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特許7551757糖の量を低減した菓子製品及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】糖の量を低減した菓子製品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/42 20060101AFI20240909BHJP
   A23G 3/54 20060101ALI20240909BHJP
   A23L 29/269 20160101ALN20240909BHJP
【FI】
A23G3/42
A23G3/54
A23L29/269
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022537778
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 NL2020050770
(87)【国際公開番号】W WO2021125941
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】2024463
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522241837
【氏名又は名称】ペルフェティ・ファン・メレ・ベネルクス・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】PERFETTI VAN MELLE BENELUX B.V.
【住所又は居所原語表記】Zoete Inval 20,4815 HK Breda,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フリューゲルス、ターニャ・カタリーナ・ヨゼフィーナ
(72)【発明者】
【氏名】デ・ヨング、ペトルス・ヘンリキュス
(72)【発明者】
【氏名】ボッティーニ、アレッサンドロ
【審査官】石田 傑
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-529552(JP,A)
【文献】特開2011-109999(JP,A)
【文献】国際公開第2019/055626(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0129500(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクロース、グルコースシロップ、デキストリン及びジェランガムを含み、ゼラチン不使用の歯ごたえのある中心部と、前記歯ごたえのある中心部を囲む非晶質のキャンディー材料を有する層とを含み、前記非晶質のキャンディー材料は、スクロース、グルコースシロップ及びデキストリンを含み、前記非晶質のキャンディー材料を有する層におけるスクロース/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1であり、前記歯ごたえのある中心部におけるスクロース/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1である、菓子製品。
【請求項2】
前記歯ごたえのある中心部におけるジェランガムの量が、前記歯ごたえのある中心部の全重量に対して0.02重量%~1重量%である、請求項1に記載の菓子製品。
【請求項3】
前記歯ごたえのある中心部における含水率が、前記歯ごたえのある中心部の全重量に対して6重量%~10重量%である、請求項1又は2に記載の菓子製品。
【請求項4】
前記ゼラチン不使用の歯ごたえのある中心部がアラビアガムを含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項5】
記層は、少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層の全重量に対する含水率が4重量%~8重量%の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層である、請求項1~4のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項6】
前記歯ごたえのある中心部におけるデキストリンが前記歯ごたえのある中心部の10重量%を超える、請求項1~5のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項7】
前記歯ごたえのある中心部におけるデキストリンが前記歯ごたえのある中心部の15重量%~70重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項8】
前記非晶質のキャンディー材料におけるデキストリンが前記非晶質のキャンディー材料の10重量%を超える、請求項1~のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項9】
前記非晶質のキャンディー材料におけるデキストリンが前記非晶質のキャンディー材料の15重量%~70重量%である、請求項に記載の菓子製品。
【請求項10】
前記歯ごたえのある中心部におけるデキストリン又は前記非晶質のキャンディー材料におけるデキストリンの単糖類及び二糖類の合計が5重量%未満である、請求項1~9のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項11】
前記歯ごたえのある中心部が、歯ごたえのある材料の2重量%を超えるソルビトールを有する歯ごたえのある材料を含む、請求項1~4、6~7のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項12】
前記歯ごたえのある中心部が、歯ごたえのある材料の0.04重量%~5重量%のグリセリンを有する歯ごたえのある材料を含む、請求項1~4、6~7のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項13】
前記非晶質のキャンディー材料が、前記非晶質のキャンディー材料の2重量%を超えるソルビトールを含む、請求項1又は5に記載の菓子製品。
【請求項14】
前記非晶質のキャンディー材料が、前記非晶質のキャンディー材料の0.04重量%~5重量%のグリセリンを含む、請求項5に記載の菓子製品。
【請求項15】
前記歯ごたえのある中心部又は前記非晶質のキャンディー材料のいずれかが香料を含まない、請求項1~14のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項16】
前記歯ごたえのある中心部及び前記非晶質のキャンディー材料が香料を含まない、請求項1~14のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項17】
少なくとも1つのコーティング層を更に有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項18】
前記少なくとも1つのコーティング層がハード若しくはソフトコーティング、又はハード及びソフトコーティングの組合せであり、デキストリンを含む、請求項17に記載の菓子製品。
【請求項19】
請求項1に記載の菓子製品の製造方法であって、
a)スクロース、グルコースシロップ、デキストリン及びジェランガムを含み、ゼラチン不使用の歯ごたえのあるキャンディー菓子材料であって、スクロース/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1である材料を準備する工程、ここで、前記歯ごたえのあるキャンディー菓子材料における前記スクロースの少なくとも80%が結晶質の状態である;
b)非晶質のスクロース、グルコースシロップ及びデキストリンを含むキャンディー材料であって、スクロース/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1である材料を準備する工程;
c)前記キャンディー材料が歯ごたえのある菓子材料のコアを囲むように、前記歯ごたえのある菓子材料と前記キャンディー材料とを組み合わせる工程;
d)前記キャンディー材料の前記非晶質のスクロースを少なくとも部分的に結晶化させる工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェランガムを含有する歯ごたえのある中心部を有し、糖の量を低減した、コーティングされたゼラチン不使用の菓子製品、及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードキャンディーのシェルに歯ごたえのある中心部を有する、歯ごたえのあるキャンディーが、当技術分野で公知である。
【0003】
国際公開第2006/083784号及び国際公開第2008/091476号は、吸収可能デキストリン、任意にアラビアガム、甘味料、水及び香料を含む歯ごたえのある中心部と、香料及び少なくとも部分的に結晶質の甘味料を含む中間層と、カリカリしたハードシェルである外側シェルとを有する多層菓子製品を開示する。甘味料は、スクロース及びコーンシロップであってもよい。
【0004】
親水コロイドが、糖/グルコースシロップ系におけるゲル化剤として一般に使用される。
【0005】
糖菓子に非常によく使用される親水コロイドの一種は、主にゲル化剤として使用されるゼラチンである。ゼラチンは、歯ごたえのある糖菓子に、消費者にとってとりわけ望ましい独特な粘弾性食感(例えば弾力性及び弾性と呼ばれる)を付与する。ゼラチンの存在は、半製品の菓子材料に望ましい粘度を与え、製造のさまざまな段階で、材料を圧送し、押し出し、又は搬送しやすくすることで、製造工程を改善する。さらに、ゼラチンには、脂肪と、歯ごたえのあるキャンディーの糖、グルコースシロップ及び残留水分との均質化を可能とする乳化力がある。しかし、ゼラチンは動物に由来する。
【0006】
倫理上、宗教上、食事上の制限のため、又は菜食のために、動物に由来する原材料を使用しない製品に対する需要が高まっている。したがって、ゼラチン様の食感を有するゼラチン不使用の菓子製品を製造するためのゼラチンの代替物が模索されてきた。
【0007】
過去の特許文献にデキストリンの使用が記載されているが、ジェランガムとデキストリンの併用に関連して、糖/グルコースシロップの最適なバランスは示されていない。国際公開第2006/083784号は、歯ごたえのある材料への6%~10%の難消化性デキストリンの使用を記載しているが、歯ごたえのある材料をコーティングするキャンディー材料に難消化性デキストリンを添加することは記載されていない。このように、最終製品に添加される難消化性デキストリンの全体量は限定されている。実際、10%のデキストリンを歯ごたえのある材料に添加すると、歯ごたえのある材料がキャンディー中心部全体の67.5%を占め、中心部が70/30の中心部/コーティング比にコーティングされている場合、最終製品中の難消化性デキストリンは、10×0.675×0.7=4.7%のみとなる。国際公開第2006/083784号には、歯ごたえのある材料について糖:グルコースの比が50:50であると報告されているが、ハードキャンディー材料については何の情報も開示されていない。
【0008】
欧州特許第2117336号は、歯ごたえのある材料について国際公開第2006/083784号に報告されているのと同じ糖:グルコース比を記載し、難消化性デキストリンを含まないハードキャンディー材料については、66:34の糖:グルコース比を記載している。
【0009】
国際公開第2006/083784号に記載のアラビアガムは、歯ごたえのある菓子に使用される植物由来の増粘ゲル化剤であり、ゼラチンの代替物となる可能性がある。しかし、アフリカの一部の国で生産されるアラビアガムの地理的起源のため、供給量が年々著しく変動している。したがって、ゼラチンと同様にアラビアガムの代替物を見いだすことも望まれている。
【0010】
国際公開第2011/153229号は、糖、糖アルコール又はそれらの混合物の固体粒子を70~98%と、とりわけゼラチン又はジェランガムである拡散制御剤を0.1~20%含有する、積層又はコーティング材料として利用される生地様菓子材料を開示する。実施例で使用されている拡散制御剤は、キサンタンガムである。
【0011】
国際公開第02/30214号は、ジェランガムとカラギーナンを含み、ゼラチンを使用しないグミ菓子を開示する。ジェランガム製品は「弾力性及び弾性が比較的低いため、ゼラチン様の食感に欠ける」ことから、カラギーナンがゼラチン不使用の菓子製品に添加される。
【0012】
ジェランガムを含有する製品は、その粘度がゼラチンを用いて製造した製品よりも低いために、形成後に歯ごたえのある中心部が崩壊するといった製造上の難点を示し、ジェランガムの吸湿性による水分の移動の減少は、歯ごたえのある中心部から周囲のキャンディー層への水分の移動を減少させる。
【0013】
糖/グルコースシロップとデキストリンをベースとする歯ごたえのある中心部で、好ましくはアラビアガム及び他の親水コロイドの存在なしにゼラチンをジェランガムに置き換えたものは、糖/グルコースシロップの比を特定の範囲に維持した場合に、所望の粘度特性を示すことが見いだされている。
【0014】
本発明の多層菓子製品は、加工中に、崩壊することなく形成され、任意にコーティングされるのに十分な粘度を有する、周囲の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層によってコーティングされた歯ごたえのある中心部を有する。
【0015】
さらに、驚くべきことに、糖/グルコースシロップの特定の比と、周囲の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層へのデキストリンの添加により、製品が消費者に届く頃には周囲のキャンディー層が少なくとも部分的に結晶化して所望の食感が得られることが、見いだされた。
【0016】
対照的に、先行技術の特許文献に記載の糖:グルコースの比は、本発明に従ってデキストリンを添加した場合、キャンディーの結晶化が満足のいくレベルではない。
【0017】
デキストリンは、歯ごたえのある材料だけでなく、ハードキャンディー材料にも添加される場合、過去の特許における開示と比較して、最終的なキャンディー全体に遙かに多量に添加できることも見いだされた。
【発明の概要】
【0018】
本発明の一側面は、糖、グルコースシロップ、デキストリン及びジェランガムを含み、ゼラチン不使用の歯ごたえのある中心部と、前記歯ごたえのある中心部を囲む少なくとも部分的に非晶質のキャンディー材料の層とを含み、歯ごたえのある中心部における糖/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~100:0である、菓子製品に関する。
【0019】
一態様は、歯ごたえのある中心部における糖/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1である、本発明による菓子製品である。
【0020】
一態様は、歯ごたえのある中心部におけるジェランガムの量が歯ごたえのある中心部の全重量と比較して0.02重量%~1重量%である、本発明による菓子製品である。
【0021】
一態様は、歯ごたえのある中心部における含水率が歯ごたえのある中心部の全重量と比較して6重量%~10重量%である、本発明による菓子製品である。
【0022】
一態様は、ゼラチン不使用の歯ごたえのある中心部がアラビアガムを含有しない、本発明による菓子製品である。
【0023】
一態様は、前記少なくとも部分的に非晶質のキャンディー材料の層が糖及びデキストリンを含む、本発明による菓子製品である。
【0024】
一態様は、前記少なくとも部分的に非晶質のキャンディー材料の層がグルコースを含み、前記少なくとも部分的に非晶質のキャンディー材料の層における糖/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1であるか、又は前記少なくとも部分的に非晶質のキャンディー材料の層がグルコースを含まない、本発明による菓子製品である。
【0025】
一態様は、少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層における含水率が、少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層の全重量と比較して好ましくは4重量%~8重量%である、本発明による菓子製品である。
【0026】
一態様は、デキストリンが歯ごたえのある中心部の10%超を占める、本発明による菓子製品である。
【0027】
一態様は、デキストリンが歯ごたえのある中心部の15%~70%を占める、本発明による菓子製品である。
【0028】
一態様は、デキストリンが非晶質のキャンディー材料の10%超を占める、本発明による菓子製品である。
【0029】
一態様は、デキストリンが非晶質のキャンディー材料の15%~70%を占める、本発明による菓子製品である。
【0030】
一態様は、前記デキストリンが合計で5%未満の単糖類及び二糖類を含有する、本発明による菓子製品である。
【0031】
一態様は、前記歯ごたえのある中心部が歯ごたえのある材料の2重量%超のソルビトールを含有する、本発明による菓子製品である。
【0032】
一態様は、前記歯ごたえのある中心部が歯ごたえのある材料の0.04重量%~5重量%のグリセリンを含有する、本発明による菓子製品である。
【0033】
一態様は、前記非晶質のキャンディー材料が歯ごたえのある材料の2重量%超のソルビトールを含有する、本発明による菓子製品である。
【0034】
一態様は、前記非晶質のキャンディー材料が歯ごたえのある材料の0.04重量%~5重量%のグリセリンを含有する、本発明による菓子製品である。
【0035】
一態様は、歯ごたえのある中心部又は非晶質のキャンディー材料のいずれかが香料を含有しない、本発明による菓子製品である。
【0036】
一態様は、歯ごたえのある中心部及び非晶質のキャンディー材料が香料を含有しない、本発明による菓子製品である。
【0037】
一態様は、少なくとも1つのコーティング層を更に含む、本発明による菓子製品である。
【0038】
一態様は、少なくとも1つのコーティング層がハード若しくはソフトコーティング、又はハード及びソフトコーティングの組合せであり、デキストリンを含有する、本発明による菓子製品である。
【0039】
本発明の一側面は、本発明の菓子製品の製造方法であって、
a)糖、グルコースシロップ、デキストリン及びジェランガムを含み、ゼラチン不使用の歯ごたえのあるキャンディー菓子材料であって、糖/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1である材料を準備する工程と;
b)少なくとも部分的に非晶質の糖、グルコースシロップ及びデキストリンを含むキャンディー材料であって、糖/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1である材料を準備する工程と;
c)キャンディー材料が歯ごたえのある菓子材料のコアを囲むように、歯ごたえのある菓子材料とキャンディー材料とを組み合わせる工程と;
d)キャンディー材料の非晶質の糖を少なくとも部分的に結晶化させる工程と
を含む方法に関する。
【0040】
本発明の一側面は、本発明の菓子製品の製造方法であって、
a)糖、グルコースシロップ、デキストリン及びジェランガムを含み、ゼラチン不使用の歯ごたえのあるキャンディー菓子材料であって、糖/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~100:0である材料を準備する工程と;
b)少なくとも部分的に非晶質の糖、グルコースシロップ及びデキストリンを含むキャンディー材料であって、糖/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~100:0である材料を準備する工程と;
c)キャンディー材料が歯ごたえのある菓子材料のコアを囲むように、歯ごたえのある菓子材料とキャンディー材料とを組み合わせる工程と;
d)キャンディー材料の非晶質の糖を少なくとも部分的に結晶化させる工程と
を含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の目的は、糖、グルコースシロップ、ジェランガム及びデキストリンを含み、ゼラチン不使用の歯ごたえのある中心部と、前記歯ごたえのある中心部を囲む、好ましくはデキストリンを含有する少なくとも部分的に非晶質のキャンディー材料の層とを含み、歯ごたえのある中心部における糖/グルコースシロップの比が乾燥重量ベースで70:30~99:1である、菓子製品である。
【0042】
「糖」という用語は通常の科学的意味であり、本明細書及び特許請求の範囲ではスクロースを指す。
【0043】
一態様において、グルコースシロップは、歯ごたえのある中心部から完全に除去される(糖:グルコースシロップの比=100:0)。
【0044】
歯ごたえのある中心部及びキャンディー層はゼラチンを含まず、好ましくは、アラビアガムも、ジェランガムとは異なる他の親水コロイドも含まない。
【0045】
好ましくは、菓子材料は、キャンディー層を囲む少なくとも1つの追加のコーティング層を有する。
【0046】
歯ごたえのある層における好ましい糖/グルコースシロップの比は、乾燥重量ベースで80:20~90:10である。
【0047】
本発明において有用なジェランガムは、高アシルジェランとも呼ばれるネイティブジェランガムであるか、それから誘導されるものである。
【0048】
ネイティブジェランガムは、慎重に調合された培地に微生物スフィンゴモナス・エロディア(Sphingamonas elodea)(ATIC31461)を接種することで得られるポリマーである。この方法は、例えば米国特許第4,326,052号及び第4,385,123号に開示されている。発酵の結果、グルコース、ラムノース及びグルクロン酸の3種のモノマーからなる直鎖を有する多糖が得られる。グルコース単位のC2及びC6のヒドロキシル基は、アセチル基及びグリセリル基でエステル化できる。ネイティブジェランポリマーは、さまざまな程度に脱アセチル化できる(ネイティブ又は高アシルジェランガム及び低アシルジェランガムについては、それぞれスキームIの(a)及び(b)を参照されたい)。
【0049】
【化1】
【0050】
本発明において有用なジェランガムとしては、ネイティブジェランガム及びそれから誘導される利用可能な形態、例えば、非清澄化、清澄化及び部分清澄化ネイティブ形態、脱アセチル化及び部分的脱アセチル化形態、並びにそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
ジェランガムは、CP Kelco Company, 1313 North Market Street, Wilmington, Delaware 19894, USAから入手可能である。代表的なブランド名としては、KELCOGEL及びGELRITEが挙げられる。KELCOGEL及びGELRITEは、CP Kelco Companyの商標である。
【0052】
特に好ましいのは、KELCOGEL Fである。
【0053】
歯ごたえのある中心部におけるジェランガムの量は、好ましくは歯ごたえのある中心部の全重量と比較して0.02重量%~1重量%であり、最も好ましくは歯ごたえのある中心部の全重量と比較して0.03重量%~0.07重量%である。
【0054】
好ましくは、歯ごたえのある中心部における含水率は、歯ごたえのある中心部の全重量と比較して6重量%~10重量%であり、最も好ましくは7重量%~9重量%である。
【0055】
歯ごたえのある中心部は、例えば欧州連合のReg.1129/2011又は国際食品規格に記載されているような香料、脂肪、乳化剤、着色料、酸、及び承認された一般的な食品添加物を更に含有してもよい。
【0056】
一態様において、脂肪は、歯ごたえのあるキャンディー材料の1重量%~12重量%、好ましくは歯ごたえのあるキャンディー材料の3重量%~10重量%、さらにより好ましくは歯ごたえのあるキャンディー材料の4重量%~8重量%存在する。
【0057】
歯ごたえのあるキャンディー材料におけるデキストリンの量は、好ましくは歯ごたえのあるキャンディー材料の10重量%超である。一態様において、歯ごたえのあるキャンディー材料におけるデキストリンの量は、歯ごたえのあるキャンディー材料の15重量%~70重量%、より好ましくは20重量%~60重量%、さらにより好ましくは25重量%~45重量%である。
【0058】
好ましくは、歯ごたえのあるキャンディー材料はソルビトールを含有する。
【0059】
歯ごたえのあるキャンディー材料におけるソルビトールの量は、好ましくは歯ごたえのあるキャンディー材料の2重量%超である。一態様において、歯ごたえのあるキャンディー材料におけるソルビトールの量は、5%~25%、より好ましくは10%~20%である。
【0060】
好ましくは、歯ごたえのあるキャンディー材料はグリセリンを含有する。
【0061】
歯ごたえのあるキャンディー材料におけるグリセリンの量は、好ましくは0.04%~5%、より好ましくは0.5%~5%である。
【0062】
好ましい態様において、歯ごたえのある中心部の材料は、ジェランガム、難消化性デキストリン、ソルビトール、グリセリン、糖を含有し、グルコースシロップを含有しない。
【0063】
代替的な態様において、歯ごたえのあるキャンディー材料は香料を含有しない。
【0064】
周囲の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー材料のキャンディーの層は、糖及びグルコースシロップを含む。
【0065】
周囲の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層における糖/グルコースシロップの比は、好ましくは乾燥重量ベースで70:30~99:1である。
【0066】
一態様において、グルコースシロップは、非晶質のキャンディー材料から完全に除去される(糖:グルコースシロップの比=100:0)。
【0067】
非晶質のキャンディー材料におけるデキストリンの量は、好ましくは非晶質のキャンディー材料の10重量%超である。一態様において、非晶質のキャンディー材料におけるデキストリンの量は、非晶質のキャンディー材料の15重量%~70重量%、より好ましくは20重量%~60重量%、さらにより好ましくは25重量%~45重量%である。
【0068】
好ましくは、非晶質のキャンディー材料はソルビトールを含有する。
【0069】
非晶質のキャンディー材料におけるソルビトールの量は、好ましくは非晶質のキャンディー材料の2重量%超である。一態様において、非晶質のキャンディー材料におけるソルビトールの量は、5%~25%、より好ましくは10%~20%である。
【0070】
好ましくは、非晶質のキャンディー材料はグリセリンを含有する。
【0071】
非晶質のキャンディー材料におけるグリセリンの量は、好ましくは0.04%~5%、より好ましくは0.5%~5%である。
【0072】
好ましい態様において、非晶質のキャンディー材料は、難消化性デキストリン、ソルビトール、グリセリン、糖を含有し、グルコースシロップを含有しない。
【0073】
代替的な態様において、非晶質のキャンディー材料は香料を含有しない。
【0074】
周囲の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層における含水率は、好ましくは周囲の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層の重量と比較して4重量%~8重量%、より好ましくは4.5重量%~7重量%である。
【0075】
周囲の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層は、例えば欧州連合のReg.1129/2011又は国際食品規格に記載されているような香料、脂肪、乳化剤、着色料、酸、及び承認された一般的な食品添加物を更に含有してもよい。
【0076】
歯ごたえのある材料及び周囲の少なくとも部分的に非晶質のキャンディー層に使用される糖は、好ましくはICUMSAグレードが50未満、好ましくは30以下の精製した糖から選択される。
【0077】
歯ごたえのある材料及び周囲のキャンディー層に使用されるグルコースシロップは、乾燥重量ベースで25重量%~35重量%、最も好ましくは28重量%~34重量%の単糖類及び二糖類の含有量を好ましくは特徴とする。
【0078】
グルコースシロップは、乾燥重量ベースでグルコースシロップの全重量と比較して、9より大きいDP指数(重合度)を有するオリゴ糖を好ましくは少なくとも19重量%、最も好ましくは20重量%~28重量%含有する。
【0079】
あるいは、グルコースシロップは、高マルトースグルコースシロップであり、好ましくは単糖類及び二糖類を合計で40%~70%含有する。本発明において好ましく利用される高マルトースシロップは、単糖類及び二糖類を合計で50%超含有する。
【0080】
糖低減調合物は、元の調合物に存在する糖、グルコースシロップ又は単糖類及び二糖類を含有する他の原材料の一部を置換する適切な原材料の添加により、単糖類及び二糖類の総量が元の調合物と比較して少なくとも25%低減されている調合物であると定義される。
【0081】
あらゆる種類のデキストリンを本発明に使用できる。
【0082】
第1の態様におけるデキストリンは、制御された酵素加水分解によりトウモロコシデンプンから誘導される。これは、合計で5%未満の単糖類及び二糖類、好ましくは合計で3%未満の単糖類及び二糖類、さらにより好ましくは合計で1.5%未満の単糖類及び二糖類を含有する多糖類のブレンドである。
【0083】
第2の態様において、本発明で利用されるデキストリンは、酸による熱処理でデンプンを加水分解することにより得られる。これは、合計で5%未満の単糖類及び二糖類、好ましくは合計で3%未満の単糖類及び二糖類、さらにより好ましくは合計で1.5%未満、さらには1%未満の単糖類及び二糖類を含有する、分枝鎖を有する多糖類のブレンドである。
【0084】
特定の低量の単糖類及び二糖類を含有するデキストリンが糖低減調合物への導入に特に適している。
【0085】
本発明に存在するデキストリンは、難消化性デキストリンとすることができる。難消化性マルトデキストリンは、ポリマー構造中にいくらかの分枝を有し、それがマルトデキストリンを消化に対して耐性にする。
【0086】
本発明においては、一般的なデキストリン及び難消化性デキストリンを、単独で又は組み合わせて使用してもよい。
【0087】
デキストリンは、歯ごたえのある中心部の材料に、ハードキャンディー材料に、そしてコーティングの一部にも使用できる。
【0088】
コーティング層は、ハード又はソフトコーティングでもよく、ハード及びソフトコーティングの組合せであってもよい。
【0089】
コーティング層は、公知の組成であってもよく、E.B. Jackson, Sugar confectionery manufacture, 2nd Edition, Aspen Publishers Inc, Geithersburg, Maryland (1999)又はJ.A. Merl and K.W. Stock, Silesia Confiserie Manual No 4, Silesia Gerhard Hanke KG, Abt. Fachbucherei, Neuss - Germany (1996)に記載されているような公知の方法で製造できる。
【0090】
好ましくは、コーティング層は、糖、グルコース、香料、天然又は人工着色料、増粘剤(結合剤とも呼ばれ、例えばデンプン)、クイックコート、脂肪、乳化剤及び一般的な添加剤を含有する。好ましくは、コーティングは二酸化チタンを含有しない。
【0091】
いくつかの態様において、デキストリンは、乾燥コーティング材料の重量において5%超、好ましくは20%超、さらにより好ましくは30%超存在する。
【0092】
あるいは、デキストリンは、乾燥コーティング材料の重量において2%~40%、好ましくは3%~30%、さらにより好ましくは5%~20%存在することができる。
【0093】
本発明の菓子製品は、
a)糖、デキストリン並びに任意のグルコースシロップ及びジェランガムを含み、ゼラチン不使用の歯ごたえのあるキャンディー菓子材料を準備する工程と;
b)少なくとも部分的に非晶質の糖及び任意にグルコースシロップを含むキャンディー菓子材料を準備する工程と;
c)キャンディー材料が菓子材料のコアを囲むように、歯ごたえのある菓子材料とキャンディー材料とを組み合わせる工程と;
d)キャンディー材料の非晶質の糖を少なくとも部分的に結晶化させる工程と
を含む方法によって製造してもよい。
【0094】
工程a)で準備される歯ごたえのあるキャンディー菓子材料は、好ましい比率で組み合わされ、真空下で好ましい含水率になるまで加熱された糖、グルコースシロップ、デキストリン及び水から製造できる。ジェランガムは、加熱後に溶液として添加できる。好ましい態様において、ジェランガム溶液は、加熱前に糖、グルコースシロップ、デキストリン及び水の混合物に添加される。驚くべきことに、ジェランガムでゼラチンを置きかえると、真空加熱された塊は、泡沫の発生が少なくなることが見いだされている。これは、効率の上昇につながり、ゼラチンを含有する調合物では連続操作が24時間であるのに対して、加熱装置を72時間を超えて、さらには100時間を超えて連続して作動させることが可能となる。
【0095】
乳化剤及び脂肪は、加熱の前又は後に添加される。好ましくは、歯ごたえのある塊は、レシチンを含まず、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい乳化剤である。驚くべきことに、ショ糖脂肪酸エステルは、歯ごたえのある塊における糖結晶の形成を速め、引き延ばしに必要な時間を短縮することが見いだされている。
【0096】
ショ糖脂肪酸エステルは、非晶質のキャンディー材料に添加してもよい。
【0097】
加熱された塊は、好ましくは引き延ばされ、粉末状の糖又は予め結晶化させた歯ごたえのある塊が散布される。香料、着色料、酸は、引き伸ばし機若しくはインラインミキサを使用して、又は押し出し時に添加される。以前に言及した原材料を用いて完成させた歯ごたえのある塊が、ハードキャンディーの塊と組み合わされる。
【0098】
キャンディー菓子材料の塊は、糖、グルコースシロップ、デキストリン及び水を混合することによって製造され、目標の残留水分になるまで公知の方法により真空下で加熱される。
【0099】
加熱後、キャンディーの塊には香料、着色料及び他の添加剤が添加される。好ましい態様において、沸騰させたキャンディー菓子材料の塊に粉末状の糖が添加される。
【0100】
キャンディー菓子材料及び歯ごたえのあるキャンディー材料が冷却され、押し出し機若しくはバッチローラー機といった組合せ装置、又は、同心円状に組み合わされたひも状の材料であって、内部は少なくとも部分的に結晶化させた糖を含む歯ごたえのある菓子材料でできており、この歯ごたえのある菓子材料を囲む外部は少なくとも部分的に非晶質の糖を含むハードキャンディー菓子材料でできているひも状物の製造に使用する技術者に公知の適切な手段に搬送される。
【0101】
好ましい一態様において、この段階では、歯ごたえのあるキャンディー菓子材料は、歯ごたえのあるキャンディー材料の全糖に対して80%超、好ましくは90%超、さらには95%超の糖を結晶質の状態で含む。同時に、ハードキャンディー菓子材料は、ハードキャンディー菓子材料中に存在する糖の80%~99.9%、好ましくはハードキャンディー菓子材料中に存在する糖の95%~99.5%の糖を非晶質形態で含む。
【0102】
組み合わされたひも状の菓子材料は、少なくとも2対のサイジングホイール、好ましくは少なくとも4対のサイジングホイールを含むロープサイザにより所望の直径に縮小され、次いで、型成型、打抜き加工、切断、ボール形成を含む適切な手段で個々の塊に縮小される。
【0103】
組み合わされたキャンディー材料の個々の塊は、冷却トンネルで冷却される。
【0104】
結果として得られるキャンディーは、少なくとも部分的に非晶質のキャンディーの外側ハード層と、歯ごたえのある材料の内側コアとを有し、次いで、非晶質の糖を結晶化させるのに適切な時間が経過した後に包装され、販売される。
【0105】
あるいは、キャンディーは、コーティングパンを使用して、研磨、ダスティング又はコーティングできる。
【0106】
チョコレートコーティング、コンパウンドコーティング、ハードコーティング、ソフトコーティング、サンディング、ダスティング及びシルバリングからなるどのようなタイプのコーティングも可能である。
【0107】
1つ以上のコーティングを組み合わせることができ、最終的な研磨層を含めて、キャンディーに輝きと光沢を付加できる。
【0108】
好ましい態様において、コーティング操作は、キャンディー形成後数分~24時間以内に開始される。
【0109】
コーティングされたキャンディーは、非晶質の糖を結晶化させるのに適切な時間が経過した後に包装され、販売される。好ましい態様において、キャンディー材料の非晶質の糖は、制御された条件で少なくとも部分的に結晶化するように誘導される。
【0110】
驚くべきことに、条件を制御することにより、ハードキャンディー材料中に元々存在する糖の割合で、80%以上、好ましくは90%以上のハードキャンディー菓子材料中に元々存在する非晶質の糖の結晶化が可能となることが見いだされている。
【0111】
驚くべきことに、糖:グルコースの比が報告されたとおりであれば、指定された量でデキストリンを添加しても、糖の結晶化が損なわれないことも発見されている。
【実施例
【0112】
例1~5:歯ごたえのある中心部の製造のための歯ごたえのある材料の調製
欧州特許第2117336号の実施例1に記載の方法によって原材料を計量し、組み合わせた。
【0113】
歯ごたえのある中心部の組成、及び得られた製品の評価を、表1~5に示す。
【0114】
例1 比較例-アラビアガムベースのレシピ、ゼラチン含まず、欧州特許第2117336号の実施例2
【0115】
【表1】
【0116】
例2 比較例-ゼラチンベースのレシピ
【0117】
【表2】
【0118】
例3 ジェランガムベースのレシピ-糖/グルコース比の好ましい範囲
【0119】
【表3】
【0120】
例4 ジェランガムベースのレシピ-糖/グルコース比の上限
【0121】
【表4】
【0122】
例5 ジェランガムベースのレシピ-糖/グルコース比の下限
【0123】
【表5】
【0124】
例6~10 キャンディー層の製造のためのキャンディー材料
欧州特許第2117336号の実施例1の方法によって、粉糖以外の原材料を計量し、所望の残留水分に到達するまで真空下で沸騰させ、キャンディー材料を製造する。加熱後に得られた液状塊を粉糖と組み合わせて、可塑性のある柔軟な塊になるまで冷却する。
【0125】
キャンディー層の組成及び得られた製品の評価を、表6~10に示す。
【0126】
例6 比較例、欧州特許第2117336号の実施例2
【0127】
【表6】
【0128】
例7 デキストリンを含まない比較例-糖/グルコース比
【0129】
【表7】
【0130】
例8 糖/グルコース比の好ましい範囲
【0131】
【表8】
【0132】
例9 糖/グルコース比の好ましい上限
【0133】
【表9】
【0134】
例10 糖/グルコース比の好ましい下限
【0135】
【表10】
【0136】
例11~15 歯ごたえのある層とキャンディー層とを有するキャンディーの製造
先の例で得られた歯ごたえのある材料とキャンディー材料とを、公知の方法で組み合わせて、キャンディー材料の層で囲まれた歯ごたえのある材料の内側コアという2つの同心層を持つ中心部を形成した。好適な方法は、国際公開第00/06127号に記載されている。歯ごたえのある材料とキャンディー材料の割合を表11に示す。キャンディー材料がまだ非晶質である間に、公知の方法によって中心部を糖ベースのハードコーティングでコーティングする。キャンディーを制御された条件で14日間保管し、次いで、訓練を受けた審査員によって官能評価したところ、以下の全体的なコメントが示された。
【0137】
【表11】
【0138】
全体的評価:
例11(比較例):許容できる品質のキャンディーであり、キャンディー材料の一部が欧州特許第2117336号に記載のようにソフトである。
【0139】
例12(比較例):非常に良好な品質のキャンディーであって、例11よりも良好であり、キャンディー材料は全てソフトで結晶化している。噛み応えは均一であり、中心部がばらばらに壊れることはない。コーティング部分の割れは良好である。
【0140】
例13:非常に良好な品質のキャンディーであり、例12のものと区別がつかず、例11よりも良好で、キャンディー材料は全てソフトで結晶化している。噛み応えは均一で、中心部がばらばらに壊れることはない。コーティング部分の割れは良好である。
【0141】
例14:良好な品質のキャンディーであり、キャンディー材料はソフトで結晶化している。最初の一噛みが心地よい。噛み応えは少し可塑的な傾向がある。コーティング部分の割れは非常に良好である。
【0142】
例15:許容できる品質のキャンディーであり、キャンディー材料の一部が欧州特許第2117336号と同様にソフトである。噛み応えは、歯に付着する傾向があって評価が困難である。コーティング部分の割れは良好である。