(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム、センサ、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240909BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240909BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240909BHJP
【FI】
G06K7/10 268
G06K7/10 148
B65G1/137 A
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023138746
(22)【出願日】2023-08-29
(62)【分割の表示】P 2022103332の分割
【原出願日】2020-11-17
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】松浦 秀樹
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-162357(JP,A)
【文献】特開2017-058828(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187603(WO,A1)
【文献】特開2016-076092(JP,A)
【文献】特開2011-210216(JP,A)
【文献】特許第7160192(JP,B2)
【文献】国際公開第2021/186789(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
B65G 1/137
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート付近の所定エリアにおける物体の動線を取得する取得部と、
前記動線に基づいて、前記ゲート付近のRFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記動線が
、前記ゲートの入り口付近の予め定められた位置への前記物体の接近と、当該接近の後の前記ゲートの
前記入り口付近での前記物体の留まり
とを示す場合、前記物品は前記ゲートを通過していないと判定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記物体の留まりが所定時間以上、継続している場合に、前記物品は前記ゲートを通過していないと判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動線が前記ゲートに近づくパターンを示した場合に、前記物品のRFIDタグの読み取りを開始する制御部を備える
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記動線が前記ゲートの入り口付近での前記物体の留まりを示す場合に、前記物品のRFIDタグの読み取りを終了する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記動線が前記ゲートの入り口付近の
前記予め定められた位置に近づいた後に前記ゲートの出口付近から遠ざかる移動を示す場合に、前記RFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したと判定する
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記動線が前記ゲートの入り口付近の
前記予め定められた位置に近づいた後に前記ゲートの出口付近から遠ざかる移動を示す場合に、前記動線の発生期間における前記RFIDタグからの信号強度に基づいて、前記RFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定する
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
物体を検出するセンサと、
RFIDタグと通信して当該RFIDタグに記憶された情報を読み取る読取装置と、
情報処理装置と
を備え、
前記情報処理装置は、
前記センサの検出結果に基づいて、ゲート付近の所定エリアにおける物体の動線を取得する取得部と、
前記動線に基づいて、前記読取装置によって前記ゲート付近のRFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定する判定部と、
を有し、
前記判定部は、前記動線が
、前記ゲートの入り口付近の予め定められた位置への前記物体の接近と、当該接近の後の前記ゲートの
前記入り口付近での前記物体の留まり
とを示す場合、前記物品は前記ゲートを通過していないと判定する
システム。
【請求項8】
ゲート付近のRFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定するために、物体が前記ゲートの入り口付近で留まったことを判定可能なシステムのセンサにおいて、
前記ゲートの前記入り口付近の予め定められた位置への接近と、当該接近の後の留まりを判定するための物体の動きを検出するためのセンサ。
【請求項9】
情報処理装置が、
ゲート付近の所定エリアにおける物体の動線を取得し、
前記動線に基づいて、前記ゲート付近のRFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定し、
前記判定では、前記動線が
、前記ゲートの入り口付近の予め定められた位置への前記物体の接近と、当該接近の後の前記ゲートの
前記入り口付近での前記物体の留まり
とを示す場合、前記物品は前記ゲートを通過していないと判定する
情報処理方法。
【請求項10】
ゲート付近の所定エリアにおける物体の動線を取得する取得ステップと、
前記動線に基づいて、前記ゲート付近のRFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定する判定ステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記判定ステップでは、前記動線が
、前記ゲートの入り口付近の予め定められた位置への前記物体の接近と、当該接近の後の前記ゲートの
前記入り口付近での前記物体の留まり
とを示す場合、前記物品は前記ゲートを通過していないと判定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、読取システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(radio frequency identifier)を用いた様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1では、RFIDタグを用いて、物品がゲートを通過したか否かを管理するシステムについて開示している。この文献に記載された技術では、RFIDタグからの信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)を利用して、当該タグが貼付けられた物品のゲートの通過を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的に、RSSIの大きさからは、タグがゲートへ近づいていくこと、またはタグがゲートから遠ざかっていくことについて確認することは出来ても、タグがゲートを確かに通過した否かについては判定できない。すなわち、実際にはゲートを通過していないタグ(物品)に対して、ゲートを通過したと誤って判定される恐れがある。
このため、ある物品の搬入又は搬出が行われたか否かについて、当該物品に添付されたRFIDタグをゲート(搬入口又は搬出口)で読み取ることで管理する場合において、タグによるゲートの通過をより確実に判定する技術が求められている。
【0005】
そこで、本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、物品の搬入又は搬出をより確実に管理することができる情報処理装置、読取システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様にかかる情報処理装置は、
ゲート付近の所定の領域内の物体の移動の動線を特定する動線特定部と、
前記ゲート付近のRFIDタグからの信号のRSSIを取得するRSSI取得部と、
特定された前記動線と取得された前記RSSIとに基づいて、前記RFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定する通過判定部と
を有する。
【0007】
第2の態様にかかる読取システムは、
物体を検出するセンサと、
RFIDタグと通信して当該RFIDタグに記憶された情報を読み取るとともに当該RFIDタグからの信号のRSSIを測定する読取装置と、
情報処理装置と
を備え、
前記情報処理装置は、
ゲート付近の所定の領域内の物体の移動の動線を前記センサの検出結果に基づいて特定する動線特定部と、
前記ゲート付近のRFIDタグからの信号のRSSIを前記読取装置から取得するRSSI取得部と、
特定された前記動線と取得された前記RSSIとに基づいて、前記読取装置により前記RFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定する通過判定部と
を有する。
【0008】
第3の態様にかかる情報処理方法では、
ゲート付近の所定の領域内の物体の移動の動線を特定し、
前記ゲート付近のRFIDタグからの信号のRSSIを取得し、
特定された前記動線と取得された前記RSSIとに基づいて、前記RFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定する。
【0009】
第4の態様にかかるプログラムは、
ゲート付近の所定の領域内の物体の移動の動線を特定する動線特定ステップと、
前記ゲート付近のRFIDタグからの信号のRSSIを取得するRSSI取得ステップと、
特定された前記動線と取得された前記RSSIとに基づいて、前記RFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品が前記ゲートを通過したか否かを判定する通過判定ステップと
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上述の態様によれば、物品の搬入又は搬出をより確実に管理することができる情報処理装置、読取システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態の概要にかかる情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる読取システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】ゲートの周辺を示す模式図であり、ゲートを横から見た図である。
【
図4】センサの検出領域を示す模式図であり、ゲートを上から見た図である。
【
図5】実施の形態にかかる情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】RFIDタグの読み取り処理の開始条件を満たす動線の例を示す模式図である。
【
図7】RFIDタグの読み取り処理の開始条件を満たす動線の例を示す模式図である。
【
図8】RFIDタグの読み取り処理の開始条件を満たさない動線の例を示す模式図である。
【
図9】RFIDタグの読み取り処理の開始条件を満たさない動線の例を示す模式図である。
【
図10】RFIDタグの読み取り処理の終了条件を満たす動線の例を示す模式図である。
【
図11】RFIDタグの読み取り処理の終了条件を満たす動線の例を示す模式図である。
【
図12】RFIDタグの読み取り処理の終了条件を満たす動線の例を示す模式図である。
【
図13】RFIDタグの読み取り処理の終了条件を満たすとともに物品がゲートを通過していないと判定される動線の例を示す模式図である。
【
図14】RFIDタグの読み取り処理の終了条件を満たすとともに物品がゲートを通過していないと判定される動線の例を示す模式図である。
【
図15】実施の形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【
図16】実施の形態にかかる読取システムの動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図16に示したステップS111の具体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図18】実施の形態2にかかる読取システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図19】実施の形態2にかかるゲート周辺の構成を示す模式図であり、ゲートを上から見た図である。
【
図20】
図16に示したステップS111の具体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態の概要>
実施形態の詳細な説明に先立って、実施形態の概要を説明する。
図1は、実施の形態の概要にかかる情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理装置1は、動線特定部2と、RSSI取得部3と、通過判定部4とを有する。
【0013】
動線特定部2は、ゲート付近の所定の領域内の物体の移動の動線を特定する。
RSSI取得部3は、ゲート付近のRFIDタグからの信号のRSSIを取得する。
通過判定部4は、動線特定部2により特定された動線とRSSI取得部3により取得されたRSSIとに基づいて、RFIDタグから読み取られた識別情報により特定される物品がゲートを通過したか否かを判定する。
【0014】
動線だけを用いた通過判定の場合、実際にゲートを通過したRFIDタグのみならず、ゲート付近に存在するRFIDタグについても読み取り処理が行われ、実際にはゲートを通過していないタグも、ゲートを通過したものとして誤って判定する恐れがある。また、RSSIだけを用いた通過判定の場合、ゲートに近づきゲートを通過しゲートから遠ざかったRFIDと、ゲートに近づきゲートを通過せずにゲートから遠ざかったRFIDタグとの区別ができない。このため、この場合も、実際にはゲートを通過していないタグを、ゲートを通過したものとして誤って判定する恐れがある。これに対し、情報処理装置1によれば、RFIDタグからの信号のRSSIと、ゲート付近の領域で発生した移動の動線という2種類の情報を用いてゲートの通過判定が行われる。このため、上述した誤判定を抑制することができる。したがって、物品の搬入又は搬出をより確実に管理することができる。
【0015】
なお、本開示において、ゲートとは、物品の搬入又は搬出を管理するために設定された空間の仕切りであり、必ずしも物理的構造物でなくてもよい。ゲートは、搬送口と称すこともできるし、搬入口又は搬出口と称すこともできる。例えば、ある場所への物品の搬入を管理する場合、ゲート(搬入口)の入り口側から出口側へと物品が移動されたとき、当該物品の搬入が行われたことを意味する。同様に、ある場所からの物品の搬出を管理する場合、ゲート(搬出口)の入り口側から出口側へと物品が移動されたとき、当該物品の搬出が行われたことを意味する。なお、搬入又は搬出は、具体的には、例えば、倉庫又は店舗における物品の搬入又は搬出(入庫又は出庫)であってもよい。また、ゲートが商品を販売する店舗内に設置されている場合、商品のゲートの通過の管理(すなわち、商品の搬出の管理)は、購入対象の商品の特定を意味する。このように、情報処理装置1は、様々な環境における物品の搬入又は搬出を管理するために用いることができる。
【0016】
<実施の形態1>
次に、実施の形態の詳細について説明する。
図2は、実施の形態1にかかる読取システム10の構成の一例を示すブロック図である。また、
図3は、ゲート50の周辺を示す模式図であり、ゲートを横から見た図である。また、
図4は、センサ200A、200Bの検出領域を示す模式図であり、ゲートを上から見た図である。
図2に示すように、読取システム10は、読取装置100、センサ200A、200B、情報処理装置300、およびDBサーバ400を有する。読取システム10は、物品90のゲート通過を管理することにより、物品90の搬送(具体的には、搬入又は搬出)を管理するシステムである。読取システム10は、管理対象の物品90に添付されたRFIDタグ91を読み取ることによりゲート50を通過した物品90を特定する。これにより、読取システム10は、物品90毎に、搬送が実施されたか否かを管理する。
【0017】
なお、本実施の形態の説明では、説明の便宜のため、ゲート50に対し、入り口と出口を定義するが、読取システム10は一方向のゲート通過の搬送の管理ではなく、両方向のゲート通過の搬送の管理を行ってもよい。
【0018】
読取装置100は、搬入又は搬出の管理対象の物品90に添付されたRFIDタグ91と通信して当該RFIDタグ91に記憶された情報を読み取るための装置であり、RFIDリーダー101とアンテナ102とを有する。読取装置100は、情報処理装置300と有線又は無線により通信可能に接続されている。なお、RFIDタグ91には、例えば物品90を一意に特定するための識別情報が予め記憶されており、読取装置100はRFIDタグ91に記憶された情報を読み取る。
【0019】
RFIDリーダー101は、予め定められた通信プロトコルに従って、RFIDタグ91との間でアンテナ102を介して通信し、RFIDタグ91に記憶された情報を読み取る制御回路である。また、RFIDリーダー101は、アンテナ102が受信したRFIDタグ91からの信号のRSSIを測定する。RFIDリーダー101は、RFIDタグ91から読み取った情報を情報処理装置300に出力する。また、RFIDリーダー101は、RFIDタグ91からの信号のRSSIの時系列データを情報処理装置300に出力する。RSSIの時系列データは、より詳細には、信号を送信したRFIDタグの識別情報と、RSSIの値と、時刻情報とを対応付けたデータである。
【0020】
アンテナ102は、ゲートを通過するRFIDタグ91との間で電波の送受信が可能な位置に設置されており、RFIDタグ91に向けて電波を送信し、RFIDタグ91が送信した電波を受信する。本実施の形態では、ゲート50の両脇に2個ずつ、合計4個のアンテナ102が設置されているが、アンテナ102の数は1以上であればよく、その数は限定されない。また、アンテナ102は、送信用のアンテナと受信用のアンテナが別々に設けられていてもよい。
【0021】
センサ200A、200Bは、所定領域における物体を検出するセンサである。センサ200A、200Bは、情報処理装置300と有線又は無線により通信可能に接続されている。センサ200A、200Bは、例えば、所定領域内に侵入した人物、AGV(Automated guided vehicle:無人搬送車)、物品などの様々な物体を検出する。センサ200Aはゲート50の入り口側の所定の検出領域51A(第1の領域とも称す)内の物体を検出するセンサである(
図3、
図4参照)。また、センサ200Bはゲート50の出口側の所定の検出領域51B(第2の領域とも称す)内の物体を検出するセンサである(
図3、
図4参照)。本実施の形態では、センサ200Aは、ゲート50の入り口側の上部付近に設けられており、センサ200Bは、ゲート50の出口側の上部付近に設けられている。
【0022】
本実施の形態では、センサ200A、200Bは、所定の検出領域51A、51Bを格子状に分割した各部分領域510A、510Bに光線201を発射するとともに、当該光線201の反射光を受光することにより物体を検出するセンサである。なお、光線201は、例えば赤外線であるが、赤外線に限られない。センサ200A、200Bは、各部分領域510A、510Bに対して発射されたそれぞれの光線201が物体によって遮断されたか否かを検出することにより、物体を検出する。センサ200Aは、ゲート50の入り口側の検出領域51Aを格子状に分割した部分領域510A(
図3及び
図4参照)のそれぞれに対し光線を発射するとともに、発射した各光線の反射光を受光する。同様に、センサ200Bは、ゲート50の出口側の検出領域51Bを格子状に分割した部分領域510B(
図3及び
図4参照)のそれぞれに対し光線を発射するとともに、発射した各光線の反射光を受光する。
【0023】
センサ200A、200Bは、物体が存在する場合と存在しない場合とにおける、反射光の受光状態の違いによって、物体の存在を検出する。この受光状態の違いは、反射時間の違いであってもよいし、受光量の違いであってもよい。
【0024】
上述の通り、センサ200A、200Bは、それぞれの部分領域510A、510Bに光線を発射する。このため、検出領域51A又は51B内の部分領域510A又は510Bの総数がnであるとすると、センサ200A、200Bは、物体の検出結果としてn個の検出結果を得る。検出領域51A又は51B内において物体が移動する場合、物体が存在するという検出結果が得られる部分領域510A又は510Bの範囲は、時間とともに変化する。そして、物体が存在するという検出結果が得られる部分領域510A又は510Bの範囲の推移は、移動方向に対応している。したがって、センサ200A、200Bのn個の検出結果の時系列データを解析することにより、検出領域51A又は51B内における物体の移動方向を特定することができる。すなわち、動線を特定することができる。また、センサ200A、200Bの検出結果は、時刻情報を含むため、その動線の発生期間(移動の発生期間)も特定することができる。本実施の形態では、情報処理装置300によって動線が特定される。このため、センサ200A、200Bは、それぞれ、逐次、上述したn個の検出結果を情報処理装置300に送信する。これにより、情報処理装置300は、センサ200A、200Bによる各部分領域510A、510Bの検出結果の時系列データを取得する。
【0025】
なお、本実施の形態では、物体を検出するために、入り口用のセンサ200Aと出口用のセンサ200Bとが用いられるが、検出領域51A及び51Bの両方を検出対象とする1つのセンサが用いられてもよい。
【0026】
また、上述の通り、本実施の形態では、物体の検出のために、各部分領域510A、510Bに光線201を発射するセンサを用いたが、動線を特定するための物体の検出を行うことができる他の任意のセンサが用いられてもよい。例えば、検出領域51A及び51Bの物体の移動を撮影するカメラが用いられてもよい。
【0027】
DBサーバ400は、各物品90についての情報を記憶するデータベースサーバである。DBサーバ400は、例えば、物品90の識別情報と対応付けて、少なくとも物品の搬送状態を示す情報(以下、搬送情報と称す)を含む、物品に関する様々な情報を管理する。搬送情報とは、物品の搬送が実施済みであるか否かを示す情報である。本実施の形態では、DBサーバ400に記憶された搬送情報は、ゲート50を通過したRFIDタグ91の読み取り情報に基づいて、情報処理装置300によって更新される。
【0028】
情報処理装置300は、センサ200A、Bの検出結果に基づいて読取装置100を制御するとともに、センサ200A、Bの検出結果及び読取装置100により測定されたRSSIに基づいて、物品毎に物品の搬送が行われたか否かを管理する装置である。情報処理装置300は、読取装置100、センサ200A、200B、及びDBサーバ400と通信可能に接続されている。なお、
図2に示した構成では、情報処理装置300は、DBサーバ400と通信することにより、データベースで管理された物品90の搬送情報を更新するが、情報処理装置300がそのようなデータベースを有していてもよい。すなわち、読取システム10において、DBサーバ400が省略されてもよい。
【0029】
図5は、情報処理装置300の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、情報処理装置300は、通信制御部301と、動線特定部302と、読取制御部303と、データ更新部304とを有する。
【0030】
通信制御部301は、他の装置と通信し、他の装置との間で情報の送受信を行なう。具体的には、通信制御部301は、読取装置100のRFIDリーダー101から、RFIDタグ91に記憶されている情報を取得する。また、通信制御部301は、読取装置100のRFIDリーダー101から、RSSIの時系列データを取得する。このため、通信制御部301は、
図1のRSSI取得部3に対応している。すなわち、通信制御部301は、ゲート50付近のRFIDタグ91からの信号のRSSIを取得する。なお、通信制御部301はRSSI取得部と称されてもよい。また、通信制御部301は、センサ200A、200Bから検出結果を取得する。さらに、通信制御部301は、DBサーバ400との間で、物品90についての情報を送受信する。
【0031】
動線特定部302は、
図1の動線特定部2に対応している。動線特定部302は、センサ200Aの検出結果に基づいて、ゲート50の入り口側の所定の検出領域51A内の物体の移動の動線を特定するとともに当該動線の発生期間を特定する。また、動線特定部302は、ゲート50の出口側の所定の検出領域51B内の物体の移動の動線を特定するとともに当該動線の発生期間を特定する。本実施の形態では、動線特定部302は、センサ200A、200Bから取得した検出結果の時系列データを用いて、物体が存在することを示す検出結果が得られる部分領域510A、510Bの範囲の時間的な推移を解析する。これにより、動線特定部302は、物体の動線及びその発生期間を特定する。動線特定部302は、具体的には、動線として、物体の移動方向(移動経路)を特定する。なお、物体の検出のためのセンサとしてカメラが用いられる場合には、動線特定部302は、カメラにより撮影された画像を解析することにより、物体の動線及びその発生期間を特定する。
【0032】
データ更新部304は、ゲート50を通過した物品90についての搬送情報を更新する。このため、データ更新部304は、RFIDタグ91から読み取られた識別情報により特定される物品90が、ゲート50を通過したか否かを判定する。データ更新部304は、特定された動線と取得されたRSSIとを用いて、RFIDタグ91から読み取られた識別情報により特定される物品90がゲート50を通過したか否かを判定する。なお、データ更新部304は、
図1の通過判定部4に対応している。このため、データ更新部304は、通過判定部と称されてもよい。データ更新部304の処理の詳細については、後述する。
【0033】
読取制御部303は、動線特定部302により特定された動線が、RFIDタグ91の読み取り処理の開始条件として予め定められたパターンに該当するか否かを判定する。より詳細には、読取制御部303は、検出領域51A内の物体の移動についての特定された動線がこの予め定められたパターンに該当する場合、ゲート50付近のRFIDタグ91の読み取り処理を開始するよう制御する。具体的には、読取制御部303は、読取装置100に対して、RFIDタグ91の読み取り処理の開始を指示する。これにより、読取装置100により、読み取り処理が開始され、読取装置100と通信可能なRFIDタグ91が存在する場合には、当該RFIDタグ91の情報が読取装置100により読み取られる。
【0034】
本実施の形態では、具体的には、RFIDタグ91の読み取り処理の開始条件として予め定められたパターンは、ゲート50の入り口付近の予め定められた位置に近づく移動パターンである。すなわち、読取制御部303は、特定された動線が、ゲート50の入り口付近の予め定められた位置に近づく移動を示す場合、RFIDタグ91の読み取り処理を開始するよう制御する。なお、入り口付近の予め定められた位置は、具体的には、例えば、検出領域51Aにおけるゲート50側の縁である。
【0035】
図6及び
図7は、RFIDタグ91の読み取り処理の開始条件を満たす動線の例を示す模式図である。なお、
図6及び
図7において、ハッチングされた部分領域510Aは物体の存在が検出された部分領域510Aを示し、矢印は動線を示す。
図6及び
図7に示すように、特定された物体の動線が、ゲート50の入り口付近の予め定められた位置(具体的には、検出領域51Aにおけるゲート50側の縁)に近づく移動を示す場合には、読取制御部303は読み取り処理を開始するよう制御する。
【0036】
これに対し、
図8及び
図9は、RFIDタグ91の読み取り処理の開始条件を満たさない動線の例を示す模式図である。なお、
図8及び
図9において、ハッチングされた部分領域510Aは物体の存在が検出された部分領域510Aを示し、矢印は動線を示す。
図8では、ゲート50の周辺を横切る移動に相当する動線の例が示されている。また、
図9では、ゲート50に一旦近づいた後に引き返す移動に相当する動線の例が示されている。
【0037】
また、読取制御部303は、動線特定部302により特定された動線が、RFIDタグ91の読み取り処理の終了条件として予め定められたパターンに該当するか否かを判定する。より詳細には、読取制御部303は、検出領域51B内の物体の移動についての特定された動線がこの予め定められたパターンに該当する場合、読み取り処理を終了するよう制御する。具体的には、読取制御部303は、読取装置100に対して、RFIDタグ91の読み取り処理の終了を指示する。これにより、読取装置100による読み取り処理が終了する。
【0038】
本実施の形態では、具体的には、RFIDタグ91の読み取り処理の終了条件として予め定められたパターンの一つは、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動パターンである。すなわち、読取制御部303は、特定された動線が、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動を示す場合に、RFIDタグ91の読み取り処理を終了するよう制御する。
【0039】
図10及び
図11は、RFIDタグ91の読み取り処理の終了条件を満たす動線の例を示す模式図である。なお、
図10及び
図11において、ハッチングされた部分領域510Bは物体の存在が検出された部分領域510Bを示し、矢印は動線を示す。
図10及び
図11に示すように、特定された物体の動線が、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動を示す場合には、読取制御部303は読み取り処理を終了するよう制御する。
【0040】
なお、読み取り処理の終了条件として予め定められたパターンは、
図10及び
図11に示したように、ゲート50の出口付近から検出領域51Bの外への移動パターンであってもよいが、検出領域51Bの外へ出ない移動パターンであってもよい。すなわち、読み取り処理の終了条件として予め定められたパターンが、ゲート50の出口付近から、検出領域51B内の予め定められた位置まで遠ざかる移動パターン(
図12参照)であってもよい。この場合、検出領域51Bの外へと移動していない場合であっても、読み取り処理を終了することができ、無駄に読み取り処理が継続されることを抑制することができる。
【0041】
ところで、読み取り処理の開始条件を満たす動線が得られた場合に、例えば、運搬者がゲート50を通過せずに、又は一旦通過した後に、引き返すことも考えられる。この場合、読み取り処理の終了条件を満たす上述した動線は得られない。したがって、上述したパターンとは別の予め定められたパターンも、RFIDタグ91の読み取り処理の終了条件として用いられる。そのようなパターンは、ゲート50の入り口側においてゲート50の入り口付近から遠ざかる移動パターンである。したがって、読取制御部303は、読み取り処理の開始後に特定された動線が、ゲート50の入り口側においてゲート50の入り口付近から遠ざかる移動を示す場合、読み取り処理を終了するよう制御する。すなわち、読取制御部303は、読み取り処理の開始後の検出領域51A内の物体の移動についての特定された動線が、ゲート50の入り口付近から遠ざかる移動を示す場合、読み取り処理を終了するよう制御する。このような場合、RFIDタグ91から読み取られた識別情報により特定される物品90が、ゲート50を通過したものとして、搬送情報が更新されるべきではない。したがって、データ更新部304は、読み取り処理の開始後に特定された動線が、ゲート50の入り口側においてゲート50の入り口付近から遠ざかる移動を示す場合、物品90がゲート50を通過していないと判定する。換言すると、データ更新部304は、読み取り処理の開始後に、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動ではなく、ゲート50の入り口側においてゲート50の入り口付近から遠ざかる移動が検出された場合、物品90がゲート50を通過していないと判定する。
【0042】
図13及び
図14は、読み取り処理の終了条件を満たすとともに物品90がゲート50を通過していないと判定される動線の例を示す模式図である。なお、
図13及び
図14において、ハッチングされた部分領域510A、510Bは物体の存在が検出された部分領域510A、510Bを示し、矢印は動線を示す。
図13では、ゲート50を通過せずに引き返す移動に相当する動線の例が示されている。また、
図14では、ゲート50を一旦通過したものの引き返す移動に相当する動線の例が示されている。
図13及び
図14に示すように、読み取り処理の開始後に、ゲート50の入り口側においてゲート50の入り口付近から遠ざかる移動を示す場合、読取制御部303は、読み取り処理を終了するよう制御する。そして、データ更新部304は、読み取られた識別情報により特定される物品90がゲート50を通過していないと判定する。このようにすることにより、搬送情報が誤った情報に更新されることを抑制することができる。
【0043】
ここで、ゲート50の入り口付近において、物品90が放置された場合を考える。この場合も、RFIDタグ91から読み取られた識別情報により特定される物品90が、ゲート50を通過したものとして、搬送情報が更新されるべきではない。このため、データ更新部304は、読み取り処理の開始後に特定された動線が、ゲート50の入り口付近での物体の留まりを示す場合、当該物品90がゲート50を通過していないと判定する。すなわち、データ更新部304は、読み取り処理の開始後の検出領域51A内の物体の移動についての特定された動線が、ゲート50の入り口付近での物体の留まりを示す場合、当該物品90がゲート50を通過していないと判定する。換言すると、データ更新部304は、読み取り処理の開始後に、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動ではなく、ゲート50の入り口付近での物体の留まりが検出された場合、物品90がゲート50を通過していないと判定する。このようにすることにより、搬送情報が誤った情報に更新されることを抑制することができる。また、この場合、読取制御部303は、読み取り処理を終了するよう制御する。すなわち、読取制御部303は、読み取り処理の開始後に特定された動線が、ゲート50の入り口付近での物体の留まりを示す場合、読み取り処理を終了するよう制御する。
【0044】
なお、上述した通り、読取制御部303は、読み取り処理の開始後に特定された動線が、読み取り処理の終了条件として予め定められたパターンのいずれかに該当する場合、読み取り処理を終了するよう制御する。上述した通り、この予め定められたパターンは、例えば、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動、ゲート50の入り口側においてゲート50の入り口付近から遠ざかる移動、ゲート50の入り口付近での物体の留まりである。
【0045】
データ更新部304は、RFIDタグ91から読み取られた識別情報により特定される物品90が、ゲート50を通過したか否かを判定する。上述の通り、データ更新部304は、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動パターンに該当する動線以外の動線が特定されることにより、読み取り処理が終了した場合、物品90がゲート50を通過していないと判定する。すなわち、データ更新部304は、この読み取り処理により読み取られた識別情報により特定される物品90がゲート50を通過していないと判定する。したがって、この場合、データ更新部304は、この物品90の搬送情報について、ゲート50を通過したことを示す搬送情報へ更新しない。
【0046】
これに対し、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動パターンに該当する動線が特定されることにより読み取り処理が終了した場合、データ更新部304は、物品90がゲート50を通過したと判定する。この読み取り処理で得られた識別情報により特定される物品90は、ゲート50を通過した物品90の候補として扱われる。ここで、ゲート50を通過した物品90の候補は、実際にはゲート50を通過していない物品90を含みうる。例えば、物品90がゲート50を通過した際に、ゲート50(読取装置100)の付近に別の物品90が存在している場合などには、この別の物品90のRFIDタグ91の識別情報も読み取られる可能性がある。なお、このような意図しない読み取りは、たとえアンテナ102として指向性アンテナを用いた場合であっても、信号の予期せぬ反射などにより発生しうる。
【0047】
データ更新部304は、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動パターンに該当する動線が特定されることにより読み取り処理が終了した場合、すなわち、物品90がゲート50を通過したと判定した場合、いずれの物品90がゲート50を通過したかを特定する。このために、データ更新部304は、この読み取り処理により読み取られたRFIDタグ91からの信号のRSSIを参照する。
【0048】
ゲート50を実際に通過した物品90のRFIDタグ91からの信号のRSSIの時系列データは、次のような時系列データとなることが想定される。実際にゲート50を通過した物品90のRFIDタグ91は、ゲート50に設けられたアンテナ102に徐々に近づき、その後、アンテナ102から徐々に遠ざかる。したがって、実際にゲート50を通過した物品90のRFIDタグ91からの信号のRSSIの時系列データは、徐々に増加し、その後、徐々に減少することが想定される。このため、データ更新部304は、特定された動線の発生期間における注目する物品90についてのRSSIの推移が、当該動線に対応して予め定められた変動パターンに該当するか否かに基づいて、当該物品90がゲート50を実際に通過したか否かを判定する。ここで、本実施の形態では、いずれかの物品90がゲート50を通過した場合、特定された動線として、2つの動線が存在する。一つ目の動線は、ゲート50の入り口側の所定の検出領域51A内の物体の移動の動線である。より詳細には、これは、ゲート50の入り口付近の予め定められた位置に近づく移動の動線、すなわち読み取り処理の開始条件に対応する動線である。二つ目の動線は、ゲート50の出口側の所定の検出領域51B内の物体の移動の動線である。より詳細には、これは、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動の動線、すなわち読み取り処理の終了条件に対応する動線である。以下、上述した一つ目の動線をIN動線と称し、二つ目の動線をOUT動線と称すこととする。
【0049】
上述の通り、データ更新部304は、特定された動線の発生期間におけるRSSIの推移が、当該動線に対応して予め定められた変動パターンに該当するか否かに基づいて、物品90がゲート50を通過したか否かを判定する。ここで、IN動線の発生期間は、IN動線で表される移動の発生期間に相当し、OUT動線の発生期間は、OUT動線で表される移動の発生期間に相当する。IN動線の発生期間は、RFIDタグ91がゲート50に設けられたアンテナ102に徐々に近づいている期間である。このため、この期間において、RSSIの値は増加する。したがって、特定された動線がIN動作である場合の当該動線に対応して予め定められた変動パターンは、具体的には、RSSIの増加を表す変動パターンである。これに対し、OUT動線の発生期間は、RFIDタグ91がゲート50に設けられたアンテナ102から徐々に遠ざかる期間である。このため、この期間において、RSSIの値は減少する。したがって、特定された動線がOUT動作である場合の当該動線に対応して予め定められた変動パターンは、具体的には、RSSIの減少を表す変動パターンである。したがって、データ更新部304は、IN動線の発生期間における注目する物品90(RFIDタグ91)についてのRSSIの推移が、RSSIの増加を表すか否かに基づいて、この物品90がゲート50を通過したか否かを判定する。また、データ更新部304は、OUT動線の発生期間における注目する物品90(RFIDタグ91)についてのRSSIの推移が、RSSIの減少を表すか否かに基づいて、この物品90がゲート50を通過したか否かを判定する。
【0050】
本実施の形態では、データ更新部304は、注目する物品90(RFIDタグ91)についてのRSSIの推移が、IN動線の発生期間とOUT動線の発生期間の両方において、上述した条件を満たす場合、この物品90がゲート50を通過したと判定する。なお、注目する物品90(RFIDタグ91)についてのRSSIの推移が、IN動線の発生期間とOUT動線の発生期間のいずれかにおいて、上述した条件を満たす場合に、この物品90がゲート50を通過したと判定されてもよい。
【0051】
このように、データ更新部304は、RSSIの推移が所定のパターンを示しているか否かだけではなく、当該動線の発生期間と同じ期間におけるRSSIの推移が所定のパターンを示しているかを判定する。このため、RSSIの推移が所定のパターンを示しているか否かだけを判定する場合に比べて、より正確に、実際にゲート50を通過した物品90を特定することができる。
【0052】
データ更新部304は、ゲート50を通過した物品90を特定すると、この物品90の搬送情報について、ゲート50を通過したことを示す搬送情報へ更新する。
【0053】
次に、情報処理装置300のハードウェア構成について説明する。
図15は、情報処理装置300のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図15に示すように、情報処理装置300は、通信インタフェース350、メモリ351、及びプロセッサ352を含む。
【0054】
通信インタフェース350は、他の装置と通信するために使用される。本実施の形態では、通信インタフェース350は、RFIDリーダー101と通信するためのインタフェース及びDBサーバ400と通信するためのインタフェースを備える。
【0055】
メモリ351は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ351は、プロセッサ352により実行される、1以上の命令を含むソフトウェア(コンピュータプログラム)、及び情報処理装置300の各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。
【0056】
プロセッサ352は、メモリ351からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、
図5に示した通信制御部301、動線特定部302、読取制御部303、及びデータ更新部304の処理を行う。プロセッサ352は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ352は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0057】
このように、情報処理装置300は、コンピュータとしての機能を備えている。また、DBサーバ400も同様に、プロセッサ及びメモリを備え、コンピュータとしての機能を備えている。なお、RFIDリーダー101についても、プロセッサ及びメモリを備え、コンピュータとしての機能を備えていてもよい。したがって、RFIDリーダー101の機能がプロセッサによるプログラムの実行により実現されてもよい。このように、読取システム10の機能がハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0058】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0059】
次に、読取システム10の動作について説明する。
図16は、実施の形態1にかかる読取システム10の動作の流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図16に沿って、読取システム10の動作の流れについて述べる。
【0060】
ステップS100において、動線特定部302が、センサ200A及びセンサ200Bの検出結果に基づいて、物体の移動の動線及びその発生時刻(発生期間)を特定する。なお、動線特定部302によるこの処理は、ステップS101以降の処理が行なわれている間も継続的に行なわれる。
【0061】
次に、ステップS101において、読取制御部303は、動線特定部302により特定された動線が、RFIDタグ91の読み取り処理の開始条件として予め定められたパターンに該当するか否かを判定する。すなわち、読取制御部303は、特定された動線が、ゲート50の入り口に近づく移動を示すか否かを判定する。特定された動線が、ゲート50の入り口に近づく移動を示さない場合、読み取り処理は開始されず、処理はステップS100に戻る。一方、特定された動線が、ゲート50の入り口に近づく移動を示す場合、処理はステップS102へ移行する。
【0062】
ステップS102において、読取制御部303は、読み取り処理の開始条件が満たされたと判断し、RFIDタグ91の読み取り処理を開始するよう制御する。
【0063】
次に、ステップS103において、データ更新部304は、読み取り処理の開始後の動線が、ゲート50の入り口付近での物体の留まりを示すか否かを判定する。所定時間以上、ゲート50の入り口に物体が留まっている場合、処理はステップS104へ移行し、そうでない場合、処理はステップS106へ移行する。
【0064】
ステップS104において、読取制御部303は、読み取り処理を終了するよう制御する。
【0065】
そして、ステップS105において、データ更新部304は、ステップS102で開始された読み取り処理によってRFIDタグ91から読み取られた識別情報により特定される物品90がゲート50を通過していないと判定する。ステップS105の後、処理はステップS100に戻る。
【0066】
一方、ステップS106では、データ更新部304は、読み取り処理の開始後の動線が、ゲート50の入り口付近から引き返す移動を示すか否かを判定する。動線がゲート50の入り口付近から引き返す移動を示す場合、処理はステップS107へ移行し、そうでない場合、処理はステップS109へ移行する。
【0067】
ステップS107において、読取制御部303は、読み取り処理を終了するよう制御する。
【0068】
そして、ステップS108において、データ更新部304は、ステップS102で開始された読み取り処理によってRFIDタグ91から読み取られた識別情報により特定される物品90がゲート50を通過していないと判定する。ステップS108の後、処理はステップS100に戻る。
【0069】
一方、ステップS109では、データ更新部304は、読み取り処理の開始後の動線が、ゲート50の出口付近から遠ざかる移動を示すか否かを判定する。動線がゲート50の出口付近から遠ざかる移動を示す場合、処理はステップS110へ移行し、そうでない場合、処理はステップS103に戻る。
【0070】
ステップS110において、読取制御部303は、読み取り処理を終了するよう制御する。
【0071】
そして、ステップS111において、データ更新部304は、ゲート50を通過した物品90の搬送情報について、ゲート50を通過したことを示す搬送情報へ更新する処理を行う。本ステップの処理の流れについて、
図17を参照して具体的に説明する。
【0072】
図17は、
図16に示したステップS111の具体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。この処理では、データ更新部304は、ステップS102で開始された読み取り処理によって読み取られたRFIDタグ91のそれぞれについて、RSSIが、特定の期間に特定のパターンを示すか否かを判定する。これにより、データ更新部304は、ゲート50を通過したRFIDタグ91(物品90)を特定する。以下、
図17に沿って、処理の流れについて述べる。
【0073】
まず、ステップS150において、データ更新部304は、読み取られたRFIDタグ91のうち、入り口側での動線の発生期間におけるRSSIの推移が、所定の第1のパターンであるRFIDタグ91の識別情報を抽出する。すなわち、データ更新部304は、ステップS101で特定された動線の発生期間におけるRSSIの推移が、RSSIの増加を表す変動パターンであるRFIDタグ91を抽出する。
【0074】
次に、ステップS151において、データ更新部304は、ステップS150で抽出されたRFIDタグ91のうち、出口側での動線の発生期間におけるRSSIの推移が、所定の第2のパターンであるRFIDタグ91の識別情報を抽出する。すなわち、データ更新部304は、ステップS109で特定された動線の発生期間におけるRSSIの推移が、RSSIの減少を表す変動パターンであるRFIDタグ91を抽出する。
【0075】
そして、ステップS152において、データ更新部304は、ステップS151で抽出された識別情報により特定される物品90がゲート50を通過したと判定する。そして、データ更新部304は、この物品90の搬送情報を、搬送が実施済みであることを示す値へと更新する。
【0076】
以上、実施の形態1について説明した。読取システム10によれば、RFIDタグからの信号のRSSIと、ゲート付近の領域で発生した移動の動線という2種類の情報を用いてゲートの通過判定が行われる。このため、物品の搬入又は搬出をより確実に管理することができる。特に、本実施の形態では、RSSIの推移が所定のパターンを示しているか否かだけではなく、当該動線の発生期間と同じ期間におけるRSSIの推移が所定のパターンを示しているかが判定される。このため、より正確に、実際にゲート50を通過した物品90を特定することができる。
【0077】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、複数のゲート50が並んで設置されている環境においても、適切に搬送情報が更新される点で、実施の形態1と異なっている。
【0078】
図18は、実施の形態2にかかる読取システム20の構成の一例を示すブロック図である。また、
図19は、実施の形態2にかかるゲート周辺の構成を示す模式図であり、ゲートを上から見た図である。本実施の形態では、読取システム20は、2つのゲート50が存在する環境において、いずれのゲート50においていずれの物品90が通過したかを管理する。なお、ここでは、ゲート50の数は2つであるが、3つ以上であってもよい。
【0079】
図18に示すように、読取システム20は、読取装置110、センサ210A、210Bをさらに有する点で、
図2に示した読取システム10と異なっている。読取装置110は、RFIDリーダー111とアンテナ112とを有する。読取装置110、センサ210A、210Bについては、実施の形態1で説明された読取装置100、センサ200A、200Bと同じ構成であり、また、同じ処理を行うため、これらの詳細な説明については省略する。ただし、読取装置100、センサ200A、200Bは、第1のゲート50に対する設備であり、読取装置110、センサ210A、210Bは、第2のゲート50に対する設備である。なお、
図19に示すように、センサ210Aは第2のゲート50の入り口側の所定の検出領域52A(第1の領域とも称す)内の物体を検出するセンサである。また、センサ210Bは第2のゲート50の出口側の所定の検出領域52B(第2の領域とも称す)内の物体を検出するセンサである。センサ210A、210Bは、所定の検出領域52A、52Bを格子状に分割した各部分領域520A、520Bに光線を発射するとともに、当該光線の反射光を受光することにより物体を検出する。
【0080】
複数のゲート50において読み取り処理が同じ時期に行われると、第1のゲート50を通過した物品90のRFIDタグ91が、この第1のゲート50に対する読取装置100のみならず、第2のゲート50に対する読取装置110でも読み取られる場合がある。同様に、第2のゲート50を通過した物品90のRFIDタグ91が、この第2のゲート50に対する読取装置110のみならず、第1のゲート50に対する読取装置100でも読み取られる場合がある。これについて、代表的な2つのケースを具体的に説明する。
【0081】
まず1つ目のケースは、第1のゲート50を第1の物品90が通過するタイミングと第2のゲート50を第2の物品90が通過するタイミングがずれているものの、これらの通過を読み取るための読み取り処理の実施期間が一部重複しているケースである。すなわち、読取装置100の読み取り処理の実施期間と、読取装置110の読み取り処理の実施期間にはずれがあるものの、実施期間の一部が重複しているケースである。換言すると、第1のゲート50についての動線の発生期間と、第2のゲート50についての動線の発生期間にはずれがあるものの、その期間の一部が重複しているケースである。このようなケースの場合、実施の形態1で説明された処理、すなわち、動線の発生期間と同じ期間におけるRSSIの推移が所定のパターンを示しているかを判定する処理が行われることにより、通過したゲート50の特定は可能である。なぜならば、以下の通りであるからである。このケースでは、第1のゲートについての動線の発生期間における、第1の物品90のRFIDタグ91のRSSIの推移は、所定のパターンを示す。しかし、第1のゲートについての動線の発生期間における、第2の物品90のRFIDタグ91のRSSIの推移は、所定のパターンを示さない。このため、第1のゲート50を第1の物品90が通過したと判定されるものの、第1のゲート50を第2の物品90が通過したとは判定されない。同様に、このケースでは、第2のゲートについての動線の発生期間における、第2の物品90のRFIDタグ91のRSSIの推移は、所定のパターンを示す。しかし、第2のゲートについての動線の発生期間における、第1の物品90のRFIDタグ91のRSSIの推移は、所定のパターンを示さない。このため、第2のゲート50を第2の物品90が通過したと判定されるものの、第2のゲート50を第1の物品90が通過したとは判定されない。
【0082】
2つ目のケースは、第1のゲート50を第1の物品90が通過するタイミングと第2のゲート50を第2の物品90が通過するタイミングが同じであり、通過を読み取るための読み取り処理の実施期間が完全に重複しているケースである。すなわち、読取装置100の読み取り処理の実施期間と、読取装置110の読み取り処理の実施期間が完全に重複しているケースである。換言すると、第1のゲート50についての動線の発生期間と、第2のゲート50についての動線の発生期間が完全に重複しているケースである。このようなケースの場合、第1のゲートについての動線の発生期間における、第1の物品90のRFIDタグ91のRSSIの推移のみならず、第2の物品90のRFIDタグ91のRSSIの推移も、所定のパターンを示す恐れがある。同様に、第2のゲートについての動線の発生期間における、第2の物品90のRFIDタグ91のRSSIの推移のみならず、第1の物品90のRFIDタグ91のRSSIの推移も、所定のパターンを示す恐れがある。そこで、本実施の形態では、このようなケースであっても、いずれの物品90がいずれのゲート50を通過したかを特定するために、データ更新部304は、次のような処理を行う。すなわち、本実施の形態のデータ更新部304は、同一のRFIDタグ91からの信号のRSSIのゲート50ごとの大きさに基づいて、物品90がいずれのゲート50を通過したかを特定する。本実施の形態におけるデータ更新部304の処理の詳細については、フローチャートを参照しつつ後述する。
【0083】
なお、本実施の形態では、通信制御部301は、読取装置100のRFIDリーダー101からの情報と、読取装置110のRFIDリーダー111からの情報を区別して取得する。RFIDリーダー101(RFIDリーダー111)からの情報は、具体的には、RFIDタグ91に記憶されている情報とRSSIの時系列データである。すなわち、通信制御部301は、複数のゲート50のそれぞれにおいて受信された信号のそれぞれのRSSIを、いずれのゲート50で受信された信号のRSSIであるかを区別して取得する。また、通信制御部301は、センサ200A、200B、210A、210Bからの情報について、いずれのゲート50に対応するセンサからの情報であるかを区別して取得する。このため、本実施の形態では、情報処理装置300は、RSSIの時系列データについて、いずれのゲート50に対応するものであるのかを区別可能である。同様に、情報処理装置300は、動線特定部302が特定した動線について、いずれのゲート50に対応するものであるかを区別可能である。
【0084】
本実施の形態では、
図16のステップS111の処理として、
図17に示した処理の代わりに
図20に示す処理が行われる。なお、本実施の形態では、
図16及び
図20に示した一連の処理はゲート50ごとに行われ、それぞれのゲート50に対するこの一連の処理は並行して行われる。以下、
図20を参照しつつ、本実施の形態におけるデータ更新部304の処理の詳細を説明する。なお、以下の説明では、一例として、第1のゲート50に対する処理として説明する。
【0085】
まず、ステップS250において、データ更新部304は、読取装置100で読み取られたRFIDタグ91のうち、入り口側(検出領域51A)での動線の発生期間におけるRSSIの推移が、所定の第1のパターンであるRFIDタグ91の識別情報を抽出する。すなわち、データ更新部304は、ステップS101で特定された動線の発生期間におけるRSSIの推移が、RSSIの増加を表す変動パターンであるRFIDタグ91を抽出する。
【0086】
次に、ステップS251において、データ更新部304は、ステップS250で抽出されたRFIDタグ91のうち、出口側(検出領域51B)での動線の発生期間におけるRSSIの推移が、所定の第2のパターンであるRFIDタグ91の識別情報を抽出する。すなわち、データ更新部304は、ステップS109で特定された動線の発生期間におけるRSSIの推移が、RSSIの減少を表す変動パターンであるRFIDタグ91を抽出する。
【0087】
次に、ステップS252において、データ更新部304は、ステップS251で抽出された識別情報が、他のゲート50に対する処理でも抽出されているか否かを判定する。すなわち、データ更新部304は、第1のゲート50に対する処理においてステップS251で抽出された識別情報が、第2のゲート50に対する処理においても抽出されているか否かを判定する。ステップS251で抽出された識別情報が、他のゲート50に対する処理でも抽出されている場合は、処理はステップS253へ移行し、そうでない場合、処理はステップS254へ移行する。上述した2つ目のケースでは、第1のゲート50を通過した第1の物品のRFIDタグ91の識別情報と、第2のゲート50を通過した第2の物品のRFIDタグ91の識別情報は、第1のゲート50に対する処理でも第2のゲート50に対する処理でも抽出される。したがって、上述した2つ目のケースでは、処理はステップS253へ移行することとなる。
【0088】
ステップS253において、データ更新部304は、同一のRFIDタグ91からの信号のRSSIのゲート50ごとの大きさに基づいて、物品90がいずれのゲート50を通過したかを特定する。データ更新部304は、注目するゲート50(すなわち、ここでは第1のゲート50)で抽出された識別情報が、他のゲート50に対する処理でも抽出されている場合は、例えば、次のようにして注目するゲート50を通過した物品90を特定する。データ更新部304は、注目するゲート50の読取装置で測定された、この識別情報を有するRFIDタグ91からの信号のRSSIと、他のゲート50の読取装置で測定された、この識別情報を有するRFIDタグ91からの信号のRSSIとを比較する。そして、データ更新部304は、注目するゲート50の読取装置で測定されたRSSIが最も大きい場合、この識別情報を有するRFIDタグ91に対応する物品90が注目するゲート50(第1のゲート50)を通過したものと判定する。例えば、第1のゲート50を第1の物品90が通過したとする。この場合、第1の物品90のRFIDタグ91と第1のゲート50の読取装置100との距離は、第1の物品90のRFIDタグ91と第2のゲート50の読取装置110との距離よりも短い。このため、読取装置100が測定する、第1の物品90のRFIDタグ91からの信号のRSSIは、読取装置110が測定するそれよりも大きい。したがって、上述の判定により、いずれの物品90がいずれのゲート50を通過したかを適切に判定することができる。
【0089】
なお、データ更新部304は、次のようにして、注目するゲート50を通過した物品を特定してもよい。データ更新部304は、ステップS251で抽出されたRFIDタグ91のうち、注目するゲート50(第1のゲート50)の読取装置で測定されたRSSIが最大であるRFIDタグ91に対応する物品90が注目するゲート50を通過したものと判定してもよい。
【0090】
データ更新部304は、注目するゲート50を通過した物品90を特定すると、この物品90の搬送情報を、注目するゲート50を通過した搬送が実施済みであることを示す値へと更新する。
【0091】
これに対し、ステップS254では、データ更新部304は、ステップS251で抽出された識別情報により特定される物品90が注目するゲート50を通過したと判定する。そして、データ更新部304は、この物品90の搬送情報を、注目するゲート50を通過した搬送が実施済みであることを示す値へと更新する。
【0092】
以上、実施の形態2について説明した。読取システム20によれば、RSSIの大きさを比較することにより、どの物品90がどのゲート50を通過したか否かを判定することができる。このため、ゲート50が複数設けられている場合であっても、物品90の搬送の管理を適切に行うことができる。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理装置
2 動線特定部
3 RSSI取得部
4 通過判定部
10 読取システム
20 読取システム
50 ゲート
51A 検出領域
51B 検出領域
52A 検出領域
52B 検出領域
90 物品
91 RFIDタグ
100 読取装置
101 RFIDリーダー
102 アンテナ
110 読取装置
111 RFIDリーダー
112 アンテナ
200A センサ
200B センサ
201 光線
210A センサ
210B センサ
300 情報処理装置
301 通信制御部
302 動線特定部
303 読取制御部
304 データ更新部
350 通信インタフェース
351 メモリ
352 プロセッサ
400 DBサーバ
510A 部分領域
510B 部分領域
520A 部分領域
520B 部分領域