(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】ワークピースの折曲屈曲及び型押屈曲のためのコンビマシン
(51)【国際特許分類】
B21D 5/02 20060101AFI20240909BHJP
【FI】
B21D5/02 A
(21)【出願番号】P 2021549448
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2020054445
(87)【国際公開番号】W WO2020169716
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】102019104502.9
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521371050
【氏名又は名称】ブレヒ-テク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ベゲール,ラルフ
【審査官】齋藤 健児
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2136700(CN,Y)
【文献】特開昭56-154224(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01797973(EP,A1)
【文献】特開2001-001052(JP,A)
【文献】西独国特許出願公告第01076608(DE,B)
【文献】国際公開第93/016822(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/02-5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース
を折曲屈曲及び型押屈曲させるためのコンビマシンであって、
少なくとも1つの下部屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計されている下部ツールレセプタと、
少なくとも1つの上部屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計され、前記下部ツールレセプタに向かって送り方向に直線的に送ることができる、上部ツールレセプタと、
少なくとも1つのスイングすべき屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計されており、前記上部ツールレセプタの前記送り方向に垂直に延在するスイング軸周りに前記下部ツールレセプタに関してスイング可能である、スイング可能なツールレセプタと、
前記上部ツールレセプタが配置されるマシン本体であって、前記マシン本体は、前記上部ツールレセプタの前記送り方向における屈曲力及び前記スイング可能なツールレセプタのスイングプロセスの間に屈曲プロセスの進捗に依存して生じる屈曲力を受け容れるように設計されている、マシン本体と、
を備え、
前記スイング可能なツールレセプタは、2つのスイングレバーの間に配置されており、前記スイングレバーに取り付けられており、
前記スイングレバーは、前記スイング軸周りに回転できるように前記マシン本体に軸支されており、
前記スイングレバーがスイングすることにより、前記ツールレセプタが前記スイング軸周りに前記下部ツールレセプタに関してスイングすることができる、コンビマシン。
【請求項2】
前記マシン本体は、折曲屈曲プロセス中に生じる屈曲力及び/又はプレス力と、型押屈曲プロセス中に生じる屈曲力及び/又はプレス力と、を受け容れるように設計されている、
請求項1記載のコンビマシン。
【請求項3】
前記コンビマシンは、力を伝達するために前記上部ツールレセプタと結合可能な又は結合された第1駆動ユニットを備え、
前記上部ツールレセプタは、実質的に垂直な力を前記ワークピースに及ぼすように設計されている、
請求項1又は2記載のコンビマシン。
【請求項4】
前記第1駆動ユニットは、前記上部ツールレセプタを昇降させるために、少なくとも1つの電気モータ、気圧ユニット又は液圧ユニットを有する、
請求項3記載のコンビマシン。
【請求項5】
前記下部屈曲ツールはダイとして設計されており、
前記上部屈曲ツールは前記ダイに侵入可能な屈曲パンチとして設計されており、
前記ダイは着脱可能に前記下部ツールレセプタに配置されており、
前記屈曲パンチは着脱可能に前記上部ツールレセプタに配置されている
請求項1乃至4いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項6】
前記コンビマシンは、力を伝達するために前記スイング可能なツールレセプタと結合可能な又は結合された第2駆動ユニットを備え、
前記スイング可能なツールレセプタは、前記第2駆動ユニットによって、前記下部ツールレセプタに関して、前記スイング軸周りに、スイング可能であり、
スイングプロセスの進捗に依存して力を前記ワークピースに及ぼすように設計されている、
請求項1乃至5いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項7】
前記第2駆動ユニットは、少なくとも1つの電気モータ、気圧ユニット又は液圧ユニットを有する、
請求項6記載のコンビマシン。
【請求項8】
前記下部屈曲ツールは、下部ビームツールとして設計されており、
前記上部屈曲ツールは、前記ワークピースの厚さに等しいギャップSまで前記送り方向に送ることができる上部ビームツールとして設計されており、
前記スイングすべき屈曲ツールは屈曲ビームツールとして設計されており、
前記下部ビームツールは着脱可能に前記
下部ツールレセプタに配置され、
前記上部ビームツールは着脱可能に前記上部ツールレセプタに配置され、
前記屈曲ビームツールは着脱可能に前記スイング可能なツールレセプタに配置されている、
請求項1乃至7いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項9】
固定された前記下部ビームツールの場合、前記屈曲ビームツールは、ワークピース支持面内で、前記上部ビームツールの屈曲エッジに対して直角に、前記下部ビームツールから離れる方向に、スイングプロセスの進捗に依存する経路だけ、調整可能である、
請求項8記載のコンビマシン。
【請求項10】
前記下部ツールレセプタ及び前記スイング可能なツールレセプタは、前記上部ツールレセプタに対して移動可能であるレール上に配置されている、
請求項1乃至9いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項11】
前記マシン本体は、マシンフレームの2つのサイドスタンドに保持又は固定されている、
請求項1乃至10いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項12】
前記マシン本体は、実質的に台形又はひし形の断面を有する、
請求項1乃至11いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項13】
前記マシン本体は、前記上部ツールレセプタの前記送り方向に平行に配置された少なくとも1つの側面又は側部要素を有する、
請求項1乃至12いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項14】
前記マシン本体は、前記上部ツールレセプタ上に垂直に設けられた少なくとも1つの側面又は側部要素を有する、
請求項1乃至13いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項15】
前記上部ツールレセプタ上に垂直に設けられた前記マシン本体の前記側面又は側部要素は、プレスバーとして形成されている、
請求項14記載のコンビマシン。
【請求項16】
前記ツールレセプタは、それぞれの屈曲ツールを着脱可能に取り付けるためにそれぞれ少なくとも1つのクランプ手段を備える、
請求項1乃至15いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項17】
前記クランプ手段はクランプジョーを有し、前記屈曲ツールは前記クランプジョーを介してクランプによって着脱可能に固定可能である、
請求項16記載のコンビマシン。
【請求項18】
前記コンビマシンは、少なくとも1つの第1アダプタピースを備え、
前記第1アダプタピースは、下部屈曲ツール
又はダイを前記下部ツールレセプタに着脱可能に固定するように設計されている、及び/又は
少なくとも1つの第2アダプタピースを備え、
前記第2アダプタピースは、上部屈曲ツール
又は屈曲パンチを前記上部ツールレセプタに着脱可能に固定するように設計されている、
請求項1乃至17いずれか1項記載のコンビマシン。
【請求項19】
前記第1アダプタピース又は前記第2アダプタピースと、前記下部ツールレセプタ又は前記上部ツールレセプタとが着脱可能なクランプ接続を構成できるように、前記第1アダプタピース又は前記第2アダプタピースの少なくとも一部は前記下部ツールレセプタ又は前記上部ツールレセプタの一部と相補的に形成されている、
請求項18記載のコンビマシン。
【請求項20】
前記第1アダプタピース又は前記第2アダプタピースは、着脱可能に固定するため又は屈曲ツールを設けるためにクランプ手段を有する、
請求項18又は19記載のコンビマシン。
【請求項21】
トリミングプレスとしての折曲屈曲マシンの使用方法であって、
前記折曲屈曲マシンは、
少なくとも1つの下部屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計されている下部ツールレセプタと、
少なくとも1つの上部屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計され、前記下部ツールレセプタに向けて送り方向に直線的に送ることができる、上部ツールレセプタと、
少なくとも1つのスイングすべき屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計されており、前記上部ツールレセプタの前記送り方向に垂直に延在するスイング軸周りに前記下部ツールレセプタに関してスイング可能である、スイング可能なツールレセプタと、
を備え、
前記スイング可能なツールレセプタは、2つのスイングレバーの間に配置されており、前記スイングレバーに取り付けられており、
前記スイングレバーは、前記スイング軸周りに回転できるようにマシン本体に軸支されており、
前記スイングレバーがスイングすることにより、前記ツールレセプタが前記スイング軸周りに前記下部ツールレセプタに関してスイングすることができる、方法。
【請求項22】
前記下部ツールレセプタに、ダイとして設計された下部屈曲ツールが着脱可能に配置され、
前記上部ツールレセプタに、前記ダイに侵入可能な屈曲パンチとして設計された上部屈曲ツールを着脱可能に配置される、
請求項21記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピース、特に板材を折曲屈曲及び型押屈曲(Schwenk- und Gesenkbiegen)させるためのコンビマシンに関するものである。さらに本発明は、トリミングプレス(Abkantpresse)としての折曲屈曲マシンの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
成形技術の分野では、折曲屈曲マシン又は型押屈曲マシンの形態の個別のマシンを使用することが知られている。一般的には、ユーザが利用できる屈曲成形には2種類のバリエーションがある。一つはツールを回転させながら屈曲成形する、いわゆる折曲屈曲、もう一つは直線的にツールを動作させながら屈曲成形する、いわゆる型押屈曲である。
【0003】
折曲屈曲用の屈曲マシン(折曲屈曲機)は、通常、板材の屈曲に使用さる。折曲屈曲プロセスでは、板材を下部ビーム(Unterwange)と、下部ビームに調整可能な上部ビーム(Oberwange)との間に挟み込み、上方にスイングする屈曲ビームで所望の角度に曲げる。屈曲プロセス進捗に応じて、折曲屈曲の際に、力(屈曲力)は、上部ビームの送り方向に対して横方向/斜め方向に、実質的には折曲屈曲マシンの後方に向かう方向に発生する。このため、従来の折曲屈曲マシンは、折曲屈曲マシンの後方に向かって延在する傾斜した又は楔形の上部ビーム又は上部ビームレセプタクルを有する。
【0004】
型押屈曲マシン(型押屈曲プレス、トリミングプレス(Abkantpresse)、エッジングプレス(Kantbank)を含む)では、上から垂直にガイドされ、可動プレスバー(bewegbaren Pressbalken)上に配置された屈曲パンチ(Biegestempel)によって材料の成形が行われる。平坦なワークピースは、その下に配置された固定ダイ(feststehenden Matrize)(押し型(Gesenk)又は屈曲型(Biegegesenk))上に置かれ、固定ダイは、例えば、屈曲プロセス中に屈曲パンチが挿入されるV字型の開口を有する。屈曲パンチの下降によって、板材はダイに押し込まれ、屈曲パンチの侵入深さに応じて、ダイの形状を受けとることができる。したがって、板材は、パンチの侵入深さ(Eintauchtiefe)と、ワークピース形状に応じて、所望の角度で屈曲する。型押屈曲には、基本的に2つの加工バリエーションがあり、自由屈曲(エアベント、エアトリミング、部分トリミング、又はベースの曲げ)及びボトミング屈曲又はコイニング屈曲(Praegebiegen)である。自由屈曲の際に、板材に所望の角度が得られた後に、材料と工具(ダイ)との間に空気が残る分だけ、屈曲パンチはダイ内に移動する。あるいは、自由屈曲の際に、材料のボトミング加工なしに、材料をダイのベースに本質的に押し付ける(ベース上でトリミングする)ことができる。自由屈曲の際に、材料は比較的小さな圧力(低い曲げまたは押し付け力)でダイに押し込まれる。ボトミング屈曲(ボトミング)の際に、屈曲パンチは板金をダイのベースに本質的に完全に押し付け、それによって材料はパンチとダイの間の高圧(高い屈曲力又はプレス力)の下で(塑性的に)変形(「ボトミング」)する。ここで必要な圧力は、ベース上での自由屈曲の際よりも大幅に高く、例えば、ベース上での自由屈曲の際よりも約2~7倍高くなる。したがって、型押屈曲の際には、屈曲プロセスの進行状況に応じて、上下方向/垂直方向、即ち、屈曲パンチの送り方向に大きな力(屈曲力/押圧力)が発生する。したがって、既知の型押屈曲マシンは、屈曲パンチの上方で上下/垂直に配置され、垂直プレス方向(屈曲パンチの送り方向)で調整可能にマシンフレームに取り付けられる可動プレスバー(Pressbalken)を有する。可動プレスバーを操作するために、通常、液圧シリンダーがプレスバーの上方で上下/垂直方向に配置される。折曲屈曲マシンとは対照的に、型押屈曲マシンはプレスバーで圧力又は屈曲力/プレス力を加えるが、折曲屈曲マシンの屈曲ビームと比較して、それ自体は成形機能を有さない。したがって、型押屈曲マシンにおいて、屈曲角度は工具(屈曲パンチと屈曲ダイ)によってのみ生成される。
【0005】
これまで、バネ、接点、筐体部品などの板材部品の開発には、折曲屈曲マシン又は型押屈曲マシンなどの個別のマシンが使われてきた。完成した板材部品(Blechteil)を得るためには、ワークピースに応じて、1つ以上の折曲屈曲プロセス、又は1つ以上の型押屈曲プロセスが必要である。ワークピースの設計の際には、しばしば、それぞれの屈曲プロセスの限られた可能性を考慮しなければならない。このように、折曲屈曲であれ型押屈曲であれ、ワークピースの設計によってそれぞれの屈曲プロセスが決まる。既知の方法や既知の装置は、これまで個々のマシンにしか存在せず、製造できる幾何学的形状も限られている。さらに、折曲屈曲プロセスと型押屈曲プロセスでは、成形可能性(Formgebungsmoeglichkeiten)が異なりる。そのため、どちらの屈曲プロセス(折曲屈曲、型押屈曲)も、屈曲されるべき金属部品の種類やワークピースの屈曲条件に応じて、それぞれの利点がある。そのため、用途や製造すべきワークピースの成形に応じて、折曲屈曲プロセスと型押屈曲プロセスを選択する必要がある。部品メーカーでは、しばしば、型押屈曲マシン又は折曲屈曲マシンしか利用可能でないことがある。そのため、部品メーカーの設計の自由度は非常に制限される。
【0006】
したがって、単一のマシンで可能な限り幅広い屈曲オプションを提供し、フレキシビリティを高め、コストを大幅に最小化するために、単一のマシンで両方の屈曲プロセス(折曲屈曲及び型押屈曲)の利点を組み合わせることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
そこで、本発明の課題は、単一のマシンで両方の屈曲プロセスを最適に組み合わせ、従来技術に関連する不利な点を低減又は排除する、ワークピースの折曲屈曲及び型押屈曲のためのコンビマシンを提供することである。本発明の課題はまた、フレキシビリティ及び収益性を向上させることである。また、仕上げられたワークピースの高い品質が保証されるべきである。
【0008】
上記の課題は、独立請求項の主題によって解決される。
【0009】
第1の態様によれば、ワークピース、特に板材を折曲屈曲及び型押屈曲させるためのコンビマシンが利用可能になる。コンビマシンは、少なくとも1つの下部屈曲ツールを着脱可能に受け容れる(aufzunehmen)ように設計されている下部ツールレセプタと、少なくとも1つの上部屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計され、下部ツールレセプタに向けて送り方向に直線的に送るとができる、上部ツールレセプタと、少なくとも1つのスイングすべき屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計されており、上部ツールレセプタの送り方向に垂直に延在するスイング軸周りに下部ツールレセプタに関してスイング可能である、スイング可能なツールレセプタと、上部ツールレセプタが配置されるマシン本体であって、上部ツールレセプタの送り方向における屈曲力及びスイング可能なツールレセプタのスイングプロセスの間に屈曲プロセスの進捗に依存して生じる屈曲力を受け容れるように設計されている、マシン本体と、を備える。
【0010】
本発明の核となる思想は、折曲屈曲及び型押屈曲の際に異なる方向に発生するかなりの力を、力吸収のために最適に設計されたコンパクトなマシン本体(例えば、コンビマシン内に存在する)に伝達する(uebertragen)ことで、型押屈曲プロセスの間だけでなく折曲屈曲プロセスの間も、コンビマシンの必要な屈曲剛性と最適な力吸収又は力の受け容れ(Kraftaufnahme)を確保することである。このようにして、2つの屈曲プロセス(折曲屈曲及び型押屈曲)を1台のマシンで最適に組み合わせることができる。さらに、最適な力の伝達と力の吸収により、仕上げられたワークピースの高い品質が保証される。
【0011】
一変形例によれば、上部ツールレセプタの送り方向は、垂直方向である。付加的に又は代替的に、送り方向は、ワークピース支持面及び/又は下部ツールレセプタに対して垂直であることができる。ワークピース支持面は、下部屈曲ツールによって画定されることができる。一実施形態では、上部ツールレセプタ又は上部屈曲ツールに対向する下部屈曲ツール支持面がワークピース支持面を形成する。
【0012】
屈曲力とは、折曲屈曲プロセス及び型押屈曲プロセス中に発生する力と解することができる。この屈曲力は、それぞれの屈曲プロセスの進捗状況によって、変化したり又は、一定になったりすることができる。屈曲力は、折曲屈曲プロセス又は型押屈曲プロセス中に発生し又は生成される、振曲屈曲力(Schwenkbiegekraft)、プレス力(Presskraft)、ボトミング又はコイニング力(Praegekraft)などであり得る。原則として、屈曲力は、上部ツールレセプタ及び/又はスイング可能なツールレセプタの移動により発生する力として解されることができる。また、力は、上部屈曲ツールと下部屈曲ツールとの間でワークピースをクランプする際に発生する保持力であることもできる。
【0013】
一変形例によれば、マシン本体は、折曲屈曲の際に発生する屈曲力及び/又はプレス力と、型押屈曲の際に発生する屈曲力及び/又はプレス力を受け容れる又は吸収する(aufzunehmen)ように設計することができる。また、マシン本体は、折曲屈曲プロセス又は型押屈曲プロセスの全体にわたって、屈曲力及び/又はプレス力を受け容れるように設計することもできる。マシン本体は、上部ツールレセプタの送り方向に実質的に平行な力(例えば、屈曲力及び/又はプレス力)、及び/又は、上部ツールレセプタの送り方向に実質的に横方向や斜め方向の力(例えば、屈曲力及び/又はプレス力)を受け容れるように設計することができる。
【0014】
コンビマシンは、力(例えば、屈曲力、プレス力、コイニング力、保持力(Haltekraft)、張力(Spannkraft))を伝達するために上部ツールレセプタに結合可能な、又は結合された第1駆動ユニットを有することができ、上部ツールレセプタは、上部ツールレセプタの送り方向においてワークピースに実質的に垂直な力(例えば、屈曲力、プレス力、コイニング力、保持力、張力)を及ぼすように設計される。そのため、上部ツールレセプタは、ワークピースに実質的に上下及び/又は垂直方向の力を及ぼすことができる。ここで、力の方向は、屈曲プロセス中に実質的に常に同じままであることができる。しかしながら、その力の強さは、屈曲の進捗や行程(Verfahrweg)、及び/又は屈曲パンチの侵入深さに依存することもできる。
【0015】
第1駆動ユニットは、上部ツールレセプタを昇降させるために少なくとも1つの電気モータ(例えば、サーボモータ又はステッピングモータ)、気圧ユニット及び/又は液圧ユニットを有することができる。気圧ユニットは、例えば、空気や圧縮空気で動作させることができる。液圧ユニットは、水や油などで動作させることができる。気圧ユニット及び/又は液圧ユニットは、それぞれの媒体(圧縮空気、水、油など)によって作用されるシリンダ・ピストン装置として設計することができる。代替的に又は付加的に、第1駆動ユニットは、ステッピングモータ、サーボモータ、スピンドルドライブ、エキセントリック、ギアボックスなどを有することができる。一実施形態では、第1駆動ユニットは、2つの電気モータを有することができる。代替的に、第1駆動ユニットは、2つの気圧又は液圧ユニットを有することができる。一変形例によれば、第1駆動ユニット、例えば電気モータ、気圧ユニット又は液圧ユニットは、上部ツールレセプタの各側(例えば上部ツールレセプタの左右)に配置されることができ、又は上部ツールレセプタの中央(例えば上部ツールレセプタの中心)に配置されることができる。第1駆動ユニットは、調整可能なプル又はプッシュ・ロッド又はリンケージ(verstellbare Zug- oder Druckstange oder -Gestaenge)を有することができる。そのため、上部ツールレセプタは、屈曲プロセスの進行状況に応じて、連続的に又は相互に続く小さなステップで調整することができる。
【0016】
下部屈曲ツールはダイとして設計することができる。上部屈曲ツールはダイに侵入可能な(eindringbarer)屈曲パンチとして設計することができる。代替的に、上部屈曲ツールをダイとし、下部屈曲ツールをダイに侵入可能な屈曲パンチとして設計することができる。ダイは、下部ツールレセプタクルに(代替的に上部ツールレセプタクルに)着脱可能及び/又は交換可能に配置されることができ、及び/又は、屈曲パンチは、上部ツールレセプタクルに(代替的に上部ツールレセプタクルに)、それぞれ着脱可能及び/又は交換可能に配置されることができる。ダイは屈曲押し型(Biegegesenk)として設計されることができる。さらに、ダイには、屈曲パンチが侵入できるV字型やU字型、半円型の凹部を有することができる。屈曲パンチは、ダイに対して、又はダイのV字型、U字型若しくは半円型の凹部に対して相補的に設計された形状を有することができる。
【0017】
コンビマシンは、力(例えば、屈曲力、プレス力、トリミング力(Abkantkraft))を伝達するためにスイング可能なツールレセプタに結合可能な又は結合された第2駆動ユニットを有することができ、スイング可能なツールレセプタは、第2駆動ユニットによって、下部ツールレセプタに関して、スイング軸周りに、スイング可能であり、スイングプロセスの進捗に依存してワークピースに力(例えば、屈曲力、プレス力、トリミング力)を及ぼすように設計されている。そのため、スイング可能なツールレセプタは、上部ツールレセプタの送り方向に対して実質的に横/斜めの方向(すなわち、送り方向に対して斜めの方向)における力をワークピースに及ぼすことができる。ここで、力の方向や大きさは、屈曲プロセスの進行状況に応じて変化することができる。そのため、力の方向及び/又は強さは、それぞれの屈曲角度及び/又はスイング角度に依存することができる。スイング角度とは、スイングプロセス中にスイング可能なツールレセプタが進(zurucklegt)角度である。角度範囲は、0°~180°、例えば0°~170°、好ましくは0°~155°であることができる。
【0018】
第2駆動ユニットは、スイング可能なツールレセプタをスイングさせるために、少なくとも1つの電気モータ(例えば、サーボモータ又はステッピングモータ)、気圧ユニット又は液圧ユニットを有することができる。気圧ユニットは、例えば、空気や圧縮空気で動作させることができる。液圧ユニットは、例えば水や油で動作させることができる。気圧ユニット及び/又は液圧ユニットは、それぞれの媒体(圧縮空気、水、油など)によって作用されるシリンダ・ピストン装置として設計することができる。代替的に又は付加的に、第2駆動ユニットは、ステッピングモータ、サーボモータ、スピンドルドライブ、エキセントリック、ギアボックスなどを有することができる。一実施形態では、第2駆動ユニットは、2つの気圧又は液圧ユニットを有することができる。代替的に、第2駆動ユニットは、2つの気圧又は液圧ユニットを有することができる。一変形例によれば、第2駆動ユニット、例えば電気モータ気圧ユニット又は液圧ユニットは、スイング可能なツールレセプタの各側(例えばスイング可能なツールレセプタの左右)に配置されることができ、又はスイング可能なツールレセプタの中央(例えばスイング可能なツールレセプタの中心)に配置されることができる。第2駆動ユニットは、調整可能なプル又はプッシュ・ロッド又はリンケージを有することができる。スイング可能なツールレセプタは屈曲プロセスの進行状況に応じて、連続的に又は相互に続く小さなステップで調整することができる。
【0019】
1つの実現形態では、下部ツールレセプタは、固定式又は据え置き式の(feststehende bzw. ortsfeste)ツールレセプタとして設計することができる。この形態では、下部ツールレセプタは、上部ツールレセプタに対しても、スイング可能なツールレセプタに対しても相対的に移動することができない。
【0020】
スイング可能なツールレセプタは、少なくとも1つのスイング可能な屈曲ツールを着脱可能に及び/又は交換可能に受け容れる(aufzunehmen)ように設計することができる。好ましい実施形態では、下部ツールレセプタは上部ツールレセプタの下方に配置される。
【0021】
下部屈曲ツールは、下部ビームツール(Unterwangenwerkzeug)として設計することができる。上部屈曲ツールは、ワークピースの厚さ(Staerke)に等しいギャップSまで送り方向に進めることができる上部ビームツールとして設計することができる。スイングすべき又はスイング可能な屈曲ツールは、屈曲ビームツールとして設計することができる。下部ビームツールは、下部ツールレセプタに着脱可能及び交換可能に配置することができる。上部ビームツールは、上部ツールレセプタに着脱可能及び/又は交換可能に配置することができる。屈曲ビームツールは、スイング可能なツールレセプタに着脱可能及び/又は交換可能に配置することができる。上部ビームツールは、下部ビームツールに対して相補的に設計することができる。あるオプションによれば、上部ビームツールの一面(例えば、ワークピース接触面)は、下部ビームツールの一面(例えば、ワークピース接触面又はワークピース支持面)と平行に設計することができる。そのため、上部チークツールと下部チークツールとの間に板材部品を最適にクランプすることができる。
【0022】
一実施形態では、固定された(feststehendem)下部ビームツールの場合、屈曲ビームツールは、ワークピース支持面内で記上部ビームツールの屈曲エッジに対して直角に、下部ビームツールから離れる方向に、スイングプロセスの進捗に依存する経路だけ、調整可能(verstellbar)である。上部ビームツールの屈曲エッジは、定義された及び/又は所定の半径を有することができる。この半径は、屈曲半径及び/又はワークピースに応じて選択できる。スイング可能なツールレセプタ又は屈曲ビームツールのスイング軸は、上部ビームツールの屈曲エッジと平行であることができる。スイング軸は、さらに、ワークピース支持面内に位置することができる。さらなる変形例では、下部ビームツールは、その屈曲ビームツールに面する前方エッジが、上部ビームツールの屈曲エッジに対して後退して配置することができる。付加的に又は代替的に、屈曲ビームツールに面する下部ビームツールの前方エッジは、上部ビームツールの屈曲エッジの下方(例えば、垂直方向の下)に配置することができる。
【0023】
下部ツールレセプタ及びスイング可能なツールレセプタは、上部ツールレセプタに対して相対的に移動可能なスライド上に配置することができる。コンビマシンは、キャリッジを移動させるためのキャリッジ駆動部(電気モータ、ステッピングモータ、サーボモータ、エキセントリック、スピンドル駆動部など)を有することができる。一実現形態では、下部ビームツールは、屈曲ビームツールと共に、ワークピース支持面において、上部ビームツールの屈曲エッジに対して直角に、例えばそれぞれの板材厚さだけ、調整可能である。コンビマシンは、折曲屈曲プロセスが始まる前に、下部ビームツールが屈曲ビームツールと共に、ワークピース支持面において、上部ビームツールの屈曲エッジに対して直角に、例えばそれぞれの板材厚さだけ、調整可能であるように設計されることができる。
【0024】
コンビマシンは、上部ツールレセプタ又は上部屈曲ツール(例えば上部ビームツール)と、下部ツールレセプタ又は下部屈曲ツール(例えば下部ビームツール)の間に配置され、駆動部を介して調整可能なアンカーユニットを備えることもできる。アンカーユニット又はその一部は、交換可能に設計されることができる。アンカーユニットは、ドライブによって、水平方向、すなわち上部ツールレセプタの送り方向に実質的に垂直に、及び/又は、垂直方向、即ち上部ツールレセプタの送り方向に実質的に平行に、変位させることができる。
【0025】
コンビマシンのマシン本体は、マシンフレームの2つのサイドスタンドに保持又は固定されることができる。一変形例によれば、マシン本体はコンビマシンの内部に配置されている。一実施形態では、マシン本体はコンビマシン内部の中央に配置されている。マシン本体は、中央、又は、マシンフレームの2つの横方向のサイドスタンドの間の中心に配置されることができる。マシンフレームのサイドスタンドはサイドプレートとして設計されることができる。マシンフレームの2つのサイドスタンド又はサイドプレートは、実質的に垂直方向に延在することができる。一変形例では、2つのサイドスタンドは互いに平行に配置されることができる。
【0026】
マシン本体は、実質的に台形又は菱形の断面を有することができる。台形の断面は、直角台形(rechtwinkliges Trapez)や二等辺台形(gleichschenkliges Trapez)として形成することができる。一実施形態では、マシン本体は、上部ツールレセプタ及び/又は上部屈曲ツールの送り方向に平行に配置された少なくとも1つの側面/側部要素を有することができる。マシン本体は、上部ツールレセプタに垂直な少なくとも1つの側面/側部要素を有することができる。有利な変形例によれば、マシン本体は、上部ツールレセプタの送り方向に平行に配置され、かつ、上部ツールレセプタ上で直立する又は垂直に設けられた(senkrecht auf der oberen Werkzeugaufnahme steht)少なくとも1つの側面/側部要素を含むことができる。マシン本体の側面/側部要素は、例えば金属板などの板状に設計されることができる。上部ツールレセプタは、マシン本体の一部及び/又はマシン本体の側面/側部要素を形成することができる。この部分、あるいはこの/この側面/側部要素は、実質的に水平方向に延在する力を吸収するように設計されている。さらに、この部分又はこの側面/側部要素は、マシン本体の安定性に貢献する。さらに、この部分又はこの/この側面/側部要素は、少なくとも、部分的に(abschnittsweise)、上部ツールレセプタの送り方向に垂直に、及び/又は、上部ツールレセプタに垂直なマシン本体の側面/側部要素に垂直に形成することができる。代替的又は追加的に、この部分又はこの側面/側部要素は、少なくとも、マシン本体の反対側の側面/側部要素と平行なセクションで形成することができる。
【0027】
断面において、マシン本体は、力の平行四辺形を画定することができる。力平行四辺形の1つの点(例えば同一点)に作用する力及び/又は力平行四辺形の合力(Gesamtkraft)は、屈曲プロセス中の前述の屈曲力又はプレス力であることができる。したがって、マシン本体は、力平行四辺形の1つの点(例えば同一点)に作用する2つの力及び/又は合力を受け容れるように設計されることができる。力平行四辺形の合力は、1つの点に作用する2つの力から生じることができる。例えば、合力は、折曲屈曲プロセスで発生する折曲屈曲力及び/又は型押屈曲プロセスで発生するプレス力から生じる。力平行四辺形の少なくとも1つの辺の長さ(Seitenlaenge)は、マシン本体の側面/側部要素と平行に延在することができる。好ましい実施形態では、断面において、マシン本体の1つ、2つ及び/又は3つの側面/側部要素がそれぞれ、力平行四辺形の1つの辺の長さを規定する。一変形例によれば、力の平行四辺形の2つ及び/又は3つの辺の長さは、それぞれ、断面においてマシン本体のそれぞれの側面/側部要素と平行に延在することができる。
【0028】
上部ツールレセプタ上に直立するマシン本体の側面/側部要素はプレスバーとして設計されることができる。したがって、マシン本体のこの側面/側部要素は、マシン本体の他の側面/側部要素と比較して、断面においてより大きな幅又は厚さを有することができる。
【0029】
マシン本体の側面/側部要素は、相互に、溶接及び/又はネジ止めにより結合することができる。マシン本体の1つ以上の側面/側部要素は、上部ツールレセプタに溶接及び/又はネジ止めすることができる。
【0030】
コンビマシンのツールレセプタ(下部ツールレセプタ、上部ツールレセプタ、スイング可能なツールレセプタ)は、それぞれの屈曲ツールを着脱可能に固定し及び/又は交換するために、少なくとも1つのクランプ手段を有することができる。このクランプ手段は、クイッククランプシステム(Schnellspannsystem)として設計することができる。それぞれのクランプ手段は、下部屈曲ツール、上部屈曲ツール、及び/又は、スイングすべき若しくはスイング可能な屈曲ツールを、それぞれのツールレセプタから取り外し、或いは、それぞれの工具レセプタに固定するために使用することができる。クランプ手段は、クランプジョー(又はクリップジョー)を有することができ、それによって、それぞれの屈曲ツールを、着脱可能に固定することができる。クランプジョーは、それぞれのツールレセプタに螺着され又は固定されることができる。下部ツールレセプタ、上部ツールレセプタ、及び/又は、スイング可能なツールレセプタは、複数(例えば、2つ、3つ、4つなど)のクランプ手段を有することができる。好ましい変形例では、各ツールレセプタクルは、10個のクランプ手段を有することができる。このように、1つ以上の屈曲ツールは、それぞれのツールレセプタに着脱可能及び/又は交換可能に固定されることができる。複数の屈曲ツールは、それぞれのツールレセプタに、互いに直接隣接して又は互いに間隔を空けて配置されることができる。例えば、上部ツールレセプタには、1つ以上の屈曲パンチ及び/又は1つ以上の上部ビームツールが配置されることができる。下部ツールレセプタには、1つ以上のダイ及び/又は1つ以上の下部ビームツールが配置されることができる。スイング可能なツールレセプタには、1つ以上の屈曲ビームツールが配置されることができる。そのため、それぞれのツールレセプタには、標準的なツールセットを装備することができる。
【0031】
コンビマシンは、下部屈曲ツール、特にダイ(又は下部ビーム)を下部ツールレセプタに着脱可能及び/又は交換可能に固定するように設計された、少なくとも1つのアダプタピースを備えることができる。さらに、コンビマシンは、上部屈曲ツール、特に屈曲パンチ(又は上部ビーム)を上側ツールレセプタに着脱可能及び/又は交換可能に固定するように設計された、少なくとも1つの第2アダプタピースを有することができる。
【0032】
第1アダプタピースの少なくとも一部は、第1アダプタピースと下部ツールレセプタとの間に着脱可能な接続(例えば、クランプ接続又はアダプタピースを下部ツールレセプタに挿入することによる接続)を確立できるように、下部ツールレセプタの少なくとも1つの部分と相補的に設計されることができる。第2アダプタピースの少なくとも一部は、第2アダプタピースと上部ツールレセプタとの間で着脱可能なクランプ接続を確立できるように、上部ツールレセプタの少なくとも一部と相補的に設計されることができる。
【0033】
第1アダプタピースは、下部屈曲ツールを着脱可能に取り付け又は固定するためのクランプ手段を有することができる。第2アダプタピースは、上部屈曲ツールを着脱可能に取り付け又は固定するためのクランプ手段を有することができる。それぞれのクランプ手段は、クランプジョーを有することができる。クランピングジョーは、螺着接続によって固定できる。
【0034】
コンビマシンは、特に金属成形用に設計することができる。例えば、板状、ワイヤ状、チューブ状などの金属部品を屈曲させることができる。
【0035】
第2態様によれば、トリミングプレス(Abkantpresse)としての折曲屈曲マシンの使用が記載されており、折曲屈曲マシンは、少なくとも1つの下部屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計されている下部ツールレセプタと、少なくとも1つの上部屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計され、下部ツールレセプタに向けて送り方向に直線的に送ることができる、上部ツールレセプタと、少なくとも1つのスイングすべき屈曲ツールを着脱可能に受け容れるように設計されており、前記上部ツールレセプタの前記送り方向に垂直に延在するスイング軸周りに前記下部ツールレセプタに関してスイング可能である、スイング可能なツールレセプタと、
を備える。
【0036】
一変形例によれば、下部ツールレセプタには、ダイとして設計された下部屈曲ツールを着脱可能に配置することができる。付加的に又は代替的に、上部ツールレセプタには、前記ダイに侵入可能な屈曲パンチとして設計された上部屈曲ツールを着脱可能に配置することができる。一変形例では、上部ビームツールを屈曲パンチとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
ワークピースの折曲屈曲及び型押屈曲のためのここに開示されたコンビマシンのさらなる態様、特徴及び利点は、以下に説明される例示的な実施形態及び図面から明らかになる。
【0038】
【
図1】ワークピースの折曲屈曲及び型押屈曲のためのコンビマシンの実施形態の斜視図である。
【0039】
【
図2】
図1によるコンビマシンの上部ハウジング部分のない斜視図である。
【0040】
【
図3】
図1及び
図2によるコンビマシンのマシン本体とワークピースレセプタの実施形態の正面斜視図である。
【0041】
【
図4】
図3によるマシン本体とワークピースレセプタの背面斜視図である。
【0042】
【
図5】
図3によるマシン本体とワークピースレセプタのA-A線断面図である。
【0043】
【
図6a】マシン本体の変形例の模式的断面図である。
【0044】
【
図6b】マシン本体のさらなる変形例を示す模式的断面図である。
【0045】
【
図6c】マシン本体のさらなる変形例を示す模式的な断面図である。
【0046】
【
図6d】マシン本体のさらなる変形例を示す模式的な断面図である。
【0047】
【
図6e】マシン本体のさらなる変形例を示す模式的な断面図である。
【0048】
【
図6f】マシン本体のさらなる変形例を示す模式的な断面図である。
【0049】
【
図6g】マシン本体のさらなる変形例を示す模式的な断面図である。
【0050】
【
図7】
図1及び
図2によるコンビマシンのツールレセプタに配置された屈曲ツールの変形例を示す断面図である。
【0051】
【
図8】
図1及び
図2によるコンビマシンのツールレセプタに配置された屈曲ツールのさらなる変形例を示す断面図である。
【0052】
【
図9】
図1及び
図2によるコンビマシンのツールレセプタに配置された屈曲ツールのさらなる変形例を示す断面図である。
【0053】
【
図10】
図1及び
図2によるコンビマシンのツールレセプタに配置された屈曲ツールのさらなる変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下では、ワークピースの折曲屈曲及び型押屈曲のためのコンビマシンの実施形態の例を説明する。同一又は比較可能な要素には、同一の参照符号が付されている。
【0055】
図1乃至5に、ワークピースの折曲屈曲及び型押屈曲のためのコンビマシン10の一実施形態を示す。まず、コンビマシン10について、
図1及び2を参照しながらより詳細に説明する。
【0056】
図1は、コンビマシン10の外観斜視図である。コンビマシン10は、下部14と、その上に配置された上部16とを有するマシンフレーム12を備えている。マシンフレーム12の下部14には、コンビマシン10のオン/オフを切り替えるためのメインスイッチ18が取り付けられている。メインスイッチ18は、ロータリースイッチとして設計されている。下部14の下部領域には、フットレスト20が設けられている。フットレスト20には、フットペダル22が配置されている。フットペダル22を押すことで、ツールレセプタ及び/又は屈曲ツールの動きをトリガすることができる。代替的に、複数(例えば2つ又は3つ)のフットペダルを設けて、特定のツールレセプタ及び/又は特定の屈曲ツールをそれぞれ作動させることもできる。コンビマシン10の前面には、左右それぞれにハンドレスト24が配置されている。コンビマシン10の使用中、ユーザは左手を左ハンドレスト24に、右手を右ハンドレスト24に置くことができる。各ハンドレスト24には、圧力スイッチ26が配置されている。圧力スイッチ26は、ツールレセプタ(例えば、スイング可能なツールレセプタ)の動きをトリガするために使用することができる。安全上の理由から、ツールレセプタを作動させるためには、両方の圧力スイッチ26が作動されなければならないと規定することができる。
【0057】
マシンフレーム12の上部16には、着脱可能なハウジング28が設けられている。本実施形態では、ハウジング28は3つのパーツで構成されている。ハウジング28は、左ハウジング部分28a、右ハウジング部分28b、中央ハウジング部分28cを有する。コンビマシン10の内部の十分な通気を保証するために、ハウジング28、又は左ハウジング部分28aと右ハウジング部分28bには、通気孔又は通気スリット30が設けられている。左ハウジング部分28aと右ハウジング部分28bとの間には中央ハウジング部分28cが配置されている。中央ハウジング部分28cには、マシンデータを表示するための表示装置32、例えばスクリーンが取り付けられている。表示装置32は、タッチディスプレイ(接触感度スクリーン)として設計することができる。接触感度表示装置(beruehrungsempfindlichen Anzeigevorrichtung)32によって、ユーザは、コンビマシン10のプログラミングを実行し、及び/又は、特定のプログラムを呼び出し、それによって、コンビマシン10を操作することができる。プログラムは、図示していないマシン制御システムに格納することができる。
【0058】
コンビマシン10は、下部ツールレセプタ34、上部ツールレセプタ36及びスイング可能なツールレセプタ38を有している。
図1に見られるように、3つのツールレセプタクル34,36,38は、左ハウジング部分28aと右ハウジング部分28bとの間のマシンフレーム12の上部分16に配置されている。下部ツールレセプタ34は、少なくとも1つの下部屈曲ツール40を着脱可能に受け容れるように設計されている。上部ツールレセプタクル36は、少なくとも1つの上部屈曲ツール42を着脱可能に受け容れるように設計されている。上部ツールレセプタ36は、下部ツールレセプタ34に向かって送り方向92(
図1では上から下へ)に直線的に送ることができる。スイング可能なツールレセプタクル38は、少なくとも1つの、スイングすべき又はスイング可能な屈曲ツール44を着脱可能に受け入れるように設計されている。スイング可能なツールレセプタ38は、上部ツールレセプタ36の送り方向92に対して垂直に延在するスイング軸46まわりに、下部ツールレセプタ34に対して相対的にスイング可能である。
【0059】
コンビマシン10は、マシンフレーム12(
図2)の上部分16に配置されたマシン本体48をさらに備えている。マシン本体48は、ハウジング28内部に配置されている。
図1による本実施形態では、マシン本体48は、中央ハウジング部分28c内に配置されている。
【0060】
次に、
図2は、上部ハウジング28のない状態のコンビマシン10の斜視図を示している。マシンフレーム12は、2つのサイドスタンド50を有している。サイドスタンド50は、サイドプレートとして形成され、垂直方向(
図2では上から下へ)に延在する。サイドプレート50は、マシンフレーム12の水平に配置されたベースプレート51に取り付けられている。ベースプレート51は、マシンフレーム12の下部14に載置されており、さらに、ここに取り付けらることができる。一方のサイドプレート50はコンビマシン10の実質的に左側に配置され、他方のサイドプレート50は実質的に右側に配置されている。両サイドプレート50の間には、下部ツールレセプタ34、上部ツールレセプタ36、及びスイング可能なツールレセプタ38が配置されている。また、マシン本体48は、2つのサイドプレート50の間に配置されている。上部ツールレセプタ36は、マシン本体48上に配置され、そこに固定されている。マシン本体48は、サイドプレート50に保持され、そこに取り付け可能である。マシン本体48は、2つの保持プレート52を有している。マシン本体48の左右の側面には、それぞれ1枚の保持プレート52が、例えばネジを用いて取り付けられている。マシン本体48の保持プレート52は、サイドプレート50の凹部54を貫通して突出している。そのため、マシン本体48の保持プレート52は、マシン本体48と反対側を向く(abgewandten)サイドプレートの50の側面から突出し、コンビマシン10の左右に延在する。
【0061】
コンビマシン10は、力(例えば、用途に応じて、屈曲力、プレス力、ボトミング力、保持力又はクランプ力)を伝達するために、上部ツールレセプタ36に結合可能な、又は結合された第1駆動ユニット56を有する。第1駆動ユニット56は、上部ツールレセプタ36を昇降させるための2つの電気モータ58を有する。第1駆動ユニット56の電気モータ58は、それぞれギア60(例えば、角型遊星ギア(Winkelplanetengetriebe))を介してボールネジ62に接続されている。
図2による本実施形態では、第1駆動ユニット56のモータ58、ギア60、ボールネジ62が、上部ツールレセプタ36の各側部(ここでは上部ツールレセプタ36の左右)に配置されている。第1駆動ユニット56は、マシンフレーム12のサイドプレート50の、マシン本体48とは反対側を向く側面に取り付けられている。ボールネジ62は、マシン本体48の保持プレート52に取り付けられている。電気モータ58で発生した回転運動は、ボールネジ62で直線運動に変換される。ボールネジ62を移動させることで、マシン本体48の保持プレート52をサイドプレート50の凹部54内部に移動させる。これにより、保持プレート52、ひいてはマシン本体48及び上部ツールレセプタ36の昇降が可能となる。本実施形態例では、マシン本体48の保持プレート52は、電気モータ58によって駆動されたボールネジ62によって、上下方向又は垂直方向、すなわち送り方向92(
図2では上から下へ)に移動可能である。これにより、上部ツールレセプタ36は、送り方向92においてワークピースに実質的に垂直な力を及ぼすことができる。ボールネジ62の代わりにレールを設けることができ、それに沿って又はその中でマシン本体48のそれぞれの保持プレート52を移動させることができる。
【0062】
さらに、コンビマシン10は、力(例えば、屈曲力又はプレス力)を伝達するためにスイング可能なツールレセプタ38と結合可能な又は結合された第2駆動ユニット64を備える。第2駆動ユニット64は、スイング可能なツールレセプタ38をスイング軸46周りにスイングさせるための2つの電気モータ68を有する。第2駆動ユニット64の電気モータ68は、それぞれ歯車70を介してスイング可能なツールレセプタ38に接続されている。
図2による本実施形態では、第2駆動ユニット64の電気モータ68及びギア70が、スイング可能なツールレセプタ38の各側(ここではスイング可能なツールレセプタ38の左右)に配置されている。第2駆動ユニット64は、マシンフレーム12のサイドプレート50のうち、スイング可能なツールレセプタ38とは反対側に面した側面に配置されている。したがって、スイング可能なツールレセプタ38は、第2駆動ユニット64の電気モータ68によって、屈曲プロセスの進捗状況に応じて、詳しくは連続的に又は相互に続く小さなステップで、調整又はスイングさせることができる。したがって、スイング可能なツールレセプタ38は、上部ツールレセプタ36の送り方向92に対して横方向/斜めの方向(すなわち、送り方向92に対して斜めの方向)に、ワークピースに力(例えば、屈曲力)を及ぼすことができる。
【0063】
コンビマシン10は、上部ツールレセプタ36又は上部屈曲ツール42と、下部ツールレセプタ34又は下部屈曲ツール40との間に配置されたアンカーユニットを有している(
図1及び
図2では図示せず)。アンカーユニットは、アンカールーラーとして設計することができる。アンカーユニットは、好ましくは、2つ以上のアンカータワー、例えば、左右のアンカータワーを有することができる。アンカーユニットは、水平方向、すなわち実質的に、上部ツールレセプタ36の送り方向92に垂直な平面内、及び/又は、垂直方向、すなわち上部ツールレセプタ36の送り方向92に実質的に平行な方向に、駆動することによって調整又はスライドさせることができる。本実施形態では、アンカーユニットの駆動部は、少なくとも1つの電気モータ72で構成されている。
【0064】
コンビマシン10は、スイング可能なツールレセプタ38を、屈曲プロセスの進捗状況に応じた距離だけ、下部ツールレセプタ34から離れる方向に移動させるために、電気モータ74の形態のさらなる駆動部を有する。また、スイング可能なツールレセプタ38を前進させるために、2つの電気モータ74を設けてもよい。本実施形態例では、下部ツールレセプタ34は、固定式又は据え置き式のツールレセプタとして設計されている。
【0065】
図3及び
図4は、コンビマシン10のマシン本体48及びツールレセプタクル34,36,38の一実施形態の斜視正面図(
図3)及び背面図(
図4)をそれぞれ示す。
図3及び
図4において認識できるように、下部ツールレセプタ34、上部ツールレセプタ36及びスイング可能なツールレセプタ38は、互いに平行に(長手方向の延長線に沿って)並んでいる。
【0066】
下部ツールレセプタ34は、マシンフレーム12に取り付けられており、レセプタレール76を備えている。本実施形態では、クイッククランプシステムとして設計された複数のクランプ手段78(ここでは10)が下部ツールレセプタ34のレセプタレール76に取り付けられており、これらは
図7乃至
図10に関連してより詳細に説明されている。明確にするために、単一の下部屈曲ツール40のみが、クランプ手段78によって下部ツールレセプタ34にクランプされている。
【0067】
上部ツールレセプタ36は、マシン本体48に取り付けられており、レセプタレール80を有している。本実施形態では、クイッククランプシステムとして設計された複数(ここでは10)のクランプ手段82が、上部ツールレセプタ36のレセプタレール80に取り付けられており、これについては
図7乃至
図10に関連してより詳細に説明する。明確にするために、同様に、単一の上部屈曲ツール42のみが、クランプ手段82によって上部ツールレセプタ36にクランプされている。
図3及び
図4に示すように、下部屈曲ツール40の上方に上部屈曲ツール42が配置されている。
【0068】
スイング可能なツールレセプタ38は、2つのスイングレバー84の間に配置され、それに取り付けられている。スイングレバー84は、スイング軸46周りに回転できるようにマシンフレーム12に軸支されている。第2駆動ユニット64は、2つのスイングレバー84に接続されており、それらをスイングさせることができる。また、スイング可能なツールレセプタ38は、同様に、レセプタレール86を有しており、そこに、本実施形態ではクイッククランプシステムとして設計された複数(ここでは10)のクランプ手段88が取り付けられている。クランプ手段88は、
図7乃至
図10を参照してさらに詳しく説明する。ここでも明確にするために、単一のスイング可能な屈曲ツール44のみが、クランプ手段88によってスイング可能なツールレセプタ38にクランプされている。スイング可能な屈曲ツール44は、
図3及び
図4に示すように、上部屈曲ツール42の下方且つ下部屈曲ツール40の前方に配置されている。
【0069】
マシン本体48は、複数の側面又は側部要素90を有し、基本的に上部ツールレセプタ36の上方に配置されている。本実施形態では、マシン本体48の側面又は側部要素90は、金属プレートとして形成されている。なお、マシン本体48は、中空体として形成されることができる。1つ以上の支持構造は、例えば、マシン本体48の対向する側面又は側部要素90を互いに接続するように、マシン本体48内部に配置されることができる。付加的に又は代替的に、上部ツールマウント36の一部をマシン本体48の側面/側部要素90に接続する1つ以上の支持構造が提供されることができる。支持構造は、支持柱(Stuetzstrebe)又はピースプレート(Stueckplatte)の形態であってもよい。支持構造は、マシン本体48の1つ以上の側面/側部要素90を相互に接続することができる。本実施形態では、マシン本体48の側面/側部要素90が相互に溶接されている。
図3及び
図4に示した変形例によれば、マシン本体48の2つの側面/側部要素90が上部ツールレセプタ36に溶接されている。
【0070】
マシン本体48の幾何学的構成は、上部ツールレセプタ36の移動方向又は送り方向92において、スイング可能なツールレセプタ38のスイングプロセス中に屈曲プロセスの進捗に依存して発生する屈曲力がマシン本体48によって受け容れられるように設計されている。マシン本体48の形状については、以下の
図5及び
図6を参照してより詳細に説明する。
【0071】
図5は、
図3による線A-Aに沿ったマシン本体48と下部ツールレセプタ34、上部ツールレセプタ36及びスイング可能なツールレセプタ38の断面図である。マシン本体48は、実質的に台形又は菱形の断面を有している。本実施形態例では、マシン本体48の断面は、実質的に直角台形に形成されている。この断面は、実質的にマシン本体48の側面又は側部要素90によって形成され、
図5に破線で示されている。マシン本体48の側面/側部要素90のうちの2つは、例えば、ネジ接続又は溶接接続によって、上部ツールレセプタ36に取り付けられる。
【0072】
マシン本体48の一方の側面/側部要素90は、上部ツールレセプタ36の送り方向92に平行に配置され、上部ツールレセプタ36上で垂直に起立している(
図5では、右側面/要素90)。さらに、
図5に示される実施形態によれば、マシン本体48の2つの側面/側部要素90は、互いに平行に配向され、互いに対向して配置される(
図5では、左右の側面/側部要素90)。上部ツールレセプタ36上で直立する、マシン本体48の側面/側部要素90は、プレスバーとして設計されている。したがって、マシン本体48のこの側面/側部要素90は、マシン本体48の他の側面/側部要素90と比較して、断面においてより大きな幅又は厚さを有している上部ツールレセプタ36上で直立する側面/側部要素90がより大きく(massivere)設計されているため、送り方向92(上部ツールレセプタ36の移動方向)に発生する屈曲力を最適に受け容れることができる。
【0073】
マシン本体48の下部側面/側部要素90は、上部ツールレセプタ36の送り方向92に対して実質的に横/斜め(すなわち、ある角度で)延在し、これにより、例えば、スイング可能なツールレセプタ38のスイングプロセス中に発生する横方向の力の受け容れ又は吸収(Aufnahme)が最適に行われ得る。
図5による本実施形態例では、上部ツールレセプタ36はマシン本体48の一部を形成する。この部分は、実質的に横/斜め及び/又は水平方向の力(すなわち、送り方向92に対して横/斜め又は垂直方向の力)を吸収するように設計されている。また、マシン本体48の安定性にも寄与する。この部分は、少なくとも部分的に、上部ツールレセプタ36の送り方向92に垂直に、且つ、少なくとも部分的に、上部ツールレセプタ36上で直立する、マシン本体48の側面/側部要素90に垂直に形成されている。また本実施形態では、この部分は、少なくとも部分的に、マシン本体48の対向する側面/側部要素90と平行に形成されている。
【0074】
断面において、マシン本体48は、力平行四辺形を定義し、力平行四辺形の少なくとも1つの辺の長さは、マシン本体48の側面又は側部要素90に平行に延在する。本実施形態例では、マシン本体48の3つの側面/側部要素90(
図5では、左、右、下部の傾斜した側面/側部要素90)がそれぞれ、断面における力平行四辺形の辺の長さを規定する。そのため、マシン本体48は、スイング屈曲の際に発生する屈曲力及び/又は屈曲力及び/又はプレス力と、屈曲プロセスの際に発生する屈曲力及び/又はプレス力を受け容れるように設計されている。なお、マシン本体48の一部を構成する上部ツールレセプタ36の前記部分は、力の行四辺形の辺の長さと平行に延在するか又は配置されることができる。
【0075】
以下の
図6a乃至6gでは、マシン本体48のさらなる変形例が断面図で模式的に示されている。
【0076】
図6aは、マシン本体48の側面/側部要素90が互いに平行に配置されていないマシン本体48の変形例を示している。この変形例では、
図6aのマシン本体48の右側面/側部要素90のみが、上部ツールレセプタ36の送り方向92と平行に配置されている。この側面/側部要素90は、また、プレスバーとして形成されることができ、上部ツールレセプタクル36上で直立することができる。右側面90又は右側部要素90に対向する左側面/側部要素90は、
図5による変形例とは対照的に、ここでは斜めに配置されている。
【0077】
図6bに示すマシン本体48の変形例は、
図6aに示す変形例に実質的に対応しているが、支持構造94を備えている。支持構造94は、支持柱又は支持プレートとして設計されることができる。例えば、支持プレートは、長方形又は三角形の形状を有する。支持構造94は、マシン本体48の外面又はマシン本体48内部に設けられることができる。さらに、支持構造94は、
図6bにおいて、マシン本体48の上部及び下部の側面/側部要素90を互いに連結している。
図6bによる本変形例では、支持構造94は、上部ツールレセプタ36上で直立する右側面/側部要素90に平行に配置されている。マシン本体48は、複数の支持構造94を有することができる。
【0078】
図6cは、マシン本体48の側面/側部要素90が断面において正方形又は長方形を形成するマシン本体48のさらなる変形例を示す。この変形例では、対向する側面/側部要素90は、互いに平行に配置されている。ここでも、
図6cに示すマシン本体48の右側面/側部要素90は、上部ツールレセプタ36上で直立している。
【0079】
図6dは、マシン本体48のさらなる変形例を示しており、マシン本体48の側面/側部要素90は、対向する側部又は辺(Seiten)が平行に配置された断面が平行四辺形(菱形)を定義するか又は広がる。マシン本体48の側面/側部要素90によって広がる平行四辺形は、コンビマシン10の内部に向かって斜め後方(
図6aでは左方向)に傾斜している。マシン本体48の側面/側部要素90によって広がる平行四辺形は、上述した力平行四辺形も定義している。
図6dに示す、マシン本体48の右側面/側部要素90は、ここでは、わずかに小さく又はコンパクトな範囲ではあるが、プレスビームとして設計されている。プレスバーは、また、上部ツールレセプタ36上に直立している。
【0080】
図6e及び
図6fには、マシン本体48の2つの変形例が示されており、上部ツールレセプタ36の上側に配置されたマシン本体48の側面/側部要素90(
図6e及び
図6fでは右側面/側部要素90)は、上部ツールレセプタ36上に直立しておらず、垂直96に対して角度98で傾斜している。この垂直96は、上部ツールレセプタクル36の送り方向92と平行である。好ましくは、マシン本体48のこの側面/側部要素90は、コンビマシン10の内部に向かって後方に傾斜している。角度98は0°から45°の間であることができる。一実施形態では、角度98は、5°から30°の間、例えば15°である。マシン本体48の下部側面/側部要素90は、垂直96に対して横又は斜め(
図6e)又は垂直(
図6f)に延在することができる。
【0081】
図6gは、マシン本体48の別の変形例を示している。この変形例は、実質的には
図5に示した実施形態に対応しているが、マシン本体48の内部に配置された1つ(あるいは複数)の支持構造体94、例えば、支持柱又は支持プレートを備えている。本実施形態では、支持構造体94は、マシン本体48の側面/側部要素90と平行に配置されている。さらに、支持構造94は、上部ツールレセプタ36の送り方向92に対して横又は斜めに配置されている。支持構造94は、上部ツールレセプタクル36上で直立する、マシン本体48の側面/側部要素90を、それと対向する及び/又は隣接する、マシン本体48の少なくとも1つの側面/側部要素90に接続する。支持構造94は、力平行四辺形95の辺の長さを規定する。力平行四辺形95は、例えば
図5を参照して上述した力の平行四辺形に対応することができる。本実施形態例では、断面において、マシン本体48の3つの側面/側部要素90、すなわち
図6gでは左側面/側部要素90、右側面/側部要素90の少なくとも一部、及び傾斜した下部側面/側部要素90が、それぞれ力平行四辺形95の辺の長さを規定している。このような側面/側部要素90と支持構造94の配置により、マシン本体48は、上部ツールレセプタ36の送り方向92に発生する屈曲力、及び、スイング可能なツールレセプタ38のスイングプロセス中に屈曲プロセスの進捗に依存して発生する屈曲力を、最適に吸収することができる。
【0082】
図7乃至10を参照して、コンビマシン10のツールレセプタ34、36、38に配置された屈曲ツールの異なるバリエーション7?10について説明する。
【0083】
図7は、コンビマシン10のツールレセプタクル34、36、38に配置された屈曲ツールの第1変形例を示す断面図である。下部屈曲ツール40は、下部ビームツールとして設計されており、下部ツールレセプタ34に着脱可能に配置されている。下部ビームツール40は、
図7に破線で模式的に示されているワークピース支持面98を規定する。ワークピース支持面98は、水平に配置されている。上部屈曲ツール42は、ワークピースの厚さに等しいギャップSまで送り方向92に進めることができる上部ビームツールとして設計されている。上部ビームツール42は、上部ツールレセプタ36に着脱可能に配置されている。上部ビームツール42は、断面において実質的にL字型を有する。さらに、上部ビームツール42は、定義された及び/又は所定の半径を有する屈曲エッジ100を有する。この半径は、屈曲半径やワークピースに応じて選択できる。スイングすべき屈曲ツール44は、屈曲ビームツールとして設計されており、スイング可能なツールレセプタ38に着脱可能に配置されている。
図7に見られるように、屈曲ビームツール44の作業面(屈曲ビームツールがワークピースと接触する面)は、下部ビームツール40によって定義されたワークピース支持面98内の開始位置にある。スイング可能なツールレセプタ38又は屈曲ビームツール44のスイング軸46は、上部ビームツール42の屈曲エッジ100と平行である。本実施形態では、スイング軸46はワークピース支持面98内にある。
【0084】
下部ビームツール40は、屈曲ビームツール44と反対側の前縁が、上部ビームツール42の屈曲エッジ100に対して後退して配置されている。下部ビームツール40は固定的に設計されている。下部ビームツール40が固定されている場合、屈曲ビームツール44は、上部ビームツール42の屈曲エッジ100に対して直角に、下部ビームツール40から離れる方向(
図7では左方向)に、折曲屈曲プロセスの進捗に依存する距離だけ、ワーク支持面98内で調整可能である。
【0085】
図7に示す変形例によれば、上部ビームツール42は、送り方向92と平行に配置された中央シャフトセクション102を有する。シャフトセクション102の一端には、シャフトセクション102に対して横方向又は斜め方向に延在する楔形脚部104が設けられており、この脚部104は、その屈曲エッジ100と共に上部ビームを形成している。シャフトセクション102の他端には、上部ビームツール42を上部ツールレセプタ36のレセプタレール80に着脱可能に固定できるように保持構造106が形成されている。このため、上部ツールレセプタ36のレセプタレール80は、上部ビームツール42を引っ掛けることができるフック要素108を有する。上部ビームツール42の保持構造106は、少なくとも1つ、本実施形態例では2つの、フック部分109で構成されている。上部ビームツール42のフック部109は、レセプタレール80のフック要素108の相補的に形成されたレセプタ構造に係合する。そして、クランプジョー82により、フック要素108に引っ掛けられた上部ビームツール42を、クランプにより上部ツールレセプタ36に着脱可能に固定することができる。クランプジョー82は、ネジで上部ツールレセプタに固定することができる。
【0086】
下部チークツール40は、クランプジョー78によって下部ツールレセプタ34のレセプタレール76に着脱可能に固定されている。クランプジョー78は、
図7に示すように、図示しないネジによって、下部ツールレセプタ34のレセプタレール76に固定されることができる。
【0087】
屈曲チークツール44は、クランプジョー88により、旋回ツールレセプタ38の受けレール86にクランプにより着脱可能に固定される。クランプジョー88は、
図7に示すように、図示しないネジによって、スイング可能なツールレセプタ38のレセプタレール86に固定することができる。
【0088】
図8は、上部ビームツール42のさらなる変形例を示している。
図7に示す上部ビームツール42の実施形態とは対照的に、
図8に示す上部ビームツール42は、上部ツールレセプタ36の送り方向92に対して横方向又は斜め方向に延びる中央シャフトセクション102を有する。好ましくは、上部ビームツール42の中央シャフトセクション102は、実質的に、屈曲ビームツール44に向かう方向に配向される。これにより、屈曲されるべき又は湾曲されるべきワークピースへのより良いアクセス性が実現される。
【0089】
図9には、上部ビームツール42のさらなる変形例が示されている。この変形例は、
図7による上部ビームツール42と、
図8による上部ビームツール42とを組み合わせたものである。ここで、上部ビームツール42の中央シャフトセクション102は、送り方向92と平行に配列された直線セクションと、送り方向92に対して横方向又は斜め方向に延びるセクションとの両方を有している。
【0090】
図10を参照して、屈曲加工ツールのさらなる変形例を説明する。
図10による本実施形態では、下部屈曲ツール40は、ダイ(屈曲型)として設計されている。上部屈曲ツール42は、ダイ40に侵入可能な(eindringbarer)屈曲パンチ42として形成されている。ダイ40には、
図10に示すように、屈曲パンチ42が侵入できるV字型の凹部110が設けられている。あるいは、ダイ40は、U字型又は半円型の凹部を有していてもよい。さらに、ダイ40のV字型の端部は、ワークピース支持面98を画定している。屈曲パンチ42は、ダイ40又はダイ40のV字型の凹部110と相補的な屈曲パンチ先端部112を有している。
【0091】
ダイ40は、下部ツールレセプタ34に着脱可能及び交換可能に配置されている。屈曲パンチ42は、上部ツールレセプタ36に着脱可能及び交換可能に配置されている。コンビマシン10は、少なくとも1つの第1アダプタピース114を備えている。第1アダプタピース114は、下部屈曲ツール40、
図10による本実施形態例ではダイ40を下側の工具受容部34に着脱可能に固定するように構成されている。第1アダプタピース114の少なくとも一部は、第1アダプタピース114と下部ツールレセプタクル34のレセプタレール76との間で着脱可能な接続(本実施形態例ではクランプ接続)を確立できるように、下部ツールレセプタクル34のレセプタレール76の少なくとも一部と相補的に形成されている。第1アダプタピース114は、クランプジョー78によるクランプによって、下部ツールレセプタ34のレセプタレール76に着脱可能に固定される。第1アダプタピース114は、ダイ40を着脱可能に固定又は取り付けるためのクランプジョーを備えたクランプ手段116を有している。ダイ40は、V字型凹部110とは反対側の端部に、第1アダプタピース114とクランプジョー116との間にクランプされることができる保持ピン(Haltezapfen)を有している。クランプジョー116は、ダイ40の保持ピンをクランプ固定するために、ネジ接続によって第1アダプタピース114に固定されている。
【0092】
コンビマシン10は、さらに、少なくとも1つの第2アダプタピース118を有する。第2アダプタピース118は、上部屈曲ツール42、
図10による本実施形態例では、屈曲パンチ42を、上部ツールレセプタ36のレセプタレール80のフック要素108に、着脱及び交換可能に固定するためのものである。第2のアダプタピース118の少なくとも一部は、第2のアダプタピース118と、上部ツールレセプタ36又は上部ツールレセプタ36のフック要素108と、の間で着脱可能なクランプ接続が生成され得るように、上部ツールレセプタ36のフック要素108の少なくとも一部と相補的に形成されている。第2アダプタピース118は、クランプジョー82によって、上部ツールレセプタ36のレセプタレール80のフック要素108に着脱可能に固定される。第2アダプタピース118は、屈曲パンチ42を着脱可能に固定又は取り付けるためのクランプジョーを備えたクランプ手段120を有している。屈曲パンチ42は、V字型の屈曲パンチ先端部112とは反対側の端部に、第2アダプタピース118とクランプジョー120との間にクランプされることができる保持ピンを有している。クランプジョー120は、屈曲パンチ42の保持ピンをクランプ固定するために、ネジ接続によって第2アダプタピース118に固定されている。
【0093】
上述した実施形態は、必要に応じて互いに組み合わせることができる。したがって、実施形態例は、可能な実施形態の変形例を示しており、本発明は、具体的に示された実施形態の変形例に限定されるものではない。むしろ、個々の実施形態例を相互に組み合わせた様々な組み合わせや、実施形態例の変形も可能である。さらに、コンビマシン10のドライブやガイドと同様に、適切なマシンコントロールは当業者に知られているので、ここでは詳細に説明しない。
【符号の説明】
【0094】
10 コンビマシン(Kombimaschine)
12 マシンフレーム(Maschinengestell)
14 下部(Unterteil)
16 上部(Oberteil)
18 メインスイッチ(Hauptschalter)
20 フットレスト(Fussablage)
22 フットペダル(Fusspedal)
24 ハンド架台(Handauflage)
26 プッシュスイッチ(Druckschalter)
28 ハウジング(Gehaeuse)
28a 左ハウジング部分(Linkes Gehaeuseteil)
28b 右ハウジング部分(Rechtes Gehaeuseteil)
28c 中央ハウジング部分(Mittleres Gehaeuseteil)
30 通気孔又は通気スリット(Lueftungsloecher oder -schlitze)
32 表示装置(Anzeigevorrichtung)
34 下部ツールレセプタ(untere Werkzeugaufnahme)
36 上部ツールレセプタ(obere Werkzeugaufnahme)
38 スイングスツールレセプタ(schwenkbare Werkzeugaufnahme)
40 下部屈曲ツール(unteres Biegewerkzeug)
42 上部屈曲ツール(oberes Biegewerkzeug)
44 スイングすべき屈曲ツール(zu schwenkendes Biegewerkzeug)
46 スイング軸(Schwenkachse)
48 マシン本体(Maschinenkoerper)
50 サイドスタンド(seitliche Staender)
51 ベースプレート(Grundplatte)
52 保持プレート(Halteplatten)
54 凹部(Ausnehmung)
56 第1駆動ユニット(erste Antriebseinrichtung)
58 第1駆動ユニットの電気モータ(elektrische Motoren der ersten Antriebseinrichtung)
60 第1駆動ユニットのギア(Getriebe der ersten Antriebseinrichtung)
62 第1駆動ユニットのボールネジ(Kugelgewindetriebe der ersten Antriebseinrichtung)
64 第2駆動ユニット(zweite Antriebseinrichtung)
68 第2駆動ユニットの電気モータ(elektrische Motoren der zweiten Antriebseinrichtung)
70 第2駆動モータのギア(Getriebe der zweiten Antriebseinrichtung)
72 アンカーユニットの電気モータ(elektrische Motoren der Anschlageinheit)
74 スイング可能なツールレセプタを前進させるための電気モータ(elektrischer Motor zum Vorschub der schwenkbaren Werkzeugaufnahme)
76 下部ツールレセプタのレセプタレール(Aufnahmeschiene der unteren Werkzeugaufnahme)
78 下部ツールレセプタのクランプ手段(Einspannmittel der unteren Werkzeugaufnahme)
80 上部ツールレセプタのレセプタレール(Aufnahmeschiene der oberen Werkzeugaufnahme)
82 上部ツールレセプタのクランプ手段(Einspannmittel der oberen Werkzeugaufnahme)
84 スイングレバー(Schwenkhebel)
86 スイング可能なツールホルダのホルダレール(Aufnahmeschiene der schwenkbaren Werkzeugaufnahme)
88 スイング可能なツールホルダのクランプ手段(Einspannmittel der schwenkbaren Werkzeugaufnahme)
90 マシン本体の側面/側部要素(Seitenflaechen/Seitenelemente des Maschinenkoerpers)
92 送り方向(Zustellrichtung)
94 サポート構造(Stuetzstruktur)
95 力平行四辺形(Kraefteparallelogramm)
96 垂直(Senkrechte)
98 ワークピース支持面(Werkstueckauflageebene)
100 屈曲エッジ(Biegekante)
102 上部ビームツールの中央シャフトセクション(mittlerer Schaftabschnitt des Oberwangenwerkzeugs)
104 上部ビームツールの楔形脚部(keilfoermiger Schenkel des Oberwangenwerkzeugs)
106 上部ビームツールの保持構造(Haltestruktur des Oberwangenwerkzeugs)
108 フック要素(Hakenelement)
109 フック部分(Hakenabschnitte)
110 ダイのV字形凹部(V-foermige Ausnehmung der Matrize)
112 屈曲パンチ先端部(Biegestempelspitze)
114 第1アダプタピース(erstes Adapterstueck)
116 第1アダプタピースのクランプ手段(Einspannmittel des ersten Adapterstuecks)
118 第2アダプタピース(zweites Adapterstueck)
120 第2アダプタピースのクランプ手段(Einspannmittel des zweiten Adapterstuecks)