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特許7551905データを再構成する方法およびシステム、走査装置並びにコンピュータ可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】データを再構成する方法およびシステム、走査装置並びにコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/55 20170101AFI20240909BHJP
   G06T 7/521 20170101ALI20240909BHJP
   G01B 11/25 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
G06T7/55
G06T7/521
G01B11/25 H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023512429
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 CN2021113854
(87)【国際公開番号】W WO2022037688
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202010851553.3
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518283252
【氏名又は名称】先臨三維科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHINING 3D TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1398 Xiangbin Road,Wenyan Street,Xiaoshan District,Hangzhou,Zhejiang 311258 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】馬 超
【審査官】菊池 伸郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-181298(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0282342(US,A1)
【文献】特開2011-134221(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101694375(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/521
G06T 7/55
G06T 17/00
G01B 11/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを再構成する方法であって、
走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得するステップと、
前記輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、前記走査対象物の三次元データを生成するステップと、を含み、
走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得する前記ステップは、3Dスキャナーにより、異なる光学条件に基づいて、同じ位置における複数の画像シーケンスを取得することを含み、
異なる光学条件に基づいて、同じ位置における複数の画像シーケンスを取得するステップは、
第一光学条件下で第一セットの画像を取得するステップであって、前記第一セットの画像のタイプは、コードパターン、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含むステップと、
第二光学条件下で第二セットの画像を取得するステップであって、前記第二セットの画像は、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含むステップと、を含むことを特徴とする
データを再構成する方法。
【請求項2】
投影光学装置の光源輝度および/または露光パラメータを調整することで3Dスキャナーの光学条件を調整するステップ、および/または、
画像取得装置の露光パラメータおよび/またはゲインパラメータを調整することで3Dスキャナーの光学条件を調整するステップ、をさらに含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項3】
走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得することは、
異なる光学条件に基づいて同じ位置における複数の画像シーケンスを取得するステップを含み、該ステップは、
三光学条件下で第三セットの画像を取得するステップであって、前記第三セットの画像は、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含むステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、前記走査対象物の三次元データを生成するステップは、
前記複数の画像シーケンスにおけるサブ再構成パターンを、グレー値の加重平均によって前記再構成パターンにそれぞれ融合するステップと、
再構成パターンに対応する前記コードパターンのストライプシーケンスを決定するステップと、
前記再構成パターンおよび前記ストライプシーケンスに基づいて前記走査対象物の表面の点群データを三次元的に再構成するステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第一光学条件下で取得した赤単色画像、前記第二光学条件下で取得した赤単色画像、および前記第三光学条件下で取得した赤単色画像を融合し、
前記第一光学条件下で取得した緑単色画像、前記第二光学条件下で取得した緑単色画像、および前記第三光学条件下で取得した緑単色画像を融合し、
前記第一光学条件下で取得した青単色画像、前記第二光学条件下で取得した青単色画像、および前記第三光学条件下で取得した青単色画像を融合し、
前記赤単色画像、前記緑単色画像、および前記青単色画像の融和はそれぞれグレー値の加重平均により融合され、
融合した赤単色画像、緑単色画像、および青単色画像に基づいて前記テクスチャパターンを合成するか、または、
前記第一光学条件下で得られた前記赤単色画像、前記緑単色画像、および前記青単色画像に基づいて第一テクスチャパターンを合成し、前記第二光学条件下で得られた前記赤単色画像、前記緑単色画像、および前記青単色画像に基づいて第二テクスチャパターンを合成し、前記第三光学条件下で得られた前記赤単色画像、前記緑単色画像、および前記青単色画像に基づいて第三テクスチャパターンを合成し、
前記第一テクスチャパターン、前記第二テクスチャパターン、および前記第三テクスチャパターンに基づいて融和されて前記テクスチャパターンを形成することを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第一テクスチャパターン、前記第二テクスチャパターン、および前記第三テクスチャパターンの融和はグレー値の加重平均により実現されることを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、前記走査対象物の三次元データを生成するステップは、
前記第一セットの画像、前記第二セットの画像、および前記第三セットの画像を融合するステップと、
融合された画像に対して三次元再構成を実行して、前記走査対象物の三次元データを生成するステップであって、前記三次元データは点群データおよびテクスチャデータを含むステップと、および/または、
前記第一セットの画像、前記第二セットの画像、および前記第三セットの画像に対してそれぞれ三次元再構成を実行するステップと、
前記三次元再構成の再構成結果を融合して、前記走査対象物の三次元データを生成するステップであって、前記三次元データは点群データおよびテクスチャデータを含むステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の画像シーケンスを取得するステップは、
前記投影光学装置が、異なる露光時間に基づいて測定対象物の表面に前記画像シーケンスを投影するステップと、
前記画像取得装置が、前記測定対象物の表面の前記画像シーケンスを同時に取得して異なる輝度レベルの前記画像シーケンスを取得するステップを含み、該ステップは以下を含み、前記投影光学装置は、第一露光時間に基づいて、第一セットの画像を前記測定対象物の表面に投影し、
前記画像取得装置は、前記測定対象物の表面の前記第一セットの画像を同時に取得し、ここで、前記第一セットの画像は、コードパターン、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含み、
前記投影光学装置は、第二露光時間に基づいて、第二セットの画像を前記測定対象物の表面に投影し、
前記画像取得装置は、前記測定対象物の表面の前記第二セットの画像を同時に取得し、ここで、前記第二セットの画像は、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含み、および/または、
前記投影光学装置は、第三露光時間に基づいて、第三セットの画像を前記測定対象物の表面に投影し、前記画像取得装置は、前記測定対象物の表面の前記第三セットの画像を同時に取得し、ここで、前記第三セットの画像のタイプは、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項9】
走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得する前に、
走査対象物の表面の画像を取得し、画像の均一性を評価するステップと、
前記画像の均一性が均一である場合、第一走査モードを起動し、前記画像の均一性が不均一である場合、第二走査モードを起動するステップであって、第二走査モードは、走査対象物の同じ位置における異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスを取得かつ融合し、三次元再構成を実行するモードであるステップと、および/または、
前記画像の不均一性の程度に従って画像シーケンスの輝度レベルを決定するステップと、をさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第一走査モードは、
予め設定された第四光学条件に基づいて画像シーケンスを取得することであって、前記画像シーケンスは、コードパターン、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含むこと、
前記コードパターンおよび再構成パターンに基づいて三次元再構成を実行して点群画像を取得し、テクスチャパターンに基づいてテクスチャ画像を取得することであって、前記テクスチャ画像は点群画像に対応することであることを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第一走査モードは、プロジェクタと像取得装置の光学パラメータを変更せず、同じ位置の画像シーケンスの1つの輝度レベルのみを取り込むことで実現されることを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項12】
任意の画像シーケンスの画像が他の画像シーケンの画像と同一で輝度レベルのみが異なることを特徴とする
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
データを再構成するシステムであって、
走査対象物に投影される光源の輝度を調整するために、予め設定された条件に従って光学条件を調整する投影光学装置と、
走査対象物上の同じ位置における異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスを取得する画像取得装置であって、前記異なる輝度レベルは前記投影光学装置の光源輝度を調整した結果であり、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得するステップとして、3Dスキャナーにより、異なる光学条件に基づいて、同じ位置における複数の画像シーケンスを取得するステップを含み、3Dスキャナーにより、異なる光学条件に基づいて、同じ位置における複数の画像シーケンスを取得する前記ステップは、第一光学条件下で第一セットの画像を取得するステップであって、前記第一セットの画像のタイプは、コードパターン、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含むステップと、第二光学条件下で第二セットの画像を取得するステップであって、前記第二セットの画像は、再構成パターンおよびテクスチャパターンを含むステップと、を含む画像取得装置と、
前記投影光学装置および前記画像取得装置とそれぞれ通信し、異なる輝度レベルの前記複数の画像シーケンスに基づいて画像の融合および三次元再構成を実行し、前記走査対象物の三次元データを生成するように設定されたプロセッサと、を備えることを特徴とする
データを再構成するシステム。
【請求項14】
走査装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサの実行可能指令を記憶するように設定されたメモリと、を備え、
前記プロセッサは、前記実行可能指令を実行することによって、請求項1~12のいずれか一項に記載のデータを再構成する方法を実行するように設定されることを特徴とする
走査装置。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムが実行されると、前記コンピュータ可読記憶媒体が配置された装置を制御して、請求項1~12のいずれか一項に記載のデータを再構成する方法を実行することを特徴とする
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2020年8月21日に中国特許庁に出願された中国特許出願第202010851553.3号「データを再構成する方法およびシステム、走査装置」の優先権を主張し、その内容全体は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、データ処理の技術分野に関し、より具体的には、データを再構成する方法およびシステム、走査装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、歯型データの取得手段は、印象3D走査から口腔内3D走査技術へと徐々に移行し、口腔内3D走査技術は、口腔内3Dスキャナーによる直接走査して歯型データを取得するが、金属材料自体の鏡面反射が多いため、口腔内3Dスキャナーは、このような材料のデータを多角度から走査して取得する場合、データ取得の効率を低減させ、走査オペレーターと患者の双方に不快感を与える。特に光学的なデッドスペースがある場合、口腔内3Dスキャナーではより完全なデータを取得できず、その後の設計と歯の装着に修復の負担が発生する。
【0004】
同時に、通常、高い反射率により、オブジェクトイメージングのダイナミックレンジが狭くなり、口腔内歯科データを収集するために多角度かつ複数回走査し、高輝度または超暗闇の局所領域があるオブジェクトを走査すると、カメラは均一な輝度の画像を取得できず、三次元再構成に反射の影響を避けるために異なる視野角を使用する必要があり、歯の光学特性を変更しようとすると、既存の方法は、歯と歯茎に固体スプレーパウダーまたは液体コーティングを利用し、そのパウダーまたはコーティングにより入射光を遮断し、そのパウダーまたはコーティングの厚さを制御してパウダー層下の歯表面の三次元情報を復元することができる。しかしながら、パウダーもコーティングも不都合があり、患者がアレルギーを持っているか、それについて許容できない場合、全体の走査時間が長くなり、パウダーまたはコーティングの厚さが三次元データの精度に直接影響し、歯表面の欠陥がマスキングされ、本当の歯の色が得られなくなる。
【0005】
上記のような問題に対して、有効な解決策は提案されていない。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、口腔内スキャナーが複数の角度で複数回走査して口腔内歯科データを取得する場合に、走査対象物に局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、カメラが均一な輝度の画像を取得できなくなるという関連技術における技術的問題を少なくとも解決するために、データを再構成する方法およびシステム、走査装置を提供する。
【0007】
本出願の一態様によれば、データを再構成する方法を提供し、それは、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得するステップと、前記輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、前記走査対象物の三次元データを生成するステップとを含む。
【0008】
好ましくは、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得する前記ステップは、3Dスキャナーにより、異なる光学条件に基づいて、同じ位置における複数の画像シーケンスを取得することを含む。
【0009】
好ましくは、方法はまた、投影光学装置の光源輝度および/または露光パラメータを調整することで3Dスキャナーの光学条件を調整するステップ、および/または、画像取得装置の露光パラメータおよび/またはゲインパラメータを調整することで3Dスキャナーの光学条件を調整するステップを含む。
【0010】
好ましくは、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得するステップは、異なる光学条件に基づいて同じ位置における複数の画像シーケンスを取得するステップを含み、該ステップは、第一光学条件下で第一セットの画像を取得するステップであって、ここで、前記第一セットの画像のタイプは、コードパータンコードパータン、再構成パータンおよびテクスチャパータンテクスチャパータンを含むステップと、第二光学条件下で第二セットの画像を取得するステップであって、ここで、前記第二セットの画像は、再構成パータンおよびテクスチャパータンを含むステップと、および/または、第三光学条件下で第三セットの画像を取得するステップであって、ここで、前記第三セットの画像のタイプは、再構成パータンおよびテクスチャパータンを含むステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、前記走査対象物の三次元データを生成するステップは、前記第一セットの画像、前記第二セットの画像、および前記第三セットの画像を融合するステップと、融合された画像に対して三次元再構成を実行して、前記走査対象物の三次元データを生成するステップであって、ここで、前記三次元データは点群データおよびテクスチャデータを含むステップと、前記第一セットの画像、前記第二セットの画像、および前記第三セットの画像に対してそれぞれ三次元再構成を実行するステップと、前記三次元再構成の再構成結果を融合して、前記走査対象物の三次元データを生成するステップであって、ここで、前記三次元データは点群データおよびテクスチャデータを含むステップと、を含む。
【0012】
好ましくは、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得する前に、前記方法はまた、走査対象物の表面の画像を取得し、画像の均一性を評価するステップと、前記画像の均一性が均一である場合、第一走査モードを起動し、前記画像の均一性が不均一である場合、第二走査モードを起動するステップであって、ここで、第二走査モードは、走査対象物の同じ位置における異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスを取得かつ融合し、三次元再構成を実行するモードであるステップと、および/または、前記画像の不均一性の程度に従って画像シーケンスの輝度レベルを決定するステップと、を含む。
【0013】
好ましくは、前記第一走査モードは、予め設定された第四光学条件に基づいて画像シーケンスを取得することであって、ここで、前記画像シーケンスは、コードパータン、再構成パータンおよびテクスチャパータンを含むこと、前記コードパータンおよび再構成パータンに基づいて三次元再構成を実行して点群画像を取得し、テクスチャパータンに基づいてテクスチャ画像を取得することであって、ここで、前記テクスチャ画像は点群画像に対応することである。
【0014】
本出願の別の態様によれば、データを再構成するシステムが提供され、走査対象物に投影される光源の輝度を調整するために、予め設定された条件に従って光学条件を調整する投影光学装置と、走査対象物上の同じ位置における異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスを取得する画像取得装置であって、ここで、前記異なる輝度レベルは前記投影光学装置の光源輝度を調整した結果である画像取得装置と、前記投影光学装置および前記画像取得装置とそれぞれ通信し、異なる輝度レベルの前記複数の画像シーケンスに基づいて画像の融合および三次元再構成を実行し、前記走査対象物の三次元データを生成するように設定されたプロセッサと、を備える。
【0015】
本出願の別の態様によれば、走査装置も提供され、それは、プロセッサと、前記プロセッサの実行可能指令を記憶するように設定されたメモリとを備え、ここで、前記プロセッサは、前記実行可能指令を実行することによって、上記のいずれかに記載のデータを再構成する方法を実行するように設定される。
【0016】
本出願の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体も提供され、前記コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、ここで、前記コンピュータプログラムが実行されると、前記コンピュータ可読記憶媒体が配置された装置を制御して、上記いずれかに記載のデータ再構成方法を実行する。
【0017】
本出願において、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得することにより、投影光学装置は、走査対象物の表面に複数の画像シーケンスを投影し、各画像シーケンスは1つ以上の画像を含み、投影光学装置は、任意の画像シーケンスの画像が他の画像シーケンスの画像と同一で輝度レベルのみが異なるように、予め設定された条件に従って調整され、本実施例において、投影光学装置は、予め設定された条件に従って露光時間を調整し、すなわち、投影光学装置は、第一露光時間に基づいて1セットの画像シーケンスを投影し、第二露光時間に基づいて1セットの画像シーケンスを投影し、画像取得装置は、走査対象物の表面の画像シーケンスを取得し、画像取得装置は、それによって異なる輝度レベルの画像シーケンスを取得し、異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスセットに基づいて、画像の融合および三次元再構成を実行し、走査対象物の三次元データを生成する。本出願において、走査中、局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスによって画像の融合および三次元再構成を行うことで、明暗の異なる走査対象物でも高品質な三次元データを取得することができ、これにより、関連技術において、口腔内スキャナーが複数の角度から走査して口腔内歯科データを取得する際に、走査対象物が局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、カメラが均一な明るさの画像を取得できないという技術的問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に図示された添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を構成し、本発明の例示的な実施例およびその説明は、本発明を説明するために提供され、本発明の不当な制限を構成するものではない。
図1図1は、本発明の実施例によるデータを再構成する方法のフローチャートである。
図2図2は、本発明の実施例によるデータを再構成するシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、当業者が本発明の解決手段をよりよく理解できるようにするために、本発明の実施例における添付図面と併せて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得られた他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0020】
本発明の明細書および特許請求の範囲ならびに上記添付図面における「第一」、「第二」等の用語は、類似の対象を区別するために用いられ、特定の順序または順番を説明するために用いる必要はないことに留意されたい。このように使用されるデータは、本明細書に記載された本発明の実施例が本明細書に図示または記載されたもの以外の順序で実施できるように、適切な場合には交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」および「備える」という用語、ならびにその任意の変形は、非排他的な包含を意図し、例えば、一連のステップまたはユニットからなるプロセス、方法、システム、製品または装置は、明確に記載されたそれらのステップまたはユニットに限定する必要はなく、明確に記載されていないまたはそれらのプロセス、方法、製品または装置に固有の他のステップまたはユニットを含む場合がある。
【0021】
当業者が本発明を理解するのを容易にするために、本発明の様々な実施例に関わる用語または名詞のいくつかを以下に説明する。
【0022】
口腔内デジタル印象装置は、口腔内3Dスキャナーとも呼ばれ、プロービング光学走査ヘッドで患者の口腔内に直接走査し、口腔内の歯、歯肉、粘膜などの軟組織および硬組織表面の三次元形態と色調の質感情報を得る装置である。投影光学装置でアクティブ光ストライプを投影し、画像取得装置でストライプを取得した後、アルゴリズム処理により三次元再構成とスティッチングを実行する。当然ながら、歯科用デジタル印象装置に使用される原理に制限はなく、例えば、顕微鏡共焦点イメージングなどの原理を使用してイメージング処理を行うことも可能である。
【0023】
投影光学装置は、DLP(デジタルライト処理、Digital Light Processionの略)投影技術を使用し、そしてデジタルマイクロミラーデバイス(DMD、Digital Micromirror Deviceの略)を重要な処理要素としてデジタル光学プロセスを実現する。投影光学装置のピクセルサイズを小さくすることで、歯の隣接するストライプストライプ間の干渉を低減し、高精度のストライプストライプ中心線抽出アルゴリズムを使用してストライプストライプ間の排除できない相互作用を回避し、該技術は光の透過と拡散に対する歯自身のエナメル質の影響を大幅に低減させ、画像取得装置の光軸と投影光学装置の光軸との間の角度に対する調整により、歯または唾液の高反射特性を大幅に低減させる。
【0024】
本発明の実施例における口腔内3Dスキャナーは、第一走査モードと第二走査モードを統合し、歯と歯肉の三次元データを直接取得する際に、金属修復物などの反射率の高い材料に遭遇した場合に第二走査モードを起動する。第二走査モードは、DLPプロジェクタで投影輝度をリアルタイムに調整し、画像取得装置で露光パラメータとゲインパラメータをリアルタイムに調整することにより実現され、現在の走査位置で、DLPプロジェクタを少なくとも2つの輝度に設定し、そしてカメラ露出パラメータとゲインパラメータを適切に設定することで、同じ位置における複数段階の画像(輝度の高い画像および輝度の低い画像を含み、DLPプロジェクタの輝度レベルは、走査対象物の材料に応じて、例えばレベル2、3、4、5などで調整することができ、すなわち、3Dスキャナーの第二走査モードは、2つまたは3つまたは他の光学条件に基づいて走査することができる)を取得し、続いて、マルチレベル画像シーケンスを別々に三次元再構成し、マルチレベル画像シーケンスから再構成した三次元データをより完全な三次元データに融合し、またはマルチレベル画像シーケンスを融合してより完全な画像シーケンスを得た後、三次元再構成して完全な三次元データを得る。このモードでは、異なる輝度レベルの少なくとも2つの画像シーケンスが必要であり、このモードは局所的な高輝度領域にのみ使用され、ハイライト部分に対して第一走査モードから第二走査モードに切り替えることで、反射率の高い状況でのリアルタイム走査の要件を満たすことができる。第一走査モードは、DLPプロジェクタと画像取得装置の光学パラメータを変更せず、同じ位置の画像シーケンスの1つの輝度レベルのみを取り込むことで実現され、すなわち、通常の状況での走査に適した通常走査モードである。
【0025】
本実施例において、投影光学装置はDLPプロジェクタであり、画像取得装置はカメラである。
【0026】
本発明の実施例によれば、デジタル口腔データを取得する方法の実施例が提供され、添付図面のフローチャートに示されるステップは、コンピュータ実行可能指令のセットなどのコンピュータシステムで実行されてもよく、フローチャートには論理シーケンスが示されているが、場合によっては、示されるまたは説明されるステップは、ここに示されるものとは異なる順序で実行されてもよいことが留意される。
【0027】
図1は、本発明の実施例によるデータを再構成する方法のフローチャートであり、図1に示すとおり、該方法は、
走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得するステップS102と、
輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、走査対象物の三次元データを生成するステップS104と、を含む。
【0028】
上記ステップにより、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得し、投影光学装置は、複数の画像シーケンスを走査対象物の表面に投影し、各画像シーケンスは1つ以上の画像を含み、投影光学装置は、任意の画像シーケンスの画像が他の画像シーケンスの画像と同一で輝度レベルのみが異なるように、予め設定された条件に従って調整され、本実施例において、投影光学装置は、予め設定された条件に従って露光時間を調整し、すなわち、投影光学装置は、第一露光時間に基づいて1セットの画像シーケンスを投影し、第二露光時間に基づいて1セットの画像シーケンスを投影し、画像取得装置は、走査対象物の表面の画像シーケンスを取得し、画像取得装置は、それによって異なる輝度レベルの画像シーケンスを取得し、異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスセットに基づいて、画像の融合および三次元再構成を実行し、走査対象物の三次元データを生成する。該実施例において、走査中、局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスによって画像の融合および三次元再構成を行うことで、明暗の異なる走査対象物でも高品質な三次元データを取得することができ、これにより、関連技術において、口腔内スキャナーが複数の角度から走査して口腔内歯科データを取得する際に、走査対象物が局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、カメラが均一な明るさの画像を取得できないという技術的問題を解決する。
【0029】
本発明の実施例における走査対象は、口腔内3Dスキャナーおよびコンピュータを含むがこれらに限定されない走査システムであってもよい。口腔内3Dスキャナーは、DLPプロジェクタ、単眼モノクロカメラを含むがこれらに限定されない。当然ながら、DLPプロジェクタ、単眼モノクロカメラ、テクスチャカメラ、または、DLPプロジェクタ、双眼モノクロカメラなどの他の組み合わせも可能である。口腔内3Dスキャナーには、第一走査モードと第二走査モードが統合され、第一走査モードと第二走査モードを切り替えて、ハイライト部分を走査する。当然ながら、第二走査モードのみを含むことも可能であるし、他のタイプの走査モードを含むことも可能であり、かつ、第二走査モードを複数のモードに細分化でき、例えば、第二走査モードを第二走査モードAと第二走査モードBに細分化し、ここで、第二走査モードAには第一、第二、第三という3つの輝度レベルを含み、第二走査モードBには第四、第五という2つの輝度レベルを含む。
【0030】
なお、本発明の実施例における走査対象は、口腔内三次元走査システムに限定されず、義歯三次元走査システム、または他の三次元走査システムであってもよい。
【0031】
以下、上記各ステップに沿って本発明を詳細に説明する。
【0032】
ステップS102で、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得する。
【0033】
口腔内スキャナーは通常、修復、歯列矯正、インプラントなどのケースを走査することができる。修復ケースの分野では、口腔内3Dスキャナーで歯型データを取得する際、金属歯など過去に修復した義歯を装着した患者が多い。インプラントケースの分野では、口腔内3Dスキャナーは、患者の口腔内の歯のデータを取得しながら、欠損した位置にある走査棒およびアバットメントなどを直接走査でき、その材料は、反射率の高い金属、明るい白色の素材、チタン合金などを含む。修復された金属の歯と走査棒はどちらも反射率が高く、光学イメージング原理を利用した口腔内3Dスキャナーに多くの問題をもたらす。このような走査対象物に光が投影されるため、異なる角度で鏡面反射または光吸収が発生し、画像取得装置は露出過多の画像または暗すぎる画像しか取得できず、三次元再構成に画質の低い画像を導入するので、本発明の実施例は、走査対象物の同じ位置における異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスを取得することによって高品質の三次元データを取得することができる。
【0034】
投影光学装置は、光源の輝度(一般に、電流値を調整することによって光源の輝度を調整する)または露光パラメータを調整することによって投影光の輝度レベルを調整することができ、画像取得装置は、露光パラメータまたはゲインパラメータの調整により、取得した画像の輝度レベルを調整することができる。
【0035】
好ましくは、画像取得装置は、露光パラメータおよびゲインパラメータをリアルタイムで調整することにより、複数の画像シーケンスを取得する。本発明の実施例において、画像取得装置は、調整してもしなくてもよく、様々な輝度レベルの画像を撮影するために、投影光学装置を複数の輝度レベルに適応させることができればよい。ここで、露光パラメータは、露光時間を含む。
【0036】
口腔内3Dスキャナーは、異なる光学条件に基づいて同じ位置の複数の画像シーケンスを取得し、投影光学装置の光源輝度および/または露光パラメータを調整することにより、および/または、画像取得装置の露光パラメータおよび/またはゲインパラメータを調整することにより、口腔内3Dスキャナーの光学条件を調整し、具体的には、口腔内3Dスキャナーを少なくとも2段階以上の輝度レベルに設定し、同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンス、例えば高輝度画像と低輝度画像を取得する。投影光学装置の輝度レベルは、それぞれ2、3、4、5のレベルなど、材料に応じて調整することができ、異なる輝度レベルの画像をそれぞれ三次元再構成し、複数の三次元データを組み合わせてより完全な三次元データを取得し、または異なる輝度レベルの画像シーケンスを融合し、より完全な画像シーケンスを取得した後、三次元再構成して完全な三次元データを取得する。
【0037】
本発明の好ましい実施例として、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得することについて、投影光学装置が、異なる露光時間に基づいて測定対象物の表面に画像シーケンスを投影し、画像取得装置が、測定対象物の表面の画像シーケンスを同時に取得して異なる輝度レベルの画像シーケンスを取得するステップを含み、該ステップは以下を含み、投影光学装置は、第一露光時間に基づいて、第一セットの画像を測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、測定対象物表面の第一セットの画像を同時に取得し、ここで、第一セットの画像は、コードパータン、再構成パータンおよびテクスチャパータンを含み、投影光学装置は、第二露光時間に基づいて、第二セットの画像を測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、測定対象物表面の第二セットの画像を同時に取得し、ここで、第二セットの画像は、再構成パータンおよびテクスチャパータンを含み、および/または、投影光学装置は、第三露光時間に基づいて、第三セットの画像を測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、測定対象物表面の第三セットの画像を同時に取得し、ここで、第三セットの画像は、再構成パータンおよびテクスチャパータンを含む。なお、第二走査モードでは、3Dスキャナーは、異なる輝度レベルを有する複数の画像を取得するために、少なくとも2つの異なる光学条件に基づいて走査し、本実施例において、上述したように、3Dスキャナーが2つの光学条件に基づいて走査する場合、および3つの光学条件に基づいて走査する場合を掲載し、以下、3Dスキャナーが3つの光学条件に基づいて走査して3セットの画像シーケンスを取得することについて具体的に説明し、例えば、第二走査モードが2つの光学条件または他の数のタイプの光学条件を採用する場合、画像シーケンスに対する処理は、3セットの画像シーケンスに対する処理を参照することができる。
【0038】
本発明の実施例におけるテクスチャパータンは、赤単色画像、緑単色画像、および青単色画像を含み、赤、黄、青単色画像を組み合わせることによってテクスチャ画像を形成する。当然ながら、口腔内3Dスキャナーにテクスチャカメラが搭載されている場合、テクスチャパータンはテクスチャ画像となる。
【0039】
第一光学条件下で第一セットの画像を取得し、好ましくは、第一露光時間下で画像のシーケンスを取得し、それは、具体的には以下を含む。
【0040】
投影光学装置は、第一光学条件に基づいてコードパータンを測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、第一光学条件に基づいて測定対象物の表面で変調されたコードパータンを取得し、本実施例において、投影光学装置は第一光学条件に基づいて3つのコードパータンを連続的に投影し、カメラは第一光学条件に基づいて測定対象物の表面で変調された3つのコードパータンを同時に取得する。
【0041】
投影光学装置は、第一光学条件に基づいて再構成パータンを測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、第一光学条件に基づいて測定対象物の表面で変調された再構成パータンを取得し、本実施例において、投影光学装置は第一光学条件に基づいて3つの再構成パータンを連続的に投影し、カメラは第一光学条件に基づいて測定対象物の表面で変調された3つの再構成パータン(第一サブ再構成パータンA、第一サブ再構成パータンB、第一サブ再構成パータンC)を同時に取得する。
【0042】
投影光学装置は、第一光学条件に基づいてテクスチャパータンを測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、第一光学条件に基づいて測定対象物の表面で反射されたテクスチャパータンを取得し、本実施例において、投影光学装置は第一光学条件に基づいて3つのコードパータンを連続的に投影し、カメラは第一光学条件に基づいて測定対象物の表面で反射された3つのテクスチャパータンを同時に取得し、ここで、3つのテクスチャパータンは、赤単色画像、緑単色画像、青単色画像である。
【0043】
第二光学条件下で第二セットの画像を取得し、好ましくは、第二露光時間下で画像のシーケンスを取得し、それは、具体的には以下を含む。
【0044】
投影光学装置は、第二光学条件に基づいて再構成パータンを測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、第二光学条件に基づいて測定対象物の表面で変調された再構成パータンを取得し、本実施例において、投影光学装置は第二光学条件に基づいて3つの再構成パータンを連続的に投影し、画像取得装置は、第二光学条件に基づいて測定対象物の表面で変調された3つの再構成パータン(第二サブ再構成パータンA、第二サブ再構成パータンB、第二サブ再構成パータンC)を同時に取得する。
【0045】
投影光学装置は、第二光学条件に基づいてテクスチャパータンを測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、第二光学条件に基づいて測定対象物の表面で反射されたテクスチャパータンを取得し、本実施例において、投影光学装置は第二光学条件に基づいて3つのコードパータンを連続的に投影し、カメラは第二光学条件に基づいて測定対象物の表面で反射された3つのテクスチャパータンを同時に取得し、ここで、3つのテクスチャパータンは、赤単色画像、緑単色画像、青単色画像である。
【0046】
第三光学条件下で第三セットの画像を取得し、好ましくは、第三露光時間下で画像のシーケンスを取得し、それは、具体的には以下を含む。
【0047】
投影光学装置は、第三光学条件に基づいて再構成パータンを測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、第三光学条件に基づいて測定対象物の表面で変調された再構成パータンを取得し、本実施例において、投影光学装置は第三光学条件に基づいて3つの再構成パータンを連続的に投影し、カメラは第三光学条件に基づいて測定対象物の表面で変調された3つの再構成パータン(第三サブ再構成パータンA、第三サブ再構成パータンB、第三サブ再構成パータンC)を同時に取得する。
【0048】
投影光学装置は、第三光学条件に基づいてテクスチャパータンを測定対象物の表面に投影し、画像取得装置は、第三光学条件に基づいて測定対象物の表面で反射されたテクスチャパータンを取得し、本実施例において、投影光学装置は第三光学条件に基づいて3つのコードパータンを連続的に投影し、画像取得装置は、第三光学条件に基づいて測定対象物の表面で反射された3つのテクスチャパータンを同時に取得し、ここで、3つのテクスチャパータンは、赤単色画像、緑単色画像、青単色画像である。
【0049】
第一サブ再構成パータンA、第二サブ再構成パータンA、および第三サブ再構成パータンAは、同じストライプを有し、すなわち、画像は輝度レベルのみ一致する。第一サブ再構成パータンB、第二サブ再構成パータンB、および第三サブ再構成パータンBは、同じストライプを有し、すなわち、画像は輝度レベルのみ一致する。第一サブ再構成パータンC、第二サブ再構成パータンC、および第三サブ再構成パータンCは、同じストライプを有し、すなわち、画像は輝度レベルのみ一致する。
【0050】
第一サブ再構成パータンA、第二サブ再構成パータンA、および第三サブ再構成パータンAに基づいて再構成パータンAが融和され、第一サブ再構成パータンB、第二サブ再構成パータンB、および第三サブ再構成パータンBに基づいて再構成パータンBが融和され、第一サブ再構成パータンC、第二サブ再構成パータンC、および第三サブ再構成パータンCに基づいて再構成パータンCが融和され、本実施例において、第一サブ再構成パータン、第二サブ再構成パータン、および第三サブ再構成パータンは、グレー値の加重平均によって再構成パータンにそれぞれ融合され、それによって不良データが除去される。3つのコードパータンに基づいて、第一サブ再構成パータンA、第一サブ再構成パータンB、および第一サブ再構成パータンCのそれぞれのストライプを決定し、すなわち、再構成パータンA、再構成パータンB、および再構成パータンCのそれぞれのストライプを決定し、再構成パータンAおよびそのストライプシーケンスに基づいて測定対象物表面の部分点群Aを三次元的に再構成し、再構成パータンBおよびそのストライプシーケンスに基づいて測定対象物表面の部分点群Bを三次元的に再構成し、再構成パータンCおよびそのストライプシーケンスに基づいて測定対象物表面の部分点群Cを三次元的に再構成し、点群Aの一部、点群Bの一部、点群Cの一部が一つの密な点群を構成する。または、各サブ再構成パータンを別々に三次元的に再構成してから、各サブ再構成パータンの三次元再構成から得られた点群を融合し、具体的には、各点の座標の加重平均に基づいて融合され、不良データが除去される。
【0051】
第一光学条件下で取得した赤単色画像、第二光学条件下で取得した赤単色画像、および第三光学条件下で取得した赤単色画像に基づいて融合され、第一光学条件下で取得した緑単色画像、第二光学条件下で取得した緑単色画像、および第三光学条件下で取得した緑単色画像に基づいて融合され、第一光学条件下で取得した青単色画像、第二光学条件下で取得した青単色画像、および第三光学条件下で取得した青単色画像に基づいて融合され、本実施例において、赤単色画像、緑単色画像、および青単色画像の融和はそれぞれグレー値の加重平均により融合される。融合した赤単色画像、緑単色画像、および青単色画像に基づいてテクスチャパータンを合成する。または、第一光学条件下で得られた赤単色画像、緑単色画像、および青単色画像に基づいて第一テクスチャパータンを合成し、第二光学条件下で得られた赤単色画像、緑単色画像、および青単色画像に基づいて第二テクスチャパータンを合成し、第三光学条件下で得られた赤単色画像、緑単色画像、および青単色画像に基づいて第三テクスチャパータンを合成し、続いて、第一テクスチャパータン、第二テクスチャパータン、および第三テクスチャパータンに基づいて融和されてテクスチャパータンを形成し、第一テクスチャパータン、第二テクスチャパータン、および第三テクスチャパータンの融和はグレー値の加重平均により実現される。
【0052】
単一の密な点群とテクスチャ画像の間の対応関係は、再構成パータンとテクスチャパータンの画素点との間の対応関係に基づいて決定することができ、すなわち、単一の密な点群の各点に含まれるテクスチャ情報を決定することができる。
【0053】
本発明の実施例において、画像を取得するとき、第二走査モードで複数の画像シーケンスを取得し、同じ位置における異なる露光パラメータで露光して3つの画像シーケンスを取得し、そして画像を融和および三次元再構成し、これにより、口腔内3Dスキャナーが輝度の異なる材料の測定対象物に対する三次元データの取得に適し、高品質な三次元データを取得することが可能になる。
【0054】
上記実施例におけるコードパータンは、再構成パータンとして三次元再構成に設定することもでき、または、再構成パータンをコードパータンとして用いてコーデック計算に参加させることもできる。例えば、口腔内3Dスキャナーが第一走査モード(第一走査モード)で動作する場合、DLPプロジェクタ(投影光学装置)は8つの画像を連続的に投影し、単眼モノクロカメラ(画像取得装置)はDLPプロジェクタに対して8つの画像を同期的に取得し、コンピュータに送信し、コンピュータは8つの画像を処理し、そのうちの5つはストライプ画像、そのうちの3つはコードパータンとして使用し、各画像中の各ストライプのシーケンスを決定するように設定され、5つの画像は再構成パータンとしても使用でき、一般にストライプが密な3つの画像を再構成パータンとして使用され、再構成パータンは、ストライプのシーケンスに基づいて三次元再構成されて点群を得て、他の3つの画像はそれぞれ、赤単色画像(テクスチャパータン)、緑単色画像(テクスチャパータン)、青単色画像(テクスチャパータン)であり、3つの単色画像をテクスチャ画像に合成し、すなわち、点群に対応するテクスチャである。
【0055】
例えば、口腔内3Dスキャナーが第二走査モード(第一走査モード)で動作する場合、DLPプロジェクタは第一露光時間で8つの画像(3つのコードパータン+3つの再構成パータン+3つのテクスチャパータン、1つのコードパータンは再構成パータンと一致し、いずれもストライプ画像である)を連続的に投影し、画像取得装置は8つの画像を同期的に取得し、第二露光時間で6つの画像(3つの再構成パータン+3つの単色画像)を連続的に投影し、画像取得装置は6つの画像を同期的に取得し、異なる露光時間で取得した同一画像の3つの再構成パータンに基づいて融合処理してから三次元再構成し、9枚の単色画像からテクスチャ画像を合成する。当然ながら、異なる露光時間で取得した同一画像に基づく3つの再構成パータンを個別に点群再構成してから融合することも可能である。
【0056】
本発明の実施例において、各画像の投影順序は限定されない。
【0057】
ステップS104で、輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、走査対象物の三次元データを生成する。
【0058】
本発明の実施例において、輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを得た後、最初に画像を融合してから3D再構成することができる。当然ながら、最初に3D再構成してから画像を融合することもできる。画像の融合と三次元再構成が完了すると、走査対象物の三次元データが生成される。
【0059】
好ましくは、輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、走査対象物の三次元データを生成するステップは、第一セットの画像、第二セットの画像、および第三セットの画像を融合するステップと、融合した画像を三次元再構成して走査対象物の三次元データを生成するステップとを含み、ここで、三次元データは点群データおよび/またはテクスチャデータ(すなわち、テクスチャ画像)を含む。
【0060】
上記の3つの露光時間で取得した画像に対応して、画像の融合および三次元再構成を行う際に、異なる露光時間の画像に対して一回の三次元再構成を行うことができ、露光時間の異なる画像を用いて走査対象物の三次元データを直接生成する。
【0061】
また、3つの露光時間で取得した画像をそれぞれ点群として再構成してから融合することも可能である。
【0062】
本発明の実施例において、輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスに基づいて、画像の融合と三次元再構成を行い、走査対象物の三次元データを生成するステップは、さらに、第一セットの画像、第二セットの画像、および第三セットの画像をそれぞれ点群として再構成するステップと、点群再構成の再構成結果を融合して、走査対象物の三次元データを生成するステップとを含む。
【0063】
本発明の好ましい実施例として、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得する前に、さらに、走査対象物の表面の画像を取得し、画像の均一性を評価するステップと、画像の均一性が均一である場合、第一走査モードを起動するステップと、画像の均一性が不均一である場合、第二走査モードを起動するステップとを含み、ここで、第二走査モードは、走査対象物の同じ位置における異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスを取得し、そして融合して三次元再構成を実行するモードである。ここで、第二走査モードは、反射率の高い走査対象物を異なる光学条件で走査する、反射率の高い状況に適した走査モードとして理解することができる。
【0064】
本発明の実施例において、各セットの画像シーケンスが取得されるたびに、1つのスレッドで該セットの画像シーケンスを三次元再構成および融合として設定し、別のスレッドで画像シーケンスの均一性を評価し、均一性評価の結果に基づいて次の画像シーケンス取得用の走査モードを決定し、ここで、均一性評価は、画像シーケンス内のいずれかの画像のグレー値に著しい変化があるかどうかに従って決定され、好ましくは、画像シーケンス内のいずれかの画像の再構成領域のグレー値に著しい変化があるかどうかに従って決定される。画像の均一性評価の結果が均一である場合、第一走査モードで走査対象物を走査し、画像の均一性評価の結果が不均一である場合、第二走査モードで走査対象物を走査する。
【0065】
また、画像シーケンスの輝度レベルは、前記画像の不均一性によって決定され、第二走査モードで口腔内3Dスキャナーが採用する輝度レベルは、画像の不均一性によって決定され、すなわち、画像の不均一性の度合いによって、口腔内3Dスキャナーが第二走査モードAを使用するか、第二走査モードBを使用するかを決定する。好ましくは、第一走査モードは、予め設定された第四光学条件に基づいて画像シーケンスを取得することであって、ここで、画像シーケンスは、コードパータン、再構成パータンおよびテクスチャパータンを含むこと、コードパータンおよび再構成パータンに基づいて三次元再構成を実行して点群画像を取得し、テクスチャパータンに基づいてテクスチャ画像を取得することであって、ここで、前記テクスチャ画像は点群画像に対応することである。なお、第四光学条件は、第二走査モードにおけるいずれかの光学条件と同じであってもよいが、当然ながら、異なってもよいことに留意されたい。
【0066】
本発明の実施例において、第一走査モードは、次のように理解でき、スキャナーは、デフォルトの光学条件に従ってコードパータン、再構成パータン、テクスチャパータンを取得し、コードパータンは符号化ストライプ画像、再構成パータンは密なストライプ画像、テクスチャパータンは単色画像であり、コードパータンは再構成パータンの各ストライプのシーケンスを決定するように設定され、再構成パータンはストライプのシーケンスに基づいて3D再構成して点群データを取得し、3色の単色画像からトゥルーカラーテクスチャ画像を合成する。第二走査モードは、次のように理解でき、スキャナーは、複数の光学条件に従ってコードパータン、再構成パータン、テクスチャパータンを取得し、融合と三次元再構成によって点群データおよびテクスチャデータを取得する。
【0067】
図2は、本発明の実施例によるデータを再構成するシステムの概略図であり、図2に示すとおり、該システムは、投影光学装置21、画像取得装置23、およびプロセッサ25を含むことができ、ここで、投影光学装置21は、予め設定された条件に従って光学条件を調整し、異なる輝度レベルの画像シーケンスを走査対象物に投影し、具体的には、投影光の輝度を調整するために、予め設定された条件に従って露光時間を調整する。ここで、投影光学装置は、DLPベースのデジタル光処理技術で光源の輝度を調整でき、すなわち、投影光学装置は、DLPプロジェクタであり、DLPプロジェクタは、光源の輝度を調整することで投影光の輝度を調整する。
【0068】
画像取得装置23は、走査対象物上の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得する。該画像取得装置は、単眼モノクロカメラ、テクスチャカメラ、双眼モノクロカメラなどを含むがこれらに限定されるものではない。
【0069】
プロセッサ25は、投影光学装置および画像取得装置とそれぞれ通信し、異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスに基づいて画像融合および3D再構成を行い、走査対象物の三次元データを生成するように設定される。
【0070】
上記データ再構成システムは、投影光学装置21により、走査対象物に投影される光の輝度を調整するために予め設定された条件に従って露光時間を調整し、画像取得装置23により走査対象物の同じ位置における異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスを取得し、プロセッサ25により投影光学装置および画像取得装置とそれぞれ通信し、異なる輝度レベルの複数の画像シーケンスに基づいて画像融合および3D再構成を行い、走査対象物の三次元データを生成する。該実施例において、走査中、局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスによって画像の融合および三次元再構成を行うことで、明暗の異なる走査対象物でも高品質な三次元データを取得することができ、これにより、関連技術において、口腔内スキャナーが複数の角度から走査して口腔内歯科データを取得する際に、走査対象物が局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、カメラが均一な明るさの画像を取得できないという技術的問題を解決する。
【0071】
本発明の実施例の別の態様によれば、プロセッサも提供され、それは、プロセッサと、プロセッサの実行可能指令を記憶するように設定されたメモリとを備え、ここで、プロセッサは、実行可能指令を実行することによって、上記のいずれかに記載のデータを再構成する方法を実行するように設定される。
【0072】
本発明の実施例の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体も提供され、コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、ここで、コンピュータプログラムが実行されると、コンピュータ可読記憶媒体が配置された装置を制御して、上記いずれかに記載のデータ再構成方法を実行する。
【0073】
上記本発明の実施例における番号は、説明のためのものであり、実施例の長所または短所を表すものではない。
【0074】
本発明の上記実施例において、各実施例はそれぞれ着目して説明され、ある実施例について詳細に説明しない部分は、他の実施例の関連する説明を参照することができる。
【0075】
本出願で提供されるいくつかの実施例において、開示される技術内容は、他の方法で実施できることを理解されたい。ここで、上述した装置の実施例は例示に過ぎず、例えば、ユニットの分割は、論理的な機能分割とすることができ、実際には別の方法で実施することができ、例えば、複数のユニットまたはコンポーネントを組み合わせることができ、または別のシステムに組み込むことができ、または一部の機能を無視するか、または実行しないことができる。別の点では、図示または議論された相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインタフェース、ユニットまたはモジュールの間接結合または通信接続を介することができ、電気的またはその他の方法で行うこともできる。
【0076】
別個の構成要素として説明された前記ユニットは、物理的に分離されていてもいなくてもよく、ユニットとして表示された構成要素は、物理的なユニットであってもなくてもよく、すなわち、一箇所に配置されてもよく、複数のユニットに配置されてもよい。これらのユニットの一部または全部は、本実施例の解決手段の目的を達成するために実用上の必要性に応じて選択することができる。
【0077】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、単一の処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットが物理的に別々に存在してもよいし、2つ以上のユニットが単一のユニットに統合されてもよい。上記統合ユニットは、ハードウェアの形態で、またはソフトウェア機能ユニットの形態で実装することができる。
【0078】
前記統合ユニットは、ソフトウェア機能ユニットとして実装され、独立した製品として販売または使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術的解決手段の本質または従来技術に寄与する部分、または該技術的解決手段の全体または一部は、ソフトウェア製品の形態で具現化されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバまたはネットワークデバイスなどであってもよい)が、本発明の各実施例で説明した方法のステップのすべてまたは一部を実行できるようにするための複数のコマンドを含む。前記記憶媒体は、USBメモリ、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、モバイルハードディスク、磁気ディスク、光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種媒体を含む。
【0079】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、当業者にとっては、本発明の原理から逸脱することなく、多くの改良および装飾が可能であり、これらの改良および装飾も本発明の保護範囲内とみなされることに留意されたい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本出願の実施例によって提供される解決手段は、走査対象物の三次元データを取得するために使用でき、走査中、局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスによって画像の融合および三次元再構成を行うことで、明暗の異なる走査対象物でも高品質な三次元データを取得することができ、本出願の実施例によって提供される解決手段では、走査対象物の同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスを取得することにより、投影光学装置は、走査対象物の表面に複数の画像シーケンスを投影し、各画像シーケンスは1つ以上の画像を含み、投影光学装置は、任意の画像シーケンスの画像が他の画像シーケンスの画像と同一で輝度レベルのみが異なるように、予め設定された条件に従って調整され、同じ位置における輝度レベルの異なる複数の画像シーケンスによって画像の融合および三次元再構成を行うことで、明暗の異なる走査対象物でも高品質な三次元データを取得することができ、関連技術において、口腔内スキャナーが複数の角度から走査して口腔内歯科データを取得する際に、走査対象物が局所的に高輝度領域または超暗闇領域があると、カメラが均一な明るさの画像を取得できないという技術的問題を解決する。
図1
図2