(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】チャイルドセーフティシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20240909BHJP
【FI】
B60N2/28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023080951
(22)【出願日】2023-05-16
(62)【分割の表示】P 2021180142の分割
【原出願日】2020-07-17
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】201910650374.0
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】郭 征文
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0039319(US,A1)
【文献】特表2018-526279(JP,A)
【文献】特表2018-523609(JP,A)
【文献】特表2015-521558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/26-2/28,2/42-2/433
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートシェルであって、前記シートシェルに座っている子供の横方向の動きを制限するために側壁を有し、前記側壁にはロックスロットが設けられている、シートシェルと、
前記シートシェルに可動に接続された緩衝部であって、前記緩衝部が前記側壁に向かって格納される収納位置と、前記緩衝部が前記側壁から横方向に突き出る展開位置と、の間で可動である、緩衝部と、
前記緩衝部によって保有されるラッチを含むラッチ機構であって、前記緩衝部が前記シートシェルに対して可動であるように、前記ラッチは、前記緩衝部を前記シートシェルにロックするために前記ラッチが前記ロックスロットと係合するロック状態と、前記緩衝部のロックを解除するために前記ラッチが前記ロックスロットから係合解除されるロック解除状態と、の間で前記緩衝部に対して可動である、ラッチ機構と、
を含むチャイルドセーフティシート。
【請求項2】
前記側壁は、前記収納位置において前記緩衝部を受容するための開口部を有し、前記ロックスロットは、前記開口部の内側に設けられている、請求項1に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項3】
前記シートシェルは、前記開口部の内側に突き出るマウントベースを有し、前記緩衝部は、前記マウントベースに枢動可能に接続されている、請求
項2に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項4】
前記マウントベースは、ピボット支持部分を有し、前記緩衝部は、前記ピボット支持部分の周りで回転可能である、請求項3に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項5】
前記ピボット支持部分は、少なくとも部分的に円柱形状である、請求項4に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項6】
前記緩衝部は、前記ピボット支持部分に設けられた孔を通って配置されたピボット軸の周りで前記マウントベースに枢動可能に接続されている、請求項4又は5に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項7】
前記ロックスロットは、前記マウントベースに設けられている、請求項3から6のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項8】
前記緩衝部は、ピボット軸の周りで前記シートシェルに枢動可能に接続され、前記ラッチは、前記ピボット軸に実質的に直交して摺動可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項9】
前記緩衝部は、前記展開位置において前記側壁に対して実質的に垂直に突き出る、請求項1から8のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項10】
シートシェルであって、前記シートシェルに座っている子供の横方向の動きを制限するために側壁を有し、前記側壁は開口部を有し、マウントベースが前記開口部の内側に突き出ている、シートシェルと、
前記マウントベースに枢動可能に接続された緩衝部であって、前記緩衝部が前記側壁に向かって格納される収納位置と、前記緩衝部が前記側壁から横方向に突き出る展開位置と、の間で回転可能である、緩衝部と、
前記緩衝部によって保有されるラッチを含むラッチ機構であって、前記緩衝部が前記シートシェルに対して回転可能であるように、前記ラッチは、前記緩衝部を前記シートシェルにロックするためのロック状態と、前記緩衝部のロックを解除するためのロック解除状態と、の間で前記緩衝部に対して可動である、ラッチ機構と、
を含
むチャイルドセーフティシートであって、
前記側壁は、前記開口部の内側に設けられたロックスロットを有し、前記ラッチは、前記ロック状態において前記ロックスロットと係合し、前記ロック解除状態において前記ロックスロットから係合解除されるチャイルドセーフティシート。
【請求項11】
前記マウントベースは、前記開口部の底部から突き出る、請求項10に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項12】
前記マウントベースは、ピボット支持部分を有し、前記緩衝部は、前記ピボット支持部分の周りで回転可能である、請求項10又は11に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項13】
前記ピボット支持部分は、少なくとも部分的に円柱形状である、請求項12に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項14】
前記緩衝部は、前記ピボット支持部分に設けられた孔を通って配置されたピボット軸の周りで前記マウントベースに枢動可能に接続されている、請求項12又は13に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項15】
前記緩衝部は、キャビティを横切って向かい合う2つの側壁を有し、前記ピボット支持部分が少なくとも部分的に前記緩衝部の前記キャビティにおいて受容された状態で、前記緩衝部は、前記マウントベースに取り付けられている、請求項12から14のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項16】
前記ロックスロットは、前記マウントベースに設けられている、請求項
10から15のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項17】
前記緩衝部は、ピボット軸の周りで前記マウントベースに枢動可能に接続され、前記ラッチは、前記ピボット軸に実質的に直交して摺動可能である、請求項10から
16のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項18】
前記緩衝部は、前記展開位置において前記側壁に対して実質的に垂直に突き出る、請求項10から
17のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項19】
前記ラッチ機構は、リリースアクチュエータをさらに含み、前記リリースアクチュエータは、前記ラッチに接続され、前記ラッチが前記ロック状態から前記ロック解除状態まで移動するのを駆り立てるように動作可能である、請求項10から
18のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項20】
チャイルドセーフティシートのための側面衝撃保護機構であって、
前記チャイルドセーフティシートのシートシェルに枢動可能に接続された緩衝部と、
前記緩衝部によって保有され、前記シートシェルに設けられたロックスロットと係合するように構成された端部を有するラッチであって、前記ラッチは、前記緩衝部を前記シートシェルにロックするために前記ロックスロットと係合するように、かつ前記緩衝部における前記シートシェルに対する回転のために前記ロックスロットから係合解除するように、前記緩衝部に対して可動である、ラッチと、
を備える、側面衝撃保護機構。
【請求項21】
前記緩衝部は、ピボット軸の周りで前記シートシェルに枢動可能に接続され、前記ラッチは、前記ロックスロットと係合するために前記ピボット軸に向かって可動である、請求項
20に記載の側面衝撃保護機構。
【請求項22】
前記側面衝撃保護機構は、前記ラッチに接続されたリリースアクチュエータをさらに含み、前記リリースアクチュエータは、前記ラッチが前記ロックスロットから係合解除するのを駆り立てるように動作可能である、請求項
20又は
21に記載の側面衝撃保護機構。
【請求項23】
前記緩衝部は、前記シートシェルに枢動可能に接続された第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部と、を有し、前記リリースアクチュエータは、前記緩衝部の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置されている、請求項
22に記載の側面衝撃保護機構。
【請求項24】
前記側面衝撃保護機構は、前記ラッチに接続されるばねをさらに含み、前記ばねは、前記ラッチを前記ロックスロットと係合するように付勢するように動作可能である、請求項
20から
23のいずれか一項に記載の側面衝撃保護機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年7月18日に出願された中国特許出願第201910650374.0号に対する優先権を主張する2020年7月17日に出願された特願2020-122508号の分割出願である2021年11月4日に出願された特願2021-180142号の分割出願である。
【0002】
本発明は、チャイルドセーフティシートに関する。
【背景技術】
【0003】
チャイルドセーフティシートは、典型的には、衝突事故の場合に子供を押さえるために自動車において使用される。特に、チャイルドセーフティシートは、車両が正面衝突又は追突を受けたときに子供が前後に動くことを抑えることによって保護を提供することができる。
【0004】
正面衝突及び追突の間に保護を提供することに加えて、一部のチャイルドセーフティシートは、車両側面衝突によって誘発される衝突エネルギーを消散させるように適応した側面衝撃保護構造をさらに含んでもよい。側面衝撃保護構造は、一般的に、チャイルドセーフティシートの側壁に提供され、保管のために格納する又は使用のために展開するように回転可能な保護要素を含む。保護要素が格納位置にある場合、ロック機構が、保護要素を適切な位置においてロックするために提供されてもよい。保護要素を使用するためには、保護要素のロックを解除するためにボタンを操作しなければならず、従って、ばねの付勢力のおかげで展開することができる。残念ながら、この従来の構造は、比較的複雑であり、実際に操作するのに使いやすくない場合がある。
【0005】
従って、構造がシンプルで、操作し易く、少なくとも上述の問題に取り組む、側面衝撃保護機構を有する改善されたチャイルドセーフティシートが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、車両側面衝突の間に保護を提供するように適応し、コンパクトな保管のために収納され且つ便利な様式で展開され得る側面衝撃保護機構を有するチャイルドセーフティシートを記載する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によると、本明細書に記載されるチャイルドセーフティシートは、シートシェル、緩衝部及びラッチ機構を含む。シートシェルは、シートシェルに座っている子供の横方向の動きを制限するために側壁を有し、側壁にはロックスロットが設けられている。緩衝部は、シートシェルに可動に接続され、緩衝部が側壁に向かって格納される収納位置と、緩衝部が側壁から横方向に突き出る展開位置と、の間で可動である。ラッチ機構は、緩衝部によって保有されるラッチを含み、緩衝部が前記シートシェルに対して可動であるように、ラッチは、緩衝部をシートシェルにロックするためにラッチがロックスロットと係合するロック状態と、緩衝部のロックを解除するためにラッチがロックスロットから係合解除されるロック解除状態と、の間で緩衝部に対して可動である。
別の態様によると、本明細書に記載されるチャイルドセーフティシートが、シートシェル、緩衝部及びラッチ機構を含む。シートシェルは、シートシェルに座っている子供の横方向の動きを制限するために側壁を有し、側壁は開口部を有し、マウントベースが開口部の内側に突き出ている。緩衝部は、マウントベースに枢動可能に接続され、緩衝部が側壁に向かって格納される収納位置と、緩衝部が側壁から横方向に突き出る展開位置と、の間で回転可能である。ラッチ機構は、緩衝部によって保有されるラッチを含み、緩衝部がシートシェルに対して回転可能であるように、ラッチは、緩衝部をシートシェルにロックするためのロック状態と、緩衝部のロックを解除するためのロック解除状態と、の間で緩衝部に対して可動である。
さらに別の態様によると、本出願は、チャイルドセーフティシートのための側面衝撃保護機構を提供する。側面衝撃保護機構は、チャイルドセーフティシートのシートシェルに枢動可能に接続された緩衝部と、緩衝部によって保有され、シートシェルに設けられたロックスロットと係合するように構成された端部を有するラッチであって、ラッチは、緩衝部をシートシェルにロックするためにロックスロットと係合するように、かつ緩衝部におけるシートシェルに対する回転のためにロックスロットから係合解除するように、緩衝部に対して可動である、ラッチと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】側面衝撃保護機構が収納位置にあるチャイルドセーフティシートの一実施形態を例示する斜視図である。
【
図2】側面衝撃保護機構が展開位置にあるチャイルドセーフティシートを例示する斜視図である。
【
図3】1つの側面衝撃保護機構が収納位置にあるチャイルドセーフティシートの部分断面図である。
【
図4】
図3において示されている部分Aの拡大図である。
【
図5】側面衝撃保護機構が展開位置にあるチャイルドセーフティシートの部分断面図である。
【
図6】
図5において示されている部分Bの拡大図である。
【
図7】展開位置にある側面衝撃保護機構のみを例示する斜視図である。
【
図8】収納位置にある側面衝撃保護機構のみを例示する斜視図である。
【
図9】チャイルドセーフティシートのシートシェルと側面衝撃保護機構を組み立てるために使用されるマウントベースを例示する斜視図である。
【
図10】側面衝撃保護機構の一部の構造詳細を例示する斜視図である。
【
図12】リリースアクチュエータを含む側面衝撃保護機構の異型の構造(variant construction)を例示する斜視図である。
【
図13】
図12において示されている側面衝撃保護機構の断面図である。
【
図14】
図12において示されている側面衝撃保護機構の別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び2は、チャイルドセーフティシート100の一実施形態を例示する2つの斜視図である。
図1及び2を参照すると、チャイルドセーフティシート100は、シートシェル102と、シートシェル102を支持するためにシートシェル102の底部に提供された支持基盤104と、シートシェル102の左側及び右側にそれぞれ連結された2つの側面衝撃保護機構50とを含み得る。シートシェル102は、互いに固定して接続されたシート部分10及び背もたれ部分30を有し得る。例えば、シートシェル102は、シート部分10及び背もたれ部分30を含むように一体的に形成されてもよい。シートシェル102は、シートシェル102の左側及び右側にそれぞれ提供された2つの側壁31をさらに含み得る。2つの側壁31は、背もたれ部分30に固定して接続させ、それぞれ、シートシェル102の左側及び右側において背もたれ部分30から前方に突出し、背もたれ部分30の頂部からシート部分10に向かって延びることができる。2つの側壁31は、2つの側壁31の間でシートシェル102に座っている子供の横方向の動きを制限することができる。
【0010】
図1及び2を参照すると、シートシェル102の左側及び右側における2つの側面衝撃保護機構50は、同じ構造を有することができ、背もたれ部分30の2つの側壁31上の対称的な位置にそれぞれ配置することができる。より具体的には、各側壁31は、対応する側面衝撃保護機構50の組立体を受けるために、その外側に提供された開口部33を有し得る。
図1及び2と関連して、
図3~6は、シートシェル102と組み立てられた1つの側面衝撃保護機構50を例示する断面図であり、
図7~14は、側面衝撃保護機構50に対する様々な構造詳細を例示する様々な図である。
図3~14を参照すると、側面衝撃保護機構50は、緩衝部53及びばね57を含み得る。
【0011】
緩衝部53は、シートシェル102に可動に接続されており、クッション効果を提供するように適応した任意の適した構造を有してもよい。構造の一例によると、緩衝部53は、互いに固定して取り付けられた複数のケーシング部分を含んでもよい。緩衝部53を作製するための適した材料の例として、プラスチックが挙げられ得るが、これに限定されない。緩衝部53は、側壁31の外側においてシートシェル102に対して可動である。例えば、緩衝部53は、
図1において示されている収納位置と、
図2において示されている展開位置との間で移動することができる。収納位置では、緩衝部53は、側壁31に向かって格納され、コンパクトな保管のために開口部33の内側に実質的に受容され得る。展開位置では、緩衝部53は、側壁31から外向き及び横方向に、例えば、側壁31に対して実質的に垂直に突出してもよい。横方向衝突の間、展開位置にある緩衝部53は、車体(例えば、車両のドアパネル等)に押し付けられ、その結果、衝撃エネルギーの一部を消散させるために、変形し、粉砕し、及び/又は、緩衝部53の周囲のシートシェル102の一部を変形させ得る。
【0012】
構造の一例によると、緩衝部53は、シートシェル102に枢動可能に接続されてもよい。例えば、マウントベース51を、シートシェル102の側壁31に固定して接続することができ、緩衝部53は、マウントベース51に枢動可能に接続することができる。従って、緩衝部53は、収納位置と展開位置との間でシートシェル102に対して回転することができる。ピボット軸Xであって、それを中心として緩衝部53がシートシェル102に対して回転するピボット軸Xは、概して背もたれ部分30の縦方向に沿って延びてもよい。
【0013】
図7~14を参照すると、マウントベース51は、シートシェル102へのマウントベース51の取り付けを容易にするために、1つ又は複数のフランジ513を含み得る。例えば、マウントベース51は、側壁31の開口部33内に置くことができ、マウントベース51をシートシェル102に固定して取り付けるために、留め具が、フランジ513を介してシートシェル102と係合されてもよい。さらに、マウントベース51は、孔5113を有するピボット支持部分511を含み得る(
図9においてさらに良く示されている)。フランジ513及びピボット支持部分511を含むマウントベース51は、単一部品として一体的に形成されてもよい。ピボット支持部分511は、例証的に、略円柱形状を有してもよい。緩衝部53をマウントベース51のピボット支持部分511に枢動可能に接続するために、ピボット軸52が、ピボット支持部分511の孔5113と、緩衝部53上に提供された孔537とを介して組み立てられてもよい。例えば、孔537は、キャビティ535を横切って向かい合う緩衝部53の2つの側壁532を介して例証的に形成されてもよく、緩衝部53は、ピボット支持部分511が少なくとも部分的に緩衝部53のキャビティ535内に受容された状態でマウントベース51に取り付けられてもよく、ピボット軸52は、側壁532及びキャビティ535の内側のピボット支持部分511を介して組み立てることができる。
【0014】
図10、11、及び14を参照すると、ばね57は、収納位置に向かう緩衝部53の移動を容易にするために緩衝部53に対して付勢力を加えることができる。構造の一例によると、ばね57は、ピボット軸52の周囲に配置されるトーションばねであってもよく、マウントベース51及び緩衝部53にそれぞれ接続されてもよい。それによって、ばね57は、緩衝部53を収納位置に向かって付勢することができる。
【0015】
図4及び6~11を参照すると、側面衝撃保護機構50は、緩衝部53を展開位置においてロックするためのラッチ機構をさらに含み得る。このラッチ機構は、ラッチ55及び1つ又は複数のばね59を含み得る。
【0016】
ラッチ55は、緩衝部53によって保有されてもよく、緩衝部53がシートシェル102に対して回転することができるように、緩衝部53を展開位置においてロックするためにラッチ55がマウントベース51と係合しているロック状態(
図6においてさらに良く示されている)と、緩衝部53のロックを解除するためにラッチ55がマウントベース51から係合解除しているロック解除状態(
図4においてさらに良く示されている)との間で移動ことができる。構造の一例によると、ラッチ55は、緩衝部53に摺動可能に接続することができ、ピボット支持部分511上に提供されたロックスロット5111と係合するか又はそこから係合解除するように摺動することができ、ラッチ55は、ロック状態においてロックスロット5111と係合し、ロック解除状態においてロックスロット5111から係合解除される。例えば、ラッチ55を、緩衝部53の中空内部531内で少なくとも部分的に受容することができ、緩衝部53に対して摺動して、ロックスロット5111と係合するために中空内部531の外側に突出するか、又はロックスロット5111から係合解除するために中空内部531に向かって引っ込むことができる。ラッチ55は、ピボット軸52によって画定される軸に実質的に直交する軸に沿って摺動してもよい。
【0017】
ばね59は、ラッチ55をロック状態に向かって付勢することができる。構造の一例によると、ばね59は、中空内部531内に配置され、ラッチ55及び緩衝部53内の中空内部531の内側の側壁にそれぞれ接続された2つの対向する端部を有することができる。ばね59とラッチ55との接続を容易にするために、ラッチ55は、ばね59が固定される突出部553を有することができる。例示された実施形態では、2つのばね59が、ラッチ55をロック状態に向かって付勢するように提供されている。しかし、ばね59は任意の適した数で提供されてもよいということが正しく理解されることになる。
【0018】
緩衝部53内に提供されるラッチ機構は、緩衝部53を直接操作することによって、緩衝部53の容易なロック解除を可能にする構造を含んでもよい。
図4及び6を参照すると、ラッチ55がロックスロット5111と係合した状態で緩衝部53が展開位置においてロックされる場合、ラッチ55の係合端部は、ロックスロット5111内に提供されたベベル533に隣接して位置するベベル551を有することができる。緩衝部53を収納するために、介護者は、展開位置から収納位置に向かって緩衝部53を直接回転させることができ、これによって、ベベル551と533との間に滑り接触が生じ、ラッチ55がロックスロット5111から係合解除するのを駆り立て、それによって、緩衝部53のロックを解除する。次に、ばね57の付勢力が、ロック解除された緩衝部53が収納位置まで回転するのを駆り立て得る。
【0019】
緩衝部53のロックを解除するための上述の構造に加えて又はこれの代わりに、緩衝部53内に提供されるラッチ機構は、リリースアクチュエータ58を含んでもよい。
図12~14を参照すると、リリースアクチュエータ58は、ラッチ55に接続され、ラッチ55がロック状態からロック解除状態に移動するのを駆り立てるように動作可能である。構造の一例によると、リリースアクチュエータ58は、ラッチ55と共に摺動可能にロックされ得る。例えば、リリースアクチュエータ58は、緩衝部53に提供された1つ又は複数のガイドスロットを通してそれぞれ配置され、ラッチ55に提供された1つ又は複数の制限開口部555とそれぞれ係合する1つ又は複数のスタッド581を有することができ、それによって、リリースアクチュエータ58及びラッチ55は、ロック状態とロック解除状態との間で緩衝部53に対して一斉に摺動することができる。リリースアクチュエータ58の配置を容易にするために、緩衝部53は、開口部539を有してもよく、リリースアクチュエータ58は、開口部539内に少なくとも部分的に受容されてもよい。例えば、リリースアクチュエータ58は、開口部539内に受容される楕円形状を含んでもよい。構造の一例によると、リリースアクチュエータ58は、緩衝部53が展開位置にあるときに緩衝部53の内側において操作のために露出され且つアクセス可能であってもよく、緩衝部53が収納位置にあるときには側壁31の開口部33において隠すことができる。
【0020】
側面衝撃保護機構50の例証的な動作が、
図1~14を参照して以下に記載される。チャイルドセーフティシート100が使用されておらず、子供がそこに置かれていない場合、シートシェル102の左側及び右側のそれぞれにおける緩衝部53は、便利な保管のために、開口部33内の収納位置に配置することができる。緩衝部53は、ばね57の付勢力によって収納位置において保持されてもよい。
【0021】
緩衝部53が使用されることになる場合、介護者は、緩衝部53を掴み、収納位置から展開位置に向かってばね57の付勢力に対して回転させることができる。緩衝部53がシートシェル102及びマウントベース51に対して回転するに従い、ラッチ55は、緩衝部53と共に移動し、ばね59の付勢力のためにピボット支持部分511の外面と滑り接触する。緩衝部53が展開位置に達すると、ラッチ55は、ばね59の付勢力下でロックスロット5111と係合し、それによって、緩衝部53を適切な位置においてロックすることができる。
【0022】
緩衝部53を収納するために、介護者は、展開位置から収納位置に向かう角度分、緩衝部53を直接回転させることができ、これによって、ラッチ55は、ベベル551と533との間の滑り接触のために、マウントベース51のピボット支持部分511から係合解除することができる。或いは、介護者は、リリースアクチュエータ58を操作して、ラッチ55を係合解除し、緩衝部53のロックを解除してもよい。ばね57の付勢力の下で、ロックが解除された緩衝部53は、次に、コンパクトな保管のために収納位置まで回転することができる。
【0023】
本明細書において記載されるチャイルドセーフティシートの利点は、構造がシンプルであり、便利な様式で収納及び展開することができる側面衝撃保護機構を含む。
【0024】
チャイルドセーフティシートの具現化が、特定の実施形態に関連して記載されてきた。これらの実施形態は、例示的であり、限定的ではないことを意図している。多くの変形、修正、追加、及び改善が可能である。これら及び他の変形、修正、追加、及び改善は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内にあり得る。