(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】安全性が強化されたバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240909BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240909BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240909BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240909BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240909BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/211
H01M50/507
H01M50/588
H01M50/593
(21)【出願番号】P 2023550101
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 KR2022021252
(87)【国際公開番号】W WO2023121416
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0187481
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0174863
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ウ・パク
(72)【発明者】
【氏名】テ-グン・キム
(72)【発明者】
【氏名】チャン-ジェ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ボク-グン・イ
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-077595(JP,A)
【文献】特表2020-515002(JP,A)
【文献】特表2022-512496(JP,A)
【文献】特表2022-536531(JP,A)
【文献】特表2022-546562(JP,A)
【文献】国際公開第2016/132404(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0296741(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極リードを備える複数のバッテリーセルと、
内部空間に複数の前記バッテリーセルを収納するモジュールケースと、
複数の前記バッテリーセルのうちの少なくとも一部のバッテリーセルの間の空間を分離し、前記電極リードを挿入可能なスロットが設けられた分離部材と、
電気絶縁材料を含み、前記スロットに挿入された前記電極リードの少なくとも一部分の外側を囲むように構成された絶縁ブロックと、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記分離部材が金属材料を含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記絶縁ブロックは、前記電極リードと前記分離部材との間を電気的に絶縁させるように構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記絶縁ブロックは、前記電極リードが挿入された状態で前記スロットを密閉させるように構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記絶縁ブロックは、互いに結合された二つ以上の単位ブロックを備える、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記分離部材は、
隣接するバッテリーセル同士の間に介在された第1分離部と、
前記第1分離部の端部に連結されて前記スロットが形成された第2分離部と、
を備える、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記第1分離部及び前記第2分離部の少なくとも一つが板状で構成されている、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記第1分離部と前記第2分離部とが直角をなして結合されている、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記分離部材は、前記第1分離部及び前記第2分離部のそれぞれの端部と連結されて複数の前記バッテリーセルの一側を覆う第3分離部をさらに備える、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記絶縁ブロックは、前記分離部材のスロットに取り付け可能に構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
複数の前記バッテリーセルの電極リード同士を電気的に接続するバスバーアセンブリをさらに含み、
前記バスバーアセンブリは、前記分離部材の外側に位置している、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記バスバーアセンブリは、
電気絶縁性材料から構成され、前記分離部材の外側に備えられたバスバーハウジングと、
電気伝導性材料から構成され、前記バスバーハウジングに結合されたバスバー端子と、
を備える、請求項11に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記絶縁ブロックには、前記バッテリーセルからガスが排出されたとき、排出されたガスが流入可能に構成されたガス捕集部が形成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
前記絶縁ブロックは、前記バッテリーセルのシーリング部のうちの少なくとも一部分を囲むように構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項15】
前記絶縁ブロックの内側端部に緩衝パッドを備える、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項16】
前記絶縁ブロックは、前記バッテリーセルからガスが排出されたとき、前記電極リードまたは前記分離部材のスロット側に密着するように構成されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項18】
請求項1から16のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月24日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0187481号及び2022年12月14日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0174863号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーに関し、より詳細には、安全性が強化されたバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車などに関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブル端末などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、ロボット、電気自動車などの商用化が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、中でもリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを介在して配置された電極組立体、及び電極組立体を電解液とともに密封収納する外装材、例えば電池ケースを備える。
【0006】
一般に二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に収納されている缶型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートからなるパウチに収納されているパウチ型電池とに分けられる。
【0007】
最近は、携帯型電子機器などの小型装置のみならず、電気自動車やエネルギー貯蔵システム(ESS:Energy Starge System)のような中大型装置にも駆動用やエネルギー貯蔵用として二次電池が広く用いられている。このような二次電池は、複数が電気的に接続された状態でモジュールケースの内部に一緒に収納される形態で一つのバッテリーモジュールを構成する。このとき、エネルギー密度を高めるため、バッテリーモジュールの内部には狭い空間に多数のバッテリーセル(二次電池)が密集した状態で存在することになる。
【0008】
ところが、このように多数のバッテリーセル(二次電池)が狭い空間に密集した状態で存在する場合、火災や爆発などの事故に脆弱である。特に、ある一つまたは一部のバッテリーセルで温度が急激に上昇する場合、他のバッテリーセルへと温度上昇が広がる熱暴走伝播(thermal runaway propagation)などのような現象が生じ得る。このとき、このような現象を完全に制御できなければ、バッテリーモジュールまたはバッテリーパックの火災や爆発に繋がり、多大な人命及び財産被害までも引き起こすおそれがある。さらに、一部のバッテリーセルで熱的事象が生じる場合、ベンティングガスや火炎、スパークなどが噴出される。このようなベンティングガスや火炎などの異物が隣接した正常セルに向かう場合は、隣接セルに熱暴走や火災などを引き起こすおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、熱的事象が発生したとき、隣接したバッテリーセルへの影響を減らすことで、安全性が強化されたバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車などを提供することを目的とする。
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に限定されず、他の課題は下記の発明の説明から当業者に明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、電極リードを備える複数のバッテリーセルと、内部空間に複数の前記バッテリーセルを収納するモジュールケースと、複数の前記バッテリーセルのうちの少なくとも一部のバッテリーセルの間の空間を分離し、前記電極リードを挿入可能なスロットが設けられた分離部材と、電気絶縁材料を含み、前記スロットに挿入された前記電極リードの少なくとも一部分の外側を囲むように構成された絶縁ブロックと、を含む。
【0012】
ここで、前記分離部材は、金属材料を含み得る。
【0013】
また、前記絶縁ブロックは、前記電極リードと前記分離部材との間を電気的に絶縁させるように構成され得る。
【0014】
また、前記絶縁ブロックは、前記電極リードが挿入された状態で前記スロットを密閉させるように構成され得る。
【0015】
また、前記絶縁ブロックは、互いに結合された二つ以上の単位ブロックを備え得る。
【0016】
また、前記分離部材は、隣接するバッテリーセル同士の間に介在された第1分離部と、前記第1分離部の端部に連結されて前記スロットが形成された第2分離部と、を備え得る。
【0017】
また、前記第1分離部及び前記第2分離部の少なくとも一つは、板状で構成され得る。
【0018】
また、前記第1分離部と前記第2分離部とは、直角をなして結合され得る。
【0019】
また、前記分離部材は、前記第1分離部及び前記第2分離部のそれぞれの端部と連結されて複数の前記バッテリーセルの一側を覆う第3分離部をさらに備え得る。
【0020】
また、前記絶縁ブロックは、前記分離部材のスロットに取り付け可能に構成され得る。
【0021】
また、本発明によるバッテリーモジュールは、複数の前記バッテリーセルの電極リード同士を電気的に接続するバスバーアセンブリをさらに含み、前記バスバーアセンブリは、前記分離部材の外側に位置し得る。
【0022】
また、前記バスバーアセンブリは、電気絶縁性材料から構成され、前記分離部材の外側に備えられたバスバーハウジングと、電気伝導性材料から構成され、前記バスバーハウジングに結合されたバスバー端子と、を備え得る。
【0023】
また、前記絶縁ブロックには、前記バッテリーセルからガスが排出されたとき、排出されたガスが流入可能に構成されたガス捕集部が形成され得る。
【0024】
また、前記絶縁ブロックは、前記バッテリーセルのシーリング部のうちの少なくとも一部分を囲むように構成され得る。
【0025】
また、前記絶縁ブロックは、内側端部に緩衝パッドを備え得る。
【0026】
また、前記絶縁ブロックは、前記バッテリーセルからガスが排出されたとき、前記電極リードまたは前記分離部材のスロット側に密着するように構成され得る。
【0027】
上記の目的を達成するため、本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、本発明によるバッテリーモジュールを含む。
【0028】
上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様による自動車は、本発明によるバッテリーモジュールを含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施構成によれば、バッテリーモジュールの安全性を向上させることができる。
【0030】
特に、本発明の一実施構成によれば、熱的事象が発生したとき、隣接したバッテリーセルに影響を及ぼす可能性のある因子を除去することで、熱暴走の伝播を効果的に抑制することができる。
【0031】
特に、本発明の一実施構成によれば、各バッテリーセルを別途の分離された空間に収納することで、火炎、スパーク、熱、異物などの隣接したバッテリーセルへの拡散を効果的に抑制することができる。
【0032】
また、本発明の一実施構成によれば、火炎や熱などからバスバーアセンブリを安定的に保護することができる。
【0033】
また、本発明の一実施構成によれば、火炎などによるバッテリーモジュールの内部構造の崩壊を防止することができる。
【0034】
他にも、本発明は多様な効果を有し、それについては各実施構成を通じて説明する。但し、当業者が容易に類推可能な効果などについては説明を省略する。
【0035】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した結合斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した図である。
【
図6】
図5のA1-A1’線に沿った断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を上側から眺めた形態の図である。
【
図8】本発明の一実施形態による絶縁ブロックの構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールにおいて、電極リードに対する絶縁ブロックの組み立て構成を概略的に示した断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールに含まれた分離部材の構成を概略的に示した斜視図である。
【
図11】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールに含まれた分離部材の構成を概略的に示した斜視図である。
【
図12】
図11の分離部材に形成されたスロットに電極リード及び絶縁ブロックが挿入される構成を概略的に示した正面図である。
【
図13】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールに含まれた分離部材の構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールに含まれた分離部材の構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図15】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成に対する分解斜視図である。
【
図17】本発明の他の実施形態による絶縁ブロックの構成を概略的に示した斜視図である。
【
図18】
図17の絶縁ブロックが分離部材のスロットに取り付けられた構成を概略的に示した断面図である。
【
図19】本発明のさらに他の実施形態による絶縁ブロックの構成を概略的に示した斜視図である。
【
図20】
図19の絶縁ブロックが分離部材のスロットに取り付けられた構成を概略的に示した断面図である。
【
図21】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した上面図である。
【
図22】本発明の一実施形態によるバスバーアセンブリの構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図23】本発明のさらに他の実施形態による絶縁ブロックの構成を概略的に示した斜視図である。
【
図24】
図23の絶縁ブロックが含まれたバッテリーモジュールの一部分に対する断面構成を上側から眺めた形態の図である。
【
図25】本発明のさらに他の実施形態による絶縁ブロックの構成を概略的に示した斜視図である。
【
図26】本発明のさらに他の実施形態による絶縁ブロックが含まれたバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。
【0038】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0039】
一方、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を表す用語が使用されているが、このような用語は説明の便宜上使用されたものであって、対象になる物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者にとって自明である。
【0040】
また、本明細書には多様な実施形態が含まれており、各実施形態においては、他の実施形態についての説明が同一または類似に適用可能な場合には詳細な説明を省略し、相違点を主として説明することにする。
【0041】
図1及び
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した結合斜視図及び分解斜視図である。また、
図3は
図2の一部構成を拡大して示した図であり、
図4は
図3の構成の結合斜視図である。
【0042】
図1~
図4を参照すると、本発明によるバッテリーモジュールは、バッテリーセル100、モジュールケース200、分離部材300及び絶縁ブロック400を含み得る。
【0043】
前記バッテリーセル100は、二次電池であって、電極組立体、電解質及び外装材を備え、繰り返して充放電可能に構成され得る。前記バッテリーセル100はリチウム電池であり得るが、本発明が必ずしもこのような電池の特定種類に限定されることはない。
【0044】
特に、前記バッテリーセル100はパウチ型電池であり得る。この場合、バッテリーセル100の外装材は、アルミニウム層がポリマー層によって覆い包まれた形態のパウチ外装材であり得る。
【0045】
さらに、このような形態のバッテリーセル100、すなわちパウチ型のバッテリーセル100は、
図3及び
図4に示されたように、Rで示された収納部、及びEで示されたシーリング部を備え得る。ここで、収納部Rは、電極組立体(正極板、負極板、セパレータ)及び電解質が収納された部分を示し、シーリング部Eは、このような収納部Rの周辺を囲む形態でパウチ外装材が融着された部分を示すと言える。
【0046】
特に、パウチ型のバッテリーセル100は、収納部Rを中心に四つの側面(エッジ)が存在すると言える。このとき、四つの側面がすべてシーリングされた形態で構成されてもよく、三つの側面のみがシーリングされた形態で構成されてもよい。このとき、四つの側面がシーリングされたセルを四面シールセルとし、三つの側面がシーリングされたセルを三面シールセルと称し得る。例えば、
図3及び
図4に示された実施構成においては、バッテリーセル100が立設された形態で構成されるが、左側パウチと右側パウチの前端、後端、下端及び上端がシーリングされ得る。この場合、バッテリーセル100は四面シーリングされたと言える。
【0047】
前記バッテリーセル100は、バッテリーモジュールに複数個含まれ得る。また、それぞれのバッテリーセル100は、電極リード110を備え得る。このような電極リード110には、正極リードと負極リードが含まれ、正極リードと負極リードとは、バッテリーセル100の同じ側面(エッジ)または相異なる側面に突出するように備えられ得る。このとき、正極リードと負極リードが同じ側面に位置する場合を単方向セルと称し、正極リードと負極リードとが相異なる側面、特に反対となる側面に位置する場合を両方向セルと称し得る。
【0048】
複数のバッテリーセル100は、互いに積層された形態でバッテリーモジュールに含まれ得る。すなわち、本発明によるバッテリーモジュールは、少なくとも一方向に積層された形態のセル積層体(セルアセンブリ)を備えると言える。例えば、
図2に示されたように、複数のバッテリーセル100は、上下方向(垂直方向、Z軸方向)に立設された形態で、水平方向、例えば左右方向(Y軸方向)に並んで配置され得る。このとき、各バッテリーセル100の電極リード110は、前後方向(X軸方向)の両端に配置される。
【0049】
前記モジュールケース200は、内部に空いた空間が形成され、このような内部空間に複数のバッテリーセル100を収納するように構成され得る。例えば、前記モジュールケース200は、天板210、下板220、左側板230、右側板240、前板250及び背板260を備えて内部空間を限定し得る。そして、このようにして限定された内部空間にセル積層体が位置し得る。
【0050】
また、モジュールケース200を構成する複数の板状部材の少なくとも一部分は互いに一体化された形態で構成されてもよい。例えば、前記モジュールケース200は、
図2に示されたように、下板220と左側板230と右側板240とが一体化されたU字型フレームの本体を備え、天板210、前板250及び背板260が本体の上部、前方及び後方を覆うかまたは密閉するように構成され得る。このとき、天板210、前板250及び背板260と本体との結合固定には、溶接、接着、ボルティング、フックなど多様な締結方式が用いられ得る。または、前記モジュールケース200は、天板210と下板220と左側板230と右側板240とが一体化された管状のモノフレーム形態で構成されてもよい。
【0051】
前記モジュールケース200は、耐熱性材料、特に金属及び/またはプラスチック材料から構成され得る。例えば、前記モジュールケース200は、クラッドメタル(clad metal)、耐熱コーティング層を備える金属またはプラスチック材料、STS(SUS)とAlとが接合された形態など、多様な種類の耐熱性材料を含み得る。
【0052】
但し、本発明がこのようなモジュールケース200の特定の材料や形態によって限定されることはない。
【0053】
前記分離部材300は、モジュールケース200に収納された複数のバッテリーセル100のうちの少なくとも一部のバッテリーセル100の間の空間を分離するように構成され得る。さらに、前記分離部材300は、モジュールケース200の内部空間を複数の単位空間に分割し得る。例えば、前記分離部材300は、複数のバッテリーセル100のそれぞれに対して収納空間を分離するように構成され得る。この場合、複数のバッテリーセル100のそれぞれは異なる分離空間に収納されると言える。他の例として、前記分離部材300は、二つ以上のセルバンクを分離するように構成され得る。ここで、セルバンクには、一つ以上のバッテリーセル100が含まれ得る。より具体的な例として、セルバンクには三つのバッテリーセル100が含まれ得る。この場合、分離部材300は、三つのバッテリーセル100を一つのセルバンクとして構成し、セルバンク毎に収納空間を分離し得る。
【0054】
前記分離部材300には、
図2にSで示された部分のように、スロットが形成され得る。このようなスロットSは、電極リード110を挿入可能に構成され得る。特に、スロットSは、内側に位置する電極リード110が分離部材300を貫通して外側に突出するように構成され得る。例えば、スロットSは、電極リード110が分離部材300の厚さ方向に挿入または貫通されるように、電極リード110の挿入形態に対応する形状及び大きさなどを有し得る。より具体的には、電極リード110は立設された板状で形成され得るが、この場合、スロットSは、電極リード110の上下方向(Z軸方向)の長さ及び左右方向(Y軸方向)の厚さ以上の大きさを有するように構成され得る。
【0055】
一方、本明細書において、特に言及しない限り、特定の構成要素に対し、内側方向とは該当構成要素またはバッテリーモジュールの中心に向かう方向を意味し、外側方向とは該当構成要素またはバッテリーモジュールの外側に向かう方向を意味する。
【0056】
前記絶縁ブロック400は、電気絶縁性材料を含み、電極リード110を囲むように構成され得る。特に、絶縁ブロック400は、電極リード110のうちのスロットSに挿入された部分の外側を囲むように構成され得る。
【0057】
例えば、
図3を参照すると、バッテリーセル100の前後方向(X軸方向)の両端に位置する電極リード110は、L1で示された部分のように前後方向に延在してから、L2で示されたように端部が左右方向に折り曲がるように構成され得る。ここで、前後延在部L1の少なくとも一部分は分離部材300のスロットSに挿入された部分であり、左右折曲部L2はスロットSから抜け出て分離部材300の外側に位置する部分であり得る。特に、左右折曲部L2は、他のバッテリーセル100の電極リードと直接接触するか、または、後述するバスバーアセンブリのバスバー端子と接触する部分であり得る。
【0058】
このとき、絶縁ブロック400は、電極リード110のうちのスロットSに挿入された部分、すなわち前後延在部L1の周りを囲むように構成され得る。例えば、絶縁ブロック400は、電極リード110の前後延在部L1の一部分に対し、延在方向を除いた上、下、左、右の全体方向、すなわち360°方向で電極リード110を囲むように構成され得る。
【0059】
前記絶縁ブロック400は、電気絶縁性材料を含む物質であって、本発明の出願時点で公知の多様な絶縁物質からなるか、または、このような絶縁物質を含み得る。また、前記絶縁ブロック400は、高温や火炎などに対してもある程度耐えられる耐熱性を有する物質からなるか、または、このような物質を含み得る。より具体的な例として、前記絶縁ブロック400は、耐熱プラスチックや耐熱(セラミックなど)処理された弾性体、例えば耐熱コーティングされたシリコーンやゴム、ポリマーなどの材料からなるか、または、このような物質を含み得る。
【0060】
本実施構成によれば、バッテリーモジュールの内部でバッテリーセル100の収納空間が分離されて、隣接するバッテリーセル100間の火炎や熱、スパーク、その他異物などの伝達が効果的に遮断可能である。したがって、特定のバッテリーセル100で熱暴走などの事象が発生しても、他のバッテリーセル100へとこのような熱的事象が伝播されることを防止することができる。
【0061】
前記分離部材300は金属材料を含み得る。例えば、前記分離部材300は、金属材料からなり得る。または、前記分離部材300は、金属材料とともに他の材料をさらに含み得る。
【0062】
より具体的な例として、前記分離部材300は、鋼鉄、より具体的にはステンレス鋼(SUS、STS)材料を含み得る。他の例として、前記分離部材300は、クラッドメタル材料、耐熱コーティングされた金属材料、及び/またはSTS材料にアルミニウムが接合された材料などから構成され得る。
【0063】
本発明のこのような実施構成によれば、分離部材300の製造が容易であって、高い構造的安定性または機械的強度を確保可能である。特に、本実施構成によれば、バッテリーモジュールの内部で火炎などが発生しても、火炎に対する耐久性が安定的に確保されて構造の崩壊を防止できるだけでなく、火炎に対する優れた遮断性能を確保することができる。
【0064】
前記絶縁ブロック400は、電極リード110と分離部材300とを電気的に絶縁させるように構成され得る。これについては
図5及び
図6を参照してより具体的に説明する。
【0065】
図5は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した図であり、
図6は
図5のA1-A1’線に沿った断面図である。例えば、
図5及び
図6は、バッテリーモジュールにおいて、一つのバッテリーセル100の前方一部を示した図面である。
【0066】
図5及び
図6を参照すると、前記絶縁ブロック400は、電極リード110が分離部材300と直接接触しないようにすることで、電極リード110と分離部材300との間が電気的に絶縁されるように構成され得る。特に、絶縁ブロック400は、電極リード110のうちの分離部材300のスロットSを通過する部分に対し、その周辺を囲むように構成され得る。
【0067】
本発明のこのような実施構成では、電極リード110が分離部材300、特に分離部材300のスロットS部分と接触することを防止可能である。したがって、電極リード110と分離部材300との通電を防止することができる。特に、分離部材300は、火炎に対する安定性及び構造的剛性などを確保するため、電気伝導性を有する金属材料から構成され得る。このとき、本実施構成のように絶縁ブロック400が電極リード110と分離部材300との直接的な接触を遮断することで、ショートなどの発生を防止して電気的な安全性を確保することができる。
【0068】
また、前記絶縁ブロック400は、スロットSを密閉するように構成され得る。分離部材300には、電極リード110を挿入可能なスロットSが形成されるが、このようなスロットSは、電極リード110の挿入工程が容易に行われるように、公差を考慮して電極リード110の挿入大きさ(断面サイズ)よりも大きく形成され得る。したがって、電極リード110がスロットSに挿入された状態で、電極リード110の周辺には空いた空間が形成され得る。しかし、
図6にA2で示された部分のように、スロットSにおいて電極リード110の周辺は絶縁ブロック400で満たされ得る。
【0069】
本発明のこのような実施構成によれば、スロットSからの火炎やスパークなどの排出が抑制可能である。これについては
図7をさらに参照してより具体的に説明する。
【0070】
図7は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を上側から眺めた形態の図である。例えば、
図7は、
図5のA2-A2’線に沿った断面構成であり得る。
【0071】
図7を参照すると、バッテリーセル100のパウチ外装材、特にシーリング部E側で火炎やスパーク、ベンティングガスなどが発生した場合、火炎などは、矢印B1で示されたように、分離部材300の内側からスロットSに向かって移動し得る。しかし、分離部材300のスロットSにおいては、電極リード110が挿入された部分以外の空間が絶縁ブロック400によって密閉される。特に、絶縁ブロック400は、分離部材300のスロットSから電極リード110を除いたスロットSの空いた空間を完全に塞ぐように構成され得る。したがって、火炎やスパークなどはスロットSを通過できず、分離部材300の内側空間、すなわち該当バッテリーセル100が収納された空間のみに留まることになる。
【0072】
したがって、本実施構成によれば、スロットSを通過した火炎などによって熱暴走が伝播されることをより確実に防止可能である。例えば、本実施構成の場合、電極リード110が位置する空間、特にバッテリーモジュールの前方または後方から火炎やスパーク、高温のガスなどがバッテリーセル100の間で伝播されることを遮断することができる。したがって、この場合、バッテリーモジュールの安全性がさらに向上する。
【0073】
さらに、前記絶縁ブロック400は、スロットSに対する密閉力を確保するため、弾性体材料を含み得る。例えば、前記絶縁ブロック400は、ポリウレタンやゴム、シリコーンなどの材料を含み得る。また、絶縁ブロック400は、一定水準以上の弾性を有するプラスチックまたはポリマー材料を含み得る。さらに、絶縁ブロック400は、耐熱性向上のため、セラミックコーティング層を備え得る。例えば、絶縁ブロック400は、ジルコニアやマイカなどの材料を含み得る。本発明は、絶縁ブロック400の特定材料によって限定されず、絶縁ブロック400には本発明の出願時点で公知の電気絶縁性、耐熱性または弾性を有する多様な物質が採用され得る。
【0074】
図8は、本発明の一実施形態による絶縁ブロック400の構成を概略的に示した分解斜視図である。
図9は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールにおいて、電極リード110に対する絶縁ブロック400の組み立て構成を概略的に示した断面図である。
【0075】
図8及び
図9を参照すると、絶縁ブロック400は、二つ以上の単位ブロックを備え得る。また、このような複数の単位ブロックは互いに結合可能に構成され得る。例えば、
図8及び
図9に示されたように、絶縁ブロック400は、第1ブロック410及び第2ブロック420を備え得る。そして、このような第1ブロック410と第2ブロック420とは、互いに結合されて一つの単位ブロックを構成し、一つのスロットSに挿入され得る。
【0076】
絶縁ブロック400には、
図3及び
図8などにNで示された部分のように、電極リード110が挿入されるためのリード挿入部が形成され得る。特に、このようなリード挿入部Nは、電極リード110の形状に対応して、上下方向(Z軸方向)に長く延びたスリット形態で形成され得る。特に、リード挿入部Nは、第1ブロック410及び第2ブロック420の少なくとも一つに形成され得る。例えば、
図8に示されたように、第1ブロック410及び第2ブロック420のそれぞれに第1スリットN1及び第2スリットN2が形成され得る。この場合、第1ブロック410と第2ブロック420とが結合するとき、第1スリットN1と第2スリットN2とが結合して、一つのリード挿入部Nを形成し得る。
【0077】
より具体的には、第1ブロック410及び第2ブロック420は、互いに上下方向に結合され得る。例えば、第2ブロック420は、矢印B2で示されたように、第1ブロック410の上部から下方に移動して第1ブロック410の上端に載置され得る。ここで、第1スリットN1は、第1ブロック410の上端から下方に所定の距離だけ長く延びた形態で形成され得る。また、第2スリットN2は、第2ブロック420の下端から上方に所定の距離だけ長く延びた形態で形成され得る。さらに、リード挿入部Nは、絶縁ブロック400を切開するかまたは切り取った形態で形成され得る。
【0078】
本発明のこのような実施構成によれば、絶縁ブロック400と電極リード110との組立性が向上する。例えば、本実施構成によれば、
図9の(a)に示されたように、電極リード110を先に第1ブロック410の第1スリットN1に挿入する。そして、第1スリットN1から上方に突出した電極リード110の上部を第2スリットN2に合わせながら、第2ブロック420を矢印B2のように下方に移動させる。すると、
図9の(b)で示されたように、第2ブロック420と第1ブロック410とが結合され、絶縁ブロック400によって電極リード110の周辺を囲む構成が容易に達成される。また、このような実施構成によれば、絶縁ブロック400と電極リード110との間の密閉性を向上させることができる。すなわち、本実施構成によれば、電極リード110を絶縁ブロック400のリード挿入部Nに容易に挿入可能であるため、リード挿入部Nを大きくしなくてもよい。したがって、電極リード110と絶縁ブロック400との間で間隙が生じることを最小化することができる。
【0079】
本実施構成において、複数の単位ブロックは、接着、ボルティング、溶接、嵌め合い結合、フック結合など多様な締結方式によって相互結合され得る。例えば、第1ブロック410の上面及び第2ブロック420の下面に接着剤が塗布され、第1ブロック410と第2ブロック420とが互いに接着固定され得る。他の例として、前記第1ブロック410と前記第2ブロック420とは、互いに対応して形成された締結突起と締結溝によって嵌め合い結合されて締結固定され得る。
【0080】
本発明のこのような実施構成によれば、複数の単位ブロック間の結合状態が安定的に維持され、絶縁ブロック400による電極リード110の絶縁及び密閉性能をより安定的に確保できる。
【0081】
また、前記絶縁ブロック400は、電極リード110に対して着脱可能に構成され得る。すなわち、絶縁ブロック400は、電極リード110と結合及び分離可能に構成され得る。例えば、絶縁ブロック400は、第1ブロック410と第2ブロック420との嵌め合い結合によって電極リード110に取り付けられ得る。そして、絶縁ブロック400は、第1ブロック410と第2ブロック420との嵌め合い結合が解除されて電極リード110から分離または離脱し得る。
【0082】
本発明のこのような実施構成によれば、バッテリーモジュールの組み立て工程は勿論、バッテリーモジュールから特定のバッテリーセル100を分離する工程などをより容易に行うことができる。したがって、バッテリーモジュールの組立性や交換容易性がさらに改善される。
【0083】
前記絶縁ブロック400は、バッテリーモジュールに複数個含まれ得る。例えば、バッテリーセル100には、二つの電極リード110が突出するためのスロットSが二つ以上形成され得る。さらに、バッテリーモジュールには複数のバッテリーセル100が含まれ、各バッテリーセル100の電極リード110に対応するスロットSも分離部材300に複数個形成され得る。このとき、複数のスロットSのそれぞれに対応するように、絶縁ブロック400も複数個含まれ得る。例えば、一つのバッテリーモジュールに含まれた分離部材300に複数のスロットSが形成された場合、絶縁ブロック400は各スロットSに一対一対応するように複数個含まれ得る。
【0084】
図10は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールに含まれた分離部材300の構成を概略的に示した斜視図である。
【0085】
図10を参照すると、前記分離部材300は、第1分離部310及び第2分離部320を備え得る。
【0086】
第1分離部310は、隣接するバッテリーセル100同士の間に介在されるように構成され得る。例えば、
図10とともに
図2を参照すると、複数のバッテリーセル100が左右方向に並んで配列され得る。このとき、それぞれのバッテリーセル100は、立設された形態で前後方向に電極リード110が位置するように配置され得る。このとき、第1分離部310は、左右方向に隣接して配置された二つのバッテリーセル100の間に介在され得る。すなわち、第1分離部310は、セル積層体の間に介在されてセル積層体の間の空間を分離し得る。
【0087】
より具体的には、第1分離部310は、C1で示されたように複数の分離された空間を形成し得る。さらに、第1分離部310は、水平方向(左右方向)に所定の距離だけ離隔して複数個が配置され得る。そして、このような第1分離部310同士の離隔空間に一つ以上のバッテリーセル100が収納され得る。
【0088】
第2分離部320は、第1分離部310の端部に連結され得る。さらに、第2分離部320は、電極リード110が位置する側に備えられ得る。例えば、
図10に示されたように、第2分離部320は、電極リード110が位置する第1分離部310の前端または後端に連結され得る。特に、第2分離部320は、二つ以上備えられ、一方は第1分離部310の前端に連結され、他方は第1分離部310の後端に連結され得る。
【0089】
また、前記第2分離部320には、スロットSが形成され得る。すなわち、第2分離部320には、電極リード110を挿入可能なスロットSが形成され得る。このとき、スロットSは、第2分離部320をその厚さ方向に貫通した形態で形成され得る。
【0090】
第1分離部310は、セル積層体の積層方向、例えば左右方向において二つのバッテリーセル100の間を分離するように構成され得る。そして、第2分離部320は、セル積層体と前方空間または後方空間とを分離するように構成され得る。
【0091】
このような実施構成によれば、分離部材300によって、バッテリーセル100の積層方向において火炎やスパーク、熱などがセルの間で直接伝達されることだけでなく、バッテリーセル100の前方空間または後方空間を通って火炎などが迂回して伝達されることも効果的に遮断することができる。したがって、この場合、バッテリーセル100間の熱伝播の抑制性能がさらに向上する。
【0092】
前記第1分離部310及び/または前記第2分離部320は、板状で構成され得る。例えば、
図10に示されたように、複数の第1分離部310及び二つの第2分離部320はすべて四角の板状で構成され得る。そして、第1分離部310及び第2分離部320を構成するそれぞれのプレートは、四角の板状で構成され得る。さらに、第1分離部310及び第2分離部320は何れも立設された板状で形成され得る。
【0093】
本発明のこのような実施構成によれば、分離部材300の大きさや厚さを小さくしながらも、モジュールケース200の内部空間においてセル間の空間を確実に分離することができる。特に、分離部材300の端部、例えば上端または下端をモジュールケース200の内面に確実に密着させることで、分離部材300とモジュールケース200との間の間隙から火炎やガス、スパーク、熱などが流出することを防止することができる。また、この場合、分離部材300が占める空間を減らしてバッテリーモジュールのエネルギー密度を高める一方、バッテリーモジュールの軽量化にも寄与することができる。
【0094】
第1分離部310と第2分離部320とは、直角をなして結合された形態を有し得る。例えば、第1分離部310は立設されたプレートであって、前後方向(X軸方向)に長く延びた形状を有するように配置され得る。そして、第2分離部320は立設されたプレートであって、左右方向(Y軸方向)に長く延びた形状を有するように配置され得る。この場合、第1分離部310と第2分離部320とは延在方向同士が垂直に結合されていると言える。
【0095】
本発明のこのような実施構成によれば、分離部材300の体積や重さを減少させ、バッテリーセル100の収納空間を最大限に確保可能である。したがって、バッテリーモジュールのエネルギー密度の向上に有利である。また、本実施構成によれば、分離部材300の製造だけでなく、分離部材300とバッテリーセル100との組み立ても容易に行うことができる。したがって、バッテリーモジュールの製造工程性が向上できる。また、本実施構成によれば、分離部材300の構造的剛性をより安定的に確保することができる。
【0096】
一例として、第1分離部310と第2分離部320とは、別途に製造された後、組み立てられ得る。この場合、第1分離部310は、バッテリーセル100とともに水平方向、例えば左右方向に繰り返して積層されて複合積層体を形成し得る。そして、複合積層体が形成された後、第1分離部310の端部、例えば前端と後端にそれぞれ異なる第2分離部320が結合され得る。
【0097】
このとき、第1分離部310と第2分離部320とは、多様な締結方式で相互結合され得る。例えば、第1分離部310と第2分離部320とは、溶接によって互いに結合固定され得る。または、第1分離部310と第2分離部320とは嵌め合い結合方式などで結合固定されてもよい。特に、第1分離部310と第2分離部320との締結性を向上させるため、第1分離部310は、バッテリーセル100と複合積層体を形成した状態で、バッテリーセル100よりも前後方に突出するように配置され得る。そして、第1分離部310のこのような突出部分が第2分離部320と接触して結合される。
【0098】
一方、第2分離部320にはスロットSが形成されて、第1分離部310との結合時に電極リード110が貫通し得る。このとき、第2分離部320は、第1分離部310の前方または後方からバッテリーセル100に向かう方向に移動して第1分離部310と結合され得る。
【0099】
本発明のこのような実施構成によれば、第1分離部310とバッテリーセル100とを積層して複合積層体を形成するとき、第1分離部310とバッテリーセル100とを最大限に密着させることができる。したがって、デッドスペースが減少し、バッテリーモジュールのエネルギー密度がより向上する。
【0100】
他の例として、第1分離部310と第2分離部320とは一体化された形態で製造され得る。すなわち、第1分離部310と第2分離部320とは、別途に製造されてから結合されるものではなく、一体化された形態で製造されてもよい。例えば、第1分離部310と第2分離部320とは、最初から
図10に示されたような形態で製造され得る。
【0101】
本発明のこのような実施構成によれば、分離部材300を製造し易いため、バッテリーモジュールの生産性または工程性が向上する。また、この場合、第1分離部310と第2分離部320とが最初から一体化されて結合状態を維持するため、分離部材300の優れた構造的剛性または安定性を確保可能である。
【0102】
図11は、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールに含まれた分離部材300の構成を概略的に示した斜視図である。
【0103】
図11を参照すると、スロットSは、分離部材300において一部が切り取られるかまたは切開された形態で設けられ得る。より具体的には、スロットSは、第2分離部320の上端から下方に所定の距離だけ切り取られた形態で形成され得る。そして、このように切り取られた形態で形成されたスロットSには、電極リード110及びそれを囲む絶縁ブロック400が挿入され得る。これについては
図12をさらに参照してより具体的に説明する。
【0104】
図12は、
図11の分離部材300に形成されたスロットSに電極リード110及び絶縁ブロック400が挿入される構成を概略的に示した正面図である。特に、
図12の(a)はスロットSに電極リード110及び絶縁ブロック400が挿入される過程を示した図であり、
図12の(b)はスロットSに電極リード110及び絶縁ブロック400が挿入された後の断面構成を概略的に示した図である。
【0105】
図11とともに
図12の(a)を参照すると、スロットSが分離部材300の上端から下方に切り取られた形態で形成されているため、電極リード110及び絶縁ブロック400は、スロットSの上端開口部から下方に引き込まれてスロットSの内部に挿入され得る。
【0106】
このような実施構成において、絶縁ブロック400は、
図8及び
図9の実施形態で上述したように、二つの単位ブロックを備え得る。この場合、第1ブロック410が第2分離部320のスロットSに先に挿入された状態で、バッテリーセル100が矢印B3で示されたように下方に移動し、電極リード110が第2分離部320のスロットS及び第1ブロック410の第1スリットN1に挿入され得る。そして、バッテリーセル100が分離部材300の内部分離空間に収納されて、電極リード110がスロットS及び第1スリットN1に挿入されれば、第2ブロック420が矢印B4で示されたように下降して、第2分離部320のスロットSに挿入され得る。このとき、第2ブロック420の第2スリットN2には、バッテリーセル100の電極リード110が挿入され得る。
【0107】
本発明のこのような実施構成によれば、バッテリーモジュールの組立性または工程性がさらに改善される。特に、本実施構成によれば、第1分離部310と第2分離部320とが結合された状態または一体化された形態で製造された場合にも、バッテリーセル100を一方向、例えば下方に移動させて収納空間C1に容易に収納することができる。したがって、バッテリーセル100の収納工程をより容易に行うことができる。また、本実施構成によれば、絶縁ブロック400を分離部材300のスロットSに結合する構成をより容易に達成可能である。
【0108】
図13及び
図14は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールに含まれた分離部材300の構成を概略的に示した分解斜視図である。
【0109】
図13及び
図14を参照すると、前記分離部材300は、第3分離部330をさらに備え得る。ここで、第3分離部330は、第1分離部310及び第2分離部320のそれぞれの端部と連結され得る。例えば、
図13に示されたように、第3分離部330は、第1分離部310及び第2分離部320の下端に連結され得る。他の例として、
図14に示されたように、第3分離部330は、第1分離部310及び第2分離部320の上端に連結され得る。
【0110】
第3分離部330は、第1分離部310及び第2分離部320と同様に、板状で構成され得る。但し、第3分離部330は、第1分離部310または第2分離部320と異なり、水平方向に横たわった形態で構成され得る。特に、第3分離部330は、X-Y平面に平行な板状で構成され得る。さらに、第3分離部330は、第1分離部310及び第2分離部320と直交する板状で構成され得る。すなわち、第3分離部330が成す平面は、第1分離部310及び第2分離部320が成す平面と直交する形態を有し得る。
【0111】
本発明のこのような実施構成によれば、第3分離部330によって第1分離部310及び第2分離部320の構造がより安定的に維持される。したがって、外部の衝撃や内部の圧力変化などによっても分離部材300の構造が変形せず、安定的に維持される。特に、バッテリーセル100において熱暴走などの事象によってガスや火炎、スパークなどが発生する場合、分離部材300側に強い圧力が加えられることがある。このとき、第3分離部330によって分離部材300の構造の崩壊が抑制され、分離部材300によるセル間の隔離効果をより安定的に確保可能である。
【0112】
また、本実施構成によれば、バッテリーセル100の下端や上端が第3分離部330に載置されるため、分離部材300の内部空間にバッテリーセル100を安定的に収納することができる。特に、
図13の実施形態のように、バッテリーセル100の下端に第3分離部330が備えられる場合、バッテリーセル100は第3分離部330の上端に載置されて安定的に収納される。
【0113】
また、本実施構成によれば、分離部材300の隔離効果が一層向上する。例えば、各バッテリーセル100は、第1分離部310及び第2分離部320によって水平方向における火炎や熱などの伝播が遮断されるだけでなく、第3分離部330によって上下方向(垂直方向)における火炎などの伝播が遮断される。特に、
図14の実施形態のように、バッテリーセル100の上側に第3分離部330が備えられる場合、火炎などが上方に向かうことを遮断することができる。したがって、バッテリーモジュールが自動車の下部に搭載された場合、火炎が上側に位置する搭乗者に向かうことを抑制し、搭乗者の安全性を向上させることができる。
【0114】
一方、
図13及び
図14に示されたように、第3分離部330は、第1分離部310の上端及び下端のいずれか一方のみに結合され得る。この場合、バッテリーセル100で発生する火炎やベンティングガスなどを特定の方向に誘導するディレクショナルベンティング(directional venting)の実現により有利である。また、この場合、分離部材300の収納空間にバッテリーセル100を収納する工程をより容易に行うことができる。
【0115】
図15は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成に対する分解斜視図であり、
図16は
図15の構成の結合斜視図である。特に、
図15及び
図16には、分離部材300の一部分として一つのスロットS及びそれに結合される一つの絶縁ブロック400が示されている。
【0116】
図15及び
図16を参照すると、絶縁ブロック400は、分離部材300のスロットSに取り付け可能に構成され得る。例えば、分離部材300のスロットSは、
図15に示されたように、孔のような形態で形成され得、このとき、絶縁ブロック400は、矢印B5で示されたように移動して、孔状に形成されたスロットSに挿入結合され得る。反対に、絶縁ブロック400は、矢印B6で示されたように移動して、スロットSから分離され得る。すなわち、絶縁ブロック400は、分離部材300のスロットSに着脱可能に構成され得る。
【0117】
本実施構成において、絶縁ブロック400は、分離部材300のスロットSに嵌め合い結合可能に構成され得る。例えば、絶縁ブロック400は、スロットSの形態に対応する構造または大きさを有し得る。
【0118】
本発明のこのような実施構成によれば、分離部材300のスロットS部分に対して密閉構造を容易に設けることができる。また、本実施構成によれば、電極リード110をスロットSに安定的に固定可能である。したがって、バッテリーモジュールの使用中に電極リード110の接合部分が破損または損傷されることを防止し、電極リード110とバスバーとの接合工程をより容易に行うことができる。
【0119】
図17は、本発明の他の実施形態による絶縁ブロック400の構成を概略的に示した斜視図である。
図18は、
図17の絶縁ブロック400が分離部材300のスロットSに取り付けられた構成を概略的に示した断面図である。例えば、
図18は、
図17の絶縁ブロック400がスロットSに取り付けられた状態において、A4-A4’線に沿った断面構成であり得る。
【0120】
まず、
図17を参照すると、絶縁ブロック400は反対側に位置する両端の大きさが異なり得る。特に、絶縁ブロック400は、外側端部の大きさと内側端部の大きさとが異なるように構成され得る。例えば、
図17に示された絶縁ブロック400が、バッテリーセル100の前方に位置する電極リード110と結合される構成であるとき、換言して前方絶縁ブロック400であるとき、絶縁ブロック400の外側端部の幅はW1で示し得る。そして、絶縁ブロック400の内側端部の幅はW2で示し得る。この場合、W1はW2よりも小さく形成され得る。
【0121】
そして、分離部材300のスロットSも、このような絶縁ブロック400の形状に対応する形態及び大きさを有し得る。例えば、
図18の実施構成を参照すると、分離部材300のスロットSは、前後方向(X軸方向)に分離部材300を貫通し、絶縁ブロック400の形状に対応するように形成され得る。特に、スロットSの外側開口部の大きさは絶縁ブロック400の外側端部の大きさ(W1)とほぼ同一に形成され、スロットSの内側開口部の大きさは絶縁ブロック400の内側端部の大きさ(W2)とほぼ同一に形成され得る。したがって、スロットSは、外側の大きさが内側の大きさよりも小さく形成され得る。
【0122】
本発明のこのような実施構成によれば、熱暴走などの非常状況で絶縁ブロック400が分離部材300のスロットSから離脱することなく、その位置を安定的に維持することができる。例えば、絶縁ブロック400の内側に位置するバッテリーセル100から火炎やベンティングガスなどが噴出された場合、
図18の矢印B7で示されたように、絶縁ブロック400に向かって外側方向の圧力が加えられ得る。このとき、スロットSの内側端部の大きさ(幅)が絶縁ブロック400の外側端部の大きさ(幅)よりも小さく形成されるため、矢印B7のように加えられる力によっても、絶縁ブロック400はスロットSから外側(+X軸方向)に離脱し難い。また、この場合、絶縁ブロック400と分離部材300との結合が安定的に行われるため、絶縁ブロック400によって囲まれた電極リード110もその位置を安定的に維持することができる。
【0123】
図19は、本発明のさらに他の実施形態による絶縁ブロック400の構成を概略的に示した斜視図である。
図20は、
図19の絶縁ブロック400が分離部材300のスロットSに取り付けられた構成を概略的に示した断面図である。
【0124】
図19及び
図20を参照すると、絶縁ブロック400は、バッテリーセル100の収納部R側に位置する内側端部に、Pで示された部分のように、ストッパが形成され得る。前記ストッパPは、絶縁ブロック400において左右方向(Y軸方向)に突出するように形成され、左右方向の幅が最も広く形成された部分であり得る。さらに、前記ストッパPは、スロットSの大きさよりも大きく構成され得る。この場合、前記ストッパPは、
図20に示されたように、絶縁ブロック400が分離部材300のスロットSに挿入されるとき、スロットSに挿入されずに分離部材300の内側面に当接し得る。
【0125】
本発明のこのような実施構成によれば、熱暴走などの状況でバッテリーセル100から火炎やガスなどが発生し、矢印B7’で示されたように圧力が加えられても、絶縁ブロック400がスロットSの外側に抜け出ることを確実に防止することができる。したがって、絶縁ブロック400と分離部材300との結合性が向上し、電極リード110の動きや損傷が防止可能である。
【0126】
本発明によるバッテリーモジュールは、
図2に示されたように、バスバーアセンブリ500をさらに含み得る。
【0127】
前記バスバーアセンブリ500は、複数のバッテリーセル100の電極リード110同士を電気的に接続するように構成され得る。特に、前記バスバーアセンブリ500は、分離部材300の外側に位置し得る。これについては
図21を参照してより具体的に説明する。
【0128】
図21は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した上面図である。特に、
図21には、分離部材300とバスバーアセンブリ500が示されている。
【0129】
図21を参照すると、バスバーアセンブリ500は、分離部材300の外側に備えられ得る。より具体的には、分離部材300の前側(+X軸方向)と後側(-X軸方向)にそれぞれバスバーアセンブリ500が配置され得る。特に、分離部材300は、前側と後側にそれぞれ第2分離部320を備え得る。そして、このような第2分離部320の外側、より具体的には、前側第2分離部の前方と後側第2分離部の後方にそれぞれバスバーアセンブリ500が位置し得る。特に、バスバーアセンブリ500は、第2分離部320の外側面に取り付けられ得る。
【0130】
本発明のこのような実施構成によれば、バッテリーセル100から噴出される火炎やガスなどからバスバーアセンブリ500を安全に保護することができる。すなわち、バッテリーセル100は、分離部材300の内側、特に第2分離部320の内側に位置し、火炎やベンティングガスなどを噴出することがある。このとき、バスバーアセンブリ500は、分離部材300、特に第2分離部320の外側に位置するため、火炎などの直接的な影響が遮断可能である。したがって、火炎や熱などによるバスバーアセンブリ500の損傷または構造的な崩壊を防止することができる。したがって、バッテリーモジュールの内部の電気的接続のための構成を火炎などから保護し、電気的安全性を確保することができる。
【0131】
図22は、本発明の一実施形態によるバスバーアセンブリ500の構成を概略的に示した分解斜視図である。
【0132】
図22を参照すると、前記バスバーアセンブリ500は、バスバーハウジング510及びバスバー端子520を備え得る。
【0133】
バスバーハウジング510は、電気絶縁性材料、例えばプラスチック材料から構成され得る。そして、バスバーハウジング510は、分離部材300の外側に位置し得る。例えば、バスバーハウジング510は、分離部材300の前面または後面に結合固定され得る。このとき、バスバーハウジング510と分離部材300とは、ボルティング、フック結合、接着、溶接など多様な締結方式によって結合され得る。
【0134】
バスバー端子520は、電気伝導性材料、例えば金属材料から構成され得る。そして、バスバー端子520は、二つ以上の電極リード110同士を電気的に接続させるかまたは一つ以上の電極リード110に連結されて、バッテリー管理システム(Battery Management System:BMS)のような制御ユニットにセル電圧などのセンシング情報を伝達するように構成され得る。そのため、バスバー端子520は、電極リード110と溶接などの方式で接触固定され得る。
【0135】
前記バスバー端子520は、バスバーハウジング510に結合され得る。そのため、バスバーハウジング510は、バスバー端子520が載置されて固定されるように構成され得る。例えば、バスバーハウジング510には、バスバー端子520が載置される載置溝が形成され得る。バスバー端子520は、ボルティング、リベット、接着など多様な方式によってバスバーハウジング510に結合固定され得る。
【0136】
本発明のこのような実施構成によれば、バスバー端子520を火炎からより確実に保護することができる。また、本実施構成によれば、バスバー端子520と分離部材300との直接的な接触を防止して、これらの間の電気絶縁性を確保可能である。特に、分離部材300は、火炎に対する構造的安定性の確保などのため、電気伝導性を有する金属材料からなり得るが、本実施構成によれば、分離部材300とバスバー端子520との間の電気絶縁性を安定的に確保することができる。
【0137】
また、本実施構成によれば、分離部材300の内側からの熱がバスバー端子520側に伝達されることが抑制される。したがって、バスバー端子520を通じたセル間熱伝達を防止することができる。
【0138】
特に、前記バスバー端子520は、バスバーハウジング510の外側に備えられ得る。例えば、前側バスバーハウジング510の場合、バスバー端子520は、バスバーハウジング510の前面に取り付けられ得る。他の例として、後側バスバーハウジング510の場合、バスバー端子520は、バスバーハウジング510の後面に取り付けられ得る。
【0139】
この場合、バスバー端子520と分離部材300との間を確実に分離することで、バスバー端子520と分離部材300との間の直接的な接触を防止して、電気的安全性を強化することができる。
【0140】
図23は、本発明のさらに他の実施形態による絶縁ブロック400の構成を概略的に示した斜視図である。特に、
図23は、絶縁ブロック400をバッテリーセル100の収納部Rが位置する内側から眺めた形態の図である。また、
図24は、
図23の絶縁ブロック400が含まれたバッテリーモジュールの一部分に対する断面構成を上側から眺めた形態の図である。
【0141】
図23及び
図24を参照すると、前記絶縁ブロック400には、Gで示された部分のように、ガス捕集部が形成され得る。ガス捕集部Gは、バッテリーセル100からガスが排出されたとき、排出されたガスが流れ込んで保持されるように構成され得る。特に、バッテリーセル100において熱暴走などの事象が発生して内圧が増加する場合、ガスや火炎、スパークなどが外部に排出され得る。このとき、ガス捕集部Gは、排出されたガスや火炎、スパークなどが流れ込んで保持されるように構成され得る。
【0142】
そのため、ガス捕集部Gは、絶縁ブロック400の内側の表面から外側に向かって凹んだ形態で形成され得る。例えば、バッテリーセル100の前方に位置する絶縁ブロック400の場合、後側端部が前方に陥没して形成され得る。そして、このような凹んだ空間に火炎やスパークなどが捕集され得る。
【0143】
本実施構成によれば、火炎やスパークなどの外部排出によるセル間熱伝播などをより確実に防止することができる。例えば、
図24を参照すると、バッテリーセル100から火炎やスパークなどが噴出されても、噴出された火炎などは、矢印B8で示されたように、ガス捕集部Gの内部空間のみで動き得る。すなわち、本実施構成の場合、ガス捕集部Gに噴出物が捕集され、絶縁ブロック400の外側へのこのような噴出物の排出が遮断される。
【0144】
また、本実施構成によれば、ベンティングガスや火炎などが所定の領域のみに存在するように誘導されるため、ディレクショナルベンティングにより有利である。
【0145】
また、熱暴走などの異常状況だけでなく、正常な状況でもバッテリーセル100の使用時には少量のガスが発生し得るが、本実施構成によれば、このような少量のガスなども捕集可能である。この場合、バッテリーセル100の寿命増加に寄与することができる。
【0146】
絶縁ブロック400は、前記ガス捕集部Gを形成するため、多様な形態で構成され得る。例えば、絶縁ブロック400は、
図23及び
図24に示されたように、バッテリーセル100の収納部Rが位置する方向である内側に向かって厚さが薄くなる部分を備え得る。また、絶縁ブロック400のガス捕集部Gは、内側に向かって左右幅が徐々に広くなる部分を備え得る。例えば、ガス捕集部Gは、絶縁ブロック400の内側からアーチ形状に形成され得る。また、絶縁ブロック400は、ガス捕集部Gを形成するため、内側面に傾斜部または傾斜面が形成され得る。
【0147】
また、前記絶縁ブロック400は、バッテリーセル100のシーリング部Eのうちの少なくとも一部分を囲むように構成され得る。
【0148】
例えば、
図24を参照すると、バッテリーセル100にはシーリング部E、特に電極リード110が突出したテラス部Tが備えられ得る。このとき、絶縁ブロック400は、シーリング部E、すなわちテラス部Tを囲むように構成され得る。さらに、絶縁ブロック400には、上述したように、ガス捕集部Gが凹んだ形態で形成され得る。そして、このようなガス捕集部Gによって、絶縁ブロック400はテラス部Tを所定の距離だけ離隔した状態で囲み得る。すなわち、ガス捕集部Gは、バッテリーセル100のテラス部Tが挿入されるように構成され得る。
【0149】
このような実施構成によれば、バッテリーセル100から噴出される火炎やスパークなどが外部に排出されることを抑制するのにより有利である。特に、熱暴走などによってバッテリーセル100の内圧が増加する場合、テラス部T側に火炎やスパーク、ガスなどが排出される可能性が高い。このとき、
図24に示されたように、テラス部Tがガス捕集部Gの内側に挿入された形態で存在すれば、テラス部Tから火炎などが噴出されると直ちにガス捕集部Gに流れ得る。したがって、火炎やスパークなどが絶縁ブロック400の内側に捕集される効果が確実に達成され、セル間熱伝播の抑制性能が一層向上できる。
【0150】
前記絶縁ブロック400は、内側端部がバッテリーセル100に接触するように構成され得る。例えば、
図24のA5及びA5’で示された部分のように、絶縁ブロック400の内側端部はバッテリーセル100の収納部Rに接触し得る。
【0151】
本発明のこのような実施構成によれば、絶縁ブロック400とバッテリーセル100とが閉鎖された空間を形成し、閉鎖された空間に火炎やスパークなどを捕集するのに有利である。特に、上述したように、絶縁ブロック400にはガス捕集部Gが形成され得るが、本実施構成によれば、このようなガス捕集部Gの内部空間が少なくとも部分的に密閉され得る。したがって、ガス捕集部Gの内部に流れ込んだ火炎やスパークなどがガス捕集部Gの外部に流出することをより確実に抑制することができる。
【0152】
前記絶縁ブロック400は、
図23及び
図24に示されたように、緩衝パッド430を備え得る。特に、前記緩衝パッド430は、絶縁ブロック400において、バッテリーセル100の収納部Rが位置する内側端部に備えられ得る。
【0153】
緩衝パッド430は、本発明の出願時点で公知の多様な弾性体材料を含み得る。さらに、緩衝パッド430は、絶縁ブロック400の他の部分、例えば絶縁ブロック400の本体よりも硬度または強度が低いか、若しくは、弾性係数が高い材料からなり得る。例えば、緩衝パッド430は、シリコーンやゴムなどの材料を含み得る。
【0154】
特に、上述した
図24の実施形態のように、絶縁ブロック400の内側端部はバッテリーセル100に接触し得る。このとき、緩衝パッド430は、絶縁ブロック400においてバッテリーセル100と直接接触する部分に設けられ得る。すなわち、緩衝パッド430は、バッテリーセル100と直接接触するように構成され得る。
【0155】
本発明のこのような実施構成によれば、絶縁ブロック400によるバッテリーセル100の損傷などを防止可能である。特に、絶縁ブロック400の端部がバッテリーセル100と接触するように構成された場合、外部から衝撃や振動が加えられると、絶縁ブロック400の接触部分によってバッテリーセル100の外装材、例えばセルパウチが損傷または破損される危険性がある。しかし、本実施構成によれば、緩衝パッド430によって、このようなセルパウチの損傷や破損の危険性を低減させることができる。
【0156】
図25は、本発明のさらに他の実施形態による絶縁ブロック400の構成を概略的に示した斜視図である。
図25は、
図23の構成の変形例であると言える。
【0157】
図25を参照すると、絶縁ブロック400は、Iで示された部分のように、内側遮断部を備え得る。特に、内側遮断部Iは、絶縁ブロック400のガス捕集部Gの内側面から突出した形態で構成され得る。例えば、内側遮断部Iは、絶縁ブロック400のガス捕集部Gの内面において、上下方向に長く延びた形態で形成され得る。また、内側遮断部Iは、絶縁ブロック400のガス捕集部Gに複数個形成され得る。
【0158】
本発明のこのような実施構成によれば、ガス捕集部Gの内部空間に流れ込んだ火炎やスパークなどの移動を抑制することができる。すなわち、火炎やスパークなどは移動時に直進性が高いため、内側遮断部Iのように突出した形態の構造物がガス捕集部Gの内部空間に存在すると、その移動が抑制される。したがって、この場合、絶縁ブロック400のガス捕集部Gにおける火炎やスパークなどの捕集効果を向上させ、これらの外部排出をより効果的に抑制できる。
【0159】
一方、
図25の実施形態では、内側遮断部Iという突出した構造物を用いて絶縁ブロック400のガス捕集部Gで火炎やスパークなどの移動を抑制する構成が説明されたが、溝や他の形態の凹凸構造を通じて火炎やスパークなどの移動を抑制する構成も実現可能である。
【0160】
前記絶縁ブロック400は、バッテリーセル100からガスが排出されたとき、電極リード110または分離部材300のスロットS側に密着するように構成され得る。これについては
図26を参照してより具体的に説明する。
【0161】
図26は、本発明のさらに他の実施形態による絶縁ブロック400が含まれたバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した断面図である。
図26の構成は、
図23に示された絶縁ブロック400の構成と類似の形態を有すると言える。
【0162】
図26を参照すると、絶縁ブロック400は、バッテリーセル100のシーリング部E(テラス部T)を中心にして左側及び右側にそれぞれ、D1で示されたような第1側部及びD2で示されたような第2側部を備え得る。そして、絶縁ブロック400は、このような第1側部D1と第2側部D2とを連結するように、D3で示されたような連結部を備え得る。特に、連結部D3は、第1側部D1の外側端部と第2側部D2の外側端部とを連結させ得る。そして、第1側部D1及び第2側部D2の内側端部は、バッテリーセル100の収納部R側に向かって延長または突出し得る。さらに、このような第1側部D1、第2側部D2及び連結部D3によって限定される空間が、上述したガス捕集部Gを形成する。
【0163】
このような実施構成において、バッテリーセル100から火炎やガスなどが発生してガス捕集部Gに捕集された場合、ガス捕集部Gの内部圧力が増加し、第1側部D1及び第2側部D2はB9及びB9’で示されたような力を受け得る。この場合、第1側部D1と第2側部D2の左右方向(Y軸方向)の外側面だけでなく、連結部D3の外側面も矢印B10及びB10’で示されたように外側へと移動する力を受け得る。したがって、絶縁ブロック400と分離部材300のスロットSとの間の離隔空間が除去または減少し得る。
【0164】
また、本実施構成において、第1側部D1及び第2側部D2がB9及びB9’で示されたように力を受ける場合、絶縁ブロック400のリード挿入部Nは、てこの原理によって、矢印B11及びB11’で示されたように、電極リード110に向かって移動する力を受け得る。したがって、リード挿入部Nの内面と電極リード110との間の離隔空間が除去または減少し得る。
【0165】
したがって、本実施構成によれば、絶縁ブロック400と分離部材300との間及び/または絶縁ブロック400と電極リード110との間の密閉力がさらに向上する。特に、本実施構成によれば、バッテリーセル100からベンティングガスなどが発生する非常状況において、別途の駆動源なく、ガスの発生だけで密閉力が自動に向上する。したがって、絶縁ブロック400による火炎または熱などの伝播抑制効果をより効率的に改善することができる。
【0166】
本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、上述した本発明によるバッテリーモジュールを一つ以上含み得る。また、本発明によるバッテリーパックは、このようなバッテリーモジュールの外に、他の多様な構成要素、例えばBMSやモジュール間のバスバー、パックケース、リレー、電流センサなどのような本発明の出願時点で公知のバッテリーパックの構成要素などをさらに含み得る。
【0167】
また、本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、上述したバッテリーモジュールと類似の形態で形成され得る。特に、本発明によるバッテリーパックは、上述したバッテリーモジュールにおいて、モジュールケース200がパックケースで代替される形態で構成され得る。
【0168】
この場合、本発明によるバッテリーパックは、電極リード110を備える複数のバッテリーセル100、内部空間に複数の前記バッテリーセル100を収納するパックケース、複数の前記バッテリーセル100のうちの少なくとも一部のバッテリーセル100の間の空間を分離し、前記電極リード110を挿入可能なスロットSが設けられた分離部材300、及び電気絶縁材料を含み、前記スロットSに挿入された前記電極リード110の少なくとも一部分の外側を囲むように構成された絶縁ブロック400を含み得る。このようなバッテリーパックの場合、上述した多様な実施形態で説明されたバッテリーモジュールにおいて、「モジュールケース200」は「パックケース」で代替され、「バッテリーモジュール」は「バッテリーパック」に変更され、残りの構成や特徴などは殆どそのまま適用され得る。したがって、このようなバッテリーパックについては詳細な説明を省略する。但し、このとき、パックケースには、バッテリーセル100、分離部材300及び絶縁ブロック400の他に、BMSのようなバッテリーパックの制御ユニットなどがともに収納され得る。
【0169】
特に、このようなバッテリーパックは、複数のバッテリーセル100がモジュールケース200などを通じてモジュール化されず、パックケースに直接収納されるセルトゥーパック(Cell To Pack)形態の構成において、より有用に採用可能である。
【0170】
本発明によるバッテリーモジュールやバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用され得る。すなわち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーモジュールまたは本発明によるバッテリーパックを含み得る。また、本発明による自動車は、このようなバッテリーモジュールやバッテリーパックの他に、自動車に含まれる多様な構成要素などをさらに含み得る。例えば、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーモジュールの他に、車体やモーター、エレクトロニックコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)などの制御装置などをさらに含み得る。
【0171】
また、本発明によるバッテリーモジュールは、エネルギー貯蔵システム(ESS)に適用され得る。すなわち、本発明によるエネルギー貯蔵システムは、本発明によるバッテリーモジュールまたは本発明によるバッテリーパックを含み得る。
【0172】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0173】
100:バッテリーセル
110:電極リード
200:モジュールケース
210:天板、220:下板、230:左側板、240:右側板、250:前板、260:背板
300:分離部材
310:第1分離部、320:第2分離部、330:第3分離部
400:絶縁ブロック
410:第1ブロック、420:第2ブロック、430:緩衝パッド
500:バスバーアセンブリ
510:バスバーハウジング、520:バスバー端子
S:スロット
N:リード挿入部
R:収納部
E:シーリング部
T:テラス部
P:ストッパ
G:ガス捕集部