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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】液体噴射装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
B41J2/01 307
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020003444
(22)【出願日】2020-01-14
(65)【公開番号】P2021109398
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】岡村 優
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】勝家 隼
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-138527(JP,A)
【文献】特開平07-060980(JP,A)
【文献】特開2017-193132(JP,A)
【文献】特開2018-094854(JP,A)
【文献】特開2013-082151(JP,A)
【文献】特開平06-238883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向へ液体を噴射するヘッドであって、前記第1方向と直交する第2方向を短手方
向とし、前記第1及び第2方向と直交する第3方向を長手方向とする長手形状のヘッドを
複数有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを保持する保持部材と
を具備し、
前記ヘッドユニットは、
第1ヘッドと、
前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第2方向に配置された第2
ヘッドと、
前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3
ヘッドと、を有し、
前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第
4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、
前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第2把持部を有し、
前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第3把持部を有し、
前記第3方向における前記第2把持部の位置は、前記第3方向における前記第1把持
部および前記第3把持部の位置と異なり、
前記長手方向における前記第1ヘッドの中心前記長手方向における前記第2ヘッド
中心、および前記長手方向における前記第3ヘッドの中心は、前記第3方向において同じ
位置に配置され、
前記第1把持部および前記第3把持部は、前記第3方向において同じ位置に配置され、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドは、同じ構造である
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
第1方向へ液体を噴射するヘッドであって、前記第1方向と直交する第2方向を短手方
向とし、前記第1及び第2方向と直交する第3方向を長手方向とする長手形状のヘッドを
複数有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを保持する保持部材と
を具備し、
前記ヘッドユニットは、
第1ヘッドと、
前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第2方向に配置された第2
ヘッドと、
前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3
ヘッドと、を有し、
前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第
4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、
前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第2把持部を有し、
前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第3把持部を有し、
前記第3方向における前記第2把持部の位置は、前記第3方向における前記第1把持
部および前記第3把持部の位置と異なり、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドは、前記第3方向において同じ
位置に配置され、
前記第1把持部および前記第3把持部は、前記第3方向において同じ位置に配置され、
前記第1ヘッドは、前記長手方向において、第1端部と前記第1端部とは反対の第2端
部とを有し、
前記第2ヘッドは、前記長手方向において、第3端部と前記第3端部とは反対の第4端
部とを有し、
前記第3ヘッドは、前記長手方向において、第5端部と前記第5端部とは反対の第6端
部とを有し、
前記第1把持部は、前記第1端部と、前記第1ヘッドの前記長手方向の中心との間に配
置され、
前記第2把持部は、前記第2ヘッドの前記第3端部と、前記第2ヘッドの前記長手方向
の中心との間に配置され、
前記第3把持部は、前記第3ヘッドの前記第5端部と、前記第3ヘッドの前記長手方向
の中心との間に配置され、
前記長手方向における前記第1端部から前記第2端部へ向かう方向は、前記長手方向に
おける前記第5端部から前記第6端部へ向かう方向と同じであり、前記長手方向における
前記第3端部から前記第4端部へ向かう方向と逆である
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
前記ヘッドユニットは、
前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第3方向とは反対方向に配
置された第4ヘッドと、
前記第4ヘッドと隣り合い、前記第4ヘッドに対して当該反対方向に配置された第5
ヘッドと
をさらに有し、
前記第4ヘッドは、前記第4ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第4把持部を有し、
前記第5ヘッドは、前記第5ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第5把持部を有し、
前記第4ヘッドは、前記長手方向において、第7端部と前記第7端部とは反対の第8端
部とを有し、
前記第5ヘッドは、前記長手方向において、第9端部と前記第9端部とは反対の第10
端部とを有し、
前記第4把持部は、前記第4ヘッドの前記第7端部と、前記第4ヘッドの前記長手方向
の中心との間に配置され、
前記第5把持部は、前記第5ヘッドの前記第9端部と、前記第5ヘッドの前記長手方向
の中心との間に配置され、
前記長手方向における前記第1端部から前記第2端部へ向かう方向は、前記長手方向に
おける前記第7端部から前記第8端部へ向かう方向、および、前記長手方向における前記
第9端部から前記第10端部へ向かう方向と同じである
ことを特徴とする請求項2の液体噴射装置。
【請求項4】
第1方向へ液体を噴射するヘッドであって、前記第1方向と直交する第2方向を短手方
向とし、前記第1及び第2方向と直交する第3方向を長手方向とする長手形状のヘッドを
複数有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを保持する保持部材と
を具備し、
前記ヘッドユニットは、
第1ヘッドと、
前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第2方向に配置された第2
ヘッドと、
前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3
ヘッドと、を有し、
前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第
4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、
前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第2把持部を有し、
前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第3把持部を有し、
前記第3方向における前記第2把持部の位置は、前記第3方向における前記第1把持部
および前記第3把持部の位置と異なり、
前記第1把持部および前記第3把持部は、前記第3方向において同じ位置に配置され、
前記第3方向における前記第2ヘッドの位置は、前記第3方向における前記第1ヘッド
および前記第3ヘッドの位置と異なり、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドは、同じ構造である
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
前記ヘッドユニットは、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドと同じ構造である第4ヘッド
であって、前記第4ヘッドから見て前記第1ヘッドと前記第3方向に隣り合い、前記第4
ヘッドから見て前記第2ヘッドと前記第2方向に隣り合う前記第4ヘッドと、
前記第4ヘッドと同じ構造である第5ヘッドであって、前記第5ヘッドから見て前記
第3ヘッドと前記第3方向に隣り合い、前記第2ヘッドから見て前記第2方向に隣り合う
前記第5ヘッドと
をさらに有し、
前記第1ヘッドと前記第4ヘッドとの間隔は、15mm以下であり、
前記第3ヘッドと前記第5ヘッドとの間隔は、15mm以下である
ことを特徴とする請求項4の液体噴射装置。
【請求項6】
前記第2把持部は、前記第2方向から見て、前記第1把持部および前記第3把持部と重
ならない
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項の液体噴射装置。
【請求項7】
前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔と、前記第2方向にお
ける前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、前記第2方向における前記第1把持部
の幅よりも狭い
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項の液体噴射装置。
【請求項8】
第1方向へ液体を噴射するヘッドを複数有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを保持する保持部材と
を具備し、
前記ヘッドユニットは、
第1ヘッドと、
前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第1方向と直交する第2方
向に配置された第2ヘッドと、
前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3
ヘッドと、を有し、
前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第
4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、
前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第2把持部を有し、
前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第3把持部を有し、
前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔、および、前記第2方
向における前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、ヒトの手の指の太さよりも狭く

前記第1把持部と前記第2把持部との最大間隔、および、前記第2把持部と前記第3把
持部との最大間隔は、ヒトの手の指の太さ以上であり、
前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔と、前記第2方向にお
ける前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、前記第2方向における前記第1把持部
の幅よりも狭く、
前記第1把持部の高さは、18mm以上であり、
前記第1把持部の幅は、20mm以上50mm以下である
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項9】
前記ヒトの手の指の太さは、ヒトの親指の太さである
ことを特徴とする請求項8の液体噴射装置。
【請求項10】
第1方向へ液体を噴射するヘッドを複数有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを保持する保持部材と
を具備し、
前記ヘッドユニットは、
第1ヘッドと、
前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第1方向と直交する第2方
向に配置された第2ヘッドと、
前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3
ヘッドと、を有し、
前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第
4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、
前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第2把持部を有し、
前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設け
られた第3把持部を有し、
前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔、および、前記第2方
向における前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、15mmよりも小さく、
前記第1把持部と前記第2把持部との最大間隔、および、前記第2把持部と前記第3把
部との最大間隔は、15mm以上であり、
前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔と、前記第2方向にお
ける前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、前記第2方向における前記第1把持部
の幅よりも狭く、
前記第1把持部の高さは、18mm以上であり、
前記第1把持部の幅は、20mm以上50mm以下である
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項11】
前記第1把持部の中心を通り、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に
延びる第1中心軸と、前記第2把持部の中心を通り、前記第3方向に延びる第2中心軸と
の間隔は、15mmよりも小さく、
前記第2中心軸と、前記第3把持部の中心を通り、前記第3方向に延びる第3中心軸と
の間隔は、15mmよりも小さい
ことを特徴とする請求項10の液体噴射装置。
【請求項12】
前記第1把持部の高さは、18mm以上であり、
前記第1把持部の幅は、20mm以上50mm以下である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項の液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のノズルからインクなど液体を噴射するヘッドが複数搭載されたインクジェット装置が従来から提案されている。例えば、特許文献1には、複数のヘッドがキャリッジ上にヘッドの短手方向に沿って並べられている液体噴射装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-130810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている液体噴射装置のように複数のヘッドがキャリッジ上に密に配置される場合、隣り合うヘッド同士の間隔が狭くなる。これにより、ヘッドを交換する際にヘッドを把持することが難しくなり、メンテナンス性が悪い場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体噴射装置は、第1方向へ液体を噴射するヘッドであって、前記第1方向と直交する第2方向を短手方向とし、前記第1及び第2方向と直交する第3方向を長手方向とする長手形状のヘッドを複数有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを保持する保持部材とを具備し、前記ヘッドユニットは、第1ヘッドと、前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第2方向に配置された第2ヘッドと、前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3ヘッドを有し、前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第2把持部を有し、前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第3把持部を有し、前記第3方向における前記第2把持部の位置は、前記第3方向における前記第1把持部および前記第3把持部の位置と異なる。
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体噴射装置は、第1方向へ液体を噴射するヘッドを複数有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを保持する保持部材とを具備し、前記ヘッドユニットは、第1ヘッドと、前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第1方向と直交する第2方向に配置された第2ヘッドと、前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3ヘッドと、を有し、前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第2把持部を有し、前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第3把持部を有し、前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔、および、前記第2方向における前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、ヒトの手の指の太さよりも狭く、前記第1把持部と前記第2把持部との最大間隔、および、前記第2把持部と前記第3把持部との最大間隔は、ヒトの手の指の太さ以上である。
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体噴射装置は、第1方向へ液体を噴射するヘッドを複数有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを保持する保持部材とを具備し、前記ヘッドユニットは、第1ヘッドと、前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第1方向と直交する第2方向に配置された第2ヘッドと、前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3ヘッドと、を有し、前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第2把持部を有し、前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第3把持部を有し、前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔、および、前記第2方向における前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、15mmよりも小さく、前記第1把持部と前記第2把持部との最大間隔、および、前記第2把持部と前記第3把持部との最大間隔は、15mm以上である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の液体噴射装置の構成例を示す図である。
図2】液体噴射ユニットの分解斜視図である。
図3】液体噴射ヘッドの平面図である。
図4】液体噴射ヘッドを噴射方向から見た平面図である。
図5図4におけるa-a線の断面図である。
図6図5におけるb-b線の断面図である。
図7】液体噴射ヘッドの配列の一例を示す模式図である。
図8】液体噴射ヘッドの配列の一例を示す模式図である。
図9】液体噴射ヘッドの配列の一例を示す模式図である。
図10図5におけるc-c線の断面図である。
図11A】把持部が取り得る断面形状の一例を示す模式図である。
図11B】把持部が取り得る断面形状の一例を示す模式図である。
図11C】把持部が取り得る断面形状の一例を示す模式図である。
図12】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図13】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図14】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図15】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図16】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図17】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図18】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図19】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図20】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図21】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図22】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図23】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図24】把持部が取り得る形状の一例を示す模式図である。
図25】変形例における液体噴射ヘッドの配列の一例を示す模式図である。
図26】変形例における把持部の配列の一例を示す模式図である。
図27】変形例における液体噴射ヘッドの配列の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A:実施形態
以下の説明では、相互に直交するX軸とY軸とZ軸とを想定する。X軸、Y軸及びZ軸は、以降の説明で例示される全図において共通である。図2に例示される通り、任意の地点からみてX軸に沿う一方向をX1方向(第2方向)と表記し、X1方向の反対の方向をX2方向と表記する。同様に、任意の地点からY軸に沿って相互に反対の方向をY1方向およびY2方向(第3方向)と表記し、任意の地点からZ軸に沿って相互に反対の方向をZ1方向(第4方向)およびZ2方向(第1方向)と表記する。X軸とY軸とを含むX-Y平面は水平面に相当する。Z軸は鉛直方向に沿う軸線であり、Z2方向は鉛直方向の下方に相当する。
【0010】
図1は、本実施形態の液体噴射装置100の構成例を示す図である。液体噴射装置100は、液体の一例であるインクの液滴を媒体11に噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体11は、典型的には印刷用紙である。ただし、例えば樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体11として利用される。
【0011】
液体噴射装置100には、図1に示すように、液体容器12が設けられる。液体容器12は、インクを貯蔵する、液体容器12は、例えば、液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、または、インクを補充可能なインクタンクなどである。
【0012】
液体容器12は、図1に示すように、第1液体容器12aと第2液体容器12bとを有する。第1液体容器12aは第1インクを貯蔵し、第2液体容器12bは第2インクを貯蔵する。第1及び第2インクは、それぞれ相異なる種類のインクでもよいし、同種のインクであってもよい。
【0013】
液体噴射装置100は、図1に示すように、制御ユニット21と、搬送機構23と、移動機構24と、液体噴射ユニット25とを有する。制御ユニット21は、液体噴射装置100の各要素を制御する。
【0014】
制御ユニット21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路および半導体メモリー等の記憶回路を有する。
【0015】
搬送機構23は、制御ユニット21による制御に基づき媒体11をY軸に沿って搬送する。移動機構24は、制御ユニット21による制御に基づき液体噴射ユニット25をX軸に沿って往復させる。移動機構24は、液体噴射ユニット25を収容する略箱型の搬送体241と、搬送体241が固定された無端ベルト242とを有する。なお、液体容器12を液体噴射ユニット25とともに搬送体241に搭載した構成も採用され得る。
【0016】
液体噴射ユニット25は、制御ユニット21による制御に基づき、液体容器12から供給されるインクを複数のノズルの各々から媒体11に噴射する。搬送機構23による媒体11の搬送と搬送体241の反復的な往復とに並行して液体噴射ユニット25が媒体11にインクを噴射することで、媒体11の表面に画像が形成される。
【0017】
図2は、液体噴射ユニット25の分解斜視図である。本実施形態の液体噴射ユニット25は、保持部材251とヘッドユニット250とを有する。保持部材251は、ヘッドユニット250を着脱可能に保持する板状部材であり、複数の取付穴253を有する。なお、図2においては、1個の液体噴射ヘッド252のみについてカバーユニット2522が便宜的に図示されているが、実際には他の液体噴射ヘッド252も同様にカバーユニット2522を具備する。なお、保持部材251は、搬送体241と一体に形成されていてもよいし、搬送体241とは別体であってもよい。また、保持部材251は、搬送体241に設けられている構成には限られず、ラインインクジェットプリンターのようなX軸に沿って液体噴射ユニット25が移動しない、即ち、保持部材251が移動機構24によってX軸に沿って移動しない構成であってもよい。
【0018】
ヘッドユニット250は、複数の液体噴射ヘッド252により構成される。複数の液体噴射ヘッド252の各々は、制御ユニット21による制御のもとでインクの液滴を噴射する。すなわち、制御ユニット21は、液体噴射ヘッド252によるインクの噴射を制御する噴射制御部として機能する。
【0019】
液体噴射ヘッド252は、図2に示すように、筐体31とカバーユニット2522と保持体33とを有する。カバーユニット2522と保持体33との間に筐体31が位置する。具体的には、筐体31から見てZ2方向に保持体33が配置され、保持体33から見てZ1方向にカバーユニット2522が配置される。
【0020】
図3は、液体噴射ヘッド252をZ1方向からみた平面図である。図3では、カバーユニット2522の図示を省略している。図3に示すように、各液体噴射ヘッド252の筐体31および保持体33は、Z軸に沿う平面視で第1部分U1と第2部分U2と第3部分U3とを含む外形に構成される。筐体31および保持体33は、Z軸およびZ軸に直交する方向の双方に沿って延在する複数の側面252Sを有する。
【0021】
第1部分U1と第2部分U2と第3部分U3とは、Y軸に沿って配列する。第1部分U1と第3部分U3との間に第2部分U2が位置する。具体的には、第1部分U1は第2部分U2に対してY1方向に位置し、第3部分U3は第2部分U2に対してY2方向に位置する。カバーユニット2522は、第2部分U2に対応した外形に配置される。
【0022】
図3には、Y軸に沿う第2部分U2の中心線Lcが図示されている。第1部分U1は中心線Lcに対してX2方向に位置し、第3部分U3は中心線Lcに対してX1方向に位置する。即ち、第1部分U1と第3部分U3とは、中心線Lcを挟んで反対の方向に位置する。図3に示すように、各液体噴射ヘッド252の第3部分U3と他の液体噴射ヘッド252の第1部分U1とがX軸の方向に隣り合うように、複数の液体噴射ヘッド252がY軸に沿って配列される。図3に例示されるとおり、第1部分U1は第1排出口Da_outと第2排出口Db_outを有し、第3部分U3は第1供給口Sa_inと第2供給口Sb_inとを有する。
【0023】
図4は、液体噴射ヘッド252をZ2方向からみた平面図である。液体噴射ヘッド252は、図4に示すように、4個のヘッドH1~H4を具備する。図2の保持体33は、4個のヘッドH1~H4を収容および支持する構造体である。各ヘッドHn(n=1~4)は、複数のノズルNからインクを噴射する。複数のノズルNは、図4に示すように、第1ノズル列Laと第2ノズル列Lbとに区分される。第1ノズル列Laおよび第2ノズル列Lbの各々は、Y軸に沿って配列する複数のノズルNの集合である。第1ノズル列Laと第2ノズル列Lbとは、X軸の方向に相互に間隔をあけて併設される。
【0024】
第1液体容器12aから第1供給口Sa_inに導入された第1インクは、筐体31の内部に設けられた不図示の流路構造体を経由して各ヘッドHnに供給され、各ヘッドHnにおける第1ノズル列Laの各ノズルNから噴射される。各ヘッドHnのノズルNから噴射されなかった第1インクは、不図示の流路構造体を経由して第1排出口Da_outから排出される。第1排出口Da_outから排出された第1インクは、不図示の循環機構により第1供給口Sa_inに環流される。
【0025】
同様に、第2液体容器12bから第2供給口Sb_inに導入された第2インクは不図示の流路構造体を経由して各ヘッドHnに供給され、各ヘッドHnにおける第2ノズル列Lbの各ノズルNから噴射される。各ヘッドHnのノズルNから噴射されなかった第2インクは、不図示の流路構造体を経由して第2排出口Db_outから排出される。第2排出口Db_outから排出された第2インクは、不図示の循環機構により第2供給口Sb_inに環流される。
【0026】
図5は、図4におけるa-a線の断面図である。液体噴射ヘッド252は、図5に示すように、本体部2521と、カバーユニット2522とを有する。液体噴射ヘッド252のうちインクが噴射されるZ2方向とは反対側の表面にはコネクター35が設けられる。カバーユニット2522は、コネクター35を介して本体部2521に接続され、本体部2521に対して螺子止めされる。
【0027】
本体部2521は、第1構造部2521aと第2構造部2521bとを有する。第1構造部2521aは、複数の圧力発生室と複数のノズルNと圧電素子とを有する。
【0028】
第1構造部2521aの内部には、複数のノズルNおよび複数の圧力発生室と、各圧力発生室にインクを供給するための流路とが形成される。圧力発生室は、ノズルN毎に形成された空間であり、当該ノズルNに連通する。圧電素子は、駆動信号が供給されることで変位する。圧電素子の変位により圧力発生室の容積が変化することで、圧力発生室内のインクがノズルから噴射される。
【0029】
第2構造部2521bは、回路基板2521fなどを有する。コネクター35は、回路基板2521fに配置される。カバーユニット2522は、中継基板2522aを有する。中継基板2522aには、コネクター35に差し込まれることにより本体部2521と接続する着脱用コネクター2522bが配置される。コネクター35に着脱用コネクター2522bが差し込まれることによって、コネクター35と着脱用コネクター2522bとが電気的に接続される。回路基板2521fは、コネクター35を介して、制御ユニット21からの駆動信号を受信する。当該駆動信号は圧電素子に供給される。
【0030】
図6は、図5におけるb-b線の断面図である。カバーユニット2522は、図5および図6に示すように、カバー部2522eと基板固定部2522cとを有する。中継基板2522aは、基板固定部2522cとカバー部2522eで包囲された空間に配置される。カバー部2522eは中継基板2522aを保護する。基板固定部2522cは、カバー部2522eに対して中継基板2522aを固定する。
【0031】
中継基板2522aには、図5に示すように、ケーブル用コネクター2522dと、着脱用コネクター2522bとが設けられる。ケーブル用コネクター2522dはケーブルCに接続され、ケーブルCは制御ユニット21と電気的に接続される。ケーブルCは、制御ユニット21からの駆動信号を中継基板2522aに伝送する。中継基板2522aは、当該駆動信号を本体部2521へ中継する。
【0032】
ケーブル用コネクター2522dの各端子と、着脱用コネクター2522bの各端子は電気的に接続されている。制御ユニット21から出力された駆動信号は、ケーブルC、ケーブル用コネクター2522d、着脱用コネクター2522bの順に経由して回路基板2521fに供給される。
【0033】
カバーユニット2522は、図5に示すように、開口部Hを有する。ケーブルCは、開口部Hを介して外部に引き出される。カバーユニット2522は、同図に示すように、ケーブルCとケーブル用コネクター2522dをZ1方向から覆う。
【0034】
ケーブル用コネクター2522dは、ケーブルCと電気的に接続する。液体噴射ヘッド252は、ケーブルCを介して制御ユニット21からの駆動信号を受信し、この信号に基づいた噴射動作を実行する。
【0035】
ヘッドユニット250は、図2に示すように、複数の同一構造の液体噴射ヘッド252により構成される。液体噴射ヘッド252はZ2方向にインクを噴射する。液体噴射ヘッド252はX1方向を短手方向とし、Y2方向を長手方向とする。
【0036】
複数の液体噴射ヘッド252の各々は取付穴253に挿入された状態で保持部材251に保持される。液体噴射ヘッド252は、図2に示すように、把持部40を有する。把持部40は、液体噴射ヘッド252の取手(持ち手)として機能する。把持部40については後述する。
【0037】
複数の液体噴射ヘッド252は、X軸及びY軸に沿ってマトリクス状に等間隔で配列される。本発明の好適な態様では、X軸方向に互いに隣り合う液体噴射ヘッド252同士がZ軸回りに180°反転した関係となっている。この構成により、複数の液体噴射ヘッド252から任意に選択されたヘッドの第1供給口Sa_inおよび第2供給口Sb_inがY2方向に位置し、第1排出口Da_outおよび第2排出口Db_outがY1方向に位置している場合、当該ヘッドとX軸方向に隣り合うヘッドの第1供給口Sa_inおよび第2供給口Sb_inはY1方向に位置し、第1排出口Da_outおよび第2排出口Db_outはY2方向に位置するものとなる。
【0038】
液体噴射ヘッド252の個数、および、液体噴射ヘッド252の配列は図2に示す例に限定されない。以下、液体噴射ヘッド252の配列の適用例についていくつか説明する。
【0039】
[適用例1]
図7および図8は、液体噴射ヘッド252の配列の一例を示す模式図である。ヘッドユニット250は、第1液体噴射ヘッド252a(第1ヘッド)と第2液体噴射ヘッド252b(第2ヘッド)と第3液体噴射ヘッド252c(第3ヘッド)と第4液体噴射ヘッド252d(第4ヘッド)と第5液体噴射ヘッド252e(第5ヘッド)とを有する。
【0040】
第1液体噴射ヘッド252aと第2液体噴射ヘッド252bと第3液体噴射ヘッド252cは、図7に示すように、Y2方向において同じ位置に配置される。具体的には、第1液体噴射ヘッド252aと第2液体噴射ヘッド252bと第3液体噴射ヘッド252cは、互いに同一直線L1上に位置する。
より詳細には、第1液体噴射ヘッド252aの長手方向の中心を通りX軸に沿って延びる中心軸A1と、第2液体噴射ヘッド252bの長手方向の中心を通りX軸に沿って延びる中心軸A2と、第3液体噴射ヘッド252cの長手方向の中心を通りX軸に沿って延びる中心軸A3は、図7に示すように、同一直線L1上に位置する。
【0041】
第1液体噴射ヘッド252aは、複数の液体噴射ヘッド252から任意に選択されたヘッドであり、上面S1に第1把持部40aが設けられる。上面S1は、Z軸におけるZ1方向の面であり、液体噴射ヘッド252の噴射面とは反対側の面である。第1液体噴射ヘッド252aは、第1液体噴射ヘッド252aの長手方向における中心からY2方向へ最も離れた第1端部E1(第1端部)と、当該中心からY1方向へ最も離れた第2端部E2(第2端部)を有する。第1把持部40aは、図7に示すように、第1液体噴射ヘッド252aの第1端部E1と中心軸A1との間に配置される。
【0042】
第2液体噴射ヘッド252bは、第1液体噴射ヘッド252aから見てX1方向に設けられ、第1液体噴射ヘッド252aと隣り合う。第2液体噴射ヘッド252bは、第1液体噴射ヘッド252aに対してX1方向に配置される。また、第2液体噴射ヘッド252bの上面S2には、第2把持部40bが設けられる。上面S2は、Z軸におけるZ1方向の面であり、液体噴射ヘッド252の噴射面とは反対側の面である。第2液体噴射ヘッド252bは、第2液体噴射ヘッド252bの長手方向における中心からY2方向へ最も離れた第2端部E4(第4端部)と、当該中心からY1方向へ最も離れた第1端部E3(第3端部)を有する。第2把持部40bは、図7に示すように、第2液体噴射ヘッド252bの第1端部E3と中心軸A2との間に配置される。
ここで、第2液体噴射ヘッド252bの第2端部E4は、図7に示すように、第2液体噴射ヘッド252bの第1端部E3から見てY2方向に位置している。つまり、第1液体噴射ヘッド252aと第2液体噴射ヘッド252bは、互いにZ軸を中心として反転させた関係となっている。具体的には、第1液体噴射ヘッド252aは自身をZ軸回りに180°回転すると第2液体噴射ヘッド252bと同じ配置となり、第2液体噴射ヘッド252bは自身をZ軸回りに180°回転すると第1液体噴射ヘッド252aと同じ配置となる。
【0043】
X1方向における第1液体噴射ヘッド252aと第2液体噴射ヘッド252bとの間隔D1は人の指の太さより狭く、具体的にはX1方向における第1把持部40aの幅D2よりも狭い。間隔D1は、例えば15mmより小さいことが好ましく、より好ましくは10mm以下である。間隔D1を前述した寸法とすることにより、ヘッドユニット250を小型化できるだけではなく、密なノズルレイアウトを実現することができる。また、間隔D1が前述したような寸法であっても第1把持部40aと第2把持部40bとの間隔にユーザが指を入れることができるので、第1液体噴射ヘッド252aまたは第2液体噴射ヘッド252bを把持したり、交換したりすることには支障をきたさない。なお、前述したユーザとは、例えば液体噴射ヘッド252の交換を行う操作者を指す。この点は以下の説明においても同様である。
【0044】
間隔D1は、例えば、第1液体噴射ヘッド252aの本体部2521の筐体31の側面252Sと、第2液体噴射ヘッド252bの本体部2521の筐体31の側面252Sと、の間のX1方向における最小の間隔である。当該最小の間隔とは、例えば、第1液体噴射ヘッド252aの第2部分U2のX1方向側の側面252Sと、第2液体噴射ヘッド252bの第2部分U2のX2方向側の側面252Sと、の間隔である。また、図8に示した第1把持部40aと第2把持部40bとの間隔D3は人の指の太さよりも大きく、例えば15mmよりも大きい。
【0045】
なお、前述した「人の指の太さ」は、人間の指の太さの平均値であってもよい。この平均値は例えば特開2014-46555号公報によれば18mm以下とされている。または、「人の指の太さ」は、成人の指の幅の平均値であってもよい。この平均値は例えば特開2018-190268号公報によれば約15mm~約20mmとされている。
【0046】
あるいは、前述した「人の指の太さ」は、日本人の親指の幅の平均値であってもよい。この平均値は、例えば特開2003-11943号公報によれば19.1mmとされている。または、「人の指の太さ」は、日本人男性の親指の指節間関節の厚みであってもよく、関節幅の厚みであってもよい。指節間関節の厚みは、例えば下記のウェブサイトによれば、327人の被験者の平均値が17.3mmであり、最大値が20.1mmとされている。また、関節幅の平均値は20.1mmとされている。(http://www.airc.aist.go.jp/dhrt/hand/data/list.html)上述した「人の指の太さ」の定義は、以下の説明においても同様である。
【0047】
具体的には、第1把持部40aのX1方向の中心を通りY軸に沿って延びる中心軸A4(第1中心軸)と、第2把持部40bのX1方向の中心を通りY軸に沿って延びる中心軸A5(第2中心軸)との間隔D4は、例えば15mmよりも小さい。また、第1把持部40aと第2把持部40bとの最大間隔は、例えば15mm以上である。
【0048】
第3液体噴射ヘッド252cは、第2液体噴射ヘッド252bから見てX1方向に設けられ、第2液体噴射ヘッド252bと隣り合う。第3液体噴射ヘッド252cは、第2液体噴射ヘッド252bに対してX1方向に配置される。また、第3液体噴射ヘッド252cの上面S3には、第3把持部40cが設けられる。上面S3は、Z軸におけるZ1方向の面であり、液体噴射ヘッド252の噴射面とは反対側の面である。第3液体噴射ヘッド252cは、第3液体噴射ヘッド252cの長手方向における中心からY2方向へ最も離れた第1端部E5(第5端部)と、当該中心からY1方向へ最も離れた第2端部E6(第6端部)を有する。第3把持部40cは、図7に示すように、第3液体噴射ヘッド252cの第1端部E5と中心軸A3との間に配置される。
第2液体噴射ヘッド252bと第3液体噴射ヘッド252cは、互いにZ軸を中心として反転させた関係となっている。つまり、第2液体噴射ヘッド252bは自身をZ軸回りに180°回転すると第3液体噴射ヘッド252cと同じ配置となり、第3液体噴射ヘッド252cは自身をZ軸回りに180°回転すると第2液体噴射ヘッド252と同じ配置となる。
【0049】
本実施形態では、図7に示すように、Y軸に沿う方向において、第1液体噴射ヘッド252aの第1端部E1から第2端部E2へ向かう方向は、第3液体噴射ヘッド252cの第1端部E5から第2端部E6へ向かう方向と同じであり、第2液体噴射ヘッド252bの第1端部E3から第2端部E4へ向かう方向と逆である。つまり、ヘッドユニット250が保持部材251に保持されている状態において、第2液体噴射ヘッド252bは第1液体噴射ヘッド252aに対してZ軸回りに180°反転した配置であり、第3液体噴射ヘッド252cは第2液体噴射ヘッド252bに対してZ軸回りに180°反転した配置である。
これにより、互いに隣り合う各ヘッド252の構造を異ならせなくても、ヘッド252を反転させて配置するだけで、互いに隣り合うヘッド252の各把持部40同士の間隔が広くなる。従って、液体噴射ヘッド252の構造を変更するコストをかけずともユーザが把持部を掴む上での容易性が向上する。
【0050】
X1方向における第2液体噴射ヘッド252bと第3液体噴射ヘッド252cとの間隔D5は人の指の太さより狭く、具体的には第1把持部40aの幅D2よりも狭い。間隔D5は例えば15mmより小さいことが好ましくより好ましくは10mm以下である。間隔D5を前述した寸法とすることにより、ヘッドユニット250を小型化できるだけではなく、密なノズルレイアウトを実現することができる。また、間隔D5が前述したような寸法であっても第2把持部40bと第3把持部40cとの間隔にユーザが指を入れることができるので、第2液体噴射ヘッド252bまたは第3液体噴射ヘッド252cを把持したり、交換したりすることには支障をきたさない。
【0051】
間隔D5は、例えば、第2液体噴射ヘッド252bの本体部2521の筐体31の側面252Sと、第3液体噴射ヘッド252cの本体部2521の筐体31の側面252Sと、の間のX1方向における最小の間隔である。当該最小の間隔とは、例えば、第2液体噴射ヘッド252bの第2部分U2のX1方向側の側面252Sと、第3液体噴射ヘッド252cの第2部分U2のX2方向側の側面252Sと、の間隔である。また、図8に示した第2把持部40bと第3把持部40cとの間隔D6は人の指の太さよりも大きく、例えば15mmよりも大きい。ここで、本実施形態では、間隔D1および間隔D5が把持部40の幅D2より狭い。これにより、互いに隣り合うヘッド252間の隙間が把持部40の幅よりも狭い場合であっても互いに隣り合うヘッド252の各把持部40のY2方向における位置が異なるので各把持部40同士の間隔がある程度確保される。従って、ユーザは把持部を掴みやすくなる。
【0052】
中心軸A5と、第3把持部40cのX1方向の中心を通りY軸に沿って延びる中心軸A6(第3中心軸)との間隔D7は、例えば15mmよりも小さい。また、第2把持部40bと第3把持部40cとの最大間隔は、例えば15mm以上である。
【0053】
本実施形態では、第1把持部40aと第2把持部40bとの最大間隔と、第2把持部40bと第3把持部40cとの最大間隔が人の指の太さ以上であり、例えば15mm以上である。これにより、互いに隣り合うヘッド252の各把持部40同士の隙間に指を挿入することができるので、ヘッド交換の容易性が向上する。特に、当該指の太さが人の親指の太さである場合、ユーザは親指を使用してヘッドを交換することができヘッド交換の容易性がより向上する。
ここで、図12図16に示すように、把持部40が後述する適用例9~適用例11に示す形状である場合、第1把持部40aの第2部分44と第2把持部40bの第2部分44との間隔が、第1把持部40aと第2把持部40bとの最大間隔であってもよい。同様に、第2把持部40bの第2部分44と第3把持部40cの第2部分44との間隔が、第2把持部40bと第3把持部40cとの最大間隔であってもよい。
【0054】
第1把持部40aと第3把持部40cは、図7に示すように、Y2方向において同じ位置に配置される。具体的には、第1把持部40aと第3把持部40cは互いに同一直線L2上に位置する。
より詳細には、第1把持部40aのY2方向の中心を通りX軸に沿って延びる中心軸A7と、第3把持部40cのY2方向の中心を通りX軸に沿って延びる中心軸A8は同一直線L2上に位置する。また、図8に示したX1方向における第1把持部40aと第3把持部40cとの間隔D8は人の指の太さよりも大きく、例えば15mmよりも大きい。
【0055】
ここで、本実施形態の第2把持部40bのY2方向における位置は、Y2方向における第1把持部40a及び第3把持部40cの位置と異なる。典型的には、図7に示すように、X1方向から見て、第2把持部40bは、第1把持部40aおよび第3把持部40cと重ならない位置に配置される。これにより、隣り合う液体噴射ヘッド252に設けられた各把持部40のY2方向における位置が互いに異なるものとなるので、把持部40同士の間隔が広くなり、ユーザが把持部40を掴みやすくなる。特に、図7に示すように、第2把持部40bが、X1方向から見て、第1把持部40aおよび第3把持部40cと重ならない位置に配置される場合、重なっている場合と比較して、各把持部40同士の間隔が広くなり把持部40がより把持されやすくなる。
【0056】
具体的には、第2把持部40bは第1把持部40a及び第3把持部40cと同一直線L2上に位置しない。より詳細には、第2把持部40bのY2方向の中心を通りX軸に沿って延びる中心軸A9と、中心軸A7および中心軸A8は同一直線L2上に位置しない。
【0057】
第1液体噴射ヘッド252aと第4液体噴射ヘッド252dと第5液体噴射ヘッド252eは、図7に示すように、X1方向において同じ位置に配置される。具体的には、第1液体噴射ヘッド252aと第4液体噴射ヘッド252dと第5液体噴射ヘッド252eは互いに同一直線L3上に位置する。より詳細には、第1液体噴射ヘッド252aの短手方向の中心を通りY軸に沿って延びる中心軸A4と、第4液体噴射ヘッド252dの短手方向の中心を通りY軸に沿って延びる中心軸A10と、第5液体噴射ヘッド252eの短手方向の中心を通りY軸に沿って延びる中心軸A11は、同一直線L3上に位置する。
【0058】
第4液体噴射ヘッド252dは、第1液体噴射ヘッド252aから見てY1方向に設けられ、第1液体噴射ヘッド252aとY1方向に隣り合う。第4液体噴射ヘッド252dは、第1液体噴射ヘッド252aに対してY1方向に配置される。また、第4液体噴射ヘッド252dの上面S4には、第4把持部40dが設けられる。上面S4は、Z軸におけるZ1方向の面であり、液体噴射ヘッド252の噴射面とは反対側の面である。第4液体噴射ヘッド252dは、第4液体噴射ヘッド252dの長手方向における中心からY2方向へ最も離れた第1端部E7(第7端部)と、当該中心からY1方向へ最も離れた第2端部E8(第8端部)を有する。第4把持部40dは、図7に示すように、第1端部E7と、第4液体噴射ヘッド252dの長手方向における中心を通りX軸に沿って延びる中心軸A12との間に配置される。第1液体噴射ヘッド252aと第4液体噴射ヘッド252dは、第1液体噴射ヘッド252aと第2液体噴射ヘッド252bとの配置関係、および、第2液体噴射ヘッド252bと第3液体噴射ヘッド252cとの配置関係とは異なり、Z軸回りに反転させると互いに同じ配置とはならず、互いに同じ配置関係となっている。当該同じ配置関係とは、第1液体噴射ヘッド252aの長手方向の中心から第1把持部40aへ向かう方向(Y2方向)と、第4液体噴射ヘッド252dの長手方向の中心から第4把持部40dへ向かう方向(Y2方向)と、が同じである状態を指す。
【0059】
Y2方向における第1液体噴射ヘッド252aと第4液体噴射ヘッド252dとの間隔D9は人の指の太さよりも狭い。間隔D9は例えば15mm以下であることが好ましくより好ましくは10mm以下である。間隔D9を前述した寸法とすることにより、ヘッドユニット250を小型化できるだけではなく、密なノズルレイアウトを実現することができる。また、間隔D9が前述したような寸法であっても第1把持部40aと第4把持部40dとの間隔にユーザが指を入れることができるので、第1液体噴射ヘッド252aまたは第4液体噴射ヘッド252dを把持したり、交換したりすることには支障をきたさない。
【0060】
間隔D9は、例えば、第1液体噴射ヘッド252aの本体部2521の筐体31の側面252Sと、第4液体噴射ヘッド252dの本体部2521の筐体31の側面252Sと、の間のY2方向における最小の間隔である。当該最小の間隔とは、例えば、第1液体噴射ヘッド252aの第1部分U1のY1方向側の側面252Sと、第4液体噴射ヘッド252dの第2部分U2のY2方向側の側面252Sと、の間隔である。また、図8に示すように、Y2方向における第1把持部40aと第4把持部40dとの間隔D10は人の指の太さよりも大きく、例えば15mmよりも大きい。さらに、図8に示すように、第2把持部40bと第4把持部40dとの間隔D11も人の指の太さよりも大きく、例えば15mmより大きい。
【0061】
第5液体噴射ヘッド252eは、第4液体噴射ヘッド252dから見てY1方向に設けられ、第4液体噴射ヘッド252dとY1方向に隣り合う。第5液体噴射ヘッド252eは、第4液体噴射ヘッド252dに対してY1方向に配置される。また、第5液体噴射ヘッド252eの上面S5には、第5把持部40eが設けられる。上面S5は、Z軸におけるZ1方向の面であり、液体噴射ヘッド252の噴射面とは反対側の面である。第5液体噴射ヘッド252eは、第5液体噴射ヘッド252eの長手方向における中心からY2方向へ最も離れた第1端部E9(第9端部)と、当該中心からY1方向へ最も離れた第2端部E10(第10端部)を有する。第5把持部40eは、図7に示すように、第1端部E9と、第5液体噴射ヘッド252eの長手方向における中心を通りX軸に沿って延びる中心軸A13との間に配置される。
【0062】
ここで、図7に示すように、Y軸に沿う方向において、第1液体噴射ヘッド252aの第1端部E1から第2端部E2へ向かう方向は、第4液体噴射ヘッド252dの第1端部E7から第2端部E8へ向かう方向、および、第5液体噴射ヘッド252eの第1端部E9から第2端部E10へ向かう方向と同じである。換言すれば、第1液体噴射ヘッド252aの長手方向の中心から第1把持部40aへ向かう方向(Y2方向)は、第4液体噴射ヘッド252dの長手方向の中心から第4把持部40dへ向かう方向(Y2方向)、および、第5液体噴射ヘッド252eの長手方向の中心から第5把持部40eへ向かう方向(Y2方向)と同じである。つまり、ヘッドユニット250が保持部材251に保持されている状態おいて、第1液体噴射ヘッド252aと第4液体噴射ヘッド252dと第5液体噴射ヘッド252eは互いに同じ配置関係となっている。これにより、Y2方向に互い隣り合うヘッド252が同じ方向を向いて配置されているので各把持部40同士の間隔が広くなり、ユーザは把持部40を掴みやすくなる。
【0063】
Y2方向における第4液体噴射ヘッド252dと第5液体噴射ヘッド252eとの間隔D12は人の指の太さよりも狭い。間隔D12は例えば15mm以下であることが好ましくより好ましくは10mm以下である。間隔D12を前述した寸法とすることにより、ヘッドユニット250を小型化できるだけではなく、密なノズルレイアウトを実現することができる。また、間隔D12が前述したような寸法であっても第4把持部40dと第5把持部40eとの間隔にユーザが指を入れることができるので、第4液体噴射ヘッド252dまたは第5液体噴射ヘッド252eを把持したり、交換したりすることには支障をきたさない。
【0064】
間隔D12は、例えば、第4液体噴射ヘッド252dの本体部2521の筐体31の側面252Sと、第5液体噴射ヘッド252eの本体部2521の筐体31の側面252Sと、の間のY2方向における最小の間隔である。当該最小の間隔とは、例えば、第4液体噴射ヘッド252dの第1部分U1のY1方向側の側面252Sと、第5液体噴射ヘッド252eの第2部分U2のY2方向側の側面252Sと、の間隔である。また、図8に示すように、Y2方向における第4把持部40dと第5把持部40eとの間隔D13は人の指の太さより大きく、例えば15mmより大きい。
【0065】
本実施形態では、第1液体噴射ヘッド252aと第2液体噴射ヘッド252bと第3液体噴射ヘッド252cは同じ構造であるため、Y2方向における中心軸A1と第1把持部40aとの間隔DX1と、Y2方向における中心軸A2と第2把持部40bとの間隔DX2と、Y2方向における中心軸A3と第3把持部40cとの間隔DX3は、典型的には同一である。同様に、第1液体噴射ヘッド252aと第4液体噴射ヘッド252dと第5液体噴射ヘッド252eは同じ構造であるので、Y2方向における中心軸A1と第1把持部40aとの間隔DX1と、Y2方向における中心軸A12と第4把持部40dとの間隔DX4と、Y2方向における中心軸A13と第5把持部40eとの間隔DX5は、同一である。
【0066】
[適用例2]
図9は、液体噴射ヘッド252の配列の一例を示す模式図である。本実施形態では、図9に示すように、第1液体噴射ヘッド252aおよび第3液体噴射ヘッド252cがY2方向において同じ位置に配置され、第2液体噴射ヘッド252bがY2方向において第1液体噴射ヘッド252aおよび第3液体噴射ヘッド252cと異なる位置に配置されてもよい。これにより、第1液体噴射ヘッド252aと第2液体噴射ヘッド252bと第3液体噴射ヘッド252cとが同一構造であったとしても、第1把持部40aと第2把持部40b、および、第2把持部40bと第3把持部40cとがY2方向において異なる位置となる。従って、互いに隣り合うヘッド252の各把持部40同士の間隔が広くなり、ユーザが把持部を掴む上での容易性が向上する。
【0067】
具体的には、第1液体噴射ヘッド252aと第3液体噴射ヘッド252cとが互いに同一直線L1上に位置し、第2液体噴射ヘッド252bが同一直線L1上に位置しなくてもよい。より詳細には、第1液体噴射ヘッド252aの中心軸A1と第3液体噴射ヘッド252cの中心軸A3とが同一直線L1上に位置し、第2液体噴射ヘッド252bの中心軸A2が同一直線L2上に位置しなくてもよい。
【0068】
また、第4液体噴射ヘッド252dは、図9に示すように、Y2方向に第1液体噴射ヘッド252aと隣り合い、X1方向に第2液体噴射ヘッド252bと隣り合ってもよい。第1液体噴射ヘッド252aと第4液体噴射ヘッド252dとの間隔D14は人の指の太さよりも狭い。間隔D13は例えば15mm以下であることが好ましく、より好ましくは10mm以下である。間隔D14を前述した寸法とすることにより、ヘッドユニット250を小型化できるだけではなく、密なノズルレイアウトを実現することができる。また、間隔D14が前述したような寸法であっても第1把持部40aと第4把持部40dとの間隔にユーザが指を入れることができるので、第1液体噴射ヘッド252aまたは第4液体噴射ヘッド252dを把持したり、交換したりすることには支障をきたさない。
【0069】
間隔D14は、例えば、第1液体噴射ヘッド252aの本体部2521の筐体31の側面252Sと、第4液体噴射ヘッド252dの本体部2521の筐体31の側面252Sと、の間のY2方向における最小の間隔である。当該最小の間隔とは、例えば、第1液体噴射ヘッド252aの第1部分U1のY1方向側の側面252Sと、第4液体噴射ヘッド252dの第2部分U2のY2方向側の側面252Sと、の間隔である。
【0070】
さらに、第5液体噴射ヘッド252eは、図9に示すように、Y2方向に第3液体噴射ヘッド252cと隣り合い、X2方向に第2液体噴射ヘッド252bと隣り合ってもよい。第5液体噴射ヘッド252eと第3液体噴射ヘッド252cとの間隔D15は人の指の太さよりも狭い。間隔D15は例えば15mm以下であることが好ましく、より好ましくは10mm以下である。間隔D15を前述した寸法とすることにより、ヘッドユニット250を小型化できるだけではなく、密なノズルレイアウトを実現することができる。また、間隔D15が前述したような寸法であっても第3把持部40cと第5把持部40eとの間隔にユーザが指を入れることができるので、第3液体噴射ヘッド252cまたは第5液体噴射ヘッド252eを把持したり、交換したりすることには支障をきたさない。
【0071】
間隔D15は、例えば、第3液体噴射ヘッド252cの本体部2521の筐体31の側面252Sと、第5液体噴射ヘッド252eの本体部2521の筐体31の側面252Sと、の間のY2方向における最小の間隔である。当該最小の間隔とは、例えば、第3液体噴射ヘッド252cの第1部分U1のY1方向側の側面252Sと、第5液体噴射ヘッド252eの第2部分U2のY2方向側の側面252Sと、の間隔である。
【0072】
図2に例示されるように、液体噴射ヘッド252の長手方向に3つ以上、短手方向に3つ以上、つまり、複数の液体噴射ヘッド252がマトリクス状に配置された場合、中央に配置された液体噴射ヘッド252の側面は隣接する液体噴射ヘッドに囲まれる。従って、中央に配置された液体噴射ヘッド252を交換するためには、液体噴射ヘッド252の上面Sに取手を設ける必要がある。また、取手を液体噴射ヘッド252の側面に設けると液体噴射ヘッド252が水平方向に大型化したり、液体噴射ヘッド252の高密度配置ができなくなったりする。よって、取手は、液体噴射ヘッド252の上面Sに設けられる必要がある。さらに、保持部材251(例えばキャリッジ)の小型化のために、保持部材251の内壁面と液体噴射ヘッド252との隙間が狭い場合には、複数の液体噴射ヘッド252がマトリクス状に配置されなくても、液体噴射ヘッド252の側面に取手を設けることはできない。よって、この場合においても、液体噴射ヘッド252の上面Sに取手を設ける必要がある。
【0073】
前述した事情を鑑み、本実施形態の液体噴射ヘッド252は、図5に示すように、カバー部2522eのZ1方向を向いた上面Sに設けられた把持部40を有する。上面Sは、Z軸におけるZ1方向の面であり、液体噴射ヘッド252の噴射面とは反対側の面である。ユーザは、把持部40を掴んで引っ張ることにより、容易に液体噴射ヘッド252を移動させることができる。
例えば、液体噴射ヘッド252が故障した際などには、把持部40が保持部材251から液体噴射ヘッド252を着脱させる取手として機能する。
【0074】
把持部40の高さhは例えば18mm以上である。把持部40の幅wは、液体噴射ヘッド252のY2方向における幅よりも小さく、例えば20mm以上50mm以下である。把持部40は、カバー部2522eと一体的に構成されてもよく、別体的に構成されてもよい。また、把持部40は、カバー部2522eと同種の材料から構成されてもよく、異なる材料から構成されてもよい。
【0075】
また、把持部40は、液体噴射ヘッド252の筐体31の上面に設けられてもよい。この場合、把持部40は、筐体31と一体的に構成されてもよく、別体的に構成されてもよい。また、把持部40は、筐体31と同種の材料から構成されてもよく、異なる材料から構成されてもよい。当該上面は、筐体31のZ軸におけるZ1方向の面であり、液体噴射ヘッド252の噴射面とは反対側の面である。
【0076】
図10は、図5におけるC-C線の断面図である。把持部40は典型的には正六角柱であり、Z軸に垂直な断面形状が6つの直線状の辺42Aから成る正六角形であるが他の任意の形状が採用されてもよい。以下、本実施形態の把持部40が取り得る形状についていくつか説明する。
【0077】
[適用例3]
図10では、把持部40のX軸に垂直な断面形状は、6つの直線状の辺42Aから成る正六角形であったが、少なくとも4つ以上の直線状の辺42Aを含む多角形であればよい。これにより、ユーザは、液体噴射ヘッド252に対する自身の向きによらずに把持部40を掴むことができる。なお、把持部40のX軸に垂直な断面形状は、1つの直線状の辺42Aの長さが異なる多角形でもよく、正多角形に限定されない。
【0078】
[適用例4]
図11Aは、把持部40が取り得る断面形状の一例を示す模式図である。把持部40のZ軸に垂直な断面形状は、図11Aに示すように、少なくとも4つ以上の直線状の辺から成る多角形400の角にR形状部42Bを有する略多角形である。具体的には、図11Aの略多角形は、5つの直線状の辺42Aと、当該5つの直線状の辺42A同士の間に設けられた5つのR形状部42Bと、から成る。なお、R形状部42Bは、多角形400の少なくとも1つの角に設けられていればよい。このような構成でも、適用例3と同様に、ユーザは液体噴射ヘッド252に対する自身の向きによらずに把持部40を掴むことができる。なお、本実施形態では、適用例4において例示された態様を、後述する適用例5や適用例6において例示される態様に相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0079】
[適用例5]
図11Bは、把持部40が取り得る断面形状の一例を示す模式図である。把持部40のZ軸に垂直な断面形状は、図11Bに示すように、少なくとも4つ以上の直線状の辺からなる多角形400の各辺が曲線42Cである略多角形である。曲線42Cは、同図に示すように、多角形400の断面中心(把持部40の中心)から離れる方向へ膨らみ、多角形400が正多角形である場合の外接円41よりも径内方に位置する曲線である。このような構成でも、適用例3と同様に、ユーザは液体噴射ヘッド252に対する自身の向きによらずに把持部40を掴むことができる。
【0080】
[適用例6]
図11Cは、把持部40が取り得る断面形状の一例を示す模式図である。把持部40のZ軸に垂直な断面形状は、図11Cに示すように、少なくとも4つ以上の直線状の辺から成る多角形400の少なくとも1つ以上の辺が曲線42Cである略多角形である。当該略多角形は、図11Cに示すように、2つの曲線42Cと、3つの直線状の辺42Aと、からなる。曲線42Cは、同図に示すように、多角形400の断面中心(把持部40の中心)から離れる方向へ膨らむ。曲線42Cは、多角形400が正多角形である場合に、この多角形に外接する外接円41の一部であってもよく、外接円41のよりも径内方に位置する曲線であってもよい。なお、前述した略多角形は真円ではないので、曲線42Cを外接円41の一部とする場合には、略多角形に少なくとも1つ以上の直線状の辺42Aが含まれる。このような構成でも、適用例3と同様に、ユーザは液体噴射ヘッド252に対する自身の向きによらずに把持部40を掴むことができる。
【0081】
適用例3~適用例6における直線状の辺42Aの長さは1.0cm以上2.0cm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5cmである。直線状の辺42Aが1cm以上であることによって当該辺が人の指の太さと同程度となるので、ユーザが把持部40を掴みやすくなる。
同様に、適用例5および適用例6における曲線42Cの長さは1.0cm以上2.0cm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5cmである。曲線42Cが1cm以上であることによって当該辺が人の指の太さと同程度となるので、ユーザが把持部40を掴みやすくなる。
【0082】
[適用例7]
把持部40のX1方向における断面形状は、5つまたは6つの直線状の辺42Aを含む形状であってもよい。これにより、把持部40の断面形状が4角形である場合と比較して、ユーザがあらゆる方向から把持部を掴むことができる。さらに、把持部40の断面形状が5つまたは6つの直線状の辺42Aを含む形状であると、把持部40の断面形状が例えば7角形である場合と比べて、断面形状の一辺の長さが短くなるのを抑制できる。つまり、把持部40の断面形状の一辺の長さを確保するために、把持部40が大型化して把持されにくくなることもない。従って、把持部40を大型化せずともユーザがあらゆる方向から把持部を掴むことができる。
【0083】
[適用例8]
把持部40のX1方向における断面形状は、直線状の辺42Aと曲線42Cの合計数が5つまたは6つであってもよい。これにより、適用例7と同様に、把持部40を大型化せずともユーザがあらゆる方向から把持部を掴むことができる。
【0084】
[適用例9]
図12図14は、把持部40が取り得る形状の一例を示す模式図である。把持部40は、第1部分43と、第2部分44とを有する構成であってもよい。第1部分43は、Z軸に垂直な方向を向く側面43S(第2側面)を有する。側面43Sは、連続的な曲面であってもよく、平面であってもよい。Z軸に垂直な方向における側面43Sと第2部分44との間の距離、具体的には、Y2方向における側面43Sと第2部分44との間の距離D16は、例えば、15mm以上である。
【0085】
Z軸に垂直な方向における第1部分43の最大幅は、Z軸に垂直な方向における第2部分44の最大幅よりも大きい。具体的には、第1部分43のY2方向の最大幅は、第2部分44のY2方向の最大幅よりも大きい。第1部分43の形状は特に限定されず、例えば円盤状または球状などであってもよく、その形状は問わない。
【0086】
第2部分44は、第1部分43と上面Sとの間に位置し、上面Sに設けられる。第2部分44はZ軸回りの側面44S(第1側面)を有する。側面44Sは連続的な曲面であってもよく、平面であってもよい。
【0087】
第1部分43は、第2部分44の側面44SよりもZ軸に垂直な方向へ突出する。第1部分43は、Z軸に沿う方向から見て、第2部分44の側面44Sの全周より突出している部分を有する。具体的には、第1部分43は、第2部分44の側面44SよりもY2方向へ突出する。Y2方向における第2部分44の寸法D18は例えば15mm以上である。また、Z2方向における第2部分44の寸法D17は例えば15mm以上である。
【0088】
第2部分44の形状は特に限定されず、例えば、立方体、球体、または、図16および図17に示すような、一軸回りに曲面状の凹部が連続的または間欠的に形成された構造であってもよく、その種類は問わない。
【0089】
前述したように、適用例9における把持部40は、第1部分43と第2部分44とを有する。第1部分43は、図12図14に示すように、第2部分44の側面44SよりもY2方向へ突出する。また、Y2方向における第1部分43の最大幅は、Y2方向における第2部分44の最大幅よりも大きい。
【0090】
これにより、ユーザは、第2部分44を把持する際に第1部分43が指に引っ掛かりやすくなるため、液体噴射ヘッド252がユーザの手から滑落するリスクが低減する。さらに、ユーザは、指の腹または側面で把持部40を引っ掛けて液体噴射ヘッド252を持ち上げることができヘッド交換時の利便性が向上する。
【0091】
[適用例10]
図15は、把持部40が取り得る形状の一例を示す模式図である。把持部40は、第1部分43と、第2部分44とを有する構成であってもよい。図15で例示されるように、適用例10における第1部分43はY軸に沿う方向を長手方向とする柱状体であり、第2部分44はZ軸に沿う方向を長手方向とする柱状体である。
【0092】
第1部分43は、Y2方向を向く側面43S(第2側面)を有する。側面43Sは連続的な曲面であってもよく、平面であってもよい。Y2方向における側面43Sと第2部分44との間の距離D16は、例えば15mm以上である。第1部分43のY2方向の最大幅は、第2部分44のY2方向の最大幅よりも大きい。
【0093】
第2部分44は、第1部分43と上面Sとの間に位置し、上面Sに設けられる。第2部分44はZ軸回りの側面44S(第1側面)を有する。側面44Sは連続的な曲面であってもよく、平面であってもよい。
【0094】
第1部分43は、第2部分44の側面44SよりもY2方向へ突出する。Y2方向における第2部分44の寸法D18は例えば15mm以上である。また、Z2方向における第2部分44の寸法D17は例えば15mm以上である。
【0095】
前述したように、適用例10における把持部40は、第1部分43と第2部分44とを有する。第1部分43は、図15に示すように、第2部分44の側面44SよりもY2方向へ突出する。また、Y2方向における第1部分43の最大幅は、Y2方向における第2部分44の最大幅よりも大きい。これにより、適用例9と同様の作用効果が得られる。
【0096】
[適用例11]
図16は、把持部40が取り得る形状の一例を示す模式図である。図17は、図16におけるd-d線の断面図である。把持部40は、図16に示すように、第1部分43および第2部分44に加えて、第3部分45をさらに有する構成であってもよい。第3部分45は、第2部分44と上面Sとの間に位置し、上面Sに設けられる。
【0097】
第3部分45は、Z軸回りの側面45Sを有する。側面45Sは連続的な曲面であってもよく、平面であってもよい。Z軸に垂直な方向における第3部分45の最大幅は、Z軸に垂直な方向における第2部分44の幅よりも大きいか同一である。具体的には、第3部分45のY2方向の最大幅は、第2部分44のY2方向の幅よりも大きいか同一である。換言すると、第2部分44のY2方向における幅は、Y2方向における第3部分45の幅よりも狭いか同一である。本実施形態では、Z軸に垂直な方向における第2部分44の最大幅は、第1部分43と第2部分44との境界部分、且つ、第2部分44と第3部分45との境界部分に相当する。従って、Z軸に垂直な方向における第3部分45の最大幅は、当該方向における第1部分43および第2部分44の最大幅と同一である。具体的には、図16に示すように、第3部分45のY2方向における最大幅は、第1部分43および第2部分44のY2方向における最大幅と同一である。
【0098】
Z2方向における第1部分43と第3部分45との間の最短距離D19は、例えば、15mm以上である。第3部分45の形状は特に限定されず、円盤状または球状などであってもよくその種類は問わない。また、第3部分45は、第1部分43と同じ構成であってもよく、異なる構成であってもよい。
【0099】
図17に示すように、把持部40が第3部分45を有する構成の場合、第2部分44は、図17に示すようにZ軸回りに間欠的に凹部Uが設けられてもよい。第2部分44は、Z軸回りに連続した凹部Uとしての曲面であってもよい。凹部Uは、例えば、第2部分44の径方向の中心に向かって形成されてもよい。凹部UのY2方向における断面形状は、図17に示すような半円形状に限定されず、三角状、矩形状、多角形状、半楕円状またはこれらが組み合わされた形状などその種類は問わない。
【0100】
図16および図17に示すように、第2部分44は、X1方向において、第1部分43と第2部分44との境界部分と、第2部分44と第3部分45との境界部分との間に、Z軸に垂直な方向における幅DD2を有する。第2部分44の幅DD2は、Z軸に垂直な方向における第1部分43の最大幅DD1およびZ軸に垂直な方向における第3部分45の最大幅DD3よりも狭い。このように、把持部40がくびれ形状を有することで、把持部40を把持しやすくなる。
【0101】
[適用例12]
図18は、把持部40が取り得る形状の一例を示す模式図であり、把持部40をZ1方向から見た平面図である。把持部40は、第1部分43のZ1方向から見た形状が十字状であってもよい。この場合、不図示のZ2方向における第2部分44の寸法は例えば15mm以上であってもよい。また、Z軸に直交する方向において、第1部分43の側面43Sと第2部分44との間の距離D16は、例えば15mm以上であってもよい。
【0102】
[適用例13]
図19および図20は、把持部40が取り得る形状の一例を示す模式図である。把持部40は、図19および図20に示すように、開口46を有する構成であってもよい。開口46は、Z2方向に開口してもよく、環状の開口であってもよい。開口46は、図20に示すような環状の開口である場合、開口46に内接する内接円47の直径Rは例えば15mm以上である。
【0103】
開口46の大きさ(横幅D20及び縦幅D21)はユーザの指が通る程度の大きさであれば特に限定されない。また、開口46の形状も特に限定されず、円状、楕円状、三角状、矩形状または多角形状などその種類は問わない。また、把持部40の開口46を区画する枠体の一部に切り欠きが設けられている形状でも構わない。
【0104】
前述したように、適用例13における把持部40は開口46を有し開口46に内接する内接円47の直径Rは15mm以上である。これにより、ユーザは把持部40の開口46に指を通すことができるので液体噴射ヘッド252を交換する上での安全性が向上する。
【0105】
[適用例14]
図21は、把持部40が取り得る形状の一例を示す模式図である。把持部40は、図3に示す液体噴射ヘッド252のZ軸回りの側面252Sよりも静止摩擦係数が大きくてもよい。これにより、把持部40に対してユーザの指が滑りにくくなるので、ユーザは把持部40を安定して掴むことができる。従って、液体噴射ヘッド252を交換する際の安定性が向上する。
【0106】
把持部40が側面252Sよりも静止摩擦係数が大きい場合、図21に示すように、把持部40の一部が弾性体48であってもよく、把持部40の全部が弾性体48であってもよい。弾性体48は、例えば、エラストマー(熱硬化性または熱可塑性のエラストマーなど)等のタック性を有する材料からなる。また、図21に示すように、把持部40の中心部40Cが弾性体48で覆われるなどの把持部40の一部が弾性体48である場合、当該弾性体48は例えばオレフィン系樹脂を含有する樹脂フィルムであることが好ましく、プロピレン系樹脂やエチレン系樹脂を含む樹脂フィルムであることがより好ましい。なお、前述したタック性とは、例えば、把持部40の表面に生じるベタベタ感(粘着感)を意味する。
【0107】
[適用例15]
図22および図23は、把持部40が取り得る形状の一例を示す模式図である。把持部40は溝T1を有する形状であってもよい。溝T1は、図22に示すように、Z軸回りに設けられ、Z2方向に沿って複数設けられてもよい。これにより、把持部40に対してユーザの指が滑りにくくなるので、ユーザは把持部40を安定して掴むことができる。従って、液体噴射ヘッド252を交換する際の安定性が向上する。把持部40に溝T1が設けられる場合、溝T1はZ軸回りに連続的に形成されてもよく間欠的に形成されてもよい。
【0108】
また、把持部40は溝T2を有する形状であってもよい。溝T2は、図23に示すように、Z1方向に沿って設けられ、Z軸回りに複数設けられてもよい。これにより、前述した段落[0107]と同様の作用効果が得られる。把持部40に溝T2が設けられる場合、溝T2は、Z1方向に沿って、連続的に形成されてもよく、間欠的に形成されてもよい。
【0109】
[適用例16]
図24は、把持部40が取り得る形状の一例を示す模式図である。把持部40は、図24に示すように、複数の凹部49を有する形状であってもよい。これにより、前述した段落[0107]と同様の作用効果が得られる。複数の凹部49は、例えば、ディンプル状の凹部から構成される。把持部40に複数の凹部49が形成される場合、凹部49の口径D22は例えば3mm以上5mm以下である。
【0110】
[適用例17]
把持部40は、Z軸回りに回動可能に構成されてもよい。これにより、ユーザは、液体噴射ヘッド252に対する自身の向きに依存せずに把持部40を掴むことができる。把持部40がZ軸回りに回動可能に構成される場合、把持部40の形状は図2および図10に示す形状であってもよく、前述した適用例3~適用例16のうちから任意選択される形状であってもよい。また、把持部40がZ軸回りに回動可能に構成される場合、把持部40の形状は、図2および図10に示す適用例と適用例3~16のうちから任意に選択された2以上の構成が相互に矛盾しない範囲で組み合わされた形状であってもよい。
【0111】
B:変形例
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく種々の変更を加え得る。前述の態様に付与され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0112】
(1)図25は、変形例における液体噴射ヘッド252の配列の一例を示す模式図である。液体噴射ヘッド252は図2に示すような形状に限定されず、例えばZ1方向から見た形状が正方形であってもよい。液体噴射ヘッド252のZ1方向から見た形状が正方形である場合、液体噴射ヘッド252は、図25に示すように、保持部材251にマトリクス状に等間隔で配置される。
【0113】
(2)図26は、変形例における把持部40の配列の一例を示す模式図である。複数の把持部40の各々は、Y軸方向からX軸方向に向かって所定角度する方向に沿って等間隔に配置されてもよい。
【0114】
(3)図27は、変形例における液体噴射ヘッド252の配列の一例を示す模式図である。複数の液体噴射ヘッド252の各々は、図27に示すように、X1方向及びY2方向において同じ位置に配置されてもよい。ここで、複数の把持部40の各々は、同図に示すように、X1方向及びY2方向において同じ位置に配置されてもよい。
【0115】
C:補足
前述の形態で例示した液体噴射装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用されてもよく、本発明の用途は特に限定されない。もっとも、液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
【0116】
さらに、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本発明は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0117】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0118】
D:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0119】
本開示のひとつの態様(態様1)に係る液体噴射ヘッドは、第1方向へ液体を噴射するヘッドであって、前記第1方向と直交する第2方向を短手方向とし、前記第1及び第2方向と直交する第3方向を長手方向とする長手形状のヘッドを複数有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを保持する保持部材とを具備し、前記ヘッドユニットは、第1ヘッドと、前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第2方向に配置された第2ヘッドと、前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3ヘッドと、を有し、前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第2把持部を有し、前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第3把持部を有し、前記第3方向における前記第2把持部の位置は、前記第3方向における前記第1把持部および前記第3把持部の位置と異なる。
この態様によれば、互いに隣り合う液体噴射ヘッドに設けられた各把持部の第3方向における位置が互いに異なるものとなるので、把持部同士の間隔が広くなり、ユーザが把持部を掴みやすくなる。
【0120】
態様1の具体例(態様2)によれば、前記第1ヘッド、前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドは、前記第3方向において同じ位置に配置され、前記第1把持部および前記第3把持部は、前記第3方向において同じ位置に配置される。
【0121】
態様2の具体例(態様3)によれば、前記第1ヘッドは、前記長手方向において、第1端部と前記第1端部とは反対の第2端部とを有し、前記第2ヘッドは、前記長手方向において、第3端部と前記第3端部とは反対の第4端部とを有し、前記第3ヘッドは、前記長手方向において、第5端部と前記第5端部とは反対の第6端部とを有し、前記第1把持部は、前記第1端部と、前記第1ヘッドの前記長手方向の中心との間に配置され、前記第2把持部は、前記第2ヘッドの前記第3端部と、前記第2ヘッドの前記長手方向の中心との間に配置され、前記第3把持部は、前記第3ヘッドの前記第5端部と、前記第3ヘッドの前記長手方向の中心との間に配置され、前記長手方向における前記第1端部から前記第2端部へ向かう方向は、前記長手方向における前記第5端部から前記第6端部へ向かう方向と同じであり、前記長手方向における前記第3端部から前記第4端部へ向かう方向と逆である。
この態様によれば、互いに隣り合う各ヘッドの構造を異ならせなくても、ヘッドを反転させて配置するだけで、互いに隣り合うヘッドの各把持部同士の間隔が広くなる。従って、液体噴射ヘッドの構造を変更するコストをかけずともユーザが把持部を掴む上での容易性が向上する。
【0122】
態様3の具体例(態様4)によれば、前記ヘッドユニットは、前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第3方向とは反対方向に配置された第4ヘッドと、前記第4ヘッドと隣り合い、前記第4ヘッドに対して当該反対方向に配置された第5ヘッドとをさらに有し、前記第4ヘッドは、前記第4ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第4把持部を有し、前記第5ヘッドは、前記第5ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第5把持部を有し、前記第4ヘッドは、前記長手方向において、第7端部と前記第7端部とは反対の第8端部とを有し、前記第5ヘッドは、前記長手方向において、第9端部と前記第9端部とは反対の第10端部とを有し、前記第4把持部は、前記第4ヘッドの前記第7端部と、前記第4ヘッドの前記長手方向の中心との間に配置され、前記第5把持部は、前記第5ヘッドの前記第9端部と、前記第5ヘッドの前記長手方向の中心との間に配置され、前記長手方向における前記第1端部から前記第2端部へ向かう方向は、前記長手方向における前記第7端部から前記第8端部へ向かう方向、および、前記長手方向における前記第9端部から前記第10端部へ向かう方向と同じである。
この態様によれば、第3方向に互いに隣り合うヘッドが同じ方向を向いて配置されているので各把持部同士の間隔が広くなり、ユーザが把持部を掴みやすくなる。
【0123】
態様1の具体例(態様5)によれば、前記第1把持部および前記第3把持部は、前記第3方向において同じ位置に配置され、前記第3方向における前記第2ヘッドの位置は、前記第3方向における前記第1ヘッドおよび前記第3ヘッドの位置と異なる。
この態様によれば、第1ヘッドと第2ヘッドと第3ヘッドとが同一構造であったとしても、第1把持部と第2把持部、および、第2把持部と第3把持部とが第3方向において異なる位置となる。従って、互いに隣り合うヘッドの各把持部同士の間隔が広くなり、ユーザが把持部を掴む上での容易性が向上する。
【0124】
態様5の具体例(態様6)によれば、前記第1ヘッド、前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドは、同じ構造であり、前記ヘッドユニットは、前記第1ヘッド、前記第2ヘッドおよび前記第3ヘッドと同じ構造である第4ヘッドであって、前記第4ヘッドから見て前記第1ヘッドと前記第3方向に隣り合い、前記第4ヘッドから見て前記第2ヘッドと前記第2方向に隣り合う前記第4ヘッドと、前記第4ヘッドと同じ構造である第5ヘッドであって、前記第5ヘッドから見て前記第3ヘッドと前記第3方向に隣り合い、前記第2ヘッドから見て前記第2方向に隣り合う前記第5ヘッドをさらに有し、前記第1ヘッドと前記第4ヘッドとの間隔は、15mm以下であり、前記第3ヘッドと前記第5ヘッドとの間隔は、15mm以下である。
【0125】
態様1から態様6の何れかの具体例(態様7)によれば、前記第2把持部は、前記第2方向から見て、前記第1把持部および前記第3把持部と重ならない。
この態様によれば、第2把持部が、第2方向から見て、第1把持部および第3把持部と重ならない位置に配置されるので、重なっている場合と比較して、各把持部同士の間隔が広くなり把持部が把持されやすくなる。
【0126】
態様1から態様7の何れかの具体例(態様8)によれば、前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔と、前記第2方向における前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、前記第2方向における前記第1把持部の幅よりも狭い。
【0127】
本開示のひとつの態様(態様9)に係る液体噴射装置は、第1方向へ液体を噴射するヘッドを複数有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを保持する保持部材とを具備し、前記ヘッドユニットは、第1ヘッドと、前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第1方向と直交する第2方向に配置された第2ヘッドと、前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3ヘッドと、を有し、前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第2把持部を有し、前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第3把持部を有し、前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔、および、前記第2方向における前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、ヒトの手の指の太さよりも狭く、前記第1把持部と前記第2把持部との最大間隔、および、前記第2把持部と前記第3把持部との最大間隔は、ヒトの手の指の太さ以上である。
この態様によれば、互いに隣り合うヘッドの各把持部同士の隙間に指を挿入することができるので、ヘッド交換の容易性が向上する。
【0128】
態様9の具体例(態様10)によれば、前記ヒトの手の指の太さは、ヒトの親指の太さであるので、ユーザは親指を使用してヘッドを交換することができヘッド交換の容易性がより向上する。
【0129】
本開示のひとつの態様(態様11)に係る液体噴射装置は、第1方向へ液体を噴射するヘッドを複数有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを保持する保持部材とを具備し、前記ヘッドユニットは、第1ヘッドと、前記第1ヘッドと隣り合い、前記第1ヘッドに対して前記第1方向と直交する第2方向に配置された第2ヘッドと、前記第2ヘッドと隣り合い、前記第2ヘッドに対して前記第2方向に配置された第3ヘッドと、を有し、前記第1ヘッドは、前記第1ヘッドを把持するための、前記第1方向とは反対方向の第4方向を向く上面に設けられた第1把持部を有し、前記第2ヘッドは、前記第2ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第2把持部を有し、前記第3ヘッドは、前記第3ヘッドを把持するための、前記第4方向を向く上面に設けられた第3把持部を有し、前記第2方向における前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間隔、および、前記第2方向における前記第2ヘッドと前記第3ヘッドとの間隔は、15mmよりも小さく、前記第1把持部と前記第2把持部との最大間隔、および、前記第2把持部と前記第3把持部との最大間隔は、15mm以上である。
【0130】
態様11の具体例(態様12)によれば、前記第1把持部の中心を通り、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に延びる第1中心軸と、前記第2把持部の中心を通り、前記第3方向に延びる第2中心軸との間隔は、15mmよりも小さく、前記第2中心軸と、前記第3把持部の中心を通り、前記第3方向に延びる第3中心軸との間隔は、15mmよりも小さい。
【0131】
態様1から態様12の具体例(態様13)によれば、前記第1把持部の高さは、18mm以上であり、前記第1把持部の幅は、20mm以上50mm以下である。
【符号の説明】
【0132】
40…把持部、40a…第1把持部、40b…第2把持部、40c…第3把持部、40d…第4把持部、40e…第5把持部、43…第1部分、44…第2部分、45…第3部分、46…開口、100…液体噴射装置、250…ヘッドユニット、251…保持部材、252…液体噴射ヘッド、252a…第1液体噴射ヘッド、252b…第2液体噴射ヘッド、252c…第3液体噴射ヘッド、252d…第4液体噴射ヘッド、252e…第5液体噴射ヘッド、E1,E3,E5,E7,E9…第1端部、E2,E4,E6,E8,E10…第2端部、S,S1,S2,S3,S4,S5…上面、T1,T2…溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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図27