(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷装置の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A45D 29/00 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
A45D29/00
(21)【出願番号】P 2020053482
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 修一
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-154502(JP,A)
【文献】特開2013-034748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地を塗布する予定の仮下地領域を設定する仮下地設定手段と、
ベースデザインの領域であって、前記仮下地領域の外接多角形に対応した外形を有
し、前記仮下地領域の外接多角形のうち前記仮下地領域以外の非印刷領域に対応する部分が含まれている仮デザイン領域を設定する仮デザイン設定手段と、
前記下地が塗布された爪の下地領域を検出する下地領域検出手段と、
前記下地領域検出手段が検出した、前記下地領域の外接多角形の外形に対して前記仮デザイン領域の外形を合わせるように前記仮デザイン領域を調整し、当該調整された仮デザイン領域のうち前記下地領域と重なる部分をデザイン領域として設定してデザイン印刷用データを生成するデザイン設定手段と、
前記デザイン印刷用データに基づいて前記爪にデザイン印刷を行う印刷手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
爪の形状を検出する爪形状検出手段を備え、
前記仮下地設定手段は、前記爪形状検出手段が検出した前記爪の形状のうちの印刷領域として前記仮下地領域を設定して下地印刷用データを生成し、
前記印刷手段は、前記下地印刷用データに基づいて前記爪に前記下地を印刷することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
印刷領域及び非印刷領域を有するフレンチネイルの画像データであるフレンチデザインデータと、前記印刷領域及び前記非印刷領域を表すフレンチ形状データとを対応付けて予め記憶した記憶手段と、
所望のフレンチデザインデータに対応する前記フレンチ形状データを前記記憶手段から読み出す読出手段と、
を備え、
前記仮下地設定手段は、前記爪形状検出手段が検出した前記爪の形状に、前記読出手段が読み出した前記フレンチ形状データを配置し、前記爪の形状のうちの前記印刷領域として前記仮下地領域を設定することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記フレンチデザインデータ及び前記フレンチ形状データと、前記印刷領域に印刷される前記ベースデザインとを対応付けて予め記憶し、
前記読出手段は、所望のフレンチデザインデータに対応する前記フレンチ形状データ及び前記ベースデザインを前記記憶手段から読み出し、
前記仮デザイン設定手段は、前記爪形状検出手段が検出した前記爪の形状に、前記読出手段が読み出した前記ベースデザインを配置して仮デザイン印刷用データを生成することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記外接多角形は外接四角形であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記デザイン設定手段は、前記下地領域の外接多角形に前記仮デザイン領域の外形を一致させるように、前記仮デザイン領域の位置、前記仮デザイン領域の傾き、前記仮デザイン領域のサイズの少なくとも1つを調整する、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷装置の制御方法であって、
制御手段が、
下地を塗布する予定の仮下地領域を設定する仮下地設定工程と、
ベースデザインの領域であって、前記仮下地領域の外接多角形に対応した外形を有
し、前記仮下地領域の外接多角形のうち前記仮下地領域以外の非印刷領域に対応する部分が含まれている仮デザイン領域を設定する仮デザイン設定工程と、
前記下地が塗布された爪の下地領域を検出する下地領域検出工程と、
前記下地領域検出工程によって検出された、前記下地領域の外接多角形の外形に対して前記仮デザイン領域の外形を合わせるように前記仮デザイン領域を調整し、当該調整された仮デザイン領域のうち前記下地領域と重なる部分をデザイン領域として設定するデザイン設定工程と、
を実行することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項8】
印刷装置の制御プログラムであって、
コンピュータに、
下地が塗布される予定の仮下地領域を設定する仮下地設定手段、
ベースデザインの領域であって、前記仮下地領域の外接多角形に対応した外形を有
し、前記仮下地領域の外接多角形のうち前記仮下地領域以外の非印刷領域に対応する部分が含まれている仮デザイン領域を設定する仮デザイン設定手段、
前記下地が塗布された爪の下地領域を検出する下地領域検出手段、
前記下地領域検出手段が検出した、前記下地領域の外接多角形の外形に対して前記仮デザイン領域の外形を合わせるように前記仮デザイン領域を調整し、当該調整された仮デザイン領域のうち前記下地領域と重なる部分をデザイン領域として設定するデザイン設定手段、
として機能させることを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人の指の爪等にネイルデザインを印刷する印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の印刷装置において、印刷領域と非印刷領域が混在するフレンチネイル等を印刷する場合、印刷領域に白色等の下地塗料を印刷したうえで、その上に色印刷(デザイン印刷)を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、下地印刷とデザイン印刷との間では、白インクの乾燥や色インク用の受容層の塗布等のために、装置からの指の抜き差しが行われる等して爪が動く可能性がある。そのため、下地領域とデザイン領域とがずれてしまい、下地はみ出しが発生するなどして印刷品位が低下するおそれがあった。画像処理により下地領域とデザイン領域とを整合させることもできるが、計算コストが嵩むため好ましくない。
【0005】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、印刷品位の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の印刷装置は、
下地を塗布する予定の仮下地領域を設定する仮下地設定手段と、
ベースデザインの領域であって、前記仮下地領域の外接多角形に対応した外形を有し、前記仮下地領域の外接多角形のうち前記仮下地領域以外の非印刷領域に対応する部分が含まれている仮デザイン領域を設定する仮デザイン設定手段と、
前記下地が塗布された爪の下地領域を検出する下地領域検出手段と、
前記下地領域検出手段が検出した、前記下地領域の外接多角形の外形に対して前記仮デザイン領域の外形を合わせるように前記仮デザイン領域を調整し、当該調整された仮デザイン領域のうち前記下地領域と重なる部分をデザイン領域として設定してデザイン印刷用データを生成するデザイン設定手段と、
前記デザイン印刷用データに基づいて前記爪にデザイン印刷を行う印刷手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷品位の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態におけるネイルプリント装置の内部構成を示す要部斜視図である。
【
図2】実施形態におけるネイルプリント装置と端末装置の概略の制御構成を示す制御ブロック図である。
【
図3】実施形態におけるフレンチデザインテーブルの一例を示す図である。
【
図4】実施形態における印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】実施形態における印刷処理を説明するための図である。
【
図6】実施形態における印刷処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から
図6を参照しつつ、本発明に係る印刷装置の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、印刷装置が手の指の爪を印刷対象としてこれに印刷するネイルプリント装置である場合を例に説明するが、本発明における印刷装置の印刷対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を印刷対象としてもよい。また、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、爪以外のものを印刷対象としてもよい。
【0010】
図1は、ネイルプリント装置1の内部構成を示す要部斜視図である。
なお、以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、
図1に示した向きをいうものとする。また、X方向は左右方向、Y方向は前後方向をいうものとする。
【0011】
図1に示すように、ネイルプリント装置1は、各種の内部構造物が組み込まれた基台3を備える。
基台3の上側には、ほぼ平坦な基台上板30が配置されている。基台上板30は、後述の指固定部6に印刷指を固定した状態における爪の表面(印刷対象面)とほぼ面一となる高さに配置されている。
【0012】
基台上板30のうちの前側(手前側)部分であって左右方向のほぼ中央部には、指固定部6が配置されている。指固定部6は、装置前面側に開口する開口部61を有する箱状の部材であり、開口部61から装置内に印刷対象の爪(印刷指)が挿入され、この爪に対して印刷が行われる。
指固定部6内には印刷指を固定する指固定部材62が配置されている。指固定部材62は、印刷指を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。
指固定部6の天面奥側(後側)は、開口した窓部63となっている。窓部63からは指固定部6内に挿入された指の爪が露出するようになっている。
指固定部6の天面手前側(前側)は、印刷指の浮き上がりを防止して印刷指の上方向の位置を規制する指押え部64となっている。印刷指が下側から指固定部材62によって支持され、印刷指の上側が指押え部64によって押さえられることで、印刷指の爪の表面(印刷対象面)の高さ方向の位置が印刷部40による印刷を行うのに適した所定の位置に位置決めされる。
【0013】
また、装置内部には、印刷対象面に印刷を施す印刷部40が設けられている。ここで、印刷対象面とは印刷対象の表面であり、本実施形態では指の爪の表面である。
印刷部40は、印刷ヘッドとしての機能を有するカートリッジ7、カートリッジ7を支持するカートリッジホルダ8、カートリッジ7を左右方向に沿ったX方向に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46(
図2参照)、カートリッジ7を前後方向に沿ったY方向に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48(
図2参照)等を備えて構成されている。
【0014】
Y方向移動ステージ47は、基台上板30における左右方向の両側部に、それぞれ前後方向(Y方向)に延在して設けられた支持部材471を有している。
これら一対の支持部材471の延在方向における両端部にはそれぞれプーリー477が取り付けられている。装置左側及び装置右側のプーリー477には、前後方向に延在する駆動ベルト474がそれぞれ巻回されている。
装置後側に設けられているプーリー477は、駆動軸部476の両端部に取り付けられている。この駆動軸部476には、Y方向移動モータ48(
図2参照)が接続されており、このY方向移動モータ48が駆動することで駆動軸部476及びこれに取り付けられているプーリー477が適宜正逆方向に回転する。
プーリー477の回転により、プーリー477に巻回されている駆動ベルト474も回転し、これによりX方向移動ステージ45(及びX方向移動ステージ45に搭載されているカートリッジ7)がY方向に移動可能となっている。
また、支持部材471上には駆動ベルト474と平行して前後方向に延在するガイド軸475が設けられている。
【0015】
X方向移動ステージ45は、左右方向(X方向)に延在する矩形箱状に形成され、基台上板30の後端部に設けられている。
X方向移動ステージ45の左右両端部にはそれぞれガイド軸475が挿通されており、Y方向移動モータ48(
図2参照)が駆動して駆動ベルト474が回転することによって、X方向移動ステージ45がガイド軸475に沿ってY方向に移動可能となっている。
【0016】
また、X方向移動ステージ45の内側には図示しないプーリーが設けられており、このプーリーには、左右方向に延在する駆動ベルト454が巻回されている。また、X方向移動ステージ45の内側には、この駆動ベルト454とほぼ平行して左右方向に延在するガイド軸455が設けられている。
X方向移動ステージ45には、カートリッジ7を着脱可能に保持するカートリッジホルダ8が搭載されている。
カートリッジホルダ8の背面側(
図1において後側)には、ガイド軸455が挿通されたホルダ支持部材(図示省略)が設けられている。
カートリッジホルダ8は、X方向移動モータ46(
図2参照)が駆動して駆動ベルト454が回転することによって、X方向移動ステージ45内をガイド軸455に沿ってX方向に移動可能となっている。
【0017】
本実施形態では、X方向移動モータ46とY方向移動モータ48等により、印刷ヘッドとしてのカートリッジ7をX方向及びY方向に移動可能なヘッド移動機構49(
図2参照)が構成されており、後述する制御装置80によりその動作が制御される。
【0018】
本実施形態のカートリッジ7は、上述のとおり印刷ヘッドとして機能するものであり、その下面のインク吐出部から微滴化したインクを印刷対象(爪)の被印刷面に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式のインクジェットヘッドである。カートリッジ7は、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクを吐出可能となっている。また、本実施形態のカートリッジ7は、下地塗料としての白色インクも吐出可能となっている。インクジェット印刷では、色合いに下地の色が大きく影響するため、白色の下地を印刷しておくと綺麗な発色を得ることができる。
カートリッジ7は、基台上板30よりも上側の領域を移動するように構成されている。
【0019】
基台上板30のうちの後部右側は、非印刷時にカートリッジ7(カートリッジホルダ8)が待機するホームポジションAr1となっている。ホームポジションAr1には、カートリッジ7下面のインク吐出面を覆って乾燥等から保護するキャップ部(図示省略)が設けられている。
また、基台上板30のうちの後部左側は、非印刷時にカートリッジ7のクリーニング等のメンテナンスを行うメンテナンス領域Ar2となっている。メンテナンス領域Ar2には、パージ(スピット)処理を行うパージ部72と、インク吐出面をワイプするワイプ部73と、ワイプ部73のワイプ部材に付着したインクを除去するスクレープ部74とが設けられている。
また、基台上板30のうちの前側部分であって左右方向のほぼ中央部は、指固定部6の窓部63に対応する領域であって、印刷時においてカートリッジ7が印刷動作を行う印刷領域Ar3となっている。
【0020】
図2は、ネイルプリント装置1と後述の端末装置9の概略の制御構成を示す制御ブロック図である。
この図に示すように、ネイルプリント装置1は、上述した印刷部40のほかに、撮影部50と、通信部55と、制御装置80とを備えている。
【0021】
撮影部50は、撮影装置51と、照明装置52とを備えている。
撮影部50は、指固定部6の窓部63の上方に配置され、指固定部6に配置された印刷指の爪を照明装置52で照明しつつ撮影装置51でその印刷指を撮影し、印刷指の爪の画像である爪画像(爪画像を含む指の画像)を取得する。
なお、撮影部50は、カートリッジ7を移動させるヘッド移動機構49によってXY方向に移動可能に構成されていてもよい。
撮影装置51は、例えば、200万画素以上の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)型やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型等の固体撮影素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。また、照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。
【0022】
通信部55は、ネイルプリント装置1と連携して動作する後述の端末装置9との間で情報の送受信が可能に構成されたものである。
ネイルプリント装置1と端末装置9との間での通信は、例えば無線LAN等により行われる。なお、ネイルプリント装置1と端末装置9との間での通信はこれに限定されず、いかなる方式によるものでもよい。例えば、インターネット等のネットワーク回線を使うものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信規格に基づく無線通信を行うものであってもよい。また、この通信は無線に限定されず、有線接続により両者間で各種データの送受信が可能な構成としてもよい。通信部55は端末装置9の通信方式に対応するアンテナチップ等を備えている。
【0023】
制御装置80は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)821及びRAM(Random Access Memory)822等を有して構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
【0024】
記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROM821には、例えば印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御される。
【0025】
記憶部82のRAM822には、フレンチデザインテーブル823が格納されている。
フレンチデザインテーブル823は、
図3に示すように、フレンチデザイン(データ)Fと、フレンチ形状データKと、デザインデータ(ベースデザイン)Dとを対応付けて予め複数組格納したテーブルである。
フレンチデザインFは、印刷領域と非印刷領域とが混在するフレンチネイルの画像データである。フレンチ形状データKは、対応するフレンチデザインFの印刷領域と非印刷領域を表す画像データである。デザインデータDは、対応するフレンチデザインFのうちの印刷領域に印刷されるデザイン部分の画像データである。
【0026】
図2に示すように、制御部81は、撮影制御部811、印刷制御部813、通信制御部814等の機能部を備えている。これら各機能部の機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROM821に記憶されたプログラムとの協働によって実現される。
【0027】
撮影制御部811は、撮影部50の撮影装置51及び照明装置52を制御し、撮影装置51により、指固定部6に固定された印刷指の爪の画像を含む指の画像(爪画像)を撮影させる。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、通信部55を介して後述の端末装置9に送信される。なお、画像データは記憶部82に記憶されてもよい。
【0028】
印刷制御部813は、後述の端末装置9から送信された印刷用データに基づいて印刷部40に制御信号を出力し、爪に対してこの印刷用データにしたがった印刷を施すように印刷部40のX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48、カートリッジ7等を制御する。
【0029】
通信制御部814は、通信部55の動作を制御するものである。本実施形態では、通信制御部814は、後述の端末装置9との間での通信を制御し、当該端末装置9から印刷用データ等が送信された場合にこれを受信する。
【0030】
また、本実施形態のネイルプリント装置1は、端末装置9との間で通信可能に構成されており、端末装置9からの動作指令に基づいて印刷動作等を実行する。
【0031】
端末装置9は、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末である。ただし、端末装置9は、ネイルプリント装置1と通信可能なものであれば特に限定されず、例えばノート型又は定置型のパソコンや、ゲーム用の端末装置等であってもよい。
具体的に、端末装置9は、操作部91、表示部92、通信部94、制御装置95等を備えている。
【0032】
操作部91は、ユーザの操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、操作部91が操作されると、当該操作に対応する入力信号が制御装置95に送信される。なお、本実施形態では表示部92の表面にタッチパネルが一体的に設けられており、ユーザはタッチパネルへのタッチ操作によっても各種の入力・設定等の操作を行うことができるようになっている。
なお、各種の入力・設定等の操作を行う操作部91はタッチパネルである場合に限定されない。例えば各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等が操作部91として設けられていてもよい。
本実施形態では、ユーザが操作部91を操作することで、爪に印刷するネイルデザインの選択等ができる。
【0033】
表示部92に構成されているタッチパネルは、後述する制御部951の制御にしたがって各種の表示画面を表示させる。
本実施形態では、表示部92には、ユーザが操作部91から入力・選択したネイルデザインや、ネイルプリント装置1から送信された画像等が表示可能となっている。
【0034】
通信部94は、ネイルプリント装置1に対して印刷用データを送信することが可能となっている。また、通信部94は、ネイルプリント装置1から爪画像等のデータが送信されたときには、これを受信する。通信部94は、ネイルプリント装置1の通信部55との間で通信可能な無線通信モジュール等を備えている。
なお、通信部94は、ネイルプリント装置1との間で通信を行うことのできるものであればよく、ネイルプリント装置1の通信部55の通信規格と合致するものが適用される。
【0035】
制御装置95は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等により構成される制御部951と、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶部952とを備えるコンピュータである。
【0036】
記憶部952には、端末装置9の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、本実施形態のROM等には、端末装置9の各部を統括制御するための動作プログラムの他、ネイルプリント装置1を用いたネイルプリントを行うためのネイルプリントアプリケーションプログラム等の各種プログラムが格納されており、制御装置95がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して実行することによって、端末装置9が制御される。
また、本実施形態の記憶部952には、ネイルデザインのデータや、爪の画像及び爪の形状の情報等が格納される。また、上述のフレンチデザインテーブル823は、端末装置9の記憶部952に格納されていてもよい。
【0037】
制御部951は、端末装置9の各部の動作を統合的に制御する。制御部951は、記憶部952に記憶されたプログラムとの協働により、爪への印刷を行うための各種機能を実現する。
【0038】
続いて、爪への印刷を実行する際のネイルプリント装置1の動作について説明する。
図4は、ネイルプリント装置1の印刷処理の流れを示すフローチャートであり、
図5及び
図6は、この印刷処理を説明するための図である。
本実施形態の印刷処理では、印刷領域と非印刷領域とが混在するフレンチネイルの印刷が行われる。
なお、以下では、便宜上、ネイルプリント装置1の制御装置80(制御部81)を処理の主たる実行主体として記載するが、ユーザが操作する端末装置9を含むシステム全体の動作制御は、通信部を通じた端末装置9の制御装置95(制御部951)との連携により適宜実行される。
【0039】
図4に示すように、印刷処理が実行されると、まず制御部81は、ユーザ操作に基づいてフレンチデザインを選択する(ステップS1)。ユーザは、例えば表示部92に表示されたフレンチデザインリストのなかから、所望のフレンチデザインFを選択する。
本実施形態では、例えばフレンチデザインF1(1番目のフレンチデザインF)が選択される(
図3参照)。
【0040】
次に、制御部81は、記憶部82からフレンチデザインテーブル823を読み出し、ステップS1で選択されたフレンチデザインFに対応するフレンチ形状データKとデザインデータDを取得する(ステップS2)。
本実施形態では、フレンチデザインF1に対応するフレンチ形状データK1とデザインデータD1が読み出されて取得される(
図3参照)。
【0041】
次に、制御部81は、撮影制御部811により、印刷を行う爪を撮影し、爪形状検出手段として当該爪の形状を認識する(ステップS3)。
ここでは、撮影制御部811が、撮影部50を制御して、指固定部6の窓部63から露出した印刷指の爪を撮影する。制御部81は、取得された爪画像から爪の形状(爪輪郭)を認識し、表示部92に表示させる。なお、事前に取得された爪画像(爪輪郭)や、標準の爪輪郭を用いる場合には、これを表示させてもよい。
【0042】
次に、制御部81は、爪輪郭にフレンチ形状データKを配置して、白色の下地塗料を印刷する予定の「仮」下地領域を設定し、その下地印刷用データを生成する(ステップS4)。ここで設定される下地領域は、後述するように実際のものと異なる可能性があるため、現段階で予定されるものとして「仮」を付して呼称する。
ここでは、制御部81は、ステップS3で爪輪郭が表示された表示部92に、ステップS2で取得されたフレンチ形状データKを表示させ、ユーザ操作により(又は自動で)、フレンチ形状データKと爪輪郭との位置合わせ及びフィッティング(拡縮)を行う。そして、爪輪郭のうちフレンチ形状データKの印刷領域として、仮下地領域A1が設定され、その座標情報とインク色(白色)情報とを含む下地印刷用データが生成される。
本実施形態では、
図5(a)に示すように、爪輪郭Tにフレンチ形状データK1がフィッティング等されて、
図5(b)に示すように、仮下地領域A1(ハッチングの部分)が設定され、その座標情報とインク色(白色)情報とを含む下地印刷用データが生成される。
【0043】
次に、制御部81は、フレンチ形状データKが配置された爪輪郭にデザインデータDを配置して、「仮」デザイン領域を設定し、その「仮」デザイン印刷用データを生成する(ステップS5)。ここで設定・生成されるデザイン領域及びデザイン印刷用データは、仮下地領域A1に対応するものであるため、「仮」を付して呼称する。
ここでは、制御部81は、爪輪郭とフレンチ形状データKが表示された表示部92に、ステップS2で取得されたデザインデータDを表示させ、ユーザ操作により(又は自動で)、デザインデータDと爪輪郭及びフレンチ形状データKとの位置合わせ及びフィッティング(拡縮)を行う。そして、ステップS4においてフレンチ形状データKを爪輪郭にフィッティング等して設定された仮下地領域A1に対応する仮デザイン領域を設定する。このとき、仮デザイン領域は、仮下地領域A1の形状(外形)ではなく、仮下地領域A1の外接四角形に対応した四角形の外形の領域として設定する。この外接四角形は、特に限定はされないが、X方向又はY方向に沿った各辺を有するものである。
本実施形態では、
図5(c)、(d)に示すように、爪輪郭Tにフレンチ形状データK1をフィッティング等してなる仮下地領域A1(ハッチング部分)の外接四角形C1に対応した形状と大きさの四角形の外形C2を有する仮デザイン領域B1が設定され、その座標情報とインク色情報とを含む仮デザイン印刷用データが生成される。
【0044】
次に、制御部81は、ステップS4で生成した下地印刷用データに基づいて、下地となる白色印刷を実行する(ステップS6)。
その後、制御部81は下地領域検出手段として働き、撮影制御部811により、印刷する爪を撮影し、
図5(e)で示す、爪Tに白色印刷された実際の下地領域A2(ハッチング部分)を認識する(ステップS7)。このステップは下地領域A2の位置確認のためであり、ステップS6の白色印刷の後に印刷指が動いていなければ当該ステップは不要である。しかし、ステップS6の白色印刷の後は、白インクの乾燥が必要であったり、白インク上に色インク用の受容層の塗布が必要な場合があったりして、印刷指の抜き挿し等による爪の位置ずれが生じる可能性がある。そこで、このステップS7で再度爪を撮影して実際の下地領域A2の位置を確認しておく。
【0045】
次に、制御部81は、ステップS7で認識した、
図5(e)で示す実際の下地領域A2の外接四角形C3の外形に対し、仮デザイン領域B1の外形を合わせるようにして、ステップS5で生成した仮デザイン印刷用データを調整し、デザイン領域を設定してデザイン印刷用データを生成する(ステップS8)。
このステップでは、爪画像から実際の下地領域A2が検出され、この下地領域A2の外接四角形に仮デザイン領域の外形を一致させるように当該仮デザイン領域B1の位置、傾き及びサイズ(トリミング領域)の少なくとも1つが調整され、当該調整された仮デザイン領域B1のうち下地領域A2と重なる部分がデザイン領域として設定される。そして、デザイン領域の座標情報とインク色情報とを含むデザイン印刷用データが生成される。
【0046】
ここで、
図6(a)に示すように、仮に、仮下地領域A1の形状に対応したデザイン領域B3を予め生成しておき、実際の下地領域A2にこれを合わせようとした場合、
図6(b)に示すように、印刷指が動いたりした場合に実際の下地領域A2(破線で囲まれた部分)とデザイン領域B3とがずれやすく、少しでもずれると下地はみ出しW(ハッチング部分)が発生してしまう。
この点、本実施形態では、仮下地領域A1の外接四角形C1に対応した外形C2の仮デザイン領域B1を予め生成しておき、
図6(c)に示すように、実際の下地領域A2の外接四角形C1に対して仮デザイン領域B1の外形C2を合わせることでデザイン領域B2を設定している。すなわち、仮デザイン領域B1には、仮下地領域A1の外接四角形C1のうち当該仮下地領域A1以外の非印刷領域N(
図5(c)参照)に対応する部分が、位置ずれに対する裕度として予め含まれている。そのため、デザイン領域B2を設定する際に実際の下地領域A2と仮デザイン領域B1とが多少ずれた場合であっても、デザイン領域B2からの下地はみ出しWを小さく抑える等することができる。
【0047】
その後、制御部81は、ステップS8で生成したデザイン印刷用データに基づいて、デザイン印刷を実行する(ステップS9)。これにより、
図6(d)に示すように、所望のフレンチデザインFを印刷することができる。
そして、制御部81は、デザイン印刷が完了した後、印刷処理を終了させる。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、下地が塗布される予定の仮下地領域A1の外接四角形C1に対応した外形C2を有する仮デザイン領域B1が設定され、実際の下地領域A2の外接四角形C1に対して外形C2を合わせるように仮デザイン領域B1を調整して、当該調整された仮デザイン領域B1のうち実際の下地領域A2と重なる部分がデザイン領域B2として設定される。
すなわち、仮デザイン領域B1には、仮下地領域A1の外接四角形C1のうち当該仮下地領域A1以外の非印刷領域Nに対応する部分が、位置ずれに対する裕度として予め含まれている。そのため、デザイン領域B2を設定する際に実際の下地領域A2と仮デザイン領域B1とが多少ずれた場合であっても、デザイン領域B2からの下地はみ出しWを小さく抑える等することができる。したがって、印刷品位の低下を抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、フレンチデザインFと、フレンチ形状データKと、デザインデータDとが対応付けられてフレンチデザインテーブル823として予め記憶部82に記憶されている。そして、所望のフレンチデザインFに対応するフレンチ形状データKが記憶部82から読み出され、このフレンチ形状データKに基づいて仮下地領域A1が設定される。また、所望のフレンチデザインFに対応するデザインデータDが記憶部82から読み出され、このデザインデータDに基づいて仮デザイン印刷用データが生成される。
これにより、ユーザは所望のフレンチデザインFを選択するだけで、簡便に仮下地領域A1の設定や仮デザイン印刷用データの生成等を実行できる。
【0050】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0051】
例えば、本実施形態では、ステップS5において仮下地領域A1の外接四角形に対応する外形の仮デザイン領域B1を設定し、ステップS8において実際の下地領域A2の外接四角形に仮デザイン領域B1の外形を合わせてデザイン領域を設定することとした。しかし、これらのステップで用いる外接四角形は、外接多角形であればよい。
【0052】
また、下地は白色以外の色であってもよいし、印刷でなく手塗りであってもよい。
また、本発明に係る印刷装置は、フレンチネイルを印刷するものに限定されない
【0053】
また、本実施形態では、ネイルプリント装置1がインクジェット方式で印刷を行う構成としたが、ネイルプリント装置1が印刷を行う手法はインクジェット方式に限定されない。
例えば、爪の表面にペン先を接触させて印刷を行う印刷用のペンを保持するペンホルダを備え、ペンを用いて印刷を行うようにしてもよい。また、本実施形態のようなインクジェット方式の印刷手段と印刷用のペンを保持するペンホルダとを両方備え、複数の印刷手段を用いて印刷を行う構成としてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、ネイルプリント装置1が端末装置9と連携して印刷システムを構成し、印刷開始指示の入力等を端末装置9側で行った上で、印刷動作をネイルプリント装置1側で実行する場合を例示したが、ネイルプリント装置1はここに示すようなものに限定されない。
例えば、各種指示を入力する操作部や表示部、印刷用データを生成する印刷データ生成部等をネイルプリント装置1側に設けて、ネイルプリント装置1の制御装置がこれらの処理を行うようにしてもよい。このように構成した場合には、端末装置と連携することなく、ネイルプリント装置1が単体で印刷動作を完結できるように構成することもできる。
【0055】
また、ネイルデザインや撮影された画像データ、印刷傾き設定テーブル等の各種データは、端末装置の記憶部に記憶されてもよいし、ネイルプリント装置1の記憶部に記憶されていてもよい。
また、ネットワーク回線等を介して接続可能なサーバ装置等に各種データを記憶させておき、端末装置又はネイルプリント装置1がサーバ装置等にアクセスしてこのデータを参照可能に構成してもよい。
このようにすることで、より多くのネイルデザインの中から印刷するデザインを選択することなどが可能となる。
【0056】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
下地を塗布する予定の仮下地領域を設定する仮下地設定手段と、
ベースデザインの領域であって、前記仮下地領域の外接多角形に対応した外形を有する仮デザイン領域を設定する仮デザイン設定手段と、
前記下地が塗布された爪の下地領域を検出する下地領域検出手段と、
前記下地領域検出手段が検出した、前記下地領域の外接多角形の外形に対して前記仮デザイン領域の外形を合わせるように前記仮デザイン領域を調整し、当該調整された仮デザイン領域のうち前記下地領域と重なる部分をデザイン領域として設定してデザイン印刷用データを生成するデザイン設定手段と、
前記デザイン印刷用データに基づいて前記爪にデザイン印刷を行う印刷手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
爪の形状を検出する爪形状検出手段を備え、
前記仮下地設定手段は、前記爪形状検出手段が検出した前記爪の形状のうちの印刷領域として前記仮下地領域を設定して下地印刷用データを生成し、
前記印刷手段は、前記下地印刷用データに基づいて前記爪に前記下地を印刷することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
印刷領域及び非印刷領域を有するフレンチネイルの画像データであるフレンチデザインデータと、前記印刷領域及び前記非印刷領域を表すフレンチ形状データとを対応付けて予め記憶した記憶手段と、
所望のフレンチデザインデータに対応する前記フレンチ形状データを前記記憶手段から読み出す読出手段と、
を備え、
前記仮下地設定手段は、前記爪形状検出手段が検出した前記爪の形状に、前記読出手段が読み出した前記フレンチ形状データを配置し、前記爪の形状のうちの前記印刷領域として前記仮下地領域を設定することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
前記記憶手段は、前記フレンチデザインデータ及び前記フレンチ形状データと、前記印刷領域に印刷される前記ベースデザインとを対応付けて予め記憶し、
前記読出手段は、所望のフレンチデザインデータに対応する前記フレンチ形状データ及び前記ベースデザインを前記記憶手段から読み出し、
前記仮デザイン設定手段は、前記爪形状検出手段が検出した前記爪の形状に、前記読出手段が読み出した前記ベースデザインを配置して仮デザイン印刷用データを生成することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
<請求項5>
前記外接多角形は外接四角形であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項6>
前記デザイン設定手段は、前記下地領域の外接多角形に前記仮デザイン領域の外形を一致させるように、前記仮デザイン領域の位置、前記仮デザイン領域の傾き、前記仮デザイン領域のサイズの少なくとも1つを調整する、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項7>
印刷装置の制御方法であって、
制御手段が、
下地を塗布する予定の仮下地領域を設定する仮下地設定工程と、
ベースデザインの領域であって、前記仮下地領域の外接多角形に対応した外形を有する仮デザイン領域を設定する仮デザイン設定工程と、
前記下地が塗布された爪の下地領域を検出する下地領域検出工程と、
前記下地領域検出工程によって検出された、前記下地領域の外接多角形の外形に対して前記仮デザイン領域の外形を合わせるように前記仮デザイン領域を調整し、当該調整された仮デザイン領域のうち前記下地領域と重なる部分をデザイン領域として設定するデザイン設定工程と、
を実行することを特徴とする印刷装置の制御方法。
<請求項8>
印刷装置の制御プログラムであって、
コンピュータに、
下地が塗布される予定の仮下地領域を設定する仮下地設定手段、
ベースデザインの領域であって、前記仮下地領域の外接多角形に対応した外形を有する仮デザイン領域を設定する仮デザイン設定手段、
前記下地が塗布された爪の下地領域を検出する下地領域検出手段、
前記下地領域検出手段が検出した、前記下地領域の外接多角形の外形に対して前記仮デザイン領域の外形を合わせるように前記仮デザイン領域を調整し、当該調整された仮デザイン領域のうち前記下地領域と重なる部分をデザイン領域として設定するデザイン設定手段、
として機能させることを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
【符号の説明】
【0057】
1 ネイルプリント装置
40 印刷部
50 撮影部
81 制御部
82 記憶部
823 フレンチデザインテーブル
A1 仮下地領域
A2 下地領域
B1 仮デザイン領域
B2 デザイン領域
D デザインデータ
F フレンチデザイン
K フレンチ形状データ
N 非印刷領域
C 外接四角形
T 爪輪郭