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特許7551735口腔内歯科放射線システムのための測定及びデータ通信デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】口腔内歯科放射線システムのための測定及びデータ通信デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/51 20240101AFI20240909BHJP
   A61B 6/06 20060101ALI20240909BHJP
   A61B 6/08 20060101ALI20240909BHJP
   A61B 6/42 20240101ALI20240909BHJP
【FI】
A61B6/51 501
A61B6/06 510
A61B6/08 510
A61B6/42 500X
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022508864
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 EP2020072666
(87)【国際公開番号】W WO2021028497
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】19000371.5
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】シュルゼ-ガンジリン、ウルリッヒ
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-508617(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0188065(US,A1)
【文献】特開2017-225592(JP,A)
【文献】特開昭63-115539(JP,A)
【文献】特開2006-320717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
H05G 1/00 - 1/70
G21K 1/00 - 7/00
H01J 35/00 -35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内歯科放射線システム(100)において使用するための、又はそれと共に使用するための測定及びデータ通信デバイス(10)であって、前記口腔内歯科放射線システム(100)は、
少なくともX線照射データを取り出すための第1の通信手段(21)と、少なくとも前記取り出されたデータを処理するための処理手段(22)とを有するX線データ管理ユニット(20)と、
患者の顎の少なくとも一部をX線で照射するためのX線源(31)を有する口腔内X線発生ユニット(30)と、
前記患者の顎の少なくとも一部のX線画像データを取得するための第1のX線センサ(41)を有する口腔内X線取得ユニット(40)と、を備え、
前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、
前記患者の少なくとも一部を照射するために使用される前記X線に関連する特徴を測定するための測定ユニット(11)であって、前記X線源(31)と前記患者との間に配置される測定ユニット(11)と、
前記測定された特徴を含む前記X線照射データを前記X線データ管理ユニット(20)に送信するための第2の通信手段(12)と、を備え、
前記測定ユニット(11)は、X線照射の期間、前記X線の強度、及び/又は前記X線のビーム特性を測定するための第2のX線センサ(11e)を備え、前記X線照射データは、前記X線照射の期間、前記X線の強度、及び/又は前記X線のビーム特性に関する情報をさらに含むことを特徴とする、測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項2】
前記口腔内X線発生ユニット(30)は、前記X線源(31)を含む管ヘッド(32)を有し、前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能であることを特徴とする、請求項1に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項3】
前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記測定ユニット(11)と前記第2の通信手段(12)を含む延長管(14)を有し、前記延長管(14)は、前記管ヘッド(32)の長さを延長するために前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付けることができ、前記X線照射データは、前記延長管(14)の有無又はタイプにも関する情報を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項4】
前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記測定ユニット(11)と前記第2の通信手段(12)を含む挿入管(13)を有し、前記挿入管(13)は、前記管ヘッド(32)の長さを延長することなく前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付けることができ、前記X線照射データは、前記挿入管(13)の有無又はタイプにも関する情報をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項5】
前記口腔内X線発生ユニット(30)は、前記管ヘッド(32)の長さを延長するために前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能な追加の延長管(33)を有し、前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記延長管(14)も前記管ヘッド(32)に取り付けられた状態で、前記追加の延長管(33)が前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能であることを特徴とする、請求項3に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項6】
前記口腔内X線発生ユニット(30)は、前記管ヘッド(32)の長さを延長するために前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能な追加の延長管(33)を有し、前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記挿入管(13)も前記管ヘッド(32)に取り付けられた状態で、前記追加の延長管(33)が前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能であることを特徴とする、請求項4に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項7】
前記測定ユニット(11)は、前記追加の延長管(33)の有無又はタイプも識別するための延長管識別子(11a)を有し、前記X線照射データは、前記追加の延長管(33)の有無又はタイプにも関する情報をさらに含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項8】
X線照射野を前記第1のX線センサ(41)のサイズに制限するためのユーザ交換可能なコリメータ(15)をさらに備え、前記測定ユニット(11)は、前記コリメータ(15)の有無又はタイプも識別するためのコリメータ識別子(11b)を備え、前記コリメータ(15)のタイプは少なくともそのサイズを示し、前記X線照射データは、前記コリメータ(15)の有無又はタイプにも関する情報をさらに含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項9】
前記口腔内X線取得ユニット(40)は、前記第1のX線センサ(41)を保持するためのセンサホルダ(43)と、前記管ヘッド(32)を位置決めするためのリング(44)とを有し、前記測定ユニット(11)は、前記リング(44)又は前記患者までの前記X線源(31)の距離を測定するための距離測定手段(11c)を備え、前記X線照射データは、前記測定された距離に関する情報をさらに含むことを特徴とする、請求項2に従属する請求項からのいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項10】
前記測定ユニット(11)は、水平面に対する前記X線源(31)の位置及び前記X線の照射野の中心ビームの位置合わせを決定するための位置及び位置合わせ測定手段(11d)を備え、前記X線照射データは、前記決定された位置及び位置合わせに関する情報を更に含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項11】
運動を感知すると電力の供給を起動するための運動センサを有する電力供給手段(16)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
【請求項12】
口腔内歯科放射線システム(100)であって、
患者の顎の少なくとも一部をX線で照射するためのX線源(31)を有する口腔内X線発生ユニット(30)と、
前記患者の顎の少なくとも一部のX線画像データを取得するための第1のX線センサ(41)を有する口腔内X線取得ユニット(40)と、を含み、
請求項1から11のいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイスと、
前記測定及びデータ通信デバイス(10)によって送信された前記X線照射データを取り出すように適合された第1の通信手段(21)、及び前記取り出されたデータを処理するように適合された処理手段(22)を備えるX線データ管理ユニット(20)と、をさらに備えることを特徴とする、口腔内歯科放射線システム(100)。
【請求項13】
前記第1の通信手段(21)及び前記第2の通信手段(12)は、ワイヤレス通信に適合されることを特徴とする、請求項12に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
【請求項14】
前記X線データ管理ユニット(20)の前記第1の通信手段(21)は、前記X線画像データを取り出すようにさらに適合され、前記口腔内X線取得ユニット(40)は、前記X線画像データを前記X線データ管理ユニット(20)に送信するための第3の通信手段(42)を有することを特徴とする、請求項12又は13に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
【請求項15】
前記口腔内X線発生ユニット(30)は、第4の通信手段(34)を有し、前記処理手段(22)は、前記X線照射データに基づいて前記口腔内X線発生ユニット(30)を制御するようにさらに適合されることを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
【請求項16】
前記処理手段(22)は、前記X線照射データに基づいて、前記口腔内X線発生ユニット(30)の前記X線源(31)のX線照射期間、管電圧及び/又は管電流を制御するように更に適合されることを特徴とする、請求項15に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
【請求項17】
識別されたコリメータ(15)が前記第1のX線センサ(41)に適していない場合、又は決定された位置及び位置合わせ、若しくは前記測定された距離が標的領域に適していない場合に、前記処理手段(22)は、前記口腔内X線発生ユニット(30)によるX線照射の放出を阻止するように更に適合されることを特徴とする、請求項15又は16に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
【請求項18】
前記処理手段(22)が、前記X線照射データに基づいて面積線量を評価するようにさらに適合されることを特徴とする、請求項12から17のいずれか一項に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
【請求項19】
前記X線データ管理ユニット(20)は、前記取得されたX線画像データ、前記X線照射データ、患者情報、及び/又は前記X線照射データに基づいて評価された他の情報を記録するように適合されたデータ記憶手段(23)を備えることを特徴とする、請求項12から18のいずれか一項に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に放射線システムに関する。本発明は、より詳細には、口腔内歯科放射線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、口腔内歯科放射線システムは、口腔内X線発生ユニットと、口腔内X線取得ユニットと、X線データ管理ユニットとを備える。口腔内X線発生ユニットは、患者の顎の少なくとも一部をX線で照射するためのX線源を有する。口腔内X線取得ユニットは、患者の顎の少なくとも一部のX線画像データを取得するためのX線センサを有する。様々なX線センサテクノロジーが利用可能である。X線センサは、フィルム又は蛍光体プレートなどのデジタルセンサ又はアナログセンサであってもよい。一般に、アナログセンサをスキャンしてX線画像をデジタル化するためにデジタルスキャナが使用される。X線センサは、通常、患者の口の中に配置することができるセンサホルダを通して保持される。センサホルダはまた、X線発生ユニットの管ヘッドをX線センサと位置合わせするためのリングを有する。管ヘッドは、X線源を含む。口腔内歯科放射線学の分野では、ユーザが交換可能なコリメータが、X線照射野を制限するために口腔内X線発生ユニットの管ヘッドに任意選択で取り付けられる。これらのコリメータは、使用可能なX線照射野のサイズが異なり、X線センサのサイズに適合される。これは、X線センサによって受け取られないX線への患者の不必要な照射を回避し、それによって患者の線量を低減する。口腔内歯科放射線学の分野では、例えば20cm(8インチ)から30cm(12インチ)のユーザ交換可能な追加の延長管が、管ヘッドの長さを延長するために管ヘッドに任意選択で取り付けられる。線源-センサ間距離が大きいほど、X線撮像の幾何学的態様を改善することができるが、その代わりに、面積線量は距離の二乗分の一に減少する。
【0003】
品質管理目的のために任意選択的に使用されるX線制御ブックに入力するために、デフォルト値を使用して、X線照射の期間、X線照射野の強度、X線照射野のビーム特性、コリメータのタイプ、追加の延長管のタイプ、センサ-線源距離/位置合わせ、及び面積線量などのX線照射データを決定する。
【0004】
従来技術の問題は、市場に出ている口腔内歯科放射線システムがそのようなX線照射データを直接認識しないので、ユーザによって入力されたデフォルトX線照射データが実際のX線照射データに常に対応するとは限らないことである。
【0005】
US2006188065A1は、従来技術による口腔内歯科放射線システムを開示している。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の欠点を容易かつ費用効果の高い方法で克服し、口腔内歯科放射線システムにおいて又はそれと共に使用するための測定及びデータ通信デバイスを提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1に規定された測定及びデータ通信デバイス、並びに請求項12に規定された口腔内歯科放射線システムを通して達成される。従属請求項は、有利な発展に関連する。
【0008】
本発明は、口腔内歯科放射線システムにおいて又はそれと共に使用するための測定及びデータ通信デバイスを提供する。口腔内歯科放射線システムは、少なくともX線照射データを取り出すための通信手段(以下、第1の通信手段)と、少なくとも取り出されたデータを処理するための処理手段とを有するX線データ管理ユニットと、患者の顎の少なくとも一部をX線で照射するためのX線源を有する口腔内X線発生ユニットと、患者の顎の少なくとも一部のX線画像データを取得するためのX線センサ(以下、第1のX線センサ)を有する口腔内X線取得ユニットとを備える。測定及びデータ通信デバイスは、患者の顎の少なくとも一部を照射するために使用されるX線に関連する特徴を測定するための測定ユニットと、ここで、測定ユニットは、X線源と患者の顎の前記少なくとも一部との間に配置され、測定された特徴を含むX線照射データをX線データ管理ユニットに送信するための通信手段(以下、第2の通信手段)とを備える。
【0009】
本発明の主な有利な効果は、X線照射データが測定を通じて正確に決定され、測定及び通信デバイスを通じてX線データ管理ユニットに容易に送信することができることである。これにより、口腔内歯科放射線システムをより安全に動作することができる。本発明の別の主要な有利な効果は、既存の口腔内歯科放射線システムに測定及び通信デバイスを装備して、これらの利点から利益を得ることができることである。
【0010】
本発明の実施形態によれば、口腔内X線発生ユニットは、X線源を含む管ヘッドを有することが好ましい。そして、測定及び通信デバイスは、好ましくは、管ヘッドに取り外し可能に取り付け可能である。これにより、既存の口腔内歯科放射線システムに測定及び通信デバイスを容易に組み込むことができ、したがって、X線照射データを生成し、X線データ管理ユニットに送信して、患者の治療の詳細なログを保持し、及び/又は患者の照射を制御することができる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、測定及び通信デバイスは、好ましくは、測定ユニット及び第2の通信手段を収容するハウジングとして挿入管を有する。そして、管ヘッドの長さを長くすることなく、挿入管を管ヘッドに取り外し可能に取り付けることができる。この実施形態では、第2の通信手段によって送信されるX線照射データは、挿入管の有無、又はタイプにも関する情報も含むことが好ましい。
【0012】
本発明の実施形態によれば、口腔内X線発生ユニットは、好ましくは、管ヘッドの長さを延長するために管ヘッドに取り外し可能に取り付け可能である追加の延長管を有する。上述の挿入管は、好ましくは、この追加の延長管と共に使用可能である。追加の延長管は、挿入管が管ヘッドに既に取り付けられた状態で、管ヘッドに取り外し可能に取り付け可能である。この実施形態では、測定ユニットは、追加の延長管の有無又はタイプも識別するための延長管識別子を有することが好ましい。この実施形態では、第2の通信手段によって送信される照射データは、好ましくは、追加の延長管の有無又はタイプ、すなわち追加の延長管の長さに関する情報を含む。延長管識別子は、追加の延長管上の刻み目及び/又は突起などの機械的特徴を識別するための電気機械的又は光学機械的手段を有してもよい。
【0013】
本発明の代替実施形態によれば、測定及び通信デバイスは、好ましくは、挿入管の代わりに、ハウジングとして延長管を備える。延長管は、測定ユニット及び第2の通信手段を収容する。そして、延長管は、管ヘッドの長さを延長するために管ヘッドに取り外し可能に取り付けることができる。それにより、線源-センサ距離を任意選択的に増加させることができ、X線撮像の幾何学的態様をさらに改善することができる。この代替実施形態では、第2の通信手段によって送信されるX線照射データは、延長管の有無、又はタイプ、すなわち延長管の長さにも関する情報を含む。
【0014】
本発明の実施形態によれば、測定及び通信デバイスは、好ましくは、X線照射野を第1のX線センサのサイズに選択的に制限するための1つ以上のユーザ交換可能なコリメータを有する。それによって、X線センサによって受信されないX線への患者の不必要な照射を、可能な限り回避又は低減することができる。測定ユニットは、好ましくは、コリメータの有無又はタイプも識別するためのコリメータ識別子を有する。コリメータのタイプは、少なくともそのサイズを示す。コリメータ開口の対角線は、典型的には、第1のX線センサのアクティブエリアの対角線よりも約10mm大きい。この実施形態では、第2の通信手段によって送信される照射データは、コリメータの有無、又はタイプにも関する情報を含む。それにより、コリメータが第1のX線センサに適していない場合には、X線照射の放出を任意選択的に阻止することができる。ユーザは、警告信号を通して誤ったコリメータについて通知されてもよい。この警告信号は、音響手段、又はLEDなどの光学手段を含むユーザインターフェースを通して生成されてもよい。管ヘッドの不必要な負荷を避けるために、コリメータは好ましくは非常に軽量(<200g)である。測定及び通信デバイスはまた、可動アーム上に配置された管ヘッドの容易な操作を可能にするために、可能な限り軽量に製造される。
【0015】
本発明の実施形態によれば、口腔内X線取得ユニットは、好ましくは、第1のX線センサを保持するためのセンサホルダと、管ヘッドを位置決めするためのリングとを有する。リングはまた、上述のように、挿入管、延長管、又は追加の延長管を位置合わせするために使用されてもよい。測定及び通信デバイスは、好ましくは、位置合わせを容易にするためにリングの中心の周りで回転可能である。リングは、管ヘッド、管ヘッドの追加の延長管、又は測定及び通信デバイスのうちの1つの上の、対応する形状適合部材と形状適合係合するための形状適合部材を有してもよい。形状適合部材は、円形又は矩形であってもよい。他の形状を代替的に使用してもよい。測定ユニットは、リング又は患者までのX線源の距離を測定するための距離測定手段を有することが好ましい。この実施形態では、第2の通信手段によって送信されるX線照射データは、測定された距離に関する情報を含む。距離測定は、超音波トランシーバ又は赤外線トランシーバを用いて音響的又は光学的に行うことができる。距離が患者の標的領域に適していない場合、X線照射の放出を任意選択で抑制することができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、測定ユニットは、水平面に対するX線源の位置及びX線照射野の中心ビームの位置合わせを決定するための位置及び位置合わせ測定手段を有することが好ましい。この実施形態では、第2の通信手段によって送信されるX線照射データは、決定された位置及び位置合わせに関する情報を含む。これにより、X線に照射される患者の標的領域を、顎の左、中央、又は右の部分、並びに顎の上又は下の部分として、制御ブックに登録することが可能になる。決定された位置又は位置合わせが患者の標的領域に適していない場合、X線照射の放出は、任意選択で抑制することができる。ユーザは、ユーザインターフェースを通して警告信号によってずれを通知されてもよい。位置及び位置合わせの決定は、例えば、ホール角度センサ、ジャイロスコープ又はコンパスセンサを通して行うことができる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、測定及びデータ通信デバイスは、好ましくは、運動を感知すると電力の供給を起動するための運動センサを有する別個の電力供給手段を有する。例えば、挿入管/延長管が管ヘッドに取り付けられるか、又は位置合わせのために管ヘッドと一緒に移動されるとき、電源が起動されてもよい。エネルギーを節約するために、電力の供給は、予め定められた期間の経過後に、又は照射が終了したときに第1の通信手段を介してX線データ管理ユニットを通じて、停止されてもよい。デバイスはまた、ユーザ制御パネルを有してもよい。電力供給手段は、主電源コード又は1つ以上のバッテリー、好ましくは充電式バッテリーを含んでもよい。これらのバッテリーは、測定及びデータ通信デバイスから取り外す必要なく、外部充電ユニットで再充電することができる。外部充電ユニットとバッテリーとの間のエネルギー伝達は、可撓性ケーブル、電気ピン接触、及び/又は誘導手段などのワイヤレス手段を通して実現することができる。外部充電ユニットは、携帯可能であってもよいし、表面、好ましくは実際には壁面に設置可能であってもよい。管ヘッドは、測定及び通信デバイスと共に外部充電ユニットに対して相対的に移動することができる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、測定ユニットは、好ましくは、X線照射の期間、X線の強度、及び/又はX線管電圧/電流などのX線のビーム特性を感知するためのX線センサ(以下、第2のX線センサ)を有する。この実施形態では、第2の通信手段によって送信される照射データは、好ましくは、X線照射の期間、X線の強度、及び/又はX線のビーム特性に関する情報を含む。第2のX線センサは、患者の標的エリアを照射するX線を遮らない位置に配置される。
【0019】
本発明はまた、口腔内歯科放射線システムを提供し、システムは、患者の顎の少なくとも一部をX線で照射するためのX線源を有する口腔内X線発生ユニットと、患者の顎の少なくとも一部のX線画像データを取得するための第1のX線センサを有する口腔内X線取得ユニットと、測定及びデータ通信デバイスと、測定及びデータ通信デバイスによって送信された照射データを取り出すように適合された第1の通信手段、及び取り出されたデータを処理するように適合された処理手段を備えるX線データ管理ユニット(20)とを備えている。
【0020】
本発明の実施形態によれば、X線データ管理ユニットの第1の通信手段は、好ましくは、X線照射データに加えて、第1のX線センサから読み取られたX線画像データを取り出す。口腔内X線取得ユニットは、X線画像データをX線データ管理ユニットに送信する通信手段(以下、第3の通信手段)を有する。第1のX線センサがデジタルセンサである場合、X線画像データは読み取り手段を通して読み取られ、送信される。第1のX線センサがアナログセンサである場合、X線画像は、デジタルスキャン手段を通してスキャンされてデジタル化され、送信される。
【0021】
本発明の実施形態によれば、口腔内X線発生ユニットは、通信手段(以下、第4の通信手段)を有することが好ましい。X線管理ユニットの処理手段は、好ましくは、第4の通信手段を介してX線照射データに基づいて口腔内X線発生ユニットを制御するように更に適合される。これにより、口腔内X線発生ユニットをより安全に動作することができる。例えば、処理手段は、好ましくは、X線照射データに基づいてX線源の照射期間、管電圧及び/又は管電流を制御するように更に適合される。これにより、患者をより安全に扱うことができる。例えば、識別されたコリメータが第1のX線センサに適していない場合、又は管ヘッドの決定された位置及び位置合わせ、又は患者の測定された距離が標的領域に適していない場合、処理手段は、好ましくは、口腔内X線発生ユニットによるX線照射の放出を阻止するように更に適合される。加えて、ユーザは、そのような異常について音響的及び/又は光学的に知らされてもよい。
【0022】
本発明の実施形態によれば、X線データ管理ユニットは、好ましくは、X線照射データに基づいて面積線量又は任意の他の情報を評価するように適合される。
【0023】
本発明の実施形態によれば、X線データ管理ユニットは、好ましくは、データ記憶手段を有する。X線データ管理ユニットは、好ましくは、取得されたX線画像データ、X線照射データ、患者情報及び/又はX線照射データに基づいて評価された他の情報をデータ記憶手段に記録するように更に適合される。
【0024】
本発明の実施形態によれば、第1から第4の通信手段は、好ましくはワイヤレス通信に適合される。あるいは、第1から第4の通信手段のいずれか1つにワイヤード通信を使用することが好ましい。あるいは、第1の通信手段と第2の通信手段との間の通信は、第3の通信手段又は第4の通信手段のいずれかを介して間接的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の説明では、例示的な実施形態を使用し、図面を参照することによって、本発明のさらなる態様及び有利な効果をより詳細に説明する。
図1図1は、それぞれ口腔内歯科放射線システムの管ヘッドに取り付ける前の、測定及びデータ通信デバイスの第1の実施形態及び第2の実施形態の概略斜視図である。
図2図2は、口腔内歯科放射線システムの管ヘッドに取り付けられた後の図1の測定及びデータ通信デバイスの第1の実施形態の概略斜視図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態による測定及びデータ通信デバイスを組み込んだ口腔内歯科放射線システムの概略ブロック図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態による測定及びデータ通信デバイスが組み込まれた口腔内歯科放射線システムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面に示される参照番号は、以下に列挙される要素を示し、例示的な実施形態の以下の説明において参照される。
10.測定及びデータ通信デバイス
11.測定ユニット
11a.延長管識別子
11bコリメータ識別子
11c.距離測定手段
11d.位置及び位置合わせ測定手段
11e.第2のX線センサ
12.第2の通信手段
13.挿入管
14.延長管
15.コリメータ
16.電力供給手段
20.X線データ管理ユニット
21.第1の通信手段
22.処理手段
23.データ記憶手段
30.口腔内X線発生ユニット
31.X線源
32.管ヘッド
33.追加の延長管
34.第4の通信手段
40.口腔内X線取得ユニット
41.第1のX線センサ
42.第3の通信手段
43.センサホルダ
44.リング
100.口腔内歯科放射線システム
【0027】
図3は、第1の実施形態による口腔内歯科放射線システム(100)のブロックダイヤグラムを図示する。口腔内歯科放射線システム(100)は、測定及びデータ通信デバイス(10)と、X線データ管理ユニット(20)と、口腔内X線発生ユニット(30)と、口腔内X線取得ユニット(40)とを有する。測定及びデータ通信デバイス(10)は、口腔内X線発生ユニット(30)と口腔内X線取得ユニット(40)との間に配置された測定ユニット(11)を有する。口腔内X線発生ユニット(30)は、患者の顎の少なくとも一部をX線で照射するためのX線源(31)を有する。口腔内X線取得ユニット(40)は、患者の顎の少なくとも一部のX線画像データを取得するための第1のX線センサ(41)を有する。測定ユニット(11)は、具体的には、X線源(31)と患者との間に配置される。測定ユニット(11)は、患者の少なくとも一部を照射するために使用されるX線に関連する特徴を測定するように適合される。X線データ管理ユニット(20)並びに測定及びデータ通信デバイス(10)は、相互通信のための第1の通信手段(21)及び第2の通信手段(12)をそれぞれ有する。第1の通信手段(21)及び第2の通信手段(12)は、ワイヤレス通信に適合される。第2の通信手段(12)は、測定された特徴を含むX線照射データをX線データ管理ユニット(20)に送信するように適合される。X線データ管理ユニット(20)の第1の通信手段(21)は、少なくともX線照射データを取り出すように適合される。X線データ管理ユニット(20)は、X線照射データのような少なくとも取り出されたデータを処理するための処理手段(22)を有する。口腔内歯科放射線システム(100)は、処理手段(22)によって少なくとも部分的に制御される。口腔内X線取得ユニット(40)は、第1のX線センサ(41)からのX線画像データをX線データ管理ユニット(20)に送信するための第3の通信手段(42)を有する。X線データ管理ユニット(20)の第1の通信手段(21)は、X線画像データを取り出すようにさらに適合される。X線データ管理ユニット(20)は、取り出されたX線画像データ、X線照射データ、患者情報、及び/又はX線照射データに基づいて処理手段(22)を通して評価された面積線量などの他の情報を記録するように適合されたデータ記憶手段(23)を有する。口腔内X線発生ユニット(30)は、第4の通信手段(34)を有する。処理手段(22)は、第4の通信手段(34)を通してX線照射データに基づいて口腔内X線発生ユニット(30)を制御するように更に適合される。処理手段(22)は、照射データに基づいて、口腔内X線発生ユニット(30)のX線源(31)のX線照射期間、X線管電圧及び/又はX線管電流を制御するように更に適合される。処理手段(22)は、X線照射データを通じて何らかの異常が識別された場合に、口腔内X線発生ユニット(30)によるX線照射の放出を阻止するように更に適合される。潜在的な異常については後述する。図2は、口腔内歯科放射線システム(100)、特に第1の実施形態による口腔内X線発生ユニット(30)の部分斜視図である。口腔内X線発生ユニット(30)は、その上部から可動アーム(図示せず)に接続可能である。口腔内X線発生ユニット(30)は、X線源(31)を含む管ヘッド(32)を有する。測定及び通信デバイス(10)は、好ましくは管ヘッド(32)への完全な挿入を通して、管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能である。図2は、管ヘッド(32)に取り付けられた後の、測定及びデータ通信デバイス(10)を図示する。図1は、下側及び上側の破線に沿ってそれぞれ配置された測定及び通信デバイス(10)の第1の実施形態及び代替的な第2の実施形態の部分斜視図を示し、これらは両方とも管ヘッド(32)から取り外された状態で示されている。図1に示すように、第1実施形態に係る測定及びデータ通信デバイス(10)は、測定ユニット(11)及び第2通信手段(12)を収容する挿入管(13)を有している。図1及び図2に示すように、挿入管(13)は、管ヘッド(32)の長さを延長することなく、管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付けられ、具体的には挿入されることができる。第1の通信手段(21)に送信されるX線照射データは、挿入管(13)の有無又はタイプに関する情報を含む。図1に示すように、第1の実施形態による口腔内X線発生ユニット(30)は、管ヘッド(32)の長さを延長するために管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能であることができる追加の延長管(33)を有する。追加の延長管(33)は、挿入管(13)が管ヘッド(32)に既に取り付けられた状態で、管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能である。あるいは、挿入管(13)は、追加の延長管(33)が管ヘッド(32)の小径部を通して既に取り付けられている状態で、追加の延長管(33)の大径部に完全に挿入することによって、追加の延長管(33)に取り付けることができる。図3に示すように、測定ユニット(11)は、追加の延長管(33)の有無又はタイプを識別するための延長管識別子(11a)を有する。第1の通信手段(21)に送信されるX線照射データは、追加の延長管(33)の有無又はタイプに関する情報を含む。図1に示すように、第1の実施形態による測定及びデータ通信デバイス(10)は、X線照射野を第1のX線センサ(41)のサイズに制限するためのユーザ交換可能なコリメータ(15)を有する。図3に示すように、測定ユニット(11)は、コリメータ(15)の有無又はタイプを識別するためのコリメータ識別子(11b)を有する。コリメータ(15)のタイプは、少なくともそのサイズを示す。処理手段(22)は、識別されたコリメータ(15)が第1のX線センサ(41)に適していない場合、口腔内X線発生ユニット(30)によるX線照射の放出を阻止するようにさらに適合される。第1の通信手段(21)に送信されるX線照射データは、コリメータ(15)の存在/不在又はタイプに関する情報を含む。これにより、X線照射データは、コリメータ(15)に関する前述の異常を含む。図1に示すように、口腔内X線取得ユニット(40)は、第1のX線センサ(41)を保持するためのセンサホルダ(43)と、管ヘッド(32)を位置決めするためのリング(44)とを有する。図3に示すように、測定ユニット(11)は、リング(44)又は患者までのX線源(31)の距離を測定するための距離測定手段(11c)を有する。第1の通信手段(21)に送信される照射データは、測定された距離に関する情報を含む。距離が患者の標的領域に適していない場合、X線照射の放出を任意選択で抑制することができる。図3に示すように、測定ユニット(11)は、X線源(31)の位置及び水平面に対するX線照射野の中心ビームの位置合わせを決定するための位置及び位置合わせ測定手段(11d)を備える。位置合わせは、方位角及び極角を含む。第1の通信手段(21)に送信されるX線照射データは、決定された位置及び位置合わせに関する情報を含む。処理手段(22)は、決定された位置及び位置合わせが標的領域に適していない場合、口腔内X線発生ユニット(30)によるX線照射の放出を阻止するように適合される。これにより、X線照射データには、上述した位置及び位置合わせに関する異常が含まれる。図3に示すように、測定及びデータ通信デバイス(10)は、任意の運動を感知すると電力の供給を起動するための運動センサを有する電力供給手段(16)を有する。図3に示すように、測定ユニット(11)は、X線照射の期間、X線の強度、及び/又はX線のビーム特性を測定するための第2のX線センサ(11e)を有する。第1の通信手段(21)に送信されるX線照射データは、X線照射の期間、X線の強度、及び/又はX線のビーム特性に関する情報を含む。X線照射データを送信するための第1の通信手段(21)と第2の通信手段(12)との間の通信は、第3の通信手段(42)及び/又は第4の通信手段(34)を介して間接的に実現されてもよいことも考えられる。
【0028】
図4は、第2の実施形態に従う口腔内歯科放射線システム(100)のブロックダイヤグラムを図示する。図4の口腔内歯科放射線システム(100)は、測定及び通信デバイス(10)が挿入管(13)の代わりに延長管(14)を代替的に有するという点でのみ図3のものと異なる。第1実施形態と同様に、延長管(14)は、測定ユニット(11)と第2の通信手段(12)を収容する。延長管(14)は、管ヘッド(32)の長さを延長するために管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付けられることができる。延長管(14)は、追加の延長管(33)を介して管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付けられてもよい。延長管(14)と共に使用されるコリメータ(15)は、好ましくは矩形形状である。あるいは、円形のコリメータ(15)を使用してもよい。延長管(14)の前端は矩形形状である。あるいは、挿入管(13)として丸い形状を有していてもよい。第1の通信手段(21)に送信されるX線照射データは、延長管(14)の有無又はタイプに関する情報を含む。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 口腔内歯科放射線システム(100)において使用するための、又はそれと共に使用するための測定及びデータ通信デバイス(10)であって、前記口腔内歯科放射線システム(100)は、
少なくともX線照射データを取り出すための第1の通信手段(21)と、少なくとも前記取り出されたデータを処理するための処理手段(22)とを有するX線データ管理ユニット(20)と、
患者の顎の少なくとも一部をX線で照射するためのX線源(31)を有する口腔内X線発生ユニット(30)と、
前記患者の顎の少なくとも一部のX線画像データを取得するための第1のX線センサ(41)を有する口腔内X線取得ユニット(40)と、を備え、
前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、
前記患者の少なくとも一部を照射するために使用される前記X線に関連する特徴を測定するための測定ユニット(11)であって、前記X線源(31)と前記患者との間に配置される測定ユニット(11)と、
前記測定された特徴を含む前記X線照射データを前記X線データ管理ユニット(20)に送信するための第2の通信手段(12)と、を備えることを特徴とする、測定及びデータ通信デバイス(10)。
[2] 前記口腔内X線発生ユニット(30)は、前記X線源(31)を含む管ヘッド(32)を有し、前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能であることを特徴とする、[1]に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[3] 前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記測定ユニット(11)と前記第2の通信手段(12)を含む延長管(14)を有し、前記延長管(14)は、前記管ヘッド(32)の長さを延長するために前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付けることができ、前記X線照射データは、前記延長管(14)の有無又はタイプにも関する情報を更に含むことを特徴とする、[2]に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[4] 前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記測定ユニット(11)と前記第2の通信手段(12)を含む挿入管(13)を有し、前記挿入管(13)は、前記管ヘッド(32)の長さを延長することなく前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付けることができ、前記X線照射データは、前記挿入管(13)の有無又はタイプにも関する情報をさらに含むことを特徴とする、[2]に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[5] 前記口腔内X線発生ユニット(30)は、前記管ヘッド(32)の長さを延長するために前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能な追加の延長管(33)を有し、前記測定及びデータ通信デバイス(10)は、前記挿入管(13)又は前記延長管(14)も前記管ヘッド(32)に取り付けられた状態で、前記追加の延長管(33)が前記管ヘッド(32)に取り外し可能に取り付け可能であることを特徴とする、[3]又は[4]に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[6] 前記測定ユニット(11)は、前記追加の延長管(33)の有無又はタイプも識別するための延長管識別子(11a)を有し、前記X線照射データは、前記追加の延長管(33)の有無又はタイプにも関する情報をさらに含むことを特徴とする、[5]に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[7] X線照射野を前記第1のX線センサ(41)のサイズに制限するためのユーザ交換可能なコリメータ(15)をさらに備え、前記測定ユニット(11)は、前記コリメータ(15)の有無又はタイプも識別するためのコリメータ識別子(11b)を備え、前記コリメータ(15)のタイプは少なくともそのサイズを示し、前記X線照射データは、前記コリメータ(15)の有無又はタイプにも関する情報をさらに含むことを特徴とする、[1]から[6]のいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[8] 前記口腔内X線取得ユニット(40)は、前記第1のX線センサ(41)を保持するためのセンサホルダ(43)と、前記管ヘッド(32)を位置決めするためのリング(44)とを有し、前記測定ユニット(11)は、前記リング(44)又は前記患者までの前記X線源(31)の距離を測定するための距離測定手段(11c)を備え、前記X線照射データは、前記測定された距離に関する情報をさらに含むことを特徴とする、[1]から[7]のいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[9] 前記測定ユニット(11)は、水平面に対する前記X線源(31)の位置及び前記X線の照射野の中心ビームの位置合わせを決定するための位置及び位置合わせ測定手段(11d)を備え、前記X線照射データは、前記決定された位置及び位置合わせに関する情報を更に含むことを特徴とする、[1]から[8]のいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[10] 運動を感知すると電力の供給を起動するための運動センサを有する電力供給手段(16)をさらに備えることを特徴とする、[1]から[9]のいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[11] 前記測定ユニット(11)は、X線照射の期間、前記X線の強度、及び/又は前記X線のビーム特性を測定するための第2のX線センサ(11e)を備え、前記X線照射データは、前記X線照射の期間、前記X線の強度、及び/又は前記X線のビーム特性に関する情報をさらに含むことを特徴とする、[1]から[10]のいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイス(10)。
[12] 口腔内歯科放射線システム(100)であって、
患者の顎の少なくとも一部をX線で照射するためのX線源(31)を有する口腔内X線発生ユニット(30)と、
前記患者の顎の少なくとも一部のX線画像データを取得するための第1のX線センサ(41)を有する口腔内X線取得ユニット(40)と、を含み、
[1]から[11]のいずれか一項に記載の測定及びデータ通信デバイスと、
前記測定及びデータ通信デバイス(10)によって送信された前記X線照射データを取り出すように適合された第1の通信手段(21)、及び前記取り出されたデータを処理するように適合された処理手段(22)を備えるX線データ管理ユニット(20)と、をさらに備えることを特徴とする、口腔内歯科放射線システム(100)。
[13] 前記第1の通信手段(21)及び前記第2の通信手段(12)は、ワイヤレス通信に適合されることを特徴とする、[12]に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
[14] 前記X線データ管理ユニット(20)の前記第1の通信手段(21)は、前記X線画像データを取り出すようにさらに適合され、前記口腔内X線取得ユニット(40)は、前記X線画像データを前記X線データ管理ユニット(20)に送信するための第3の通信手段(42)を有することを特徴とする、[12]又は[13]に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
[15] 前記口腔内X線発生ユニット(30)は、第4の通信手段(34)を有し、前記処理手段(22)は、前記X線照射データに基づいて前記口腔内X線発生ユニット(30)を制御するようにさらに適合されることを特徴とする、[12]から[14]のいずれか一項に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
[16] 前記処理手段(22)は、前記X線照射データに基づいて、前記口腔内X線発生ユニット(30)の前記X線源(31)のX線照射期間、管電圧及び/又は管電流を制御するように更に適合されることを特徴とする、[15]に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
[17] 識別されたコリメータ(15)が前記第1のX線センサ(41)に適していない場合、又は決定された位置及び位置合わせ、若しくは前記測定された距離が標的領域に適していない場合に、前記処理手段(22)は、前記口腔内X線発生ユニット(30)によるX線照射の放出を阻止するように更に適合されることを特徴とする、[15]又は[16]に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
[18] 前記処理手段(22)が、前記X線照射データに基づいて面積線量を評価するようにさらに適合されることを特徴とする、[12]から[17]のいずれか一項に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
[19] 前記X線データ管理ユニット(20)は、前記取得されたX線画像データ、前記X線照射データ、患者情報、及び/又は前記X線照射データに基づいて評価された他の情報を記録するように適合されたデータ記憶手段(23)を備えることを特徴とする、[12]から[18]のいずれか一項に記載の口腔内歯科放射線システム(100)。
図1
図2
図3
図4