(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】扉ロック装置
(51)【国際特許分類】
E05C 3/04 20060101AFI20240909BHJP
B60J 5/10 20060101ALI20240909BHJP
E05B 83/10 20140101ALI20240909BHJP
【FI】
E05C3/04 G
B60J5/10 A
B60J5/10 H
E05B83/10
(21)【出願番号】P 2024121937
(22)【出願日】2024-07-29
【審査請求日】2024-07-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503048969
【氏名又は名称】株式会社トラックリンク
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】桜井 和彦
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開平1-142772(JP,U)
【文献】特開2014-218844(JP,A)
【文献】特許第7313023(JP,B1)
【文献】実開昭55-152267(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0063469(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/10
B62D 33/04
E05B 83/08-83/10
E05C 3/00- 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観音開きを行う一方及び他方の扉に設けられ、当該一方及び他方の扉のロック及びアンロックを行う扉ロック装置であって、
レバー側突起部及びレバー側操作部を有し、前記一方の扉に設けられ、前記一方の扉の扉面の垂直方向を軸として回動可能であるとともに、前記一方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能である操作レバーと、
前記他方の扉に設けられ、前記レバー側突起部が前記他方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能な状態で挿入され、挿入された前記レバー側突起部の観音開き方向への移動を止める挿入部と、
前記レバー側突起部が前記挿入部に挿入し、前記操作レバーが前記一方の扉の扉面に向かって下方向に移動した状態で、前記レバー側突起部が前記挿入部から抜けるのを防止する抜け防止手段と、
を備えることを特徴とする扉ロック装置。
【請求項2】
観音開きを行う一方及び他方の扉に設けられ、当該一方及び他方の扉のロック及びアンロックを行う扉ロック装置であって、
レバー側突起部、レバー側係止部及びレバー側操作部を有し、前記一方の扉に設けられ、前記一方の扉の扉面の垂直方向を軸として回動可能であるとともに、前記一方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能である操作レバーと、
前記他方の扉に設けられ、前記レバー側突起部が前記他方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能な状態で挿入され、挿入された前記レバー側突起部の観音開き方向への移動を止める挿入部と、
前記一方の扉に設けられ、前記レバー側突起部が前記挿入部に挿入し、前記操作レバーが前記一方の扉の扉面に向かって下方に移動した状態で、前記操作レバーが前記他方の扉側に回動した際に前記レバー側係止部と係止することで、前記レバー側突起部が前記挿入部から抜けるのを防止する扉側係止部と、
を備えることを特徴とする扉ロック装置。
【請求項3】
箱型のトラックの荷台を構成するコンテナの観音開きを行う一方及び他方の扉に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の扉ロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱型のトラックのコンテナや単独で構成されるコンテナ等の扉のロックを行う扉ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
箱型のトラック(バンボディ)等の荷台を構成するコンテナには、後部または側部に、いわゆる観音開きのドア等、ヒンジにより開閉自在に取り付けられた扉が広く用いられている。また、ヒンジにより開閉自在に取り付けられた扉のロック装置としては、扉に回転自在に取付けられ、かつ、軸回りの回転位相を変化させることにより、扉のロック・アンロックを行うロックロッドを備えたものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ロック装置として、扉のロックをより確実にするために、ロックロッドを備えたロック装置に加えて、かんぬき型のロック装置を設けた箱型のトラックも普及している。
【0004】
状来のかんぬき型のロック装置は、観音開きの一方の扉に回転可能に設けられたかんぬきと、観音開きの他方の扉に設けられ、前記かんぬきと嵌合係止するフック部とからなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した状来のかんぬき型のロック装置では、箱型のトラックの振動による意図しないアンロックを防止するため、かんぬきとフック部の嵌合係止や回転部の接合をきつくする必要があり、扉のロック及びアンロックに強い力を要していた。
【0007】
本発明は、従来の技術における前記問題点に鑑みてなされたもので、ユーザの便宜を図ることができる扉ロック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の扉ロック装置は、観音開きを行う一方及び他方の扉に設けられ、当該一方及び他方の扉のロック及びアンロックを行う扉ロック装置であって、レバー側突起部及びレバー側操作部を有し、前記一方の扉に設けられ、前記一方の扉の扉面の垂直方向を軸として回動可能であるとともに、前記一方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能である操作レバーと、前記他方の扉に設けられ、前記レバー側突起部が前記他方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能な状態で挿入され、挿入された前記レバー側突起部の観音開き方向への移動を止める挿入部と、前記レバー側突起部が前記挿入部に挿入し、前記操作レバーが前記一方の扉の扉面に向かって下方向に移動した状態で、前記レバー側突起部が前記挿入部から抜けるのを防止する抜け防止手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の扉ロック装置は、観音開きを行う一方及び他方の扉に設けられ、当該一方及び他方の扉のロック及びアンロックを行う扉ロック装置であって、レバー側突起部、レバー側係止部及びレバー側操作部を有し、前記一方の扉に設けられ、前記一方の扉の扉面の垂直方向を軸として回動可能であるとともに、前記一方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能である操作レバーと、前記他方の扉に設けられ、前記レバー側突起部が前記他方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能な状態で挿入され、挿入された前記レバー側突起部の観音開き方向への移動を止める挿入部と、前記一方の扉に設けられ、前記レバー側突起部が前記挿入部に挿入し、前記操作レバーが前記一方の扉の扉面に向かって下方に移動した状態で、前記操作レバーが前記他方の扉側に回動した際に前記レバー側係止部と係止することで、前記レバー側突起部が前記挿入部から抜けるのを防止する扉側係止部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の扉ロック装置は、箱型のトラックの荷台を構成するコンテナの観音開きを行う一方及び他方の扉に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、ユーザの便宜を図ることができる扉ロック装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る扉ロック装置を用いた箱型のトラックの後面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るロック状態の扉ロック装置及びその周囲を拡大して示す後面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るアンロック状態の扉ロック装置及びその周囲を拡大して示す後面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る扉ロック装置の一部を拡大して示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るコ字状金具及びその周囲を拡大して示す断面図である。
【
図6】本発明の実施形態の変形例に係るロック状態の扉ロック装置及びその周囲を拡大して示す後面図である。
【
図7】本発明の実施形態の変形例に係るアンロック状態の扉ロック装置及びその周囲を拡大して示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る扉ロック装置を用いた箱型のトラックの後面図である。
図2は、本発明の実施形態に係るロック状態の扉ロック装置及びその周囲を拡大して示す後面図である。
図3は、本発明の実施形態に係るアンロック状態の扉ロック装置及びその周囲を拡大して示す後面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る扉ロック装置の一部を拡大して示す斜視図である。
図5は、本発明の実施形態に係るコ字状金具及びその周囲を拡大して示す断面図である。
【0015】
<本発明の実施形態の構成>
図1に示すように、符号1は、本発明の実施形態に係る扉ロック装置が用いられる箱型のトラック(バンボディ)である。
【0016】
トラック1の後部シャーシ2の上側には、荷台を構成するコンテナ3が取り付けられている。
【0017】
コンテナ3の後部には、観音開きの左右の扉4L、4Rが左右のヒンジ5L、5Rにより開閉自在に取り付けられている。
【0018】
左右の扉4L、4Rには、従来から有るロックロッド型の左右の扉ロック装置6L、6Rと、本発明の実施形態に係るかんぬき型の扉ロック装置7が設けられている。
【0019】
左右の扉ロック装置6L、6Rは、それぞれ左右の扉4L、4Rの下部に設けられ、軸回りの回転位相を変化させることにより、左右の扉4L、4Rのロック・アンロックを行うロックロッド6La、6Raと、ロックロッド6La、6Rbを回転させるための操作が行われるレバー6Lb、6Rbとをそれぞれ備えている。
【0020】
扉ロック装置7は、左右の扉4L、4Rの互に接する縦方向の枠部8L、8Rに設けられている。
【0021】
図2に示すように、扉ロック装置7は、ピン11Rと、左右のコ字金具12L、12Rと、左右のコ字金具13L、13Rと、操作レバー21とから構成されている。
【0022】
左右の枠部8L、8Rは、左右の扉4L、4Rの中間部4La、4Raから段部41(
図4参照)を介して車体後側に浮き出して形成されている。
【0023】
図2乃至
図4に示すように、左の枠部8Lには、上から順に左のコ字金具12L、左のコ字金具13Lが溶接により固定されている。
【0024】
右の枠部8Rには、ピン11R、右のコ字金具12R、右のコ字金具13Rが溶接により固定されている。
【0025】
図2及び
図3に示すように、ピン11Rは、操作レバー21を一方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能な状態で保持するものであり、
図4に示すように、右の枠部8Rの中間部上側に軸11Raが溶接で固定それている。
【0026】
図2及び
図3に示すように、左右の扉4L、4Rが閉じられた状態で、左右のコ字金具12L、12Rの間の距離は、左右のコ字金具13L、13Rの間の距離より短くなっている。
【0027】
操作レバー21は、1枚の金属板で形成されており、上から順に直線部22、右側に傾斜する傾斜部23、直線部24、レバー側操作部25を有している。
【0028】
操作レバー21の上部には、ピン11Rの軸11Raが挿入される挿入孔26が形成されている。
【0029】
図4に示すように、操作レバー21の上部は、挿入孔26にピン11Rの軸11Raが挿入された状態で、ピン11Rのピン頭11Rbと右の枠部8Rの間に挟まれる。
【0030】
挿入孔26は、操作レバー21を右の扉4R扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能にするために、軸11Raよりも大きく形成されているとともに、下側が上側より幅広の形状になっている。
【0031】
図2及び
図3に示すように、直線部22の左辺には、レバー側突起部27が左側に延出して形成されている。レバー側突起部27は、左右のコ字金具12L、12Rに挿脱可能になっている。
【0032】
直線部24の左辺には、レバー側突起部28が左側に延出して形成されている。レバー側突起部28は、左右のコ字金具13L、13Rに挿脱可能になっている。
【0033】
レバー側突起部28は、左側に延出する直線部29と、直線部29から下側に延出するレバー側係止部30より形成されている。
【0034】
レバー側係止部30は、左下から左側に延出する係止片31が形成されている。係止片31は、扉ロック装置7がロックされて状態で左のコ字金具13Lを係止して操作レバー21が上に移動するのを防止する。レバー側係止部30の左側の係止片31と直線部29の間は、右側に傾斜する傾斜部32となっている。レバー側係止部30の右側は、左側に傾斜する傾斜部33となっている。
【0035】
直線部29の先端側部34は、左のコ字金具13Lに挿入可能になっている。扉ロック装置7は、先端側部34が左のコ字金具13Lに挿入し、レバー側突起部27が左のコ字金具12Lに挿入することで、左右の扉4L、4Rのロックを行う。
【0036】
図5に示すように、左のコ字金具13Lは、鉄製ステンレス鋼等を折り曲げて形成したものであり、垂直面部41の上下に水平面部42、43を有する。水平面部42、43の前端は、溶接44、45によって枠部8Lに接続固定されている。
【0037】
図4に示す左右のコ字金具12L、12R及び右のコ字金具左13Rも、左のコ字金具13Lと同様の構造になっている。
【0038】
<扉ロック装置7の操作方法>
まず、左右の扉4L、4Rをアンロックからロックの状態に移行する場合の操作について説明する。
【0039】
図3に示すように、扉ロック装置7がアンロックの状態では、操作レバー21が右側に回動した位置にあり、レバー側突起部27は、右のコ字金具12Rに挿入した状態で、左のコ字金具12Lが引き抜かれた状態になっている。
【0040】
レバー側突起部28は、右のコ字金具13Rに挿入した状態で、左のコ字金具13Lから引き抜かれた状態になっている。レバー側係止部30の係止片31と先端側部34の間には、右のコ字金具13Rの下側の水平面部が挿入され、右のコ字金具13Rの下側の水平面部がレバー側係止部30の傾斜部32に係止した状態となっている。このレバー側係止部30により係止により、操作レバー21は、
図3に示す状態で停止している。
【0041】
扉ロック装置7をアンロックの状態からロックの状態に移行する場合、ユーザはレバー側操作部25を掴んで右に引くことで、操作レバー21をさらに右側に回動させ、右のコ字金具13Rの下側の水平面部から、傾斜部32及び係止片31から離し、レバー側係止部30による右のコ字金具13Rの係止を解除する。
【0042】
この後、ユーザはレバー側操作部25を上に押し上げることで、操作レバー21のレバー側係止部30が右のコ字金具13Rの内側を挿通可能な状態にし、ユーザはレバー側操作部25を左に押すことで、レバー側係止部30を右のコ字金具13Rの内側に挿通させ、レバー側突起部27の先端側を左のコ字金具12Lに挿入し、レバー側突起部28の先端側部34を左のコ字金具13Lに挿入する。
【0043】
この後、ユーザはレバー側操作部25を下に押し下げることで、操作レバー21のレバー側係止部30を左右のコ字金具13L、13Rの下側の水平面部の間から下側に移動させる。
【0044】
この後、ユーザはレバー側操作部25を左に押すことで、レバー側係止部30の係止片31と先端側部34の間には、左のコ字金具13Lの下側の水平面部が挿入され、レバー側係止部30の係止片31が左のコ字金具13Lの下側の水平面部に下側から係止した状態となる。これにより、扉ロック装置7が
図2に示すロックの状態となり、観音開きの左右の扉4L、4Rが扉ロック装置7により閉塞される。
【0045】
この状態では、レバー側係止部30の係止片31と左のコ字金具13Lの下側の水平面部との係止により、レバー側係止部30が左右のコ字金具13L、13Rの下側の水平面部より上側に移動するのが防止され、扉ロック装置7によるロックを確実なものとなる。
【0046】
また、レバー側突起部28の先端側部34が左のコ字金具13Lに挿入し、操作レバー21が左の扉4Lの扉面に向かって下方に移動した状態で、操作レバー21が左の扉4L側に回動した際に、レバー側係止部30の左側に傾斜する傾斜部33が右のコ字金具13Rと係止することで、前記操作レバー21の左の扉4L側への回動を停止させるとともに、傾斜部33が操作レバー21を下方に誘導し、レバー側突起部28の先端側部34が左のコ字金具13Lから抜けることを防止するので、扉ロック装置7によるロックを確実なものとなる。
【0047】
扉ロック装置7によるロックの後、左右の扉ロック装置6L、6Rを操作し、左右の扉4L、4Rに対して二重のロックを行う。
【0048】
左右の扉4L、4Rをロックからアンロックの状態に移行する場合、上述のアンロックからロックの状態に移行する場合と逆の操作を行う。
【0049】
<本発明の実施形態の構成及び作用の纏め>
以下、このような本発明の実施形態の構成及び作用を纏めて説明すると、扉ロック装置7は、観音開きを行う一方及び他方の扉(左右の扉4L、4R)に設けられ、当該一方及び他方の扉のロック及びアンロックを行う扉ロック装置であって、レバー側突起部28及びレバー側操作部25を有し、前記一方の扉(右の扉4R)に設けられ、前記一方の扉の扉面の垂直方向を軸として回動可能であるとともに、前記一方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能である操作レバー21と、前記他方の扉(左の扉4L)に設けられ、前記レバー側突起部28が前記他方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能な状態で挿入され、挿入された前記レバー側突起部28の観音開き方向への移動を止める挿入部(左のコ字金具13L)と、前記レバー側突起部28が前記挿入部に挿入し、前記操作レバー21が前記一方の扉の扉面に向かって下方向に移動した状態で、前記レバー側突起部28が前記挿入部から抜けるのを防止する抜け防止手段(右のコ字金具13R、レバー側係止部30)とを備える。
【0050】
また、扉ロック装置7は、観音開きを行う一方及び他方の扉(左右の扉4L、4R)に設けられ、当該一方及び他方の扉のロック及びアンロックを行う扉ロック装置であって、レバー側突起部28、レバー側係止部30及びレバー側操作部25を有し、前記一方の扉(右の扉4R)に設けられ、前記一方の扉の扉面の垂直方向を軸として回動可能であるとともに、前記一方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能である操作レバー21と、前記他方の扉(左の扉4L)に設けられ、前記レバー側突起部28が前記他方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能な状態で挿入され、挿入された前記レバー側突起部28の観音開き方向への移動を止める挿入部(左のコ字金具13L)と、前記一方の扉に設けられ、前記レバー側突起部28が前記挿入部に挿入し、前記操作レバー21が前記一方の扉の扉面に向かって下方に移動した状態で、前記操作レバーが前記他方の扉側に回動した際に前記レバー側係止部30と係止することで、前記レバー側突起部28が前記挿入部から抜けるのを防止する扉側係止部(右のコ字金具13R)とを備える。
【0051】
扉ロック装置7は、箱型のトラック1の荷台を構成するコンテナ3の観音開きを行う一方及び他方の扉(左右の扉4L、4R)に設けられている。
【0052】
このような実施形態によれば、ロックの状態において、抜け防止手段(右のコ字金具13R、レバー側係止部30)により、レバー側突起部28が挿入部(左のコ字金具13L)に挿入し、操作レバー21が前記一方の扉(左の扉4L)の扉面に向かって下方向に移動した状態で、レバー側突起部28が挿入部から抜けるのを防止することができる。これにより、扉ロック装置7の嵌合係止や回転部の接合をあまりきつくする必要がなく、扉のロック及びアンロックに強い力を要さず、円滑な操作が可能になるので、ユーザの便宜を図ることができる。
【0053】
<本発明の実施形態の変形例の構成>
図6は、本発明の実施形態の変形例に係るロック状態の扉ロック装置及びその周囲を拡大して示す後面図である。
図7は、本発明の実施形態の変形例に係るアンロック状態の扉ロック装置及びその周囲を拡大して示す後面図である。
【0054】
図6及び
図7に示すように、本発明の実施形態の変形例の扉ロック装置7R、7Lは、左右の扉4L、4Rの枠部8L、8Rに設けられている。
【0055】
扉ロック装置7Rは、
図1乃至
図5に示した扉ロック装置7と同様の構造となっている。
従って、
図6及び
図7に示すように、扉ロック装置7Rのピン11R、左右のコ字金具12L、12R、左右のコ字金具13L、13R、操作レバー21R、直線部22R、傾斜部23R、直線部24R、レバー側操作部25R、挿入孔26R、レバー側突起部27R、レバー側突起部28R、直線部29R、レバー側係止部30R、係止片31R、傾斜部32R、傾斜部33R、先端側部34Rは、
図1乃至
図5に示した扉ロック装置7のピン11R、左右のコ字金具12L、12R、左右のコ字金具13L、13R、操作レバー21、直線部22、傾斜部23、直線部24、レバー側操作部25、挿入孔26、レバー側突起部27、レバー側突起部28、直線部29、レバー側係止部30、係止片31、傾斜部32、傾斜部33、先端側部34と同様の構造となっている。
【0056】
図6及び
図7に示すように、扉ロック装置7Lは、直線部22Lを直線部22Rより伸ばし、左右のコ字金具12L、12R、左右のコ字金具13L、13Rの代わりに、左右のコ字金具14L、14R、左右のコ字金具15L、15Rを用いている以外は、扉ロック装置7Rを左右対称にした構造と略同様になっている。
【0057】
従って、扉ロック装置7Lのピン11L、操作レバー21L、直線部22L、傾斜部23L、直線部24L、レバー側操作部25L、挿入孔26L、レバー側突起部27L、レバー側突起部28L、直線部29L、レバー側係止部30L、係止片31L、傾斜部32L、傾斜部33L、直線部29Lの先端側部34Lは、扉ロック装置7Rのピン11R、操作レバー21R、直線部22R、傾斜部23R、直線部24R、レバー側操作部25R、挿入孔26R、レバー側突起部27R、レバー側突起部28R、直線部29R、レバー側係止部30R、係止片31R、傾斜部32R、傾斜部33R、直線部29Rの先端側部34Rを左右対称にした構造と略同様になっている。
【0058】
左の枠部8Lには、上から順にピン11L、左のコ字金具12L、左のコ字金具14L、左のコ字金具13L、左のコ字金具15Lが溶接により固定されている。
【0059】
右の枠部8Rには、ピン11R、右のコ字金具12R、右のコ字金具14R、右のコ字金具13R、右のコ字金具15Rが溶接により固定されている。
【0060】
扉ロック装置7Rは、
図1乃至
図5に示した扉ロック装置7と同様の操作を行うことで、ロックとアンロックの操作を行える。
【0061】
扉ロック装置7Lは、
図1乃至
図5に示した扉ロック装置7と左右逆の操作を行うことで、ロックとアンロックの操作を行える。
【0062】
このような変形例によれば、
図1乃至
図5に示した扉ロック装置7と同様の効果が得られるとともに、扉ロック装置7と同様の扉ロック装置7Rに加えて、扉ロック装置7Lを追加したことで、より確実な左右の扉4L、4Rのロックを行える。
【0063】
尚、
図1乃至
図7の説明では、本実施形態及び変形例の扉ロック装置を箱型のトラック(バンボディ)等の荷台を構成するコンテナの扉に適用したが、他の扉、例えば単体の海上コンテナ(その他のコンテナ(例えば鉄道、トレーラ等))の扉、船舶の扉等にも適用することも可能である。
【0064】
また、
図6及び
図7に示した変形例の左の扉ロック装置7Lを単体で設けることも可能である。
【0065】
さらに、
図1乃至
図7に記載した本発明の実施形態及び変形例において、扉ロック装置7、7L、7Rのサイズや材質は、様々に変更可能である。
【0066】
このように、本発明の、構造、各部材の連結などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
【0067】
材質も、金属、プラスチック、FRP、木材等を自由に選択することが可能である。
例えば、2つ以上の部材を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの部材を2つ以上の別の部材から構成して接続することも可能である。
【0068】
また、上記実施形態及び変形例は、あくまでも、現在のところの最良の形態またそれに近い形態の2つにすぎない。
【符号の説明】
【0069】
1 トラック
2 後部シャーシ
3 コンテナ
4L、4R 左右の扉
5L、5R 左右のヒンジ
6L、6R 左右の扉ロック装置
6La、6Ra ロックロッド
6Lb、6Rb レバー
7、7L、7R 扉ロック装置
8L、8R 枠部
11R ピン
12L、12R、13L、13R、14L、14R、15L、15R コ字金具
21、21L、21R 操作レバー
22、22L、22R 直線部
23、23L、23R 傾斜部
24、24L、24R 直線部
25、25L、25R レバー側操作部
26、26L、26R 挿入孔
27、27L、27R、28、28L、28R レバー側突起部
29、29L、29R 直線部
30、30L、30R レバー側係止部
31、31L、31R 係止片
32、32L、32R 傾斜部
33、33L、33R 傾斜部
34、34L、34R 先端側部
【要約】
【課題】ユーザの便宜を図ることができる扉ロック装置を提供する。
【解決手段】扉ロック装置7は、観音開きを行う一方及び他方の扉(左右の扉4L、4R)に設けられ、当該一方及び他方の扉のロック及びアンロックを行う扉ロック装置であって、一方の扉(左の扉4L)に設けられ、一方の扉の扉面の垂直方向を軸として回動可能であるとともに、一方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能である操作レバー21と、他方の扉(右の扉4R)に設けられ、レバー側突起部28が他方の扉の扉面に向かって上下及び左右方向に平行移動可能な状態で挿入され、挿入されたレバー側突起部28の観音開き方向への移動を止める挿入部(左のコ字金具13L)と、レバー側突起部28が前記挿入部に挿入し、操作レバー21が前記一方の扉の扉面に向かって下方向に移動した状態で、レバー側突起部28が前記挿入部から抜けるのを防止する抜け防止手段(右のコ字金具13R、レバー側係止部30)とを備える。
【選択図】
図2