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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】反射防止コーティング付き複合フィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/20 20060101AFI20240909BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20240909BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240909BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20240909BHJP
   G02B 1/111 20150101ALI20240909BHJP
   G02B 1/18 20150101ALI20240909BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240909BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
B32B27/20 Z
B05D7/00 K
B05D7/24 303A
B05D5/06 D
G02B1/111
G02B1/18
C09D7/61
C09D201/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023532110
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2021072718
(87)【国際公開番号】W WO2022126076
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】63/122,995
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Saint-Gobain Performance Plastics, Corporation
【住所又は居所原語表記】31500 Solon Road Solon, 44139 OH USA
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ヨンチョン
【審査官】大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-001869(JP,A)
【文献】特開2020-134941(JP,A)
【文献】特開2013-076969(JP,A)
【文献】特開2004-142161(JP,A)
【文献】特開2009-204728(JP,A)
【文献】特表2018-533067(JP,A)
【文献】特表2012-514238(JP,A)
【文献】特表2021-530728(JP,A)
【文献】特開2020-166236(JP,A)
【文献】特開2010-152311(JP,A)
【文献】特開2007-271954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
G02B 1/10- 1/18
B05D 1/00- 7/26
C09D 1/00-10/00
C09D 101/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合フィルムであって、
第1の透明基材と、
前記第1の透明基材の第1の表面を覆う第1の反射防止コーティングと、を備え、
前記第1の反射防止コーティングが、第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含み、
前記第1の微粒子フィラー成分が、中空シリカナノ粒子を含み、
前記複合フィルムが、少なくとも4.0%のVLTを有し、
前記複合フィルムが、少なくとも0°の水接触角を有し、
前記複合フィルムが、少なくとも0.5%から2.0%以下までのヘイズを更に備える、複合フィルム。
【請求項2】
複合フィルムであって、
第1の透明基材と、
前記第1の透明基材の第1の表面を覆う第1の反射防止コーティングと、備え、
前記第1の反射防止コーティングが、第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含み、
前記第1の微粒子フィラー成分が、中空シリカナノ粒子を含み、
前記複合フィルムが、少なくとも4.0%のVLTを有し、
前記複合フィルムが、少なくとも0°の水接触角を有し、
前記複合フィルムが、少なくとも0.5%から2.0%以下までのヘイズを更に備える、複合フィルム。
【請求項3】
前記複合フィルムが、少なくとも4.0%から9.9%以下までのVLTを更に備える、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項4】
前記複合フィルムが、550nmで測定して、少なくとも.5%から.0%以下までの反射率を更に備える、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項5】
前記複合フィルムが、前記第1の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも0.0重量%から0.0重量%以下までの濃度で前記第1のバインダー成分を備える、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項6】
前記第1のバインダー成分が、UV硬化性バインダーを含む、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項7】
前記複合フィルムが、前記第1の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも0.0重量%から0.0重量%以下までの濃度で前記第1の微粒子フィラー成分を備える、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項8】
前記複合フィルムが、前記第1の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも0.0重量%から0.0重量%以下までの濃度で前記中空シリカナノ粒子を備える、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項9】
前記第1の微粒子フィラー成分が、少なくとも20nmから00nm以下までの平均粒径を有する、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項10】
前記中空シリカナノ粒子が、少なくとも20nmから00nm以下までの平均粒径を有する、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項11】
前記中空シリカナノ粒子は、球状ナノ粒子である、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項12】
前記複合フィルムが、第1の防汚添加剤を更に備える、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項13】
前記第1の反射防止コーティングが、少なくとも0nmから00nm以下までの厚さを有する、請求項1及び2のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【請求項14】
複合フィルムを形成する方法であって、前記方法が、
第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含む活性コーティング混合物を含む第1の反射防止コーティング配合物を提供することと、
前記反射防止コーティング配合物を第1の透明基材に塗布することと、
前記反射防止コーティング配合物を乾燥させて、前記第1の透明基材を覆う第1の反射防止コーティングを形成することと、を含み、
前記複合フィルムが、少なくとも0.5%から2.0%以下までのヘイズを更に備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合フィルムに関する。特に、本開示は、特定の太陽エネルギー及び光学特性を有する反射防止コーティングを施した複合フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合フィルムは、ガラスを強化し、透過、反射、及び吸収により太陽放射の通過を制御するために、様々なガラス構成要素に塗布される被覆として使用することができる。特定の複合フィルムの用途、例えば、医療用フード、保護シールド及び保護ガラスを含む医療用ガラス構成要素上への塗布又はその被覆の場合、複合フィルムは、高い可視光透過率(Visible Light Transmittance、「VLT」)、低いヘイズ値及び低い反射率を示す必要がある。この特徴の組合せは、特定のシステムにとって非常に重要である。よって、そのような用途で使用するための改善された複合フィルムが引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様によれば、複合フィルムは、第1の透明基材と、第1の透明基材の第1の表面を覆う第1の反射防止コーティングとを含み得る。第1の反射防止コーティングは、第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含み得る。第1の微粒子フィラー成分は、中空シリカナノ粒子を含み得る。複合フィルムは、少なくとも約94.0%のVLT及び少なくとも約70°の水接触角を更に有し得る。
【0004】
更に別の態様によれば、複合フィルムは、第1の透明基材と、第1の透明基材の第1の表面を覆う第1の反射防止コーティングとを含み得る。第1の反射防止コーティングは、第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含み得る。第1の微粒子フィラー成分は、中空シリカナノ粒子を含み得る。複合フィルムは、少なくとも約94.0%のVLT及び少なくとも約80°の水接触角を更に有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態は、例として示されており、添付の図面に限定されない。
図1】本明細書に記載の特定の実施形態に係る例示的な複合フィルムの図を示す。
図2】本明細書に記載の特定の実施形態に係る別の例示的な複合フィルムの図を示す。
図3】本明細書に記載の特定の実施形態に係る別の例示的な複合フィルムの図を示す。
図4】本明細書に記載の特定の実施形態に係る別の例示的な複合フィルムの図を示す。
図5a】本明細書に記載の特定の実施形態に係る別の例示的な複合フィルムの図を示す。
図5b】本明細書に記載の特定の実施形態に係る別の例示的な複合フィルムの図を示す。
図6a】本明細書に記載の特定の実施形態に係る別の例示的な複合フィルムの図を示す。
図6b】本明細書に記載の特定の実施形態に係る別の例示的な複合フィルムの図を示す。 当業者は、図中の要素が簡略化及び明瞭化を目的として例解されており、必ずしも縮尺どおりに描画されていないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の考察は、教示の特定の実施態様及び実施形態に焦点を当てている。詳細な説明は、特定の実施形態を説明するのを助けるために提供されており、本開示又は教示の範囲又は適用性に関する限定として解釈されるべきではない。本明細書で提供される本開示及び教示に基づいて、他の実施形態を使用することができることが理解されよう。
【0007】
「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、特徴のリストを含む方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるものではないが、明示的に列挙されていない他の特徴、又はそのような方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は(or)」は、包含的なorを指し、排他的なorを指すのではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)、Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、Bが真である(又は存在する)、及び、AとBとの両方が真である(又は存在する)。
【0008】
また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、そうでないことを意味することが明らかでない限り、1つ、少なくとも1つ、又は単数形が複数形も含むものとして、又はその逆として理解されるべきである。例えば、単一の物品が本明細書に記載されている場合、単一の物品の代わりに2つ以上の物品を使用することができる。同様に、2つ以上の物品が本明細書に記載されている場合、その2つ以上の物品を単一の物品に置き換えることができる。
【0009】
本明細書で使用するとき、用語「可視光透過率」、すなわち「VLT」は、BYK社製のHaze Gard機器を使用することによって、T-H ASTM C法に従って測定され得る、複合積層体/透明基材系を透過した光のうち、ヒトの眼に見える全光(すなわち、380nm~780ナノメートルの波長を持つ光)の比率を指す。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「ヘイズ値」は、BYK社製のHaze Gard機器を使用して、T-H ASTM-C法に従って測定され得る、複合フィルムを透過した光のうち、入射ビームの方向から2.5°より大きく偏向された光の割合を指す。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「反射率」は、HunterLab社製機器を使用することによってASTM E-1349に従って測定され得る、光源によって照射されたときに複合フィルム表面から反射される可視光の尺度を指す。
【0012】
本明細書に記載の実施形態は概して、第1の透明基材と第1の反射防止コーティングとを含む複合フィルムに関する。反射防止コーティングは、第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含み得る。第1の微粒子フィラー成分は、中空シリカナノ粒子を含み得る。本明細書に記載の実施形態に従って形成された複合フィルムは、高いVLT及び低いヘイズなどの特定の特性を有し得る。
【0013】
これらの概念は、本発明の範囲を限定するのではなく例示する以下に記載の実施形態を考慮するとより良く理解することができる。
【0014】
図1は、本明細書に記載の実施形態に係る例示的な複合フィルム100の一部分の断面図を示す。図1に示すように、複合フィルム100は、第1の透明基材110と、第1の透明基材110の第1の表面112を覆う第1の反射防止コーティング120とを含み得る。
【0015】
特定の実施形態によれば、複合フィルム100は、特定のVLTを有し得る。例えば、複合フィルム100は、例えば、少なくとも約94.5%、又は少なくとも約95.5%、又は少なくとも約96.0%、又は少なくとも約96.5%、又は少なくとも約97.0%、又は少なくとも約97.5%、又は少なくとも約98.0%、又は少なくとも約98.5%、又は更には少なくとも約99%など、少なくとも約94.0%のVLTを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム100は、例えば、約99.8%以下、又は更には約99.7%以下など、約99.9%以下のVLTを有し得る。複合フィルム100は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のVLTを有し得ることが理解されよう。複合フィルム100は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のVLTを有し得ることが更に理解されよう。
【0016】
更に他の実施形態によれば、複合フィルム100は、特定のヘイズを有し得る。例えば、複合フィルム100は、例えば、少なくとも約0.6%、又は少なくとも約0.7%、又は更には少なくとも約0.8%など、少なくとも約0.5%のヘイズを有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム100は、例えば、約1.9%以下、又は約1.8%以下、又は約1.7%以下、又は約1.6%以下、又は更には約1.5%以下など、約2.0%以下のヘイズを有し得る。複合フィルム100は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のヘイズを有し得ることが理解されよう。複合フィルム100は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のヘイズを有し得ることが更に理解されよう。
【0017】
更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム100は、特定の反射率を有し得る。例えば、複合フィルム100は、550nmで測定して、例えば、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.1%、少なくとも約3.2%、少なくとも約3.3%、少なくとも約3.4%、又は更には少なくとも約3.5%など、少なくとも約1.5%の反射率を有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム100は、550nmで測定して、例えば、約6.9%以下、又は約6.8%以下、又は約6.7%以下、又は約6.6%以下、又は約6.5%以下、又は約6.4%以下、又は約6.3%以下、又は約6.2%以下、又は約6.1%以下、又は約6.0%以下、又は約5.9%以下、又は約5.8%以下、又は約5.7%以下、又は約5.6%以下、又は約5.5%以下、又は約5.4%以下、又は約5.3%以下、又は約5.2%以下、又は約5.1%以下、又は更には約5.0%以下など、約7.0%以下の反射率を有し得る。複合フィルム100は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の反射率を有し得ることが理解されよう。複合フィルム100は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の反射率を有し得ることが更に理解されよう。
【0018】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、特定の第1のバインダー成分濃度を有し得る。例えば、第1の反射防止コーティング120は、第1の反射防止コーティング120の総重量に対して、例えば、少なくとも約31.0重量%、又は少なくとも約32.0重量%、又は少なくとも約33.0重量%、又は少なくとも約34.0重量%、又は少なくとも約35.0重量%、又は少なくとも約36.0重量%、又は少なくとも約37.0重量%、又は少なくとも約38.0重量%、又は少なくとも約39.0重量%、又は少なくとも約40.0重量%、又は少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は更には少なくとも約44.0重量%など、少なくとも約30重量%の第1のバインダー成分濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、第1の反射防止コーティング120の総重量に対して、例えば、約59重量%以下、又は約58.0重量%以下、又は約57.0重量%以下、又は約56.0重量%以下、又は約55.0重量%以下、又は約54.0重量%以下、又は約53.0重量%以下、又は約52.0重量%以下、又は約51.0重量%以下、又は約50.0重量%以下、又は約49.0重量%以下、又は更には約48.0重量%以下など、約60重量%以下の第1のバインダー成分濃度を有し得る。第1の反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の第1のバインダー成分濃度を有し得ることが理解されよう。第1の反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第1のバインダー成分濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0019】
特定の実施形態によれば、第1のバインダー成分は、特定の材料を含み得る。例えば、第1のバインダー成分は、UV硬化性バインダーを含み得る。更に他の実施形態によれば、第1のバインダー成分は、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート及びフッ素化アクリレートなどのUV硬化性アクリレートを含み得る。
【0020】
更に他の実施形態によれば、第1のバインダー成分は、他の特定の材料を含み得る。例えば、第1のバインダー成分は、硬化性ポリマーバインダーを含み得る。特定の実施形態によれば、第1のバインダー成分は、アクリルバインダー、ポリエステルバインダー、エポキシバインダーを含み得る。
【0021】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、特定の第1の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。例えば、第1の反射防止コーティング120は、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は少なくとも約44.0重量%、又は少なくとも約45.0重量%、又は少なくとも約46.0重量%、又は少なくとも約47.0重量%、又は少なくとも約48.0重量%、又は少なくとも約49.0重量%、又は少なくとも約50.0重量%、又は少なくとも約51.0重量%、又は少なくとも約52.0重量%、又は少なくとも約53.0重量%、又は更には少なくとも約54.0重量%など、少なくとも約40重量%の第1の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約69重量%以下、又は約68.0重量%以下、又は約67.0重量%以下、又は約66.0重量%以下、又は約65.0重量%以下、又は約64.0重量%以下、又は約63.0重量%以下、又は約62.0重量%以下、又は約61.0重量%以下、又は約60.0重量%以下、又は約59.0重量%以下、又は更には約58.0重量%以下など、約70重量%以下の第1の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。第1の反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の第1の微粒子フィラー成分濃度を有し得ることが理解されよう。第1の反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第1の微粒子フィラー成分濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0022】
更にもう1つの他の実施形態によれば、Microtrac社製粒子分析装置を使用して測定すると、第1の微粒子フィラー成分は、特定の平均粒径を有し得る。例えば、第1の微粒子フィラー成分は、例えば、少なくとも約125nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約135nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約145nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約155nm、又は更には少なくとも約160nmなど、少なくとも約120nmの平均粒径を有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第1の微粒子フィラー成分は、例えば、約195nm以下、又は約190nm以下、又は約185以下、又は約180nm以下、又は約175nm以下、又は更には約170nm以下など、約200nm以下の平均粒径を有し得る。第1の微粒子フィラー成分の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内であり得ることが理解されよう。第1の微粒子フィラー成分の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0023】
特定の実施形態によれば、第1のフィラー成分は、中空シリカナノ粒子を含み得る。他の実施形態によれば、中空シリカナノ粒子は、球状ナノ粒子であり得る。
【0024】
更にもう1つの他の実施形態によれば、Microtrac社製粒子分析装置を使用した測定によれば、中空シリカナノ粒子は、特定の平均粒径を有し得る。例えば、中空シリカナノ粒子は、例えば、少なくとも約125nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約135nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約145nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約155nm、又は更には少なくとも約160nmなど、少なくとも約120nmの平均粒径を有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、中空シリカナノ粒子は、例えば、約195nm以下、又は約190nm以下、又は約185以下、又は約180nm以下、又は約175nm以下、又は更には約170nm以下など、約200nm以下の平均粒径を有し得る。中空シリカナノ粒子の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内であり得ることが理解されよう。中空シリカナノ粒子の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0025】
他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、特定の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。例えば、第1の反射防止コーティング120は、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は少なくとも約44.0重量%、又は少なくとも約45.0重量%、又は少なくとも約46.0重量%、又は少なくとも約47.0重量%、又は少なくとも約48.0重量%、又は少なくとも約49.0重量%、又は少なくとも約50.0重量%、又は少なくとも約51.0重量%、又は少なくとも約52.0重量%、又は少なくとも約53.0重量%、又は更には少なくとも約54.0重量%など、少なくとも約40重量%の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約69重量%以下、又は約68.0重量%以下、又は約67.0重量%以下、又は約66.0重量%以下、又は約65.0重量%以下、又は約64.0重量%以下、又は約63.0重量%以下、又は約62.0重量%以下、又は約61.0重量%以下、又は約60.0重量%以下、又は約59.0重量%以下、又は更には約58.0重量%以下など、約70重量%以下の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。第1の反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の中空シリカナノ粒子濃度を有し得ることが理解されよう。第1の反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の中空シリカナノ粒子濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0026】
他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、第1の防汚添加剤を更に含み得る。
【0027】
特定の実施形態によれば、第1の防汚添加剤は、シリコーンアクリレート、フルオロアクリレート、又はフッ素化ポリ(メタ)アクリレートを含み得る。
【0028】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、特定の第1の防汚添加剤濃度を有し得る。例えば、第1の反射防止コーティング120は、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約11重量%、又は少なくとも約12重量%、又は少なくとも約13重量%、又は少なくとも約14重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約16重量%、又は少なくとも約17重量%、又は少なくとも約18重量%、又は少なくとも約19重量%、又は更には少なくとも約20重量%など、少なくとも約10重量%の第1の防汚添加剤濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約39重量%以下、又は約38重量%以下、又は約37重量%以下、又は約36重量%以下、又は約35重量%以下、又は約34重量%以下、又は約33重量%以下、又は約32重量%以下、又は約31重量%以下、又は約30重量%以下、又は約29重量%以下、又は約28重量%以下、又は約27重量%以下、又は約26重量%以下、又は更には約25重量%以下など、約40重量%以下の第1の防汚添加剤濃度を有し得る。第1の反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の第1の防汚添加剤濃度を有し得ることが理解されよう。第1の反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第1の防汚添加剤濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0029】
更に他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、特定の厚さを有し得る。例えば、第1の反射防止コーティング120は、例えば、少なくとも約60nm、又は少なくとも約70nm、又は少なくとも約80nm、又は少なくとも約90nm、又は少なくとも約100nm、又は少なくとも約110nm、又は少なくとも約120nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約160nm、又は少なくとも約170nm、又は少なくとも約180nm、又は少なくとも約190nm、又は更には少なくとも約200nmなど、少なくとも約50nmの厚さを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第1の反射防止コーティング120は、約500nm以下、約490nm以下、又は約480nm以下、又は約470nm以下、又は約460nm以下、約450nm以下、又は約440nm以下、又は約430nm以下、又は約420nm以下、又は約410nm以下、又は約400nm以下、又は約390nm以下、又は約380nm以下、又は約370nm以下、又は約360nm以下、又は約350nmル以下、又は約340nm以下、又は約330nm以下、又は約320nm以下、又は約310nm以下、又は更には約300nm以下の厚さを有し得る。反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の厚さを有し得ることが理解されよう。反射防止コーティング120は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の厚さを有し得ることが更に理解されよう。
【0030】
更に他の実施形態によれば、第1の透明基材110は、特定の厚さを有し得る。例えば、第1の透明基材110は、例えば、少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は更には少なくとも約10ミルなど、少なくとも約5ミルの厚さを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第1の透明基材110は、例えば、約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下など、約15ミル以下の厚さを有し得る。第1の透明基材110の厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む範囲内であり得ることが理解されよう。第1の透明基材110の厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0031】
更に他の実施形態によれば、第1の透明基材110は、接着剤によって一体に積層された複数の透明フィルムであり得る。例えば、第1の透明基材110は、接着剤によって一体に積層された少なくとも2枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも3枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも4枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも5枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも6枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも7枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも8枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも9枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも10枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも11枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも12枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも13枚のフィルム、又は接着剤によって一体に積層された少なくとも14枚又は更には15枚のフィルムであり得る。
【0032】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第1の透明基材110は、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)フィルムを含み得る。更に他の実施形態によれば、第1の透明基材110は、PETフィルムで構成され得る。他の実施形態によれば、透明基材110は、光学的にクリアなPETフィルムを含み得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、透明基材110は、光学的にクリアなPETフィルムで構成され得る。他の実施形態によれば、透明基材110は、単一層の光学的にクリアなPETフィルムを含み得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、透明基材110は、単一層の光学的にクリアなPETフィルムで構成され得る。
【0033】
更に他の実施形態によれば、第1の透明基材110のPETフィルムは、特定の厚さを有し得る。例えば、第1の透明基材110のPETフィルムは、例えば、少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は更には少なくとも約10ミルなど、少なくとも約5ミルの厚さを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第1の透明基材110のPETフィルムは、例えば、約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下など、約15ミル以下の厚さを有し得る。第1の透明基材110のPETフィルムの厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む範囲内であり得ることが理解されよう。第1の透明基材110のPETフィルムの厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0034】
図2は、本明細書に記載の実施形態に係る別の例示的な複合フィルム200の一部分の断面図を示す。図2に示すように、複合フィルム200は、第1の透明基材210と、第1の透明基材201の第1の表面212を覆う第1の反射防止コーティング220と、第1の透明基材210の第2の表面214を覆う第2の反射防止コーティング230とを含み得る。
【0035】
複合フィルム200、及び図2に図示の複合フィルム200に関して説明される全ての構成要素は、図1の対応する構成要素に関連して本明細書に説明したどの特性も有し得ることが理解されよう。特に、図2に図示の複合フィルム200、透明基材210、及び第1の反射防止コーティング220の特性は、それぞれ、図2に図示の複合フィルム100、透明基材110、及び第1の反射防止コーティング120に関連して本明細書に説明したどの対応する特性も有し得る。
【0036】
特定の実施形態によれば、複合フィルム200は、特定のVLTを有し得る。例えば、複合フィルム200は、例えば、少なくとも約94.5%、又は少なくとも約95.5%、又は少なくとも約96.0%、又は少なくとも約96.5%、又は少なくとも約97.0%、又は少なくとも約97.5%、又は少なくとも約98.0%、又は少なくとも約98.5%、又は更には少なくとも約99%など、少なくとも約94.0%のVLTを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム200は、例えば、約99.8%以下、又は更には約99.7%以下など、約99.9%以下のVLTを有し得る。複合フィルム200は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のVLTを有し得ることが理解されよう。複合フィルム200は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のVLTを有し得ることが更に理解されよう。
【0037】
更に他の実施形態によれば、複合フィルム200は、特定のヘイズを有し得る。例えば、複合フィルム200は、例えば、少なくとも約0.6%、又は少なくとも約0.7%、又は更には少なくとも約0.8%など、少なくとも約0.5%のヘイズを有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム200は、例えば、約1.9%以下、又は約1.8%以下、又は約1.7%以下、又は約1.6%以下、又は更には約1.5%以下など、約2.0%以下のヘイズを有し得る。複合フィルム200は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のヘイズを有し得ることが理解されよう。複合フィルム200は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のヘイズを有し得ることが更に理解されよう。
【0038】
更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム200は、特定の反射率を有し得る。例えば、複合フィルム200は、550nmで測定して、例えば、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.1%、少なくとも約3.2%、少なくとも約3.3%、少なくとも約3.4%、又は更には少なくとも約3.5%など、少なくとも約1.5%の反射率を有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム200は、550nmで測定して、例えば、約6.9%以下、又は約6.8%以下、又は約6.7%以下、又は約6.6%以下、又は約6.5%以下、又は約6.4%以下、又は約6.3%以下、又は約6.2%以下、又は約6.1%以下、又は約6.0%以下、又は約5.9%以下、又は約5.8%以下、又は約5.7%以下、又は約5.6%以下、又は約5.5%以下、又は約5.4%以下、又は約5.3%以下、又は約5.2%以下、又は約5.1%以下、又は更には約5.0%以下など、約7.0%以下の反射率を有し得る。複合フィルム200は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の反射率を有し得ることが理解されよう。複合フィルム200は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の反射率を有し得ることが更に理解されよう。
【0039】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、特定の第2のバインダー成分濃度を有し得る。例えば、第2の反射防止コーティング230は、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約31.0重量%、又は少なくとも約32.0重量%、又は少なくとも約33.0重量%、又は少なくとも約34.0重量%、又は少なくとも約35.0重量%、又は少なくとも約36.0重量%、又は少なくとも約37.0重量%、又は少なくとも約38.0重量%、又は少なくとも約39.0重量%、又は少なくとも約40.0重量%、又は少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は更には少なくとも約44.0重量%など、少なくとも約30重量%の第2のバインダー成分濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約59重量%以下、又は約58.0重量%以下、又は約57.0重量%以下、又は約56.0重量%以下、又は約55.0重量%以下、又は約54.0重量%以下、又は約53.0重量%以下、又は約52.0重量%以下、又は約51.0重量%以下、又は約50.0重量%以下、又は約49.0重量%以下、又は更には約48.0重量%以下など、約60重量%以下の第2のバインダー成分濃度を有し得る。第2の反射防止コーティング230は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の第2のバインダー成分濃度を有し得ることが理解されよう。第2の反射防止コーティング230は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第2のバインダー成分濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0040】
特定の実施形態によれば、第2のバインダー成分は、特定の材料を含み得る。例えば、第2のバインダー成分は、UV硬化性バインダーを含み得る。更に他の実施形態によれば、第2のバインダー成分は、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート及びフッ素化アクリレートなどのUV硬化性アクリレートを含み得る。
【0041】
更に他の実施形態によれば、第2のバインダー成分は、他の特定の材料を含み得る。例えば、第2のバインダー成分は、硬化性ポリマーバインダーを含み得る。特定の実施形態によれば、第2のバインダー成分は、アクリルバインダー、ポリエステルバインダー、エポキシバインダーを含み得る。
【0042】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、特定の第2の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。例えば、第2の反射防止コーティング230は、第2の反射防止コーティング112の総重量に対して、例えば、少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は少なくとも約44.0重量%、又は少なくとも約45.0重量%、又は少なくとも約46.0重量%、又は少なくとも約47.0重量%、又は少なくとも約48.0重量%、又は少なくとも約49.0重量%、又は少なくとも約50.0重量%、又は少なくとも約51.0重量%、又は少なくとも約52.0重量%、又は少なくとも約53.0重量%、又は更には少なくとも約54.0重量%など、少なくとも約40重量%の第2の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約69重量%以下、又は約68.0重量%以下、又は約67.0重量%以下、又は約66.0重量%以下、又は約65.0重量%以下、又は約64.0重量%以下、又は約63.0重量%以下、又は約62.0重量%以下、又は約61.0重量%以下、又は約60.0重量%以下、又は約59.0重量%以下、又は更には約58.0重量%以下など、約70重量%以下の第2の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。第2の反射防止コーティング230は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の第2の微粒子フィラー成分濃度を有し得ることが理解されよう。第2の反射防止コーティング230は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第2の微粒子フィラー成分濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0043】
更にもう1つの他の実施形態によれば、Microtrac社製粒子分析装置を使用して測定すると、第2の微粒子フィラー成分は、特定の平均粒径を有し得る。例えば、第2の微粒子フィラー成分は、例えば、少なくとも約125nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約135nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約145nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約155nm、又は更には少なくとも約160nmなど、少なくとも約120nmの平均粒径を有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第2の微粒子フィラー成分は、例えば、約195nm以下、又は約190nm以下、又は約185以下、又は約180nm以下、又は約175nm以下、又は更には約170nm以下など、約200nm以下の平均粒径を有し得る。第2の微粒子フィラー成分の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内であり得ることが理解されよう。第2の微粒子フィラー成分の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0044】
特定の実施形態によれば、第2のフィラー成分は、中空シリカナノ粒子を含み得る。他の実施形態によれば、中空シリカナノ粒子は、球状ナノ粒子であり得る。
【0045】
更にもう1つの他の実施形態によれば、Microtrac社製粒子分析装置を使用して測定すると、中空シリカナノ粒子は、特定の平均粒径を有し得る。例えば、中空シリカナノ粒子は、例えば、少なくとも約125nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約135nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約145nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約155nm、又は更には少なくとも約160nmなど、少なくとも約120nmの平均粒径を有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、中空シリカナノ粒子は、例えば、約195nm以下、又は約190nm以下、又は約185以下、又は約180nm以下、又は約175nm以下、又は更には約170nm以下など、約200nm以下の平均粒径を有し得る。中空シリカナノ粒子の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内であり得ることが理解されよう。中空シリカナノ粒子の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0046】
他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、特定の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。例えば、第2の反射防止コーティング230は、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は少なくとも約44.0重量%、又は少なくとも約45.0重量%、又は少なくとも約46.0重量%、又は少なくとも約47.0重量%、又は少なくとも約48.0重量%、又は少なくとも約49.0重量%、又は少なくとも約50.0重量%、又は少なくとも約51.0重量%、又は少なくとも約52.0重量%、又は少なくとも約53.0重量%、又は更には少なくとも約54.0重量%など、少なくとも約40重量%の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約69重量%以下、又は約68.0重量%以下、又は約67.0重量%以下、又は約66.0重量%以下、又は約65.0重量%以下、又は約64.0重量%以下、又は約63.0重量%以下、又は約62.0重量%以下、又は約61.0重量%以下、又は約60.0重量%以下、又は約59.0重量%以下、又は更には約58.0重量%以下など、約70重量%以下の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。第2の反射防止コーティング230は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の中空シリカナノ粒子濃度を有し得ることが理解されよう。第2の反射防止コーティング230は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の中空シリカナノ粒子濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0047】
他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、第2の防汚添加剤を更に含み得る。
【0048】
特定の実施形態によれば、第2の防汚添加剤は、シリコーンアクリレート、フルオロアクリレート、又はフッ素化ポリ(メタ)アクリレートを含み得る。
【0049】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、特定の第2の防汚添加剤濃度を有し得る。例えば、第2の反射防止コーティング230は、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約11重量%、又は少なくとも約12重量%、又は少なくとも約13重量%、又は少なくとも約14重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約16重量%、又は少なくとも約17重量%、又は少なくとも約18重量%、又は少なくとも約19重量%、又は更には少なくとも約20重量%など、少なくとも約10重量%の第2の防汚添加剤濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第2の反射防止コーティング230は、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約39重量%以下、又は約38重量%以下、又は約37重量%以下、又は約36重量%以下、又は約35重量%以下、又は約34重量%以下、又は約33重量%以下、又は約32重量%以下、又は約31重量%以下、又は約30重量%以下、又は約29重量%以下、又は約28重量%以下、又は約27重量%以下、又は約26重量%以下、又は更には約25重量%以下など、約40重量%以下の第2の防汚添加剤濃度を有し得る。第2の反射防止コーティング230は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の第2の防汚添加剤濃度を有し得ることが理解されよう。第2の反射防止コーティング230は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第2の防汚添加剤濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0050】
図3は、本明細書に記載の実施形態に係る別の例示的な複合フィルム300の一部分の断面図を示す。図3に示すように、複合フィルム300は、第1の透明基材310と、第1の透明基材310の第1の表面312を覆う第1の反射防止コーティング320と、第1の透明基材310の第2の表面314を覆う第2の反射防止コーティング330と、第1の反射防止コーティング320の表面322を覆う第1の接着剤層340とを含み得る。
【0051】
複合フィルム300及び図3に図示の複合フィルム300に関して説明される全ての構成要素は、図1及び図2の対応する構成要素に関連して本明細書に説明したどの特性も有し得ることが理解されよう。特に、図3に図示の複合フィルム300、透明基材310、第1の反射防止コーティング320、及び第2の反射防止コーティング330の特性は、それぞれ、図2図1)に図示の複合フィルム200(100)、透明基材210(110)、第1の反射防止コーティング220(120)、及び第2の反射防止コーティング230に関連して本明細書に説明したどの対応する特性も有し得る。
【0052】
特定の実施形態によれば、複合フィルム300は、特定のVLTを有し得る。例えば、複合フィルム300は、例えば、少なくとも約94.5%、又は少なくとも約95.5%、又は少なくとも約96.0%、又は少なくとも約96.5%、又は少なくとも約97.0%、又は少なくとも約97.5%、又は少なくとも約98.0%、又は少なくとも約98.5%、又は更には少なくとも約99%など、少なくとも約94.0%のVLTを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム300は、例えば、約99.8%以下、又は更には約99.7%以下など、約99.9%以下のVLTを有し得る。複合フィルム300は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のVLTを有し得ることが理解されよう。複合フィルム300は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のVLTを有し得ることが更に理解されよう。
【0053】
更に他の実施形態によれば、複合フィルム300は、特定のヘイズを有し得る。例えば、複合フィルム300は、例えば、少なくとも約0.6%、又は少なくとも約0.7%、又は更には少なくとも約0.8%など、少なくとも約0.5%のヘイズを有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム300は、例えば、約1.9%以下、又は約1.8%以下、又は約1.7%以下、又は約1.6%以下、又は更には約1.5%以下など、約2.0%以下のヘイズを有し得る。複合フィルム300は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のヘイズを有し得ることが理解されよう。複合フィルム300は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のヘイズを有し得ることが更に理解されよう。
【0054】
更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム300は、特定の反射率を有し得る。例えば、複合フィルム300は、550nmで測定して、例えば、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.1%、少なくとも約3.2%、少なくとも約3.3%、少なくとも約3.4%、又は更には少なくとも約3.5%など、少なくとも約1.5%の反射率を有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム300は、550nmで測定して、例えば、約6.9%以下、又は約6.8%以下、又は約6.7%以下、又は約6.6%以下、又は約6.5%以下、又は約6.4%以下、又は約6.3%以下、又は約6.2%以下、又は約6.1%以下、又は約6.0%以下、又は約5.9%以下、又は約5.8%以下、又は約5.7%以下、又は約5.6%以下、又は約5.5%以下、又は約5.4%以下、又は約5.3%以下、又は約5.2%以下、又は約5.1%以下、又は更には約5.0%以下など、約7.0%以下の反射率を有し得る。複合フィルム300は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の反射率を有し得ることが理解されよう。複合フィルム300は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の反射率を有し得ることが更に理解されよう。
【0055】
更に他の実施形態によれば、第1の接着剤層340は、例えば、Ashland社製Aroset 1452、Aroset 1450、Aroset 6428;Duro-Tak 222A、Duro-Tak80-1093、又はこれらの組合せなど、接着剤産業で使用される任意の既知の感圧接着剤を含み得る。
【0056】
更に他の実施形態によれば、第1の接着剤層340は、特定の厚さを有し得る。例えば、第1の接着剤層340は、例えば、少なくとも約5μm、又は少なくとも約7μm、又は少なくとも約10μm、又は少なくとも約12μm、又は少なくとも約15μm、又は少なくとも約17μm、又は更には少なくとも約20μmなど、少なくとも約2μmの厚さを有し得る。更に他の実施形態によれば、第1の接着剤層340は、例えば、約48以下、又は約45μm以下、又は約43μm以下、又は約40μm以下、又は約38μm以下、又は約35μm以下、又は約33μm以下、又は更には約30μm以下など、約50μm以下の厚さを有し得る。第1の接着剤層340は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む範囲内の厚さを有し得ることが理解されよう。第1の接着剤層340は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む任意の値の厚さを有し得ることが更に理解されよう。
【0057】
図4は、本明細書に記載の実施形態に係る別の例示的な複合フィルム400の一部分の断面図を示す。図4に示すように、複合フィルム400は、第1の透明基材410と、第1の透明基材410の第1の表面412を覆う第1の反射防止コーティング420と、第1の透明基材410の第2の表面414を覆う第2の反射防止コーティング430と、第1の反射防止コーティング420の表面422を覆う第1の接着剤層440と、第1の接着剤層440を覆う第2の透明基材450とを含み得る。
【0058】
複合フィルム400及び図4に図示の複合フィルム400に関して説明される全ての構成要素は、図1図2及び図3の対応する構成要素に関連して本明細書に説明したどの特性も有し得ることが理解されよう。特に、図4に図示の複合フィルム400、透明基材410、第1の反射防止コーティング420、第2の反射防止コーティング430及び第1の接着剤層440の特性は、それぞれ、図3図2図1)に図示の複合フィルム300(200、100)、透明基材310(210、110)、第1の反射防止コーティング320(220、120)、第2の反射防止コーティング330(230)及び第1の接着剤層340に関連して本明細書に説明したどの特性も有し得る。
【0059】
特定の実施形態によれば、複合フィルム400は、特定のVLTを有し得る。例えば、複合フィルム400は、例えば、少なくとも約94.5%、又は少なくとも約95.5%、又は少なくとも約96.0%、又は少なくとも約96.5%、又は少なくとも約97.0%、又は少なくとも約97.5%、又は少なくとも約98.0%、又は少なくとも約98.5%、又は更には少なくとも約99%など、少なくとも約94.0%のVLTを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム400は、例えば、約99.8%以下、又は更には約99.7%以下など、約99.9%以下のVLTを有し得る。複合フィルム400は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のVLTを有し得ることが理解されよう。複合フィルム400は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のVLTを有し得ることが更に理解されよう。
【0060】
更に他の実施形態によれば、複合フィルム400は、特定のヘイズを有し得る。例えば、複合フィルム400は、例えば、少なくとも約0.6%、又は少なくとも約0.7%、又は更には少なくとも約0.8%など、少なくとも約0.5%のヘイズを有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム400は、例えば、約1.9%以下、又は約1.8%以下、又は約1.7%以下、又は約1.6%以下、又は更には約1.5%以下など、約2.0%以下のヘイズを有し得る。複合フィルム400は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のヘイズを有し得ることが理解されよう。複合フィルム400は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のヘイズを有し得ることが更に理解されよう。
【0061】
更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム400は、特定の反射率を有し得る。例えば、複合フィルム400は、550nmで測定して、例えば、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.1%、少なくとも約3.2%、少なくとも約3.3%、少なくとも約3.4%、又は更には少なくとも約3.5%など、少なくとも約1.5%の反射率を有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム400は、550nmで測定して、例えば、約6.9%以下、又は約6.8%以下、又は約6.7%以下、又は約6.6%以下、又は約6.5%以下、又は約6.4%以下、又は約6.3%以下、又は約6.2%以下、又は約6.1%以下、又は約6.0%以下、又は約5.9%以下、又は約5.8%以下、又は約5.7%以下、又は約5.6%以下、又は約5.5%以下、又は約5.4%以下、又は約5.3%以下、又は約5.2%以下、又は約5.1%以下、又は更には約5.0%以下など、約7.0%以下の反射率を有し得る。複合フィルム400は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の反射率を有し得ることが理解されよう。複合フィルム400は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の反射率を有し得ることが更に理解されよう。
【0062】
更に他の実施形態によれば、第2の透明基材450は、特定の厚さを有し得る。例えば、第2の透明基材450は、例えば、少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は更には少なくとも約10ミルなど、少なくとも約5ミルの厚さを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第2の透明基材450は、例えば、約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下など、約15ミル以下の厚さを有し得る。第2の透明基材450の厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む範囲内であり得ることが理解されよう。第2の透明基材450の厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0063】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第2の透明基材450は、PETフィルムを含み得る。更に他の実施形態によれば、第2の透明基材450は、PETフィルムで構成され得る。他の実施形態によれば、透明基材110は、光学的にクリアなPETフィルムを含み得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、透明基材110は、光学的にクリアなPETフィルムで構成され得る。他の実施形態によれば、透明基材110は、単一層の光学的にクリアなPETフィルムを含み得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、透明基材110は、単一層の光学的にクリアなPETフィルムで構成され得る。
【0064】
更に他の実施形態によれば、第2の透明基材450のPETフィルムは、特定の厚さを有し得る。例えば、第2の透明基材450のPETフィルムは、例えば、少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は更には少なくとも約10ミルなど、少なくとも約5ミルの厚さを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第2の透明基材450のPETフィルムは、例えば、約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下など、約15ミル以下の厚さを有し得る。第2の透明基材450のPETフィルムの厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む範囲内であり得ることが理解されよう。第2の透明基材450のPETフィルムの厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0065】
図5aは、本明細書に記載の実施形態に係る別の例示的な複合フィルム500の一部分の断面図を示す。図5aに示すように、複合フィルム500は、第1の透明基材510、第1の透明基材510の第1の表面512を覆う第1の反射防止コーティング520と、第1の透明基材510の第2の表面514を覆う第2の反射防止コーティング530と、第1の反射防止コーティング520の表面522を覆う第1の接着剤層540と、第1の接着剤層540を覆う第2の透明基材550と、第2の透明基材550の表面552を覆う第2の接着剤層560と、第2の接着剤層560を覆う第3の透明基材570とを含み得る。
【0066】
複合フィルム500及び図5aに図示の複合フィルム500に関して説明される全ての構成要素は、図1図2図3及び図4の対応する構成要素に関連して本明細書に説明したどの特性も有し得ることが理解されよう。特に、図5aに図示の複合フィルム500、透明基材510、第1の反射防止コーティング520、第2の反射防止コーティング530、第1の接着剤層540及び第2の透明基材550の特性は、それぞれ、図4図3図2図1)に図示の複合フィルム400(300、200、100)、透明基材410(310、210、110)、第1の反射防止コーティング420(320、220、120)、第2の反射防止コーティング430(330、230)、第1の接着剤層440(340)及び第2の透明基材450に関連して本明細書に説明したどの特性も有し得る。
【0067】
特定の実施形態によれば、複合フィルム500は、特定のVLTを有し得る。例えば、複合フィルム500は、例えば、少なくとも約94.5%、又は少なくとも約95.5%、又は少なくとも約96.0%、又は少なくとも約96.5%、又は少なくとも約97.0%、又は少なくとも約97.5%、又は少なくとも約98.0%、又は少なくとも約98.5%、又は更には少なくとも約99%など、少なくとも約94.0%のVLTを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム500は、例えば、約99.8%以下、又は更には約99.7%以下など、約99.9%以下のVLTを有し得る。複合フィルム500は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のVLTを有し得ることが理解されよう。複合フィルム500は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のVLTを有し得ることが更に理解されよう。
【0068】
更に他の実施形態によれば、複合フィルム500は、特定のヘイズを有し得る。例えば、複合フィルム500は、例えば、少なくとも約0.6%、又は少なくとも約0.7%、又は更には少なくとも約0.8%など、少なくとも約0.5%のヘイズを有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム500は、例えば、約1.9%以下、又は約1.8%以下、又は約1.7%以下、又は約1.6%以下、又は更には約1.5%以下など、約2.0%以下のヘイズを有し得る。複合フィルム500は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のヘイズを有し得ることが理解されよう。複合フィルム500は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のヘイズを有し得ることが更に理解されよう。
【0069】
更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム500は、特定の反射率を有し得る。例えば、複合フィルム500は、550nmで測定して、例えば、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.1%、少なくとも約3.2%、少なくとも約3.3%、少なくとも約3.4%、又は更には少なくとも約3.5%など、少なくとも約1.5%の反射率を有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム500は、550nmで測定して、例えば、約6.9%以下、又は約6.8%以下、又は約6.7%以下、又は約6.6%以下、又は約6.5%以下、又は約6.4%以下、又は約6.3%以下、又は約6.2%以下、又は約6.1%以下、又は約6.0%以下、又は約5.9%以下、又は約5.8%以下、又は約5.7%以下、又は約5.6%以下、又は約5.5%以下、又は約5.4%以下、又は約5.3%以下、又は約5.2%以下、又は約5.1%以下、又は更には約5.0%以下など、約7.0%以下の反射率を有し得る。複合フィルム500は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の反射率を有し得ることが理解されよう。複合フィルム500は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の反射率を有し得ることが更に理解されよう。
【0070】
更に他の実施形態によれば、第2の接着剤層560は、例えば、Ashland社製Aroset 1452、Aroset 1450、Aroset 6428;Duro-Tak 222A、Duro-Tak80-1093、又はこれらの組合せなど、接着剤産業で使用される任意の既知の感圧接着剤を含み得る。
【0071】
更に他の実施形態によれば、第2の接着剤層560は、特定の厚さを有し得る。例えば、第2の接着剤層560は、例えば、少なくとも約5μm、又は少なくとも約7μm、又は少なくとも約10μm、又は少なくとも約12μm、又は少なくとも約15μm、又は少なくとも約17μm、又は更には少なくとも約20μmなど、少なくとも約2μmの厚さを有し得る。更に他の実施形態によれば、第2の接着剤層560は、例えば、約48μm以下、又は約45μm以下、又は約43μm以下、又は約40μm以下、又は約38μm以下、又は約35μm以下、又は約33μm以下、又は更には約30μm以下など、約50μm以下であり得る。第2の接着剤層560は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む範囲内の厚さを有し得ることが理解されよう。第2の接着剤層560は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む任意の値の厚さを有し得ることが更に理解されよう。
【0072】
更に他の実施形態によれば第3の透明基材570は、特定の厚さを有し得る。例えば、第3の透明基材570は、例えば、少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は更には少なくとも約10ミルなど、少なくとも約5ミルの厚さを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第3の透明基材570は、例えば、約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下など、約15ミル以下の厚さを有し得る。第3の透明基材570の厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む範囲内であり得ることが理解されよう。第3の透明基材570の厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0073】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第3の透明基材570は、PETフィルムを含み得る。更に他の実施形態によれば、第3の透明基材570は、PETフィルムで構成され得る。他の実施形態によれば、透明基材110は、光学的にクリアなPETフィルムを含み得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、透明基材110は、光学的にクリアなPETフィルムで構成され得る。他の実施形態によれば、透明基材110は、単一層の光学的にクリアなPETフィルムを含み得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、透明基材110は、単一層の光学的にクリアなPETフィルムで構成され得る。
【0074】
更に他の実施形態によれば、第3の透明基材570のPETフィルムは、特定の厚さを有し得る。例えば、第3の透明基材570のPETフィルムは、例えば、少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は更には少なくとも約10ミルなど、少なくとも約5ミルの厚さを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第3の透明基材570のPETフィルムは、例えば、約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下など、約15ミル以下の厚さを有し得る。第3の透明基材570のPETフィルムの厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む範囲内であり得ることが理解されよう。第3の透明基材570のPETフィルムの厚さは、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値の間の、当該最小値と当該最大値を含む任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0075】
図5bは、本明細書に記載の実施形態に係る別の例示的な複合フィルム501の一部分の断面図を示す。図5bに示すように、複合フィルム501は、第1の透明基材510と、第1の透明基材510の第1の表面512を覆う第1の反射防止コーティング520と、第1の透明基材510の第2の表面514を覆う第2の反射防止コーティング530と、第1の反射防止コーティング520の表面522を覆う第1の接着剤層540と、第1の接着剤層540を覆う第2の透明基材550と、各々が第2の接着剤層560を覆う第3の透明基材570を含む4つの反復上部透明基材構成要素590とを含み得る。
【0076】
図5bに図示の反復上部透明基材構成要素590の数は、限定を意図するものではなく、例示的なものであることが理解されよう。特定の実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態による複合フィルム501は、例えば、少なくとも3つの反復上部透明基材構成要素590、又は少なくとも4つの反復上部透明基材構成要素590、又は少なくとも5つの反復上部透明基材構成要素590、又は少なくとも6つの反復上部透明基材構成要素590、又は少なくとも7つの反復上部透明基材構成要素590、又は少なくとも8つの反復上部透明基材構成要素590、又は少なくとも9つの反復上部透明基材構成要素590、又は少なくとも10の反復上部透明基材構成要素590など、特定の数の反復上部層構成要素を含み得る。
【0077】
特定の実施形態によれば、複合フィルム501は、特定のVLTを有し得る。例えば、複合フィルム501は、例えば、少なくとも約94.5%、又は少なくとも約95.5%、又は少なくとも約96.0%、又は少なくとも約96.5%、又は少なくとも約97.0%、又は少なくとも約97.5%、又は少なくとも約98.0%、又は少なくとも約98.5%、又は更には少なくとも約99%など、少なくとも約94.0%のVLTを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム501は、例えば、約 99.8%以下、又は更には約99.7%以下など、約99.9%以下のVLTを有し得る。複合フィルム501は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のVLTを有し得ることが理解されよう。複合フィルム501は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のVLTを有し得ることが更に理解されよう。
【0078】
更に他の実施形態によれば、複合フィルム501は、特定のヘイズを有し得る。例えば、複合フィルム501は、例えば、少なくとも約0.6%、又は少なくとも約0.7%、又は更には少なくとも約0.8%など、少なくとも約0.5%のヘイズを有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム501は、例えば、約1.9%以下、又は約1.8%以下、又は約1.7%以下、又は約1.6%以下、又は更には約1.5%以下など、約2.0%以下のヘイズを有し得る。複合フィルム501は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のヘイズを有し得ることが理解されよう。複合フィルム501は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のヘイズを有し得ることが更に理解されよう。
【0079】
更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム501は、特定の反射率を有し得る。例えば、複合フィルム501は、550nmで測定して、例えば、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.1%、少なくとも約3.2%、少なくとも約3.3%、少なくとも約3.4%、又は更には少なくとも約3.5%など、少なくとも約1.5%の反射率を有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム501は、550nmで測定して、例えば、約6.9%以下、又は約6.8%以下、又は約6.7%以下、又は約6.6%以下、又は約6.5%以下、又は約6.4%以下、又は約6.3%以下、又は約6.2%以下、又は約6.1%以下、又は約6.0%以下、又は約5.9%以下、又は約5.8%以下、又は約5.7%以下、又は約5.6%以下、又は約5.5%以下、又は約5.4%以下、又は約5.3%以下、又は約5.2%以下、又は約5.1%以下、又は更には約5.0%以下など、約7.0%以下の反射率を有し得る。複合フィルム501は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の反射率を有し得ることが理解されよう。複合フィルム501は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の反射率を有し得ることが更に理解されよう。
【0080】
図6aは、本明細書に記載の実施形態に係る別の例示的な複合フィルム600の一部分の断面図を示す。図6aに示すように、複合フィルム600は、第1の透明基材610と、第1の透明基材610の第1の表面612を覆う第1の反射防止コーティング620と、第1の透明基材610の第2の表面614を覆う第2の反射防止コーティング630と、第1の反射防止コーティング620の表面622を覆う第1の接着剤層640と、第1の接着剤層640を覆う第2の透明基材650と、第2の透明基材650の表面652を覆う第3の反射防止コーティング680とを含み得る。
【0081】
複合フィルム600及び図6aに図示の複合フィルム600に関して説明される全ての構成要素は、図1図2図3図4図5a及び図5bの対応する構成要素に関連して本明細書に説明したどの特性も有し得ることが理解されよう。特に、図6aに図示の複合フィルム600、透明基材610、第1の反射防止コーティング620、第2の反射防止コーティング630、第1の接着剤層640及び第2の透明基材650の特性は、それぞれ、図5a又は図5b(図4図3図2図1)に図示の複合フィルム500(400、300、200、100)、透明基材510(410、310、210、110)、第1の反射防止コーティング520(420、320、220、120)、第2の反射防止コーティング530(430、330、230)、第1の接着剤層540(440、340)及び第2の透明基材550(450)に関連して本明細書に説明したどの特性も有し得る。
【0082】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、特定の第3のバインダー成分濃度を有し得る。例えば、第3の反射防止コーティング680は、第3の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約31.0重量%、又は少なくとも約32.0重量%、又は少なくとも約33.0重量%、又は少なくとも約34.0重量%、又は少なくとも約35.0重量%、又は少なくとも約36.0重量%、又は少なくとも約37.0重量%、又は少なくとも約38.0重量%、又は少なくとも約39.0重量%、又は少なくとも約40.0重量%、又は少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は更には少なくとも約44.0重量%など、少なくとも約30重量%の第3のバインダー成分濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、第3の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約59重量%以下、又は約58.0重量%以下、又は約57.0重量%以下、又は約56.0重量%以下、又は約55.0重量%以下、又は約54.0重量%以下、又は約53.0重量%以下、又は約52.0重量%以下、又は約51.0重量%以下、又は約50.0重量%以下、又は約49.0重量%以下、又は更には約48.0重量%以下など、約60重量%以下の第3のバインダー成分濃度を有し得る。第3の反射防止コーティング680は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の第3のバインダー成分濃度を有し得ることが理解されよう。第3の反射防止コーティング680は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第3のバインダー成分濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0083】
特定の実施形態によれば、第3のバインダー成分は、特定の材料を含み得る。例えば、第3のバインダー成分は、UV硬化性バインダーを含み得る。更に他の実施形態によれば、第3のバインダー成分は、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート及びフッ素化アクリレートなどのUV硬化性アクリレートを含み得る。
【0084】
更に他の実施形態によれば、第3のバインダー成分は、他の特定の材料を含み得る。例えば、第3のバインダー成分は、硬化性ポリマーバインダーを含み得る。特定の実施形態によれば、第3のバインダー成分は、アクリルバインダー、ポリエステルバインダー、エポキシバインダーを含み得る。
【0085】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、特定の第3の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。例えば、第3の反射防止コーティング680は、第3の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は少なくとも約44.0重量%、又は少なくとも約45.0重量%、又は少なくとも約46.0重量%、又は少なくとも約47.0重量%、又は少なくとも約48.0重量%、又は少なくとも約49.0重量%、又は少なくとも約50.0重量%、又は少なくとも約51.0重量%、又は少なくとも約52.0重量%、又は少なくとも約53.0重量%、又は更には少なくとも約54.0重量%など、少なくとも約40重量%の第3の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、第3の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約69重量%以下、又は約68.0重量%以下、又は約67.0重量%以下、又は約66.0重量%以下、又は約65.0重量%以下、又は約64.0重量%以下、又は約63.0重量%以下、又は約62.0重量%以下、又は約61.0重量%以下、又は約60.0重量%以下、又は約59.0重量%以下、又は更には約58.0重量%以下など、約70重量%以下の第3の微粒子フィラー成分濃度を有し得る。第3の反射防止コーティング680は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の第3の微粒子フィラー成分濃度を有し得ることが理解されよう。第3の反射防止コーティング680は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第3の微粒子フィラー成分濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0086】
更にもう1つの他の実施形態によれば、Microtrac社製粒子分析装置を使用して測定すると、第3の微粒子フィラー成分は、特定の平均粒径を有し得る。例えば、第3の微粒子フィラー成分は、例えば、少なくとも約125nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約135nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約145nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約155nm、又は更には少なくとも約160nmなど、少なくとも約120nmの平均粒径を有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、第3の微粒子フィラー成分は、例えば、約195nm以下、又は約190nm以下、又は約185以下、又は約180nm以下、又は約175nm以下、又は更には約170nm以下など、約200nm以下の平均粒径を有し得る。第3の微粒子フィラー成分の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内であり得ることが理解されよう。第3の微粒子フィラー成分の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0087】
特定の実施形態によれば、第3のフィラー成分は、中空シリカナノ粒子を含み得る。他の実施形態によれば、中空シリカナノ粒子は、球状ナノ粒子であり得る。
【0088】
更にもう1つの他の実施形態によれば、Microtrac社製粒子分析装置を使用して測定すると、中空シリカナノ粒子は、特定の平均粒径を有し得る。例えば、中空シリカナノ粒子は、例えば、少なくとも約125nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約135nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約145nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約155nm、又は更には少なくとも約160nmなど、少なくとも約120nmの平均粒径を有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、中空シリカナノ粒子は、例えば、約195nm以下、約190nm以下、又は約185nm以下、又は約180nm以下、又は約175nm以下、又は更には約170nm以下など、約200nm以下の平均粒径を有し得る。中空シリカナノ粒子の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内であり得ることが理解されよう。中空シリカナノ粒子の平均粒径は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。
【0089】
他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、特定の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。例えば、第3の反射防止コーティング680は、第3の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約41.0重量%、又は少なくとも約42.0重量%、又は少なくとも約43.0重量%、又は少なくとも約44.0重量%、又は少なくとも約45.0重量%、又は少なくとも約46.0重量%、又は少なくとも約47.0重量%、又は少なくとも約48.0重量%、又は少なくとも約49.0重量%、又は少なくとも約50.0重量%、又は少なくとも約51.0重量%、又は少なくとも約52.0重量%、又は少なくとも約53.0重量%、又は更には少なくとも約54.0重量%など、少なくとも約40重量%の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、第3の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約69重量%以下、又は約68.0重量%以下、又は約67.0重量%以下、又は約66.0重量%以下、又は約65.0重量%以下、又は約64.0重量%以下、又は約63.0重量%以下、又は約62.0重量%以下、又は約61.0重量%以下、又は約60.0重量%以下、又は約59.0重量%以下、又は更には約58.0重量%以下など、約70重量%以下の中空シリカナノ粒子濃度を有し得る。第3の反射防止コーティング680は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の中空シリカナノ粒子濃度を有し得ることが理解されよう。第3の反射防止コーティング680は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の中空シリカナノ粒子濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0090】
他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、第3の防汚添加剤を更に含み得る。
【0091】
特定の実施形態によれば、第3の防汚添加剤は、シリコーンアクリレート、フルオロアクリレート、又はフッ素化ポリ(メタ)アクリレートを含み得る。
【0092】
更にもう1つの他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、特定の第3の防汚添加剤濃度を有し得る。例えば、第3の反射防止コーティング680は、第3の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、少なくとも約11重量%、又は少なくとも約12重量%、又は少なくとも約13重量%、又は少なくとも約14重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約16重量%、又は少なくとも約17重量%、又は少なくとも約18重量%、又は少なくとも約19重量%、又は更には少なくとも約20重量%など、少なくとも約10重量%の第3の防汚添加剤濃度を有し得る。更に他の実施形態によれば、第3の反射防止コーティング680は、第3の反射防止コーティングの総重量に対して、例えば、約39重量%以下、約38重量%以下、約37重量%以下、又は約36重量%以下、又は約35重量%以下、又は約34重量%以下、又は約33重量%以下、又は約32重量%以下、又は約31重量%以下、又は約30重量%以下、又は約29重量%以下、又は約28重量%以下、又は約27重量%以下、又は約26重量%以下、又は更には約25重量%以下など、約40重量%以下の第3の防汚添加剤濃度を有し得る。第3の反射防止コーティング680は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の第3の防汚添加剤濃度を有し得ることが更に理解されよう。
【0093】
図6bは、本明細書に記載の実施形態に係る別の例示的な複合フィルム601の一部分の断面図を示す。図6bに示すように、複合フィルム601は、第1の透明基材610と、第1の透明基材610の第1の表面612を覆う第1の反射防止コーティング620と、第1の透明基材610の第2の表面614を覆う第2の反射防止コーティング630と、第1の反射防止コーティング620の表面622を覆う4つの反復上部反射防止構成要素695とを含み得る。各反復上部反射防止構成要素695は、第1の接着剤層640と、第1の接着剤層640を覆う第2の透明基材650と、第2の透明基材650を覆う第3の反射防止コーティング680とを含み得る。
【0094】
図6b図示の反復上部反射防止構成要素695の数は、限定を意図するものではなく、例示的なものであることが理解されよう。特定の実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態による複合フィルム601は、例えば、少なくとも3つの反復上部反射防止構成要素695、又は少なくとも4つの反復上部反射防止構成要素695、又は少なくとも5つの反復上部反射防止構成要素695、又は少なくとも6つの反復上部反射防止構成要素695、又は少なくとも7つの反復上部反射防止構成要素695、又は少なくとも8つの反復上部反射防止構成要素695、又は少なくとも9つの反復上部反射防止構成要素695、又は少なくとも10個の反復上部反射防止構成要素695など、特定の数の反復上部層構成要素を含み得る。
【0095】
特定の実施形態によれば、複合フィルム601は、特定のVLTを有し得る。例えば、複合フィルム601は、例えば、少なくとも約94.5%、又は少なくとも約95.5%、又は少なくとも約96.0%、又は少なくとも約96.5%、又は少なくとも約97.0%、又は少なくとも約97.5%、又は少なくとも約98.0%、又は少なくとも約98.5%、又は更には少なくとも約99%など、少なくとも約94.0%のVLTを有し得る。更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム601は、例えば、約99.8%以下、又は更には約99.7%以下など、約99.9%以下のVLTを有し得る。複合フィルム601は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のVLTを有し得ることが理解されよう。複合フィルム601は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のVLTを有し得ることが更に理解されよう。
【0096】
更に他の実施形態によれば、複合フィルム601は、特定のヘイズを有し得る。例えば、複合フィルム601は、例えば、少なくとも約0.6%、又は少なくとも約0.7%、又は更には少なくとも約0.8%など、少なくとも約0.5%のヘイズを有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム601は、例えば、約1.9%以下、又は約1.8%以下、又は約1.7%以下、又は約1.6%以下、又は更には約1.5%以下など、約2.0%以下のヘイズを有し得る。複合フィルム601は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内のヘイズを有し得ることが理解されよう。複合フィルム601は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値のヘイズを有し得ることが更に理解されよう。
【0097】
更にもう1つの他の実施形態によれば、複合フィルム601は、特定の反射率を有し得る。例えば、複合フィルム601は、550nmで測定して、例えば、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.1%、少なくとも約3.2%、少なくとも約3.3%、少なくとも約3.4%、又は更には少なくとも約3.5%など、少なくとも約1.5%の反射率を有し得る。更に他の実施形態によれば、複合フィルム601は、550nmで測定して、例えば、約6.9%以下、又は約6.8%以下、又は約6.7%以下、又は約6.6%以下、又は約6.5%以下、又は約6.4%以下、又は約6.3%以下、又は約6.2%以下、又は約6.1%以下、又は約6.0%以下、又は約5.9%以下、又は約5.8%以下、又は約5.7%以下、又は約5.6%以下、又は約5.5%以下、又は約5.4%以下、又は約5.3%以下、又は約5.2%以下、又は約5.1%以下、又は更には約5.0%以下など、約7.0%以下の反射率を有し得る。複合フィルム601は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の範囲内の反射率を有し得ることが理解されよう。複合フィルム601は、上記のいずれかの最小値といずれかの最大値との間の任意の値の反射率を有し得ることが更に理解されよう。
【0098】
本明細書に記載の実施形態によれば、本明細書に記載の反射防止コーティングは、メイヤーロッド法、グラビア法、リバースグラビア法、ミニグラビア法、スロットダイ法、スプレーコーティング法又はディップコーティング法などの湿式コーティング法を使用して、別の層、例えば、第1の透明基材又は別のコーティングに塗布することができる。本明細書に記載の更にもう1つの他の実施形態によれば、新たに塗布されたコーティングは、溶媒を除去するためにオーブン内で乾燥させることができる。更にもう1つの他の実施形態によれば、乾燥したコーティングは、次いで、UV光、電子ビーム、及び他の高エネルギービーム加熱によって硬化させることができる。
【0099】
更に他の実施形態によれば、本明細書に記載の感圧接着剤層は、メイヤーロッド法、グラビア法、リバースグラビア法、ミニグラビア法、スロットダイ法、スプレーコーティング法又はディップコーティング法などの湿式コーティング法を使用して、第1の透明基材又は別のコーティングに塗布することができる。
【0100】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態のいくつかを本明細書に記載する。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様及び実施形態が単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のうちのいずれか1つ以上に従うことができる。
【0101】
実施形態1.第1の透明基材と、第1の透明基材の第1の表面を覆う第1の反射防止コーティングと、を含む複合フィルムであって、第1の反射防止コーティングが、第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含み、第1の微粒子フィラー成分が、中空シリカナノ粒子を含み、複合フィルムが、少なくとも約94.0%のVLTを有し、複合フィルムが、少なくとも約70°の水接触角を有する、複合フィルム。
【0102】
実施形態2.第1の透明基材と、前記第1の透明基材の第1の表面を覆う第1の反射防止コーティングと、を含む複合フィルムであって、第1の反射防止コーティングが、第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含み、第1の微粒子フィラー成分が、中空シリカナノ粒子を含み、複合フィルムが、少なくとも約94.0%のVLTを有し、複合フィルムが、少なくとも約80°の水接触角を有する、複合フィルム。
【0103】
実施形態3.複合フィルムが、少なくとも約94.0%、又は少なくとも約94.5%、又は少なくとも約95.5%、又は少なくとも約96.0%、又は少なくとも約96.5%、又は少なくとも約97.0%、又は少なくとも約97.5%、又は少なくとも約98.0%、又は少なくとも約98.5%、又は少なくとも約99%のVLTを更に備える、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0104】
実施形態4.複合フィルムが、約99.9%以下、又は約99.8%以下、又は約99.7%以下のVLTを更に備える、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0105】
実施形態5.複合フィルムが、少なくとも約0.5%、又は少なくとも約0.6%、又は少なくとも約0.7%、又は少なくとも約0.8%のヘイズを更に備える、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0106】
実施形態6.複合フィルムが、約2.0%以下、又は約1.9%以下、又は約1.8%以下、又は約1.7%以下、又は約1.6%以下、又は約1.5%以下のヘイズを更に備える、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0107】
実施形態7.複合フィルムが、550nmで測定して、少なくとも約1.5%、又は少なくとも約1.6%、又は少なくとも約1.7%、又は少なくとも約1.8%、又は少なくとも約1.9%、又は少なくとも約2.0%、又は少なくとも約2.1%、又は少なくとも約2.2%、又は少なくとも約2.3%、又は少なくとも約2.4%、又は少なくとも約2.5%、又は少なくとも約2.6%、又は少なくとも約2.7%、又は少なくとも約2.8%、又は少なくとも約2.9%、又は少なくとも約3.0%、又は少なくとも約3.1%、又は少なくとも約3.2%、又は少なくとも約3.3%、又は少なくとも約3.4%、又は少なくとも約3.5%の反射率を更に備える、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0108】
実施形態8.複合フィルムが、550nmで測定して、約7.0%以下、又は約6.9%以下、又は約6.8%以下、又は約6.7%以下、又は約6.6%以下、又は約6.5%以下、又は約6.4%以下、又は約6.3%以下、又は約6.2%以下、又は約6.1%以下、又は約6.0%以下、又は約5.9%以下、又は約5.8%以下、又は約5.7%以下、又は約5.6%以下、又は約5.5%以下、又は約5.4%以下、又は約5.3%以下、又は約5.2%以下、又は約5.1%以下、又は約5.0%以下の反射率を更に備える、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0109】
実施形態9.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも約30.0重量%の濃度で第1のバインダー成分を含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0110】
実施形態10.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、約60.0重量%以下の濃度で第1のバインダー成分を含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0111】
実施形態11.第1のバインダー成分が、UV硬化性バインダーを含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0112】
実施形態12.UV硬化性バインダーが、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート及びフッ素化アクリレートなどのUV硬化性アクリレートを含む、実施形態11に記載の複合フィルム。
【0113】
実施形態13.第1のバインダー成分が、硬化性ポリマーバインダーを含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0114】
実施形態14.硬化性ポリマーバインダーが、アクリルバインダー、ポリエステルバインダー、エポキシバインダーを含む、実施形態11に記載の複合フィルム。
【0115】
実施形態15.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも約40.0重量%の濃度で第1の微粒子フィラー成分を含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0116】
実施形態16.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、約70.0重量%以下の濃度で第1の微粒子フィラー成分を含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0117】
実施形態17.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも約40.0重量%の濃度で中空シリカナノ粒子を含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0118】
実施形態18.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、約70.0重量%以下の濃度で中空シリカナノ粒子を含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0119】
実施形態19.第1の微粒子フィラー成分が、少なくとも約120nmの平均粒径を有する、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0120】
実施形態20.第1の微粒子フィラー成分が、約200nm以下の平均粒径を有する、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0121】
実施形態21.中空シリカナノ粒子が、少なくとも約120nmの平均粒径を有する、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0122】
実施形態22.中空シリカナノ粒子が、約200nm以下の平均粒径を有する、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0123】
実施形態23.中空シリカナノ粒子が、球状ナノ粒子である、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0124】
実施形態24.複合フィルムが、第1の防汚添加剤を更に含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0125】
実施形態25.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも約10重量%の濃度で第1の防汚添加剤を含む、実施形態24に記載の複合フィルム。
【0126】
実施形態26.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングの総重量に対して、約40重量%以下の濃度で第1の防汚添加剤を含む、実施形態24に記載の複合フィルム。
【0127】
実施形態27.第1の防汚添加剤が、シリコーンアクリレート、フルオロアクリレート、フッ素化ポリ(メタ)アクリレートを含む、実施形態24に記載の複合フィルム。
【0128】
実施形態28.第1の反射防止コーティングが、少なくとも約50nm、又は少なくとも約60nm、又は少なくとも約70nm、又は少なくとも約80nm、又は少なくとも約90nm、又は少なくとも約100nm、又は少なくとも約110nm、又は少なくとも約120nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約160nm、又は少なくとも約170nm、又は少なくとも約180nm、又は少なくとも約190nm、又は少なくとも約200nmの厚さを有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0129】
実施形態29.第1の反射防止コーティングが、約500nm以下、又は約490nm以下、又は約480nm以下、又は約470nm以下、又は約460nm以下、又は約450nm以下、又は約440nm以下、又は約430nm以下、又は約420nm以下、又は約410nm以下、又は約400nm以下、又は約390nm以下、又は約380nm以下、又は約370nm以下、又は約360nm以下、又は約350nm以下、又は約340nm以下、又は約330nm以下、又は約320nm以下、又は約310nm以下、又は約300nm以下の厚さを有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0130】
実施形態30.複合フィルムが、第1の透明基材の第2の表面を覆う第2の反射防止コーティングを更に含み、第1の透明基材の第2の表面が、第1の透明基材の第1の表面に平行で、反対側にある、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0131】
実施形態31.第2の反射防止コーティングが、第2のバインダー成分と第2の微粒子フィラー成分とを含み、微粒子フィラー成分が、中空シリカナノ粒子を含む、実施形態30に記載の複合フィルム。
【0132】
実施形態32.複合フィルムが、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも約30.0重量%の濃度で第2のバインダー成分を含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0133】
実施形態33.複合フィルムが、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、約60.0重量%以下の濃度で第2のバインダー成分を含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0134】
実施形態34.第2のバインダー成分が、UV硬化性バインダーを含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0135】
実施形態35.UV硬化性バインダーが、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのUV硬化性アクリレートを含む、実施形態34に記載の複合フィルム。
【0136】
実施形態36.第2のバインダー成分が、硬化性ポリマーバインダーを含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0137】
実施形態37.硬化性ポリマーバインダーが、アクリルバインダー、ポリエステルバインダー、エポキシバインダーを含む、実施形態36に記載の複合フィルム。
【0138】
実施形態38.複合フィルムが、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも約40.0重量%の濃度で第2の微粒子フィラー成分を含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0139】
実施形態39.複合フィルムが、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、約70.0重量%以下の濃度で第2の微粒子フィラー成分を含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0140】
実施形態40.複合フィルムが、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも約40.0重量%の濃度で中空シリカナノ粒子を含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0141】
実施形態41.複合フィルムが、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、約70.0重量%以下の濃度で中空シリカナノ粒子を含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0142】
実施形態42.第2の微粒子フィラー成分が、少なくとも約120nmの平均粒径を有する、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0143】
実施形態43.第2の微粒子フィラー成分が、約200nm以下の平均粒径を有する、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0144】
実施形態44.中空シリカナノ粒子が、少なくとも約120nmの平均粒径を有する、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0145】
実施形態45.中空シリカナノ粒子が、約200nm以下の平均粒径を有する、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0146】
実施形態46.中空シリカナノ粒子が、球状ナノ粒子である、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0147】
実施形態47.複合フィルムが、第2の防汚添加剤を更に含む、実施形態31に記載の複合フィルム。
【0148】
実施形態48.複合フィルムが、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、少なくとも約0.3重量%の濃度で第2の防汚添加剤を含む、実施形態47に記載の複合フィルム。
【0149】
実施形態49.複合フィルムが、第2の反射防止コーティングの総重量に対して、約5.0重量%以下の濃度で第2の防汚添加剤を含む、実施形態47に記載の複合フィルム。
【0150】
実施形態50.第2の防汚添加剤が、シリコーンアクリレート、フルオロアクリレート、フッ素化ポリ(メタ)アクリレートを含む、実施形態47に記載の複合フィルム。
【0151】
実施形態51.第2の反射防止コーティングが、少なくとも約50nm、又は少なくとも約60nm、又は少なくとも約70nm、又は少なくとも約80nm、又は少なくとも約90nm、又は少なくとも約100nm、又は少なくとも約110nm、又は少なくとも約120nm、又は少なくとも約130nm、又は少なくとも約140nm、又は少なくとも約150nm、又は少なくとも約160nm、又は少なくとも約170nm、又は少なくとも約180nm、又は少なくとも約190nm、又は少なくとも約200nmの厚さを有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0152】
実施形態52.第2の反射防止コーティングが、約500nm以下、又は約490nm以下、又は約480nm以下、又は約470nm以下、又は約460nm以下、又は約450nm以下、又は約440nm以下、又は約430nm以下、又は約420nm以下、又は約410nm以下、又は約400nm以下、又は約390nm以下、又は約380nm以下、又は約370nm以下、又は約360nm以下、又は約350nm以下、又は約340nm以下、又は約330nm以下、又は約320nm以下、又は約310nm以下、又は約300nm以下の厚さを有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0153】
実施形態53.第1の透明基材が、PETフィルムを含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0154】
実施形態54.第1の透明基材が、光学的にクリアなPETフィルムを含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0155】
実施形態55.第1の透明基材が、単一層の光学的にクリアなPETフィルムを含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0156】
実施形態56.PETフィルムが、又は少なくとも約5ミル、又は少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は少なくとも約10ミルの厚さを備える、実施形態53、54、及び55のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0157】
実施形態57.PETフィルムが、約15ミル以下、又は約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下の厚さを備える、実施形態53、54、及び55のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0158】
実施形態58.第1の透明基材が、少なくとも第1のPETフィルムと第2のPETフィルムとを含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0159】
実施形態59.第1の透明基材が、第1のPETフィルムと第2のPETフィルムとの間に第1の積層用接着剤を含む、実施形態58に記載の複合フィルム。
【0160】
実施形態60.第1の積層用接着剤が、ポリイソシアネート硬化剤で硬化された感圧接着剤(Pressure Sensitive Adhesive、PSA)又はポリエステル接着剤を含む、実施形態42に記載の複合フィルム。
【0161】
実施形態61.感圧接着剤が、アクリル感圧接着剤を含む、実施形態60に記載の複合フィルム。
【0162】
実施形態62.第1のPETフィルムが、光学的にクリアなPETフィルムを含む、実施形態58に記載の複合フィルム。
【0163】
実施形態63.第2のPETフィルムが、光学的にクリアなPETフィルムを含む、実施形態58に記載の複合フィルム。
【0164】
実施形態64.第1のPETフィルムが、少なくとも約5ミル、又は少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は少なくとも約10ミルの厚さを備える、実施形態58、59、62、及び63のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0165】
実施形態65.第2のPETフィルムが、約15ミル以下、又は約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下の厚さを備える、実施形態58、59、62、及び63のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0166】
実施形態66.第1の透明基材が、少なくとも約1ミル、少なくとも約2ミル、又は少なくとも約3ミル、又は少なくとも約4ミル、又は少なくとも約5ミル、又は少なくとも約6ミル、又は少なくとも約7ミル、又は少なくとも約8ミル、又は少なくとも約9ミル、又は少なくとも約10ミルの厚さを備える、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0167】
実施形態67.第1の透明基材が、約20ミル以下、又は約19ミル以下、又は約18ミル以下、又は約17ミル以下、又は約16ミル以下、又は約15ミル以下、又は約14ミル以下、又は約13ミル以下、又は約12ミル以下、又は約11ミル以下の厚さを備える、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0168】
実施形態68.複合フィルムが、第1の反射防止コーティングを覆う保護ライナーを更に備え、第1の反射防止コーティングが、第1の透明基材と保護ライナーとの間にある、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0169】
実施形態69.保護ライナーが、色付きライナーである、実施形態68に記載の複合フィルム。
【0170】
実施形態70.保護ライナーが、低粘着性接着剤を含む、実施形態68に記載の複合フィルム。
【0171】
実施形態71.複合フィルムが、医療用フードを覆うように構成されている、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0172】
実施形態72.複合フィルムが、光学レンズを覆うように構成されており、光学レンズが一対のゴーグルの一部分である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0173】
実施形態73.複合フィルムが、フェイスシールドを覆うように構成されており、フェイスシールドがレーシング用光学部品に関連するものである、前述の実施形態のいずれか1つに記載の複合フィルム。
【0174】
実施形態74.複合フィルムを形成する方法であって、第1のバインダー成分と第1の微粒子フィラー成分とを含む活性コーティング混合物を含む第1の反射防止コーティング配合物を提供することと、反射防止コーティング配合物を第1の透明基材に塗布することと、反射防止コーティング配合物を乾燥させて、第1の透明基材を覆う第1の反射防止コーティングを形成することと、を含む、方法。
【0175】
実施形態75.第1の反射防止コーティング配合物を提供することが、活性コーティング混合物を有機溶媒混合物中に溶解することを更に含む、実施形態74に記載の方法。
【0176】
実施形態76.有機溶媒混合物が、メチルエチルケトン(Methyl Ethyl Ketone、MEK)、メチルイソブチルケトン(Methyl Isobutyl Ketone、MIBK)又はそれらの組合せを含む、実施形態75に記載の方法。
【0177】
実施形態77.有機溶媒混合物が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(Propylene Glycol Monomethyl Ether Acetate、PGMEA)を更に含む、実施形態76に記載の方法。
【0178】
実施形態78.有機溶媒混合物が、湿潤剤、流動剤、消泡剤又はそれらの組合せを更に含む、実施形態77に記載の方法。
【0179】
実施形態79.反射防止コーティング配合物が、反射防止コーティング配合物の総体積に対して、少なくとも約1体積%、又は少なくとも約1.3体積%、又は少なくとも約1.5体積%、又は少なくとも約1.8体積%、又は少なくとも約2.0体積%、又は少なくとも約2.3体積%、又は少なくとも約2.5体積%、又は少なくとも約2.8体積%、又は少なくとも約3.0体積%、又は少なくとも約3.3体積%、又は少なくとも約3.5体積%、又は少なくとも約3.8体積%、又は少なくとも約4.0体積%、又は少なくとも約4.3体積%、又は少なくとも約4.5体積%の濃度で活性コーティング混合物を含む、実施形態75に記載の方法。
【0180】
実施形態80.反射防止コーティング配合物が、反射防止コーティング配合物の総体積に対して、約10体積%以下、又は約9.8体積%以下、又は約9.5体積%以下、又は約9.3体積%以下、又は約9.0体積%以下、又は約8.8体積%以下、又は約8.5体積%以下、又は約8.3体積%以下、又は約8.0体積%以下、又は約7.8体積%以下、又は約7.5体積%以下、又は約7.3体積%以下、又は約7.0体積%以下、又は約6.8体積%以下、又は約6.5体積%以下、又は約6.3体積%以下、又は約6.0体積%以下、又は約5.8体積%以下、又は約5.5体積%以下の濃度で活性コーティング混合物を含む、実施形態79に記載の方法。
【0181】
実施形態81.反射防止コーティング配合物が、反射防止コーティング配合物の総体積に対して、少なくとも約90.0体積%、又は少なくとも約90.5体積%、又は少なくとも約91.0体積%、又は少なくとも約91.5体積%、又は少なくとも約92.0体積%、又は少なくとも約92.5体積%、又は少なくとも約93.0体積%、又は少なくとも約93.5体積%、又は少なくとも約94.0体積%、又は少なくとも約94.5体積%の濃度で有機溶媒混合物を含む、実施形態75に記載の方法。
【0182】
実施形態82.反射防止コーティング配合物が、反射防止コーティング配合物の総体積に対して、約99.0体積%以下、又は約98.5体積%以下、又は約98.0体積%以下、又は約97.5体積%以下、又は約96.0体積%以下、又は約95.5体積%以下の濃度で有機溶媒混合物を含む、実施形態79に記載の方法。
【0183】
実施形態83.反射防止コーティング配合物が、反射防止コーティング配合物の総体積に対して、少なくとも約0.50体積%の濃度で第1のバインダー成分を含む、実施形態75に記載の方法。
【0184】
実施形態84.反射防止コーティング配合物が、反射防止コーティング配合物の総体積に対して、約1.2体積%以下の濃度で第1のバインダー成分を含む、実施形態75に記載の方法。
【0185】
実施形態85.反射防止コーティング配合物が、反射防止コーティング配合物の総体積に対して、少なくとも約0.30体積%の濃度で第1の微粒子フィラー成分を含む、実施形態75に記載の方法。
【0186】
実施形態86.反射防止コーティング配合物が、反射防止コーティング配合物の総体積に対して、約1.2体積%以下の濃度で第1の微粒子フィラー成分を含む、実施形態75に記載の方法。
【0187】
実施形態87.第1の反射防止コーティングを形成するために反射防止コーティング配合物を塗布することが、マイヤーロッド法、グラビア法、ディップコーティング法、スロットダイ法及び他のコーティング法を使用してコーティングを塗布することを含む、実施形態74に記載の方法。
【0188】
実施形態88.反射防止コーティング配合物を乾燥させることが、コーティングをオーブン中で乾燥させ、次いで、UV光、e-ビーム又は他の高エネルギー線を使用してコーティングを硬化させることを含む、実施形態74に記載の方法。
【実施例
【0189】
本明細書に記載の概念は、以下の実施例において更に説明されるが、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定するものではない。
【0190】
実施例1
9つのサンプル複合フィルムS1~S9を、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。
【0191】
第1のサンプル複合フィルムS1を、中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIA(PETIAは主にペンタエリスリトールのトリ-アクリレートエステルとテトラ-アクリレートエステルの混合物である)のスラリーを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAを、一定量の光開始剤と共にMIBK(Methyl Isobutyl Ketone、メチルイソブチルケトン)溶媒中に分散させた。中空ナノシリカ対PETIAの比は約55対45とした。スラリーを全固形分2%にしたものを中空シリカUV硬化ペーストとした。28.5グラムの中空シリカUV硬化ペーストを、1.5グラムのPGMEA(Propyl Glycol Methyl Ether Acetate、酢酸プロピルグリコールメチルエーテル)と混合したものをコーティングスラリーとした。コーティングスラリーを#3ロッドを用いて8ミルのPETフィルム上にコーティングし、(溶媒を除去するために)オーブン内で110℃で10秒間乾燥させ、次いで、基材上の第1の反射防止(AR)層になるようUV光下で硬化させた。同じコーティングを第1の反射防止(AR)コーティングの他方の側に塗布して、PET基材の両側に反射防止(AR)コーティングを施した反射防止(AR)フィルムを形成した。
【0192】
第2のサンプル複合フィルムS2を、第1のサンプル複合フィルムS1と同じ方法で反射防止コーティングを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。コーティングを#3ロッドを用いて7ミルのPETフィルムの片側にコーティングし、次いで、約4.0lb/ream(すなわち6.4g/m)のアクリル感圧接着剤コーティングをPETフィルムの反射防止コーティング側の反対側にコーティングした。接着剤側を3mm厚さのガラス板に積層した。
【0193】
第3のサンプル複合フィルムS3を、中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAのスラリーを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAを、一定量の光開始剤と共にMIBK溶媒中に分散させた。中空ナノシリカ対PETIAの比は約55対45とした。スラリーを全固形分2%にしたものを中空シリカUV硬化ペーストとした。28.5グラムの中空シリカUV硬化ペーストを、1.5グラムのPGMEAと混合したものをコーティングスラリーとした。コーティングスラリーを#3ロッドを用いて8ミルのPETフィルム上にコーティングし、(溶媒を除去するために)オーブン内で110℃で10秒間乾燥させ、次いで、基材上の第1の反射防止(AR)層になるようUV光下で硬化させた。同じコーティングを第1の反射防止(AR)コーティングの他方の側に塗布して、PET基材の両側にARコーティングを施した反射防止(AR)フィルムを形成した。トップコート溶液を、9.925グラムのIPA(Isopropyl alcohol、イソプロピルアルコール)、0.012グラムのFluorolink S10、0.012グラムのCyracure 6976、0.012グラムの酢酸、及び0.039グラムの蒸留水から作製した。このトップコート溶液を、#5ロッドを用いて反射防止コーティング上に塗布し、乾燥させ、次いで、高い水接触角の表面を形成させるためにUV硬化させた。
【0194】
第4のサンプル複合フィルムS4を、中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAのスラリーを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAを、一定量の光開始剤と共にMIBK溶媒中に分散させた。中空ナノシリカ対PETIAの比は約55対45とした。スラリーを全固形分2%にしたものを中空シリカUV硬化ペーストとした。28.20グラムの中空シリカUV硬化ペーストを、1.74グラムのPGMEA及び0.06グラムのEbecryl 8110と混合したものをコーティングスラリーとした。コーティングスラリーを#3ロッドを用いて8ミルのPETフィルム上に塗布し、(溶媒を除去するために)オーブン中110℃で10秒間乾燥させ、次いで、基材上の第1の反射防止層になるようUV光下で硬化させた。同じコーティングを第1の反射防止(AR)コーティングの他方の側に塗布して、PETの両側に反射防止コーティングを施した反射防止フィルムを形成した。
【0195】
第5のサンプル複合フィルムS5を、中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAのスラリーを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAを、一定量の光開始剤と共にMIBK溶媒中に分散させた。中空ナノシリカ対PETIAの比は約55対45とした。スラリーを全固形分2%にしたものを中空シリカUV硬化ペーストとした。26.70グラムの中空シリカUV硬化ペーストを、3.21グラムのPGMEA及び0.09グラムのEbecryl 8110と混合したものをコーティングスラリーとした。コーティングスラリーを#3ロッドを用いて8ミルのPETフィルム上に塗布し、(溶媒を除去するために)オーブン中110℃で10秒間乾燥させ、次いで、基材上の第1の反射防止層になるようUV光下で硬化させた。同じコーティングを第1の反射防止(AR)コーティングの他方の側に塗布して、PET基材の両側に反射防止コーティングを施した反射防止フィルムを形成した。
【0196】
第6のサンプル複合フィルムS6を、中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAのスラリーを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAを、一定量の光開始剤と共にMIBK溶媒中に分散させた。中空ナノシリカ対PETIAの比は約55対45とした。スラリーを全固形分2%にしたものを中空シリカUV硬化ペーストとした。29.36グラムの中空シリカUV硬化ペーストを、0.60グラムのPGMEA、0.02グラムのTegorad 2500溶液(10%のTegorad 2500と90%のPGMEA)、及び0.02グラムのTegorad 2100溶液(10%のTegorad 2100と90%のPGMEA)と混合したものをコーティングスラリーとした。コーティングスラリーを#3ロッドを用いて8ミルのPETフィルム上に塗布し、(溶媒を除去するために)オーブン中110℃で10秒間乾燥させ、次いで、基材上の第1の反射防止(AR)層になるようUV光下で硬化させた。同じコーティングを第1の反射防止(AR)コーティングの他方の側に塗布して、PET基材の両側に反射防止コーティングを施した反射防止フィルムを形成した。
【0197】
第7の複合サンプルS7を、中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAのスラリーを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAを、一定量の光開始剤と共にMIBK溶媒中に分散させた。中空ナノシリカ対PETIAの比は約55対45とした。スラリーを全固形分2%にしたものを中空シリカUV硬化ペーストとした。29.36グラムの中空シリカUV硬化ペーストを、0.60グラムのPGMEA、0.02グラムのTegorad 2500溶液(10%のTegorad 2500と90%のPGMEA)、及び0.02グラムのTegorad 2100溶液(10%のTegorad 2100と90%のPGMEA)と混合したものをコーティングスラリーとした。コーティングスラリーを#3ロッドを用いて8ミルのPETフィルム上に塗布し、(溶媒を除去するために)オーブン中110℃で10秒間乾燥させ、次いで、基材上の第1の反射防止(AR)層になるようUV光下で硬化させた。同じコーティングを第1の反射防止(AR)コーティングの他方の側に塗布して、PET基材の両側に反射防止コーティングを施した反射防止フィルムを形成した。トップコート溶液を、9.925グラムのIPA、0.012グラムのFlurolink S10、0.012グラムのCyracure 6976、0.012グラムの酢酸、及び0.039グラムの蒸留水から作製した。このトップコート溶液を、#5ロッドを用いて反射防止コーティング上に塗布し、乾燥させ、次いで、高い水接触角の表面を形成させるためにUV硬化させた。
【0198】
第8の複合サンプルS8を、中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAのスラリーを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。中空ナノシリカ(LDS-100)及びUVバインダーPETIAを、一定量の光開始剤と共にMIBK溶媒中に分散させた。中空ナノシリカ対PETIAの比は約55対45とした。スラリーを全固形分2%にしたものを中空シリカUV硬化ペーストとした。19.58グラムの中空シリカUV硬化ペーストを、0.26グラムのPGMEA、0.08グラムのTegorad 2500溶液(10%のTegorad 2500と90%のPGMEA)、及び0.08グラムのTegorad 2100溶液(10%のTegorad 2100と90%のPGMEA)と混合したものをコーティングスラリーとした。コーティングスラリーを#3ロッドを用いて8ミルのPETフィルム上に塗布し、(溶媒を除去するために)オーブン中110℃で10秒間乾燥させ、次いで、基材上の第1の反射防止層になるようUV光下で硬化させた。同じコーティングを第1の反射防止(AR)コーティングの他方の側に塗布して、PET基材の両側に反射防止コーティングを施した反射防止フィルムを形成した。
【0199】
第2のサンプル複合フィルムS9を、7ミルのPETフィルムの片側に、実施例8と同じ方法で反射防止コーティングを調製することによって、本明細書に記載の実施形態に従って形成し、次いで、約4.0lb/ream(すなわち6.4g/m)のアクリル感圧接着剤コーティングを、PETフィルムの反射防止コーティングの反対側にコーティングした。接着剤側を3mmガラス板に積層した。
【0200】
サンプル複合フィルムS1~S9のそれぞれを、VLT及び水接触角について試験を行った。各サンプルの試験結果を以下の表1に要約する。
【0201】
【表1】
【0202】
一般的な説明又は実施例において、上で説明される活動の全てが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部分が必要とされない場合があり、説明される活動に加えて1つ以上の更なる活動が行われ得ることに留意されたい。なおも更に、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0203】
利益、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策をもたらすかより顕著にする可能性がある任意の特徴は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0204】
本明細書に記載の実施形態の明細書及び図面は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書及び図面は、本明細書に記載の構造又は方法を使用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態は、単一の実施形態として組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別個に又は任意に組み合わせて提供されてもよい。更に、範囲に記載された値への言及は、その範囲内の各々の値全てを含む。多くの他の実施形態が、本明細書を読んだ後にのみ当業者に明らかとなってもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、又は別の変更を行うことができるように、他の実施形態を使用し、本開示から導出することができる。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b