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特許7551640ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及びブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む効果的な日焼け止め組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及びブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む効果的な日焼け止め組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/35 20060101AFI20240909BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240909BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240909BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
A61K8/35
A61K8/41
A61K8/49
A61Q17/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021555173
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2020056910
(87)【国際公開番号】W WO2020187762
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】19163163.9
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521037411
【氏名又は名称】ベーアーエスエフ・エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ソーン,ミリアム
(72)【発明者】
【氏名】クルス,シュタニスロー
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,マーセル
(72)【発明者】
【氏名】アッカー,ステファニー
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/003774(WO,A2)
【文献】欧州特許出願公開第03354253(EP,A2)
【文献】特開2017-149727(JP,A)
【文献】特開2018-145117(JP,A)
【文献】特開2018-135357(JP,A)
【文献】特開2015-140349(JP,A)
【文献】国際公開第2019/039548(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル);
(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン);
(iii)2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);及び
(iv)4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)及び/又は4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)
を含む日焼け止め又は日常ケア組成物であって、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン、酸化亜鉛及び以下の構造:
【化1】

[式中、
R1はメチル、エチル、プロピル又はn-ブチルであり;
R1がメチルである場合、
Rは、tert-ブチル又は式
【化2】

の基、若しくは式
【化3】

の基であり、
R2及びR3は、互いに独立して水素又はメチルであり;
R4はメチル、エチル又はn-プロピルであり;
R5及びR6は、互いに独立して水素又はC1~C3-アルキルであり;
R1がエチル、プロピル又はn-ブチルである場合、
Rはイソプロピルである。]によるマロン酸ベンジリデンを含まず、
(i)を(ii)に対して0.8以上の比で含む、日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項2】
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1以上の比で含む、請求項1に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項3】
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1:1~10:1の比で含む、請求項1又は2に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項4】
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、(2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)及び4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)を含まない、請求項1から3のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項5】
パラベンを含まない、請求項1から4のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項6】
スプレー剤の形態で提供される、請求項1から5のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項7】
乳化剤を含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項8】
フェノキシエタノールを含まない、請求項1から7のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項9】
(iii)が油溶性UVフィルターであり、又は(iii)が水に分散性となるようにポリマーマトリックスに溶解した2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)である、請求項1から8のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項10】
組成物の合計重量に基づいて1重量%~10重量%の量の2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項11】
組成物の合計重量に基づいて1重量%~5重量%の量の1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項12】
組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量の2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項13】
組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量の4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項14】
組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量の4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項15】
少なくとも1種の香料を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項16】
<30mN/mの極性指数を有する少なくとも1種の皮膚軟化薬を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
【請求項17】
皮膚への砂付着を減じるための、請求項1から16のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン及び/又はジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾンを含む日焼け止め又は日常ケア組成物であって、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、トリス-ビフェニルトリアジン、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まず、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとブチルメトキシジベンゾイルメタンを0.8以上の比で含む、日焼け止め又は日常ケア組成物に関する。本発明は、皮膚への製品の塗布の後の砂付着を減じるための、前記組成物の使用に関する。さらに本発明は、敏感肌への適用のための前記組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
UV線(紫外線)は、ヒトの皮膚に悪影響を引き起こす。皮膚の日焼けという急性の影響に加えて、UV線はまた皮膚がんのリスクを増加させることも公知である。さらに、UV-A及びUV-B光への長時間の曝露は、皮膚の光毒性及び光アレルゲン性の反応を引き起こすことがあり、皮膚の老化を加速する恐れがある。
【0003】
UV線からヒトの皮膚を防御するために、UV-Aフィルター、UV-Bフィルター及び広帯域のフィルターを含む、様々な日光から防御するUVフィルター(またUV吸収剤とも称される)が存在する。これらのフィルターは日焼け止め又は化粧品組成物に添加される。UVフィルターは、有機又は無機、粒子状又は非粒子状の化合物のいずれかであり、そのすべてがUV光範囲に高度な吸収効果を有する。一般に、UV光は、UV-A線及びUV-B線に分けることができる。吸収極大の位置に応じて、UVフィルターはUV-A及びUV-Bフィルターに分けられる。UVフィルターが、UV-A及びUV-B光の両方を吸収する場合、それは広帯域の吸収剤と称される。
【0004】
2006年以来、EU委員会の勧告によれば、日焼け止め又は化粧品組成物はすべて、主としてUV-B防御を表す、表示の太陽光線保護指数(SPF)の少なくとも3分の1であるUV-A防御指数を有するべきである。
【0005】
しかしながら、日焼け止め又は化粧品組成物において使用される、先行技術において公知のUVフィルターは、ある種の不都合を有している。特に、それはナノ粒子状UVフィルターの不都合を指す。ナノ粒子状UVフィルター、特に[2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン又は酸化亜鉛は、UV-A及びUV-Bスペクトルにわたって皮膚に対して広帯域の防御を提供するが、それらはまた分散性及び皮膚の白化に関してある種の不都合を示す。したがって、そのようなUVフィルターを含む日焼け止め又は化粧品組成物は、使用者に幾つかの感覚の不都合を示し、そのため、ナノ粒子状UVフィルターを含まない日焼け止め又は化粧品組成物ほど用いられないことがある。
【0006】
さらに、ナノ粒子状UVフィルターは、透明な製剤の調製、及びスプレー剤の形態での提供に関して不都合がある。したがって、UV-A及びUV-B防御に対して効果的であるが、しかし、ナノ粒子状UVフィルターを含まず、特にナノ粒子状UVフィルター、[2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まない日焼け止め又は化粧品組成物に対する必要性がある。
【0007】
さらに、多くの日焼け止め又は化粧品組成物は、日焼け止め又は化粧品組成物に使用されることについて承認されているが、しばしば健康及び環境上の懸念により議論になっているUVフィルターを含有する。議論になっているUVフィルターは、例えばオクトクリレン、ホモサラート、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、4-メチルベンジリデンカンファー、ベンゾフェノン-3又はサリチル酸エチルヘキシルである。したがって、日光防御に効果的であるが議論になっているUVフィルターを含まない、日常使用の日焼け止め又は化粧品組成物に対して必要性がある。
【0008】
欧州特許出願公開第2 837 407 A2号は、トリアジン誘導体、二酸化チタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン及び/又はジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルから選択される1種以上のUVフィルターを含み、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、サリチル酸ホモメンチル及びメトキシ桂皮酸エチルヘキシルを含まない、匂いの安定な、オクトクリレンを含まない化粧品組成物を開示している。
【0009】
欧州特許出願公開第3 093 008 A1号は、オクトクリレンを含まず、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、及びサリチル酸エチルヘキシル及びホモサラートから選択される1種以上のサリチラートを含む日焼け止め組成物を表している。
【0010】
欧州特許出願公開第3 093 007 A1号は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、並びにサリチル酸エチルヘキシル及びホモサラートから選択される1種以上のサリチラートのUVフィルターの組合せを含み、さらにオキシベンゾン、オクトクリレン及び4-メチルベンジリデンカンファーを含まなくてよい化粧品組成物を開示している。
【0011】
欧州特許出願公開第3 093 006号はアルコールを含有し、オクトクリレンを含まない日焼け止め組成物に関する。化粧品組成物は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、及びビス-エチルヘキシルフェノールメトキシフェニルトリアジンのUVフィルターの組合せを含み、1種以上のアルコールを含む。
【0012】
欧州特許出願公開第3 195 853 A1号は、オクトクリレンを含まず、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジエチルブタミドトリアゾン及びエチルヘキシルトリアゾンのUVフィルターの組合せを含む日焼け止め組成物を開示している。
【0013】
欧州特許出願公開第3 351 236 A1号は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン及びポリグリセリン脂肪酸エステルのUVフィルターの組合せを含み、4-メチルベンジリデンカンファー、オキシベンゾン、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、p-メトキシ桂皮酸イソアミル及びオクトクリレンを含まない化粧品組成物に関する。
【0014】
国際公開第2011/003774号は、特定の群から選択される別のUVフィルターと組み合わせたUVフィルターとして特定のマロン酸ベンジリデンを含む化粧品組成物を記載している。特に、国際公開第2011/003774号は、UV線に対するヒト及び動物の毛及び皮膚の防御のための前記UVフィルターの組合せを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】欧州特許出願公開第2 837 407 A2号
【文献】欧州特許出願公開第3 093 008 A1号
【文献】欧州特許出願公開第3 093 007 A1号
【文献】欧州特許出願公開第3 093 006号
【文献】欧州特許出願公開第3 195 853 A1号
【文献】欧州特許出願公開第3 351 236 A1号
【文献】国際公開第2011/003774号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、効果的な日焼け止め又は日常ケア組成物を提供することが本発明の目的である。本発明は、製品の塗布時及び塗布後に消費者の需要を完全に満たす、効果的な日焼け止め又は日常ケア組成物を提供することを別の目的としている。これに関係して、本発明は、ある種のナノ粒子状UVフィルターを含まない、日焼け止め又は日常ケア組成物を提供することを別の目的としている。本発明は、敏感肌に適用するために日焼け止め又は日常ケア製品に使用するのに適切である日焼け止め又は日常ケア組成物を提供することを別の目的としている。本発明は、皮膚への砂付着を減じるために日焼け止め又は日常ケア製品に使用するのに適切である日焼け止め又は日常ケア組成物を提供することを別の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
驚いたことに、これらの目的の少なくとも1つは、本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物によって達成することができることが見いだされた。
【0018】
特に、本出願の発明者らは、本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物は、効果的なUV-A及びUV-B防御を提供するが、それにもかかわらず、組成物はある種のナノ粒子状UVフィルターを含まないことを見いだした。さらに、驚いたことに、本出願の本発明者らは、本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物は、光安定で、敏感肌に適用可能であり、皮膚に塗布された場合、砂の抗粘着性に関して優れた性能を示すことを見いだした。
【0019】
したがって、一実施形態によると、本発明は、
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル);
(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン);
(iii)2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);及び
(iv)4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)及び/又は4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)
を含む日焼け止め又は日常ケア組成物であって、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン、酸化亜鉛及び以下の好ましい構造:
【0020】
【化1】
[式中、
R1はメチル、エチル、プロピル又はn-ブチルであり;
R1がメチルである場合、
Rは、tert-ブチル又は式
【0021】
【化2】
の基、若しくは式
【0022】
【化3】
の基であり、
R2及びR3は、互いに独立して水素又はメチルであり;
R4はメチル、エチル又はn-プロピルであり;
R5及びR6は、互いに独立して水素又はC1~C3-アルキルであり;
R1がエチル、プロピル又はn-ブチルである場合、
Rはイソプロピルである。]によるマロン酸ベンジリデンを含まず、
(i)を(ii)に対して0.8以上の比で含む、日焼け止め又は日常ケア組成物に関する。
【0023】
前記組成物の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1以上の比で含む。
【0024】
前記組成物のより好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1:1~10:1の比、好ましくは1:1~5:1の比、より好ましくは1:1~2:1の比、さらにより好ましくは1:1~1.5:1の比で含む。
【0025】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、(2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)及び4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)を含まない。
【0026】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はパラベンを含まない。
【0027】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はスプレー剤の形態で提供される。
【0028】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は乳化剤を含まない。
【0029】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はフェノキシエタノールを含まない。
【0030】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物において、(iii)は油溶性UVフィルターであり、又は(iii)は水に分散性となるようにポリマーマトリックスに溶解した2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)である。
【0031】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて1重量%~10重量%の量の2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)を含む。
【0032】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて1重量%~5重量%の量の1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を含む。
【0033】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)を含む。
【0034】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)を含む。
【0035】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含む。
【0036】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は少なくとも1種の香料を含む。
【0037】
前記組成物の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、<30mN/mの極性指数を有する少なくとも1種の皮膚軟化薬を含む。
【0038】
別の態様において、本発明は、皮膚への砂付着を減じるための日焼け止め又は日常ケア組成物の使用であって、該組成物が、
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル);
(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン);
(iii)2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);及び
(iv)4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)及び/又は4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含み、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン、酸化亜鉛及び以下の好ましい構造:
【0039】
【化4】
[式中、
R1はメチル、エチル、プロピル又はn-ブチルであり;
R1がメチルである場合、
Rは、tert-ブチル又は式
【0040】
【化5】
の基、若しくは式
【0041】
【化6】
の基であり、
R2及びR3は、互いに独立して水素又はメチルであり;
R4はメチル、エチル又はn-プロピルであり;
R5及びR6は、互いに独立して水素又はC1~C3-アルキルであり;
R1がエチル、プロピル又はn-ブチルである場合、
Rはイソプロピルである。]によるマロン酸ベンジリデンを含まず、
(i)を(ii)に対して0.8以上の比で含む、使用に関する。
【0042】
前記使用の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1以上の比で含む。
【0043】
前記使用のより好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1:1~10:1の比、好ましくは1:1~5:1の比、より好ましくは1:1~2:1の比、さらにより好ましくは1:1~1.5:1の比で含む。
【0044】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、(2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)及び4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)を含まない。
【0045】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はパラベンを含まない。
【0046】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はスプレー剤の形態で提供される。
【0047】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は乳化剤を含まない。
【0048】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はフェノキシエタノールを含まない。
【0049】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物において、(iii)は油溶性UVフィルターであり、又は(iii)は水に分散性となるようにポリマーマトリックスに溶解した2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)である。
【0050】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて1重量%~10重量%の量の2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)を含む。
【0051】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて1重量%~5重量%の量の1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を含む。
【0052】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)を含む。
【0053】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)を含む。
【0054】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含む。
【0055】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は少なくとも1種の香料を含む。
【0056】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、<30mN/mの極性指数を有する少なくとも1種の皮膚軟化薬を含む。
【0057】
別の態様において、本発明は、敏感肌への適用のための日焼け止め又は日常ケア組成物の使用であって、該組成物が、
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル);
(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン);
(iii)2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);及び
(iv)4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)及び/又は4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含み、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まず、(i)を(ii)に対して0.8以上の比で含む、使用に関する。
【0058】
前記使用の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1以上の比で含む。
【0059】
前記使用のより好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1:1~10:1の比、好ましくは1:1~5:1の比、より好ましくは1:1~2:1の比、さらにより好ましくは1:1~1.5:1の比で含む。
【0060】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、(2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)及び4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)を含まない。
【0061】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はパラベンを含まない。
【0062】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はスプレー剤の形態で提供される。
【0063】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は乳化剤を含まない。
【0064】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はフェノキシエタノールを含まない。
【0065】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物において、(iii)は油溶性UVフィルターであり、又は(iii)は水に分散性となるようにポリマーマトリックスに溶解した2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)である。
【0066】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて1重量%~10重量%の量の2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)を含む。
【0067】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて1重量%~5重量%の量の1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を含む。
【0068】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)を含む。
【0069】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)を含む。
【0070】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含む。
【0071】
前記使用の別の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は香料を含む。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明の好ましい実施形態を詳細に記載する前に、本発明の理解にとって重要な定義が与えられる。
【0073】
本明細書及び添付された特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」及び「an」は、文脈が他の方法で明白に指示しない限り、またそれぞれの複数形をも含む。本発明の文脈において、用語「約」及び「およそ」は、対象となる特徴の技術的効果がなお確保されると当業者が理解する正確さの区間を表す。用語は、典型的には±20%、好ましくは±15%、より好ましくは±10%、さらにより好ましくは±5%の示された数値からの偏差を示す。用語「含む」が限定的ではないことは理解されるはずである。本発明の目的について、用語「からなる」は、用語「で構成される」の好ましい実施形態であると考えられる。以降で、群が、少なくともある数の実施形態を含むと定義される場合、これは、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群もまた包含することが意図される。
【0074】
さらに、明細書及び請求項中の用語「第1」、「第2」、「第3」又は「(i)」、「(ii)」、「(iii)」、「(iv)」などは、類似する要素間の識別に使用され、必ずしも連続する又は年代順の記載のためではない。そのように使用される用語が、適切な状況の下で互換的であること、及び、本明細書において記載の本発明の実施形態が、本明細書において記載又は説明される以外の順序で機能し得ることは理解されるはずである。
【0075】
本明細書において使用される場合、用語「含まない(free of)」は、文脈において本発明の組成物が、特定の化合物、又は総称の下で組合せ可能な化合物群を含まず、組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.8重量%を超える量の前記化合物又は化合物群を含まないことを意味する。言いかえれば、組成物は、特定の化合物又は化合物群を実質的に含まない。さらに、本発明による組成物は、0.5重量%を超える量の前記化合物又は化合物群を含まないことが好ましく、好ましくは、組成物は前記化合物又は化合物群を全く含まない。同一の定義が、用語「含まない(does not comprise)」に対して適用される。
【0076】
さらに、用語「含まない(free of)」又は「含まない(does not comprise)」が、組成物が化合物X及び化合物Yを含まない場合に、組成物が化合物XとYの両方を含まないのでなければならないことを意味することは理解されるはずである。言いかえれば、組成物は、X及びYから選択されるいずれの化合物も含有しなくてよい。
【0077】
用語「日焼け止め組成物」は、UV線のある部分を反射及び/又は吸収する任意の局所用の製品を指す。したがって、用語「日焼け止め組成物」は、日焼け止め組成物だけでなく、UV防御を提供する任意の化粧品組成物も含むと理解されるべきである。用語「局所用の製品」は、皮膚に塗布される製品を指し、例えば、スプレー剤、ローション剤、クリーム剤、油剤又はゲル剤を指すことができる。日焼け止め組成物は、1種以上の活性剤、例えば有機又は無機UVフィルター、並びに他の原料又は添加剤、例えば、乳化剤、皮膚軟化薬、粘度調節剤、安定剤、防腐剤、又は芳香剤を含んでもよい。
【0078】
用語「日常ケア組成物」は、UV線のある部分を反射又は吸収する任意の局所用の製品を指し、日々のケア製品として人体、例えば顔、身体又は毛髪に対して使用される。日常ケア組成物は、1種以上の活性剤、例えば有機又は無機UVフィルター、並びに他の原料又は添加剤、例えば、乳化剤、皮膚軟化薬、粘度調節剤、安定剤、防腐剤又は芳香剤を含んでもよい。
【0079】
本明細書において使用される場合、用語「UVフィルター」は、日光によって引き起こされるUV線を吸収及び/又は反射することができる有機又は無機化合物を指す。UVフィルターは、それらのUV防御曲線に基づいてUV-A、UV-B又は広帯域のフィルターに分類することができる。本出願の文脈においては、広帯域のフィルターは、UV-A防御も提供するため、UV-Aフィルターとして列挙されてもよい。言いかえれば、好ましいUV-Aフィルターはまた広帯域のフィルターを含む。
【0080】
水溶性UVフィルターは、少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも5重量%の水中溶解度を有する。
【0081】
油溶性UVフィルターは、一般的な化粧油剤、例えば安息香酸C12~C15アルキル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジイソプロピル、安息香酸フェネチル又は炭酸ジカプリリルに、少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも7重量%の溶解度を有する。
【0082】
粒子状UVフィルターは、有機粒子状UVフィルター及び無機粒子状UVフィルターにさらに分けることができる。有機粒子状UVフィルターは有機化合物に基づき、一方、無機粒子状UVフィルターは、無機化合物、例えば二酸化チタン及び酸化亜鉛に基づく。日焼け止め組成物において、それらの溶解度が日焼け止め組成物中、すなわちその中に含有される水及び化粧油剤中で0.01重量%未満、好ましくは0.05重量%未満であるので、粒子状UVフィルターは粒子形態で存在する。好ましくは、粒子状UVフィルターは、2000nm未満、好ましくは1000nm未満の光散乱によって求めた粒度DN50を有し、ここで、DN50は、母集団の半分がこの値の下に位置し、母集団の半分がこの値の上に位置する粒度値、すなわち粒度体積分布の中央値を指す。
【0083】
本発明の文脈において、それは明示的にナノ粒子状UVフィルターを指す。この点に関して、ナノ粒子状UVフィルターは好ましくは60nmを超えるDN50、及び90nmを超えるDN90を示す。
【0084】
2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)は、354nmに吸収極大を有する油溶性UV-Aフィルターである。ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルは、皮膚の永続的な防御のための優れた光安定性を有し、UV-A I及びUV-A II線に対する効果的な遮蔽を提供する。それは商品名Uvinul(登録商標)A Plusの下でBASFによって販売されている。
【0085】
1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)は可溶性の有機UV-Aフィルターである。それは357nmに吸収極大を有する320nm~400nmの範囲でUV-A線を吸収する。
【0086】
2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)は、優れた光安定性を有する最も効果的な油溶性広帯域UVフィルターの1つであり、皮膚の永続的な防御を提供する。それは商品名Tinosorb(登録商標)Sの下でBASFによって販売されている。Tinosorb Sは、既に低濃度で太陽光線保護指数及びUV-A防御指数に対して高度な寄与をしている。Tinosorb(登録商標)Sは、油溶性UVフィルターとすることもでき、又はポリアクリラートマトリックス中に溶解した場合、水相で適用することもできる。後者に関して、それは、商品名Tinosorb(登録商標)S Aqua又はTinosorb S Lite Aquaの下でBASFによって販売されている。
【0087】
4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)はまた低濃度でも高度な効率を有するUV-B吸収剤である。それは高度に安定なUV-Bフィルターである。エチルヘキシルトリアゾンは商品名Uvinul(登録商標)T 150の下でBASFによって販売されている。
【0088】
4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)は、280nm~320nmの範囲で吸収する可溶性の有機UV-Bフィルターである。それは310nmで吸収極大を有する。ジエチルヘキシルブタミドトリアゾンは、商品名Uvasorb HEBの下で3V Sigmaによって販売されている。
【0089】
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)は、UV-A光と同様にUV-B光も吸収する広帯域のUVフィルターである。さらに、それは、有機化合物としてUV光を吸収するが、しかしまた、典型的には、ミクロの微細有機粒子の形態で存在する粒子状UVフィルターであるので、光の一部を散乱するハイブリッドUVフィルターである。光散乱によって求められる粒度DN50は、好ましくは60nmを超え、DN90は好ましくは110nmを超える。したがって、それは、ナノ粒子状UVフィルターに分類することができる。メチレン-ビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(MBBTとも称される)はベンゾトリアゾール誘導体の群に属するUVフィルターである。それは商品名Tinosorb(登録商標)Mの下でBASFによって販売されている。
【0090】
2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)は、TBPTとも称され、トリアジン誘導体の群に属する粒子状有機UVフィルターである。それは商品名Tinosorb(登録商標)A2Bの下でBASFによって販売されている。それは、UV-AII及びUV-B範囲における防御を提供し、310nmに吸収極大を有する。好ましくは、粒子は、80nmを超えるDN50及び120nmを超えるDN90を示す。したがって、それはナノ粒子状UVフィルターに分類することができる。
【0091】
用語「パラベン」は、化粧品及び医薬組成物において使用される防腐剤のクラスを指す。それらは、殺細菌性及び殺菌性により一般に使用される。パラベンの化学構造は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン又はヘプチルパラベンなどのパラヒドロキシベンゾアート又はパラヒドロキシ安息香酸のエステルに基づく。
【0092】
用語「皮膚軟化薬」は、皮膚を防御し、湿らせて滑らかにするために使用される化粧品に関する。皮膚軟化薬という語は、軟化させるラテン語のmollireという語に由来する。一般に、皮膚軟化薬は、閉鎖的なコーティングを形成することによって皮膚からの水の蒸発を防止する。それらは、その極性指数に応じて、異なる群に分けることができる。
【0093】
用語「極性指数」は無極性又は極性の油剤を指す。無極性の油剤は主として炭化水素に基づき、電気的陰性元素、例えば酸素を欠く。対照的に、極性の油剤は電気陰性度の異なるヘテロ原子を含有し、双極子モーメントをもたらす。しかしながら、そのような油剤は、水になお不溶性であり、すなわち疎水性である。極性指数は、それぞれの油剤と水の間の界面張力の測定により求めることができる。
【0094】
用語「安息香酸C12~C15アルキル」は、C12~C15アルキル鎖を含有する脂肪族アルコールとの安息香酸のエステルを指す。C12~C15アルキル鎖は、C12、C13、C14又はC15鎖長を有するアルキル鎖として定義される。
【0095】
本明細書において使用される場合、用語「アルキル」は、各事例において通常1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、さらにより好ましくは1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基を表す。例示的なアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル及び2,2-ジメチルプロピルを含む。メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルが特に好ましい。
【0096】
本明細書において使用される場合、用語「~に分散性」は、ある種の化合物が水相又は油相それぞれに可溶ではないが、それぞれの相に細かく分散されることを示す。
【0097】
本明細書において使用される場合、用語「ポリマーマトリックス」は、分子、例えば種々の有機化合物を捕捉する、包囲する、又はさらに溶解するようにグループ化された多数のポリマー鎖からなるマトリックスを対象とする。
【0098】
用語「敏感肌」は、本来のバリア機能が弱くなっており、ある誘因により傷んでいる皮膚を指す。誘因は、例えば低温の天候、非常に高温の水、多くの場合日焼け止め又は日常ケア組成物中に含まれている乳化剤又は防腐剤であり得る。
【0099】
本明細書において使用される場合、用語「太陽光線保護指数」(SPF)は、皮膚がどれほどよく日焼け止め組成物によって主としてUV-B線から防御されるのかを示す。特に、この指数は、防御された皮膚が、未処理の皮膚と比較して日焼けすることなくどれくらい長く日光に曝され得るかを示す。例えば15のSPFを有する日焼け止め組成物が、日光で10分後に通常日焼けする人の皮膚に均一に塗布された場合、その日焼け止めは、当業者が15倍長く日光中にとどまることを可能にする。言いかえれば、SPF 15は、日焼け止めが1平方センチメートル当たり2ミリグラム(mg/cm2)の厚さ用量で均一に塗布されると仮定して、強烈なUV線の1/15が皮膚に達するということを意味する。
【0100】
「広帯域」の防御(また広域スペクトル又は広範な防御とも称される)の定義は、「臨界波長」に基づく。広帯域の範囲については、UV-B及びUV-A防御が提供されなければならない。米国の要件によると、少なくとも370nmの臨界波長が広域スペクトル防御の達成に対して必要になる。さらに、欧州委員会は、日焼け止め又は化粧品組成物はすべて、表示の太陽光線保護指数(SPF)の少なくとも3分の1であるUV-A防御指数を有するべきであることを推奨し、例えば、日焼け止め組成物が30のSPFを有する場合、UVA防御指数は少なくとも10でなければならない。
【0101】
用語「適用」は、人の皮膚への日焼け止め又は日常ケア組成物の塗布を指す。
【0102】
本出願による日焼け止め又は日常ケア組成物、及び前記組成物の使用に関する好ましい実施形態が以下に記載される。本発明の好ましい実施形態は、好ましくは単独で又は互いに組み合わせられることは理解されるはずである。
【0103】
上に示したように、本発明は、一実施形態において、
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル);
(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン);
(iii)2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);及び
(iv)4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)及び/又は4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)
を含む日焼け止め又は日常ケア組成物であって、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まず、
(i)を(ii)に対して0.8以上の比で含む、日焼け止め又は日常ケア組成物に関する。
【0104】
本発明に関して、日焼け止め組成物に関する以下の好ましい実施形態が関連する。
【0105】
本発明の第1の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、
- ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
- ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及び
- エチルヘキシルトリアゾンを含み、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まない。
【0106】
本発明の第2の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、
- ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
- ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及び
- ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾンを含み、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まない。
【0107】
本発明の第3の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、
- ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
- ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
- エチルヘキシルトリアゾン、及び
- ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾンを含み、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まない。
【0108】
上記の実施形態に関して、組成物はさらに、以下の好ましい構造:
【0109】
【化7】
[式中、
R1はメチル、エチル、プロピル又はn-ブチルであり;
R1がメチルである場合、
Rは、tert-ブチル又は式
【0110】
【化8】
の基、若しくは式
【0111】
【化9】
の基であり、
R2及びR3は、互いに独立して水素又はメチルであり;
R4はメチル、エチル又はn-プロピルであり;
R5及びR6は、互いに独立して水素又はC1~C3-アルキルであり;
R1がエチル、プロピル又はn-ブチルである場合、
Rはイソプロピルである。]によるマロン酸ベンジリデンを含まないことが理解されるはずである。
【0112】
したがって、本発明の特に好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル);
(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン);
(iii)2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);及び
(iv)4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)及び/又は4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含み、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン、酸化亜鉛及び以下の好ましい構造:
【0113】
【化10】
[式中、
R1はメチル、エチル、プロピル又はn-ブチルであり;
R1がメチルである場合、
Rは、tert-ブチル又は式
【0114】
【化11】
の基、若しくは式
【0115】
【化12】
の基であり、
R2及びR3は、互いに独立して水素又はメチルであり;
R4はメチル、エチル又はn-プロピルであり;
R5及びR6は、互いに独立して水素又はC1~C3-アルキルであり;
R1がエチル、プロピル又はn-ブチルである場合、
Rはイソプロピルである。]によるマロン酸ベンジリデンを含まず、
(i)を(ii)に対して0.8以上の比で含む。
【0116】
本発明の別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、マロン酸ベンジリデンを含まない。
【0117】
上記の第1、第2及び第3の実施形態に関して、日焼け止め又は日常ケア組成物が、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、0.8以上の比で含むことがさらに好ましい。
【0118】
これに関係して、0.8以上の比とは、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)が1:1.2の比で存在するか、又は2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)が1:1.2を超える比で存在することを意味することは理解されるはずである。言いかえれば、0.8又は1:1.2を超える比とは、好ましくはジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルが、日焼け止め又は日常ケア組成物においてブチルメトキシジベンゾイルメタンと同一の量、又はブチルメトキシジベンゾイルメタンより多い量で、例えば1:1~10:1の比で存在することを意味する。
【0119】
さらに、上記の実施形態に関して、含まない(free of)とは、組成物が、2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まないことを意味することは理解されるはずである。特に、組成物が、組成物の合計重量に基づいてそれぞれ0.8重量%を超える量の上に定義された化合物のそれぞれを含まないことは理解されるはずである。さらに、組成物が、それぞれ0.5重量%を超える量の前述の化合物のそれぞれを含まないことは理解されるはずである。
【0120】
本発明の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、上に定義される化合物のそれぞれを全く含まない。
【0121】
本発明の一実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、<30mN/mの極性指数を有する少なくとも1種の皮膚軟化薬をさらに含む。
【0122】
本発明の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、
- 直鎖又は分岐脂肪族アルコールとの直鎖又は分岐脂肪酸のエステル;
- 直鎖又は分岐脂肪族アルコールとの芳香族カルボン酸のエステル;
- 直鎖又は分岐アルコールとのジ-及びトリカルボン酸エステル;
- 直鎖又は分岐脂肪族アルコールとのヒドロキシカルボン酸のエステル;
- 多価アルコールとの直鎖又は分岐脂肪酸のエステル;
- C6~C18脂肪酸系モノ-、ジ-、トリ-グリセリド;
- ゲルベアルコールから選択される、<30mN/mの極性指数を有する少なくとも1種の皮膚軟化薬をさらに含む。
【0123】
本発明のより好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、安息香酸C12~C15アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、セバシン酸ジイソプロピル、オクチルドデカノール、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、安息香酸フェネチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル及びクエン酸トリブチルからなる群から選択される、<30mN/mの極性指数を有する少なくとも1種の皮膚軟化薬をさらに含む。
【0124】
好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、日焼け止め又は日常ケア組成物の合計重量に基づいて1重量%~20重量%の量、好ましくは2重量%~15重量%の量の少なくとも1種の皮膚軟化薬を含む。これらの量が、日焼け止め又は日常ケア組成物中の個々の皮膚軟化薬それぞれを指すことは理解されるはずである。したがって、日焼け止め又は日常ケア組成物中の個々の皮膚軟化薬はそれぞれ、日焼け止め又は日常ケア組成物の合計重量に基づいて好ましくは1重量%~20重量%の量、好ましくは2重量%~15重量%の量で存在する。2種以上の皮膚軟化薬が日焼け止め又は日常ケア組成物中に存在する場合、皮膚軟化薬の総量は、日焼け止め又は日常ケア組成物の合計重量に基づいて好ましくは1重量%~35重量%、好ましくは2重量%~25重量%の範囲にあってもよい。
【0125】
<30mN/mの極性指数を有する少なくとも1種の皮膚軟化薬の添加に関する上記の好ましい実施形態に関して、驚いたことに、上に定義される少なくとも1種の皮膚軟化薬の添加は、オクトクリレンを含まない日焼け止め又は日常ケア組成物において上に定義されるUVフィルターの溶解性及び性能を高めることが本発明の発明者らによって見いだされた。これに関係して、最大吸光度の波長(λmax)がUVフィルター分子の性能を表す指標であることは理解されるはずである。それは、吸光度が最大である波長を与える。
【0126】
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとブチルメトキシジベンゾイルメタンの比に関する以下の選好は、本発明の上に列挙された実施形態に関して関連する。
【0127】
本発明の1つの好ましい実施形態において、上に定義される第1、第2及び第3の実施形態による日焼け止め又は日常ケア組成物は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(DHHB)及びブチルメトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)を1以上の比で含む。
【0128】
本発明の別の好ましい実施形態において、上に定義される第1、第2及び第3の実施形態による日焼け止め又は日常組成物は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとブチルメトキシジベンゾイルメタンを、1:1~10:1の比で含む。この点に関して、上に定義される第1、第2及び第3の実施形態による組成物が、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとブチルメトキシジベンゾイルメタンを、1:1~5:1の比で含むことはより好ましい。
【0129】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される第1、第2及び第3の実施形態による日焼け止め又は日常ケア組成物は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとブチルメトキシジベンゾイルメタンを、1:1~2:1の比、より好ましくは1:1~1.5:1の比で含む。
【0130】
本発明の特に好ましい実施形態において、上に定義される第1、第2及び第3の実施形態による日焼け止め又は日常ケア組成物は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとブチルメトキシジベンゾイルメタンを、1:1、1.5:1、1.7:1、2:1又は2.5:1の比で含む。
【0131】
上記の好ましい実施形態に関して、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及びブチルメトキシジベンゾイルメタンについて上に定義される比が、日焼け止め又は日常ケア組成物中に追加して存在する任意のUVフィルターから独立して適用されることは理解されるはずである。
【0132】
日焼け止め組成物に関する上記の好ましい実施形態に関して、特にUVフィルターDHHB、BMDBM及びBEMTに関して、驚いたことに、本発明の発明者らによって、DHHBはUVフィルターBMDBM及びBEMTを安定させることが見いだされた。当業者は、BMDBMがしばしば使用されるUV吸収剤であり、放射下で異性化して三重項状態のジケトンを構築する傾向があることを認識する。このジケトンは、BMDBMの劣化を引き起こす光分解を非常に受けやすい。さらに、BMDBMの存在がUVフィルターBEMTを不安定にすることがわかった。したがって、BMDBMを含む組成物に安定化剤を添加する必要があり、例えばオクトクリレンなどの光安定なUV吸収剤が一般に使用される。したがって、オクトクリレンを含まない日焼け止め組成物中で、BMDBM及びBEMTをUVフィルターDHHBの使用によって安定させることができることは、本発明の発明者らによる驚くべき発見である。
【0133】
日焼け止め又は日常ケア組成物中の特定のUVフィルター又は添加剤の不在に関する以下の選好は、本発明の上に列挙された実施形態に関して関連する。
【0134】
本発明の一実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、(2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)及び4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)を含まない。
【0135】
本発明の別の実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物はパラベンを含まない。これに関係して、パラベンはまた、別名、パラヒドロキシベンゾアート、オキシベンゾアート、オキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸及びヒドロキシベンゾアートとしても公知であり、これらが、また本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物からも除外されることは理解されるはずである。
【0136】
本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物から除外される、可能性のあるパラベンは、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、パラベンナトリウム、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、パラベンカリウム及びパラベンカルシウムである。
【0137】
本発明のさらに別の実施形態において、本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物は、リン酸系乳化剤、例えばセチルリン酸カリウム及びリン酸C20~22アルキルを含まない。
【0138】
本発明のさらに別の実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は乳化剤を含まない。これに関係して、用語「乳化剤」は、またエマルジェント(emulgent)としても公知であり、典型的には動力学的安定性を増加させることにより乳剤を安定させる化合物を指すことは理解されるはずである。基本的に、それらは、極性又は親水性部分と、無極性又は疎水性部分からなる。
【0139】
本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物から除外される、可能性のある乳化剤は、例えば、
- グルコース誘導体、例えばセテアリルグルコシド、アラキジルグルコシド、ラウリルグルコシド、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、セスキステアリン酸メチルグルコース;
- スクロース誘導体、例えばポリステアリン酸スクロース、パルミチン酸スクロース;
- ソルビトール誘導体、例えばポリソルベート-n、ラウリン酸PEG-10ソルビタン;
- 脂肪族アルコールポリグリコールエーテル及び脂肪酸ポリグリコールエーテル、例えばセテアレス-20、ベヘネス-25、ステアレス-2、ステアリン酸PEG-100;
- 脂肪酸のグリセリド、例えばステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル;
- グルタミン酸誘導体、例えばステアロイルグルタミン酸ナトリウム;
- スルホコハク酸誘導体、例えばスルホコハク酸セテアリルジナトリウム;
- リン酸誘導体、例えばセチルリン酸カリウム;
- ポリグリセリルの脂肪酸エステル、例えば3-ジイソステアリン酸ポリグリセリル、2-ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル;
- オキシアルケニル化された有機変性シリコーン/ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び誘導体からなる群から選択される。
【0140】
上記の実施形態に関して、日焼け止め又は日常ケア組成物が、乳化剤の代わりに乳化剤と同様に作用するポリマーを場合により含んでもよいことは理解されるはずである。本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物は、
- アクリラート/C10~30アルキルアクリラートクロスポリマー;
- アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VPコポリマー;
- アクリロイルジメチルタウリンナトリウム/VPクロスポリマー;
- ポリアクリロイルジメチルタウリンナトリウム;
- アクリラート/ベヘネス-25メタクリラートコポリマー;
- ポリアクリル酸ナトリウム;
- ポリアクリラート13;
- ポリアクリラートクロスポリマー-11;
- ポリアクリラートクロスポリマー-6;
- アクリラート/ビニルイソデカノアートクロスポリマー;
- カルボマー;
- ポリアクリルアミド;及び
- アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/カルボキシエチルアクリラートクロスポリマーからなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0141】
上に示したように、日焼け止め又は日常ケア組成物はポリマーをさらに含んでもよい。この点に関して、組成物が場合により上に定義される群から選択される1種以上のポリマーを含んでもよいことは理解されるはずである。
【0142】
本発明の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、上に定義される群から選択される少なくとも1種のポリマーを含む。本発明のより好ましい実施形態において、組成物は、上に定義される群から選択される2種以上のポリマーを含む。これに関係して、好ましいポリマーがアクリラート/C10~30アルキルアクリラートクロスポリマー、アクリラート/ベヘネス-25メタクリラートコポリマー、カルボマー及びポリアクリル酸ナトリウムからなる群から選択されることは理解されるはずである。
【0143】
本発明のさらに別の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物はフェノキシエタノールを含まない。
【0144】
本発明のさらに別の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は任意のナノ粒子状UVフィルターを含まない。これに関係して、任意のナノ粒子状UVフィルターを含まないとは、日焼け止め又は日常ケア組成物が、ナノ粒子状UVフィルターでない1種以上の粒子状UVフィルターを含むことができることを意味することは理解されるはずである。ナノ粒子状UVフィルターは、好ましくは60nmを超えるDN50、及び90nmを超えるDN90を示すが、粒子状UVフィルターは、2000nm未満、好ましくは1000nm未満の光散乱によって求められる粒度DN50を有する。
【0145】
本発明のさらに別の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、(RS)-2-ヒドロキシ安息香酸2-エチルヘキシル(INCI名サリチル酸エチルヘキシル)及びサリチル酸3,3,5-トリメチル-シクロヘキシル(ホモサラート)を含まない。
【0146】
別の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、無機ナノ粒子状UVフィルター及び/又は有機ナノ粒子状UVフィルターを含まない。
【0147】
上記の実施形態に関して、本発明による上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、上に定義される物質を単独で含まず、又は、さらに、下に概説される組合せを含まないことは理解されるはずである。
【0148】
したがって、本発明の1つの好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、及び
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)を含まない。
【0149】
本発明の別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、及び
- パラベンを含まない。
【0150】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、
- パラベン、及び
- 乳化剤を含まない。
【0151】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、
- パラベン、
- 乳化剤、及び
- フェノキシエタノールを含まない。
【0152】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、
- パラベン、及び
- フェノキシエタノールを含まない。
【0153】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、
- パラベン、
- フェノキシエタノール、及び
- (RS)-2-ヒドロキシ安息香酸2-エチルヘキシル(INCI名サリチル酸エチルヘキシル)及びサリチル酸3,3,5-トリメチル-シクロヘキシル(ホモサラート)を含まない。
【0154】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、
- パラベン、
- フェノキシエタノール、及び
- 任意のナノ粒子状UVフィルターを含まない。
【0155】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、
- パラベン、
- フェノキシエタノール、
- 任意のナノ粒子状UVフィルター、及び
- (RS)-2-ヒドロキシ安息香酸2-エチルヘキシル(INCI名サリチル酸エチルヘキシル)及びサリチル酸3,3,5-トリメチル-シクロヘキシル(ホモサラート)を含まない。
【0156】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、
- パラベン、
- 乳化剤、
- フェノキシエタノール、及び
- 任意のナノ粒子状UVフィルターを含まない。
【0157】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、さらに
- 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、
- 2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、
- (2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)、
- 4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)、
- パラベン、
- 乳化剤、
- フェノキシエタノール、
- 任意のナノ粒子状UVフィルター、及び
- (RS)-2-ヒドロキシ安息香酸2-エチルヘキシル(INCI名サリチル酸エチルヘキシル)及びサリチル酸3,3,5-トリメチル-シクロヘキシル(ホモサラート)を含まない。
【0158】
上記の好ましい実施形態に関して、日焼け止め又は日常ケア組成物は、上に列挙される組合せ以外の物質又は物質の組合せを含まなくてもよく、例えば、日焼け止め又は日常ケア組成物はさらに4-メトキシベンジリデンカンファーを含まなくてもよいことは理解されるはずである。
【0159】
さらに、上記の好ましい実施形態に関して、含まないとは、組成物が上に定義される物質を含まないことを意味することは理解されるはずである。特に、組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.8重量%を超える、例えば0.7重量%を超える、0.6重量%又は0.5重量%を超える総量の前述の物質それぞれ又はそれらの組合せを含まないことは理解されるはずである。好ましくは、組成物が、0.5重量%を超える総量の前述の物質それぞれ又はそれらの組合せを含まないことは理解されるはずである。本発明のより好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、前述の物質それぞれ又はそれらの組合せを全く含まない。
【0160】
上に定義されるUVフィルター又はそれらの組合せの量に関する以下の選好が関連する。
【0161】
本発明の一実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて1重量%~10重量%の量の2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)を含む。好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、日焼け止め又は日常ケア組成物の合計重量に基づいて1重量%~8重量%の量の2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)を含む。
【0162】
本発明の別の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて1重量%~5重量%の量の1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を含む。
【0163】
上記の実施形態に関して、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及びブチルメトキシジベンゾイルメタンの量が上に定義される比に依存することは理解されるはずである。特に、例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとブチルメトキシジベンゾイルメタンが2:1の比で存在する場合、日焼け止め又は日常ケア組成物の合計重量に基づいて、好ましいジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルの量が、例えば1重量%~10重量%であり、好ましいブチルメトキシジベンゾイルメタンの量が、例えば1重量%~5重量%であることは理解されるはずである。言いかえれば、これは、比が2:1である場合、組成物の合計重量に基づいて、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルが6重量%の量で存在し、ブチルメトキシジベンゾイルメタンが3重量%の量で存在することを意味する。同じことは上に定義される他の比にも当てはまる。
【0164】
本発明のさらに別の実施形態において、日焼け止め又は日常組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)を含む。
【0165】
本発明のさらに別の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5%~5重量%の量、好ましくは0.8%~3重量%の量の4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)を含む。
【0166】
さらに、本発明のさらに別の実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、組成物の合計重量に基づいて0.5%~5重量%の量、好ましくは0.8%~3重量%の量の4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含む。
【0167】
上記の実施形態に関して、組成物が、4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)及び4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含む場合、化合物が、組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の総量で、好ましくは0.8重量%~3重量%の総量で組成物中に存在することは理解されるはずである。
【0168】
本発明の一実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、少なくとも20の太陽光線保護指数(SPF)及びSPFの少なくとも3分の1であるUVA防御を有する。当業者は、日焼け止め又は日常ケア組成物の高い太陽光線保護指数が、存在するUVフィルター、特に組成物中に存在するUV-B又は広帯域UVフィルターに、及びUVフィルターのそれぞれの量に依存することを認識する。本発明による日焼け止め又は日常ケア組成物に関して、驚いたことに、少なくとも20の高い太陽光線保護指数は、UVフィルター、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン及び/又はジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾンの存在によって達成することができるが、組成物はオクトクリレン及びメトキシ桂皮酸エチルヘキシルを含まないことが見いだされた。さらに、上記の実施形態に関して、日焼け止め又は日常ケア組成物が、太陽光線保護指数の少なくとも3分の1であるUVA防御指数を有することは理解されるはずである。
【0169】
さらに、上記の実施形態に関して、日焼け止め又は日常ケア組成物の合計重量が、少なくとも1種の添加剤を含んでもよい、上に定義される日焼け止め組成物を指すことは理解されるはずである。
【0170】
一実施形態において、少なくとも1種の添加剤は、皮膚軟化薬、粘度調節剤(増稠剤)、感触改良剤、アジュバント、防腐剤、香料及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0171】
好ましい皮膚軟化薬としては以下を含む
- 直鎖又は分岐脂肪族アルコールとの直鎖又は分岐脂肪酸のエステル、例えばカプリル酸プロピルヘプチル、ココカプリル酸エステル(coco caprylate)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル;
- 直鎖又は分岐脂肪族アルコールとの芳香族カルボン酸のエステル、例えば安息香酸C12~C15アルキル、安息香酸エチルヘキシル、安息香酸フェネチル;
- 直鎖又は分岐アルコールとのジカルボン酸エステル、例えばアジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル、セバシン酸ジイソプロピル;
- 直鎖又は分岐脂肪族アルコールとのヒドロキシカルボン酸のエステル;
- 多価アルコールとの直鎖又は分岐脂肪酸のエステル、例えばジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール;
- C6~C18脂肪酸系モノ-、ジ-、トリ-グリセリド、例えばカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ココグリセリド;
- ゲルベアルコール、例えばオクチルドデカノール;
- 炭化水素、例えば水素化ポリイソブテン、鉱油、スクワレン、イソヘキサデカン;
- エーテル、例えばジカプリリルエーテル;
- シリコーン誘導体(有機変性ポリシロキサン)、例えばジメチルポリシロキサン、環状シリコーン。
【0172】
好ましい増稠剤としては以下を含む
- 脂肪族アルコール、例えばセチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール;
- 脂肪酸、例えばステアリン酸;
- 脂肪酸エステル、例えばステアリン酸ミリスチル;
- ワックス、例えばみつろう、カルナウバろう、微晶質ワックス、セレシン、オゾセライト;
- ポリサッカライド又は誘導体、例えばキサンタンガム、グアーガム、寒天ガム、アルギナート、ゲランガム、カラギーナン;
- ポリアクリラート又は網状アクリル酸のホモポリマー又はポリアクリルアミド、例えばカルボマー、アクリラートコポリマー、アクリラート/C10~C30-アルキルアクリラートクロスポリマー、アクリラート/ベヘネス-25メタクリラートコポリマー;
- ケイ酸誘導体、例えばケイ酸マグネシウム;
- セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース。
【0173】
好ましい感触改良剤としては以下を含む
- ポリアミド誘導体、例えばナイロン-12;
- ポリメタクリル酸メチル;
- シリカ;
- 雲母;
- ポリメチルシルセスキオキサン;
- ポリエチレン;
- デンプン誘導体、例えばオクテニルコハク酸デンプンアルミニウム;
- ジメチコン誘導体;
- 窒化ホウ素;
- HDI/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー。
【0174】
好ましいアジュバントとしては以下を含む
- トコフェロール誘導体;
- レチノール誘導体;
- アスコルビン酸誘導体;
- ビサボロール;
- アラントイン;
- パンテノール;
- キレート剤(EDTA、EDDS、EGTA、フィチン酸、ピロクトンオラミン);
- エチルヘキシルグリセリン;
- カプリリルグリコール;
- ヒドロキシアセトフェノン;
- カプリルヒドロキサム酸;
- 噴射剤、例えばプロパン、ブタン、イソブテン、ジメチルエーテル;
- スチレン/PVP又はスチレンアクリルアミドコポリマー;
- 昆虫忌避剤、例えばアセチルアミノプロピオン酸ブチル。
【0175】
好ましい防腐剤としては以下を含む
- ベンジルアルコール;
- ジンゲロン。
【0176】
本発明の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は少なくとも1種の香料を含む。
【0177】
好ましい香料は、リモネン、シトラール、リナロール、アルファ-イソメチルイオノン、ゲラニオール、シトロネロール、2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピラン、酢酸2-tert-ペンチルシクロヘキシル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、7-アセチル-1,1,3,4,4,6-ヘキサメチルテトラリン、アジピン酸ジエステル、アルファ-アミルシンナムアルデヒド、アルファ-メチルイオノン、アミルCブチルフェニルメチルプロピオナールシンナマル、サリチル酸アミル、アミルシンナミルアルコール、アニスアルコール、ベンゾイン、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、桂皮酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、ベルガモット油、橙皮油、ブチルフェニルメチルプロピオナール、カルダモン油、セドロール、シンナマル、シンナミルアルコール、メチルクロトン酸シトロネリル、レモン油、クマリン、コハク酸ジエチル、エチルリナロール、オイゲノール、エベルニア・フルフラセア(evernia furfuracea)抽出物、ツノマタゴケ(evernia prunastri)抽出物、ファルネソール、グアヤク木材油、ヘキシルシンナマル、サリチル酸ヘキシル、ヒドロキシシトロネラール、ラベンダー油、レモン油、酢酸リナリル、マンダリン油、PCAメンチル、メチルヘプテノン、ナツメグ油、ローズマリー油、スイートオレンジ油、テルピネオール、トンカ豆油、クエン酸トリエチル、バニリン及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0178】
日焼け止め又は日常ケア組成物中に存在する少なくとも1種の香料に関して、驚いたことに、組成物が香料と組み合わせてUVフィルターを含む場合、酸化変性が減じることが見いだされた。特に、驚いたことに、少なくとも1種の香料の存在下でBMDBMを含む又は含まないUVフィルターDHHBが酸化変性を減じることが見いだされた。
【0179】
上記の好ましい実施形態に関して、日焼け止め組成物が2種以上の添加剤を含む場合、上に定義される添加剤の組合せも本発明の一部であることは理解されるはずである。
【0180】
上記の好ましい及び特に好ましい実施形態に関して、日焼け止め組成物がさらに水を含んでもよいことは理解されるはずである。
【0181】
水が日焼け止め又は日常ケア組成物中に存在する場合、組成物の合計重量に基づいて好ましくは5重量%を超える量で存在することは理解されるはずである。さらに、水が日焼け止め組成物中に存在する場合、日焼け止め組成物が、水中油型乳剤(O/W乳剤)、油中水型乳剤(W/O乳剤)、ゲルクリーム剤又はゲル中油剤であってもよいことは理解されるはずである。
【0182】
本発明の一実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、種々の形態、例えばゲル剤、クリーム剤、油剤、ローション剤又は噴霧可能な製品の形態で提供することができる。本発明の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、クリーム剤又は噴霧可能な製品の形態で提供される。本発明の特に好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、噴霧可能な製品の形態で提供される。
【0183】
上記の好ましい及び特に好ましい実施形態に関して、日焼け止め又は日常ケア組成物が提供される形態に応じて、添加剤がさらに組成物に添加されることは理解されるはずである。さらに、上記の好ましい実施形態に関して、噴霧可能な製品という用語が、製剤の粘度に依存せずに噴霧可能な形態で提供することができる任意の製剤、例えば噴霧可能な形態で提供することができるクリーム剤を指すことは理解されるはずである。
【0184】
別の態様において、本発明は、皮膚への砂付着を減じるための、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物の使用に関する。
【0185】
当業者は、日焼け止め又は日常ケア組成物が塗布された後、日焼け止め又は日常ケア組成物は皮膚に粘着性の膜を残すことがあることを認識する。しかし、粘着性の膜によって皮膚に砂をより強く付着させ、消費者に不快感を与える。
【0186】
したがって、驚いたことに、本発明による、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は、皮膚への砂付着を減じるために使用することができることが見いだされた。
【0187】
別の態様において、本発明は、このように、敏感肌への適用のための上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物の使用に関する。
【0188】
本発明の使用の一実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は種々の形態で、例えば、ゲル剤、クリーム剤、油剤、ローション剤、又は噴霧可能な製品の形態で皮膚に塗布される。
【0189】
本発明の使用の好ましい実施形態において、日焼け止め又は日常ケア組成物は、クリーム剤又はスプレー剤の形態で提供される。本発明の使用の特に好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は噴霧可能な製品の形態で提供される。
【0190】
本発明の使用の特に好ましい実施形態において、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物は敏感肌に塗布される。これに関係して、敏感肌は、本来のバリア機能が弱くなっており、ある誘因により傷んでいる皮膚と定義される。可能性のある誘因は、低温の天候、非常に高温の水、多くの場合日焼け止め又は日常ケア組成物中に含まれている乳化剤又は防腐剤である。
【0191】
したがって、本発明の使用の好ましい実施形態において、乳化剤を含まない、上に定義される日焼け止め又は日常ケア組成物が塗布される。これに関係して、乳化剤の不在により、これらの組成物が敏感肌への適用に殊に適切であり、好ましいことは理解されるはずである。したがって、本発明の発明者らは、驚いたことに、敏感肌への適用に特に好ましい、乳化剤を含まず、均質で安定な日焼け止め又は日常ケア組成物を調製することができることを見いだした。
【0192】
上記の実施形態に関して、UV線から敏感肌を防御するために、日焼け止め又は日常ケア組成物が、皮膚、特に敏感肌に適用されることは理解されるはずである。
【0193】
本発明は、以下の実施例によってさらに説明される。
【実施例
【0194】
日焼け止め組成物の製造方法
試験する日焼け止め組成物それぞれについて、下表1.1、1.2、1.3及び1.4に示す部分Aの原料並びに部分Bの原料をそれぞれ合わせ、80℃に加熱し、ここで、撹拌しながら部分Bに部分Aを添加し、さらに均質化した。続いて、日焼け止め組成物を、撹拌しながら室温に冷却した。存在する場合、部分Cを添加し、NaOH(30%)を用いて各組成物のpHを6.5~7.00に調節した。
【0195】
以下の表において言及するすべての量は、組成物の合計重量に基づいた重量%でそれぞれの量を指す。
【0196】
日焼け止め組成物
【0197】
【表1】
【0198】
【表2】
【0199】
【表3】
【0200】
【表4】
【0201】
BMDBMの光安定性についての回収の測定
上に定義される日焼け止め及びUVフィルター組成物を粗化した石英プレート(2μl/cm2)に塗布する。異なる継続時間で、Atlas CPS装置を使用してプレートに照射する(MED=最小紅斑量)。
- 0時間(0MED、照射せず)
- 1時間(5MED)、
- 2時間(10MED)、
- 4時間(20MED)。
【0202】
合計して、各照射条件について4枚のプレートを調製する。照射後、各プレートはテトラヒドロフランを用いてすすぐ。さらにHPLCによってすすいだ溶液を分析してBMDBMの回収を求める。
【0203】
【表5】
【0204】
【表6】
【0205】
【表7】
【0206】
【表8】
【0207】
BEMTの光安定性についての回収の測定
上に定義される日焼け止め及びUVフィルター組成物を粗化した石英プレート(2μl/cm2)に塗布する。異なる継続時間で、Atlas CPS装置を使用してプレートに照射する。
- 0時間(0MED、照射せず)
- 1時間(5MED)、
- 2時間(10MED)、
- 4時間(20MED)。
【0208】
合計して、各照射条件について4枚のプレートを調製する。照射後、各プレートはテトラヒドロフランを用いてすすぐ。さらにHPLCによってすすいだ溶液を分析してBEMTの回収を求める。
【0209】
【表9】
【0210】
【表10】
【0211】
【表11】
【0212】
【表12】
【0213】
界面張力(極性指数)の測定
Tensimat Densimat TD2000を使用して、下に列挙される皮膚軟化薬それぞれの界面張力を測定した。
【0214】
【表13】
【0215】
UVフィルターの性能
最大吸光度の波長(λmax)はUVフィルター分子の性能を表す指標である。それは、吸光度が最大である波長を示す。UVAフィルターについては、最大吸光度の波長は、PPD(持続型即時黒化)有効性スペクトルの頂点に相当する359nm近くであるべきである。PPD有効性スペクトルは、光強度に応じたPPD(持続型即時黒化)作用スペクトルの増加に対応する(参照ISO 24443)。
【0216】
各UVフィルター-皮膚軟化薬混合物のUV透過スペクトルを、UV/可視分光光度計Perkin Elmer Lambda 25を使用して、290~400nmで測定した。各混合物についてUVフィルターの1mMの濃度を有する3種の原液を調製した。さらに、各原液の3種の稀釈液を調製し、UVフィルター-皮膚軟化薬溶液当たり合計9測定が結果として得られた。次いで、溶液はすべて、UV透過測定用の1cmの光路長の、UV透過性の石英キュベットに満たした。
【0217】
BMDBMのλmax値
【0218】
【表14】
【0219】
DHHBのλmax値
【0220】
【表15】
【0221】
溶解度の測定
事前にキャップ付き20mlバイアルへ充填していた、以下に列挙する各2mlの皮膚軟化薬に、0.02gのUVフィルターを添加する。サーモスタット付き水浴(25℃)にバイアルを置き、7日間ブレンドを撹拌する。試験するUVフィルターが完全に溶ける場合、沈殿が観察されるまで追加のフィルターを添加する。7日後、13000rpmで30分間試料を遠心分離機にかける。上澄みが濁っている場合、0.2μmの非滅菌Membrex 25 PETフィルターに通して濾過する。測定の前に、試料は、適切な溶媒を用いて希釈し、又は低濃度の場合には、さらに稀釈することなく、1cmの光路長の石英キュベットで測定した。次いで、UV/可視分光法を用いて、Perkin Elmer Lambda 20装置を使用し、UVフィルターの濃度を求める。(Herzog B., Giesinger J., Schnyder M., SOFW Journal, 2013, 139 (7), pages 7-14の方法Aによる)。
【0222】
【表16】
【0223】
【表17】
【0224】
砂付着性試験
試験する日焼け止め組成物それぞれについて、下表5に示す部分Aの原料並びに部分Bの原料をそれぞれ合わせ、80℃に加熱し、ここで、撹拌しながら部分Bに部分Aを添加し、さらに均質化した。続いて、日焼け止め組成物を、撹拌しながら室温に冷却した。部分C及び部分Dを添加し、NaOHを用いて各組成物のpHを6.5~7.00に調節した。
【0225】
【表18】
【0226】
比較組成物3、並びに組成物7、8及び9を、日焼け止め組成物の塗布の後に皮膚への砂付着を防止するか、又は少なくとも最小限にする性能について試験した。下記方法を使用した:
【0227】
できるだけ均質の手を用いる塗布によって、5.0cm×5.0cmの寸法のPMMA板(Helioscreen)に50mgの試験製剤を塗布した。暗所にプレートを15分間置いて水を蒸発させ、さらに処理する前にフィルム形成を達成するようにプレートを平衡させた。平衡期間の後、化学天秤を用いて各単一プレートを秤量した。試料を10gの砂(参照:1.07711.1000 海砂、Merck KGaA)を用いて覆った。この量は、PMMAプレート全体を超える被覆を可能にする。その後で、プレートを水平位から、90℃回転と等しい垂直位に置き、垂直位に5秒間保った。プレートの各側面について同一のステップを繰り返した。付着した砂が残存するプレートを再び秤量し、付着した砂の量を次のように計算した:
プレートに付着した砂(g)=砂接触後のプレート(g)-日焼け止めで覆ったプレート(g)
【0228】
各組成物に対して砂付着率は表6に示す通りである。
【0229】
【表19】
【0230】
比較組成物3は、本発明の組成物7、8及び9より砂に対して強い付着性を示す。
【0231】
好ましい実施形態において、本発明は下記のさらなる項目を表す。
1.
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル);
(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン);
(iii)2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);及び
(iv)4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)及び/又は4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)
を含む日焼け止め又は日常ケア組成物であって、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](INCI名メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン(INCI名トリス-ビフェニルトリアジン)、二酸化チタン及び酸化亜鉛を含まず、
(i)を(ii)に対して0.8以上の比で含む、日焼け止め又は日常ケア組成物。
2.
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1以上の比で含む、項目1に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
3.
(i)2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)と(ii)1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を、1:1~10:1の比、好ましくは1:1~5:1の比、より好ましくは1:1~2:1の比、さらにより好ましくは1:1~1.5:1の比で含む、項目1又は2に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
4.
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI名オキシベンゾン)、2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリル酸エチルヘキシル(INCI名オクトクリレン)、(2E)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸2-エチルヘキシル(INCI名メトキシ桂皮酸エチルヘキシル)及び4-メトキシ桂皮酸イソアミル(INCI名p-メトキシ桂皮酸イソアミル)を含まない、項目1から3のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
5.
パラベンを含まない、項目1から4のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
6.
スプレー剤の形態で提供される、項目1から5のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
7.
乳化剤を含まない、項目1から6のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
8.
フェノキシエタノールを含まない、項目1から7のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
9.
(iii)が油溶性UVフィルターであり、又は(iii)が水に分散性となるようにポリマーマトリックスに溶解した2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)である、項目1から8のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
10.
組成物の合計重量に基づいて1重量%~10重量%の量の2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル(INCI名ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)を含む、項目1から9のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
11.
組成物の合計重量に基づいて1重量%~5重量%の量の1-(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI名ブチルメトキシジベンゾイルメタン)を含む、項目1から10のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
12.
組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5トリアジン(INCI名ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)を含む、項目1から11のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
13.
組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名エチルヘキシルトリアゾン)を含む、項目1から12のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
14.
組成物の合計重量に基づいて0.5重量%~5重量%の量、好ましくは0.8重量%~3重量%の量の4,4'-[[6-[[4-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-安息香酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(INCI名ジエチルヘキシル-ブタミドトリアゾン)を含む、項目1から13のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
15.
香料を含む、項目1から14のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物。
16.
敏感肌への適用のための、項目1から15のいずれか一項に記載の日焼け止め又は日常ケア組成物の使用。