(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】カメラモジュールおよび電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 7/08 20210101AFI20240909BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240909BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240909BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20240909BHJP
G03B 11/04 20210101ALI20240909BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240909BHJP
【FI】
G02B7/08 A
G02B7/02 A
G02B7/02 H
G02B7/04 E
G03B5/00 J
G03B11/04 B
G03B30/00
(21)【出願番号】P 2022549362
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2021074243
(87)【国際公開番号】W WO2021164519
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】202020175513.7
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】李 坤宜
(72)【発明者】
【氏名】彭 ▲書▼▲勝▼
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-108596(JP,A)
【文献】中国実用新案第209400775(CN,U)
【文献】特表2019-530899(JP,A)
【文献】特開2013-064963(JP,A)
【文献】特開2017-040814(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0164538(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0054883(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモータであって、前記カメラモータは合焦部を備え、前記合焦部は、ベース、キャリア、およびドライバを備え、前記ドライバは、前記ベースに固定され、前記キャリアを駆動して前記ベースに対して規定された方向に移動させるように構成され、前記規定された方向において、前記キャリアに設置孔が形成されている、カメラモータと、
レンズであって、前記レンズは前記設置孔に固定され、前記レンズの光軸が前記規定された方向に平行である、レンズと、
可変絞りであって、前記可変絞りは前記キャリア上に固定され、前記レンズの光入射側に位置する、可変絞りと、
画像センサアセンブリであって、前記画像センサアセンブリは、前記ベースの、前記可変絞りから離れた一端に配置されている、画像センサアセンブリと
を備え、
前記可変絞りが、駆動構造および複数のブレード並びに前期駆動構造及び前記ブレードを収容する可変絞りハウジングを備え、前記可変絞りハウジングが、前記設置孔の周囲に配置され、前記規定された方向に突出する
、前記キャリアに設けられた支持部に支持されることによって、前記可変絞りが前記キャリア上に固定される、カメラモジュール。
【請求項2】
前記合焦部が制御アセンブリをさらに備え、前記制御アセンブリは前記ドライバに電気的に接続され、前記制御アセンブリは、接続アセンブリを使用して前記可変絞りに電気的に接続される、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記接続アセンブリが第1のばねを備え、前記第1のばねは、前記キャリアの、前記可変絞りに面する側に配置され、前記第1のばねは、前記可変絞りおよび前記制御アセンブリに別々に電気的に接続される、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記接続アセンブリが、第1のばねと、前記キャリア上に形成された接続回路とを備え、前記接続回路は、前記可変絞りに電気的に接続され、
前記第1のばねは、前記キャリアの、前記可変絞りに面する側に配置され、前記第1のばねは、前記接続回路および前記制御アセンブリに別々に電気的に接続される、
請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
絶縁分離構造が、前記第1のばねと前記ドライバとの間に挟まれている、請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第1のばねが、同じ層に配置された複数のサブばねを備える、請求項3から5のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記合焦部が、第2のばねをさらに備え、前記第2のばねは、前記キャリアの、前記画像センサアセンブリに面する側に配置される、請求項3から6のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記ドライバが、駆動コイルおよび駆動磁石を備え、
前記駆動コイルは前記キャリア上に配置され、前記駆動磁石は前記ベース上に配置され、前記駆動コイルは前記駆動磁石に対応する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記カメラモータが、トップカバーおよび画像安定化部をさらに備え、
前記トップカバーは、前記画像安定化部と協働して、前記合焦部を収容するために使用される収容空間を形成し、前記合焦部は、前記画像安定化部に固定される、
請求項1から8のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記複数のブレードは、光が通過するための光入射孔を形成するように環状に分散され、前記駆動構造は、前記光入射孔のサイズを変更するために前記ブレードを駆動して回転させるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
デバイス本体と、請求項1から10のいずれか一項に記載のカメラモジュールとを備える電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0002】
本出願は、端末デバイス技術の分野に関し、特に、カメラモジュールおよび電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
一眼レフカメラでは、カメラに入射する光の量を調整するために使用される可変絞りが複数のレベルを有し、カメラに入射する光の量は、異なる条件におけるカメラの輝度要件を満たすように調整され得る。高品質の画像を得るためには、レンズへの絞りの設置は高精度である必要がある。
【0004】
科学技術の発展に伴い、携帯電話およびタブレットコンピュータなどの電子デバイスは、一眼レフカメラの画像撮影効果に近い画像撮影効果を達成するために、画像撮影機能に対する要求がますます高くなっている。しかしながら、現状では、絞りとレンズの組み立て方が難しく、このような小型の電子デバイスに適用することは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、小型電子デバイスの高品質の撮像要件を満たすために、カメラモジュールおよび電子デバイスを提供する。
【0006】
本出願は、携帯電話またはタブレットコンピュータなどの電子デバイスに適用することができるカメラモジュールを開示する。カメラモジュールは可変絞りと一体化されており、このタイプの電子デバイスのより高い画像撮影要件を満たすことができる。カメラモジュールは、具体的には、カメラモータと、レンズと、画像センサアセンブリと、可変絞りとを含む。カメラモータは合焦部を含み、合焦部は、画像撮影の合焦要件を満たすために、レンズを駆動して光軸方向に移動させるように構成される。具体的には、合焦部は、ベース、キャリア、およびドライバを含む。ベースは固定部に相当し、別の構造物を支持するものであり、キャリアは可動部に相当する。ドライバは、キャリア上に固定され、キャリアを駆動してベースに対して規定された方向に移動させるように構成され、規定された方向はレンズの光軸方向である。規定された方向において、キャリアは設置孔を形成する。レンズは、キャリアの設置孔に固定され、焦点合わせを実施するためにキャリアと共に光軸方向に移動し得る。レンズは光入射側を有し、可変絞りはキャリア上に固定され、レンズの光入射側に位置する。可変絞りは、光入射孔を有し、光入射孔の径は調整可能である。外光は、可変絞りを用いて調整された後、レンズに入射する。画像センサアセンブリは、レンズの光出射側に配置される。具体的には、画像センサアセンブリはベース上に固定され、レンズを通過する光は最終的に撮像のために画像センサアセンブリに到達する。本明細書の画像センサアセンブリは、画像センサ、別の外部接続アセンブリ、および支持構造を含み得る。
【0007】
カメラモジュール内の可変絞りとレンズの両方が合焦部のキャリア上に配置され、可変絞りとレンズは同時に光軸方向に移動して焦点合わせを実施することができ、可変絞りはレンズから独立している。これにより、カメラモジュールの組み立て難易度が低減され、カメラモジュールの小型化が容易になる。このように、カメラモジュールは、携帯電話などの小型の電子デバイスに適用され得る。さらに、光入射孔上の可変絞りの調整は、レンズの動きの影響を受けない可能性があり、より高品質の画像撮影要件が満たされる。
【0008】
レンズと可変絞りの両方が合焦部のキャリア上に固定され、可変絞りもレンズの光入射側に配置される必要があるため、可変絞りを支持するための支持部がキャリア上に配置され、固定および設置を容易にするために可変絞りは支持部に固定され得る。ここで、支持部は、カメラモータから突出していてもよい。当然ながら、支持部は、レンズおよび可変絞りの設置要件を満たすために、レンズのサイズに基づいて調整される必要がある。
【0009】
可能な実装形態では、カメラモータは、トップカバーおよび安定化部をさらに含んでもよい。トップカバーおよび安定化部は、上下に協働して、合焦部を収容するために使用される収容空間を形成する。合焦部は、具体的には、安定化部に固定されてもよい。カメラモジュールが使用されるとき、画像安定化部は、レンズを駆動して光軸に垂直な平面内で移動させてもよい。したがって、使用中の撮像品質に対するカメラモジュールの揺れの悪影響が低減される。当然ながら、光が通過するための第1の光学孔は、トップカバー上で開放される必要があり、第1の光学孔の軸は、光軸と同一直線上にある。
【0010】
可能な実装形態では、合焦部内のドライバは、駆動コイルおよび駆動磁石を含んでもよい。駆動コイルはキャリア上に配置され、駆動磁石はそれに対応してベース上に配置される。このように、駆動コイルは駆動磁石に対向し、駆動コイルは電源が投入され、駆動コイルは電界を発生させ、駆動磁石は電界内に位置し、移動するように駆動され得る。駆動磁石の動きは、駆動コイル内の電流の大きさおよび方向を変更することによって調整されてもよい。駆動磁石と駆動コイルとの間の相対的な駆動の形態を制限するために、駆動磁石はベース上に配置され、駆動コイルはベース上に配置されることが理解されよう。言い換えると、駆動磁石は固定端に相当し、駆動コイルは可動端に相当する。したがって、駆動磁石は、代替的に、別の構造、例えばベースに相対的に固定されたトップカバー上に配置されてもよい。
【0011】
本出願で提供されるカメラモジュールでは、可変絞りはレンズから独立しており、独立して使用されてもよい。具体的には、可変絞りは、駆動構造および複数のブレードを含んでもよい。複数のブレードは、光がレンズを通過するための光入射孔を形成するように環状に配置される。駆動構造は、複数のブレードを駆動して移動させ、光入射孔のサイズを変更するように構成される。これにより、レンズを通過する光量が調整される。可変絞りが独立して使用される場合、駆動構造に電源が追加され、その結果、駆動構造はブレードを駆動して移動させ、光入射孔のサイズを変更することができる。
【0012】
合焦部は、制御装置として使用される制御アセンブリをさらに含んでもよい。制御アセンブリは、具体的には、ベース上に固定される。制御アセンブリは、ドライバの動作を制御するためにドライバに電気的に接続される。あるいは、制御アセンブリは、駆動構造を制御して可変絞りの光入射孔のサイズを調整するために、接続アセンブリを使用して可変絞りの駆動構造に電気的に接続されてもよい。したがって、本明細書の制御アセンブリは、信号を使用して可変絞りの駆動構造に接続され、接続アセンブリは、可変絞りと制御アセンブリとの間の電気信号伝導のための構造として使用されてもよい。
【0013】
可能な実装形態では、接続アセンブリは、第1のばねの形態で実装されてもよい。第1のばねは、キャリアの、可変絞りに面する側に配置される。第1のばねは、具体的には銅または銅合金であってもよい金属材料で作られる。第1のばねは、制御アセンブリが可変絞りの電気信号に接続されるように、制御アセンブリおよび可変絞りの駆動構造に電気的に接続される。
【0014】
別の可能な実装形態では、接続アセンブリは、キャリア上の第1のばねの組み合わせによって形成された接続回路を使用することによって実装されてもよい。接続回路は、キャリア上に直接ケーブル配線することによって形成されてもよく、フレキシブル回路基板をキャリアに取り付けることによって形成されてもよい。可変絞りの駆動構造は、接続回路に電気的に接続される。ここでの第1のばねは、前述の第1のばねと同様であり、キャリアベースの、可変絞りに面する側に配置される。違いは、ここでの第1のばねが制御アセンブリに電気的に接続され、キャリア上の接続回路に電気的に接続されることにある。したがって、このようにして、可変絞りの駆動構造と制御アセンブリとの間の電気信号は、第1のばねおよびキャリア上の接続回路を使用することによって一緒に実施される。
【0015】
前述の2つの実装形態では、第1のばねは、制御アセンブリと可変絞りの駆動構造との間で電気信号の少なくとも一部を伝送するためのキャリアとして機能する。電気信号伝達効果を高めるために、第1のばねは、第1のばねの特定の構造に基づいて同じ層に配置された複数のサブばねに分割されてもよい。例えば、複数のサブばねは、光軸を中心として光軸周りに環状に分散されてもよい。
【0016】
電気信号キャリアとして使用されることに加えて、第1のばねは、代替的に、キャリアとカメラモジュールの固定部(例えば、ベース、画像安定化部、またはトップカバー)との間のコネクタとして使用されてもよいことに留意されたい。ここで、第1のばねは、キャリアとトップカバーとの間に接続されてもよい。第1のばねに対応して、第2のばねが、キャリアの、画像センサアセンブリに面する側にさらに配置されてもよく、第2のばねは、キャリアとベースとを接続してもよい。第1のばねおよび第2のばねはそれぞれキャリアの両側に位置するため、第1のばねおよび第2のばねは、キャリアに対して互いに反対方向からの機能を及ぼす。このように、キャリアは、比較的安定した状態にあることに相当する。当然ながら、第1のばねおよび第2のばねの弾性特性のために、キャリアは依然として、ベースに対して移動するようにドライバによって駆動され得る。
【0017】
前述の2つの実装形態では、第1のばねが電気信号の少なくとも一部を伝送するためのキャリアとして機能するため、第1のばねは電気接続構造に属する。本出願で提供されるカメラモジュールには、別の電気デバイス(例えば、ドライバ内の駆動コイルおよび駆動磁石)がさらに配置されることが考慮されるべきである。第1のばねとこのタイプの電気デバイスとの間の相互干渉を防止するために、絶縁分離構造が第1のばねとこのタイプの構造との間に挟まれてもよい。具体的には、スペーサが第1のばねと駆動磁石との間に挟まれてもよく、キャリアが第1のばねと駆動コイルとの間の絶縁分離構造として機能してもよい。当然ながら、スペーサの構造は限定されず、フラットプレートまたはバッフルプレートであってもよい。当然ながら、絶縁分離構造が第1のばねに対して配置される位置は、他の電気デバイスの相対位置に基づいて決定されてもよい。これは、本明細書では限定されない。
【0018】
構造的完全性を考慮して、合焦部はハウジングをさらに含んでもよく、ハウジングはベースと上下に協働して、キャリアおよびドライバを収容するための収容空間を形成する。当然ながら、第1のばねおよび第2のばねも収容され、分離機能を実施するためにスペーシングフレームがハウジングと第1のばねとの間にさらに挟まれてもよい。
【0019】
前述の技術的解決策に基づいて、本出願は電子デバイスをさらに開示する。電子デバイスは、携帯電話またはタブレットコンピュータであってもよい。具体的には、カメラモジュールは、画像撮影機能を実現するために、デバイス本体に設置される。カメラモジュールは、より高い画像撮影要件を満たすために、複数のレベルで調整することができる絞りを有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本出願によるカメラモジュールの構造の概略図である。
【
図2】本出願によるカメラモジュールにおけるカメラモータの構造の概略図である。
【
図3】本出願によるカメラモジュールにおける合焦部の構造の概略図である。
【
図4】本出願によるカメラモジュールにおける合焦部の断面構造の概略図である。
【
図5】本出願によるカメラモジュールにおける合焦部のハウジングの構造の概略図である。
【
図6】本出願によるカメラモジュールにおける合焦部のベースの構造の概略図である。
【
図7】本出願によるカメラモジュールにおける合焦部のキャリアの構造の概略図である。
【
図8】
図7のキャリア上に駆動コイルが配置された構造の概略図である。
【
図9】本出願による、カメラモジュール内のベースと制御アセンブリとが接続された構造の概略図である。
【
図10】本出願によるカメラモジュールにおける可変絞りの構造の概略図である。
【
図11】本出願によるカメラモジュールにおける第1のばね、キャリア、制御アセンブリ、およびベースの構造の概略図である。
【
図12】本出願による、カメラモジュール内の第1のばねと制御アセンブリとが接続された構造の概略図である。
【
図13】本出願による、カメラモジュール内の可変絞りが第1のばねを用いて制御アセンブリに電気的に接続された構造の概略図である。
【
図14】本出願による、カメラモジュール内の可変絞りが第1のばねおよび接続回路を用いて制御アセンブリに電気的に接続された構造の概略図である。
【
図15】本出願によるカメラモジュールにおける第1のばねの構造の概略図である。
【
図16】本出願によるカメラモジュールにおいて、スペーサが第1のばねと駆動磁石との間に挟まれた構造の概略図である。
【
図17】本出願によるカメラモジュールにおいて、キャリアの両側に第1のばねおよび第2のばねがそれぞれ配置された構造の概略図である。
【
図18】本出願によるカメラモジュールの分解図である。
【
図19】本出願による電子デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一眼レフカメラでは、可変絞りは、カメラを通過する光の量を調整するためにシャッタと共に使用することができる構造である。現在、一眼レフカメラに適用されている可変絞りは、一般的にレンズに設置されている。これは、カメラモジュールの組み立てに非常に困難な要件を課す。したがって、可変絞りを有するカメラモジュールは、携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子デバイスに直接使用され得ない。したがって、本出願は、焦点調整においてレンズが可変絞りと同期して移動するときにレンズの構造が可変絞りの構造から独立するように、カメラモジュールを提供する。したがって、カメラモジュールの組み立て難易度が低減される。この構造に基づいて、より軽量で薄型のカメラモジュールがより容易に設計され得る。したがって、カメラモジュールは、小型電子デバイスに要求されるますます改善された撮像品質を満たすために、小型電子デバイスに適用されてもよい。本明細書の電子デバイスは、携帯電話、タブレットコンピュータ、車載監視システムなどであってもよいことが理解されよう。
【0022】
本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下で、添付の図面を参照して本出願で提供されるカメラモジュールをさらに詳細に説明する。以下の「第1」および「第2」などの用語は、単に区別および説明のために使用され、相対的な重要性を指示もしくは意味するもの、または順序を指示もしくは意味するものとして理解することはできないことを理解されたい。
【0023】
本出願の一実施形態は、カメラモジュール10を提供する。
図1に示すように、カメラモジュール10は、カメラモータ1と、レンズ2と、可変絞り3と、画像センサアセンブリ4とを含む。カメラモータ1は、カメラモジュール10の電源に相当し、撮像要件を満たすために、カメラが動作しているときにレンズ2および可変絞り3を駆動して移動させるように構成される。
図1は、可変絞り3によって形成される光入射孔Jをさらに示している。カメラが動作しているとき、外光は、可変絞り3の光入射孔Jを通ってレンズ2に入り、レンズ2を通過し、撮像のために画像センサアセンブリ4に投影される。レンズ2は、
図1に示すようにカメラモータ1に設置され、その結果、レンズ2を通過する光は、カメラモータ1の、撮像のための可変絞り3から離れた端部で画像センサアセンブリ4に到達することができる。可変絞り3は、カメラモータ1から突出する支持部Aを用いてカメラモータ1に固定されてもよく、その結果、可変絞り3とレンズ2の両方がカメラモータ1によって駆動されてもよい。本明細書の画像センサアセンブリ4は、画像センサ、別の外部接続アセンブリ、および支持構造を含む。
【0024】
具体的には、
図2に示すカメラモータ1の構造において、カメラモータ1は、合焦部11と、トップカバー12と、画像安定化部13とを含む。トップカバー12および画像安定化部13は上下に協働して、合焦部11を収容するために使用される収容空間を形成し、合焦部11は、具体的には、画像安定化部13に固定される。レンズ2および可変絞り3は、合焦部11上に固定される。合焦部11は、焦点合わせを実施するために、レンズ2および可変絞り3を駆動して光軸方向(すなわち、
図2に示す方向Z)に移動させてもよい。画像安定化部13は、レンズ2の画像安定化効果を実現するために、合焦部11を駆動して光軸方向に垂直な面上で移動させてもよい。当然ながら、可変絞り3を支持して固定するように構成された支持部Aは、合焦部11上に配置され、カメラモータ1の外に延在する。トップカバー12には、光が通過するための第1の光学孔121が形成されており、第1の光学孔121の軸線は光軸と同一直線上にある。
【0025】
合焦部11の構造については、
図3を参照されたい。
図3は、合焦部11の三次元構造を示している。合焦部11は、具体的には、ハウジング111、ベース112、キャリア113、およびドライバ114を含む。ハウジング111は、ベース112と協働して、キャリア113およびドライバ114を収容する収容空間を形成する。ハウジング111がドライバ114を塞いでいるので、ドライバ114の構造は
図3には示されていない。
【0026】
図2および
図3の構造を参照して、
図4に示すカメラモータ1の断面構造の概略図を参照されたい。合焦部11内のドライバ114は、駆動コイル1141および駆動磁石1142の形態で実装される。駆動コイル1141はキャリア113上に配置され、駆動磁石1142はベース112上に固定されてもよい。カメラモータ1が動作しているとき、ベース112は固定部に相当し、キャリア113は可動部に相当し、ドライバ114はキャリア113を駆動してベース112に対して光軸方向に移動させるように構成されている。このように、駆動コイル1141は、駆動磁石1142と対向する。駆動コイル1141に電源が投入されると、駆動コイル1141は電界を発生させ、電界内に位置する駆動磁石1142は、移動するために駆動されてもよい。駆動磁石1142の動きは、駆動コイル1141内の電流の大きさおよび方向を変更することによって調整されてもよい。当然ながら、ドライバ114は、代替的に別の形態で実装されてもよい。これは、本明細書では限定されない。さらに、この実装形態では、駆動コイル1141は、キャリア113上に配置され、ドライバ114の可動端に相当し、駆動磁石1142は、ベース112上に固定され、ドライバ114の固定端に相当し、相対的な駆動運動を実施する。したがって、駆動磁石1142は、代替的に、ベース112に対して固定された別の構造上に配置されてもよい。例えば、駆動磁石1142は、トップカバー12上に代替的に固定されてもよく、駆動磁石1142によって駆動コイル1141を駆動する効果が依然として達成され得る。
【0027】
カメラモジュール10内の可変絞り3とレンズ2の両方が合焦部11のキャリア113上に配置され、可変絞り3とレンズ2は同時に光軸方向に移動して正確な焦点合わせを実施することができ、可変絞り3はレンズ2から独立している。これにより、カメラモジュール10の組み立て難易度が低減され、カメラモジュール10の小型化が容易になる。このように、カメラモジュール10は、携帯電話などの小型の電子デバイスに適用され得る。さらに、光入射孔上の可変絞り3の調整は、レンズ2の動きの影響を受けない可能性があり、より高品質の画像撮影要件が満たされる。ハウジング111の構造については、
図5を参照されたい。ハウジング111には、光を通過させるための第2の光学孔1111が形成されている。第2の光学孔1111の具体的な形状は、本明細書では限定されず、
図5の形状は一例に過ぎない。ベース112の構造については、
図6を参照されたい。ベース112には、光が通過するための第3の光学孔1121が形成されている。カメラモータ1およびレンズ2が組み立てられたとき、第2の光学孔1111および第3の光学孔1121の両方の軸線は、レンズ2の光軸と同一線上にあることが理解されよう。
【0028】
キャリア113の構造については、
図7を参照されたい。キャリア113には、設置孔1131が形成されている。設置孔1131が組み立てられてレンズ2と協働すると、レンズ2は設置孔1131に固定される。当然ながら、設置孔1131の軸線は、撮像効果を保証するために、レンズ2の光軸と同一直線上にある。キャリア113には、可変絞り3を固定するための支持部Aが形成されている。
【0029】
図4に示すドライバ114の構造では、キャリア113上に駆動コイル1141が配置されている。可能な実装形態では、
図7に示すキャリア113の構造を参照すると、
図8に示す構造を得るために、キャリア113の周囲に設置溝Mが形成され、駆動コイル1141が設置溝M内に配置される。
【0030】
ドライバ114を制御するために、合焦部11は、制御アセンブリ115をさらに含む。具体的には、
図9に示すように、制御アセンブリ115は、ベース112上に配置されてもよい。本明細書の制御アセンブリ115は、ドライバ114を制御してもよく、さらに外部主制御構造と情報を交換してもよい。
図9に示す構造では、制御アセンブリ115は、制御アセンブリ115の一端がベース112上に固定されるようにベース112上に配置されている。制御アセンブリ115は、代替的に、アタッチメントの形態でベース112上に一体化されてもよく、または別の構造形態でベース112上に配置されてもよい。これは、本明細書では限定されない。当然ながら、制御アセンブリ115は、この実施形態ではカメラモジュール10の一部である。当然ながら、制御アセンブリ115は、代替的に、制御アセンブリ115の機能実装に影響を及ぼさない別の構造に配置されてもよい。
【0031】
本出願で提供されるカメラモジュール10では、可変絞り3は、構造においてレンズ2から相対的に独立しているだけでなく、レンズ2から独立して動作してもよいことに留意されたい。
図10に示す構造は、可変絞り3の参照として使用されてもよい。可変絞り3は、ハウジング31と、ハウジング31内に配置された駆動構造32と、複数のブレード33とを含む。複数のブレード33は、光入射孔Jを形成するように環状に配置される。当然ながら、本明細書における光入射孔Jの軸線は、レンズ2の軸線と同一線上にある。複数のブレード33は、駆動構造32の駆動下で回転して、光入射孔Jのサイズを変更し、光入射孔Jを通過する光の量を変更してもよい。可変絞り3が独立して使用される場合、駆動構造32に電源が印加される限り、駆動構造32は、ブレード33を駆動して回転させて、光入射孔Jのサイズを変更するために起動されてもよい。
【0032】
可能な実装形態では、可変絞り3の動作は、制御アセンブリ115によってさらに制御されてもよい。制御アセンブリ115によって可変絞り3を制御するためには、制御アセンブリ115と可変絞り3の駆動構造32との間に電気信号を伝達することができる構造が形成される必要がある。
【0033】
可能な実装形態では、
図11に示すように、第1のばね116が、キャリア113の、可変絞り3に面する側に配置され、第1のばね116は、ベース112(
図12に示す)上に固定された制御アセンブリ115に電気的に接続される。具体的には、第1のばね116は、具体的には、銅、銅合金、または導電性の良好な他の金属であってもよい金属材料で作られる。当然ながら、第1のばね116は、可変絞り3と制御アセンブリ115との間で電気信号を伝送するためのキャリアとして機能する。したがって、制御アセンブリ115、第1のばね116、および可変絞り3の駆動構造32が接続された構造が
図13に示され得る。
【0034】
別の可能な実装形態では、
図13に示す構造と同様に、第1のばね116が可変絞り3の駆動構造32と直接接触して電気的接続を実装しない点が異なる。これに代えて、
図14に示すように、可変絞り3の駆動構造32に電気的に接続される接続回路117がキャリア113の支持部Aに形成されてもよく、接続回路117は第1のばね116に電気的に接続される。このように、可変絞り3の駆動構造32と制御アセンブリ115との間の電気信号伝送は、接続回路117および第1のばね116を使用することによって実施される。ここで、キャリア113上に形成される接続回路117は、キャリア113上に直接配線することによって形成されてもよく、接続回路117は、フレキシブル回路をキャリア113に組み込むことによって形成されてもよい。
【0035】
前述の2つの実装形態では、第1のばね116は、制御アセンブリ115と可変絞り3の駆動構造32との間で電気信号の少なくとも一部を伝送するためのキャリアとして機能する。電気信号伝達効果を高めるために、第1のばね116は、第1のばね116の特定の構造に基づいて同じ層に配置された複数のサブばね1161に分割されてもよい。
図15に示す第1のばね116の構造において、複数のサブばね1161は、光軸を中心として光軸周りに環状に分散されてもよい。
【0036】
さらに、前述の2つの実装形態では、第1のばね116が電気信号の少なくとも一部を伝送するためのキャリアとして機能するため、第1のばね116は電気接続構造に属する。本実施形態で提供されるカメラモジュール10には、他の電気デバイス(例えば、ドライバ114に含まれる駆動コイル1141および駆動磁石1142)がさらに配置されてもよいことが考慮されるべきである。第1のばね116とこのタイプの電気デバイスとの間の相互干渉を防止するために、絶縁分離構造が第1のばね116とこのタイプの電気デバイスとの間に挟まれてもよい。例えば、
図16に示すように、第1のばね116と駆動磁石1142との間にスペーサ118が挟まれてもよい。
図8に示す構造に基づいて、駆動コイル1141はキャリア113の溝内に配置され、キャリア113は第1のばね116と駆動コイル1141との間の絶縁分離構造として機能する。当然ながら、スペーサ118の構造は限定されず、フラットプレートまたはバッフルプレートであってもよい。さらに、スペーサ118が第1のばね116に対して配置される位置は、他の電気デバイスの相対位置に基づいて決定されてもよい。これは、本明細書では限定されない。
【0037】
電気信号キャリアとして使用されることに加えて、第1のばね116は、代替的に、キャリア113とカメラモジュール10の固定部(例えば、ベース112またはハウジング111)との間のコネクタとして使用されてもよいことに留意されたい。ここで、第1のばね116は、キャリア113とハウジング111との間に接続されてもよい。第1のばね116に対応して、
図17に示すように、第2のばね119が、キャリア113の、画像センサアセンブリ4に面する側にさらに配置されてもよく、第2のばね119は、キャリア113およびベース112に接続されてもよい。第1のばね116および第2のばね119は、キャリア113の両側(
図17に示す上下)にそれぞれ位置しているため、第1のばね116および第2のばね119は、キャリア113に対して互いに反対方向からの作用力を及ぼし、その結果、キャリア113は比較的安定した状態となる。当然ながら、第1のばね116および第2のばね119の弾性特性のために、キャリア113は依然として、ベース112に対して移動するようにドライバ114によって駆動され得る。
【0038】
本出願で提供されるカメラモジュール10の構造の前述の説明に基づいて、
図18に示すカメラモジュール10の構造の分解図を参照されたい。
図18に示すように、カメラモジュール10では、駆動コイル1141を駆動磁石1142と協働させることによってドライバ114が実装され、駆動コイル1141はキャリア113の周囲を取り囲み、対称な2つの帯状磁石を駆動コイル1141と協働させることによって駆動磁石1142が実装される。第1のばね116は、2つの長尺帯状のスペーサ118を用いて駆動磁石1142から離間されている。第1のばね116がハウジング111に接触するのを防止するために、矩形のスペーシングフレーム14がハウジング111と第1のばね116との間にさらに挟まれてもよい。当然ながら、スペーシングフレーム14は、代替的に別の形状で実装されてもよい。これは、本明細書では限定されない。他の構造は上述されており、ここでは詳細は繰り返されない。当然ながら、
図18は、一例のみを使用してカメラモジュール10の構造を提供する。これは、本出願において保護される必要があるカメラモジュール10の構造を限定するものではない。
【0039】
カメラモジュール10の構造が小型化され得るので、カメラモジュール10は、小型の電子デバイスに適用され得る。したがって、カメラモジュール10に基づいて、本出願は電子デバイスをさらに提供する。電子デバイスは、具体的には、携帯電話、タブレットコンピュータ、または車載監視デバイスであってもよく、携帯性の高い小型デバイスである。カメラモジュール10は、デバイス本体に設置され、これらの電子デバイスの画像撮影機能を実現する。一例として、
図19に示す携帯電話100が使用される。携帯電話100は、携帯電話本体20を有する。カメラモジュール10は、携帯電話本体20の背面に設置され、携帯電話10
0のリアビューカメラ構造に相当し、リアビュー画像撮影機能を実現するように構成される。
電子デバイスに適用され得る。
【0040】
本出願の実施形態の範囲から逸脱することなく、当業者が本出願の実施形態に対して様々な修正および変形を行うことができることは明らかである。この場合、本出願は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等の技術によって定義される保護の範囲内に入るという条件で、本出願の実施形態のこれらの修正および変形を包含することを意図している。
【符号の説明】
【0041】
10 カメラモジュール
1 カメラモータ
11 合焦部
111 ハウジング
1111 第2の光学孔
112 ベース
1121 第3の光学孔
113 キャリア
1131 設置孔
114 ドライバ
1141 駆動コイル
1142 駆動磁石
115 制御アセンブリ
116 第1のばね
1161 サブばね
117 接続回路
118 スペーサ
119 第2のばね
12 トップカバー
121 第1の光学孔
13 画像安定化部
14 スペーシングフレーム
2 レンズ
3 可変絞り
31 シェル
32 駆動構造
33 ブレード
4 画像センサアセンブリ
20 携帯電話本体
100 携帯電話