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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】床パネル
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/024 20060101AFI20240909BHJP
【FI】
E04F15/024 601F
E04F15/024 601B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022060546
(22)【出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023151106
(43)【公開日】2023-10-16
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000110804
【氏名又は名称】ニチアス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】白谷 暁彦
(72)【発明者】
【氏名】松下 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】植田 正二郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 大輔
(72)【発明者】
【氏名】幸長 浩気
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-277362(JP,A)
【文献】特開2015-004189(JP,A)
【文献】特開平11-280242(JP,A)
【文献】特開平11-050645(JP,A)
【文献】中国特許第100449091(CN,C)
【文献】米国特許第04520057(US,A)
【文献】特開2014-227649(JP,A)
【文献】実開平06-062083(JP,U)
【文献】特開2000-226928(JP,A)
【文献】特開2003-028444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F15/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、
前記芯材は、前記下面から垂直に立ち上がる側面を有し、
前記下板は、前記芯材の下面を被覆する下面被覆部と、前記下面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面の少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部と、を有し、
前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面を被覆する上板側面被覆部と、前記上板側面被覆部から連続して前記下面被覆部に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねて接合される接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部と、を有し、
前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有する
ことを特徴とする床パネル。
【請求項2】
芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、
前記芯材は、前記下面から垂直に立ち上がる側面を有し、
前記下板は、前記芯材の下面を被覆する下面被覆部と、前記下面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面の少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部と、を有し、
前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面を被覆する上板側面被覆部と、前記上板側面被覆部から連続して前記下面被覆部に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねて接合される接合部と、を備えた
ことを特徴とする床パネル。
【請求項3】
前記芯材は、角部に、直線状に角取りが形成された角取り芯部と、該角取り芯部から連続して形成される段芯部と、該段芯部から連続して前記上面に前記角取り芯部と平行な直線状に立ち上がる立ち上がり芯部と、を備え、
前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記立ち上がり芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記立ち上がり芯部を被覆する立ち上がり被覆部と、前記立ち上がり被覆部から連続して前記段芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記段芯部を被覆する段被覆部と、前記段被覆部から連続して前記角取り芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記角取り芯部を被覆する角取り被覆部と、前記角取り被覆部から連続して前記下板の下面に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねられて接合されている角部接合部と、を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の床パネル。
【請求項4】
前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、先端を前記床パネルの外側に向けてさらに折り込まれる折り返し加工がされて前記下板の下面に重ねられて接合されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の床パネル。
【請求項5】
前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記下板と接合されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の床パネル。
【請求項6】
前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の床パネル。
【請求項7】
前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、貫通孔を備えており、前記貫通孔の下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の床パネル。
【請求項8】
芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、
前記上板は、該上板の周縁部が前記芯材の下方で曲げられ前記下板の下面に重ねられて接合されている接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部と、を有し、
前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有し、
前記接合部は、
上下方向に貫通する貫通孔を備え、
前記貫通孔の一部は、前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されている
ことを特徴とする床パネル。
【請求項9】
前記規制凸部及び前記規制凹部がそれぞれ複数形成されていることを特徴とする請求項8に記載の床パネル。
【請求項10】
前記規制凸部の突出長さは、前記接合部の厚さより長いことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の床パネル。
【請求項11】
前記規制凸部の突出長さは、前記接合部の厚さと前記規制凹部の深さの合計より長いことを特徴とする請求項8乃至請求項10のうちいずれか1項に記載の床パネル。
【請求項12】
前記規制凹部の裏面は、前記芯材の上面に設けられる穴部に密着させて形成されていることを特徴とする請求項8乃至請求項11のうちいずれか1項に記載の床パネル。
【請求項13】
前記接合部は、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記下板と接合されていることを特徴とする請求項8乃至請求項12のうちいずれか1項に記載の床パネル。
【請求項14】
前記接合部は、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする請求項8乃至請求項12のうちいずれか1項に記載の床パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床スラブの上方に設置して二重床を形成するのに好適な床パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
多数のOA機器を使用する事務所等の床は二重床とすることが多い。
このような二重床は、床スラブの上に多数の支持脚を立設し、支持脚で床パネルの角部を支持して、床スラブと床パネルとの間に配線空間を形成し、この配線空間にケーブルを配線している。
【0003】
従来、二重床に使用される床パネルとして、特許文献1には、金属製の下板によって凹部を形成してその凹部の周壁上部から周縁部をフランジ状に張り出させて、当該フランジ部分に金属製の上板を重ね合わせて接合固定し、上板と下板の間の凹部にモルタル等の充填材を充填した床パネルが開示されている。
また、特許文献2には、鋼板製の表面板と裏面板の間に無機質材が配置された床パネルおいて、支持脚に固定するための固定具を係合させるために、隅部のフランジに平面視で円弧状の段差部が形成されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-265600号公報
【文献】特開2012-225046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの床パネルは、一枚の下板に凹部を形成する際に、絞り加工が採用される。絞り加工は加工後に無駄になる部分が多くなり歩留まりが悪くなる。また、絞り加工では、下板の底面と、底面から立ち上がる凹部の周壁との連続した部分の内側にアールが生じる。このようにアールが生じると、凹部内に予め成形された例えばパーチクルボードなどの芯材を配置する場合には、当該アールが障害となり凹部の周壁と芯材の間に空間ができ、充填率が低下し、強度が低下してしまう。また、空間ができることによりパネルの辺部は鋼板のみで荷重を担保する部分が生じることとなり、辺部におけるパネルの強度が低下する。
【0006】
上記特許文献1に記載のような床パネルは、フランジ部分の角部を支柱で支持しているが、負荷のかかりやすい角部には充填材が充填されていないので、強度が十分でなく変形しやすい。
【0007】
上記特許文献2に記載のような床パネルの隅部の円弧状の段差部を形成するためには、絞り加工が用いられるが、この部分でも上記と同様の問題が生じる。
【0008】
また、床パネルの上面及び下面は平滑なので、敷設前や搬送中に積み重ねておくと滑ってずれやすく、荷崩れ等を引き起こす恐れがあった。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、芯材の充填率を確保し、強度が高く、積み重ねた時にずれにくく、万が一ずれても破損しにくい床パネル及び床構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記芯材は、前記下面から垂直に立ち上がる側面を有し、前記下板は、前記芯材の下面を被覆する下面被覆部と、前記下面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面の少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部と、を有し、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面を被覆する上板側面被覆部と、前記上板側面被覆部から連続して前記下面被覆部に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねて接合される接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部と、を有し、前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有することを特徴とする床パネルである。
請求項2に係る発明は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記芯材は、前記下面から垂直に立ち上がる側面を有し、前記下板は、前記芯材の下面を被覆する下面被覆部と、前記下面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面の少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部と、を有し、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面を被覆する上板側面被覆部と、前記上板側面被覆部から連続して前記下面被覆部に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねて接合される接合部と、を備えたことを特徴とする床パネルである。
請求項3に係る発明は、前記芯材は、角部に、直線状に角取りが形成された角取り芯部と、該角取り芯部から連続して形成される段芯部と、該段芯部から連続して前記上面に前記角取り芯部と平行な直線状に立ち上がる立ち上がり芯部と、を備え、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記立ち上がり芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記立ち上がり芯部を被覆する立ち上がり被覆部と、前記立ち上がり被覆部から連続して前記段芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記段芯部を被覆する段被覆部と、前記段被覆部から連続して前記角取り芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記角取り芯部を被覆する角取り被覆部と、前記角取り被覆部から連続して前記下板の下面に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねられて接合されている角部接合部と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の床パネルである。
請求項4に係る発明は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、先端を前記床パネルの外側に向けてさらに折り込まれる折り返し加工がされて前記下板の下面に重ねられて接合されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の床パネルである。
請求項5に係る発明は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記下板と接合されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の床パネルである。
請求項6に係る発明は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の床パネルである。
請求項7に係る発明は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、貫通孔を備えており、前記貫通孔の下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の床パネルである。
請求項8に係る発明は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記上板は、該上板の周縁部が前記芯材の下方で曲げられ前記下板の下面に重ねられて接合されている接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部と、を有し、前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有し、前記接合部は、上下方向に貫通する貫通孔を備え、前記貫通孔の一部は、前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする床パネルである。
請求項9に係る発明は、前記規制凸部及び前記規制凹部がそれぞれ複数形成されていることを特徴とする請求項8に記載の床パネルである。
請求項10に係る発明は、前記規制凸部の突出長さは、前記接合部の厚さより長いことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の床パネルである。
請求項11に係る発明は、前記規制凸部の突出長さは、前記接合部の厚さと前記規制凹部の深さの合計より長いことを特徴とする請求項8乃至請求項10のうちいずれか1項に記載の床パネルである。
請求項12に係る発明は、前記規制凹部の裏面は、前記芯材の上面に設けられる穴部に密着させて形成されていることを特徴とする請求項8乃至請求項11のうちいずれか1項に記載の床パネルである。
請求項13に係る発明は、前記接合部は、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記下板と接合されていることを特徴とする請求項8乃至請求項12のうちいずれか1項に記載の床パネルである。
請求項14に係る発明は、前記接合部は、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする請求項8乃至請求項12のうちいずれか1項に記載の床パネルである。
また、別発明として、以下のものでもよい。
別発明1は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記芯材は、前記下面から垂直に立ち上がる側面を有し、前記下板は、前記芯材の下面を被覆する下面被覆部と、前記下面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面の少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部と、を有し、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面を被覆する上板側面被覆部と、前記上板側面被覆部から連続して前記下面被覆部に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねて接合される接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部と、を有し、前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有することを特徴とする床パネルである。
別発明2は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記芯材は、前記下面から垂直に立ち上がる側面を有し、前記下板は、前記芯材の下面を被覆する下面被覆部と、前記下面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面の少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部と、を有し、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面を被覆する上板側面被覆部と、前記上板側面被覆部から連続して前記下面被覆部に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねて接合される接合部と、を備えたことを特徴とする床パネルである。
別発明3は、前記芯材は、角部に、直線状に角取りが形成された角取り芯部と、該角取り芯部から連続して形成される段芯部と、該段芯部から連続して前記上面に前記角取り芯部と平行な直線状に立ち上がる立ち上がり芯部と、を備え、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記立ち上がり芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記立ち上がり芯部を被覆する立ち上がり被覆部と、前記立ち上がり被覆部から連続して前記段芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記段芯部を被覆する段被覆部と、前記段被覆部から連続して前記角取り芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記角取り芯部を被覆する角取り被覆部と、前記角取り被覆部から連続して前記下板の下面に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねられて接合されている角部接合部と、を備えることを特徴とする別発明2に記載の床パネルである。
別発明4は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、先端を前記床パネルの外側に向けてさらに折り込まれる折り返し加工がされて前記下板の下面に重ねられて接合されていることを特徴とする別発明2又は別発明3に記載の床パネルである。
別発明5は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記下板と接合されていることを特徴とする別発明2乃至別発明4のうちいずれかに記載の床パネルである。
別発明6は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする別発明2乃至別発明4のうちいずれかに記載の床パネルである。
別発明7は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、貫通孔を備えており、前記貫通孔の下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする別発明2乃至別発明4のうちいずれかに記載の床パネルである。
別発明8は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記上板は、該上板の周縁部が前記芯材の下方で曲げられ前記下板の下面に重ねられて接合されている接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部と、を有し、前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有し、前記接合部は、上下方向に貫通する貫通孔を備え、前記貫通孔の一部は、前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする床パネルである。
別発明9は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記上板は、該上板の周縁部が前記芯材の下方で曲げられ前記下板の下面に重ねられて接合されている接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部と、を有し、前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有し、前記接合部の下面は、前記接合部が重なっていない前記下板の下面より下方に突出していることを特徴とする床パネルである。
別発明10は、前記規制凸部及び前記規制凹部がそれぞれ複数形成されていることを特徴とする別発明8又は別発明9に記載の床パネルである。
別発明11は、前記規制凸部の突出長さは、前記接合部の厚さより長いことを特徴とする別発明8乃至別発明10のうちいずれかに記載の床パネルである。
別発明12は、前記規制凸部の突出長さは、前記接合部の厚さと前記規制凹部の深さの合計より長いことを特徴とする別発明8乃至別発明11のうちいずれかに記載の床パネルである。
別発明13は、前記規制凹部の裏面は、前記芯材の上面に設けられる穴部に密着させて形成されていることを特徴とする別発明8乃至別発明12のうちいずれかに記載の床パネルである。
別発明14は、前記接合部は、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記下板と接合されていることを特徴とする別発明8乃至別発明13のうちいずれかに記載の床パネルである。
別発明15は、前記接合部は、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする別発明8乃至別発明13のうちいずれかに記載の床パネルである。
また、さらに別発明として、以下のものでもよい。
手段1は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記芯材は、前記下面から垂直に立ち上がる側面を有し、前記下板は、前記芯材の下面を被覆する下面被覆部と、前記下面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面の少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部と、を有し、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面を被覆する上板側面被覆部と、前記上板側面被覆部から連続して前記下面被覆部に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねて接合される接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部と、を有し、前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有することを特徴とする床パネルである。
【0011】
手段2は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記芯材は、前記下面から垂直に立ち上がる側面を有し、前記下板は、前記芯材の下面を被覆する下面被覆部と、前記下面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面の少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部と、を有し、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記側面に沿って折り曲げ加工がされて前記側面を被覆する上板側面被覆部と、前記上板側面被覆部から連続して前記下面被覆部に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねて接合される接合部と、を備えたことを特徴とする床パネルである。
【0012】
手段3は、前記芯材は、角部に、直線状に角取りが形成された角取り芯部と、該角取り芯部から連続して形成される段芯部と、該段芯部から連続して前記上面に前記角取り芯部と平行な直線状に立ち上がる立ち上がり芯部と、を備え、前記上板は、前記芯材の上面を被覆する上面被覆部と、前記上面被覆部から連続して前記立ち上がり芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記立ち上がり芯部を被覆する立ち上がり被覆部と、前記立ち上がり被覆部から連続して前記段芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記段芯部を被覆する段被覆部と、前記段被覆部から連続して前記角取り芯部に沿って折り曲げ加工がされて前記角取り芯部を被覆する角取り被覆部と、前記角取り被覆部から連続して前記下板の下面に沿って折り曲げ加工がされて前記下板の下面に重ねられて接合されている角部接合部と、を備えることを特徴とする手段2に記載の床パネルである。
【0013】
手段4は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、先端を前記床パネルの外側に向けてさらに折り込まれる折り返し加工がされて前記下板の下面に重ねられて接合されていることを特徴とする手段2又は手段3に記載の床パネルである。
【0014】
手段5は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記下板と接合されていることを特徴とする手段2乃至手段4のうちいずれかに記載の床パネルである。
【0015】
手段6は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする手段2乃至手段4のうちいずれかに記載の床パネルである。
【0016】
手段7は、前記接合部又は前記角部接合部のうち少なくともいずれかは、貫通孔を備えており、前記貫通孔の下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする手段2乃至手段4のうちいずれかに記載の床パネルである。
【0017】
手段8は、芯材と、該芯材の上面を被覆する上板と、前記芯材の下面を被覆する下板と、を備えた床パネルであって、前記上板は、該上板の周縁部が前記芯材の下方で曲げられ前記下板の下面に重ねられて接合されている接合部と、前記上板の上面に形成された規制凹部とを有し、前記下板は、前記規制凹部と係合可能な規制凸部を前記下板の下面に有することを特徴とする床パネルである。
【0018】
手段9は、前記規制凸部及び前記規制凹部がそれぞれ複数形成されていることを特徴とする手段8に記載の床パネルである。
【0019】
手段10は、前記規制凸部の突出長さは、前記接合部の厚さより長いことを特徴とする手段8又は手段9に記載の床パネルである。
【0020】
手段11は、前記規制凸部の突出長さは、前記接合部の厚さと前記規制凹部の深さの合計より長いことを特徴とする手段8又は手段9に記載の床パネルである。
【0021】
手段12は、前記規制凹部の裏面は、前記芯材の上面に設けられる穴部に密着させて形成されていることを特徴とする手段8乃至手段11のうちいずれかに記載の床パネルである。
【0022】
手段13は、前記接合部は、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記下板と接合されていることを特徴とする請求項8乃至請求項12のうちいずれか1項に記載の床パネルである。
【0023】
手段14は、前記接合部は、下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする手段8乃至手段12のうちいずれかに記載の床パネルである。
【0024】
手段15は、前記接合部は、貫通孔を備えており、前記貫通孔の下方から前記上板及び前記下板を押圧具によって押圧されることで変形されて前記芯材の下部に食い込んで前記下板と接合されていることを特徴とする手段8乃至手段12のうちいずれかに記載の床パネルである。
【発明の効果】
【0025】
本発明の床パネルは、芯材を被覆する上板及び下板について、絞り加工をせずに、折り曲げ加工をして形成したため、展開図があれば折り紙のように簡単に製造することができ、加工後に無駄になり廃棄する部分が低く歩留まり効率が改善される。また、絞り加工に比して、折り曲げ加工は曲げた部分の内側のアールを小さくすることができるので、下板の凹部内に予め成形された例えばパーチクルボードなどの芯材を配置する場合に、隙間が生じづらくなるので、充填率が向上し、強度が高まる。
また、上板の上面に形成された規制凹部と、下板の下面に形成された規制凹部と係合可能な規制凸部を有するので、当該床パネル同士を積み重ねた時に規制凸部と規制凹部とが係合して上下の床パネルの移動が規制され、荷崩れ等の発生を防止できる。
さらに、上板の周縁部が芯材の下方で屈曲され下板の下面に重ねられて接合されている接合部が配される下板の下面に、規制凸部を有するので、積み重ねられた上側の床パネルがずれたとしても、移動する接合部は下側の床パネルの規制凸部がない上面を移動することになり、接合部が規制凸部に衝突することがないので、接合部が破損して上板が下板から剥がれることを防止することができる。
【0026】
本発明の床パネルは、芯材を被覆する上板及び下板について、絞り加工をせずに、折り曲げ加工をして形成したため、展開図があれば折り紙のように簡単に製造することができ、加工後に無駄になり廃棄する部分が低く歩留まり効率が改善される。また、絞り加工に比して、折り曲げ加工は曲げた部分の内側のアールを小さくすることができるので、下板の凹部内に予め成形された例えばパーチクルボードなどの芯材を配置する場合に、隙間が生じづらくなるので、充填率が向上し、強度が高まる。
【0027】
加えて、芯材の角部に、直線状に角取りが形成された角取り部と、角取り部から連続して形成される段部と、段部から連続して上面に角取り部と平行な直線状に立ち上がる立ち上がり部と、を備えるようにして、上板を、芯材の上面を被覆する上面被覆部と、上面被覆部から連続して立ち上がり部に沿って折り曲げ加工がされて立ち上がり部を被覆する立ち上がり被覆部と、立ち上がり被覆部から連続して段部に沿って折り曲げ加工がされて段部を被覆する段被覆部と、段被覆部から連続して角取り部に沿って折り曲げ加工がされて角取り部を被覆する角取り被覆部と、角取り被覆部から連続して下板の下面に沿って折り曲げ加工がされて下板の下面に重ねられて接合されている角部接合部と、を備えるようにしたので、段部においても、円弧状でなく簡単な直線状の形状であるので折り曲げ加工を採用して簡単に芯材を被覆することができ、上記と同様に芯材の配置において充填率が向上し、強度が高まる。
また、支持脚で支持され固定される上板の段被覆部の下方には芯材が存在し、段被覆部の下方に存在する芯材のさらに下方には下板が存在するので、支持されたり固定されたりする角部の部分に芯材も存在することになり、変形性能が向上する。
【0028】
加えて、上板の折り曲げ加工された接合部又は角部接合部のうち少なくともいずれかは、先端を床パネルの外側に向けてさらに折り込まれる折り返し加工がされて下板の下面に重ねられて接合されているので、取り扱い時に作業者の手指を痛めることを防止することができる。
【0029】
加えて、上板の折り曲げ加工された接合部又は角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から上板及び下板を押圧具によって押圧されることで変形されて下板と接合されているので、接合部の下面に下方に突出する部分が発生しないので重なった床パネルがズレたしてもひっかからず接合部が破損しない。また、接合具を別途必要とせず、簡単に接合することができる。
【0030】
加えて、上板の折り曲げ加工された接合部又は角部接合部のうち少なくともいずれかは、下方から上板及び下板を押圧具によって押圧されることで変形されて芯材の下部に食い込んで下板と接合されているので、上板及び下板が剥がれにくくなり強固な構造とすることができる。
【0031】
加えて、上板の折り曲げ加工された接合部又は角部接合部のうち少なくともいずれかは、貫通孔を備えており、貫通孔の下方から上板及び下板を押圧具によって押圧されることで変形されて芯材の下部に食い込んで下板と接合されているので、押圧具の位置決めがしやすく、また、効率的に変形、接合をしやすくできる。
【0032】
本発明の床パネルは、上板の上面に形成された規制凹部と、下板の下面に形成された規制凹部と係合可能な規制凸部を有するので、当該床パネル同士を積み重ねた時に規制凸部と規制凹部とが係合して上下の床パネルの移動が規制され、荷崩れ等の発生を防止できる。
また、上板の周縁部が芯材の下方で屈曲され下板の下面に重ねられて接合されている接合部が配される下板の下面に、規制凸部を有するので、積み重ねられた上側の床パネルがずれたとしても、移動する接合部は下側の床パネルの規制凸部がない上面を移動することになり、接合部が規制凸部に衝突することがないので、接合部が破損して上板が下板から剥がれることを防止することができる。
【0033】
加えて、規制凸部及び規制凹部を複数形成すると、重なった床パネルどうしの相対的な回転も防ぐことができる。
【0034】
加えて、規制凸部の突出長さは、接合部の厚さより長いので、規制凸部と規制凹部とを係合させないで積み重ねるときがあったとしても、接合部を下側の床パネルの上面に接触させることがなく、接合部の破損を防止できる。
【0035】
加えて、規制凸部の突出長さは、接合部の厚さと前記規制凹部の深さの合計より長いので、規制凸部と規制凹部とを係合させて積み重ねた際に、接合部を下側の床パネルの上面に接触させることがなく、接合部の破損を防止できる。
【0036】
加えて、規制凹部の裏面は、芯材の上面に設けられる穴部に密着させて形成されているので、規制凹部が変形しにくく、また、上板の上方から押圧することにより規制凹部と穴部を同時に形成することができ、製造時に位置決めと穴部とを位置合わせする必要もない。
【0037】
加えて、接合部は、下方から上板及び下板を押圧具によって押圧されることで変形されて下板と接合されているので、接合部の下面に下方に突出する部分が発生しないので重なった床パネルがズレたしてもひっかからず接合部が破損しない。また、接合具を別途必要とせず、簡単に接合することができる。
【0038】
加えて、接合部は、下方から上板及び下板を押圧具によって押圧されることで変形されて芯材の下部に食い込んで下板と接合されているので、上板及び下板が剥がれにくくなり強固な構造とすることができる。
【0039】
加えて、接合部は、貫通孔を備えており、貫通孔の下方から上板及び下板を押圧具によって押圧されることで変形されて芯材の下部に食い込んで下板と接合されているので、押圧具の位置決めがしやすく、また、効率的に変形、接合をしやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の実施形態を示す床パネルの平面図である。
図2】本発明の実施形態を示す床パネルの下面図である。
図3図1のA-A断面図である。
図4図1のB-B断面図である。
図5】本発明の床パネルを用いた床構造の要部断面図である。
図6】本発明の床パネルを用いた床構造の要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照する等して説明する。
なお、本発明は、実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0042】
図1は、実施形態を示す床パネルの平面図であり、図2は、実施形態を示す床パネルの下面図であり、図3は、図1のA-A断面図であり、図4は、図1のB-B断面図であり、図5は、床パネルを用いた床構造の要部断面図であり、図6は、床パネルを用いた床構造の要部平面図である。
【0043】
図1図4に示すように、本実施形態の床パネル1は、縦横500mm程度の略正方形であって、芯材2と、芯材2の上面を被覆する上板3と、芯材2の下面を被覆する下板4とを備える。
【0044】
床パネル1の四つの角部には三角形に角取りがされた角取り部20が形成されており、各角部の上面には段部21が形成されている。
段部21は、床パネル1の踏み面である上面から4~5mm程度低く形成されている。
床パネル1の上面から段部21に連続する立ち上がり部22が形成されている。
【0045】
立ち上がり部22は、平面視で角取り部20の端面と平行な直線状となっている。
また、立ち上がり部22は、下方に向かって次第に角取り部20の端面に近づくよう少し傾斜している。
【0046】
芯材2は、木質素材の例えばパーチクルボードより成り、例えば約20mmの厚さを有する。
特に芯材2として採用するパーチクルボードは、表面裏面を密な硬い層と内部を比較的粗い柔らかい層の3層構造とすることもでき、効率的に曲げ強度を確保することができ、特にオフィス向けフロアのような載荷重が比較的大きいことが想定される床パネルにおいては、曲げ強度が要求されることからも有用である。
また、パーチクルボードのような木質素材の芯材は、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の成立や、みなとモデル二酸化炭素固定認証制度などの取り組みを背景にして国産木材の積極的な利用に十分貢献できるものである。
【0047】
芯材2は、直方体であって、上面2aと下面2bとを有し、下面2bから垂直に立ち上がる側面2cを有する。
【0048】
芯材2は、四つの角部に、三角形に角取りがされ直線状となった角取り芯部2dと、角取り芯部2dから連続して形成される段芯部2eと、段芯部2eから連続して上面2aに角取り芯部2dと平行な直線状に立ち上がる立ち上がり芯部2fとを備える。
【0049】
上板3及び下板4は、亜鉛メッキ鋼板等の金属板であり、その厚さは、芯材2の厚さよりも薄い0.3mm程度である。
【0050】
下板4は、芯材2の下面2bを被覆する下面被覆部4aと、下面被覆部4aから連続して側面2cに沿って折り曲げ加工がされて側面2cの少なくとも一部を被覆する下板側面被覆部4bとを有する。
床パネル1の角部において、下板4は、芯材2の下面2bよりはみ出る寸法ではなく、芯材2の角取り芯部2dに沿って折り曲げ加工はされない。
【0051】
上板3の1辺の長さは、芯材2の1辺の長さと、芯材2の厚さの2倍との合計よりも長い。
上板3は、芯材2の上面2aを被覆する上面被覆部3aと、上面被覆部3aから連続して側面に沿って折り曲げ加工がされて側面2cを被覆する上板側面被覆部3bと、上板側面被覆部3bから連続して下面被覆部4aに沿って折り曲げ加工がされて下板4の下面に重ねて接合される接合部30とを備える。
【0052】
床パネル1の角部において、上板3は、上面被覆部3aから連続して芯材2の立ち上がり芯部2fに沿って折り曲げ加工がされて立ち上がり芯部2fを被覆する立ち上がり被覆部3fと、立ち上がり被覆部3fから連続して段芯部2eに沿って折り曲げ加工がされて段芯部2eを被覆する段被覆部3eと、段被覆部3eから連続して角取り芯部2dに沿って折り曲げ加工がされて角取り芯部2dを被覆する角取り被覆部3dと、角取り被覆部3dから連続して下板4の下面に沿って折り曲げ加工がされて下板4の下面に重ねられて接合されている角部接合部31とを備える。
【0053】
床パネル1の角取り部20は、芯材2の角取り芯部2dと上板3の角取り被覆部3dで構成され、段部21は芯材2の段芯部2eと上板3の段被覆部3eで構成され、立ち上がり部22は、芯材2の立ち上がり芯部2fと上板3の立ち上がり被覆部3fで構成される。
【0054】
上記のように芯材2の角が形成される部分について、上板3や下板4が折り曲げ加工により形成されて被覆されるため、上板3と下板4との間への芯材2の充填率を高くすることができ、パーチクルボードなどの既に形成された芯材2を被覆して床パネル1を製造する場合には特に効果的である。
【0055】
接合部30及び角部接合部31は、床パネル1の外側に向けてさらに上面側に折り返し片30a、31aが折り込まれる折り返し加工(所謂ヘミング加工)がされ、この折り返し加工された部分に貫通孔12を備えており、貫通孔12の下方から上板3及び下板4を図示しない押圧具によって押圧(所謂バーリング加工)されることで変形されて芯材2の下部に食い込んで下板4と接合される。下板4の変形される部分には貫通孔12に対応して貫通孔13が設けられている。
貫通孔12,13は、床パネル1の周縁方向に沿って適宜の間隔で設けられている。
【0056】
接合部30及び角部接合部31は、下方から上板3及び下板4が押圧されることで変形されて下板4と接合されているので、接合部30及び角部接合部31の下面に下方に突出する部分が発生せず、重なった床パネル1がずれたとしてもひっかからず接合部30及び角部接合部31が破損しない。また、接合具を別途必要とせず、簡単に接合することができる。
【0057】
また、接合部30及び角部接合部31は、下方から上板3及び下板4が押圧されることで変形されて芯材2の下部に食い込んで下板4と接合されているので、上板3及び下板4が剥がれにくくなり強固な構造とすることができる。
【0058】
さらに、接合部30及び角部接合部31は、貫通孔12を備えており、貫通孔12の下方から上板3及び下板4が押圧されることで変形され下板4と接合されるので、押圧具の位置決めがしやすく、また、効率的に変形、接合をしやすくできる。
【0059】
上板3は、上面に形成された規制凹部11を備える。
具体的には、床パネル1の上面であって、縦横中心線によって分割される4つの分割区域の中心位置には、それぞれ、床パネル1の下面に形成された規制凸部10と係合可能な規制凹部11が形成されている。規制凹部11の凹みの形状は、規制凸部10の一部を収容可能なものとなっている。
【0060】
規制凹部11の裏面110は、図3に示すように、芯材2の上面に設けられる穴部111に密着させて形成されている。
具体的には、規制凸部10と対応する位置において、上板3の上方から図示しない押圧具で押圧されることによって、上板3の規制凹部11と芯材2の穴部111が形成され、規制凹部11の裏面110と芯材2の穴部111とが密着する。
【0061】
規制凹部11の裏面110が、芯材2の上面に設けられる穴部111に密着させて形成されているので、規制凹部11が変形しにくく、また、上板3の上方から押圧することにより規制凹部11と穴部111を同時に形成することができ、製造時に位置決めと穴部111とを位置合わせする必要もない。
【0062】
下板4は、規制凹部11と係合可能な規制凸部10を下板4の下面に有する。
具体的には、床パネル1の下面であって、規制凹部11に対応する位置である縦横中心線によって分割される4つの分割区域の中心位置に、それぞれ下板4を下方に突出させて規制凸部10が形成される。
【0063】
規制凸部10の突出長さは、接合部30の厚さより長く、接合部30の厚さと規制凹部11の深さの合計より長い。
具体的には、下板4の平坦部の下面から規制凸部10の突出長さは、下板4の平坦部の下面から接合部30の下面までの距離より長く、さらに上板3の平坦部の上面から規制凹部11の底部までの距離を加えたものよりも長く形成されている。
【0064】
規制凸部10の突出長さが、接合部30の厚さより長いので、規制凸部10と規制凹部11とを係合させないで積み重ねるときがあったとしても、接合部30を下側の床パネルの上面に接触させることがなく、接合部30の破損を防止できる。
【0065】
また、規制凸部10の突出長さが、接合部30の厚さと規制凹部11の深さの合計より長いので、規制凸部10と規制凹部11とを係合させて積み重ねた際に、接合部30を下側の床パネルの上面に接触させることがなく、接合部30の破損を防止できる。
【0066】
敷設前や搬送中に床パネル1を複数積み重ねると、上下に重なった床パネル1の規制凸部10と規制凹部11とが係合して移動が規制されるので、ずれる心配がない。
【0067】
また、重なった床パネル1がずれても、上板3の接合部30は下板4の下面に重なり、規制凸部10も下板4の下面に突出しているで、規制凸部10が上板3の接合部30の先端面にぶつかって剥がれる心配がない。移動する接合部30は下側の床パネル1の規制凸部がない上面を移動することになり、接合部30が規制凸部に衝突することがないので、接合部30が破損して上板3が下板4から剥がれることを防止することができる。
【0068】
床パネル1を複数積み重ねた際にも、規制凹部11は、裏面110が穴部111の上面に密着して支持されているため、変形することもない。
規制凸部10及び規制凹部11を複数(本実施形態では各4つ)形成しているので、重なった床パネル1どうしの相対的な回転も防ぐことができる。
【0069】
床パネル1は、例えば以下のように製造される。
下板4に規制凸部10を図示しない押圧部材で押圧するなどして形成する。
【0070】
次に芯材2の下面2bを下板4の下面被覆部4aで覆う。芯材2の下面2bと下板4の下面被覆部4aとを接着剤などで接着しても良い。
下板4の下板側面被覆部4bを、芯材2の側面2cに沿って折り曲げ加工する。折り曲げ加工をするため角部に芯材2が十分に存在する。
【0071】
次に芯材2の上面2aを上板3の上面被覆部3aで覆う。芯材2の上面2aと上板3の上面被覆部3aとを接着剤などで接着しても良い。
上板3の上板側面被覆部3bを、芯材2の側面2cに沿って折り曲げ加工し、折り返し片30aが折り込まれ折り返し加工がされた接合部30を、下面被覆部4aに沿って折り曲げ加工して下板4の下面に重ねる。折り曲げ加工をするため各角部にも芯材2が十分に存在する。
【0072】
また、芯材2の立ち上がり芯部2f、段芯部2e及び角取り芯部2dを上板3の立ち上がり被覆部3f、段被覆部3e及び角取り被覆部3dで覆う。芯材2の立ち上がり芯部2fと上板3の立ち上がり被覆部3f、段芯部2eと段被覆部3e、角取り芯部2dと角取り被覆部3dを接着剤などで接着しても良い。
上板3の立ち上がり被覆部3fを、芯材2の立ち上がり芯部2fに沿って折り曲げ加工し、段被覆部3eを段芯部2eに沿って折り曲げ加工し、角取り被覆部3dを角取り芯部2dに沿って折り曲げ加工する。そして、折り返し片31aが折り込まれ折り返し加工がされた角部接合部31を、下面被覆部4aに沿って折り曲げ加工して下板4の下面に重ねる。折り曲げ加工をするため各角部にも芯材2が十分に存在する。
また、芯材2の側面2cと角取り芯部2dとが交差する部分や側面2cと立ち上がり芯部2fとが交差する部分などの床パネル1の平面視における角が形成される部分においても芯材が十分に存在することになる。
【0073】
次に接合部30及び角部接合部31を下方から図示しない押圧具によって押圧して変形させる、所謂バーリング加工をして、下板4に接合するとともに、上板3の上方から図示しない押圧具で押圧して上板3の規制凹部11と芯材2の穴部111を形成させる。
下方から押圧を行う接合部30及び角部接合部31と下板4との接合工程と、上方から押圧を行う上板3の規制凹部11の形成工程とを重複して行うことで、加工機械のスペースを有効に活用して、工数を削減できる。
なお、接合部30及び角部接合部31と下板4との接合工程と、上板3の規制凹部11の形成工程とは、重複して行わなくても良い。
【0074】
図5及び図6に示すように、床パネル1を用いた床構造は、床スラブ5の上方に複数の床パネル1を並べて敷設した二重床である。
床スラブ5の上には多数の支柱6を立設し、4枚の床パネル1の角部を突き合わせて支柱6で支持してある。床スラブ5と敷設された床パネル1との間にはケーブルなどを配置する配線収容空間7が形成される。
【0075】
支柱6は、支持脚60と、受け台61と、押圧板62と、ロックビス63とを備える。
支持脚60は、ネジ軸600と、ネジ軸600の下端に向けられて床スラブ5に載置される基台602とを有する。
【0076】
受け台61は、ネジ軸600の上部に螺合される筒ナット610と、筒ナット610の外周囲から張り出して設けられる受け台プレート611と、受け台プレート611に取付けられる台座612と、を備える。
筒ナット610をネジ軸600に対して回転させることにより、支柱6の長さを調整し受け台61の高さの調整することができる。また、高さを調整後は、筒ナット610に設けられた止めネジ616で固定することができる。
【0077】
台座612は、受け台プレート611に予め被せて取付けておく。台座612は、例えば合成樹脂製であって、受け台プレート611より一回り大きい平面を有する。支柱6は、台座612以外は例えば金属製である。
【0078】
台座612の下面外周縁に沿って下方に向けて形成された周壁の内周面下端部には、複数(例えば4個)の鉤部613が周方向に等間隔で設けられる。
台座612を受け台プレート611の上面に被せて、鉤部613を受け台プレート611の下面に係合することにより、台座612が支柱6の上部に配置される。
【0079】
台座612は、上面にナット部614と隔壁615を備える。
ナット部614は、ロックビス63が螺合される図示しない雌ネジが形成されており、台座612の上面中心付近で突出して形成されている。
隔壁615は、ナット部614の外周面から放射状に4枚が形成され、台座612の上面を4つの区画に分割している。
【0080】
4枚の床パネル1の角部を、受け台61の上面において隔壁615によって形成された4つの区画にそれぞれ載せると、床パネル1の角取り部20によって四角形状に形成された空間の中心にナット部614が配置されることになる。
また、4枚の床パネル1の段部21と立ち上がり部22が形成する外形は四角形となる。
【0081】
押圧板62は、段部21の深さ(立ち上がり部22の高さ)とほぼ同じ厚さを有し、押圧板62の外形は、4枚の床パネル1の段部21が形成する外形よりも僅かに小さい四角形である。
【0082】
押圧板62の中心には、ロックビス63を挿通するためのビス孔620が形成され、ビス孔620の周囲の上面にはロックビス63の頭部を嵌め込むための凹部621が形成されている。
【0083】
床構造を構築するには、床スラブ5の上に基台602を固定して多数の支持脚60を立設する。
支持脚60の中心軸間の距離は床パネル1の一辺の長さとほぼ等しくする。支持脚60の長さは、必要とする配線収容空間7の高さに応じて予め調整し受け台61の高さを調整しておく。
【0084】
次いで、受け台61の上面において、隔壁615で分割された4つの区画にそれぞれ床パネル1の角部を載せ、これら4枚の床パネル1の角部を付き合わせた状態で配置する。
4枚の床パネル1の角取り部20によって四角形状の透孔が形成され、この透孔にナット部614が配置される。突き合わせた4枚の床パネル1の段部21は外形が四角形状となる。
【0085】
次に、外形が四角形状の段部21の上に押圧板62をはめ込む。
立ち上がり部22は、上方が段部21から遠ざかるように傾斜しているので、押圧板62は立ち上がり部22にガイドされて容易に段部21の上に嵌合される。
【0086】
次に、嵌合された押圧板62のビス孔620を通してロックビス63をナット部614に螺合する。この結果、4枚の床パネル1の角部が受け台61と押圧板62とで挟持され、安定して敷設される。
【0087】
立ち上がり部22は、平面視で直線状であり、他の床パネル1の角部が突き合わされて並べられ段部21を押圧する押圧板62の一辺と嵌合されるので、ロックビス63の螺合の際に、押圧板62が規制されて空回りせず、床パネルを確実に支持することができる。
【0088】
また、段部21を構成する上板3の段被覆部3eの下方には芯材2の段芯部2eが存在し、さらにその下方には、上板3の折り返し部31や下板4が存在する、すなわち、押圧板62で押圧されて受け台61で支持され挟まれて保持される段部21の部分の上板3と下板4との間に芯材2が存在することになり、強度が増加し変形性能が向上する。換言すると、受け台61と押圧板62とで挟持される床パネル1の角部内には芯材2が内蔵されているので強度が高く、強い荷重が加わっても変形しにくい。
【0089】
床パネル1は、角部を除いた適宜箇所において、床スラブ5上に立設された束により下から支持されている。
【0090】
また、押圧板62は段部21の立ち上がり部22とほぼ同じ厚さであり、押圧板62のビス孔620の周囲にはロックビス63の頭部を嵌め込むための凹部621が形成されているので、床構造の上面は平滑に仕上がる。
最後に、敷設された床パネル1の上面にカーペット等の仕上げ材を設置する。
【0091】
〔その他の変形例〕
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
【0092】
本実施形態では、芯材をパーチクルボード等の木質素材としてあるが、軽量コンクリート等であってもよい。
【0093】
本実施形態では、床パネルは四角形であるが、その他の角形とすることも可能であり、その形状に応じて、角部を突き合わせて敷設する枚数も変更する。
また、床パネルの端部にケーブルを引き出すための切欠きを形成することもできる。
【0094】
突き合わせて配置された床パネルの角部を支持する支柱の構造も、本実施形態で説明したものに限定されない。
一例としては、押圧板を支持脚の上端に対してスナップ係合するようなものであってもよい。
【0095】
本実施形態では、上板3の接合部30に貫通孔12、下板4に貫通孔13が設けられていたが、これに限られず、上板3及び下板4の双方に貫通孔を設けずに押圧具によって貫通孔を形成させながら変形させて接合させるもの、または、上板3及び下板4のいずれかに貫通孔を設けて変形させて接合させるものであっても良い。
本実施形態では、押圧具によって押圧されることで変形されて芯材2の下部に食い込んでいるものであったが、これに限られず、芯材2の下部に食い込ませないようにしても良い。
【0096】
本実施形態では、規制凸部10の突出長さが、接合部30の厚さと規制凹部11の深さの合計より長いものであったが、これに限られない。規制凸部の突出長さが、接合部の厚さより長いものであれば、接合部の厚さと規制凹部の深さの合計より短いものであっても良い。
【0097】
変形例を含むいずれの実施形態における各技術的事項を他の実施形態に適用して実施例としても良い。
【符号の説明】
【0098】
1 床パネル
10 規制凸部
11 規制凹部
110 裏面
111 穴部
12、13 貫通孔
2 芯材
2a 上面
2b 下面
2c 側面
2d 角取り芯部
2e 段芯部
2f 立ち上がり芯部
20 角取り部
21 段部
22 立ち上がり部
3 上板
3a 上面被覆部
3b 上板側面被覆部
3d 角取り被覆部
3e 段被覆部
3f 立ち上がり被覆部
30 接合部
31 角部接合部
4 下板
4a 下面被覆部
4b 下板側面被覆部
5 床スラブ
6 支柱
60 支持脚
600 ネジ軸
602 基台
61 受け台
610 筒ナット
611 受け台プレート
612 台座
613 鉤部
614 ナット部
615 隔壁
616 止めネジ
62 押圧板
620 ビス孔
621 凹部
63 ロックビス
7 配線収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6