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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】導波材インターフェース構造
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/04 20060101AFI20240909BHJP
【FI】
H01P1/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023511871
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2021107660
(87)【国際公開番号】W WO2022042148
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】202010895432.9
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】李卓
(72)【発明者】
【氏名】王靖
(72)【発明者】
【氏名】張勇
(72)【発明者】
【氏名】舒建訊
(72)【発明者】
【氏名】張震
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】実公昭47-037075(JP,Y1)
【文献】実開平01-095801(JP,U)
【文献】特開2001-156501(JP,A)
【文献】特開2009-060382(JP,A)
【文献】実公昭52-036226(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波材インターフェース構造であって、
前記導波材インターフェース構造は、第1の導波材と第2の導波材とを電気的に接続するように構成され、弾性を有する電気接続部と、前記電気接続部につながった固定部とを備え、前記固定部は前記第1の導波材の端面に当接するように構成されており、前記電気接続部は周囲を取り囲んで電磁波を通過させる開口を形成しており、前記電気接続部は前記第1の導波材の端面と前記第2の導波材の端面との間に弾性的に押圧保持され、前記第1の導波材と前記第2の導波材とを電気的に接続するように構成されていて、
前記電気接続部は、前記固定部につながって前記第1の導波材の端面に密着するように構成された環状本体部と、互いに離間して前記環状本体部に設けられた複数の弾性片とを備え、複数の前記弾性片は前記環状本体部から離れる方向に延在して囲い合って前記開口を構成し、複数の前記弾性片は前記第2の導波材の端面に当接するように構成されていて、
前記開口が第1の波長の電磁波を通過させるように構成されており、前記弾性片の配列方向において、前記弾性片の幅はいずれも第1の波長の0.2倍より小さく、かつ/または、隣り合う前記弾性片間のピッチは第1の波長の0.05倍より小さい、
導波材インターフェース構造。
【請求項2】
各前記弾性片は、前記環状本体部につながった第1の延在部と、前記第1の延在部から屈曲して延在する第2の延在部とを備え、前記第2の延在部は前記第2の導波材の端面に当接するように構成されている
請求項に記載の導波材インターフェース構造。
【請求項3】
前記第1の延在部が前記環状本体部の内縁に設けられおり、
あるいは、前記第1の延在部が前記環状本体部の外縁に設けられおり、
あるいは、一部の前記第1の延在部が前記環状本体部の内縁に設けられ、もう一部の前記第1の延在部が前記環状本体部の外縁に設けられている
請求項に記載の導波材インターフェース構造。
【請求項4】
前記第2の延在部と前記第1の延在部とは鈍角をなすように設けられており、
あるいは、前記第2の延在部と前記第1の延在部とは鋭角をなすように設けられており、
あるいは、一部の前記第2の延在部と対応する前記第1の延在部とは鈍角をなすように設けられ、もう一部の前記第2の延在部と対応する前記第1の延在部とは鋭角をなすように設けられている
請求項に記載の導波材インターフェース構造。
【請求項5】
前記環状本体部の材料は導電性材料であり、前記弾性片の材料は弾性を有する導電性材料である
請求項に記載の導波材インターフェース構造。
【請求項6】
前記電気接続部は、互いに離間して前記固定部に設けられた複数の弾性片と、前記複数の弾性片につながった筒状隔離部とを備え、前記弾性片は前記第2の導波材の端面に当接するように構成されており、前記開口は前記筒状隔離部の周囲を取り囲むとともに前記第1の導波材の内壁に接触するように構成されている
請求項1に記載の導波材インターフェース構造。
【請求項7】
前記筒状隔離部は、複数の前記弾性片につながった筒壁と、前記筒壁につながった複数の当接部とを備え、前記当接部は前記第1の導波材の内壁に当接するように構成されている
請求項に記載の導波材インターフェース構造。
【請求項8】
前記当接部は前記筒壁の端縁または外壁面から前記筒壁の内部空間から離れる方向に延在している
請求項に記載の導波材インターフェース構造。
【請求項9】
各前記弾性片は、前記固定部につながった第1の延在部と、前記第1の延在部から屈曲して延在する第2の延在部と、前記第2の延在部から屈曲して延在する第3の延在部とを備え、前記第3の延在部は前記筒状隔離部につながっているとともに、前記第3の延在部は前記第2の導波材の端面に当接するように構成されている
請求項に記載の導波材インターフェース構造。
【請求項10】
前記第3の延在部および前記筒状隔離部の材料は導電性材料である
請求項に記載の導波材インターフェース構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号が202010895432.9で、出願日が2020年8月31日である中国特許出願に基づいて提出され、その中国特許出願の優先権を主張し、その中国特許出願の全文を援用により本願に組み入れる。
【0002】
本願の実施例は、マイクロ波通信の分野に関し、特に導波材インターフェース構造に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ波周波数帯域において、導波材は伝送損失が最小であり、マイクロ波通信システムの送受信感度を向上させるかけがえのない伝送線のタイプである。導波材の相互接続に隙間が存在すると、強い放射損失と干渉が発生し、システムの正常な動作に影響を与える。一部の状況下で、導波材の相互接続案の多くは単一導波材ポートであるとともに電気接続を優先的に保証し、すなわち、相互接続される2つの導波材ポートの端面は密接に接触している。微小な相互接続隙間が存在する場合、通常は、導波材ポートの周りに遮蔽シールリングを置く案を採用して電磁波漏洩を防止する課題を解決する。
【0004】
上記の案には少なくとも次の課題が存在する。すなわち、上記の案は導波材端面の加工、組立に対する要求が比較的に高く、導波材構造の加工は難しく、微小な相互接続隙間の状況に適応することしか不可能であり、隙間のランダム公差が大きい使用場面に適応することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例の目的は、導波材相互接続通路の正常な信号伝送を保証することを前提に、導波材構造の加工難易度を下げ、隙間のランダム公差が大きい使用場面に適応した導波材インターフェース構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した技術的課題を解決するために、本願の実施例は導波材インターフェース構造を提供し、前記導波材インターフェース構造は、第1の導波材と第2の導波材とを電気的に接続するように構成され、弾性を有する電気接続部と、前記電気接続部につながった固定部とを備え、前記固定部は前記第1の導波材の端面に当接するように構成されており、前記電気接続部は繞設されて電磁波を通過させる開口を形成しており、前記電気接続部は前記第1の導波材の端面と前記第2の導波材の端面との間に弾性的に押圧保持され、前記第1の導波材と前記第2の導波材とを電気的に接続するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
一つ又は複数の実施例は、それに対応する添付図面中の画像により例示的に示されるが、これらの例示的な説明は、実施例に対する限定を構成せず、添付図面中の同じ参照符号を有する素子は同様の素子であることを示し、特に明記されていない限り、図面中の画像は比例に対する限定を構成しない。
【0008】
図1】本願の第1の実施例により提供される導波材インターフェース構造の構造模式図である。
図2】本願の第1の実施例により提供される導波材インターフェース構造が導波材に適用された構造模式図である。
図3】本願の第1の実施例により提供される導波材インターフェース構造が導波材に適用された組立図である。
図4】本願の第1の実施例により提供される導波材インターフェース構造の別の構造模式図である。
図5】本願の第1の実施例により提供される別の導波材インターフェース構造が導波材に適用された構造模式図である。
図6】本願の第1の実施例により提供される別の導波材インターフェース構造が導波材に適用された組立図である。
図7】本願の第1の実施例により提供される導波材インターフェース構造のさらに別の構造模式図である。
図8】本願の第1の実施例により提供されるさらに別の導波材インターフェース構造が導波材に適用された構造模式図である。
図9】本願の第1の実施例により提供される別の導波材インターフェース構造が導波材に適用された組立図である。
図10】本願の第2の実施例により提供される導波材インターフェース構造の構造模式図である。
図11】本願の第2の実施例により提供される導波材インターフェース構造が導波材に適用された構造模式図である。
図12】本願の第1の実施例により提供される別の導波材インターフェース構造が導波材に適用された組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面を組み合わせて本願の各実施例を詳しく説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施形態において、読み手に本願をよりよく理解してもらうために多くの技術的詳細が提示されていることを理解することができる。しかし、これらの技術的詳細及び以下の各実施形態に基づく様々な変更及び修正がなくとも、本願の保護を求める技術案を実現することができる。
【0010】
図1から図9を参照し、本願の第1の実施例は導波材インターフェース構造100に関し、導波材インターフェース構造100は第1の導波材10と第2の導波材20とを電気的に接続するように構成されている。本実施例の核心は、導波材インターフェース構造100が、弾性を有する電気接続部11と、電気接続部11につながった固定部12とを備えることにあり、固定部12は第1の導波材10の端面に当接するように構成されており、電気接続部11は繞設されて電磁波を通過させる開口30を形成しており、電気接続部11は第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面との間に弾性的に押圧保持され、第1の導波材10と第2の導波材20とを電気的に接続するように構成されている。
【0011】
電気接続部11が弾性を有するとともに、第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面との間に弾性的に押圧保持されるように構成されているため、第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面との間の隙間の大きさに応じて弾性変形することができる。また、電気接続部11がさらに第1の導波材10と第2の導波材20とを電気的に接続するように構成されているため、第1の導波材10と第2の導波材20との間の隙間を電気接続部11により常に吸収することができる(すなわち、電気接続部11は繞設されて電磁波を通過させる開口30を形成するとともに、第1の導波材10と第2の導波材20との間の隙間からの電磁波の漏洩を阻止し、第1の導波材10と第2の導波材20との間の隙間を埋める)。これにより、複数の導波材のポート間の相互接続が同一平面上にない課題が解決され、電磁波の漏洩が回避され、導波材の相互接続通路の正常な信号伝送が保証されるので、累積公差による導波材相互接続に対する影響が小さく、各導波材端面の加工精度、組立要求が低く、各導波材ポートの通路の独立した加工が可能になり、導波材構造の加工難易度が下げられ、隙間のランダム公差が大きい使用場面に適応することができる。
【0012】
同時に、従来技術における導波材ポートの接続を優先的に保証してから筐体の防水や放熱などを考慮する案は、機器全体システムのアーキテクチャ案、例えば機器全体構造の積層順番、機器全体の導波ポートの数、冷却プレートの位置、防水シールリングのサイズなどを制約する。本願の実施例において、第1の導波材10と第2の導波材20とを上述した導波材インターフェース構造100により接続することにより、導波材間の隙間の大きさに応じて弾性変形させて、異なる大きさの導波材隙間を吸収することができる。したがって、導波材ポートの接続を優先的に保証する必要はなく、冷却プレートを機器全体およびアンテナとフィーダ線の外側にあるように設計することで、最適な放熱効果を実現して、機器全体の体積を効果的に削減して、コストを下げることができる。また、機器全体構造の防水面の優先的な接触を保証して、機器全体の密封の信頼性を上げて、機器全体とアンテナおよびフィーダ線との接続の機械的強度を向上させて、フィールド信頼性のリスクと後期のメンテナンスのコストを削減する。
【0013】
以下では、本実施例の導波材インターフェース構造100の実施の詳細について具体的に説明するが、以下の内容は、提供された実施の詳細の理解を容易にするためのものだけであって、本案を実施するための必須事項ではない。
【0014】
実際の応用では、電気接続部11は、固定部12につながった環状本体部111と、互いに離間して環状本体部111に設けられた複数の弾性片112とを備えることができる。環状本体部111は第1の導波材10の端面に密着するように構成されており、複数の弾性片112は第2の導波材20の端面に当接するように構成されており、複数の弾性片112は環状本体部111から離れる方向に延在して囲い合って開口30を構成し、開口30は、電磁波の伝送が容易になるように、環状本体部111の中心貫通孔に正対して設けられている。第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面との間に複数の弾性片112を弾性的に押圧保持するとともに、第1の導波材10と第2の導波材20とを電気的に接続することにより、大きい面接触を複数の点接触に変えて、大面積の接触不良の問題を効果的に回避し、弾性片112の加工精度及び組立の要求を低減する。
【0015】
信号伝送の要求を満たすために、開口30の寸法は、開口30の寸法と導波材の寸法と電気的性能の整合性が常に保証できる限り、導波材の相互接続の隙間の大きさおよび弾性片112の変形に応じて変化する。導波材インターフェース構造100は、矩形導波材、円形導波材、リブ型導波材などの応用場面に適用することができ、弾性片112の案は広帯域設計であり、動作周波数範囲は導波材の動作周波数範囲と一致する。導波材のタイプに応じて異なる中心開口30を設計することができ、例えば、矩形導波材の場合、開口30は矩形であってもよく、円形導波材の場合、開口30は円形であってもよく、リブ型導波材の場合、開口30はリブ型であってもよい。
【0016】
ここで、環状本体部111の材料は金属等の導電性材料であってもよく、弾性片112の材料は金属等の弾性を有する導電性材料であってもよい。もちろん、第1の導波材10と第2の導波材20とが環状本体部111および弾性片112を介して電気接続を実現することさえ保証できれば、環状本体部111および弾性片112は、表面の材料のみが導電性材料であり、内部の材料が絶縁性材料(例えばプラスチック)であるようにしてもよい。
【0017】
実際の応用において、弾性片112は、打ち抜き又はエッチングした後に折り畳んで成形することができ、筒状隔離部114は、平面状の金属片を筒状に折り曲げてから溶接することができる。加工難易度を下げるために、弾性片112と筒状隔離部114とを別々に加工してから、一体に溶接することができる。本実施例の導波材インターフェース構造100は、材料コストが安く、加工が容易であるため、金型による量産が可能であり、導電性ゴムリングと比較して、コスト的に有利である。
【0018】
本実施例において、各弾性片112は、環状本体部111につながった第1の延在部112aと、第1の延在部112aから屈曲して延在する第2の延在部112bとを備えることができる。第2の延在部112bは第2の導波材20の端面に当接するように構成されており、第2の延在部112bが第1の延在部112aから屈曲して延在するため、第1の延在部112aと第2の延在部112bとの境界部で弾性変形が生じやすくなり、第1の導波材10と第2の導波材20との間の異なる大きさの隙間に良好に適応することができる。
【0019】
ここで、第1の延在部112aは環状本体部111の内縁111aに設けられていてもよく、環状本体部111の外縁111bに設けられていてもよく、あるいは、一部の第1の延在部112aが環状本体部111の内縁111aに設けられ、もう一部第1の延在部112aが環状本体部111の外縁111bに設けられていてもよい。もちろん、第1の延在部112aは、環状本体部111の縁部位置ではなく、内縁111aと外縁111bとの間に設けられていてもよく、ここでは限定しない。
【0020】
各弾性片112について、第2の延在部112bと第1の延在部112aとはすべて、鈍角、鋭角、または直角をなすように設けられてもよく(すなわち、第2の延在部112bと第1の延在部112aとの間の挟角は鈍角、鋭角または直角であり)、第2の延在部112bと第1の延在部112aとの境界部は第2の導波材20の端面に当接するように構成され、あるいは、第2の延在部112bの第1の延在部112aから離れた端部は第2の導波材20の端面に当接するように構成されている。
【0021】
すべての弾性片112について同じ配置方式を採用することができ、例えば、すべての第2の延在部112bと対応する第1の延在部112aとが鈍角、鋭角、または直角をなすように配置することができる。また、複数タイプの異なる配置方式の弾性片112を組み合わせて、それぞれの弾性片112の配置方式を上記の何れか1つのタイプとしてもよく、例えば、一部の第2の延在部112bと対応する第1の延在部112aとが鈍角をなすように設けられ、もう一部の第2の延在部112bと対応する第1の延在部112aとが鋭角をなすように設けられてもよい。
【0022】
理解しやすくするために、以下に2つの例を挙げる。
【0023】
図1図2図3に示すように、第1の延在部112aはすべて環状本体部111の内縁111aに設けられているとともに、第2の延在部112bと第1の延在部112aとはすべて鈍角をなすように設けられ、第2の延在部112bと第1の延在部112aとの境界部は第1の導波材10の端面に当接するように構成され、第2の延在部112bの第1の延在部112aから離れた端部は第2の導波材20の端面に当接するように構成されている。
【0024】
図4図5図6に示すように、一部の第1の延在部112aは環状本体部111の内縁111aに設けられ、もう一部の第1の延在部112aは環状本体部111の外縁111bに設けられているとともに、第2の延在部112bと第1の延在部112aとはすべて鋭角をなすように設けられ、第2の延在部112bと第1の延在部112aとの境界部は第1の導波材10の端面に当接するように構成され、第2の延在部112bの第1の延在部112aから離れた端部は第2の導波材20の端面に当接するように構成されている。
【0025】
図7図8図9に示すように、第1の延在部112aはすべて環状本体部111の内縁111aに設けられているとともに、一部の第2の延在部112bと対応する第1の延在部112aとは鈍角をなすように設けられ、もう一部の第2の延在部112bと対応する第1の延在部112aとは鋭角をなすように設けられ、第2の延在部112bと第1の延在部112aとの境界部は第1の導波材10の端面に当接するように構成され、第2の延在部112bの第1の延在部112aから離れた端部は第2の導波材20の端面に当接するように構成されている。
【0026】
公差範囲内の確実な接触及び電気的性能を保証するために、弾性片112のフィンガ幅、フィンガピッチ、フィンガ長さ及び形状はシミュレーションにより設計される。フィンガ幅は材料の弾性力と変形量を考慮して(フィンガ幅が小さいほど、弾性が良くなる)、異なる隙間の大きさでの常に良好な接触を保証する必要がある。フィンガピッチがカットオフ導波材の理論を満足し、漏洩防止の目標に応じて合理的に設計される。フィンガ長さと形状により、公差吸収能力(導波材間の隙間の大きさに対する適応能力)と電気的性能が決まる。
【0027】
具体的には、上述した導波材インターフェース構造100が、第1の波長の電磁波を伝送する導波材に適用される(開口30は、第1の波長の電磁波を通過させるように構成される)場合、すなわち、第1の導波材10と第2の導波材20は第1の波長を有する電磁波を伝送するために使用される場合、弾性片112と導波材との接触面の長さがフィンガ幅により決まるため、信頼性のある電気的接触を保証するために、弾性片112の配列方向において、弾性片112の幅w(すなわちフィンガ幅)は、いずれも第1の波長の0.2倍より小さくすることができる。漏洩防止の目標に応じて、カットオフ導波材の理論を利用して、弾性片112の配列方向において、隣り合う弾性片112間のピッチv(すなわち、フィンガピッチ)は、いずれも第1の波長の0.05倍より小さくすることができる。十分な弾性を保証するために、弾性片112の厚さは通常0.2mmより小さい。
【0028】
また、実際の応用において、固定部12に取付孔13を設け、ネジを取付孔13に挿入して一端の導波材(すなわち第1の導波材10)に固定することにより、導波材インターフェース構造100を実現することができる。
【0029】
本実施例により提供される導波材インターフェース構造100によれば、隙間吸収能力が0mmから2mmとすることができる。すなわち、第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面との距離が2mm以内である場合、導波材インターフェース構造100は常に良好な電気的接続と電磁波漏洩防止効果を実現することができる。
【0030】
本願の第2の実施例は、導波材インターフェース構造200に関する。図10図11図12に示すように、第2の実施例は、第1の実施例とほぼ同じであるが、主な相違点は以下の通りである。第1の実施例において、電気接続部11は、固定部12につながって第1の導波材10の端面に密着するように構成された環状本体部111と、互いに離間して環状本体部111に設けられた複数の弾性片112とを備える。複数の弾性片112は環状本体部111から離れる方向に延在して囲い合って開口30を構成し、複数の弾性片112は第2の導波材20の端面に当接するように構成されている。一方、本願の第2の実施例において、電気接続部11は、互いに離間して固定部12に設けられた複数の弾性片113と、複数の弾性片113につながった筒状隔離部114とを備える。弾性片113は第2の導波材20の端面に当接するように構成されており、筒状隔離部114は繞設されて開口30を形成するとともに第1の導波材10の内壁に接触するように構成されている。なお、本実施例は第1の実施例と技術的効果が似ているため、ここでは説明を省く。
【0031】
すなわち、第1の実施例では、第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面にそれぞれ環状本体部111と複数の弾性片112を当接させることにより、第1の導波材10と第2の導波材20との弾性的接続と電気的接続を実現している。一方、第2の実施形態では、第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面にそれぞれ固定部12と複数の弾性片113を当接させることにより、第1の導波材10と第2の導波材20との弾性的接続を実現し、筒状隔離部114が複数の弾性片113につながるとともに第1の導波材10の内壁に接触することにより、第1の導波材10と第2の導波材20との電気的接続を実現する。
【0032】
以下では、本実施例の導波材インターフェース構造200の実施の詳細について具体的に説明するが、以下の内容は、提供された実施の詳細の理解を容易にするためのものだけであって、本案を実施するための必須事項ではない。
【0033】
具体的には、筒状隔離部114は、複数の弾性片113につながった筒壁114aと、筒壁114aにつながった複数の当接部114bとを備えることができ、当接部114bの自由端は第1の導波材10の内壁に当接するように構成されている。つまり、筒状隔離部114は、その軸方向に反対する2つの端縁(両端の縁)を有し、そのうちの一方の端縁(上縁)には弾性片113がつながっており、他方の端縁(下縁)には当接部114bがつながっているため、大きい面接触を多点接触に変えることにより、大面積の接触不良の問題を効果的に回避し、当接部114bの加工精度及び組立の要求を低減する。
【0034】
本実施例において、当接部114bは筒壁114aの端縁または外壁面から筒壁114aの内部空間から離れる方向に延在していることにより、導波材インターフェース構造200により第1の導波材10と第2の導波材20とを接続する際に、筒壁114aが第1の導波材10の導波材ポート内に延出し、当接部114bが第1の導波材10の内壁に当接し、弾性片113が第2の導波材20の端面に当接し、そして、弾性片113は筒壁114aを介して当接部114bにつながっている。これにより、第1の導波材10と第2の導波材20との電気的接続が実現され、また、第1の導波材10と第2の導波材20との相互接続の隙間の大きさが変化した場合、当接部114bが第1の導波材10の内壁上を摺動して第1の導波材10の内壁に常に接触できるとともに、電磁波伝送通路内の電磁波が筒壁114aと当接部114bとにより隔離されるため、電磁波漏洩の問題が回避される。
【0035】
本実施例において、各弾性片113は、固定部12につながった第1の延在部113aと、第1の延在部113aから屈曲して延在する第2の延在部113bと、第2の延在部113bから屈曲して延在する第3の延在部113cとを備え、第3の延在部113cは筒状隔離部114につながっているとともに、第2の導波材20の端面に当接するように構成されており、具体的には、第3の延在部113cが筒壁114aの一方の端縁(上縁)につながっており、当接部114bが他方の端縁(下縁)につながっている。第2の延在部113bが第1の延在部113aから屈曲して延在するため、第1の延在部113aと第2の延在部113bとの境界部で弾性変形が生じやすくなり、第1の導波材10と第2の導波材20との間の異なる大きさの隙間に良好に適応することができる。
【0036】
なお、弾性片113は、第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面との間に弾性的に押圧保持されることが可能であれば、ばね等の他の弾性を有する構造であってもよく、ここでは限定しない。
【0037】
当接部114bの材料、製造方法及び寸法は第1の実施例における弾性片112と似ている。例えば、当接部114bは、金属材料であってもよく、打ち抜きまたはエッチングした後に曲げて溶接して成形(筒壁114aと当接部114bとを一緒に成形)するか、溶接プロセスにより当接部114bを筒壁114aに溶接することができる。開口30が第1の波長の電磁波を通過させるように構成されている場合、信頼性のある電気的接触を保証するために、当接部114bの配列方向において、当接部114bの幅w(すなわち、フィンガ幅)をいずれも第1の波長の0.2倍より小さくすることが可能である。漏洩防止の目標に応じて、カットオフ導波材の理論を利用して、当接部114bの配列方向において、隣り合う当接部114b間のピッチv(すなわち、フィンガピッチ)は、いずれも第1の波長の0.05倍より小さくすることができる。他の寸法の設定については、ここでは説明を省く。
【0038】
実際の応用において、第3の延在部113cおよび筒状隔離部114(具体的には筒壁114aおよび当接部114b)の材料は金属等の導電性材料とすることにより、第3の延在部113c、筒壁114aおよび当接部114bを介して第1の導波材10と第2の導波材20との電気的接続を実現する。もちろん、導電さえ実現できれば、第3の延在部113c、筒壁114aおよび当接部114bは、表面の材料のみが導電性材料であり、内部の材料が絶縁性材料(例えばプラスチック)であるようにしてもよい。
【0039】
本実施例により提供される導波材インターフェース構造200によれば、隙間吸収能力が2mmより大きい。すなわち、第1の導波材10の端面と第2の導波材20の端面との距離が2mmより大きい場合、導波材インターフェース構造200は常に良好な電気的接続と電磁波漏洩防止効果を実現することができる。
【0040】
第1の実施例と本実施例とは互いに対応しているので、本実施例は第1の実施例と組み合わせて実施することができる。第1の実施例で記載された関連する技術的詳細は、本実施例においてもなお有効であり、第1の実施例で達成可能な技術的効果は、本実施例においても同様に達成可能であるため、重複を避けるために、ここでは説明を省く。したがって、本実施例で記載された関連する技術的詳細は、第2の実施例にも適用可能である。
【0041】
当業者であれば、上記の各実施例は、本出願を実施するための具体的な実施例であり、実際の応用においては、本願の精神及び範囲を逸脱することなく、形式的に及び細部に様々な変更を加えることができることを理解することができる。
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