述された内容を参照して理解されることができる。
【0079】
一方、上述した方法は、コンピュータで実行できるプログラムで作成可能で、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されることができる。さらに、上述した方法で使われたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に種々の手段を介して記録されることができる。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック格納媒体(例えば、ロム、ラム、USB、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的読み取り媒体(例えば、CD-ROM、ティブイディなど)のような格納媒体を含む。
【0080】
以上添付された図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに別の具体的な形態で実施されることができるということを理解できるはずである。従って、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないことに理解しなければならない。