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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】ロボット作業工具の改善された操作
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/00 20060101AFI20240909BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
A01D34/00 Z
A01B69/00 303Z
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2022511384
(86)(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 SE2020050792
(87)【国際公開番号】W WO2021034257
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】1950956-1
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】511234781
【氏名又は名称】フスクバルナ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ヨーナス ホルゲルソン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス リリェダール
(72)【発明者】
【氏名】ヨーナス ラングフェ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ペッテション
(72)【発明者】
【氏名】パトリック イェーゲンステット
(72)【発明者】
【氏名】マティアス カムフォーシュ
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許第03252554(EP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0255704(US,A1)
【文献】特開2019-121365(JP,A)
【文献】特許第6370899(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2019/0011919(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0230850(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0024549(US,A1)
【文献】特開2018-007615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00
G05D 1/43
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域(205)で動作するように配置された少なくとも一つのロボット作業工具(100)を備えるロボット作業工具システム(200)であって、前記ロボット作業工具(100)は、少なくとも一つのセンサ(170)及び通信インターフェース(115)を備え、前記ロボット作業工具(100)は、
前記通信インターフェース(115)を介してクラウドサービス(250)への接続を確立し、
前記少なくとも一つのセンサ(170)によって収集されたデータを受信し、前記収集されたデータを前記クラウドサービス(250)に送信して、前記収集されたデータを前記クラウドサービスに分析させ、
前記クラウドサービス(250)から動作データを受信し、
前記クラウドサービスから受信した前記動作データに基づいて、前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)を操作するように構成され
前記ロボット作業工具は、第1のロボット作業工具及び第2のロボット作業工具の性能に基づいて前記作業領域にサービスを提供するように前記第1のロボット作業工具及び前記第2のロボット作業工具を調整するために前記第1のロボット作業工具及び前記第2のロボット作業工具を前記クラウドサービスによって調整するように構成され、所定のタスクに対して更に高い性能を有する前記ロボット作業工具を選択し、前記ロボット作業工具(100)は、前記クラウドサービスから調整のデータを受信するように構成された、ロボット作業工具システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのセンサ(170)によって収集されたデータは、前記作業領域の識別子を示し、前記ロボット作業工具(100)は、
前記クラウドサービス(250)から受信した前記動作データから前記作業領域の設定を取得し、前記設定に従って前記作業領域で動作するように更に構成された、請求項1に記載のロボット作業工具システム。
【請求項3】
前記ロボット作業工具(100)は、始動中、セットアップモード中及び/又は動作中に、前記作業領域(205)の識別子を示す収集されたデータを前記クラウドサービス(250)に送信するように更に構成された、請求項1又は2に記載のロボット作業工具システム。
【請求項4】
前記ロボット作業工具(100)は、作業領域の境界を越えたことを決定し、それに応答して、前記作業領域(205)の識別子を示す収集されたデータを前記クラウドサービス(250)に送信するように更に構成された、請求項3に記載のロボット作業工具システム。
【請求項5】
前記動作データは、前記第2のロボット作業工具(100)から収集されたデータに基づく、請求項1から4のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項6】
受け取った前記設定は、充電機能を有することなく前記作業領域で動作するための特別なモードに入るための命令を備える、請求項2に記載のロボット作業工具システム。
【請求項7】
前記作業領域の識別子は、充電ステーションの識別子である、請求項1から6のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項8】
前記ロボット作業工具(100)は、前記充電ステーションによって送信された制御信号を検知及び処理することによって、前記充電ステーションの識別子を検索するように更に構成された、請求項7に記載のロボット作業工具システム。
【請求項9】
前記ロボット作業工具(100)は、前記ロボット作業工具の位置を判別し、判別された前記位置に基づいて前記作業領域の識別を行うように更に構成された、請求項7に記載のロボット作業工具システム。
【請求項10】
前記ロボット作業工具は、前記ロボット作業工具が前記ロボット作業工具の識別子を提供して前記クラウドサービスが前記ロボット作業工具の識別子を前記作業領域に照合することによって、前記ロボット作業工具が前記作業領域で動作することを許可されているか否かをクラウドサービスによって判別させ、前記ロボット作業工具が前記作業領域で動作することを許可されているか否かを判別し、前記ロボット作業工具が前記作業領域で動作することを許可されていない場合、前記設定は、ロボット作業工具を操作不能にする命令を備えるように構成された、請求項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項11】
前記ロボット作業工具は、前記第1のロボット作業工具の動作特性に基づいて前記第1のロボット作業工具の動作を前記クラウドサービスによってスケジュールさせるように構成され、前記動作データは、スケジューリングデータを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項12】
前記調整は、前記第1のロボット作業工具及び前記第2のロボット作業工具の動作特性に基づく、請求項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項13】
前記ロボット作業工具は、前記作業領域の特性を前記クラウドサービスによって判別させ、動作特性が一致する又は前記作業領域の特性のサービスを提供することができるロボット作業工具に対する前記作業領域の特性の照合を行い、前記作業領域に使用する前記ロボット作業工具(のタイプ)を選択するように構成された、請求項1から12のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項14】
前記第1のロボット作業工具の動作特性は、前記第2のロボット作業工具から収集されたデータに基づく、請求項11から13のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項15】
前記動作特性は、前記ロボット作業工具の範囲、前記ロボット作業工具の速度、前記ロボット作業工具の動作効率及び/又は前記ロボット作業工具の登板力である、請求項11に記載のロボット作業工具システム。
【請求項16】
前記ロボット作業工具(100)は、前記第2のロボット作業工具(100.2)によって収集されたデータに基づいて、前記収集されたデータを前記クラウドサービス(250)によって分析させるように更に構成された、請求項1から15のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項17】
前記ロボット作業工具(100)は、前記収集されたデータを送信することにより、前記クラウドサービス(250)によって前記作業領域(205)のマップを生成させるように更に構成された、請求項16に記載のロボット作業工具システム。
【請求項18】
前記ロボット作業工具(100)は、前記収集されたデータを送信することにより、前記第1のロボット作業工具から収集されたデータ及び前記第2のロボット作業工具から収集されたデータに基づいて、前記クラウドサービス(250)によって前記作業領域(205)のマップを生成させるように更に構成された、請求項16又は17に記載のロボット作業工具システム。
【請求項19】
前記ロボット作業工具(100)は、
前記収集されたデータを送信することにより、前記ロボット作業工具(100)の動作特性を前記クラウドサービスによって決定させ、前記収集されたデータは、前記動作特性の指標を含み、
前記収集されたデータを送信することにより、前記作業領域(205)の特性を前記クラウドサービスによって決定させ、前記収集されたデータは、前記作業領域(205)の特性の指標を含み、それにより、クラウドサービスは、
前記ロボット作業工具(100)の動作特性を前記作業領域の特性に照合し、
前記作業領域の動作の一致に基づいて、前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)の一つを選択するように更に構成された、請求項1から18のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項20】
前記ロボット作業工具システム(200)は、複数のロボット作業工具(100)を備え、前記ロボット作業工具システム(200)は、前記複数のロボット作業工具(100)から受信したデータを分析し、前記受信したデータに基づいて、一つのロボット作業工具(100)の動作を改善するように更に構成された、請求項1から19のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項21】
前記クラウドサービスは、前記収集されたデータのパターン又は傾向を確立するとともに確立されたパターン又は傾向に基づいて前記動作データを決定するために、データを経時的に分析するように更に構成された、請求項1から20のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項22】
前記クラウドサービスは、前記収集されたデータのパターン又は傾向を確立するとともに確立されたパターン又は傾向に基づいて前記動作データを決定するために、複数のロボット作業工具(100)から受信したデータを分析するように更に構成された、請求項1から21のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項23】
前記クラウドサービスは、受信した前記収集されたデータに基づいて前記動作データを決定するように更に構成された、請求項1から22のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項24】
前記クラウドサービスは、前記クラウドサービスに以前に送信された前記収集されたデータに基づいて前記動作データを決定するように更に構成された、請求項1から23のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項25】
前記クラウドサービスは、前記クラウドサービスによって以前に判別された動作データに基づいて前記動作データを決定するように更に構成された、請求項1から24のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項26】
前記ロボット作業工具システムは、アクセサリデバイス(240a~c)を更に備え、前記クラウドサービスは、前記クラウドサービスに送信された前記収集されたデータに基づいて前記アクセサリデバイスの動作データを決定し、前記アクセサリデバイスの動作データを前記アクセサリデバイスに送信し、前記アクセサリデバイスの動作データに従ってアクセサリデータを動作させるように更に構成された、請求項1から25のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項27】
前記ロボット作業工具システムは、アクセサリデバイス(240a~c)を更に備え、前記クラウドサービスは、前記収集されたデータを前記アクセサリデバイス(240a~c)から受信し、前記アクセサリデバイスから受信した前記収集されたデータに基づいて前記ロボット作業工具(100)の動作特性を決定するように更に構成された、請求項1から26のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項28】
前記ロボット作業工具は、ロボット芝刈り機(100)である、請求項1から27のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項29】
前記第2のロボット作業工具は、ロボット肥料分配器、ロボット灌漑ツール、ロボット葉収集器又は他のロボット園芸ツールである、請求項1から28のいずれか一項に記載のロボット作業工具システム。
【請求項30】
作業領域(205)で動作するように配置された少なくとも一つのロボット作業工具(100)を備えるロボット作業工具システム(200)を使用するための方法であって、前記ロボット作業工具(100)は、少なくとも一つのセンサ(170)及び通信インターフェース(115)を備え、
前記ロボット作業工具(100)が、
前記通信インターフェース(115)を介してクラウドサービス(250)への接続を確立し、
前記少なくとも一つのセンサ170によって収集されたデータを受信し、前記収集されたデータを前記クラウドサービス(250)に送信し、
前記クラウドサービスが、
前記収集されたデータを分析し、
前記ロボット作業工具(100)が、
前記クラウドサービス(250)から動作データを受信し、
前記クラウドサービスから受信した前記動作データに基づいて動作し、
前記ロボット作業工具は、第1のロボット作業工具及び第2のロボット作業工具の性能に基づいて前記作業領域にサービスを提供するように前記第1のロボット作業工具及び前記第2のロボット作業工具を調整するために前記第1のロボット作業工具及び前記第2のロボット作業工具を前記クラウドサービスによって調整するように構成され、所定のタスクに対して更に高い性能を有する前記ロボット作業工具を選択し、前記ロボット作業工具(100)は、前記クラウドサービスから調整のデータを受信するように構成された、方法。
【請求項31】
少なくとも一つのロボット作業工具(100)を備えるロボット作業工具システム(200)に動作可能に接続されたクラウドサービス(250)であって、
前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)への接続を確立し、
前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)によって収集されたデータを受信し、
前記収集されたデータを分析し、
動作データを決定し、
前記動作データを前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)に送信し、前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)を前記動作データに基づいて動作させるように構成され、
前記ロボット作業工具は、第1のロボット作業工具及び第2のロボット作業工具の性能に基づいて作業領域にサービスを提供するように前記第1のロボット作業工具及び前記第2のロボット作業工具を調整するために前記第1のロボット作業工具及び前記第2のロボット作業工具を前記クラウドサービスによって調整するように構成され、所定のタスクに対して更に高い性能を有する前記ロボット作業工具を選択し、前記ロボット作業工具(100)は、前記クラウドサービスから調整のデータを受信するように構成された、クラウドサービス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、ロボット作業工具、特に、芝刈り機のようなロボット作業工具の改善された操作を実行するためのシステム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
ロボット芝刈り機のような自動又はロボット電動工具の人気が高まっている。一般的な展開では、庭のような作業領域は、ロボット芝刈り機を作業領域内に保持するために境界ケーブルで囲まれている。追加的に又は代替的に、ロボット作業工具を、超広帯域ビーコン又は光ビーコンのような一つ以上のビーコンを使用してナビゲートするように配置してもよい。追加的に又は代替的に、ロボット作業工具を、全地球測位システム(GPS)又は全地球航法衛星システム(GLONASS)センサのような衛星測位センサを使用してナビゲートするように配置してもよい。
【0003】
ロボット作業工具は、通常、さまざまな状況で動作するように配置されており、現代のユーザは、作業領域のマッピング、高度なスケジューリング、盗難制御等のようなロボットツールの幅広い機能を必要とする。膨大な数の機能及びその高度なレベルは、ロボット作業工具が適切にセットアップされるとともにトレーニングされることを要求する。大規模なセットアップは、時間がかかり、標準のユーザが実行できるものよりも困難で複雑な場合があり、トレーニングは、追加のコンピューターリソースと、完了するまでの時間が必要になる場合がある。
【0004】
特に、複数のロボット作業工具が動作するように設定されているロボット作業工具システムの場合、システムサーバ並びに専用の通信システム及びプロトコルのような追加のデバイスが必要になり、これによって、そのようなシステムの設定が更に複雑になるとともにトレーニングに時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ロボット芝刈り機のようなロボット作業工具の改善されたセットアップ、トレーニング及び操作が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、この出願の教示の目的は、作業領域で動作するように配置された少なくとも一つのロボット作業工具を備えるロボット作業工具システムであって、ロボット作業工具は、少なくとも一つのセンサ及び通信インターフェースを備え、ロボット作業工具は、通信インターフェースを介してクラウドサービスへの接続を確立し、少なくとも一つのセンサによって収集されたデータを受信し、収集されたデータをクラウドサービスに送信して、収集されたデータをクラウドサービスに分析させ、クラウドサービスから動作データを受信し、クラウドサービスから受信した動作データに基づいて、少なくとも一つのロボット作業工具を操作するように構成された、ロボット作業工具システムを提供することによって、これらの問題を解消する又は少なくとも軽減することである。
【0007】
一実施形態又は実施形態の組合せは、ロボット作業工具は、ロボット芝刈り機である。
【0008】
また、この出願の教示の目的は、作業領域で動作するように配置された少なくとも一つのロボット作業工具を備えるロボット作業工具システムを使用するための方法であって、ロボット作業工具は、少なくとも一つのセンサ及び通信インターフェースを備え、ロボット作業工具が、通信インターフェースを介してクラウドサービスへの接続を確立し、少なくとも一つのセンサによって収集されたデータを受信し、収集されたデータをクラウドサービスに送信し、クラウドサービスが、収集されたデータを分析し、ロボット作業工具が、クラウドサービスから動作データを受信し、クラウドサービスから受信した動作データに基づいて動作する、方法を提供することによって、これらの問題を解消することである。
【0009】
また、本出願の教示の目的は、少なくとも一つのロボット作業工具を備えるロボット作業工具システムに動作可能に接続されたクラウドサービスであって、少なくとも一つのロボット作業工具への接続を確立し、少なくとも一つのロボット作業工具によって収集されたデータを受信し、収集されたデータを分析し、動作データを決定し、動作データを少なくとも一つのロボット作業工具に送信し、少なくとも一つのロボット作業工具を動作データに基づいて動作させるように構成された、クラウドサービスを提供することによって、これらの問題を解消することである。
【0010】
開示された実施形態の他の特徴及び利点は、以下の詳細な開示、添付の従属項及び図面から明らかになる。一般的には、特許請求の範囲で使用される全ての用語を、ここで別段の定めがない限り、技術分野における通常の意味に従って解釈すべきである。[要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップ等]への全ての言及は、明示的に述べられていない限り、要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップ等の少なくとも一つの例を指すものとして公然と解釈すべきである。ここに開示される方法のステップは、明示的に述べられていない限り、開示された正確な順序で実行される必要はない。
【0011】
本発明を、添付の図面を参照して更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】ここでの教示の一実施形態によるロボット芝刈り機の例を示す。
図1B】ここでの教示の例示的な実施形態によるロボット芝刈り機であるロボット作業工具の例の構成要素の概略図を示す。
図2】ここでの教示の例示的な実施形態によるロボット芝刈り機システムであるロボット作業工具システムの例を示す。
図3】ここでの教示の例示的な実施形態によるロボット芝刈り機システムであるロボット作業工具システムの例を示す。
図4】ここでの教示の例示的な実施形態による方法に対応するフローチャートを示す。
図5】ここでの教示の例示的な実施形態によるロボット芝刈り機システムであるロボット作業工具システムの例を示す。
図6】ここでの教示の例示的な実施形態による方法に対応するフローチャートを示す。
図7】ここでの教示の例示的な実施形態による方法に対応するフローチャートを示す。
図8】ここでの教示の例示的な実施形態によるロボット芝刈り機システムであるロボット作業工具システムの例を示す。
図9】ここでの教示の例示的な実施形態による方法に対応するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、開示された実施形態を、本発明の実施形態を示す添付図面を参照しながら更に完全に以下に説明する。しかしながら、本発明を、多くの異なる方法で具体化することができ、ここで説明する実施形態に限定されると解釈すべきではない。同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0014】
ここでの説明がロボット芝刈り機に目を向けているが、ここの教示は、ロボットボールコレクター、ロボット地雷除去装置、ロボット農機具又はリフト検出が使用されるとともにほこり、汚れ又は他の破片の影響を受けやすい他のロボット作業工具にも適用できることに留意されたい。
【0015】
図1Aは、ここではロボット芝刈り機100によって例示されるロボット作業工具100の斜視図を示す。ロボット作業工具は、ここではロボット芝刈り機として例示されるが、ここでの教示を特にロボット芝刈り機と連携して作業する場合に肥料分配器、ロボット灌漑ツール、ロボットリーフコレクター又は他のロボットガーデニングツールにおいて等しく有益に実施してもよいことに留意されたい。ここでの教示を、ロボットボールコレクターにおいて同様に有益に実施してもよい。図1Aに示す例では、ロボット芝刈り機は、本体140及び(一つのみを示す)複数の車輪130を有する。ロボット芝刈り機100は、充電ステーション(図1に示さないが、図2の210を参照)にドッキングするときに(図1には示さない)接触板に接触するとともに可能であれば充電ステーションとロボット芝刈り機100との間の電気通信による情報の転送を行うための充電スキッドを備えてもよい。
【0016】
ロボット作業工具100は、図1Aのように関節式又はマルチシャーシ設計であってもよく、本体又は第1の本体部分と、後部又は第2の本体部分とを有する。二つのパーツは、ジョイントパーツで接続されている。
【0017】
ロボット作業工具100は、図1Bのようにモノシャーシ設計のものであってもよい。図1Bは、ロボット芝刈り機100によってここでも例示されるロボット作業工具100の概略概要を示す。この例示的な実施形態では、ロボット芝刈り機100は、本体部分140を有するモノシャーシタイプである。本体部分140は、ロボット芝刈り機100のほとんど全ての構成要素を収容する。ロボット芝刈り機100は、複数の車輪130を有する。図1Bの例示的な実施形態では、ロボット芝刈り機100は、四つの車輪130、すなわち、二つの前輪及び二つの後輪を有する。ホイール130の少なくともいくつかは、少なくとも一つの電気モータ150に駆動可能に接続されている。ここでの説明が電気モータに目を向けている場合でも、燃焼エンジンを、場合によっては電気モータと組み合わせて代替的に使用できることに留意されたい。図1Bの例では、車輪130の各々は、各々の電気モータに接続されている。これにより、車輪130を互いに独立して駆動することが可能になり、例えば、ロボット芝刈り機100の幾何学的中心の周りで急旋回及び回転が可能になる。全ての車輪を各モータに接続する必要はないが、ロボット芝刈り機100を、例えば、一つ以上のモータ150を共有することによって異なる方法でナビゲートされるように配置してもよいことに留意すべきである。
【0018】
ロボット芝刈り機100は、カッターモータ165によって駆動される回転ブレード160のような草刈り装置160も備える。草刈り装置は、ロボット作業工具100の作業工具160の一例である。ロボット芝刈り機100は、モータ150及び/又はカッターモータ165に電力を供給するための(少なくとも)一つのバッテリ155も有する。
【0019】
ロボット芝刈り機100は、コントローラ110及びコンピュータ可読記憶媒体又はメモリ120も備える。コントローラ110を、例えば、メモリ120に格納してもよい汎用又は専用プロセッサの実行可能なコンピュータプログラム命令を使用することによってハードウェア機能を可能にする命令をそのようなプロセッサによって実行させる命令を使用して実装してもよい。コントローラ110は、ロボット芝刈り機の推進を含むがそれに限定されないロボット芝刈り機100の動作を制御するためにメモリ120から命令を読み取るとともにこれらの命令を実行するように構成される。コントローラ110を、任意の適切で利用可能なプロセッサ又はプログラマブル論理回路(PLC)を使用して実装してもよい。メモリ120は、ROM、RAM、SRAM、DRAM、FLASH、DDR、SDRAA又は他のいくつかのメモリ技術のようなコンピュータ可読メモリのための任意の一般的に知られている技術を使用して実装してもよい。
【0020】
ロボット芝刈り機100は、サーバ、パーソナルコンピュータ又はスマートフォンのような別のデバイスを介して第2のロボット作業工具又は充電ステーションと通信することによって直接的又は間接的にクラウドサービス(図1Bに示されないが、図2で250を参照)と通信するための無線通信インターフェース115を更に備えている。このような無線通信デバイスは、数例を挙げると、WiFi(登録商標)(IEEE802.11b)、Bluetooth(登録商標)、グローバルシステムモバイル(GSM)、LTE(ロングタームエボリューション)等である。一実施形態では、無線通信は、(検知は無線である)境界ケーブルで送信される制御信号を介して実現される。
【0021】
ロボット芝刈り機100がナビゲートすることを可能にするために、ロボット作業工具100は、少なくとも一つのナビゲーションセンサ170を備えて配置される。一実施形態又は実施形態の組合せでは、ナビゲーションセンサ170は、磁場センサ170.1である。追加的な又は代替的な実施形態では、ナビゲーションセンサ170は、ビーコンセンサ170.2である。追加的な又は代替的な実施形態では、ナビゲーションセンサ170は、衛星ナビゲーションセンサ170.3である。追加的な又は代替的な実施形態では、ナビゲーションセンサ170は、衝突センサ170.4である。追加的な又は代替的な実施形態では、ナビゲーションセンサ170は、推定航法(deduced reckoning(or dead reckoning))センサ170.5である。
【0022】
境界ケーブルを介して送信される制御信号(図1Bに示ないが、図2で235を参照)によって引き起こされる磁場を放出する境界ケーブル(図1Bに示さないが、図2で230を参照)を参照してロボット芝刈り機100がナビゲートすることを可能にするために、ロボット芝生100は、磁場(図示せず)を検出するとともに境界ケーブルを検出する及び/又は(図2を参照して説明する)信号発生器からの情報を受信する(場合によっては当該情報を送信する)ように配置された少なくとも一つの磁場センサ170.1を有するように更に構成されてもよい。いくつかの実施形態では、センサ170.1は、コントローラ110に接続されてもよく、コントローラ110は、センサ170.1から受信した任意の信号を処理及び評価するように構成されてもよい。センサ信号は、境界ケーブルを介して送信される制御信号によって生成される磁場によって発生する。これにより、コントローラ110は、ロボット芝刈り機100が境界ケーブルに近いか交差しているか又は境界ケーブルによって囲まれた領域の内側にあるか外側にあるかを判別することができる。
【0023】
(一つ以上の)磁場センサ170.1、境界ケーブル(図2で230を参照)及び信号発生器(図2で215を参照)はオプションであることに留意すべきである。境界ケーブルを、メインの唯一の境界マーカーとして代替的に使用してもよい。境界ケーブルを、追加の安全対策として単に代替的に使用してもよい。境界ケーブルを、メインの境界マーカーとして代替的に使用してもよく、他のナビゲーションセンサ(以下を参照)を、更に詳しい又は更に高度な操作を行うために使用する。
【0024】
ロボット芝刈り機がビーコンを使用してナビゲートすることを可能にするために、一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ロボット芝刈り機100は、少なくとも一つのビーコン受信機又はビーコンナビゲーションセンサ170.2を更に備えてもよい。ビーコン受信機は、UWBビーコンのような無線周波数ビーコンから信号を受信するように構成された超広帯域(UWB)受信機又はセンサのような無線周波数受信機であってもよい。ビーコン受信機は、光ビーコンから信号を受信するように構成された光受信機であってもよい。
【0025】
ロボット芝刈り機が衛星を使用してナビゲートすることを可能にするために、ナビゲートすることを可能にするために、一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ナビゲーションセンサ170は、GPS受信機(全地球測位システム)又は他の衛星ナビゲーションセンサのような衛星ナビゲーションセンサ170.3である。
【0026】
ロボット芝刈り機が作業領域内の障害物及び物理的限界をナビゲートすることを可能にするために、一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ナビゲーションセンサ170は衝突検出センサ170.4である。衝突センサは、光学的、電磁的、機械的又はその任意の組み合わせであってもよい。当業者が理解するように、衝突検出センサには多くの異なるバリエーションがある。衝突検出センサの一般的な動作は、信号を送信して反射の時間を計ることによって、処理される画像をキャプチャすることによって又は物理的な接触を検知することによって物体までの距離を検知することである。
【0027】
ロボット芝刈り機100が(ビーコン又は衛星信号のような)外部入力なしでナビゲートすることを可能にするために、ナビゲーションセンサ170は、一つ以上の推定航法センサ170.5を備える。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、少なくとも一つの推定航法センサは、コンパス、加速度計又はジャイロスコープのような方向センサ170.5である。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、少なくとも一つの推定航法センサ170.5は、タイミング機能を備えた加速度計若しくはジャイロスコープのような距離センサ又は車輪回転カウンターのような走行距離計である。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、推定航法ナビゲーションセンサ170.5は、仰角移動を判別するために利用される気圧計である。そのような気圧計は、天候の変化を判別するための環境センサとしても使用してもよい。
【0028】
ロボット芝刈り機は、他のセンサ170、例えば、雨センサ、切断力センサ、草高センサ、傾斜計、温度センサ、光強度センサ、気圧計又は他のセンサを備えてもよい。
【0029】
図2は、一実施形態又は実施形態の組合せにおけるロボット作業工具システム200の概略図を示す。概略図は、原寸に比例しない。ロボット作業工具システム200は、信号発生器215及びロボット作業工具100を有する充電ステーション210を備える。図1A及び1Bと同様に、ロボット作業工具は、ロボット芝刈り機によって例示され、これにより、ロボット作業工具システムは、ロボット芝刈り機システム又はロボット芝刈り機であるロボット作業工具の組合せを備えるシステムであってもよいが、ここでの教示を、作業領域内で動作するように適合された他のロボット作業工具にも適用してもよい。
【0030】
ロボット作業工具システム200は、ロボット芝刈り機100が機能することになっている作業領域205を囲むように配置された境界ケーブル230も備えてもよい。信号発生器215によって生成された制御信号235は、境界ケーブル230を介して送信され、磁場(図示せず)を放出させる。
【0031】
ロボット作業工具システム220は、任意選択で、ロボット芝刈り機がビーコンナビゲーションセンサ170.2を使用して作業領域をナビゲートすることを可能にするために少なくとも一つのビーコン220を備える。
【0032】
作業領域205は、この用途では庭として例示されているが、理解されるように、他の作業領域であってもよい。庭にはいくつかの障害物(O)があり、ここではいくつか(3)の樹木(T)及び家の構造(H)によって例示される。樹木を、幹(実線)及び葉の延長(破線)の両方に関してマークする。庭園は、図2で“S”を付した破線の等高線で示される傾斜部分のような他の特徴を備えてもよい。
【0033】
ロボット芝刈り機は、一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ロボット芝刈り機が新しい作業領域205で動作していることを判別するように構成される。判別は、始動時、セットアップモード中若しくは動作中に動的に又はいずれか又は全ての組合せにおいて行われる。
【0034】
そのような一実施形態では、ロボット芝刈り機100は、充電ステーション又は作業領域の識別子を識別し、充電ステーションは、作業領域を表し、識別子を(既知)の充電ステーションのレジスタと比較することによってロボット芝刈り機100が新しい作業領域にあると判別するように構成される。レジスタを、ロボット芝刈り機のメモリ120にローカルに及び/又はクラウドサービスに一元的に格納してもよい。充電ステーションの識別子を、信号発生器が制御信号235の一部として又は制御信号235に付加されて充電ステーションの識別子を送信する実施形態において、制御信号を検知及び処理することによって検索してもよい。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、識別は、ロボット芝刈り機100と充電ステーション210との間の通信チャネルを介して取得することができる。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、識別子を、ロボット芝刈り機100の現在の位置に基づいてもよい。そのような実施形態では、ロボット芝刈り機100は、その現在の位置を決定し、作業領域が新しい作業領域であるか否かを判別するために位置に基づいて充電ステーション又は作業領域のレジスタを照会するように構成される。そのような実施形態では、充電ステーション又は作業領域の実際の識別子を、作業領域がロボット芝刈り機100にとって新しいか否かを単に判別することによって省略又は置換してもよい。この用途のために、位置が作業領域又は充電ステーションに対応するので、現在の位置の判別は、充電ステーション又は作業領域の識別子の判別と見なされる。
【0035】
ロボット芝刈り機システム200は、第2の(又はそれ以上の)追加のロボット作業工具100.2を更に備えてもよい。追加のロボット作業工具100.2は、ロボット芝刈り機100と同一タイプであっても異なるタイプであってもよく、同一タイプである必要はない。
【0036】
図1Bを参照して論じたように、ロボット芝刈り機100は、通信インターフェース115を介してクラウドサービス250に接触するように配置される。クラウドサービスが専用接続を必要としないので、クラウドサービスへの接続を直接的に又は間接的に確立してもよい。
【0037】
本発明者は、専用サーバを利用するいくつかの従来技術のシステムには欠点があることに気付いた。専用サーバは、一つのニーズに専ら使用される物理サーバである。専用サーバは、独自のインターフェース及びプロトコルを必要とし、継続的なメンテナンス、パッチ及びアップグレードを管理するための容量及び専門知識を必要とする。発明者は、これら全ての問題を克服するためにクラウドサービスを利用する際に庭及び森林のロボット工学の分野における支配的な考え方に逆らって単純な解決策が利用可能であることを認識した。
【0038】
本発明者は、クラウドサーバが利用できる膨大な処理リソース、容易なアクセス及び一元化された可用性を利用することにより、いくつかの異なるセンサからの、場合によっては、いくつかの異なるロボット芝刈り機100からのセンサデータを、改善された操作を提供するために照合及び分析できることに気付いた。送信されるデータを、ナビゲーションセンサ(GPS、ループセンサ、ガイドセンサ、衝突センサ、ジャイロスコープ、コンパス、ホイール回転ティック及び加速度計)のセンサ値だけでなく、バロメーターのような他の環境センサからのものとすることができる。センサデータを、クラウドで処理することができる又はクラウドサービス250に送信する前にロボット芝刈り機で前処理することができる。前処理は、データの変換及び/又は結合のように単純なもの又は更に複雑なものであってもよい。
【0039】
一般的には、ここによるロボット作業工具は、特定の分析又は機能に必要なデータを送信することによってクラウドサービスにそのような機能及び/又は分析を実行させるものと見なすことができる。
【0040】
データを、パターン又は傾向を確立するために瞬時のデータポイントとして及び/又は経時的に分析してもよい。
【0041】
作業領域が経時的に大きく変化しないので、データを長期間にわたって収集することができるとともに様々な統計手法にかけることができ、収集された大量のデータは、統計の信頼できる基盤を提供する。
【0042】
収集されたデータを、作業領域のマップを生成するためにクラウドサービスによって使用することができる。位置データを(衝突データのような)センサデータ及び標高データと組み合わせることにより、(経時的に衝突が一貫して発生する場所として示される)全てのオブジェクト及び(一貫した標高変化がある場所として示される)傾斜をマークする作業領域の一般的なアウトラインを提供することができる。
【0043】
収集されたデータを、作業領域のセグメンテーションを処理するためにクラウドサービスによって使用することができる。経時的にクラウドサービスによって行われる分析により、作業が最も必要な又は作業が最も少ない作業領域のサブエリア又はセグメントが示される。あるサブエリアが別のサブエリアの前にサービスされて特定の利点が生じるような傾向を、経時的な分析を通じて実現することもできる。例えば、気圧が低い場合に特定のセグメントを適切に処理するには2倍の時間が必要であることに留意するとき、この領域を、(場合によっては雨を示す)気圧の低下のときにセグメント化されるととものそれに応じて処理してもよい。
【0044】
クラウドサービスを、収集されたデータに基づくパスファインディングアルゴリズムをベースにするように配置してもよい。
【0045】
発明者が気付いたように、ロボット芝刈り機用の庭のようなある種のロボット作業工具のほとんどの作業領域が、略同一のコンポーネント:芝生、樹木、いくつかの岩、場合によってはいくつかの砂利及びいくつかの建物を含むので、データを、異なるロボット芝刈り機間で共有してもよい。ロボット芝刈り機のような第1のロボット作業工具100のデータ及び第2のロボット作業工具100.2のデータを収集することにより、一般的な傾向及び対応を分析から検索してもよい。第1のロボット作業工具100のマップは、経時的に収集されたデータに基づいて生成され、収集されたデータは、マップ上に置かれるオブジェクトを識別又は判別するためのいくつかの基準と比較され、他のロボット作業工具によって収集されたデータを利用することには利点がある。その理由は、そのようなデータが第1のロボット作業工具の判別をトレーニングするために使用されるからである。例えば、衝突検出センサが加速度計と同一場所での衝突を示す入力を提供する場合、加速度計は、急激な停止及びそれに続く揺れを示すデータを提供し、そのようなデータは、他のロボット芝刈り機でもそのような傾向を示す場合、時間をかけた繰り返しを必要とすることなく、第1のロボット作業工具の分析をトレーニングために他のロボット作業工具について収集されたデータを頼りにして当該位置に岩又は壁があると見なすことができる。したがって、クラウドサービスは、第2のロボット作業工具について収集されたデータに基づいて、第1のロボット作業工具の分析をトレーニングするように配置される。
【0046】
したがって、上記のように、第2のロボット作業工具は、第1のロボット作業工具と同一の作業領域で動作しなくてもよく、それにより、傾向及び共通の対応するデータを有利に利用することができる。代替的に又は追加的に、第2のロボット作業工具は、作業領域で既に動作しているロボット作業工具であってもよい及び/又は第1のロボット作業工具に置き換えられてもよい。それにより、履歴データは、第1のロボット作業工具によって利用される。
【0047】
本発明者は、クラウドサービスを利用することにより、作業領域設定をクラウドサービス250にアップロードする全てのロボット作業工具によって作業領域での新しいロボット作業工具の始動が更に効率的になることにも気付いた。ロボット作業工具は、以前に作業されていない作業領域で始動又はインストールされるので(作業領域を識別する方法については上記を参照)、ロボット作業工具は、クラウドサービスから設定を照会してもよい。
【0048】
このようにして、さまざまなロボット作業工具を新しい作業領域で簡単に操作できるようになり、それにより、ロボット作業工具の交換又はロボット作業工具の協力を簡単に行うことができる。ロボット作業工具が作業領域識別子に基づいて作業領域設定をダウンロードするので、二重のシステム設定を必要とする専用の従来技術システムとは対照的に、複数のロボット作業工具が同一の作業領域で動作してもよい。
【0049】
一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、クラウドサービスは、ロボット作業工具が作業領域で動作することを許可されているか否かを判別するようにも配置される。これは、ロボット作業工具の許可されていない使用に有用であり、盗まれたロボット作業工具を自宅の作業領域以外の作業領域で始動させることができないので、盗難防止を行う。
【0050】
一実施形態では、クラウドサービスは、作業領域に最良のサービスが行われるようにするために第1のロボット作業工具及び第2のロボット作業工具を調整するように構成される。調整は、第1のロボット作業工具及び第2のロボット作業工具の性能に基づく。例えば、第1のロボット作業工具100.1が第2のロボット作業工具100.2よりも長い範囲を有する場合、第1のロボット作業工具は、充電ステーションからより遠いセグメント(又はサブエリア)で動作するように制御され、第2のロボット作業工具は、充電ステーションにより近いセグメント(又はサブエリア)で動作するように制御される。
【0051】
セグメントが高い傾斜を含む場合、そのようなセグメントにサービスを提供するために、最高の登板力を有するロボット作業工具が制御される。登板力を、ロボット作業工具で指定及び提供してもよい、又は、当該ロボット作業工具によって収集されたデータの分析から検索してもよい。第2のロボット作業工具(個々のロボット作業工具及び/又はロボット作業工具のモデル)よりも第1のロボット作業工具(個々のロボット作業工具及び/又はロボット作業工具のモデル)の斜面での一貫した又は定期的な高速(又はより低い電力消費)は、第1のロボット作業工具(個々のロボット作業工具及び/又はロボット作業工具のモデル)のより良い登板力を示す。これにより、複雑なセグメント又はタスクを処理するために高度なロボット作業工具を利用することができるとともに単純なセグメント及び/又はタスクを処理するためにより単純なモデルを利用することができるので、ユーザ又はオペレーターは、二つの高度なロボット作業工具を購入する必要がなくなる。
【0052】
クラウドサービスは、一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ロボット芝刈り機100の作業領域で刈り取られる草の高さを推定するように配置される。草の高さは、(モータ160の負荷のような)センサデータに基づいてもよい。草の高さを、作業領域の成長予測モデル及び/又は気象データに基づいて推定してもよい。セグメント内の推定される草の高さ及び/又は成長に基づいて、クラウドサービスは、セグメントが適切にサービスされるように(すなわち、望ましい結果(草の高さ)になるようにサービスレベルを取得するように)第1のロボット作業工具及び第2のロボット作業工具を制御できる。この機能によって、切断時間が短縮され、それにより、エネルギー消費が節約され、ロボット芝刈り機の摩耗芝生での摩耗が減少する。
【0053】
これにより、ユーザは、急勾配のエリア用に二つの高度な芝刈り機を購入しないようにするために又は二重に設置しないようにするために費用及び時間を節約する。
【0054】
上記で開示したように、本発明者は、現代の先行技術システムに関するいくつかの問題に気付き、また、これらの問題を克服するための単純で独創的な方法に気付いた。これらの解決策の補足説明は、図3図4図5図6図7図8及び図9を参照して以下で行う。ここに開示される実施形態のいずれか、一部又は全てをロボット作業工具及び/又はここでの教示によるロボット作業工具システムに組み合わせることができることに留意されたい。
【0055】
図3は、ロボット芝刈り機システムによってここに例示されるロボット作業工具システム200の概略図を示す。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ロボット芝刈り機システム200は、図2を参照して開示されるロボット芝刈り機システム200である。図2のように、ロボット芝刈り機システム200は、ロボット芝刈り機100によって例示されるロボット作業工具100を備える。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ロボット芝刈り機100は、図1A及び図1Bを参照して開示されるようなロボット芝刈り機である。
【0056】
ロボット芝刈り機100は、作業領域250に配置され、ロボット芝刈り機100は、作業領域205にどの設定を使用すべきかを判別するように構成される。判別を、ロボット芝刈り機システム又はロボット芝刈り機のセットアップ中に行ってもよい。代替的に又は追加的に、判別を、ロボット芝刈り機100の起動中に行ってもよい。代替的に又は追加的に、判別を、一定の間隔のようにロボット芝刈り機100の動作中に行ってもよい。代替的に又は追加的に、判別を、制御信号が失われたとき又は確実に受信されなかったときのようにロボット芝刈り機100の動作中に行ってもよい。代替的に又は追加的に、判別を、(境界ケーブルの交差を検出することによって及び/又は判別した場所に基づいて境界交差を判別することによって)作業領域の境界が交差したと判別したときのようにロボット芝刈り機100の動作中に行ってもよい。
【0057】
図4は、作業領域に使用する設定を判別する一般的な方法のフローチャートを示す。通信チャネル又はクラウドサービス250との接続は、ロボット芝刈り機100によって確立される(400)。作業領域205に使用される設定を判別するために、ロボット芝刈り機100は、作業領域205を識別する(410)。
【0058】
一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、作業領域の識別は、作業領域の直接的な識別である。そのような一実施形態では、ロボット芝刈り機100は、ビーコンナビゲーションセンサ170.2又は衛星ナビゲーションセンサ170.3のようなナビゲーションセンサ170を利用して位置411を判別する。そのような一実施形態では、ロボット芝刈り機は、磁場センサ170.1のようなナビゲーションセンサ170を利用して信号発生器の識別子を判別する(412)。それによって、(作業領域に対応する)信号発生器の識別子は、受信した制御信号235に基づいて判別される。
【0059】
一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、作業領域の識別は、作業領域に対応する(信号発生器を含むと想定される)充電ステーションを識別することによる作業領域の間接的な識別である。そのような一実施形態では、ロボット芝刈り機は、磁場センサ170.1のようなナビゲーションセンサ170を利用して信号発生器412の識別子を判別し、それによって、(作業領域に対応する)信号発生器の識別子は、受信した制御信号235に基づいて判別される。
【0060】
一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、作業領域の識別子の判別は、ロボット芝刈り機100のコントローラによって行われる。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、作業領域の識別子の判別は、(識別子を要求することによって又は要求に応答することによって)クラウドサーバ250によって行うためにロボット芝刈り機100のコントローラによって行われる。
【0061】
作業領域の識別子が判別されると、作業領域の対応する設定が検索される(420)。ロボット芝刈り機100が設定をメモリ120にロードし、作業領域205で動作する準備をする(430)。
【0062】
図3では、作業領域205は、二つの作業領域又はセグメント、すなわち、第1の(主)作業領域又はセグメント205.1及び第2の作業領域又はセグメント2052を含む。図3の例では、第2の作業領域205.2は、充電ステーションも信号発生器も有しない。従来技術のシステムでは、ロボット作業工具がそのような(第2の)作業領域で動作するように設定される場合、充電性能なしで作業領域で動作するための特別なモード(第2の作業領域モード)は、オペレーターによって手動で入力する必要があった。特別モードは、ロボット作業工具が充電状況を処理する方法を指示する。
【0063】
一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、そのようなモードに入るための指示は、作業領域の設定に含まれる。第1の作業領域を第2の作業領域と区別できるようにするために、(組み合わせることもできる)少なくとも二つの異なる解決が存在する。第1の手法は、(明示的には示さないが図3の一般的な境界ケーブル参照230を通して示されると想定される)第2のガイド又は境界ケーブルを利用することである。第2の手法は、第2の作業領域205.2の場所を判別することである。
【0064】
したがって、ユーザは、芝刈り機を第2の作業領域で使用するときに芝刈り機に第2の作業領域モードを入力する必要がない。
【0065】
図5は、ロボット芝刈り機システムによってここに例示されるロボット作業工具システム200の概略図を示す。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ロボット芝刈り機システム200は、図2及び/又は図3を参照して開示されるロボット芝刈り機システム200である。ロボット芝刈り機システム200は、ロボット芝刈り機100によって例示される少なくとも二つのロボット作業工具100を備える。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、ロボット芝刈り機100は、図1A及び図1Bを参照して開示されるようなロボット芝刈り機である。
【0066】
図5の例では、ロボット作業工具システム200は、少なくとも二つのロボット作業工具サブシステム、すなわち、第1のシステム200.1及び第2のシステム2000.2を備える。二つのロボット作業工具システム200.1及び200.2が同一であるように示されているが、これは例示のためだけであり、当業者は、二つのシステムが異なってもよいことを理解する。
【0067】
図5は、クラウドサービス250から設定のようなデータを検索するために接続を確立するための第1のロボット芝刈り機100の配置方法を示す。図5は、同一のクラウドサービス250から設定のようなデータを検索するために接続を確立するための第2のロボット芝刈り機100の配置方法を示す。ロボット芝刈り機がここでの教示に従って配置されている場合、ロボット芝刈り機をいずれかの作業領域で使用してもよい。一つのロボット作業工具100を一つの作業領域から別の作業領域に移動させると、ロボット作業工具100は、クラウドサービスから新しい設定を検索する。クラウドサービスから設定を受信するので、設定を複数のロボット作業工具に簡単にロードすることができ、それにより、複数のロボット作業工具を作業領域で簡単かつ容易に使用することができ、複数のロボット作業工具のそのような使用は、動的又は繰り返し変更するのが簡単である。
【0068】
上記のように、クラウドサービス250は、一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、作業領域で動作するロボット作業工具によって収集されたセンサデータに基づいて、作業領域のマップを生成するように構成される。
【0069】
クラウドサービスが更に多くの処理能力を利用できるので、クラウドサービスは、収集されたデータを処理するとともにマップを生成するために更に高度なアルゴリズムを利用することができる。
【0070】
さらに、本発明者が気付いたように、クラウドサービス250が複数のロボット作業工具に関連付けられているので、クラウドサービス250は、一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、第1のロボット作業工具から収集されたデータ及び第2のロボット作業工具から収集されたデータに基づいて作業領域のマップを生成するように構成される。これにより、マップを生成するために更に多くのデータが利用可能になるので、マップを更に高速に生成することができる。また、置換又は新しいロボット作業工具は、置換された又は古いロボット作業工具のデータ収集の恩恵を受けることができる。また、同一の作業領域で動作する二つ以上のロボット作業工具によって、作業領域のインストール又はセットアップ中にマップを高速に生成することができる。
【0071】
一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、第2のロボット作業工具から収集されたデータは、作業領域に関連付けられる。追加の又は代替の実施形態では、第2のロボット作業工具から収集されたデータは、別の作業領域及び/又は第2のロボット作業工具に関連付けられる。これにより、場合によっては特定のタイプのロボット作業工具及び/又はあるタイプのセンサと配置されたロボット作業工具のデータの傾向に気付くことができ、異なる表面、異なるオブジェクト、異なる構造等の間の区別のようなセンサデータに基づくより正確な推定を行うことができる。
【0072】
一実施形態では、クラウドサービスは、受信した収集されたデータに基づいて動作データを決定するように構成される。さらに、一実施形態では、クラウドサービスは、以前にクラウドサービスに送信された収集されたデータに基づいて動作データを決定するように更に構成される。これにより、クラウドサービスは、動作データに影響を及ぼす可能性のある以前に収集されたデータを考慮することができる。例えば、収集されたデータが草の高さを示している場合、現在収集されているデータと比較して以前に収集されたデータは成長率を示し、草の高さを許容可能なパラメータ内に保つために操作スケジュールの変更を決定することができる。追加的に又は代替的に、一実施形態では、クラウドサービスは、クラウドサービスによって以前に決定された動作データに基づいて動作データを決定するように更に構成される。これにより、クラウドサービスは、以前に送信された運用データの知識に基づいて動作データを訂正又は修正することができる。例えば、収集されたデータが草の高さを表し、動作データが動作強度及び/又は頻度を表す場合、二つの比較により、動作強度及び/又は頻度は、例えば、収集された草の高さが許容限界を超えている場合に増やすことによって又は収集された草の高さが許容限界を下回っている場合に減らすことによって変更される。
【0073】
図6は、ここでの教示に従って作業領域のマップを生成する一般的な方法のフローチャートである。クラウドサービス250は、第1のロボット作業工具100.1によって収集されたセンサデータを受信する(610)。クラウドサービス250は、第2のロボット作業工具100.2によって収集されたセンサデータを更に受信する(620)。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、第2のロボット作業工具によって収集されたデータを、第2のロボット作業工具100.2から受信する。一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、第2のロボット作業工具によって収集されたデータを、第2のロボット作業工具100.2に関連するストレージ又はメモリから受信する。これにより、以前に記録されたデータに基づいてマップを生成することができ、長期間に亘るデータ収集が可能になり、統計的信頼性が向上する。クラウドサービスは、第1のロボット作業工具100.1によって収集されたデータ及び第2のロボット作業工具100.2によって収集されたデータに基づいてマップを生成する(630)。
【0074】
上記では、ロボット作業工具がクラウドサービス250を利用して作業領域の設定を検索する方法を開示した。
【0075】
クラウドサービスから設定を検索する利点の一つは、盗難防止を簡単な方法で提供できることである。ロボット作業工具100は、作業領域の設定を必要とするためにそれ自体の識別子を提供するように配置される。ロボット作業工具の識別子は、作業領域に対して照合され、ロボット作業工具がその作業領域での動作を許可されているか否か判別される。そうでない場合、作業領域の設定が提供されない。代替的に、ロボット作業工具のロックダウンを示す作業領域設定が提供される。どちらの場合も、ロボット作業工具は、悪意を持って意図された不正な方法で動作できなくなる。したがって、設定は、ロボット芝刈り機を操作不能にする命令を含む。
【0076】
クラウドサービスから設定を取得する及び/又はクラウドサービスのデータを収集することの別の利点又は追加の利点は、最小限のセットアップ及び手動操作でロボット作業工具のフリートを編成及び調整できることである。
【0077】
上記では、作業領域で操作するために設定をロボット作業工具にダウンロードする方法を開示した。複数のロボット作業工具からの入力に基づいてマップを生成する方法も開示した。本発明者は、クラウドサービスが異なるロボット作業工具から収集されたデータを受信するとともにクラウドサービスが作業領域のマップにアクセスできるので、ロボット作業工具のフリートを調整するために及び/又は作業領域で実行される作業をスケジュールするためにクラウドサービスを利用できることにも気づいた。実行される作業を、時間効率及び/又はコスト効率に基づいてスケジュールしてもよい。
【0078】
図7は、ここでの教示による一般的な方法のフローチャートを示す。
【0079】
一実施形態又は実施形態の組み合わせでは、クラウドサービス250は、ロボット作業工具の少なくとも一つの動作特性又は能力を決定するように構成されている710。
【0080】
一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、動作特性は、ロボット作業工具又はロボット作業工具上のレジスタから受信することによって決定される。
【0081】
一実施形態又は実施形態の組合せにおいて、動作特性は、収集されたデータに基づいて決定される。動作特性を、ロボット作業工具から収集されたデータに基づいて、及び/又は、同一のタイプの別のロボット作業工具及び/又は類似の又は同一の機器を備える別のロボット作業工具から収集されたデータに基づいて決定してもよい。
【0082】
動作特性がロボット作業工具の範囲であるそのような一実施形態では、範囲を、ロボット作業工具が経時的にバッテリが少なくなるのにかかる時間を記録するとともに平均化することによって決定してもよい。
【0083】
動作特性がロボット作業工具の速度であるそのような一実施形態では、速度を、ロボット作業工具が所定の距離を移動するのにかかる時間を(経時的に)記録することによって決定することができる。
【0084】
動作特性がロボット作業工具の切削効率のような動作効率であるそのような一実施形態では、動作効率を、ロボット作業工具にかかる作業負荷の減少を経時的に記録することによって決定することができる(切削効率は、例えば、カッターモータにかかる負荷に注目することによって測定することができる)。
【0085】
動作特性がロボット作業工具の登板力であるそのような一実施形態では、登板力を、ロボット作業工具が特定の勾配を登るのにかかる時間を経時的に記録することによって決定してもよい。
【0086】
クラウドサービス250は、一実施形態又は実施形態の組み合わせにおいて、作業領域の特性を決定し(720)、動作特性が一致する又は作業領域の特性のサービスを提供することができるロボット作業工具に対する作業領域の特性の照合を行い(730)、作業領域に使用するロボット作業工具(のタイプ)を選択するように構成される。一実施形態又は実施形態の組み合わせにおいて、クラウドサービス250は、ロボット作業工具(のタイプ)を推奨又は示すことによってロボット作業工具(又はそのタイプ)を選択する(740)。一実施形態又は実施形態の組み合わせにおいて、クラウドサービスは、作業領域で動作するロボット作業工具(のタイプ)を制御することによってロボット作業工具(又はそのタイプ)を選択する。
【0087】
一実施形態又は実施形態の組み合わせでは、クラウドサービスは、作業領域を更に小さい作業領域又はセグメントに分割し、セグメントに対して上記に開示したスケジューリングを実行し、セグメントに対して(利用可能なものから)最も適切なロボット作業工具を推奨又は制御するように構成される。
【0088】
図8は、ここでの教示の一実施形態によるロボット作業工具システム200の概略図を示す。図8に示すロボット作業工具システム200は、図2図3及び図5に示すロボット作業工具システムとは異なり、ロボット作業工具システム及び関連するクラウドサービス250に含まれるロボット作業工具100.1,100.2のみを示す。図9は、一つ以上のロボット作業工具から収集されたデータに基づいて一つ以上のロボット作業工具に設定、スケジューリング又は制御するためにクラウドサービスを利用するここでのロボット作業工具システムを簡単化したものを示す。このシステムは、非常にフレキシブルであるとともにスケーラブルである。システムの任意のコンポーネントを、システムの他のコンポーネントに影響を及ぼすことなく拡張又は置換することができ、加えられた変更は、ユーザの操作を必要とすることなくシステム全体に広げられる。
【0089】
図9は、ここでの教示による一般的な方法のフローチャートを示す。クラウドサービス250は、第1のロボット作業工具100.1からのデータを受信する(910)とともにデータを分析する(920)。また、クラウドサービス250は、第2のロボット作業工具100.2からのデータを受信する(915)とともに第2のロボット作業工具100.2から受け取ったデータに基づいて第1のロボット作業工具100.1から受信したデータを受信する(920)。ロボット作業工具100は、クラウドサービス250からのデータを受信する(930)とともに受信データに従って動作する(940)。データは、設定及び/又は制御コマンドを含んでもよい。
【0090】
図2に戻ると、ロボット作業工具システムを、一つ以上のアクセサリデバイス240a~cを備えて配置してもよい。図2の例では、三つのアクセサリデバイスを示すが、任意の数(0以上)のアクセサリデバイスがロボット作業工具システム200に含まれてもよいことに留意されたい。(一つ以上の)アクセサリデバイスは、データを送信及び/又は受信するために(図2のアクセサリデバイス240aにのみ示す)クラウドサービスとの接続を確立するようも構成される。
【0091】
一実施形態では、アクセサリデバイスは、データを収集することができるパッシブデバイスである。このようなパッシブアクセサリデバイスの一例は、雨センサである。雨センサが降水量の増加を検知した場合、クラウドサーバは、動作を後に延期するように又は場合によっては濡れた草によってもたらされるより重い作業負荷を考慮して操作間の充電時間を増やすようにロボット芝刈り機に指示することができる。
【0092】
別の例は、カメラ又は他の存在センサである。カメラ又は他の存在センサが人間又はペットの存在を検知又は他の方法で判別した場合、クラウドサーバは、動作を後に延期するように又は別の場所若しくは作業領域で動作するようにロボット芝刈り機に指示することができる。
【0093】
一実施形態では、アクセサリデバイスは、クラウドサーバから動作データを受信するとともに受信した動作データに従って動作することができるアクティブデバイスである。このようなアクティブなアクセサリデバイスの一例は、散水装置である。
【0094】
一実施形態では、アクセサリデバイスは、パッシブデバイスとアクティブデバイスの両方であり、データを収集することができ、クラウドサーバから動作データを受信することができ、かつ、受信した動作データに従って動作することができる。
本明細書に開示される発明は以下を含む。
[態様1]
作業領域(205)で動作するように配置された少なくとも一つのロボット作業工具(100)を備えるロボット作業工具システム(200)であって、前記ロボット作業工具(100)は、少なくとも一つのセンサ(170)及び通信インターフェース(115)を備え、前記ロボット作業工具(100)は、
前記通信インターフェース(115)を介してクラウドサービス(250)への接続を確立し、
前記少なくとも一つのセンサ(170)によって収集されたデータを受信し、前記収集されたデータを前記クラウドサービス(250)に送信して、前記収集されたデータを前記クラウドサービスに分析させ、
前記クラウドサービス(250)から動作データを受信し、
前記クラウドサービスから受信した前記動作データに基づいて、前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)を操作するように構成された、ロボット作業工具システム。
[態様2]
前記少なくとも一つのセンサ(170)によって収集されたデータは、前記作業領域の識別子を示し、前記ロボット作業工具(100)は、
前記クラウドサービス(250)から受信した前記動作データから前記作業領域の設定を取得し、前記設定に従って前記作業領域で動作するように更に構成された、態様1に記載のロボット作業工具システム。
[態様3]
前記ロボット作業工具(100)は、始動中、セットアップモード中及び/又は動作中に、前記作業領域(205)の識別子を示す収集されたデータを前記クラウドサービス(250)に送信するように更に構成された、態様1又は2に記載のロボット作業工具システム。
[態様4]
前記ロボット作業工具(100)は、作業領域の境界を越えたことを決定し、それに応答して、前記作業領域(205)の識別子を示す収集されたデータを前記クラウドサービス(250)に送信するように更に構成された、態様3に記載のロボット作業工具システム。
[態様5]
前記動作データは、第2のロボット作業工具(100)から収集されたデータに基づく、態様1から4のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様6]
受け取った前記設定は、充電機能を有することなく前記作業領域で動作するための特別なモードに入るための命令を備える、態様2に記載のロボット作業工具システム。
[態様7]
前記作業領域の識別子は、充電ステーションの識別子である、態様1から6のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様8]
前記ロボット作業工具(100)は、前記充電ステーションによって送信された制御信号を検知及び処理することによって、前記充電ステーションの識別子を検索するように更に構成された、態様7に記載のロボット作業工具システム。
[態様9]
前記ロボット作業工具(100)は、前記ロボット作業工具の位置を判別し、判別された前記位置に基づいて前記作業領域の識別を行うように更に構成された、態様7に記載のロボット作業工具システム。
[態様10]
前記ロボット作業工具は、前記ロボット作業工具が前記ロボット作業工具の識別子を提供して前記クラウドサービスが前記ロボット作業工具の識別子を前記作業領域に照合することによって、前記ロボット作業工具が前記作業領域で動作することを許可されているか否かをクラウドサービスによって判別させ、前記ロボット作業工具が前記作業領域で動作することを許可されているか否かを判別し、前記ロボット作業工具が前記作業領域で動作することを許可されていない場合、前記設定は、ロボット作業工具を操作不能にする命令を備えるように構成された、態様1から9のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様11]
前記ロボット作業工具は、第1のロボット作業工具の動作特性に基づいて前記第1のロボット作業工具の動作を前記クラウドサービスによってスケジュールさせるように構成され、前記動作データは、スケジューリングデータを備える、態様1から9のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様12]
前記ロボット作業工具は、前記作業領域に最良のサービスが行われるようにするために第1のロボット作業工具及び第2のロボット作業工具を前記クラウドサービスによって調整するように構成され、前記ロボット作業工具(100)は、前記クラウドサービスから調整のデータを受信するように構成された、態様1から11のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様13]
前記調整は、前記第1のロボット作業工具及び前記第2のロボット作業工具の動作特性に基づく、態様12に記載のロボット作業工具システム。
[態様14]
前記ロボット作業工具は、前記作業領域の特性を前記クラウドサービスによって判別させ、動作特性が一致する又は前記作業領域の特性のサービスを提供することができるロボット作業工具に対する前記作業領域の特性の照合を行い、前記作業領域に使用する前記ロボット作業工具(のタイプ)を選択するように構成された、態様1から13のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様15]
第1のロボット作業工具の動作特性は、第2のロボット作業工具から収集されたデータに基づく、態様11から14のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様16]
前記動作特性は、前記ロボット作業工具の範囲、前記ロボット作業工具の速度、前記ロボット作業工具の動作効率及び/又は前記ロボット作業工具の登板力である、態様11に記載のロボット作業工具システム。
[態様17]
前記ロボット作業工具(100)は、第2のロボット作業工具(100.2)によって収集されたデータに基づいて、前記収集されたデータを前記クラウドサービス(250)によって分析させるように更に構成された、態様1から16のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様18]
前記ロボット作業工具(100)は、前記収集されたデータを送信することにより、前記クラウドサービス(250)によって前記作業領域(205)のマップを生成させるように更に構成された、態様17に記載のロボット作業工具システム。
[態様19]
前記ロボット作業工具(100)は、前記収集されたデータを送信することにより、第1のロボット作業工具から収集されたデータ及び第2のロボット作業工具から収集されたデータに基づいて、前記クラウドサービス(250)によって前記作業領域(205)のマップを生成させるように更に構成された、態様17又は18に記載のロボット作業工具システム。
[態様20]
前記ロボット作業工具(100)は、
前記収集されたデータを送信することにより、前記ロボット作業工具(100)の動作特性を前記クラウドサービスによって決定させ、前記収集されたデータは、前記動作特性の指標を含み、
前記収集されたデータを送信することにより、前記作業領域(205)の特性を前記クラウドサービスによって決定させ、前記収集されたデータは、前記作業領域(205)の特性の指標を含み、それにより、クラウドサービスは、
前記ロボット作業工具(100)の動作特性を前記作業領域の特性に照合し、
前記作業領域の動作の一致に基づいて、前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)の一つを選択するように更に構成された、態様1から19のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様21]
前記ロボット作業工具システム(200)は、複数のロボット作業工具(100)を備え、前記ロボット作業工具システム(200)は、前記複数のロボット作業工具(100)から受信したデータを分析し、前記受信したデータに基づいて、一つのロボット作業工具(100)の動作を改善するように更に構成された、態様1から20のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様22]
前記クラウドサービスは、前記収集されたデータのパターン又は傾向を確立するとともに確立されたパターン又は傾向に基づいて前記動作データを決定するために、データを経時的に分析するように更に構成された、態様1から21のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様23]
前記クラウドサービスは、前記収集されたデータのパターン又は傾向を確立するとともに確立されたパターン又は傾向に基づいて前記動作データを決定するために、複数のロボット作業工具(100)から受信したデータを分析するように更に構成された、態様1から22のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様24]
前記クラウドサービスは、受信した前記収集されたデータに基づいて前記動作データを決定するように更に構成された、態様1から23のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様25]
前記クラウドサービスは、前記クラウドサービスに以前に送信された前記収集されたデータに基づいて前記動作データを決定するように更に構成された、態様1から24のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様26]
前記クラウドサービスは、前記クラウドサービスによって以前に判別された動作データに基づいて前記動作データを決定するように更に構成された、態様1から25のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様27]
前記ロボット作業工具システムは、アクセサリデバイス(240a~c)を更に備え、前記クラウドサービスは、前記クラウドサービスに送信された前記収集されたデータに基づいて前記アクセサリデバイスの動作データを決定し、前記アクセサリデバイスの動作データを前記アクセサリデバイスに送信し、前記アクセサリデバイスの動作データに従ってアクセサリデータを動作させるように更に構成された、態様1から26のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様28]
前記ロボット作業工具システムは、態様1から27のいずれかに一つに従属するとき、アクセサリデバイス(240a~c)を更に備え、前記クラウドサービスは、前記収集されたデータを前記アクセサリデバイス(240a~c)から受信し、前記アクセサリデバイスから受信した前記収集されたデータに基づいて前記ロボット作業工具(100)の動作特性を決定するように更に構成された、態様1から27のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様29]
前記ロボット作業工具は、ロボット芝刈り機(100)である、態様1から28のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様30]
第2のロボット作業工具は、ロボット肥料分配器、ロボット灌漑ツール、ロボット葉収集器又は他のロボット園芸ツールである、態様1から29のいずれか一つに記載のロボット作業工具システム。
[態様31]
作業領域(205)で動作するように配置された少なくとも一つのロボット作業工具(100)を備えるロボット作業工具システム(200)を使用するための方法であって、前記ロボット作業工具(100)は、少なくとも一つのセンサ(170)及び通信インターフェース(115)を備え、
前記ロボット作業工具(100)が、
前記通信インターフェース(115)を介してクラウドサービス(250)への接続を確立し、
前記少なくとも一つのセンサ170によって収集されたデータを受信し、前記収集されたデータを前記クラウドサービス(250)に送信し、
前記クラウドサービスが、
前記収集されたデータを分析し、
前記ロボット作業工具(100)が、
前記クラウドサービス(250)から動作データを受信し、
前記クラウドサービスから受信した前記動作データに基づいて動作する、方法。
[態様32]
少なくとも一つのロボット作業工具(100)を備えるロボット作業工具システム(200)に動作可能に接続されたクラウドサービス(250)であって、
前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)への接続を確立し、
前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)によって収集されたデータを受信し、
前記収集されたデータを分析し、
動作データを決定し、
前記動作データを前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)に送信し、前記少なくとも一つのロボット作業工具(100)を前記動作データに基づいて動作させるように構成された、クラウドサービス。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9