(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】投信価値予測装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20240909BHJP
【FI】
G06Q40/06
(21)【出願番号】P 2023550456
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 JP2022031591
(87)【国際公開番号】W WO2023053776
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2021160672
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】金城 和樹
(72)【発明者】
【氏名】寺田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 裕人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 もとこ
(72)【発明者】
【氏名】小湊 貴子
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-295534(JP,A)
【文献】特開2016-076098(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0216384(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産投資信託の投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する人口分布データを含む入力データと前記不動産投資信託の価値を示す投信価値とを含む組から構成される学習データに基づく学習により生成された、将来の前記投信価値を予測する予測モデルを格納する格納部と、
前記入力データを取得する取得部と、
前記格納部によって格納された前記予測モデルに前記取得部によって取得された前記入力データを適用することで得られる将来の前記投信価値を出力する出力部と、
を備える投信価値予測装置。
【請求項2】
前記組は、任意の時点の前記入力データと当該任意の時点より所定期間後の前記投信価値とを含み、
前記取得部は、一の時点の前記入力データを取得し、
前記出力部は、前記予測モデルに前記取得部によって取得された前記一の時点の前記入力データを適用することで得られる、当該一の時点より前記所定期間後の前記投信価値を出力する、
請求項1に記載の投信価値予測装置。
【請求項3】
前記入力データは、前記投信価値をさらに含む、
請求項1に記載の投信価値予測装置。
【請求項4】
前記入力データは、前記複数の不動産それぞれの評価額、前記複数の不動産それぞれの周辺の都市開発計画に関するデータ、前記複数の不動産それぞれの周辺の店舗の出店計画に関するデータ、投資市場動向に関するデータ、及び、前記複数の不動産それぞれの周辺の路線価に関するデータの少なくとも一つをさらに含む、
請求項1に記載の投信価値予測装置。
【請求項5】
前記学習を行って前記予測モデルを生成する学習部をさらに備え、
前記格納部は、前記学習部によって生成された前記予測モデルを格納する、
請求項1に記載の投信価値予測装置。
【請求項6】
前記学習部は、前記不動産投資信託の投資先である不動産に変更があった場合、変更後の不動産に基づく新たな前記予測モデルを生成し、前記格納部によって格納された既存の前記予測モデルを、新たな前記予測モデルに入れ替える、
請求項5に記載の投信価値予測装置。
【請求項7】
前記学習部は、新たな前記予測モデルの予測精度が、既存の前記予測モデルの予測精度よりも優位になったタイミングで入れ替える、
請求項6に記載の投信価値予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、不動産投資信託の価値を示す投信価値を予測する投信価値予測装置及び予測モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、REIT(Real Estate Investment Trust)証券価格から対象不動産の実態的な評価の変動をリアルタイムで得るリアルタイム評価システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記リアルタイム評価システムにおいて、REIT証券価格は単に利用するだけであって、例えばREIT証券価格を予測するものではない。そこで、不動産投資信託の価値を予測することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る投信価値予測装置は、不動産投資信託の投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する人口分布データを含む入力データと不動産投資信託の価値を示す投信価値とを含む組から構成される学習データに基づく学習により生成された、将来の投信価値を予測する予測モデルを格納する格納部と、入力データを取得する取得部と、格納部によって格納された予測モデルに取得部によって取得された入力データを適用することで得られる将来の投信価値を出力する出力部と、を備える。
【0006】
このような側面においては、予測モデルを利用して将来の投信価値を出力することができる。すなわち、不動産投資信託の価値を予測することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、不動産投資信託の価値を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るREIT価格予測装置の利用イメージを示す概要図である。
【
図2】実施形態に係るREIT価格予測装置を含むREIT価格予測システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図3】人口分布データのテーブル例を示す図である。
【
図4】REIT価格データのテーブル例を示す図である。
【
図5】REIT保有不動産データのテーブル例を示す図である。
【
図6】都市開発計画データのテーブル例を示す図である。
【
図7】店舗出店計画データのテーブル例を示す図である。
【
図8】投資市場動向指標データ(日経平均株価データ)のテーブル例を示す図である。
【
図9】投資市場動向指標データ(ダウ平均株価データ)のテーブル例を示す図である。
【
図10】投資市場動向指標データ(国債利回りデータ)のテーブル例を示す図である。
【
図11】路線価データのテーブル例を示す図である。
【
図12】実施形態に係るREIT価格予測装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図13】REIT価格予測システムが実行する格納処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】予測モデルの入れ替えの一例を示す図である。
【
図18】REIT価格予測システムが実行する出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】実施形態に係るREIT価格予測装置が実行するREIT価格予測処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】実施形態に係るREIT価格予測装置で用いられるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における本開示での実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0010】
図1は、実施形態に係るREIT価格予測装置1(投信価値予測装置)の利用イメージを示す概要図である。REIT価格予測装置1は、不動産投資信託の価値を示す投信価値を予測するサーバ装置である。本実施形態では、不動産投資信託としてREITを対象とし、投信価値としてREIT価格を対象とするが、これらに限るものでは無い。本実施形態において、用語「REIT」を「不動産投資信託」に適宜置き換え、用語「REIT価格」を「投信価値」に適宜置き換えてもよい。
【0011】
REITは、多くの投資家から資金を集め、複数の不動産(オフィスビル、商業施設及びマンションなど)への投資を行い、そこから生じる賃貸収入又は不動産の売買益などを原資として投資家に分配する金融商品である。REITについて、投資家には投資証券(株券に相当)が発行され、株と同じように証券コードが割り当てられ、証券取引所で売買が可能である。本実施形態では、説明の便宜上、任意のREITではなく、特定の(既に決まった1つの)REITに関する処理について説明する。例えば、REITの識別情報であるREIT IDを処理の際に適宜利用することで、任意のREITに関する処理に拡張可能である。
【0012】
REIT価格は、REITの価値としての価格であり、具体的にはREIT証券の価格(証券価格)である。
【0013】
各詳細については後述するが、
図1に示す通り、REIT価格予測装置1は、REITの投資先である保有不動産(複数の不動産)周辺の人口分布の過去実績と、REIT価格の過去実績と、REIT保有不動産データ、都市開発計画データ、店舗出店計画データ、投資市場動向指標データ及び近傍の路線価データなどのその他データと(の少なくとも1つ)を機械学習する。機械学習により、人口等とREIT価格との関係が学習され、予測モデル(機械学習モデル)が生成される。REIT価格予測装置1は、予測モデルを利用することで、将来的なREIT価格の予測値を出力する(将来的なREIT価格の予測を行う)。投資家などの顧客は、REIT価格予測装置1が出力する将来的なREIT価格の予測値を判断材料として投資判断を行い、利益向上を目指すことができる。
【0014】
図2は、実施形態に係るREIT価格予測装置1を含むREIT価格予測システム6(投信価値予測システム)のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示す通り、REIT価格予測システム6は、REIT価格予測装置1、人口分布データ取得装置2、REIT取引装置3、REIT管理装置4及び外部データ取得装置5を含んで構成される。REIT価格予測装置1と、人口分布データ取得装置2、REIT取引装置3、REIT管理装置4及び外部データ取得装置5のそれぞれとは、インターネットなどのネットワークによって互いに通信接続され、互いに情報を送受信可能である。
【0015】
人口分布データ取得装置2は、REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺(近辺、周囲、近傍、周り、近隣、あたり、所定の距離以内)の人口分布に関する人口分布データを取得し、REIT価格予測装置1に送信するサーバ装置である。当該REIT又は当該複数の不動産に関する情報などは、人口分布データ取得装置2に予め格納されていてもよいし、REIT価格予測装置1から予め送信されて取得していてもよい。人口分布データ取得装置2に限らず、本実施形態において対象とするREIT又は当該REITの投資先である複数の不動産に関する情報などは、各種装置に予め格納されていてもよいし、REIT価格予測装置1などから予め送信されて取得していてもよい。
【0016】
図3は、人口分布データのテーブル例を示す図である。
図3に示す通り、人口分布データでは、日時と、位置又は範囲を示すメッシュと、人の年代と、人の居住地と、当該日時の当該メッシュに存在する、当該年代及び当該居住地の人の数である人口とが互いに対応付いている。
図3に示す人口分布データは、例えば、REITの投資先である複数の不動産のうち一つの不動産である不動産Aの周辺の人口分布データを示す。その場合、
図3に示すメッシュX及びメッシュYの範囲内に不動産A(の位置)が含まれている。
【0017】
人口分布データ取得装置2は、人口分布データを、各人が携帯する移動体通信が可能な移動体端末であって、GPS(Global Positioning System)により自端末の位置を測定可能な移動体端末から収集した端末情報と、REIT又はREITの投資先である複数の不動産に関する情報とに基づいて取得してもよい。端末情報の収集において、例えば株式会社NTTドコモが提供するモバイル空間統計(登録商標)などの既存技術を用いる。人口分布データ取得装置2は、リアルタイムに人口分布データを取得してREIT価格予測装置1に送信してもよい。
【0018】
REIT取引装置3は、REIT価格を含むREIT価格データを取得し、REIT価格予測装置1に送信するサーバ装置である。REIT取引装置3は、証券取引所のサーバ装置とデータ送受信を行うことで、REITに関する情報(REIT価格データを含む)の収集及びREITに関する取引を行う。REIT取引装置3は、リアルタイムにREIT価格データを取得してREIT価格予測装置1に送信してもよい。
【0019】
図4は、REIT価格データのテーブル例を示す図である。
図4に示す通り、REIT価格データでは、日時と、REITの識別情報であるREIT IDと、当該日時における当該REIT IDが識別するREITのREIT価格である価格とが互いに対応付いている。
【0020】
REIT管理装置4は、REITの投資先である複数の不動産に関するデータであるREIT保有不動産データを取得し、REIT価格予測装置1に送信するサーバ装置である。REIT管理装置4は、REIT保有不動産データを管理する。REIT管理装置4は、例えば、REIT管理装置4の管理者から入力されたREIT保有不動産データを取得してもよいし、他の装置からネットワークを介してREIT保有不動産データを取得してもよい。REIT管理装置4は、半年ごとにREIT保有不動産データを取得してREIT価格予測装置1に送信してもよい。
【0021】
図5は、REIT保有不動産データのテーブル例を示す図である。
図5に示す通り、REIT保有不動産データでは、日付と、不動産の識別情報である不動産IDと、当該不動産IDが識別する不動産の位置である緯度と、当該不動産IDが識別する不動産の位置である経度と、当該日付における当該不動産IDが識別する不動産の評価額である現在評価額とが互いに対応付いている。
【0022】
外部データ取得装置5は、外部の装置などから取得したデータである外部データを取得し、REIT価格予測装置1に送信するサーバ装置である。外部データは、都市開発計画データ、店舗出店計画データ、投資市場動向指標データ及び近傍の路線価データを含む。外部データ取得装置5は、例えば、他の各種装置からネットワークを介して各外部データを取得してもよい。外部データ取得装置5は、リアルタイムに外部データを取得してREIT価格予測装置1に送信してもよい。
【0023】
図6は、都市開発計画データのテーブル例を示す図である。
図6に示す通り、REIT保有不動産データでは、都市開発の計画が決定した日付けである決定日付と、当該都市開発が着手した日付けである開発着手日と、当該都市開発が完了した日付けである開発完了日と、当該都市開発の対象である市区町村区と、当該都市開発の区別とが互いに対応付いている。
図6に示す都市開発計画データは、例えば、REITの投資先である複数の不動産が含まれる市区町村区の都市開発計画データを示す。その場合、
図6に示すA市区町村区及びB市区町村区に当該複数の不動産が含まれている。
【0024】
図7は、店舗出店計画データのテーブル例を示す図である。
図7に示す通り、店舗出店計画データでは、店舗出店の計画が決定した日付けである決定日付と、当該店舗出店が着手した日付けである開発着手日と、当該店舗出店が完了した日付けである開発完了日と、当該店舗出店を行った会社である店舗出店会社と、当該店舗出店の対象の店舗の延べ床面積と、当該店舗の位置である緯度と、当該店舗の位置である経度とが互いに対応付いている。
図7に示す店舗出店計画データは、例えば、REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の店舗出店計画データを示す。その場合、
図7に示す緯度及び経度の店舗は、当該複数の不動産の周辺にある店舗である。
【0025】
図8は、投資市場動向指標データのうち日経平均株価データのテーブル例を示す図である。
図8に示す通り、日経平均株価データでは、日時と、当該日時の日経平均株価とが互いに対応付いている。
【0026】
図9は、投資市場動向指標データのうちダウ平均株価データのテーブル例を示す図である。
図9に示す通り、ダウ平均株価データでは、日時と、当該日時のダウ平均株価とが互いに対応付いている。
【0027】
図10は、投資市場動向指標データのうち国債利回りデータのテーブル例を示す図である。
図10に示す通り、国債利回りデータでは、日時と、当該日時の国債利回りとが互いに対応付いている。
【0028】
図11は、路線価データのテーブル例を示す図である。
図11に示す通り、路線価データでは、日付と、駅と、当該駅を通る路線と、当該駅周辺の路線価として坪あたりの価格である価格/坪とが互いに対応付いている。
図11に示す路線価データは、例えば、REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の路線価データを示す。その場合、
図11に示す駅は、当該複数の不動産の周辺にある駅である。
【0029】
上記説明では、人口分布データ取得装置2、REIT取引装置3、REIT管理装置4及び外部データ取得装置5のそれぞれの装置側で、REIT価格予測装置1の処理で必要なデータが予め準備されている前提で説明したが、これに限るものではない。例えば、人口分布データ取得装置2、REIT取引装置3、REIT管理装置4及び外部データ取得装置5のそれぞれの装置は、例えば、特定の不動産に関連するデータではなく全国の生データをREIT価格予測装置1に送信し、REIT価格予測装置1側にて、生データからREITの投資先である複数の不動産に関連するデータを抽出するなど、当該REIT価格予測装置1の処理で必要なデータを準備してもよい。
【0030】
図12は、実施形態に係るREIT価格予測装置1の機能構成の一例を示す図である。
図12に示す通り、REIT価格予測装置1は、格納部10(格納部)、取得部11(取得部)、学習部12(学習部)、及び、出力部13(出力部)を含んで構成される。
【0031】
REIT価格予測装置1の各機能ブロックは、REIT価格予測装置1内にて機能することを想定しているが、これに限るものではない。例えば、REIT価格予測装置1の機能ブロックの一部は、REIT価格予測装置1とは異なるコンピュータ装置であって、REIT価格予測装置1とネットワーク接続されたコンピュータ装置内において、REIT価格予測装置1と情報を適宜送受信しつつ機能してもよい。また、REIT価格予測装置1の一部の機能ブロックは無くてもよいし、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックに統合してもよいし、一つの機能ブロックを複数の機能ブロックに分解してもよい。
【0032】
以下、
図12に示すREIT価格予測装置1の各機能について説明する。
【0033】
格納部10は、REIT価格予測装置1における算出などで利用される任意の情報及びREIT価格予測装置1における算出の結果などを格納する。格納部10によって格納された情報は、REIT価格予測装置1の各機能によって適宜参照されてもよい。
【0034】
格納部10は、後述の予測モデルを格納する。格納部10は、学習部12によって生成された予測モデルを格納してもよい。
【0035】
取得部11は、人口分布データ取得装置2から人口分布データを取得し、格納部10によって格納させる。取得部11は、REIT取引装置3からREIT価格データを取得し、格納部10によって格納させる。取得部11は、REIT管理装置4からREIT保有不動産データを取得し、格納部10によって格納させる。取得部11は、外部データ取得装置5から外部データ(都市開発計画データ、店舗出店計画データ、投資市場動向指標データ及び近傍の路線価データなど)を取得し、格納部10によって格納させる。
【0036】
図13は、REIT価格予測システム6が実行する格納処理の一例を示すフローチャートである。
図13において、まず、人口分布データ取得装置2が人口分布データをREIT価格予測装置1に送信する(ステップS1)。次に、REIT価格予測装置1がS1で送信された人口分布データを格納部10によって格納させる(ステップS2)。次に、REIT取引装置3がREIT価格データをREIT価格予測装置1に送信する(ステップS3)。次に、REIT価格予測装置1がS3で送信されたREIT価格データを格納部10によって格納させる(ステップS4)。次に、REIT管理装置4がREIT保有不動産データをREIT価格予測装置1に送信する(ステップS5)。次に、REIT価格予測装置1がS5で送信されたREIT保有不動産データを格納部10によって格納させる(ステップS6)。次に、外部データ取得装置5が外部データをREIT価格予測装置1に送信する(ステップS7)。次に、REIT価格予測装置1がS7で送信された外部データを格納部10によって格納させる(ステップS8)。
【0037】
なお、
図13において、S1、S3、S5及びS7の順番は任意の順番でよいし、それぞれ複数回実行されてもよいし、それぞれ定期的に繰り返し実行されてもよい。S2は、S1以降であれば任意の時点で実行されてもよい。S4は、S3以降であれば任意の時点で実行されてもよい。S6は、S5以降であれば任意の時点で実行されてもよい。S8は、S7以降であれば任意の時点で実行されてもよい。
【0038】
取得部11は、入力データを取得する。取得部11は、一の時点の入力データを取得してもよい。
【0039】
入力データは、REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する人口分布データを含む。入力データは、REIT価格をさらに含んでもよい。入力データは、複数の不動産それぞれの評価額(現在評価額)、複数の不動産それぞれの周辺の都市開発計画に関するデータ(都市開発計画データ)、複数の不動産それぞれの周辺の店舗の出店計画に関するデータ(店舗出店計画データ)、投資市場動向に関するデータ(投資市場動向指標データ)、及び、複数の不動産それぞれの周辺の路線価に関するデータ(路線価データ)の少なくとも一つをさらに含んでもよい。
【0040】
学習部12は、学習を行って予測モデル(学習済みモデル)を生成する。予測モデルは、将来のREIT価格を予測する。
【0041】
予測モデルは、REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する人口分布データを取得する取得部11と、REITの価値を示すREIT価格を出力する出力部13と、を備えるREIT価格予測装置1が利用する学習済みモデルであって、人口分布データとREIT価格とに基づいて重み付け係数が学習されたニューラルネットワークにより構成され、出力部13は、当該予測モデルに取得部11によって取得された人口分布データを適用することで得られる将来のREIT価格を出力する。
【0042】
予測モデルは、コンピュータプログラムとパラメータとの組み合わせである。また、予測モデルは、ニューラルネットワークの構造と当該ニューラルネットワークの各ニューロン間の結びつきの強さであるパラメータ(重み付け係数)との組み合わせである。また、予測モデルは、コンピュータに対する指令であって、一の結果を得る(所定の処理を実行する)ことができるように組み合わされたもの、すなわち、コンピュータを機能させるコンピュータプログラムである。
【0043】
学習部12は、入力データとREIT価格とを含む組から構成される学習データに基づく学習を行って予測モデルを生成してもよい。組は、任意の時点の入力データと当該任意の時点より所定期間後のREIT価格とを含んでもよい。
【0044】
例えば、学習部12は、任意の時点の(REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する)人口分布データ(を含む入力データ)と当該任意の時点より所定期間後のREIT価格とを含む組から構成される学習データに基づく学習を行って予測モデルを生成する。
図14は、学習データの一例を示す図である。
図14に示す学習データは、ある日の(REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する)人口分布データ(入力データ)と、当該日の翌日(所定期間後)の(REIT価格を含む)REIT価格データ(正解値データ)とを含む組から構成されている。
図14に示す学習データには、1月1日の入力データと(1月1日の翌日の)1月2日の正解値データとの組、及び、1月2日の入力データと(1月2日の翌日の)1月3日の正解値データとの組の2組が示されている(実際は3組以上あってもよい)。
【0045】
学習部12は、
図14に示す学習データに基づく学習を行うことで、例えば、任意の日におけるREIT保有不動産周辺メッシュの年代・居住地別人口から、1日後のREIT価格の関係を学習する。学習部12は、
図14に示す学習データに基づく学習を行うことで、適用される人口分布データの対象の日の翌日のREIT価格(又はREIT価格データ)を出力する予測モデルを生成する。すなわち、生成された予測モデルは将来のREIT価格を予測する。
【0046】
例えば、学習部12は、任意の時点の(REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する)人口分布データ及び当該任意の時点のREIT価格(を含む入力データ)と当該任意の時点より所定期間後のREIT価格とを含む組から構成される学習データに基づく学習を行って予測モデルを生成する。
図15は、学習データの別の一例を示す図である。
図15に示す学習データは、ある日の(REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する)人口分布データ及び当該日の(REIT価格を含む)REIT価格データ(入力データ)と、当該日の翌日(所定期間後)の(REIT価格を含む)REIT価格データ(正解値データ)とを含む組から構成されている。
図15に示す学習データには、1月1日の入力データと(1月1日の翌日の)1月2日の正解値データとの組、及び、1月2日の入力データと(1月2日の翌日の)1月3日の正解値データとの組の2組が示されている(実際は3組以上あってもよい)。
【0047】
学習部12は、
図15に示す学習データに基づく学習を行うことで、例えば、任意の日におけるREIT保有不動産周辺メッシュの年代・居住地別人口と、その日のREIT価格とから、1日後のREIT価格の関係を学習する。学習部12は、
図15に示す学習データに基づく学習を行うことで、適用される人口分布データ及びREIT価格データの対象の日の翌日のREIT価格(又はREIT価格データ)を出力する予測モデルを生成する。すなわち、生成された予測モデルは将来のREIT価格を予測する。
【0048】
学習データにおける各データ間の時間間隔(学習間隔)は、上述の所定期間(予測対象期間)に応じて設定されてもよい。
図16は、学習間隔の一例を示す図である。
図16に示す通り、予測対象期間が1日後であれば、学習データ(の入力データ)である人口分布データは前日の1時間毎の人口に関する人口分布データに設定し、学習データ(の入力データ)であるREIT価格データは前日の1時間毎のREIT価格に関するREIT価格データに設定してもよい。なお、この場合、投資市場動向指標データは、1日毎に前日の1時間毎のデータを取得及び利用し、REIT保有不動産データは、半年毎に取得及び利用し(公表が半年ごとのため)、都市開発計画データ及び店舗出店計画データは、それぞれ1ヶ月毎に取得及び利用してもよい(頻繁に更新されるデータではないため)。
【0049】
同様に、予測対象期間が1か月後であれば、学習データ(の入力データ)である人口分布データは前月の1日毎の平均人口に関する人口分布データに設定し、学習データ(の入力データ)であるREIT価格データは前月の1日毎の平均REIT価格に関するREIT価格データに設定してもよい。同様に、予測対象期間が1年後であれば、学習データ(の入力データ)である人口分布データは前年の1ヶ月毎の平均人口に関する人口分布データに設定し、学習データ(の入力データ)であるREIT価格データは前年の1ヶ月毎の平均REIT価格に関するREIT価格データに設定してもよい。
【0050】
学習部12は、REITの投資先である不動産に変更があった場合、変更後の不動産に基づく新たな予測モデルを生成し、格納部10によって格納された既存の予測モデルを、新たな予測モデルに入れ替えてもよい。学習部12は、新たな予測モデルの予測精度が、既存の予測モデルの予測精度よりも優位になったタイミングで入れ替えてもよい。
【0051】
図17は、予測モデルの入れ替えの一例を示す図である。
図17において時間は左から右に向かって流れている。第1時刻の時点(
図17の左)で、REITの投資先は不動産A、B及びCであるとする。第1時刻の時点で、学習部12は不動産A、B及びCに基づく学習データに基づく学習により予測モデルPを生成し、格納部10によって格納させる。第1時刻の時点からしばらく、REIT価格予測装置1において予測モデルPが利用される。
【0052】
第1時刻より時間が経った第2時刻の時点(
図17の真ん中)で、REITの投資先から不動産Cが無くなり、REITの投資先は不動産A及びBに変更されたとする。第2時刻の時点で、学習部12は不動産A及びBに基づく学習データに基づく学習により予測モデルQを生成する。その際、学習部12は、新たな予測モデルである予測モデルQの予測精度と、既存の予測モデルである予測モデルPの予測精度とを比較する。予測精度は、例えば、予測した値とその後の実際の値との比較に基づいて算出してもよいし、その他の既存技術によって算出してもよい。予測モデルPの予測精度が優位であれば、REIT価格予測装置1において引き続き予測モデルPが利用され、その後も学習部12は定期的に予測モデルQの予測精度と予測モデルPの予測精度との比較を行う。そして、予測モデルQの予測精度が優位になった際に、学習部12は、格納部10によって格納された予測モデルPを予測モデルQに入れ替える。入れ替えてからしばらく、REIT価格予測装置1において予測モデルQが利用される。
【0053】
第2時刻より時間が経った第3時刻の時点(
図17の右)で、REITの投資先に不動産Dが追加され、REITの投資先は不動産A、B及びDに変更されたとする。第3時刻の時点で、学習部12は不動産A、B及びDに基づく学習データに基づく学習により予測モデルRを生成する。その際、学習部12は、新たな予測モデルである予測モデルRの予測精度と、既存の予測モデルである予測モデルQの予測精度とを比較する。以降の処理は、上述の第2時刻の時点以降の処理と同様である。
【0054】
出力部13は、格納部10によって格納された予測モデルに取得部11によって取得された入力データを適用することで得られる将来のREIT価格を出力する。出力部13は、予測モデルに取得部11によって取得された一の時点の入力データを適用することで得られる、当該一の時点より所定期間後のREIT価格を出力してもよい。
【0055】
例えば、出力部13は、
図14に示す学習データに基づく学習により生成された予測モデルに、取得部11によって取得された現時点(例えば9月1日)の(REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する)人口分布データを適用することで、現時点から1日後(例えば9月2日)のREIT価格を取得し、取得したREIT価格を出力する。
【0056】
例えば、出力部13は、
図15に示す学習データに基づく学習により生成された予測モデルに、取得部11によって取得された現時点(例えば9月1日)の(REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する)人口分布データと現時点のREIT価格データとを適用することで、現時点から1日後(例えば9月2日)のREIT価格を取得し、取得したREIT価格を出力する。
【0057】
出力部13による出力は、ディスプレイへの表示であってもよいし、REIT価格予測装置1の他の機能ブロックへの出力でもよいし、ネットワークを介した他の装置への送信でもよい。
【0058】
図18は、REIT価格予測システム6が実行する出力処理の一例を示すフローチャートである。まず、REIT価格予測装置1(の出力部13)が、予測結果であるREIT価格をREIT取引装置3に送信する(ステップS10)。なお、REIT価格の代わりに、REITの識別情報であるREIT IDと、未来の日時と、当該日時のREIT価格(予測価格)とを含むデータを送信してもよい。次に、REIT取引装置3が、S10で受信したREIT価格を顧客(のスマートフォンなど)に送信する(ステップS11)。なお、REIT価格の代わりに、REITの識別情報であるREIT IDと、現在のREIT価格と、将来のREIT価格予測値と、予測対象時刻とを含むデータを送信してもよい。
【0059】
次に、顧客が、S11で受信したREIT価格を参考に、REITに関する売買を判断する(ステップS12)。次に、顧客が、S12の判断結果に基づく売買指示をREIT取引装置3に送信する(ステップS13)。なお、売買指示の代わりに、当該顧客の識別情報である顧客IDと、REITの識別情報であるREIT IDと、取引価格と、売買を示す売買フラグとを含むデータを送信してもよい。次に、REIT取引装置3が、S13で受信した売買指示に基づく売買を行い、売買結果をREIT管理装置4に送信する(ステップS14)。REIT管理装置4は、S14で受信した売買結果に基づくREITの管理を行う。
【0060】
続いて、
図19を参照しながら、REIT価格予測装置1が実行するREIT価格予測処理の例を説明する。
図19は、実施形態に係るREIT価格予測装置1が実行するREIT価格予測処理の一例を示すフローチャートである。まず、学習部12が、予測モデルを生成する(ステップS20)。次に、格納部10が、S20で生成された予測モデルを格納する(ステップS21)。次に、取得部11が、入力データを取得する(ステップS22)。次に、出力部13が、S21で格納された予測モデルに、S22で取得された入力データを適用することで得られるREIT価格を出力する(ステップS23)。なお、S22はS23の前であれば任意のタイミングで実行してもよい。
【0061】
続いて、実施形態に係るREIT価格予測装置1の作用効果について説明する。
【0062】
REIT価格予測装置1によれば、格納部10が、REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する人口分布データを含む入力データとREITの価値を示すREIT価格とを含む組から構成される学習データに基づく学習により生成された、将来のREIT価格を予測する予測モデルを格納し、取得部11が、入力データを取得し、出力部13が、格納部10によって格納された予測モデルに取得部11によって取得された入力データを適用することで得られる将来のREIT価格を出力する。この構成により、予測モデルを利用して将来のREIT価格を出力することができる。すなわち、不動産投資信託の価値を予測することができる。
【0063】
また、REIT価格予測装置1によれば、組は、任意の時点の入力データと当該任意の時点より所定期間後のREIT価格とを含み、取得部11は、一の時点の入力データを取得し、出力部13は、予測モデルに取得部11によって取得された一の時点の入力データを適用することで得られる、当該一の時点より所定期間後のREIT価格を出力してもよい。この構成により、予測モデルを利用して一の時点より所定期間後のREIT価格を出力することができる。すなわち、不動産投資信託の価値を予測することができる。
【0064】
また、REIT価格予測装置1によれば、入力データは、REIT価格をさらに含んでもよい。この構成により、学習データの内容が拡充され、より正確なREIT価格を予測することが可能な予測モデルを利用することができる。すなわち、より正確なREIT価格を予測することができる。
【0065】
また、REIT価格予測装置1によれば、入力データは、複数の不動産それぞれの評価額、複数の不動産それぞれの周辺の都市開発計画に関するデータ、複数の不動産それぞれの周辺の店舗の出店計画に関するデータ、投資市場動向に関するデータ、及び、複数の不動産それぞれの周辺の路線価に関するデータの少なくとも一つをさらに含んでもよい。この構成により、学習データの内容が拡充され、より正確なREIT価格を予測することが可能な予測モデルを利用することができる。すなわち、より正確なREIT価格を予測することができる。
【0066】
また、REIT価格予測装置1によれば、学習を行って予測モデルを生成する学習部12をさらに備え、格納部10は、学習部12によって生成された予測モデルを格納してもよい。この構成により、予測モデルを生成することができると共に、生成した予測モデルを利用することができる。
【0067】
また、REIT価格予測装置1によれば、学習部12は、REITの投資先である不動産に変更があった場合、変更後の不動産に基づく新たな予測モデルを生成し、格納部10によって格納された既存の予測モデルを、新たな予測モデルに入れ替えてもよい。この構成により、REITの投資先である不動産に変更があった場合、変更後の不動産に基づく新たな予測モデルを利用することができる。
【0068】
また、REIT価格予測装置1によれば、学習部12は、新たな予測モデルの予測精度が、既存の予測モデルの予測精度よりも優位になったタイミングで入れ替えてもよい。この構成により、REITの投資先である不動産に変更があった場合、予測精度がより良い予測モデルを利用し続けることができる。一般的に、REITは運営会社の判断による不動産の取得又は退去が考えられるため、そのようなイベント発生時にREIT価格予測装置1は予測モデルを新たに作成・学習を行い、適宜予測結果の誤差を比較する。REIT価格予測装置1は、比較結果をもとに分岐した予測モデルの精度が現行と比べて優位になったタイミングでモデルを入れ替える。
【0069】
また、予測モデルは、REITの投資先である複数の不動産それぞれの周辺の人口分布に関する人口分布データを取得する取得部11と、REITの価値を示すREIT価格を出力する出力部13と、を備えるREIT価格予測装置1が利用する学習済みモデルである予測モデルであって、人口分布データとREIT価格とに基づいて重み付け係数が学習されたニューラルネットワークにより構成され、出力部13は、当該予測モデルに取得部11によって取得された人口分布データを適用することで得られる将来のREIT価格を出力する、予測モデルである。この構成により、当該予測モデルを利用して将来のREIT価格を出力することができる。すなわち、不動産投資信託の価値を予測することができる。
【0070】
ここで、従来の課題について説明する。REIT投資において、将来的な証券価値を予測することは保有資産を守る上で重要であるが、高精度な証券価値の予測については、従来、画一的な手法が確立できていない。それゆえ、投資判断において将来的な価値変動については考慮が難しいという課題があった。
【0071】
REIT価格予測装置1によれば、過去の性・年代・居住地別のREIT保有不動産周辺の人口分布データを活用して将来的なREIT証券価値(REIT価格)の予測を実現することができる。そして予測結果を投資判断の材料として利用することで、投資家(顧客)のリターンを最大化することができる。
【0072】
REIT価格予測装置1の学習部12は、蓄積された過去データ(各REIT保有不動産周辺の人口分布データ、各不動産評価額、外部データ、REIT価格データ)を用いて、将来的なREIT価格の予測モデルを作成してもよい。REIT価格予測装置1の出力部13は、予測モデルに現在の同データ(各REIT保有不動産周辺の人口分布データ、各不動産評価額、外部データ、REIT価格データ)を投入することで、将来的なREIT価格を計算してもよい。
【0073】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0074】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0075】
例えば、本開示の一実施の形態におけるREIT価格予測装置1などは、本開示のREIT価格予測方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図20は、本開示の一実施の形態に係るREIT価格予測装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のREIT価格予測装置1は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0076】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。REIT価格予測装置1のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0077】
REIT価格予測装置1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0078】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の取得部11、学習部12及び出力部13などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0079】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、取得部11、学習部12及び出力部13は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0080】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0081】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0082】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の取得部11、学習部12及び出力部13などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0083】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0084】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0085】
また、REIT価格予測装置1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0086】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0087】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0088】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0089】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0090】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0091】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0092】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0093】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0094】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0095】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0096】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0097】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0098】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0099】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0100】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0101】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0102】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0103】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0104】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0105】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0106】
本開示において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0107】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1…REIT価格予測装置、2…人口分布データ取得装置、3…REIT取引装置、4…REIT管理装置、5…外部データ取得装置、6…REIT価格予測システム、10…格納部、11…取得部、12…学習部、13…出力部、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。