(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】粒子を単離するマイクロ流体方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B01J 19/00 20060101AFI20240909BHJP
B03C 5/00 20060101ALI20240909BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20240909BHJP
B03C 1/02 20060101ALI20240909BHJP
B03B 5/62 20060101ALI20240909BHJP
B01D 57/02 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
B01J19/00 321
B03C5/00 Z
B03C1/00 A
B03C1/00 B
B03C1/02 Z
B03B5/62
B01D57/02
(21)【出願番号】P 2021549498
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(86)【国際出願番号】 IB2020051647
(87)【国際公開番号】W WO2020174422
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】102019000002777
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516164519
【氏名又は名称】メナリーニ シリコン バイオシステムズ エッセ.ピー.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メドーロ ジャンニ
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-541331(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0171628(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0056294(US,A1)
【文献】特表2016-536983(JP,A)
【文献】特開2016-039801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/00-19/32
B03C 5/00
B03C 1/00
B03C 1/02
B03B 1/00-13/06
B01D 57/02
C12M 1/00- 3/10
B81B 1/00- 7/04
B81C 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体システム(1)によって、所与のタイプの少なくとも1つの第1の粒子(2)を単離する方法であって、前記マイクロ流体システム(1)は、給送アセンブリ(8)及びマイクロ流体回路(4)を備え、該マイクロ流体回路(4)は、少なくとも1つの入口(5)、少なくとも1つの第1の出口(6)、及び前記入口(5)及び前記第1の出口(6)を流体接続するように設計される少なくとも1つのマイクロ流体チャネル(7)を有し、該マイクロ流体チャネル(7)は、少なくとも1つの第1のセグメント(15)、該第1のセグメント(15)の下流に配置される少なくとも1つの第2のセグメント(16)、及び該第2のセグメント(16)の下流に配置される少なくとも1つの第3のセグメント(17)を備え、該方法は、
給送ステップであって、該給送ステップ中に、前記給送アセンブリ(8)は、少なくとも1つの第1の粒子(2)及び該第1の粒子(2)と異なるタイプの少なくとも1つの第2の粒子(3)を含むサンプルを、前記入口(5)から前記第1の出口(6)まで前記マイクロ流体チャネル(7)に沿って給送する、給送ステップと、
捕捉ステップであって、該捕捉ステップ中に、前記第2の粒子(3)に前記第2のセグメント(16)を通過させながら、前記第1の粒子(2)は、前記第2のセグメント(16)内に捕捉されるとともに該第2のセグメント(16)から漏出することを防止され、前記第2の粒子(3)は、少なくとも前記第3のセグメント(17)に達する、捕捉ステップと、
を含み、
前記マイクロ流体システム(1)は、所与のタイプの前記第1の粒子(2)に対して力を直接加えるように構成される移動デバイス(26)を備え、
該方法は、選択ステップであって、該選択ステップは前記捕捉ステップに続き、該選択ステップ中に、前記移動デバイス(26)は、前記第2のセグメント(16)それ自身の下流に、前記第2のセグメント(16)からの所与の経路(P)の少なくとも1つの部分に沿って、前記マイクロ流体チャネル(7)の更なる内容物の少なくとも一部に対して前記第1の粒子(2)を実質的に選択的に移動させるために、前記第1の粒子(2)に対して力を直接加える、選択ステップを更に含み、前記所与の経路(P)は、前記マイクロ流体回路(4)の内部に延在し、
前記マイクロ流体システム(1)は、前記マイクロ流体チャネル(7)に流体接続される収集エリア(25)を備え、前記選択ステップ中に、前記移動デバイス(26)は、前記第1の粒子(2)を、前記マイクロ流体チャネル(7)から前記収集エリア(25)まで実質的に選択的に移動させる、方法。
【請求項2】
前記選択ステップ中に、前記移動デバイス(26)は、前記第2のセグメント(16)それ自身の下流に、前記第2のセグメント(16)からの前記所与の経路(P)の少なくとも前記部分に沿って、前記第2の粒子(3)に対して前記第1の粒子(2)を実質的に選択的に移動させるために、前記第1の粒子(2)に対して前記力を直接加える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプルは少なくとも1つの第3の粒子(3’)を含み、前記捕捉ステップ中に、前記第3の粒子(3’)は前記第2のセグメント(16)内に捕捉され、前記選択ステップ中に、前記移動デバイス(26)は、前記第2のセグメント(16)それ自身の下流に、前記第2のセグメント(16)からの前記所与の経路(P)の少なくとも前記部分に沿って、前記第3の粒子(3’)に対して前記第1の粒子(2)を実質的に選択的に移動させるために、前記第1の粒子(2)に対して前記力を直接加える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記選択ステップ中に、前記第1の粒子(2)は前記第3の粒子(3’)から区別される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記選択ステップは検出サブステップを含み、該検出サブステップは、前記捕捉ステップに少なくとも部分的に続き、該検出サブステップ中に、少なくとも前記第1の粒子(2)を識別するために、前記第2のセグメント(16)の内容物に関する情報が収集される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記捕捉ステップ中に、前記第1の粒子(2)は、前記第2のセグメント(16)内で生成される渦、前記第2のセグメント(16)に加えられる誘電泳動力、前記第2のセグメント(16)に加えられる磁力、及びその組み合わせからなる群より選択される捕捉システムによって捕捉される、請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のセグメント(15)は第1の内側断面を有し、前記第2のセグメント(16)は、前記第1の内側断面(16)に対して突然のサイズ増加(AI)を有する第2の内側断面を有し、前記第1の粒子(2)は、前記第2のセグメント(16)内で生成される渦によって捕捉される、請求項1~
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、回収ステップを含み、該回収ステップ中に、前記第1の粒子(2)は、前記収集エリア(25)から、前記マイクロ流体回路(4)から外に搬送され
る、請求項1~
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記回収ステップ中に、前記第1の粒子(2)は、1つずつ、前記収集エリア(25)から出ていく、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記回収ステップ中に、前記第1の粒子(2)は、前記収集エリア(25)から、前記マイクロ流体回路(4)から外に搬送される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記選択ステップ中に、複数の第1の粒子(2)は、前記収集エリア(25)内で第1の粒子(2)の群を得るために、前記収集エリア(25)まで移動する、請求項1~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、洗浄ステップを含み、該洗浄ステップ中に、前記給送アセンブリ(8)は、前記マイクロ流体チャネル(7)を通して洗浄液を搬送するため、前記第2の粒子(3)は、前記所与の経路(P)から外に押し出され、一方、前記第1の粒子(2)は、前記第2のセグメント(16)内に維持され
る、請求項1~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記選択ステップは前記洗浄ステップに続き、かつ/又は、前記洗浄ステップは前記捕捉ステップに少なくとも部分的に続く、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記洗浄ステップ中に、前記第2の粒子(3)の少なくとも一部は、前記マイクロ流体回路(4)から押し出され、一方、前記第1の粒子(2)の少なくとも一部は、前記第2のセグメント(16)内に維持される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記選択ステップ中に、前記チャネル(7)内に存在する流体は移動しない、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記サンプルは、複数の第1の粒子(2)及び複数の第2の粒子(3)を有し、前記マイクロ流体システム(1)は複数の第2のセグメント(16)を有し、前記捕捉ステップ中に、前記第1の粒子(2)の少なくとも一部は、前記第2のセグメント(16)内で生成される渦によって捕捉され、前記第2の粒子(3)の少なくとも一部は前記第2のセグメント(16)を通過し、前記選択ステップ中に、前記移動デバイス(26)は、前記第1の粒子(2)の少なくとも一部を、前記第2のセグメント(16)から移動させる、請求項1~
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、検出サブステップを含み、該検出サブステップは、前記捕捉ステップに少なくとも部分的に続きかつ前記選択ステップの少なくとも部分的に前であり、該検出サブステップ中に、前記第1の粒子(2)は少なくとも1つの画像を取り込むことによって識別される、請求項1~
16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の粒子(2)は、該第1の粒子(2)の1つ以上の形態的特徴及び/又は蛍光特徴を評価することによって識別される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記選択ステップ中に、前記第1の粒子(2)は、誘電泳動、光ピンセット、光電子ピンセット、光誘起式誘電泳動、磁気泳動、音響泳動、及びその組み合わせからなる群より選択されるシステムによって移動する、請求項1~
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の粒子(2)は循環腫瘍細胞であり、前記第2の粒子(3)は、赤血球、リンパ球、及びその組み合わせからなる群より選択される、請求項1~
19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、マーク付けステップを含み、該マーク付けステップは、前記選択ステップの少なくとも部分的に前であり、前記マーク付けステップ中に、前記第1の粒子(2)と前記第2の粒子(3)とのうちの一方は、選択的マーカーによってマーク付けされる、請求項1~
20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記サンプルは、前記第1の粒子(2)及び少なくとも前記第2の粒子(3)が分散する実質的に液体ベースを含み、前記方法は、調整ステップを含み、該調整ステップ中に、前記サンプルの温度は、前記液体ベースの粘度を変更するために変更される、請求項1~
21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記選択ステップ中、前記移動デバイス(26)は、前記第2のセグメント(16)から前記収集エリア(25)まで前記第1の粒子(2)を実質的に選択的に移動させる、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記サンプルは、主に前記第1の粒子(2)及び少なくとも前記第2の粒子(3)が分散する実質的に液体ベースからなり、前記方法は、調整ステップを含み、該調整ステップ中に、前記サンプルの温度は、前記液体ベースの粘度を変更するために変更される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記移動デバイス(26)は、前記第1の粒子(2)に対して選択的力を直接加える、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
所与のタイプの少なくとも1つの第1の粒子(2)を単離するマイクロ流体システムであって、該マイクロ流体システム(1)は、マイクロ流体回路(4)であって、少なくとも1つの入口(5)、少なくとも1つの第1の出口(6)、前記入口(5)及び前記第1の出口(6)を流体接続するように構成される少なくとも1つのマイクロ流体チャネル(7)を備える、マイクロ流体回路(4)と、前記マイクロ流体チャネル(7)に沿ってサンプルを給送するように構成される給送アセンブリとを備え、
前記サンプルは、前記第1の粒子(2)及び前記第1の粒子(2)と異なるタイプの少なくとも1つの第2の粒子(3)を含み、
前記マイクロ流体チャネル(7)は、少なくとも1つの第1のセグメント(15)、該第1のセグメント(15)の下流に配置される少なくとも1つの第2のセグメント(16)、及び該第2のセグメント(16)の下流に配置される少なくとも1つの第3のセグメント(17)を備え、
該マイクロ流体システム(1)は、前記第2の粒子(3)を通過させながら、前記マイクロ流体チャネル(7)内に前記第1の粒子(2)を捕捉するように構成される捕捉システムであって、前記第2の粒子(3)は、少なくとも前記第3のセグメント(17)に達する、捕捉システムと、前記第2のセグメント(16)の下流に、前記第2のセグメント(16)からの所与の経路(P)の少なくとも1つの部分に沿って、前記第1の粒子(2)を移動させるために、前記第1の粒子(2)に対して力を直接加えるように構成される移動デバイス(26)とを更に備え、前記所与の経路(P)は、前記マイクロ流体回路(4)の内部に延在し、
前記マイクロ流体システム(1)は、前記マイクロ流体チャネル(7)に流体接続される収集エリア(25)を備え、前記移動デバイス(26)は、前記第1の粒子(2)を、前記マイクロ流体チャネル(7)から前記収集エリア(25)まで実質的に選択的に移動させるように設計される、マイクロ流体システム。
【請求項27】
前記捕捉システムは、前記第2のセグメント(16)に配置され、前記第1の粒子(2)を捕捉するように構成される渦を、前記マイクロ流体チャネル(7)を通って流れる流体流の結果として生成するように形作られる前記第2のセグメント(16)、前記第2のセグメント(16)において誘電泳動力を加えるように構成されるデバイス、前記第2のセグメント(16)において磁力を加えるように構成されるデバイス、及びその組み合わせからなる群より選択される、請求項
26に記載のマイクロ流体システム。
【請求項28】
前記第1のセグメント(15)は第1の内側断面を有し、前記第2のセグメント(16)は、前記第1の内側断面に対して少なくとも80μmの突然の増加を有する等価直径を有する第2の内側断面を有し、少なくとも1つの第3のセグメント(17)は前記第2のセグメント(16)の下流に配置され、前記マイクロ流体チャネル(7)は、前記第2のセグメント(16)に配置され、前記第1の粒子(2)を捕捉するように設計される渦を、前記マイクロ流体チャネル(7)を通って流れる流体流の結果として生成するように構成される、請求項
26又は
27に記載のマイクロ流体システム。
【請求項29】
前記第2の内側断面は、前記第1の内側断面に対して80μm~800μmに及ぶ前記等価直径の突然のサイズ増加を有する、請求項
28に記載のマイクロ流体システム。
【請求項30】
前記移動デバイス(26)は、誘電泳動、光ピンセット、光電子ピンセット、光誘起式誘電泳動、磁気泳動、音響泳動、及びその組み合わせからなる群より選択される粒子移動システムを含む、請求項
26~
29のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項31】
前記移動デバイス(26)は、前記第1の粒子(2)を前記第2のセグメント(16)から、前記マイクロ流体チャネル(7)の下流に配置される前記収集エリア(25)まで前記所与の経路(P)に沿って移動させるために、所与のタイプの前記第1の粒子(2)に対して前記力を直接加えるように構成される、請求項
26~
30のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項32】
前記収集エリア(25)は、待機エリア(29)及び回収エリア(30)を備え、前記移動デバイス(16)は、前記第1の粒子(2)を、前記マイクロ流体チャネル(7)から前記待機エリア(29)まで、その後、前記待機エリア(29)から前記回収エリア(30)まで移送するように構成され、前記マイクロ流体システム(1)は、搬送アセンブリ(28)を更に備え、該搬送アセンブリ(28)は、前記回収エリア(30)に向けて流体を給送して、前記第1の粒子(2)を、前記前記マイクロ流体回路(4)から外に該マイクロ流体回路(4)の第2の出口(27)を通って搬送するように構成される、請求項
31に記載のマイクロ流体システム。
【請求項33】
前記マイクロ流体回路(4)の少なくとも一部の画像を取り込む少なくとも1つの検出デバイスを備える、請求項
26~
32のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項34】
前記マイクロ流体回路(4)は第2の出口(27)を備え、前記マイクロ流体システム(1)は、搬送アセンブリ(28)を備え、該搬送アセンブリ(28)は、前記第1の粒子(2)を、前記収集エリア(25)から前記第2の出口(27)を通って前記マイクロ流体回路(4)から外に搬送するように構成される、請求項
26~
33のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項35】
前記第1のセグメント(15)、前記第2のセグメント(16)、及び前記第3のセグメント(17)は、平行四辺形の形状を実質的に有するそれぞれの断面を有する、請求項
26~
34のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項36】
前記第2のセグメント(16)は後表面(19)によって境界を定められ、該後表面(19)は、前記第1のセグメント(16)の端部に配置され、前記マイクロ流体チャネル(7)を横断するとともに、前記第1のセグメント(15)に沿う前記第1の粒子(2)の給送方向(D)に対して、少なくとも45度の傾斜を有する、請求項
26~
35のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項37】
前記マイクロ流体回路(4)は複数のマイクロ流体チャネル(7)を備え、該マイクロ流体チャネル(7)のそれぞれは、少なくとも1つのそれぞれの第1のセグメント(15)、少なくとも1つのそれぞれの第2のセグメント(16)、及び少なくとも1つのそれぞれの第3のセグメント(17)を有する、請求項
26~
36のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項38】
前記給送アセンブリ(8)は、前記マイクロ流体チャネル(7)を通して前記第1の出口(6)に向けて洗浄液を給送するように構成される洗浄デバイス(10)を備える、請求項
26~
37のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項39】
前記サンプルは少なくとも1つの更なる粒子(2’)を備え、前記マイクロ流体チャネル(7)は、前記第2のセグメント(16)の下流に配置される少なくとも1つの第4のセグメント(16’)を備え、
前記捕捉システム(1)は、前記第2の粒子(3)及び前記更なる粒子(2’)を通過させながら、前記第2のマイクロ流体セグメント(16)内に前記第1の粒子(2)を捕捉し、前記第4のセグメント(16’)内に前記更なる粒子(2’)を捕捉するように構成される、請求項
26~
38のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項40】
前記捕捉システムは、前記第4のセグメント(16’)を備え、該第4のセグメント(16’)は、該第4のセグメント(16’)に配置され、前記更なる粒子(2’)を捕捉するように設計される渦を、前記マイクロ流体チャネル(7)を通って流れる流体流の結果として生成するように形作られる、請求項39に記載のマイクロ流体システム。
【請求項41】
前記移動デバイス(26)は、前記第1の粒子(2)に対して選択的力を直接加えるように構成される、請求項26~40のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2019年2月26日に出願された伊国特許出願第102019000002777号からの優先権を主張し、その全体の開示は引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、粒子を単離するマイクロ流体方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
所与のタイプの粒子の他のタイプの粒子に対する単離を得るために異なる方法が知られている。
【0004】
しかしながら、今日まで、いずれの単一デバイスも、大量の異なるタイプの粒子内に分散した、希少細胞(例えば、循環腫瘍細胞)を含むサンプルを、高い純度水準で迅速に単離することができなかった。
【0005】
国際公開第2012037030号は、循環腫瘍細胞(CTC:circulating tumour cell)の濃縮(enrichment)を得るために使用することができるデバイスを開示している。
【0006】
それでも、このデバイス(例1参照)によって、無視できない量の赤血球及びリンパ球を依然として含むサンプルを得ることができ、100%の純度を有する単一細胞を得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の問題を少なくとも部分的に克服することを可能にし、同時に、生産するのが容易かつ安価である、粒子を単離するマイクロ流体方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、マイクロ流体方法及びシステムは、独立請求項において、及び好ましくは、独立請求項に直接的に又は間接的に依存する請求項のうちの任意の請求項において規定されるように、提供される。
【0009】
明示的に別段の指定がない限り、本テキストにおいて、以下の用語は、以下で示す意味を有する。
【0010】
セクションの等価直径は、セクションと同じ面積を有する円の直径を意味する。
【0011】
マイクロ流体システムは、マイクロ流体回路を備えるシステムであり、マイクロ流体回路は、更に、少なくとも1つのマイクロ流体チャネル及び/又は少なくとも1つのマイクロ流体チャンバーを備えることを意味する。必ずしもそうではないが有利には、マイクロ流体システムは、少なくとも1つのポンプ(とりわけ、複数のポンプ)、少なくとも1つの弁(とりわけ、複数の弁)、及びおそらくは、少なくとも1つのガスケット(とりわけ、複数のガスケット)を備える。
【0012】
特に、マイクロ流体チャネルは、0.5mm未満の等価直径を有するセクションを有するチャネルを意味する。換言すれば、マイクロ流体チャネルは、0.5mm未満の等価直径のセクションを有する少なくとも1つのセグメントを有する。
【0013】
特に、マイクロ流体チャンバーは、0.5mm未満の高さを有する。とりわけ、マイクロ流体チャンバーは、高さより大きい(より厳密には、高さの少なくとも5倍の)幅及び長さを有する。
【0014】
本テキストにおいて、粒子は、500μm未満(有利には、150μm未満、特に、最大10μm)のより大きい直径を有する血球を意味する。幾つかの非制限的な例によれば、粒子は、細胞、細胞残屑(特に、細胞片)、細胞凝集体(球状細胞塊又は腫瘍様塊等の幹細胞に由来する細胞の小クラスター等)、細菌、リポスフィア(liposphere)、マイクロスフィア(ポリスチレン及び/又は磁性)、細胞に結合したマイクロスフィアから形成されたナノスフィア(例えば、最大100nmのナノスフィア)錯体(及び、その組み合わせ)から選択される。
【0015】
有利には、粒子は細胞である。
【0016】
幾つかの非制限的な実施の形態によれば、粒子(有利には、細胞及び/又は細胞残屑)は、60μm未満のより大きい直径を有する。
【0017】
幾つかの特定の非制限的な実施の形態によれば、粒子は、腫瘍細胞、白血球(WBC)、間質細胞、精液、循環腫瘍細胞(CTC)、芽胞、胎児細胞、マイクロスフィア(マイクロビーズ)、リポソーム、エクソソーム、上皮細胞、赤芽球、栄養芽細胞、赤血球(及び、その組み合わせ)からなる群において選択される。
【0018】
粒子のサイズは、目盛りを刻んだスケールを有する顕微鏡、又は、目盛りを刻んだスケールを有するスライド(粒子がその上に付着する)とともに使用される通常の顕微鏡を用いて、標準モードで測定することができる。
【0019】
本テキストにおいて、粒子のサイズは、粒子の長さ、幅、及び深さを意味する。
【0020】
表現「実質的に選択的に(substantially selectively)」は、(典型的には移動しない)他の粒子に対する粒子の移動(又は、移動を示す他の類似の用語)を識別するために使用される。特に、移動及び/又は分離する粒子は、その大多数が1つ以上の所与のタイプである粒子である。必ずしもそうではないが有利には、実質的に選択的な移動(又は、移動及び/又は分離を示す他の同様の用語)は、単数又は複数の所与のタイプの粒子の少なくとも90%(有利には、95%)を有する粒子を移動させる。
【0021】
本テキストにおいて、表現「下流(downstream)」及び「上流(upstream)」は、流体流の及び/又は(マイクロ流体システムの入口から出口への)粒子の移動の方向を参照して解釈される。
【0022】
本発明は、本発明の実施形態の幾つかの非制限的な例を示す添付図面を参照して以降で述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明によるマイクロ流体システムの概略平面図である。
【
図2】異なる動作ステップ中の、本発明によるマイクロ流体システムの更なる実施形態の概略平面図である。
【
図3】互いに続く動作ステップにおける、
図2のシステムの概略平面図である。
【
図4】互いに続く動作ステップにおける、
図2のシステムの概略平面図である。
【
図5】互いに続く動作ステップにおける、
図2のシステムの概略平面図である。
【
図6】互いに続く動作ステップにおける、
図2のシステムの概略平面図である。
【
図7】明確にするために一部の詳細が省略されている
図2のシステムの一部を概略的に示す図である。
【
図8】拡大スケール上での
図2の一部の詳細を示す図である。
【
図9】
図2の詳細を、平面図でかつ拡大スケール上で示す図である。
【
図10】
図9の詳細のラインIX-IXに沿う断面図である。
【
図11】
図2のマイクロ流体システムの詳細の異なる実施形態を示す図である。
【
図12】
図2のマイクロ流体システムの詳細の異なる実施形態を示す図である。
【
図13】
図2のマイクロ流体システムの詳細の異なる実施形態を示す図である。
【
図14】
図2のマイクロ流体システムの詳細の異なる実施形態を示す図である。
【
図15】
図2のマイクロ流体システムの詳細の異なる実施形態を示す図である。
【
図16】
図2のマイクロ流体システムの詳細の異なる実施形態を示す図である。
【
図17】本発明によるマイクロ流体システムの更なる実施形態の一部の上面図である。
【
図18】本発明によるマイクロ流体システムの更なる実施形態の概略平面図である。
【
図19】本発明によるマイクロ流体システムの更なる実施形態の概略平面図である。
【
図20】異なる動作モードにおける
図2のマイクロ流体システムの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1において、少なくとも1つの粒子2を単離する、より厳密には、異なるタイプの他の粒子3に対して所与のタイプの粒子2を単離するマイクロ流体システムが、全体として1で示される。
【0025】
特に、粒子3は、粒子2と形態的に異なる。
【0026】
例えば、粒子3は、サイズ及び/又は重量が粒子2と異なる。
【0027】
マイクロ流体システム1は、マイクロ流体回路4を備え、マイクロ流体回路4は、更に、少なくとも1つの入口5、少なくとも1つの出口6、及び少なくとも1つのマイクロ流体チャネル7を備え、マイクロ流体チャネル7は、(入口5と出口6との間に延在し)入口5と第1の出口6とを流体接続するように設計される。システム1は、サンプルをチャネル7に沿って給送するように設計される給送アセンブリ8を更に備える。
【0028】
サンプルは、少なくとも粒子2(より厳密には、複数の粒子2)及び少なくとも1つの粒子3(より厳密には、複数の粒子3)を含む。
【0029】
特に、その(各)粒子2は、その(各)粒子3に対して異なるサイズを有する。より厳密には、その(各)粒子2は、その(各)粒子3より大きいサイズである。
【0030】
幾つかの特定の非制限的な実施形態によれば、その(各)粒子2は循環腫瘍細胞を含み(であり)、その(各)粒子3は、赤血球、リンパ球(及びその組み合わせ)からなる群において選択される。
【0031】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、給送アセンブリ8は、サンプルをマイクロ流体回路に給送する給送デバイス9、及び、洗浄流体(特に、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)等の緩衝液を含む)を、チャネル7を通し、出口6に向けて(を通して)(マイクロ流体回路の外に)給送する洗浄デバイス10を備える。
【0032】
特に、給送デバイス9は、リザーバー11(サンプルを収容するように設計される)及びアクチュエーター12、より厳密にはポンプ(更により厳密にはシリンジポンプ)を備える。
【0033】
特に、洗浄デバイス10は、リザーバー13(洗浄液を収容するように設計される)及びアクチュエーター14、より厳密にはポンプ(更により厳密にはシリンジポンプ)を備える。
【0034】
図2を特に参照すると、必ずしもそうではないが有利には、システム1(より厳密には、マイクロ流体回路4)は、複数のマイクロ流体チャネル7を備える。
【0035】
その(各)チャネル7は、少なくとも1つの(それぞれの)セグメント15、セグメント15の下流に配置される少なくとも1つの(それぞれの)セグメント16、及びセグメント16の下流に配置される少なくとも1つのセグメント17を備える。
【0036】
システム1(特に、チャネル7)は捕捉システムを更に備え、捕捉システムは、(特に、セグメント16に配置され、)特に、粒子3(少なくともセグメント17に達する)を通過させながら、マイクロ流体チャネル7内に(特に、第2のセグメント16において)粒子2を捕捉するように設計される。
【0037】
換言すれば、捕捉システムは、特に、粒子3(少なくともセグメント17に達する)を通過させながら、粒子2がマイクロ流体チャネル7から(特に、第2のセグメント16から)漏出する(出る)ことを防止するように設計(構成)される。
【0038】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、捕捉システムは、第2のセグメント16であって、第1の粒子2を捕捉するように設計されるセグメント16の渦を、マイクロ流体チャネル7を通って流れる流体流それ自身の結果として生成するように形作られる、第2のセグメント16、セグメント16において誘電泳動力を加えるように設計されるデバイス、セグメント16において磁力を加えるように設計されるデバイス(及びその組み合わせ)からなる群において選択される。
【0039】
必ずしもそうではないが有利には、その(各)セグメント15は内側断面を有し、その(各)セグメント16は、セグメント15の内側断面に対して、突然の増加AI、特に、少なくとも約80μmの等価直径の突然の増加(
図9及び
図14)を有する内側断面を有する。その(各)セグメント17は、セグメント16の内側断面より小さい内側断面を有する。
【0040】
必ずしもそうではないが有利には、その(各)チャネル7は、連続して配置された複数のセグメント16を備える。より厳密には、これらの場合、1つ以上のセグメント17は、セグメント15の機能を実施することもできる(セグメント16の下流と上流との両方に配置される)。
【0041】
特に、サイズ増加AIは、約80μm~約800μm(より厳密には、最大400μm、更により厳密には、最大100μm)に及ぶ。
図9及び
図10において、チャネル7の両側で増加AIが存在することが留意されるべきである。
【0042】
典型的には、セグメント15及び17は、それぞれが互いに独立に、20μm~200μmのそれぞれの幅W及びWAを有する。
【0043】
必ずしもそうではないが有利には、セグメント(各セグメント)15及び17は、20μmより長い長さLを有する。
【0044】
幾つかの好ましい実施形態によれば、その(各)拡張セグメント16は、約200μm~約2mmに及ぶ長さLLを有する。
【0045】
これは、特にセグメント15の内部での粒子の配置が改善されることを可能にする。
【0046】
必ずしもそうではないが有利には、チャネル7(特に、セグメント15、16、及び17)は、20μm~500μmに及ぶ高さHを有する。
【0047】
この点に関して、粒子2及び3がセグメント15に沿って搬送されている間に、2つの力が粒子2及び3に作用する(
図8のビューA)ため、各粒子2及び3が、2つの力が互いに相殺される、各粒子とチャネル7の壁との間の距離として規定される、それぞれの平衡位置X
eq(
図8のビューB)に達することが留意されるべきである。
【0048】
2つの力は、粒子2及び3に作用し、チャネル7の壁に向けて粒子2及び3を押すせん断勾配リフト力(shear gradient lift force)FL、及び、粒子2及び3をチャネル7の壁から離す壁効果リフト力(wall effect lift force)FLWである。
【0049】
少なくとも1つの渦(
図8、ビューCに示す場合、2つの渦)は、拡張セグメント16内で生成され、より大きいサイズの粒子2は、より大きい力F
L(力F
Lは、粒子の直径の3乗にほぼ比例する)を受け、渦によって捕捉され、一方、より小さいサイズの粒子3は、セグメント16をより容易に通過し、セグメント17に達する。
【0050】
必ずしもそうではないが有利には、セグメント15、16、及び17は、平行四辺形(parallelogram)の形状(付加的に又は代替的に、四辺形(quadrilateral)の形状(
図10))を実質的に有するそれぞれの断面を有する。
【0051】
構成詳細、動作、及び、その(各)チャネル7(及びマイクロ流体回路4)の異なる実施形態は、特許文献1により詳細に記載される。
【0052】
有利には、システム1はまた、洗浄デバイス10の(より厳密には、アクチュエーター14の)、及び、給送デバイス9の(より厳密には、アクチュエーター12の)動作を調整するように設計された(それ自体知られているタイプで、示されない)制御ユニットを備える。特に、使用時、制御ユニットは、その(各)チャネル7に沿って流れる流体流が(上記の単数/複数の渦を得るために)所望の値に(およそ所望の値に)維持され、(マイクロ流体回路4に給送されるサンプルを使い尽くした)給送デバイスが徐々にスローダウンするにつれて、洗浄デバイス10(より厳密には、アクチュエーター14)をより高い程度で動作させることを保証することができる。
【0053】
図11~
図17によりよく示すように、チャネル7(より厳密には、単数/複数の拡張セグメント16)は、異なる形状を有することができる。
【0054】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、セグメント16は一方の側のみで幅広化する。これらの場合、必ずしもそうではないが有利には、後続のセグメント16は、(セグメント15及び17に関して(
図17))反対側に交互に配置される。これは、粒子2の捕捉能力が増加することを可能にする。さらに、こうして、隣接するチャネル7のセグメント16は互いに交互に配列することができ、チャネル7は、互いから制限された距離に配置することができ、全体寸法を低減する。
【0055】
幾つかの実施形態によれば、セグメント16は、実質的に平行六面体の四辺形(parallelepiped quadrilateral)(
図1~
図9、
図14、及び
図17、特に、実質的に長方形)、実質的に台形(
図11及び
図15)、実質的に三角形(
図12)、実質的に半円(
図13)(及び、その組み合わせ)からなる群において選択される形状を有する、チャネル7の主伸長部から突出する幅広化エリア18を備える。
図1~
図8及び
図16の実施形態は、2つの幅広化エリア18を有する。
【0056】
必ずしもそうではないが有利には、セグメント16(より厳密には、幅広化エリア18)は少なくとも1つの後表面19によって境界を定められ、その後表面19は、セグメント15の端部に配置され(マイクロ流体チャネル7を横断し)、チャネル7に沿う流体の給送方向D(換言すれば、セグメント15に沿う粒子2及び3の運動方向D)に対して、少なくとも45度の傾斜を有する(特に、実質的に垂直である)。特に、方向Dはまた、チャネル7の長手方向伸長部の方向である。
【0057】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、チャネル7は、セグメント17の起始部に配置された前表面20を有し、前表面20は、セグメント16の境界を定め(より厳密には、幅広化エリア18の境界を定め)(マイクロ流体チャネル7を横断し)、方向Dに対して或る傾斜を有する。例えば、表面20は、方向Dに対してほんのわずかに傾斜することができ、セグメント15の幅へ徐々に戻ることを可能にする。代替的に、表面20が存在せず、この場合、セグメント17はセグメント15より広い幅を有する。
【0058】
図11に示す実施形態によれば、表面19は、90度よりほんの少し小さい(流体の給送方向に対する)傾斜を有する(図に示す角度θは45度であり、比較を可能にする)。
【0059】
幾つかの非制限的な実施形態(
図16に示す実施形態等)によれば、表面19は湾曲する。
【0060】
図16の場合、表面19は、方向Dから徐々に逸れ始める。この場合、表面19の異なる地点でとられる種々の接線は、互いに更に著しく異なる角度を有する。例えば、表面19の初期エリアにおいて、接線は、θ’であり45度未満の比較的に小さい角度を有する。しかしながら、表面19の端部に向かって移動すると、角度θ’’は、広くかつ45度より大きい。
【0061】
表面19が湾曲するか又は不連続である場合(
図16の変形の場合のように)、後表面19の傾斜は、表面19の全長に沿う方向Dに対する角度の平均から得られる平均角度であると考えられる。
【0062】
幾つかの非制限的な実施形態(
図2~
図6)によれば、マイクロ流体回路4は、給送アセンブリ8と単数/複数のチャネル7との間に配置された接続部21(多岐管)を備える。接続部21(多岐管)は、サンプル及び/又は洗浄流体が全てのチャネル7に搬送されることを可能にする。とりわけ、接続部21は、単数/複数のチャネル7の単数/複数の初期端部に配置される。
【0063】
特に、マイクロ流体回路4はまた、全てのチャネル7を出口6に流体接続するために、チャネル7の下流に、より厳密には、チャネル7と出口6との間に配置される接続部22を備える。使用時、接続部22は、チャネル7を通過する流体が、出口6を通ってマイクロ流体回路4から出ることを可能にする。とりわけ、接続部22は、単数/複数のチャネル7の単数/複数の終端側端部に配置される。
【0064】
接続部22が、単数/複数のセグメント17の一部であるか又は単数/複数のセグメント17を形成すると考えることもできることが留意されるべきである。
【0065】
必ずしもそうではないが有利には、システム1は、マイクロ流体チャネル7に流体接続され、マイクロ流体チャネル7の下流に配置された収集エリア25を備える。
【0066】
システム1は、セグメント16の下流に(より厳密には、セグメント16の下流のエリア内で、特に、チャネル7から収集エリア25まで)所与の経路Pの少なくとも1つの部分に沿って(特に、セグメント16から、すなわち、セグメント16から始まって、より厳密には、セグメント16から外に)、その(各)粒子2それ自身を(実質的に選択的に、特に、単数/複数の粒子3に対して)移動させるために、(特に、粒子2に移動を伝える、流体に対して加えられる力なしで)所与のタイプのその(各)粒子2に対して(選択的)力を直接加えるように設計される移動デバイス26を更に備える。
【0067】
特に、換言すれば、移動デバイス26は、所与の経路Pの少なくとも1つの部分に沿って、セグメント16から(すなわち、セグメント16の内部から)、その(各)粒子2それ自身を移動させるために、所与のタイプのその(各)粒子2に対して(選択的)力を直接加えるように設計される。
【0068】
特に、経路Pは、セグメント16の下流に(とりわけ、更なる出口27に向かって)、特に、セグメント16から(すなわち、セグメント16の内部から)、マイクロ流体回路4の一部(少なくとも一部)の内部で(より厳密には、一部(少なくとも一部)に沿って)(マイクロ流体システム1の内部で)延在する。必ずしもそうではないがより厳密には、経路Pは、セグメント16から(すなわち、セグメント16の内部から)収集エリア25まで延在する。
【0069】
必ずしもそうではないが有利には、システム1は、マイクロ流体回路4の更なる出口27、及び、その(各)粒子2を収集エリア25から出口27を通してマイクロ流体回路4から外に搬送するように設計される搬送アセンブリ28を備える。
【0070】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、収集エリア25は、単数/複数のチャネル3及び出口27を流体連通状態にするように設計される。
【0071】
必ずしもそうではないが有利には、収集エリア25は、互いに(及びチャネル7に)流体接続された待機エリア29及び回収エリア30を備える。エリア30は、出口27に対して流体的に、特に直接(すなわち、他の要素の介在なしで)接続される。特に、エリア30は、エリア29を、出口27と流体連通状態にする(より厳密には、出口27とエリア29との間に配置される)。
【0072】
更に詳細には、マイクロ流体回路4は、収集エリア25、特に、エリア30と出口27との間に介在する出口ダクト31を備える。
【0073】
特定の非制限的な実施形態(
図2~
図6に示す実施形態等)によれば、エリア29及び30は、それぞれ待機チャンバー及び回収チャンバーであり、待機チャンバーの(及び/又は回収チャンバーの)少なくとも1つの部分の断面より小さい断面を有する少なくとも1つの接続チャネルによって、チャネル7に(及び互いに)接続される。
【0074】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、マイクロ流体回路4は、待機エリア29に配置された更なる出口32を備える。より厳密には、エリア29は、エリア30と出口32とを流体接続する(出口32とエリア30及び/又はチャネル7との間に配置される)。特に、マイクロ流体回路はまた、エリア29と出口32との間に配置され、エリア29を出口32に流体接続するダクト33を備える。
【0075】
特に、システム1(より厳密には、搬送アセンブリ28)は、収集エリア25に流体接続され、洗浄液、特に、緩衝液を収容する(及び収納する)ように設計される洗浄液のリザーバー34を更に備える。
【0076】
より詳細には、リザーバー34は、待機エリア29と回収エリア30との間に介在する収集エリア25の給送エリア35に接続される。リザーバー34は、特に、給送ダクトを備える。
【0077】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、システム1(特に、搬送アセンブリ28)は、洗浄液をリザーバー34から収集エリア25まで(特に、エリア35を通して)送るように設計される圧力手段36(より厳密には、ポンプ及び/又は加圧ガスのタンク)を備える。
【0078】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、システム1(より厳密には、移動デバイス26)は、マイクロ流体回路4の少なくとも一部、特に、少なくともチャネル7(チャネル7の一部)の、とりわけ、少なくともセグメント16(セグメント16の一部)の画像を取り込む検出デバイス(図示せず、それ自体知られている)を備える。
【0079】
付加的に又は代替的に、検出デバイスは、少なくとも所与の経路P(所与の経路Pの一部)の、特に、少なくともセグメント16(セグメント16の一部)の、及び、少なくとも収集エリア25(収集エリア25の一部)の画像を取り込むように設計される。
【0080】
必ずしもそうではないが有利には、検出デバイスは、マイクロ流体回路4の少なくとも一部内に存在する単一粒子2及び/又は3のタイプ及び配置を検出するために、蛍光画像及び/又は明視野画像を得るように設計された光学顕微鏡を備える装置を備える。特に、顕微鏡を備える装置は、粒子2及び/3がそれを用いてマーク付けされる選択的蛍光マーカーを励起し、受信される蛍光信号に基づいてマイクロ流体回路内のマーク付けされた粒子2及び/又は3の位置を検出するように構成される。
【0081】
幾つかの好ましいが、非制限的な実施形態によれば、検出デバイスは、粒子2及び3が同じサイズを有する場合でも、(特に、1つ以上の形態及び/又は蛍光特徴、例えば、カラー及び/又は形状に基づいて)粒子2と粒子3とを区別することができる。
【0082】
特に(
図5)、移動デバイス26は、収集エリア25(特に、待機エリア29)に達するまで、選択的に単数/複数の粒子3に対して単数/複数の粒子2を移動させるために、単数/複数の粒子2に対して力を(直接)加えるように設計される。
【0083】
特に、移動デバイス26は、移動デバイス26の(より厳密には、移動デバイス26のアクチュエーター、例えば、電極の)動作を、検出デバイスによって検出されるものの関数として調節するように設計される制御デバイス(示さず)を備える。
【0084】
必ずしもそうではないが有利には、制御デバイスは、システム1の上記で述べた制御ユニットの一部である(又は、制御ユニットに接続される)。
【0085】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、移動デバイス26は、その(各)粒子2それ自身を収集エリア25(特に待機エリア29)まで移動させるために、その(各)粒子2に対して(他の粒子3及び/又は2に対する)選択的力を加えるように設計される。
【0086】
1つ以上の粒子に対する選択的力は、1つ以上の他の粒子に対するのではなく、この/これらの単数/複数の粒子に対して加えられる力を意味する。
【0087】
必ずしもそうではないが有利には、移動デバイス26は、他の粒子3に対して独立に、(少なくとも)粒子2を移動させるように設計される。
【0088】
こうして、粒子2の群を、収集エリア25(より厳密には、待機エリア29)で(その内部で)生成することができる。
【0089】
必ずしもそうではないが有利には、移動デバイス26は、(他の単数/複数の粒子に対して)回収エリア30に選択的に達するまで、粒子2を移動させるために、収集エリア25内に(特に、待機エリア29内に)配置された粒子2の群のうちの1つの(各)粒子2に対して力を(直接)加えるように設計される。
【0090】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、移動デバイス26は、その(各)粒子2それ自身を待機エリア29から回収エリア30まで移動させるために、その(各)粒子2に対して(他の粒子3及び/又は2に対する)選択的力を加えるように設計される。
【0091】
必ずしもそうではないが有利には、移動デバイス26は、進行波(travelling wave)、熱流、電熱流によって生成される局所的流体移動、電気流体力学的力(electro-hydrodynamic force)によって生成される局所的流体移動、誘電泳動、光ピンセット(optical tweezer)、光電子ピンセット(opto-electronic tweezer)、光誘起式誘電泳動、磁気泳動(magnetophoresis)、音響泳動(及びその組み合わせ)からなる群において選択される粒子移動システムを含む。
【0092】
とりわけ、移動デバイス26は、誘電泳動、光ピンセット、磁気泳動、音響泳動(及びその組み合わせ)からなる群において選択される粒子移動システムを含む。
【0093】
特定の非制限的な実施形態によれば、システム1(より厳密には、移動デバイス26)は、特許出願国際公開第0069565号、国際公開第2007010367号、国際公開第2007049120号の少なくとも1つの特許出願に記載されるような誘電泳動ユニット(又はシステム)を備え、その内容は、完全な説明を提供するために引用することにより完全に本明細書の一部をなす。特に、移動デバイス26は、誘電泳動ユニット(又はシステム)の一部を含む。とりわけ、移動デバイス26は、国際公開第2010/106434号及び国際公開第2012/085884号によって公開された特許出願の説明に従って動作する。
【0094】
必ずしもそうではないが有利には、システム1は、単数/複数のチャネル7の上流に、より厳密には、給送アセンブリ8と単数/複数のチャネル7との間に(特に、給送アセンブリ8と接続部21との間に)配置される流量調節器37(弁)を備える。
【0095】
必ずしもそうではないが有利には、システム1は、単数/複数のチャネル7の下流に、より厳密には、単数/複数のチャネル7と出口6との間に(特に、接続部22と出口6との間に)配置される流量調節器38(弁)を備える。
【0096】
必ずしもそうではないが有利には、システム1は、回収エリア30の下流に、より厳密には、収集エリア25と出口27との間に(特に、回収エリア30と出口27との間に、とりわけ、出口ダクト31に沿って)配置される流量調節器39(弁)を備える。
【0097】
必ずしもそうではないが有利には、システム1(特に、搬送アセンブリ28)は、給送エリア35とリザーバー34との間に(及び、給送エリア35と圧力手段36との間に)配置される流量調節器40(弁)を備える。
【0098】
必ずしもそうではないが有利には、システム1は、待機エリア29の下流に、より厳密には、収集エリア25と出口32との間に(特に、待機エリア29と出口32との間に、とりわけ、ダクト33に沿って)配置される流量調節器41(弁)を備える。
【0099】
特に、流量調節器37~41は、流量調節器37~41それら自身の動作を調節するように設計される制御ユニット(より詳細に上記で述べた)に接続される。より厳密には、制御ユニットは、給送アセンブリ8が動作し、サンプル及び/又は洗浄流体が給送アセンブリ8それ自身から出口6に向けて搬送される間に、流量調節器37及び38を開放状態に(そして、好ましくは、流量調節器39、40、及び41を閉鎖状態に)維持するように設計される。
【0100】
必ずしもそうではないが有利には、制御ユニットは、給送デバイス26が単数/複数の粒子を単数/複数のチャネル7から収集エリア25まで運ぶ間、流量調節器37~41を閉鎖状態に維持するように設計される。こうして、マイクロ流体回路内に存在する流体(液体)の摂動のリスクが収集エリアへの単数/複数の粒子2の正しい移送をより難しくすることを低減する。
【0101】
必ずしもそうではないが有利には、制御ユニットは、移動デバイス26が単数/複数の粒子2を待機エリア29から回収エリア30まで個々に移動させている間、流量調節器39、40、及び41(及び、有利には、同様に37及び38)を閉鎖状態に維持するように設計される。特に、粒子2がエリア30内にあるとき、制御ユニットは(これに関しては、検出デバイスによって何が検出されたかに基づいて)、洗浄液をリザーバー34から出口27まで行かせ、その結果、回収エリア30内に存在する単数/複数の粒子2を出口27それ自身まで搬送するために流量調節器40及び39を開放するように設計される。
【0102】
特に
図18を参照すると、幾つかの非制限的な実施形態によれば、収集エリア25は接続部22に対応する。特に、これらの場合、マイクロ流体回路4は単一出口6を有する(単一出口6を通して、使用時、単数/複数の粒子3及び単数/複数の粒子2がともにマイクロ流体回路4から送出される)。とりわけ、これらの場合、使用時、粒子2は、洗浄デバイス10を動作させながら、マイクロ流体回路4から吐出される。
【0103】
特に
図19を参照すると、幾つかの非制限的な動作モードによれば、サンプルは、少なくとも1つの更なる粒子2’(特に、複数の更なる粒子2’)を含む。粒子2’は(例えば、サイズ及び/又は重量が)粒子2と異なる。とりわけ、粒子2’は粒子2と形態的に異なる。
【0104】
特に、粒子2’は(例えば、サイズ及び/又は重量が)粒子3と異なる。とりわけ、粒子2’は粒子3と形態的に異なる。
【0105】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、マイクロ流体チャネル7は、セグメント16の下流に配置される少なくとも1つのセグメント16’を備える。これらの場合、捕捉システム1は、単数/複数の粒子3及び単数/複数の粒子2’を通過させながら、単数/複数の粒子2をセグメント16内に捕捉し、単数/複数の粒子3を通過させながら、単数/複数の粒子2’を第4のセグメント16’内に捕捉するように構成される。
【0106】
こうして、幾つかのタイプの異なる粒子を少なくとも部分的に単離する(したがって、とりわけ、以下でより詳細に述べる選択ステップを簡略化する)ことが可能である。
【0107】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、捕捉システムは、(セグメント16に関連して上記で示したものに加えて)粒子2’を捕捉するように設計されるセグメント16’の渦を、マイクロ流体チャネル7を通って流れる流体流それ自身の結果として生成するように形作られるセグメント16’、セグメント16’において誘電泳動力を加えるように設計されるデバイス、及びセグメント16’において磁力を加えるように設計されるデバイス(及びその組み合わせ)からなる群において選択される。
【0108】
特に、セグメント16’はセグメント17に沿って配置される。
【0109】
必ずしもそうではないが有利には、その(各)セグメント17は、(セグメント16の下流でかつセグメント16’の上流に)内側断面を有し、その(各)セグメント16’は、セグメント17(セグメント16’の上流の)の内側断面に対して、特に少なくとも約80μmの突然の増加AIを有する内側断面を有する。その(各)セグメント17は、セグメント16’の内側断面より小さい内側断面を、セグメント16’の下流に有する。
【0110】
例えば、捕捉システムは、セグメント16’に配置され、粒子2’を捕捉するように設計される渦を、マイクロ流体チャネル7を通って流れる流体流それ自身の結果として生成するように形作られるセグメント16’を備える。
【0111】
必ずしもそうではないが有利には、単数/複数のセグメント16’は、単数/複数のセグメント16の内側断面と異なる内側断面を有する。
【0112】
本発明の一態様によれば、特に上述されたような、マイクロ流体システム1によって、所与のタイプの少なくとも1つの粒子2を単離する方法も提供される。
【0113】
方法は、給送ステップ(
図3)を含み、給送ステップ中に、給送アセンブリ8は、単数/複数の粒子2及び粒子2と異なるタイプの少なくとも1つの粒子3を含むサンプルを、入口5から出口6までマイクロ流体チャネル7に沿って(特に、マイクロ流体チャネルを通って)給送する。
【0114】
特に、サンプルはまた、粒子2及び3がその中で分散(懸濁)する流体(例えば、緩衝液)を含む(主に流体(例えば、緩衝液)からなる)。
【0115】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、流体は、単数/複数の粒子2及び単数/複数の粒子3がその中で分散する実質的に液体ベースを備える(である)。
【0116】
方法は、捕捉ステップ(給送ステップと実質的に同時である)であって、捕捉ステップ中に、単数/複数の粒子2はチャネル7内に(特に、セグメント16内に)捕捉され、少なくとも1つの粒子3はセグメント16を通過し、少なくともセグメント17に達する(特に、チャネル7を通過する)、捕捉ステップと、選択ステップ(
図5)であって、選択ステップは捕捉ステップに続き、選択ステップ中に、移動デバイス26は、粒子2に対して(他の何か、例えば、粒子がその中で懸濁される流体(流体は粒子2に移動を伝える)に力が加えられることなく)力を直接加える、選択ステップとを更に含む。
【0117】
換言すれば、捕捉ステップ中に、特に、粒子3を通過させながら(粒子3は少なくともセグメント17に達する)、粒子2がマイクロ流体チャネル7から(特に、第2のセグメント16から)漏出する(出る)ことを防止する。
【0118】
必ずしもそうではないが有利には、方法は、調整ステップを含み、調整ステップ中に、サンプルの温度は、流体の(より厳密には、液体ベースの)粘度を調整(変更)するために修正される。
【0119】
こうして、各セグメント16の内部で形成される渦のパラメーター、したがって、セグメント16内に捕捉される粒子2のサイズ/重量を調整することが可能であることが実験的に観測された。
【0120】
特に、システム1は、(特に、サンプルがチャネル7に沿って配置されるときに)サンプルの温度を修正する(それ自体知られているタイプで、示されない)加熱/冷却デバイスを備える。
【0121】
図20を特に参照すると、幾つかの非制限的な実施形態によれば、サンプルは少なくとも1つの粒子3’を含む。
【0122】
粒子3’は(例えば、サイズ及び/又は重量が)粒子2と異なる。とりわけ、粒子3’は粒子2と形態的に異なる。
【0123】
特に、粒子3’は(例えば、サイズ及び/又は重量が)粒子3と異なる。とりわけ、粒子3’は粒子3と形態的に異なる。
【0124】
これらの場合、捕捉ステップ中に、単数/複数の粒子3’(単数/複数の粒子3’の少なくとも一部)は第2のセグメント16内に捕捉される。選択ステップ中に、移動デバイス26は、セグメント16から(すなわち、セグメント16の内部から)第2のセグメント16それ自身の下流に、所与の経路Pの少なくとも部分に沿って、単数/複数の粒子3’に対して単数/複数の粒子2を実質的に選択的に移動させるために、単数/複数の粒子2に対して上記力を直接加える。
【0125】
必ずしもそうではないが有利には、移動デバイス26は、セグメント16から(セグメント16から外に)第2のセグメント16それ自身の下流に(下流の或るエリア内で)、所与の経路Pの少なくとも1つの部分に沿って、マイクロ流体チャネル7の更なる内容物(その少なくとも一部)に対して単数/複数の粒子2を実質的に選択的に移動させるために、単数/複数の粒子2に対して力を直接加える。
【0126】
特に、マイクロ流体チャネル7の更なる内容物は、粒子3(及び粒子2)並びに単数/複数の粒子3(及びおそらくは粒子3’)がその中で分散(懸濁)する流体を含む。
【0127】
必ずしもそうではないがより厳密には、移動デバイス26は、セグメント16から(セグメント16から外に)、特に、セグメント16の下流に(下流の或るエリア内で)、所与の経路Pの少なくとも1つの部分に沿って、単数/複数の粒子2を実質的に選択的に(特に、マイクロ流体チャネル7の更なる内容物の少なくとも一部に対して、とりわけ、単数/複数の粒子3に対して)移動させる。
【0128】
必ずしもそうではないが有利には、選択ステップ中に、移動デバイス26は、チャネル7から(特に、セグメント16から)収集エリア25まで(特に、セグメント17を通して)単数/複数の粒子2を実質的に選択的に(特に、粒子3に対して)移動させる。
【0129】
代替的に又は付加的に、選択ステップ中に、移動デバイス26は、セグメント16から(セグメント16から外に)(チャネル7内で、特に、セグメント17まで)単数/複数の粒子2を実質的に選択的に(特に、粒子3に対して)移動させる。これらの場合、方法は、必ずしもそうではないが有利には、収集ステップを含み、収集ステップは選択ステップに少なくとも部分的に続き、収集ステップ中に、(洗浄)液は、単数/複数の粒子2をマイクロ流体回路4から外に(特に、出口6を通して)運ぶために、マイクロ流体チャネル7を通して(特に、給送アセンブリ8から)搬送される。
【0130】
特に、収集ステップ中に、液体の速度は、単数/複数の粒子2が、チャネル7内で(特に、セグメント16内で)もう一度捕捉されないように(又は依然として捕捉されたままであるように)調整される(より厳密には、十分に低く維持される)。
【0131】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、方法は洗浄ステップ(
図4)を含み、洗浄ステップ中に、給送アセンブリ8は、マイクロ流体チャネル7を通して洗浄液を搬送するため、粒子3は、所与の経路Pから外に、特に、出口6を通して運ばれ、一方、粒子2は、セグメント16内に維持される(渦によって捕捉される)。
【0132】
(上述した)収集ステップが設けられる場合、洗浄ステップは、収集ステップの(少なくとも部分的に)前である。
【0133】
特に、選択ステップは、洗浄ステップに(少なくとも部分的に)続く。
【0134】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、洗浄ステップは、捕捉ステップに(少なくとも部分的に)続く。
【0135】
特に、洗浄ステップは、捕捉ステップと(少なくとも部分的に)同時である。
【0136】
特に、洗浄ステップは、給送ステップと同時である、及び/又はそれに続く。
【0137】
必ずしもそうではないが有利には、洗浄ステップは、給送ステップと(少なくとも部分的に)同時である。
【0138】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、単数/複数の粒子2は、セグメント16内で生成される渦、セグメント16に対して加えられる誘電泳動力(特に、これらの場合、誘電泳動力、沈降作用、及び流体力学的リフトの組み合わせが粒子2に加えられる)、セグメント16に対して加えられる磁力(例えば、これらの場合、粒子2は、特異的抗体とともに磁気ビーズに結合した細胞を含む)(及びその組み合わせ)からなる群において選択される捕捉システムによって捕捉される。
【0139】
必ずしもそうではないが有利には、捕捉ステップ中に、単数/複数の粒子2は、拡張セグメント16内で生成される渦(又はセグメント16内で生成される複数の渦)によって(又は、セグメント16内で生成される複数の渦によって)捕捉される。特に、これらの場合、捕捉ステップ中に少なくとも1つの粒子3は、セグメント16を通過し、少なくともセグメント17に達する。
【0140】
これらの場合、その(各)セグメント15は内側断面を有し、その(各)セグメント16は、セグメント15の内側断面に対して、(特に、少なくとも約80μmの、
図9及び
図14)突然の増加AIを有する内側断面を有する。特に、その(各)セグメント17は、セグメント16の内側断面より小さい内側断面を有する。とりわけ、サイズ増加AIは、約80μm~約800μm(より厳密には、最大400μm、更により厳密には、最大100μm)に及ぶ。
図9及び
図10において、チャネル7の両側に増加AIが存在することが留意されるべきである。またとりわけ、セグメント15、16、及び17は、システム1を参照して上記で示したサイズを有する。
【0141】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、単数/複数の粒子2は、セグメント16に対して加えられる誘電泳動力(特に、これらの場合、誘電泳動力、沈降作用、及び流体力学的リフトの組み合わせが粒子2に加えられる)によって捕捉される。
【0142】
実際には、誘電泳動力が使用されるとき、粒子2と粒子3との間の選択は、粒子2及び3それら自身のサイズ/重量及び誘電特性の組み合わせに基づいて実施される。
【0143】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、単数/複数の粒子2は、セグメント16に対して加えられる磁力によって捕捉される(例えば、これらの場合、粒子2は、特異的抗体とともに磁気ビーズに結合した細胞を含む)。
【0144】
特に、磁力が加えられるとき、粒子2は磁気要素を含む(より厳密には、磁性がある)。付加的に又は代替的に、誘電泳動力が加えられるとき、第1の粒子は誘電要素を含む。
【0145】
必ずしもそうではないが有利には、選択ステップ中に、チャネル7内に存在する(より厳密には、マイクロ流体回路4内に存在する)流体(液体)(特に、粒子2及び3が挿入される流体)は移動しない(特に、この流体は実質的に静止している)。こうして、選択ステップは、より厳密かつ効率的な方法で実施される。特に(マイクロ流体回路4の内部で流体を実質的に静止状態に維持するために)、選択ステップ中に、流量調節器37及び38(及び、好ましくは、39、40、及び41)は閉鎖状態に維持される。
【0146】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、方法は回収ステップ(
図6)を含み、回収ステップ中に、単数/複数の粒子2は、収集エリア25から出口27を通って(マイクロ流体回路4から外に)搬送される。特に、回収ステップ中に、収集エリア25内に存在する流体(液体)(特に、単数/複数の粒子2がその中に配置される)は、出口27を通って単数/複数の粒子2を運ぶために移動する。
【0147】
必ずしもそうではないが有利には、選択ステップ中に、複数の粒子2は、収集エリア25内に配置された粒子2の群を得るために、収集エリア25内で移動し、特に、回収ステップ中に、粒子2は、1つずつ収集エリア25から出ていく(とりわけ、収集エリア25から、マイクロ流体回路4から外に搬送される)。換言すれば、回収ステップ中に、粒子2は、個々に(他の粒子2に対して)、収集エリア25から出ていく(とりわけ、収集エリア25から、マイクロ流体回路4から外に搬送される)。
【0148】
必ずしもそうではないが有利には、選択ステップは検出サブステップを含み、検出サブステップは、捕捉ステップに少なくとも部分的に続き、検出サブステップ中に、少なくとも単数/複数の粒子2を識別するために、第2のセグメント16の内容物に関する情報が収集され、例えば、選択ステップ中に、単数/複数の粒子2は単数/複数の粒子3(及び/又は単数/複数の粒子3’)から区別される。
【0149】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、選択ステップ中に、単数/複数の粒子2は(特に、検出デバイスによって)少なくとも1つの画像を取り込むことによって識別される(そして、単数/複数の粒子3から区別される)。より厳密には、単数/複数の粒子2は、単数/複数の粒子の可視(例えば、形態的及び/又は蛍光)特徴の1つ以上を評価することによって識別される(そして、単数/複数の粒子3から及び/又は粒子3’から及び/又は単数/複数の粒子2’から区別される)。更により厳密には、単数/複数の粒子2の(及び、単数/複数の粒子3の及び/又は粒子3’の及び/又は単数/複数の粒子2’の)少なくとも1つの可視(形態的及び/又は蛍光)特徴が取り込まれ、参照(例えば、参照画像)の少なくとも1つの可視(形態的及び/又は蛍光)特徴と比較される。例えば、1つ以上の特徴が対応する場合、単数/複数の粒子は単数/複数の粒子2として識別され、逆に、1つ以上の特徴が対応しない場合、単数/複数の粒子は粒子3(及び/又は粒子3’及び/又は粒子2’)として識別される。
【0150】
必ずしもそうではないが有利には、方法は、マーク付けステップを含み、マーク付けステップは、選択ステップの(少なくとも部分的に)前であり、マーク付けステップ中に、粒子2と第2の粒子3とのうちの一方は、選択的マーカーを用いてマーク付けされる。特に、マーク付けステップ中に、単数/複数の粒子2は、単数/複数の選択的マーカーによってマーク付けされる。幾つかの非制限的な実施形態によれば、マーク付けステップは捕捉ステップに(少なくとも部分的に)続く。
【0151】
単数/複数の選択的マーカーが、粒子2に実質的に結合し、粒子3に実質的に結合しないことが可能である単数/複数のマーカーとして意味される(又は、その逆も同様である)ことが留意されるべきである。より厳密には、単数/複数の選択的マーカーは、サンプル内に存在する任意の他の粒子に結合することが実質的にできない。
【0152】
特に、マーク付けステップ中に、単数/複数の選択的マーカーを含む液体は、マイクロ流体回路4に沿って(その一部に沿って)(特に、単数/複数のチャネル7に沿って、とりわけ、入口5から出口6まで)流れる。
【0153】
特に、粒子2及び3は、上記で示したように規定される。
【0154】
必ずしもそうではないが有利には、選択ステップ中に、単数/複数の粒子2は、進行波、熱流、電熱流によって生成される局所的流体移動、電気流体力学的力によって生成される局所的流体移動、誘電泳動、光ピンセット、光電子ピンセット、光誘起式誘電泳動、磁気泳動、音響泳動(及びその組み合わせ)からなる群において選択されるシステムによって移動する。
【0155】
とりわけ、選択ステップ中に、単数/複数の粒子2は、誘電泳動、光ピンセット、磁気泳動、音響泳動(及びその組み合わせ)からなる群において選択されるシステムによって移動する。
【0156】
幾つかの非制限的な実施形態によれば、サンプルは、複数の粒子2及び複数の粒子3を有し、マイクロ流体システム1は複数の第2のセグメントを有する。これらの場合、捕捉ステップ中に、粒子2の少なくとも一部は、セグメント16内で生成される渦によって捕捉され、粒子3の少なくとも一部は、セグメント16を通過し(そして、少なくともセグメント17に達し)、選択ステップ中に、移動デバイス26は、粒子2の少なくとも一部をセグメント16から(特に、収集エリア25まで)移動させる。特に、洗浄ステップ中に、粒子3の少なくとも一部は、出口6を通して運ばれ、一方、粒子2の少なくとも一部は、セグメント16内に維持される(渦によって捕捉される)。
【0157】
必ずしもそうではないが有利には、方法は、上述したシステム1によって実装される。
【0158】
本発明の主題は、比較的大きいサイズのサンプルから始まっても、1つ以上の所与の粒子2が、厳密かつ迅速な方法で(1つ以上の他の粒子3に対して)単離されることを意外にも可能にする。
【0159】
これに関して、本発明の主題が、予想外にも高い分離効率を得ること(高精度結果を維持すること)を可能にすることが実験的に観測されたことが留意されるべきである。
【0160】
この文脈において、捕捉ステップ及び選択ステップが協働して相乗効果をもたらすことによって重要な役割を果たすことが推定された。
【0161】
特に別段の指示がない限り、本テキストで引用される参考文献(記事、本、特許出願等)の内容は引用することにより完全に本明細書の一部をなす。特に、述べた参考文献は引用することにより本明細書の一部をなす。