(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/06 20220101AFI20240909BHJP
G06F 16/182 20190101ALI20240909BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20240909BHJP
H04L 67/04 20220101ALI20240909BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240909BHJP
H04N 21/232 20110101ALI20240909BHJP
【FI】
H04L67/06
G06F16/182 100
H04L67/02
H04L67/04
H04N21/24
H04N21/232
(21)【出願番号】P 2022082529
(22)【出願日】2022-05-19
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】池田 睦
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-085651(JP,A)
【文献】特開2011-253301(JP,A)
【文献】特開2002-366364(JP,A)
【文献】特開2019-024187(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0155868(US,A1)
【文献】吉川 裕章,携帯端末での閲覧に向けたWebコンテンツ自動変換,社団法人 情報処理学会 研究報告 IPSJ SIG Technical Report,2004年03月05日,Vol. 2004, No. 22,p. 217-222
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/06
G06F 16/182
H04L 67/02
H04L 67/04
H04N 21/24
H04N 21/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像生成システムと通信端末の間で、Webページに対応する画像データの送信が可能な情報処理システムであって、
前記画像生成システムは、前記通信端末の空き容量を問い合わせる空き容量問合せ手段と、
ダウンロード対象のファイルのサイズを問い合わせるファイルサイズ問合せ手段と、
前記通信端末の空き容量が前記ファイルのサイズより小さい場合、
外部Webサーバから前記ダウンロード対象のファイルをダウンロードしないように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記画像生成システムは、ユーザが押下した要素がファイルダウンロード要素である場合に、前記空き容量問合せ手段による問い合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記画像生成システムは、ユーザが押下した要素がファイルダウンロード要素である場合に、前記ファイルサイズ問合せ手段による問い合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記画像生成システムは、前記画像生成システムの空き容量を取得し、前記画像生成システムの空き容量が前記ダウンロード対象のファイルのサイズよりも大きい場合に、前記ダウンロード対象のファイルをダウンロードすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記画像生成システムは、前記ダウンロード対象のファイルをダウンロードした後、ダウンロードしたファイルが保存されている場所を示す保存先URLを、前記通信端末に通知する通信手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記画像生成システムは、前記ダウンロード対象のファイルをダウンロードしない場合、ダウンロードが失敗したことを示す情報を、前記通信端末に送信する送信手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記通信端末は、前記画像生成システムから前記ダウンロードが失敗したことを示す情報を受信した場合、画面にダウンロードが失敗したことを示す情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記通信端末は、前記画像生成システムから保存先URLを受信した場合、前記保存先URLからファイルをダウンロードするダウンロード手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記通信端末は、前記保存先URLからファイルをダウンロードした後、画面にダウンロードが成功したことを示す情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項
8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
画像生成システムと通信端末の間で、Webページに対応する画像データの送信が可能な情報処理システムの制御方法であって、
前記画像生成システムにおいて、
前記通信端末の空き容量を問い合わせる空き容量問合せ工程と、
ダウンロード対象のファイルのサイズを問い合わせるファイルサイズ問合せ工程と、
前記通信端末の空き容量が前記ファイルのサイズより小さい場合、
外部Webサーバから前記ダウンロード対象のファイルをダウンロードしないように制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、Webブラウザ(以下、ブラウザ)を搭載し、そのブラウザ上でWebページを閲覧できる機能を有する通信端末が普及している。ブラウザを通して外部サービスのWebページを表示することにより、通信端末が外部サービスと連携できるようになる。
【0003】
ブラウザが実施する処理には、ユーザが外部のWebサービス上に保管しているファイルをダウンロードするための標準仕様も含まれる。Webサービスにおいてファイルのダウンロードは、ファイルダウンロード要素で実現される。本提案はファイルダウンロード要素に関わる。
【0004】
Webページにおいて、ファイルダウンロード要素は<a href=[URL] download>という記述(以下、ファイルダウンロード要素)で実現される。ここでURLにはダウンロード対象のファイルが保存されているパスが記述される。
【0005】
ブラウザは、Webページ中にファイルダウンロード要素が存在する場合、Webページ中にファイルダウンロード用のボタンを表示する。ユーザがこのボタンを押下した場合、ブラウザはダウンロードダイアログを表示する。ユーザがダウンロードに同意した場合、ブラウザは任意のフォルダにファイルをダウンロードする。
【0006】
近年、ブラウザとブラウザ以外のプログラム(以下、他プログラム)を同時に利用する事例が増えている。事例の1つに、他プログラムで表示される領域の一部に、ブラウザによって表示される領域を埋め込む形態がある。ここで、ブラウザから他プログラムへ、ドラッグアンドドロップ処理でファイルをダウンロードする手法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、ブラウザの拡張プログラムが、ブラウザの表示する領域より外にオブジェクトがドロップされたか監視する。またドロップされた場合、拡張プログラムが外部サーバから該当コンテンツを取得する。これにより、ブラウザと他プログラムの間で、ドラッグアンドドロップ処理によりファイルをダウンロードすることができる。
【0009】
ところで、ブラウザの形態として、クラウドサーバ上でWebページの描画結果を生成するクラウドブラウザと呼ばれる形態がある。Webページの解析処理や実行処理といった計算負荷の高い処理をサーバ上で実行することにより、通信端末に計算負荷がかからなくなる。
【0010】
特許文献1では、ブラウザと他プログラムの間でドラッグアンドドロップ処理によってダウンロードする手法が提案された。しかしながら、クラウドブラウザのように通信端末と外部Webサービスの間に画像生成システムが存在した場合、通信端末の空き容量によって、外部Webサービスと画像生成システム間のダウンロードが無駄になってしまうという課題が生じる。
【0011】
このためクラウドブラウザにおいて、外部Webサービスからファイルをダウンロードする際に、無駄な通信を発生させない方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために本発明の情報処理システムは、画像生成システムと通信端末の間で、Webページに対応する画像データの送信が可能な情報処理システムであって、前記画像生成システムは、前記通信端末の空き容量を問い合わせる空き容量問合せ手段と、ダウンロード対象のファイルのサイズを問い合わせるファイルサイズ問合せ手段と、前記通信端末の空き容量が前記ファイルのサイズより小さい場合、外部Webサーバから前記ダウンロード対象のファイルをダウンロードしないように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像生成システムにおける無駄なダウンロードが発生することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本提案の画像生成システム、および通信端末の構成図
【
図3】実施例1の画像生成システムの処理の流れを示したフローチャート
【
図4】実施例1の通信端末の処理の流れを示したフローチャート
【
図7】ファイルダウンロード要素とダウンロードダイアログの表示例
【
図8】ダウンロード成功表示とダウンロード失敗表示の例
【
図9】画像生成システムと通信端末の間で送受信するデータの例
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、本実施例の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一な構成については、同じ符号を付して説明する。
【実施例1】
【0016】
本実施例では、クラウドブラウザにて、通信端末に空き容量を問合せ、さらに、外部Webサーバにダウンロード対象のファイルのサイズを問合せ、無駄なダウンロードを回避する事例を考える。
【0017】
本実施例で言及する仮想マシンの構成について、
図1のブロック図を参照して説明する。
図1において、101は仮想マシン100全体を制御するCentral Processing Unit(CPU)である。102は変更を必要としないプログラムやパラメータを格納するRead Only Memory(ROM)である。103は外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶するRandom Access Memory(RAM)である。104は保持するデータや供給されたデータを表示するためのインタフェースである。105は101~104の各ユニットを通信可能に接続するシステムバスである。ユーザからの操作を受けてデータを入力するマウスなどのポインティングデバイスやキーボードなどの入力デバイスとのインタフェース等があってもよい。また仮想マシン100に仮想的に固定して設置されたハードディスクやメモリカード等があってもよい。あるいは仮想マシン100から仮想的に着脱可能なフレキシブルディスク(FD)やCompact Disk(CD)等の光ディスク、磁気や光カード、ICカード、メモリカードなどを含む外部記憶装置等があってもよい。さらにインターネットなどのネットワーク回線に接続するためのネットワークインターフェイス等があってもよい。
【0018】
次に、本提案のクラウドブラウザの構成について、
図2を参照して説明する。
図2は実施例1の画像生成システムと通信端末の構成を示す。
【0019】
図2において、201は通信端末である。また203は画像生成システムである。本実施例において、画像生成システムとはクラウドブラウザのことを指す。また、システム全体と情報処理システムと呼ぶ。
【0020】
ユーザは通信端末201の画面を閲覧している。通信端末201は、ユーザが閲覧したいWebページ202のURLを、送受信部212を通して、画像生成システム203に送信する。
【0021】
次に、画像生成システム203はWebページ202にアクセスし、描画結果生成部210にて描画結果を生成する。その後、画像生成システム203は、通信端末201から描画結果の取得要求があった場合、送受信部210を通して、生成した描画結果を通信端末201に返送する。通信端末201は、送受信部212を通して描画結果を受け取り、表示部211にてユーザに描画結果を提示する。
【0022】
ここで、画像生成システム203にはゲートウェイ204と仮想マシンA205が存在する。描画結果を生成するブラウザ206は仮想マシンA205上で稼働する。描画結果を生成するブラウザ206は仮想マシンA205上で稼働する。ブラウザ206はいわゆるブラウザエンジンで、HTML、JavaScript(登録商標)、CSS等の解析や、ユーザ操作・通信イベントに伴う処理を実行する。201と205の通信、および、202と205の通信は、ゲートウェイ204を通して行われる。
【0023】
仮想マシンA205は、通信端末201から受信したユーザの操作指示をもとに、ブラウザ206で表示中のWebページ202に含まれるファイルダウンロード要素を、ユーザが押下したか否かを、押下要素判定部207で判断する。
【0024】
また、空き容量問合せ部208にて、通信端末201に空き容量を問合せる。さらに、ファイルサイズ問合せ部209にて、外部Webサーバにダウンロード対象のファイルのサイズを問合せる。
図3と
図4は本実施例のフローチャートである。
図3は画像生成システム203側の処理フローであり、
図4は通信端末201側の処理フローである。
【0025】
本実施例ではまず、通信端末201から通知されたWebページのURLを読み込む(S301)。このとき、画像生成システム203は通信端末201に描画結果(Webページに対応する画像データ)を送信する。続いて、通信端末201から通知されたユーザの操作指示を受信する(S302)。ユーザの操作指示には、端末画面を指で触る“タップ”や、端末に装備されたキーボードを押下する“キー入力”といった操作の属性を示す情報が含まれる。また、ユーザが画面上で触った場所を示すx、y座標や、ユーザが押下したキーの値といった操作の属性ごとに付属される情報が含まれる。WebページのURLや操作指示はゲートウェイ204を通り、送受信部210を通ってブラウザ206に到達する。
【0026】
ここで、
図5(B)を利用して、本実施例において、通信端末201から画像生成システム203に、ユーザ操作指示を送信する方法を説明する。
図5(B)はHTTP通信のBODYにユーザ操作情報を格納するJavaScriptプログラムである。
図5(B)のwebclientは通信先にHTTP通信リクエストを送信する構造体である。リクエスト先はurlメンバで指定でき、値は”https://www.cloudbrowser.canon”である。またリクエストのbodyはbodyメンバで指定でき、値は{type:click, x:50, y:20}である。type:clickはユーザ操作がクリックである事を示す。またx:50はユーザがクリックしたx座標が50、y:20はユーザがクリックしたy座標が20であることを示す。
【0027】
続いて、押下要素判定部207はユーザが押下した要素が、ファイルダウンロード要素か否かを判断する(S303)。ここで、
図7を利用して、Web標準仕様に基づいたファイルダウンロード要素とダウンロードダイアログの表示結果について説明する。
【0028】
図7(A)はファイルダウンロード要素を含んだWebページである。
図7(A)においてファイルダウンロード要素はdummy_file.txtと表示されたリンク701である。ユーザがリンク701を押下したと判断した場合、ブラウザ206はダウンロードダイアログを起動する。
図7(B)はダウンロードダイアログが呼び出された結果を示す。702はダウンロードダイアログである。
図7(B)の例では、dummy_file.txtをダウンロードするか否か、ユーザに問い合わせている。ユーザはダウンロードに同意する場合、OKと表示されたボタン703を押下する。
【0029】
続いて、
図5(A)を利用して、S303の判断方法を説明する。
図5(A)はファイルダウンロード要素を判定するJavaScriptプログラムである。document.getElementFromPoint(x, y);は、x、y座標の要素を抽出する関数である。これによりユーザがタップした位置(x, y)に存在する要素が分かる。またelement.tagName;は要素名を示す。element.hasAttribute(“download”)は、対象とするelementに、download属性が付与されているか確認する。本実施例では、要素名が“input”であり、かつ、download属性が付与されている場合に、ユーザが押下した要素がファイルダウンロード要素だったと判定する。
【0030】
続いて、ユーザが押下した要素がファイルダウンロード要素であることを示す情報について、
図9を利用して説明する。
図9は画像生成システムと通信端末の間で送受信するデータの例である。
図9を見ると、通信端末201と画像生成システム203で送受信する情報がkey=Element、value=Downloadの場合、押下要素がファイルダウンロード要素であると分かる。S303では、ユーザが押下した要素がファイルダウンロード要素だった場合、画像生成システム203から通信端末201へ、key=Element、value=Downloadという文字列を送信する。
【0031】
一方で、S303の判断の結果、ユーザが押下した要素がファイルダウンロード要素でなかった場合、処理をS315に移す。
【0032】
S303の判断の結果、ユーザが押下した要素がファイルダウンロード要素であった場合、仮想マシンの空き容量を取得する(S304)。
【0033】
続いて、空き容量問合せ部208は、送受信部210を経由して、空き容量の問合せ要求を通信端末201に送信する(S305)。S305では、通信端末201と画像生成システム203とで、送受信する情報と要素の種別の対応を予め取り決めておくことで、通信端末201側で空き容量の問い合わせ要求か否か判別可能となる。
【0034】
ここで、
図9を利用して、送受信する情報と問合せ要求の対応を取り決める方法を説明する。
図9にはkey列と、value列、説明列が存在する。key列は情報の属性を、value列はその属性の値を示す。
図9の表は、通信端末201と画像生成システム203のどちらも保有しているとする。
【0035】
例えば、S305で送受信部210にて、Key=Inquiry、value=FreeSpaceという文字列を通信端末201に送信したとする。この場合、Key=Inquiry、value=FreeSpaceの説明列を見ると、「空き容量の問合せ」と記載されており、通信端末201側で、画像生成システム203から空き容量を問い合わせる要求が来たことが分かる。
【0036】
続いて、ファイルサイズ問合せ部209は、送受信部210を経由して、外部Webサーバからダウンロード対象のサイズを取得する(S306)。本実施例では、S306にHTTPプロトコルのHEADメソッドを利用する。HTTPプロトコルのHEADメソッドでは、対象ファイルの情報が格納されたHEADデータのみ取得して、対象ファイルのデータに相当するBODYデータは取得しない。
【0037】
ここで、HEADデータの例を
図6に示す。
図6ではContent-length: 3274014と表示されている。Content-lengthは対象ファイルのサイズを示す値である。ここから、
図6では、対象のファイルのサイズは3274014バイトと分かる。
【0038】
続いて、ダウンロード対象のファイルがダウンロード可能か否か判断する(S307)。本実施例ではS307で、S304で取得した仮想マシンA205の空き容量と、S305で取得した通信端末201の空き容量の両方を利用する。
【0039】
S304で取得した仮想マシンA205の空き容量と、S306で取得したダウンロード対象ファイルのサイズを比較して、仮想マシンA205の空き容量の方が大きいか否か判断する。仮想マシンA205の空き容量の方が小さい場合、ダウンロード可能ではないと判断する。続いて、S305で取得した通信端末201の空き容量と、S306で取得したダウンロード対象ファイルのサイズを比較して、通信端末201の空き容量の方が大きいか否か判断する。通信端末201の空き容量の方が小さい場合、ダウンロード可能ではないと判断する。
【0040】
S307でダウンロード可能と判断した場合、処理をS308に移す。一方で、S307でダウンロード可能ではないと判断した場合、処理をS314に移す。
【0041】
S308では、S302で受信した操作指示をブラウザに通知する(S308)。これにより、ブラウザ206はWeb標準仕様に従い、対象のファイルをダウンロードする。続いて、画像生成システム203は送受信部211から、通信端末201にS309でダウンロードしたファイルを保存している保存先URLを通知する(S310)。ここで、
図9を利用して保存先URLを示す情報を説明する。
図9にて、Key=FileStored、value=[URL]の説明列を見ると、「保存先URL」と記載されており、通信端末201側で、画像生成システム203から保存先URLを受信したことが分かる。ここで
図9の[URL]には、任意のURLの文字列が入る。これにより、通信端末201が、画像生成システム203からダウンロード対象のファイルを受信することが可能となる。
【0042】
一方で、S314では、通信端末201にダウンロード失敗を通知する。ここで、ダウンロード失敗であることを示す情報について、
図9を利用して説明する。
図9を見ると、通信端末201と画像生成システム203で送受信する情報がkey=Error、value=Downloadの場合、ダウンロード失敗であると分かる。S314では、画像生成システム203から通信端末201へ、key=Error、value=Downloadという文字列を送信する。
【0043】
続いて、描画結果生成部210にて、描画結果を生成して通信端末201に送信する(S311)。その後、Webページの閲覧が終了したか否かを判断する(S312)。S312の判断の結果、Webページの閲覧が終了した場合、S307でダウンロードしたファイルを仮想マシンA205の保存領域から削除する(S313)。S313では、情報秘匿性の観点で削除している。そのため、S307で受信したファイルを仮想マシンA205内で継続して利用する場合、削除しなくてもよい。
【0044】
S303の判断の結果、ユーザが押下した要素がファイルダウンロード要素でなかった場合、押下要素判定部207は、ユーザ操作をブラウザ206に通知する(S315)。続いて、送受信部210にて、押下要素の情報を通信端末201に送信する(S316)。S315とS316の処理は本提案特有の処理ではなく、従来のクラウドブラウザでも実施されている処理である。
【0045】
次に、
図4を利用して、通信端末201の処理フローを説明する。通信端末201ではまず、専用ビュー214を起動する(S401)。このとき通信端末201から画像生成システム203に、表示したいWebページ202のURLを送信する。
【0046】
専用ビュー214の機能は主に2つある。1つは画像生成システム203から受信した描画結果を表示する。もう1つは、ユーザの操作指示を受け取り、それを画像生成システム203に向けて送信する。
【0047】
次に、専用ビュー214は、送受信部212を経由して、ユーザの操作指示を画像生成システム203に送信する(S402)。S402で送信した操作指示は、画像生成システム203側の処理フローの中で、S302で利用される。
【0048】
次に、送受信部212が画像生成システム203から受信した情報が、空き容量問合せ要求であるか否か判断する(S403)。ここで空き容量問合せ要求は、Key=Inquiry、value=FreeSpaceという文字列である。
【0049】
続いて、S403の判断の結果、空き容量問合せ要求を受信した場合、送受信部212から画像生成システム203に、通信端末の空き容量を送信する(S404)。一方で、S403の判断の結果、空き容量問合せ要求を受信しなかった場合、処理をS306に移す。
【0050】
続いて、ユーザがクラウドブラウザの利用を終了したか判断する(S407)。S407の判断の結果、ユーザがクラウドブラウザの利用を終了した場合、処理を終了する。一方で、S407の判断の結果、ユーザがクラウドブラウザの利用を継続する場合、処理をS402に移す。
【0051】
次に、S403で空き容量問合せ要求を受信しなかった場合、送受信部212が画像生成システム203から受信した情報が、保存先URLであるか否か判断する(S406)。S406の判断の結果、受信した情報が保存先URLだった場合、保存先URLからファイルをダウンロードする(S407)。続いて、表示部211が、ダウンロードが成功したことを示す情報を画面に表示する(S408)。ここで、S408の表示例を
図8(A)に示す。
図8(A)において、801はダウンロードが成功したことを示す情報である。なお、画像生成システム203から通信端末201へ保存先URLを通知すると同時に、ダウンロード進捗率を共有してもよい。このとき、通信端末201では画面に、ダウンロードがどの程度進んだかを示すダウンロード進捗を表示しても良い。
【0052】
一方で、S406の判断の結果、受信した情報が保存先URLではなかった場合、画像生成システム203から受信した情報が、ダウンロード失敗を示す情報か否かを判断する(S409)。S409の判断の結果、ダウンロード失敗を示す情報を受信した場合、表示部211が、ダウンロードが失敗したことを示す情報を画面に表示する(S410)。ここで、S410の表示例を
図8(B)に示す。
図8(B)において、802はダウンロードが失敗したことを示す情報である。本提案では、ダウンロード失敗を示す画面は、通信端末に保存されている画面の中から読み出している。
【0053】
S409でダウンロード失敗を示す情報を受信しなかった場合、描画結果を受信したか否かを判断する(S411)。S411の判断の結果、描画結果を受信した場合、表示部211が描画結果を画面に表示する(S412)。一方で、S411の判断の結果、描画結果を受信しなかった場合、処理をS413に移す。
【0054】
次に、S411の判断の結果、描画結果を受信しなかった場合、押下要素に応じた処理を実施する(S413)。S413に該当する処理としては、表示部211が通信端末の画面にソフトウェアキーボードを表示するといった処理が挙げられる。
【0055】
続いて、
図10を利用して、通信端末201と画像生成システム203と外部Webサーバの処理シーケンスを示す。
図10のシーケンス図は、ダウンロードが成功した場合のシーケンスである。
【0056】
まず、通信端末201が専用ビューを起動して、表示したいWebページ202のURLを、画像生成システム203に送信する(S401)。画像生成システム203は受信したURLをもとに、外部WebサーバにWebページ202を要求する。その後、外部WebサーバはWebページ202を返送する。画像生成システム203は取得したWebページ202を描画して、その結果を通信端末に送信する(S301)。
【0057】
続いて、通信端末201から画像生成システム203に、ユーザの操作指示を送信する(S402)。画像生成システム203では、その指示に従い、ユーザが押下した要素を判定する(S303)。押下した要素がファイルダウンロード要素だった場合、画像生成システム203は通信端末201に、空き容量を要求する(S305)。続いて、画像生成システム203は外部Webサーバに、ダウンロード対象のファイルのサイズを要求する(S306)。S305とS306の処理は
図10のように返答を待たずに要求を出す非同期型で実施しても良いし、要求に対する返答が返ってきた後処理する同期型で実施してもよい。
【0058】
続いて、通信端末201は画像生成システム203に、空き容量を送信する(S404)。また外部Webサーバは画像生成システム203に、ダウンロード対象のファイルサイズを送信する。その後、画像生成システム203は、ダウンロードが可能か否か判断する(S307)。
【0059】
S307でダウンロードが可能だった場合、画像生成システム203は外部Webサーバから、ダウンロード対象のファイルをダウンロードする。その後、ダウンロード対象のファイルを保存した保存先URLを通知する(S310)。
【0060】
さらに、通信端末201では受信した保存先URLからファイルを取得する(S407)。その後、画面にダウンロード成功を示す情報を表示する(S408)。
【0061】
本提案により、クラウドブラウザにおいて、外部Webサービスと画像生成システム間で、無駄なダウンロードが発生することを回避することができる。
【0062】
<他の実施形態>
尚、上述の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体をシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置のコンピュータ(CPU、MPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行するようにしてもよい。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述の実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は上述の装置を構成することになる。
【0063】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0064】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSが実際の処理の一部または全部を行い、上述の機能を実現してもよい。OSとは、Operating Systemの略である。
【0065】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードを、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込む。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUが実際の処理の一部または全部を行い、上述の機能を実現してもよい。
【0066】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0067】
201 通信端末
203 画像生成システム
205 仮想マシンA