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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】水分配ステーション
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20240909BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
B67D1/08 A
F25D11/00 102G
F25D11/00 102E
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2021568532
(86)(22)【出願日】2020-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 US2020033308
(87)【国際公開番号】W WO2020236666
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】62/849,796
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/006,652
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/875,975
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】ファンタッピエ,ジャンカルロ
(72)【発明者】
【氏名】マクレリーノ,ディエゴ
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-040279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
F25D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却された発泡性飲料のための飲料分配装置であって、
ハウジングであって、前記ハウジング内の水供給ポンプと流体連通している主水入口ポートを有して、前記飲料分配装置の使用中に前記水供給ポンプに水を提供する、ハウジングと、
前記水供給ポンプ流体連通している少なくとも1つの飲料水を冷却する冷却器コイルであって、前記冷却器コイルは、低温部分を有する熱交換器に少なくとも部分的に挿入され、前記熱交換器によって冷却されて、前記飲料分配装置の使用中に、前記水供給ポンプからの入来水を、前記水供給ポンプにおける前記水の周囲温度と32°Fを超える温度との間の温度まで冷却する、少なくとも1つの飲料水を冷却する冷却器コイルと、
前記冷却器コイルと流体連通している、前記冷却器コイルの後の水管路スプリッタと、
前記冷却器コイルの下流及び前記水管路スプリッタの下流に位置付けられ、前記水管路スプリッタと流体連通している、ノーマルクローズ型冷水弁であって、前記冷水弁は、下流の分配出口と流体連通している、冷水弁と、
前記冷却器コイルの下流及び前記水管路スプリッタの下流に位置付けられ、前記水管路スプリッタと流体連通している、ノーマルクローズ型発泡水弁であって、前記発泡水弁は、下流の炭酸化デバイス及び下流の分配出口と流体連通している、発泡水弁と、
二酸化炭素ガスタンクと流体連通している少なくとも1つのノーマルクローズ型二酸化炭素ガス弁と、
前記水供給ポンプ、前記発泡水弁、前記二酸化炭素ガス弁、及び前記冷水弁と電気的に連通して、前記発泡水弁、前記二酸化炭素ガス弁、及び前記冷水弁を開閉し、前記供給ポンプの電源をオン/オフにする、電子制御モジュールと、
冷却された静水を分配するために前記電子制御モジュールと電気的に連通している冷水セレクタであって、前記冷水セレクタが起動されると、前記水供給ポンプの電源がオンになり、前記冷水弁が励起されて開き、前記飲料分配装置の使用中に冷却された静水が前記分配出口へと流れることを可能にする、冷水セレクタと、
冷却された炭酸水を分配するために前記電子制御モジュールと電気的に連通している炭酸水セレクタであって、前記炭酸水セレクタが起動されると、前記水供給ポンプの電源がオンになり、前記発泡水弁及び前記二酸化炭素ガス弁の両方が励起されて開き、前記飲料分配装置の使用中に炭酸水が前記分配出口へと流れることを可能にする、炭酸水セレクタと、を備える、飲料分配装置。
【請求項2】
前記発泡水弁の下流に位置し、前記二酸化炭素ガス弁と流体連通し、また、前記水管路スプリッタの下流に位置し、前記水管路スプリッタと流体連通している、少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスを更に備える、請求項1に記載の飲料分配装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスを通って流れる水を更に炭酸化するために、前記少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスの下流にあり、前記少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスと流体連通している、1つ以上の静的インライン炭酸化デバイスを更に備え、
前記1つ以上の静的インライン炭酸化デバイスは、前記熱交換器に少なくとも部分的に挿入され、前記熱交換器によって冷却され、
前記1つ以上の静的インライン炭酸化デバイスは、前記1つ以上の静的インライン炭酸化デバイスの下流にある前記分配出口と流体連通している、請求項2に記載の飲料分配装置。
【請求項4】
ノーマルクローズ型の主入口弁を更に備え、
前記主入口弁は、前記主入口ポートの下流に位置付けられ、前記主入口弁を開閉するために前記電子制御モジュールと電気的に連通しており、
前記冷水セレクタ又は前記炭酸水セレクタが起動されると、前記主入口弁が励起されて開く、請求項1に記載の飲料分配装置。
【請求項5】
分配される水の量を測定するために、前記主入口ポートと流体連通し、前記電子制御モジュールに電気的に接続された流量計を更に備える、請求項1に記載の飲料分配装置。
【請求項6】
ノーマルクローズ型の周囲水弁であって、前記主入口弁及び前記分配出口と流体連通し、前記周囲水弁を開閉するために前記電子制御モジュールと電気的に連通している、周囲水弁と、
周囲温度水を分配するために前記電子制御モジュールと電気的に連通している周囲水セレクタであって、前記周囲水セレクタが起動されると、前記電子制御モジュールが前記周囲水弁を開いて、周囲温度水が前記飲料分配装置の使用中に分配されることを可能にする、周囲水セレクタと、を更に備える、請求項に記載の飲料分配装置。
【請求項7】
記周囲水弁の下流にあり、前記周囲水弁と流体連通している入口を有し、アルカリ水管路と流体連通しているカートリッジ出口を有する、アルカリカートリッジであって、少なくとも1つのアルカリ無機塩類と、前記カートリッジ出口と流体連通している下流の活性化粒状炭素床と、を収容するアルカリカートリッジと、
前記周囲水弁を開いて、周囲温度水が前記アルカリカートリッジを通って前記アルカリ水管路に流入することを可能にすることによってアルカリ水を分配するために、前記電子制御モジュールと電気的に連通している、アルカリセレクタと、を備える、請求項6に記載の飲料分配装置。
【請求項8】
前記アルカリカートリッジは、無機セラミックボール備え、
前記アルカリカートリッジは、前記周囲水弁と流体連通し、前記周囲水弁の下流にあるマニフォールド入口を有するマニフォールドに取り外し可能に接続され、
前記マニフォールドは、前記アルカリ水管路と流体連通しているマニフォールド出口を有する、請求項7に記載の飲料分配装置。
【請求項9】
記分配出口は、前記アルカリ水管路及び冷水管路の両方と流体連通しており
前記電子制御モジュールは、前記飲料分配装置の使用中に前記分配出口において冷水及びアルカリ水の混合物を分配するために、前記周囲水弁及び前記冷水弁の両方を開き、次いで閉じる、請求項8に記載の飲料分配装置。
【請求項10】
前記冷水弁は、前記周囲水弁が開かれ、次いで閉じられる時間間隔よりも短い時間間隔で開く、請求項9に記載の飲料分配装置。
【請求項11】
前記飲料分配装置はさらに、高温水飲料のための高温水分配出口ノーマルクローズ型の高温水弁とを備え、
前記高温水弁は、前記高温水弁に対して下流に位置付けられた高温水タンクと流体連通しており、
前記高温水弁は、前記電子制御モジュールと電気的に連通しており、
前記高温水タンクは、前記高温水タンクの底部に高温水収容容器と、前記高温水タンクの頂部に蒸気室とを有し、
前記高温水タンクは、前記高温水収容容器を前記蒸気室から分離する隔壁と、前記隔壁内の吐出開口部とを有し、
前記高温水タンクは、前記高温水タンクの底部に、前記高温水弁及び前記高温水収容容器と流体連通している流体入口を有しており
前記飲料分配装置はさらに、前記電子制御モジュールと電気的に連通している前記高温水収容容器内の電気抵抗加熱素子を有し
前記電気抵抗加熱素子は温度センサによって動作され、
前記温度センサが所定の低温値を下回る温度を検出すると、前記電気抵抗加熱素子の電源がオンになり、
前記温度センサが、前記所定の低温値よりも高い高温値を超える温度を検出すると、前記電気抵抗加熱素子の電源がオフになり、
前記高温水タンクは、前記高温水収容容器及び前記蒸気室の両方と流体連通している高温水タンクの頂部に高温水出口を有し、そのため、前記飲料分配装置の使用中、水は、前記高温水タンクの前記底部に流入し、前記高温水タンクの前記頂部から流出し、
前記高温水出口は、高温水管路を介して前記高温水分配出口と流体連通しており、
前記飲料分配装置はさらに、高温水を分配するために前記電子制御モジュールと電気的に連通している高温水セレクタを有し、
前記高温水セレクタが起動されると、前記電子制御モジュールは、前記高温水弁を励起して開くために電気信号を送信し、そのため、前記飲料分配装置の使用中、水は前記高温水収容容器内に流入し、上方に流れ、前記高温水出口から前記高温水分配出口へと流出する、請求項1に記載の飲料分配装置。
【請求項12】
前記高温水タンクの外壁に位置付けられ、前記高温水タンク内の温度が予め決められた温度よりも高い場合に前記電気抵抗加熱素子を遮断するために、前記電子制御モジュールと電気的に連通している、安全サーモスタットを更に含む、請求項11に記載の飲料分配装置。
【請求項13】
記高温水分配出口と流体連通しているアルカリ水室、アルカリ水弁、及びアルカリ水管路と、を更に備え、
前記高温水分配出口は、冷水出口、発泡水出口、及びアルカリ水出口のうちの少なくとも1つと流体連通している、請求項11に記載の飲料分配装置。
【請求項14】
前記冷水出口、前記発泡水出口、及び前記アルカリ水出口はそれぞれ、前記高温水分配出口と流体連通している、請求項13に記載の飲料分配装置。
【請求項15】
前記冷水弁及び前記発泡水弁の両方と流体連通し、前記冷水弁及び前記発泡水弁の両方の上流にある水フィルタを更に備える、請求項1に記載の飲料分配装置。
【請求項16】
前記熱交換器は、冷水浴及びアイスバンク冷蔵デバイスとを備え
前記飲料分配装置は、
所定の体積の密閉された水収容容器を形成する上壁、底壁、及び側壁を有する冷水収容容器であって、全ての壁は断熱されている、冷水収容容器と、
前記冷水収容容器の内部に蒸発器コイルを有し、前記冷水収容容器の側壁に接続された凍結器膨張管路であって、前記蒸発器コイルは、前記飲料分配装置の使用中に、前記蒸発器コイルと接触する水を凍結させ、前記蒸発器コイルの実質的大部分の周囲にアイスバンクを生成し、前記アイスバンクの内部に冷水浴を設けるのに、十分な冷却能力を有する、凍結器膨張管路と、を備え
前記冷却器コイルは、前記冷水浴の内部及び前記アイスバンクの内部に位置して、使用中に前記冷却器コイルを通って流れる水を冷却
1つ以上の静的インライン炭酸化デバイスは、前記冷水収容容器の内部の所定場所に配置され、
前記所定場所において、前記1つ以上の静的インライン炭酸化デバイスは、前記飲料分配装置の使用中、少なくとも部分的に前記冷水浴中に浸漬される、請求項1に記載の飲料分配装置。
【請求項17】
前記水管路スプリッタは、前記飲料分配装置の使用中に前記冷水浴の内部に位置する、請求項16に記載の飲料分配装置。
【請求項18】
第1の温度センサを備え、
前記第1の温度センサは、前記電子制御モジュールと電気的に連通し、前記冷水収容容器内の特定の場所に配置され、
前記特定の場所は、前記第1の温度センサが、前記飲料分配装置の使用中に前記第1の温度センサの長さの大部分に沿って前記アイスバンクと接触するように選択された場所である、請求項16に記載の飲料分配装置。
【請求項19】
流入方向に前記冷却器コイルの長手方向軸に沿った第1の軸方向流路を有し、流出方向にその長手方向軸に直交する第2の半径方向流路を有する水中ポンプを含む、少なくとも第1の撹拌器ポンプを更に備える、請求項16に記載の飲料分配装置。
【請求項20】
前記第1の軸方向流路と反対の方向に、前記冷却器コイルの前記長手方向軸に沿った第3の軸方向流路を有し、前記第2の半径方向流路と同じ方向に、前記長手方向軸と直交する第4の半径方向流路を有する水中ポンプを含む、第2の撹拌器ポンプを更に備える、請求項19に記載の飲料分配装置。
【請求項21】
前記第1の撹拌器ポンプ及び前記第2の撹拌器ポンプは、使用中に前記冷水収容容器内にそれぞれ少なくとも部分的に水没し、
前記第1の撹拌器ポンプ及び前記第2の撹拌器ポンプはそれぞれ、前記冷却器コイルの長手方向軸に沿って延在し、それらの流入ポートを形成する第1の流入ポート及び第2の流入ポートを有し、
前記第1の撹拌器ポンプ及び前記第2の撹拌器ポンプはそれぞれ、流出ポートを形成する複数の出口を有し、
前記第1の流入ポート、前記第2の流入ポート及び前記流出ポートは、前記冷水収容容器の一部分に環状流路を生成する、請求項20に記載の飲料分配装置。
【請求項22】
少なくとも部分的に前記冷却器コイルの内部にあり、前記電子制御モジュールと電気的に連通している、少なくとも1つの撹拌器ポンプと、
前記冷水収容容器内の、前記飲料分配装置の使用中に前記アイスバンクと接触する場所に位置する氷接触温度センサであって、前記氷接触温度センサも前記電子制御モジュールと電気的に連通し、前記飲料分配装置の使用中、前記アイスバンクが成長して、前記氷接触温度センサと接触すると、前記氷接触温度センサは、前記電子制御モジュールに信号を送信し、その信号に応答して、前記電子制御モジュールは、前記アイスバンクの前記成長が前記氷接触温度センサに到達したときに前記アイスバンク冷蔵デバイスの圧縮機及びファンの電源をオフにすることによって、前記アイスバンク冷蔵デバイスを起動する、氷接触温度センサと、を更に備える、請求項16に記載の飲料分配装置。
【請求項23】
主水源と流体連通している上流端と、前記冷水収容容器と流体連通している冷水収容容器充填管路と流体連通している下流端と、を有する、ノーマルクローズ型の冷水収容容器充填弁と、
前記冷水収容容器内の水位を検知するための、前記冷水収容容器の頂部に位置する水位センサであって、前記冷水収容容器充填弁及び前記水位センサはそれぞれ、前記電子制御モジュールと電気的に連通し、前記電子制御モジュールは、前記水位が前記水位センサによって決定される所定の低レベルに到達したとき、前記冷水収容容器充填弁を開き、前記水位が前記水位センサによって決定される最大充填レベルにあるとき、前記冷水収容容器充填弁を閉じるように構成された回路を有する、水位センサと、を更に備える、請求項16に記載の飲料分配装置。
【請求項24】
前記冷水収容容器の底部にあって前記飲料分配装置のドレン管路接続部と流体連通しているドレンを有する、請求項23に記載の飲料分配装置。
【請求項25】
前記飲料分配装置内の冷水収容容器の内部の冷水浴中に完全に水没する撹拌器ポンプを有し、
前記冷却器コイルは、前記冷水浴と、前記冷水収容容器の内部の前記冷水浴の一部分を取り囲むアイスバンクの内部に配置され、
前記飲料分配装置はさらに、熱を吸収し、前記アイスバンクを形成する冷媒液を有する蒸発器コイルを有し、
前記撹拌器ポンプは、少なくとも1つの第1の吸込みポートを有する水中ポンプであって、前記冷却器コイルの壁を取り囲む前記冷水浴を、前記撹拌器ポンプの前記少なくとも1つの第1の吸込みポートに向けて方向付けるために、前記冷却器コイルに向けて配向される、使用中に吸込み流路を生成する、水中ポンプを備え、
前記撹拌器ポンプは、使用中に前記吸込み流路に対して直交する平面に配向された複数の出口ポートを有し、
前記複数の出口ポートは、吸込み長手方向軸に対して外向きに延在しており、
前記複数の出口ポートは、前記冷水浴の流出路を、前記アイスバンク及び前記蒸発器コイルに向けて方向付けるように配向されており、
前記少なくとも1つの第1の吸込みポート及び前記複数の出口ポートは、前記撹拌器ポンプの使用中に協働して、前記冷水収容容器の前記冷水浴から前記水を一旦吸い込み、排出する、請求項1に記載の飲料分配装置。
【請求項26】
前記撹拌器ポンプは、前記冷却器コイルに囲まれ、
前記吸込み流路は、前記冷却器コイルの長手方向軸に沿って延在し、
前記複数の出口ポートは、前記長手方向軸から外向きに配向され、使用中に流出路を生成し、
前記流出路は、前記長手方向軸から外向きに、前記冷却器コイルのコイルを通って延在する、請求項25に記載の飲料分配装置。
【請求項27】
前記複数の出口ポートは、前記流出路を前記アイスバンク及び前記蒸発器コイルに向けて、ただし、前記冷水収容容器の内部の温度センサから離れる方向に方向付けるように配向されている、請求項26に記載の飲料分配装置。
【請求項28】
前記複数の出口ポートのうちの異なる1つにそれぞれ接続され、それぞれの出口ポートから外向きに延在して、前記撹拌器ポンプから前記アイスバンクに前記水の流れを方向付ける、複数の出口管を更に備え、
前記複数の出口管は、前記前記流出路が前記冷水浴の内部の前記温度センサに直接流れることを回避するように配向されている、請求項27に記載の飲料分配装置。
【請求項29】
少なくとも1つの吸込みポートを有する第2の撹拌器ポンプを更に備え
前記撹拌器ポンプ及び前記第2の撹拌器ポンプは、互いに対向するそれらの対応の吸込みポートを有し、それぞれの吸込み流は垂直に方向付けられ、前記第2の撹拌器ポンプは、前記長手方向軸から外向きに配向された複数の出口ポートを有し、使用中に前記長手方向軸から外向きに延在する第2の流路を形成する、請求項25に記載の飲料分配装置。
【請求項30】
前記冷水収容容器内の、前記飲料分配装置の使用中に前記アイスバンクと接触する場所に位置する氷接触温度センサを更に備え、
前記氷接触温度センサは、前記アイスバンクが前記氷接触温度センサと接触しているとき、及び前記アイスバンクが前記氷接触温度センサと接触していないときを示す電気信号を送信する、請求項25に記載の飲料分配装置。
【請求項31】
前記冷水浴中に、前記冷却器コイルの内部の飲料水の温度を制御する飲料水温度センサを更に備え、前記飲料水温度センサは、前記飲料水の温度が予め決められた上限温度点を超えた場合に、前記撹拌器ポンプを起動する第1の電気信号を前記電子制御モジュールに送信し、前記温度が予め決められた下限温度点を下回ったときに、前記撹拌器ポンプを停止させる第2の電子信号を送信する、請求項25に記載の飲料分配装置。
【請求項32】
前記飲料水の前記温度が、前記上限温度点から前記上限温度点と前記下限温度点との間に低下すると、前記電子制御モジュールは、前記撹拌器ポンプを動作状態に維持し、
前記飲料水の前記温度が、前記下限温度点から前記上限温度点と前記下限温度点との間に上昇すると、前記電子制御モジュールは、前記撹拌器ポンプを停止する、請求項31に記載の飲料分配装置。
【請求項33】
前記撹拌器ポンプから排出される前記水の流出速度は、前記飲料水の前記温度に基づいて変化し、
前記流出速度は、前記温度が前記下限温度点以下であるときのゼロから開始し、前記飲料水の前記温度が前記下限温度点を超えて上昇するにつれて比例的に増加する、請求項31に記載の飲料分配装置。
【請求項34】
前記撹拌器ポンプ及び前記第2の撹拌器ポンプのそれぞれの作動は、前記冷却器コイルの前記飲料水の前記温度に依存し、
前記冷却器コイルの内部の前記飲料水の前記温度が、上限温度点を超えているとき、前記撹拌器ポンプ及び前記第2の撹拌器ポンプは動作し、
前記冷却器コイルの内部の前記飲料水の前記温度が、下限温度点を下回っているとき、前記撹拌器ポンプ及び前記第2の撹拌器ポンプのいずれも動作せず、
前記飲料水の前記温度が前記上限温度点と前記下限温度点の間にあるときは、前記撹拌器ポンプ及び前記第2の撹拌器ポンプの1つのみが動作している、請求項29に記載の飲料分配装置。
【請求項35】
前記上限温度点は1.2℃であり、前記下限温度点は0.6℃であり、それぞれの値から+/-0.5℃の範囲を含む、請求項31に記載の飲料分配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年4月7日に出願された米国特許出願第63/000,652号、及び2019年5月17日に出願された同第62/849,796号に対する優先権を主張するものであり、これらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(連邦政府資金による研究開発の記載)
該当なし
【背景技術】
【0003】
最近では、様々なサイズ及び特徴の水ディスペンサが家庭、オフィス、及びレストランで利用されている。しかし、現在のディスペンサでは分配されない数種の飲料が存在し、よって、アルカリ水など異なる化学特性を有する水又は異なる温度で異なる炭酸化レベルを有する水など種類豊富な水を分配するディスペンサが必要とされている。
【0004】
いくつかの水ディスペンサは、典型的には、冷水と二酸化炭素ガスを混合することによって、加圧キャニスタ(すなわち、圧力下の金属容器)内で(ポンプを使用して)高圧で注入される炭酸水を提供する。加圧キャニスタがガスと混合された水で満たされると、ユーザーは、加圧キャニスタが空になるまでその中に収容された炭酸水を分配することができ、バッチごとにそのサイクルが繰り返される。特定の容量の炭酸水(あらかじめ炭酸化された)を保持するために加圧キャニスタを使用せずに、代わりに、2019年2月27日に出願された米国特許出願第16/329,043号であり、2019年7月18日に米国特許出願公開第2019/0217256号として公開されたような、静電荷を使用するカーボネータなどの小型で効率的かつ連続的な、非エネルギー消費型のインラインフラッシュカーボネータを使用する、炭酸水又は他の炭酸飲料を即座に、必要に応じて、連続的に(すなわち、バッチごとではなく)生成することができるディスペンサが必要とされる。現行技術の炭酸飲料ディスペンサは、二酸化炭素ガスを水と組み合わせるために加圧キャニスタを使用するが、圧力を受けるこのような容器が占める空間は、その冷却器の全体的な寸法を増加させ、その冷却器のエネルギー効率を低下させる。したがって、炭酸化システムが小型かつ効率的であり、冷蔵システムもコンパクトかつ効率的であり得るディスペンサが必要とされる。
【0005】
水中の二酸化炭素ガスの溶解度レベル及び炭酸の形成が水の温度に関連する、すなわち、溶解度は、水の温度が水凍結温度(すなわち、0℃)に近づくと最大になるということは、物理学の周知の原理であることから、炭酸水及び炭酸飲料を分配することができる商用の水ディスペンサは、非常に強力な冷蔵システムを有しなければならない。
【0006】
冷却器は、冷水収容容器の内部の水浴に浸漬された冷蔵蒸発器コイルを有し、同じ水浴中に、ディスペンサによって製造される飲料水を冷蔵するための水ディスペンサ冷却コイルを有する。このような水ディスペンサは、いわゆる「水浴/アイスバンク」技術を使用し、蒸発器コイルの周囲一面に形成される氷の潜熱が、冷却器に入る飲料水をフラッシュ冷蔵するために使用される。更に、効率的な冷却システムを有するために、水ディスペンサのための冷蔵庫が必要とされる。
【0007】
冷却器は通常、出荷中の水の重量及び漏れを回避するために、冷水収容容器を空にして出荷される。したがって、ディスペンサの取り付け及びセットアップの間、取り付け係又はユーザーは、冷水収容容器に大量の水を手動で充填しなければならず、こぼす、跳ね上げる、及び入れすぎる問題が付随する。経時的に水が収容容器から蒸発する場合にも、手動で再充填する必要がある。したがって、冷水収容容器の手動充填及び再充填に付随する問題を回避する、輸送に好適な軽量の水ディスペンサが必要とされる。水ディスペンサが移動又は廃棄されなければならないときに、このような冷水収容容器を空にすることが更に必要とされる。
【0008】
更に、冷却蒸発器コイルは、冷水収容容器内の水を凍結させ、温度センサは、形成される氷の量を制限するために使用される。氷の成長が温度センサと接触するほどになったときに、圧縮機が動作を停止しない場合、冷却器内の水浴全体が凍結し、続いて、水浴が完全に凍結した冷却器収容容器の内部に浸漬されているステンレス鋼の飲料水用の冷水コイル内に流れる飲料水が凍結して、分配することができなくなる。氷の潜熱を使用して、水収容容器内の冷却コイルの冷却効率を高め得るように、かつ冷却器の内部の攪拌器が、氷の成長又は任意の他の時間に関する変動に基づくのではなく、冷却器水コイル内の飲料水の温度によって制御されるように、形成された氷の量に対するより正確な制御が必要とされる。
【0009】
冷水収容容器に浸漬された蒸発器冷却コイルを備えた水ディスペンサは、ディスペンサに収容される冷却された水の限られた供給を提供するが、その供給は、需要が高い期間に枯渇する可能性がある。したがって、氷と水との間の界面にあたる表面間の熱交換を高めることで、冷却された水の能力を高めて、水冷却器コイルの内部の飲料水の温度が十分に低くなったときに不必要に氷が溶けることを回避しながら、冷却器内の水に必要な撹拌を起こすことが必要とされる。水を適切な方向に向けることによって、対流による熱伝達を増加させる水浴撹拌器が更に必要とされる。
【0010】
冷水収容容器内での水の循環が中断されないことによる過剰な攪拌とそれに伴う消費、及びアイスバンクの早期融解を回避することが必要とされる。要求に基づいてアイスバンクの潜熱の使用を最適化することが更に必要とされる。
【0011】
飲料ディスペンサ用の高温水加熱器は、典型的には、収容容器内で高温水を作るために抵抗加熱器を使用し、重力及び水圧が、ディスペンサの底部又は側部、及び収容容器又は高温水収容容器の大部分の下方にある栓から加熱された水を分配する助けとなる。高温水により、栓が熱くて触れなくなる場合がある。従来技術のように高温水を分配するが、栓が熱くならない、改善された水加熱器が必要とされる。
【0012】
加えて、高温水の分配が停止された瞬間又は直後に、高温水タンクと栓との間の水管路に水が残らないことが必要であると考えられる。タンクと栓との間の出口管路内に高温水が残っている場合、管路内の水の温度は経時的に低下し、高温水を分配するために栓を再び開けたときに、栓から分配される高温水は、出口管路に残されたより低温の水と混合されるため、不都合に低温となる。したがって、高温水タンクの外側の出口管路に残り、分配されない全ての高温水が、栓が閉まるとすぐに高温水タンク内に戻り、その結果、水は、出口管路内に停滞して、その温度を徐々に低下させる代わりに、高温の(加熱器によって加熱された)ままになることが有用である。
【0013】
高温水タンクは、加熱された水を上方に(すなわち重力に逆らって)分注することができ、そのため、高温水タンクは、分配ノズルの高さよりも低く配置することができ、結果として、飲料ステーションディスペンサの設計は高すぎることがなくなるようにすることも必要である。
【0014】
水ディスペンサ用高温水タンクは、水蒸気が生成されるとき、それは高温水収容容器の水切れ又は水不足を示しているため、電気抵抗加熱器への電力を遮断する温度センサを有し、水蒸気温度は熱すぎる水の分配をもたらし得るため、そのような加熱器は水蒸気を回避する。しかし、水蒸気は水よりも熱を保持するため、水蒸気を使用しない加熱器の効率は低下する。高温水タンクのためのより効率的な高温水加熱システム及び改善された温度制御システムが必要とされる。
【0015】
高温飲料ディスペンサ用の電気抵抗加熱器は、使用されない一定期間の水の蒸発に起因して、高温水収容容器内の水位が低くなりすぎて、抵抗加熱器の一部が水で覆われなくなると、オーバーヒートする場合がある。したがって、高温水加熱器のオーバーヒートを回避するための改善された方法が必要とされる。
【0016】
アルカリ水の味は、周囲を下回る温度で消費された場合に改善されると考えられる。したがって、冷却アルカリ水の大きな収容容器を必要とせずに、限定されない冷却アルカリ水を提供し得るコンパクトな飲料ディスペンサが必要とされる。
【0017】
また、アルカリ性セラミックボールを含有するアルカリ室から無機塩類を恒常的に放出することが必要であり、ディスペンサが1日以上使用されていないときに無機塩類の急な放出を回避するために、飲料水への無機塩類の放出を制御及び安定化することが必要であると考えられる。
【発明の概要】
【0018】
多くの特徴が、改善された飲料ステーションに提供される。これらの改善としては、限定するものではないが、飲料ステーションが、ディスペンサの栓においてアルカリ水を分配するために、周囲温度水管路と流体連通しているアルカリフィルタカートリッジを有することが挙げられる。冷水管路は、同じ栓と流体連通し、そのため、冷水とアルカリ水との混合物が栓において提供されて、その温度をわずかに低下させることによってアルカリ水の味を改善する。加熱器を備えた高温水タンクは、栓の下方に位置しているため、高温水は、栓から分配するために上方に流れて、栓で高温水が提供される。高温水タンクと栓との間のベント管路は、栓から高温水を流し、高温水タンクに戻し、栓の加熱を回避するのに役立つ。外付けの二酸化炭素ガスタンクは、冷蔵システムによって冷却される水浴中に浸漬された、発泡水又は炭酸水の冷却管路、及びインラインカーボネータに炭酸化を提供し、栓において異なる炭酸化レベルを生成するために補足的な炭酸化を提供する。8の字形蒸発器コイルは、飲料ディスペンサの冷水能力を高めるために、2つの円筒形のアイスバンク及び2つの飲料水冷却器水コイルを提供する。最大2つの水中攪拌器ポンプを使用して、冷水浴の対向する上端及び下端に球状の流路を生成して水浴温度を制御し、飲料水温度センサで攪拌器を制御する。
【0019】
より詳細には、装置の使用中に水供給ポンプに水を提供するために、ハウジングの内部の水供給ポンプと流体連通している、第1の主水入口ポートを収容するハウジングを有する飲料ステーションが示されている。ディスペンサは、水供給ポンプ及び栓と流体連通している、少なくとも1つのステンレス鋼製の飲料水冷却器コイルを有し、ここで飲料水が冷却される。入来水を冷却するために、ステンレス鋼製の飲料水冷却器コイルは、ディスペンサの使用中に水供給ポンプからの入来水を、供給ポンプの水の周囲温度と32°Fを超える温度との間の温度まで冷却するために、低温部分を有する熱交換器に少なくとも部分的に挿入され、熱交換器によって冷却される。
【0020】
このような飲料ディスペンサは、飲料水冷却器コイルと流体連通するように設置された任意の第1の水管路スプリッタと、飲料水冷却器コイルに対して下流に位置付けられ、かつ第1の水管路スプリッタの下流で、第1の水管路スプリッタと流体連通するように位置付けられたノーマルクローズ型冷水弁と、を有する。ノーマルクローズ型発泡水弁は、冷却器コイルの下流に、及び第1の水管路スプリッタの下流に、第1の水管路スプリッタと流体連通するように位置付けられてもよい。発泡水弁は、下流の分配出口と流体連通している。少なくとも1つのノーマルクローズ型二酸化炭素ガス弁は、二酸化炭素ガスタンクと流体連通するように設置されてもよい。少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスは、二酸化炭素ガス弁の下流に、二酸化炭素ガス弁と流体連通するように位置し、また、冷水管路スプリッタの下流に、冷水管路スプリッタと流体連通するように位置している。ベンチュリは、冷水と二酸化炭素ガスとの混合を改善する。1つ以上の静的なインライン炭酸化デバイスは、任意選択的に、少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスの下流に、少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスと流体連通するように位置して、少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスを通って流れる冷水を更に炭酸化する。インラインベンチュリ制限デバイスは、熱交換器に少なくとも部分的に挿入され、熱交換器によって冷却されて、冷たい炭酸水を提供する。インライン炭酸化室は、その冷却された炭酸水を分配するために、炭酸化室の下流にある分配出口と流体連通している。
【0021】
飲料ディスペンサは、水供給ポンプ、水弁、発泡水弁、二酸化炭素ガス弁、及び冷水弁と電気的に連通して、それらの弁を開閉し、供給ポンプの電源をオン/オフにする電子制御モジュールを有する。冷水セレクタは、冷却された静水を分配するために、電子制御モジュールと電気的に連通するように設置される。冷水セレクタが起動されると、コントローラは、水供給ポンプの電源がオンになり、冷水弁が励起されて開き、装置の使用中に冷却された静水が分配出口に流れることを可能にするように、様々な部分に電気信号を送信する。炭酸水セレクタはまた、冷却された炭酸水を分配するために、電子制御モジュールと電気的に連通している。炭酸水セレクタが起動されると、制御モジュールは、水供給ポンプの電源がオンになり、発泡水弁及び二酸化炭素ガス弁の両方が励起されて開き、装置の使用中に炭酸水が分配出口に流れることを可能にするように、様々な部分に電気信号を送信する。
【0022】
上記の飲料分配装置は、飲料ステーションへの主入口ポートの下流に位置付けられ、セレクタが起動されると常に、主入口弁を開閉するように制御モジュールと電気的に連通しているノーマルクローズ型の主入口弁を含む。冷水セレクタ又は炭酸水セレクタが起動されると、主入口弁が励起されて開く。潜在的な蒸気を除き、ディスペンサ内の水は、ディスペンサから分配される水と等しい必要があるため、分配装置は、ディスペンサによって分配される水の量(例えば、容量)を監視するために、主入口ポートと流体連通し、制御モジュールに電気的に接続された流量計を含む。
【0023】
なお更なる変形例では、ディスペンサは、主弁及び分配出口と流体連通し、周囲水弁を開閉するために制御モジュールと電気的に連通しているノーマルクローズ型周囲水弁を含む、周囲水管路を含む。周囲水セレクタは、周囲温度水を分配するために、電子制御モジュールと電気的に連通している。周囲水セレクタが起動されると、コントローラは、水供給ポンプの電源をオンにして、周囲水弁を開き、装置の使用中に周囲温度水が分配されることを可能にする。
【0024】
更なる変形例では、飲料分配装置はまた、アルカリ水を分配する。この場合、ノーマルクローズ型周囲水弁は、使用中に水を受容するために、主水入口ポートと流体連通し、更に、周囲水弁を開閉するために制御モジュールと電気的に連通している。アルカリカートリッジは、周囲水弁の下流にあり、周囲水弁と流体連通している入口を有し、アルカリ水管路と流体連通しているカートリッジ出口を更に有する。アルカリカートリッジは、少なくとも1つ、好ましくはいくつかの異なるアルカリ無機塩類と、アルカリカートリッジ出口と流体連通している下流の活性化粒状炭素床と、を含む。フィルタ膜は、材料を分離するためにアルカリ無機塩類と炭床との間に介在し、アルカリ無機塩類の急な放出を回避し、より大きな無機粒子を濾過する。この構成では、飲料ディスペンサは、冷水弁及び周囲水弁の両方を開いて、周囲温度水がアルカリカートリッジを通ってアルカリ水管路に流れ込むことを可能にすることによってアルカリ水を分配するために、電子制御モジュールと電気的に連通しているアルカリセレクタを有する。冷水管路はまた、栓において放出された無機塩類の量を一旦希釈しながら、分配されるアルカリ水の温度を低下させるために、分配装置の使用中、分配出口で冷水とアルカリ水との混合物を分配するように、アルカリ水管路と(好ましくは分配出口で)流体連通している。
【0025】
更なる変形例では、コントローラは、周囲水弁を開いてから閉じる時間間隔よりも短い時間間隔で、冷水弁を開いてから閉じるタイミング回路を有する。加えて、アルカリ室は、無機アルカリ性結晶球を含有するカートリッジを含む。カートリッジは、周囲水弁と流体連通し、周囲水弁の下流にあるマニフォールド入口を有するマニフォールドに取り外し可能に接続される。水フィルタと共に使用されるタイプの接続は、好適であると考えられる。マニフォールドは、分配出口においてアルカリ水管路と流体連通しているマニフォールド出口を有する。
【0026】
なお更なる変形例では、飲料ステーションは高温水を分配し、高温水加熱器に溜まるが、高温水と一緒に分配されることのない水蒸気を効率的に使用しないという従来の問題に対処する。加熱器を含む改善された高温水タンクは、主弁と流体連通し、高温水弁及び主弁を開閉するために制御モジュールと電気的に連通しているノーマルクローズ型高温水弁を含む。タンクの底部に高温水収容容器を有し、タンクの頂部に蒸気室を有し、高温水収容容器を蒸気室から分離している隔壁を有する、高温水タンクが提供される。隔壁内の吐出開口部は、高温水収容容器を蒸気室と流体連通させ、そのため、水蒸気は、水収容容器が満杯であるか又は部分的に満杯であるかにかかわらず蒸気室内に流入し得る。スロット付き底部を有する管は、吐出開口部をタンクの外側に接続する。タンクは、タンクの底部に、高温水弁及び高温水収容容器の両方と流体連通している流体入口を有する。タンクはまた、タンクの頂部に、高温水収容容器及び蒸気室と流体連通している高温水出口を有し、そのため、装置の使用中に、水は、制御管を通ってタンクの底部に流入し、タンクの頂部から流出し、水が管を通って流れる際に水蒸気が制御管に吸引される。高温水出口は、高温水管路を介して分配出口と流体連通している。ディスペンサの高温水タンクは、装置の使用中に高温水タンク内の水を加熱するために、タンク内の高温水収容容器と熱連通する電気抵抗加熱器を有してもよい。加熱器は、加熱器を制御するために制御モジュールと電気的に連通している。高温水セレクタは、ディスペンサ上に提供され、高温水を分配するために電子制御モジュールと電気的に連通するように設置される。高温水セレクタが起動されると、制御モジュールは、高温水弁及び主弁を励起して開くために電気信号を送信し、そのため、水は高温水タンク内に流入し、スロット付き制御管の制限によって上向きに加速され、装置の使用中に高温水収容容器からの水が高温水出口から分配出口へと流れる。
【0027】
高温水ディスペンサの更なる変形例では、分配出口は高温水出口よりも高いため、高温水は、より低い高さに位置付けられた高温水タンクから分配出口へと上向きに流れる。蒸気管路は、分配出口及び蒸気室と流体連通して、分配が停止し、熱弁が閉じられたときに、高温水が吐出開口部から高温水タンクに逆流することを可能にするベント路を提供する。分配出口の温度は高温水と連続的に接触しないため、高温水分配出口は、冷水出口及び発泡水出口の両方と流体連通していてもよい。更に、管は有利には、吐出開口部を包囲するスロット付き底部を有し、高温水出口を形成する上部を更に有する制御管を含む。スロットは、高温水が、最低1分当たり1リットルの所定の流量で、制御管を通って流れるとき、蒸気室からの蒸気を吸引するように寸法決めされる。加熱器は有利には、加熱素子と接触し、制御モジュールと電気的に連通して、高温水の温度が高すぎるか又は水収容容器内の水位が低すぎる場合に、加熱素子を遮断する、安全サーモスタットを含む。
【0028】
飲料分配装置の更なる変形例では、水フィルタは、冷水弁及び発泡水弁の両方と流体連通するように、それらの弁の上流に設置される。
【0029】
飲料水を冷却するために、熱交換器は水浴及びアイスバンク冷蔵デバイスを使用する。このようなデバイスは、所定の体積の密閉された水収容容器を形成する上壁、底壁、及び側壁を有する冷水収容容器を含み、全ての壁は断熱されている。デバイスは、冷水収容容器の側壁の内側に隣接する蒸発器コイルを有する凍結器膨張管路を有する。蒸発器コイルは、蒸発器コイルと接触する冷水収容容器の内部の水を凍結させ、蒸発器コイルの大部分の周囲にアイスバンクを作るために、装置の使用中に十分な冷却能力を有し、冷水収容容器内部の水浴の残部は液体状態のままとなる。アイスバンクは、蒸発器コイルの周囲一面に、又はほぼ周囲一面に生成される。デバイスは、冷水収容容器内部に位置する飲料水冷却器コイルを有し、収容容器内の水浴によって少なくとも部分的に浸漬される。飲料ステーションの使用中、冷却器コイルの内部の飲料水は、蒸発器コイル上に形成されたアイスバンクによって冷却される。1つ以上の静的なインライン炭酸化室は、冷水収容容器内部の、分配装置の使用中に炭酸化装置が少なくとも部分的に水浴中に浸漬される場所に位置する。
【0030】
更なる変形例では、水浴及びアイスバンク冷蔵デバイスは、装置の使用中に冷水浴内部に位置する、冷水管路及び炭酸水管路の第1のスプリッタを有する。加えて、第1の温度センサは、コントローラと電気的に連通するように設置され、冷水収容容器内の、装置の使用中にセンサの長さの大部分に沿ってアイスバンクと接触するように選択された場所に位置付けられてもよい。温度センサはまた、制御モジュールと電気的に連通している。水と氷との間で著しく異なる抵抗率値を測定することによって、温度センサは、氷が成長したときを認識することができ、ディスペンサの冷蔵システムの圧縮機及びファンへの電力が遮断されるように、電子制御モジュールに信号を送信する。蒸発器コイルが水の凍結を停止し、氷の成長が中断されることにより、冷水収容容器内の水と、ステンレス鋼製の冷却器コイル内並びに冷却器の水浴に浸漬されたパイプ及び接続部内の飲料水との完全凍結が回避される。
【0031】
更なる変形例では、改善された水浴撹拌は、通常のスターラー又は他の攪拌器よりもアイスバンクと水浴との間の熱伝達を増加させるのにはるかに効果的であることが判明している、少なくとも1つの攪拌器ポンプの使用を通じて行われる。更なる変形例では、水浴の撹拌は、流入が飲料水冷却器コイルの長手方向軸に沿い、流出方向が水平方向に向けられる第1の軸流路を有する第1のポンプを有する、第1の水中攪拌器ポンプを用いて行われる。吸水口が長手方向軸上のポンプ本体に向かって長手方向に方向付けられる一方、水流は、攪拌器ポンプによって加速され、流出は、その長手方向軸に直交する平面上で、1つ又は複数の半径方向外向きで、半径方向に方向付けられる。2つ以上の攪拌器ポンプが使用され得るため、分配デバイスは、飲料水冷却器コイルの長手方向軸に沿った、第1の軸方向流路と反対方向の第3の軸方向流路を有する水中ポンプを有する、第2の水中攪拌を含んでもよい。第2の水中攪拌器ポンプ及びそのポンプは、その長手方向軸に直交した、第2の半径方向流路と同じ方向の第4の半径方向流路を有する。
【0032】
更なる変形例では、攪拌器は、冷水収容容器の水浴中に少なくとも部分的に水没しているそれぞれの撹拌器ポンプを備えたポンプ付きの第1及び第2の水中攪拌器を含む。それぞれの水中ポンプは、飲料水冷却器コイルの長手方向軸に沿って延在し、流入ポートを形成する、第1及び第2のそれぞれのノズルを有する。それぞれの水中攪拌器ポンプは、半径方向外向きに水を方向付ける流出ポートを形成する複数の第2のポートを有し、それぞれの水中攪拌器の流入ポート及び流出ポートは、冷水収容容器の一部分に環状流路を作る。
【0033】
更なる変形例では、アイスバンクの改善された温度制御が提供される。少なくとも1つの攪拌器ポンプは、少なくとも部分的に、飲料水冷却器コイルの内部にあり、コントローラと電気的に連通している。少なくとも1つの攪拌器ポンプは、好ましくは少なくとも部分的に水没している。氷接触温度センサは、冷水収容容器内の、装置の使用中にアイスバンクと接触する場所にあり、このセンサもコントローラと電気的に連通している。装置の使用中、アイスバンクは成長し、氷接触温度センサと接触し、次いで氷接触温度センサがコントローラに信号を送信し、その信号に応答して、コントローラは、冷蔵システムの圧縮機及びファンを起動するか又は停止させる。
【0034】
更なる変形例では、改善された冷水収容容器が提供される。冷水収容容器は、有利には、水のこぼれ及び蒸発を低減する封止された環境に冷水を収容するように封止される。主流弁と流体連通している上流端と、冷水収容容器と流体連通している冷水収容容器充填管路と流体連通している下流端と、を有する、ノーマルクローズ型の冷水収容容器充填弁が提供される。水位センサは、冷水収容容器内の水位を検出するために配置されている。バケット充填弁及び水位センサはそれぞれ、水位センサがセンサによって決定される所定の低水位に到達したとき、冷水収容容器充填弁を開き、水位センサがセンサ信号によって決定される最大充填水位にあるとき、収容容器充填弁を閉じるように構成された回路を有するコントローラと電気的に連通している。フロートセンサは好適であると考えられる。更なる変形例では、冷水収容容器は、所定の体積の封止されたエンクロージャ(sealed enclosed)を形成する上壁及び底壁及び側壁を含み、全ての壁は断熱され、流体連通管路及び電気的連通管路の少なくとも大部分は、冷水収容容器の頂部の封止された流体接続部を通って延在している。有利には、ディスペンサがある場所から取り外され、別の場所に移動されるときに、収容容器の内部から水浴を除去するためのドレンが、収容容器の底部に提供される。
【0035】
能力が高められた飲料分配装置も提供される。飲料ディスペンサハウジングは、装置の使用中に供給ポンプに水を提供するため、ハウジング内の水供給ポンプと流体連通している第1の主水入口ポートを有する。冷水収容容器は、所定の体積の密閉収容容器を形成する上壁、底壁、及び側壁を有し、全ての壁は、断熱され、任意選択的であるが有利には封止されて、冷水収容容器のための封止されたエンクロージャを提供する。蓋が取り外し可能である場合、Oリングシールなどのリングシールが提供される。装置は、冷水収容容器側壁の内側に蒸発器コイルを有し、冷水収容容器の側壁に接続された蒸発器の凍結器を有する。有利には、蒸発器コイルは、8の字形構成の第1の端部に第1の垂直蒸発器コイルと、8の字形構成の第2の端部に第2の垂直蒸発器コイルとを有する、8の字形構成を形成する。蒸発器コイルは、第1の垂直蒸発器コイルと第2の垂直蒸発器コイルとの間に延在する交互配置された接続セグメントを有する。蒸発器コイルは、蒸発器コイルと接触している水を凍結させて、側壁の面積の少なくとも大部分に壁部アイスバンクを生成するため、並びに第1及び第2の蒸発器コイルの交互配置されたセグメントが交互配置される、水収容容器の2つの対向する側壁の間に延在する中央アイスバンクを作るために、装置の使用中に十分な冷却能力を有する。
【0036】
能力が改善された分配装置はまた、第1の蒸発器コイルの内部に位置する第1の垂直な冷却器水コイルを有する。第1の冷却器水コイルは、水供給ポンプと流体連通している上流端と、第1の分配出口と流体連通している下流端とを有する。第2の垂直な冷却器水コイルは、第2の蒸発器コイルの内部に位置する。第2の冷却器水コイルは、水供給ポンプと流体連通している上流端と、第2の分配出口と流体連通している下流端とを有する。この8の字形構成は、単一のコイルとして2倍の量の冷水を提供すると考えられる。有利には、それぞれの飲料水冷水コイルは、飲用冷水コイル内の冷水の総容量1~1.6リットルに対して0.5~0.8リットルの冷水を収容する。
【0037】
水入口及び高温水出口、並びに異なる飲料に関連付けられた複数の飲料セレクタボタンを有する飲料ディスペンサで使用するための高温水タンクも提供される。セレクタボタンは、コントローラと電気的に連通して、飲料ディスペンサ内の適切な弁を起動させて、それぞれのセレクタボタンに関連付けられた異なる飲料を、吐出開口部を通じて分配する。セレクタボタンのうちの1つは、高温水ボタンを含む。高温水タンクは、ハウジングの底部に高温水収容容器と、ハウジングの頂部に蒸気室とを収容し、高温水収容容器を蒸気室から分離している隔壁を有する、タンクハウジングを含む。吐出開口部は隔壁を通って延在し、吐出開口部は有利には、隔壁内の凹部の底部に位置する。高温水ハウジングは、ハウジングの底部に水入口を有する。制御管は、吐出開口部から蒸気室を通り、ハウジングの頂部を通って延在する。制御管上のスロット付き底部は、隔壁の吐出開口部を取り囲む。スロット付き底部は、最低1分当たり1リットルの流量で制御管を通って流れる水が、スロットも通って流れることを阻止しながら、蒸気室内の任意の水蒸気が、スロット付き管内の制限器の面積及び入来水の圧力によって決定される速度で、制御管を通って流れる水に吸引されることを可能にするように寸法決めされた、複数の長手方向スロットを有する。スロットはまた、高温水収容容器からの水蒸気が蒸気室に入ることを可能にするように寸法決めされる。タンクはまた、任意選択的であるが有利には、蒸気室と流体連通している第1の端部と、ハウジングの外部にある第2の端部とを有するベント管を含み、第2の端部は、加熱器の使用中に流体管路に接続するように構成されている。タンクはまた、タンクの使用中に高温水収容容器内の水を加熱するために、ハウジング内の高温水収容容器と熱連通している電気抵抗加熱器を有してもよい。有利には、タンクはまた、高温水収容容器と熱連通する温度調節サーモスタットを有する。
【0038】
高温水の分配に使用するための改善された高温水タンクを有する飲料ディスペンサも提供される。飲料ディスペンサは、水入口と、高温水出口と、異なる飲料に関連付けられた複数の飲料セレクタボタンとを有し、それぞれのボタンは、飲料ディスペンサ内の適切な弁を起動して、飲料分配出口を介して対応するセレクタボタンに関連付けられた異なる飲料を分配するために、制御モジュールと電気的に連通している。セレクタボタンのうちの1つは、高温水ボタンである。改善された飲料ディスペンサは、飲料ディスペンサの水入口と流体連通しているノーマルクローズ型主弁と流体連通している、ノーマルクローズ型高温水弁を含む。高温水弁は、制御モジュールと電気的に連通して、高温水弁を開閉する。ディスペンサは、タンクの底部に高温水収容容器と、タンクの頂部に蒸気室とを有し、高温水収容容器を蒸気室から分離している隔壁を有する、改善された高温水タンクを有する。隔壁は、高温水収容容器及び蒸気収容容器を流体連通させる吐出開口部を有する。タンクは、高温水弁及び高温水収容容器と流体連通しているタンクの底部に水入口を有する。タンクは、タンクの頂部を通って排出口から延在し、高温水収容容器及び蒸気室と流体連通している制御管を有するため、水は、装置の使用中にタンクの底部に流入し、タンクの頂部から流出し得る。タンクは、高温水収容容器の底部に水ディフレクタを有し、装置の使用中に高温水タンクに入る周囲温度水と、高温水収容容器の内部に存在する高温水との混合に助力する。ディフレクタは、入来水の流れを加熱器に向けて方向付けることができる。高温水出口は、高温水管路を介して飲料分配出口と流体連通し、飲料分配出口は、タンクの高温水出口の垂直方向上方にある。制御管は、隔壁の吐出開口部を取り囲むスロット付き底部を有する。スロット付き底部は、制御管の長さに沿って延在し、少なくとも1分当たり1リットルの流量で制御管を通って流れる水が、スロットも通って流れることを阻止しながら、制御管を通って流れる水に蒸気室内の任意の水蒸気の少なくとも一部を吸引するように構成された、複数のスロットを有する。スロットは、高温水収容容器からの水蒸気が蒸気室に入ることを可能にするように寸法決めされる。ディスペンサは有利には、装置の使用中に高温水収容容器内の水を加熱するために、タンク内の高温水収容容器と熱連通する電気抵抗加熱器を有する。加熱器は、加熱器の動作を調節するために制御モジュールと電気的に連通している。加熱器の動作は、制御モジュールからの信号によって調節され、それにより、装置の使用中、高温水弁が励起されて開くと、水は高温水収容容器内に流入し、上方に流れ、高温水出口から分配出口へと流出する。
【0039】
更なる変形例では、高温水加熱器は、蒸気室と流体連通している第1の端部と、加熱器タンクの外部にある第2の端部とを有するベント管を含み、第2の端部は、加熱器の使用中に流体管路に接続するように構成されて、空気ロックを回避し、高温水が制御管を通って高温水収容容器内に戻ることを可能にするベント路を提供する。有利には、加熱器は、高温水収容容器と熱連通している温度調節サーモスタットと、加熱器と接触して、サーミスタが加熱器と接触するレベルより下に水位が下がった場合に安全遮断を提供するサーミスタと、を含む。
【0040】
また、分配される水のための水浴/アイスバンク冷却システムを使用して、飲料分配装置内の冷水浴用に改善された攪拌器ポンプも提供される。このシステムは、冷水収容容器の長手方向軸に沿って延在し、冷水浴内に位置する飲料水冷却器コイルと、アイスバンクを形成する冷蔵システムの蒸発器コイルを有する断熱された水収容容器の内部の冷水浴の一部分を取り囲むアイスバンクと、を有する。改善された攪拌器ポンプは、使用中に第1の流路を生成する少なくとも1つの吸込みポートを有する、冷却器コイルの長手方向軸に沿って延在する水中撹拌器ポンプをそれぞれが有する、第1及び第2の水中攪拌器を含む。両方の第1のポートは、その長手方向軸に沿って互いに対向している。それぞれの水中ポンプはまた、長手方向軸から外向きに配向され、長手方向軸から外向きに延在する、使用中に流出路を生成する複数の第2の出口ポートを有する。2つの攪拌器ポンプのそれぞれの吸込みポート及び出口開口部は、使用中に協働して、吸込みポートを介して長手方向に水を吸込み、出口開口部を介して、直交する平面上で半径方向に水を放出する。使用中、両方のポートは、冷水コイル内部の冷水浴内に位置する。更に、2つのポートは協働して、それぞれの攪拌器ポンプによって冷水収容容器の一部分に球状の流れパターンを生成し、その流れパターンが、飲料水冷却器コイルを凍結させないようにし、アイスバンクの厚さを制御する。有利には、それぞれの球状の流れパターンは、飲料水冷却器コイルの高さの約半分まで延在する。
【0041】
更なる変形例では、少なくとも1つの攪拌器ポンプは、飲料水冷却器コイルの内部の水の温度を制御する温度センサと協働して動作し、飲料水の温度が特定の上限値を超えるか又は下限値未満まで低下したときを示す電気信号を送信する。2つの値を使用して、攪拌(複数可)をオン及びオフにするか、又はそれらの速度を変化させるか、あるいは、他の動作を維持しながら1つの攪拌器ポンプをオフにするために使用される。
なお更なる飲料分配装置が、本明細書に開示される。このような装置は、冷水収容容器と、蒸発器コイルを含む冷蔵システムであって、蒸発器コイルは、冷水収容容器内に配置され、冷水収容容器内の水を凍結させてアイスバンクを形成するように構成されている、冷蔵システムと、冷水収容容器内の氷の存在を検出するように構成された氷センサと、氷センサと通信するコントローラであって、氷の存在が検出されたときに、冷蔵システムを停止するように構成されている、コントローラと、飲料水を循環させるように構成された冷水収容容器内に配置された冷却器コイルと、冷水収容容器内に配置され、冷水収容容器内で冷水を循環させるように構成された攪拌器ポンプと、冷却器コイルに隣接し、コントローラと連通するように配置された温度センサと、を備え、コントローラは、温度センサによって決定された温度に基づいて攪拌器ポンプを動作させる。
【0042】
更なる変形例では、飲料分配装置は、発泡水弁の下流に位置して二酸化炭素ガス弁と流体連通し、更に、冷水管路スプリッタの下流で、冷水管路スプリッタの下流に位置して冷水管路スプリッタと流体連通している、少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスを更に含んでもよい。更に、装置はまた、少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスを通って流れる水を更に炭酸化するため、少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスの下流で、少なくとも1つの第1の静的ベンチュリ制限デバイスと流体連通している、1つ以上の静的なインライン炭酸化デバイスを含んでもよい。インラインベンチュリ制限デバイスは、熱交換器に少なくとも部分的に挿入され、熱交換器によって冷却され、炭酸化デバイスは、炭酸化デバイスの下流の分配出口と流体連通している。また、使用中に水を受容するために分配装置の主水入口ポートと流体連通し、周囲水弁を開閉するために制御モジュールと電気的に連通している、ノーマルクローズ型周囲水弁を含む、アルカリ飲料のための飲料分配装置が提供される。アルカリ飲料分配装置はまた、周囲水弁の下流に、周囲水弁と流体連通している入口を有し、更に、アルカリ水管路と流体連通しているカートリッジ出口を有する、アルカリカートリッジを有する。
【0043】
本装置は、少なくとも1つのアルカリ無機塩類と、アルカリカートリッジ出口と流体連通している下流の活性化粒状炭素床と、を含む、アルカリカートリッジを更に含む。アルカリセレクタは、周囲水弁を開いて、周囲温度水がアルカリカートリッジを通ってアルカリ水管路に流入することを可能にすることによってアルカリ水を分配するために、電子制御モジュールと電気的に連通している。
【0044】
更なる変形例では、アルカリ水分配装置は、無機セラミックボールを収容するカートリッジを含むアルカリ室を有する。カートリッジは、周囲水弁と流体連通し、周囲水弁の下流にあるマニフォールド入口を有するマニフォールドに取り外し可能に接続される。マニフォールドはまた、アルカリ水管路と流体連通しているマニフォールド出口を有する。なお更なる変形例では、アルカリ水分配装置は、水を冷蔵及び冷却するための冷蔵システムを有し、冷蔵システムから冷水を分配するためにコントローラによって作動され得るノーマルクローズ型冷水弁を有する。分配装置はまた、アルカリ水管路及び冷水管路の両方と流体連通する出口を有する。コントローラはまた、分配装置の使用中に分配出口において冷水及びアルカリ水の混合物を分配するため、周囲水弁及び冷水弁の両方を開き、次いで閉じる。なお更なる変形例では、アルカリ水分配装置は、周囲水弁が開いて閉じられる時間間隔よりも短い時間間隔で開く冷水弁開口部を有する。
【0045】
高温水弁に対して下流に位置付けられた高温水タンクと流体連通しているノーマルクローズ型高温水弁を含む、高温水飲料用の高温水分配出口を有する飲料分配装置も提供される。高温水弁は、電子制御モジュールと電気的に連通している。高温水タンクは、タンクの底部に高温水収容容器と、タンクの頂部に蒸気室とを有し、高温水収容容器を蒸気室から分離している隔壁と、隔壁内の吐出開口部とを有する。タンクは、高温水弁及び高温水収容容器と流体連通しているタンクの底部に流体入口を有する。飲料分配装置はまた、電子制御モジュールと電気的に連通している高温水収容容器内に電気抵抗加熱器を有する。電気加熱器は、温度センサによって動作され、温度センサが特定の値未満の温度を検出すると、加熱器の電源がオンになり、温度センサが特定の値を超える温度を検出すると、電源はオフになるため、加熱器の電力は、上限温度と加減温度との間で循環している。電気加熱素子は、高温水収容容器内の水と熱接触し、その温度が常に循環温度の範囲内に保たれるように、収容容器の内部の水を加熱する、ステンレス鋼製の保護シリンダ内に密閉されてもよい。高温水タンクは、高温水収容容器及び蒸気室の両方と流体連通しているタンクの頂部に高温水出口を有するため、装置の使用中、水は、タンクの底部に流入し、タンクの頂部から流出する。高温水出口は、高温水管路を介して高温水分配出口と流体連通している。高温水の分配出口は、高温水タンクよりも高いレベルに位置しているため、高温水は、装置の動作中に高温水分配出口へと上方に流れなければならない。
【0046】
飲料分配装置はまた、高温水が吐出開口部から出口へ流れ、高温水弁が閉じられた後に蒸気室内及び高温水タンク内へと戻ることを可能にするベント路を提供するために、高温水タンク内の分配出口及び蒸気室と流体連通している蒸気管路を有する。更に、吐出開口部を取り囲むスロット付き底部を有し、高温水出口を形成する頂部を更に有する制御管が提供され、スロットは、高温水が所定の流量で制御管を通って流れるときに蒸気室から蒸気を吸引するように寸法決めされている。高温水セレクタは、高温水を分配するために電子制御モジュールと電気的に連通するように設置され、高温水セレクタが起動されると、制御モジュールは、高温水弁を励起して開くために電気信号を送信し、それにより、装置の使用中、水は高温水収容容器内に流入し、上方に流れ、高温水出口から分配出口へと流出する。
【0047】
更なる変形例では、飲料分配装置は、高温水タンクの外壁に位置付けられ、高温水タンク内の温度が高すぎる場合に加熱素子を遮断するために制御モジュールと電気的に連通している、安全サーモスタットを含んでもよい。なお更なる変形例では、装置は、高温水分配出口と流体連通している高温水タンク、高温水弁、及び高温水管路を含む。なお更に、アルカリ水室、アルカリ水弁、及びアルカリ水管路は、高温水分配出口と流体連通するように設置されてもよく、高温水分配出口は、冷水出口、発泡水出口、及びアルカリ水出口のうちの少なくとも1つと流体連通している。
【0048】
なお更なる変形例では、飲料分配装置は、高温水出口と流体連通している出口のそれぞれを有する。飲料分配装置は、水浴及びアイスバンク冷蔵デバイスを使用する熱交換器を使用してもよい。冷蔵デバイスは、所定の体積の密閉水収容容器を形成する上壁、底壁、及び側壁を有する冷水収容容器を含んでもよく、全ての壁は断熱されている。冷蔵デバイスはまた、冷水収容容器の内部に蒸発器コイルを有し、冷水収容容器の側壁に接続された凍結器膨張管路を含み、蒸発器コイルは、装置の使用中に、蒸発器コイルと接触する水を凍結させ、凍結器コイルの実質的大部分の周囲にアイスバンクを生成し、アイスバンクの内部に冷水浴を設けるのに、十分な冷却能力を有する。飲料水冷却器水コイルは、冷水浴の内部及びアイスバンクの内部に位置して、使用中に冷却器コイルを通って流れる水を冷やす。1つ以上の静的なインライン炭酸化デバイスは、冷水収容容器の内部の、装置の使用中に炭酸化デバイスが少なくとも部分的に水浴中に浸漬される場所に位置する。
【0049】
飲料分配装置の更なる変形例では、流入方向に冷却器コイルの長手方向軸に沿った第1の軸方向流路を有し、流出方向にその長手方向軸に直交する第2の半径方向流路を有する水中ポンプを含む、少なくとも1つの攪拌器ポンプが提供される。飲料分配装置は、使用中に冷水収容容器内にそれぞれ少なくとも部分的に水没する第1及び第2の攪拌を含んでもよく、それぞれの撹拌器ポンプは、冷却器コイルの長手方向軸に沿って延在し、それらの流入ポートを形成する第1及び第2の対応の入口ポートを有し、それぞれの攪拌器ポンプは、流出ポートを形成する複数の出口を有し、それぞれの攪拌器ポンプの流入ポート及び流出ポートは、冷水収容容器の一部分に環状流路を生成する。
【0050】
飲料分配装置の更なる変形例は、少なくとも部分的に冷却器コイル内にあり、コントローラと電気的に連通している少なくとも1つの攪拌器ポンプと、冷水収容容器内の、装置の使用中にアイスバンクと接触する場所に位置する氷接触温度センサと、を含んでもよく、氷接触温度センサもコントローラと電気的に連通している。装置の使用中、アイスバンクが成長して、氷接触温度センサと接触すると、氷接触温度センサは、コントローラに信号を送信し、その信号に応答して、コントローラは、アイスバンクの成長が温度センサに到達したときに冷蔵デバイスの圧縮機及びファンの電源をオフにすることによって、冷蔵デバイスを起動する。
【0051】
なお更なる変形例では、飲料分配装置は、主水源と流体連通している上流端と、冷水収容容器と流体連通している冷水収容容器充填管路と流体連通する下流端と、を有する、ノーマルクローズ型の冷水収容容器充填弁を含んでもよい。水位センサは、冷水収容容器の頂部に位置して、冷水収容容器内の水位を検出する。冷水収容容器充填弁及び水位センサはそれぞれ、コントローラと電気的に連通し、コントローラは、水位センサがセンサによって決定される所定の低水位に到達したとき、冷水収容容器充填弁を開き、水位センサがセンサによって決定される最大充填水位にあるとき、冷水収容容器充填弁を閉じるように構成された回路を有する。
【0052】
また、装置の使用中に供給ポンプに水を提供するために、ハウジング内の水供給ポンプと流体連通している第1の主水入口ポートを有するハウジングを含む、複数の飲料を分配するための飲料分配装置が提供される。この装置はまた、所定の体積の密閉水収容容器を形成する上壁、底壁、及び側壁を有する冷水収容容器を含み、全ての壁は断熱されている。凍結器膨張管路は、冷水収容容器の側壁の内側にあり、冷水収容容器の側壁に接続されている蒸発器コイルを有する。蒸発器コイルは、8の字形構成の第1の端部に第1の垂直コイルと、8の字形構成の第2の端部に第2の垂直コイルとを有する、8の字形構成を形成する。蒸発器コイルは、第1の垂直コイルと第2の垂直コイルとの間に延在する交互配置された接続セグメントを有し、蒸発器コイルは、装置の使用中に、蒸発器コイルと接触している水を凍結させ、側壁の少なくとも大部分の周囲に壁部アイスバンクを生成するため、かつ第1及び第2の凍結器コイルの交互配置されたセグメントが交互配置される、水収容容器の2つの対向する側壁の間に延在する中央アイスバンクを生成するために十分な冷却機能を有する。
【0053】
この装置はまた、第1の蒸発器コイルの内部に位置し、水供給ポンプと流体連通している上流端と、分配出口と流体連通している下流端とを有する、第1の垂直な飲料水冷却器水コイルを含む。第2の垂直飲料水冷却器コイルは、第2の蒸発器コイルの内部に位置し、水供給ポンプと流体連通している上流端と、分配出口と流体連通している下流端とを有する。
【0054】
水入口及び高温水出口と、異なる飲料に関連付けられた複数の飲料セレクタボタンとを有する飲料ディスペンサ装置に使用するための高温水タンクも提供され、セレクタボタンは、飲料ディスペンサ内の適切な弁を起動して、それぞれのセレクタボタンに関連付けられた異なる飲料を吐出開口部を介して分配するために、コントローラと電気的に連通しており、セレクタボタンのうちの1つは、高温水ボタンを含む。この高温水タンクは、ハウジングの底部に高温水収容容器と、ハウジングの頂部に蒸気室とを収容する高温水タンクハウジングであって、高温水収容容器を蒸気室から分離している隔壁を有し、隔壁内に吐出開口部を有し、ハウジングはハウジングの底部に水入口を有する、高温水タンクハウジングを含む。制御管は、吐出開口部から蒸気室を通り、ハウジングの頂部を通って延在する。制御管は、隔壁の吐出開口部を取り囲むスロット付き底部を有する。スロット付き底部は、1分当たり1リットルを超える流量で制御管を通って流れる水が、スロットも通って流れることを阻止しながら、制御管を通って流れる水に蒸気室内の任意の水蒸気を吸引するように構成された、複数のスロットを有する。スロットは、高温水収容容器からの水蒸気が蒸気室に入ることを可能にするように寸法決めされる。装置からの高温水分配のための出口が提供され、出口は高温水タンクハウジング及び制御管に対してより高い場所に位置付けられ、その結果、高温水は、高温水収容容器から上方向に流出する。ベント管は、蒸気室と流体連通している第1の端部と、ハウジングの外部にある第2の端部とを有し、第2の端部は、加熱器の使用中に蒸気管路に接続するように構成されている。電気抵抗加熱器は、タンクの使用中に高温水収容容器内の水を加熱するために、高温水タンクのハウジング内の高温水収容容器と熱連通するように設置される。温度センサ、好ましくは、負の温度係数(NTC)センサを有する温度調節サーモスタットは、高温水収容容器と熱連通している。
【0055】
更なる変形例では、この高温水タンクはまた、高温水収容容器と流体連通し、制御管の断面積の半分未満である流体通路の断面積を有する制限付き開口部をその底部に有する制御管を含んでもよい。高温水収容容器内の加熱器とNTCの温度センサとの間の物理的距離は、好ましくは2mm未満である。
【0056】
装置からの高温水の分配に使用するための高温水タンクを有する飲料分配装置も提供され、飲料ディスペンサは、水入口と、高温水出口と、異なる飲料に関連付けられた複数の飲料セレクタボタンとを有し、それぞれのボタンは、飲料ディスペンサ内の適切な弁を起動して、飲料分配出口を介してそれぞれのセレクタボタンに関連付けられた異なる飲料を分配するために、制御モジュールと電気的に連通している。セレクタボタンのうちの1つは、高温水ボタンを含む。この飲料ディスペンサは、飲料ディスペンサの水入口と流体連通しているノーマルクローズ型の主弁と流体連通している、ノーマルクローズ型高温水弁を含み、高温水弁は、高温水弁を開閉するために制御モジュールと電気的に連通している。高温水タンクは、タンクの底部に高温水収容容器と、タンクの頂部に蒸気室とを有し、高温水収容容器を蒸気室から分離している隔壁を有し、隔壁は、高温水収容容器と蒸気収容容器とを流体連通させる吐出開口部を有する。タンクは、高温水弁及び高温水収容容器と流体連通しているタンクの底部に水入口を有する。タンクは、タンクの頂部を通って排出口から延在し、高温水収容容器及び蒸気室と流体連通している制御管を有するため、水は、装置の使用中にタンクの底部に流れ込み、タンクの頂部から流出し得る。高温水出口は、高温水管路を介して飲料分配出口と流体連通し、飲料分配出口は、タンクの高温水出口の垂直方向上方にある。制御管は、隔壁にある吐出開口部を取り囲むスロット付き底部を有し、スロット付き底部は、制御管の長さに沿って延在し、少なくとも1分当たり1リットル以上の流量で制御管を通って流れる水が、スロットも通って流れることを阻止しながら、制御管を通って流れる水に蒸気室内の任意の水蒸気の少なくとも一部を吸引するように構成された、複数のスロットを有する。スロットは、高温水収容容器からの水蒸気が蒸気室に入ることを可能にするように寸法決めされる。電気抵抗加熱器は、装置の使用中に高温水収容容器内の水を加熱するために、タンク内の高温水収容容器と熱連通し、加熱器は、制御モジュールと電気的に連通している。また、温度調節用の負の温度係数(NTC)センサは、高温水収容容器と熱連通している。装置の使用中に、高温水弁が励起されて開くと、水が高温水収容容器内に流入し、上方に流れ、高温水出口から分配出口へと流出する。
【0057】
この飲料分配装置の更なる変形例は、蒸気室と流体連通している第1の端部と、加熱器タンクの外部にある第2の端部とを有するベント管を含み、第2の端部は、加熱器の使用中に流体管路に接続するように構成されている。更に、高温タンクの外壁に、加熱器と電気的に連通している安全サーモスタットが、制御モジュール及びオン/オフスイッチと共に提供されてもよく、高温タンクの壁の温度が特定の値を超えると、サーモスタットは電気回路を開き、高温タンクがオーバーヒートすることを回避する。
【0058】
この飲料分配装置のなお更なる変形例は、高温水収容容器の底部に位置付けられ、高温水弁と流体連通している水入口ポート内の水ディフレクタを含み、水ディフレクタは、分配装置の使用中、高温水弁が開いているときに入来水の流路を逸らすことで、入口の水が、高温水収容容器内の高温水と最初に混合することなく、直接、制御管を通って流出することを回避するために、入来水を加熱器に向けて方向付ける。なお更なる変形例は、加熱器の熱効率を低下させるスケール沈積を回避するために、加熱器の周囲に保護用のステンレス鋼シャツを含んでもよい。
【0059】
飲料分配装置内の冷水収容容器の内部の冷水浴中に完全に水没し得る攪拌器ポンプも提供され、装置は、冷水浴の少なくとも実質的に内部に位置する飲料水冷却器コイルと、熱を吸収し、アイスバンクを形成する、冷媒液を有する蒸発器コイルを有する、断熱された冷水収容容器の内部の冷水浴の一部分を取り囲むアイスバンクと、を有する。攪拌器ポンプは、使用中に、飲料水冷却器コイル軸に対して長手方向に配向され、攪拌器の入口ポートに向かって、飲料水冷却器コイルの内壁を取り囲む水浴を方向付ける、吸込み流路を生成するように配向された少なくとも1つの吸込みポートを有する、水中ポンプを含む。攪拌器ポンプは、使用中に吸い込み流路に対して直交する平面に配向された複数の第2の出口ポートを有し、出口ポートは、吸込み長手方向軸に対して外向きに延在する。複数の出口ポートは、水浴の流出路をアイスバンク及び蒸発器コイルへと方向付けるように配向されている。少なくとも1つの入口ポート及び複数の出口ポートは、攪拌器ポンプの使用中に協働して、冷水収容容器の水浴から水を一旦吸い込み、排出する。
【0060】
更なる変形例では、この撹拌器ポンプは、この入口ポートの吸込み流が垂直に方向付けられた入口ポートを含み、攪拌器ポンプは、長手方向軸に沿って延在し、冷水中に位置する、飲料水冷却器コイルの内部に位置する。攪拌器ポンプは、冷却器コイルの長手方向軸と同じ長手方向に沿って延在する、使用中に吸込み流路を生成するその吸込みポートを有し、吸込みポートは冷却器コイルの内部に位置している。複数の第2の出口開口部は、長手方向軸から外向きに配向され、使用中に流出路を生成し、長手方向軸から外向きに、飲料水冷却器コイルのコイルを通って延在する。
【0061】
なお更なる変形例では、攪拌器ポンプは、流出路をアイスバンク及び蒸発器コイルに向かって、ただし、冷水収容容器の内部の温度センサからは離れる方向に方向付けるように配向された複数のポートを有する。出口管は、出口水路が水浴中の温度センサに向かい、その周囲を偶発的に流れることを回避するために、好ましくは出口ポートに接続されて、攪拌器ポンプの出口からアイスバンクへと水流を運ぶ。
【0062】
なお更なる変形例では、攪拌器ポンプは、第2の攪拌器ポンプを含み、2つの攪拌器ポンプは、互いに対向するそれぞれの入口ポートを有し、それぞれの吸込み流は垂直に配向され、それぞれの撹拌器ポンプは、長手方向軸から外向きに配向された複数の出口ポートを有して、使用中に長手方向軸から外向きに延在する第2の流路を生成し、それぞれの撹拌器ポンプ内のポートは、使用中に協働して、少なくとも1つの出口ポートを通して冷水を排出する。入口ポート及び出口ポートは、使用中に冷水浴に完全に浸漬されるように冷水収容容器内に位置し、2つの撹拌ポンプの両方は、同じ冷水コイルの内部に位置する。
【0063】
なお更なる変形例では、攪拌器ポンプは、冷水収容容器内の、装置の使用中にアイスバンクと接触する場所に位置する氷接触温度センサを含んでもよく、センサは、アイスバンクがセンサと接触しているとき、及びアイスバンクがセンサと接触していないときを示す電気信号を送信する。飲料水温度センサは、水浴中に配置されて、冷却器コイルの内部の飲料水の温度を制御することができ、センサは、飲料水の温度が特定の上限温度点を超えた場合に、攪拌器ポンプを起動するように電子制御モジュールに第1の電気信号を送信し、温度が特定の下限温度点を下回ったときに、攪拌を停止させるために第2の電子信号を送信する。
【0064】
更なる変形例では、飲料水の温度が上限温度点と下限温度点との間にあるとき、電子制御モジュールは、攪拌器をその既存の状態(動作していた場合は動作状態、動作していなかった場合はアイドリング状態)に維持する。なお更なる変形例では、排出される水流出の速度は、飲料水の温度に基づいて変化し、1つ又は2つの攪拌器の速度は、温度が特定の下限温度点以下であるときのゼロから開始し、飲料水の温度が下限温度点を超えて上昇するにつれて比例的に増加する。
【0065】
なお更なる変形例では、上記の変形例のいずれかに記載されるような第2の撹拌器ポンプが提供されてもよく、それぞれの攪拌器ポンプの作動は、飲料水の温度に依存し、両方の攪拌器ポンプは、冷却器コイルの内部の飲料水の温度が、上限温度点に対応する第1の所定の値を超えているときに動作し、2つの攪拌器ポンプのいずれも、冷却器コイル内の飲料水の温度が、下限温度点に対応する第2の所定の値を下回っているときは動作せず、2つの撹拌器ポンプのうちの1つのみが、飲料水の温度が2つの温度点の間にあるときに作動する。好ましくは、上限温度点は1.2℃であり、下限温度点は0.6℃であり、それぞれの値から+/-0.5℃の範囲を含む。
【0066】
飲料ディスペンサ用のカップ位置合わせデバイスも提供される。飲料ディスペンサは、ハウジングと、少なくとも1つの消耗液を分配するための栓と、栓の下にあるカップ支持体であって、その上に飲料カップを置いて、栓から分配される液体を受容することができる、カップ支持体と、栓とカップ支持体との間で、カップ支持体と栓との間の垂直線の後ろ側に位置するハウジング壁と、を有する。照明されたライトバーは、ハウジング壁に接続され、栓とカップ支持体との間の垂直経路に沿って延在し、それにより、ユーザーは、カップ支持体に又はそれより上に置かれたカップ内に栓から液体が分配される際に、液体の経路を視覚的に確認することができる。同じくハウジング壁に接続されたプラスチックシールドがライトバーを覆い、経路に沿って延在して、飲料ディスペンサの使用中に液体からライトバーを遮蔽する。
【0067】
更なる変形例では、カップ位置合わせデバイスは、タイマーと電気的に連通している複数のLEDと、それぞれのLEDを順次に、かつ別個に起動するように構成された電気制御回路とを有するライトバーを含んでもよい。飲料ディスペンサは、それぞれの栓の下に別個のカップ支持体、又は複数の栓の下に連続するカップ支持体を有してもよく、垂直のライトバーは、ハウジング壁に沿って、それぞれの栓からその栓の下のカップホルダーに向かって下向きに延在する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本発明のこれら及び他の利点及び特徴は、以下の図面及び説明を考慮してより良く理解され、図面及び説明における同様の数字は、全体を通して同様の部分を指す。
【0069】
図1A】二酸化炭素ガスの加圧タンクを取り囲む支持キャビネットスタンド上の飲料ステーションの上面斜視図である。
【0070】
図1B図1Aの支持キャビネットスタンド上の飲料ステーションの正面図である。
【0071】
図1C図1Bの飲料ステーション及びキャビネットスタンドの左側面図である。
【0072】
図1D図1Bの飲料ステーションの背面図である。
【0073】
図2A】凍結器システムを含む飲料ステーションの流体接続部を示す図である。
【0074】
図2B】凍結器システムが取り外された飲料ステーションの流体接続部を示す、図2Aの簡略配管図である。
【0075】
図2C】冷水管路のみを示す、図2Bの簡略図である。
【0076】
図2D】冷水管路を有するアルカリ水管路を示す、図2Bの簡略図である。
【0077】
図2E】炭酸化機構を使用した炭酸水管路を示す、図2Bの簡略図である。
【0078】
図2F】そのハウジングの内部により小さい二酸化炭素ガスタンク又はキャニスタと、漏れ止めシステムを有する小型水フィルタとを収容する飲料ステーションを示す、図2Bと同一の配管図である。
【0079】
図2G】高温水管路を示す、図2Bの簡略図である。
【0080】
図3A図2A及び図2Fの凍結器システムの部分を示す斜視図である。
【0081】
図3B】飲料水冷却器コイル及び2つのインラインカーボネータ室を示す斜視図である。
【0082】
図3C図3Bの飲料水冷却器コイル及びカーボネータの上面図である。
【0083】
図3D図3B図3Cに示される飲料水冷却器コイル及び2つのカーボネータにおける流体管路及び接続部の斜視図である。
【0084】
図4A】2つの攪拌器、及び渦巻き状の飲料水冷却器コイルを有する冷水収容容器内の水浴の循環路を含む、その内容物を示す冷水収容容器の概略断面図である。
【0085】
図4B】コイルの側部が水収容容器の側部と平行している、矩形形状に配置された、垂直に起伏する飲料水冷却器コイルを有する冷水収容容器の内部の水浴中に出口管を有する単一の攪拌器ポンプを含む、その内容物を示す冷水収容容器の上面図である。
【0086】
図4C】出口管内の単一の攪拌器と、結果として生じる、冷水収容容器の内部の水浴の循環経路とを示す、図4Bの断面4C-4Cに沿って取られた断面図である。
【0087】
図4D】出口管の内部の、単一の攪拌器の拡大分解図である。
【0088】
図5】アルカリカートリッジ及び嵌合マニフォールドの長手方向軸に沿った断面図である。
【0089】
図6A図6Cの断面6A-6Aに沿って取られた、図6Cの高温水タンクの断面図である。
【0090】
図6B図6Cの断面6B-6Bに沿って取られた、図6Cの高温水タンクの断面図である。
【0091】
図6C】高温水タンクの斜視図である。
【0092】
図7A】炭酸化を増加させるカーボネータ室の分解斜視図である。
【0093】
図7B】2つのカーボネータを使用するカーボネータシステムの第1の実施形態の断面図である。
【0094】
図7C】2つのカーボネータを使用するカーボネータシステムの代替的な実施形態の断面図である。
【0095】
図8A】異なる数の分配ボタン及び任意のカップ位置合わせ機構を有する飲料ステーションの正面図である。
【0096】
図8B】異なる数の分配ボタン及び複数の栓を有し、任意のカップ位置合わせ機構を有する飲料ステーションの正面図である。
【0097】
図9A】8の字形蒸発器コイルの斜視図である。
【0098】
図9B図9Aの8の字形蒸発器コイルの上面図である。
【0099】
図9C図9Bの断面9C-9Cに沿って取られた断面図である。
【0100】
図10A】それぞれ2つのカーボネータ室を有する、8の字形冷却コイル、アイスバンク、及び2つの飲料水冷却器コイルを収容する、断熱冷水収容容器の上面図である。
【0101】
図10B図10Aの断面10B-10Bに沿って取られた断面図である。
【0102】
図10C】水ブースター収容容器の斜視図である。
【0103】
図10D図10Cの断面10D-10Dに沿って取られた断面図である。
【0104】
図10E図10Cの2つの水ブースター収容容器を有する、図10Aの断熱冷水収容容器の上面図である。
【0105】
図10F図10Eの断面10F-10Fに沿って取られた断面図である。
【0106】
図11A】飲料ステーションの様々な構成要素の制御回路の概略図である。
【0107】
図11B】冷水を提供するための制御回路の概略図である。
【0108】
図11C】アルカリ水を提供するための制御回路の概略図である。
【0109】
図11D】炭酸水を提供するための制御回路の概略図である。
【0110】
図11E】高温水を提供するための制御回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0111】
本明細書で使用するとき、上流及び下流といった相対用語は、流体が様々な部分及び流体接続部を通って流れる方向を指す。流体は、一般に、建物の水管路から下流に流れ、栓に向かい、反対方向の上流に流れる。
【0112】
本明細書で使用するとき、以下の部品番号は、以下の部品を指す:20-飲料ステーション、22-キャビネットスタンド、24-ドア、26-二酸化炭素ガスタンク、28-二酸化炭素ガスタンクの遮断弁、30-二酸化炭素ガス圧及び流量調節器、32-水フィルタ、40-充填/分配領域、42-分配領域の側壁、44-栓/ノズル、46-ドレンパン、48-ドレン格子、50-ドレンパイプ、51-ドレン出口ポート、52-炭酸水ボタン、54-アルカリ水ボタン、56-冷水ボタン、58-高温水ボタン、60-自動充填ボタン、62-インジケータライト、64-コントローラ、68-飲料ステーションのハウジングをシミュレートする点線、70-圧縮機、72-凍結器膨張管路、74-冷水収容容器、76-断熱材、77-蒸発器コイル、78-凝縮器、79-ファン、80-水パイプライン、82-水プレフィルタ、84-水カーボンフィルタ、86-水入口ポート、88-流量計、90-主弁、92-水供給ポンプ、94-飲料水冷却器コイル、96-冷水弁、97-冷水電気通信線、98-冷水管路、99-飲料ステーションハウジング上の排水口、100-周囲水弁、102-アルカリカートリッジ、104-アルカリ水管路、105-アルカリ水電気通信線、108-内部二酸化炭素キャニスタ、110-二酸化炭素ガス入口ポート、112-二酸化炭素ガス弁、113-二酸化炭素ガス電気通信線、114-二酸化炭素ガス管路、116-炭酸水弁、118-第1のスプリッタ、119-第2のスプリッタ、120-カーボネータデバイス、121-第2のカーボネータデバイス、122-炭酸水管路、124a、b-逆止弁、126-冷水収容容器内のドレン管路、130-内部水フィルタ、132-冷水コイルスプリッタ、134-第1の炭酸水管路、138-第2の炭酸水管路、140-第1のコネクタガス液、142-第2のコネクタガス液、144a、b-ベンチュリ、146-主電源スイッチ、147-フィルタリセットボタン、148-電力リセットボタン、150-高温水弁、152-高温水タンク、154-加熱器、156-温度センサ、158-サーミスタ、160-高温水管路、162-蒸気管路、163-加熱器電気通信線、164-高温水オフスイッチ、166-チャイルドセーフティスイッチ、170-攪拌器ポンプ、171-電気モータ、172-吸込みポート、174-出口開口部、175-攪拌器ポンプ電気通信線、178-アイスバンク、180-氷温度センサ、182-飲料水温度センサ、183-温度センサ電気通信線、186-出口管、188-水位センサ、190-フロート、192-シャフト、194-水位、196-冷水収容容器充填弁、198-充填管路、200-毛細管、202-乾燥機、204-主電力入口電気接続部、206-変圧器、210-アルカリカートリッジハウジング、212-カートリッジキャップ、214-入口、216-出口、218-カム式装着ラグ、220-アルカリカートリッジのノズル、222-入口ディスク、224-アルカリ材料床、226-フィルタ膜、228-活性炭床、230-出口ディスク、232-カートリッジの底部、234-中央管、240-マニフォールド、242-飲料ステーションのドア、244-マニフォールド入口ポート、246-マニフォールド出口ポート、248-マニフォールドカートリッジ入口、250-マニフォールドカートリッジ出口、260-高温タンクのハウジング、261-断熱材、262-高温水収容容器、264-蒸気室、274-隔壁、276-制御管、278-スロット付き端部、280-スロット開口部、282-ベント開口部、284-制限器開口部、286-着座凹部、288-ベント管、290-水入口、292-ディフレクタ、294-高温水ドレン継手、296-装着ブラケット、298-飲料ステーションハウジング上の高温水タンクドレン、322-第1の室入力ポート、324-第1の室出力ポート、325-第1のガラスビーズ、326-第2の室入力ポート、327-カートリッジ、328-第2の室出力ポート、329-基部、333-ガラスビーズの第2の室、334-第1のマイクロメッシュネット、336-第2のマイクロメッシュネット、350-飲料位置合わせ機構、352-ライトバー、354-飲料カップ、356-LED、401-8の字形蒸発器コイル、402-第1の管状コイル、402a-コイル402の第1の側、402b-コイル402の反対側、402c-コイル402の接合側、402d-コイル402の接続セグメント、404-第2の管状凍結器コイル、404a-コイル404の第1の側、404b-コイル404の反対側、404c-コイル404の接合側、404d-コイル404の接続セグメント、406-水収容容器、408a-第1の収容容器側壁、408b-第2の収容容器側壁、408c-第1の収容容器端壁、408d-第2の収容容器端壁、408e-収容容器底壁、410-断熱材、411a-入口、411b-出口、412-第1の冷水収容容器、414-第2の冷水収容容器、416-壁部アイスバンク、418-中央アイスバンク、419-水ブースター収容容器の出口、420-水ブースター収容容器の入口、422-第1の飲料水冷却器コイル、424-第2の飲料水冷却器コイル、426-水入口弁、428-漏れ検出器。
【0113】
本明細書で使用するとき、上方及び下方、頂部及び底部、上流及び下流といった相対方向は、図1及び図2に示される容器が水平表面上に置かれたときの垂直方向に対するものである。したがって、容器の頂部の開口部は、容器の閉鎖された底部の上方にあり、その開口部は、流体が頂部から底部へと下流に流れる際に、容器の底部の上流にある。内側及び外側、内向き及び外向きといった相対方向は、容器の長手方向軸線に対するものである。したがって、容器の側壁は、容器の長手方向軸の外向きにある。本明細書で使用するとき、大部分は50%超を指し、実質的に大部分は80%超を指し、実質的に全ては95%以上を指す。本明細書で使用するとき、「流体」は、液体中に溶解又は担持された気体を含む。
【0114】
図1A図1Cを参照すると、ドア24付きのキャビネットスタンド22の上部に置かれた飲料ステーション20が示されている。キャビネットスタンドは、床に載る脚部を有する。キャビネットスタンド22は、オン/オフ(又は開/閉)弁28並びに二酸化炭素ガス圧及び流量調節器30を有する二酸化炭素タンク26を取り囲む。水フィルタ32は、キャビネット/スタンド22の内部及び二酸化炭素ガスタンク26の後ろ側に位置する。ガスタンク26及び水フィルタ32は、後述するように、飲料ステーション20と流体連通している。
【0115】
飲料ステーション20は、好ましくは飲料ステーションの前面に陥凹する充填/分配領域40を有する。充填領域40は、典型的には垂直である側壁42によって接合された頂部及び底部を有する。便宜上(限定するものではないが)栓(又はノズル)44と称される分配出口は、充填領域の頂部にあり、ドレンパン46は、充填領域の底部にある。ドレンパン46は、開放された頂部を有する容器の形態をとり、その上にドレン格子48が取り外し可能に配置される。ドレンパン46は、使用中、典型的にはパン46の底部に接続されたドレンパイプ50(図1D)によって、ドレン管路と流体連通している。ドレンパイプ50は、飲料ステーションの基部プレートに取り付けられ、接続部51を有し、取り外し可能なドレン管は、建物のドレン管路と流体連通するように接続され得る。
【0116】
充填領域40の頂部の上方には、後述する内部構成要素と電気的に連通している複数の押しボタン又はタッチボタンであり、飲料ステーションの栓44からの異なる飲料の分配をもたらす。図示の実施形態は、炭酸水を分配するための押しボタン又はタッチボタン52、アルカリ水を分配するためのボタン54、冷水を分配するためのボタン56、高温水を分配するためのボタン58、及び飲料ステーションからカップ、ボトル、又は容器に所定の容量(較正された品質)の水を自動的に充填するための自動充填ボタン、ボタン60を有する。1つ以上のインジケータライト62は、水が高温であるかどうか、水フィルタの寿命が終了していないかどうか、及び他の使用情報など、栓を通して分配される液体に関する視覚的指標を提供するために提供されてもよい。タッチボタンは、活性化信号を送信するための、物理的に移動可能かつ変位可能なボタン、又は2つの隣接するシート間の接触を使用して活性化信号を送信するタッチスクリーンボタン、又は押されたときに信号を送信する他の種類のボタンであってもよい。
【0117】
選択された種類の飲料を分配するために使用される構成要素(単数又は複数)とのそれぞれのディスペンサボタン又はアクチベータ52、54、56、58、60の電気通信は、コントローラ64との電気通信を介して達成され、図11A図11Eにおいて後述されるコントローラ64の機能は、電気制御回路を有する1つ以上のプリント回路基板によって実装され得る。電気通信は、好ましくは、絶縁及び接地された電気ワイヤを通じて伝達される。コントローラ64は、本明細書では制御モジュール64とも称される。
【0118】
図2A図2Cを参照しながら、冷水の分配について最初に説明する。図2A図2Bは、栓44から様々な種類の水を分配するための様々な流体接続部を示し、図2Bは簡略化されているため、水を冷やす冷蔵又は凍結器ユニットを示しておらず、図2Cは、栓からの冷水の分配に関連する流体接続部を示している。図2A図2Bの部分を取り囲む破線68は、飲料ステーション20の内部に収容された流体接続部及び構成要素を示す。
【0119】
圧縮機70は、任意の好適な冷媒を圧縮して、収容容器内の水浴の一部を凍結する冷蔵システムのための冷たい流体を生成する。冷媒は通常、ノズルを介して急速に膨張されて、凍結器膨張管路72を通過する膨張冷媒の温度を低下させる。冷媒管路72は、水浴が収容容器内部から通過することを防止し、飲料ステーションを移動させた場合の漏れを防止するように考案された、冷水収容容器の頂部に位置する封止された開口部を通って、冷水収容容器74に出入りし得る。冷水収容容器74は、典型的には、アイスバンクを形成する水などの好適な流体で満たされる体積を画定する水密容器である。冷水収容容器74は、有利には、冷水収容容器74の様々な、横方向に位置する側面又は壁、上蓋又はカバー、及び底部に配置された断熱材76を有する。
【0120】
冷水収容容器74は、熱分散を低減し、その効率を高めるために封止され、流体密容器を形成し、複数のねじ付き締結具を少なくとも緩めることなく容易に取り外すことができる蓋又はカバーを有さない。カバーを収容容器本体に保持する星型駆動締結具を有するカバーが使用されてもよく、又は収容容器は恒久的に封止されてもよい。凍結器膨張管路72は、典型的には、収容容器の内壁の周囲に蛇行した経路を形成して、蒸発器コイル77を生成し、冷たい凍結器管路から収容容器の壁への熱伝達性を高め、蒸発器コイル77のコイルと接触している水浴を凍結させる。
【0121】
冷水収容容器を通過した後、凍結器管路72内の冷媒は吸引管路に入り、次いで圧縮機70によって圧縮され、圧縮されてその液体形態に戻ると、凝縮器78を通過し、凝縮器78は、典型的には凝縮器78の上に冷気を吹き出す1つ以上のファン79を有する。
【0122】
凍結器膨張管路72は、冷水収容容器74内の水の一部分を凍結させて、蒸発器コイル77の近傍にアイスバンクを形成し、収容容器内の液水の残部(水浴)を、収容容器内の水浴が凍結しないように、好ましくは氷点に近いが、氷点を超える温度に維持する。冷水収容容器74の内部の冷水は、後述するように、局所的凍結を低減し、冷却を改善するために循環させてもよい。スターラー、水ジェット、移動式パドル、又は回転式プロペラ型ブレードを使用して、冷水収容容器内の水浴を循環させることができる。
【0123】
図2A図2Cを参照すると、冷水を分配するための流体経路が示されている。水の供給源、好ましくは、都市水管路接続部80は、代表的な水栓によって図に反映されている。水道水源80は、当該技術分野において既知の様々な管及びパイプを通じて流体連通しており、プレフィルタ82は、所定の粒径又は他の含有量の選択された不純物を水から除去し、水カーボンフィルタ84は、更なる不純物、多くの場合は味に影響を与える不純物を除去する。任意の種類のプレフィルタ82又は水フィルタ84が使用されてもよい。活性炭フィルタ媒体は、フィルタ82又は84のいずれかに使用され得る。様々な構成要素を流体連通させる特定の管又はパイプについては、そのような管、パイプ、及び流体密接続部は当該技術分野において既知であるため、本明細書には詳細に記載されていない。図2Aに反映されるように、プレフィルタ82及びフィルタ84は、有利には、飲料ステーション20の外側に位置してもよい。フィルタは、典型的には、キャビネットスタンド22内に位置するため、それらは飲料ステーションに隣接している。
【0124】
更に図2C図1C、及び図1Dを参照すると、濾水は、飲料ステーションの後ろ側で、飲料ステーション20の水入口ポート86と流体連通するように設置される。流量計88は、水入口ポート86と流体連通し、任意の他の流体接続部の上流、及び水入口ポート86のすぐ下流に位置する。しかし、流量計は、その他の場所にあってもよく、例えば、栓44に又は栓のすぐ上流に位置し得る。また、流量計は、任意の種類の流量計であってもよいが、計器は、飲料ステーションに流入し、飲料ステーションによって分配される水の容量を監視するため、コントローラ64と電気的に連通している。流量計88は、飲料ステーションを通る流体の流れを調節するために開閉し得る主弁90と流体連通するように設置される。主弁90は、好ましくは、弁を通る流体の流れを遮断し、飲料が分配されるときにのみ開くノーマルクローズ弁である。主弁90は、冷水収容容器74の内部の水浴中に浸漬された飲料水冷却器コイル94に水をポンプ圧送する水供給ポンプ92と流体連通している。冷却器コイル94は、飲料水の温度を低下させるが、有利には、冷却器コイル内の飲料水を凍結させない。これは、凍結によってコイルが塞がり、飲料水の分配を防止されるためである。飲料水冷却器コイル94は、酸化、スケール沈積を低減し、汚染を回避するため、典型的にはステンレス鋼製である。飲料水冷却器コイル94の下流端は、冷却水管路98を通る栓44への冷水の流れを調節する冷水弁96と流体連通している。冷水弁96は、好ましくはノーマルクローズ弁である。冷水弁96は、通常は閉位置にあり、弁を通る流体の流れを遮断する。有利には、図2Cに示すように、冷水弁96、主弁90、水供給ポンプ92、及び冷水ボタン56は、弁90及び96を開き、水供給ポンプ92に電力を供給し、冷水を栓44から分配するために、電気的に連通している。したがって、冷水弁96、主弁90、水供給ポンプ92、及び冷水ボタン56は、電気通信線97(図2C)を介してコントローラ64と電気的に連通して、冷水を栓44から分配するために適切な弁の開閉を制御する。
【0125】
冷水ドレン管路は、冷水収容容器の底部にあるドレンと流体連通し、ドレン出口99(図1D図2A図2B)と流体連通して、飲料ステーションの洗浄、メンテナンス、移動、又は他の理由のために冷水収容容器74の水を空にすることを可能にする。冷水ドレン出口99は、飲料ステーション20の後部に位置するように示されているが、他の位置が使用されてもよい。
【0126】
流量計88は、飲料ステーションに入る流体又は水の容量を測定し、その情報を反映する信号を制御モジュール64に送信する。主弁90は、飲料ステーションの流体冷水ボタン56を通じて全ての流れを停止したり可能にしたりすることができる。様々な組み合わせにおいてどの弁が開かれるか又は閉じられるかに応じて、水供給ポンプ92が流体管路を加圧し、それによって流体管路に水が流れる。水供給ポンプ92は、所定のポンプ圧で、飲料水冷却器コイル94を含む、飲料ステーションの様々な流体管路に水をポンプ圧送するか又は押し出す一方で、冷水弁96は、栓44を通る冷水(及び濾水)の流れを調節する。冷水弁96は、電気的、空気的、又は機械的手段を含む様々な手段によって作動される。好ましくは、冷水弁96は、ボタン56と電気的に連通している電気作動弁であり、それにより、ユーザーはボタンを押すことができ、冷水弁96が開いて、ボタンが電気通信を維持している間、又は電気回路によって決められた所定の時間間隔、又は飲料容器の下に位置付けられた重量センサ、若しくは近接センサ、若しくは容量レベルセンサが遮断信号を送信して、重量が所定のレベルに達しているか、センサが終了レベル若しくは近接位置に達していることをセンサが示すときまで、冷水が栓44に分配される。
【0127】
図2A図2B、及び図2Dを参照すると、アルカリボタン54が押されたときに、アルカリ水を分配するための流路及び部品が開示されている。水は、水道源80からフィルタ82、84及び入口ポート86及び流量計88及び主弁90を通って周囲水制御弁100へと流れる。弁100は、好ましくは、濾過された水道水を、アルカリ水管路104を介して栓と流体連通しているアルカリカートリッジ102へと流すノーマルクローズ型の周囲水弁100である。アルカリカートリッジ102は、カルシウムマグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、リン、ナトリウム及び亜鉛を含むがこれらに限定されない1種以上の溶解されたアルカリ無機塩類若しくは電解物を添加することにより、又はそうでなければ、水を弱酸性にして、入来する飲料水のpHを上昇させて、pHを7.2~10.5にすることにより、濾過された水道水をアルカリにする。アルカリカートリッジについては、図2D及び図5に関して後述する。主弁90からの流体管路は、有利には、1つ以上の流体スプリッタを通って、好ましくは、飲料水冷却器コイル94と流体連通している第1の流体チャネルと、周囲水弁100及びアルカリカートリッジ102と流体連通している第2の流体チャネルとのT交差を通って流れる。
【0128】
更に図2D図11A、及び図11Cを参照すると、周囲水弁100が開閉し、それにより、室温の濾水がアルカリカートリッジ102を貫流する。周囲温度の水は、冷水よりも速くアルカリ無機塩類を溶解する。周囲水弁100は、電気的、空気的、又は機械的手段を含む様々な手段によって作動され得る。好ましくは、周囲水弁100は、アルカリボタン54と電気的に連通している電気作動弁であり、それにより、ユーザーはボタンを押すことができ、周囲水弁100が開いて、ボタンが電気通信を維持している間、又は電気回路によって決められた所定の時間間隔で、又は飲料容器の下に位置する重量センサ、若しくは容量レベルセンサ、若しくは近接センサが遮断信号を送信して、分配される水のレベルが所定の重量閾値に達しているか、センサが終了レベル若しくは近接位置に達していることをセンサが示すときまで、周囲温度水がアルカリカートリッジ102を介して栓44から押し出される。
【0129】
有利には、コントローラ64は、周囲水弁100及び冷水弁96の両方を開き、その結果、アルカリ水及び周囲温度水の両方が、同時に栓で分配される。アルカリ制御弁100が開又は閉のままである相対時間は、冷水制御弁96が開又は閉のままである相対時間と比較して、栓44によって分配される水の温度とアルカリ度の量との両方を調整する。冷水を周囲アルカリ水に添加することにより、アルカリ水のみが分配された場合よりも冷たいが、アルカリ度の低い水が得られる。
【0130】
周囲水弁100及び冷水弁96及び主弁90及びアルカリ活性化ボタン54は、適切な弁を開放し、栓44からアルカリ水及び冷水を同時に分配するために電気的に連通している。アルカリ水の味は、周囲温度未満で消費された場合、好ましくは室温よりも6°F~15°F低い場合、より好ましくは50°F~70°Fの間で供給される場合に改善されると考えられる。冷水をアルカリ水に添加するか、又はアルカリ水を冷水に添加することにより、所望により温度を調整することができる。
【0131】
周囲水弁100は、アルカリ電気通信線105を介してコントローラ64と電気的に連通して(図2D)、栓44から冷水を分配するための適切な弁の開閉を制御し、記載される他の弁は、専用のアルカリ水管路又は冷水電気通信線97を介して電気的に連通している。コントローラ64は、冷水収容容器内の冷水の感知温度と、周囲温度又はアルカリ水の感知温度、又はアルカリ水の想定温度のいずれかと、に基づく所望の温度を得るため、相対量のアルカリ水及び冷水を分配するためのタイマー回路を含んでもよい。有利には、ポンプ92は、アルカリ水の分配中に作動されず、水源80の管路圧がアルカリカートリッジを介してアルカリ管路から水を押し出す。ただし、ポンプ92は、必要に応じて起動され得るが、好ましくは、冷水に使用されるよりも低い流量、有利には、冷水の分配に使用される流量の10%~30%の流量で起動される。様々な温度センサは、温度自体を直接測定又は感知するのではなく、温度と直接又は間接的に相関し得る様々なパラメータを技術的に感知する。本明細書で使用するとき、温度を検出、測定、又は感知することへの言及は、温度と相関するパラメータを検出、測定、又は感知することを含む。
【0132】
更なる変形例では、アルカリカートリッジ102は、マニフォールド240内で省略又は迂回されてもよく、それにより、周囲温度水は、周囲水弁100を通り、通常はアルカリ水管路104であるものから流出することにより、濾過された周囲温度水が栓44で分配される。アルカリカートリッジ102及びマニフォールド240が省略される場合、アルカリ水管路104は、より適切には周囲水管路と称される。
【0133】
図2B図2E図11A、及び図11Dを参照すると、炭酸水ボタン52が押されたときに、炭酸水又は発泡水を分配するための流路及び部品が開示されており、炭酸は、加圧容器26内の二酸化炭素ガスによって添加される。前述のように、水は、水道源80から、フィルタ82、84及び入口ポート86及び流量計88及び主弁90を通って流れる。二酸化炭素ガスタンク26は、飲料ディスペンサ20上の二酸化炭素入口ポート110と流体連通し、ポートは、好ましくは飲料ステーションの裏側に位置する。二酸化炭素入口ポート110は、飲料ステーションの内部に位置し、炭酸水ボタン52と連通する二酸化炭素弁112と流体連通して、キャニスタ26から弁を通過する二酸化炭素の量を調節する。二酸化炭素弁112は、二酸化炭素電気通信線(複数可)113を介してコントローラ64及び炭酸化分注ボタン52と電気的に連通している、ノーマルクローズ弁である(図2E)。二酸化炭素弁112は、冷水収容容器74の壁の断熱材76及び収容容器の内部の冷水を通過する(出入りする)二酸化炭素冷却管路114と流体連通して、二酸化炭素弁を、冷水管路とも流体連通している炭酸水弁116と流体連通させる。炭酸水弁116は、コントローラ64と電気的に連通しているノーマルクローズ弁であり、炭酸水ボタン52が押されたときに開き、流体を栓へと流す。コントローラ64は、前述のように、主弁90と電気的に連通している。
【0134】
第1のスプリッタ118は、冷水弁96の上流にあり(図2E)、炭酸水弁116と流体連通して、冷水と冷却された二酸化炭素とを混合するために、T接合部などの第2のスプリッタ接続部119で冷却二酸化炭素ガス管路114と交差する冷水の量を調節し、好ましくは、冷水と冷却された二酸化炭素との混合を強化するために、スプリッタ内にベンチュリ(図2Eには図示せず)を収容する。第2のスプリッタ119が内部スプリッタを収容しない場合、ベンチュリは、好ましくは、スプリッタ119のすぐ下流に続く。第2のスプリッタ接続部119は、管路116からの冷水を管路114からの二酸化炭素ガスと組み合わせ、独立して冷水を炭酸化する、1つ以上のカーボネータ120及び121と流体連通している。カーボネータ(複数可)120については後述する。炭酸水管路122は、カーボネータ(複数可)120及び栓44と流体連通している。有利には、第1及び第2の逆止弁124a、124bが、スプリッタ119の両側にある。逆止弁124は、冷水及び冷却された二酸化炭素が、その中に混合ベンチュリを有するスプリッタ119(図2E)に向かって下流に、一方向のみに流れることを可能にする。スプリッタ118、119は、冷水収容容器74の外側に位置するように示されているが、冷水収容容器内及び水浴内に(図2A及び図2Fのように)位置してもよい。
【0135】
二酸化炭素ガス弁112及び炭酸水弁116は、カーボネータ120及び121へと流れ、炭酸水管路122から栓44へと流出する二酸化炭素ガス及び冷水の量を調節する。弁112、116は、電気的、空気的、又は機械的手段を含む様々な手段によって作動され得る。好ましくは、弁112、116は電気的に作動され、炭酸水ボタン52と電気的に連通することにより、ユーザーはボタンを押すことができ、二酸化炭素ガス弁112及び炭酸水弁116が開き、主弁90も開き、水供給ポンプ92の電源がオンになって、所定の量又は調整可能な量の冷却された二酸化ガス及び冷水をカーボネータ120及び121に提供し、カーボネータ120及び121は、ボタンが電気通信を維持している間、又は電気回路によって決められた所定の時間間隔で、又は飲料容器の下に位置付けられた重量センサ若しくはレベルセンサ若しくは近接センサが遮断信号を送信して、重量が所定のレベルに達しているか、センサが終了レベル若しくは近接位置に達していることを示すときまで、栓44に流れる発泡水又は炭酸水を生成する。
【0136】
図2A図2F図11A、及び図11Dを参照すると、炭酸水ボタン52が押されたときに、炭酸水又は発泡水を分配するための代替的な配置に関する代替的な流路及び部品が開示されている。図2Fに示すように、炭酸は、加圧容器、飲料ステーション20の内部に位置する内部二酸化炭素ガスキャニスタ108内の二酸化炭素ガスによって添加される。水道水80は、1つ以上の内部水フィルタ(複数可)130と流体連通している水入口ポート86と流体連通している。フィルタ(複数可)は、任意の種類の水フィルタであってもよい。フィルタ(複数可)130からの濾水は、流量計88及び主弁90及び水供給ポンプ92と流体連通している。ポンプ92は、冷水収容容器74の内部の水浴に浸漬された飲料水冷却器水コイル94に水を通過させる。飲料水冷却器コイル94は、冷水収容容器74の下流に位置する冷水弁96と流体連通している冷水管路98を有する冷水コイルスプリッタ132を有し、図2Cで前述したように、冷水管路98及び栓44へと水を解放する。
【0137】
加えて(図2F)、冷水コイルスプリッタ132は、冷水収容容器74の外部に位置する炭酸水弁116と流体連通している第1の炭酸水管路134を有する。炭酸水弁116は、第2の炭酸水管路138を介して1つ以上のカーボネータ120と流体連通している。管路114からの二酸化炭素ガスを、カーボネータ120及び121の内部の管路138からの冷水と混合し、得られた炭酸水又は発泡水が、炭酸水管路122を通って冷水収容容器74の外部に流れる。第2の炭酸水管路138は、図2Eに関して前述したように二酸化炭素ガス冷却管路114と相互作用するが、図2Fに示され、後述されるような異なる構成にある。
【0138】
図2Fでは、飲料ステーション20は、二酸化炭素ガス圧及び流量調節器30を有する内部二酸化炭素ガスタンク又はキャニスタ108を有する。二酸化炭素キャニスタ108は、二酸化炭素弁112と流体連通し、二酸化炭素弁112は、二酸化炭素ガス冷却管路114と流体連通し、二酸化炭素ガス冷却管路114の一部分は、前述のように冷水収容容器74の水浴に浸漬される。
【0139】
図2F及び図3C図3Dの拡大部分に見られるように、冷水を収容する二酸化炭素冷却管路114及び第2の炭酸化水管路138は、少なくとも1つ、好ましくは2つのコネクタ140、142によって互いに接続され、それぞれのコネクタは、二酸化炭素冷却管路114から延在して、冷水を収容する第2の炭酸化水管路138と交差して接続している。本明細書で静的なベンチュリ制限デバイスとも称されるベンチュリ144は、有利には、コネクタ140、142のそれぞれにおいて他の管路との接合部に位置し、ベンチュリ144は、第2の炭酸水管路138においてコネクタ140、142の2つの接合部に位置する。したがって、図2Fの拡大部分では、横方向に延在するコネクタ142はベンチュリ144aを有し、ベンチュリ下流のスロート部は、垂直に延在する冷水管路138へと開放されており、冷水管路138はベンチュリ144bを有し、ベンチュリ下流のスロート部は、コネクタ142内のベンチュリ144aに隣接して直角に出ている。第2のコネクタ140は、同様の構成を有する。
【0140】
4つのベンチュリ144a、144bは、冷水と冷却された二酸化炭素とを混合し、第1の炭酸水管路138の下流端から出て、カーボネータ室120及び121と流体連通している。2つのベンチュリデバイス144bは、カーボネータ120、121と連通する流体管路と位置合わせされ、一方、2つのベンチュリデバイス144aは、その流体管路に対して垂直に位置合わせされ、それぞれのベンチュリデバイスの対144a、144bの出口は、互いに隣接し、かつ互いに垂直であり、最大限に混ざり合うと考えられる状態を達成する。いくつかの実施形態では、第2の炭酸水管路138から水を加速させ、それを管路114からの二酸化炭素ガスと混合するには、1つのベンチュリデバイスだけで十分であり、それが、接合部142に位置するベンチュリ144bである。第2の炭酸水管路138の下流に位置するこのベンチュリ144bは、二酸化炭素ガスと冷水との優れた混合を達成し、ゆえに炭酸化の改善を達成すると考えられる。水管路138と二酸化炭素管路114との接合部を互いに対して直角に配向すると、混合が更に改善され、水の炭酸化が更に増加すると考えられる。2つの管路の2つの接合部140及び142にベンチュリ144a、144bを設置することは、混合を更に改善し、水の炭酸化を更に高めると考えられる。
【0141】
2つの接続部140及び142と交差する2組の管路が示され、記載されているが、1組で十分であると考えられる。炭酸水管路122は、前述のように、炭酸水ボタン52の起動時に冷却された炭酸水を分配するために、カーボネータ(複数可)120、121を栓44と流体連通させる。図2Fの拡大部分に見られるように、逆止弁124a、124bは、ベンチュリ144a及び/又は144bによって引き起こされる混合からの流体の逆流を防止するために、二酸化炭素ガス管路(114)及び第2の炭酸水管路(138)内にそれぞれ設置される。
【0142】
図2A図2B、及び図2Gを参照すると、高温水ボタン58が押されたときに、高温水を分配するための流路及び部品が開示されている。前述のように、水は、水道源80から、フィルタ82、84及び入口ポート86及び流量計88及び主弁90を通って流れる。主弁90は、ポンプ92(図示せず)及び冷水収容容器74(図示せず)と流体連通するように設置される。しかし、主弁90はまた、主弁90から、電気抵抗加熱素子154を有し、温度センサ及び調節機構を有する高温タンク152への周囲温度水の流れを制御する高温水弁150と流体連通するように設置され、温度センサ及び調節機構は、好ましくは、コントローラ64と接続する高温水温度を調節するための水温測定を伴う負の温度係数(NTC)センサ156(サーミスタ)と、温度が高すぎて、既定の温度閾値を超えている場合に加熱器を遮断する信号をコントローラ64に送信するための、サーモスタットなどのバックアップ温度センサ158と、を含む。このようにして、加熱器154は高温水タンク内の水を加熱し、温度はNTC156によって制御され、NTCの誤動作が生じた場合、温度が高すぎるときの加熱器の安全遮断として、コントローラ64内の適切な回路がサーモスタット158と電気的に連通している。
【0143】
高温水弁150は、所定の温度まで水を加熱する高温水タンク152と流体連通し、高温水管路160を介し、蒸気管路162を介して栓44と流体連通している。加熱された水は、高温水管路160を通って栓44へと流れる。蒸気管路162は、分配の終了後に高温水が高温水タンク152に戻ることを可能にするベント管路として作用し、その結果、高温水で満たされたカラム又は流体管路は、栓44と特定の流体接触をしないため、栓が継続的に加熱されて高温になることを回避する。加えて、ディスペンサが使用されていないときに、多量の高温水が管路160に留まり、経時的に冷却されることを回避する。したがって、次のユーザーがディスペンサから高温水を選択すると、最初に、冷却された管路160内に残っている水を得ることになり、したがって、分配時に、管路160内のこの部分の残水が、栓で分配される高温水の温度を低下させる。ベント管路162は、この望ましくない可能性を回避する。高温タンク152及び構造の更なる説明は、後に提供される。
【0144】
高温水弁150は、高温水タンク152に流入する水の量、及び最終的には、栓44から流出することが可能な水の量を調節する。高温水弁150は、電気的、空気的、又は機械的手段を含む様々な手段によって作動され得る。好ましくは、高温水弁150は、電気的に作動して、高温水ボタン58と電気的に連通し、それにより、ユーザーはボタンを押すことができ、高温水弁150が開いて、ボタンが電気通信を維持している間、又は電気回路によって決定された所定の時間間隔で、又は飲料容器の下に位置付けられた重量センサ、若しくは容量レベルセンサ、若しくは近接センサが遮断信号を送信して、重量が所定のレベルに達しているか、センサが終了レベル若しくは近接位置に達していることをセンサが示すときまで、所定の容量又は調整可能な容量の高温水が栓44へと提供される。
【0145】
更に図2G図11A、及び図11Eを参照すると、サーモスタット158、サーミスタ156、加熱器154、高温水ボタン58、及び高温水弁150は、電気的に連通して、ボタン58が起動されると、主弁90と共に弁150を開いて栓44から高温水を分配し、水の温度を調節して、過度な高温水又は加熱器タンク152の損傷を防止する。有利には、これらの電気通信は、それぞれのセンサ、サーミスタ、サーモスタット、加熱器、及び任意の温度の高温水を分配することに関与する2つの弁に専用の、様々な加熱器電気線163(図2G)を介する。高温水が長時間使用されないことが予期される場合、高温水加熱器154は、エネルギーを節約するために遮断され得るように、高温水オフスイッチも提供される。更に、高温水加熱器154に電源供給し、高温水を利用可能にしたまま、高温水弁150(図2G)を無効して、子供が高温水を偶発的に分配することができないようにする、チャイルドセーフティスイッチ166が提供されてもよい(図1D)。成人は、高温水ボタン58を使用して高温水を分配するためにチャイルドセーフティスイッチ166をオフにして、所望の高温水が分配されたらチャイルドセーフティスイッチを再びオンにすることができる。あるいは、ソフトウェアコードが提供され、特定の方法でボタンの配列に触れると、チャイルドセーフティスイッチは有効化(又は係合)され得るが、コードは、チャイルドセーフティスイッチの一時的なバイパスを可能にし、高温水を1回のみ分配する。コードは、チャイルドセーフティスイッチを係合解除し、次いで、高温水が分配された後にそれを再び係合することを忘れるという問題を低減する。高温水オフスイッチ164及びチャイルドセーフティスイッチ166は、図示されていない別個の電気線を介してコントローラ64と電気的に連通している。チャイルドセーフティスイッチ166及び高温水オフスイッチ164は、飲料ステーション20の後部に位置するように示されているが(図1Dを参照)、飲料ステーション上の他の場所が使用されてもよい。更に、水が利用可能であるか否か、又はチャイルドセーフティスイッチが有効になっているか否かを示すために、インジケータライト62が提供されてもよい。赤色インジケータライト62は、高温水が利用可能であることを示すのに好適であると考えられる。高温水ライト62がオフである場合、チャイルドセーフティが有効化されていることも示す。ライトがオンであるとき、チャイルドセーフティは無効化されており、高温水が分配され得る。
【0146】
図2A、2F、及び図4Aを参照すると、1つ又は2つの攪拌器ポンプ170を含む構成が示されている。それぞれの攪拌器ポンプ170は、一般的に使用されるスターラー、水ジェット、移動式パドル、又は回転式プロペラ型ブレードよりも、アイスバンクと水浴との間の対流係数を改善すると考えられる。攪拌器ポンプは、水中という利点を有し、特定の方向から水を取り(吸込み流)、別の特定の方向へと水を方向付ける(流出)ことができる。具体的には、攪拌器ポンプは、飲料水冷却器コイル94に近接して水を取り、流出水をアイスバンク壁及び蒸発器コイルに向けて方向付けるように位置付けられ得る。水を温度センサに向けて方向付けることを回避するように流出を方向付けることができる、水中攪拌器ポンプが設計されている。
【0147】
好ましくは、攪拌器ポンプは、任意選択的であるが好ましくはノズルである軸方向ポート又は開口部172を介して水を吸い込み、一連の半径方向出口ポート又は開口部174の外側に水を排出する、水中撹拌器電気モータ171(図4A)を含む。半径方向開口部の数は異なってもよいが、少なくとも4つの開口部が必要であると考えられ、これらの開口部のそれぞれは、アイスバンク壁が形成される冷水収容容器の4つの壁のうちの1つに向かって水の流出を方向付ける、水の流出弁を方向付ける。このようにして、第1のポートである吸込みポート172は、飲料水冷却器コイル94の長手方向軸に沿った流路を有し、第2の出口ポート又は出口開口部174は、その軸から外向きの流路を形成する(図4Aを参照)。図4Aの2つの攪拌器170の2つの吸込みポート又はノズル172は、有利には、飲料水冷却器コイル94の長手方向軸に沿って延在し、互いに対向し、そのため、ノズルに入る冷水の流路は、ノズルと冷却器コイル94の長手方向軸との間に延在する軸に沿いに平行して延在する。2つの反対側の攪拌器170は、冷水収容容器74の内部の水浴を循環させ、冷水を、飲料水冷却器コイルからアイスバンク178へと移動させ、飲料水冷却器コイル94の方に戻し、それによって、強制熱対流による氷と飲料水との間の熱交換を可能にする。2つの攪拌器170は、有利には真向いにあり、垂直軸と整列し、入口ポート172は吸込みノズルを形成する。吸込みノズル172は、収容容器の中心軸に沿って水を吸引し、飲料水冷却器水コイル94の中心軸線に沿って水を吸引し、水浴中の水の温度が高くなる一方、両方の攪拌器ポンプは、様々な丸形開口部又はポート174を介して外向きに、かつ飲料水冷却器コイル94の長手方向軸から離れる方向に水を排出し、好ましくは、ポート又は開口部174から半径方向に、アイスバンクに向かって水を排出する。攪拌器ポンプ、入口ポート172、及び出口開口部174の流路は、有利には、飲料水コイルの長手方向軸から外向きに、飲料水冷却器コイル94に向かい、それを越え、収容容器の中央に向かって上向きに、次いで、同じポンプの水を排出するノズルに向かって内向き後方に循環する、球状の流れパターンを生成する。それぞれの撹拌器ポンプ170は、有利には、図4Aに矢印で示される流路を有する2つの攪拌器170の中間辺りに延在する、循環する球状の流れを生成する。他の流路は、撹拌器170を異なるように角度付けすることによって生成されてもよい。
【0148】
攪拌器170は、アイスバンクと冷水収容容器の内部の水浴との間の熱交換を強化する役割を果たす。収容容器内の水は、氷点の少し上に保たれる。アイスバンク178の厚さ、及び一般に、冷水収容容器の内部の蒸発器コイルの周囲に形成される氷の量は、図4AのNTC180によって制御される。アイスバンクは、水浴との熱交換プロセス中に溶融すると、必要な潜熱をシステムに提供し、高需要期間中に水温を低く維持するためにヒートシンクとして作用する。氷178は、蒸発器コイル77の周囲に形成され、通常、水収容容器側壁の内側表面にわたる蛇行経路をたどるため、アイスバンク178の壁は、蒸発器コイル77から内向きに延在し、水収容容器の頂部及び底部は典型的には凍結されない。経時的に、アイスバンク178は、冷水収容容器74の中心に向かって内向きに、収容容器の壁から離れる方向に延在して、飲料水冷却器コイル94の垂直かつ円筒状の配置を取り囲むアイスバンク178を形成する。冷蔵回路及び撹拌器170は、アイスバンク178の厚さが、飲料水冷却器コイル94内の様々な流体管及び接続部を包み込まず、それらの流体管及び接続部の内部で流体を凍結させないように操作及び制御される。
【0149】
従来技術の飲料ステーションは、液体が栓から分配された後、又は単にアイスバンク178の成長に基づいて、所定の期間起動される撹拌器170を使用する。有利には、攪拌器170の動作は、飲料水冷却器コイル94に隣接する水浴中で測定された飲料水冷却器コイルの温度に基づいて制御される。飲料水の温度を測定するために、第2のNTCサーミスタ182が使用される。図4Aを参照すると、冷水収容容器は、氷厚を調節するために、蒸発器コイル77から所定の距離に位置する第1の温度センサ180(NTC)を有し、外側表面上に位置し、飲料水冷却器コイル94に緊密に取り付けられるか又は接続されている、少なくとも1つの第2の温度センサ182(NTC)を有する。センサ182は、飲料水温度センサであり、有利には、飲料水冷却器コイル94の位置又はそれに隣接する位置で温度を測定する。飲料水冷却器コイルのより正確な温度測定のために、インライン温度センサが、飲料水冷却器コイル自体の内部に直接配置されてもよい。冷水収容容器74内のこれらの温度測定に使用されるとき、物体に「隣接する」温度は、物体の5mm以内及び様々な部分範囲内の温度を意味する。
【0150】
第2の温度センサ182は、有利には、温度が上昇するにつれて減少する電気抵抗を有するNTCセンサであるが、他のセンサタイプが使用されてもよい。水温度が、飲料水温度センサ182によって検出されるように、飲料水冷却器コイル94の場所で氷点に近づくと、攪拌器電気モータ171への電力が遮断されて、攪拌器170が冷水収容容器74内の水の循環を停止する。冷水の循環を停止し、したがって、飲料水冷却器コイル94からの熱の搬送を停止し、飲料水冷却器コイル94の内部に流れなければならない飲料水の凍結を防止するように、攪拌器170の動作を制御することは、珍しく、かつ有利であると考えられる。同時に、攪拌器170が動作を継続する場合、攪拌器170は、ディスペンサが使用されていないときに、アイスバンクの厚さを徐々に減少させる。
【0151】
氷温度センサ180とも呼ばれる冷水収容容器74の内部の第1の温度センサ180は、冷水収容容器74の壁に平行に位置し、氷が蒸発器コイルの周囲で成長することを可能にするが、アイスバンクの厚さが氷温度センサ180に達したときに、コントローラ64に電気接続された凍結器の圧縮機70(図11Aを参照)の電源をオフにすることで、冷蔵を停止する位置で、壁から、及び蒸発器コイル77から所定の距離に離間配置される。蒸発器コイル77に面する外向き表面が、アイスバンク178の所望の壁厚になるように、氷温度センサ180が配置される。収容容器74の内壁及び蒸発器コイル77に氷が蓄積すると、冷水収容容器94の内部で、蒸発器コイル付近の冷水浴が凍結することによって、氷の厚さが増加する。アイスバンク178が膨張して氷温センサ180と接触するとき、感知温度は氷点(32°F又は0℃以下)となり、氷温度センサ180は、電気信号をコントローラ64に送信し、その結果、冷蔵システムの圧縮機70及びファン79への電力が遮断され、凍結器膨張管路72内の冷媒の能動的冷却が停止し、蒸発器コイルがそのコイルの周囲の水浴の凍結を停止する。熱交換器用のファン79も遮断される。遮断温度は、温度がアイスバンク178の所望の厚さ、又はアイスバンク178内の所望の氷の体積に相関する限り、変化させることができる。遮断温度は、(大気圧での水の凍結温度に対応する)0℃以下である。NTC180が好ましくは動作する範囲は、-3.0℃~+1.0℃である。-3.0℃~-0.5℃の温度の間隔で、冷蔵システム(圧縮機70及びファン79)は、NTC180から温度情報を受信するコントローラ64によって電源オフにされる。代わりに、0.1℃~2.0℃の温度範囲では、コントローラ64は、冷蔵システムを起動させ(圧縮機70及びファン79の両方に電力を供給することによる)、したがって、新しい氷が蒸発器コイル77の周囲に形成されることを可能にする。蒸発器コイル77の経路に応じて、アイスバンク178のサイズ、形状、及び場所は変更され得るが、凍結器膨張管路72及び蒸発器コイル77は、氷の融解が予測され得るように、かつ氷と収容容器74内の水浴の温度との熱バランスが予測され得るように、既知の領域にわたって均一な厚さの氷を生成するように設計されている。
【0152】
攪拌器電気モータ(複数可)171は、攪拌器電気通信線175(図4A)を介してコントローラ64と電気的に連通している。飲料水温センサ182及び氷温度センサ180はまた、温度センサ電気通信線183を介してコントローラ64と電気的に連通している。コントローラ64は、冷蔵システム(圧縮機70及びファン79)を動作させて、アイスバンクの厚さを制御すること、及び攪拌器(複数可)170を動作させる(電源をオン又はオフにする)ことによって飲料水冷却器コイル94内の飲料水温度を制御することの両方を独立して別個に行う回路を含む。
【0153】
飲料水冷却器コイル94に隣接するかその内部に位置付けられた飲料水温度センサ182は、水冷却器コイルの壁が作製される材料であるステンレス鋼の伝導率を計算する方法によって、コイル94内の飲料水の温度を直接(内側にある場合)又は間接的に測定する。下限温度点(LTP)と呼ばれる特定の閾値水温を超える水温(0.01℃~1.5℃、好ましくは0.1℃~1.1℃、特に好ましくは0.6℃ちょうど)で、攪拌器(複数可)は動作する。上限温度点(UTP)と呼ばれる特定の閾値温度未満の水温(0.3℃~3.0℃、好ましくは0.7℃~1.7℃、特に好ましくは1.2℃ちょうど)で、攪拌器(複数可)170は、コントローラ64によって電源オフにされる。したがって、好ましくは、LTPを超える温度で攪拌器(複数可)170は動作し、UTP未満の温度で攪拌器(複数可)170は動作しない。これは、アイスバンクからの潜熱が、飲料水の温度を低下させるために効率的に使用されることなく、この潜熱を消費することを回避すると考えられる。イヤーバンドと呼ばれるLTPとUTPとの間の温度の範囲では、攪拌器(複数可)は、攪拌器が動作していなかった場合には動作せず、冷却器コイル94内に飲料水の温度が、撹拌器(複数可)が動作を開始するための信号を受信するUTPに到達するまで、動作しない状態が続く。攪拌器ポンプは、飲料水の温度が下がるまで動作し続ける。このプロセスでは、温度がUTPを超える温度から低下すると、攪拌器(複数可)170は、LTPに到達するまで動作し続ける。この点で、コントローラ64は攪拌器(複数可)を遮断する。要約すると、LTP未満では、攪拌器(複数可)は動作しない。UTPを超えると、攪拌器(複数可)は動作する。LTPとTPとの間の温度のイヤーバンド(ear-band)では、攪拌器(複数可)は、(飲料水温度がUTPを超えていたため)撹拌器が前から動作していた場合には、動作を続け、撹拌器(複数可)は、(飲料水温度がLTP未満であったため)攪拌器が前から動作していなかった場合には、アイドル状態であり続ける。UTPとLTPとの間の温度範囲において、攪拌器(複数可)は、その既存の動作状態又は非動作状態に留まる。
【0154】
別の変形例では、攪拌器の速度は、飲料水温度に応じて変化する。攪拌器の速度は、温度が高くなるにつれて高まる。LTP未満では、攪拌器(複数可)は動作しない。LTPを超えると、攪拌器は、温度センサ182によって検出されるように、冷却器コイルの内部の飲料水の温度の上昇に比例する速度で動作を開始する。攪拌器の電気モータ171の速度変動は、コントローラ64によって制御される。
【0155】
図4Aを参照すると、他の実施形態は、2つの攪拌器ポンプ170を使用し、両方の攪拌がUTPを超えて動作し、2つの攪拌器ポンプのいずれもLTP未満で動作せず、UTPとLTPとの間の温度範囲内では、1つの攪拌器ポンプのみが動作する。
【0156】
図4B図4Eを参照すると、撹拌器ポンプ170のうちの1つ以上の出口開口部174は、冷水収容容器74内の温度センサ(例えば、180、182)のうちの1つ以上に直接衝突することを回避するように出口ポート174からの流れを方向付けるための出口管186を有してもよい。図示の攪拌器ポンプ170は、4つの出口管186を形成する4つの中空フィンを備えた円筒管として示されている。それぞれの出口管186は、円筒管の外周に対して傾斜角度で回転軸から外向きに延在し、それにより、2対の実質的に平行なフィン又は出口管186が提供され、その結果、出口開口部が90°毎となり、それぞれ冷水収容容器74の壁のうちの1つに向けて方向付けられる。4つのフィン又は出口管186は中空であり、ポンプハウジングの中空内部へと開放されている。4つのフィン又は出口管186のそれぞれは、矩形の断面を有するが、他の断面形状が使用されてもよい。
【0157】
攪拌器ポンプのローター(図4E)は、回転駆動軸の周囲に均等に離間配置された4つの湾曲した縦溝を有するものとして示され、湾曲した縦溝は、円筒形ハウジングの内側に嵌合している。攪拌器シャフト及びローターは、高速(少なくとも3,000rpm)で回転し、それにより、冷水浴からの水は、攪拌器ポンプ170のターボプロペラ形状ローターによって加速された後に、垂直に配向された吸込みポート172を通って攪拌器ポンプの底部から吸引され、出口開口部174から押し出される。冷水は、図4Dの水の入口及び出口を示す矢印によって示されるように、4つのフィン又は出口管186のそれぞれを通過する。4つのフィン又は出口管186は、次に、飲料水用の飲料水冷却器コイル94の長手方向軸に直交する、かつ垂直に起伏した飲料水用の飲料水冷却器コイル94と平行する平面内で、水の流れを外向きに方向付けるように配置される。水循環経路は、出口管186及び収容容器74の形状によって確立され、経路は、出口管186から温度センサ(例えば、180、182)のうちの1つに直接水が流れるようにはせず、代わりに、流路は、最終的に、温度センサの近傍に到達する前に、アイスバンク178の一部分、又は周囲にアイスバンクが形成される蒸発器コイル77の一部分に衝突する。
【0158】
4つのフィン又は出口管186が図4B図4Eに示されており、4つの冷水温度センサ(例えば、NTCセンサ180、182)が存在する場合に有利に使用される構成であり、正方形の断面を有する冷水収容容器のそれぞれの角に1つのセンサが隣接し、そのため、4つのフィン又は4つの出口管のそれぞれは、隣接する温度センサのそれぞれの対の間の空間中央に向けて方向付けられ得る。この配置は、飲料水冷却器コイル94が、図3B図3C、及び図4Aにあるように概して水平に配向されたコイルではなく、図4B図4C図4D、及び図4Eにあるように垂直に配向された起伏のあるコイルを有する場合、また特に、コイル94が、図に示されるようにフィン又は出口管が終端するか又は更には突出し得る空間を有する場合に、特に良好に機能する。したがって、4方向に放出された水は、飲料水冷却器コイル94の垂直に配向されたコイルを容易に通過し、冷水収容容器74の4つの壁に直接当たり、アイスバンク178は蒸発器コイル77の周囲で成長する。
【0159】
矩形の収容容器74のそれぞれの壁及びそれぞれの壁に関連付けられたアイスバンク178の中央、及び温度センサのそれぞれの対(例えば、180、182)の間を標的とした、4つのフィン又は出口管186を有する単一の攪拌器ポンプが示されている。図4B図4Eには、単一の攪拌器ポンプが示されているが、図4Aにあるように、それぞれ出口管186を有する撹拌器ポンプの対が使用されてもよい。図4Aの出口ポート174のうちの1つ以上はそれぞれ、それらの上に出口管186を有し得、出口管は、図4Aに示された円形の出口開口部と嵌合する形状の円筒形であるか、又は、出口管186は、矩形出口に移行する環状通路を有し得る。
【0160】
図2A図2F、及び図4Aを参照しながら、冷水収容容器74の内部の水の充填流路について説明する。水位センサ188(図4A)は、収容容器の内部の水位を測定するために収容容器に接続される。水位センサ188は、好ましくは収容容器の頂部に接続されるが、収容容器の側面又は収容容器内に囲い込まれた構成要素に装着され得る。図示の水位センサ188は、シャフト上で摺動可能なフロート190が上方及び下方に移動できるように、十分な距離で下向きに延在するシャフト192を有する。水位194(図4A)が上昇又は下降するにつれ、フロート190は上下に移動する。水位194が所定のレベルを下回ると、水位センサ190によってコントローラ64に電気信号が送信され、コントローラ64は、水を冷水収容容器74の内部に追加するために弁96を開くように作動させる。垂直移動フロート190の代わりに、概ね水平に延在し、その端部にフロートを有するレバーが使用され得る。他の水位センサは、当該技術分野において既知であり、収容容器内部の水位194が所望のレベルを下回るときに信号を送るためにも使用され得る。所望のレベルは、水浴が蒸発器コイル77及び飲料水冷却器コイル94を完全に覆われているときである。
【0161】
図2A及び図2Bを参照しながら、冷水収容容器74に水を追加するための水流路について説明する。冷水収容容器充填ソレノイド弁196は、流量計88の下流にあり、流量計88と流体連通している。冷水収容容器充填ソレノイド弁196はまた、有利には冷水収容容器74の断熱材及びトップカバー又は蓋又は壁の上を通過する水充填管路198を介して冷水収容容器の内部と流体連通している。水が必要であることを示す水位センサ188(図4A)からの電気信号により、冷水収容容器充填ソレノイド弁196が開き、その弁から充填管路198に水が流れて、水浴レベル194が所定の閾値に達するまで、冷水収容容器の内部に水が追加される。水位センサ188が、水位は所定のレベルにあることを示している場合、フロート190は、センサ188にコントローラ64への電気信号を送信させるほど十分に上昇し、その結果、冷水収容容器充填ソレノイド弁196が閉じて、充填管路198を通る収容容器74への水の流れが遮断される。
【0162】
飲料ステーション20は、冷水収容容器74内に水のない状態で出荷される。冷水収容容器74は、好ましくは封止されているため、意図せず液体が入ることも液体が残ることもなく、飲料ステーションが傾いても、冷水収容容器74内の流体がこぼれることはない。水位センサ188及び水収容容器充填ソレノイド弁196及び充填管路198は、水が自動的に加えられることを可能にし、したがって、手動で水を搬送して冷水収容容器に注ぐことを回避し、担当者が装置の取り付け、セットアップ、又は整備を行うときに、水が飛び散り、電子的構成要素及び機械的構成要素上にこぼれることを回避する。飲料ステーション20への電源が起動されると、水位センサ188は、冷水収容容器の水が不足していることを示し、その結果、冷水収容容器74が満たされて、フロート190が所定のレベルまで上昇し、電気信号が送信されて、弁196が閉じられ、水が遮断されるまで、冷却バケット弁196が開放される。水が蒸発によって失われ、収容容器74内の水位194が下がると、水位センサ188は、所定の範囲の水位に水位194を維持するためにより多くの水を自動的に追加するように、コントローラ64に信号を送信し得る。
【0163】
ユーザーは、自動充填ボタン60又は任意の所定のボタンの配列(図1)を押すことで、上記のシステムに、水位センサ188を使用して冷水収容容器内の水位194を確認させることができ、そのセンサから受信された信号は、コントローラ64によって使用されて、水位を上げて、満タンにする充填サイクルが実施され得る。この手動の確認及び充填は、ユーザーが、システムは自動的に再充填しないと考える場合、又はユーザーが、冷水収容容器を確実に満タンにすることを求めている場合に冗長システムを提供するため、冷水コイル94からの冷水の高い使用量が予想される期間に、冷水収容容器内の最大容量の水が利用可能になる。水位センサ188及び潜在的な充填サイクルを手動で起動するためのこの手動起動型ソリューション及び関連する回路は、自動充填に代わるものである。
【0164】
収容容器74の内部に収容された構成要素のための様々な水管路及び電気的接続は、好ましくは、収容容器74の上部の封止された開口部を通過し、その上の断熱材を通過する。このような電気通信のためのいくつかの電線が図に示され、様々な流体管路が図に示されている。このような封止された接続は既知であり、本明細書には詳細に記載されていない。封止された冷水収容容器74は、電気的接続部及び流体管路によって取り囲まれた収容容器に水を加えるリスクを回避する以外の利点を提供すると考えられる。冷水収容容器内の水位194が制御されることにより、アイスバンク178は、収容容器内の冷水の温度をより特定の温度に維持し、分配される飲料の温度をより均一な温度に維持する、より均一な厚さ及び体積を有するため、性能がより一貫したものになる。更に、封止された水収容容器74はまた、飲料ステーション20が、飲料ステーションの再配置中に傾斜した場合に生じ得るように、又は飲料ステーションが傾斜し搖動する車両、ボート、若しくは船舶上にある場合に起こり得るように、収容容器からその電気的接続部及び流体接続部を含む周囲環境への水の漏れを低減する。
【0165】
封止された水収容容器74を形成することについては、詳細には開示されない。とはいえ有利には、容器は溶接された継ぎ目で形成されてもよく、流体管路及び電線用に適切に封止された通路を有する上蓋が提供されてもよい。ゴム又はシリコン又は他のエラストマー封止通路は既知であり、時間と共に硬化する粘性シーラントを使用して、蓋又は容器内の流体管路及び電気線用のこのような通路を封止することもできる。Oリングシール又はラビリンスシールなどのリングシールで収容容器の蓋又は上部を取り囲み、容器/収容容器の側壁に流体密シールを提供してもよい。
【0166】
図3Aを参照すると、冷蔵システムがより詳細に示されている。圧縮機70は、冷媒を液体に圧縮し、それを凍結器膨張管路又は蒸発器コイルに通過させる。凍結器膨張管路72(すなわち、蒸発器コイル)は、一般的に正方形の断面を有する円筒形状に巻かれて、蒸発器コイルを生成するものとして図3に示されている。冷媒は、凍結器膨張管路を通過するときにガスに変わり、収容容器内部の水又は氷から熱を吸収する。ガス状冷媒は圧縮機に戻り、そのサイクルが、冷媒の圧縮から再び始まる。圧縮機70によって生成された熱は、ファン79によって交換器78を通って吹き込まれる空気に熱を伝達する、熱交換器78及びファン79によって消散される。冷媒流回路内の毛細管200は、温度を変化させるために所定の量の冷媒の流れを制限する。また、冷媒流回路内の乾燥機202は、冷媒から水分を除去する。凝縮器の後、冷媒は、乾燥機202及び毛細管200(低圧側)に入り、次いで、再び水収容容器に入り、ここで水収容容器内部の水浴との熱交換が起こり、循環サイクルが繰り返される。図示のコイルはまた、有利には、アイスバンク178の厚さを制御するために、蒸発器コイル77(ここでは正方形のコイル)から所定の距離だけ離れた位置にある氷温度センサ180を示す(図4A)。
【0167】
図1D図2A、及び図2Fを参照すると、飲料ステーション20は、飲料ステーション内の様々な電気部品及びセンサに電力を供給するために、好ましくは飲料ステーションの後部に電気接続部204を有する。適切な電気コードを介して建物の電気線に接続するように構成された、標準の電気ソケットが好適であると考えられる。電気接続部204は、様々な弁、ポンプ、コントローラ(例えば、コントローラ64)、ライト、及び他の電動デバイスに電力を供給する。有利には、電気接続部204は、電気線電圧(120V AC又は240V AC)をより小さい直流電圧に低減する変圧器206(図11A)と電気的に連通している。24VDCのDC電圧が好適であると考えられ、本明細書で使用される様々な電動構成要素及びセンサのほとんど又は全ては、有利には、そのDC電圧で動作するように構成され得る。電気加熱素子154は、より高い線間電圧、又はより高いDC電圧で動作し得る。
【0168】
アルカリカートリッジ
【0169】
図5を参照しながら、アルカリカートリッジ102についてより詳細に説明する。アルカリカートリッジは、フィルタ材料の内容物が変化されることを除いて、水フィルタカートリッジに似ている。このような水フィルタカートリッジは、米国特許第7,763,170号及び同第8,182,699号を含む様々な特許に記載されている。本明細書で特定された公開及び未公開の全ての特許出願の完全な内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0170】
アルカリカートリッジ102は、典型的には円筒形であり、長手方向軸に沿って延在するカートリッジハウジング210を有する。アルカリカートリッジ102は、流体入口214及び流体出口216を有するキャップ212を有する。図示の実施形態では、キャップ212は円筒形であり、カートリッジの上端部から延在し、キャップの少なくとも2つの対向する側面から半径方向外側に延在するカム式装着ラグ218を有する。それぞれのカム式ラグ218は、後述する飲料ステーション内のマニフォールド内の対応する表面と嵌合するように構成された、凹凸のある上面を有する。流体入口及び出口214、216は同軸であり、カートリッジの長手方向軸に沿ってキャップの中心から延在するノズル220の長手方向軸に沿って延在する。ノズル220は、典型的には、Oリングシールなどの1つ以上のリングシールを有し、ノズルを取り囲むことにより、後述するようにマニフォールド内に嵌合面を有する流体シールを形成する。図示の実施形態では、入口214は、中央に位置する円筒形の出口流路216を取り囲む環状流路であるが、順序及び流れ方向を逆にすることができる。また、入口及び出口のそれぞれのために、キャップの異なる部分に物理的に分離されたノズルを含む、他のノズル構成を使用することができる。
【0171】
水入口214は、好ましくは、入口分散ディスク222と流体連通しており、入口分散ディスク222は、ディスクを通って延在する複数の軸方向に整列した通路を有する円形周辺部を有するものとして示されている。環状リムが、ディスクの周辺部の周りに上方に延在している。ディスク及びリムは、(好ましくは円筒形の)ハウジング210の内部に流体密に適合するように寸法決めされる。入口214から流入する水は、ディスク222に当たり、外向きに拡散し、ディスクを軸方向に通過する。環状リムは、外向きに流れる水をディスクの上面に限局し、水を内向きに、軸方向に整列した通路に通るように方向付け直す。
【0172】
アルカリ材料床224はディスク222の下方に位置し、ディスクは、有利には、材料床をカートリッジハウジング210内の所定の位置に保持するために、材料床の上部を拘束する。アルカリ材料床224は、有利には、電気石ボールと称されることもある、アルカリ材料で作製された無機セラミックボールを含むが、これらのボールは有利には多孔質セラミックで作製される。様々なアルカリ無機塩類をセラミック材料又は他の結合剤と混合し、焼結して、粒子、好ましくは球状ボールを形成してもよい。シリカゾル、ポリビニルアルコール、及びカオリンなどの結合剤が好適であると考えられる。10~30重量%のAl2O3と、10~30重量%のSiO2と、0.1~1重量%のP2O5と、0.1~5重量%のK2Oと、0.1~5重量%のTiO2と、0.1~0.5重量%のFe2O3と、1~10重量%のZrO2と、0.1~1重量%のAgOと、0.1~1重量%のZnOと、1~5重量%のNa2Oと、0.5~10重量%のCaSO3と、5~20重量%の酸化カルシウム抗菌剤と、0.1~2重量%の結合剤と、を含むセラミック組成物が好適であると考えられる。結合剤は、シリカゾル、ポリ(ビニルアルコール)、及びカオリンを含んでもよい。
【0173】
様々なアルカリ無機塩類及び/又は電解物は、粉末状にされ、球状又はボールに、好ましくは好適な結合剤を用いて丸められ、焼結又は焼成されて、材料が一緒に固定されてもよい。水はアルカリ床224を通過する際にアルカリ材料を溶解する。アルカリ材料としては、カルシウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、鉄、リン、ナトリウム、及び亜鉛が挙げられる。他のものが使用されてもよい。アルカリ床224は、床を通過し、アルカリカートリッジ102から出る水が7.2~10.0のPHを有するように設計される。
【0174】
アルカリ床224を通過した後、アルカリ水は、フィルタ226、好ましくは限外濾過層、及び/又はナノ濾過層若しくは膜を通過する。フィルタ226は、アルカリ材料224の床と活性炭228、好ましくは粒状活性炭(GAC)の床との間に積層される。第2の底部ディスク230は、活性炭228の床の下に位置し、床の底部を保持する。底部ディスク230は有利には、ハウジング210の内側表面に対して封止され、ディスクを通って延在し、カートリッジ102の長手方向軸と軸方向に整列した複数の通路を有する。底部ディスク230は、有利には、下部ディスク230の周囲を取り囲む、下方に延在する環状リムを有して、通路を有するディスクの一部分とカートリッジ102の閉鎖された底部232との間に室を形成する。
【0175】
中央管234は、アルカリカートリッジ102の長手方向軸に沿って延在し、カートリッジの底部の室を出口216と流体連通させる。使用中、水は入口214に入り、下方に流れる。水は、アルカリ材料床224の頂部にわたる上部ディスク222によって拡散される。フィルタ層210は、水から無機粒子を除去し、水が活性炭層228を下向きに通過するにつれ、水を更に滑らかにして、その味を改善する。加えて、GACは、アルカリ無機塩類の流れを減速させ、水中での無機塩類の急な放出による、アルカリ度の急激な変化を回避又は低減する。炭床228を通過した後、濾過水は、底部ディスク230とカートリッジ102の底部との間の底部室に集まり、中央管234を上がり、出口216から流出する。
【0176】
アルカリカートリッジ102は、飲料ステーションに装着されたマニフォールド240に取り外し可能に接続される。図1に見られるように、飲料ステーション20は、飲料ステーションの一方の側に、アルカリカートリッジ102にアクセスして、アルカリ床224が枯渇しているとき、又はそれ以外でカートリッジを交換する必要があるときに、アルカリカートリッジ102をマニフォールド240から取り外し、新しいアルカリカートリッジと交換することを可能にする、アクセスドア250を有する。
【0177】
図2D及び図5を参照すると、マニフォールド240は、弁が開放されたときに水の流れを受容するために、周囲水弁102と流体連通している入口ポート244を有する。マニフォールド240はまた、アルカリ管路104を介して栓44と流体連通している出口ポート246を有する。マニフォールドの底部は、ノズル220及びその包囲のOリングを受容し、それらと嵌合して、マニフォールド240とアルカリカートリッジ102との間に流体密接続部を形成するように構成された受容凹部(図示せず)を有する。マニフォールドの底部は、カム式装着ラグ218と嵌合するように配置されたフランジを有する受容保持機構(図示せず)を有し、アルカリカートリッジが水圧によってマニフォールド240から軸方向に押し出されないように保持する。
【0178】
使用中、アクセスドア242(図1)を開放し、使用済みのアルカリキャニスタ102を回転させて、マニフォールド240からラグ218を係合解除し、キャニスタを取り外す。新しいキャニスタ102がマニフォールドに挿入され、回転されてラグ218をマニフォールド内の嵌合面と係合させ、カートリッジノズル220をマニフォールド内の嵌合面に封止する。淡水がマニフォールド入口ポート244に流入し、マニフォールドカートリッジ出口250から流出し、次いでカートリッジ入口216に流入する。アルカリカートリッジ内の様々な床224、228及びフィルタ210を通過した後、(ここで)アルカリ水は、中央管234を上がり、カートリッジ出口216を抜けて、マニフォールドカートリッジ入口248に入り、次いでマニフォールド出口246を出て、アルカリ水管路104に入る。
【0179】
高温水タンク
【0180】
図2A、2G、及び図6A~6Bを参照しながら、高温タンク152について説明する。高温タンク152は、ハウジングの外面の少なくとも一部分に断熱材261を有するタンクハウジング260を有する。タンクハウジング260は、ハウジングの下部又は底部で高温水収容容器262を取り囲み、タンクハウジングの上部又は頂部で蒸気室264を取り囲む。タンクハウジング260は、タンクハウジングの上面及び下面に断熱材261を有する矩形構成を有するものとして示されているが、他の構成を使用することもできる。加熱器154は、タンクハウジング260の底部から上方に延在し、ハウジング260の第1の端部付近に位置する。加熱器154は、有利には、加熱される水に浸漬されたときに加熱器の外側でのスケール沈積を低減するために、ステンレス鋼エンクロージャ内に取り囲まれた電気抵抗加熱素子を含む。
【0181】
加熱器154は、高温水収容容器内に所定の距離だけ上方に延在する。温度センサ156、好ましくは、サーミスタ、より好ましくは、NTCセンサは、端壁から高温水収容容器内へと延在する。温度センサは、好ましくは、ステンレス鋼ハウジング内のNTCセンサであり、有利には、加熱器150の平坦な頂部にごく近接して(1mm以内に)位置し、好ましくは加熱器150の頂部に物理的に接触するように位置する。温度センサ156が加熱器156と接触するか、又はほぼ接触した場合の、センサ156における温度の急上昇は、高温水収容容器262内の低水位を示し得る。温度センサ156は、コントローラ64と電気的に連通し、コントローラ64は、センサの信号を使用して加熱素子268に対する電力の供給又は遮断のいずれかを行い、高温水収容容器262内の水の温度を所定の温度範囲内に維持する。170°Fで加熱素子26°Fを起動させ、210°F又は99℃で電力を遮断するコントローラ64が好適であると考えられる。
【0182】
サーモスタット158は、加熱器150に隣接するタンクハウジング260の端壁に位置する。サーモスタット158内の温度センサが故障し、高温水収容容器262内の水が所定の閾値を超えた場合、サーミスタ156はコントローラ64に信号を送信し、その結果、加熱素子への電力は切断される。水の層が、サーモスタット158を隣接する加熱器150から分離し、サーモスタットは水の温度、好ましくは加熱器及び高温タンクの底端部の温度を感知する。サーモスタット158は、加熱器154の温度を調節する。サーモスタット158は、水の温度を測定し、ほとんどの時間浸漬されている限り、高温水収容容器内の任意の他の場所に取り付けられてもよい。サーモスタット158は、通常は電気回路を開き、高温タンクの温度が100℃を超えると、加熱器154への電力を遮断する。最高温度は変化させることができ、飲料ステーション内の他の水加熱器が最高温度120℃を有することは、珍しいことではない。
【0183】
蒸気室264は、高温水収容容器262を蒸気室264から分離する隔壁274によって、高温水収容容器262から分離される。第1の管、制御管276は、高温タンクハウジング260の上側を通って延在する第1の端部を有するため、第1の端部は、タンクハウジング260の外側に位置し、高温水管路160に接続されてもよい。制御管276は、高温水収容容器262及び蒸気室264の両方と流体連通している、スロット付き端部278と称される反対側の第2の端部を有する。スロット付き端部278は、制御管276の長手方向軸に沿って延在し、中空管の壁を通って延在する、複数のスロット280を有する。図示の実施形態では、4つの等間隔のスロット280が使用される。制御管276は、スロット寸法を経時的に変化させ得る腐食及びスケール沈積を低減するために、ステンレス鋼であることが好ましい。
【0184】
ベント開口部282も、スロット280の端部付近の制御管276の壁を通って延在する。ベント開口部282は、制御管が高温水で満たされたときに水が滴り落ちない程度の小さいものであり、高温水の分配を停止するために栓44を遮断、つまり閉鎖したことによる高温水管路の圧力パルスが、ベント開口部282から放出され、高温水の連続的な流れの中で制御管を介して高温水を直ちに放出し、高温水収容容器262に逆流させることを保証するために、栓44が遮断されるか閉じられたときに、制御管276及び高温水管路160内のエアロックを起こさないための空気通路を提供し、制御管から高温水収容容器の中に水が滴り落ちることを低減又は回避する。このベント開口部282は、任意選択的である。スロット280及びベント開口部282は、蒸気室264の内部に位置する。スロット付き端部278は、隔壁274の吐出開口部284を通って高温水収容容器280と流体連通しており、吐出開口部は、任意選択的であるが有利には、位置合わせ構造にある。
【0185】
図6A図6Bに示された実施形態では、隔壁は、制御管278を吐出開口部284と位置合わせするための位置合わせ構造体を有する。位置合わせ構造体は、隔壁274内の着座凹部286として示され、着座凹部は、スロット付き端部278の遠位端を受容し、スロット付き端部278を固定位置に保持して、制御管276の中心を吐出開口部284に位置合わせするように成形される。図示の実施形態では、制御管276は円筒形の管であり、着座凹部286は、隔壁274内の浅い円形の凹部である。
【0186】
第2の管、ベント管288は、ベント管262及び栓44と流体連通するように設置される高温タンクハウジング260及び断熱材261の頂部を通って延在する。水入口290は、高温水収容容器262を高温水弁150と流体連通させて、水を高温水収容容器に供給するために、高温水収容容器262の底部に位置する。水入口290は、高温水弁150から流体管路に接続するために下方及び側方に延在する管状継手として示されている。任意選択的に、水入口288は、入来水を高温水収容容器262の底部と平行に方向付けるために、高温水収容容器の内部にディフレクタ又は指向性デバイス292を有してもよく、高温水収容容器は、底部から充填され、高温水を吐出開口部制限器284に向かって押し出す。ディフレクタは、入来水を加熱器に近づけ、室温の入来水を高温水収容容器262内の残水と混合するのに助力する。高温水ドレン継手294(図6A)は、有利には高温水収容容器262の底部に位置し、好ましくは高温水収容容器の低い位置又は凹部にあり、収容容器を空にすることが望ましいときに収容容器から水を排出する。ドレン継手294は、高温水ハウジング260及び断熱材261の底壁を貫通する管状継手として示され、ドレン凹部に位置する。高温水タンクのドレン排出流体管路は、図2Gのフロー図には示されていないが、有利には、飲料ステーション20の後部の高温水ドレン出口298(図1D)と流体連通している。更なる流体がドレン出口298に接続されて、出口が建物のドレン管路に接続されてもよい。
【0187】
装着ブラケット296は、ハウジング260に接続されて、高温水タンク152を飲料ステーション20内の支持構造体に接続する。図示の装着ブラケット296は、高温水タンク152の底部に締結された2つのL-ブラケットとして示され、水入口290は、ブラケットのうちの1つの開口部を通過する。
【0188】
使用中、高温水収容容器262内の加熱された水からの水蒸気が上昇し、吐出開口部284を通って蒸気室264に入る。水蒸気が蒸気室264内で凝縮して水になると、凝縮された高温水は、制御管276のスロット付き端部278のスロット280を通過し、吐出開口部284を通過し、高温水収容容器262に入る。
【0189】
使用中、高温水ボタン58を押すことにより、高温水弁150が開き、高温水弁150が開くと、水タンク152の底部の水入口240を水が通過し、ディフレクタ292が、入来水を高温水収容容器262の底部と平行に方向付け、収容器の頂部の高温水は、押し上げられて吐出開口部制限器284内に入り、制御管276を通り、高温水管路160に入り、栓44から吐出される。水が吐出開口部制限器284を通って高温水管路160へと押し出される際、蒸気室からスロット280を介して水蒸気を引き出し、高温水管路から栓44を通過する水の流れに引き込む吸引効果が生まれる。水蒸気は、高温水よりも多くのエネルギーを含有し、より効率的な加熱システムを提供して、栓44で高温水を提供し、断熱されているが能動的に加熱されることが好ましい高温水管路160を高温水が通過する際に、熱損失を補うための追加の熱エネルギーを提供する。飲料ステーション内の冷水管路の全ては、断熱されていてもよい。
【0190】
栓44が閉じると、流体の流れが停止することで、高温水を蒸気管路162に押し入れ、高温水タンク152に向かって戻し得る還流圧力が生じる。蒸気管路162は、換気管路として作用し、それにより、高温水管路160内の真空ロックが高温水タンク152内に逆流するのを妨げず、代わりに、気圧が高温水を付勢して、栓44から高温水管路160を通り、高温水タンク152に入る流路160に沿って(水が入った場合は、蒸気管路162に沿って)逆流させる。ベント開口部282はまた、高温水分配栓44の閉鎖による圧力パルスが、制御管276内の水がエアロックされず、代わりに管から流出して高温水収容容器内に流入することを確実にし得るため、高温水収容容器162への高温水の迅速な還流又は戻りを可能にする。高温水管路160を通って戻る高温水は、高温水収容容器262に入り、蒸気管路162からの高温水は、蒸気室に入る。ベント開口部282はまた、エアロックによって制御管276又はスロット付き端部278に少量の水が閉じ込められることを低減する。任意の供給源からの蒸気室内の水は、制御管276のスロット付き端部278内のスロット280を通過し、吐出開口部284を通過して高温水収容容器262に入る。高温水タンク152から栓44までの高温水管路160は、有利には、少なくともわずかに上方に傾斜しており、その結果、重力が高温水を付勢して、栓から高温水タンクへと逆流させる。
【0191】
高温水タンク152の容量は、大部分が高温水の受容量に基づいて選択され、大きいタンク152は、大量の高温水が栓44で分配されることが予想されるときに使用される。蒸気室264は、高温水収容容器262内の高温水の使用可能量を減少させるため、蒸気室264及び高温水収容容器262の相対容量も重要であり、蒸気室264の容量が小さすぎる場合、栓44の遮断又は閉鎖による還流水は、蒸気室264に入ることができる。同様に、高温水が、蒸気室264に流入するのではなく、制御管276及び栓44を通って流れるような、高温水収容容器262への水の流入が重要である。吐出開口部制限器284及び入力継手294を通る相対的な流れは、最適な動作を達成するように調節され、吐出開口部284は、圧力によって高温水が吐出管に通され、蒸気室264内に真空が生まれて、スロット280を通って流れる高温水を蒸気室に溜めずに、高温の蒸気を吸い出すことを確実にするため、流量制限器として作用する。ある意味では、制御管276を通る流れは、スロットを介して蒸気室に水を流入させるのではなく、高温水が、スロット276で吸引を生じさせるのに十分な流量で制限器284を通過するように調節される。
【0192】
概念的には、高温水タンク152に入る水の容量及び圧力、並びに制御管276を通って出ていく水の容量及び圧力は、蒸気室264内に位置するスロット付き端部284に吸引を生じさせて、栓44へと上方に流れる高温水に蒸気室からの水蒸気を取り込むようにバランスが取られ、高温水を栓へと上方に流すのに十分な圧力が用いられる。1つの好ましい実施形態では、水入口294は、吐出開口部284を通る1分当たり1リットルの流量を提供するために直径4.4mmを有し、そのため、室からの高温水は、スロット280を通る高温水蒸気を、高温水管路160に入り、高温水タンク152及び高温水出口276よりも高い高度にある栓44から出る水流へと吸引するのに十分な流量で、吐出開口部284によって形成される寸法3mmのより小さいサイズの流量制限器を通過することになる。スロット280は、有利には、最小の所望流量が達成されたときにベンチュリ効果を生じさせるように寸法決めされる。幅1mm及び長さ4~5mmの4つのスロットが、好ましい実施形態において好適であると考えられる。直径約2~3mmのベント開口部282は、上述のスロット付き端部278に好適であると考えられる。有利には、1分当たり1リットルの流量は、40psiの管路圧力での最小流量であり、ほとんどの市営用水管路は、40psi以上の管路圧力を有するため、設計基準として選択される。
【0193】
分配栓44の下方に位置する高温水タンク152を使用することは、飲料分配システムの設計に関連していくつかの利点をもたらすと考えられる。吐出開口部284は、流体入口290よりも小さく寸法決めされて、高温水タンク152から高温水を押し出す吐出圧力を増加させ、増加した圧力は、高温水を高温水タンクよりも高い栓44へ押し出すために使用される。増加した吐出圧力は、蒸気室264から水蒸気を吸引し、それを栓44に方向付けられた水流に取り込むベンチュリ効果を生じさせるために使用される。管路圧力(又は40psi超の他の調節された圧力)で入口290を通る水の流入は、高温水収容容器262の上部の最も熱い水を吐出開口部から押し出すために、ディフレクタ292によって方向付けられる。高温水タンク152の場所は栓44より下であるため、水は重力で排水され、タンクに戻り(ベント管路162が、流体連通管路内の水を保持し得る真空を放出した後)、それにより、水が分配されていない場合であっても、栓は、高温水管路160内の高温水と熱接触した状態であった場合よりも冷却されることになる。
【0194】
カーボネータ
【0195】
図2E図3B図3D図7A図7Cを参照しながら、電子炭酸化システムについて説明する。このシステムは、2019年2月27日に出願された米国特許出願第16/329,043号、表題「Method and Apparatus for Instantaneous On-Line Carbonation of Water Through Electrostatic Charging」に記載されており、その完全な内容は、参照に本明細書に組み込まれる。簡潔に述べると、加圧及び冷蔵された二酸化炭素及び水の混合入力流を炭酸化するための装置が提供される。第1のカートリッジは、入力流と流体連通している多孔質のマイクロメッシュネットと、炭酸化室出力ポートと流体連通している中央空洞とを含む、炭酸化室内に配設される。マイクロメッシュネットは、ネットを通過する水分子の鎖を破壊し、カートリッジ内の水と二酸化炭素分子との間の結合を強化するように構成されている。マイクロメッシュネットはまた、水分子に対する分極効果を有する受動的分極場を生成することによって、ネットに衝突して通過する水及び二酸化炭素分子の流れに応答して、炭酸化を更に強化する。水と二酸化炭素分子との間の結合をなお更に強化するために、二酸化炭素分子を捕捉して安定化させるように、カートリッジ内にビーズが提供されてもよい。
【0196】
より具体的に、図7A図7Cを参照しながら、最初に構成、その後に動作について説明する。第1の炭酸化室120は、第1の(好ましくは円筒形の)マイクロメッシュネット334、及び任意選択的に複数の円筒形ネット又は複数の第1のガラスビーズ325を有する内部を画定する。第2の炭酸化室121は、ネット334のような第2の(好ましくは円筒形の)マイクロメッシュネット336内に第2の複数のガラスビーズ333を有する同様の形状の内部を画定する。
【0197】
スプリッタ119のベンチュリ内で混合された冷水及び二酸化炭素からの炭酸水管路(図2E)又は流体管路138、140、142内の混合ベンチュラ(図2F)は、第1の炭酸化室120の入力ポート322と流体連通している。その第1の炭酸化室120からの流れは、第1の室出力ポート324から第2のカーボネータ入口ポート326へと通過する。第2の炭酸化室121を通る流れは、第2の室入力ポート326から入り、次いで、冷却炭酸水管路122と流体連通している第2の室出力ポート328から出る。
【0198】
第1の炭酸化室120は、好ましくは100μmのマイクロメッシュ334と、炭酸化室120内に配設された複数の5mmガラスビーズとを有する内部を画定する。マイクロメッシュ334の寸法は様々であり得る。第2の炭酸化室121は、好ましくは、400μmのマイクロメッシュネットを画定し、その中に複数の1~3mmのガラスビーズがある。マイクロメッシュネットは、好ましくは円筒形である。
【0199】
したがって、それぞれの炭酸化室120、121は、有利にはキャップ325及び基部329を有し、室120、121はキャップ部分325及び基部部分329によって画定される。キャップ及び基部は、接合された端部に嵌合するねじ山部分を有する細長い部分を有し、キャップ及び基部の長い本体がそれぞれの室120、121を形成するものとして示されている。しかし、キャップ325及び基部は、より短くてもよく、室の主要部分を形成する細長い管の対向する端部にあってもよい。
【0200】
マイクロメッシュネット334は、内部室の周りに延在し、マイクロメッシュネット334の内部に配設されたガラスビーズ325を有する円筒形の管を形成するものとして示されている。マイクロメッシュネット334は、有利には、上部及び下部支持リングを有する(図7A)。内部ポートを含む他のデバイスは、マイクロメッシュネット334の内部と炭酸化室入力ポートとの間の流体の流れを促進するため、及びマイクロメッシュネット内のビーズの合間を通る流体の流れを促進するために、室間の流量を促進するために提供されてもよい。マイクロメッシュネット及びビーズは、単一のユニット又はカートリッジとして提供されてもよく、格子334が、カートリッジ327及びネットの内部にビーズ325を保持する(図7A)。
【0201】
炭酸化室の中及び外への流体の流れは、変化してもよい。使用中、第2の炭酸化室121から出力された炭酸水は、炭酸流体管路122に連通するか、又は炭酸流体管路122及び栓と流体連通している流量補償器に連通する。
【0202】
水分子がマイクロメッシュネット334、336を通過するとき、水分子が分極されることは当該技術分野において既知であることから、ネットの電荷が水分子の配向に影響を及ぼすと考えられる。そのような受動的分極は、分子とネットとの相互作用の結果として生じ、それによって、水と二酸化炭素分子との間の双極子結合が強化される。
【0203】
あるいは、マイクロメッシュネットは、電圧源に接続された一対の同心ネット334(図7C)として実装されて、ネットを通過する水分子の配向性を高めるために、ネットの能動的分極を提供することができる。ネットを通る電流の特定の配向は、ネットを通過する際の水分子の望ましい分極に従って実装されてもよい。
【0204】
上記のように、第1のカーボネータ120及びその炭酸化室120は、入力された水及びガスの混合物が通過するマイクロメッシュネット334を含んでもよく、マイクロメッシュネット334は、好ましくは、ステンレス鋼などのマイクロメッシュ金属の1つ以上の独立したリングから形成される。マイクロメッシュネット334を通じた炭酸水の通過により、水の長分子化合物が破壊され、より極性の高い分子の高速通過に起因して弱い静電界が生じ、短い時間(1秒未満)に流体のより極性の高い分子が混合されるため(水及び二酸化炭素)、水分子の短鎖(破壊)鎖が、二酸化炭素分子との双極子間静電接続を形成する可能性が高まる。本実施形態では、静電界は、分極された分子の通過によって自己誘導され、電気誘導を生じさせる。同じ装置の他の実施形態は、電界が、共通のDC電源、又は複数のDC電源を介して外部から人工的に生成されるプロセスを利用してもよく、その結果、ネット上に発生した電界に応じて、高度に分極された水及び気体の分子が直ちに配向されることになる。どちらのソリューションを採用しても(誘導電界又は人工的に発生)、結果として液体及びガスの分子の高い分極性及び配向性が得られる。受動的に誘導された電界の場合、誘導された静電界が、内部に遷移する分子の分極に寄与するだけでなく、分極自体が、生成される電界を改変する。
【0205】
分極分子の通過によって生成される、本明細書に記載の静電界は、比較的弱いものと予期されるが、結果として生じる水分子の分極の増加によって、当該技術分野において既知であるように、結合が特に弱い水分子と二酸化炭素分子との間に結合が形成される可能性が高まる。これは、それぞれの水分子の分極の程度が高まるにつれ、高度の分極を有する水分子の総数が増加するためである。静電界に反応して、分子の長鎖を破壊し、それを徐々に配向させることにより、水内部の炭酸の(一時的な)形成が増加し、得られる水は、より高度に炭酸化されることが見出されている。加えて、水分子は、二酸化炭素分子の分散(すなわち、炭酸水が分配中に空気に曝露されるときの気泡化)を軽減する二酸化炭素分子との結合を保持することが見出されている。結合が増加すると、水中の炭酸化が高まり、炭酸水が口の開いたグラスやボトルに入っているときの経時的な耐久性が高まる。
【0206】
図示の実施形態では、マイクロメッシュネットは、直径約2~100μの薄いステンレス鋼ストランドで形成され、約5~800μの開放メッシュ領域を有する。マイクロメッシュネット334、336は、他の材料で形成されてもよく、ストランド/開放メッシュ領域の寸法は、特定の圧力レベル、流量、所望の炭酸化レベル、及び他の要因に合わせて変更されてもよい。
【0207】
飲料容器位置合わせライト
【0208】
図8A図8Bを参照すると、図1Aの5つの代わりに4つの飲料分配ボタンのみを有し、飲料位置合わせ機構350を有する飲料ステーション20が示されている。飲料位置合わせ機構は、図1の実施形態で使用されてもよく、ボタンの数は少なくてもよい。4つの飲料分配ボタンは、炭酸水又は発泡水用の分配ボタン52、冷水用のボタン56、高温水用のボタン58、及びアルカリ水用のボタン54である。自動充填ボタン60は省略されている。4つのボタンは、より大きいボタン及びボタン上のより大きい印刷表示を使用して、どのボタンがどの飲料の分配を起動するかを識別することを可能にする。有利には、飲料ボタンは、飲料ステーションの上部の、充填領域40及びドレンパン46及びドレン格子48の上にあるが、その場所は変更され得る。複数のインジケータライト62はまた、有利には、飲料ステーションの前部の上部パネルにあり、インジケータライト62は、好ましくは、高温水が利用可能であるか否かを示すために赤色ライトを含み、別のライトは、水フィルタ又はアルカリカートリッジの交換が必要であることを示す。これらのインジケータライトの電気的接続及び起動を達成する様々な方法は既知であり、本明細書には記載されていない。
【0209】
有利には、図1の飲料ステーションのように、単一の栓44が飲料の全てを分配するために使用される。ドレンパン46及びドレン格子48は、好ましくは、飲料ステーション20の前部の実質的な幅にわたって(すなわち、側方に)延在し、それにより、ユーザーは、いくつかの飲料容器及び飲料カップ354をドレン格子にセットして、より迅速かつより容易に容器及びカップへの充填を行うことができる。ユーザーがカップを栓に視覚的に位置合わせするのを助けるために、垂直方向に延在し、栓44の分配ノズルに位置合わせされたライトバー352が提供される。凹部は、カップが空のとき又は満杯のときに傾かせ、倒れさせるオフセットを生むため、視覚的な位置合わせは、分配栓の下にある円形のカップサイズの凹部を使用してカップを栓に位置合わせすることに関連する困難を回避する。
【0210】
ライトバー352は、有利には、繰り返しパターンで充填領域40の上部から飲料ステーション及びドレンパン46の底部に向かって移動する可視光を生成するように電気的に制御された細長い照明部材の形態をとり、図8Aに示されるように、ライトバーの視覚的な長さは、飲料ステーション20の対向する矩形の側面に平行した、栓を通る垂直面に揃えられる。ライトバー352は、充填領域40を飲料ステーションの内部から分離する側壁42に接続されている。ライトバー352は、有利には、側壁42上の垂直線に配置された複数のLED356を含み、栓44の後側の側壁上の場所から下向きに延在し、その側壁上の栓44に垂直に位置合わせされる。飲料容器がドレン格子48の幅に沿って横方向に位置合わせされる場合、栓44は、その液体流を飲料容器の中央に分配する。
【0211】
有利には、ライトバー352は、十分に近接した複数のLED356を含み、それぞれ個々のLEDは、ライトバーの頂部からライトバーの底部まで延在するライトの繰り返しパターンを生成するために、タイマー及び制御回路によって個別にかつ連続的に起動されてもよい。有利には、LEDは、シールドを形成する透明又は半透明のプラスチックのストリップの裏側に位置しており、LED356は、分配された飲料がLEDにかからないように遮蔽される。有利には、側壁42に細長いスロットが形成されてもよく、スロットをプラスチック製のシールドで埋めることで、清掃が容易になる。照明されたライトバー352は、栓44から分配される液体の流れをユーザーが視覚的に確認することを可能にし、飲料カップを分配される液体に位置合わせするのを補助する。
【0212】
図8Bの破線によって示されるように、飲料ステーション20が2つ以上の栓44を有する場合、2つ以上のライトバー352が使用されてもよく、1つのライトバー352は、栓のうちの異なる1つに関連付けられ、上述のようにその栓に位置合わせされる。連続点灯のライトバー352は有用であるが、あまり望ましくないと考えられる。様々なホリデーイルミネーションの装飾に反映されるような、動くライトの繰り返しサイクルを達成するためのタイミング及び電気制御回路は既知であり、本明細書には詳細に記載されていない。
【0213】
ライトバー352のそれぞれのLED356又は他の光源のそれぞれは、電力がコントローラ64に提供されたとき、又は飲料選択ボタン52、54、56、58、又は60が起動されたときに、定常的パターン又は繰り返しパターンでライトを起動するための電気回路を含むコントローラ64と電気的に連通している。コントローラは、飲料選択ボタンのうちの1つを起動させることなく、所定の照明時間後にライトを遮断するタイマー回路を含んでもよい。ライトバー352が栓ごとに提供される場合、その栓のライトバーのみが、記載の積層を提供するために起動されてもよい。
【0214】
システム動作
【0215】
このようにして、有利には、主水入口ポート86と、水供給ポンプからの入来水を冷やすために、好ましくは冷水収容器74の形態をとる熱交換機に少なくとも部分的に挿入される、少なくとも1つのステンレス鋼製の飲料水冷却器コイル94と流体連通している水供給ポンプ92を含む後述のデバイスと流体連通している1つ以上の水流管路とを含む、冷却された発泡性飲料用の飲料ステーション20などの分配装置(図2A図2G)が提供される。他の熱交換デバイスを使用することができるが、冷却され絶縁された収容容器74で達成される冷水浴が好ましい。好ましくは、飲料水冷却器コイル94の内部又は下流に位置する水管路スプリッタ132は、冷水管路を、栓44と流体連通している少なくとも1つの冷水管路98と、最終的に栓44と流体連通している少なくとも1つの発泡水管路122とに分割する。飲料ステーションはまた、飲料水冷却器コイル94の下流及び水管路スプリッタ132の下流に位置付けられた、ノーマルクローズ型冷水弁96を有する。
【0216】
水弁116などのノーマルクローズ型発泡炭酸水弁は、飲料水冷却器コイル94の下流及び水管路スプリッタ132の下流に位置付けられる。少なくとも1つのノーマルクローズ型二酸化炭素弁112、好ましくは、弁は、内部二酸化炭素ガスキャニスタ108から、スプリッタ119内の静的ベンチュリ制限デバイス144(図2F)又はベンチュリまでのガス管路に位置付けられる。少なくとも1つの静的ベンチュリ制限デバイス(144、119、ベンチュリ付きスプリッタ)は、二酸化炭素ガスが、好ましくは飲料水冷却器コイル94の下流の場所で、冷水に入ることを可能にする。好ましくは、1つ以上の静的インライン炭酸化室120、121は、水の瞬間的かつ追加的な炭酸化を生成し、デバイス120、121はベンチュリ装置144、119(ベンチュリ付きスプリッタ)の下流に位置付けられ、冷水収容容器74の熱交換器に少なくとも部分的に挿入され、好ましくは飲料水冷却器コイル94に隣接する。
【0217】
電子コントローラ64は、水供給ポンプ92及び3つのノーマルクローズ弁96、116、及び112を制御するように構成され、これらの弁と連通し、更にこれらの弁と、栓44からの冷水及び炭酸水の分配とに関連付けられた飲料選択ボタン52、56と連通している。有利には、コントローラ64は、本明細書に記載の電気通信線を介して識別された弁及びボタン、又は特定の用途に適切な他の電気通信線と電気的に連通している。これら3つの弁はノーマルクローズ型であり、飲料分配装置は、ノーマルクローズ型冷水弁96と、ノーマルクローズ型発泡水弁116と、ノーマルクローズ型二酸化炭素ガス弁112とを有する。
【0218】
飲料分配装置20は、冷却された静水又は冷却された炭酸水のいずれかを代替的に分配するために、ボタン52、56など、少なくとも2つのセレクタを有する。冷却された静水のセレクタ56が起動されると、水供給ポンプ92は、コントローラ64によって電源オンにされ、ノーマルクローズ型冷水弁96が電気的に励起されて開き、冷却された静水が栓44から分配されることを可能にする。冷却発泡セレクタ52が起動されると、水供給ポンプ92の電源がオンになり、発泡水弁116及び二酸化炭素ガス弁112の両方が励起されて開き、炭酸水が栓44から分配されることを可能にする。
【0219】
飲料は同じ栓44から分配されるものとして記載されているが、それらは別個の栓から、又は他の分配デバイスから分配され得る。更に、本明細書に記載されるノーマルクローズ弁を開くために使用される電気が除去又は遮断されると、弁は閉じる。したがって、それらは「励起されて開く」ものとして記載されている。シンク内の水栓と同様に、閉じた弁は、遮断されている又は電源オフにされていると見なすことができ、開いた弁は、電源オンにされていると見なすことができる。したがって、開いた弁及び閉じた弁は、弁を開閉すること又は弁をオン/オフにすることに対応する。しかし、詳細な動作にかかわらず、コントローラ64又は制御モジュール64は、様々な弁を開閉し、様々なポンプへの電力をオン及びオフにし、様々なセンサに電力を印加し、様々なセンサから信号を受信する。電気制御の基本制御概略図は本明細書に記載されているが、他の制御回路並びに制御論理及びモジュールが使用可能と考えられる。
【0220】
上述の飲料分配装置20の更なる変形例では、ノーマルクローズ型主入口弁90は、主入口ポート86の下流に位置付けられ、任意のセレクタボタン52、54、56、58、又は60が起動されると、主入口弁90が励起されて開くように、制御装置64によって制御される。装置20は、好ましくは、コントローラ64に電気的に接続された流量計88を含み、流量計を通過する水の量を制御装置64が測定し、それにより、栓44を通して分配される水の容量又は量を示すことを可能にする。このような制御、通信、及び容量測定は、当該技術分野において既知であり、本明細書には詳細に記載されていない。装置20はまた、ノーマルクローズ型周囲水弁100と流体連通し、コントローラ64と連通し、好ましくはコントローラ64と電気的に連通している、周囲温度水管路104と、他のボタンに隣接して取り付けられた周囲水セレクタボタンと、を有してもよい。周囲水セレクタボタンが起動されると、信号がコントローラ64に送信されて、周囲水弁90が開かれ、周囲温度水の特性を変化させる任意の介在デバイスなしに、弁90が栓44と流体連通している場合、周囲温度水の分配が可能になる。
【0221】
水供給ポンプ92と流体連通している主水入口ポート86、冷水収容容器74として図示されている熱交換器に少なくとも部分的に挿入される少なくとも1つのステンレス鋼製の飲料水冷却器コイル94を含む、上記の飲料分配装置を含む、冷水、発泡水、及びアルカリ水製造のための飲料分配装置も提供される。分配装置20はまた、同じ熱交換器に少なくとも部分的に挿入される少なくとも1つの炭酸化システムと共に冷却発泡水管路を含み、炭酸化システムは、二酸化炭素ガスのキャニスタ108、スプリッタ119若しくは交差する流体管路114、138、140、142内の少なくとも1つのベンチュリ140、及び/又は炭酸化室120、121を含む。分配装置は、ノーマルクローズ型冷水弁96、ノーマルクローズ型発泡水弁116、二酸化炭素ガスタンク108からガス管路上に位置付けられた少なくとも1つのノーマルクローズ型二酸化炭素ガス弁112を含む。
【0222】
この分配装置は、更に有利には、入力ポート86において濾過水と流体連通しているか、又は水フィルタ130と流体連通している周囲温度水管路104を更に有利に含み、その両方(存在する場合)は、ノーマルクローズ型周囲温度水弁90と流体連通している。この装置は更に有利には、予め選択された無機塩類を水に放出する、ノーマルクローズ型周囲温度水弁100の下流の周囲水管路104と流体連通するように位置付けられたアルカリ室102を含む。アルカリセレクタ54が起動されると、電子コントローラ64は、両方の周囲水弁100を開き、更に冷水弁96を開き、その結果、アルカリ室102からの周囲水(すなわち、アルカリ水)と冷水との両方が、栓44などの出口で分配及び混合される。
【0223】
アルカリ水分配装置の更なる変形例では、コントローラ64は、周囲水弁100が開いたままである時間間隔よりも短い時間間隔で、冷水弁96を開き、次いで閉じる。これにより、より多くの冷水が流体出口(例えば、栓44)に提供され、出口の水を冷やし、その水のアルカリ度を低下させる。アルカリ水分配装置のなお更なる変形例では、アルカリ室は、粒状活性炭(GAC)を有する床の内部に無機結晶球を含有するカートリッジを含む。有利には、カートリッジは、装置20内の流体マニフォールドに解放可能に締結されるように構成され、好ましくは、カートリッジを回転させて、カートリッジを流体マニフォールドからラッチ解除し、その後、カートリッジをマニフォールドから軸方向に移動させることによって、カートリッジを容易に交換することができるように構成される。水フィルタカートリッジを冷蔵機に接続するための他の解放可能な接続部が知られているが、それらの解放可能な接続部をアルカリカートリッジと共に使用することができる。
【0224】
内部二酸化炭素ガスキャニスタ108、及びカーボネータ120、121、及びアルカリキャニスタ102を有する上記の飲料ディスペンサ20のなお更なる変形例では、ディスペンサは、主水弁90、好ましくはノーマルクローズ弁90、及び同じく好ましくはノーマルクローズ弁である高温水弁150と流体連通している高温水収容容器262を備えた高温タンク152を収容してもよい。弁90、150、及び高温水セレクタ58は、コントローラ64と連通している。高温水セレクタ58が起動されると、高温水弁150及び主水弁90が励起されて開き、主弁から周囲温度水を流入させて、高温水タンクの頂部から、栓44などの出口と流体連通している高温水管路160へと高温水を押し出すことを可能にする。有利には、高温タンクは、水蒸気を蒸気室に集めることができるように、高温水収容容器と流体連通している蒸気室を含む。高温水は、蒸気室を通過する制御管を通って流れ、制御管は、蒸気室からの水蒸気を高温水の流れに吸引するベンチュリを有し、高温水の流れは最終的に出口で分配される。有利には、リターン蒸気管路は、蒸気室を栓44などの出口と流体連通させて、圧力解放を提供し、高温水が高温水管路を逆流して、高温タンク内の高温水収容容器に戻ることを可能にする。高温タンク152は、有利には、205°F~170°Fの範囲の温度で水を加熱するように構成されている、内部の加熱素子154と、温度センタNTC156とを有し、両方とも、加熱素子を制御し、水温をその温度範囲内に維持するようにコントローラ64によって制御される。有利には、NTC156は、サーミスタより下の水位を反映する温度の急変時に加熱器の遮断を提供するため、加熱素子に直接隣接し、好ましくは接触している。
【0225】
高温水収容容器262の内部の水が、温度センサによって検出されたときに、下限設定点以下の温度であった場合、コントローラ64は加熱素子154の電源をオンにし、温度センサによって検出されたときに、水の温度が上限設定点に達して、コントローラ64が加熱素子への電源供給を停止するまで、加熱素子154は電源オンのままとなる。サーミスタ158内の温度センサが動作しない場合、高温タンクの壁の温度が上昇し、サーモスタット156は電気回路163を開き、加熱素子154への電力を切断する。水位が低いときに生じる温度の急激な上昇は、加熱器に隣接するサーミスタによって直ちに検出され、加熱器への電力を切断するようにコントローラ64に信号が送信される。
【0226】
上記の飲料分配装置20では、分配ノズル又は栓は、冷水管路98を通る冷水と、炭酸水管路122を通る炭酸水と、アルカリ水管路104を通る周囲温度アルカリ水及び冷却アルカリ水の両方と、高温水管路160を通る高温水との任意の組み合わせと流体連通している。これらの異なる種類の水は、主流弁20、高温水弁150、冷水弁96、並びに炭酸弁112及び116を含む適切な弁を開閉するコントローラ64による任意の組み合わせで、連続的に又は同時に分配され得る。加えて、炭酸の量は、カーボネータ120、121の起動に応じて変化させることができる。入口ポート86の入口水は、濾過されても又は未濾過であってもよく、濾過されているか否かにかかわらず、水を更に精製するために、水入口86と流体連通している1つ以上の内部フィルタ130又は外部82、84を有してもよい。
【0227】
図2Fは、飲料分配装置20の内部、及び流量計88及び主入口弁90の上流のフィルタ130を示している。あるいは、飲料分配装置の内部のフィルタ(単数又は複数)130は、主入口弁90の下流に位置付けられてもよく、流体連通管路は、主入口弁90を通過する水が、まず(fist)水フィルタ130を通過してから、高温水タンク152と流体連通している高温水弁150、アルカリカートリッジ102と連通している周囲水弁100、飲料水冷却器コイル94と流体連通している冷水弁96、又はカーボネータ120、121と流体連通し、かつ二酸化炭素ガスカートリッジ108と下流で流体連通している炭酸弁116のそれぞれに流れるように配置される。
【0228】
図4Aを参照すると、冷却された及び/又は発泡性の飲料用の飲料分配装置内の飲料に使用される流体を冷却するための改善された冷却器も提供される。この装置は、水浴/アイスバンク冷蔵システムを利用して冷水浴を作る熱交換器を含み、水(水浴冷却流体)を含有し、熱分散を低減するために外部周囲温度から断熱された冷却器壁76を有する冷却器74などの技術を含む。冷却器又は冷水収容容器74は、好ましくは銅であり、冷水収容容器74内の水に浸漬される蒸発器コイル77を収容する。蒸発器コイル77は、その膨張段階で、冷却器74内の蒸発器コイルを取り囲む水の温度を低下させる冷媒を収容し、蒸発器コイルの周囲にアイスバンク178を形成する。冷却器は、好ましくはステンレス鋼で作製され、冷却コイルを通過する際に冷却される循環水を含有する飲料水冷却器コイル94を含み、循環する圧力及び流れは水供給ポンプ92によって提供される。飲料水冷却器コイル94は、冷却器の水浴に少なくとも部分的に浸漬され、有利には、飲料水冷却器コイル94の水平方向に延在する又は横方向に延在するコイルの全長にわたって浸漬される。
【0229】
図4Aを参照すると、飲料水冷却器コイル94内で冷蔵された水を二酸化炭素ガスと混合するように構成されたインライン瞬間炭酸化システムは、少なくとも部分的に、冷水収容容器の水浴に浸漬される。これは、二酸化炭素ガス弁112とカーボネータ120、121との間の流体管路を含む。冷却器は、冷水収容容器の底部にあるドレン126(図2A図2B)を通って重力によって冷水収容容器の内部から水浴を排出する任意の吐出管路を有する。少なくとも1つの温度センサ182が、冷水収容容器74の内部に配置され、飲料水冷却器コイルと接触して位置付けられ、その結果、飲料水の温度が所定の値に達すると、少なくとも1つの攪拌器ポンプ170が起動し、攪拌器ポンプは、冷水収容容器74又は冷却器内の冷水を循環させるように構成されているため、攪拌器ポンプによって循環される水は、氷178の周りを循環し、好ましくは氷178と熱伝導的に接触する。
【0230】
撹拌ポンプ170は、有利には、冷水収容容器74の内部に水中ポンプを含み、有利には、飲料水冷却器コイル94の底部又は頂部のうちの1つに位置し、有利には、その飲料水冷却器コイル94の中央の長手方向軸に位置合わせされている。好ましくは、2つの撹拌器170が存在し、それぞれ、その中央の長手方向軸上に吸水口があり、それぞれ、複数の半径方向水出口ポートを有し、出口ポートは、好ましくはその長手方向軸に直交する平面内にある。より好ましくは、2つの攪拌器170のそれぞれの水流は、攪拌器ポンプ出口ポートから他の攪拌器の約半分まで延在する球状の循環流パターンを作る。
【0231】
有利には、コントローラ64は、冷水収容容器の水位194を感知する水位センサ188と連通し、好ましくは電気的に連通し、水位が所定の低レベルに達すると、センサは、コントローラ64に電気信号(又は他の種類の信号)を送信し、コントローラ64は、センサによって決定された最大水位まで水位194を満たすために、ノーマルクローズ型冷水弁196を開く信号を送信する。
【0232】
図3A及び図4を参照すると、図4Aに概略的に示される図3Aの冷蔵システムの蒸発管路又はコイルである凍結器膨張管路72は、有利には、水収容容器の形状に適合する単一の管状コイルに形成され、それによって蒸発器コイル77が形成される。図3A及び図4では、蒸発器コイルは、概ね正方形の形状として示されており、コイル77は、丸みを帯びた角と直線状の側部とを有するコイルを形成している。
【0233】
図9A図10Bを参照すると、冷蔵システムは、(図3A及び図4のシステムと同様に)凍結器システムを含み、凍結器システムと称される。凍結器システムの蒸発コイルは、有利には、8の字形コイル401内に配置されたコイル状構成を有してもよい。したがって、その長さに沿って均一な直径を有する単一の連続的な蒸発器コイル401は、2つの別個の管状凍結器コイル402、404を効果的に形成する8の字形凍結コイルを生成するように巻かれてもよく、それぞれの管状コイルは、別個の冷水収容容器を取り囲み、それにより、2つの冷水収容容器412、414が形成され(蒸発器コイル402、404の部分内にそれぞれ1つずつ)、その結果、単一のハウジング内の2つの冷水収容容器が凍結器システムの単一の蒸発管路を形成し、8の字形蒸発器コイル401が形成される。この8の字形コイルの配置401は、単一のハウジング内に2つの水収容容器を形成するのに役立つ、拡大された中央アイスバンクをもたらす。この8の字形構成は、高需要期間に増加される冷水の容量を提供するものと考えられ、中央のアイスバンクは、図3A及び図4にあるように、単一の管状蒸発凍結器管路72(又は蒸発器コイル77)を使用する設計よりも、冷水の温度をより均一にし、より冷たくするものと考えられる。単一の飲料水冷却器コイル94は、0.3リットルを収容することができ、8の字形コイル422、424は、0.6~1リットルの飲料水を収容することができる。冷水収容容器74内の単一の冷水コイル94は、有利には、1時間当たり6ガロンを超える40°F以下の水を製造し得る。その冷水収容容器内の8の字形冷水コイル422、424は、その容量の2倍を超える、1時間当たり最大15ガロンの40°F以下の水を生成すると考えられる。
【0234】
8の字形蒸発凍結器コイル
【0235】
蒸発管路の外部の水を凍結させる冷蔵システムの蒸発管路の単一の管401は、有利には、8の字形冷却コイル401を形成し、単一の管401は屈曲して、蛇行状に延在する一連の8の字を形成し、それぞれの連続する8の字は、前の8の字の上に積層されて、垂直軸に沿って上方に延在する8の字形コイルを形成する。凍結器コイルの材料は、銅又は他の好適な金属で作製される。このように、8の字形蒸発器コイル401を形成する冷蔵システムは、第1及び第2の相互接続された管状コイル402、404を形成するように屈曲される。第1の凍結器コイル402は、8の字形コイルの一部分を形成し、第2の凍結器コイル404は、積層された8の字形コイル401の他の部分を形成する。
【0236】
コイル402、404の管状配置は、有利には、2つの対向する直線状の平行な側部で形成される。それぞれの8の字は、それらの対向する側部に垂直である直線状の後部402c(又は404C)によって接合された平行かつ対向する側部402a、402b(又は404a、404b)を有する複数のコイルセグメントによって形成され、2つの対向する側部と後部との接合部は、丸みを帯びた角を有する。管状コイル402、404は、第1及び第2の、好ましくは真っ直ぐな接続コイルセグメント402d、404dによって接続される。接続コイルセグメント402dは、8の字形コイルの隣接するレベル又は層内の管402aから管404aまで延在し、第2の接続コイルセグメント404dは、8の字形コイルの隣接するレベル又は層内の管404bから管402bまで延在する。接続セグメント402d、404dは、2つのコイル402、404の間を交差するように交互配置される。コイル204、404の対向する側部は、複数のコイルセグメント402a、402b、404a、404bによってそれぞれ形成され、コイルセグメント402a~402d及び404a~404dの大部分は、有利には平行であり、交差するセグメント402d、404dを考慮してわずかに上方に傾斜している。
【0237】
図10A図10Bに見られるように、水収容容器406は、管状凍結器コイル402、404を包囲する壁408a、408b、及び408cを有する。有利には、コイルセグメント402a、404aは、第1の収容容器側壁408aの対向する端部に平行であり、それらの端部に接続されている。有利には、コイルセグメント402b、404bは、第2の収容容器側壁408bの対向する端部に平行であり、それらの端部に接続されている。有利には、コイルセグメント402cは第1の収容容器端壁408cに平行であり、コイルセグメント404cは、第2の対向する収容容器端壁408dに接続されている。収容容器406は、頂部側(頂部は除去されているため、図示せず)及び底部側408eを有する。
【0238】
接続セグメント402d、404dは、対向する壁408a、408bの間に延在し、水収容容器406の幅にわたって延在する。接続セグメント402d、404dが互いに交差する場所において、交差するコイルセグメントは、有利には、図9A及び図10Bに見られるように、凍結コイルセグメント402d、404dの実質的に連続する積層体(収容容器の中心にある円の垂直線)を形成する。
【0239】
収容容器壁408a~eは、第1の実施形態に関して記載された様々な流体接続及び電気的接続のための、封止された開口部を有する断熱された流体密のエンクロージャと、第2の冷水収容容器414のための追加のエンクロージャとを形成する。収容容器壁408a~eは、有利には、断熱材410によって断熱され、任意の流体連通又は電気的連通は、断熱材並びに水収容容器を通過する。蓋は、収容容器の内部への物理的(例えば、修理)アクセスを可能にするために取り外し可能であってもよいが、そうである場合、蓋は、有利には、水収容容器壁の残りの部分を流体密に封止し、水が水収容容器から漏れないようにする。
【0240】
入口端部411a及び出口端部411bを有する、8の字構成401を形成するように巻かれた単一の凍結器膨張管路が、図9に示されている。入口端部411aは、図3Aに示されているように圧縮機70と流体連通し、出口端部411bは、図3Aにあるように熱交換器78と流体連通している。図示の実施形態では、冷蔵又は凍結流体(例えば、フルロ炭化水素)の循環は、図9A及び図10Aに示されるような方向になる。冷蔵流体の流体循環方向は重要ではないと考えられるが、8の字形循環コイルを形成するための単一の管の使用を例示するために記載されている。
【0241】
図10A図10Bを参照すると、管状凍結器コイル402は冷水収容容器412を収容し、管状凍結器コイル404は冷水収容容器414を収容する。管状凍結器コイル402、404は、収容容器406内の水を凍結させ、その結果、氷416の層又はアイスバンクが、コイル側部402a~b、404a~b及びコイル端部402c、404cに当接又は隣接する端部及び側部408a~dに沿って形成される。これは、一般に、氷の壁バンク416と称される。凍結器コイル402、404は、水収容容器406の底部408eから水管路の上部まで延在し、したがって、収容容器が満杯のときに、水の底部から収容容器の頂部まで、収容容器の壁408a、408bに沿って水壁を凍結させて、壁部アイスバンク416を形成し得る。
【0242】
しかし、蒸発器コイル401の接続セグメント402d、404dが互いに接近して交差する場所では、水は中間又は中央のアイスバンク418を形成する。水収容容器406の寸法及び8の字形冷却コイルの構造及び温度に応じて、中間又は中央アイスバンク418は、有利には、水収容容器406の幅にわたって全体的に延在し得る。
【0243】
接続セグメント402d、404dの交差は、接続セグメントが互いに交差する位置での冷却能力及び凍結能力を増加させ、図10Bに示すように、製造された追加のアイスバンク及びその厚さにより、交差位置での凍結容量を効果的に倍増し得る。接続セグメント間の角度が大きくなるにつれて、凍結は中央で増加し、収容容器壁部408a、408bに隣接する外端で減少する。接続セグメントでの角度が小さくなるにつれて、接続セグメントは、より長い長さにわたって互いに接近し、凍結容量が増加する。このようにして、接続セグメント402d、404dが互いに交差する角度を大きくして、接続セグメントがその長さのより長い部分に沿って更に離れているようにすることで、その長さに沿って凍結能力を低下させることもできる。接続セグメント402d、404dが互いに交差する角度を小さくして、接続セグメントがその長さのより長い部分に沿って互いに接近するようにして、その長さのより大きい部分に沿って凍結能力を向上させることもできる。細長い収容容器406の2つの対向する壁の間の水を凍結させることで、このように、交差部分402d、404dによって凍結された氷によって形成される、中央のブロッキングアイスバンク418を効果的に作ることができる。このようにして、この中央アイスバンク418の形状は変化してもよく、水収容容器406の端壁408c及び408dの間の方向で厚さが増してもよい。側壁408a、408bに垂直な平面からの20°~30°の角度が、10~15インチの側壁間の幅を有する水収容容器に好適であると考えられる。側壁408間の距離が増加するにつれて、角度は通常小さくなり、側壁が更に離れる大きい水収容容器幅については10~20°のより小さい角度に近づく。
【0244】
図10Aを参照すると、側壁408a、408b及び端壁408c、408dに沿ったアイスバンク416の形状は、好ましくは、中央アイスバンク418の場所を除いて、均一な厚さXである。有利には、中央アイスバンク418は、壁部アイスバンクの厚さの少なくとも2倍の厚さ、有利には、その幅及び高さの実質的大部分に沿った厚さの2~4倍の厚さを有する。中央アイスバンク418は、有利には、その高さに沿って実質的に均一な厚さを有し、有利には、収容容器406の底部408eから収容容器内の水位の上まで延在する。
【0245】
図10A図10Bに見られるように、好ましくはステンレス鋼で作製された第1及び第2の飲料水冷却器コイル422、424は、対応の第1及び第2の管状凍結コイル402、404及び対応の第1及び第2の冷水収容容器412、414の内部に位置する。アイスバンク416、418は、有利には、飲料水冷却器コイル422、424を取り囲み、好ましくは、アイスバンク416、418の内側の面は、向かい合ったアイスバンク及び冷却器コイルの大部分の領域の周りで同じ距離だけ、好ましくは、向かい合ったアイスバンク及び飲料水冷却器コイルの実質的に大部分の領域の周りで同じ距離だけ、飲料水冷却器コイル422、424の外側の面から分離される。冷水循環は、前述のように撹拌器によって達成され、アイスバンク416、418は前述のようにそれぞれのタンクの温度センサによって制御される。有利には、中央アイスバンク418の厚さが、それぞれの冷水収容容器内で同じであることを確実にするため、冷水収容容器412、414に1つずつ、2つの氷温度センサが使用される。しかし、冷水収容容器412又は414のいずれか1つに、1つの氷センサのみを有することは、好適であるが、あまり望ましくないと考えられる。8の字形コイル401に関連付けられた様々な構成要素の制御は、図1及び図8に関して記載されているように、コントローラ64を使用して、様々な構成要素を連係させ、制御する。
【0246】
8の字形コイル401を有する冷蔵システムは、単一のコイル凍結器設計よりも大きい容量の冷水を提供し、それを単一の圧縮機及び膨張コイルで実現する。更に、中央アイスバンク418は、収容容器壁408c及び408dの間の端から端までの方向に厚くなる場合もあり、これは、凍結器コイル402、404の接続セグメント402d、404dが、その方向により厚いアイスバンクを作るように構成され得るためである。より厚い中央アイスバンク418は、高需要のために2つの飲料水冷却器コイル420、422を通る水の流れが高まることで、収容容器412、414内の冷水の温度が上がった場合に、より大きな氷の貯蔵を融解させる。アイスバンク416、418の融解は、冷水中の水が加熱されて氷が融解するときに、氷が融解する際の温度変化を安定させるための熱貯蔵をもたらす。このようにして、より厚い中央アイスバンク418は、それぞれの冷水収容容器412、414の内部に収容される冷水の温度安定性を高める。
【0247】
図1A及び図1Dを参照すると、時計がコントローラ64に含まれているタイマーをリセットするために、フィルタリセット(FR)ボタン147(図1D)が使用される。FRボタン147は、分配容量の合計値(流量計88によって決定される)をリセットする。これらのリセットは、水フィルタが外部からアクセス可能であるか(フィルタ32)、又は内部に位置しているか(例えば、フィルタ130)にかかわらず、古い水フィルタ32、130を新しい水フィルタに交換するたびに自動的に行われてもよい。飲料ディスペンサの使用中、コントローラ64は、ディスペンサが動作していた(すなわち、電源供給されていた)時間に関する情報を記録し、格納する。同時に、流量計88は、同じ装置が分配した水の総容量を測定し、流量計88はコントローラ64と電気的に連通しているため、その情報はコントローラ64によって容易に処理され得る。クロックが水フィルタの交換に関連する特定の時間設定(通常6ヶ月)に達したときか、又は流量計が、分配された水の総容量(通常6千ガロン)を検出したかどうかの2つの別個の閾値のうちのいずれかに最初に到達したときに、コントローラは、フィルタインジケータ62(図1A)に信号を送信し、インジケータは点滅を開始する(例えば、LEDインジケータライトが点滅し始める)。FRボタン147(図1D)を数秒間押し続けることにより、コントローラ64内の時計及び容量計測カウンタの両方がゼロにリセットされ、サイクルが繰り返される。通常、FRボタン147は、水フィルタ32、130及びアルカリ室132が変更されたときに常に押され、FRボタン147及びコントローラ64は、それぞれの使用を追跡し、交換が必要であることをユーザーに通知するための信号をインジケータ(例えば、インジケータ64)に送信するために使用され得る。
【0248】
図6Aを参照すると、高温水タンク152は、高温水収容容器の内部に加熱器又は加熱素子154を有する。加熱器154は、好ましくはAISI304、又は好ましくはAISI3016ステンレス鋼で作製されたステンレス鋼シャツ又は包囲体を有してもよい。これらのステンレス鋼の特定の作りにより、経時的なスケールの沈積が制限され、錆が発生しない。また、加熱素子154から2mm未満の距離(好ましくは0.5mm~1.0mm)の距離に位置付けられたNTCサーミスタ156の存在が、加熱素子からの熱伝達の正確な監視を可能にする。熱は、伝導及び対流によって、加熱素子154から高温水収容容器の内部の水に主に伝達されると考えられ、高温水収容容器の内部の水が少ないか又は水がない場合、熱は主に輻射によって伝達されると考えられる。NTCセンサを有するセンサ156は、温度を正確に監視することができ、これは、加熱素子154に対するその近接性と、そのような加熱素子から周囲環境及びセンサ156に熱が伝達されることによる。タンク内の水が少ないか又は水がない場合、高温タンクが曝される最高温度は、高温水タンクが水で満たされている場合と同じであると考えられる。空気は、水と比較してより遅い速度で熱を伝達又は伝導するため、高温水タンクの内部の水が少ないか又は水がない場合、高温水タンクの最高温度設定と最低温度設定との間のサイクルはより長くなる。しかし、高温水タンク152は、分配装置が使用されていないときに生じ得るように、高温水タンクから水が完全に蒸発しても、加熱素子154を熱的に劣化させることなく長時間動作することができると考えられる。
【0249】
飲料分配装置の電子制御モジュール64はまた、ユーザーが、3つの主なNTC温度センサ156、180、及び182の「工場出荷時のウィンドウ設定」を随時変更することを可能にする。コントローラ64に指示されたコマンドによって、3つの主な温度センサのそれぞれの最高温度及び最低温度のいずれか又は両方の設定が変更されてもよい。これら3つの温度センサ156、180、及び182のそれぞれは、最大設定点と最小設定点との間のセンサの位置における温度を維持するために、他の構成要素の動作を制御する。センサ156は、有利には、96℃~80℃で動作し、センサ180は、有利には、0.6℃~1.2℃で動作し、センサ182は、0.4℃~-1.8℃で動作する。上記設定のそれぞれは、ボタン52、54、56、及び58が点滅を開始するまで、FRボタン147を所定の最小時間(例えば、10秒超)押し続けることによって、手動で修正することができ、それらのボタンのそれぞれに触れることにより、所定のソフトウェアコードに従って、ユーザーは、温度センサ156、180、及び182のそれぞれの最高温度設定及び最低温度設定を選択的に変更、増加、又は低減することができる。センサ156の温度設定を変更することにより、ユーザーは、個人的な好みに従って、装置によって分配される高温水の温度を上昇させることができる。センサ180の温度設定を変更することによって、ユーザーは、より少ない氷又はより多くの氷を製造することができ、例えば、装置に多くの余分な氷を製造させて、より大きいエネルギー貯蔵及び大量の潜熱を提供するより厚いアイスバンクを構築して、装置がラッシュアワーの混雑したレストランに取り付けられている場合に生じ得るような、高い消費者需要を満たすことができる。センサ182の温度設定を変更することによって、攪拌器ポンプ170の設定温度を変化させることができ、例えば、撹拌器ポンプが、装置が家庭住宅と比べて混雑するレストランに取り付けられている場合に生じ得るような、より広い範囲の温度で動作し、より多くの熱をアイスバンクから抽出することを可能にする。
【0250】
上記の説明は、例として与えられ、限定するものではない。上記の開示を考慮すると、当業者は、交差する凍結器コイルセグメント402d、404dの角度などの寸法を変化させる様々な方法を含む、本発明の範囲及び趣旨の範囲内にある変形を考案することができる。ソレノイド弁を含む多くの弁タイプが、本明細書に記載される様々な弁に関する使用に好適であると考えられる。更に、本発明の様々な特徴は、単独で、又は互いに様々に組み合わせて使用することが可能であり、本明細書に記載の特定の組み合わせに限定されることを意図するものではない。したがって、本発明は、図示の実施形態によって限定されるものではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C-4D】
図4E
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E