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特許7551814ホログラフィック投影操作装置、ホログラフィック投影装置およびそのホログラフィック光モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】ホログラフィック投影操作装置、ホログラフィック投影装置およびそのホログラフィック光モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20240909BHJP
   G02B 5/04 20060101ALN20240909BHJP
【FI】
G02B30/56
G02B5/04 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023043941
(22)【出願日】2023-03-20
(65)【公開番号】P2023145384
(43)【公開日】2023-10-11
【審査請求日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】111111764
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】523101822
【氏名又は名称】▲うぇい▼盛国際科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】WS-HSH International Technology CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6, Aly.25, Ln.526, Sec.2, Zhongshan Rd., Zhonghe Dist., New Taipei City 235029, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100216150
【弁理士】
【氏名又は名称】香山 良樹
(72)【発明者】
【氏名】許書誠
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-035466(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0196411(US,A1)
【文献】特開2017-026734(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0025603(US,A1)
【文献】国際公開第2004/068197(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/04、30/00-30/60
H04N 13/346
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィック投影装置(1000、1000’)に用いるホログラフィック光モジュール(100)であって、
複数の第一プリズム(11、11a、11b)を含む第一プリズムアレイ(10)であって、各前記第一プリズム(11、11a、11b)は第一表面(111)を有し、2つの前記第一プリズム(11、11a、11b)の前記第一表面(111)が相互に重置されることで第一光学インターフェース(12)が形成されている第一プリズムアレイ(10)と、
複数の第二プリズム(21、21a、21b)を含む第二プリズムアレイ(20)であって、各前記第二プリズム(21、21a、21b)は第二表面(212)を有し、2つの前記第二プリズム(21、21a、21b)の前記第二表面(212)が相互に重置されることで第二光学インターフェース(22)が形成されている第二プリズムアレイ(20)と、
を備え、
光線(L2)は前記第一プリズムアレイ(10)に進入し、第一入射角で前記第一光学インターフェース(12)に入射し、且つ前記第一光学インターフェース(12)の1つの前記第一プリズム(11a)の前記第一表面(111)により全反射されて第一反射光線(L21)が発生し、
他の光線(L11)は前記第一プリズムアレイ(10)に進入し、第二入射角で前記第一光学インターフェース(12)に入射し、且つ前記第一光学インターフェース(12)の他の前記第一プリズム(11b)の前記第一表面(111)により全反射されて第二反射光線(L12)が発生し、
前記第二反射光線(L12)は前記第二プリズムアレイ(20)に進入し、第三入射角で前記第二光学インターフェース(22)に入射し、且つ前記第二光学インターフェース(22)の1つの前記第二プリズム(21a)の前記第二表面(212)により全反射されて第三反射光線(L13)が発生することを特徴とする、
ホログラフィック光モジュール。
【請求項2】
前記第一反射光線(L21)は前記第一プリズムアレイ(10)の隣接する他の2つの相互に重置される前記第一プリズム(11b)に進入することを特徴とする、
請求項1に記載のホログラフィック光モジュール。
【請求項3】
前記第一入射角は45度以上であることを特徴とする、
請求項1に記載のホログラフィック光モジュール。
【請求項4】
前記第二入射角は45度以上であることを特徴とする、
請求項1に記載のホログラフィック光モジュール。
【請求項5】
前記第二プリズムアレイ(20)は前記第一プリズムアレイ(10)に重置され、且つ1つの前記第一プリズム(11b)の第三表面(113)と1つの前記第二プリズム(21a)の第四表面(214)とが対向するように設置されることで第三光学インターフェース(30)が形成され、前記第二反射光線(L12)は前記第三光学インターフェース(30)を透過して前記第二プリズムアレイ(20)に進入することを特徴とする、
請求項1に記載のホログラフィック光モジュール。
【請求項6】
前記第三反射光線と各前記第二プリズム(21)の前記第四表面(214)との夾角は30度以上且つ45度以下であることを特徴とする、
請求項5に記載のホログラフィック光モジュール。
【請求項7】
各前記第一プリズム(11、11a、11b)は第五表面(115)を更に含み、前記第一プリズム(11、11a、11b)は三角プリズムであり、前記第一表面(111)、前記第三表面(113)、及び前記第五表面(115)は相互に連接され、且つ前記第三表面(113)と前記第五表面(115)との連接箇所の夾角は90度であり、前記第一表面(111)と前記第三表面(113)との連接箇所の夾角は45度であり、前記第一表面(111)と前記第五表面(115)との連接箇所の夾角は45度であることを特徴とする、
請求項に記載のホログラフィック光モジュール。
【請求項8】
各前記第二プリズム(21、21a、21b)は第六表面(216)を更に含み、前記第二プリズム(21、21a、21b)は三角プリズムであり、前記第二表面(212)、前記第四表面(214)、及び前記第六表面(216)は相互に連接され、且つ前記第四表面(214)と前記第六表面(216)との連接箇所の夾角は90度であり、前記第二表面(212)と前記第四表面(214)との連接箇所の夾角は60度乃至65度の間の範囲であり、前記第二表面(212)と前記第六表面(216)との連接箇所の夾角は25度乃至30度の間の範囲であることを特徴とする、
請求項に記載のホログラフィック光モジュール。
【請求項9】
各前記第二プリズム(21、21a、21b)は第六表面(216)を更に含み、前記第二プリズム(21、21a、21b)は三角プリズムであり、前記第二表面(212)、前記第四表面(214)、及び前記第六表面(216)は相互に連接され、且つ前記第四表面(214)と前記第六表面(216)との連接箇所の夾角は90度であり、前記第二表面(212)と前記第四表面(214)との連接箇所の夾角は25度乃至30度であり、前記第二表面(212)と前記第六表面(216)との連接箇所の夾角は60度乃至65度であることを特徴とする、
請求項に記載のホログラフィック光モジュール。
【請求項10】
画像を形成する複数の光線を発射する表示モジュール(200)と、
請求項1乃至9のうちの何れか1項に記載のホログラフィック光モジュール(100)と、
を備え、
前記ホログラフィック光モジュール(100)はこれら前記光線の光経路を屈折させ、視覚発生方向に沿って進行させ、観察者の視覚上にホログラフィック画像(Q)を発生させることを特徴とする、
ホログラフィック投影装置。
【請求項11】
画像拡大モジュール(300)を更に備え、これら前記光線が前記画像拡大モジュール(300)を透過することで前記画像が拡大された後に前記ホログラフィック光モジュール(100)に進入することを特徴とする、
請求項10に記載のホログラフィック投影装置。
【請求項12】
前記画像拡大モジュール(300)はフレネルレンズ(Fersnel lens)を備え、これら前記光線は前記フレネルレンズを通過することを特徴とする、
請求項11に記載のホログラフィック投影装置。
【請求項13】
光経路調整モジュール(400)を更に備え、前記光線は前記画像拡大モジュール(300)及び前記光経路調整モジュール(400)を順次通過し、これら前記光線は前記ホログラフィック光モジュール(100)がある位置に向けて集中した後に前記ホログラフィック光モジュール(100)に進入することを特徴とする、
請求項11に記載のホログラフィック投影装置。
【請求項14】
前記光経路調整モジュール(400)は、2次元構造として配列されている複数の光学微細構造を備えていることを特徴とする、
請求項13に記載のホログラフィック投影装置。
【請求項15】
これら前記光学微細構造は凸レンズであり、且つこれら前記凸レンズのサイズは等しいまたは等しくないことを特徴とする、
請求項14に記載のホログラフィック投影装置。
【請求項16】
請求項10に記載のホログラフィック投影装置(1000、1000’)と、
検出信号(Si)を持続的に送信し、前記検出信号(Si)及び前記画像を形成する少なくとも1つの前記光線が、前記ホログラフィック光モジュール(100)を同期で通過し、前記視覚発生方向に沿って進行する信号送信機(2000)と、
前記視覚発生方向上で前記検出信号(Si)を持続的に受信する信号受信機(3000)と、
前記信号受信機(3000)に接続され、前記信号受信機(3000)が前記検出信号(Si)を受信すると、前記検出信号(Si)がプロセッサー(4000)に持続的に伝送されるプロセッサー(4000)と、
を備え、
前記プロセッサー(4000)が前記検出信号(Si)を未受信である場合、前記プロセッサー(4000)は制御信号(So)を発生させることを特徴とする、
ホログラフィック投影操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光投影装置の技術分野に関し、より詳しくは、プリズムで構成され、且つ光経路に対し屈折させるためのホログラフィック光モジュール(Holographic Optical Module)により観察者の視覚上でホログラフィック画像を発生させるホログラフィック投影装置(Holographic Projection Device)、及びホログラフィック投影装置を利用して操作インターフェースを形成するホログラフィック投影操作装置(Holographic Projection Operating Device)に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィック投影技術は、表示装置が生成する画像の光線が反射された後に光線の進行方向の光経路が改変され、光線が観察者の目に進入すると、観察者にホログラムの視覚画像を発生させる。ホログラフィック投影はホログラフィック結像技術を利用し、画像の現実感を高めることで、観察者またはユーザーとのインタラクション性を高めている。このため、ホログラフィック投影設備は様々なパフォーマンス活動に広く利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のホログラフィック投影装置は、ホログラフィック光学素子(holographic optical element、HOE)を利用して光線を反射した後、ユーザーの目に進入させてホログラフィック画像を生成する。従来のホログラフィック光学素子は、表面に塗膜した後に光線を反射するための鏡面が形成される。このため、従来のホログラフィック光学素子は、塗膜プロセス及び材料が必要になるため、ホログラフィック光学素子の製造コストが増加し、ホログラフィック光学素子の製造工程も増加した。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ホログラフィック投影操作装置、ホログラフィック投影装置およびそのホログラフィック光モジュールを提供することにある。具体的に説明すると、本発明に係るホログラフィック光モジュールは、プリズムを光線反射素子として使用し、光線をプリズムに進入させた後、光線が高密度媒体(プリズム)から低密度媒体(空気)に進入する状態において、臨界角度より大きい角度で入射することで全反射現象を発生させ、光線が反射された後に適切な角度でユーザーの目に進入し、ホログラフィック画像を生成する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のホログラフィック光モジュールは、第一プリズムアレイ及び第二プリズムアレイを含んで構成されている。第一プリズムアレイは複数の第一プリズムを備え、各前記第一プリズムは第一表面を有し、2つの前記第一プリズムの前記第一表面が相互に重置されることで第一光学インターフェースが形成されている。第二プリズムアレイは複数の第二プリズムを備え、各前記第二プリズムは第二表面を有し、2つの前記第二プリズムの前記第二表面が相互に重置されることで第二光学インターフェースが形成されている。光線は前記第一プリズムアレイに進入し、第一入射角で前記第一光学インターフェースに入射し、且つ前記第一光学インターフェースの1つの前記第一プリズムの前記第一表面により全反射されて第一反射光線が発生する。他の光線は前記第一プリズムアレイに進入し、第二入射角で前記第一光学インターフェースに入射し、且つ前記第一光学インターフェースの他の前記第一プリズムの前記第一表面により全反射されて第二反射光線が発生する。前記第一反射光線または前記第二反射光線は前記第二プリズムアレイに進入し、第三入射角で前記第二光学インターフェースに入射し、且つ前記第二光学インターフェースの1つの前記第二プリズムの前記第二表面により全反射されて第三反射光線が発生する。
【0007】
別の実施形態によれば、第一入射角は45度以上である。
【0008】
別の実施形態によれば、第二入射角は45度以上である。
【0009】
別の実施形態によれば、前記第三反射光線と水平線との夾角は45度以上且つ60度以下である。
【0010】
別の実施形態によれば、第二プリズムアレイは第一プリズムアレイに重置され、且つ1つの第一プリズムの第三表面と1つの第二プリズムの前記第四表面とが対向するように設置されることで第三光学インターフェースが形成され、第一反射光線または第二反射光線は第三光学インターフェースを透過して第二プリズムアレイに進入する。
【0011】
別の実施形態によれば、各第一プリズムは第五表面を更に備え、第一プリズムは三角プリズムである。第一表面、第三表面、及び第五表面は相互に連接され、且つ第三表面と第五表面との連接箇所の夾角は90度であり、第一表面と第三表面との連接箇所の夾角は45度であり、第一表面と第五表面との連接箇所の夾角は45度である。
【0012】
別の実施形態によれば、各第二プリズムは第六表面を更に備え、第二プリズムは三角プリズムである。前記第二表面、前記第四表面、及び前記第六表面は相互に連接され、且つ前記第四表面と前記第六表面との連接箇所の夾角は90度であり、前記第二表面と前記第四表面との連接箇所の夾角は60度乃至65度の間の範囲であり、前記第二表面と前記第六表面との連接箇所の夾角は25度乃至30度の間の範囲である。
【0013】
別の実施形態によれば、各第二プリズムは第六表面を更に備え、第二プリズムは三角プリズムであり、前記第二表面、前記第四表面、及び前記第六表面は相互に連接され、且つ前記第四表面と前記第六表面との連接箇所の夾角は90度であり、前記第二表面と前記第四表面との連接箇所の夾角は25度乃至30度の間の範囲であり、前記第二表面と前記第六表面との連接箇所の夾角は60度乃至65度の間の範囲である。
【0014】
また、本発明はさらに表示モジュールとホログラフィック光モジュールを含むホログラフィック投影装置を提供する。表示モジュールは画像を形成する複数の光線を発射する。ホログラフィック光モジュールはこれら前記光線の光経路を屈折させ、視覚発生方向に沿って進行させ、観察者の視覚上にホログラフィック画像を発生させる。
【0015】
別の実施形態によれば、画像拡大モジュールを更に備えている。これら前記光線が画像拡大モジュールを透過することで画像が拡大された後にホログラフィック光モジュールに進入する。
【0016】
別の実施形態によれば、画像拡大モジュールはフレネルレンズ(Fersnel lens)を備え、これら前記光線はフレネルレンズを通過する。
【0017】
別の実施形態によれば、光経路調整モジュールを更に備えている。光線は画像拡大モジュール及び前記光経路調整モジュールを順次通過し、これら前記光線はホログラフィック光モジュールがある位置に向けて集中した後にホログラフィック光モジュールに進入する。
【0018】
別の実施形態によれば、光経路調整モジュールは、2次元構造として配列されている複数の光学微細構造を備えている。
【0019】
別の実施形態によれば、これら前記光学微細構造は凸レンズであり、且つこれら前記凸レンズのサイズは等しいまたは等しくない。
【0020】
さらに、本発明はさらにホログラフィック投影装置と信号受信機とプロセッサーを含むホログラフィック投影操作装置を提供する。信号送信機は検出信号を持続的に送信し、検出信号及び画像を形成する少なくとも1つの光線が、ホログラフィック光モジュールを同期で通過し、前記視覚発生方向に沿って進行する。信号受信機は視覚発生方向上で検出信号を持続的に受信する。プロセッサーは信号受信機に接続され、信号受信機が検出信号を受信すると、検出信号がプロセッサーに持続的に伝送される。プロセッサーが検出信号を未受信である場合、プロセッサーは制御信号を発生させる。
【0021】
本発明に係るホログラフィック投影装置は、第一プリズムアレイ及び第二プリズムアレイが設置されることで、画像を形成する光線が適切な角度で第一光学インターフェース及び第二光学インターフェースに入射し、光線が第一光学インターフェース及び第二光学インターフェースで全反射されることで、光線が特定の光経路に沿ってユーザーまたは観察者の目に進入し、視覚上にホログラフィック画像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係るホログラフィック光モジュールのうちの1列の第一プリズムアレイと1列の第二プリズムアレイとの重置を示す外観斜視図である。
図2図1に示すホログラフィック光モジュールを示す分解図である。
図3A】本発明の一実施例に係るホログラフィック光モジュールを示す正面図であって、第三反射光線と表示装置が位置している平面間の夾角は45度である。
図3B】本発明の他の実施例に係るホログラフィック光モジュールを示す正面図であって、第三反射光線と表示装置が位置している平面間の夾角は30度である。
図3C】本発明のさらなる他の実施例に係るホログラフィック光モジュールを示す正面図である。
図4】本発明の一実施例に係るホログラフィック光モジュールの三次元構造を示す傾斜図である。
図5】本発明の一実施例に係るホログラフィック投影装置を示す断面図である。
図6】本発明の他の実施例に係るホログラフィック投影装置を示す断面図である。
図7】本発明の一実施例に係るホログラフィック投影操作装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
図1図2図3A、及び図4は本発明に係るホログラフィック光モジュールの一実施例を示す。本実施例に係るホログラフィック光モジュール100は第一プリズムアレイ10及び第二プリズムアレイ20を含んで構成されている。第一プリズムアレイ10及び第二プリズムアレイ20はエンボス方式でアクリル基材に成形されている。
【0025】
図1図2に示すように、第一プリズムアレイ10は複数の第一プリズム11を備え、各第一プリズム11は下段に設置されている第一プリズム11a及び上段に設置されている第一プリズム11bを含む。本実施例の各第一プリズム11は、第一表面111と、第三表面113と、第五表面115と、を含む三角プリズムであり、第一表面111、第三表面113、及び第五表面115が相互に連接され、断面が三角形を呈している三角プリズム形状の微細構造が形成されている。第一表面111は三角形の斜辺を構成し、第三表面113及び第五表面115は三角形の直角をはさむ2辺を構成している。よって、第三表面113と第五表面115との間の夾角は90度であり、第一表面111と第三表面113との間の夾角は45度であり、第一表面111と第五表面115との間の夾角は45度である。下段の第一プリズム11a及び上段の第一プリズム11bは同じ構造を有し、下段の第一プリズム11aの第一表面111と上段の第一プリズム11bの第一表面111とが対向するように設置されることで第一光学インターフェース12が形成されている。下段の第一プリズム11aの第一表面111と上段の第一プリズム11bの第一表面111との間はエアギャップが無いように相互に緊密に重ね合わせられている。
【0026】
図1図2図3を参照すると、第二プリズムアレイ20は複数の第二プリズム21を備え、各第二プリズム21は下段に設置されている第二プリズム21a及び上段に設置されている第二プリズム21bを含む。本実施例の各第二プリズム11は、第二表面212と、第四表面214と、第六表面216と、を含む三角プリズムであり、第二表面212、第四表面214、及び第六表面216が相互に連接され、断面が三角形を呈している三角プリズム形状の微細構造が形成されている。第二表面212は三角形の斜辺を構成し、第四表面214及び第六表面216は三角形の直角をはさむ2辺を構成している。よって、本実施例の第四表面214と第六表面216との夾角は90度であり、第二表面212と第四表面214との間の夾角は61度であり、第二表面212と第六表面216との間の夾角は29度である。下段の第二プリズム21a及び上段の第二プリズム21bは同じ構造を有し、下段の第二プリズム21aの第二表面212と上段の第二プリズム21bの第二表面212とが対向するように設置されることで第二光学インターフェース22が形成されている。下段の第二プリズム21aの第二表面212と上段の第二プリズム21bの第二表面212との間はエアギャップが無いように相互に緊密に重ね合わせられている。
【0027】
また、下段の第二プリズム21aの第四表面214と上段の第一プリズム11bの第三表面113とが対向するように設置されることで第三光学インターフェース30が形成されている。
【0028】
図3Aに示す如く、下方の表示モジュール200または単一の光源の光線L1は、下段の第一プリズム11aの第三表面113から第一プリズムアレイ10に進入し、光線L1が第三表面113に垂直に入射し、入射する光線L1は一部が第三表面113により反射されるほか、残りは全て第三表面113を透過して第一プリズム11aに進入し、第一入射角で第一光学インターフェース12に位置している第一プリズム11aの第一表面111に更に入射する。前述したように、第一プリズム11及び第二プリズム21は共にアクリル材料で製作され、アクリル材料の屈折率は約1.49である。また、光線は高密度媒体から低密度媒体に全反射され、屈折の法則(スネルの法則)n1sinθ1=n2sinθ2に基づくと、n1は第一プリズム11aの屈折率であり(アクリル材料の屈折率は1.49)、n2は空気の屈折率である(1.000027≒1)。全反射が発生すると、θ2=90度であるため、全反射が発生した際の光線が第一表面111に入射する臨界入射角θ1を42.1度と算出できる。本実施例の光線L1は45度の第一入射角で入射し、これは42.1度の臨界入射角より大きいため、光線L1が第一表面111で全反射されることで第一反射光線L11が形成され、第一反射光線L11は第一表面111に平行する方向に進行し、且つ隣接する他の1つの上段の第一プリズム11bに進入する。本実施例では、第一反射光線L11は左方に位置している上段の第一プリズム11bに進入するが、但しこの限りではなく、他の実施例では、第一表面111の傾斜方向は本実施例とは逆であり、第一反射光線L11が右方に位置している上段の第一プリズム11bに進入する。
【0029】
上段の第一プリズム11bに進入する第一反射光線L11は45度の第二入射角で第一光学インターフェース12に位置している上段の第一プリズム11bの第一表面111に入射し、同様に、その第二入射角は全反射する臨界入射角よりも大きく、第一反射光線L11が第一プリズム11bの第一表面111で再度反射されて第二反射光線L12が形成される。第二反射光線L12は、第一プリズム11bの第三表面113及び下段の第二プリズム21aの第四表面214で形成されている第三光学インターフェース30を透過し、且つ61度の第三入射角で第二光学インターフェース22に位置している第二表面212に入射し、第二表面212で全反射された後に第三反射光線L13が形成される。本実施例の第三反射光線L13と上段の第二プリズム21bの第四表面214との間には30度の夾角が形成されている。
【0030】
表示モジュール200が発射する他の光線L2が、下段の他の1つの第一プリズム11aの第三表面113から第一プリズムアレイ10に進入した後、第一光学インターフェース12で下段の第一プリズム11aの第一表面111により反射された後に第一反射光線L21が形成される。第一反射光線L21も同様に隣接する上段の第一プリズム11bに進入し、且つ第一光学インターフェース12で上段の第一プリズム11bの第一表面111により反射された後に第二反射光線L22が形成される。第二反射光線L22が第二プリズムアレイ20の下段の第二プリズム21aに進入し、第二光学インターフェース22で下段の第二プリズム21aの第二表面212により反射された後、第三反射光線L23が形成される。第三反射光線L23と上段の第二プリズム21bの第四表面214との間には同様に30度の夾角が形成されている。
【0031】
図5は本発明の一実施例に係るホログラフィック投影装置を示す断面図である。本実施例に係るホログラフィック投影装置1000は、ホログラフィック光モジュール100及び表示モジュール200を含んで構成されている。水平面に設置されている表示モジュール200から発射される画像を形成する複数の光線L1~Lnがホログラフィック光モジュール100に進入した後、ホログラフィック光モジュール100が複数の光線の光経路を屈折させ、傾斜角度(第三反射光線L23と水平に設置される第四表面214との間に形成される30度の角度)で観察者またはユーザーの目に進入し、視覚発生方向に沿って進行する。観察者またはユーザーの目が第三反射光線L23を感知すると、観察者またはユーザーの目の視覚上にホログラフィック画像Qが生成され、表示モジュール200が同様に生成した画像が30度の傾斜方向に投影される。
【0032】
図3Bは本発明の他の実施例に係るホログラフィック光モジュールを示す正面図である。本実施例と図3Aの実施例との相違点について、第二プリズム21a、21bの第二表面212と第四表面214との間の夾角が63.4度であり、第二表面212と第六表面216との間の夾角が26.6度であり、第三反射光線L12及びL23と第四表面214との間には45度の夾角が形成されている。
【0033】
図3Cは本発明のさらなる他の実施例に係るホログラフィック光モジュールを示す正面図である。本実施例と図3Aの実施例との相違点について、第二プリズム21a、21bの第二表面212と第四表面214との間の夾角が63.4度であり、第二プリズム21a、21bの第二表面212と第四表面214との間の夾角が30度であり、第二表面212と第六表面216との間の夾角が60度である。このため、第三反射光線L12及びL23が第一プリズムモジュール10の方向に向けて進行する。本実施例はユーザーより高い位置に設置されるホログラフィック光モジュール100に応用し、第三反射光線L12及びL23は下方に向けて進行してユーザーの目に進入する際に、ホログラフィック画像を生成する。
【0034】
図6は本発明の他の実施例に係るホログラフィック投影装置を示す断面図である。本実施例に係るホログラフィック投影装置1000’は、ホログラフィック光モジュール100及び表示モジュール200以外、フレネルレンズ(Fersnel lens)を含む画像拡大モジュール300を更に備え、光線L1~Lnがフレネルレンズを通過することで、表示モジュール200が生成する画像の拡大効果を達成する。よって、サイズが小さい表示モジュール200が使用可能になる。本実施例に係るホログラフィック投影装置1000’は光経路調整モジュール400を更に備え、光線L1~Lnは画像拡大モジュール300及び光経路調整モジュール400を順次通過し、光線L1~Lnがホログラフィック光モジュール100がある位置に向けて集中した後にホログラフィック光モジュール100に進入する。光経路調整モジュール400は発散する光線を中間に集光させるため、複数の光学微細構造(図示せず)を含み、光学微細構造(図示せず)は微細な凸レンズアレイまたは微細な三角プリズムアレイでもよい。
【0035】
図7は本発明の一実施例に係るホログラフィック投影操作装置を示す断面図である。本実施例に係るホログラフィック投影操作装置は、上述のホログラフィック投影装置1000または1000’と、信号送信機2000と、信号受信機3000と、プロセッサー4000と、を含んで構成されている。信号送信機2000は検出信号Siを持続的に送信し、検出信号Si及び画像を形成する少なくとも1つの光線Lmが、ホログラフィック光モジュール100を同期で通過し、視覚発生方向に沿って進行する。信号受信機3000は視覚発生方向上で検出信号Siを持続的に受信する。プロセッサー4000は信号受信機3000に接続され、信号受信機3000が検出信号Siを受信すると、検出信号Siがプロセッサー4000に持続的に伝送される。プロセッサー4000が検出信号Siを未受信である場合、プロセッサー4000は制御信号Soを発生させる。本実施例に係るホログラフィック投影操作装置は各種操作設備に用いられ、ホログラフィック画像を操作インターフェースとし、例えば、コンピューターのキーボードやエレベーターの操作ボタンとして用いられる。ホログラフィック投影装置1000または1000’は、ホログラフィックの操作インターフェース画像を形成し、検出信号Siの進行経路は操作インターフェースのキー画像に対応する。ユーザーが手でホログラフィックのキー画像を押すと、手が検出信号Siを遮断し、プロセッサー4000が検出信号Siを受信できなくなり、プロセッサー4000が前記キーを操作するのに対応する制御信号Soを発生させ、設備の作動を制御する。
【0036】
本発明に係るホログラフィック投影装置は、第一プリズムアレイ及び第二プリズムアレイを設置することで、画像を形成する光線が適切な角度で第一光学インターフェース及び第二光学インターフェースに入射し、光線が第一光学インターフェース及び第二光学インターフェースで全反射されることで、光線が特定の光経路に沿ってユーザーまたは観察者の目に進入し、視覚上でホログラム画像を生成する。
【0037】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、本発明のあらゆる実施例または特許請求の範囲は、本発明に記載の全ての目的または利点や特徴を必ずしも達成する必要はない。また、要約書及び名称は特許文献の検索を補助するために用いているに過ぎず、本発明の権利の範囲を制限するものではない。なお、本明細書または特許請求の範囲に記載する「第一」、「第二」等の用語は、部材(element)の名称を命名する、或いは異なる実施例や範囲を区別するために用いているに過ぎず、部材の数量の上限や下限を制限するものではない。
【符号の説明】
【0038】
10 第一プリズムアレイ
11 第一プリズム
11a 第一プリズム
11b 第一プリズム
12 第一光学インターフェース
20 第二プリズムアレイ
21 第二プリズム
21a 第二プリズム
21b 第二プリズム
30 第三光学インターフェース
100 ホログラフィック光モジュール
111 第一表面
113 第三表面
115 第五表面
200 表示モジュール
212 第二表面
214 第四表面
216 第六表面
300 画像拡大モジュール
400 光経路調整モジュール
1000 ホログラフィック投影装置
1000’ ホログラフィック投影装置
2000 信号送信機
3000 信号受信機
4000 プロセッサー
L1 光線
L11 第一反射光線
L12 第二反射光線
L13 第三反射光線
L2 光線
L21 第一反射光線
L22 第二反射光線
L23 第三反射光線
Ln 光線
Lm 光線
Q ホログラフィック画像
Si 検出信号
So 制御信号
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7