(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】ナビゲーションセンサを備えたキュレット
(51)【国際特許分類】
A61B 17/24 20060101AFI20240909BHJP
A61B 17/22 20060101ALI20240909BHJP
A61B 17/32 20060101ALI20240909BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20240909BHJP
【FI】
A61B17/24
A61B17/22
A61B17/32
A61B34/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078551
(22)【出願日】2023-05-11
(62)【分割の表示】P 2020557332の分割
【原出願日】2019-04-11
【審査請求日】2023-05-11
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シャメリ・エーサン
(72)【発明者】
【氏名】ファング・イツァーク
(72)【発明者】
【氏名】エブラヒミ・ババク
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-501632(JP,A)
【文献】特開2018-043009(JP,A)
【文献】特開2007-044507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/24
A61B 17/22
A61B 17/32
A61B 34/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)シャフトアセンブリであって、長手方向軸線を画定する、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタの一部分は前記長手方向軸線からオフセットされている、エンドエフェクタと、
(c)センサであって、前記センサは、磁場に応答して信号を生成するように構成されており、前記信号は、三次元空間内の前記エンドエフェクタの位置を示すように構成されており、前記センサは、前記長手方向軸線の周りに同軸上に位置付けられている、センサと、を含み、
前記エンドエフェクタが、ループブレードを備え、
前記ループブレードが、中心軸線上に位置付けられた開口部を画定し、前記中心軸線は、前記長手方向軸線からオフセットされて
おり、
前記センサと前記ループブレードとの間の距離および位置関係は一定であって変化しない、装置。
【請求項2】
前記シャフトアセンブリが直線状である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シャフトアセンブリが剛性である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記シャフトアセンブリが管腔を画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記管腔が、前記長手方向軸線に沿って同軸上に延在している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記管腔と連結された流体源を更に含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記流体源が、生理食塩水源又は吸引源の一方又は両方を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記エンドエフェクタが、前記管腔と連通する開口部を画定する、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記開口部が、前記長手方向軸線上に位置付けられている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記中心軸線が、前記長手方向軸線に対して斜めに向けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
グリップを更に含み、前記シャフトアセンブリが前記グリップから遠位に延在している、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記シャフトアセンブリが管腔を画定し、前記グリップが、前記管腔と流体連通する側面開口部を画定する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
記憶デバイスを更に含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記記憶デバイスが、前記グリップ内に位置している、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記記憶デバイスが、前記センサに関連付けられた較正情報を記憶している、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記センサと前記シャフトアセンブリの遠位部分との間に捕捉された絶縁カフを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
装置であって、
(a)グリップと、
(b)前記グリップから遠位に延在するシャフトアセンブリであって、長手方向軸線を画定する、シャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタはループブレードを含み、前記ループブレードは、前記長手方向軸線からオフセットされている、エンドエフェクタと、
(d)センサであって、前記センサは、磁場に応答して信号を生成するように構成されており、前記信号は、三次元空間内の前記ループブレードの位置を示すように構成されており、前記センサは、前記長手方向軸線の周りに同軸上に位置付けられている、センサと、を含み、
前記ループブレードが、中心軸線上に位置付けられた開口部を画定し、前記中心軸線は、前記長手方向軸線からオフセットされて
おり、
前記センサと前記ループブレードとの間の距離および位置関係は一定であって変化しない、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
画像誘導手術(IGS)は、コンピュータを用いて、患者の身体内に挿入された器具の場所の、術前に得られた画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)に対するリアルタイムの相関を得ることで、コンピュータシステムが器具の現在の場所を術前に得られた画像に重ねる技術である。いくつかのIGS手技では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次に、特別にプログラムされたコンピュータを用いて、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、交流電磁場を放出する及び/又は外部で発生した電磁場に反応する電磁コイル)が装着された特別な器具を使用して、センサがそれぞれの外科器具の現在の位置を示すデータをコンピュータに送信している間に、処置が行われる。コンピュータは、器具装着センサから受信したデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関付ける。トモグラフィスキャン画像は、スキャン画像内に示される解剖学的構造に対する各手術用器具のリアルタイム位置を示す指標(例えば、クロスヘア又は照明ドットなど)と共にビデオモニタ上に表示される。これにより、外科医は、器具自体を体内のその現在の位置において直接見ることができない場合であっても、ビデオモニタを見ることによって各センサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0002】
ENT及び副鼻腔手術で使用できる電磁IGSシステムの例は、Biosense-Webster,Inc.(Irvine、California)によるCARTO(登録商標)3 Systemである。機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)、バルーン副鼻腔手術、及び/又は他のENT手技に適用される場合、IGSシステムを使用することで、外科医は、内視鏡単独による視野によって行うよりも正確に手術用器具を動かして位置決めすることが可能になる。その結果、IGSシステムは、FESS、バルーンサイナプラスティ、及び/又は通常の解剖学的目印が存在しないか又は内視鏡的に可視化することが困難である他のENT処置の実行中に特に有用であり得る。
【0003】
術野を取り囲む領域の三次元ビューのナビゲーション(例えば、三次元空間内での視点の回転又は移動)は、IGSシステムのキーボード又はマウスなどのインターフェース機器との相互作用を介して達成され得る。これらのタイプのインターフェース機器は、無菌環境内での使用が意図されていない場合があり、したがって、IGSシステムの支援の下で医療処置を実施している臨床医の手の届く範囲内に位置していない場合がある。結果として、臨床医は、別の部屋又は領域にいるアシスタントにナビゲーション指示を伝える必要があり得、次に、このアシスタントは、インターフェース機器を使用して、臨床医が望む三次元ビューを提供する。このプロセスは、時間がかかり、エラーが発生しやすい可能性がある。
【0004】
ENT処置のために、いくつかのシステム及び方法が作られ、使用されてきたが、本発明の発明者以前に、添付の特許請求の範囲に述べた発明を作り、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論とするものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【
図1】例示的な医療手技用椅子に着座している患者に使用されている、例示的な副鼻腔手術ナビゲーションシステムの概略図である。
【
図2】
図1のシステムと共に使用するように構成された例示的なキュレット器具の斜視図である。
【
図4】
図2のキュレット器具のグリップ部分の側断面斜視図である。
【
図5】
図2のキュレット器具の遠位端部分の斜視図である。
【
図6】
図2のキュレット器具の遠位端部分の別の斜視図である。
【
図7】
図2のキュレット器具の遠位端部分の側断面斜視図である。
【
図8】
図2のキュレット器具の遠位端部分の分解斜視図である。
【0006】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが考えられる。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明には、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる、かつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0008】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医に対して使用されることが理解されるであろう。すなわち、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位側にある。便宜上及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの空間用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準にして使用されていることが更に理解されよう。しかしながら、外科器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0009】
本明細書に記載の教示、表現、変形、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、変形、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点も更に理解される。したがって、以下に記載されている教示、表現、変更例、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書における教示を鑑みると、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲の範囲に含まれるものとする。
【0010】
I.例示的な画像誘導手術ナビゲーションシステム
図1は、画像誘導を使用してENT手技の実施を可能にする例示的なIGSナビゲーションシステム(100)を示す。場合によっては、IGSナビゲーションシステム(100)は、拡張器具アセンブリ(図示せず)を使用して副鼻腔口、又は何らかの他の解剖学的通路(例えば、耳、鼻、又は喉などの中)を拡張する処置の間に使用される。別のあくまで例示的な例として、IGSナビゲーションシステム(100)は、患者の鼻腔、副鼻腔、耳管などを含むがこれらに限定されない患者の頭部内、患者の頭部内の他の場所、患者の喉内、又は患者の身体内の他の場所の任意の他の種類の医療処置の実施中に使用されてもよい。IGSナビゲーションシステム(100)を使用することができる様々な適当な位置及び臨床状況は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0011】
本明細書に記載されている構成要素及び動作性を有することに加えて又はその代わりに、IGSナビゲーションシステム(100)は、以下の文献の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能となり得る。すなわち、米国特許第8,702,626号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年4月22日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許第8,320,711号、発明の名称「Anatomical Modeling from a 3-D Image and a Surface Mapping」(2012年11月27日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許出願公開第2016/0310042号、発明の名称「System and Method to Map Structures of Nasal Cavity」(2016年10月27日発行);米国特許出願公開第2011/0060214号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2011年3月10日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)。
【0012】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(100)は、馬蹄形フレーム(204)に一体化された一式の磁場発生器(206)を含む磁場発生器アセンブリ(200)を含む。磁場発生器(206)は、患者の頭部の周りに周波数の異なる交流磁場を発生させるように動作可能である。それによって、磁場発生器(206)は、患者の頭部に挿入されたナビゲーションガイドワイヤ(130)の位置の追跡を可能にする。磁場発生器(206)を形成及び駆動するために使用することができる様々な好適な構成要素は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0013】
本実施例では、フレーム(204)が椅子(300)に装着され、フレーム(204)が患者(P)の頭部(H)に隣接して配置されるように患者(P)は椅子(300)に着座する。あくまで一例として、椅子(300)及び/又は磁場発生器アセンブリ(200)は、米国特許公開第2018/0310886号、発明の名称「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」(2018年11月1日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の少なくとも一部の教示に従って構成され、動作可能であり得る。
【0014】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(100)は、IGSナビゲーションシステム(100)の磁場発生器(206)及び他の要素を制御するプロセッサ(110)を更に含む。例えば、プロセッサ(110)は、磁場発生器(206)を駆動して交流電磁場を発生させ、ナビゲーションガイドワイヤ(130)からの信号を処理して患者(P)の頭部(H)内におけるナビゲーションガイドワイヤ(130)内のセンサ(図示せず)の場所を判定するように動作可能である。プロセッサ(110)は、1つ以上のメモリと通信する処理ユニットを含む。本例のプロセッサ(110)は、キーパッド及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む動作制御部(112)を含むコンソール(116)内に装着されている。医師は、外科手技を行いながら、プロセッサ(110)と相互作用する動作制御部(112)を使用する。
【0015】
連結ユニット(132)は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)の近位端部に固定されている。本例の連結ユニット(132)は、コンソール(116)とナビゲーションガイドワイヤ(130)との間でデータ及び他の信号の無線通信を提供するように構成されている。本例の連結ユニット(132)はコンソール(116)と無線で連結しているが、一部の他の変形形態は、連結ユニット(132)とコンソール(116)との間を有線連結してもよい。連結ユニット(132)に組み込むことができる様々な他の好適な特徴部及び機能が、本明細書における教示を鑑みると当業者に明白となろう。
【0016】
本実施例のナビゲーションガイドワイヤ(130)は、磁場発生器(206)によって発生された交流電磁場に応答するセンサ(図示せず)を含む。本例では、ナビゲーションガイドワイヤ(130)のセンサは、ナビゲーションガイドワイヤ(130)の遠位端部に少なくとも1つのコイルを含む。上記コイルが磁場発生器(206)によって発生された交流電磁場の中に配置されると、そのような配置によりコイル内に電流が生じ、この電流は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)内の導電路(複数可)に沿って、連結ユニット(132)を介してプロセッサ(110)に更に伝送され得る。この現象により、IGSナビゲーションシステム(100)は、三次元空間内(すなわち、患者(P)の頭部(H)内)のナビゲーションガイドワイヤ(130)の遠位端部の場所を判定することができる。これを達成するため、プロセッサ(110)は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)の遠位端部の位置座標を、ナビゲーションガイドワイヤ(130)内のコイル(複数可)の位置関連信号から計算するアルゴリズムを実行する。
【0017】
プロセッサ(110)はプロセッサ(110)のメモリに格納されたソフトウェアを用いてシステム(100)を較正し、動作させる。このような動作は、磁場発生器(206)を駆動することと、ナビゲーションガイドワイヤ(130)からのデータを処理することと、動作制御部(112)からのデータを処理することと、ディスプレイスクリーン(114)を駆動することとを含む。プロセッサ(110)は、患者の頭部(H)のビデオカメラ画像、患者の頭部(H)のCTスキャン画像、及び/又は患者の鼻腔内及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造のコンピュータ生成三次元モデルに関してナビゲーションガイドワイヤ(130)の遠位端部の位置を示すディスプレイスクリーン(114)を介して、リアルタイムでビデオを提供するように更に動作可能である。ディスプレイスクリーン(114)は、外科手技中にこのような画像を同時に及び/又は互いに重ねて表示することができる。このように表示される画像は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)などの患者の頭部(H)に挿入される器具のグラフィック表示も含んでもよく、こうして、操作者は、その実際の場所で、リアルタイムで器具の仮想レンダリングを視認することができる。単に一例として、ディスプレイスクリーン(114)は、米国特許出願公開第2016/0008083号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2016年1月14日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って画像を提供してもよい。操作者が内視鏡も使用している場合には、内視鏡画像をディスプレイスクリーン(114)に表示することもできる。
【0018】
当業者であれば、ナビゲーションガイドワイヤ(130)が医療器具と連結されると、ディスプレイスクリーン(114)を介して提供される画像は、操作者が患者の頭部(H)内及び/又は患者(P)の解剖学的構造内の他の場所で医療器具を操作する及び他の方法で巧みに扱う際に、操作者を誘導するのに役立ち得ることを認識するであろう。
【0019】
II.ナビゲーションセンサを備えた例示的なキュレット
ナビゲーションガイドワイヤ(130)は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)を収容することができる管腔を含む医療器具(例えば、カテーテルなど)で特に有用であり得る。ナビゲーションガイドワイヤ(130)がそのような管腔内に配設され、ナビゲーションガイドワイヤ(130)内のセンサと医療器具の構造的特徴部との間の距離が既知である(例えば、実質的に一致する)場合には、IGSシステム(100)は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)内のセンサの感知位置に基づいて、医療器具の構造的特徴部が患者(P)内の何処に位置しているのかを本質的に「知る」ことができる。しかしながら、ナビゲーションガイドワイヤ(130)を別の器具と組み合わせて使用することで、器具の取り扱い又は医療処置の他の側面が複雑になり、2つ以上のデバイス(例えば、ガイドワイヤ及び器具)の操作を同時に行うことが必要となる場合がある。したがって、ナビゲーションセンサを器具に組み込むことによって、他の部分は従来のままである器具の修正版を提供することが望ましい場合がある。これにより、ナビゲーションガイドワイヤ(130)などの別個のデバイスの操作を必要とすることなく、器具がナビゲーションガイドワイヤ(130)のナビゲーション機能を有することを可能にすることができる。
【0020】
図2~
図8は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)のセンサのようなナビゲーションセンサ(450)を含む例示的なキュレット器具(400)を示す。本実施例の器具(400)は、グリップ(420)と、シャフトアセンブリ(430)と、エンドエフェクタ(440)とを備える。グリップ(420)は、操作者の片手で握られるようなサイズ及び構成となっている。シャフトアセンブリ(430)は、グリップ(420)から遠位に延在する。エンドエフェクタ(440)は、シャフトアセンブリ(430)の遠位端に位置付けられる。エンドキャップ(424)は、グリップ(420)の近位端に位置している。流体継手(406)は、エンドキャップ(424)から近位に延在する。流体継手(406)は、流体導管(404)及びシャフトアセンブリ(430)と流体連通している。流体継手(406)は、本実施例ではかかり付きであるが、流体継手(406)は、任意の他の好適な構造(例えば、ルアー特徴部など)を有してもよいことを理解されたい。流体導管(404)は、流体継手(406)を流体源(402)と連結する。あくまで一例として、流体導管(404)は可撓管を含むことができる。あくまで更なる一例として、流体源(402)は、生理食塩水源、吸引源、医療用流体の供給源、及び/又は任意の他の好適な種類の流体(複数可)の供給源を含んでもよい。
【0021】
コネクタ(412)もまた、エンドキャップ(424)に位置する。本実施例では、コネクタ(412)は、ワイヤ(410)を介してIGSナビゲーションシステム(100)のプロセッサ(110)と取り外し可能に連結される。いくつかの他の変形例では、コネクタ(412)はプロセッサ(110)と無線で連結される。キュレット器具(400)をプロセッサ(110)と無線で連結させることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
図4に示すように、コネクタ(412)はまた、ワイヤ(414)を介して記憶デバイス(418)と連結され、別のワイヤ(452)を介してセンサ(450)と連結される。当業者であれば、コネクタ(412)は、様々な異なる方法で記憶デバイス(418)及びセンサ(450)と連結され得ることを理解するであろう。記憶デバイス(418)は、本実施例ではグリップ(420)内に完全に収容されている。また、本実施例では、記憶デバイス(418)はEEPROMを含む。EEPROMは、センサ(450)の較正情報を記憶し、それによって、操作者が手動で較正する必要なく、プロセッサ(110)が器具(110)を較正することを可能にする。記憶デバイス(418)が取り得る他の好適な形態、並びに記憶デバイス(418)によって記憶され得る他の種類の情報は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0022】
図3に最もよく示されるように、本実施例のシャフトアセンブリ(430)は、内側カニューレ(434)及び外側シース(432)を含む。外側シース(432)は、内側カニューレ(434)の周りに同軸上に配設される。内側カニューレ(434)は、流体継手(406)と流体連通する内側管腔を画定する。内側カニューレ(434)は、内側カニューレ(434)の管腔と同様に流体連通している側面開口部(436)を含む。内側カニューレ(434)の遠位端は、ネックダウン領域(438)を含む。ネックダウン領域(438)は、内側カニューレ(434)の残りの部分(すなわち、ネックダウン領域(438)の近位にある内側カニューレ(434)の領域)の外径よりも小さい外径を有する。シャフトアセンブリ(430)は、本実施例では完全に剛性である。いくつかの他の変形例では、シャフトアセンブリ(430)の少なくとも一部分は、可鍛性であるか、ないしは別様に可撓性である。
【0023】
図4で最も良く分かるように、グリップ(420)は、内側カニューレ(434)の側面開口部(436)と整列する側面開口部(422)を備えている。開口部(422、436)は協働して、大気が内側カニューレ(434)の管腔に到達するための経路を提供する。側面開口部(422)は、グリップ(420)を把持する操作者の手の指(例えば、親指)によって選択的に覆われるか又は覆われないように位置付けられ、それによって、開口部(422、436)を介して大気が内側カニューレ(434)の管腔に入るのを防止するか又は可能にする。例えば、流体源(402)が吸引源を含む変形形態では、操作者がシャフトアセンブリ(430)を介して患者内の所定の部位に吸引を適用することを望む場合、操作者は開口部(422、436)を覆い、それによって開口部(422、436)を効果的に封止することができる。操作者が、流体源(402)の動作を停止させずに、シャフトアセンブリ(430)を介した患者内の所定の部位への吸引の連通を停止することを望む場合、操作者は単に開口部(422、436)の覆いを取り外すだけでよい。これにより、開口部(422、436)を介して吸引を大気に連通させることが可能となり、吸引は、シャフトアセンブリ(430)の遠位端において患者の所定の部位に到達しないようになる。本実施例のキュレット器具(400)は吸引能力を提供するが、キュレット器具(400)のいくつかの変形例は吸引能力を欠く場合がある。例えば、流体源(402)、流体継手(406)、及び側面開口部(422)は、省略されてもよい。吸引能力を欠く変形形態では、内側カニューレ(434)は、(例えば、カニューレ(434)を通して他の器具を挿入するのを可能にするために)依然として管腔を有していてもよい。代替として、内側カニューレ(434)は、管腔を欠いていてもよい。
【0024】
図5~
図8に示されるように、本実施例のエンドエフェクタ(440)、エンドエフェクタ(440)は、開口部(444)を画定するループブレード(442)を含む。中心軸線(CA)は、開口部(444)の中心を垂直に通る。本実施例では、
図5~
図6に示されるように、中心軸線(CA)は、シャフトアセンブリ(430)の長手方向中心軸線(LA)に対して斜めに向けられている。いくつかの他の変形例では、中心軸線(CA)は長手方向軸線(LA)に対して垂直である。ループブレード(442)は、この実施例では、シャフトアセンブリ(430)の長手方向中心軸線(LA)に対して同様に斜めに向けられた平面に沿って延在する。更に、ループブレード(442)は、中央長手方向軸線(LA)に対して概ね横方向に延在し、この実施例では、長手方向中心軸線(LA)に関して対称ではない。
【0025】
スリーブ部分(446)は、ループブレード(442)に対して近位に延在する。スリーブ部分(446)は、内側カニューレ(434)のネックダウン領域(438)の周りに同軸上に位置付けられたセンサ(450)及びカフ(460)の上に嵌合する。スリーブ部分(446)の近位端は、外側シース(432)の遠位端に当接する。スリーブ部分(446)及び外側シース(432)は、この実施例では同じ外径を有しており、それによってシャフトアセンブリ(430)からエンドエフェクタ(440)への滑らかな移行を提供する。
【0026】
図6で最も良く分かるように、エンドエフェクタ(440)は、シャフトアセンブリ(430)の長手方向軸線(LA)と同軸に位置合わせされた開口部(448)を画定する。開口部(448)は、内側カニューレ(434)の管腔と流体連通している。したがって、流体導管(404)及び流体継手(406)を介して流体源(402)から内側カニューレ(434)に伝達される流体は、開口部(448)まで更に連通される。したがって、開口部(448)を使用して、患者の標的部位に生理食塩水又は何らかの他の液体を連通させてもよく、患者の標的部位に吸引を適用してもよく、ないしは別の方法で開口部(448)が使用されてもよい。上述したように、いくつかの他の変形例では、流体源(402)は省略される。いくつかのそのような変形形態では、別の器具が、内側カニューレ(434)の管腔に選択的に挿入され、内側カニューレ(434)の管腔及び開口部(448)を介して患者内の標的部位に到達する。あくまで一例として、レーザー器具、注入針、拡張カテーテル、及び/又は他の種類の器具が内側カニューレ(434)及び開口部(448)に通され、患者内の標的部位に到達してもよい。いくつかの他の変形例では、開口(448)は省略される。
【0027】
別のあくまで例示的な例として、内側カニューレ(434)は、管腔を欠いていてもよい。換言すれば、内側カニューレ(434)は、いくつかの変形例では、中実ロッドと置き換えられてもよい。更に別のあくまで例示的な例として、内側カニューレ(434)の管腔は、内側カニューレ(434)の長さの一部分のみに沿って延在してもよい。同様に、内側カニューレ(434)の管腔は、開口部(448)が省略されるように、エンドエフェクタ(440)の近位で終端してもよい。
【0028】
本実施例のセンサ(450)は、磁場発生器(206)によって発生された交流磁場内で電気信号を誘導するワイヤコイルを含む。センサ(450)によって生成されたこの信号は、磁場発生器(206)によって発生された交番磁場内のセンサ(450)の位置及び向きを示す。センサ(450)とループブレード(442)との間の距離及び位置決めは、本実施例では一定であり、これにより、プロセッサ(110)は、患者内のセンサ(450)の感知された位置に基づいて、患者内のループブレード(442)の位置を決定することができる。したがって、操作者は、ディスプレイスクリーン(114)を見ることにより、CT画像及び/又は患者内の解剖学的構造を表す他の画像上に重ね合わされたループブレード(442)のリアルタイムの位置決めを観察することができる。本実施例では、センサ(450)を形成するために単一のワイヤコイルのみが使用されるが、センサ(450)は、代替的に2つ以上のコイルを含んでもよい。単一のコイルが使用される場合、コイルは、単一の軸の周りに巻かれてもよい。2つ以上のコイルが使用される場合、コイルは、異なるそれぞれの軸の周りに巻かれてもよい。いくつかの変形例では、センサ(450)は、3つの異なる軸の周りに巻かれた3つのコイルを含む。いくつかのこのような変形例では、3つの軸は互いに対して垂直である。
【0029】
図7で最も良く分かるように、カフ(460)は、センサ(450)と内側カニューレ(434)のネックダウン領域(438)との間に同心円状に配置される。カフ(460)は、電気絶縁材料(例えば、ポリイミドなど)で形成され、センサ(450)よりもわずかに長いため、カフ(460)は、内側カニューレ(434)のネックダウン領域(438)からセンサ(450)を電気的に隔離する。
【0030】
ワイヤ(452)の一部分のみが
図3~
図4及び
図8に示されているが、ワイヤ(452)は、シャフトアセンブリ(430)の全長に沿って延在して、センサ(450)を記憶デバイス(418)と連結する。本実施例では、ワイヤ(452)は、外側シース(432)と内側カニューレ(434)との間に捕捉される。代替として、センサ(450)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、任意の他の好適な方法で記憶デバイス(418)に連結されてもよい。本実施例では、センサ(450)とコネクタ(412)との間に記憶デバイス(418)が介在しているが、他の変形形態では、センサ(450)は、代わりに、コネクタ(412)と直接連結されてもよい。そのような変形形態では、記憶デバイス(418)は、コネクタ(412)と並列に連結されてもよい。別の変形例として、記憶デバイス(418)は、単に省略されてもよい。
【0031】
センサ(450)は、この実施例ではキュレット器具(400)に組み込まれているが、センサ(450)は、代わりに、ピック、ローゼット(rosette)、ポインタ、エレベータ、ローゼン(rosen)、内視鏡、及び/又は様々な他の種類の器具を含むがこれらに限定されない、様々な他の種類の器具に組み込まれてもよい。センサ(450)を組み込むことができる他の種類の器具は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(440)が様々な他の種類の構成を有する様々な他の種類のエンドエフェクタと交換され得るように、エンドエフェクタ(440)はシャフトアセンブリ(430)と取り外し可能に連結される。あくまで一例として、かかるモジュール式エンドエフェクタは全て、スリーブ部分(446)と同様の構造を有することができる。このようなスリーブ部分(446)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、螺合により、バヨネットマウントにより、圧入により、スナップ嵌めにより、及び/又は任意の他の好適な方法で、シャフトアセンブリ(430)の遠位端と選択的に連結され得る。
【0032】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の種々の教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されないかぎり、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0033】
装置であって、(a)シャフトアセンブリであって、長手方向軸線を画定する、シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタの一部分は長手方向軸線からオフセットされている、エンドエフェクタと、(c)センサであって、センサは、磁場に応答して信号を生成するように構成されており、信号は、三次元空間内のエンドエフェクタの位置を示すように構成されており、センサは、長手方向軸線の周りに同軸上に位置付けられている、センサと、を含む、装置。
【実施例2】
【0034】
シャフトアセンブリが直線状である、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0035】
シャフトアセンブリが剛性である、実施例1~2のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例4】
【0036】
シャフトアセンブリが内側カニューレ及び外側シースを含み、外側シースは、内側カニューレの周りに同軸上に配設されている、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例5】
【0037】
シャフトアセンブリが管腔を画定する、実施例1~4のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例6】
【0038】
管腔が、長手方向軸線に沿って同軸上に延在している、実施例5に記載の装置。
【実施例7】
【0039】
管腔と連結された流体源を更に含む、実施例5~6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例8】
【0040】
流体源が、生理食塩水源又は吸引源の一方又は両方を含む、実施例7に記載の装置。
【実施例9】
【0041】
エンドエフェクタが、管腔と連通する開口部を画定する、実施例5~8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0042】
開口部が、長手方向軸線上に位置決付けられている、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0043】
エンドエフェクタがループブレードを備える、実施例1~10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例12】
【0044】
ループブレードが、中心軸線上に位置付けられた開口部を画定し、中心軸線は、長手方向軸線からオフセットされている、実施例11に記載の装置。
【実施例13】
【0045】
中心軸線が、長手方向軸線に対して斜めに向けられている、実施例12に記載の装置。
【実施例14】
【0046】
グリップを更に含み、シャフトアセンブリがグリップから遠位に延在している、実施例1~13のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例15】
【0047】
シャフトアセンブリが管腔を画定し、グリップが、管腔と流体連通する側面開口部を画定する、実施例14に記載の装置。
【実施例16】
【0048】
記憶デバイスを更に含む、実施例14~15のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例17】
【0049】
記憶デバイスが、グリップ内に位置している、実施例16に記載の装置。
【実施例18】
【0050】
記憶デバイスが、EEPROMを含む、実施例16~17のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例19】
【0051】
記憶デバイスが、センサに関連付けられた較正情報を記憶している、実施例16~18のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例20】
【0052】
センサとシャフトアセンブリの遠位部分との間に捕捉された絶縁カフを更に含む、実施例1~19のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例21】
【0053】
装置であって、(a)グリップと、(b)グリップから遠位に延在するシャフトアセンブリであって、長手方向軸線を画定する、シャフトアセンブリと、(c)シャフトアセンブリの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタはループブレードを含み、ループブレードは、長手方向軸線からオフセットされている、エンドエフェクタと、(d)センサであって、センサは、磁場に応答して信号を生成するように構成されており、信号は、三次元空間内のループブレードの位置を示すように構成されており、センサは、長手方向軸線の周りに同軸上に位置付けられている、センサと、を含む、装置。
【実施例22】
【0054】
方法であって、(a)器具の遠位端を患者に挿入することと、(b)患者内の器具の遠位端の位置をリアルタイムで示すディスプレイを観察することであって、ディスプレイは、器具の遠位端内のセンサからの信号を処理するプロセッサによって駆動され、センサは、磁場に応答して信号を生成する、ことと、(c)観察された位置に基づいて、器具の遠位端の横方向に延在する部分を患者内の組織と係合させることであって、遠位端の横方向に延在する部分が、器具のシャフトアセンブリの長手方向軸線からオフセットされており、センサが、長手方向軸線の周りに同軸上に位置付けられている、ことと、を含む、方法。
【実施例23】
【0055】
横方向に延在する部分が、ブレードを含む、実施例22に記載の方法。
【実施例24】
【0056】
流体を、器具の遠位端の開口部を介して、患者の標的部位に連通させることを更に含む、実施例22~23のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例25】
【0057】
流体を連通させる行為が、吸引又は液体の一方又は両方を連通させることを含む、実施例24に記載の方法。
【0058】
IV.その他
本明細書に記載されている実施例のうちのいずれも、上述のものに加えて又はそれに代えて、様々な他の特徴を含み得ることが理解されるべきである。単なる例として、本明細書に記載されている実施例のうちのいずれも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。
【0059】
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例など)、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書における教示を鑑みると、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0060】
参照により本明細書に組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0061】
本明細書に開示されるデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。変形形態は、一方又はその両方の場合において、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスの変形形態は、分解することができ、かつ、デバイスの任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにおいて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品を洗浄時及び/又は交換時に、デバイスの変形形態は、再調整用の施設において、又は外科手技の直前に外科チームによってのどちらかで、その後の使用のために再組立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0062】
単なる例として、本明細書に記載の変形形態は、手術前に処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0063】
本発明の様々な変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現可能である。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形形態、幾何形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0064】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)シャフトアセンブリであって、長手方向軸線を画定する、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタの一部分は前記長手方向軸線からオフセットされている、エンドエフェクタと、
(c)センサであって、前記センサは、磁場に応答して信号を生成するように構成されており、前記信号は、三次元空間内の前記エンドエフェクタの位置を示すように構成されており、前記センサは、前記長手方向軸線の周りに同軸上に位置付けられている、センサと、を含む、装置。
(2) 前記シャフトアセンブリが直線状である、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記シャフトアセンブリが剛性である、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記シャフトアセンブリが管腔を画定する、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記管腔が、前記長手方向軸線に沿って同軸上に延在している、実施態様4に記載の装置。
【0065】
(6) 前記管腔と連結された流体源を更に含む、実施態様4に記載の装置。
(7) 前記流体源が、生理食塩水源又は吸引源の一方又は両方を含む、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記エンドエフェクタが、前記管腔と連通する開口部を画定する、実施態様4に記載の装置。
(9) 前記開口部が、前記長手方向軸線上に位置付けられている、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記エンドエフェクタが、ループブレードを備える、実施態様1に記載の装置。
【0066】
(11) 前記ループブレードが、中心軸線上に位置付けられた開口部を画定し、前記中心軸線は、前記長手方向軸線からオフセットされている、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記中心軸線が、前記長手方向軸線に対して斜めに向けられている、実施態様11に記載の装置。
(13) グリップを更に含み、前記シャフトアセンブリが前記グリップから遠位に延在している、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記シャフトアセンブリが管腔を画定し、前記グリップが、前記管腔と流体連通する側面開口部を画定する、実施態様13に記載の装置。
(15) 記憶デバイスを更に含む、実施態様13に記載の装置。
【0067】
(16) 前記記憶デバイスが、前記グリップ内に位置している、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記記憶デバイスが、前記センサに関連付けられた較正情報を記憶している、実施態様15に記載の装置。
(18) 前記センサと前記シャフトアセンブリの遠位部分との間に捕捉された絶縁カフを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)グリップと、
(b)前記グリップから遠位に延在するシャフトアセンブリであって、長手方向軸線を画定する、シャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタはループブレードを含み、前記ループブレードは、前記長手方向軸線からオフセットされている、エンドエフェクタと、
(d)センサであって、前記センサは、磁場に応答して信号を生成するように構成されており、前記信号は、三次元空間内の前記ループブレードの位置を示すように構成されており、前記センサは、前記長手方向軸線の周りに同軸上に位置付けられている、センサと、を含む、装置。
(20) 方法であって、
(a)器具の遠位端を患者に挿入することと、
(b)前記患者内の前記器具の前記遠位端の位置をリアルタイムで示すディスプレイを観察することであって、前記ディスプレイは、前記器具の前記遠位端内のセンサからの信号を処理するプロセッサによって駆動され、前記センサは、磁場に応答して前記信号を生成する、ことと、
(c)観察された前記位置に基づいて、前記器具の前記遠位端の横方向に延在する部分を前記患者内の組織と係合させることであって、前記遠位端の前記横方向に延在する部分が、前記器具のシャフトアセンブリの長手方向軸線からオフセットされており、前記センサが、前記長手方向軸線の周りに同軸上に位置付けられている、ことと、を含む、方法。