IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロジスティード株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社ウフルの特許一覧

特許7551978対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム
<>
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図1
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図2
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図3
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図4
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図5
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図6
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図7
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図8
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図9
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図10
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図11
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図12
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図13
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図14
  • 特許-対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240910BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022507114
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2020010812
(87)【国際公開番号】W WO2021181606
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】324001734
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(73)【特許権者】
【識別番号】506042645
【氏名又は名称】株式会社ウフル
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 高志
(72)【発明者】
【氏名】根本 憲之
(72)【発明者】
【氏名】谷口 将仁
(72)【発明者】
【氏名】迫田 我行
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2073609(KR,B1)
【文献】特表2010-504587(JP,A)
【文献】特許第6140909(JP,B1)
【文献】特開2007-049487(JP,A)
【文献】特開2021-060634(JP,A)
【文献】特開2020-091695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発注される第1の作業と第2の作業との各作業の内容および対価を示す第1の契約情報を提供する発注部と、
前記第1の契約情報を取得し、前記第2の作業の内容および対価を示す第2の契約情報を提供する第1の受注部と、
前記第1の受注部が提供した前記第2の契約情報に示される前記第2の作業の完了を示す第1の完了情報を前記第2の契約情報と紐づけて提供する第2の受注部と、
前記第2の受注部が提供した前記第1の完了情報と紐づけられる前記第2の契約情報に示される対価の支払処理を実行させる第1の支払部と、
前記第2の契約情報に示される対価の支払処理が実行された後に、前記第1の契約情報に示される前記第2の作業の完了を示す情報として前記第1の受注部が提供する第2の完了情報に基づいて、前記第1の契約情報に示される前記第2の作業の対価の支払処理を実行させる第2の支払部と、を備える対価支払支援システム。
【請求項2】
前記発注部は、前記第1の契約情報を、分散型台帳に記憶させることによって提供する
請求項1に記載の対価支払支援システム。
【請求項3】
前記第2の支払部は、前記第2の完了情報に基づいて前記第2の作業の完了が確認されたことを示す完了確認情報を前記第1の契約情報と紐づけて提供し、
前記第1の契約情報に示される対価の支払処理は、前記完了確認情報が提供される支払端末によって実行される、
請求項1に記載の対価支払支援システム。
【請求項4】
前記第1の契約情報と、前記第1の契約情報に紐づけられた情報との関係を解析する情報処理部を備える
請求項1に記載の対価支払支援システム。
【請求項5】
前記情報処理部は、前記発注部が提供した前記第1の契約情報の少なくとも一部を用いた入力データと、前記第1の契約情報と紐づけられた情報の少なくとも一部を用いた出力データとを用いた教師データにより機械学習する、
請求項4に記載の対価支払支援システム。
【請求項6】
第1のコンピュータによって、発注される第1の作業と第2の作業との各作業の内容および対価を示す第1の契約情報を提供する工程と、
第2のコンピュータによって、前記第1の契約情報を取得し、前記第1の契約情報に示される前記第2の作業の内容および対価を示す第2の契約情報を提供する工程と、
第3のコンピュータによって、前記第2の契約情報に示される前記第2の作業の完了を示す第1の完了情報を前記第2の契約情報と紐づけて提供する工程と、
前記第3のコンピュータが提供した前記第1の完了情報と紐づけられる前記第2の契約情報に示される対価の支払処理を、前記第2のコンピュータによって実行させる工程と、
前記第2のコンピュータによって、前記第1の契約情報に示される前記第2の作業の完了を示す第2の完了情報を前記第1の契約情報と紐づけて提供する工程と、
前記第2の契約情報に示される対価の支払処理が実行された後に、前記第2のコンピュータが提供した前記第2の完了情報と紐づけられる前記第1の契約情報に示される対価の支払処理を、前記第1のコンピュータによって実行させる工程と、を含む対価支払支援方法。
【請求項7】
第1のコンピュータによって提供される、発注される第1の作業と第2の作業との各作業の内容および対価を示す第1の契約情報を取得し、前記第2の作業の内容および対価を示す第2の契約情報を提供し、
前記第2の作業の完了を示す第1の完了情報が前記第2の契約情報と紐づけられて第2のコンピュータによって提供され、前記第1の完了情報と紐づけられる前記第2の契約情報に示される対価の支払処理を実行させ、
前記第1の契約情報に示される前記第2の作業の完了を示す第2の完了情報を前記第1の契約情報と紐づけて提供する、情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
第1のコンピュータによって提供される、発注される第1の作業と第2の作業との各作業の内容および対価を示す第1の契約情報を取得し、前記第2の作業の内容および対価を示す第2の契約情報を提供し、
前記第2の作業の完了を示す第1の完了情報が前記第2の契約情報と紐づけられて第2のコンピュータによって提供され、前記第1の完了情報と紐づけられる前記第2の契約情報に示される対価の支払処理を実行させ、
前記第1の契約情報に示される前記第2の作業の完了を示す第2の完了情報を前記第1の契約情報と紐づけて提供する、情報処理装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対価支払支援システム、情報処理装置、対価支払支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業を管理する技術が注目されている。下記特許文献1には、工事依頼情報公開システムと、下請会社対応可否表示システムと、受発注システムと、資材調達システムと、資材配送システムと、作業管理システムと、作業完了確認検証システムと、請求支払システムと、入金確認システムとから成るプログラムを作成し、インターネットを通して管理会社のPC、各協力会社のPC及び作業者の携帯端末によって、プログラムに操作、閲覧、書き込みを可能にし、作業を各システムに従って管理する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-267219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、作業の発注および受注において、利便性と即時性を向上させる技術がさらに望まれている。例えば、複数の作業を含む業務に対して、全ての作業の完了後に対価が支払われる場合、全体の作業が長期間にわたると、受注者は、一部の作業が完了した段階では対価が支払われないので、この作業に係る支出を充当するのに苦労することがある。また、複数の作業を複数の業者で分担して実行する場合、例えば、各業者へ対価を支払う処理が煩雑なことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、発注される作業の内容および対価を示す契約情報を提供する発注端末と、受注された作業の完了を示す完了情報を契約情報と紐づけて提供する受注端末と、完了情報と紐づけられる契約情報に示される対価の支払処理を実行させる支払部と、を備える対価支払支援システムが提供される。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、発注される作業の内容および対価を示す契約情報と、契約情報と紐づけられた情報とを取得する取得部と、契約情報と、契約情報と紐づけられた情報との関係を解析する情報処理部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、発注される作業の内容および対価を示す契約情報を、発注端末によって提供する工程と、受注された作業の完了を示す完了情報を契約情報と紐づけて、受注端末によって提供する工程と、完了情報と紐づけられる契約情報に示される対価の支払処理を実行させる工程と、を含む対価支払支援方法が提供される。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、コンピュータに、発注される作業の内容および対価を示す契約情報と、受注された作業の完了を示す情報であって契約情報と紐づけられた完了情報とに基づいて、対価の支払処理を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、例えば作業の対価の支払いの利便性と即時性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る対価支払支援システムを示す図である。
図2】実施形態に係る端末のハードウェア構成例を示す図である。
図3】実施形態に係る対価支払支援システムの機能構成を示す図である。
図4】実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。
図5】実施形態に係る分散型台帳に記憶される情報の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る受注端末に表示される画像の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る受注端末に表示される画像の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。
図9】実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。
図10】実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。
図11】実施形態に係る各種情報の一例を示す図である。
図12】変形例に係る各種情報を示す図である。
図13】実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。
図14】実施形態に係る各種情報の一例を示す図である。
図15】本実施形態に係る対価支払支援システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。本明細書の記載は、本明細書に係る技術が実施される国または地域の法的事項を遵守することを前提とする。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、実施形態に係る対価支払支援システムを示す図である。図1において、対価支払支援システム1は、発注端末10、受注端末20、支払端末30、及び分散型台帳Dを備える。発注端末10は、作業を発注する発注者が操作する端末である。受注端末20は、作業を受注する受注者が操作する端末である。支払端末は、対価の支払いを実行する支払者が操作する端末である。支払者は、例えば、金融機関の職員であったり、作業完了の承認に基づいて支払い確定権限を持つ発注者側の部門の職員が想定される。
【0013】
対価支払支援システム1は、例えば以下のように動作する。発注端末10は、発注される作業の内容および対価を示す契約情報を提供する。例えば、発注端末10は、契約情報を分散型台帳Dに記憶させることによって、契約情報を提供する。受注端末20は、契約情報を分散型台帳Dから取得する。受注者は、契約情報に示された作業の内容および対価を確認し、作業を受注する。
【0014】
受注者は、契約情報に定められた作業を完了する。受注端末20は、受注された作業の完了を示す完了情報を契約情報と紐づけて提供する。例えば、受注端末20は、完了情報を契約情報と紐づけて分散型台帳Dに記憶させることによって、完了情報を提供する。発注端末10は、分散型台帳Dから完了情報を取得する。完了情報は、例えば、作業完了の証跡を示す情報(例、作業現場の画像)を含む。発注者は、完了情報に基づいて、作業が完了したことを確認する。発注端末10は、作業の完了が確認されたことを示す完了確認情報を提供する。
【0015】
発注端末10は、完了情報と紐づけられる契約情報に示される対価の支払処理を実行させる。例えば、発注端末10は、完了情報に基づいて作業の完了が確認された場合、対価の支払処理を実行させる。例えば、発注端末10は、支払処理を実行させるトリガーになる情報として、完了確認情報を提供する。支払端末30は、完了確認情報の提供を受けて、支払処理を実行する。このような対価支払支援システム1は、完了情報と紐づけられる契約情報に示される対価の支払処理を実行させるので、例えば対価の支払が円滑に実行され、発注および受注において利便性と即時性を向上させることに寄与する。
【0016】
以下、対価支払支援システム1の各部について説明する。図1における符号40A、40B、40Cは、それぞれ、分散型台帳Dのノードを構成する端末である。以下の説明において適宜、分散型台帳Dを構成する端末を区別しない場合、端末40と表す。なお、発注端末10の数、受注端末20の数、支払端末30の数、端末40の数は、図1の例に限定されず、それぞれ任意の数でよい。
【0017】
発注端末10、受注端末20、支払端末30、及び端末40は、それぞれ、情報を処理する端末である。この端末は、例えば、情報を処理する処理部と、情報を記憶する記憶部と、所定の通信規格で通信を行う通信部とを備える。このような端末は、情報処理装置と呼ばれることがある。情報処理装置は、例えば、デスクトップパソコン等の据置型のコンピュータ、又はノートパソコン、タブレット、スマートフォン等の携帯型のコンピュータを含む。
【0018】
対価支払支援システム1に含まれる各端末は、通信回線Nを介して、対価支払支援システム1に含まれる他の端末と通信可能に接続される。通信回線Nの構成および通信規格に限定はなく、1つ通信網により構成されてもよいし、2以上の通信網の組み合わせにより構成されてもよい。通信回線Nは、有線の通信網を含んでもよいし、無線の通信網を含んでもよく、これら双方を含んでもよい。例えば、通信回線Nは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、大都市圏ネットワーク(MAN)、インターネット回線、移動通信網、及び携帯電話網の少なくとも一部を含む。
【0019】
発注端末10は、例えば、作業を発注する企業の担当者等により使用される。発注端末10は、例えば、作業を発注する企業の施設に設けられる。受注端末20は、例えば、作業を受注する企業の担当者等により使用される。この担当者は、受注した作業を実行する作業者でもよい。受注端末20の機能は、作業を受注する企業の施設に設けられる端末と、この端末と通信可能に接続される作業者の端末とに分けられていてもよい。支払端末30は、例えば、対価の支払を実行する金融機関の担当者が使用する端末である。支払端末30は、例えば、金融機関の施設に設けられたり、支払決定権限者が所属する部門から容易にアクセス可能なインターネットアクセス端末で代替されることもあり得る。
【0020】
本実施形態に係る対価支払支援システム1は、情報の記憶先となるデータベースとして、分散型台帳Dを用いる。分散型台帳Dは、イーサリアム(登録商標)などのブロックチェーンを含んでもよいし、IOTA(登録商標)などのタングルを含んでもよい。なお、発注端末10、受注端末20、及び支払端末30の少なくとも1つは、分散型台帳のノードを構成する端末40を兼ねてもよい。また、対価支払支援システム1は、分散型台帳Dの少なくとも一部を備えなくてもよい。例えば、分散型台帳Dは、対価支払支援システム1と異なるシステムの少なくとも一部であり、対価支払支援システム1は、その外部のシステムである分散型台帳Dを利用してもよい。また、対価支払支援システム1は、情報の記憶先として、分散型台帳Dと異なる形態の記憶部を利用してもよい。この記憶部は、例えば、セキュアな環境におかれるストレージを含んでもよい。
【0021】
対価支払支援システム1に含まれる端末の少なくとも1つには、暗号資産のウォレットを実現するプログラムがインストールされていてもよい。暗号資産のウォレットは、仮想通貨ウォレット、暗号ウォレット、又はデジタルウォレットと称される場合がある。上記プログラムは、分散型台帳を介した取引の際の電子署名に使う暗号化鍵(秘密鍵)、及びユーザの暗号資産が属する分散型台帳のアドレス(暗号アドレス、匿名アドレス、ウォレットのアドレス)を管理する処理をコンピュータに実行させてもよい。なお、暗号アドレスは、分散型台帳を介した取引に利用されるユーザの公開鍵のハッシュ値等に基づいて生成されてもよい。上記プログラムは、暗号資産の送金を行う処理をコンピュータに実行させてもよい。
【0022】
図2は、実施形態に係る端末のハードウェア構成例を示す図である。ここでは、発注端末10を例として、端末のハードウェア構成を説明する。受注端末20、支払端末30、及び端末40のハードウェア構成は、図2の発注端末10のハードウェア構成と同様でもよいし、異なってもよい。発注端末10は、ドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107を備える。これら機能部は、それぞれ、バスBに接続される。発注端末10において、各機能部はバスBを介して他の機能部と接続される。
【0023】
発注端末10での処理を実現するプログラムは、記憶媒体101によって提供される。記憶媒体101は、例えば、CD-ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記憶媒体を含む。プログラムを記憶した記憶媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記憶媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。補助記憶装置102は、記憶した情報を、例えば電力供給が絶たれた状態においても保持する。補助記憶装置102は、例えば、ハード ディスク ドライブ(HDD)、ソリッド ステート ドライブ(SSD)又はフラッシュメモリ等の書き換え可能な記憶媒体を含む。
【0024】
なお、インストールされるプログラムは、記憶媒体101以外の手法により提供されてもよく、例えば、ネットワークを介して他のコンピュータから提供されてもよい。補助記憶装置102は、端末に処理を実行させるプログラムの他の情報を記憶してもよく、例えば、端末における処理に用いる情報を記憶してもよいし、端末における処理によって生成される情報を記憶してもよい。記憶媒体101及び補助記憶装置102は、それぞれ、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0025】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、例えば、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って発注端末10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるグラフィカル ユーザ インターフェース(GUI)等を表示するディスプレイである。入力装置107は、例えばユーザによって操作されることによって、情報の入力を受け付ける。入力装置107は、例えば、マウス、タッチパッド、又はキーボードを含む。表示装置106および入力装置107は、これらが一体化されたタッチパネルでもよい。実施形態に係る端末は、表示装置106とともに、又は表示装置106の代わりに、情報を出力する出力装置を備えてもよい。この出力装置は、例えば音声により情報を出力してもよい。また、入力装置107は、音声または画像による情報の入力を受け付けてもよい。
【0026】
次に、実施形態に係る発注端末10、及び受注端末20の機能構成について説明する。図3は、実施形態に係る対価支払支援システムの機能構成を示す図である。
【0027】
発注端末10は、受付部11、送受信部12、及び処理部13を備える。受付部11は、発注者から入力される各種情報を受け付ける。送受信部12は、受注端末20、支払端末30、及び分散型台帳Dを構成する端末等の外部装置とデータを送受信する。処理部13は、発注端末10の各部に所定の処理を実行させる。処理部13は、例えば、発注端末10の各部を制御する制御部である。
【0028】
受付部11は、発注される作業の内容および対価を示す情報の入力(適宜、発注操作という)を受け付ける。処理部13は、受付部11が受け付けた情報を用いて、発注される作業の内容および対価を示す契約情報を生成する。処理部13は記憶制御部14を含み、記憶制御部14は、契約情報を所定の記憶先に記憶させる。例えば、記憶制御部14は、送受信部12を制御し、契約情報および契約情報を記憶させる指令を送受信部12によって送信させる。分散型台帳Dは、例えば、送受信部12が送信した契約情報および指令を受信し、この指令に従って契約情報を記憶する。
【0029】
送受信部12は、受注情報を受信する。受注情報は、契約情報に定められた作業が受注された場合に生成される。受注情報は、例えば、分散型台帳Dに記憶される。送受信部12は、例えば、分散型台帳Dから受注情報を受信する。送受信部12が受注情報を受信した場合、受付部11は、受注情報を確認したことを示す情報の入力(適宜、発注確認操作という)を受け付ける。発注確認操作があったと判定された場合、処理部13は、受付部11に入力された情報に基づいて、発注確認情報を生成する。発注確認情報は、例えば、契約情報に定められた作業の発注完了もしくは発注確定、契約情報に定められた作業の受注完了もしくは受注確定、又は契約情報に定められた契約の成立もしくは確定を確認したことを示す情報を含む。
【0030】
発注端末10は、発注確認情報を契約情報と紐づけて提供する。例えば、契約情報は識別情報(例、発注ID)を含み、発注確認情報は、契約情報と同じ識別情報を含むことによって、契約情報と紐づけられる。発注端末10(例、処理部13)は、契約情報と同じ識別情報を発注確認情報に含めることによって、契約情報と紐づけられた発注確認情報を生成する。発注端末10は、例えば、発注確認情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させることによって、発注確認情報を提供する。例えば、処理部13は、送受信部12を制御し、発注確認情報および発注確認情報を記憶させる指令の送信を送受信部12に実行させる。分散型台帳Dは、例えば、送受信部12が送信した発注確認情報および指令を受信し、この指令に従って発注確認情報を記憶する。分散型台帳Dは、発注確認情報を、対応する契約情報と紐づけて記憶する。
【0031】
送受信部12は、完了情報を受信する。完了情報は、契約情報に定められた作業が完了した証跡、証拠、又は根拠を示す情報(適宜、作業完了証跡の情報という)を含む。完了情報は、例えば、分散型台帳Dに記憶される。送受信部12は、例えば、分散型台帳Dから完了情報を受信する。発注端末10は、発注端末10へ提供される作業完了情報に基づいて、完了確認情報を契約情報と紐づけて提供する。例えば、送受信部12が完了情報を受信した場合、受付部11は、完了情報を確認したことを示す情報の入力(適宜、完了確認操作という)を受け付ける。完了確認操作があったと判定された場合、処理部13は、作業の完了を確認したことを示す完了確認情報を生成する。
【0032】
例えば、契約情報は発注IDを含み、完了確認情報は、契約情報と同じ発注IDを含むことによって、契約情報と紐づけられる。発注端末10(例、処理部13)は、契約情報と同じ発注IDを完了確認情報に含めることによって、契約情報と紐づけられた完了確認情報を生成する。発注端末10は、例えば、完了確認情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させることによって、完了確認情報を提供する。
【0033】
処理部13は支払部15を含む。支払部15は、契約情報に基づく対価を受注者に対して支払う支払処理を実行させる。支払部15は、分散型台帳Dに記憶されている契約情報に基づく支払処理を実行させる。例えば、支払部15は、支払処理を実行させるトリガーになる情報を提供し、この情報が提供された端末が支払処理を実行する。上記トリガーになる情報は、契約情報に示された作業の完了を示すフラグでもよいし、支払処理を実行させる指令でもよく、その他の情報でもよい。
【0034】
支払部15は、上記トリガーになる情報として、作業の完了が確認されたことを示す完了確認情報を提供する。支払部15は、完了確認情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させる。例えば、支払部15は、送受信部12を制御し、完了確認情報および完了確認情報を記憶させる指令の送信を送受信部12に実行させる。分散型台帳Dは、例えば、送受信部12が送信した完了確認情報および指令を受信し、この指令に従って完了確認情報を記憶する。分散型台帳Dは、完了確認情報を契約情報と紐づけて記憶する。
【0035】
なお、発注端末10は、受注情報を受信しなくてもよい。また、受注情報は生成されなくてもよい。発注端末10は、発注確認情報を送信しなくてもよい。発注端末10の各部は、発注端末10にインストールされた1以上のプログラムと、発注端末10のCPU104等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。このプログラムは、発注端末10のコンピュータに、上述の処理の少なくとも一部を実行させてもよい。
【0036】
受注端末20は、受付部21、送受信部22、及び処理部23を備える。受付部21は、受注者からの各種の操作等を受け付ける。送受信部22は、発注端末10、支払端末30、及び分散型台帳Dを構成する端末等の外部装置とデータを送受信する。処理部23は、受注端末20の各部に所定の処理を実行させる。処理部23は、受注端末20の各部を制御する制御部を兼ねる。
【0037】
送受信部22は、発注端末10が提供した契約情報の少なくとも一部を受信する。例えば、送受信部22は、分散型台帳Dに記憶され、分散型台帳Dから送信された契約情報を受信する。送受信部22が契約情報を受信した場合、受付部21は、契約情報に定められた作業の少なくとも一部を受注することを示す情報の入力(適宜、受注操作という)を受け付ける。処理部23は、受付部21に入力された情報を用いて、受注情報を生成する。
【0038】
受注情報は、例えば、受注する作業を特定する情報(例、発注ID)と、受注者を特定する情報(例、受注者ID)とを含む。受注情報は、対価の支払先を示す情報を含んでもよい。対価の支払先を示す情報は、例えば、受注者の口座を特定する情報(例、口座番号)を含む。受注者の口座は、金融機関の預金口座でもよいし、その他の口座(例、会員口座)でもよい。受注者の口座は、インターネットを介して提供されるサービスにおける口座でもよい。
【0039】
受注端末20は、受注情報を契約情報と紐づけて提供する。例えば、契約情報は発注IDを含み、受注情報は、契約情報と同じ発注IDを含むことによって、契約情報と紐づけられる。受注端末20(例、処理部23)は、契約情報と同じ発注IDを受注情報に含めることによって、契約情報と紐づけられた受注情報を生成する。受注端末20は、例えば、受注情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させることによって、受注情報を提供する。例えば、処理部23は、送受信部22を制御し、受注情報および受注情報を記憶させる指令の送信を送受信部22に実行させる。
【0040】
分散型台帳Dは、例えば、送受信部22が送信した受注情報および指令を受信し、この指令に従って受注情報を記憶する。分散型台帳Dは、受注情報を、対応する契約情報と紐づけて記憶する。分散型台帳Dは、受注情報を受信した場合、この受注情報と紐づけられる契約情報の提供元である発注端末10に対して、受注情報を受信したことを通知する。分散型台帳Dは、受注情報を受信したことの通知に対する発注端末10からの要求により、受注情報を発注端末10に提供する。分散型台帳Dは、受注情報を契約情報の提供元へ送信することで、受注情報を受信したことを通知してもよい。また、受注端末20は、受注情報を分散型台帳Dへ送信しなくてもよく、例えば受注情報を発注端末10に送信してもよい。
【0041】
受注端末20の受付部21は、完了情報を生成させる指令の入力(適宜、完了操作という)を受け付ける。例えば、受注端末20はカメラを備え、完了操作は、作業が完了したことを示す画像を上記カメラに取得させる指令の入力を含む。例えば、契約情報に定められた作業は、物品を配送する作業であるとする。作業者は、受付部21を操作することによって、作業が完了したことを示す画像として、配送先に置かれた物品の画像または物品の受領書の画像を取得させる。処理部23は、例えば、完了操作により取得された画像から得られる情報を用いて、完了情報を生成する。
【0042】
完了情報は、完了操作により取得された画像のデータの少なくとも一部を含んでもよいし、完了操作により取得された画像を処理して得られるデータを含んでもよい。以下の説明において、契約情報に定められた作業によって物品、情報、又は役務を受ける者を受領者という。上記画像は、例えば受領者が発行した書類を写した画像でもよい。この書類は、受領印が押された受領書でもよい。処理部23は、画像処理によって受領印を特定し、受領印があることを示す情報(例、フラグ)を含む完了情報を生成してもよい。また、受注端末20は、作業完了証跡の情報を所定の記憶部に記憶させ、記憶した情報の所在を示す情報(例、URL)を完了情報に含めてもよい。
【0043】
なお、作業の完了を示す証跡(適宜、作業完了証跡という)は、画像と異なる形式の情報を含んでもよい。例えば、作業の完了を示すコード等の電子データが配送先で発行され、処理部23は、上記電子データを含む完了情報を生成してもよい。また、受注端末20は、タッチパッドを備え、作業完了証跡は、このタッチパッドに受領者によって入力されるサインを含んでもよい。また、作業完了証跡は、受領者の指紋、網膜パターン、静脈パターンなどの生体情報を含んでもよい。受領者の生体情報を読み取る装置は、受注端末20が備えてもよいし、受注端末20の外部に設けられてもよい。
【0044】
受注端末20は、完了情報を契約情報と紐づけて提供する。例えば、契約情報は発注IDを含み、完了情報は、契約情報と同じ発注IDを含むことによって、契約情報と紐づけられる。受注端末20(例、処理部23)は、契約情報と同じ発注IDを完了情報に含めることによって、契約情報と紐づけられた完了情報を生成する。受注端末20は、例えば、完了情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させることによって、完了情報を提供する。処理部23は、記憶制御部24を含む。記憶制御部24は、完了情報を所定の記憶先に記憶させる。例えば、記憶制御部24は、送受信部22を制御し、完了情報および完了情報を記憶させる指令の送信を送受信部22に実行させる。分散型台帳Dは、例えば、送受信部22が送信した完了情報および指令を受信し、この指令に従って完了情報を記憶する。分散型台帳Dは、完了情報を、対応する契約情報と紐付けて記憶する。
【0045】
分散型台帳Dは、完了情報を受信した場合、この完了情報と紐づけられる契約情報の提供元である発注端末10に対して、完了情報を受信したことを通知する。分散型台帳Dは、発注端末10からの要求により、完了情報を発注端末10に提供する。発注端末10は、例えば、分散型台帳Dが完了情報を受信したことの通知を受けて、完了情報の送信を分散型台帳Dに要求する。分散型台帳Dは、完了情報を契約情報の提供元へ送信することで、完了情報を受信したことを通知してもよい。なお、分散型台帳Dは、完了情報と紐づけられる契約情報の提供元である発注端末10に対して、完了情報を受信したことを通知しなくてもよい。例えば、発注端末10は、定期的に又は不定期で、分散型台帳Dに完了情報が記憶されているか否かを検知してもよい。
【0046】
支払端末30は、契約情報に定められた作業に対する対価を支払う支払処理を実行する。支払処理は、例えば、対価の支払元の口座を特定する処理と、対価の支払先の口座を特定する処理と、特定した支払元の口座から特定した支払先の口座へ契約情報に示された対価に相当する価値を移す処理とを含む。
【0047】
対価の支払元の口座を示す情報(適宜、支払元情報という)は、例えば金融機関における発注者の口座番号を含む。支払元情報は、発注者IDと紐づけられている。支払元情報は、発注者IDを含む情報(例、契約情報)に含まれてもよい。支払元情報は、所定の記憶部(例、分散型台帳D)に予め記憶されてもよいし、支払処理の際に発注端末10から提供されてもよい。対価の支払先の口座を示す情報(適宜、支払先情報という)は、例えば金融機関における受注者の口座番号を含む。支払先情報は、受注者IDと紐づけられている。支払先情報は、受注者IDを含む情報(例、完了情報)に含まれてもよい。支払先情報は、所定の記憶部(例、分散型台帳D)に予め記憶されてもよいし、支払処理の際に受注端末20から提供されてもよい。対価は、法定通貨で表されてもよいし、暗号通貨で表されてもよく、法定通貨または暗号通貨へ交換できるポイントで表されてもよい。
【0048】
支払端末30は、支払処理のトリガーになる情報(例、完了確認情報)が発注端末10によって提供された場合に、支払処理を実行する。例えば、支払端末30は、分散型台帳Dに支払処理のトリガーになる情報(例、完了確認情報)が記憶された場合に、支払処理を実行する。分散型台帳Dは、完了確認情報を記憶した場合、完了確認情報が提供されたことを支払端末30に通知する。支払端末30は、完了確認情報が提供されたことの通知を分散型台帳Dから受けた場合、完了確認情報に紐づけられた情報(例、契約情報)から発注者IDを取得する。そして、支払端末30は、取得した発注者IDに紐づけられた支払元情報を特定する。また、支払端末30は、完了確認情報と紐づけられた情報であって、受注者IDを含む情報(例、完了情報)から受注者IDを取得する。そして、支払端末30は、取得した受注者IDに紐づけられた支払先情報を特定する。また、支払端末30は、完了確認情報と紐づけられた契約情報から対価の情報を特定する。支払端末30は、上述のように特定した支払元情報、支払先情報、及び対価の情報を用いて、支払処理を実行する。
【0049】
次に、図3に示した対価支払支援システム1の構成に基づいて、実施形態に係る対価支払支援方法について説明する。実施形態に係る対価支払支援方法は、例えば、対価支払支援システム1の各種処理により実施できる。図4は、実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。対価支払支援システム1の各部については、適宜、図3を参照する。
【0050】
ここでは、受発注される作業が荷物を配送する作業であるとして説明する。受発注される作業は、荷物を配送する作業に限定されず、例えば、建設、事務、清掃、販売、製造、メンテナンス、又はその他の各種サービスにおける作業を含んでもよい。実施形態に係る作業は、業務、処理、タスク、又は仕事と呼称されてもよい。
【0051】
発注端末10は、ステップS1において、発注操作を発注者から受け付ける。例えば、発注端末10は、発注される作業の契約内容を含む発注情報の入力を受け付ける。契約内容は、例えば、作業に関する日時、作業の内容、及び作業の対価の情報を含む。作業に関する日時は、例えば、作業を開始する日時と、作業を完了すべき日時との一方または双方を含む。作業の内容は、例えば、作業の対象物の情報と、対象物に対して行う処理の情報とを含む。対象物の情報は、例えば、配送する荷物の種類、サイズ、重量、及び数量の少なくとも1つを含む。処理の情報は、例えば、配送元の位置の情報と、配送先の位置の情報とを含む。作業の内容は、その他の情報を含んでもよく、例えば処理の条件を含んでもよい。処理の条件は、例えば、配送中に荷物が置かれる環境の温度の制限(例、冷蔵、冷凍、常温)、配送中の荷物への衝撃の制限(例、こわれもの)、及び配送中の荷物の姿勢の制限(例、天地無用、縦積み厳禁)の少なくとも1つを含む。なお、契約内容は、作業に関する日時、作業の内容、及び作業の対価の情報の少なくとも1つを含まなくてもよい。例えば、作業に関する日時、作業の内容、又は作業の対価は、予め定められており、発注者による入力が不要でもよい。
【0052】
発注端末10は、ステップS2において、契約情報を提供する。例えば、発注端末10は、契約情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させることによって、契約情報を発注端末10の外部へ提供する。例えば、発注端末10は、分散型台帳Dを構成する端末40(図1参照)を宛先として、契約情報と、契約情報を記憶させる指令とを送信する。分散型台帳Dは、契約情報および指令を受信した場合、指令に従って契約情報を記憶する。分散型台帳Dは、例えば、後に図5に示す契約情報D1を記憶する。
【0053】
図5は、実施形態に係る分散型台帳に記憶される情報の一例を示す図である。図5において、各種情報はテーブル形式で示されている。符号D1の行は契約情報であり、符号D2の行は受注情報であり、符号D3の行は発注確認情報であり、符号D4の行は完了情報であり、符号D5の行は完了確認情報である。図5の例において、各情報は、発注ID、発注者ID、受注者ID、契約内容、状態、対価、記憶日時、及び付加情報の項目を含む。なお、図5において「-」は、データが含まれないこと(例、NULL)を表す。
【0054】
発注IDの項目は、契約ごとに割り付けられる識別情報に対応する。発注IDは、複数の契約で重複しないように割り付けられる。発注IDは、1つの契約と他の契約とを区別する情報である。図5の受注情報D2、受注確認情報D3、完了情報D4、及び完了確認情報D5は、いずれも契約情報D1と紐づけられる情報である。受注情報D2、受注確認情報D3、完了情報D4、及び完了確認情報D5は、それぞれ、契約情報D1と同じ発注ID(図中の「発注A」)を含み、これにより契約情報D1と紐づけられる。
【0055】
発注IDは、例えば、発注端末10により生成される。発注端末10は、例えば、発注者のウォレットの暗号アドレス、及び契約情報が生成される時刻(例、発注時刻)に基づいて発注IDを生成する。発注IDは、その他の手法で生成されてもよいし、発注端末10と異なる装置により生成されてもよい。
【0056】
発注者IDの項目は、発注者の識別情報に対応する。発注者IDは、例えば、発注者のウォレットの暗号アドレスを含んでもよいし、この暗号アドレスから生成されるユニークな情報(例、ハッシュ値)を含んでもよく、その他の情報を含んでもよい。受注者IDは、受注者の識別情報である。受注者IDは、例えば、受注者のウォレットの暗号アドレスを含んでもよいし、この暗号アドレスから生成されるユニークな情報(例、ハッシュ値)を含んでもよく、その他の情報を含んでもよい。
【0057】
状態の項目は、発注された作業の状態に対応する。例えば、契約情報D1における「状態」は、発注者により発注されたことを示す「発注中」である。受注情報D2における「状態」は、受注者により受注の申請(申し込み)が行われたことを示す「受注申請中」である。発注確認情報D3における「状態」は、発注者により受注の申請が承認されたことを示す「受注完了」である。完了情報D4の状態の項目は、受注者による作業が完了されたことを示す「作業完了」であり、完了確認情報D5における「状態」は、発注者により作業完了が確認されたことを示す「作業完了確認済み」である。
【0058】
対価の項目は、作業の実施に対して受注者に支払われる対価に対応する。記憶日時の項目は、各情報が分散型台帳Dに記憶された日時に対応する。付加情報の項目は、作業等に関する付加情報に対応する。付加情報は、例えば、作業が完了したことを示す証跡の情報を含む。なお、図3の各種情報は個別に示され、これら情報を一組にした情報は、作業の発注から完了確認までの履歴を示す情報として利用可能である。これら情報の少なくとも1つは、他の情報に上書きされてよい。例えば、契約情報D1は、発注情報D2に含まれる情報(例、受注者ID、状態、記憶日時)が上書きされることで、発注情報D2を含む契約情報へ更新されてもよい。
【0059】
図3、4の説明に戻る。分散型台帳Dは、ステップS3において、例えば図5に示した契約情報D1を記憶する。受注端末20は、ステップS4において受注操作を受注者から受け付ける。受注端末20は、ステップS4の処理に先立ち、受注申請が可能な契約情報を分散型台帳Dから検索する処理を実行してもよい。受注申請は、受注する意思があることを発注者へ伝える処理である。例えば、受注端末20は、分散型台帳Dに記憶されている契約情報のうち状態の項目が「発注中」である契約情報を、受注申請が可能な契約情報であると判定してもよい。受注端末20は、このような検索処理を、受注者の操作に応答して実行してもよいし、定期的にまたは不定期で自動的に実行してもよい。上記検索処理において、受注端末20は、受注者により指定された条件に合致する契約情報を抽出してもよい。検索処理において指定可能な条件は、契約情報に含まれる少なくとも1つの項目の情報に対する条件であり、例えば、搬入日時、搬入場所、搬出日時、搬出場所、及び対価等のうち少なくとも1つの条件を含む。
【0060】
受注端末20は、検索処理により抽出された契約情報を出力してもよい。例えば、受注端末20は、検索処理により抽出された契約情報の概略の一覧を表示してもよい。受注端末20は、リストから契約情報を選択する入力を、受注者から受け付けてもよい。受注端末20は、リストから契約情報を選択する入力があった場合、この入力に対応する契約情報を、リストよりも情報量が多い形態で表示してもよい。
【0061】
図6は、実施形態に係る受注端末に表示される画像の一例を示す図である。図6の受注端末20は、スマートフォンである。受注端末20は、表示部25と、表示部25に重ねられた透過型のタッチパッドとを備える。表示部25およびタッチパッドはタッチパネルを構成し、受注者は、表示部25に表示されるグラフィカル ユーザ インターフェースの画像(適宜、GUI画像と表す)上に触れることで、各種情報を入力可能である。
【0062】
図6の符号P1は、表示部25に表示される画像の一例である。画像P1は、契約情報の少なくとも一部を表したテキストを含む。例えば、画像P1は、発注IDである発注Aと、発注者である発注者Aと、荷主であるメーカAとを表すテキストを含む。また、画像P1は、契約内容に相当する配送元、配送先、荷物、及び経路を表すテキストを含む。図6において、配送元は、配送の始点であり、ここでは工場Aである。また、工場Aに並んで表示される2019/12/3 10:00は、作業日時として指定された配送開始の日時である。また、配送先は、配送の終点であり、ここでは倉庫Aである。倉庫Aに並んで表示される2019/12/3 15:00は、作業日時として指定された配送完了の日時である。荷物は、配送対象であり、ここではパレットAである。また、サイズAおよび重量Aは、パレットAの詳細情報である。経路は、指定または推奨された経路であり、ここでは経路Aである。図6において、受注端末20は、受注する旨の入力を受け付けるGUI画像を、表示部25に表示する。GUI画像は、例えば、「受注申請」のアイコンP2を含む。受注端末20は、アイコン27上に受注者が接触したことを検出した場合、受注操作がなされたと判定する。
【0063】
図4の説明に戻り、受注端末20は、ステップS5において、受注情報を提供する。例えば、受注端末20は、受注情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させることによって、受注情報を受注端末20の外部へ提供する。例えば、受注端末20は、分散型台帳Dを構成する端末を宛先として、受注情報と、受注情報を記憶させる指令とを送信する。分散型台帳Dは、受注情報および指令を受信した場合、ステップS6において指令に従って受注情報を記憶する。分散型台帳Dは、例えば、図5に示した受注情報D2を記憶する。
【0064】
発注端末10は、ステップS7において、発注確認操作を発注者から受け付ける。例えば、発注端末10は、受注者Aにより発注Aに対する受注申請が行われたことを示す情報を表示し、この受注申請に対する操作を発注者から受け付ける。発注端末10は、受け付けた操作に基づいて、発注確認情報を生成する。例えば、発注端末10は、受注申請に対して、受注を承認することを示す入力を受け付けたと判定した場合、受注を承認することを示す発注確認情報を生成する。
【0065】
発注端末10は、ステップS8において、発注確認情報を提供する。例えば、発注端末10は、発注確認情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させることによって、発注確認情報を発注端末10の外部へ提供する。例えば、発注端末10は、分散型台帳Dを構成する端末を宛先として、発注確認情報と、発注確認情報を記憶させる指令とを送信する。分散型台帳Dは、発注確認情報および指令を受信した場合、ステップS9において、指令に従って発注確認情報を記憶する。分散型台帳Dは、例えば、図5に示した発注確認情報D3を記憶する。受注者は、例えば発注確認情報D3により契約が成立したことを確認し、契約情報に定められた作業を実行する。受注端末20は、ステップS10において、完了操作を受注者から受け付ける。受注端末20は、完了操作を受け付けたと判定した場合、完了情報を生成する。完了情報は、作業が受注者によって実行されたことを示す情報を含む。
【0066】
図7は、実施形態に係る受注端末に表示される画像の一例を示す図である。受注端末20には、例えば、作業完了の報告処理を行うアプリケーションが予めインストールされる。このアプリケーションは、起動した際に、表示部25に画像P3を表示させる。図7の例において、画像P3は、作業完了の証跡を示す情報P4と、完了操作の説明を示す情報P5と、完了操作を受け付けるアイコンが配置される領域P6とを含む。
【0067】
領域P4には、例えば、配送先に置かれた配送対象の荷物を受注端末20のカメラが撮影した画像が配置される。受注端末20は、端末を操作する作業者が選択した画像を表示する。なお、受注端末20は、カメラのプレビュー画像を領域P4に表示してもよい。受注端末20は、作業者が領域P4上にタッチすることで、カメラに撮影を実行させてもよい。受注端末20は、例えば、「完了」のアイコンが配置された領域P6上にタッチされたことを検出した場合、完了操作がなされたと判定する。受注端末20は、完了操作がなされたと判定した場合、完了情報を生成する。なお、受注端末20は、カメラのプレビュー画像を領域P4に表示し、完了操作がなされたと判定した場合、カメラに撮影を実行させ、撮影により得られた画像のデータを用いて完了情報を生成してもよい。
【0068】
なお、作業完了証跡の情報は、図7の例に限定されず、例えば配送先で発行される受領書の画像を含んでもよい。また、作業完了証跡の情報は、受注端末20がコードパターンから読み取った情報を含んでもよい。コードパターンは、例えば、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)などの二次元コード、又はこれらコードと同等の機能を有するパターンを含む。コードパターンは、例えば、受領者の設備(例、配送先)に設けられてもよいし、受領者が発行する書類(例、受領書)に印刷されてもよい。また、コードパターンは、受領者の端末(例、スマートフォン)によって発行され、受領者の端末の表示部に表示されてもよい。
【0069】
なお、証跡の画像は、エクスチェンジャブル イメージ ファイル フォーマット(Exif)等のメタデータを含んでもよい。このメタデータは、この画像が撮影された位置と日時との情報の一方または双方を含んでもよい。例えば、受注端末20は、グローバル ポジショニング システム(GPS)等の衛星測位システムを利用して、受注端末20のカメラが画像を撮影した際の自装置の位置情報を取得し、この位置情報を用いて上記メタデータを生成してもよい。
【0070】
なお、作業完了証跡は、画像と異なる形式の情報を含んでもよい。例えば、作業完了証跡は、受領者の端末から送信される電子データを含んでもよい。ここで、受領者は、ECサイトで商品を注文した注文者であって、この商品の配送を発注者が発注して受注者が受注したものとする。ECサイトは、商品の注文を受け付けた際に注文者へコードを発行し、このコードを発注者および受注者に対して秘匿する。受注者は、作業完了証跡の情報として、注文者である受領者から上記コードを受け取ってもよい。上記コードは、受領者の端末から受注端末20へ送信されてもよい。また、受領者の端末は、上記コードを含むコードパターンを表示し、受注端末20は、受領者の端末に表示されたコードパターンを読み取ることで、上記コードを取得してもよい。また、作業完了証跡は、受領者によって受注端末20に入力される情報を含んでもよい。例えば、作業完了証跡は、受注端末20のタッチパネルに入力されるサインと、生体認証装置によって読み取られる受領者の生体情報との一方または双方を含んでもよい。
【0071】
図4の説明に戻り、受注端末20は、ステップS11において、完了情報を提供する。例えば、受注端末20は、完了情報を所定の記憶先(例えば、分散型台帳D)に記憶させることによって、完了情報を受注端末20の外部へ提供する。例えば、受注端末20の記憶制御部24は、送受信部22を制御し、完了情報、及び完了情報を記憶させる指令の送信を送受信部22に実行させる。分散型台帳Dは、完了情報および指令を受信した場合、ステップS12において、指令に従って完了情報を記憶する。これにより、例えば図5に示した完了情報D4において、「状態」の項目に「作業完了」が記憶され、「記憶日時」の項目に「日時D」が記憶され、「付加情報」の項目に作業完了証跡の情報である「画像D」が記憶される。
【0072】
発注端末10は、ステップS13において、作業完了確認操作を発注者から受け付ける。例えば、発注端末10は、分散型台帳Dから完了情報を取得し、完了情報を表示させる。発注者は、例えば、完了情報に含まれる作業完了証跡の情報を確認し、発注端末10に対して作業の完了を確認したことを示す情報を入力する。発注端末10は、作業完了確認操作を受け付けたと判定した場合、完了確認情報を生成する。
【0073】
発注端末10は、ステップS14において、完了確認情報を提供する。発注端末10の支払部15は、支払処理のトリガーになる情報として、完了確認情報を提供する。例えば、発注端末10は、完了確認情報を所定の記憶先(例、分散型台帳D)に記憶させることによって、完了確認情報を発注端末10の外部へ提供する。例えば、発注端末10は、分散型台帳Dを構成する端末40(図1参照)を宛先として、契約情報と、契約情報を記憶させる指令とを送信する。分散型台帳Dは、契約情報および指令を受信した場合、ステップS15において、指令に従って契約情報を記憶する。分散型台帳Dは、例えば、図5に示した完了確認情報D5を記憶する。
【0074】
支払端末30は、支払処理を実行させるトリガーになる情報が提供された場合、ステップS16において支払処理を実行する。例えば、支払端末30は、分散型台帳Dに完了確認情報が記憶された場合、支払処理を実行する。例えば、支払端末30は、完了確認情報と紐づけられる情報(例、契約情報)に基づいて、支払元の口座を特定する。また、支払端末30は、完了確認情報と紐づけられる情報(例、完了情報)に基づいて、支払先の口座を特定する。また、支払端末30は、完了確認情報と紐づけられる契約情報に基づいて、対価の値を特定する。支払端末30は、特定した支払元の口座から、特定した支払先の口座へ、特定した値の対価を移す処理を実行する。
【0075】
上述のような実施形態において、発注端末10は、発注される作業の内容および対価を示す契約情報を提供する。受注端末20は、受注された作業の完了を示す完了情報を契約情報と紐づけて提供する。支払部15は、完了情報と紐づけられる契約情報に示される対価の支払処理を実行させる。このような対価支払支援システム1は、完了情報に基づいて、完了情報と紐づけられる契約情報に示された対価の支払処理が実行されるので、例えば対価の支払が円滑に実行され、発注および受注において利便性と即時性を向上させることができる。
【0076】
本実施形態に係る対価支払支援システムは、発注される作業の内容および対価を示す契約情報を提供する発注端末と、受注された作業の完了を示す完了情報を契約情報と紐づけて提供する受注端末と、完了情報と紐づけられる契約情報に示される対価の支払処理を実行させる支払部と、を備える。支払部は、例えば、発注端末に設けられるが、発注端末と異なる端末に設けられてもよい。対価支払支援システムは、例えば支払端末を備えるが、支払端末を備えなくてもよい。
【0077】
本実施形態において、発注端末は、契約情報を、分散型台帳に記憶させることによって提供し、支払部は、分散型台帳に記憶されている契約情報に基づく支払処理を実行させる。発注端末は、契約情報を、分散型台帳と異なる記憶先に記憶させてもよく、分散型台帳に記憶させなくてもよい。発注端末は、契約情報を、その提供先(例、受注端末)を宛先として送信することによって提供してもよい。
【0078】
本実施形態において、発注端末は支払部を備え、支払部は、発注端末に提供される完了情報に基づいて、作業の完了が確認されたことを示す完了確認情報を契約情報と紐づけて提供し、支払処理は、完了確認情報が提供される支払端末によって実行される。支払部は、発注端末と異なる端末(例、支払端末)に設けられてもよい。支払部は、完了確認情報を提供しなくてもよく、この場合、支払処理は、完了確認情報と異なる情報(例、支払処理を実行させる指令)に基づいて実行されてもよい。
【0079】
本実施形態において、受注端末は、完了情報を、分散型台帳に記憶させることにより提供し、支払部は、分散型台帳に記憶されている完了情報に基づいて作業の完了が確認された場合、支払処理を実行させる。受注端末は、完了情報を、分散型台帳と異なる記憶先に記憶させてもよく、分散型台帳に記憶させなくてもよい。受注端末は、完了情報を、その提供先(例、発注端末)を宛先として送信することによって提供してもよい。支払部は、分散型台帳と異なる記憶先に記憶された完了情報に基づいて、支払処理を実行させてもよい。
【0080】
本実施形態において、対価の支払元の口座を示す情報が契約情報と紐づけられて提供され、支払処理は、完了情報と紐づけられる契約情報を用いて支払元の口座を特定する処理を含む。支払元の口座を示す情報は、契約情報と別に提供されてもよい。支払部は、支払元の口座を指定して支払処理を実行させてもよい。
【0081】
本実施形態において、対価の支払先の口座を示す情報が契約情報と紐づけられて提供され、支払処理は、完了確認情報と紐づけられた契約情報を用いて支払先の口座を特定する処理を含む。支払先の口座を示す情報は、契約情報と別に提供されてもよい。例えば、支払端末は、受注端末によって提供される支払先の口座の情報を用いて、支払処理を実行してもよい。
【0082】
本実施形態において、契約情報は、識別情報を含み、完了情報は、識別情報および作業の完了を示す証跡の情報を含み、識別情報によって契約情報と紐づけられる。契約情報は識別情報を含まなくてもよい。契約情報と完了情報とは、識別情報と異なる情報で紐づけされてもよいし、1つのファイルで表されることで紐づけされてもよい。
【0083】
本実施形態に係る対価支援方法は、発注される作業の内容および対価を示す契約情報を、発注端末によって提供することと、受注された作業の完了を示す完了情報を契約情報と紐づけて、受注端末によって提供することと、完了情報と紐づけられる契約情報に示される対価の支払処理を実行させることと、を含むが、その他の処理を含んでもよい。
【0084】
本実施形態において、受注端末はコンピュータを含み、受注端末の記憶部に記憶されたプログラムは、上記コンピュータに、発注される作業の内容および対価を示す契約情報と、受注された作業の完了を示す情報であって契約情報と紐づけられた完了情報とに基づいて、対価の支払処理を実行させることを実行させる。このプログラムは、受注端末と異なる端末の記憶部に記憶されてもよい。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、提供されてもよい。
【0085】
なお、上述の各種情報の記憶先は、分散型台帳Dを構成する端末と異なる装置の記憶部でもよい。各種情報は、例えば、契約情報、受注情報、発注確認情報、完了情報、作業完了証跡の情報、及び完了確認情報の少なくとも1つの情報を含む。各種情報を提供する端末は、各種情報と紐づけられる端末に対して、各種情報が提供されることを通知してもよい。この通知は、各種情報の提供前に行われる予告の通知でもよいし、各種情報の提供後に行われる完了の通知でもよい。例えば、受注端末20は、完了情報を提供した後に、完了情報と紐づけられる契約情報の提供元である発注端末10に対して、完了情報が提供されたこと(例、分散型台帳Dに記憶されたこと)を通知してもよい。対価支払支援システム1に含まれる第1の端末(例、発注端末10)は、各種情報が提供されたことを、対価支払支援システム1に含まれる第2の端末(受注端末20)に通知しなくてもよい。
【0086】
なお、分散型台帳Dを構成する端末は、分散型台帳Dに各種情報が記憶された後に、この情報に紐づけられる端末に対して、この情報が提供されたことを通知してもよい。例えば、分散型台帳Dを構成する端末は、分散型台帳Dに完了報告が記憶された後に、完了情報に紐づけられる契約情報の提供元である発注端末10に対して、完了情報が提供されたことを通知してもよい。分散型台帳Dを構成する端末は、各種情報が提供されたことを通知しなくてもよい。
【0087】
なお、対価支払支援システム1に含まれる端末(例、発注端末10)は、各種情報が所定の記憶先に記憶されているか否かを検出してもよい。例えば、発注端末10は、定期的または不定期の任意のタイミングで、分散型台帳Dに記憶されている情報を検索し、所望の情報が分散型台帳Dに記憶されているか否かを判定してもよい。対価支払支援システム1に含まれる端末は、各種情報が所定の記憶先に記憶されているか否かを検出しなくてもよい。
【0088】
なお、対価支払支援システム1に含まれる端末(例、発注端末10)は、完了情報に基づいて契約情報に示された作業が完了したか否かを判定してもよい。例えば、発注端末10は、完了情報に含まれる証跡の信頼性が確保されている場合、契約情報に示された作業が完了したと判定してもよい。上記証跡は、例えば、契約情報に定められた作業によって物品、情報、又は役務を受ける受領者が発行する情報(適宜、受領情報という)を含んでもよい。受領情報は、例えば、電子署名、コード、又はフラグを含み、受領者が発行する情報であるので信頼性が確保されていると想定される。例えば、発注端末10は、作業を特定するコードを受領者へ提供し、かつこのコードを受注者に対して秘匿する。受領者は、このコードを受領情報として、コードに対応する作業の完了後に受注者へ提供する。受注端末20は、受領者から提供されたコードを完了情報に含める。発注端末10は、完了情報に上記コードが含まれる場合、契約情報に示された作業が完了したと判定する。発注端末10は、契約情報に示された作業が完了したと判定した場合、完了確認情報を自動で生成してもよい。
【0089】
なお、対価支払支援システム1に含まれる端末(例、発注端末10)は、完了情報に含まれる作業完了証跡の情報の信頼性を評価してもよい。発注端末10は、作業完了証跡の情報を検証、又は監査してもよい。例えば、作業完了証跡の情報は、受領印が押された受領書を写した画像のデータを含むとする。この場合、発注端末10は、画像に写っている受領印と、予め登録された受領印とが一致すると判定した場合、作業完了確認が完了したと判定してもよい。また、作業完了証跡の情報は、作業完了を示す証跡が取得された位置の情報を含むとする。この場合、発注端末10は、完了情報と紐づけられた契約情報に含まれる作業の場所(例、配送先の位置)の情報と、作業完了証跡の情報に含まれる位置の情報とを比較し、双方の位置が一致すると判定した場合に作業が完了したと判定してもよい。また、作業完了証跡の情報は、配送先に載置された荷物を写した画像のデータを含むとする。発注端末10は、例えば、この画像をディープラーニング等の機械学習を用いたAI(Artificial Intelligence)により認識して、画像に写っている荷物および場所を特定してもよい。
【0090】
発注端末10は、特定した荷物および場所、並びにその他の情報(例、日時)に基づいて、作業完了確認を行ってもよい。例えば、発注端末10は、画像から認識した荷物と、契約情報に含まれる配送対象の荷物とが合致し、作業完了証跡の画像に付加された撮影位置と、契約情報に含まれる配送先の位置とが合致し、作業完了証跡の画像に付加された撮影日時が、契約情報に含まれる日時の条件に合致すると判定した場合、作業完了と判定してもよい。発注端末10は、上述のような作業完了証跡の情報の信頼性を評価した結果を表示し、完了操作を受け付けることによって、作業完了の確認を支援する処理を実行してもよい。
【0091】
上述の説明において、発注端末10が実行する少なくとも一部の処理は、発注端末10と異なる端末によって実行されてもよい。上述の説明において、受注端末20が実行する少なくとも一部の処理は、受注端末20と異なる端末によって実行されてもよい。上述の説明において、支払端末30が実行する少なくとも一部の処理は、支払端末30と異なる端末によって実行されてもよい。発注端末10、受注端末20、及び支払端末30の少なくとも一部の機能部は、1以上のコンピュータにより提供されるクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0092】
なお、支払端末30は、受注端末20が完了情報を提供した場合、発注端末10の代わりに完了確認操作を受け付けてもよい。この場合、受注端末20は、受け付けた完了確認操作に基づいて、支払処理を実行するか否かを判定してもよい。また、支払端末30は、完了情報に基づいて契約情報に示された作業が完了したか否かを判定してもよい。支払端末30は、契約情報に示された作業が完了したと判定した場合、支払処理を実行してもよい。
【0093】
なお、支払端末30は、完了確認情報と異なる情報に基づいて支払処理を実行してもよい。例えば、発注端末10は、完了確認情報と異なる情報として支払処理を実行させる指令を提供し、支払端末30は、この指令の提供を受けて支払処理を実行してもよい。この場合、支払端末30は、完了確認情報が提供されたことが通知されなくてもよい。また、支払端末30は、完了確認情報を提供しなくてもよいし、完了確認情報を生成しなくてもよい。
【0094】
なお、支払端末30は、発注端末10により指定された対価を、発注端末10により指定された受注者に支払ってもよい。この場合、発注端末10は、作業完了確認操作を発注者から受け付けた際、分散型台帳Dに記憶されている発注Aの発注情報に含まれる契約情報を参照し、当該契約情報に記憶されている対価を、発注者Aから受注者Aに支払う要求を支払端末30に送信してもよい。当該要求は、支払い対象の発注IDである発注Aの情報が含んでもよい。
【0095】
なお、支払端末30は、支払元の口座に価値を貸し付けた上で、支払処理を実行してもよい。この場合、支払端末30は、貸し付けた額等に応じた所定の手数料を、所定の期日に、発注者または支払元の口座から徴収してもよい。また、支払端末30は、支払処理を実行したことへの対価(例、手数料)を、発注者または支払元の口座から徴収してもよい。対価支払支援システム1は、対価の支払方法を選択可能でもよい。例えば、対価支払いシステム1は、支払方法の指定を受注者から受け付け、指定された支払方法による支払う処理を実行する端末に対して、支払処理を実行させる指令を提供してもよい。
【0096】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については適宜、同じ符号を付してその説明を省略または簡略化する。図8は、実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。
【0097】
本実施形態の対価支援システムは、現地端末26を備える。現地端末26は、契約情報に示された作業が実施される場所(適宜、現地という)で使用される端末である。例えば、現地端末26は、契約情報に示された作業を実行する作業者が操作する端末である。現地端末26は、例えば図2に示した発注端末10と同様の構成であるが、発注端末10と異なる構成でもよい。受注端末20および現地端末26は、受注システムを構成する。この受注システムは、契約情報に示される作業を受注する際の処理、及びこの作業の完了を通知する処理を実行する。
【0098】
現地端末26は、例えば、スマートフォン、タブレット、又はノートパソコンなどの携帯できる端末である。作業者は、例えば、現地端末26を所持して現地へ移動し、作業を実行する。現地端末26は、例えば、作業の内容に関する情報を受注端末20から受信する。例えば、作業者は、現地端末26を操作して作業の内容に関する情報を取得し、この情報を確認して作業を実施する。現地端末26は、例えば、作業の経過または完了に関する情報(例、作業完了証跡の情報)を取得し、この情報を受注端末20へ提供する。
【0099】
なお、現地端末26は、契約情報に定められた作業によって物品、情報、又は役務を受ける受領者が使用する端末でもよい。例えば、現地端末26は、契約情報に定められた作業が完了した際に、作業が完了したことを示す情報(例、作業完了証跡の情報)を、取得または発行してもよい。例えば、上記作業は荷物を配送する作業であるとする。現地端末26はカメラを備え、このカメラによって、配送された荷物に添付された伝票を撮影してもよい。現地端末26は、取得した画像のデータ、又はこの画像を処理して得られる情報を、作業完了証跡の情報として受注端末20に提供してもよい。
【0100】
次に、実施形態に係る対価支払支援システムの処理について、図8を参照して説明する。発注端末10は、ステップS21において契約情報を提供する。発注端末10は、契約情報を分散型台帳Dに記憶させることによって、発注端末10の外部に対して契約情報を提供する。契約情報は、例えば、発注ID、作業の内容、作業の対価、及び支払元情報を含む。発注端末10は、ステップS22において、発注通知を受注端末20へ提供する。例えば、発注端末10は、発注IDを受注端末20に提供することによって、発注IDに対応する契約情報に示された作業を発注したことを通知する。
【0101】
受注端末20は、ステップS23において契約情報を取得する。例えば、受注端末20は、発注端末10によって提供された発注IDに対応する契約情報を分散型台帳Dから取得する。受注者は、例えば、受注端末20が取得した契約情報によって、作業の内容および対価を確認できる。受注端末20は、契約情報に示された作業を受注するか否かを示す情報の入力を受け付ける。受注端末20は、受注者から入力を受け付けた情報に基づいて、ステップS24において受注通知を発注端末10へ提供する。受注通知は、契約情報に示された作業を受注することを示す情報である。受注通知は、例えば、発注IDと、支払先情報とを含む情報である。受注通知は、図4および図5で説明した受注情報と同じでもよいし、受注情報と異なる情報でもよい。
【0102】
受注端末20は、ステップS25において、作業情報を現地端末26へ提供する。作業情報は、契約情報に示された作業の内容を示す情報である。現地端末26を所持する作業者は、例えば、受注端末20から現地端末26へ提供された作業内容を確認し、作業を実施する。現地端末26は、ステップS26において、作業完了証跡を取得する。現地端末26は、ステップS26において取得した作業完了証跡の情報を、ステップS27において受注端末20へ提供する。
【0103】
受注端末20は、ステップS28において、作業完了証跡の情報を含む完了情報を、契約情報と紐づけて提供する。例えば、受注端末20は、契約情報と同じ発注IDを含む完了情報を分散型台帳Dに記憶させることによって、完了情報を受注端末20の外部へ提供する。受注端末20は、ステップS29において、完了通知を提供する。完了通知は、契約情報に示された作業が完了したことを示す情報である。完了通知は、対応する契約情報を特定する情報(例、発注ID)を含む。例えば、受注端末20は、完了情報と紐づけられる発注IDを送信することで、発注端末10へ完了通知を提供する。
【0104】
発注端末10は、受注端末20から提供された完了通知に基づいて、作業完了証跡の情報を取得する。例えば、発注端末10は、受注端末20から提供された発注IDを含む完了情報を分散型台帳Dにおいて検索し、この完了情報に含まれる作業完了証跡の情報を分散型台帳Dから取得する。発注者は、発注端末10が取得した作業完了証跡の情報に基づいて、作業が完了したか否かを確認する。発注端末10は、支払処理を実行させる情報の入力を受け付ける。発注端末10は、入力を受け付けた情報に基づいて、ステップS31において支払指令を提供する。支払指令は、例えば、契約情報を特定する情報(例、発注ID)と、ステップS24において発注端末10が取得した支払先情報とを含む。
【0105】
支払端末30は、ステップS31において提供された支払指令に基づいて、ステップS32において支払処理を実行する。例えば、支払端末30は、発注端末10から提供された発注IDに対応する契約情報を分散型台帳Dから取得する。支払端末30は、分散型台帳から取得した契約情報に基づいて、支払元の口座と、対価を特定する。また、支払端末30は、支払指令に定められた支払先情報に基づいて、支払先の口座を特定する。支払端末30は、特定した支払元の口座から、特定した支払先の口座へ、特定された対価に相当する価値を移す処理を実行する。
【0106】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については適宜、同じ符号を付してその説明を省略または簡略化する。図9は、実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。図9において、ステップS21からステップS23の処理は、図8と同様であり、その説明を省略する。
【0107】
受注端末20は、ステップS35において、支払先情報を提供する。受注端末20は、ステップS22において取得した発注通知に対応する契約情報に紐づけて、支払先情報を提供する。例えば、受注端末20は、契約情報と同じ発注IDに紐づけて支払先情報を提供する。受注端末20は、例えば支払先情報を分散型台帳Dに記憶させることによって、支払先情報を受注端末20の外部へ提供する。受注端末20は、受注情報として支払先情報を提供してもよい。受注端末20は、ステップS36において、作業完了証跡を取得する。受注端末20は、図7で説明したように、自装置が備えるカメラによって作業完了証跡を取得してもよい。また、受注端末20は、図8で説明したように、現地端末26から提供される作業完了証跡を取得してもよい。ステップS28からステップS31の処理は、図8と同様であり、その説明を省略する。
【0108】
支払端末30は、ステップS39において支払処理を実行する。例えば、支払端末30は、受注端末20がステップS35において提供した支払先情報を取得する。支払端末30は、例えば、支払指令に示される発注IDに紐づけされる支払先情報を、分散型台帳Dから取得する。支払端末30は、分散型台帳Dから取得した支払先情報に基づいて支払先の口座を特定し、支払処理を実行する。
【0109】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については適宜、同じ符号を付してその説明を省略または簡略化する。本実施形態は、複数の作業が発注され、各作業の完了に応じて対価が支払われる形態である。図10は、実施形態に係る対価支払支援システムによる処理を示す図である。本実施形態は、契約情報に複数の作業の情報が含まれる形態であり、各作業の完了情報に応じて、作業ごとに対価の支払処理が実行される。
【0110】
対価支払支援システムの処理の説明に先立ち、処理で使われる各種情報について説明する。図11は、実施形態に係る各種情報の一例を示す図である。図11において、符号D11は契約情報に相当する。契約情報D11は、複数の作業の情報を含む。各作業の情報は、作業IDの項目と、作業内容の項目と、対価の項目とを含む。作業IDは、作業ごとに割り付けられる識別情報である。例えば、契約情報D11に示される作業の数は2つであり、2つの作業の作業IDは、それぞれ、作業A、作業Bである。作業内容および対価は、作業ごとに定められ、作業IDと紐づけされている。例えば、作業Aに紐付けられた作業は、作業内容が内容Aで表され、対価が対価Aで表される。また、作業Bに紐付けられた作業は、作業内容が内容Bで表され、対価が対価Bで表される。
【0111】
図11の例において、契約情報D11は、支払元情報の項目を含む。支払元情報は、契約情報D11に示される作業ごとに設定可能である。例えば、作業Aに対応する対価Aの支払元情報は、口座Aに設定されている。また、作業Bに対応する対価Bの支払元情報は口座Bに設定されている。支払元情報は、この例において作業Aと作業Bとで同じ口座Aに設定されているが、作業Aと作業Bとで異なる口座に設定されてもよい。なお、支払先情報は、作業IDごとに設定できなくてもよく、例えば発注IDごとに設定可能でもよい。また、契約情報D11は、支払先情報を含まなくてもよい。
【0112】
図11の例において、契約情報D11は、状態の項目を含む。発注者は、例えば、予め選定された受注者へ作業を発注する。ここでは、発注端末10が契約情報D11を提供した段階で各作業が発注された状態にあり、契約情報D11において、各作業の状態の項目は、発注中になっている。状態の情報は、例えば、契約情報D11に示される作業ごとに設定可能である。なお、契約情報D11は、状態の項目を含まなくてもよい。
【0113】
図11の符号D12は、受注情報に相当する。受注情報D12は、支払先情報の項目を含む。支払先情報は、契約情報D11に示される作業ごとに設定可能である。例えば、作業Aに対応する対価Aの支払先情報は、口座Bに設定されている。また、作業Bに対応する対価Bの支払先情報は口座Bに設定されている。支払先情報は、この例において作業Aと作業Bとで同じ口座Bに設定されているが、作業Aと作業Bとで異なる口座に設定されてもよい。なお、支払元情報は、作業IDごとに設定できなくてもよく、例えば発注IDごとに設定可能でもよい。また、受注情報D12は、支払先情報を含まなくてもよい。受注情報D12は、状態の項目を含む。状態の項目は、受注情報D12が提供された段階で受注済に設定されている。なお、受注情報は、状態の項目を含まなくてもよい。
【0114】
図11の符号D13、D15は、それぞれ完了情報に相当する。完了情報D13は、作業Aの作業が完了した際に生成される完了情報である。完了情報D13は、作業完了証跡の項目を含む。完了情報D13における作業完了証跡の項目には、作業Aに対応する作業完了証跡の情報として証跡Aが格納される。完了情報D15は、作業Aの作業が完了した際に生成される完了情報である。完了情報D15は、作業完了証跡の項目を含む。完了情報D15における作業完了証跡の項目には、作業Bに対応する作業完了証跡の情報として証跡Bが格納される。完了情報D13および完了情報D15は、それぞれ、状態の項目を含む。状態の項目は、作業完了証跡の項目に情報が格納された段階で、作業完了に設定されている。なお、完了情報は、状態の項目を含まなくてもよい。
【0115】
図11の符号D14、D16は、それぞれ完了確認情報に相当する。完了確認情報D14は、作業Aに関する完了情報D13に基づいて、生成される。完了確認情報D14は、作業Aに対応する対価Aの支払処理を実行させる情報として利用される。対価Aの支払処理は、完了確認情報D14が支払端末30へ提供されたことをトリガーとして、実行される。完了確認情報D16は、作業Bに関する完了情報D15に基づいて、生成される。完了確認情報D16は、作業Bに対応する対価Bの支払処理を実行させる情報として利用される。対価Bの支払処理は、完了確認情報D16が支払端末30へ提供されたことをトリガーとして、実行される。完了確認情報D14および完了確認情報D16は、それぞれ、状態の項目を含む。完了確認情報D14の状態の項目は、完了確認情報D14が生成された段階において、完了確認済に設定されている。完了確認情報D16の状態の項目は、完了確認情報D16が生成された段階において、完了確認済に設定されている。なお、完了確認情報は、状態の項目を含まなくてもよい。
【0116】
次に、図10を参照して、対価支払支援システムによる処理について説明する。発注端末10は、ステップS41において契約情報を提供する。例えば、発注端末10は、図11に示した契約情報D11を分散型台帳Dに記憶させることによって、契約情報D11を外部へ提供する。受注端末20は、ステップS42において、受注情報を提供する。例えば、受注端末20は、図11に示した受注情報D12を分散型台帳Dに記憶させることによって、受注情報D12を外部へ提供する。
【0117】
受注者または作業者は、契約情報に定められた作業Aに対応する作業内容を実施する。受注端末20は、ステップS43において、作業Aに対応する作業完了証跡を取得する。受注端末20は、ステップS44において、作業Aの完了情報を提供する。例えば、受注端末20は、図11に示した完了情報D13を分散型台帳Dに記憶させることによって、完了情報D13を受注端末20の外部へ提供する。発注端末10は、受注端末20が提供した完了情報D13を取得する。発注端末10は、例えば、完了情報D13を表示し、作業の完了を確認したことを示す情報の入力を受け付ける。発注端末10は、入力を受け付けた情報に基づいて、例えば図11に示した完了確認情報D14を生成する。発注端末10は、生成した完了確認情報D14を分散型台帳Dに記憶させることで、完了確認情報D14を外部へ提供する。
【0118】
発注端末10は、ステップS45において、対価Aの支払指令を提供する。例えば、発注端末10は、支払指令として、作業を特定する情報である作業IDを提供する。例えば、発注端末10は、完了情報D13に対応する作業ID(例、作業A)を、支払端末30へ提供する。例えば、発注端末10は、支払端末30を宛先として作業IDを含む情報を送信し、作業IDを支払端末30へ提供する。なお、発注端末10は、作業IDを含む情報を分散型台帳Dへ記憶させ、分散型台帳Dを介して情報を支払端末30へ提供してもよい。作業IDを含む情報は、例えば図11に示した完了確認情報D14でもよいし、その他の情報でもよい。
【0119】
支払端末30は、発注端末10が提供した対価Aの支払指令を取得し、ステップS46において対価Aの支払処理を実行する。例えば、支払端末30は、発注端末10から提供された作業IDに基づいて、作業IDに紐づけられた対価の情報、支払元情報、及び支払先情報を特定する。例えば、支払端末30は、作業IDを用いて、分散型台帳Dに記憶された契約情報を検索し、図11に示した契約情報D11を特定する。支払端末30は、対価の情報として、契約情報D11に含まれる対価Aを特定する。支払端末30は、支払元情報として、契約情報D11に含まれる口座Aを特定する。また、支払端末30は、作業IDを用いて、分散型台帳Dに記憶された受注情報を検索し、図11に示した受注情報D12を特定する。支払端末30は、支払先情報として、受注情報D12に含まれる口座Bを特定する。
【0120】
また、受注者または作業者は、契約情報に定められた作業Bに対応する作業内容を実施する。受注端末20は、ステップS47において、作業Bに対応する作業完了証跡を取得する。受注端末20は、ステップS48において、作業Bの完了情報を提供する。例えば、受注端末20は、図11に示した完了情報D15を分散型台帳Dに記憶させることによって、完了情報D15を受注端末20の外部へ提供する。発注端末10は、受注端末20が提供した完了情報D15を取得する。発注端末10は、例えば、完了情報D15を表示し、作業の完了を確認したことを示す情報の入力を受け付ける。発注端末10は、入力を受け付けた情報に基づいて、例えば図11に示した完了確認情報D16を生成する。発注端末10は、生成した完了確認情報D16を分散型台帳Dに記憶させることで、完了確認情報D16を外部へ提供する。
【0121】
発注端末10は、ステップS49において、対価Bの支払指令を提供する。ステップS49の処理は、ステップS45の処理と同様でよい。支払端末30は、発注端末10が提供した対価Bの支払指令を取得し、ステップS50において対価Bの支払処理を実行する。ステップS50の処理は、ステップS46の処理と同様でよい。
【0122】
上述のような本実施形態に係る対価支払支援システムは、契約情報に定められた複数の作業のそれぞれについて、各作業の完了情報の提供に応じて支払処理を実行させる。このような対価支払支援システムは、例えば、作業Bの完了情報の提供を待たなくても作業Aの対価の支払を実行できるので、受注者に関する利便性と即時性の向上に寄与できる。
【0123】
なお、図11に示した各種情報は一例であり、適宜変更できる。図12は、変形例に係る各種情報を示す図である。符号D21は契約情報に相当し、符号D22は、契約情報D21に対応する受注情報に対応する。受注情報D21において、支払先情報は、作業ごとに設定可能である。例えば、受注情報D22において、作業Aに紐づけられる支払先情報は口座Bであり、作業Bに紐づけられる支払先情報は口座Cである。
【0124】
このような受注情報D22は、例えば、受注者が作業Bを再発注する場合等に利用される。以下の説明において適宜、発注者から発注された作業を受注する受注者を一次受注者と称し、一次受注者が再発注した作業を受注する受注者を二次受注者という。なお、発注者を一次発注者と称し、一次受注者を二次発注者と称してもよい。受注情報D22において、口座Bは、例えば一次受注者の支払先情報に相当し、口座Cは、例えば二次受注者の支払先情報に相当する。ここで、作業Bは、一次受注者から二次受注者へ再発注され、作業Bの支払先情報は、口座Bに設定されたとする。この場合、作業Bの対価は、発注者から一次受注者へ支払われ、さらに、一次受注者から二次受注者へ対価が支払われる。このような形態に比べて、本変形例によれば支払に係る処理を減らすことができ、受注者の利便性と即時性を向上させることができる。
【0125】
なお、支払先情報は、発注者に対して秘匿される情報でもよい。例えば、支払先情報は、発注端末10に閲覧権限がない情報として記憶されてもよい。このような形態は、例えば支払先情報が受注者の営業秘密に該当する場合、受注者の秘密情報を保護することに寄与する。口座Bおよび口座Cは、いずれも同じ受注者の支払先情報でもよい。例えば、口座Bは、一次受注者において作業Aを担当する部署の入金を管理する口座であり、口座Cは、同じ一次受注者において作業Bを担当する部署の入金を管理する口座でもよい。
【0126】
図12の符号D23は、受注情報D22と異なる形態の受注情報に相当する。受注情報D23は、1つの作業に対して、複数の支払先情報が設定可能である。例えば、作業Bの対価の支払先情報は、口座Bと口座Cとに設定されている。また、受注情報D23は、支払配分の項目を含む。支払配分は、契約情報D21に示される対価Bのうち、口座Bへ支払われる額と、口座Cへ支払われる額との配分を示す情報である。例えば、作業Bに対する対価の口座Bへの支払配分は額B1に設定され、作業Bに対する対価の口座Cへの支払配分は額B2に設定される。額B1および額B2は、対価の値を示す情報でもよいし、対価に占める割合を示す情報でもよい。額B1は、例えば、発注者Bから作業Bを受注した一次受注者が受け取る対価(例、手数料、管理費)である。額B2は、例えば、作業Bを一次受注者から受注した二次受注者が受け取る対価(例、工賃)である。
【0127】
このような形態は、例えば、対価の支払に要する手間を減らすことができ、発注者および受注者の一方または双方の利便性と即時性を向上させることに寄与する。なお、支払先情報および支払配分は、発注者に対して秘匿される情報でもよい。例えば、支払先情報および支払配分は、発注端末10に閲覧権限がない情報として記憶されてもよい。このような形態は、例えば支払先情報および支払配分が受注者の営業秘密に該当する場合、受注者の秘密情報を保護することに寄与する。口座Bおよび口座Cは、いずれも同じ受注者の支払先情報でもよい。
【0128】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については適宜、同じ符号を付してその説明を省略または簡略化する。本実施形態は、複数の作業が発注され、各作業の完了に応じて対価が支払われる形態である。図13は、実施形態に係る対価支払支援システムの処理の一例を示すシーケンス図である。対価支払支援システムは、受注端末20Aおよび受注端末20Bを備える。受注端末20Aは、一次受注者が利用する端末である。受注端末20Bは、二次受注者が利用する端末である。本実施形態において、一次受注者は、対価支払支援システムを利用して、受注した作業の少なくとも一部を二次受注者へ発注できる。
【0129】
対価支払支援システムの処理の説明に先立ち、処理で使われる各種情報について説明する。図14は、実施形態に係る各種情報の一例を示す図である。図14の符号D25は、発注者から一次受注者へ提供される契約情報に相当する。一次受注者の受注者IDは、受注者Aである。契約情報D25は、複数の作業の情報を含む。各作業の情報は、作業IDの項目と、作業内容の項目と、対価の項目とを含む。契約情報D25に示される作業の数は2つであり、2つの作業の作業IDは、それぞれ、作業A、作業Bである。作業Aに紐づけられた作業内容は作業Aであり、作業Aに紐づけられた対価は対価Aである。作業Bに紐づけられた作業内容は作業Bであり、作業Bに紐づけられた対価は対価Bである。契約情報D25は、各作業を受注した受注者の識別情報である発注者IDの項目を含む。契約情報D25の発注者IDは、作業Aおよび作業Bのいずれについても受注者Aである。ここでは、一次受注者が作業Bの作業を二次受注者へ発注するものとする。
【0130】
図14の符号D26は、一次受注者から二次受注者へ提供される契約情報に相当する。契約情報D26の発注IDは、発注Bであり、契約情報D25の発注IDである発注Aと異なる。契約情報D26の発注者IDは、契約情報D25の発注者IDである発注者IDと異なる。ここでは、契約情報D26の発注者IDは、受注者Aであるとする。契約情報D26の発注者IDは、一次受注者に対して受注者Aと別に発行される識別情報でもよく、受注者Aと異なってもよい。
【0131】
契約情報D26の作業IDは、作業Bである。ここでは、契約情報D25と契約情報D26とで、一部の作業の作業IDが同じである。契約情報D26の作業IDは、契約情報D25の作業IDと別に割り付けられてもよく、作業Bでなくてもよい。契約情報D26において、作業Bに紐づけられた作業内容は内容Bである。本例において、作業Bに紐づけられた作業内容は、契約情報D25と契約情報IDとで同じ(例、内容B)であるが、少なくとも一部が異なってもよい。例えば、契約情報D26の作業Bに紐づけられる作業内容は、契約情報D25の作業Bに紐づけられる作業内容を別の表現にした情報でもよい。契約情報D26において、作業Bに紐づけられた対価は対価Cである。対価Cは、対価Bと同じ価値でもよいし、対価Bと異なる価値でもよい。例えば、対価Cは、一次発注者が再受注に要する手数料、管理費などを対価Bから差し引いた額でもよい。また、一次受注者は急ぎの作業を二次受注者に発注し、対価Cは、急ぎの手当を対価Bに加えた額でもよい。契約情報D26の作業Bに紐づけられる受注者IDは、受注者Bであり、契約情報D25の作業Bに紐づけられる受注者IDである受注者Aと異なる。
【0132】
契約情報D26は、契約情報D25と独立した情報として扱われてもよい。例えば、契約情報D25の少なくとも一部は、二次受注者の端末に対して非公開な情報に設定されてもよい。また、契約情報D26の少なくとも一部は、発注者の端末に対して非公開な情報に設定されてもよい。契約情報D26の少なくとも一部は、契約情報D25の少なくとも一部と関係づけられた情報でもよい。例えば、契約情報D26の作業内容は、契約情報D25の作業内容へのリンク等で表されてもよい。
【0133】
次に、図13を参照して、対価支払支援システムによる処理について説明する。発注端末10は、ステップS51において、発注Aの契約情報を提供する。例えば、発注端末10は、図14に示した契約情報D25を分散型台帳Dに記憶させる。受注端末20Aは、発注端末10が提供した契約情報を取得する。例えば、受注端末20Aは、発注端末10から発注IDの通知を受け、この発注IDに紐づけられた契約情報を分散型台帳Dから取得する。一次受注者は、例えば、発注Aの契約情報を確認し、作業Bを二次受注者へ発注する。受注端末20Aは、例えば、一次受注者から入力される情報を用いて、発注Bの契約情報を作成する。受注端末20Aは、ステップS52において、発注Bの契約情報を提供する。例えば、受注端末20Aは、図14に示した契約情報D26を分散型台帳Dに記憶させる。受注端末20Bは、受注端末20Bが提供した契約情報を取得する。例えば、受注端末20Bは、受注端末20Aから発注IDの通知を受け、この発注IDに紐づけられた契約情報を分散型台帳Dから取得する。
【0134】
一次受注者は、発注Aの契約情報を用いて作業Aの作業内容を確認し、作業Aの作業を完了する。受注端末20Aは、ステップS53において、作業Aの作業完了証跡を取得する。受注端末20Aは、ステップS54において、発注Aの作業Aに関する完了情報を提供する。例えば、受注端末20Aは、発注Aの契約情報に紐づけられる完了情報を、分散型台帳Dに記憶させる。発注端末10は、受注端末20Aが提供した完了情報を取得する。発注端末10は、発注Aの作業Aに対応する完了情報に基づいて、ステップS55において、対価Aの支払指令を提供する。支払端末30は、発注端末10が提供した対価Aの支払指令を取得する。支払端末30は、対価Aの支払指令に基づいて、ステップS56において対価Aの支払処理を実行する。
【0135】
二次受注者は、発注Bの契約情報を用いて作業Bの作業内容を確認し、作業Bの作業を完了する。受注端末20Bは、ステップS57において、作業Bの作業完了証跡を取得する。受注端末20Bは、ステップS58において、発注Bの作業Bに関する完了情報を提供する。例えば、受注端末20Bは、発注Bの契約情報に紐づけられる完了情報を、分散型台帳Dに記憶させる。受注端末20Aは、受注端末20Bが提供した完了情報を取得する。受注端末20Aは、発注Bの作業Bに対応する完了情報に基づいて、ステップS59において、対価Cの支払指令を提供する。支払端末30は、受注端末20Bが提供した対価Cの支払指令を取得する。支払端末30は、対価Cの支払指令に基づいて、ステップS60において対価Cの支払処理を実行する。
【0136】
受注端末20Aは、ステップS61において、発注Aの作業Bに関する完了情報を提供する。例えば、受注端末20Aは、発注Aの契約情報に紐づけられる完了情報を、分散型台帳Dに記憶させる。発注端末10は、受注端末20Aが提供した完了情報を取得する。発注端末10は、発注Aの作業Bに対応する完了情報に基づいて、ステップS62において、対価Bの支払指令を提供する。支払端末30は、発注端末10が提供した対価Bの支払指令を取得する。支払端末30は、対価Bの支払指令に基づいて、ステップS63において対価Bの支払処理を実行する。
【0137】
本実施形態において、契約情報は、複数の作業の内容と、各作業の対価とを示す情報を含み、受注端末は、完了情報として、複数の作業のうち少なくとも1つの作業の完了を示す情報を提供し、支払部は、支払処理として、少なくとも1つの作業について契約情報に示される対価を支払う処理を実行させる。契約情報に示される作業の数は、1つでもよい。複数の作業が発注される場合、作業ことに契約情報が提供されてもよい。支払部は、2以上の作業の完了情報に応じて、支払処理を実行してもよい。支払部は、2以上の作業の対価をまとめて支払う処理を実行してもよい。
【0138】
なお、ステップS53からステップS63の処理は、論理的に矛盾しない範囲において、実行される順番が変更されてもよい。例えば、ステップS57の処理およびステップS58の処理の一方または双方は、ステップS52の処理の後、ステップS53の処理の前に又はステップS53の処理の少なくとも一部と並行して、実行されてもよい。ステップS57の処理およびステップS58の処理の一方または双方は、ステップS52の処理の後、ステップS54の処理の前に又はステップS54の少なくとも一部と並行して、実行されてもよい。ステップS61の処理は、ステップS58の処理の後、ステップS59の処理よりも前に又はステップS59の処理の少なくとも一部と並行して実行されてもよい。
【0139】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については適宜、同じ符号を付してその説明を省略または簡略化する。図15は、実施形態に係る対価支払支援システムを示す図である。本実施形態に係る対価支払支援システム1は、情報処理装置50を備える。情報処理装置50は、取得部51と、情報処理部52とを備える。取得部51は、契約情報と、契約情報に紐づけられた情報を取得する。取得部51は、分散型台帳Dに記憶されている情報を取得する。情報処理部52は、契約情報と、契約情報に紐づけられる情報との関係を解析する。情報処理部52は、取得部51が取得した情報を解析する。
【0140】
情報処理装置50は、例えば、作業の内容に対する作業の成否を機械学習する。例えば、情報処理部52は、作業の内容を示す入力データと、作業の成否を示す出力データとを含む教師データを用いて、機械学習する。情報処理装置50は、例えば、発注が予定される作業の内容を含む入力データに対して、この作業の成否を機械学習の結果を利用して予測する。情報処理装置50は、例えば、発注端末10が提供する契約情報に示される作業の成否を予測し、この予測結果を出力データとして提供する。上記入力データは、予定される受注者の情報(例、受注者ID)を含んでもよい。発注端末10は、情報処理装置50が提供する作業の成否の予測結果を取得する。発注者は、発注端末10が取得した作業の成否の予測結果に基づいて、契約情報に示される作業を発注するか否かを判断できる。
【0141】
情報処理装置50は、例えば作業の内容と成否との関係を解析するが、その他の情報を解析してもよい。例えば、情報処理装置50は、作業の内容および対価の情報と、受注の成否との関係を解析してもよい。例えば、情報処理装置50は、作業の内容および対価の情報を含む入力データと、受注の成否を示す出力データとを含む教師データを用いて、機械学習する。情報処理装置50は、例えば、発注が予定される作業の内容および対価を含む入力データに対して、この作業の受注の成否を機械学習の結果を利用して予測する。情報処理装置50は、例えば、発注端末10が提供する契約情報に示される作業の受注の成否を予測し、この予測結果を出力データとして提供する。上記入力データは、予定される受注者の情報(例、受注者ID)を含んでもよい。発注端末10は、情報処理装置50が提供する受注の成否の予測結果を取得する。発注者は、発注端末10が取得した受注の成否の予測結果に基づいて、契約情報に示される作業を発注するか否かを判断できる。情報処理装置50は、対価をパラメータとして受注の成否を予測し、受注が成功すると予測される対価を算出してもよい。情報処理装置50は、算出した対価の情報を提供してもよい。発注端末10は、情報処理装置50が提供する対価の情報を取得し、この情報を用いて契約情報における対価の情報が決定されてもよい。
【0142】
また、情報処理装置50は、契約情報に示される作業の内容の傾向を解析してもよい。例えば、情報処理装置50は、複数の契約情報を用いて作業の内容を文字認識し、解析し、出現頻度が相対的に高い作業の条件を抽出する。例えば、発注される作業が配送である場合、情報処理装置50は、発注される頻度が相対的に高い荷物の種類、経路、時間帯などを抽出してもよい。情報処理装置50は、契約情報を解析した解析結果を提供してもよい。受注端末20は、情報処理装置50が提供した解析結果を取得してもよい。例えば、受注者は、受注端末20が取得した解析結果を用いて、需要が多い作業を把握できる。これにより、受注者は、例えば、受注できる体制を整備する等の対応を行うことができる。
【0143】
また、情報処理装置50は、契約情報に示される対価の支払実績を解析してもよい。ここで、支払端末30は、支払元の口座における残高が対価未満である場合に、対価の少なくとも一部を立替により支払うものとする。情報処理装置50は、受注者IDごと又は支払元口座ごとに、立替が発生する頻度、立替の発生から返済までの期間などを解析してもよい。情報処理装置50は、対価の支払の状況を評価してもよい。情報処理装置50は、解析結果を提供してもよい。支払端末30は、情報処理装置50が提供した解析結果を取得してもよい。例えば、支払者は、支払端末30が取得した解析結果を利用して、与信、立替を行うか否かの判断等を行うことができる。
【0144】
なお、情報処理装置50は、契約情報と、契約情報と紐づけられた情報との関係と異なる情報を解析(例、評価)してもよい。情報処理装置50は、契約情報と、契約情報と紐づけられた情報との関係を解析しなくてもよい。情報処理装置50の機能の少なくとも一部は、対価支払支援システム1を構成する端末のいずれか(例、発注端末10、受注端末20、又は支払端末30)に設けられてもよい。対価支払支援システム1は、情報処理装置50を備えなくてもよい。情報処理装置50は、対価支払支援システム1と別に提供されてもよい。
【0145】
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、本明細書が適用される国または地域の法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0146】
1 対価支払支援システム
10 発注端末
15 支払部
20、20A、20B 受注端末
50 情報処理装置
51 取得部
52 情報処理部
D 分散型台帳
D1 契約情報
D4 完了情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15