IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司の特許一覧

特許7551716電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法
<>
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図1
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図2
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図3
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図4
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図5
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図6
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図7
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図8
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図9
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図10
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図11
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図12
  • 特許-電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/51 20200101AFI20240909BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240909BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20240909BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/20
A24F40/50
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022176538
(22)【出願日】2022-11-02
(65)【公開番号】P2023098616
(43)【公開日】2023-07-10
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】202111625415.4
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 俊
(72)【発明者】
【氏名】曽 昭煥
(72)【発明者】
【氏名】譚 華
(72)【発明者】
【氏名】何 丹充
(72)【発明者】
【氏名】沈 丕発
(72)【発明者】
【氏名】厳 若飛
(72)【発明者】
【氏名】陳 涛
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-508646(JP,A)
【文献】特表2018-532399(JP,A)
【文献】特表2017-510270(JP,A)
【文献】特表2021-519081(JP,A)
【文献】特表2021-534731(JP,A)
【文献】特表2018-532390(JP,A)
【文献】国際公開第2020/097080(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-40/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子霧化装置であって、
エアロゾル生成製品を収容するための第1導体と、
前記第1導体と間隔をおいて配置された第2導体と、
前記第1導体と前記第2導体との間隔をおくために、前記第1導体と前記第2導体との間に配置された絶縁部品と、
前記第1導体と前記第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通した状態で、前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータを取得し、前記電気パラメータに基づいて前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得し、前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱するための制御ユニットと、を含み、
前記絶縁部品は貫通孔を有し、前記エアロゾル生成製品は、前記第1導体及び前記絶縁部品を通過し、前記第2導体に電気的に接続することができ、
前記制御ユニットはサンプリングユニットをさらに含み、前記サンプリングユニットは、前記第1導体と前記第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通した状態で、前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータを収集するために使用され、前記サンプリングユニットはまた、前記第1導体と前記第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通していない場合、前記第1導体と前記第2導体との間の初期電気パラメータを収集するために使用される、ことを特徴とする電子霧化装置。
【請求項2】
前記制御ユニットはまた、前記電気パラメータと前記初期電気パラメータとの第1差値を取得し、前記第1差値とプリセット閾値を比較して第2差値を取得し、前記第2差値に基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、前記加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、予め記憶されたプリセット加熱曲線の集合から、前記エアロゾル生成製品の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を選択し、前記プリセット加熱曲線の集合中の異なる前記プリセット加熱曲線は、前記エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度が異なる、ことを特徴とする請求項3に記載の電子霧化装置。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、予め記憶されたプリセット加熱曲線に対して補償を行って、前記プリセット加熱曲線の前記エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度を変更する、ことを特徴とする請求項3に記載の電子霧化装置。
【請求項6】
前記第1導体は、中空柱状体であり、前記加熱素子として使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項7】
前記電子霧化装置は、前記第1導体の周りに配置された電磁コイルをさらに含み、前記第1導体は、電磁誘導により発熱するために使用される、ことを特徴とする請求項6に記載の電子霧化装置。
【請求項8】
前記電気パラメータは、静電容量値及び/又は抵抗値を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項9】
エアロゾル生成製品の液体含有量を検出するための液体含有量の検出方法であって、
第1導体と第2導体の間隔をおいて、絶縁部品は前記第1導体と前記第2導体との間に配置されるステップであって、前記絶縁部品は貫通孔を有し、前記エアロゾル生成製品は、前記第1導体及び前記絶縁部品を通過し、前記第2導体に電気的に接続することができるステップと、
前記エアロゾル生成製品によって前記第1導体と前記第2導体を電気的に導通させるステップと、
前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータを取得するステップと、
前記電気パラメータと、前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通していない前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータである初期電気パラメータとの第1差値を取得するステップと、
前記第1差値とプリセット閾値を比較して第2差値を取得するステップと、
前記第2差値に基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得するステップと、を含むことを特徴とする検出方法。
【請求項10】
前記エアロゾル生成製品によって前記第1導体と前記第2導体を電気的に導通させる前記ステップの前に、
前記第1導体と前記第2導体との間の前記初期電気パラメータを収集するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
【請求項11】
前記電気パラメータは、静電容量値及び/又は抵抗値を含む、ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
【請求項12】
エアロゾル生成製品の液体含有量を取得するステップと、
前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱するステップと、を含む電子霧化装置の加熱方法であって、
前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得するステップは、
間隔をおいて配置された第1導体と第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通したことに応答して、前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータを収集することと、
前記電気パラメータと、前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通していない前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータである初期電気パラメータとの第1差値を取得することと、
前記第1差値とプリセット閾値を比較して第2差値を取得することと、
前記第2差値に基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得することと、を含み、
前記第1導体と前記第2導体との間隔をおくために、絶縁部品は前記第1導体と前記第2導体との間に配置され、前記絶縁部品は貫通孔を有し、前記エアロゾル生成製品は、前記第1導体及び前記絶縁部品を通過し、前記第2導体に電気的に接続することができる、ことを特徴とする加熱方法。
【請求項13】
前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱する前記ステップは、
予め記憶されたプリセット加熱曲線の集合から、前記エアロゾル生成製品の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を選択し、複数のプリセット加熱曲線の集合中の異なる前記プリセット加熱曲線は、前記エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度が異なることと、
前記プリセット加熱曲線は、前記加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品に対する予熱時間を増減することと、を含むことを特徴とする請求項12に記載の加熱方法。
【請求項14】
前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱する前記ステップは、
前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、予め記憶されたプリセット加熱曲線に対して補償を行って、前記プリセット加熱曲線の前記エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度を変更することを含む、ことを特徴とする請求項12に記載の加熱方法。
【請求項15】
前記電気パラメータは、静電容量値及び/又は抵抗値を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の加熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電子霧化装置の分野に関し、特に電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子霧化装置は、エアロゾル生成製品を加熱して霧化するために使用され得る。例えば、葉類の固体基質を焙ってエアロゾルを形成するように、特定の香りを有する植物葉類の固体基質を非燃焼加熱の方式で焙る。さらに、植物葉類にエッセンスや香料などの成分を添加することができ、同時に、焙りによってエアロゾルに混合し、エアロゾルが所望の香りを有するようにすることができる。
【0003】
現在、エアロゾル生成製品の包装方式は、通常、複数本を1箱に包装する。1箱のエアロゾル生成製品が開封された後、消耗進度は通常2~3日又はそれ以上である。
【0004】
しかしながら、エアロゾル生成製品の包装箱が開封された後に、包装箱内のエアロゾル生成製品は空気中の水分を吸収する。且つ時間が長くなるにつれて、エアロゾル生成製品の含水量はますます多くなり、湿気を引き起こす。その結果、加熱効果がよくなく、又は生成したエアロゾル霧化量が少なく、ユーザ体験に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法を提供し、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得し、エアロゾル生成製品の液体含有量に応じて加熱エアロゾル生成製品を制御して、霧化効果を保証することができる。
【0006】
上記の問題を解決するために、本出願によって提供される1番目の技術的解決策は、電子霧化装置を提供することである。この電子霧化装置は、第1導体、第2導体及び制御ユニットを含む。前記第1導体は、エアロゾル生成製品を収容するために使用される。前記第2導体は、前記第1導体と間隔をおいて配置される。前記制御ユニットは、前記第1導体と前記第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通した状態で、前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータを取得し、前記電気パラメータに基づいて前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得し、前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱するために使用される。
【0007】
前記制御ユニットはサンプリングユニットをさらに含み、前記サンプリングユニットは、前記第1導体と前記第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通した状態で、前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータを収集するために使用される。前記サンプリングユニットはまた、前記第1導体と前記第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通していない場合、前記第1導体と前記第2導体との間の初期電気パラメータを収集するために使用される。
【0008】
前記制御ユニットはまた、前記電気パラメータと前記初期電気パラメータとの第1差値を取得し、前記差値とプリセット閾値を比較して第2差値を取得し、前記第2差値に基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得するために使用される。
【0009】
前記制御ユニットは、前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、前記加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱する。
【0010】
前記制御ユニットは、予め記憶されたプリセット加熱曲線の集合から、前記エアロゾル生成製品の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を選択し、前記複数のプリセット加熱曲線の集合中の異なる前記プリセット加熱曲線は、前記エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度が異なる。
【0011】
前記制御ユニットは、前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、予め記憶されたプリセット加熱曲線に対して補償を行って、前記プリセット加熱曲線の前記エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度を変更する。
【0012】
前記第1導体は、中空柱状体であり、前記加熱素子として使用される。
【0013】
前記電子霧化装置は、前記第1導体の周りに配置された電磁コイルをさらに含む。前記第1導体は、電磁誘導により発熱するために使用される。
【0014】
前記電子霧化装置は、前記第1導体と前記第2導体との間隔をおくために、前記第1導体と前記第2導体との間に配置された絶縁部品をさらに含む。前記絶縁部品は貫通孔を有し、前記エアロゾル生成製品は、前記第1導体及び前記絶縁部品を通過し、前記第2導体に電気的に接続することができる。
【0015】
前記電気パラメータは、静電容量値及び/又は抵抗値を含む。
【0016】
上記の技術的問題を解決するために、本出願によって提供される2番目の技術的解決策は、エアロゾル生成製品の液体含有量の検出方法を提供することである。この検出方法は、第1導体と第2導体を間隔をおいて配置するステップと、前記エアロゾル生成製品によって前記第1導体と前記第2導体を電気的に導通させるステップと、前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータを取得するステップと、前記電気パラメータに基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得することと、を含む。
【0017】
前記電気パラメータに基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する前記ステップは、前記電気パラメータと、前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通していない前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータである初期電気パラメータとの第1差値を取得することと、前記差値とプリセット閾値を比較して第2差値を取得ことと、前記第2差値に基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得することと、を含む。
【0018】
前記エアロゾル生成製品によって前記第1導体と前記第2導体を電気的に導通させる前記ステップの前に、前記第1導体と前記第2導体との間の前記初期電気パラメータを収集するステップをさらに含む。
【0019】
前記電気パラメータは、静電容量値及び/又は抵抗値を含む。
【0020】
上記の技術的問題を解決するために、本出願によって提供される3番目の技術的解決策は、電子霧化装置がエアロゾル生成製品を加熱する加熱方法を提供することである。この加熱方法は、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得するステップと、前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱するステップと、を含む。
【0021】
前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する前記ステップは、間隔をおいて配置された第1導体と第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通したことに応答して、前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータを収集することと、前記電気パラメータに基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得することと、を含む。
【0022】
前記電気パラメータに基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する前記ステップは、前記電気パラメータと、前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通していない前記第1導体と前記第2導体との間の電気パラメータである初期電気パラメータとの第1差値を取得することと、前記差値とプリセット閾値を比較して第2差値を取得ことと、前記第2差値に基づいて、前記エアロゾル生成製品の液体含有量を取得することと、を含む。
【0023】
前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱する前記ステップは、予め記憶されたプリセット加熱曲線から、前記エアロゾル生成製品の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を選択し、異なる前記複数のプリセット加熱曲線は、前記エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度が異なることと、前記プリセット加熱曲線は、前記加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品に対する予熱時間を増減することと、を含む。
【0024】
前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御して前記エアロゾル生成製品を加熱する前記ステップは、前記エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、予め記憶されたプリセット加熱曲線に対して補償を行って、前記プリセット加熱曲線の前記エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度を変更することを含む。
【0025】
前記電気パラメータは、静電容量値及び/又は抵抗値を含む。
【0026】
本出願の有益な効果は次のとおりである。従来の技術とは異なり、本出願によって提供される電子霧化装置及び加熱方法、液体含有量の検出方法は、第1導体、第2導体及び制御ユニットを含む。第1導体は、エアロゾル生成製品を収容するために使用される。第2導体は、第1導体と間隔をおいて配置される。制御ユニットは、第1導体と第2導体が前記エアロゾル生成製品によって電気的に導通した状態で、第1導体と第2導体との間の電気パラメータを取得し、電気パラメータに基づいてエアロゾル生成製品の液体含有量を取得し、エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御してエアロゾル生成製品を加熱するために使用される。エアロゾル生成製品の液体含有量を取得し、エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、エアロゾル生成製品を加熱することによって、ユーザ体験を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下、本願の実施例の技術的手段を更に詳細に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。当然のことながら、下記の説明における図面は本願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本出願の一実施例によって提供される電子霧化装置の構造模式図の一例である。
図2】本出願の一実施例によって提供される電子霧化装置の機能モジュールの模式図の一例である。
図3】本出願の一実施例によって提供される第1導体、第2導体及びエアロゾル生成製品の構造模式図の一例である。
図4】本出願の一実施例によって提供される、1日開封したエアロゾル生成製品の誘電率と時間の関係図の一例である。
図5】本出願の一実施例によって提供される、開封した直後のエアロゾル生成製品の誘電率と時間の関係図の一例である。
図6】本出願の一実施例によって提供される制御ユニットがエアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて出力する、異なるプリセット加熱曲線の例である。
図7】本出願の一実施例によって提供されるエアロゾル生成製品中の液体含有量の検出方法の概略フローチャートの一例である。
図8】本出願の別の実施例によって提供されるエアロゾル生成製品中の液体含有量の検出方法の概略フローチャートの一例である。
図9】本出願の一実施例によって提供される、図5のステップS14の実現方法の概略フローチャートの一例である。
図10】本出願の一実施例によって提供される、電子霧化装置の加熱を制御する方法の概略フローチャートの一例である。
図11】本出願の一実施例によって提供される、図10のステップS31の実現方法の概略フローチャートである。
図12】本出願の一実施例によって提供される、図11のステップS312の実現方法の概略フローチャートの一例である。
図13】本出願の一実施例によって提供される、図10のステップS32の実現方法の概略フローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、本願の実施例の添付図面を参照しながら、本願の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。当然のことながら、ここで説明する実施例は本願の実施例の全てではなく一部にすぎない。当業者が創造的な作業なしに本願の実施例に基づいて得られる全ての他の実施例は、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【0029】
図1は、本出願の一実施例によって提供される電子霧化装置の構造模式図の一例である。図2は、本出願の一実施例によって提供される電子霧化装置の機能モジュールの模式図の一例である。図3は、本出願の一実施例によって提供される第1導体、第2導体及びエアロゾル生成製品の構造模式図の一例である。図4は、本出願の一実施例によって提供される、1日開封したエアロゾル生成製品の誘電率と時間の関係図の一例である。図5は、本出願の一実施例によって提供される、開封した直後のエアロゾル生成製品の誘電率と時間の関係図の一例である。図6は、本出願の一実施例によって提供される制御ユニットがエアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて出力する、異なるプリセット加熱曲線の例である。
【0030】
図1を参照されたい。電子霧化装置20は、霧化エアロゾル生成製品10を加熱するために使用される。例えば、特定の香りを有する植物葉類の固体基質は、加熱条件下で生成したエアロゾルが明らかな香りと高いユーザ満足度を持つ。電子霧化装置20は、特定の香りを有する植物葉類の固体基質を非燃焼加熱の方式で焙ることで、葉類の固体基質を焙ってエアロゾルを形成する。本出願の電子霧化装置20は、医療、美容、又はカジュアルの吸入などの様々な分野に使用することができる。
【0031】
一実施形態では、電子霧化装置20は、エアロゾル生成製品10に固定接続又は着脱可能に接続され、エアロゾル生成製品10に加熱エネルギーを提供して、霧化エアロゾル生成製品10内に貯蔵されているエアロゾル生成基質を加熱するために使用される。
本出願発明者の研究によると、従来のエアロゾル生成製品10は、通常、使用前に一本で封止され、又は複数本で1箱に封止される。エアロゾル生成製品10は、開封後、包装箱内のエアロゾル生成基質が空気中の水分を吸収するため、エアロゾル生成製品10が後で使用されるほど、含水量が高くなる。例えば、1本で封止されたエアロゾル生成製品10の場合、開封後から使用までの待ち時間が長くなるほど、エアロゾル生成製品10内の水分含有量が高くなり、あるいは、吸入停止後から次の吸入までの待ち時間が長くなるほど、エアロゾル生成製品10内の水分含有量が高くなる。複数本で1箱に封止されたエアロゾル生成製品10の場合、包装箱が開封された後、後で使用されるエアロゾル生成製品10の含水量は、その前に使用されるエアロゾル生成製品10の含水量よりも高い。あるいは、ユーザの操作ミスでエアロゾル生成製品10に他の液体が含まれることによって、電子霧化加熱装置によるエアロゾル生成製品10の加熱霧化はプリセット温度に達することができず、エアロゾル生成製品10に生成するエアロゾル霧化量が減少し、且つユーザ体験に影響を与える。
【0032】
従って、本出願は電子霧化装置20を提供する。図2を参照すると、電子霧化装置20は、加熱ユニット21、給電ユニット22及び制御ユニット23を含む。エアロゾル生成製品10は、加熱ユニット21に収容される。給電ユニット22は、加熱ユニット21が霧化エアロゾル生成製品10を加熱するように、加熱ユニット21に加熱エネルギーを提供するために使用される。制御ユニット23は、加熱ユニット21内のエアロゾル生成製品10の液体含有量を取得し、取得したエアロゾル生成製品10の液体含有量に応じて、給電ユニット22が加熱ユニット21に出力するパワーを制御してエアロゾル生成製品10を加熱するために使用される。
【0033】
一実施形態では、制御ユニット23はサンプリングユニット24をさらに含む。サンプリングユニット24は、加熱ユニット21とエアロゾル生成製品10の電気パラメータを検出するために使用される。制御ユニット23は、さらに、サンプリングユニット24の検出により得られた電気パラメータに基づいて、エアロゾル生成製品10の液体含有量を取得する。
【0034】
図3を参照されたい。電子霧化装置20は、第1導体25と第2導体26をさらに含む。第1導体25と第2導体26はそれぞれサンプリングユニット24に電気的に接続される。エアロゾル生成製品10が電子霧化装置20に挿入されると、第1導体25及び第2導体26はそれぞれエアロゾル生成製品10と接触し、サンプリングユニット24がエアロゾル生成製品10の両端の電気パラメータを収集する電極として使用される。一実施形態では、第1導体25はエアロゾル生成製品10を収容するために使用され、第2導体26は第1導体25と間隔をおいて配置される。エアロゾル生成製品10が電子霧化装置20に挿入されていない場合、第1導体25と第2導体26は、互いに絶縁して配置される。エアロゾル生成製品10は導電性を有し、エアロゾル生成製品10が電子霧化装置20に挿入された後、第1導体25と第2導体26にそれぞれ電気的に接続され、それにより、第1導体25と第2導体26がエアロゾル生成製品10によって電気的に導通する。
【0035】
サンプリングユニット24は、第1導体25と第2導体26との間に電圧を印加し、第1導体25と第2導体26がエアロゾル生成製品10によって電気的に導通していない場合、第1導体25と第2導体26との間の初期電気パラメータを収集しており、第1導体25と第2導体26がエアロゾル生成製品10によって電気的に導通すると、第1導体25と第2導体26との間の電気パラメータを収集する。
【0036】
電気パラメータは、第1導体25と第2導体26との間の静電容量値及び/又は抵抗値である。
【0037】
制御ユニット23は、サンプリングユニット24により検出されて得られた電気パラメータに基づいて、エアロゾル生成製品10の液体含有量を取得し、エアロゾル生成製品10の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御してエアロゾル生成製品10を加熱するために使用される。
【0038】
一実施形態では、第1導体25は、円柱などの中空柱状構造であり、且つサンプリングユニット24に接続される。第2導体26は、板状又はブロック状であり得、検出ベースとしてサンプリングユニット24に接続される。第1導体25と第2導体26の材料は、ステンレス鋼などの金属であり得る。一実施例では、第1導体25の材料は金属であり、同時に磁場での誘導発熱に使用される。第2導体26の材料は、導電性カーボン又は導電性セラミックであり、磁場での第2導体26の誘導発熱によりエアロゾル生成製品10に対する加熱が不均一になることを回避する。
【0039】
電子霧化装置20にエアロゾル生成製品10が挿入されていない場合、間隔のために第1導体25と第2導体26との間に電気信号回路を形成することができない。このとき、サンプリングユニット24は、第1導体25と第2導体26との間の電気パラメータを初期電気パラメータとしてマークする。電子霧化装置20にエアロゾル生成製品10が挿入された場合、エアロゾル生成製品10は第1導体25と十分に接触し、第1導体25と第2導体26を電気的に導通させ、第1導体25と第2導体26との間の静電容量値及び抵抗値を変える。サンプリングユニット24は、第1導体25と第2導体26との間の電気パラメータを再収集する。制御ユニット23は、サンプリングユニット24によって収集された初期電気パラメータと、電気的に導通した後の第1導体25と第2導体26の電気パラメータとを比較し、アルゴリズムによるフィルタリングによって両者間の第1差値を得ており、該差値とプリセット閾値の大きさを再判断して、第2差値を得る。第2差値に基づいて、テーブルルックアップ法又は計算によって、エアロゾル生成製品10の液体含有量を得ることができる。テーブルルックアップ法によってプリセット閾値及び第2差値が対応するエアロゾル生成製品10の液体含有量は、実験テストによって得られ、且つ予め制御ユニット23に記憶される。
【0040】
第1導体25及び第2導体26は、静電容量感知及び抵抗測定の送受信器に相当し、静電容量感知信号及び抵抗変化信号を送受信する。
【0041】
一実施形態では、加熱ユニット21は、第1導体25と第2導体26との間隔をおくために、第1導体25と第2導体26との間に配置された絶縁部品27をさらに含む。絶縁部品27は貫通孔を有し、エアロゾル生成製品10は、第1導体25及び絶縁部品27を通過し、第2導体26に電気的に接続することができる。一実施例では、絶縁部品27は環状体である。第1導体25は、絶縁部品27の上部に配置され、絶縁部品27と同軸に配置される。第2導体26は、絶縁部品27の底部に配置され、絶縁部品27の底部を覆う。第2導体26は、絶縁部品27の内部と連通する吸気孔(図示せず)をさらに有する。
【0042】
1つの具体的な実施形態では、絶縁部品27は環状体であり、内壁にフランジを有する。フランジの上面は、第1導体25の底端と当接し、且つ第1導体25の外側壁は、絶縁部品27の内側壁と当接する。第2導体26は、フランジの下面に配置され、且つ絶縁部品27の底部を覆う。電子霧化装置の組立プロセスを簡単化するために、第1導体25、第2導体26及び絶縁部品27は、締り嵌め又は粘着であり得る。
【0043】
一実施形態では、加熱ユニット21は、電磁式加熱である。具体的には、第1導体25はまた加熱素子として使用される。加熱ユニット21は電磁コイルをさらに含む。電磁コイルは、第1導体25の周りに配置される。それにより、通電条件下で、第1導体25は電磁誘導によって発熱して、霧化エアロゾル生成製品10を加熱する。
【0044】
別の実施形態では、加熱ユニット21は抵抗式加熱である。加熱ユニット21は、独立して配置された加熱素子である。加熱素子は、中心が針状又は中心が片状の発熱体であり、第2導体26に配置され、エアロゾル生成製品10内に挿入されて霧化エアロゾル生成製品10を加熱するために使用される。
【0045】
一実施形態では、電子霧化装置20は、電子霧化装置20内にエアロゾル生成製品10が挿入されたか否かを検出するための検出ユニット(図示せず)をさらに含む。エアロゾル生成製品10が電子霧化装置20内に挿入されたことを検出すると、サンプリングユニット24と制御ユニット23は、エアロゾル生成製品10の液体含有量を収集し取得する。幾つかのオプションの実施形態では、サンプリングユニット24は、検出ユニットとして使用することができる。例えば、サンプリングユニット24は、常に第1導体25と第2導体26との間に電圧を印加して、初期電気パラメータ、及び電気的に導通した後の第1導体25と第2導体26の電気パラメータを随時収集し、計算によりエアロゾル生成製品10の液体含有量を得るために制御ユニット23に送信する。第1導体25と第2導体26との間の電気絶縁が電気的導通に変化したことが検出されると、エアロゾル生成製品10が電子霧化装置20に挿入されたことが検出されたと判定される。このようにして、エアロゾル生成製品10が新しいものと交換されるたびに、液体含有量の検出が開始されることが保証される。別のオプションの実施形態では、検出ユニットは、光センサであり得、絶縁部品27の内側壁に配置され、エアロゾル生成製品10が電子霧化装置20に挿入されたか否かを光学感知によって検出する。あるいは、検出ユニットは、圧力センサであってもよく、第2導体26に配置され、エアロゾル生成製品10が電子霧化装置20に挿入されたか否かを圧力感知によって検出する。サンプリングユニット24は、エアロゾル生成製品10が電子霧化装置20に挿入されたことを検出ユニットにより検出すると、第1導体25と第2導体26との間に電圧を印加し、電気的に導通した後の第1導体25と第2導体26の電気パラメータを収集し、収集した電気パラメータを制御ユニット23に送信することもできる。制御ユニット23は、予め記憶された初期電気パラメータと、電気的に導通した後の第1導体25と第2導体26の電気パラメータとを比較して、エアロゾル生成製品10の液体含有量を取得する。具体的な実施形態は、実際のニーズに応じて選択することができ、ここでは限定しない。
【0046】
電子霧化装置20から引き出されておらず、長期間使用されている同じエアロゾル生成製品10についても、間隔時間が長すぎると、水分を吸収する。従って、本出願では、検出ユニットはまた、ユーザ吸入信号を検出した後に、前回の吸入信号との間の時間間隔を判断するのに使用される。この時間間隔がプリセット時間閾値を超えた場合、サンプリングユニット24と制御ユニット23は、改めてエアロゾル生成製品10の液体含有量を収集し取得する。ここで、プリセット時間閾値は、4時間、8時間、又は24時間とすることができ、具体的には、状況に応じて選択される。現地の気候が湿っている場合は、プリセット時間閾値を適切に減少する。現地の気候が乾燥している場合は、プリセット時間閾値を適切に増加する。
【0047】
制御ユニット23がエアロゾル生成製品10の液体含有量に基づいて、加熱ユニット21を制御してエアロゾル生成製品10を加熱する方法は、事前に実験を行って、関連データを取得して制御ユニット23に予め記憶することができ、具体的には、通常、電子霧化装置20がエアロゾル生成製品10を予熱する時間は、一般に15~25秒であり、予熱温度は240~250摂氏度であり、加熱電圧及び加熱抵抗に基づいて、開封したばかりの、即ち、水分を吸収していない一本のエアロゾル生成製品10を予熱する総パワーを計算することができる。
【0048】
表1. エアロゾル生成製品の各予熱温度に必要なパワーの表
【0049】
表1を参照すると、加熱素子は1つのサーミスタに相当し、発熱素子の初期抵抗は0.92Ωであり、発熱素子の実際の抵抗は、加熱温度の変化に応じて変化することがわかる。
【0050】
しかしながら、エアロゾル生成製品10は、開封後に水分を吸収し、一本のエアロゾル生成製品10の重量は増加する。水の比熱容量、及び水分蒸発により吸収される熱量に基づいて、余分に増加する水分蒸発によって吸収するエネルギー及び消費電力を計算することができる。
【0051】
表2. エアロゾル生成製品の水分蒸発によって吸収される熱量と消費電力
【0052】
表2に示すように、水の沸点は100摂氏度であるため、水分を吸収したエアロゾル生成製品10を100摂氏度に予熱した後、エアロゾル生成製品10の液体含有量はほぼ0になる。加熱を続けると、液体蒸発によって吸収される熱量と消費電力も基本的に0になる。
【0053】
図4図5を参照されたい。エアロゾル生成製品10が第1導体25に挿入された後、サンプリングユニット24は、エアロゾル生成製品10の電気パラメータを検出する。1日開封した(図4に示すように)及び開封したばかりの(図5に示すように)エアロゾル生成製品10の誘電率に明らかな差があり、液体含有量が明らかに異なることを示す。具体的には、エアロゾル生成製品が第1導体25に挿入されるまで、制御ユニット23は、図のB線に示すように、現在の電位データを基準電位データとして常に校正する。エアロゾル生成製品が第1導体25に挿入された後、図のA線に示すように、電位データは変化する。制御ユニットは、B線に対するA線の変化量を判断することで、エアロゾル生成製品10の液体含有量を判断する。且つ、異なる液体含有量のエアロゾル生成製品10に対して、補償の必要がある熱量又は採用される加熱曲線を実験によって決定する。制御ユニット23は、関連する実験パラメータを予め記憶して、サンプリングユニット24により検出されて得られた関連する電気パラメータに基づいて、エアロゾル生成製品10の液体含有量を取得し、液体含有量に基づいて、加熱素子を制御してエアロゾル生成製品10を加熱する。
【0054】
具体的には、制御ユニット23は、計算と比較によってエアロゾル生成製品10の液体含有量を得る。一実施形態では、制御ユニット23は、MCU(Microcontroller Unit、マイクロコントローラーユニット23)を含む。MCUは、サンプリングユニット24によってフィードバックされた電気パラメータを受信し、エアロゾル生成製品10の液体含有量を判断し、エアロゾル生成製品10の液体含有量に基づいて、エアロゾル生成製品の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を取得し、加熱素子を制御してエアロゾル生成製品10を加熱する。
【0055】
一実施形態では、図6を参照すると、制御ユニット23には、エアロゾル生成製品10の異なる液体含有量に対応するプリセット加熱曲線の集合が予め記憶された。制御ユニット23は、予め記憶されたプリセット加熱曲線の集合から、現在のエアロゾル生成製品10の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を選択する。ここで、プリセット加熱曲線の集合中の異なるプリセット加熱曲線は、エアロゾル生成製品10を予熱する時間及び/又は温度が異なる。
【0056】
例えば、エアロゾル生成製品10の液体含有量が0又は閾値より低いである場合、電子霧化装置20がエアロゾル生成製品10を予熱する時間は20秒であり、予熱温度は250摂氏度であり、制御ユニット23が出力する加熱曲線は標準加熱曲線である。エアロゾル生成製品10の液体含有量が閾値よりも高い場合、制御ユニット23が出力する加熱曲線は、標準加熱曲線と比較して、エアロゾル生成製品10に対する予熱時間がより長く、例えば23秒、25秒などである。あるいは、エアロゾル生成製品10に対する予熱温度がより高く、例えば255摂氏度、260摂氏度などである。あるいは、両者は混合の方式を採用し、エアロゾル生成製品10に対する予熱温度と予熱時間を増加して、エアロゾル生成製品10の予熱温度を目標温度に達させる。一実施例では、複数の閾値区間を設置し、異なる閾値区間に対して、異なる加熱曲線を予め記憶し、エアロゾル生成製品10の液体含有量に対応する閾値区間に応じて、対応する加熱曲線を選択することができる。
【0057】
当然のことながら、標準加熱曲線は、エアロゾル生成製品10の液体含有量がある値である加熱曲線、例えば、液体飽和状態の加熱曲線であってもよい。エアロゾル生成製品10の液体含有量がこの飽和値より低い場合、制御ユニット23は、標準加熱曲線と比較して、エアロゾル生成製品10に対する予熱時間がより短く又は予熱温度がより低い加熱曲線を出力することができる。ここでは限定しない。
【0058】
別の実施形態では、制御ユニット23は、エアロゾル生成製品10の液体含有量に基づいて、予め記憶されたプリセット加熱曲線に対して補償を行って、プリセット加熱曲線のエアロゾル生成製品10を予熱する時間及び/又は温度を変更することができる。例えば、制御ユニット23には、あるプリセット加熱曲線が記憶されている。このプリセット加熱曲線は、エアロゾル生成製品10の液体含有量のある値に対応する。制御ユニット23は、エアロゾル生成製品10の液体含有量を取得した後、プリセット加熱曲線に対して論理計算処理を行い、補償された加熱曲線を取得し出力して、エアロゾル生成製品10に対する予熱時間又は予熱温度を増減する。それにより、エアロゾル生成製品10をプリセット温度に加熱することができる。具体的には、制御ユニット23は、加熱曲線を出力する前に、プリセット加熱曲線に対する補償を完了する。理解されるように、この方法は、エアロゾル生成製品10の液体含有量と補償値との間の対応表又は関係式を予め記憶し、エアロゾル生成製品10の液体含有量に対応する補償値に基づいて補償を行う必要がある。
【0059】
本出願によって提供される電子霧化装置20は、エアロゾル生成製品10を加熱する前に、エアロゾル生成製品10の液体含有量を検出し、エアロゾル生成製品10の液体含有量に基づいて、対応する加熱曲線を出力することによって、様々な液体含有量のエアロゾル生成製品10を十分に加熱することができ、ユーザ体験を効果的に向上させる。
【0060】
図7を参照されたい。図7は、本出願の一実施例によって提供されるエアロゾル生成製品中の液体含有量の検出方法の概略フローチャートの一例であり、具体的には、以下のステップS11~ステップS14を含む。
ステップS11では、第1導体と第2導体を間隔をおいて配置する。
【0061】
具体的には、第1導体と第2導体とを、間隔をおいて配置して、第1導体と第2導体との間の導電性を遮断する。
【0062】
ステップS12では、エアロゾル生成製品によって第1導体と第2導体を電気的に導通させる。
【0063】
エアロゾル生成製品は導電性を有する。電子霧化装置内にエアロゾル生成製品が挿入されると、エアロゾル生成製品は、第1導体と十分に接触し、且つ第1導体と第2導体を電気的に導通させる。第1導体及び第2導体は、静電容量感知及び抵抗測定の送受信器に相当し、静電容量感知信号及び抵抗変化信号を送受信する。
【0064】
ステップS13では、第1導体と第2導体との間の電気パラメータを取得する。
【0065】
具体的には、第1導体と第2導体が電気的に導通すると、第1導体と第2導体との間の静電容量値と抵抗値が変化し、サンプリングユニットが、第1導体と第2導体との間の電気パラメータを収集する。
【0066】
ステップS14では、電気パラメータに基づいて、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。
【0067】
具体的には、制御ユニットは、得られた電気パラメータに基づいて、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得し、エアロゾル生成製品を加熱するために加熱ユニットへの出力パワーを制御する。
【0068】
図8、本出願の別の実施例によって提供されるエアロゾル生成製品の液体含有量の検出方法の概略フローチャートであり、図5に示される方法との違いは、エアロゾル生成製品によって第1導体と第2導体を電気的に導通させるステップS12の前に、ステップS11aをさらに含む。
ステップS11aでは、第1導体と第2導体との間の初期電気パラメータを収集する。
【0069】
具体的には、間隔のために第1導体と第2導体との間に電気信号回路を形成することができない。このとき、サンプリングユニットは、第1導体と第2導体との間の電気パラメータを初期電気パラメータとしてマークする。電気パラメータは、静電容量値及び/又は抵抗値を含む。サンプリングユニットは、静電容量感知信号をC1としてマークし、抵抗信号をR1としてマークする。
【0070】
図9を参照されたい。図9は、本出願の一実施例によって提供される、図7のステップS14の実現方法の概略フローチャートの一例である。ステップS14は、具体的には、ステップS141~ステップS143を含む。
ステップS141では、電気パラメータと初期電気パラメータの第1差値を取得する。
【0071】
初期電気パラメータは、エアロゾル生成製品によって電気的に導通していないときの第1導体と第2導体との間の電気パラメータである。具体的には、サンプリングユニットは、電気的に導通していないときの第1導体と第2導体の初期電気パラメータ、及び電気的に導通した後の第1導体と第2導体の電気パラメータを収集して、制御ユニットに送信する。制御ユニットは、サンプリングユニットによって収集された初期電気パラメータと、電気的に導通した後の第1導体と第2導体の電気パラメータとを比較して、アルゴリズムによるフィルタリングによって両者間の第1差値を得る。
【0072】
ステップS142では、第1差値とプリセット閾値を比較して第2差値を得る。
【0073】
具体的には、制御ユニットは、第1差値と制御ユニットに予め記憶されたプリセット閾値との大きさを再判断して、第2差値を得る。
【0074】
ステップS143では、第2差値に基づいて、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。
【0075】
具体的には、第2差値に基づいて、テーブルルックアップ法又は計算によって、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。テーブルルックアップ法によって第2差値が対応するエアロゾル生成製品10の液体含有量は、実験テストによって得られ、且つ予め制御ユニットに記憶される。
【0076】
本出願によって提供されるエアロゾル生成製品の液体含有量の検出方法は、電気的に導通していないときの第1導体と第2導体の初期電気パラメータ、及びエアロゾル生成製品によって電気的に導通した後の第1導体と第2導体の電気パラメータを収集し、両者を比較して判断を行った後に、エアロゾル生成製品の液体含有量を得ることができる。検出方法は簡単で、信頼性が高い。
【0077】
図10を参照されたい。図10は、本出願の一実施例によって提供される、電子霧化装置の加熱を制御する方法の概略フローチャートの一例であり、具体的には、ステップS31~ステップS32を含む。
【0078】
ステップS31では、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。
【0079】
具体的には、電子霧化装置がエアロゾル生成製品を加熱する前に、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。
【0080】
ステップS32では、エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子を制御してエアロゾル生成製品を加熱する。
【0081】
具体的には、電子霧化装置における制御ユニットは、エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、エアロゾル生成製品の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を取得し、加熱素子を制御してエアロゾル生成製品を加熱する。
【0082】
図11を参照されたい。図11は、本出願の一実施例によって提供される、図10のステップS31の実現方法の概略フローチャートの一例である。ステップS31は、具体的には、ステップS311~ステップS312を含む。
【0083】
ステップS311では、間隔をおいて配置された第1導体と第2導体がエアロゾル生成製品によって電気的に導通したことに応答して、第1導体と第2導体との間の電気パラメータを収集する。
【0084】
具体的には、電子霧化装置にエアロゾル生成製品が挿入されるとき、エアロゾル生成製品は、第1導体と十分に接触し、且つ第1導体と第2導体を電気的に導通させる。電子霧化装置におけるサンプリングユニットは、第1導体と第2導体に電圧を印加し、第1導体と第2導体との間の電気パラメータを収集する。電気パラメータは、静電容量値及び/又は抵抗値を含む。
【0085】
ステップS312では、電気パラメータに基づいて、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。
【0086】
具体的には、制御ユニットは、サンプリングユニットに接続されており、制御ユニットは、サンプリングユニットによって収集された電気パラメータに基づいて、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。
【0087】
図12を参照されたい。図12は、本出願の一実施例によって提供される、図11のステップS312の実現方法の概略フローチャートの一例である。ステップS312は、具体的には、ステップS313~ステップS315を含む。
ステップS313では、電気パラメータと初期電気パラメータの第1差値を取得する。
【0088】
初期電気パラメータは、エアロゾル生成製品によって電気的に導通していないときの第1導体と第2導体との間の電気パラメータである。具体的には、電子霧化装置にエアロゾル生成製品が挿入されていない場合、間隔のために第1導体と第2導体との間に電気信号回路を形成することができない。このとき、サンプリングユニットは、第1導体と第2導体との間の電気パラメータを初期電気パラメータとしてマークする。
【0089】
さらに、サンプリングユニットは、収集し得た初期電気パラメータ、及び電気的に導通した後の第1導体と第2導体の電気パラメータを、制御ユニットに送信する。制御ユニットは、サンプリングユニットによって収集された初期電気パラメータと、電気的に導通した後の第1導体と第2導体の電気パラメータとを比較して、アルゴリズムによるフィルタリングによって両者間の第1差値を得る。
【0090】
ステップS314では、第1差値とプリセット閾値を比較して第2差値を得る。
【0091】
具体的には、制御ユニットは、上記の第1差値と制御ユニットに予め記憶されたプリセット閾値との大きさを再判断して、第2差値を得る。
【0092】
ステップS315では、第2差値に基づいて、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。
【0093】
具体的には、第2差値に基づいて、テーブルルックアップ法又は計算によって、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得する。テーブルルックアップ法によって第2差値が対応するエアロゾル生成製品10の液体含有量は、実験テストによって得られ、且つ予め制御ユニットに記憶される。
【0094】
図13を参照されたい。図13は、本出願の一実施例によって提供される、図10のステップS32の実現方法の概略フローチャートの一例である。ステップS32は、具体的には、ステップS321~ステップS322を含む。
【0095】
ステップS321では、予め記憶されたプリセット加熱曲線の集合から、エアロゾル生成製品の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を選択する。
【0096】
プリセット加熱曲線の集合の異なるプリセット加熱曲線は、エアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度が異なる。具体的には、制御ユニットには、エアロゾル生成製品の異なる液体含有量に対応するプリセット加熱曲線の集合が予め記憶された。また、プリセット加熱曲線の集合は、加熱素子によってエアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度が異なる。制御ユニットは、予め記憶されたプリセット加熱曲線の集合から、現在のエアロゾル生成製品の液体含有量とマッチングするプリセット加熱曲線を選択して、該エアロゾル生成製品を加熱することができる。
【0097】
ステップS322では、プリセット加熱曲線は、加熱素子を制御してエアロゾル生成製品に対する予熱時間を増減する。
【0098】
例えば、エアロゾル生成製品の液体含有量が0である場合、電子霧化装置がエアロゾル生成製品を予熱する時間は20秒であり、予熱温度は250摂氏度であり、制御ユニットが取得した加熱曲線は標準加熱曲線である。エアロゾル生成製品の液体含有量が比較的高い場合、制御ユニットが取得したプリセット加熱曲線は、標準加熱曲線と比較して、エアロゾル生成製品に対する予熱時間がより長く、例えば23秒、25秒等である。あるいは、エアロゾル生成製品に対する予熱温度がより高く、例えば255摂氏度、260摂氏度などである。あるいは、両者は混合の方式を採用し、エアロゾル生成製品に対する予熱温度と予熱時間を増加して、エアロゾル生成製品の予熱温度を目標温度に達させる。
【0099】
当然のことながら、標準加熱曲線は、エアロゾル生成製品の液体含有量がある値である加熱曲線であってもよい。エアロゾル生成製品の液体含有量がこの値未満である場合、制御ユニットは、標準加熱曲線と比較して、エアロゾル生成製品に対する予熱時間がより短く又は予熱温度がより低い加熱曲線を取得することができる。
【0100】
別の実施形態では、上記のステップS321~S322とは異なり、ステップS32は、エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、予め記憶されたプリセット加熱曲線に対して補償を行って、プリセット加熱曲線のエアロゾル生成製品を予熱する時間及び/又は温度を変更することを含む。
【0101】
具体的には、制御ユニットには、あるプリセット加熱曲線が記憶されている。このプリセット加熱曲線は、エアロゾル生成製品の液体含有量のある値に対応する。制御ユニットは、エアロゾル生成製品の液体含有量を取得した後、プリセット加熱曲線に対して論理計算処理を行い、補償された加熱曲線を取得し出力して、エアロゾル生成製品に対する予熱時間又は予熱温度を増減する。それにより、エアロゾル生成製品をプリセット温度に加熱することができる。制御ユニットは、加熱曲線を出力する前に、プリセット加熱曲線に対する補償を完了する。
【0102】
本出願によって提供される電子霧化装置の加熱方法は、エアロゾル生成製品の液体含有量に基づいて、加熱素子に異なる加熱曲線を出力して、エアロゾル生成製品に対する予熱時間及び/又は予熱温度を増減することができ、それにより、エアロゾル生成製品をプリセット温度に加熱することができ、ユーザ体験を向上させる。
【0103】
以上は本願に係る実施形態に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。本願の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フローの変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に実施することは、いずれも同じ理由により本願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13