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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】電子商取引システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240909BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023135239
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2019059201の分割
【原出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2023153307
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 正人
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-073170(JP,A)
【文献】特開2005-222390(JP,A)
【文献】特開2017-049953(JP,A)
【文献】特開2014-119841(JP,A)
【文献】特開2002-117292(JP,A)
【文献】特開2010-272015(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0318029(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0096599(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が操作する情報端末と、前記情報端末からのアクセスを受け付けて、オンライン上で商品を購入する電子商取引に用いられる情報処理装置と、を有する電子商取引システムであって、
前記情報端末は、
前記情報処理装置にアクセスを行うアクセス部を備え、
前記情報処理装置は、
アクセスした前記情報端末から商品の販売時刻を示す販売時刻情報、当該販売時刻における前記情報端末の位置を示す販売位置情報、および前記顧客の属性を示す属性情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記販売時刻情報が含まれる販売時間帯情報と前記販売位置情報が含まれる販売地域情報と前記属性情報と、記憶部に記憶されている前記販売時間帯情報と前記販売地域情報と前記属性情報とを比較し、全てが一致する一の推奨情報を前記記憶部から取得する推奨情報取得部と、
取得した前記推奨情報に基づいて推奨商品を決定する推奨商品決定部と、
決定された前記推奨商品を前記情報端末に送信する推奨商品送信部と、
を備える、電子商取引システム
【請求項2】
前記推奨情報取得部は、前記販売時刻情報、前記販売位置情報、および前記属性情報に係る商品の販売数のばらつきに対する偏差値に基づいて前記推奨情報を取得する、
請求項1に記載の電子商取引システム
【請求項3】
前記推奨情報取得部は、前記販売時刻情報、前記販売位置情報、および前記属性情報の比較に基づいて前記記憶部から取得した複数の商品を分類する分類のうち、最も偏差値が高い分類を前記推奨情報として取得する、
請求項1または2に記載の電子商取引システム
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記記憶部を更に備える、
請求項1~3の何れか一項に記載の電子商取引システム
【請求項5】
顧客が操作する情報端末と、前記情報端末からのアクセスを受け付けて、オンライン上で商品を購入する電子商取引に用いられる情報処理装置と、を有する電子商取引システムで実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、
前記情報端末からアクセスを受け付けるステップと、
アクセスを受け付けた前記情報端末から商品の販売時刻を示す販売時刻情報、当該販売時刻における前記情報端末の位置を示す販売位置情報、および前記顧客の属性を示す属性情報を取得するステップと
取得した前記販売時刻情報が含まれる販売時間帯情報と前記販売位置情報が含まれる販売地域情報と前記属性情報と、記憶部に記憶されている前記販売時間帯情報と前記販売地域情報と前記属性情報とを比較し、全てが一致する一の推奨情報を前記記憶部から取得するステップと
取得した前記推奨情報に基づいて推奨商品を決定するステップと
決定した前記推奨商品を前記情報端末に送信するステップと、
含む、情報処理方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子商取引システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子商取引において商品を購入した際に、アクセスした情報端末に対して、特定の商品を推薦していた。例えば、購入した商品に関連した多く購入される商品や、購入した商品の特徴が似ている商品を推薦していた。
【0003】
しかしながら、これらの推薦のやり方では、顧客に対して的確な商品の推薦できない場合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、顧客に対して的確な商品を推奨することが可能な電子商取引システムおよび情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電子商取引システムは、顧客が操作する情報端末と、前記情報端末からのアクセスを受け付けて、オンライン上で商品を購入する電子商取引に用いられる情報処理装置と、を有する電子商取引システムであって、前記情報端末は、前記情報処理装置にアクセスを行うアクセス部を備え、前記情報処理装置は、アクセスした前記情報端末から商品の販売時刻を示す販売時刻情報、当該販売時刻における前記情報端末の位置を示す販売位置情報、および前記顧客の属性を示す属性情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記販売時刻情報が含まれる販売時間帯情報と前記販売位置情報が含まれる販売地域情報と前記属性情報と、記憶部に記憶されている前記販売時間帯情報と前記販売地域情報と前記属性情報とを比較し、全てが一致する一の推奨情報を前記記憶部から取得する推奨情報取得部と、取得した前記推奨情報に基づいて推奨商品を決定する推奨商品決定部と、決定された前記推奨商品を前記情報端末に送信する推奨商品送信部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係るリコメンドサーバを含む電子商取引システムを示す概略図である。
図2図2は、リコメンドサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、データ蓄積部を示すメモリ図である。
図4図4は、データサンプルを示す図である。
図5図5は、商品分類別に、販売時間帯別の偏差値を示す図である。
図6図6は、商品分類別に、販売地域別の偏差値を示す図である。
図7図7は、商品分類別に、顧客属性別の偏差値を示す図である。
図8図8は、リコメンドサーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
図9図9は、リコメンドサーバの制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。実施形態では、リコメンドサーバを情報処理装置の一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
図1は、実施形態に係る電子商取引システムを示す概略図である。図1に示すように、電子商取引システムは、リコメンドサーバ1と、無線アクセスポイント3を介してインターネット等のネットワークNに接続された情報端末5を備える。なお、実施形態では、リコメンドサーバ1は1台である。しかしながら、クラウドにおいてリコメンドサーバ1が用いられる場合には、複数台のリコメンドサーバ1であってもよい。
【0009】
リコメンドサーバ1と無線アクセスポイント3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線Lで接続されている。また、無線アクセスポイント3は、ネットワークNを介して、リコメンドサーバ1と1台または複数台の情報端末5と接続する。
【0010】
リコメンドサーバ1は、推奨商品取得部1aと情報管理部1bとを備える。推奨商品取得部1aは、アクセスされた情報端末5から情報を取得する。また、推奨商品取得部1aは、取得した情報に基づいて推奨商品を決定する。また、推奨商品取得部1aは、アクセスされた情報端末5に対して推奨商品情報を送信する。
【0011】
情報管理部1bは、後述するデータ記憶部142(記憶部)(図2を参照)を備える。また、情報管理部1bは、電子商取引システムにおいて販売された商品を顧客別に記憶する。推奨商品取得部1aは、情報管理部1bに記憶されたデータ記憶部142を検索し、情報端末5から取得した情報に対応した推奨情報を取得し、当該推奨情報を一つの選択肢とし、他の手段で収集した推奨情報をも含めて、総合的に一つの推奨商品を決定する。例えば、推奨商品取得部1aは、他人が購入した商品の購入履歴情報や他人の閲覧履歴情報に基づいて抽出した推奨商品、商品の特徴を元に決定する推奨商品に、上記の推奨情報を加え、総合的に一つの推奨商品を決定する。
【0012】
情報端末5は、例えばスマートフォン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)等が含まれる、ネットワークNに接続可能なコンピュータである。
【0013】
ここからは、リコメンドサーバ1のハードウェアについて説明する。図2は、リコメンドサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。リコメンドサーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリ部14等を備えている。CPU11は、制御主体となる。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、各種データを展開する。メモリ部14は、各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するリコメンドサーバ1の制御処理を実行する。
【0014】
メモリ部14は、制御プログラム部141、データ記憶部142、売上情報部143を備える。制御プログラム部141は、リコメンドサーバ1を制御処理するためのプログラムを記憶する。データ記憶部142は、推奨商品を決定するための基準となる各種情報を記憶する。データ記憶部142については図3で後述する。売上情報部143は、電子商取引システムで販売した商品を例えば日時別や顧客別に分類して記憶する。
【0015】
また、制御部100は、データバス15およびコントローラ16を介して、操作部17、表示部18を備える。操作部17は、リコメンドサーバ1を操作するためのタッチパネル式のキーボードである。表示部18は、リコメンドサーバ1の操作者に情報を表示する。
【0016】
また、制御部100は、データバス15を介して通信I/F19、タイマー20と接続する。通信I/F19は、通信回線LおよびネットワークNを介して、情報端末5と接続し、情報の送受信を行う。タイマー20は、現在の時刻を計時して出力する。
【0017】
続いて、データ記憶部142について説明する。データ記憶部142は、リコメンドサーバ1に接続した情報端末5に対して、送信する推奨商品を決定するための種々の情報を記憶する。データ記憶部142は、分類部1421、販売時間帯別偏差値部1422、販売地域別偏差値部1423、属性別偏差値部1424、平均偏差値部1425を備える。分類部1421は商品を当該商品の上位概念で括る、例えば菓子、野菜、肉、飲料等の商品の分類(商品に関連する情報)を記憶する。販売時間帯別偏差値部1422は、各分類に対応付けて、商品を購入した時刻を含む販売時間帯別(例えば10時台(10時00分~10時59分)や11時台((11時00分~11時59分))に算出された販売時間帯別偏差値を記憶する。偏差値とは、ある数値がグループの中でどのくらいの位置にいるかを表した数値である。販売地域別偏差値部1423は、各分類に対応付けて、商品を購入した場所を含む地域別(例えば東京、大阪)に算出された販売地域別偏差値を記憶する。属性別偏差値部1424は、各分類に対応付けて、商品を購入した人の属性別(例えば、性別、年齢)に算出された属性別偏差値を記憶する。平均偏差値部1425は、分類部1421に記憶された分類別に、販売時間帯別偏差値と販売地域別偏差値と属性別偏差値を平均した平均偏差値を記憶する。
【0018】
ここで、販売時間帯別偏差値、販売地域別偏差値、属性別偏差値の算出方法について説明する。図4は、個別の商品が販売された販売時間帯、販売地域、商品の分類、商品を購入した人の属性(性別)、当該分類の商品の販売数を記憶したデータである。例えば、午前10時~午前10時59分の販売時間帯に、属性が男性である人が東京で購入した、分類が菓子である商品は5個であることを示す。同様に、例えば、午前10時~午前10時59分の販売時間帯に、属性が女性である人が大阪で購入した、分類が飲料である商品は60個であることを示す。なお、図4のデータは一例であり、その他の販売時間帯、販売地域、商品の分類、属性についてもデータが集計されている。
【0019】
図4に示したデータによると、販売時間帯は10時0分~10時59分と11時0分~11時59分の2種類であって、販売地域は東京と大阪であって、商品の分類は菓子と飲料の2種類である。また、販売時間帯10時0分~10時59分に菓子の分類の商品は65個販売され、販売時間帯10時0分~10時59分に飲料の分類の商品は80個販売され、販売時間帯11時0分~11時59分に菓子の分類の商品は45個販売され、販売時間帯11時0分~11時59分に飲料の分類の商品は90個販売される。
【0020】
このようなデータに基づいて、販売時間帯、販売地域、属性に基づく標準偏差を算出する。標準偏差とは、データの確立変数のばらつき具合を表す数値である。ばらつきが少ないほど標準偏差は小さくなる。標準偏差は式(1)で求める。ここで、σは標準偏差、n(=4)はデータ数、xは販売数、x(=70)は販売数の平均値である。
【0021】
【数1】
【0022】
式(1)に、分類別販売時間帯別に係るデータを入力すると、分類別の販売時間帯別標準偏差はσaは、
【0023】
【数2】
【0024】
分類別の販売地域別標準偏差σbは、
【0025】
【数3】
【0026】
分類別の属性別標準偏差σcは、
【0027】
【数4】
【0028】
となる。
【0029】
次に、求めた標準偏差に基づいて、販売時間帯、販売地域、属性における係る偏差値を求める。偏差値は、次の式(5)で求められる。式(5)において、Tiは偏差値、xは販売数、x(=70)は販売平均、σは標準偏差である。
【0030】
【数5】
【0031】
この式(5)に、上記各式におけるx-x、求めた標準偏差を代入すると、次のように偏差値が求められる。すなわち、図5、に示すように、
1.販売時間帯が10時0分~10時59分であって、菓子の分類の偏差値Tiは47
2.販売時間帯が10時0分~10時59分であって、飲料の分類の偏差値Tiは56
3.販売時間帯が11時0分~11時59分であって、菓子の分類の偏差値Tiは35
4.販売時間帯が11時0分~11時59分であって、飲料の分類の偏差値Tiは62
また、図6に示すように、
5.販売地域が東京であって、菓子の分類の偏差値Tiは46
6.販売地域が東京であって、飲料の分類の偏差値Tiは44
7.販売地域が大阪であって、菓子の分類の偏差値はTi42
8.販売地域が大阪であって、飲料の分類の偏差値はTi67
また、図7に示すように、
9.属性が男性であって、菓子の分類の偏差値Tiは44
10.属性が男性であって、飲料の分類の偏差値Tiは63
11.属性が女性であって、菓子の分類の偏差値Tiは37
12.属性が女性であって、飲料の分類の偏差値Tiは56
である。そして、この結果を、分類別に整理して記憶したのが図3のデータ記憶部142である。すなわち、データ記憶部142は、分類を基準として、菓子に対応した販売時間帯別偏差値部1422に、販売時間帯が10時0分~10時59分における偏差値47、11時0分~11時59分における偏差値56が記憶される。また、飲料に対応した販売時間帯別偏差値部1422に、販売時間帯が10時0分~10時59分における偏差値56、11時0分~11時59分における偏差値62が記憶される。なお、他の時間帯も同様に偏差値が記憶される。
【0032】
また、分類を基準として、菓子に対応した販売地域別偏差値部1423に、販売地域が東京に対応した偏差値46と販売地域が大阪に対応した偏差値46が記憶される。また、飲料に対応した販売地域別偏差値部1423に、販売地域が東京に対応した偏差値42と販売地域が大阪に対応した偏差値67が記憶される。
【0033】
また、分類を基準として、菓子に対応した属性別偏差値部1424に、属性が男性に対応した偏差値44と属性が女性に対応した偏差値37が記憶される。また、飲料に対応した属性別偏差値部1424に、属性が男性に対応した偏差値63と属性が女性に対応した偏差値56が記憶される。なお、データ記憶部142には、菓子と飲料以外の分類についても、各分類に対応して、同様にして算出された偏差値が記憶される。
【0034】
ここからは、リコメンドサーバ1の機能構成について説明する。図8は、リコメンドサーバ1の機能構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、リコメンドサーバ1の制御部100は、ROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従うことで、情報取得部101、推奨情報取得部102、推奨商品決定部103、推奨商品送信部104として機能する。
【0035】
情報取得部101は、情報端末5から、商品の購入時刻情報、当該購入時刻における前記情報端末の位置を示す販売位置情報、および前記顧客の属性を示す属性情報を取得する。具体的には、情報取得部101は、情報端末5がリコメンドサーバ1にアクセスし、ログインした際に、当該情報端末5から、顧客の属性情報を取得する。また、情報取得部101は、顧客が情報端末5を操作して商品を購入した場合に、商品を購入した販売時刻情報、商品を購入した販売位置情報(例えばGPS(Global Positioning System)情報)を取得する。
【0036】
推奨情報取得部102は、情報取得部101が取得した販売時刻情報、販売位置情報、および属性情報に基づいて、当該商品が販売された販売時間帯、販売地域、属性を満たす推奨情報を記憶する記憶部に記憶されている推奨情報を取得する。具体的には、推奨情報取得部102は、情報取得部101が取得した属性情報と、情報取得部101が取得した販売時刻情報が含まれる販売時間帯情報と、情報取得部101が取得した販売位置情報が含まれる販売地域情報を、データ記憶部142に記憶された販売時間帯情報、属性情報、販売地域情報と比較し、すべてが一致する複数の推奨情報から、最も高い偏差値の推奨情報を取得する。
【0037】
実施形態の場合、例えば、10時30分に、東京からアクセスした男性が商品を購入した場合、菓子に対応する、販売時間帯(10時0分~10時59分)に係る偏差値が47、地域(東京)に係る偏差値が46、属性(男性)に係る偏差値が44であり、平均偏差値は45.6((47+46+44)÷3)である。一方、飲料に対応する、販売時間帯(10時0分~10時59分)に係る偏差値が56、地域(東京)に係る偏差値が44、属性(男性)に係る偏差値が63であり、平均偏差値は54.3である。そのため、推奨情報取得部102は、平均偏差値が高い飲料の分類を推奨情報として取得する。
【0038】
推奨商品決定部103は、推奨情報取得部102が取得した推奨情報に基づいて推奨商品を決定する。具体的には、推奨商品決定部103は、推奨情報取得部102が取得した推奨情報を、推奨商品を決定する一つの選択肢として、他の選択肢を考慮して総合的に一つの推奨商品を決定する。さらに具体的には、推奨商品決定部103は、推奨情報取得部102が取得した推奨情報と、他の推奨情報(例えば、他人が購入した商品の購入履歴情報や他人の閲覧履歴情報に基づいて抽出した推奨商品、商品の特徴を元に決定する推奨商品)に基づいて、総合的に一つの推奨商品を決定する。最終的な推奨商品の決め方は種々の方法がある。
【0039】
推奨商品送信部104は、推奨商品決定部103によって決定された推奨商品を情報端末5に送信する。
【0040】
ここからは、リコメンドサーバ1の制御について説明する。図9は、リコメンドサーバ1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、リコメンドサーバ1の制御部100は、情報端末5がログインされたかを判断する(S11)。情報端末5がログインされたと判断した場合には(S11のYes)、情報取得部101は、情報端末5から、情報端末5に記憶された顧客の属性情報(男性か女性か)を取得する(S12)。そして制御部100は、S11に戻る。
【0041】
また、情報端末5のログインではないと判断した場合には(S11のNo)、制御部100は、情報端末5の操作によって、電子商取引に係る商品が販売されたかを判断する(S21)。商品が販売されたと判断した場合には(S21のYes)、情報取得部101は、タイマー20が計時した現在の時刻を、商品が販売された販売時刻を示す販売時刻情報として取得する(S22)。そして情報取得部101は、情報端末5から、商品が販売されたときに情報端末5が位置する販売位置情報を取得する(S23)。
【0042】
次に制御部100は、取得した販売時刻情報に基づいて、販売時間帯情報を取得する。例えば取得した販売時刻情報が10時30分の場合、制御部100は、当該販売時刻を含む10時0分~10時59分を販売時間帯を取得する。また、制御部100は、取得した販売位置情報を含む販売地域情報を取得する。例えば制御部100は、取得したGPS情報に基づいて、GPSが示す販売位置情報を含む地域の販売地域情報を取得する。
【0043】
次に制御部100は、取得した属性情報、販売時間帯情報、販売地域情報に基づいて、データ記憶部142を検索する(S24)。そして推奨情報取得部102は、データ記憶部142から、当該販売時間帯、販売地域、属性がすべて一致する推奨情報を取得する(S25)。具体的には、推奨情報取得部102は、取得した販売時間帯情報、販売地域情報、および属性情報がすべて一致するすべての分類を、データ記憶部142から抽出する。そして推奨情報取得部102は、抽出した分類のうち最も偏差値高い分類を、推奨情報として取得する(S25)。
【0044】
次に推奨商品決定部103は、推奨情報取得部102が取得した推奨情報に基づいて推奨商品を決定する(S26)。次に推奨商品送信部104は、推奨商品決定部103によって決定された推奨商品を情報端末5に送信する(S27)。そして制御部100は、S11に戻る。
【0045】
また、商品の販売ではないと判断した場合には(S21のNo)、制御部100は、情報端末5においてログアウトの操作がされたかを判断する(S31)。情報端末5においてログアウトの操作がされたと判断した場合には(S31のYes)、制御部100は、当該情報端末5についてログアウトの処理を実行する(S32)。そして制御部100は、S11に戻る。また、情報端末5においてログアウトの操作がされていないと判断した場合には(S31のNo)、制御部100はS11に戻る。
【0046】
このような実施形態によれば、リコメンドサーバ1は、販売時間帯情報、販売地域情報、および前記属性情報といった、電子商取引において使用されてこなかった情報に基づいて推奨商品を決定する。そのため、顧客に対して的確な商品を推奨することが可能となる。
【0047】
また、実施形態によれば、リコメンドサーバ1は、他の手段で取得した推奨情報を含め、総合劇に判断して前記推奨商品を決定する。そのため、顧客に対して的確な商品を推奨することが可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0049】
例えば、実施形態では、販売時間帯として10時0分~10時59分と11時0分~11時59分を時間帯の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、もちろんその他の時間帯についても同様の処理を行う。
【0050】
同様に、実施形態では、販売地域の一例として東京と大阪を用いて説明した。また、分類の一例として菓子と飲料を用いて説明した。しかしながらこれに限らず、もちろんその他の地域や分類についても同様の処理を行う。
【0051】
また、実施形態では、推奨商品取得部1aと情報管理部1bをリコメンドサーバ1として説明した。しかしながらこれに限らず、例えば、推奨商品取得部1aをリコメンドサーバ1としてもよい。この場合、情報管理部1bは別のサーバとなる。
【0052】
また、実施形態では、データ記憶部142はリコメンドサーバ1に備えられているとして説明した。しかしながらこれに限らず、データ記憶部142はリコメンドサーバ1以外のサーバに備えられていてもよい。
【0053】
また、実施形態では、商品に関連する情報として商品を一定の法則で括る上位概念の分類を一例として説明した。しかしながらこれに限らず、商品に関連する情報は、商品を特定する商品特定情報であってもよい。
【0054】
また、実施形態では、推奨情報取得部102が取得した推奨情報と他の手段で取得した推奨情報に基づいて、推奨商品決定部103は、総合的に一つの推奨商品を決定した。しかしながらこれに限らず、例えば、推奨商品決定部103は、推奨情報取得部102が取得した推奨情報のみに基づいて推奨商品を決定してもよい。
【0055】
なお、実施形態のリコメンドサーバ1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0056】
また、実施形態のリコメンドサーバ1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のリコメンドサーバ1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0057】
また、実施形態のリコメンドサーバ1で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 リコメンドサーバ
1a 推奨商品取得部
1b 情報管理部
5 情報端末
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 メモリ部
100 制御部
101 情報取得部
102 推奨情報取得部
103 推奨商品決定部
104 推奨商品送信部
142 データ記憶部
1421 分類部
1422 販売時間帯別偏差値部
1423 販売地域別偏差値部
1424 属性別偏差値部
1425 平均偏差値部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【文献】特開2009-122781号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9