(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】ジメチコンベースの口腔ワニス
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20240909BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20240909BHJP
A61K 8/21 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q11/00
A61K8/21
(21)【出願番号】P 2021522361
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 US2019059830
(87)【国際公開番号】W WO2020097051
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-07
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521168922
【氏名又は名称】インスパイアド マテリアル ソリューションズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ラッタ,マーク,エー.
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-535220(JP,A)
【文献】特表2016-520562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料および200万~300万cPの粘度を有する第2のジメチコン材料と、少なくとも1つの活性剤と、を含
み;前記第1のジメチコン材料と前記第2のジメチコン材料との比率が、100:1~1:8である、口腔ワニス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの活性剤が、フッ化物供与体である、請求項1に記載の口腔ワニス。
【請求項3】
前記フッ化物供与体が、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、
非晶質リン酸カルシウムフッ化物、フッ化アミン297、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項4】
前記フッ化物供与体の濃度が、前記口腔ワニスの総重量に対して2.5%~5.0%である、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項5】
前記フッ化物供与体の濃度が、15,000ppm~50,000ppmのフッ化物濃度をもたらす、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項6】
リン酸塩供与体をさらに含む、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項7】
カルシウム供与体をさらに含む、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項8】
香味料または甘味料をさらに含む、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項9】
塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される抗微生物剤をさらに含む、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項10】
増量剤、流動剤、防腐剤、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上をさらに含む、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項11】
前記増量剤が、食用ワックスである、請求項
10に記載の口腔ワニス。
【請求項12】
L-リジンをさらに含む、請求項2に記載の口腔ワニス。
【請求項13】
1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料、およ
び200万~300万cPの粘度を有する第2のジメチコン材料とフッ化物供与体を含むジメチコンベースの口腔ワニスの配合方法であって、前記第1のジメチコン
材料の全体を混合容器に入れ、それに、ある量の前記フッ化物供与体を添加することと、遠心ミキサー内で、前記2つの成分を3,000RPM
で10分間混合することと、前記混合工程後に、前記混合した2つの成分に前記第2のジメチコン
材料の一部を添加することと、を含み、前記第2のジメチコン
材料の総質量の一部が、少なくとも2つの増分で添加され、さらなる増分の添加前に、各増分が、3,000RPMで5分間個々に混合され、前記第2のジメチコン
材料のすべてが配合物に添加されて混合されるまで、前記第2のジメチコン
材料の一部を加える、方法。
【請求項14】
少なくとも1つの活性剤をさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つの活性剤が、前記成分を混合する前に、前記第1のジメチコン
材料を有するカルシウム供与体および前記フッ化物供与体を含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
前記1つの活性剤が、抗微生物剤であり、前記成分を混合する前に、前記第1のジメチコン
材料およびフッ化物供与体とともに添加される、請求項
13に記載の方法。
【請求項17】
増量剤、流動剤、防腐剤、またはこれらの組み合わせを、前記フッ化物供与体とともに添加することをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項18】
前記抗微生物剤が、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルフィルジニウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料、およ
び200万~300万cPの第2のジメチコン材料と、口腔ワニス内に15,000~50,000ppmのフッ化物濃度を与えるフッ化物供与体と、少なくとも1つの活性剤から本質的になる口腔ワニスであって、前記第1と第2のジメチコン材料が、100:1~1:8の比率で提供される、口腔ワニス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許商標局に2018年11月5日に出願された米国仮出願第62/755,705号の利益を主張し、この内容の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、口腔使用に好適であり、特に口腔粘膜に添加剤または治療薬を提供するのに好適な口腔ワニスに関する。
【背景技術】
【0003】
天然樹脂をベースにしたワニスは、保護および/または装飾特性を備えた固体の透明または半透明のコーティングを製造するために古くから使用されてきた。天然樹脂の中でも、ロジンは、撥水性、摩耗耐性、接着性、皮膜形成、コーティングに与える完全性などの固有の特性により、ワニスに広く使用されている。
【0004】
ロジンおよびその誘導体は、歴史的な安全性プロファイルに基づいて、ヒトおよび動物に適用されるワニスで使用するために特に魅力的である。それらは、チューインガムおよびパーソナルケア製品の添加物として長い歴史がある。それらは、食品の直接添加物および局所ならびに経口医薬品の不活性成分として使用されている。ロジンベースのワニスは、ヒトまたは動物の組織への良好な接着性を備えた、取り外し可能な非水溶性コーティングが必要な場合に有用である。それらは、ワニスを摂取するか、または別の方法で体内に進入する場合に特に魅力的である。
【0005】
ワニスは、適用が簡単でコーティング性に優れているため、歯科用途に有用である。歯科用ワニスは、単独でバリアとして機能する場合もあり、または治療薬または経口送達用の他の添加剤を追加で含有する場合もある。現在、ほとんどの歯科用ワニスはスピリットワニスであり、膜形成性の非水溶性樹脂またはポリマー(天然または合成)が薬学的に許容される溶媒中に溶解され、所望の歯の領域に適用される。最も望ましいワニスは、適用前に歯を完全に乾燥させる必要はない。溶媒は蒸発し、および/または唾液によって抽出されて、一定期間、好ましくは少なくとも数時間、歯の表面に留まるコーティングを残すが、舌による除去および他の機械的除去のために実際の時間はしばしば大幅に短縮される。
【0006】
市販の歯科用ワニスは、当技術分野において周知である。修復材料を配置する前に調整された窩洞壁をコーティングするために使用された最初の歯科用ワニスは、塩素化炭化水素中に溶解した天然コーパル樹脂に基づいたものであって、修復材料が歯科組織に浸透するのを防ぐために使用されている。
【0007】
特に有用な歯科用ワニスにはフッ化物を含有し、通常、齲蝕のリスクが高い患者に投与される。フッ化物ワニスは、窩洞形成ライナーとして使用するための、および過敏性の歯の治療のための医学的治療薬としてFDAによって承認されている。
【0008】
歯科用ワニスには多くの利点があるにもかかわらず、フッ化物ゲル、フォーム、リンスと比較して、歯科患者への使用はまだ限られている。天然樹脂をベースにした従来のフッ化ナトリウムワニスの重要な欠点は、天然樹脂の黄色から茶色に一時的に歯の色が変化することである。この望ましくない特性は、これらの天然樹脂ワニスの患者の受け入れを制限し、患者の受け入れを高めるために、より受け入れられる明るい色の変性天然樹脂に基づくワニスを作製する努力を促進してきた。
【0009】
エステル化および/または水素化された変性ロジンは、特定の明るい色で市販されている。これらの変性ロジンは、ほぼ無色のワニスを生成することができる。残念ながら、天然ロジンと比較して、これらの材料は、口腔使用に薬学的に許容される溶媒への溶解性が著しく低い。理想的には、体内に進入する製剤に使用される溶媒は、許容できる味、刺激、毒性、およびアレルギー反応(感作)プロファイルを有している。水混和性を必要とする経口製剤で最も一般的に使用される溶媒は、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、およびPEG300&400である。水と不混和性の溶媒の用途では、ほとんどの場合、流動パラフィンおよび植物油を使用する。局所使用の場合、とりわけ、飽和脂肪族炭化水素、エーテル、およびイソプロパノールも許容される溶媒である。
【0010】
歯科用ワニスはその適用において局所的であるが、口腔内でのその長期滞留は、特に最初の適用中に蒸発しない溶媒の部分を、不可避の意図しない摂取をもたらす。したがって、理想的な溶媒は毒性が低く、ワニスの迅速な乾燥を可能にするのに十分な揮発性であり、水溶性であり、かつ唾液などの体液によって抽出可能である。エタノールはこれらの特性を備えているため、歯科用ワニスなど、ワニスが体内に進入する可能性のある用途に好ましい溶媒である。
【0011】
特定のワニスでは、天然樹脂が特定の食品グレードのシェラックに置き換えられている。シェラックベースのワニスと樹脂ベースのワニスはどちらも、5%と2.5%のフッ化ナトリウム濃度でフッ化物を使用した場合に同様の有効性があることが示されている。しかしながら、これらのシェラックベースの製品には、溶解性、味、およびその他の性能制限などの特定の制限を有し、グローバルな使用が制限されている。
【0012】
しかしながら、一般に、口腔ワニスは感度を低下させるのに大きな有効性を示し、6歳未満の子供、6~18歳、および成人集団を含むすべての年齢の患者の再石灰化のための適応外使用が広まっている。それでも、これらの製品のいくつかの欠点により、これらの製品の使用が減少または最小限に抑えられており、そうでなければはるかに頻繁に使用されるはずである。
【0013】
したがって、本明細書では、歯および口腔粘膜表面に適用するための安全で信頼性が高く、かつ非常に有効な口腔ワニス製品を作り出すための新製品の創出について記載し、この口腔ワニスは、齲蝕を修復または低減し、かつ別な方法で口腔の歯および粘膜表面を処置することができる治療用賦形剤およびその他の賦形剤を含む。
【発明の概要】
【0014】
好ましい実施形態では、口腔ワニスは、25~99%の12,500cPジメチコンおよび1%~75%の250万cPジメチコンと、5%のフッ化ナトリウムと、を含む。好ましい実施形態では、250万cPのジメチコンは1~50%である。
【0015】
さらなる実施形態では、口腔ワニスは、25~99%の1,000cPジメチコンおよび1%~75%の250万cPジメチコンと、5%のフッ化ナトリウムと、を含む。
【0016】
ある特定の実施形態では、2.5%フッ化ナトリウム、または他のフッ化物供与体材料が存在する。ある特定の実施形態では、5.0%のフッ化ナトリウムの重量パーセント、または別のフッ化物供与体からの等量が存在する。OTCベースの製品の濃度は、本開示の口腔ワニスと比較して、劇的に低いフッ化物の濃度を有する。OTCが1500ppmの濃度である場合、ここでのワニスは、ppmで示される場合、通常20,000ppmを超え、最大で約50,000ppmになり得る。
【0017】
好ましい実施形態では、口腔ワニスは、該第1のジメチコンが1,000~25,000cPの粘度を有し、第2のジメチコンが200万cP~300万cPの粘度を有する、第1および第2のジメチコンと、2.5~5.0%のフッ化物の濃度を有するフッ化物成分と、を含む。ある特定の実施形態では、フッ化物成分は、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、ACPF、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、フッ化物供与体の濃度は、約15,000ppm~50,000ppmのフッ化物である。ある特定の実施形態では、フッ化物供与体の濃度は、約20,000ppm~50,000ppmのフッ化物である。
【0018】
口腔ワニスは、2つのジメチコンポリマーと、フッ化物と、を含み、第1のジメチコンポリマーが、Me3-O-[SiMe2]n-Me3の式を有し、式中、nが繰り返し単位の数であり、約1,000~25,000cPの粘度を有し、第2のジメチコンポリマーが、nが第1のジメチコンポリマーよりも大きい式を有し、約200万cP~300万cPのより高い粘度を有し、第1のジメチコンポリマーが、配合物の総質量の10~99パーセントを構成し、該第2のジメチコンポリマーが、配合物の総質量の1~90パーセントを構成する。
【0019】
口腔ワニスは、2つのジメチコンポリマーと、フッ化物と、を含み、第1のジメチコンポリマーが、「n」個の繰り返し単位を有するMe3-O-[SiMe2]n-Me3の式を有し、第2のジメチコンポリマーが、第1のジメチコンポリマーよりも高い粘度およびより多い「n」個の繰り返し単位を有し、第1のジメチコンポリマーと第2のジメチコンポリマーとの比率が、100:1~0.5:1である。好ましくは、ある特定の実施形態では、比率は、約55:1~約1:1、または約40:1~約1:1である。
【0020】
上記実施形態の口腔ワニスは、フッ化物供与剤が市販製品に許容される最大値である。好ましい実施形態では、フッ化物は、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アミン297、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0021】
上記の実施形態のいずれかの組成物を配合するための方法は、第1および第2のジメチコンをフッ化物イオン供与体と一緒に混合することと、ある量の該第1のジメチコンを添加することであって、該第1のジメチコンが、1,000cP~25,000cPの粘度を有する、ある量の第1のジメチコンを添加することと、該第1のジメチコンに、市販薬または処方強度を満たすためのフッ化物イオン供与体の量を添加することと、遠心ミキサーを使用して成分を混合することと、第2のジメチコンの第1の部分を添加して、該第1のジメチコンおよび該フッ化物イオン供与体と混合することであって、該第2のジメチコンが、200万~300万cPの粘度を有する、添加して混合することと、第2のジメチコンの第2の部分を添加することと、を含む。
【0022】
ある特定の実施形態では、第2のジメチコンは、単一の部分で混合されるか、または2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の部分で混合されて、材料の混合を可能にする。好ましい実施形態では、混合される部分は等量である。
【0023】
さらなる実施形態では、ジメチコンベースの口腔ワニスは、約1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料および約200万~300万cPの粘度を有する第2のジメチコン材料と、少なくとも1つの活性剤と、を含む。一実施形態では、活性剤は、フッ化物剤である。
【0024】
一実施形態では、フッ化物剤は、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、ACPF(非晶質リン酸カルシウムフッ化物)、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アミン297、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0025】
一実施形態では、第1のジメチコンと第2のジメチコンとの比率は、40:1~1:2である。
【0026】
一実施形態では、第1のジメチコンと第2のジメチコンとの比率は、25:1~1:1である。
【0027】
一実施形態では、第1のジメチコンと第2のジメチコンとの比率は、20:1~1:1である。
【0028】
一実施形態では、口腔ワニスは、リン酸供与体をさらに含み、該リン酸供与体が、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸一マグネシウム、リン酸二マグネシウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0029】
一実施形態では口腔ワニスは、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、硫酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、フッ化カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、グルコン酸カルシウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるカルシウム供与体をさらに含む。さらなる実施形態では、カルシウム供与体は、少なくとも1つのアミノ酸をさらに含み得る。さらなる実施形態では、アミノ酸は、リシンである。
【0030】
一実施形態では、口腔ワニスは、スペアミント油、ウィンターグリーン油、ペパーミント油、バブルガム、チェリー、バニラ、クロロフィル、アセスルファムK、スクラロース、キシリトール、サッカリン、シクラミン酸ナトリウム、天然もしくは合成の香味料または甘味料、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される香味料または甘味料をさらに含む。
【0031】
一実施形態では、口腔ワニスは、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、トランスファルネソール、キトサン、クロルヘキシジン、第四級アンモニウム化合物、フェノール、ビスグアニド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される抗微生物剤をさらに含む。
【0032】
一実施形態では、口腔ワニスは、増量剤、流動剤、防腐剤、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上をさらに含む。香味料を含む場合と同様に、製品に少量の増量剤または質感化剤を提供して、材料に触感を与えるか、または歯の表面への適用のためのその稠度を改善することが好適である場合がある。例えば、患者は、材料が口腔粘膜の表面に残っているように患者が「感じる」ことができるようにするために、材料にわずかな質感を有することを好む場合がある。製品に優れた稠度および全体的な感触を単に提供するために、増量剤が必要になる場合がある。同様に、流動剤または流動促進剤を本明細書の組成物に添加して、材料の物理的特性を与え、変更することができる。例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、二酸化ケイ素、グリセリン、パルミチン酸塩、および当業者に知られている他のものである。
【0033】
さらなる実施形態は、上記の口腔ワニス製品のいずれかの配合方法を目的とし、配合方法は、第1のジメチコン成分の全体を混合容器に入れ、それに、ある量のフッ化物供与体を添加することと、遠心ミキサー内で、2つの成分を3,000RPMで約10分間混合することと、混合工程後に、混合した2つの成分に第2のジメチコンを添加することと、を含み、第2のジメチコンの総質量の1/5を5つの別々の増分で添加し、さらなる増分の添加前に、各増分が、第2のジメチコンのすべてが配合物に添加されて混合されるまで、3,000RPMで5分間個々に混合される。
【0034】
一実施形態では、この方法は、成分を混合する前に、カルシウム供与体を第1のジメチコンおよびフッ化物供与体とともに添加することを含む。
【0035】
一実施形態では、この方法は、抗微生物剤を添加することをさらに含む。好ましい実施形態では、抗微生物剤は、塩化ベンザルコニウムまたは塩化セチルピリジニウムであり、成分を混合する前に、第1のジメチコンおよびフッ化物と一緒に添加される。
【0036】
一実施形態では、この方法は、増量剤、流動剤、防腐剤、またはこれら組み合わせをフッ化物剤とともに添加することをさらに含む。
【0037】
一実施形態では、口腔ワニスは、1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料および約200万~300万cPの粘度を有する第2のジメチコン材料と、少なくとも1つの活性剤と、を含む。さらなる実施形態では、少なくとも1つの活性剤が、2.5~5.0重量パーセントのフッ化物の濃度を有するフッ化物供与体である口腔ワニスである。
【0038】
さらなる実施形態では、フッ化物供与体が、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、ACPF、フッ化アミン297、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、口腔ワニスである。さらなる実施形態では、第1のジメチコンと第2のジメチコンとの比率が、100:1~1:8である、口腔ワニスである。さらなる実施形態では、フッ化物供与体の濃度が、15,000ppm~50,000ppmのフッ化物の濃度をもたらす、口腔ワニスである。
【0039】
さらなる実施形態では、口腔ワニスは、リン酸塩供与体をさらに含む。さらなる実施形態では、口腔ワニスは、カルシウム供与体をさらに含む。さらなる実施形態では、口腔ワニスは、香味料または甘味料さらに含む。さらなる実施形態では、口腔ワニスは、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される抗微生物剤をさらに含む。さらなる実施形態では、口腔ワニスは、増量剤、流動剤、防腐剤、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上をさらに含む。さらなる実施形態では、増量剤が食用ワックスである口腔ワニスである。さらなる実施形態では、口腔ワニスは、L-リジンをさらに含む。
【0040】
さらなる実施形態では、1,000~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料、および200万cP~300万cPの粘度を有する第2のジメチコン材料と、フッ化物供与体と、を含むジメチコンベースの口腔ワニスの配合方法は、第1のジメチコン成分を混合容器に入れ、それに、ある量のフッ化物供与体を添加することと、遠心ミキサー内で、2つの成分を3,000RPMで約10分間混合することと、混合工程後に、混合した2つの成分に第2のジメチコンの一部を添加することであって、第2のジメチコンの総質量の一部が、少なくとも2つの増分で添加され、さらなる増分の添加前に、各増分が、3,000RPMで5分間個々に混合される、添加することと、第2のジメチコンのすべてが配合物に添加されて混合されるまで、第2のジメチコンの一部を添加することと、を含む。
【0041】
さらなる実施形態では、この方法は、少なくとも1つの活性成分をさらに含む。さらなる実施形態では、成分を混合する前に、1つの活性成分が、カルシウム供与体を第1のジメチコンおよびフッ化物供与体とともに含む、方法である。さらなる実施形態では、1つの有効成分が抗微生物剤であり、成分を混合する前に、抗微生物剤が、第1のジメチコンおよびフッ化物供与体とともに添加される方法である。さらなる実施形態では、この方法は、増量剤、流動剤、防腐剤、またはこれら組み合わせをフッ化物供与体とともに添加することをさらに含む。さらなる実施形態では、抗微生物剤が、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルフィルジニウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される方法である。
【0042】
さらなる実施形態では、1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料、および約200万~300万cPの第2のジメチコン材料と、経口ワニス内に15,000~50,000ppmのフッ化物濃度を提供するフッ化物供与体と、少なくとも1つの活性剤から本質的になり、第1および第2のジメチコン材料が、100:1~1:8の比率で提供される口腔ワニスである。
【0043】
さらなる実施形態では、1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料、および約200万~300万cPの粘度を有する第2のジメチコン材料と、フッ化物供与体と、少なくとも1つの追加の賦形剤と、からなる、口腔ワニスである。さらなる実施形態では、第1および第2のジメチコンが、40:1~1:8の第1のジメチコン材料の第2のジメチコン材料に対する比率である、口腔ワニスである。さらなる実施形態では、少なくとも1つの追加の賦形剤が、増量剤、流動剤、防腐剤、香味料、または甘味料からなる群から選択される、口腔ワニスである。さらなる実施形態では、活性剤が、フッ化物供与体、リン酸塩供与体、カルシウム供与体、塩化ベンザルコニウムまたは塩化セチルピリジニウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される口腔ワニスである。
【0044】
ジメチコンベースのフッ化物ワニスの製造方法であって、第1のジメチコン成分を混合容器に入れ、それに、ある量のフッ化物供与体を添加することと、遠心ミキサー内で、2つの成分を3,000RPMで約10分間混合することと、混合工程後に、混合した2つの成分に第2のジメチコン成分を添加することと、を含み、該第2のジメチコン成分が、該第1のジメチコン成分よりも高い粘度を有し、該第2のジメチコン成分が、少なくとも2つの増分で混合容器に添加され、さらなる増分の添加前に、各増分が、第2のジメチコンのすべてが配合物に添加されて混合されるまで、3,000RPMで5分間個々に混合される、方法である。好ましい実施形態では、フッ化物供与体が少なくとも15,000ppmの濃度で添加される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】n個の繰り返しシロキサン単位の数を有するPDMS(ジメチコン)の式の図を示す。
【
図2】24時間にわたるフッ化物の放出についての本開示のいくつかの異なるブレンドの放出プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
口腔粘膜は、糖、アルコール、低および高pHの食品および飲料、ならびに個人の歯、エナメル質、および歯茎を汚す、または損傷する物質によって絶えず攻撃されている。本明細書において、ある特定の実施形態は、口腔粘膜のいくつかの病気の治療のための新しく有用な口腔ワニスを記載している。特定の治療用途は、齲蝕の発生および象牙質知覚過敏症の軽減を目的としているが、ある特定の実施形態では、細菌、ウイルス、および真菌感染症、口渇、および本明細書に記載の他の多くの特定の病気の治療に適した材料もあり得る。
【0047】
実際には、これらの問題の各々は単独で、個人および個人を治療する歯科専門家の両方が直面する重要な問題である。齲蝕を軽減する能力、または象牙質知覚過敏症を軽減する能力は、未熟な歯を有する子供および成熟した歯を有する子供ならびに大人を含む多くの患者に幅広い用途がある。
【0048】
従来、フッ化物ワニスは、樹脂ベースの材料、アルコールまたはその他の溶媒、およびフッ化物の担体を含んでいる。この材料は歯の表面に塗られ、乾燥すると黄色または茶色がかった色になる。この着色は頻繁に、このような使用が日中の使用のためにすべての患者にとって制限または除外されることを意味し、したがって多くの潜在的な患者は美的および社会的受容性のために治療を避ける。
【0049】
特定のフッ化物ワニスは、樹脂ベースの担体を他の材料に置き換えたが、これらには、一般的な使用を妨げる他の問題がある。最終的には、ワニスの多くに、視覚的な懸念を覆い隠すか、または改善する方法として、また材料の味を改善する方法として、着色剤または香味料も導入している。
【0050】
香味料の添加に伴う潜在的な問題は、それが歯の表面から洗い流される材料の割合を増加させ、したがってフッ化物が歯上または患者の歯茎に隣接またはそれらの上に存在する時間を短縮する可能性があることである。多くの場合、すべての歯、象牙質、および歯茎表面の再石灰化および脱感作を確実にするために、唾液の流れが必要であるが、材料をすばやく洗い流すと、製品の効果が低下する。最終的には、樹脂ベースの製品のために、材料自体のざらざらした質感は、多くのユーザーにとって不快であることが多く、材料に舌の作用をもたらし、それによって洗い流される割合を増加させる。さらに、単に歯の表面を磨いて、不快な食感、変色の外観、または材料の不快な味を和らげることができる人もいる。
【0051】
これらの材料の主な用途は、歯の再石灰化である。これは通常、適応外の使用であるが、高濃度のフッ化物は、歯科医院でフッ化物が適用されると、未熟および成熟した歯の表面の両方で齲蝕の発生を劇的に防ぐことが示されることが確認されている。通常、歯科用ワニスは、歯を清浄化した後に歯の表面に適用される。清浄化、または予防は、歯の表面から歯石(石灰化した歯垢)を取り除くことである。場合によっては、これには、歯の斜角筋、研磨、および歯の表面からの歯石の創面切除が含まれる。歯の表面に歯石がなくなったら、歯科用樹脂が適用される。フッ化物もしくは他の添加剤または治療薬の濃度は、通常、製品の総重量の約1.5%~10%のフッ化ナトリウムである。例えば、典型的なフッ化物の割合は、約1.5%~約10%であり(フッ化物供与体に依存する)、しばしば約20,000ppm~約50,000ppmのフッ化物の範囲である。したがって、これらの濃度は、OTC練り歯磨きの濃度よりも大幅に高く、通常約600~5000ppmの範囲の処方用量の練り歯磨きの濃度よりも数倍高いままである。
【0052】
例えば、処方用量のフッ化物ワニス製品は、各歯表面に塗られ、通常約1~8時間そのままであり、通常の治療では、ワニスを歯の表面に4~6時間有する。限られた食事を食べる、および飲むことは、ほとんどのワニスに許容されるが、歯の表面をブラッシングすること、または歯の表面をこする他の食べ物もしくは飲み物の材料は、ワニスを除去するであろう。
【0053】
本明細書で開発された新しいフッ化物ワニスは、1.5%フッ化ナトリウム以上のフッ化物濃度を利用し、好ましい濃度は2.5または5.0%のフッ化ナトリウムである。新しいフッ化物ワニスは、美容的外観のためにほとんどのユーザーにとって問題となる黄色または茶色のような着色を取り除き、樹脂ベースのワニスの不快な味および質感を排除または軽減する。実際には、本明細書に記載されるフッ化物ワニスは、歯の表面に滑らかなコーティングを残し、多数の香味料で風味付けすることができる。本明細書に記載されるように、好ましくは、これまで混合することができなかった2つの異なる粘度のジメチコン製品を、追加の添加剤、賦形剤、治療薬、およびフッ化物イオン供与体と組み合わせるフッ化物ワニスが提供される。
【0054】
したがって、本開示の実施形態は、ロジンを含まず、溶媒としてアルコールを使用する必要がなく、水性物質を含まない担体材料を詳述する。実際には、ロジンおよび溶媒を除去する能力は、ロジンにアレルギーのある人、または既存の製品からのアルコール残留物に敏感な人に新しい製品を提供する。本明細書の実施形態は、歯および口腔粘膜表面に高度に付着性であり、歯の表面に沈殿する活性剤の運搬を可能にする担体の形成を可能にする。本明細書で使用される場合、添加剤および賦形剤という用語は、互換的に使用され、ジメチコン成分以外の本実施形態のワニス製品に添加される任意の材料を含む。この用語は、追加の賦形剤および治療薬を含むが、ワニスからの分散に好適であり得る結合剤、防腐剤、アルコール、二酸化チタン、甘味料、ジメタクリレート、ロジン、香味料、着色剤なども含む。
【0055】
本明細書で使用される場合、治療薬という用語は、当業者によって理解されるように、口腔粘膜の少なくとも1つの細胞に薬効、治癒効果、または治療効果を提供する治療用化合物を意味する。例えば、本実施形態で使用される治療薬としては、当業者によって理解されるように、口腔粘膜で使用するためのカルシウム、リン酸塩、および/またはフッ化物系の生成物もしくは供与体、および少なくとも1つの細胞に治療効果を付与する他の抗微生物剤、治癒剤などが挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な例としては、フッ化ナトリウム、ジフルオロシラン、フッ化第一スズ、APF(酸性フッ素リン酸)、ACPF(アモルファスリン酸カルシウム)、ACP(非晶質フッ化リン酸カルシウム)、モノフルオロリン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、第二リン酸カリウム、カルシウム化合物、硝酸カルシウム、および塩化セチルピリジニウムが挙げられる。
【0056】
好ましい実施形態では、口腔フッ化物ワニスは、第1の粘度を有する第1のジメチコン生成物を含む。
図1は、「n」個の繰り返し単位数を有するジメチコンの一般式を詳述する。繰り返し単位の数「n」が多いほど、材料の粘度が高くなる。経口ワニスは、第2の粘度を有する第2のジメチコン生成物をさらに含み、第2のジメチコン生成物の粘度は、好ましくは、第1のジメチコン生成物の粘度より少なくとも200万cP大きい。cP単位(センチポアズ)は、動粘度の単位である。2つの粘度の組み合わせは、歯の表面に適用されたときにバリアを提供し、強い粘膜付着特性を有する材料を提供し、材料は歯の表面に付着し、強い付着のために除去されにくい。しかしながら、それはまた、本明細書に記載される苦痛のうちの1つまたは多くの治療のための賦形剤のための貯蔵所としても機能する。
【0057】
口腔フッ化物ワニスは、歯および口腔粘膜表面に付着するように開発されており、ワニス自体が治療薬、通常はフッ化物の貯蔵所として機能し、歯の表面の再石灰化を可能にする。実際には、
図2に示されるように、グラフは、3つの異なる配合物に基づいて約2.5~5.0%のフッ化ナトリウム(または同等のフッ化物供与体)のフッ化物の放出の値を提供し、1つ目の配合物は、250万cPのジメチコンと1,000cPのジメチコンとの1:1の比率を有し、2つ目は、250万cPのジメチコンと1,000cPのジメチコンとの1:4の比率を有し、3つ目は、100%の1,000cPのジメチコンを有する。対照として、既存のフッ化物ワニス、Kolorz(商標)クリアシールド5%フッ化ナトリウムワニスを提供した。
【0058】
時間および放出プロファイルは両方とも、フッ化物が担体を離れることを可能にし、歯表面を再石灰化することを可能にするのに役立つ。以下の表3は、本開示のいくつかの異なる配合物を詳述し、各々が、その付着力に関して各材料の値を提供する異なる量の力(ピーク付着力)および(総付着作用)を有する。付着力がより大きいものは、典型的には、ピーク付着力がより低いものよりも、歯表面に長時間留まる。したがって、より高濃度のより高い粘度のジメチコンを使用する配合物は、増加した付着を示す。
【0059】
同時に、ピーク付着力と、材料からのフッ化物の溶解速度との間にバランスがなければならない。
図2は、250万cPのジメチコンの量が少ないものは、担体からのフッ化物の溶解速度が遅いことを示す。1:1の比率では、フッ化物放出速度は、本開示の他の2つの試験された放出プロファイルを伴う速度のほぼ半分である。しかしながら、この配合物は、Kolorz(商標)製品と比較して劇的に高い放出プロファイルをさらに有していた。したがって、1,000cPのジメチコンのみを含む製品は、0~5時間で最も速い放出プロファイルを有したが、24時間では、その総放出は、1:4の比率の製品とほぼ同一であった。また、1:4の比率の製品は、1,000cPの材料と比べると、付着において劇的かつ大幅な改善を有する。cP単位(センチポアズ)は、動粘度の単位である。
【0060】
24時間では、1:1の比率の製品の放出プロファイルは、ワニス1グラムあたり40ppmを超えるフッ化物に達した。これらの放出プロファイルの重要性は、歯または口腔粘膜表面に材料を維持するための付着の必要性のバランスを取りながら、放出されたフッ化物の取り込みを可能にする放出速度の2重の懸念を評価することである。例えば、1,000cpの材料のみが30分で歯表面を洗い流す場合、再石灰化するのに十分な時間を有さないため、その速い放出速度では不十分である。同様に、放出が速すぎると、ミネラルが歯の表面ではなく唾液に放出される可能性がある。したがって、歯表面への付着を考慮すると、わずかに遅い放出が有益であり、最終的には速い放出を超える可能性がある。
【0061】
本開示の口腔ワニスはまた、室温での材料の適用を可能にするプロファイルを有さなければならない。実際には、材料が正しく適用されることを保証するだけでなく、その最終的な使用を補助するためにも、適用の容易さが必要である。加熱もしくは冷却、または特殊なアプリケーターで適用する必要のある材料は、これらの材料を適用する専門家の負担に直面する可能性が高いため、製品の利点は、歯の表面ではなく、引き出し内に未使用で残るであろう。したがって、材料は、好ましくは、口腔適用のために現在利用可能な練り歯磨きおよびゲル状歯磨きから通常見られるように、歯の表面にブラシをかけるかまたは塗ることができるゲルまたはペーストである。最終的には、唾液と接触すると、材料は一般に歯の表面に付着したままであり、材料が材料内のイオンの放出を可能にするのに十分な時間、歯の表面または口腔粘膜と接触したままであることを確実にする。
【0062】
市販のワニスの主な関心事は、天然樹脂の使用である。これらの天然樹脂は、適用のためにアルコールまたは他の溶媒を必要とし、その後、歯の表面に黄色または茶色の膜を残す。これは、現実的に審美的な問題であるが、そのような製品を使用する子供、青年、および成人にとって、フッ化物が歯の表面に移動できるようにするために必要な期間、製品を歯の表面に維持することに抵抗があることがよくある。したがって、材料は、洗浄、ブラッシング、デンタルフロス、または単に舌の動きによってこすり落とされる。実際には、既存の樹脂ベースのワニスは、歯の表面に汚れまたは汚さを感じる触感に悩まされることが多く、したがって、歯の表面に舌の動きを与え、それは、最終的にワニスをより高い割合で除去する。本実施形態は、歯の表面に適用した後に透明な色を有し、したがって、樹脂ベースの材料の多くに存在する茶色または黄色の着色を排除するワニスを含む。
【0063】
さらに、ジメチコン材料の使用は、歯表面に滑らかできれいな触感のコーティングを提供する。実際には、ジメチコン製品は、潤滑剤または滑らかな質感として作用するそれらの能力のために頻繁に使用される。したがって、歯表面に滑らかな表面を作成することにより、舌の動作が減少し、したがって、担体として天然樹脂に依存するものと比較して、本開示のジメチコンベースの配合物の除去が減少する。配合物の除去を減らすことにより、当然、材料が歯表面上にある時間が増加し、したがって、材料の歯の表面および口腔粘膜への放出が改善される。
【0064】
口腔ワニスは長くかつ安全な使用プロファイルを有しているので、現在開示されている濃度のフッ化物成分の適用は、何らかの安全上のリスクをもたらすとは予想されていない。さらに、本明細書で提供されるように、FDAは以前に口腔製品で使用するためのいくつかのジメチコン材料を承認している。したがって、主要な成分は、口腔用途でのそれらの使用について理解された安全性プロファイルを有する。
【0065】
本開示の口腔ワニスの成分
ポリジメチルシロキサンまたはPDMSとしても知られるジメチコンは、ポリマーの繰り返し単位の数に基づく、様々なサイズのシリコーンベースのポリマーである。ジメチコンは、例えば、制汗剤、スキンクリーム、スキンローション、日焼け止めローション、バスオイル、ヘアケア製品、および経口製品用のコーティングにおける幅広い用途を有する。スキンケア製品は、幅広い用途を有し、ジメチコンは、幅広い化粧品配合物のベースとしてのその特性、その疎水性、粘度の範囲、潤滑特性、低表面張力、透明、無味、無臭、不活性のため、およびそれが他の広範囲の他の材料と混和性であるため、信頼されている。
【0066】
実際には、様々な粘度のジメチコンは、多くの化粧品配合物において信頼されており、プライマー、ファンデーション、またはローションなどの不均一な質感および細い線を埋めるために使用される。さらに、シリコーン油として、それは、日焼け止めローションまたは他のスキンローションなどで、皮膚上に保護カバーを提供する。
【0067】
ジメチコンは、ヘアケア製品にも使用されており、特にコンディショナーまたはもつれをほどく製品において滑らかさを提供する。実際には、該製品へのジメチコンの組み込みは、髪を滑らかにし、髪のからまりを減らす、または除去することを容易にする。さらに、多くのヘアケア製品では、ジメチコンを使用して、髪に輝きまたは光沢を残す。
【0068】
PDMSは、典型的な式を有し、
【化1】
「n」の繰り返し単位の数が材料の粘度に影響を与える。ジメチコン製品は、それらの粘度によって様々な配合で販売されることがよくある。ここで、我々は、少なくとも2つの異なる粘度のジメチコンを組み合わせ、1つ目は、約1,000cP~25,000cPの粘度を有し、2つ目は、約200万cP~300万cPの粘度、好ましくは250万cPの粘度を有する。これらの材料を購入するとき、典型的な分析証明書は、回転試験によって決定された粘度を提供し、各分析証明書は、通常、記載された仕様の約10%、または約5%、または約1%以内の材料の仕様限界を提供するであろう。例えば、250万cPの粘度を有する記載された材料の場合、本明細書の実施形態で使用される材料は、2,312,500~2,687,500cPの仕様範囲を含んだ。
【0069】
FDAは、パーソナルケア製品用のジメチコンを承認しており、一般に安全に使用できると見なされている。実際には、FDAは、局所、経皮、および経口適用について少なくとも16のエントリをリストしている。これらのうち、4つ、すなわちジメチコン100、350、350および1000は、経口適用向けに具体的にリストされており、重複する350のエントリは、1つはカプセル用で、もう1つは「持続作用のカプセル」用である。したがって、ジメチコンは、FDAによる既知の予想される安全性プロファイルを有する。
【0070】
ジメチコンの粘度の差異は、単に分子の繰り返しポリマー単位の数にある。例えば、繰り返し単位の数がより多いポリマーは、動作を制限する傾向があり、したがって、繰り返し単位の数が少ないポリマーよりも粘度が高くなるであろう。しかしながら、これらのジメチコン製品を商業的に購入するとき、ほとんどすべての例で、材料は、記載された粘度の約1~10%の範囲または変動で、それらの粘度によって販売されている。
【0071】
本口腔ワニス製品のための配合物を作成する際には、上記のすべての考慮事項、すなわち、有効成分の速度または放出、付着力、ならびに優れた製品を生成するための材料の美的および触感的応答を確認する必要がある。以下の配合物1~9および表3に詳述されているように、我々は、いくつかの異なる基本配合物を試験し、1つ目は、250万cPのジメチコンとともに1,000cPの成分を使用し、2つ目は、1,000cPのジメチコンを12,500のジメチコンに置き換えたものである。また、我々は、250万のジメチコンと混合した25,000、および50,000cPを使用して変形体も試験した。最終的に、1,000および12,500のジメチコンをより低い150万cPのジメチコンとともに試験し、これにより異なる濃度および様々なベース材料で材料を評価した
【0072】
要約すると、粘度が50,000cP未満の第1のジメチコンは、粘度が150万、200万、250万、または300万cPの第2のジメチコンを使用したかどうかに関係なく、50,000cP以上のものよりも効果的であった。さらに、粘度における差異もある程度まで重要であるように見え、つまり、250万cPのジメチコンを使用したものは、150万cPの製品と混合したものよりもより良く機能した。しかしながら、これは、低粘度のジメチコンとしての50,000cPの材料が、現在入手可能な材料よりも大幅に優れていなかったということではない。したがって、最も広い意味で、異なる粘度の2つのジメチコン材料の組み合わせは、重要な利点を提供する。
【0073】
好ましい実施形態では、1,000cP~25,000cPの第1のジメチコンが、250万cPの第2のジメチコンと混合され、口腔粘膜への最適な保持および付着をもたらし、同時に、適切な感触、物理的特性、および放出プロファイルを可能にした。
【0074】
口腔ワニスの用途のための製品の配合
経口ワニス配合物を作成する際、通常、配合物は、担体および活性成分を含むだけではなく、したがって、特定の配合物を生成するために、または配合物の、その一貫性、粘度、質感、味、感触を改善するために、通常は、賦形剤が添加され、あるいは他の活性成分を含めることによって、これらが改善される。
【0075】
口腔ワニスの主な有効成分はフッ化物である。フッ化物には、いくつかの異なる形態があるが、それは、歯の表面に近接して配置されるジメチコン担体内で提供され、口腔ワニスが歯の表面に適用されて付着(または隣接)すると、再石灰化特性を与えると思われ、すなわち、フッ化物、カルシウム、およびリン酸塩を含むイオンが脱灰エナメル質に沈着する。例えば、フッ化ナトリウムは、一般的なフッ化物添加剤である。当業者に知られている他のフッ化物も利用することができ、例えば、フッ化第一スズ、ACP、ACPFなどが知られており、他の口腔ケア製品で使用されている。これらのそれぞれは、カルシウム、リン酸塩、およびフッ化物イオンが脱灰エナメル質の結晶ボイドに沈着することを可能にするために、再石灰化の目的でフッ化物供与体として適切に添加することができる。
【0076】
ある特定の実施形態では、材料を適用するときに心地よい味を提供するために、香味料または甘味料が頻繁に使用される。上記のいくつかの実施形態では、本発明の歯ワニス組成物は、1つ以上の甘味剤、香味剤、および着色剤をさらに含むことができる。任意の好適な香味料または甘味料の材料を使用することができる。好適な香味構成物質の例としては、天然または人工的な味、例えば、天然香味料、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、クローブ、セージ、ユーカリ、マジョラム、シナモン、柑橘類、野菜、木の実、フルーツ、およびブランブルの油を含むがこれらに限定されない香油が挙げられる。他の香味料には、香辛料、果物もしくは果物ジュース、野菜もしくは野菜ジュース、食用酵母、ハーブ、樹皮、つぼみ、根、葉、または同様の植物材料、肉、魚介類、家禽、卵、乳製品、あるいはそれらの発酵製品に由来する香味構成物質を含有するオレオレジン、エッセンスもしくは抽出物、タンパク質加水分解物、留出物、または焙煎、加熱、もしくは酵素分解の任意の製品、ならびに当業者に知られている他の天然および合成香味剤が含まれ得る。
【0077】
好適な甘味剤には、スクロース、フルクトース、デキストロース、高フルクトースコーンシロップなどの栄養性および非栄養性甘味料、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトールなどの糖アルコール、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、セダムサッカリン、およびネオテームなどの人工物が含まれ、他には、ラクトース、マルトース、チクロナトリウム、ペリラルチン、AMP(アスパラギン酸フェニルアラニンメチルエステル)が含まれるが、これらに限定されない。当業者に知られている他の天然および合成甘味剤。
【0078】
好適には、風味および/または甘味剤は、各々または一緒に、組成物の重量で最大5%、または最大4%、または最大3%、または最大2%、または最大1%、または0.5重量%~1重量%を構成し得る。ある特定の実施形態では、香味料または甘味料を含まない材料を提供することが好ましい場合があるが、その場合、材料は、ほとんどまたはまったく風味がなく、材料が歯の表面上にないことを患者に懸念させる可能性がある。したがって、少量の甘味料または香味料のいずれかは、患者が、材料が存在することを理解するのを補助し得る。
【0079】
増量剤または質感の添加。香味料を含む場合と同様に、少量の増量剤または質感化剤を製品に提供して、質量および物質を与えるか、材料に触感を与えるか、または歯の表面への適用のためにその稠度を改善することが好適である場合がある。例えば、天然もしくは合成ワックス、例えば蜜蝋、またはカルナウバ、カンデリラ、米ベース、もしくは果物ベースのワックスなどの植物ベースのワックス、食用ワックス、脂肪、油、Gantrez(登録商標)(メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との交互単位)、および最終製品の流動性、質感、および粘度を変更できるその他の薬剤が添加される。他の増量剤には、マンニトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、乾燥デンプン、セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、無水ラクトース、ソルビトール、スクロースなどが含まれ得る。当業者は、増量剤が医薬製品および経口製品の形成に頻繁に使用されることを認識しており、したがって、本明細書で使用される用語の意味を理解している。好ましくは、添加される場合、これらの薬剤は、組成物の総重量の0.1~約15%の濃度で添加される。
【0080】
さらに、流動剤を添加して、材料の最終的な物理的特性を変更して、より高いもしくはより低い粘度、または口内の水性の唾液と接触したときに製品が流動するか、もしくはその標的位置に留まる能力を与えることができる。例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、二酸化ケイ素、グリセリン、パルミチン酸塩、および当業者に知られている他のものである。当業者は、流動剤が医薬製品の配合物に頻繁に使用されることを認識しており、したがって、本明細書で使用される用語の意味を理解している。流動剤は、組成物の総重量の約0.1~約5%で添加される。
【0081】
塩化ベンザルコニウムはまた、防腐剤および消毒剤としてのその使用のために、またその保存特性のために、治療材料として添加され得る。しかしながら、十分な濃度で使用すると、口腔粘膜の消毒剤として使用することで、口腔粘膜に損傷を与える可能性のある細菌の数を減らすことができる。他の抗菌剤には、塩化セチルピリジニウム、トランスファルネソール、キトサン、クロルヘキシジン、第四級アンモニウム化合物、フェノール、ビスグアニド、およびそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。抗菌剤は、組成物の総重量の約0.1~10%で添加される。
【0082】
カルシウム供与体は、使用される場合、組成物からのカルシウムイオンの放出を可能にする化合物である。当業者は、カルシウム供与体がフッ化物イオン供与体と組み合わせて使用できることを認識するであろう。フッ化物およびカルシウムの両方の供与体を提供する目的は、歯の表面へのより多くの再石灰化を可能にすることである。一緒に、カルシウムとフッ化物とは不溶性の固体、フッ化カルシウムを形成する。カルシウム供与体は、組成物の総重量の約0.1~10%で添加される。
【0083】
ある特定の実施形態では、リン酸供与体を添加することが好適であり得、ACP、カゼイン-ホスホペプチド-ACP、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸一マグネシウム、リン酸二マグネシウム、および当業者に知られている他の供与体、それらの塩、ならびにこれらの組み合わせなどのものが含まれる。リン酸塩供与体は、組成物の総重量の約0.1~約10%の濃度で添加することができる。
【0084】
ジメチコン口腔ワニス製品の製造方法
2つの異なる粘度のジメチコン製品、特にそのような粘度の差異を有する製品の混合物は、成分の製造および混合において重大な障害を提供する。実際には、単にすべての成分を混合ボウルに添加し、成分を混合/攪拌して、インスタント配合物を作成することはできない。適切なプロセスが生成されるまで、成分を完全に混合できるように、いくつかの異なるプロトコルが試験された。
【0085】
例として、以下の実施例1の成分をいくつかの異なる混合の適用で試験した。最初に、すべての成分を単一の混合容器に一緒に入れ、磁性混合棒で混合した。材料の粘性のため、混合は不可能であった。さらなる試験では、スピン/回転する混合ブレードを使用しようとした。しかしながら、最小量の250万cPの材料を除いて、材料の粘度がこれを困難にし、ブレードが製品に大量の空気を導入した。その結果、不適切な製品をもたらした。さらなる戦略は、遠心力を利用して混合を補助するブレードレス混合システムを用いるものであって、これらの戦略は、以下の実施例において、2つの異なる粘度のシリコーン材料と追加の賦形剤との混合に効果的であることを証明した。
【実施例】
【0086】
実施例1
Flacktekミキサーを使用して、次の化合物を混合した:ジメチコン(250万cP)、ジメチコン(1,000cP)、フッ化ナトリウム。最初に、17.1グラムの1,000cPのジメチコンを混合カップに添加した。次に、1グラムのフッ化ナトリウムを混合カップに添加した。2つの化合物を3,000RPMで10分間混合した。次に、1.9グラムの250万cPのジメチコンを0.38グラムずつ5回に分けて添加した。各増分を添加した後、配合物を追加の5分間の増分で混合した。
【0087】
その後の配合例を、実施例1と同じ手順に従って調製した。次の表に、特定の配合例で使用された成分の比率を列挙する。
【0088】
【0089】
実施例6
Flacktekミキサーを使用して、次の化合物を混合した:ジメチコン(250万cP)、ジメチコン(12,500cP)、フッ化ナトリウム。最初に、17.1グラムの12,500cPのジメチコンを混合カップに添加した。次に、1グラムのフッ化ナトリウムを混合カップに添加した。2つの化合物を3,000RPMで10分間混合した。次に、1.9グラムの250万cPのジメチコンを0.38グラムずつ5回に分けて添加した。各増分を添加した後、配合物を5分間の増分で混合した。
【0090】
【0091】
上記の9つのジメチコンフッ化物ワニス配合物の粘膜付着は、文献に記載されている引張試験法を使用して測定した。(配合物9aおよび9bは、この試験では試験されていないことに留意されたい)。Brookfield CT3 Texture Analyzer機器を室温(23±1℃)で使用した。20グラムの試料を容器内で使用し、測定は、容器を満たしてから2分以内に行った。ピーク付着力は、各配合物について測定した(n=6)。これらの値は、以下の表3に報告する。総付着作用は、各フッ化物ワニス配合物について測定した(n=6)。これらの値は、以下の表3に報告する。より大きい負の数は、より大きい付着力、またはより大きい総付着作用を示す。
【0092】
【0093】
実施例10
Flacktekミキサーを使用して、次の化合物を混合した:ジメチコン(250万cP)、ジメチコン(1,000cP)、フッ化ナトリウム、硝酸カルシウム。最初に、9.3グラムの1,000cPのジメチコンを混合カップに添加した。次に、1グラムのフッ化ナトリウムを混合カップに添加した。次に、0.2グラムの硝酸カルシウムを混合カップに添加した。3つの化合物を3,000RPMで10分間混合した。次に、9.5グラムの250万cPのジメチコンを1.9グラムずつ5回に分けて添加した。各増分を添加した後、配合物を追加の5分間の増分で混合した。
【0094】
実施例11
Flacktekミキサーを使用して、次の化合物を混合した:ジメチコン(250万cP)、ジメチコン(1,000cP)、フッ化ナトリウム、硝酸カルシウム、リン酸水素二カリウム。最初に、9.1グラムの1,000cPのジメチコンを混合カップに添加した。次に、1グラムのフッ化ナトリウムを混合カップに添加した。次に、0.2グラムの硝酸カルシウムを混合カップに添加した。次に、0.2グラムのリン酸水素二カリウムを混合カップに添加した。4つの化合物を3,000RPMで10分間混合した。次に、9.5グラムの250万cPのジメチコンを1.9グラムずつ5回に分けて添加した。各増分を添加した後、配合物を5分刻みで混合した。
【0095】
実施例12
Flacktekミキサーを使用して、次の化合物を混合した:ジメチコン(250万cP)、ジメチコン(12,500cP)、フッ化ナトリウム、硝酸カルシウム、リン酸水素二カリウム、およびスペアミント油。最初に、9グラムの1,000cPのジメチコンを混合カップに添加した。次に、1グラムのフッ化ナトリウムを混合カップに添加した。次に、0.2グラムの硝酸カルシウムを混合カップに添加した。次に、0.2グラムのリン酸水素二カリウムを混合カップに添加した。次に、0.1グラムのスペアミント風味を混合カップに添加した。5つの化合物を3,000RPMで10分間混合した。次に、9.5グラムの250万cPのジメチコンを1.9グラムずつ5回に分けて添加した。各増分を添加した後、配合物を5分刻みで混合した。
【0096】
実施例13
Flacktekミキサーを使用して、次の化合物を混合した:ジメチコン(250万cP)、ジメチコン(12,500cP)、フッ化ナトリウム、塩化ベンザルコニウム。最初に、9.3グラムの1,000cPのジメチコンを混合カップに添加した。次に、1グラムのフッ化ナトリウムを混合カップに添加した。次に、0.2グラムの塩化亜鉛を混合カップに添加した。3つの化合物を3,000RPMで10分間混合した。次に、9.5グラムの250万cPのジメチコンを1.9グラムずつ5回に分けて添加した。各増分を添加した後、配合物を5分刻みで混合した。
【0097】
追加の例
さらなる化合物を使用した追加の実験からのデータは、以下の表4で見出せる。
【0098】
【0099】
考察
各配合物を評価すると、高粘度の250万cPジメチコンを配合物にさらに混合すると、得られた配合物の全体的な粘度の増加に基づいて材料を扱う能力が低下するというパターンが生じた。したがって、250万cPジメチコンの濃度の上限では、得られた生成物は、標準的なアプリケーターで歯の表面に適用するには粘度が高すぎた。しかしながら、対照的に、1:4(250万:1,000cP)の混合物では、混合物は試料の歯の表面に簡単に適用された。
【0100】
しかしながら、1,000cPと250万cPのジメチコンの1:1の比率の試料では、材料の粘度を利用することがますます困難になり、歯のアプリケーターから材料を除去することが困難になった。1:4を超える1,000cP対250万cPのマウントでは、材料が粘性になりすぎて、アプリケーターで適用し、また歯の表面に適用することができない。1:1の比率では、材料は、依然として歯の表面に適用することができるが、液体形態またはゲル状形態での適用に関しては、より低い比率の材料ほど簡単には機能しなかった。90%の250万cPジメチコンを使用する配合物を、1回のテストで1,000cP、2回目のテストで12,500cPジメチコンを使用して試みた。これらの濃度では、高粘度のジメチコンの量が多くなりすぎるため、材料が機能しなくなる。したがって、実行可能な材料を提供するには、75%未満、66%未満、50%未満などの量が好ましい。250万cPジメチコンの1%から80%未満の量またはパーセンテージは、実行可能であるように見える。
【0101】
したがって、データに基づくと、最適な配合物は、低粘度のジメチコン(1,000~25,000cP)と混合される、約1%~約66%の高粘度のジメチコン(すなわち、200~300万cP)と、フッ化物供与体と、を含む。任意に、材料の商業的取り込みを改善するために、特定の風味、美的、触覚的、および感覚的要件を満たすために、さらなる賦形剤を添加することができる。これらの成分、および本明細書に記載の適切な比率は、材料が歯の表面に付着することを確実にする。
【0102】
好ましい実施形態では、口腔ワニスは、1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料、および約200万~300万cPの粘度を有する第2のジメチコン材料と、少なくとも1つの活性剤と、から本質的になる。このような実施形態では、追加の賦形剤を有利に添加することができる。好ましくは、第1および第2のジメチコンは、100:1~1:2の第1のジメチコン材料の第2のジメチコン材料に対する比率である。
【0103】
好ましい実施形態では、1,000cP~25,000cPの粘度を有する第1のジメチコン材料、および約200万~300万cPの粘度を有する第2のジメチコン材料と、1つの活性剤と、1つ、2つ、または3つの追加の賦形剤と、からなる、口腔ワニスである。好ましくは、第1および第1のジメチコンは、100:1~1:2の第1のジメチコン材料の第2のジメチコン材料に対する比率である。より好ましくは、第1および第2のジメチコンは、約50:1~約2:1の比率である。